JP2008528658A - 新規のインスリン誘導体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、親インスリン部分のB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基又はA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基のいずれかに、アミド結合を介して結合した側鎖を有するインスリン誘導体であって、該側鎖が、少なくとも1つの芳香族基;少なくとも1つの遊離カルボン酸基又は中性pHで負の電荷をもつ基、炭素鎖中に4〜22の炭素原子を有する脂肪酸部分;及び該側鎖中の個々の成分がアミド結合を介して互いに結合している可能な一以上のリンカーを含むインスリン誘導体に関する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、生理的なpH値で可溶性であり、作用の延長されたプロフィールを有する、新規のヒトインスリン誘導体に関する。本発明はまた、そのような誘導体を提供する方法、それらを含む薬学的組成物、本発明のインスリン誘導体を用いて糖尿病及び高血糖を治療する方法、及び糖尿病及び高血糖の治療におけるそのようなインスリン誘導体の使用に関する。
現在、1糖尿病及び2型糖尿病の両方の糖尿病の治療は、いわゆる集中的なインスリン治療の程度の上昇に頼っている。この療法によれば、該患者は、食事に関連するインスリン要求をカバーするための迅速作用インスリンの大量瞬時注射によって補われる、基礎インスリン要求をカバーするための長期作用インスリンの1日1回又は2回の注射を含む、1日に複数回のインスリン注射を処置される。
長期作用のインスリン組成物は、当該分野で周知である。例えば、長期作用インスリン組成物の主要なタイプの一つは、インスリン結晶又はアモルファスのインスリンの注射可能な水性懸濁液を含む。それらの組成物において、用いられるインスリン化合物は、典型的には、プロタミンインスリン、亜鉛インスリン又はプロタミン亜鉛インスリンである。
ある種の欠点は、インスリン懸濁液の使用と付随している。例えば、正確な投与量を保証するために、該インスリン粒子は、定義された量の懸濁液をバイアルから引くか、又はカートリッジから排出する前に、穏やかな撹拌によって均一に懸濁されねばならない。また、インスリン懸濁液の貯蔵について、かたまりの形成又は凝固を避けるために、温度をインスリン溶液についてのものよりもより狭い制限内に維持する必要がある。
長期作用のインスリン組成物の他のタイプは、溶液が注射された場合にpH値が上昇するために、インスリンが沈殿する生理学的pHより低いpH値を有する溶液である。それらの溶液の欠点は、沈殿物の粒子サイズ分布が、注射の際に組織中で形成し、これにより、薬物の放出プロフィールが、注射部位の血流及び予測不可能な様式の他のパラメーターに依存することである。さらなる欠点は、インスリンの固体粒子が注射部位の組織の炎症を引き起こす局所的な刺激薬として作用し得ることである。
ヒトインスリンは、A-鎖及びB-鎖のN-末端基及びLysB29のε-アミノ基の3つの一級アミノ基を有する。それらの基の一以上において置換されたインスリン誘導体が、当該分野で知られている。例えば、米国特許第3,528,960 (Eli Lilly)は、インスリン分子の1つ、2つ又は3つの一級アミノ基がカルボキサロイル基を有する、N-カルボキサロイルインスリンに関する。
GB特許第1.492.997 (Nat. Res. Dev. Corp.)は、低血糖性効果の改善されたプロフィールが主張された、NεB29でのカルバミル置換を有するインスリンを開示している。
JP公開番号1-254699 (Kodama Co.、Ltd.)は、脂肪酸がPheB1のアミノ基又はLysB29のε-アミノ基又はそれらの両方に結合したインスリンを開示している。誘導体化の述べられた目的は、薬理学的に許容される、安定なインスリン製剤を得ることである。
ヌクレオチドのトリプレットによって必ずしもコードされ得ない、少なくとも5つの炭素原子を有するアミノ酸をB30位置に有するインスリンが、日本公開特許出願第57-067548 (Shionogi)に開示されている。該インスリン類似体は、真性糖尿病の治療、特にウシ又はブタインスリン抗体の産生が原因のインスリン耐性である患者において有用であると主張されている。
WO 95/07931 (Novo Nordisk A/S)は、ヒトインスリン誘導体(ここで、LysB29のε-アミノ基が親油性置換基を有する)を開示している。それらのインスリン誘導体は、延長された作用プロフィールを有し、生理学的pH値で可溶性である。
GP 894095はインスリン誘導体(ここで、B-鎖のN-末端基及び/又はB28、B29又はB30位置のLysのε-アミノ基は、式 -CO-W-COOH(式中、Wは長鎖炭化水素基であってよい)の置換基を有する)を開示している。それらのインスリン誘導体は、延長された作用プロフィールを有し、生理学的pH値で可溶性である。
しかしながら、現在までに知られているインスリン誘導体よりもより延長された作用プロフィールを有し、同時に、生理学的pH値で可溶性であり、ヒトインスリンに匹敵する効力を有するインスリンがなお求められている。
発明の概要
本発明は、インスリン誘導体分子の全体的な疎水性が、該誘導体のインビボでの効力に重要な役割を果たしているという認識に基づくものである。
一つの側面において、本発明は、親インスリン部分のB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基又はA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基のいずれかに、アミド結合を介して結合した側鎖を有するインスリン誘導体であって、該側鎖が、少なくとも1つの芳香族基;少なくとも1つの遊離カルボン酸基又は中性pHで負の電荷をもつ基、炭素鎖中に4〜22の炭素原子を有する脂肪酸部分;及び該側鎖中の個々の成分がアミド結合を介して互いに結合している可能な一以上のリンカーを含み、但し、前記脂肪酸部分は、式 -(CH2)v4C6H4(CH2)W1 -の二価の炭化水素鎖(式中、v及びwは、v4及びw1の合計が6〜30の範囲であるような整数であるか又はその一つはゼロである)ではない、インスリン誘導体に関する。
一つの側面において、該芳香族基は、-COOH、-SO3H、-PO3H2及びテトラゾリルから選択される一又は二の基で置換され得る、アリーレン又はヘテロアリーレン基である。
他の側面において、該芳香族基は、窒素、酸素及び硫黄から選択される一以上ヘテロ原子を含む5〜7員の複素環系である。
他の側面において、該芳香族基は、窒素、酸素及び硫黄から選択される一以上ヘテロ原子を含む、8〜14員の二-又は三環式の複素環系である。
さらに他の側面において、該リンカーは、アミド結合を介して互いに結合した、その少なくとも1つが遊離カルボン酸基又は中性pHで負の電荷をもつ基を有する1〜4のアミノ酸残基を含む。
さらに他の側面において、該脂肪酸部分は、10〜20、12〜18又は14〜18の炭素原子を有する。
一つの側面において、本発明のインスリン誘導体は、下式を有し、
Figure 2008528658
式中、Insは親インスリン部分であり、インスリン部分のB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基又はインスリン部分のB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基を介して、前記側鎖中のCO-基にアミド結合を介して結合し;
X 1 は、
・-(CH2)n (ここで、nは1、2、3、4、5又は6である);
・NR(ここで、Rは水素又は-(CH2)p-COOH;-(CH2)p-SO3H;-(CH2)p-PO3H2;-(CH2)p-O-SO3H2;-(CH2)p-O-PO3H2;1又は2の-(CH2)p-O-COOH基で置換されたアリーレン;-(CH2)p-テトラゾリル(ここでpは1〜6の整数である)である);
・-(CR1R2)q-NR-CO-(ここでR1及びR2 は互いに独立して、及び各q値に独立的に、H、-COOH、又はOHであってよく、qは1〜6であり、Rは上記定義の通りである);
・-((CR3R4)q1-NR-CO)2-4-(ここでR3及びR2 は互いに独立して、及び各q1 の値に独立的に、H、-COOH、又はOHであってよく、q1 は1〜6であり、Rは上記定義の通りである);又は
・単結合
であり;
Wは、アリーレン又はヘテロアリーレンであり、-COOH、-SO3H、及び-PO3H2及びテトラゾリルからなる群より選択される1つ又は2つの基で置換されてよく、或いはWは単結合であり;
mは0、1、2、3、4、5又は6であり;
Xは、
・-O-;
Figure 2008528658
(ここでRは上記で定義されたとおりである);又は
・単結合
であり;
Yは、
・-(CR1R2)q-NR-CO-(ここでR1及びR2は互いに独立して、及び各qの値に独立的に、H、-COOH、単結合又はOHであってよく、qは1〜6であり;及びRは上記定義の通りである);
・NR(ここでR は上記定義の通りである);
・-((CR3R4)q1-NR-CO)2-4-(ここでR3及びR2 は互いに独立して、及び各q1の値に独立的に、H、-COOH、又はOHであってよく、q1 は1〜6であり、Rは上記定義の通りである);又は
・単結合;
であり;
Qは、
・-(CH2)r-(ここでrは4〜22の整数である);
・1、2又は3の-CH=CH-基及び該鎖中の炭素原子の合計数を4〜22の範囲で与えるのに十分な数の-CH2-基を含む、二価の炭化水素鎖;又は
・式-(CH2)s -Q1-(C6H4)v1-Q2-(CH2)W -Q3-(C6H4)v2-Q4-(CH2)t-Q5-(C6H4)v3-Q6-(CH2)z-の二価の炭化水素鎖(式中、Q1-Q6 は互いに独立して、O;S又は単結合であってよく;s、w、t及びzは互いに独立して、s、w、t及びzの合計が4〜22の範囲になるような、ゼロ又は1〜10の整数であり、v1、v2、及びv3 は互いに独立して、ゼロ又は1であってよい)、
であり、
但し、Wが単結合の場合は、Qは、式-(CH2)v4C6H4(CH2)W1 -(式中、v4及びw1 は、v4及びw1 の合計が6〜22の範囲になるような整数であるか又はその一つがゼロである)の二価の炭化水素鎖ではない;及び
Zは:
-COOH;
-CO-Asp;
-CO-Glu;
-CO-Gly;
-CO-Sar;
-CH(COOH)2;
-N(CH2COOH)2;
-SO3H
-PO3H2;
O-SO3H;
O-PO3H2;
-テトラゾリル 又は
-O-W1
(ここでW1 は-COOH、-SO3H、及び-PO3H2及びテトラゾリルから選択される1つ又は2つの基で置換された、アリーレン又はヘテロアリーレンである)
であり、
但し、Wが単結合であり、v1、v2及びv3が全てゼロであり、Q1-6が全て単結合である場合、ZはO-W1である;
或いは、それらの任意のZn2+複合体である。
本発明の一つの側面において、該側鎖は、親インスリンのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基に結合する。
本発明の他の側面において、該側鎖は、親インスリンのB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に結合する。さらなる側面において、該側鎖はB鎖の位置28又は29に存在するLys残基のε-アミノ基に結合する。
一つの側面において、Wはフェニレンである。フェニレン基が置換基を含む場合、そのような置換基は、1,4;1,3又は1,2の位置で結合することができる。
さらなる側面において、Wはイソフタル酸又はそれらの誘導体である。
他の側面において、Wは、窒素、酸素又は硫黄を含む5-7員の複素環系、又は、フランのような少なくとも1つの酸素を含む5員の複素環系である。
複素環系の非限定的な例は、フリレン、チエニレン、ピロリレン、オキサゾリレン、チアゾリレン、イミダゾリレン、イソキサゾリレン、イソチアゾリレン、1,2,3-トリアゾリレン、1,2,4-トリアゾリレン、ピラニレン、ピリジレン、ピリダジニレン、及びピリミジニレンである。
一つの側面において、nは1又は2である。他の側面において、qは1、2又は3である。さらなる側面において、mは1又は2である。
一つの側面において、Qは-(CH2)r-であり、ここでrは4〜22、8〜20、12〜20、12〜16、10〜16;10〜20、14〜18又は14〜16の整数である。
他の側面において、Qは1、2又は3の-CH=CH-基及び4〜22、8〜20、12〜20、12〜16、10〜16;10〜20、14〜18又は14〜16の範囲で該鎖中の炭素原子の合計数を与えるのに十分な数の-CH2-基を含む、二価の炭化水素鎖である。
脂肪二酸は典型的には、4〜18、6〜18、8〜16、8〜22、8〜17、8〜15、10〜18、10〜16及び6〜17の炭素原子を該炭素鎖中に含む。
脂肪二酸部分の非限定的な例は、式HOOC-(CH2)r1-COOHを有する二酸であり、ここでr1 は4〜22である。
一つの側面において、Q1-Q6 は全て単結合であり、s、w、t及びzの合計は6〜18である。
他の側面において、Q1-Q6 は全て単結合であり、s及びzの合計は6〜18であり、w及びtはゼロである。
他の側面において、Q1-Q6 は全て単結合であり、v1はゼロであり、s及びzの合計は6〜18であり、w及びtはゼロである。
他の側面において、Q1-Q6の二つは酸素であり、他のQは単結合である。
一つの側面において、Q1、Q2、Q5及び-Q6 は全て単結合であり、v2は1であり、v1及びv3はゼロである。
他の側面において、Q1、Q2、Q5及び-Q6 は全て単結合であり、v2は1であり、v1及びv3はゼロであり、Q3及びQ4は酸素である。
一つの側面において、Rは水素又は-(CH)pであり、ここでpは1〜3である。
一つの側面において、X1は-(CH2)1-4-NH-CO-である。
他の側面において、X1 及びYは単結合であり、Xは
Figure 2008528658
(式中、Rは-(CH2)p-COOHであり、ここでpは1〜4又は1〜2である)
である。
他の側面において、Xは単結合又はα-又はγ-Gluである。
一つの側面において、Zは-COOHである。
他の側面において、Zは-CO-Aspである。
他の側面において、Zは-CO-Gluである。
他の側面において、Zは-CO-Glyである。
他の側面において、Zは-CO-Sarである。
他の側面において、Zは-CH(COOH)2である。
他の側面において、Zは-N(CH2COOH)2である。
他の側面において、Zは-SO3Hである。
他の側面において、Zは-PO3Hである。
他の側面において、ZはO-SO3Hである。
他の側面において、ZはO-PO3H2である。
他の側面において、Zはテトラゾリルである。
他の側面において、Zは-OC6H4COOHである。
発明の詳細な説明
本発明のインスリン誘導体は、親インスリン部分のB鎖又はA鎖の何れかのLys基に結合したか、又は親インスリン分子のB-鎖のN-末端アミノ基に結合した側鎖を有し、該側鎖が芳香族基及び脂肪二酸部分を含むことを特徴とする。本発明に従うインスリン誘導体は、さらに、該側鎖に少なくとも1つの遊離カルボン酸基を有することを特徴とし、及び、2又は3までの遊離カルボン酸基又は中性pHで負の電荷をもつ基を含み得る。
該インスリン誘導体は、1つのリジン残基のみを含む。このリジン残基は、ヒトインスリンでのB29位置で、又はB3、B30又はB23〜B28の位置の一つの何れかであり得る。
本発明のインスリン誘導体のインスリン部分−本明細書では、親インスリンとも称する−は、ヒトインスリン又はブタインスリンのような天然のインスリンであってよい。或いは、該親インスリンはインスリン類似体であってよい。
親インスリン類似体の一つのグループにおいて、A21位置の該アミノ酸残基はAsnである。
親インスリン類似体の他のグループにおいて、A21位置の該アミノ酸残基はGlyである。このグループの類似体の具体的な例は、GlyA21ヒトインスリン、GlyA21des(B30)ヒトインスリン;及びGlyA21ArgB31ArgB32 ヒトインスリンである。
親インスリン類似体の他のグループにおいて、B1位置の該アミノ酸残基は欠失している。このグループの親インスリン類似体の具体的な例はdesB1ヒトインスリンである。
親インスリン類似体の他のグループにおいて、B30位置の該アミノ酸残基は欠失している。このグループの親インスリン類似体の具体的な例はdesB30ヒトインスリンである。
親インスリン類似体の他のグループにおいて、B28位置の該アミノ酸残基はAspである。このグループの親インスリン類似体の具体的な例は、はAspB28ヒトインスリンである。
親インスリン類似体の他のグループにおいて、B28位置の該アミノ酸残基はLysであり、B29位置の該アミノ酸残基はProである。このグループの親インスリン類似体の具体的な例はLysB28ProB29ヒトインスリンである。
他のグループの親インスリン類似体において、B30位置の該アミノ酸残基はLysであり、B29位置の該アミノ酸残基は、Cys、Met、Arg及びLysを除いた、任意のコード可能なアミノ酸である。一つの例は、B29位置におけるアミノ酸残基がThrであり、及びB30位置におけるアミノ酸残基がLysであるインスリン類似体である。このグループの親インスリン類似体の具体的な例は、ThrB29LysB30ヒトインスリンである。
他のグループの親インスリン類似体において、B3位置の該アミノ酸残基はLysであり、B29位置の該アミノ酸残基はGluである。このグループの親インスリン類似体の具体的な例はLysB3GluB29ヒトインスリンである。
本発明のインスリン誘導体の例は、以下の化合物である:
NεB29-[N-(HOOC(CH2)14CO)-N-(カルボキシエチル)-CH2-パラC6H4CO] desB30ヒトインスリン;NεB29-[N-(HOOC(CH2)13CO)-N-(カルボキシエチル)-CH2-パラC6H4CO] desB30ヒトインスリン;NεB29-[N-(HOOC(CH2)15CO)-N-(カルボキシエチル)-CH2-パラC6H4CO] desB30ヒトインスリン;
NεB29-[N-(HOOC(CH2)16CO)-N-(カルボキシエチル)-CH2-パラC6H4CO] desB30ヒトインスリン;
NεB29-[N-(HOOC(CH2)14CO)-N-(カルボキシメチル)-パラC6H4CO] desB30ヒトインスリン;
NεB29-[N-(HOOC(CH2)14CO)-N-(カルボキシエチル)-CH2-(-2,5-フラニレン)CO] desB30ヒトインスリン;
NεB29-[N-(HOOC(CH2)14CO)-N-(カルボキシエチル)-CH2-メタ-C6H4CO] desB30ヒトインスリン;
NεB29-[N-(HOOC(CH2)14CO)-N-(カルボキシエチル)-CH2-オルトC6H4CO] desB30ヒトインスリン;
NεB29-[N-(HOOC(CH2)14CO)-NH-CH2-パラ-C6H4CO-ガンマ-Glu] desB30ヒトインスリン;
NεB29-[5-N-(HOOC(CH2)14CO)NH-(3-COOH-C6H3CO)]desB30ヒトインスリン;
NεB29- -[5-N-(HOOC(CH2)16CO)NH-(3-COOH-C6H3CO)]desB30ヒトインスリン;及び
NεB29-[5-N-(HOOC(CH2)16CO)-N-(カルボキシエチル-Gly)-N-(3-COOH-C6H3CO)]desB30ヒトインスリン及び
NεB29ε -[3-カルボキシ-5-(オクタデカンジオイル-N-カルボキシエチル-Gly)アミノ-ベンゾイル] desB30ヒトインスリン。
本発明のインスリン誘導体は、本質的に亜鉛を含まない化合物の形態で、又は、亜鉛複合体の形態で提供され得る。本発明のインスリン誘導体の亜鉛複合体が提供される場合、2つのZn2+イオン、3つのZn2+イオン又は4つのZn2+イオンが各インスリン六量体に結合し得る。インスリン誘導体の亜鉛複合体の溶液は、そのような種の混合物を含む。
本発明のさらなる側面において、治療的有効量の本発明のインスリン誘導体を、薬学的に許容される担体と共に含む薬学的組成物は、そのような治療を必要とする患者における、1型糖尿病、2型糖尿病及び高血糖を引き起こす他の状態の治療のために提供されることができる。本発明のインスリン誘導体は、1型糖尿病、2型糖尿病及び高血糖を引き起こす他の状態の治療における使用のための、薬学的組成物の製造のために用いられることができる。
本発明のさらなる側面において、そのような治療を必要とする患者において、1型糖尿病、2型糖尿病及び高血糖を引き起こす他の状態を治療するための、治療的有効量の本発明のインスリン誘導体を、作用が迅速に始まるインスリン又はインスリン類似体との混合物中で、薬学的に許容される担体及び添加剤と共に含む、薬学的組成物が提供される。
本発明のさらなる側面において、1型糖尿病、2型糖尿病及び高血糖を引き起こす他の状態を、そのような治療を必要とする患者において治療するための方法が提供され、該方法は、該患者に治療的有効量の本発明のインスリン誘導体を、薬学的に許容される担体及び薬学的許容される添加剤と共に投与することを含む。
本発明のさらなる側面において、1型糖尿病、2型糖尿病及び高血糖を引き起こす他の状態を、そのような治療を必要とする患者において治療する方法が提供され、該方法は、該患者に治療的有効量の本発明のインスリン誘導体を、作用が迅速に始まるインスリン又はインスリン類似体との混合物中で、薬学的に許容される担体及び薬学的に許容される添加剤と共に投与することを含む。
本発明のさらなる側面において、血中グルコースを低下させるための薬物の製造のための、本発明のインスリン誘導体の使用が提供される。
本発明のさらなる側面において、糖尿病の治療のための薬物の製造のための、本発明のインスリン誘導体使用が提供される。
さらなる側面において、本発明は、本質的にヒトインスリンと同じ全体的な疎水性を有するインスリン誘導体に関する。
一つの側面において、本発明のインスリン誘導体は、約0.02〜約10、約0.1〜約5;約0.5〜約5;又は約0.5〜約2の範囲の、疎水性インデックスk'relを有する。
他の側面において、本発明は、生理学的pH値で可溶性である本発明のインスリン誘導体を含む薬学的組成物に関する。
他の側面において、本発明約6.5〜約8.5の間隔のpH値で可溶性である本発明のインスリン誘導体を含む薬学的組成物に関する。
他の側面において、本発明は、本発明のインスリン誘導体を含む延長された作用プロフィールを有する薬学的組成物に関する。
他の側面において、本発明は、約120 nmol/ml〜約2400 nmol/ml、約400 nmol/ml〜約2400 nmol/ml、約400 nmol/ml〜約1200 nmol/ml、約600 nmol/ml〜約2400 nmol/ml、又は約600 nmol/ml〜約1200 nmol/mlの、本発明のインスリン誘導体又は本発明のインスリン誘導体と迅速作用インスリン類似体との混合物を含有する溶液である、薬学的組成物に関する。
アシル化の開始産物は、該親インスリン又はインスリン類似体又はそれらの前駆体が、周知の有機合成によって又は適切な形質転換微生物中での周知の組換え産生によってのいずれかで産生されることができる。例えば、インスリン開始物質は、ポリペプチドをコードするDNA配列を含み、該ペプチドの発現を可能にする条件下で、適切な栄養培地中で該ポリペプチドを発現することが可能な宿主細胞を培養すること、その後に、得られたペプチドを該培養物から回収することを含む方法によって産生されることができる。例として、desB(30)ヒトインスリンは、米国特許第4916212号に開示されたように、酵母中で産生されるヒトインスリン前駆体B(1-29)-Ala-Ala-Lys-A(1-21)から産生されることができる。このインスリン前駆体は、次いで、Ala-Ala-Lysペプチド鎖のALP切断によって、desB30ヒトインスリンに転換されて、次にアシル化されて本発明のインスリン誘導体を与えることができるdesB30ヒトインスリンを与えることができる。
細胞を培養するために用いる培地は、宿主細胞の増殖に適するものであれば任意の従来の培地であってよく、適切な補充を含む最小培地又は複合培地であってよい。適切な培地は、商業的な供給者から入手可能であり、或いは、公開された処方(例えば、the American Type Culture Collectionのカタログに)に従って調製できる。細胞によって産生されたペプチドは、次いで、問題のペプチドのタイプに依存して、遠心分離又は濾過による該宿主細胞の該培地からの分離、例えば硫酸アンモニウムのような塩による上清又は濾液のタンパク質成分の沈殿、例えばイオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィーなどのような種々のクロマトグラフィー方法による精製を含む、従来方法によって、該培養培地から回収される。
親インスリンをコードするDNA配列は、ゲノム又はcDNA起源が適しており、例えば、ゲノムの又はcDNAライブラリーを調製し、標準的な技術(例えば、「Sambrook、J、Fritsch、EF and Maniatis、T、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、New York、1989」を参照されたい)に従って、合成オリゴヌクレオチドプローブを用いたハイブリダイゼーションによってポリペプチドの全部又は一部をコードするDNA配列をスクリーニングすることによって得られる。該ポリペプチドをコードするDNA配列は、例えば「the phosphoamidite method described by Beaucage and Caruthers、 Tetrahedron Letters 22 (1981)、1859-1869」、又は「the method described by Matthes et al.、EMBO Journal 3 (1984)、801-805」のような、確立された標準的な方法によって合成的に調製されることもできる。該DNA配列は、特異的プライマー、例えば「US 4,683,202」又は「Saiki et al.、Science 239 (1988)、487-491」に開示されたようなプライマーを用いて、ポリメラーゼチェーンリアクションにより調製されることもできる。
DNA配列は、組換えDNA方法に都合よく供される任意のベクター中に挿入されてよく、そのベクターの選択は、それが導入される宿主細胞に多く依存する。例えば、該ベクターは、自律的複製ベクター、即ち、染色体外実体として存在し、その複製が染色体の複製に依存しないベクター、例えば、プラスミドであってよい。或いは、該ベクターは、宿主細胞に導入された時、該宿主細胞のゲノムに組込まれ、それが組込まれた染色体と共に複製されるものであってもよい。
