JP2005325067A - 第四級アンモニウム塩の精製方法及び該方法により調製された第四級アンモニウム塩 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡便かつ安価な工程で、高純度に精製可能な第四級アンモニウム塩の精製方法を提供することであり、また、電気二重層キャパシタ用非水電解液の電解質として好適な第四級アンモニウム塩を提供することである。
【解決手段】 第四級アンモニウム塩(例えば、一般式〔1〕で表される化合物。)を有機溶媒中に溶解させた後、該溶液を濾過する工程を有する第四級アンモニウム塩の精製方法であり、また、該精製方法によって得られた第四級アンモニウム塩である。酸成分Aが、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロフォスフェート、パーフルオロアルキルスルフォネート、ビスパーフルオロアルキルスルフォニルイミドからなる塩は、キャパシタ用途に好適である。
【化1】
(式中、R1〜R4は、それぞれ同一または異なってもよいアルキル基を表し、Aは、酸成分を表す。)
【選択図】 なし
【解決手段】 第四級アンモニウム塩(例えば、一般式〔1〕で表される化合物。)を有機溶媒中に溶解させた後、該溶液を濾過する工程を有する第四級アンモニウム塩の精製方法であり、また、該精製方法によって得られた第四級アンモニウム塩である。酸成分Aが、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロフォスフェート、パーフルオロアルキルスルフォネート、ビスパーフルオロアルキルスルフォニルイミドからなる塩は、キャパシタ用途に好適である。
【化1】
(式中、R1〜R4は、それぞれ同一または異なってもよいアルキル基を表し、Aは、酸成分を表す。)
【選択図】 なし
Description
本発明は、第四級アンモニウム塩の精製方法に関し、より詳しくは、電気二重層キャパシタ用非水電解液の電解質として好適な第四級アンモニウム塩の精製方法及び該方法により精製された第四級アンモニウム塩に関する。
従来、第四級アンモニウム塩の製造方法に関しては、例えば、第四級アンモニウムテトラフルオロボレート塩類においては、第四級アンモニウムクロライド、ブロマイド、ヒドロキシドと、ホウフッ化水素酸とを反応させる方法が提案されている(例えば、特許文献1乃至特許文献4参照)。
上記方法のほかに、無水フッ化水素酸を用いる製造方法、第四級アンモニウムフルオリドと三フッ化ホウ素またはその錯化合物とを反応させる製造方法、第三級アミンにハロゲン化アルキルを反応させた後引き続きホウフッ化水素酸を反応させる製造方法、第四級アンモニウム重炭酸塩とホウフッ化水素酸を反応させる製造方法が提案されている(例えば、特許文献5乃至8参照)。
しかし、上記第四級アンモニウムクロライド、ブロマイド等の第四級アンモニウムハライドとホウフッ化水素酸との反応によって得られる第四級アンモニウム塩には、原料に由来する塩素分または臭素分または中間工程で生じる微量のフッ化水素酸の不純物が混在するため、そのままでは電気二重層キャパシタ用非水電解液の電解質として供することは困難である。
従来、これらの不純物が混在する第四級アンモニウム塩は、通常、再結晶により精製されるが、該操作だけでは不純物を完全に除去することは困難である。
また、第四級アンモニウムヒドロキシド、無水フッ化水素酸、三フッ化ホウ素またはその錯化合物、第四級アンモニウム重炭酸塩を用いる製造方法には、それぞれ特殊な反応装置が必要であり、経済的に好ましくないという問題がある。
特許文献9には、第四級アンモニウム塩をアルコールに溶解させて懸濁溶液を得、その懸濁溶液を濾過することによって第四級アンモニウム塩を精製可能である旨記載されているが、この方法をもってしても、不純物を十分に除去できず、第四級アンモニウム塩を、簡便な工程で、かつ高純度に精製することが可能な方法が望まれていた。
本発明の目的は、上記課題を解決し、簡便かつ安価な工程で、高純度に精製可能な第四級アンモニウム塩の精製方法を提供することであり、また、電気二重層キャパシタ用非水電解液の電解質として好適な第四級アンモニウム塩を提供することである。
本発明者は鋭意検討した結果、第四級アンモニウム塩を特定の有機溶媒中に溶解させた後、濾過することにより不純物が除去され、簡便な工程で高純度の第四級アンモニウム塩を得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一般式〔1〕から一般式〔3〕で表される第四級アンモニウム塩を有機溶媒中に溶解させた後、該溶液を濾過する工程を包含することを特徴とする第四級アンモニウム塩の精製方法である。
一般式〔1〕中、R1〜R4は、それぞれ同一または異なってもよいアルキル基を表し、Aは、酸成分を表す。
一般式〔2〕中、R5は、アルキレン基を表し、R6及びR7は、それぞれ同一または異なってもよいアルキル基を表し、Aは酸成分を表す。
一般式〔3〕中、R8及びR9は、それぞれ同一または異なってもよいアルキレン基を表し、Aは酸成分を表す。
また、本発明は、一般式〔1〕から一般式〔3〕で表される第四級アンモニウム塩のアルキル基またはアルキレン基が、炭素数1〜7であることを特徴とする第四級アンモニウム塩の精製方法である。
また、本発明は、酸成分Aが、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロフォスフェート、パーフルオロアルキルスルフォネート、ビスパーフルオロアルキルスルフォニルイミドからなる群から選ばれる一種であることを特徴とする第四級アンモニウム塩の精製方法である。
また、本発明は、第四級アンモニウム塩が、第四級アンモニウムハライドと、酸成分Aのアルカリ金属塩とを反応させて合成されたものであることを特徴とする第四級アンモニウム塩の精製方法である。
また、本発明は、有機溶媒がカルボニル化合物からなることを特徴とする第四級アンモニウム塩の精製方法である。
また、本発明は、第四級アンモニウム塩が、本発明の第四級アンモニウム塩の精製方法により調製されてなることを特徴とする第四級アンモニウム塩である。
本発明の精製方法によれば、第四級アンモニウム塩を簡便かつ安価な工程で、高純度に精製することが可能であり、第四級アンモニウム塩中の不純物量を、フッ素濃度が100ppm以下、フッ素以外のハロゲン濃度が5ppm以下、K,Na,Caの濃度がそれぞれ5ppm以下と低減することが可能である。
また、本発明の精製方法により調製された第四級アンモニウム塩は、電気二重層キャパシタ用電解液の電解質として好適であり、長時間安定した性能を有する信頼性の高い電気二重層キャパシタを提供することができる。
本発明について、以下、詳細に説明する。
本発明に用いられる第四級アンモニウム塩は、前記一般式〔1〕から一般式〔3〕で表され、電気二重層キャパシタ用電解液の電解質として用いる場合は、該式中のアルキル基またはアルキレン基の炭素数が1から7の正整数で表される第四級アンモニウム塩が好ましい。
また、前記一般式〔1〕から一般式〔3〕中、酸成分Aとしては、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロフォスフェート、パーフルオロアルキルスルフォネート、ビスパーフルオロアルキルスルフォニルイミドを例示することができ、1.電導度が大きい、2.電気化学的に安定である、3.使用可能温度範囲が広い、といった電解質としての性能面から、テトラフルオロボレート及びヘキサフルオロフォスフェートが好ましく、より好ましくはテトラフルオロボレートである。
本発明に用いられる具体的な第四級アンモニウム塩としては、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、ジエチルジメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、エチルトリメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、ジメチルピロリジニウムテトラフルオロボレート、ジエチルピロリジニウムテトラフルオロボレート、エチルメチルピロリジニウムテトラフルオロボレート、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムテトラフルオロボレート、ジメチルピペリジニウムテトラフルオロボレート、ジエチルピペリジニウムテトラフルオロボレート、エチルメチルピペリジニウムテトラフルオロボレートがあげられ、その中でもトリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート及び/またはジエチルジメチルアンモニウムテトラフルオロボレートが特に好ましい。