該ベクターは好ましくは、該ペプチドをコードするDNA配列がDNAの転写に必要なさらなるセグメント、例えばプロモーターに操作可能に結合された発現ベクターである。該プロモーターは、選択された宿主細胞中で転写活性を示す任意のDNA配列であってよく、該宿主細胞に相同性又は異種性の何れかのタンパク質をコードする遺伝子に由来し得る。種々の宿主細胞において親インスリンをコードするDNAの転写を指示する適切なプロモーターの例は、当該分野では周知であり、例えば「Sambrook et al.、supra」が参照される。
親インスリンをコードするDNA配列は、必要であれば、適切なターミネーター、ポリアデニル化シグナル、転写エンハンサー配列、及び翻訳エンハンサー配列に操作可能に結合されてもよい。本発明の組換えベクターは、さらに、問題の宿主細胞中で該ベクターを複製可能なDNA配列を含んでも良い。
該ベクターは、選択的マーカー、例えば、その産物が宿主細胞の欠陥を補う遺伝子、或いは、例えばアンピシリン、カナマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、ネオマイシン、ハイグロマイシン又はメトトレキセートのような薬物に対する耐性を与えるものを含んでもよい。
本発明のペプチドを宿主細胞の分泌経路に方向づけるために、分泌シグナル配列(リーダー配列、プレプロ配列又はプレ配列としても知られる)を組換えベクター中に与えることができる。該分泌シグナル配列は、該ペプチドをコードするDNA配列に正確なリーディングフレームで結合される。分泌シグナル配列は、一般に、該ペプチドをコードするDNA配列の5’に位置される。該分泌シグナル配列は、通常は該ペプチドに付随するものであってよく、或いは他の分泌されるタンパク質をコードする遺伝子からのものであってもよい。
親インスリンをコードするDNA配列、前記プロモーター及び任意のターミネーター及び/又は分泌シグナル配列をそれぞれライゲートするために用いられる方法、及び、それらを、複製のために必要な情報を含む適切なベクターに挿入するために用いられる方法は、当該分野の技術者には周知である(例えば、「Sambrook、J、Fritsch、EF and Maniatis、T、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、New York、1989」を参照されたい)。
該DNA配列又は組換えベクターが導入される宿主細胞は、親インスリンを産生できる任意の細胞であってよく、細菌、酵母、真菌及び高等真核細胞を含む。周知であって当該分野で用いられる適切な宿主細胞の例は、これに限定されないが、大腸菌、酵母(Saccharomyces cerevisiae)、又は哺乳類のBHK又はCHO細胞株である。
親インスリン分子は、B1位置又はB-鎖中の選択されたLys位置の何れかにおける、関連する側鎖の導入によって、本発明のインスリン誘導体に転換される。該側鎖は、都合のよい任意の方法によって導入されることができ、多くの方法が、アミノ基のアシル化についての先行文献中に開示されている。さらなる詳細は以下の例から明らかとなる。
薬学的組成物
本発明のインスリン誘導体を含む薬学的組成物は、そのような治療を必要とする患者に非経口的に投与されてよい。非経口的投与は、皮下注射、筋肉内注射又は静脈内注射で、シリンジ、任意にはペン様シリンジによって行われて良い。或いは、非経口的投与は、注入ポンプを用いて行うことができる。さらなる選択肢は、インスリンを鼻又は肺に、好ましくは該目的のために特に設計された組成物、粉末又は液体で投与することである。
本発明のインスリン誘導体の注射用組成物は、所望の最終産物を与えるために、適切に成分を溶解し混合することを含む、製薬工業の通常の技術を用いて調製することができる。例えば一つの方法に従うと、本発明のインスリン誘導体は、調製されるべき組成物の最終用量よりも幾分少ない量の水に溶解される。等張剤、保存剤及び緩衝剤を必要に応じて加え、該溶液のpH値を−必要であれば−例えば塩酸のような酸を用いて、又は、例えば水性水酸化ナトリウムのような塩基を用いて、必要に応じて調節する。最後に、該溶液の用量を水で調節し、該成分の所望の濃度にする。
本発明のさらなる側面において、該緩衝剤は、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸塩、グリシルグリシン、ヒスチジン、グリシン、リジン、アルギニン、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、及びトリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、ビシン(bicine)、トリシン(tricine)、リンゴ酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、アスパラギン酸又はそれらの混合物からなる群より選択される。それらの具体的な緩衝剤の各々は、本発明の代替の態様を構成する。
本発明のさらなる側面において、該製剤は、さらに、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、メチルp-ヒドロキシベンゾエート、プロピルp-ヒドロキシベンゾエート、2-フェノキシエタノール、ブチルp-ヒドロキシベンゾエート、2-フェニルエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、及びチオメロサール、ブロノポール、安息香酸、イミドウレア(imidurea)、クロロヘキシジン、ナトリウムデヒドロアセテート、クロロクレゾール、エチルp-ヒドロキシベンゾエート、塩化ベンゼトニウム、クロルフェネシン(3p-クロルフェノキシプロパン-1,2-ジオール)又はそれらの混合物から成る群から選択される薬学的に許容される保存剤を含む。本発明のさらなる側面において、該保存剤は、0.1 mg/ml〜20 mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる側面において、該保存剤は、0.1 mg/ml〜5 mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる側面において、該保存剤は、5 mg/ml〜10 mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる側面において、該保存剤は、10 mg/ml〜20 mg/mlの濃度で存在する。それらの具体的な保存剤の各々は、本発明の代替の態様を構成する。薬学的組成物中の保存剤の使用は、当業者には周知である。「Remington: The Science and Practice of Pharmacy、19th edition、1995」が都合よく参照に用いられる。
本発明のさらなる側面において、該製剤はさらに、塩(例えば、塩化ナトリウム)、糖又は糖アルコール、アミノ酸(例えば、グリシン、L-ヒスチジン、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、スレオニン)、アルジトール(例えば、グリセロール(グリセリン)、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール)ポリエチレングリコール(例えば、PEG400)、又はそれらの混合物から成る群から選択され得る等張剤を含む。モノ-、ジ-、又はポリサッカリド、又は、例えばフルクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、可溶性スターチ、ヒドロキシエチルスターチ及びカルボキシメチルセルロース-Naを含む水に可溶性のグルカンのような任意の糖が用いられ得る。一つの側面において、該糖添加物はスクロースである。糖アルコールは、少なくとも1つの-OH基を有するC4-C8炭化水素として定義され、例えば、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、ガラクチトール、ズルシトール、キシリトール、及びアラビトールを含む。一つの側面において、該糖アルコール添加物はマンニトールである。上記の糖又は糖アルコールは、個々に又は組合せて用いられ得る。糖又は糖アルコールが液体製剤に可溶性であり、また、本発明の方法を用いて達成される安定化効果に不利に影響しない限り、用いられる量は制限されない。一つの側面において、該糖又は糖アルコールの濃度は、約1 mg/ml〜約150 mg/mlである。本発明のさらなる側面において、該等張剤は1 mg/ml〜50 mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる側面において、該等張剤は1 mg/ml〜7 mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる側面において、該等張剤は、8 mg/ml〜24 mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる側面において、該等張剤は、25 mg/ml〜50 mg/mlの濃度で存在する。それらの具体的な等張剤の各々は、本発明の代替の態様を構成する。薬学的組成物における等張剤の使用は、当業者には周知である。「Remington: The Science及びPractice of Pharmacy、19th edition、1995」が都合よく便利にできる。
典型的な等張剤は、塩化ナトリウム、マンニトール、ジメチルスルホン及びグリセロールであり、典型的な保存剤は、フェノール、m-クレゾール、メチルp-ヒドロキシベンゾエート及びベンジルアルコールである。
適切な緩衝剤の例は、酢酸ナトリウム、グリシルグリシン、HEPES (4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)及びリン酸ナトリウムである。
本発明のインスリン誘導体の鼻投与のための組成物は、例えば、欧州特許第272097 (to Novo Nordisk A/S)に開示されているように調製される。
本発明のインスリンを含む組成物は、インスリンに感受性の状態の治療において用いることができる。例えば、それらは、1型糖尿病、2型糖尿病及び例えば重大に傷害された個人及び大手術を受けた個人に時折見られるような高血糖の治療において用いられ得る。任意の患者に最適な投与量のレベルは、用いられる具体的なインスリン誘導体の効力、該患者の年齢、体重、肉体的活動性、及び食餌を含む種々の要因、他の薬物とのあり得る組合せ、及び治療されるべき状態の重篤度に依存する。本発明のインスリン誘導体の1日の投与量は、当業者によって、既知のインスリン組成物についてと同様の方法で、各個人の患者について決定されることが推奨される。
都合が良い場合は、本発明のインスリン誘導体は、他のタイプのインスリン、例えば、作用がより迅速に開始するインスリン類似体との混合物中で用いられ得る。そのようなインスリン類似体の例は、例えば、欧州特許出願(公開番号EP 214826)(Novo Nordisk A/S)、EP 375437 (Novo Nordisk A/S)及びEP 383472 (Eli Lilly & Co.)に開示されている。
本発明のさらなる側面において、本発明の化合物は、任意の適切な割合で、一以上のさらなる活性物質と組合せて投与される。そのようなさらなる活性薬剤は、抗糖尿病薬、抗高脂血症剤、抗肥満症剤、抗高血圧剤及び糖尿病の結果の又は糖尿病に付随する合併症の治療のための薬剤から選択され得る。
適切な抗糖尿病薬は、インスリン、WO 98/08871 (Novo Nordisk A/S)に開示されたようなGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)誘導体(参照によって本明細書に援用される)、並びに、経口的に活性な血糖降下薬を含む。
適切な、経口的に活性な血糖降下薬は、好ましくは、イミダゾリン、スルホニルウレア、ビグアニド、メグリチニド、オキサジアゾリジンジオン、チアゾリジンジオン、インスリン感作物質、α-グルコシダーゼ阻害剤、膵臓β-細胞のATP-依存性カリウムチャンネルに作用する薬剤、例えば、WO 97/26265、WO 99/03861及びWO 00/37474 (Novo Nordisk A/S)(参照によって本明細書に援用される)に開示されたようなカリウムチャンネルオープナー、オルミチグリニド(ormitiglinide)のようなカリウムチャンネルオープナー、ナテグリニド又はBTS-67582のようなカリウムチャンネルブロッカー、WO 99/01423及びWO 00/39088 (Novo Nordisk A/S及びAgouron Pharmaceuticals、Inc.)(その全てが参照によって本明細書に援用される)に開示されたようなグルカゴンアンタゴニスト、WO 00/42026 (Novo Nordisk A/S及びAgouron Pharmaceuticals、Inc.)(参照によって本明細書に援用される)に開示されたようなGLP-1アゴニスト、DPP-IV(ジペプチジルペプチダーゼ-IV)阻害剤、PTPase(タンパク質チロシンホスファターゼ)阻害剤、糖新生および/またはグリコーゲン分解の刺激に関与する肝臓酵素の阻害剤、グルコース取込みモジュレーター、GSK-3(グリコーゲン合成酵素キナーゼ-3)阻害剤、抗高脂血症剤及び抗脂血剤のような脂質代謝を改変する化合物、食物の取込みを低下させる化合物、及びALRT-268、LG-1268又はLG-1069のようなPPAR(ペルオキシソーム増殖因子-活性化受容体)及びRXR(レチノイドX受容体)アゴニストを含む。
定義
「desB30」又は「B(1-29)」は、B30アミノ酸残基が欠失した天然のインスリンB鎖又はそれらの類似体を意味し、「A(1-21)」は、天然のインスリンA鎖又はそれらの類似体を意味する。C-ペプチド及びそのアミノ酸配列は、3文字のアミノ酸コードで示される。DesB30,desB29ヒトインスリンは、B29及びB30が欠失したヒトインスリンである。
「B1」、「A1」等はそれぞれ、インスリンのB鎖の位置1(N-末端から数えて)におけるアミノ酸残基、及び、インスリンのA鎖の位置1(N-末端から数えて)におけるアミノ酸残基を意味する。特定の位置のアミノ酸残基は、例えば、位置B1にあるアミノ酸残基がフェニルアラニン残基であることを意味するPheB1のようにも示され得る。
「インスリン」は本明細書で用いられるように、CysA7及びCysB7の間、及びCysA20及びCysB19の間のジスルフィド架橋、並びに、CysA6及びCysA11の間の内部ジスルフィド架橋を有するヒトインスリン、ブタインスリン及びウシインスリンを意味する。
「インスリン類似体」は本明細書で用いられるように、天然のインスリンに生じた少なくとも一つのアミノ酸残基の欠失及び/又は置換によるか、及び/又は、少なくとも1つのアミノ酸残基の付加による、形式上、天然のインスリン、例えばヒトインスリンの構造に由来し得る分子構造を有するポリペプチドを意味する。付加されたか及び/又は置換されたアミノ酸残基は、コード可能なアミノ酸残基又は他の天然のアミノ酸残基又は純粋に合成的なアミノ酸残基の何れかであってよい。
インスリン類似体は、B鎖の位置28が、天然のPro残基からAsp、Lys、又はIleに改変されたようなものであってよい。位置B29のLysがProに改変されてもよい。さらに、B30はB29がCys、Met、Arg及びLysと異なる場合にLysであってよい。
また、位置A21のAsnは、Ala、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Met、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValに改変されてよく、特にGly、Ala、Ser、又はThrに改変されてよく、特にGlyに改変されてよい。さらにその上、位置B3のAsnは、Lys又はAspに改変されてよい。インスリン類似体のさらなる例は、des(B30)ヒトインスリン、B1及びB2の一つ又は両方が欠失したインスリン類似体;A-鎖及び/又はB-鎖がN-末端伸長を有するインスリン類似体及びA-鎖及び/又はB-鎖がC-末端伸長を有するインスリン類似体である。さらなるインスリン類似体は、B26-B30の一以上が欠失したものである。
「インスリン誘導体」は本明細書で用いられるように、天然のインスリン又は、例えば、インスリンの主鎖の一以上の位置に側鎖を導入することによって、又は、インスリン中のアミノ酸残基の基を酸化又は還元することによって、或いは、遊離アミノ基又は水酸基をアシル化することによって、化学的に改変されたインスリン類似体を意味する。
「コード可能なアミノ酸」又は「コード可能なアミノ酸残基」という表現は、ヌクレオチドのトリプレット(「コドン」)によってコードされ得るアミノ酸又はアミノ酸残基を示すために使用される。
hGluは、ホモグルタミン酸である。
α-AspはL-形態の-HNCH(CO-)CH2COOHである。
β-AspはL-形態の-HNCH(COOH)CH2CO-である。
α-GluはL-形態の-HNCH(CO-)CH2CH2COOHである。
γ-GluはL-形態の-HNCH(COOH)CH2CH2CO-である。
α-hGluはL-形態の-HNCH(CO-)CH2CH2CH2COOHである。
δ-hGluはL-形態の-HNCH(COOH)CH2CH2CH2CO-である。
β-Alaは-NH-CH2-CH2-CO-である。
Sarはサルコシン(N-メチルグリシン)である。
「側鎖にカルボン酸基を有するアミノ酸残基」という表現は、Asp、Glu及びhGluなどのアミノ酸残基を示す。該アミノ酸は、L-又はD-立体配置の何れであってもよい。特定がない場合は、そのアミノ酸残基はL立体配置であると理解される。
「中性の側鎖を有するアミノ酸残基」という表現は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Pro、Ser、Thr、Cys、Met、Tyr、Asn及びGlnなどのアミノ酸残基を示す。
「活性化された酸(activated acid)」とは、活性化脱離基が、アミド結合の形成下でアミノ基と反応し、該脱離基の遊離を可能にするように、アシル炭素に結合された、カルボン酸を意味する。活性化脂肪酸は、脂肪酸の活性化されたエステル、脂肪酸の活性化されたアミド及び無水物又は塩化物であってよい。活性化脂肪酸は、N-ヒドロキシベンゾトリアゾール及びN-ヒドロキシスクシンイミドのようなそれらの誘導体を含む。
「脂肪酸」は、少なくとも2つの炭素原子を有し、飽和又は不飽和である、直鎖又は分枝鎖のカルボン酸を意味する。脂肪酸の例は、カプリン酸、ラウリン酸、テトラデカン酸 (ミリスチン酸)、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、及びステアリン酸である。
「アリーレン」という用語は本明細書で用いられるように、6員の単環及び9〜14員の二及び三環系の、二価の、炭素環式の、芳香環系のような、二価の、炭素環式の、芳香環系を含むように意図される。代表的な例は、フェニレン、ビフェニルイルエン、ナフチレン、アントラセニレン、フェナントレニレン、フルオレニレン、インデニレン、アズレニレンなどである。アリーレンもまた、部分的に水素化された、上記で列挙された環系の誘導体を含むように意図される。そのような部分的に水素化された誘導体の非限定的な例は、1,2,3,4-テトラヒドロナフチレン、1,4-ジヒドロナフチレンなどである。
「ヘテロアリーレン」という用語は本明細書で用いられるように、5〜7員の単環系及び8〜14員の二-及び三環系のような、二価の、芳香族の、窒素、酸素及び硫黄から選択される一以上ヘテロ原子を含む複素環系、窒素、酸素及び硫黄から選択される一以上ヘテロ原子を含む複素環系を含むように意図される。代表的な例は、フリレン、チエニレン、ピロリレン、オキサゾリレン、チアゾリレン、イミダゾリレン、イソキサゾリレン、イソチアゾリレン、1,2,3-トリアゾリレン(triazolylene)、1,2,4-トリアゾリレン、ピラニレン、ピリジレン、ピリダジニレン、ピリミジニレン、ピリジニレン、1,2,3-トリアジニレン、1,2,4-トリアジニレン、1,3,5-トリアジニレン、1,2,3-オキサジアゾリレン、1,2,4-オキサジアゾリレン、1,2,5-オキサジアゾリレン、1,3,4-オキサジアゾリレン、1,2,3-チアジアゾリレン、1,2,4-チアジアゾリレン、1,2,5-チアジアゾリレン、1,3,4-チアジアゾリレン、テトラゾリレン、チアジアジニレン、インドリレン、イソインドリレン、ベンゾフリレン、ベンゾチエニレン、インダゾリレン、ベンズイミダゾリレン、ベンズチアゾリレン、ベンズイソチアゾリレン、ベンズオキサゾリレン、ベンズイソキサゾリレン、プリニレン、キナゾリニレン、キノリジニレン、キノリニレン、イソキノリニレン、キノキサリニレン、ナフチリジニレン、プテリジニレン、カルバゾリレン、アゼピニレン、ジアゼピニレン、アクリジニレンなどである。ヘテロアリールもまた、部分的に水素化された上記列挙された環系の誘導体を含むように意図される。そのような部分的に水素化された誘導体の非限定的な例は、2,3-ジヒドロベンゾフラニレン、ピロリニレン、ピラゾリニレン、インドリニレン、オキサゾリジニレン、オキサゾリニレン、オキサゼピニレンなどである。
用語「任意に置換された」は本明細書で用いられるように、問題の基が、置換されないか又は一以上の置換基で置換されることを意味する。問題の基が二以上の置換基で置換される場合、該置換基は、同じであっても異なってもよい。
本発明のインスリン誘導体が「生理学的pH値で可溶性」である状態であるとき、該インスリン誘導体が、生理学的pH値で完全に溶解するインスリン組成物を調製するために使用できることが意味される。そのような都合よい溶解性は、インスリン誘導体単独の固有の性質に帰するものであるか又は、インスリン誘導体と溶媒中に含まれる一以上の成分との好ましい相互作用の結果の何れかであり得る。
以下の略語及び方法が、本明細書及び実施例において用いられる:
Bzl=Bn:ベンジル
DIPEA=DIEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
tBu:tert-ブチル
TSTU:O-(N-スクシンイミジル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム テトラフルオロボラート
THF:テトラヒドロフラン
EtOAc=AcOEt:酢酸エチル
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
HOAt:1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール
TEA:トリエチルアミン
Su:スクシンイミジル=2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イル
TFA:トリフルオロ酢酸
DCM:ジクロロメタン
DMSO:ジメチルスルホキシド
HOBt:1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
TRIS:トリイソプロピルサリン
EDAC:N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N´-エチルカルボジイミド塩酸塩
NMP:1-メチル-2-ピロリドン
TLC:薄層クロマトグラフィー
RT:室温
Rt:保持時間
MeOH:メタノール
DCC:ジシクロヘキシルカロンジイミド
AcOH:酢酸
DIC:ジイソプロピルカルボジイミド
刊行物、特許出願、及び特許を含むここで挙げられた全ての参考文献は全て、参照によって完全に援用され、また、各参考文献が個々に具体的に参照によって援用されると表示され、それがそのままここで定義されたのと同じ範囲(法で許される最大範囲)で援用される。
本明細書における表題及び副題は全て、便宜のためにのみ用いられ本発明を如何なる方法によっても限定するよう意図されるべきではない。
本明細書で提供される任意の及び全ての使用、又は、典型的な言葉(例えば「のような」)は、単に本発明をよりよく説明するよう意図されたものであって、他に主張しない限り、本発明の範囲を制限するものではない。本明細書中の如何なる言葉も、請求されていない要素を本発明の実施に必須なものとして表すように解釈されるべきではない。
本明細書における特許書類の引用及び組込みは、便宜のためにのみ行われ、そのような特許書類の有効性、特許性、及び/又は実施可能性の如何なる観点も反映されるものではない。
本発明は、適用される法によって許容される請求の範囲において述べられた対象事項の全ての改変及び等価物を含む。
HPLC-MS:以下の装置を使用した:
・Hewlett Packard series 1100 G1312A Bin Pump
・Hewlett Packard series 1100 カラムコンパートメント
・Hewlett Packard series 1100 G1315A DADダイオードアレイ検出器
・Hewlett Packard series 1100 MSD
・Sedere 75蒸発光散乱検出器
装置は、HPケムステーション(Chemstation)ソフトウェアにより制御した。
HPLCポンプは、以下を含む2つの溶出剤タンクに連結した:
A: 水中0.01% TFA
B: アセトニトリル中0.01% TFA
分析は、適切な量のサンプル(好ましくは1μl)をアセトニトリルの勾配で溶出されるカラムに注入して、40℃で行った。
用いたHPLC条件、検出器の設定及び質量分析計の設定は、以下に与えられる:
カラム: Waters Xterra MS C-18 X 3 mm id 5 μm
勾配: 5%〜100% アセトニトリル 直線状 1.5ml/minで7.5分間
検出: 210 nm(類似体 DADからの出力)
ELS (類似体 ELSからの出力)
DAD後、ELSについては約1 ml/minに、MSについては0.5 ml/minに、流速を分けた。
HPLC-MS(高速グレード方法(method fast grad)):以下の装置を使用した:
・Hewlett Packard series 1100 G1312A Bin Pump
・Hewlett Packard series 1100 カラムコンパートメント
・Hewlett Packard series 1100 G1315A DADダイオードアレイ検出器
・Hewlett Packard series 1100 MSD
・Sedere 75蒸発光散乱検出器
装置は、HPケムステーション(Chemstation)ソフトウェアにより制御した。
HPLCポンプは、以下を含む2つの溶出剤タンクに連結した:
A: 水中0.05% TFA
B: アセトニトリル中0.05% TFA
分析は、適切な量のサンプル(好ましくは1μl)をアセトニトリルの勾配で溶出されるカラムに注入して、40℃で行った。
用いたHPLC条件、検出器の設定及び質量分析計の設定は、以下に与えられる:
カラム: Waters Xterra MS C-18 X 3 mm id 5 μm
勾配: 5%〜95% アセトニトリル 直線状 2.7 ml/minで3分間
検出: 210 nm (類似体 DADからの出力)
ELS (類似体 ELSからの出力)
DAD後、ELSについては約1 ml/minに、MSについては0.5 ml/minに、流速を分けた。
HPLC-MS (50-99)
高速グレード方法と同じ装置及び方法を使用した。唯一の相違は、勾配が50〜99% アセトニトリルであるという点である。
HPLC(Neutral)
緩衝液A:10 mM tris、15 mM (NH4)2SO4、pHは4N H2SO4で7.3に調整、20% v/v アセトニトリル
緩衝液B:80% v/v アセトニトリル
流速:1.5 ml/min
勾配:0-20 min 10-50% B
カラム:Phenomerex、Jupiter 4.6 mm x 150 mm、C4、5μ、300 Å
カラム温度:40℃
HPLC-MS (Sciex)
以下の装置を使用した:
・Hewlett Packard series 1100 G1312A Bin Pump
・Hewlett Packard series 1100 G13 15A DADダイオードアレイ検出器
・Sciex3000 triplequadropole質量分析計
・Gilson 215 マイクロインジェクター
・Sedex55蒸発光散乱検出器
ポンプ及び検出器は、MacIntosh(登録商標)G3コンピューター上で動作するMassChrom 1.1.1蒸発光散乱検出器で制御した。Gilson Unipointバージョン1.90は、自動インジェクターを制御する。
HPLCポンプは、以下を含む2つの溶出剤タンクに連結した:
A: 水中0.01% TFA
B: アセトニトリル中0.01% TFA
分析は、適切な量のサンプル(好ましくは10μl)をアセトニトリルの勾配で溶出されるカラムに注入して、室温で行った。カラムからの溶出液を、フロースプリッターを見るためのUV検出器に通し、これは、API 3000スペクトロメーターのAPIターボ・イオンスプレー・インターフェースに約30μl/min (1/50)で通した。残った1.48 ml/min (49/50)は、ELS検出器を通した。
用いたHPLC条件、検出器の設定及び質量分析計の設定は、以下の表に与えられる。
Figure 2008528658
実施例1(一般方法A、desB30ヒトインスリンを用いたアシル化)
N εB29 -[N-(HOOC(CH 2 ) 14 CO)-N-(カルボキシエチル)-CH 2 -パラ-C 6 H 4 CO] desB30ヒトインスリン
工程1: 4-[(2-tert-ブトキシカルボニルエチルアミノ)メチル]安息香酸の合成
Figure 2008528658
Tert-ブチル3-アミノプロパノエート塩酸塩 (5 g、27.7 mmol)を、メタノール (150 mL)に溶解した。ジイソプロピルエチルアミン(4.73 mL、27.7 mmol)を加え、続いて、4-カルボキシベンズアルデヒドを加えた。この混合物を加熱し1時間還流する。室温まで冷却した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.77 g、22.1 mmol)を窒素下で加え、室温で1時間撹拌した。酢酸(15 mL)を加え、その混合物をさらに1時間撹拌した。該混合物を水(300 mL)に注ぎ、室温で一晩撹拌した。該水溶液を酢酸エチル(3×250 mL)で洗浄した。その有機相を乾燥し(Na2SO4)、真空中で溶媒除去し、静置して凝固する油として粗製産物を得た。該粗製産物を、さらに精製することなく次の工程で使用した。
HPLC-MS: m/z = (280);Rt = 2.09分。
工程2: 4-{[(2-tert-ブトキシカルボニルエチル)-(15-tert-ブトキシカルボニルペンタデカノイル)アミノ]メチル}安息香酸の合成
Figure 2008528658
ヘキサデカンジオイック酸モノ-tert-ブチルエステル(0,3 g、0.88 mmol)を、酢酸エチルに溶解した。N-エチル-N-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(0.167 g、0.88 mmol)及び1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール (0.119 g、0.88 mmol)を加え、該混合物を50℃で1時間撹拌した。室温まで冷却した後、ジイソプロピルエチルアミン(0.45 mL、2.63 mmol)を加え、続いて4-[(2-tert-ブトキシカルボニルエチルアミノ)メチル]安息香酸(0.489 g、1.75 mmol)を加えた。該混合物を、一晩、窒素下で、室温で撹拌した。該混合物を酢酸エチル(100 mL)と水(2×50 mL)との間で分離した。この有機相を乾燥し(Na2SO4)、真空中で溶媒除去した。その粗製産物を、C18-カラム、緩衝液A:0.1 % TFA、緩衝液B:MeCN + 0.1 % TFA;勾配80-100 % B でのRP-HPLCで精製し、表題化合物(145 mg、27 %)を得た。
1H NMR (アセトン-d6): δ 8.04 (dd、2H)、7.40 (dd、2H)、4.75 (d、2H)、3.60 (q、2H)、1.55 (m、4H)、1.45-1.15 (m、38H)。
工程3: 4-{[(2-tert-ブトキシカルボニルエチル)-(15-tert-ブトキシカルボニル-ペンタデカノイル)アミノ]メチル}安息香酸 2,5-ジオキソピロリジン-1-イルエステルの合成
Figure 2008528658
4-{[(2-tert-ブトキシカルボニルエチル)-(15-tert-ブトキシカルボニル-ペンタデカノイル)アミノ]メチル}安息香酸(70 mg、0.12 mmol)をTHF (5 mL)に溶解した。その混合物を氷槽で冷却した。ジイソプロピルエチルアミン(0.024 mL、0.14 mmol)及びO-(N-スクシンイミジル)-N,N,N´,N´-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(42 mg、0.14 mmol)を加えた。この混合物を窒素下、0℃で撹拌した。30 分後、氷冷を除き、該混合物をさらに3時間撹拌した。溶媒を、トルエンからの再蒸発によって、減圧流中で除去した。該粗製産物を酢酸エチル(25 mL)に溶解し、水(10 mL)で洗浄した。その有機相を乾燥し(Na2SO4)、溶媒を真空中で除去し、後の工程で用いられる表題化合物(73 mg、87 %)を得た。
HPLC-MS: m/z = (723 (M+Na));Rt = 6.24分。
工程4: B29N(esp)(4-{[(2-カルボキシエチル)-(15-カルボキシペンタデカノイル)アミノ]-メチル}ベンゾイル) desB30ヒトインスリンの合成
Figure 2008528658
ヒトDesB30インスリン(594 mg、0.104 mmol)を水性Na2CO3 (100 mM、5mL)に溶解した。4-{[(2-tert-ブトキシカルボニルエチル)-(15-tert-ブトキシカルボニル-ペンタデカノイル)アミノ]メチル}安息香酸2,5-ジオキソピロリジン-1-イルエステル(73 mg、0.104 mmol)をアセトニトリル(3 mL)に溶解し加えた。この混合物を室温で1時間、極めてゆっくり撹拌した。pHを、水性HCl (1N)で5.5に調整し、その懸濁液を0℃で10分間静置した。沈殿物を、遠心分離によって単離し、TFA/水 (95:5、12 mL)で30 分間処理した。氷冷したジエチルエーテル(30 mL)中に注ぎ、この粗製産物を遠心分離によって単離し、Waters Prep LC2000、C18、5 cmx20 cm、流速20 ml/分、0.1 % TFAを含むアセトニトリル/水 33-53 % 勾配を使用してのRP-HPLCで精製した。産物を含む画分を集めて凍結乾燥した。凍結乾燥した物質に、水(7.2 mL)を加え、1 N+0.1 N NaOHでpHを8.98に調整した。0.1 N HClで該pHを5.2-5.5に調整して戻した。該産物を沈殿させ、遠心分離で単離し、凍結乾燥して表題化合物を得た。
実施例2(一般方法B。A1,B1-ジBoc desB30ヒトインスリンを用いたアシル化)
NεB29-[N-(HOOC(CH2)13CO)-N-(カルボキシエチル)-CH2-パラ-C6H4CO]desB30ヒトインスリン
工程1: 4-{[(2-tert-ブトキシカルボニル-エチル)-(14-tert-ブトキシカルボニル-テトラデカノイル)-アミノ]-メチル}-安息香酸 2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステルの合成
Figure 2008528658
該化合物を、一般方法Aの工程2及び工程3の記載と同様にして、ペンタデカンジオイック酸モノ-tert-ブチルエステルを代わりに用いて調製した。
HPLC-MS: m/z = (709 (M+Na));Rt = 6.03分。
工程2: NεB29 (4-{[(2-カルボキシエチル)-(14-カルボキシテトラデカノイル)アミノ]-メチル}ベンゾイル) desB30ヒトインスリンの合成
Figure 2008528658
A1B1BocBoc desB30インスリン(Kurtzhals P;Havelund S;Jonassen I;Kiehr B;Larsen UD;Ribel U;Markussen Jbiochemical Journal、1995、312、725-731) (0.1 g、0.017 mmol)をDMSO (2 mL)に溶解した。トリエチルアミン(0.024 mL、0.17 mmol)を加えた。4-{[(2-tert-ブトキシカルボニル-エチル)-(14-tert-ブトキシカルボニル-テトラデカノイル)-アミノ]-メチル}-安息香酸2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステルをTHF (1mL)に溶解して加えた。この混合物を室温で1時間振盪した。この溶液を氷槽で冷却し、水(5 mL)を加えた。1N HClでpHを5.2に調整した。該混合物を5℃で1時間静置し沈殿させた。該沈殿を遠心分離で単離し、TFA 10 mLで15分間処理した。氷冷したジエチルエーテル(35 mL)に注ぎ、該粗製産物を遠心分離で単離し、C-18 RP-HPLC 5 cmX20 cm、流速20 ml/分、0.1 % TFAを含むアセトニトリル/水 25-45 % 勾配を用いて精製した。産物を含む画分を集めて凍結乾燥した。凍結乾燥した物質に水(7.2 mL)を加え、1 N+0,1 N NaOH でpHを8.98に調整した。0.1 N HClで、該pHを5.2-5.5に調整して戻した。該産物を沈殿させ、遠心分離で単離し、凍結乾燥して表題化合物を得た。
HPLC-MS: m/z = 1542 (m/4)、1234 (m/5);Rt = 3.55分。
実施例3(一般方法B)
N εB29 -[N-(HOOC(CH 2 ) 16 CO)-N-(カルボキシエチル)-CH 2 -パラ-C 6 H 4 CO]desB30ヒトインスリン
工程1: 4-{[(2-tert-ブトキシカルボニル-エチル)-(17-tert-ブトキシカルボニルヘプタデカノイル)アミノ]メチル}安息香酸 2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステルの合成
Figure 2008528658
該化合物を一般方法Aの工程2及び工程3と同様に、オクタデカンジオイkック酸モノ-tert-ブチルエステルを代わりに用いて調製した。
HPLC-MS: m/z = (752 (M+Na));Rt = 6.62分。
工程2: NεB29 -(4-{[(2-カルボキシエチル)-(17-カルボキシヘプタデカノイル)-アミノ]メチル}ベンゾイル)desB30ヒトインスリンの合成
Figure 2008528658
工程1の化合物を、一般方法Bに記載されたようなA1、B1-ジBoc desB30インスリンと反応させた。0.1 % TFAを含む勾配45-70 % アセトニトリル/水を用い、作業は同様であった。産物を含むプールされた画分を凍結乾燥し、2.5 % NH3 1 mLに溶解して10 mLに希釈し、逆相HPLC、Jupiter 5269、C4 250/20 mm、15 μM、300Åを用いた、AKTA精製機(purifier)での精製に供した。緩衝液は、A-緩衝液 20 % EtOH中10 mM TRIS +15 mM (NH4)2SO4、pH 7.3及びB-緩衝液 80 % EtOHから構成された。該産物を勾配15-60 % Bで、8 ml/分で溶出した。適切な画分をプールし、で、0.1 % TFAを含む70 % CH3CNによるセップパック(sep pak)で溶出した。沈殿させ、凍結乾燥させて、所望の産物を得た。
Maldi: 6199.2。
実施例4(一般方法B)
N εB29 -[N-(HOOC(CH 2 ) 15 CO)-N-(カルボキシエチル)-CH 2 -パラ-C 6 H 4 CO] desB30ヒトインスリン
工程1: ヘプタデカンジオイック酸モノ-tert-ブチルエステルの合成
Figure 2008528658
2-メトキシカルボニル-ヘプタデカンジオイック酸1-メチルエステル:
ナトリウム(1.11 g、48.2 mmol)を無水メタノール(30 ml)に溶解し、50℃に加熱した。マロン酸ジメチル(5.87 ml、51.4 mmol)を15分にわたって加えた。該混合物を熱して還流し、無水メタノール (50 ml)中の15-ブロモペンタデカン酸 (5 g、15.6 mmol)の懸濁液を45分にわたって加えた。得られた混合物をさらに30分間還流した。室温まで冷却した後、水を加え、該混合物を濃縮した。水を、1 N NaOHでアルカリ性にされた該残渣に加え、エーテル(1x50 ml)で抽出した。水相を1N HClで酸性化し、エーテル(3x 30 ml)で抽出した。混合性有機層を乾燥し(Na2SO4)、濃縮し、表題化合物を98%(5.7 g)収率で得た。
HPLC-MS: 395 (M+Na)、rt 5.38. 1H-NMR (CDCl3): δ1.2-1.35 (m、22H)、1.65 (pent、2H)、1.90 (m、2H)、2.34 (t、2H)、3.37 (t、1H)、3.71 ppm (s、6H)。
ヘプタデカンジオイック酸:
2-メトキシカルボニル-ヘプタデカンジオイック酸1-メチルエステル(4.63、12.4 mmol g)を20% 水性KOH (15 ml)に加熱しながら溶解した。得られた溶液を2.5時間還流した。その冷反応混合物を注意深く濃縮した。その残渣を氷槽上の水(30 ml)に溶解し、10%水性HClで酸性化した。得られたスラリーを、2時間還流した。冷却した後、該沈殿を濾過して単離し、真空中で一晩乾燥した。該化合物を、140℃で2時間撹拌しながら加熱することによって脱炭酸した(該反応は続いて、180℃に加熱されることが必要であり得る)。該粗製産物(4.0 g、100%)を、さらに精製することなく用いた。HPLC-MS: 323 (M+Na)、Rt4.61. 1H-NMR (DMSO-d6): δ1.22 (br s、22H)1.47 (m、4H)、2.18 (t,4H)。
ヘプタデカンジオイック酸 モノ-tert-ブチルエステル
粗製ヘプタデカンジオイック酸(0.99 g、3.3 mmol)をトルエン(15 ml)に115℃で溶解した。N,N-ジメチルホルムアミドジ-tert-ブチルアセタール(0.79 ml、3.3 mmol)を10分間にわたって滴下して加えた。1時間の還流後、さらにN,N-ジメチルホルムアミドジ-tert-ブチルアセタール(0.79 ml)を10分間にわたって加えた。さらに1時間還流した後、最後の等量のN,N-ジメチルホルムアミドジ-tert-ブチルアセタール(0.79 ml)を10分間にわたって加えた。還流を1時間継続した。室温に冷却すると沈殿が現れ、これは濾過して除かれた(二酸)。母液を水(25 ml)及びDCM(25 ml)で抽出した。この有機層を乾燥し濃縮した。この残渣をDCM/MeOH 15:1 を溶出液として用いるフラッシュクロマトグラフィーで精製した。ヘプタデカンジオイック酸モノ-tert-ブチルエステルを33%の収率(0.330 g)で単離した。HPLC-MS:379 (M+Na)、rt 6.11. 1H-NMR (DMSO-d6): δ1.22 (br s、22H)、1.39 (s、9H),1.47 (m、4H)、2.16 (t,2H)、2.19 ppm (t、2H)。
工程2: 4-{[(2-tert-ブトキシカルボニルエチル)-(16-tert-ブトキシカルボニルヘキサデカノイル)アミノ]メチル}安息香酸2,5-ジオキソピロリジン-1-イル エステルの合成
Figure 2008528658
該化合物を一般方法Aの工程2及び工程3の記載と同様に、ヘプタデカンジオイック酸モノ-tert-ブチルエステルを代わりに用いて調製した。
工程3: NεB29 -(4-{[(2-カルボキシエチル)-(16-カルボキシヘキサデカノイル)アミノ]-メチル}ベンゾイル) desB30ヒトインスリンの合成
Figure 2008528658
4-{[(2-tert-ブトキシカルボニルエチル)-(16-tert-ブトキシカルボニルヘキサデカノイル)-アミノ]メチル}安息香酸2,5-ジオキソピロリジン-1-イルエステルを、一般方法Bで記載されたA1,B1-ジBoc desB30 インスリンと反応させた。0.1 % TFAを含有する勾配28-48 % アセトニトリル/水を用い、作業は同様であった。
HPLC-MS : m/z = 1549 (m/4)、1239 (m/5);Rt = 3.53分。
実施例5(一般方法B)
N εB29 -[(5-{[(2-カルボキシエチル)-(15-カルボキシペンタデカノイル)アミノ]メチル}フラン-2-カルボニル)desB30ヒトインスリン
工程1: 5-[(2-tert-ブトキシカルボニルエチルアミノ)メチル]フラン-2-カルボン酸
Figure 2008528658
この化合物を、一般方法Aの工程1に記載したものと同様の方法を用いて、4-カルボキシベンズアルデヒドの代わりに5-ホルミルフラン-2-カルボン酸を用いて合成した。
1H NMR (CDCl3): δ7.12 (d、1H)、6.65 (d、1H)、4.37 (s、2H)、3.35 (t、2H)、2.80 (t、2H)、1.45(s、9H)。
工程2: 5-{[(2-tert-ブトキシカルボニルエチル)-(15-tert-ブトキシカルボニルペンタデカノイル)アミノ]-メチル}フラン-2-カルボン酸
Figure 2008528658
この化合物は、一般方法Aの工程1に記載したものと同様の方法を用いて、4-[(2-tert-ブトキシカルボニルエチルアミノ)メチル]安息香酸の代わりに5-[(2-tert-ブトキシカルボニルエチルアミノ)メチル]フラン-2-カルボン酸を用いて合成した。
1H NMR (DMSO-d6): δ7.15 (dd、1H)、6.45 (dd、1H)、4.57 (d、2H)、2.43-2.10 (m、6H)、1.60-1.20 (m、42H)。
HPLC-MS: m/z = (616 (M+Na)、538 (tert-ブチルの損失、482 (2のtert-ブチルの損失)、Rt = 6.17分。
工程3: 5-{[(2-tert-ブトキシカルボニルエチル)-(15-tert-ブトキシカルボニルペンタデカノイル)-アミノ]メチル}-フラン-2-カルボン酸 2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イル エステル
Figure 2008528658
この化合物は、一般方法Aの工程3と同様の方法で合成した。
HPLC-MS: m/z = (713 (M+Na)、Rt = 6.4分。
工程4: NεB29 -[(5-{[(2-カルボキシエチル)-(15-カルボキシペンタデカノイル)アミノ]メチル}フラン-2-カルボニル)desB30ヒトインスリン
Figure 2008528658
5-{[(2-tert-ブトキシカルボニルエチル)-(15-tert-ブトキシカルボニルペンタデカノイル)アミノ]メチル}フラン-2-カルボン酸2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステルを、一般方法Bで記載されたようにA1,B1-ジBoc desB30 インスリンと反応させた。 0.1 % TFAを含む勾配25-45 % アセトニトリル/水を使用し、作業は同様に行った。産物を含むプールされた画分を凍結乾燥し、2.5 % NH3 1 mLに溶解して38 mLに希釈し、逆相HPLC、Jupiter 5269、C4 250/20 mm、15 μM、300Åを用いるAKTA精製機での精製に供した。緩衝液は、A-緩衝液 20 % EtOH中10 mM TRIS + 15 mM (NH4)2SO4 、pH7.3及びB-緩衝液 80 % EtOHから構成される。該産物を、勾配15-60 % B、8 ml/分で溶出した。適切な画分をプールし、0.1 % TFAを含有する3 mL 70 % CH3CNによるセップパックで溶出した。沈殿させ、凍結乾燥し、所望の産物を得た。
MS. m/z=6169。
実施例6(一般方法B)
N εB29 -[N-(HOOC(CH 2 ) 14 CO)-N-(カルボキシエチル)-CH 2 -meta C 6 H 4 CO] desB30ヒトインスリン
工程1: 3-[(2-tert-ブトキシカルボニルエチルアミノ)メチル]安息香酸
Figure 2008528658
この化合物は、一般方法Aの工程1に記載されたものと同様の方法を用いて、4-カルボキシベンズアルデヒドの代わりに3-カルボキシベンズアルデヒドを用いて合成した。
HPLC-MS (Method fast grad): m/z = (302、M+Na);Rt = 1.1分。
工程2: 3-{[(2-tert-ブトキシカルボニルエチル)-(15-tert-ブトキシカルボニルペンタデカノイル)アミノ]メチル}安息香酸
Figure 2008528658
この化合物は、一般方法Aの工程1に記載されたものと同様の方法を用いて、4-[(2-tert-ブトキシカルボニルエチルアミノ)メチル]安息香酸の代わりに3-[(2-tert-ブトキシカルボニルエチルアミノ)メチル]安息香酸を用いて合成した。
HPLC-MS (Method fast grad): m/z = (603、M+1);Rt = 3.09分。
工程3: 2-{[(2-tert-ブトキシカルボニル-エチル)-(15-tert-ブトキシカルボニル-ペンタデカノイル)-アミノ]-メチル}-安息香酸 2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステル
Figure 2008528658
この化合物は、一般方法Aの工程3に記載されたものと同様の方法を用いて合成した。
HPLC-MS (Method fast grad): m/z = 723、(M+Na);Rt = 3.15分。
工程4: NεB29- (3-{[(2-カルボキシエチル)-(15-カルボキシペンタデカノイル)アミノ]-メチル}ベンゾイル) desB30ヒトインスリンの合成
Figure 2008528658
3-{[(2-tert-ブトキシカルボニル-エチル)-(15-tert-ブトキシカルボニル-ペンタデカノイル)-アミノ]-メチル}-安息香酸2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステルを、一般方法Bに記載したように、A1B1BocBoc desB30 インスリンと反応させた。0.1 % TFAを含む勾配25-45 % アセトニトリル/水を用い、作業は同様に行った。産物を含むプールされた画分は、沈殿させ凍結乾燥した。
HPLC-MS: m/z = 1236 (m/5)、1030 (m/6);Rt = 3.7分。
実施例7(一般方法B)
N εB29 -[N-(HOOC(CH 2 ) 14 CO)-N-(カルボキシエチル)-CH 2 -オルトC 6 H 4 CO] desB30ヒトインスリン
工程1: 2-[(2-tert-ブトキシカルボニルエチルアミノ)メチル]安息香酸
Figure 2008528658
この化合物は、一般方法Aの工程1に記載されたものと同様の方法を用いて、4-カルボキシベンズアルデヒドの代わりに2-カルボキシベンズアルデヒドを用いて合成した。
HPLC-MS (Method fast grad): m/z = 280、(M+1);Rt = 1.13分。
工程2: 3-{[(2-tert-ブトキシカルボニルエチル)-(15-tert-ブトキシカルボニルペンタデカノイル)アミノ]メチル}安息香酸
Figure 2008528658
この化合物は、一般方法Aの工程1に記載されたものと同様の方法を用いて、4-[(2-tert-ブトキシカルボニルエチルアミノ)メチル]安息香酸の代わりに2-[(2-tert-ブトキシカルボニルエチルアミノ)メチル]安息香酸を用いて合成した。
HPLC-MS (Method fast grad): m/z = 604;Rt = 3.09分。
工程3: 3-{[(2-tert-ブトキシカルボニル-エチル)-(15-tert-ブトキシカルボニル-ペンタデカノイル)-アミノ]-メチル}-安息香酸 2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステル
Figure 2008528658
この化合物は、一般方法Aの工程3に記載されたものと同様の方法を用いて合成した。
HPLC-MS (Method fast grad): m/z = (723、M+Na);Rt = 3.15分。
工程4: N εB29 (3-{[(2-カルボキシエチル)-(15-カルボキシペンタデカノイル)アミノ]-メチル}ベンゾイル) desB30ヒトインスリンの合成
Figure 2008528658