本発明に用いられる第四級アンモニウム塩としては、不純物を含有する第四級アンモニウム塩であれば、特に限定されないが、本発明の精製方法による不純物の除去効果を鑑み、第四級アンモニウムハライドと、酸成分Aのアルカリ金属塩、例えばホウフッ化水素酸カリウム等との反応により調製されたものが好ましい。
本発明の第四級アンモニウム塩の精製方法は、上記方法により調製された第四級アンモニウム塩を、有機溶媒に溶解させた後、該溶液中に混在する不溶解物を濾過することにより、不純物量を効果的に低減させることができる。
第四級アンモニウム塩と有機溶媒の混合比は特に限定されないが、第四級アンモニウム塩100質量部に対して、有機溶媒が10〜1000質量部、好ましくは50〜500質量部であり、有機溶媒の混合比が、10質量部未満では、不純物除去効果が低くなる傾向にあり、また、500質量部超では、これ以上の精製効果は期待できず、逆に有機溶媒由来の不純物が第四級アンモニウム塩に取り込まれたり、本来濾過して除去すべき不純物が有機溶媒に溶解してしまう恐れがあり、不都合である。
上記有機溶媒の好ましい例としては、アセトン、エチルメチルケトン、プロピルメチルケトン、イソブチルメチルケトン等のカルボニル化合物があげられ、これら中でも、第四級アンモニウム塩の溶解性が高く、不純物を不溶解物として除去し易いアセトンが好ましい。
次に、第四級アンモニウム塩を有機溶媒に溶解させた後、濾過することにより、該溶液中に含まれる不純物を除去する。
濾過方法としては、特に限定されないが、吸引濾過法や加圧濾過法を適用することができ、濾過に用いるフィルターとしては、細孔径0.5乃至1.0μmのPTFE製フィルターを用いることができる。
次に、濾過操作により不純物を除去した溶液を、蒸留等により有機溶媒を除去し、濃縮させて、結晶を得る。ここで、結晶表面に付着した微量の不純物を除去するため、アルコール溶媒で洗浄することが望ましい。洗浄に使用するアルコール溶媒は、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールが好ましく、これらの中でも、2−プロパノール及び/またはエタノールは、第四級アンモニウム塩の溶解度が小さく、不純物のみを溶解させる効果に優れ、特に好ましい。
次に、上記結晶を乾燥させて本発明の第四級アンモニウム塩を得る。
本発明の精製方法は、第四級アンモニウム塩を有機溶媒中に溶解させた後、該溶液を濾過することにより、第四級アンモニウム塩を簡便かつ安価な工程で、高純度に精製することが可能であり、第四級アンモニウム塩中の不純物量を、フッ素濃度が100ppm以下、フッ素以外のハロゲン濃度が5ppm以下、K,Na,Caの濃度がそれぞれ5ppm以下と低減することが可能である。
また、上記精製方法により調製された第四級アンモニウム塩は、電気二重層キャパシタ用電解液の電解質として好適であり、長時間安定した性能を有する信頼性の高い電気二重層キャパシタを得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を、実施例に基づいて説明する。なお、本発明は実施例によりなんら限定されない。
実施例1
<第四級アンモニウム塩粗結晶の調製>
トリエチルメチルアンモニウムクロライド(以下、「TEMA−Cl」と略記する。)1525g(10mol)と、ホウフッ化水素酸カリウム1270g(10mol)とをアセトン5000g中で混合し、30℃で3時間撹拌した後、該溶液を0℃程度まで冷却し、充分不純物を析出させた後、細孔径0.5のPTFE製フィルターを用いて吸引濾過を行い、該濾液からアセトンを減圧除去した。
<粗結晶の精製>
上記方法で得られた第四級アンモニウム粗結晶に、2−プロパノールを5000g加え、0℃程度で1時間撹拌した後、濾過により結晶を取り出し、窒素気流中105℃で12時間乾燥して、精製結晶を得た。
<第四級アンモニウム塩粗結晶の調製>
トリエチルメチルアンモニウムクロライド(以下、「TEMA−Cl」と略記する。)1525g(10mol)と、ホウフッ化水素酸カリウム1270g(10mol)とをアセトン5000g中で混合し、30℃で3時間撹拌した後、該溶液を0℃程度まで冷却し、充分不純物を析出させた後、細孔径0.5のPTFE製フィルターを用いて吸引濾過を行い、該濾液からアセトンを減圧除去した。
<粗結晶の精製>