2-{[(2-tert-ブトキシカルボニル-エチル)-(15-tert-ブトキシカルボニル-ペンタデカノイル)-アミノ]-メチル}-安息香酸2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステルを、一般方法Bで記載されたように、A1,B1-ジBoc des(B30)インスリンと反応させた。0.1 % TFAを含む勾配28-48 % アセトニトリル/水を用い、作業は同様に行った。産物を含むプールされた画分を沈殿させ凍結し 産物を含むプールされた画分を凍結乾燥し2.5 % NH3 1 mLに溶解して38 mLに希釈し、逆相HPLC、Jupiter 5269、C4 250/20 mm、15 μM、300 Åを用いるAKTA精製機での精製に供した。緩衝液は、A-緩衝液 10 % アセトニトリル中10 mM TRIS +15 mM (NH4)2SO4 、pH7.3及びB-緩衝液 70 % アセトニトリルから構成される。該産物を勾配27-33 % B 、6 ml/分で90分にわたって溶出した。適切な画分をプールし、0.1 % TFAを含有する3 mL 70 % CH3CNによるセップパックで溶出し、沈殿させて凍結乾燥し、所望の産物を得た。
実施例8
N εB29 -[N-(HOOC(CH 2 ) 14 CO)-N-(カルボキシエチル)-パラ-C 6 H 4 CO] desB30ヒトインスリン
工程1: 4-(15-tert-ブトキシカルボニルペンタデカノイルアミノ)安息香酸メチルエステル
Figure 2008528658
ヘキサデカンジオイック酸モノ-tert-ブチルエステル(0,4 g、1.17 mmol)をNMP (6 mL)に溶解した。N-エチル-N-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(0.223 g、0.1.17 mmol)及び1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール (0.159 g、1.17 mmol)を加え、該混合物を50℃で1時間撹拌し、次いで、室温まで冷却させた。ジイソプロピルエチルアミン(0.6 mL、3.5 mmol)を加え、続いて、メチル4-アミノベンゾエート(0.353 g、2.34 mmol)を加えた。該混合物を一晩、窒素下、室温で撹拌した。該混合物を飽和した水性NaCl(50 mL)に注ぎ、ジエチルエーテル(3×100 mL)と酢酸エチルの間で洗浄した。その有機相を集め、乾燥(Na2SO4)し、真空中で溶媒除去した。粗製物質を、酢酸エチル/ヘプタン (50:50)を用いたシリカで精製し、純粋な4-(15-tert-ブトキシカルボニルペンタデカノイルアミノ)安息香酸メチルエステル(235 mg、42 %)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ8.00 (d、2H)、7.61 (d、2H)、7.32 (br s、1H)、3.90 (s、3H)、2.37 (t、2H)、2.20 (t、2H)、1.70 (m、2H)、1.43 (s、9H)、1.40-1.20 (m、20H)。
工程2: 4-[tert-ブトキシカルボニルメチル-(15-tert-ブトキシカルボニルペンタデカノイル)アミノ]安息香酸
Figure 2008528658
4-(15-tert-ブトキシカルボニルペンタデカノイルアミノ)安息香酸メチルエステル(235 mg、0.495 mmol)を無水ピリジンから2回、及び無水アセトニトリルから1回蒸発させ、窒素下で無水DMF(4 mL)に溶解した。60 % NaH (14 mg、0.594 mmol)を加え、該混合物を窒素下、室温で20分間撹拌した。tert-ブチルブロモアセテート (0.11 mL、0.742 mmol)を加え、該混合物を1時間撹拌し、該反応を氷で停止し、水(50 mL)とジエチルエーテル(75 mL)とで分離した。該有機相を乾燥し(Na2SO4)、真空中で溶媒除去した。該粗製物質を、エタノール(4mL)に溶解した。NaOH (5 N、0.15 mL)を加え、該混合物を1時間撹拌した。酢酸でpHをpH=5に調整し、該混合物を水と酢酸エチルの間で分離した。該有機相を乾燥し(Na2SO4)及び真空中で溶媒除去し、粗製産物が得られ、これは、純粋な4-[tert-ブトキシカルボニルメチル-(15-tert-ブトキシカルボニルペンタデカノイル)アミノ]安息香酸)(53 mg、19 %)を得るために、0.1 % TFAを含むアセトニトリル/水 勾配(75-95 %)での、RP-HPLC、C-18で精製した。
HPLC-MS (fast grad): m/z=598 (M+Na)、Rt=3.02分。
工程3: 4-[tert-ブトキシカルボニルメチル(15-tert-ブトキシカルボニルペンタデカノイル)アミノ]安息香酸2,5-ジオキソピロリジン-1-イルエステル
Figure 2008528658
この化合物は、一般方法Aの工程3に記載されたものと同様の方法を用いて、4-[tert-ブトキシカルボニルメチル-(15-tert-ブトキシカルボニルペンタデカノイル)アミノ]安息香酸)から合成した。
1H-NMR (CDCl3) δ8.19 (d、2H)、7.49 (d、2H)、4.27 (s、2H)、2.94 (s、4H)、2.17 (m、4H)、1.57 (m、4H)、1.46 (s、9H)、1.44 (s、9H)、1.30-1.15 (m、20H)。
工程4:
Figure 2008528658
4-[tert-ブトキシカルボニルメチル(15-tert-ブトキシカルボニルペンタデカノイル)アミノ]安息香酸2,5-ジオキソピロリジン-1-イルエステルを、一般方法Bの記載と同様に、A1,B1-ジBoc desB30 インスリンと反応させた。
HPLC-MS: m/z =1539 (m/4)。
実施例9
N εB29 -(3-カルボキシ-5-ヘキサデカンジオイルアミノベンゾイル)des(B30)インスリン
Figure 2008528658
5-ニトロ-イソフタル酸モノt-ブチルエステル
110℃の無水トルエン (100 ml)中の5-ニトロ-イソフタル酸 (5.0 g、23.7 mmol)の懸濁液に、ジメチルホルムアミドジ-t-ブチルアセタール(3.4 ml、71 mmol)を60分にわたって滴下して加えた。加熱を45分間続け、該反応混合物を室温で一晩放置した。その沈殿した開始物質を、濾過で除去した。該濾液を濃縮し、黄色油 (7.88 g)を得た。これは、フラッシュカラムクロマトグラフィーでEtOAc/Hept 1:2及びEtOAc/Hept 1:2 + 5% AcOH 2部を用いて精製し、表題化合物を38%の収率(2.38 g)で得た。
1H-NMR (CDCl3): δ1.65 (s、9H)、8.98 (s、1H)、9.01 (s、1H)、9.06 ppm (s、1H)。
5-アミノ-イソフタル酸モノt-ブチルエステル
5-ニトロ-イソフタル酸モノt-ブチルエステル(2.38 g、8.9 mmol)を、EtOAc (50 ml)に溶解した。活性炭上の10% パラジウムを加え、該混合物を1 atm及び室温で水素化した。24時間後、該混合物を、ガラスマイクロファイバーフィルターを通して濾過し、該濾液を濃縮し、表題化合物を白い結晶として98%収率(2.07 g)で得た。
1H-NMR (DMSO、d6): δ1.54 (s、9H)、5.59 (br、2H、NH2);7.33 (s、1H)、7.37 (s、1H)、7.60 ppm (s、1H)。
5-(15-tert-ブトキシカルボニル-ペンタデカノイルアミノ)-イソフタル酸モノ-tert-ブチルエステル
無水DCM (2 ml)中のヘキサデカンジオイック酸モノt-ブチルエステル(100 mg、0.29 mmol)の溶液に、HOAt (44 mg、0.29 mmol)及びDCC (72 mg、32 mmol)を加えた。該混合物を50℃で1時間撹拌した。油槽を除去した。5-アミノ-イソフタル酸モノt-ブチルエステル(69 mg、0.29)及びDIPEA (0.07 ml、0.32 mmol)を加えた。該混合物を室温で一晩、窒素下で撹拌した。黄色い懸濁液を濾過し、その濾液を濃縮した。その残渣をEtOAcに再溶解し、0.1N HCl (2x)、鹹水(1x)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、濃縮して白色固体を得、これはフラッシュカラムクロマトグラフィーで、EtOAc/Hept 1:2 + 5% AcOHを用いて2回精製した。表題化合物は86%収率で(0.140 g)、不純物を含む油として得られた。
1H NMR (400 MHz) δ:1.25 (s、22 H) 1.42 - 1.45 (m、9 H) 1.53 - 1.65 (m、11 H) 1.68 - 1.79 (m、2 H) 2.20 (s、2 H) 2.41 (s、2 H) 7.58 (brs、1 H) 8.35 (s、1H) 8.39 (s、2 H)。
5-(15-tert-ブトキシカルボニル-ペンタデカノイルアミノ)-イソフタル酸 1-tert-ブチルエステル3-(2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イル) エステル
5-(15-tert-ブトキシカルボニル-ペンタデカノイルアミノ)-イソフタル酸 モノ-tert-ブチルエステル(140 mg、0.25 mmol)を無水THF (3.5 ml)に溶解した。TSTU (95 mg、0.30 mmol)及びDIPEA (70 ul、0.30 mmol)を加えた。該混合物を室温で、窒素下、週末にわたって撹拌した。該反応混合物をほぼ乾燥した。EtOAcを加え、沈殿を濾過して除去した。濾液を0.1 N HCl (2x)、鹹水(1x)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、濃縮して表題化合物を微量の不純物を含むシロップとして、定量的な収率(0.165 mg)で得た。
1H NMR (400 MHz) δ: ppm 1.20 - 1.35 (m、22 H) 1.44 (s、9 H) 1.52 - 1.64 (m、11 H) 1.68 - 1.79 (m、2 H) 2.12 - 2.24 (m、2 H) 2.34 - 2.42 (m、2 H) 2.91 (s、4 H) 7.39 (s、1 H、NH) 8.34 (s、1 H) 8.43 (s、1 H) 8.54 (s、1 H)。
NεB29-(3-カルボキシ-5-ヘキサデカンジオイルアミノ-ベンゾイル)desB30ヒトインスリン
A1N、B1N-ジBoc desB30ヒトインスリン(100 mg、0.017 mmol)を5-(15-tert-ブトキシカルボニル-ペンタデカノイルアミノ)-イソフタル酸 1-tert-ブチルエステル3-(2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イル)エステル(15 mg、0.022 mmol)により、一般方法Bで記載されたようにアシル化した。該産物を調製HPLCによって精製し、一般方法Bで記載したように加水分解し、表題化合物、9 mgを得た。
MALDI-MS (SA): 6130.8. anal. HPLC (neut、Alrg)、96.5% 純度、rt 6.11分。(カラム:C4 5μ 150×4、60mm「phenomenex、Jupiter」緩衝液A:MQ水中、10mM TRIS、15 mM (NH4)2SO4、pH 7.3、20% CH3CN。緩衝液B:80 % CH3CN、20% MQ-水、流速:1,5 ml/min;勾配:0 分 10%B→20分50%B→21分50%B→23分10%B→30分10%B)anal. HPLC (酸性)、100% 純度、rt 12.24分(カラム:C4 5μ 150×4、60mm 「phenomenex、Jupiter」緩衝液A:0.1% TFA、10%CH3CN、89.9 % MQ-水 緩衝液B:0.1% TFA、80 % CH3CN、19.9% MQ-水、流速:1,5 ml/min;勾配:0分20%B→17分90%B→21分90%B→23分20%B→30分20%B。
実施例10
N εB29 -(3-カルボキシ-5-オクタデカンジオイルアミノベンゾイル) des(B30) ヒトインスリン
Figure 2008528658
表題化合物を、ヘキサデカンジオイック酸の代わりにオクタデカンジオイック酸モノtertブチルエステルを用いて、実施例9で記載されたように調製した。MALDI-MS (SA): 6160.9. anal. HPLC (neut)、96.0% 純度、rt 8.93分。(カラム:C4 5μ 150x4,60mm 「phenomenex、Jupiter」緩衝液A:MQ 水中、10mM TRIS、15 mM (NH4)2SO4、pH 7.3、20% CH3CN。緩衝液B:80 % CH3CN、20% MQ-水、流速:1,5 ml/min;勾配:0分 10 % B → 20分50 % B → 21分50 % B → 23分10 % B → 30分10 % B). anal. HPLC (酸ic)、100% 純度、rt 13.62分(カラム: C4 5μ 150x4,60mm 「phenomenex、Jupiter」緩衝液A:0.1% TFA、10%CH3CN、89.9 % MQ-水 緩衝液B:0.1% TFA、80 % CH3CN、19.9% MQ-水、流速:1,5 ml/min;勾配:0分20 % B → 17分90 % B → 21分90 % B → 23分20 % B → 30分20 % B)。
実施例11
N εB29 -ω-カルボキシペンタデカノイル-γ-L-グルタミル4-アミノメチル-ベンゾイル) desB30ヒトインスリンの合成
Figure 2008528658
モノ-tert-ブチルヘキサデカンジオエート:
ヘキサデカジオイック酸 (40.0 g、140 mmol)をトルエン(250 ml)に懸濁し、該混合物を加熱して還流した。N,N-ジメチルホルムアミドジ-tert-ブチルアセタール(76.3 g、375 mmol)を4時間にわたって滴下して加えた。該混合物を一晩還流した。該溶媒を真空中で、50℃で除去し、その粗製物質をDCM/AcOEt (500 ml、1:1)に懸濁し、15分間撹拌した。該固体を濾過して集め、DCM(200 ml)で倍散した。該濾液を真空中で蒸発させて、粗製のモノ-tert-ブチルヘキサデカンジオエートを30グラム得た。この物質を、DCM (50 ml)に懸濁し、氷で10分間冷却し、濾過した。該溶媒を真空中で除去して25グラムの粗製モノ-tert-ブチルヘキサデカンジオエートを残し、これは、ヘプタン(200 ml)から再結晶化してモノ-tert-ブチルヘキサデカンジオエート、15.9 g (33 %)を得た。或いは、再結晶化のため、該モノ-エステルはAcOEt/ヘプタンでのシリカクロマトグラフィーによって精製してもよい。
1H-NMR (CDCl3) :δ2.35 (t、2H)、2.20 (t、2H)、1.65-1.55 (m、4H)、1.44 (s、9H)、1.34-1.20 (m、20 H)。
スクシンイミジルtert-ブチルヘキサデカンジオエート:
モノtert-ブチルエステル(2g、5.8 mmol)をTHF(20 ml)に溶解し、TSTU (2.1 g、7.0 mmol)及びDIEA (1.2 ml、7.0 mmol)で処理して一晩撹拌した。該混合物を濾過し、該濾液を真空中で蒸発させた。該残渣をAcOEtに溶解し、冷たい0.1 M HCl及び水で2回洗浄した。MgSO4で乾燥し、真空中で蒸発させ、スクシンイミジルtert-ブチルヘキサデカンジオエート、2.02 g (79%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ:2.84 (s、4H)、2.60 (t、2H)、2.20 (t、2H)、1.74 (p、2H)、1.56 (m、2H)、1.44 (s、9H)、1.40 (m、2H)、1.30-1.20 (m、18H)。
Tert-ブチルヘキサデカンジオイル-L-Glu-OtBu:
スクシンイミジルtert-ブチルヘキサデカンジオエート(1 g、2.27 mmol)をDMF (15 ml)に溶解し、L-Glu-OtBu (0.51 g、2.5 mmol)及びDIEA (0.58 ml、3.41 mmol)で処理し、該混合物を一晩撹拌した。該溶媒を真空中で蒸発させ、該粗製産物をAcOEtに溶解し、0.2M HClで2回、水及び鹹水で洗浄した。MgSO4で乾燥し、真空中で 蒸発させ、tert-ブチルヘキサデカンジオイル-L-Glu-OtBu、1.2 g (100%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ:6.25 (d、1H)、4.53 (m、1H)、2.42 (m、2H)、2.21 (m、4H)、1.92 (m、1H)、1.58 (m、4H)、1.47 (s、9H)、1.43 (s、9H)、1.43-1.22 (m、18H)。
Tert-ブチルヘキサデカンジオイル-L-Glu(OSu)-OtBu:
Tert-ブチルヘキサデカンジオイル-L-Glu-OtBu (1.2 g、2.27 mmol)をTHF (15 ml)に溶解し、TSTU (0.82 g、2.72 mmol)及びDIEA (0.47 ml、2.72 mmol)で処理し、一晩撹拌した。該混合物を濾過し、該濾液を真空中で蒸発させた。該残渣をAcOEtに溶解し、冷たい0.1 M HCl及び水で2回洗浄した。MgSO4で乾燥し、真空中で蒸発させ、tert-ブチルヘキサデカンジオイル-L-Glu(OSu)-OtBu、1.30 g (92%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ:6.17 (d、1H)、4.60 (m、1H)、2.84 (s、4H)、2.72 (m、1H)、2.64 (m、1H)、2.32 (m、1H)、2.20 (m、4H)、2.08 (m、1H)、1.6 (m、4H)、1.47 (s、9H)、1.43 (s、9H)、1.33-1.21 (m、20 H)。
Tert-ブチルヘキサデカンジオイル-L-Glu(NHCH2PhCOOH)-OtBu:
Tert-ブチルヘキサデカンジオイル-L-Glu(OSu)-OtBu (100 mg、0.16 mmol) i DMF(1 ml)を4-アミノメチル安息香酸 (27 mg、0.18 mmol)及びDIEA (41 μL、0.24 mmol)で処理し、該混合物を一晩撹拌した。該溶媒を蒸発させ、その残渣をAcOEtに溶解した。その有機相を2×0.2M HCl、水及び鹹水で洗浄した。
MgSO4で乾燥し、真空中で蒸発させ、tert-ブチルヘキサデカンジオイル-L-Glu(NHCH2PhCOOH)-OtBu、92 mg (87 %)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ:7.85 (d、2H、J = 8 Hz)、7.30 (d、2H、J = 8 Hz)、7.16 (t、1H)、7.43 (d、1H)、4.50、(m、3H)、2.39 (t、2H)、2.29 (m、1H)、2.25 (t、2H)、2.18 (t、2H)、1.89 (m、1H)、1.59 (m、6H)、1.47 (s、9H)、1.43 (s、9H)、1.25 (m、20 H)。
Tert-ブチルヘキサデカンジオイル-L-Glu(NHCH2PhCOOSu)-OtBu:
tert-ブチルヘキサデカンジオイル-L-Glu(NHCH2PhCOOH)-OtBu (92 mg、0.14 mmol)を、THF (1 ml)に溶解し、TSTU (50 mg、0.17 mmol)及びDIEA (29 μl、0.177 mmol)で処理し、一晩撹拌した。該混合物を濾過し、該濾液を真空中で蒸発させた。その残渣をAcOEtに溶解し、冷たい0.1 M HCl及び水で2回洗浄した。MgSO4で乾燥し、真空中で蒸発させ、tert-ブチルヘキサデカンジオイル-L-Glu(NHCH2PhCOOSu)-OtBu、95 mg (90 %)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ:8.07 (d、2H、J = 8 Hz)、7.45 (d、2H、J = 8 Hz)、7.37 (t、1H)、6.38 (d、1H)、4.53、(m、2H)、4.40 (m、1H)、2.89 (s、4H)、2.32 (t、2H)、2.20 (m、6H)、1.86 (m、2H)、1.59 (m、6H)、1.46 (s、9H)、1.44 (s、9H)、1.25 (m、20 H)。
N εB29 -ω-カルボキシペンタデカノイル-γ-L-グルタミル4-アミノメチル-ベンゾイル) desB30ヒトインスリン:
Des(B30)ヒトインスリン (500 mg、0.090 mmol)を100 mM Na2CO3 (6.5 ml、pH 10.2)に室温で溶解した。Tert-ブチルヘキサデカンジオイル-L-Glu(NHCH2PhCOOSu)-OtBu (80 mg、105 mmol)をアセトニトリル (6.5 ml)に溶解し、該インスリン溶液に加えた。30分後、0.2 M メチルアミン (0.5 ml)を加えた。pHをHCl調整し、1 M HClを使用して5.5にし、該等電沈殿を遠心分離で集め、真空中で乾燥した。カップリング収率は84 % (RP-HPLC、C4 カラム;緩衝液A:0.1 % TFA-水中10 % MeCN、緩衝液B:0.1 % TFA-水中80 % MeCN;勾配20%〜90 % B、16分)であった。保護された産物を95 % TFA (15 ml)に溶解し、30分間放置し、真空中で蒸発させた。該粗製産物を水に溶解し、凍結乾燥した。
NεB29-ヘキサデカンジオイル-ガンマ-Glu-(4-アミノメチル-ベンゾイル) desB30インスリンを、C4-カラム、緩衝液A:20 % EtOH + 0.1 % TFA、緩衝液B:80 % EtOH + 0.1 % TFA;勾配15-60 % BでのRP-HPLCで、続いて、C4-カラム、緩衝液A:20 % EtOH 中、10 mM TRIS + 15 mM 硫酸アンモニウム、pH 7.3、緩衝液B:80 % EtOH、勾配15-60 % B でのHPLCで精製した。集めた画分を70% アセトニトリル+0.1% TFAでのSep-Pakで脱塩し、アンモニアを添加して中和し、フリーズドライした。非最適化収率は、11 mg (2 %)であった。HPLCで評価したその純度は、>98 %であった。LCMS 6236、C282H418N66O82S6 は6237となる。
実施例12
N εB29 -(3-カルボキシ-4-(14-カルボキシテトラデシルオキシ)ベンゾイル) desB30ヒトインスリン
工程1: 4-ヒドロキシイソフタル酸ジメチルエステル
Figure 2008528658
4-ヒドロキシイソフタル酸 (5 g、27.5 mmol)を100 ml メタノールに溶解し、N2流の下で0℃に冷却し、塩化チオニルを約5分にわたって加えた。該反応を0℃で30分間撹拌し、次いで、室温で1時間撹拌した。該反応を16時間還流した。該溶媒を真空下で除去し、その白色固体をAcOEt (100 ml)に溶解した。該溶液を水 (2 x 50 ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、真空下で濃縮し、白色結晶性固体(5.28 g、92%)を得た。
1H-NMR (CDCl3、300 MHz) δ:11.20 (s、1H)、8.57 (s、1H)、8.12 (d、1H)、7.02 (d、1H)、3.99 (s、3H)、3.91 (s、3H)。
工程2: 4-ヒドロキシイソフタル酸1-メチルエステル
Figure 2008528658
該化合物を、「Coutts、Ian G. C.;Edwards、Mark;Richards、David J. 合成 1981、487」に開示された方法で調製した。4-ヒドロキシイソフタル酸ジメチルエステル (5.28 g、25.1 mmol)を、N2流の下、ピリジン中で還流した。該反応を、TLC (20:10:1、ヘプタン/AcOEt/AcOH)により監視し、8時間後に反応完了を示した。ピリジンの大部分が、真空下で除去され、AcOEt (100 ml)が加えられた。該溶液を0.5 M HCl (3 x 50 ml)で洗浄した。酸性の洗浄物(washes)を次いで、AcOEt (100 ml)で抽出した。2つの有機相をプールし、乾燥し(MgSO4)、濃縮して、白色固体(4.85 g、99%)を得た。該固体を、トルエン(200 ml)から再結晶化し、白色結晶(4.6 g、92%)を得た。
1H-NMR (DMSO、400 MHz) δ: 8.39 (s、1H)、8.05 (d、1H)、7.07 (d、1H)、3.84 (s、3H)。
13C-NMR (DMSO、400 MHz) δ 171.38、165.59、165.00、136.26、132.47、120.91、118.11、113.72、52.40。
工程3: 4-ヒドロキシイソフタル酸3-tert-ブチルエステル1-メチルエステル
Figure 2008528658
4-ヒドロキシイソフタル酸1-メチルエステル(2 g、10.2 mmol)をトルエン (50 ml)中で、N2流下で80℃に熱し、N、N-ジメチルホルムアミドジ-tert-ブチルアセタール(4.88 ml、20.4 mmol)を30秒で加えた。該反応を80℃で撹拌し、TLC (20:10:1 (ヘプタン/AcOEt/AcOH)により監視した。1時間後、さらなるN、N-ジメチルホルムアミドジ-tert-ブチルアセタール(4.88 ml、20.4 mmol)を加え、そして、さらに1時間後に再度加えた。該反応を80℃で1時間撹拌し、該溶媒を真空下で除去した。AcOEt (100 ml)を加え、該溶液を水(3 x 50 ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、真空下で濃縮し、明るい黄色の結晶(2.64 g)を得た。該サンプルをヘプタン(10 ml)から再結晶化し、オフホワイトの結晶(1.26 g、49%)を得た。
1H-NMR (CDCl3、300 MHz) δ:11.55 (s、1H)、8.47 (s、1H)、8.08 (d、1H)、6.98 (d、1H)、3.91 (s、3H)、1.64 (s、9H)、(1.58及び1.46に幾つかの汚染シグナルもあった)。
工程4: 15-ブロモ-ペンタデカン酸tert-ブチルエステル
Figure 2008528658
15-ブロモ-ペンタデカン酸 (5 g、15.6 mmol)をN2流下、トルエン(50 ml)中で70℃に熱した。N、N-ジメチルホルムアミドジ-tert-ブチルアセタール(18.7 ml、77.8 mmol)を10分間にわたって加えた。該反応を55℃で16時間撹拌した。該サンプルを真空下で濃縮し、黄色がかった固体を得た。該固体をDCM (100 ml)に溶解し、水 (2 x 40 ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥して白色残渣(5.35 g)を得た。このサンプルを、エタノール(50 ml)から、最初にわずかに冷却して最初の沈殿物を濾過して、再結晶化した。該濾液を次いで、氷槽で冷却し、所望の結晶を形成させ、これは濾過して除き、乾燥させて、白色粉末(1.37 g、23%)を得た。濾液を20 mlに濃縮し、冷却し、さらなるバッチ結晶を得た(0.99 g、15%)。