上記方法で得られた第四級アンモニウム粗結晶に、2−プロパノールを5000g加え、0℃程度で1時間撹拌した後、濾過により結晶を取り出し、窒素気流中105℃で12時間乾燥して、精製結晶を得た。
得られたトリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレートのフッ素イオン濃度、塩素イオン濃度及び金属不純物(K,Na,Ca)の濃度を表1に示す。
なお、フッ素イオン濃度、塩素イオン濃度は、陰イオンクロマトグラフィー法により、また、金属不純物濃度は、誘導結合プラズマ原子発光分析により測定した。
<精製結晶の評価>
次に、得られた精製結晶を、1.0mol/Lの濃度となるようにプロピレンカーボネート溶媒に溶解して、電気二重層キャパシタ用電解液を調製した。
<精製結晶の評価>
次に、得られた精製結晶を、1.0mol/Lの濃度となるようにプロピレンカーボネート溶媒に溶解して、電気二重層キャパシタ用電解液を調製した。
ついで、分極性電極として、活性炭粉末(粒径20μm、比表面積2,000m2/g)90質量部とポリテトラフルオロエチレン粉末10質量部をロールで混練、圧延して厚さ0.4mmのシートを作製した。このシートを、直径13mmφに打ち抜いて、円板状電極を作製した。
円板状電極2枚に、ポリプロピレン製セパレータを挟み込み、先に調製した電解液を真空含浸させた後、ステンレス製外装ケースに収容して、定格電圧3.3V、静電容量1.5Fのコイン型電気二重層キャパシタを完成した。
完成したキャパシタに、温度70℃の恒温槽中、電圧3.3Vを1,000時間印加させて長期信頼性試験を行った。初期及び1000時間後の静電容量値と、静電容量の変化率(%)を表2に示す。なお、キャパシタの静電容量は電圧3.3Vで1時間充電後、1mAで放電したときの電圧勾配から求め、表中の値は、サンプル15個の測定値の平均値である。
実施例2
TEMA−Clに代えて、ジエチルジメチルアンモニウムクロライド(以下、「DEDMA−Cl」と略記する。)1380g(10mol)を用いた以外は、実施例1と同様にして、ジエチルジメチルアンモニウムテトラフルオロボレートの粗結晶を得、該粗結晶を実施例1と同様の操作により精製した。得られた精製結晶について、実施例1と同様にして不純物濃度の測定を行い、結果を表1に示す。
TEMA−Clに代えて、ジエチルジメチルアンモニウムクロライド(以下、「DEDMA−Cl」と略記する。)1380g(10mol)を用いた以外は、実施例1と同様にして、ジエチルジメチルアンモニウムテトラフルオロボレートの粗結晶を得、該粗結晶を実施例1と同様の操作により精製した。得られた精製結晶について、実施例1と同様にして不純物濃度の測定を行い、結果を表1に示す。
次に、得られた精製結晶を、1.0mol/Lの濃度となるようにプロピレンカーボネート溶媒に溶解して、電気二重層キャパシタ用電解液を調製し、該電解液を用いた以外は、実施例1と同様にして電気二重層キャパシタを作製して、長期信頼性試験を行い、結果を表2に示す。
比較例1
特開2003−335736号公報記載の方法に準じて、TEMA−Clとホウフッ化水素酸のメタノール溶液から、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレートの粗結晶を得、該粗結晶を実施例1と同様の操作により精製した。得られた精製結晶について、実施例1と同様にして不純物濃度の測定を行い、結果を表1に示す。
特開2003−335736号公報記載の方法に準じて、TEMA−Clとホウフッ化水素酸のメタノール溶液から、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレートの粗結晶を得、該粗結晶を実施例1と同様の操作により精製した。得られた精製結晶について、実施例1と同様にして不純物濃度の測定を行い、結果を表1に示す。
次に、得られた精製結晶を、1.0mol/Lの濃度となるようにプロピレンカーボネート溶媒に溶解して、電気二重層キャパシタ用電解液を調製し、該電解液を用いた以外は、実施例1と同様にして電気二重層キャパシタを作製して、長期信頼性試験を行い、結果を表2に示す。
比較例2
特開2003−335736号公報記載の方法に準じて、DEDMA−Clとホウフッ化水素酸のメタノール溶液から、ジエチルジメチルアンモニウムテトラフルオロボレートの粗結晶を得、該粗結晶を実施例1と同様の操作により精製した。得られた精製結晶について、実施例1と同様にして不純物濃度の測定を行い、結果を表1に示す。