HPLC-MS: m/z: 399+401 (M+23)、Rt = 7.04分。
工程5:4-(14-tert-ブトキシカルボニル-テトラデシルオキシ)-イソフタル酸 3-tert-ブチルエステル1-メチルエステル
Figure 2008528658
15-ブロモ-ペンタデカン酸tert-ブチルエステル(598 mg、1.59 mmol)、4-ヒドロキシイソフタル酸3-tert-ブチルエステル1-メチルエステル(400 mg、1.59 mmol)及びK2CO3 (329 mg、2.38 mmol)を、アセトニトリル(25 ml)を含んだフラスコ中に入れ、N2下で還流した。該反応は、TLC (4:1 ヘプタン/AcOEt)を介して続けられた。13時間後、該サンプルを真空下で濃縮し、ほぼ乾燥させた。AcOEt (50 ml)及び水 (25 ml)を該残渣に加えた。該相を分離し、該有機相を水及び鹹水(25 ml 各々)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濃縮して、油(841 mg、97%)を得た。
HPLC-MS m/z: 571 (M+23) Rt = 7.18分。
工程6: 4-(14-tert-ブトキシカルボニル テトラデシルオキシ)イソフタル酸3-tert-ブチルエステル
Figure 2008528658
4-(14-tert-ブトキシカルボニル-テトラデシルオキシ)-イソフタル酸 3-tert-ブチルエステル1-メチルエステル (381 mg、0.69 mmol)をメタノール(10 ml)に溶解した。該溶液を0℃に冷却し、4 N NaOH (1 ml)を加えた。該溶液を室温まで温めさせ、さらなるメタノール(15 ml)を加えた。該反応をN2下で30分、室温で撹拌し、2時間還流した。該溶液を0℃に冷却し、1 N HCl (1 ml)をゆっくり加えた。水 (25 ml)を加え、該溶液をAcOEt (2 x 50 ml)で抽出した。その有機相をプールし、1:1 水/飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、真空下で濃縮し、油性固体(326 mg、89%)を得た。
HPLC-MS m/z: 557 (M+23)、Rt = 6.5分。
工程7: 4-(14-tert-ブトキシカルボニル-テトラデシルオキシ)イソフタル酸 3-tert-ブチルエステル1-(2,5-ジオキソ ピロリジン-1-イル) エステル
Figure 2008528658
4-(14-tert-ブトキシカルボニルテトラデシルオキシ)イソフタル酸3-tert-ブチルエステル(0.15 g、0.28 mmol)をTHF (2ml)に溶解した。DIEA (58μl、0.34 mmol)を加え、該溶液を0℃に冷却した。TSTU (0.10 g、0.28 mmol)を加えた。該反応を0℃で30分間撹拌し、次いで、室温で16時間撹拌した。該サンプルを真空下で濃縮し、ほぼ乾燥させた。AcOEt (20 ml)を加え、該溶液を0.2 N HCl及び飽和NaHCO3 (3 x 5 ml 各々)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濃縮して残渣(0.18 g)を得た。該残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ:AcOEt/ヘプタン 3:7 (0.5 l)、1:1 (0.2 l))で精製し、白色固体を含む油(55 mg、31%)を得た。
1H-NMR (CDCl3、400 MHz) δ:8.43 (s、1H)、8.16 (d、1H)、7.00 (d、1H)、4.10 (t、2H)、2.90 (s、4H)、2.20 (t、2H)、1.86 (t、2H)、1.58 (s、12H = 9H+H2O)、 1.49 (m、2H)、1.44 (s、9H)、1.26 (m、20H)。
工程8: NεB29-(3-カルボキシ-4-(14-カルボキシテトラデシルオキシ)ベンゾイル)desB30ヒトインスリン
Figure 2008528658
一般方法Bで用いられる方法と類似して、4-(14-tert-ブトキシカルボニル-テトラデシルオキシ)イソフタル酸3-tert-ブチルエステル1-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)エステル(13 mg、0.021 mmol)をA1,B1-d-Boc-desB30ヒトインスリン (123 mg、0.021 mmol)と共役させ、TFAで処理し、そのように精製し、38 mgの産物を得た。
MS : m/z: 1528.8、算出:6111.1: (M+4)/4)。
実施例13
N εB29 -(3-カルボキシ-5-(14-カルボキシテトラデシルオキシ)ベンゾイル) desB30ヒトインスリン
Figure 2008528658
工程1: 5-(14-tert-ブトキシカルボニルテトラデシルオキシ)イソフタル酸ジメチルエステル
Figure 2008528658
5-ヒドロキシ-イソフタル酸ジメチルエステル(420 mg、2mmol)、15-ブロモ-ペンタデカン酸tert-ブチルエステル(755 mg、2mmol)及びK2CO3 (415 mg、3 mmol)を、アセトニトリル (25 ml)を含むフラスコに入れ、N2下で還流した。該反応に続いてTLC (4:1 ヘプタン/AcOEt)により行い、6時間後に反応完了が示された。該サンプルをほとんど乾燥するまで濃縮した。AcOEt (50 ml)及び水 (25 ml)を該残渣に加えた。その相を分離し、該有機相を水及び鹹水(25 ml 各々)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濃縮し、白色の結晶性固体(1.0 g、100%)を得た。
HPLC-MS m/z: 529 (M+23)、Rt = 7.12分。
1H-NMR (CDCl3、300 MHz) δ:8.26 (s、1H)、7.74 (s、2H)、4.03 (t、2H)、3.94(s、6H)、2.20 (t、2H)、1.80 (m、2H)、1.57 (m、2H)、1.44 (s、9H)、1.26 (m、20H)。
工程2: 5-(14-tert-ブトキシカルボニル-テトラデシルオキシ)イソフタル酸ビス-(2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イル)エステル
Figure 2008528658
5-(14-tert-ブトキシカルボニルテトラデシルオキシ)イソフタル酸ジメチルエステル(965 mg、1.91 mmol)をN2流下でメタノール(50 ml)に50℃で溶解した。30分後、1N NaOH (3.8 ml)を加え、該溶液を100分間還流した。該溶液を冷却し、1 N HCl (4.5 ml)を加えた。該サンプルを真空下で濃縮し、その残渣をAcOEt(20 ml)及び水(25 ml)に取った。その相を分離し、その有機相を水(15 ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)て濃縮し、白色固体(900mg)を得た。
この残渣をTHF(10 ml)に溶解し、氷槽中に置いた。DIEA (386 μl、2.26 mmol)を加え、続いてTSTU(675 mg、1.88 mmol)を加えた。該反応を0℃で30分間撹拌し、室温で16時間撹拌した。該反応混合物を真空下で濃縮し、AcOEt (50 ml)を加えた。該溶液を0.2 N HCl(3 x 50 ml)、水(50 ml)及び飽和NaCl (30 ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、真空下で濃縮して油(1.12 g)を得た。該化合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ:2:3 AcOEt/ヘプタン)で精製し、いくらかの結晶(330 mg)を含む油を得た。
この化合物の一部(290 mg)をメタノール(15 ml)及び1N NaOH (2.5 ml)に溶解し、油槽中で、70℃に4.5時間熱した。このサンプルを蒸発させて乾燥し、AcOEt(25 ml)、水(15 ml)及び1N HCl(2.8 ml)を加えた。その相を分離し、その有機相を水(15 ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濃縮して白色残渣(210 mg)を得た。
この残渣をTHF(10 ml)に溶解し、DIPEA(75 μL、0.44 mmol)を加え、該溶液を0℃に冷却した。TSTU(173 mg、0.48 mmol)を加え、該反応を30分、0℃で撹拌し、室温で16時間撹拌した。該反応を蒸発させて乾燥させ、AcOEt(25 ml)及び0.2 N HCl(26 ml)を加えた。その相を分離し、その有機相を0.2 N HCl (2 x 25 ml)、飽和NaHCO3 (3 x 25 ml)及び飽和NaCl(25 ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、真空下で濃縮した。DCMを加え、該サンプルを濃縮して残渣を得た。該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ: 7:3 AcOEt/ヘプタン)で精製し、90 mgを得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカ: AcOEt/ヘプタン 4:6 (100 ml)次いで7:3 (100 ml))で再び精製し、白色残渣(19 mg、8%)を得た。
HPLC-MS (Gradient) m/z: 696 (M+23);Rt: 6.04分。
1H-NMR (CDCl3、400 MHz) δ: 8.46 (s、1H)、7.90 (s、2H)、4.06 (t、2H)、2.92 (s、8H)、2.19 (t、2H) 1.82 (m、2H)、1.47 (m、2H)、1.44 (s、9H)、1.26 (m、20H)。
工程3: NεB29-(3-カルボキシ-5-(14-カルボキシ-テトラデシルオキシ)-ベンゾイル)desB30ヒトインスリン
一般方法Bと類似して、5-(14-tert-ブトキシカルボニル-テトラデシルオキシ)イソフタル酸ビス-(2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イル)エステルを、A1-B1-ジ-Boc-des-B30-インスリンと反応させ、TFAで処理して精製し、所望の産物を得た。
MALDI-MS: m/z 6119.6 : Calculated: 6111.1
実施例14
N εB29 -{4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシ-フェノキシ)-デカノイルアミノ]-ブチリル}desB30ヒトインスリン
工程1: 4-ヒドロキシ-安息香酸 tert-ブチルエステル
Figure 2008528658
4-ヒドロキシ-安息香酸(2 g、14.5 mmol)を、N2流下で、無水トルエン(3Å 分子篩)中で80℃に熱した。N、N-ジメチルホルムアミドジ-tert-ブチルアセタール(11.8 g、57.92 mmol)を5分にわたって加える。該混合物を80℃で50分間撹拌した。該溶液を水、飽和NaHCO3及び飽和NaCl(各15 ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濃縮して、黄色油(2.92 g)を得た。該油のいくらかを(ca 1.7 g)、クグレロフ蒸留(kuglerohr distillation)(195°、0.07 torr)で精製し、無色の油(1.18 g)を得た。1H-NMR は、フェノール基がtert-ブチル基で保護された約30%の副産物を含む産物を示した。該粗製産物を続く反応に用いた。
工程2: 2-(10-ブロモデカノイルアミノ)ペンタンジオイック酸5-ベンジルエステル1-tert-ブチルエステル
Figure 2008528658
10-ブロモデカン酸 (3.20 g、12.7 mmol)をDMF (50 ml)に溶解し、N2流下で0℃に冷却した。DIEA (3.92 g、30.3 mmol)及びEDAC (2.56 g、13.3 mmol)を加え、該溶液を0℃で30分間撹拌した。Glu-(OBn)-tBu HCl (2 g、6.06 mmol)を加え、該溶液を30分間、0℃で撹拌し、室温で16時間撹拌した。該サンプルを真空下で濃縮し、分液漏斗にAcOEt (100 ml)と共に移した。該溶液を、相分離を補助するためのいくらかの飽和NaCl及びメタノールを酸性洗浄(washes)と共に用いて、水で1回洗浄し、0.5 N NaOH及び5 % AcOH (各50 ml)で2回洗浄した。この有機相をMgSO4で乾燥し、濃縮して油(2.84 g)を得た。該油を5 ml AcOEtに溶解し、ガラスフィルター中のシリカベッド上に分散させた。AcOEt (150 ml)で溶出し、真空下で濃縮し、明るい茶色の油(1.65 g、52%)を得た。
HPLC-MS m/z: 550 (M+23)、Rt = 5.19分。
工程3 2-[10-(4-tert-ブトキシカルボニルフェノキシ)デカノイルアミノ]ペンタンジオイック酸5-ベンジルエステル1-tert-ブチルエステル
Figure 2008528658
4-ヒドロキシ-安息香酸tert-ブチルエステル(0.65 g、3.08 mmol)を、アセトニトリル (7.5 ml)に溶解し、2-(10-ブロモデカノイルアミノ)ペンタンジオイック酸5-ベンジルエステル1-tert-ブチルエステル(1.62 g、3.08 mmol)に加えた。アセトニトリル (90 ml)及びK2CO3 (0.64 g、4.62 mmol)を加え、該混合物をN2流下、16時間還流した。該溶媒を真空下で除去した。AcOEt (100 ml)を加え、該溶液を、相分離を助けるために飽和NaCl及びメタノールを用いて、水(2 x 50 ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濃縮して、明るい茶色の油(2.18 g)を得た。該油をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、95:5 DCM/AcOEt)で精製し、油(160 mg、8%)を得た。
1H-NMR (CDCl3、300 MHz) δ: (選択されたシグナル) 7.91 (d、2H)、7.25 (s、5H)、6.87 (d、2H)、6.06 (d、1H)、5.11 (s、2H)、4.52 (m、1H)、3.98 (d、2H)、2.2-2.6 (m、3H)、2.17 (t、2H)、1.90-2.02 (m、1H)、1.73-1.82 (m、2H)、1.58 (s、9H)。
HPLC-MS (Fastgrad) m/z: 640 (M+1)、Rt = 3.0分。
工程4: 2-[10-(4-tert-ブトキシカルボニルフェノキシ)デカノイルアミノ]ペンタンジオイック酸1-tert-ブチルエステル5-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)エステル
Figure 2008528658
2-[10-(4-tert-ブトキシカルボニルフェノキシ)デカノイルアミノ]ペンタンジオイック酸5-ベンジルエステル1-tert-ブチルエステル(160 mg、0.25 mmol)を、N2流下でTHF (10 ml)に溶解し、パラジウム (26 mg、炭素上で10%、50% 水)を加えた。そのフラスコを空にし、N2 を4回満たし、H2 で満たした風船をその系に結びつけた。該溶液を室温で16時間撹拌し、シリカベッドを通して濾過し、THF (100 ml)で洗浄した。その濾液を濃縮してカルボン酸(190 mg)を得た。該粗製産物をTHF(5 ml)に溶解し、0℃に冷却した。DIEA (64 μl、0.375 mmol)及びTSTU (0.09 g、0.3 mmol)を加えた。該混合物を0℃で1時間撹拌し、室温で16時間撹拌した。AcOEt (50 ml)を加え、該溶液を0.2 M HCl (3 x 15 ml)及び飽和NaHCO3 (2 x 15 ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濃縮して油(167 mg)を得た。フラッシュクロマトグラフィー(2:1 AcOEt/ヘプタン)による精製により、107 mgの無色の油が得られた。
1H-NMR (CDCl3、300 MHz) (選択されたシグナル) δ 7.92 (d、2H)、6.87 (d、2H)、6.22 (d、1H)、4.61 (m、1H) 3.99 (t、2H)、2.83 (s、4H)、2.62-2.75 (m、2H)、2.30 (m、1H)、2.22 (t、2H)、2.10 (m、1H)、1.58 (s、9H)。
工程5: NεB29-{4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシ-フェノキシ)-デカノイルアミノ]-ブチリル} desB30ヒトインスリン
Figure 2008528658
2-[10-(4-tert-ブトキシカルボニルフェノキシ)デカノイルアミノ]ペンタンジオイック酸1-tert-ブチルエステル5-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)エステルを一般方法Aで記載されたものと同様の方法で、desB30ヒトインスリンと結合させた。その中間産物を、TFAで処理する前に調製用HPLC (C18-5cm dia.)で精製した。該産物を調製用HPLC (C4 2 cm dia.) 15-65% アセトニトリル)で精製し、続いて、イオン交換クロマトグラフィー(カラム: Amersham Resource Q-6ml、緩衝液A:0.24% w/w TRIS、0.25% w/w アンモニウム アセテート、42.5% w/w エタノール、酢酸によりpH 7.5、緩衝液B:0.24% w/w TRIS、2.5% w/w 酢酸アンモニウム、42.5% w/w エタノール、酢酸によりpH 7.5)で精製した。
HPLC-MS: m/z: 1532.6 (M+4)/4)、calculated: 6126。
実施例15
N εB29 -[3-カルボキシ-5-(オクタデカンジオイル-N-カルボキシエチルグリシン)アミノベンゾイル] desB30ヒトインスリン
Figure 2008528658
工程1
3-(ベンジルオキシカルボニルメチルアミノ)プロピオン酸 tert-ブチルエステルの合成
H-Gly-OBn、HCl (3.03 g、15 mmol)を無水DMF (15 ml)に溶解し、氷槽で冷却した。TEA-塩酸塩の沈殿下、TEA (2.10、15 mmol)を加えた。t-ブチルアクリラート(2.20 ml、15 mmol)を加える前に、その懸濁液を5分間撹拌した。冷却槽をゆっくり室温に至らせ、2日間、窒素下で撹拌を続けた。該反応混合物を濾過し、該濾液を濃縮した。その残渣はなおDMFを含むが、これをEtOAcに溶解し、飽和水性NaHCO3 (2x)及び水 (1x)で洗浄した。その有機層を濾過し、乾燥(Na2SO4)及び濃縮し、油を得た。クロマトグラフィー又は調製用HPLCによる精製により、3-(ベンジルオキシカルボニルメチルアミノ)プロピオン酸 tert-ブチルが清澄な油(0.739 g、17%)として得られた。
1H-NMR (CDCl3) δ:ppm 1.46 (s、9H) 2.50 - 2.61 (m、2H) 2.82 - 2.99 (m、2H) 3.31 (s、2H) 5.14 (s、2H) 7.29 - 7.43 (m、5 H)。
工程2
17-[ベンジルオキシカルボニルメチル-(2-tert-ブトキシカルボニル-エチル)-カルバモイル]-ヘプタデカン酸 tert-ブチルエステルの合成
3-(ベンジルオキシカルボニルメチルアミノ)プロピオン酸tert-ブチルエステル(0,030 g、0.1 mmol)及びオクタデカンジオイック酸tert-ブチルエステル2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステル(0,050 mg、0.1 mmol)を、無水DMF (1 ml)に懸濁した。HOAt (0,014 g、0.1 mmol)及びDIPEA (0.21 ml、1.2 mmol)を加えた。黄色の反応混合物を窒素下で42時間撹拌した。該反応混合物を濃縮した。その残渣をEtOAcに再溶解し、0.1 N HCl (2x)、水 (1x)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濃縮して、17-[ベンジルオキシカルボニルメチル-(2-tert-ブトキシカルボニル-エチル)-カルバモイル]-ヘプタデカン酸 tert-ブチルエステルを85%収率(55 mg)で得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: ppm 1.3 (m、26H) 1.38 (s、9H)、1.46 (s、9 H)、1.6 (m、4H)、 2.2 (m、2H)、2.35 (m、2 H)、2.65 (m、2H)、 2.85 (s、2 H) 3.65 (m、2H)、5.15 (s、2 H) 7.35 (m、5 H)。
工程3
17-[(2-tert-ブトキシカルボニル-エチル)-カルボキシメチル-カルバモイル]-ヘプタデカン酸tert-ブチルエステルの合成
17-[ベンジルオキシカルボニルメチル-(2-tert-ブトキシカルボニル-エチル)-カルバモイル]-ヘプタデカン酸tert-ブチルエステル(0,054 g、0.08 mmol)をTHF (2 ml)に溶解した。木炭上の10% パラジウムを加え、該混合物を1 atm、室温で、週末にわたって水素化した。無水反応混合物をEtOAcに溶解し、3回濾過して炭素を除去した。該濾液を濃縮し、17-[(2-tert-ブトキシカルボニル-エチル)-カルボキシメチル-カルバモイル]-ヘプタデカン酸 tert-ブチルエステルを80%収率(37 mg)で得た。
1H-NMR (CDCl3) δ:ppm 1.3 (m、26H) 1.40 (s、9H)、1.46 (s、9 H)、1.6 (m、4H)、 1.75 (p、2H)、2.2 (m、2H)、2.35 (m、2 H)、2.63 (m、2H)、 2.83 (s、2 H)。
工程4
5-{2-[(2-tert-ブトキシカルボニル-エチル)-(17-tert-ブトキシカルボニル-ヘプタデカノイル)-アミノ]-アセチルアミノ}-イソフタル酸 モノ-tert-ブチルエステルの合成
17-[(2-tert-ブトキシカルボニル-エチル)-カルボキシメチル-カルバモイル]-ヘプタデカン酸 tert-ブチルエステル(0.130 g)を、無水DCM (5 ml)に溶解した。HOAt (0.36 mg)及びDIC (0.045 ml)を加え、該混合物を窒素下で1時間還流した。該反応混合物を室温まで冷却し、5-アミノ-イソフタル酸モノt-ブチルエステル(60 mg)を加えた。1時間撹拌した後、DIPEA (0.050 ml)を加え、そのオレンジの反応混合物は黄色に変化した。2日間の撹拌後、該反応混合物を濃縮した。その残渣をEtOAcに再溶解し、0.1 N HCl (2x)及び鹹水 (1x)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、濃縮して、静置により凝固するシロップを得た。5-{2-[(2-tert-ブトキシカルボニル-エチル)-(17-tert-ブトキシカルボニル-ヘプタデカノイル)-アミノ]-アセチルアミノ}-イソフタル酸モノ-tert-ブチルエステルが、定量的な収率 (214 mg)で、不純物を混入して得られた。HPLC/MS 775 (M)、rt 7.64分。
工程5
5-{2-[(2-tert-ブトキシカルボニル-エチル)-(17-tert-ブトキシカルボニル-ヘプタデカノイル)-アミノ]-アセチルアミノ}-イソフタル酸 1-tert-ブチルエステル3-(2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イル) エステルの合成
5-{2-[(2-tert-ブトキシカルボニル-エチル)-(17-tert-ブトキシカルボニル-ヘプタデカノイル)-アミノ]-アセチルアミノ}-イソフタル酸 モノ-tert-ブチルエステル(214 mg)を無水THFに溶解し、TSTU (0.105 mg)及びDIPEA (0.1 ml)を加えた。該混合物を窒素下、室温で撹拌した。20時間後、該反応混合物を濃縮した。その残渣をEtOAcに再溶解し、濾過した。その濾液を0.1 N HCl (2x)及び鹹水 (1x)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、濃縮し、5-{2-[(2-tert-ブトキシカルボニル-エチル)-(17-tert-ブトキシカルボニル-ヘプタデカノイル)-アミノ]-アセチルアミノ}-イソフタル酸 1-tert-ブチルエステル3-(2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イル) エステルを黄色シロップとして、90%収率(218 mg)で得た。
工程6
NεB29-[3-カルボキシ-5-(オクタデカンジオイル-N-カルボキシエチルグリシン)アミノ-ベンゾイル] desB30 インスリンの合成
5-{2-[(2-tert-ブトキシカルボニル-エチル)-(17-tert-ブトキシカルボニル-ヘプタデカノイル)-アミノ]-アセチルアミノ}-イソフタル酸 1-tert-ブチルエステル3-(2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イル)エステルを、一般方法Bで記載したように、A1,B1-ジBoc インスリンと反応させた。該産物を調製用HPLCで精製し、表題化合物を得た。結合(coupling)及び加水分解の全体の収率は、18% (21 mg)であった。
MALDI-MS (SA): 6288.8. anal. HPLC (neut)、93.8.5% 純度、室温10.22分。 (カラム:C4 5μ 150x4,60mm 「phenomerex、Jupiter」緩衝液A:MQ 水中、10mM TRIS、15 mM (NH4)2SO4、pH 7.3、20% CH3CN。緩衝液B:80 % CH3CN、20% MQ-水、流速:1,5 ml/min;勾配:0 分 5 % B → 20 分 55 % B → 22 分 80 % B → 24 分 80 % B → 25分 5 % B) anal. HPLC (酸性)、100% 純度、室温 11.694 分 (カラム:C4 5μ 150x4,60mm 「phenomerex、Jupiter」緩衝液A:0.1% TFA、10%CH3CN、89.9 % MQ-水 緩衝液B:0.1% TFA、80 % CH3CN、19.9% MQ-水、流速:1,5 ml/min;勾配:0 分 20 % B → 17 分 80 % B → 22 分 80 % B → 23 分 20 % B → 30 分 20 % B。
実施例16(一般方法A、desB30ヒトインスリンを用いたアシル化)
N εB29 {3-[(3,5-ビス-カルボキシメトキシ-ベンジル)-(15-カルボキシペンタデカノイル)アミノ]-プロピオニル desB30ヒトインスリン
工程1:ヘキサデカンジオイック酸 モノ-(4-メトキシ-ベンジル)エステルの合成
Figure 2008528658
ヘキサデカンジオイック酸 (2 g、7 mmol)を無水NMP (25 mL)に溶解した。ジイソプロピルアミン(1.2 mL、7 mmol)及び4-メトキシベンジル塩化物 (0.95 mL、7 mmol)を加え、続いて、NaI (0.52 g、3.5 mmol)を加えた。該混合物を80℃に1時間熱し、水 (100 mL)中に注ぎ、濾過した。その沈殿物をジクロロメタン (150 mL)で洗浄し、該ジクロロメタン相を乾燥し(Na2SO4)、真空中で溶媒除去してその粗製産物を得た。これは、ヘプタンから数回、再結晶化し、ヘキサデカンジオイック酸モノ-(4-メトキシ-ベンジル) エステルを得た。
1H NMR (CDCl3): δ7.28 (d、2H)、6.87 (d、2H)、5.02 (s、2H)、3.78 (s、3H)、2.31 (m、4H)、1.60 (m、4H)、1.20 (m、20 H)。
工程2:(3-Tert-ブトキシカルボニルメトキシ-5-ホルミルフェノキシ)酢酸 tert-ブチルエステルの合成
Figure 2008528658
4,5 ジヒドロキシベンズアルデヒド (2.5 g、18.1 mmol)をNMP (120 mL)に溶解した。カリウムカルボナート (10 g、72.4 mmol)を加え、続いてtert-ブチルブロモアセテートを加えた。その混合物を、窒素下に室温で一晩、撹拌した。該反応物を濾過し、ジエチルエーテル (400 mL)と水 (400 mL)の間で分離した。該有機相を乾燥し(Na2SO4)、真空中で溶媒除去し、その粗製産物を、静置して凝固する油として得た。該粗製産物は、さらに精製することなく次の工程に用いた。
HPLC-MS:m/z = (389、M+Na);Rt = 4.50分。
1H NMR (CDCl3): δ 9.85 (s、1H)、7.00 (s、2H)、6.75 (s、1H)、4.58 (s、4H)、1.44 (2、18H)。
工程3:3-(3,5-ビス-tert-ブトキシカルボニルメトキシベンジルアミノ)プロピオン酸の合成
Figure 2008528658
ベータ-アラニン (0.5 g、5.68 mmol)をメタノール (20 mL)に溶解した。(3-Tert-ブトキシカルボニルメトキシ-5-ホルミルフェノキシ)酢酸tert-ブチルエステル(2.08 g、5.58 mmol)をメタノール (2 mL)に溶解し、加えた。該混合物を熱して1時間還流し、室温まで冷却させた。ナトリウムシアノ水素化ホウ素 (282 mg、4.54 mmol)を加え、該混合物を室温で撹拌し、1時間後、酢酸を加え(2 mL)、該混合物をさらに1時間撹拌し、その後、水(50 mL)に注ぎ一晩撹拌した。その水相を酢酸エチル(2x50 mL)で洗浄した。その有機相を乾燥し(Na2SO4)、真空中で溶媒除去し、粗製産物を得た。該粗製産物は、さらに精製することなく、次の工程で用いた。
HPLC-MS:m/z = (440、M+Na);Rt = 3.24分。
工程4:15-[(3,5-ビス-tert-ブトキシカルボニルメトキシベンジル)-(2-カルボキシエチル)カルバモイル]ペンタデカン酸 4-メトキシベンジル エステルの合成
Figure 2008528658
ヘキサデカンジオイック酸モノ-(4-メトキシ-ベンジル)エステル(0,4 g、0.98 mmol)を酢酸エチル(10 mL)に溶解した。N-エチル-N-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(0.187 g、0.98 mmol)及び1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール (0.134 g、0.98 mmol)を加え、該混合物を50℃で1時間撹拌した。室温まで冷却した後、ジイソプロピルエチルアミン(0.50 mL、2.95 mmol)を加え、続いて3-(3,5-ビス-tert-ブトキシカルボニルメトキシベンジルアミノ)プロピオン酸 (0.432 g、0.98 mmol)を加えた。該混合物を窒素下の室温で一晩撹拌した。該混合物を酢酸エチル(200 mL)と水(2x100 mL)の間で分離した。その有機相を乾燥し(Na2SO4)、真空中で溶媒除去した。その粗製産物をRP-HPLC(C18-カラム、緩衝液A:0.1 % TFA、緩衝液B:MeCN + 0.1 % TFA;勾配80-100 % B)で精製し、表題化合物を得た。
HPLC-MS:m/z = (547、M+Na);Rt = 6.17分。
工程5:15-{(3,5-ビス-tert-ブトキシカルボニルメトキシベンジル)-[2-(2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルオキシカルボニル)エチル]カルバモイル}ペンタデカン酸4-メトキシ-ベンジルエステルの合成
Figure 2008528658
15-[(3,5-ビス-tert-ブトキシカルボニルメトキシベンジル)-(2-カルボキシエチル)カルバモイル]ペンタデカン酸4-メトキシベンジルエステル(190 mg、0.23 mmol)をTHF (5 mL)に溶解した。該混合物を氷槽で冷却した。ジイソプロピルエチルアミン(0.047 mL、0.28 mmol)及びO-(N-スクシンイミジル)-N,N,N´,N´-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(83 mg、0.28 mmol)を加えた。該混合物を窒素下の0℃で撹拌した。30 分後、該氷冷を除去し、該混合物をさらに3時間撹拌した。真空中で溶媒除去した。その粗製産物を酢酸エチル (50 mL)に溶解し、水性のリン酸緩衝液 (pH=5.5) (3x25 mL)で洗浄した。その有機相を乾燥し(Na2SO4)、真空中で溶媒除去して表題化合物(163 mg)を得た。これは引き続く工程で用いた。
HPLC-MS: m/z = 924;Rt = 6.5分。
工程6:NεB29{3-[(3,5-ビス-カルボキシメトキシ-ベンジル)-(15-カルボキシ-ペンタデカノイル)-アミノ]-プロピオニル desB30ヒトインスリンの合成
Figure 2008528658
DesB30ヒトインスリン (742 mg、0.13 mmol)を水性Na2CO3 (100 mM、14.7 mL)に溶解した。15-{(3,5-ビス-tert-ブトキシカルボニルメトキシベンジル)-[2-(2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルオキシカルボニル)エチル]カルバモイル}ペンタデカン酸 4-メトキシ-ベンジルエステル(120 mg、0.13 mmol)をアセトニトリル (7.4 mL)に溶解して加えた。該混合物を室温で1時間、極めてゆっくり撹拌した。水性HCl (1N)でpHを5.5に調整し、その懸濁液を0℃で10 分、静置した。その沈殿物を遠心分離して単離し、p-クレゾール(0.750 mL)とTFA (14.25 mL)の混合物で10分間、処理した。氷冷したジエチルエーテル (30 mL)に注ぎ、その粗製産物を遠心分離で単離し、RP-HPLC(水 Prep LC2000、C18で、5 cm×20 cm、流速20 ml/min 、0.1 % TFAを含む、アセトニトリル/水 15-55 % 勾配を用いた)で精製した。産物を含む画分を集め凍結乾燥した。その凍結乾燥した物質に水 (7.2 mL)を加え、1 N+0.1 N NaOHでpHを8.98に調整した。0.1 N HClで、そのpHを5.2-5.5に調整して戻した。該産物を沈殿し、遠心分離で単離し、凍結乾燥して表題化合物を得た。
HPLC-MS: m/z = 1257 (m/5)、Rt = 3.27分。
実施例17
N εB29 -3-[4'-(2-カルボキシエチル)ビフェニル-4-イル]プロピオニル-γ-L-グルタミルdesB30 インスリン
Figure 2008528658
工程1:tert-ブチル 3-(4-ブロモフェニル)プロピオネートの合成
3-(4-ブロモフェニル)プロピオン酸 (1.0 g、4.4 mmol)をトルエン (15 ml)に溶解し、N,N-ジメチルホルムアミド ジ-t-ブチル アセタール (1.8 g、8.7 mmol)で処理した。該混合物を5時間、90℃に熱し、次いで、さらにN,N-ジメチルホルムアミド ジ-t-ブチル アセタール(1.8 g、8.7 mmol)で処理した。その混合物を90℃で一晩放置した。酢酸エチルを加え(25 ml)、その有機相を2×0.1 M HCl、2×5% Na2CO3及び水で洗浄した。MgSO4で乾燥し、真空中で蒸発させ、tert-ブチル3-(4-ブロモフェニル)プロピオネート、0.735 g (59 %)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ:7.47 (d、2H)、7.08 (d、2H)、2.87 (t、2H)、2.52 (t、2H)、1.42 (s、9H)。
工程2:tert-ブチル3-[4'-(2-カルボキシ-エチル)-ビフェニル-4-イル]-プロピオネートの合成
アルゴン雰囲気下の、アセトニトリル-水(3:1、13 ml)中のTert-ブチル3-(4-ブロモフェニル)プロピオネート(433 mg、1.52 mmol)を、4-(2-カルボキシエチル)ベンゼンホウ素酸 (294 mg、1.52 mmol)、K2CO3 (251 mg、1.82 mmol)及び(Ph3P)4Pd (87 mg、73 μmol)で処理し、該撹拌混合物を90℃で4時間熱した。過剰の酢酸エチル及び2 M HClを加え、その有機相を2×2 M HCl及び2×水で洗浄した。MgSO4で乾燥し、真空中で蒸発させ、その粗製産物を得た。これは、シリカカラムで、酢酸エチル/ヘキサン/酢酸 50:50:1で溶出したクロマトグラフィーにより精製され、tert-ブチル 3-[4'-(2-カルボキシ-エチル)-ビフェニル-4-イル]-プロピオネート、330 mg (62 %)を提供した。
1H-NMR (CDCl3) δ:7.50 (dd、4H)、7.26 (dd、4H)、3.00 (t、2H)、2.94 (t、2H)、2.72 (t、2H)、2.57 (t、2H)、1.42 (s、9H)。
工程3:tert-ブチル 3-[4'-(2-O-スクシンイミジル-カルボキシ-エチル)-ビフェニル-4-イル]-プロピオネートの合成
Tert-ブチル3-[4'-(2-カルボキシ-エチル)-ビフェニル-4-イル]-プロピオネート (330 mg、0.93 mmol)をTHF (5 ml)に溶解し、TSTU (336 mg、1.12 mmol)及びDIEA (191 μL、1.12 mmol)で処理し、該混合物を室温で一晩、撹拌した。該混合物を濾過し、その溶媒を真空中で蒸発させ、その粗製産物を酢酸エチルに溶解し、2×0.1 M HCl、2×5% Na2CO3及び水で洗浄した。MgSO4で乾燥し、真空中で蒸発させ、tert-ブチル 3-[4'-(2-O-スクシンイミジル-カルボキシ-エチル)-ビフェニル-4-イル]-プロピオネート、374 mg (89 %)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ:7.50 (dd、4H)、7.27 (dd、4H)、3.10 (t、2H)、2.95 (m、4H)、2.84 (s、4H)、2.57 (t、2H)、1.42 (s、9H)。
工程4:tert-ブチル 3-[4'-(2-O-スクシンイミジル-カルボキシ-エチル)-ビフェニル-4-イル]-プロピオネート-L-グルタミルα-tert-ブチルエステルの合成
Tert-ブチル 3-[4'-(2-O-スクシンイミジル-カルボキシ-エチル)-ビフェニル-4-イル]-プロピオネート (100 mg、0.22 mmol)をDMF (1.0 ml)に溶解し、L-Glu-OtBu (50 mg、0.25 mmol)及びDIEA (56 μL、0.33 mmol)で処理し、室温で一晩、撹拌した。その溶媒を真空中で除去し、その残渣を酢酸エチルに溶解し、2x0.2 M HCl、水及び鹹水で洗浄した。MgSO4で乾燥し、真空中で蒸発させ、tert-ブチル 3-[4'-(2-O-スクシンイミジル-カルボキシ-エチル)-ビフェニル-4-イル]-プロピオネート-L-グルタミルα-tert-ブチルエステル、119 mg (100 %)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ:7.48 (dd、4H)、7.24 (dd、4H)、6.30 (bd、1H)、4.54 (m、1H)、2.95 (m、4H)、2.56 (m、4H)、2.31 (m、2H)、2.16 (m、1H)、1,86 (m、1H)、1.44 (s、9H)、1.42 (s、9H)。
工程5:tert-ブチル 3-[4'-(2-O-スクシンイミジル-カルボキシ-エチル)-ビフェニル-4-イル]-プロピオネート-L-グルタミル-γ-O-スクシンイミジルα-tert-ブチルエステルの合成
THF (2 ml)中のTert-ブチル3-[4'-(2-O-スクシンイミジル-カルボキシ-エチル)-ビフェニル-4-イル]-プロピオネート-L-Glu-OtBu (120 mg、0.22 mmol)をTSTU (80 mg、0.27 mmol)及びDIEA (46 μL、0.27 mmol)と上記工程3の記載のように反応させ、tert-ブチル 3-[4'-(2-O-スクシンイミジル-カルボキシ-エチル)-ビフェニル-4-イル]-プロピオネート-L-グルタミル-γ-O-スクシンイミジルα-tert-ブチルエステル、136 mg (96%)を提供した。
1H-NMR (CDCl3) δ:7.50 (dd、4H)、7.25 (dd、4H)、6.21 (d、1H)、4.60 (m、1H)、3.00 (t、2H)、2.94 (t、2H)、2.78 (s、4H)、2.56 (m、6H)、2.36 (m、1H)、2.04 (m、1H)、1.46 (s、9H)、1.43 (s、9H)。
工程5:NεB29-3-[4'-(2-カルボキシ-エチル)-ビフェニル-4-イル]-プロピオニル-γ-L-グルタミルdesB30 インスリンの合成
DesB30ヒトインスリン (500 mg、88 μmol)をtert-ブチル 3-[4'-(2-O-スクシンイミジル-カルボキシ-エチル)-ビフェニル-4-イル]-プロピオネート-L-グルタミル-γ-O-スクシンイミジルα-tert-ブチルエステル(67 mg、105 μmol)と反応させ、その産物を単離し、脱保護し、実施例11で記載したように、HPLC-精製した。LCMS:6114.0、C276H399N65O81S6 は6116.0となる。
実施例18(一般方法A、desB30ヒトインスリンを用いたアシル化)
N εB29 -ω-カルボキシペンタデカノイ- -(4-アミノメチルベンゾイル) -γ-L-グルタミルdesB30ヒトインスリン-Glu-desB30 インスリン
工程1:4-[(15-tert-ブトキシカルボニルペンタデカノイルアミノ)メチル]安息香酸の合成
Figure 2008528658
4-(アミノメチル)安息香酸 (0.2 g、1.32 mmol)に、NMP (5 mL)を加えた。ヘキサデカンジオイック酸 tert-ブチルエステル2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イル エステル (0.58 g、1.32 mmol)を加え、該混合物を室温で一晩撹拌した。該混合物を水 (100 mL)に注ぎ、その沈殿物を濾過して単離し、真空中で乾燥させた。その粗製物質をトルエンから再結晶化して、4-[(15-tert-ブトキシカルボニルペンタデカノイルアミノ)メチル]安息香酸 (413 mg)を得た。
1H NMR (DMSO-d6): δ12.77 (br s、1H)、8.36 (t、1H)、7.87 (d、2H)、7.32 (d、2H)、4.32 (d、2H)、2.15 (q、4H)、1.48 (m、4H)、1.38 (s、9H)、1.28-1.18 (br s、20H)。
工程2:(S)-2-{4-[(15-tert-ブトキシカルボニル-ペンタデカノイルアミノ)-メチル]-ベンゾイルアミノ}-ペンタンジオイック酸 1-tert-ブチルエステルの合成
Figure 2008528658
4-[(15-tert-ブトキシカルボニルペンタデカノイルアミノ)メチル]安息香酸 (413 mg、0.868 mmol)をTHF (5 mL)に溶解し、その溶液を氷槽で冷却した。DIPEA (0.33 mL、1.91 mmol)及びTSTU (314 mg、1.04 mmol)を加えた。その混合物を窒素下で撹拌し、その間、冷却を維持した。30分後、該氷槽を除去し、該混合物をさらに3時間、室温で撹拌した。該混合物をNMP (5mL)で希釈し、H-GluOtBu (0.21 g、1.04 mmol)を加え、該混合物を一晩、室温で撹拌した。該混合物を酢酸エチル (100 mL)と水 (100 mL)の間で分離し、その有機相を乾燥し(Na2SO4)、溶媒を真空中で除去した。その粗製物質をシリカでDCM/エタノール (90:10)を用いて精製し、(S)-2-{4-[(15-tert-ブトキシカルボニル-ペンタデカノイルアミノ)-メチル]-ベンゾイルアミノ}-ペンタンジオイック酸 1-tert-ブチルエステルを得た。
1H NMR (CDCl3): δ7.63 (d、2H)、7.20 (m、3H)、6.52 (t、1H)、4.62 (m、1H)、4.40 (d、2H)、2.50 (m、2H)、2.30-2.10 (m、6H)、1.70-1.55 (m、4H)、1.50 (s、9H)、1.45 (s、9H),1.35-1.20 (m、20H)。
工程3N εB29 -カルボキシペンタデカノイル-(4-アミノメチルベンゾイル)-γ-L-グルタミルdesB30ヒトインスリンの合成
Figure 2008528658
該化合物を、(S)-2-{4-[(15-tert-ブトキシカルボニル-ペンタデカノイルアミノ)-メチル]-ベンゾイルアミノ}-ペンタンジオイック酸 1-tert-ブチルエステルを用いて、一般方法Bの工程3及び工程4の記載と同様に調製した。
実施例19
N εB29 (4-{[(2-カルボキシ-エチル)-(15-カルボキシ-ペンタデカノイル)アミノ]メチル}ベンゾイル) -γ-D-グルタミルdesB30ヒトインスリン
工程1:樹脂結合Fmoc-D-Glu-OtBuの合成
2-クロロトリチル塩化物リンカー(1.4 mmol/g)で官能性をもたせた1 gのポリスチレン樹脂を、NMP (10 mL)及び1,2-ジクロロプロパン (10 mL)とともに1時間ボルテックスした。該樹脂を濾過し、ジクロロメタン (20 mL)で洗浄した。Fmoc-D-Glu-OtBu (596 mg、1.4 mmol)を、ジイソプロピルエチルアミン (0.96 mL、5.6 mmol)と共にジクロロメタン (20 mL)に溶解し、前記樹脂に加えた。該懸濁液を25℃で2時間、懸濁した後、該樹脂を濾過して単離し、NMP (2x20 mL)で洗浄した。
工程2:樹脂結合4-ホルミルベンゾイル-D-Glu-OtBuの合成
上記の樹脂結合Fmoc-D-Glu-OtBuに、該樹脂を排出し、NMP (6 x 20 mL)で洗浄した後、
NMP (2x20 mL 2×5分)中のピペリジン20% 溶液を処理した。NMP (10 mL)及びジイソプロピルエチルアミン(0.96 mL)を該樹脂に加えた。4-ホルミル安息香酸 (0.841 g、5.6 mmol)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール (0.757 g、5.6 mmol)をNMP (10 mL)に溶解し、続いてジイソプロピルカルボジイミド (0.867 mL、5.6 mmol)に溶解し、10分間撹拌した後、前記樹脂に加えた。該混合物を25℃で2時間振盪し、続いて、濾過し、N-メチル-2-ピロリジノン (3 x 20mL)を有する樹脂を洗浄した。
工程3:樹脂結合4-[(2-tertブトキシカルボニルエチルアミノ)-メチル]ベンゾイル-D-Glu-OtBuの合成
上記の樹脂結合4-ホルミルベンゾイル-D-Glu-OtBuを、NMP及びトリメチルオルトホルメート(1:1 10 mL)及び氷酢酸(1 mL)の混合物中の、tert-ブチル ベータ-アラニン塩酸塩(0.902g、5 mmol)及びジイソプロピルアミン (0.856 mL、5 mmol)により、25℃で1時間、処理した。ナトリウムシアノ水素化ホウ素(314 mg、5 mmol)をN-メチル-2-ピロリジノン及びメタノール(1:1、5 mL)の混合物に溶解して加えた。該混合物を25℃で4時間、ボルテックスし、続いて、濾過し、NMP及びメタノール (1:1、2 x 20 mL) 混合物、NMP (3 x 20 mL)及び1,2-ジクロロプロパン及びジイソプロピルエチルアミン (7:1、2 x 20 mL)混合物で洗浄した。
工程4:樹脂結合4-{[(2-tert-ブトキシカルボニルエチル)-(15-tert ブトキシカルボニルペンタデカノイル)-アミノ]-メチル}ベンゾイル-D-Glu-OtBuの合成
上記の樹脂結合4-[(2-tertブトキシカルボニルエチルアミノ)-メチル]ベンゾイル-D-Glu-OtBuに、NMP中のヘキサデカンジオイック酸モノ-tert-ブチルエステル(685 mg、2 mmol)溶液、1,2-ジクロロプロパン、DIPEA (4.5:4.5:1、10 mL)を加え、続いて、1,2-ジクロロプロパン(10 mL)に溶解したブロモ-TRIS-ピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBrop) (0.93 g、2 mmoL)の溶液を加えた。該混合物を50℃で3時間、ボルテックスし、続いて濾過し、NMP (4 x 20 mL)及びDCM (10 x 20 mL)で洗浄した。
工程5:4-{[(2-tert-ブトキシカルボニルエチル)-(15-tert ブトキシカルボニルペンタデカノイル)-アミノ]-メチル}ベンゾイル-D-Glu-OtBuの合成
Figure 2008528658
前記の樹脂結合4-{[(2-tert-ブトキシカルボニルエチル)-(15-tert ブトキシカルボニルペンタデカノイル)-アミノ]-メチル}ベンゾイル-D-Glu-OtBuを、1%TFA(2x20mL、2x10分)を含むDCMで処理した。濾過した後、該DCM/TFA断片を集め、NaHCO3 5% (20 mL)で洗浄した。その有機相(fase)を乾燥し(Na2SO4)、真空中で溶媒を除去し、粗製物質をシリカゲルカラムで、DCM/EtOH 95:5により溶出して精製し、4-{[(2-tert-ブトキシカルボニルエチル)-(15-tert ブトキシカルボニルペンタデカノイル)-アミノ]-メチル}ベンゾイル-D-Glu-OtBuを得た。
1H-NMR (CDCl3): δ7.80 (dd、2H)、7.30-7.08 (m、3H)、4.72-4.60 (m、3H)、3.60-3.50 (m、2H)、2.57-2.40 (m、5H)、2.37-2.04 (m、5H)、1.70-1.53 (m、4H)、1.50 (s、9H)、1.45 (m、18H)、1.25 (m、20 H). HPLC-MS (Method 50-99): m/z = 811 (M+Na);Rt = 2.32分。
工程6:(R)-2-(4-{[(2-tert-ブトキシカルボニル-エチル)-(15-tert-ブトキシカルボニル-デカノイル)-アミノ]-メチル}-ベンゾイルアミノ)-ペンタンジオイック酸1-tert-ブチルエステル5-(2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イル)エステルの合成
Figure 2008528658
該化合物を、(R)-2-{4-[(15-tert-ブトキシカルボニル-ペンタデカノイルアミノ)-メチル]-ベンゾイルアミノ}-ペンタンジオイック酸1-tert-ブチルエステルを用いて、一般方法Aの工程3の記載と同様に調製した。
HPLC-MS (Method 50-99): m/z = (908、M+Na);Rt = 2.37分。
工程7:N εB29 (4-{[(2-カルボキシ-エチル)-(15-カルボキシ-ペンタデカノイル)アミノ]メチル}ベンゾイル)-γ-D-グルタミルdesB30ヒトインスリンの合成
Figure 2008528658
Des-B30ヒトインスリン(386 mg、0.068 mmol)を、トリエチルアミン(0.094 mL、0.677 mmol)と共に、DMSO(3.5 mL)に溶解した。(R)-2-(4-{[(2-tert-ブトキシカルボニル-エチル)-(15-tert-ブトキシカルボニル-デカノイル)-アミノ]-メチル}-ベンゾイルアミノ)-ペンタンジオイック酸1-tert-ブチルエステル5-(2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イル)エステル(60mg、0.068 mmol)をTHF(1 mL)に溶解して加えた。該混合物を室温で30分間、撹拌した。氷槽で冷却し、Milli-Q水(7 mL)で希釈した。1 N HClでpHを5.5に調整し、沈殿させた。そのチューブを遠心分離し、該溶媒を固体からデカントした。その固体をMilli-Q水(7 mL)で1回洗浄し、再び遠心分離した。溶媒を固体からデカントし、その固体にTFA(10 mL)を加えた。該混合物を30分間撹拌し、ジエチルエーテル(35 mL)に注ぎ、遠心分離し、真空中で乾燥した後、該粗製物質を上記の記載と同様にアクタ精製器(Akta purifier)で精製した。
HPLC-MS (Method Sciex): m/z = 1578 (m/4)、1262 (m/5);Rt = 3.38分。
実施例20
N εB29 -4-{[(2-カルボキシエチル)-(15-カルボキシペンタデカノイル)アミノ]メチル}ベンゾイル)-γ-L-グルタミルdesB30ヒトインスリン
(一般方法A、desB30ヒトインスリンを用いたアシル化)
工程1:(S)-2-(4-{[(2-tert-ブトキシカルボニル-エチル)-(15-tert-ブトキシカルボニル-デカノイル)-アミノ]-メチル}-ベンゾイルアミノ)-ペンタンジオイック酸1-tert-ブチルエステルの合成