特開2003−335736号公報記載の方法に準じて、DEDMA−Clとホウフッ化水素酸のメタノール溶液から、ジエチルジメチルアンモニウムテトラフルオロボレートの粗結晶を得、該粗結晶を実施例1と同様の操作により精製した。得られた精製結晶について、実施例1と同様にして不純物濃度の測定を行い、結果を表1に示す。
次に、得られた精製結晶を、1.0mol/Lの濃度となるようにプロピレンカーボネート溶媒に溶解して、電気二重層キャパシタ用電解液を調製し、該電解液を用いた以外は、実施例1と同様にして電気二重層キャパシタを作製して、長期信頼性試験を行い、結果を表2に示す。
表1及び表2の結果から、比較例1及び2の、第四級アンモニウムハライドと酸成分との反応によって調製した第四級アンモニウム塩は、副成したハロゲンイオンの除去が非常に困難であり、その結果、電気二重層キャパシタの長期信頼性が乏しくなることが確認できた。
これに対し、実施例1及び2の、第四級アンモニウムハライドと酸成分のアルカリ金属塩との反応によって調製した第四級アンモニウム塩は、副成した不純物の除去が容易であり、その結果、電気二重層キャパシタの長期信頼性が向上することが確認できた。
本発明の製造方法である、第四級ハライドと酸のアルカリ金属塩とを反応させ、被精製第四級アンモニウム塩を有機溶媒中に溶解させる工程を用いることにより、電解質中の不純物を安価に低減することが可能であり、該第四級アンモニウム塩を電解質として含む電解液を用いて作製されてなることを特徴とする電気二重層キャパシタは、優れた長期信頼性を有し、小型電子機器から大型自動車用途まで、広範な産業分野においての使用が可能である。
Claims (10)
- 一般式〔1〕から一般式〔3〕で表される第四級アンモニウム塩のアルキル基またはアルキレン基が、炭素数1〜7であることを特徴とする請求項1に記載の第四級アンモニウム塩の精製方法。
- 酸成分Aが、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロフォスフェート、パーフルオロアルキルスルフォネート、ビスパーフルオロアルキルスルフォニルイミドからなる群から選ばれる一種であることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の第四級アンモニウム塩の精製方法。
- 第四級アンモニウム塩が、第四級アンモニウムハライドと、酸成分Aのアルカリ金属塩とを反応させて合成されたものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の第四級アンモニウム塩の精製方法。
- 有機溶媒がカルボニル化合物からなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の第四級アンモニウム塩の精製方法。
- 第四級アンモニウム塩100質量部を、有機溶媒10〜500質量部に溶解させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の第四級アンモニウム塩の精製方法。
- 第四級アンモニウム塩を有機溶媒中に溶解後、濾過する工程と、溶液中の有機溶媒を除去した後、第四級アンモニウム塩をアルコール溶媒により洗浄する工程とを包含することを特徴とする請求項1から請求項6に記載の第四級アンモニウム塩の精製方法。
- アルコール溶媒が、1−ブタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エタノールからなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項7に記載の第四級アンモニウム塩の精製方法。
- 第四級アンモニウム塩が、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の第四級アンモニウム塩の精製方法により調製されてなることを特徴とする第四級アンモニウム塩。
- 請求項9に記載の第四級アンモニウム塩において、不純物のフッ素濃度が100ppm以下、フッ素以外のハロゲン濃度が5ppm以下であり、かつ、K,Na,Caの濃度がそれぞれ5ppm以下であることを特徴とする第四級アンモニウム塩。
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