Figure 2008528658
DMF (1 mL)中のH-Glu-OtBu、HCl (30.5 mg、0.128 mmol)に、DIPEA (0.022 mL、0.128 mmol)を加え、4-{[(2-tert-ブトキシカルボニルエチル)-(15-tert-ブトキシカルボニル ペンタデカノイル)アミノ]メチル}安息香酸2,5-ジオキソピロリジン-1-イルエステル(45 mg、0.064 mmol)をDMF(1 mL)に溶解して加えた。該混合物を窒素下、室温で一晩撹拌し、酢酸エチルと水の間で分離した。その有機相を乾燥し(MgSO4)、真空中で溶媒を除去した。
HPLC-MS (Method fast grad): m/z = (789、M+1);Rt = 2.39分。
工程2:(S)-2-(4-{[(2-tert-ブトキシカルボニル-エチル)-(15-tert-ブトキシカルボニル-デカノイル)-アミノ]-メチル}-ベンゾイルアミノ)-ペンタンジオイック酸1-tert-ブチルエステル5-(2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イル)エステルの合成
Figure 2008528658
該化合物を、(S)-2-{4-[(15-tert-ブトキシカルボニル-ペンタデカノイルアミノ)-メチル]-ベンゾイルアミノ}-ペンタンジオイック酸 1-tert-ブチルエステルを用いて、一般方法Aの工程3の記載と同様に調製した。
HPLC-MS (高速グレード方法): m/z = (908、M+Na);Rt = 2.51分。
工程3:NεB29-4-{[(2-カルボキシエチル)-(15-カルボキシペンタデカノイル)アミノ]メチル}ベンゾイル)-γ-L-グルタミルdesB30ヒトインスリンの合成
Figure 2008528658
該化合物を、(S)-2-(4-{[(2-tert-ブトキシカルボニル-エチル)-(15-tert-ブトキシカルボニル-デカノイル)-アミノ]-メチル}-ベンゾイルアミノ)-ペンタンジオイック酸 1-tert-ブチルエステル5-(2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イル) エステルを用いて、一般方法Bの工程4の記載と同様に調製した。
実施例21
(一般方法A)
N εB29 -{4-[2-(4-カルボキシメチルフェニル)エチル]フェニル}アセチル-γ-L-グルタミルdesB30ヒトインスリン
工程1:2-(2-{4-[2-(4-tert-ブトキシカルボニルメチル-フェニル)-エチル]-フェニル}-アセチルアミノ)-ペンタンジオイック酸 5-tert-ブチルエステル1-(2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イル) エステルの合成
Figure 2008528658
該化合物を、実施例11の工程1〜4(tert-ブチルヘキサデカンジオイル-L-Glu(OSu)-OtBuのための)の記載と同様に、4,4-ジメチルビス(フェニル酢酸) (purchased from Sigma-Aldrich Library of Rare Chemicalsから購入した)から開始して調製した。
工程2:NεB29-{4-[2-(4-カルボキシメチルフェニル)エチル]フェニル}アセチル-γ-L-グルタミルdesB30ヒトインスリンの合成
Figure 2008528658
2-(2-{4-[2-(4-tert-ブトキシカルボニルメチル-フェニル)-エチル]-フェニル}-アセチルアミノ)-ペンタンジオイック酸5-tert-ブチルエステル1-(2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イル)エステルを、一般方法Aの記載と同様にヒトdes(B30)インスリンと反応させ、続いてTFA処理した。RP-HPLCによる精製を、SP 250/21 Nucleosil 300-7 C4カラム及び0.1% TFAを含む、水/アセトニトリル 30-80% 勾配を用いたGilson 215 系で行った。産物を含む画分を集め凍結乾燥した。
MALDI-MS: (SA);m/z: 6117.57. 酸性HPLC: Rt = 9.61分;98.8 % 純度。稼働時間30分。カラム:C4 5μ 150x4_60mm 「phenomenex、Jupiter」。A-緩衝液:0.1% TFA、99.9 % MQ-水、B-緩衝液:0.1% TFA、99.9 % アセトニトリル。流速:1,5 ml/min。勾配:0-17分、20 - 90 % B、17 - 21分 90 % B、21-23分 90 - 20 % B、23 - 30分 20 % B。Neutral HPLC: Rt = 4.20分;99.44 % 純度。稼働時間:30分。カラム:C4 5μ 150x4_60mm 「phenomenex、Jupiter」。A-緩衝液:Mili Q 水中10 mM TRIS、15 mM (NH4)2SO4、20% アセトニトリル、pH 7.3 B-緩衝液:アセトニトリル中20.0 % MQ-水。流速:1,5 ml/分、1-20分:10 - 50% B、20-22分: 50-60% B、22-23分:60 - 10% B、23-30分10%B 30-31分 10%B 流速:0,15 ml/分。214 nm。
実施例22
N εB29 -(3-カルボキシ-4-ヘキサデカンジオイルアミノベンゾイル)desB30ヒトインスリン
工程1:4-ニトロ-イソフタル酸
温度計及び還流冷却管を装備したフラスコ中で、過マンガン酸カリウム(13.07 g)を水(80 ml)に溶解した。4-ニトロ-m-キシレン(2.23 ml)を加えた。該混合物を注意して85℃に熱した。該反応混合物を85℃に維持するための冷却は必要なかった。20分後、該混合物を穏やかに3時間還流した(その紫色は消え、該混合物はほとんど黒であった)。その温かい混合物をセライトを通して濾過した。その冷たい濾液を濃硫酸で酸性化し、乳白色の懸濁液を得た。EtOAc (3x)により抽出。その混合性有機層を乾燥し(Na2SO4)、濃縮して、白色の結晶性化合物を得た。EtOAc/ヘプタン/AcOH 10:10:1を溶出液として用いたフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、白色の結晶性化合物を44%収率(1.55 g)で得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ:8.07 (d、1 H) 8.26 (d、1 H) 8.33 ppm (s、1 H)。
工程2:3-tert-ブチル 4-ニトロ-イソフタレート
Figure 2008528658
4-ニトロ-イソフタル酸 (1.0 g)を熱トルエン(30 ml)及びDMF(2 ml)に溶解した。ジメチルホルムアミド-ジ-t-ブチルアセタール(3.4 ml)を1時間分にわたって100℃で滴下して加えた。100℃での撹拌を135分継続した。その冷反応混合物を濃縮し、開始物質、4-ニトロ-イソフタル酸ジ-tert-ブチルエステル、1-tert-ブチル4-ニトロ-イソフタレート及び3-tert-ブチル4-ニトロ-イソフタレートの粗製混合物を得た。EtOAc/ヘプタン/AcOH 5:15:1又はDCM/AcOH 20:1を用いたフラッシュクロマトグラフィーによる精製によって、1-tert-ブチル 4-ニトロ-イソフタレートが混入した(10:1)3-tert-ブチル 4-ニトロ-イソフタレートが単離された。該異性体をNOE-実験により定量した。
1H-NMR (CDCl3) δ:1.55 (s 9H)、7.89 (d、1 H) 8.32 (d、1 H) 8.49 ppm (s、1 H). HPLC-MS: 268 (M+1)。
工程3:3-tert-ブチル 4-アミノ-イソフタレート
Figure 2008528658
3-tert-ブチル4-ニトロ-イソフタレート(100 mg)をEtOAc (3 ml)に溶解し、10% Pd/Cを加えた。該混合物を1 atmで2時間、水素化した。該混合物を濾過し、濃縮し、表題化合物を白色の泡として、定量的収率(90 mg)で得た。
1H-NMR (CDCl3) δ:1.60 (s 9H)、6.32 (d、1 H) 7.86 (d、1 H) 8.58 ppm (s、1 H). HPLC-MS: 238 (M+1)。
工程4:4-(15-tert-ブトキシカルボニル-ペンタデカノイルアミノ)-イソフタル酸 3-tert-ブチルエステル
Figure 2008528658
ヘキサデカンジオイック酸モノ-t-Buエステル(60 mg)を無水THF(1 ml)に溶解した。N,N,N’,N’-テトラメチルフルオロホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(46 mg)を加えた。該混合物を窒素下、室温で撹拌した。しばらく後、微細な沈殿が観察された。75分後、3-tert-ブチル4-アミノ-イソフタレート(9:1 混合物、45 mg)及びDIPEA (0.05 ml)を加えた。5日後、該混合物を濃縮した。その残渣をEtOAcに溶解し、0.1 M HCl (2x)で抽出し、鹹水(1x)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濃縮してシロップを得、EtOAc/Hept/AcOH 4:16:1を用いたフラッシュクロマトグラフィーで精製して、ヘキサデカンジオイック酸モノ-t-Buエステル1:4(63 mg)が混入した産物を得た。
HPLC-MS: 562 (M+1)。
工程5:4-(15-tert-ブトキシカルボニル-ペンタデカノイルアミノ)-イソフタル酸3-tert-ブチルエステル1-(2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イル)エステル
Figure 2008528658
該化合物を、実施例1(一般方法A)工程3の記載と同様に、4-(15-tert-ブトキシカルボニル-ペンタデカノイルアミノ)-イソフタル酸 3-tert-ブチルエステルを代わりに用いて調製した。
HPLC-MS: 659 (M+1)。
工程6:NεB29-(3-カルボキシ-4-ヘキサデカンジオイルアミノベンゾイル) desB30ヒトインスリン
Figure 2008528658
一般方法Bの記載と同様に、4-(15-tert-ブトキシカルボニル-ペンタデカノイルアミノ)-イソフタル酸3-tert-ブチルエステル1-(2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イル)エステルをA1,B1,BOC,BOC-ヒトdesB30 インスリンと反応させ、続いてTFA処理した。RP-HPLCによる精製は、Gilson 215 系で、SP 250/21 Nucleosil 300-7 C4 カラム及び0.1% TFAを含む水/アセトニトリル20-80% 勾配を用いて行った。産物を含む画分を集めて凍結乾燥した。
MALDI-MS: (SA);m/z: 6140.3. 酸性HPLC:Rt = 11.27分;83.4%純度。Rub time: 30分。カラム:C4 5μ 150x4_60mm 「phenomenex、Jupiter」。A-緩衝液:0.1% TFA、99.9 % MQ-水、B-緩衝液:0.1% TFA、99.9 % アセトニトリル。流速:1,5 ml/分。勾配:0-17 分、20 - 90 % B、17 - 21分90 % B、21-23分90 - 20 % B、23 - 30分20 % B。中性HPLC:Rt = 9.10分;92.6% 純度:Run time:30分 カラム:C4 5μ 150x4_60mm 「phenomenex、Jupiter」。A-緩衝液:Mili Q 水中、10 mM TRIS、15 mM (NH4)2SO4、20% アセトニトリル、pH 7.3 B-緩衝液:アセトニトリル中、20.0 % MQ-水。流速:1,5 ml/分 1-20分:5% B til 50% B、20-22分:50-60% B、22-23分:60% B til 5% B、23-30分5 til 0%B 30-31分 0-5%B、流速:0,15 ml/分。214 nm。
実施例23
N εB29 -10-(4-カルボキシフェニルスルファニル)デカノイル-γ-L-グルタミルdesB30ヒトインスリン
Figure 2008528658
工程1:4-(9-メトキシカルボニルノニルスルファニル)安息香酸
4-メルカプト安息香酸(2.0 g、13 mmol)をTHF(25 ml)中に置いた。DIEA (3.7 g、28.5 mmol)を加え、続いてTHF (10 ml)中のメチル10-ブロモデカノエート(3.44 g、13 mmol)溶液を加えた。1時間後、該溶媒を真空下で除去し、スラリーを得、これは室温で3日間貯蔵した。AcOEt(100 ml)及び1 N HCl (50 ml)を加えたが、沈殿はあまり溶解しなかった。相分離を促すために、飽和NaClを加え、次いでメタノールを加えた。その水相を除去し、DCMを有機相に加えたが、沈殿はなお溶解しなかった。その有機相を真空下で濃縮し、2回、トルエンを加えて蒸発させて乾燥させた。真空下で乾燥させて、白色の固体(4.4 g、定量的収率)を得た。
HPLC-MS (fast grad) m/z: 361 (M+23)、Rt = 2.34分。
1H-NMR (DMSO、300 MHz) δ 12.86 (br、1H)、7.84 (d、2H)、7.37 (d、2H)、3.57 (s、3H)、3.03 (t、2H)、2.28 (t、2H)、1.33-1.69 (m、6H)、1.24 (s、8H)。
工程2:4-(9-メトキシカルボニルノニルスルファニル)安息香酸tert-ブチルエステル
4-(9-メトキシカルボニルノニルスルファニル)安息香酸(4,4 g、13 mmol)を、N2下で無水トルエン(150 ml)に懸濁した。該混合物を還流し、トルエン (50 ml)中のN,N-ジメチルホルムアミド ジ-tert-ブチル acetal (7.93 g、39 mmol)溶液を約15分にわたって加えた。16時間の還流後、該反応を冷却させ、いくらかの沈殿物が生じた。TLC(1:2 AcOEt/ヘプタン)は、約50%の完了を示した。該反応を70℃に熱し、トルエン(50 ml)中のN,N-ジメチルホルムアミド ジ-tert-ブチルアセタール(7.93 g、39 mmol)のもう一つの一部を1.5時間にわたって加えた。70℃でさらに1時間撹拌した後、該サンプルを真空下で濃縮して、茶色の油を得た。フラッシュクロマトグラフィー(15 cm x 40 mm dia.、1:2 AcOEt/ヘプタン)による精製により、黄色油(3.65 g、71%)が得られた。
HPLC-MS (fast grad) m/z: 417 (M+23)、Rt = 3.03分。
1H-NMR (CDCl3、300 MHz) δ 7.88 (d、2H)、7.26 (d、2H)、3.66 (s、3H)、2.96 (t、2H)、2.30 (t、2H)、1.60-1.75 (m、4H)、1.59 (s、9H)、1.43 (t-br、2H)、1.29 (s、8H)。
工程3:4-(9-カルボキシノニルスルファニル) 安息香酸 tert-ブチルエステル
4-(9-メトキシカルボニルノニルスルファニル)安息香酸tert-ブチルエステル(2.46 g、6.2 mmol)をTHF (25 ml)に溶解した。1 N NaOH (6.2 ml、6.2 mmol)を加え、該混合物をN2下で1日、撹拌した。1 N HCl (6.5 ml)を水(100 ml)で希釈して加え、次いで、AcOEt (100 ml)を加えた。その有機相をMgSO4で乾燥し、真空下で濃縮し、白色固体(2.5 g)を得た。
HPLC-MS (高速グレード) m/z: 403 (M+23)、Rt = 2.69分。
1H-NMR (DMSO、300 MHz) δ 11.99 (br、1H)、7.79 (d、2H)、7.36 (d、2H)、3.03 (t、2H)、2.18 (t、2H)、1.60 (m、2H)、1.53 (s、9H)、1.32-1.51 (m、4H)、1.24 (s、8H)。
工程4:(S)-2-[10-(4-tert-ブトキシカルボニルフェニルスルファニル) デカノイルアミノ] ペンタンジオイック酸 5-ベンジル エステル 1-tert-ブチルエステル4-(9-カルボキシノニルスルファニル) 安息香酸 tert-ブチルエステル(1 g、2.6 mmol)をTHF (10 ml)に溶解し、EDAC (0.53 g、2.8 mmol)、HOBt (0.39 g、2.9 mmol)及びDIEA (1.0 g、7.8 mmol)を加えた。該溶液をN2下で撹拌した。沈殿が形成し、DMF (10 ml)を加え、清澄な溶液が得られた。室温で30分間撹拌した後、H-Glu(OBzl)-OtBu (0.87 g、2.6 mmol) を加えた。該溶液をN2下で16時間、室温で撹拌した。該サンプルを真空中で濃縮した。AcOEt (100 ml)を加え、該溶液を水(50 ml)及び0.2 M HCl (2 x 50 ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、真空中で濃縮して、ライトオイル(light oil)を得た。フラッシュクロマトグラフィー(15 cm x 40 mm dia.、1:2 AcOEt/ヘプタン)により精製し、無色の油(401 + 525 mg、54%収率)得た。
HPLC-MS (50-99) m/z: 656 (M+1)、Rt = 2.44分。
1H-NMR (CDCl3、300 MHz) δ 7.87 (d、2H)、7.35 (s、5H)、7.25 (d、2H)、6.07 (d、1H)、4.52 (m、1H)、2.95 (t、2H)、2.31-2.35 (m、2H)、2.11-2.27 (m、3H)、1.88-2.03 (m、1H)、1.53-1.71 (m、13H)、1.46 (s、9H)、1.42 (m、2H)、1.28 (m、8H)。
工程5:(S)-2-[10-(4-tert-ブトキシカルボニルフェニルスルファニル) デカノイルアミノ] ペンタンジオイック酸 1-tert-ブチルエステル(S)-2-[10-(4-tert-ブトキシカルボニルフェニルスルファニル) デカノイルアミノ] ペンタンジオイック酸 5-ベンジル エステル 1-tert-ブチルエステル(385 mg、0.587 mmol)をTHFに溶解した。1 N NaOH (587 μl、0.587 mmol)を加え、該溶液をN2下、室温で16時間撹拌した。該溶媒を蒸発させ、さらなるTHF(3 ml)を加えた。AcOEt(40 ml)及び希HCl (25 ml 水中1 ml 1N HCl)を加えた。その相を分離し、その水相をAcOEt (15 ml)で抽出した。その有機相をプールし、飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥した。該溶液を真空下で濃縮し、明るい茶色の油を得た。該油をフラッシュクロマトグラフィー(7.5 cm x 40 mm dia.、20:20:1 AcOEt/ヘプタン/AcOH)で精製し、その適切な画分を真空中で濃縮した後、残留AcOHを除去するために、数回トルエンを加えて真空中で除去し、無色の油(160 mg、48% 収率)を得た。
HPLC-MS (50-99) m/z: 566 (M+1)、Rt = 1.65分。
1H-NMR (CDCl3、300 MHz) δ 7.87 (d、2H)、7.26 (d、2H)、6.25 (d、1H)、4.52 (m、1H)、2.96 (t、2H)、2.38-2.47 (m、2H)、2.12-2.30 (m、3H)、1.82-1.99 (m、1H)、1.60-1.75 (m、4H)、1.58 (s、9H)、1.47 (s、9H)、1.36-1.45 (m、2H)、1.28 (s、8H)。
工程6:(S)-2-[10-(4-tert-ブトキシカルボニルフェニルスルファニル) デカノイルアミノ] ペンタンジオイック酸 5-tert-ブチルエステル1-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル) エステル(S)-2-[10-(4-tert-ブトキシカルボニルフェニルスルファニル) デカノイルアミノ] ペンタンジオイック酸 1-tert-ブチルエステル(156 mg、0.276 mmol)を、THF (3 ml)に溶解した。DIEA (47 μl、0.276 mmol)を加え、該溶液を0℃に冷却した。TSTU (99 mg、0.276 mmol)を加え、該溶液を窒素下、0℃で30分間撹拌し、次いで、室温で16時間撹拌した。該サンプルを真空中で濃縮し、AcOEtと0.2 N HClの間で分配した。その有機相をMgSO4で乾燥し、真空中で濃縮し、残渣(194 mg)を得た。
HPLC-MS (50-99) m/z: 686 (M+23)、Rt = 1.46分。
1H-NMR (DMSO、400 MHz) δ 8.12 (d、1H)、7.79 (d、2H)、7.36 (d、2H)、4.16 (m、1H)、3.03 (t、2H)、2.81 (s、4H)、2.61-2.78 (m、4H)、2.10 (t、2H)、1.99-2.07 (m、1H)、1.80-1.94 (m、1H)、1.42-1.66 (m、11H)、 1.38 (s、9H)、1.24 (s、8H). (2.69での一重線、ca. 2H ありうる不純物)。
工程7:NεB29-10-(4-カルボキシフェニルスルファニル)デカノイル-γ-L-グルタミルdesB30ヒトインスリン
通常の結合(Coupling)及び脱保護方法A:
Des-B30インスリン(125 mg、0.022 mmol)を、10 mlの丸底フラスコ中で、100 mM Na2CO3 (1.5 ml)及びアセトニトリル(1.5 ml)を加えて溶解した。(S)-2-[10-(4-tert-ブトキシカルボニルフェニルスルファニル)デカノイルアミノ]ペンタンジオイック酸5-tert-ブチルエステル1-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)エステル(14.5 mg、0.022 mmol)をアセトニトリル(750 ul)中に加え、Na2CO3 (750 ul)を、最終的な溶液が50:50 100 mM Na2CO3/アセトニトリルに成るように加えた。該溶液を室温で1時間撹拌した。該溶液を15 mlの遠心管に移し、Milli-Q水(6 ml)で洗浄した。該溶液を氷上で冷却し、該pHを1N HClを加えて5.1に調整し、これは沈殿をもたらした。その管を5000 rpm、10分間、10℃で、遠心分離した。該溶媒を固体からデンカントした。95:5 TFA/水 (2.5ml)を該固体に加えた。該溶液をフラスコ中に注ぎ、さらなる95:5 TFA/水 (2.5 ml)で洗浄した。該溶液を室温で30分間撹拌し、真空中で濃縮した。DCMを2回加えて除去し、該フラスコを室温で、真空下に乾燥した。該産物を調製用HPLC (2 cm dia. C18 カラム、アセトニトリル/水/0.05%TFA)で精製した。その関連する画分をプールし(2バッチ)、水で1:1に希釈した。該溶液を氷上で冷却し、1 N NaOHでpHを約5に調整して沈殿を起こさせた。該サンプルを遠心分離した(5000 rpm、10分、5℃)。その液体をデカントして除き、ペレットを凍結乾燥して白色固体(30 mg+5 mg)を得た。
HPLC-MS (Sciex) m/z: 1536.7 (M/4+1=1536.5)、Rt = 3.2分。
HPLC (neutral) Rt = 5.60分。
実施例24
N εB29 -11-(4-カルボキシフェニルスルファニル) ウンデカノイル-γ-L-グルタミルdesB30ヒトインスリン
Figure 2008528658
NεB29-11-(4-カルボキシフェニルスルファニル) ウンデカノイル-γ-L-グルタミルdesB30ヒトインスリンの合成における以下の工程を、NεB29-10-(4-カルボキシフェニルスルファニル) デカノイル-γ-L-グルタミルdesB30ヒトインスリンについて記載されたものと同様の方法で行った。
工程1:4-(10-メトキシカルボニルデシルスルファニル) 安息香酸
HPLC-MS (fast grad) m/z: 375 (M+23)、Rt = 2.44分。
1H-NMR (DMSO、300 MHz) δ 12.85 (br、1H)、7.83 (d、2H)、7.36 (d、2H)、3.57 (s、3H)、3.03 (t、2H)、2.28 (t、2H)、1.60 (m、2H)、1.58 (m、2H)、1.40 (m、2H)、1.23 (s、10H)。
工程2:4-(10-メトキシカルボニルデシルスルファニル) 安息香酸 tert-ブチルエステル
1H-NMR (CDCl3、300 MHz) δ 7.87 (d、2H)、7.26 (d、2H)、3.67 (s、3H)、2.96 (t、2H)、2.30 (t、2H)、1.57-1.75 (m、13H)、1.45 (m、2H)、1.28 (s、10H)。
工程3:4-(10-カルボキシデシルスルファニル) 安息香酸 tert-ブチルエステル
HPLC-MS (50-99) m/z: 417 (M+23)、Rt = 1.82分。
1H-NMR (CDCl3、300 MHz) δ7.87 (d、2H)、7.26 (d、2H)、2.96 (t、2H)、2.35 (t、2H)、1.55-1.74 (m、13H)、1.43 (m、2H)、1.28 (s、10H)。
工程4:(S)-2-[11-(4-tert-ブトキシカルボニルフェニルスルファニル) ウンデカノイルアミノ] ペンタンジオイック酸 5-ベンジル エステル 1-tert-ブチルエステル
1H-NMR (CDCl3、300 MHz) δ 7.86 (d、2H)、7.35 (s、5H)、7.26 (d、2H)、6.06 (d、1H)、5.11 (s、2H)、4.52 (m、1H)、2.96 (t、2H)、2.39 (m、2H)、2.11-2.28 (m、3H)、1.88-2.06 (m、1H)、1.60-1.73 (m、4H)、1.58 (s、9H)、1.46 (s、9H)、1.35-1.43 (m、2H)、1.26 (s、10H)。
工程5:(S)-2-[11-(4-tert-ブトキシカルボニルフェニルスルファニル) ウンデカノイルアミノ] ペンタンジオイック酸 1-tert-ブチルエステル
HPLC-MS (50-99) m/z: 602 (M+23)、Rt = 1.80分。
1H-NMR (CDCl3、400 MHz) δ 7.87 (d、2H)、7.26 (d、2H)、6.25 (d、1H)、4.52 (m、1H)、2.96 (t、2H)、2.40 (m、2H)、2.14-2.31 (m、3H)、1.80-1.98 (m、1H)、1.60-1.75 (m、4H)、1.58 (s、9H)、1.47 (s、9H)、1.36-1.45 (m、2H)、1.26 (s、10H)。
工程6:(S)-2-[11-(4-tert-ブトキシカルボニルフェニルスルファニル) ウンデカノイルアミノ] ペンタンジオイック酸 5-tert-ブチルエステル1-(2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イル) エステル
HPLC-MS (50-99) m/z: 699 (M+23)、Rt = 2.05分。
1H-NMR (CDCl3、400 MHz) δ7.87 (d、2H)、7.26 (d、2H)、6.19 (d、1H)、4.60 (m、1H)、2.96 (t、2H)、2.84 (s、4H)、2.68-2.78 (m、1H)、2.56-2.67 (m、1H)、2.27-2.39 (m、1H)、2.22 (t、2H)、2.01-2.14 (m、1H)、1.59-1.75 (m、4H)、1.58 (s、9H)、1.48 (s、9H)、1.37-1.46 (m、2H)、1.28 (s、10H)。
工程7:B29N(eps)-11-(4-カルボキシ-フェニルスルファニル) ウンデカノイルγ-Glu desB30 インスリン
HPLC-MS (Sciex) m/z: 1539.8 (M/4+1=1540) Rt: 3.5分。
HPLC(中性) Rt = 5.93。
実施例25
N εB29 -10-(4-カルボキシフェノキシ) デカノイルベータ-Asp desB30 インスリン
Figure 2008528658
工程1:4-(9-メトキシカルボニルノニルオキシ) 安息香酸 tert-ブチルエステル
4-ヒドロキシ安息香酸tert-ブチルエステル(500 mg、2.57 mmol)及び10-ブロモデカン酸メチルエステル (683 mg、2.57 mmol)を、アセトニトリルに溶解し、K2CO3 を加えた。該混合物を窒素下、16時間還流した。その固体を濾過して除き、その濾液を真空中で濃縮した。その残渣をAcOEt(50 ml)及び水(25 ml)に溶解した。その相を分離し、その有機相をMgSO4で乾燥して濃縮し、無色の油(874 mg、90%収率)を得た。
HPLC-MS (50-99) m/z: 402 (M+23)、Rt = 1.65分。
1H-NMR (CDCl3、400 MHz) δ 7.92 (d、2H)、6.87 (d、2H)、3.99 (t、2H)、3.67 (s、3H)、2.31 (t、2H)、1.78 (m、2H)、1.62 (m、2H)、1.58 (s、9H)、1.45 (m、2H),1.31 (s、8H)。
工程2:4-(9-カルボキシノニルオキシ) 安息香酸 tert-ブチルエステル4-(9-メトキシカルボニルノニルオキシ) 安息香酸 tert-ブチルエステル(858 mg、2.27 mmol)をTHF (5 ml)に溶解した。1 N NaOH (2.27 ml)を加え、該混合物をゴム隔壁(rubber septum)で軽く覆い、室温で16時間撹拌した。AcOEt (40 ml)及び水(25 ml)中、1.05 eqの1N HClを加えた。その相を分離し、その有機相をMgSO4で乾燥して真空下で濃縮し、白色固体(781 mg、95%収率)を得た。
HPLC-MS (50-99) m/z: 387 (M+23)、Rt = 1.46分。
1H-NMR (CDCl3、400 MHz) δ7.92 (d、2H)、6.87 (d、2H)、3.99 (t、2H)、2.35 (t、2H)、1.75 (m、2H)、1.64 (m、2H)、1.58 (s、9H)、1.45 (m、2H),1.32 (s、8H)。
工程3:4-[9-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシカルボニル) ノニルオキシ] 安息香酸 tert-ブチルエステル4-(9-カルボキシノニルオキシ) 安息香酸 tert-ブチルエステル(779 mg、2.14 mmol)をTHF(15 ml)に溶解し、DIEA(366 μl、2.14 mmol)を加えた。該溶液を0℃に冷却し、窒素下に置いた。TSTU(768 mg、2.14 mmol)を加えた。その溶液を0℃で30分間撹拌し、次いで、室温で16時間撹拌した。該サンプルを真空下で濃縮した。AcOEt(40 ml)を加え、該溶液を0.2 N HCl(2 x 25 ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、真空下で濃縮して、黄色がかった固体を得た。該固体をAcOEtから再結晶化し、白色粉末(276 mg、28%)を得た。
HPLC-MS (50-99) m/z: 484 (M+23)、Rt = 1.71分。
1H-NMR (CDCl3、400 MHz) δ 7.92 (d、2H)、6.87 (d、2H)、3.99 (t、2H)、2.83 (s、4H)、2.61 (t、2H)、1.67-1.88 (m、4H)、1.58 (s、9H)、1.27-1.52 (m、10H)。
工程4:(S)-2-[10-(4-tert-ブトキシカルボニルフェノキシ) デカノイルアミノ] コハク酸 1-tert-ブチルエステル4-[9-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシカルボニル) ノニルオキシ] 安息香酸 tert-ブチルエステル(264 mg、0.57 mmol)をDMF(2.5 ml)に溶解した。H-Asp-OtBuを加え、さらにDMF (2.5 ml)を加えた。1時間後、DIEA (1 eq.、98 ul)を加え、さらに30分後、DMF(5 ml)を加えた。それでもなお、溶解しない固体が多くあった。室温で1日後、該溶媒を真空下で除去した。AcOEt (40 ml)を加え、該溶液を0.2 N HCl(2 x 25 ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、真空下で濃縮して、不透明な油(283 mg、92% yield)を得た。
HPLC-MS (50-99) m/z: 558 (M+23)、Rt = 1.57分。
1H-NMR (DMSO、300 MHz) δ12.40 (br、1H)、8.14 (d、1H)、7.82、(d、2H)、6.99 (d、2H)、4.44 (q、1H)、4.02 (t、2H)、2.52-2.92 (m、2H)、2.08 (t、2H)、1.71 (t、2H)、1.20-1.55 (m、28H)。
工程5:(S)-2-[10-(4-tert-ブトキシカルボニルフェノキシ) デカノイルアミノ] コハク酸 4-tert-ブチルエステル1-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル) エステル(S)-2-[10-(4-tert-ブトキシカルボニルフェノキシ) デカノイルアミノ] コハク酸 1-tert-ブチルエステル(261 mg、0.49 mmol)をTHF(5 ml)に溶解した。該溶液を0℃に冷却し、DIEA (100 μl、0.59 mmol)及びTSTU (175 mg、0.49 mmol)を加えた。該混合物を、約1時間後、それが室温まで温まるように、小さい氷槽中で16時間撹拌した。該サンプルを、真空下で濃縮した。AcOEt(40 ml)を加え、該溶液を0.2 N HCl (2 x 25 ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、真空下で濃縮して、いくらかの白色固体を含む無色の油を得た。該産物をフラッシュクロマトグラフィー(35 g シリカ、400 ml 1:1 AcOEt/ヘプタン及び100 ml 7:3 AcOEt/ヘプタン)で精製し、白色固体(200 mg、65%収率)を得た。
HPLC-MS (Sciex) m/z: 633 (M+1)、Rt = 6.09分。
1H-NMR (CDCl3、300 MHz) δ7.91 (d、2H)、6.87 (d、2H)、6.51 (d、1H)、4.83 (m、1H)、3.99 (t、2H)、3.24 (m、2H)、2.83 (s、4H)、2.25 (t、2H)、1.78 (m、2H)、1.62-1.70 (m、2H)、1.58 (s、9H)、1.47 (s、9H)、1.36-1.46 (m、2H)、1.31 (s、8H)。
工程6:NεB29-10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイル ベータ-Asp desB30 インスリン
該化合物を、通常の結合及び脱保護方法Aを用いて調製し、白色固体(26 mg及び8 mg)を得た。
HPLC-MS (Sciex) m/z: 1529.3 (M/4+1=1529)、Rt = 3.4分。
HPLC(中性) Rt = 5.31分。
実施例26
N εB29 -11-(4-カルボキシ-フェノキシ) ウンデカノイルγ-L-グルタミルdesB30 インスリン
Figure 2008528658
NεB29-11-(4-カルボキシ-フェノキシ)ウンデカノイルγ-L-グルタミルdesB30 インスリンの合成における以下の工程を、NεB29-10-(4-カルボキシフェノキシ) デカノイル ベータ-Asp desB30 インスリンについて記載されたものと同様の方法で行った。
工程1:4-(10-メトキシカルボニルデシルオキシ)安息香酸tert-ブチルエステル
HPLC-MS (50-99) m/z: 415 (M+23)、Rt = 2.31分。
1H-NMR (CDCl3、300 MHz) δ 7.92 (d、2H)、6.87 (d、2H)、3.99 (t、2H)、3.67 (s、3H)、2.30 (t、2H)、1.79 (m、2H)、1.62 (m、2H)、1.58 (s、9H)、1.43 (m、2H)、1.30 (s、10H)。
工程2:4-(10-カルボキシデシルオキシ) 安息香酸 tert-ブチルエステル
HPLC-MS (fast grad) m/z: 401 (M+23)、Rt = 2.71分。
1H-NMR (CDCl3、300 MHz) δ 7.92 (d、2H)、6.87 (d、2H)、3.98 (t、2H)、2.34 (t、2H)、1.78 (m、2H)、1.62 (m、2H)、1.58 (s、9H)、1.44 (m、2H)、1.30 (s、10H)。
工程3:4-[10-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシカルボニル) デシルオキシ] 安息香酸 tert-ブチルエステル
HPLC-MS (50-99) m/z: 498 (M+23)、Rt = 1.89分。
1H-NMR (CDCl3、400 MHz) δ 7.92 (d、2H)、6.88 (d、2H)、3.99 (t、2H)、2.84 (s、4H)、2.60 (t、2H)、1.66-1.90 (m、4H)、1.58 (s、9H)、1.43 (m、2H)、1.32 (s、10H)。
工程4:(S)-2-[11-(4-tert-ブトキシカルボニルフェノキシ) ウンデカノイルアミノ] ペンタンジオイック酸 1-tert-ブチルエステル
HPLC-MS (50-99) m/z: 564 (M+1)、Rt = 1.68分。
1H-NMR (CDCl3、400 MHz) δ 7.92 (d、2H)、6.87 (d、2H)、4.50 (br、1H)、3.98 (t、2H)、2.38 (br、2H)、2.24 (t、2H)、2.04-2.20 (br、1H)、1.82-1.98 (br、1H)、1.69-1.82 (m、2H)、1.59-1.67 (m、2H)、1.57 (s、9H)、1.38-1.50 (m、11H)、1.29 (s、10H)。
工程5:(S)-2-[11-(4-tert-ブトキシカルボニルフェノキシ) ウンデカノイルアミノ] ペンタンジオイック酸 1-tert-ブチルエステル5-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル) エステル
HPLC-MS (50-99) m/z: 683 (M+23)、Rt = 1.91分。
1H-NMR (CDCl3、300 MHz) δ 7.92 (d、2H)、6.87 (d、2H)、6.20 (d、1H)、4.60 (m、1H)、3.99 (t、2H)、2.84 (s、4H)、2.54-2.80 (m、2H)、2.26-2.42 (m、1H)、2.22 (t、2H)、2.04-2.15 (m、1H)、1.72-1.88 (m、2H)、1.60-1.70 (m、2H)、1.58 (s、9H)、1.48 (s、9H)、1.39-1.46 (m、2H)、1.30 (s、10H)。
工程6:NεB29-11-(4-カルボキシ-フェノキシ) ウンデカノイルγ-L-グルタミルdesB30 インスリン
HPLC-MS (Sciex) m/z: 1536.4 (M/4+1=1536.0)、Rt = 3.92分。
HPLC (中性) Rt = 5.18分。
実施例27
本発明のインスリン誘導体のインスリン受容体結合
本発明のインスリン誘導体のヒトインスリン受容体に対する親和性を、SPAアッセイ(シンチレーション近接アッセイ(Scintillation Proximity Assay)) マイクロタイタープレート抗体捕獲アッセイによって測定した。SPA-PVT抗体-結合ビーズ、抗-マウス試薬 (Amersham Biosciences、Cat No. PRNQ0017)を、25 mlの結合緩衝液(100 mM HEPES pH 7.8;100 mM 塩化ナトリウム、10 mM MgSO4、0.025% Tween-20)と混合した。シングル・パッカード・オプティプレート(single Packard Optiplate)(Packard No. 6005190)のための試薬ミックスは、2.4 μlの1:5000希釈された精製組換えヒトインスリン受容体-エクソン11、100 μlの試薬ミックスあたり、5000 cpmに相当するA14 Tyr[125I]-ヒトインスリンの一定量のストック溶液、12 μlの1:1000希釈のF12抗体、3 mlのSPA-ビーズ及び計12 mlにする結合緩衝液から構成される。計100 μlが次いで加えられ、適切なサンプルから希釈系列が作られる。その希釈系列に、次いで100 μlの試薬ミックスを加え、該サンプルを、穏やかに振盪しながら16時間インキュベートした。次いで、その相を1分間の遠心分離により分離し、該プレートをトップカウンター(Topcounter)で計数した。該結合データは、GraphPad Prism 2.01 (GraphPad Software、San Diego、CA)の非直線状の回帰アルゴリズムを用いて適合させた。
Figure 2008528658
実施例28
モノクローナルmIR抗体の調製
特異的抗体(F12)を、モノクローナル技術によって産生した:RBFマウスを50 μgの精製mIRを、FCA皮下において注射し、続いて、20 μgのmIRをFIAに2回注射することによって免疫化した。高応答者であるマウスを、25 μgのmIRで静脈内に追加免疫し、3日後にその脾臓を採取した。脾臓細胞を、ミエローマキツネ(Fox)細胞株と融合させた(Kohler、G & Milstein C. (1976)、European J. Immunology、6:511-19;Taggart RT et al (1983)、Science 219:1228-30)。上清を、mIR特異的ELISAにおける抗体産生についてスクリーニングした。陽性のウェルをクローン化し、ウェスタンブロット法で試験した。
実施例29
本発明のインスリン誘導体における疎水性データ
ヒトインスリンk'relに対する本発明のインスリン誘導体の疎水性(疎水性の指標)を、LiChrosorb RP18 (5μm、250x4 mm) HPLC カラムで、定組成溶離により、40℃で、A) 10% アセトニトリルを含む、0.1 M ナトリウムリン酸緩衝液、pH 7.3、及びB) 水中の50% アセトニトリルの混合物を溶出液として用いて測定した。該溶出は、214 nmでの該溶出液のUV吸収を追跡することによりモニターした。空隙時間t0は、0.1 mM 硝酸ナトリウムを注射することによって発見された。ヒトインスリンtヒトの保持時間は、A及びB溶液の比を変化させて、少なくとも2t0に調節した。k'rel= (t誘導体-t0)/(tヒト-t0)。k'relは、多数の本発明のインスリン誘導体について発見された。
本発明のインスリン誘導体の受容体結合及び疎水性のデータを以下の表に示す:
Figure 2008528658

Claims (23)

  1. 親インスリン部分のB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基又はA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基のいずれかに、アミド結合を介して結合した側鎖を有するインスリン誘導体であって、該側鎖が、少なくとも1つの芳香族基;少なくとも1つの遊離カルボン酸基又は中性pHで負の電荷をもつ基、炭素鎖中に4〜22の炭素原子を有する脂肪酸部分;及び該側鎖中の個々の成分がアミド結合を介して互いに結合している可能な一以上のリンカーを含み、但し、前記脂肪酸部分は、式 -(CH2)v4C6H4(CH2)W1 -の二価の炭化水素鎖(式中、v及びwは、v4及びw1の合計が6〜30の範囲であるような整数であるか又はその一つはゼロである)ではない。
  2. 前記芳香族基が、-COOH、-SO3H、-PO3H2及びテトラゾリルから選択される一又は二の基で置換され得る、アリーレン又はヘテロアリーレン基である、請求項1に記載のインスリン誘導体。
  3. 前記ヘテロアリーレン基が窒素、酸素又は硫黄を含む、請求項2に記載のインスリン誘導体。
  4. 前記リンカーがアミド結合を介して互いに結合した、その少なくとも1つが遊離カルボン酸基又は中性pHで負の電荷をもつ基を有する、1〜4のアミノ酸残基を含む、請求項1〜3の何れか一項に記載のインスリン誘導体。
  5. 前記側鎖が、親インスリン分子のB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に結合する、請求項1に記載のインスリン誘導体。
  6. 前記側鎖がLysB29のε-アミノ基に結合する、請求項5に記載のインスリン誘導体。
  7. 下式を有する請求項1に記載のインスリン誘導体、及び、それらの任意のZn2+複合体:
    Figure 2008528658
    式中、Insは親インスリン部分であり、インスリン部分のB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基又はインスリン部分のB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基を介して、前記側鎖中のCO-基にアミド結合を介して結合し;
    X 1 は、
    ・-(CH2)n (ここで、nは1、2、3、4、5又は6である);
    ・NR(ここで、Rは水素又は-(CH2)p-COOH;-(CH2)p-SO3H;-(CH2)p-PO3H2;-(CH2)p-O-SO3H2;-(CH2)p-O-PO3H2;1又は2の-(CH2)p-O-COOH基で置換されたアリーレン;-(CH2)p-テトラゾリル(ここでpは1〜6の整数である)である);
    ・-(CR1R2)q-NR-CO-(ここでR1及びR2 は互いに独立して、及び各q値に独立的に、H、-COOH、又はOHであってよく、qは1〜6であり、Rは上記定義の通りである);
    ・-((CR3R4)q1-NR-CO)2-4-(ここでR3及びR2 は互いに独立して、及び各q1 の値に独立的に、H、-COOH、又はOHであってよく、q1 は1〜6であり、Rは上記定義の通りである);又は
    ・単結合
    であり;
    Wは、アリーレン又はヘテロアリーレンであり、-COOH、-SO3H、及び-PO3H2及びテトラゾリルからなる群より選択される1つ又は2つの基で置換されてよく、或いはWは単結合であり;
    mは0、1、2、3、4、5又は6であり;
    Xは、
    ・-O-;
    Figure 2008528658
    (ここでRは上記で定義されたとおりである);又は
    ・単結合
    であり;
    Yは、
    ・-(CR1R2)q-NR-CO-(ここでR1及びR2は互いに独立して、及び各qの値に独立的に、H、-COOH、単結合又はOHであってよく、qは1〜6であり;及びRは上記定義の通りである);
    ・NR(ここでR は上記定義の通りである);
    ・-((CR3R4)q1-NR-CO)2-4-(ここでR3及びR2 は互いに独立して、及び各q1の値に独立的に、H、-COOH、又はOHであってよく、q1 は1〜6であり、Rは上記定義の通りである);又は
    ・単結合;
    であり;
    Qは、
    ・-(CH2)r-(ここでrは4〜22の整数である);
    ・1、2又は3の-CH=CH-基及び該鎖中の炭素原子の合計数を4〜22の範囲で与えるのに十分な数の-CH2-基を含む、二価の炭化水素鎖;又は
    ・式-(CH2)s -Q1-(C6H4)v1-Q2-(CH2)W -Q3-(C6H4)v2-Q4-(CH2)t-Q5-(C6H4)v3-Q6-(CH2)z-の二価の炭化水素鎖(式中、Q1-Q6 は互いに独立して、O;S又は単結合であってよく;s、w、t及びzは互いに独立して、s、w、t及びzの合計が4〜22の範囲になるような、ゼロ又は1〜10の整数であり、v1、v2、及びv3 は互いに独立して、ゼロ又は1であってよい)、
    であり、
    但し、Wが単結合の場合は、Qは、式-(CH2)v4C6H4(CH2)W1 -(式中、v4及びw1 は、v4及びw1 の合計が6〜22の範囲になるような整数であるか又はその一つがゼロである)の二価の炭化水素鎖ではない;及び
    Zは:
    -COOH;
    -CO-Asp;
    -CO-Glu;
    -CO-Gly;
    -CO-Sar;
    -CH(COOH)2;
    -N(CH2COOH)2;
    -SO3H
    -PO3H2;
    O-SO3H;
    O-PO3H2;
    -テトラゾリル 又は
    -O-W1
    (ここでW1 は-COOH、-SO3H、及び-PO3H2及びテトラゾリルから選択される1つ又は2つの基で置換された、アリーレン又はヘテロアリーレンである)
    であり、
    但し、Wが単結合であり、v1、v2及びv3が全てゼロであり、Q1-6が全て単結合である場合、ZはO-W1である。
  8. 前記Wはフェニレンである、請求項7に記載のインスリン誘導体。
  9. 前記Wが窒素、酸素又は硫黄を含む5-7員の複素環系である、請求項7に記載のインスリン誘導体。
  10. 前記Wが、少なくとも1つの酸素を含む5員の複素環系である、請求項9に記載のインスリン誘導体。
  11. 前記Qが-(CH2)r-であり、ここでrは4〜22、8〜20、12〜20又は14〜18の範囲の整数である、請求項7に記載のインスリン誘導体。
  12. 前記Q1、Q2、Q5及び Q6 が全て単結合であり、v2 が1であり、v1及びv3 がゼロである、請求項7に記載のインスリン誘導体。
  13. 前記Q3及びQ4が酸素である、請求項12に記載のインスリン誘導体。
  14. 請求項7に記載のインスリン誘導体であって、X1 及びY が単結合であり、Xが
    Figure 2008528658
    (式中、Rは-(CH2)p-COOHであり、ここでpは1〜4である)
    であるインスリン誘導体。
  15. 前記Zが-COOHである、請求項7にインスリン誘導体。
  16. 前記親インスリン部分が、des(B30)ヒトインスリン又はそれらの類似体である、請求項1〜15の何れか一項に記載のインスリン誘導体。
  17. 前記親インスリン部分が、ヒトインスリン;des(B1)ヒトインスリン;desB30ヒトインスリン;GlyA21ヒトインスリン;GlyA21des(B30)ヒトインスリン;AspB28ヒトインスリン;ブタインスリン;LysB28ProB29ヒトインスリン;GlyA21ArgB31ArgB32ヒトインスリン;及びLysB3GluB29ヒトインスリンからなる群より選択される、請求項1〜16の何れか一項に記載のインスリン誘導体。
  18. NεB29-[N-(HOOC(CH2)14CO)-N-(カルボキシエチル)-CH2-C6H4CO]des(B30)ヒトインスリン;NεB29-[N-(HOOC(CH2)13CO)-N-(カルボキシエチル)-CH2-C6H4CO]des(B30)ヒトインスリン;NεB29-[N-(HOOC(CH2)15CO)-N-(カルボキシエチル)-CH2-C6H4CO]des(B30)ヒトインスリン;NεB29-[N-(HOOC(CH2)16CO)-N-(カルボキシエチル)-CH2-C6H4CO]des(B30)ヒトインスリン;NεB29-[N-(HOOC(CH2)14CO)-N-(カルボキシメチル)-C6H4CO]des(B30)ヒトインスリン、及びNεB29-[N-(HOOC(CH2)14CO)-N-(カルボキシエチル)-CH2-(フラニレン)CO]des(B30)ヒトインスリン、NεB29-{4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシ-フェノキシ)-デカノイルアミノ]-ブチリル}desB30ヒトインスリンからなる群より選択される、請求項1に記載のインスリン誘導体。
  19. 糖尿病の治療を必要とする患者における糖尿病の治療のための薬学的組成物であって、請求項1に記載のインスリン誘導体の治療的有効量を、薬学的に許容される担体と共に含む薬学的組成物。
  20. 糖尿病の治療を必要とする患者における糖尿病の治療のための薬学的組成物であって、請求項1に記載のインスリン誘導体の治療的有効量を、作用の急速な開始を有するインスリン又はインスリン類似体との混合物で、薬学的に許容される担体と共に含む薬学的組成物。
  21. 糖尿病の治療を必要とする患者において糖尿病を治療する方法であって、請求項1に記載のインスリン誘導体の治療的有効量を薬学的に許容される担体と共に該患者に投与することを含む方法。
  22. 糖尿病の治療を必要とする患者において糖尿病を治療する方法であって、請求項1に記載のインスリン誘導体の治療的有効量を、作用の急速な開始を有するインスリン又はインスリン類似体との混合物中で、薬学的に許容される担体と共に該患者に投与することを含む方法。
  23. 糖尿病の治療のための薬剤の製造のための、請求項1〜22の何れか一項に記載のインスリン誘導体の使用。
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