JP5269767B2 - インスリン誘導体 - Google Patents

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Description

本発明は、生理学的pH値で可溶性であり、長時間にわたる作用プロファイルを有する、新規なヒトインスリン誘導体に関する。また、本発明は、このような誘導体を提供するための方法、それらを含む薬学的組成物、本発明のインスリン誘導体を使用する糖尿病及び高血糖症を治療する方法、及び糖尿病及び高血糖症の治療におけるこのようなインスリン誘導体の使用に関する。
現在、1型糖尿病及び2型糖尿病の双方の糖尿病の治療は、いわゆる強化インスリン療法に益々依存してきている。この治療法によれば、患者は、基礎インスリン必要量を補うための持続型インスリンの1日1又は2回の注射を含む複数回の毎日のインスリン注射に、食事に関連したインスリン必要量を補うための速効型インスリンのボーラス注射が補填された治療を受ける。
持続型インスリン組成物は当該分野でよく知られている。しかして、持続型インスリン組成物の主要な一タイプは、インスリン結晶又は非晶質インスリンの注入可能な水性懸濁液を含む。これらの組成物において、典型的に利用されるインスリン化合物は、プロタミンインスリン、亜鉛インスリン又はプロタミン亜鉛インスリンである。
インスリン懸濁液の使用に関しては、ある種の欠点がある。よって、正確な投与を確実にするためには、定められた量の懸濁液がバイアルから抜き出されるか、又はカートリッジから放出される前に、穏やかに振揺して、インスリン粒子を均質に懸濁させなければならない。また、インスリン懸濁液の保管においては、凝集体形成又は凝固を避けるために、温度を、インスリン溶液の場合よりもより狭い範囲内で保持しなければならない。
以前は、プロタミン類が非免疫原性であると考えられていたが、現在は、プロタミン類が人間においては免疫原性であり得ること、また医薬目的でそれらを使用すると、抗体の形成に至る可能性があるということがわかってきた。また、プロタミン-インスリン複合体自身が免疫原性であるという証拠も見出された。よって、幾人かの患者においては、プロタミン類を含有する持続型インスリン組成物の使用を回避しなければならない。
持続型インスリン組成物の他のタイプは、溶液の注射の際に、pH値の上昇のためにインスリンが沈殿してしまう生理学的pHより低いpH値の溶液である。これらの溶液の欠点は、注射時に組織内に形成される沈殿物の粒径分布、よって医薬の放出プロファイルが、注射部位の血流と他のパラメータに些か予測不能な形で依存することである。更なる欠点は、インスリンの固形粒子が局所的刺激物として作用して、注射部位に組織の炎症を引き起こすおそれがあることである。
WO2005/012347(Novo Nordisk A/S)で公開されている国際特許出願は、B-鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基のいずれかに結合する側鎖を有するインスリン誘導体に関連している。
国際特許出願EP2006/050593(Novo Nordisk A/S)には、側鎖に芳香族基を有するインスリン誘導体が開示されている。
特許出願EP2006/050594(Novo Nordisk A/S)には、側鎖にPEGを有するインスリン誘導体が開示されている。
他のインスリン誘導体は、日本国公開特許出願番号1-254699(Kodama Co., Ltd.)及びWO95/07931(Novo Nordisk A/S)に開示されている。
しかしながら、現在までに知られているインスリン誘導体より長時間にわたる作用プロファイルを有するインスリンが、なおも必要とされている。
本発明の一態様において、インスリン誘導体は、次の式:
Figure 0005269767
[上式中:
Insは親インスリン部分であり、Q-Q-[CH]-X-[CH]-Q-[CH]-X-[CH]-Q-[CH]-X-[CH]-Q-[CH]-Zは置換基であり、ここで、Insは、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と、置換基のQ又はQ中のCO基との間のアミド結合を介して置換基に結合しており;
各nは独立して、0、1、2、3、4、5又は6であり;
は:
・側鎖にカルボン酸を持つアミノ酸、又は無電荷側鎖を持つアミノ酸のアミノ酸アミドであって、そのカルボン酸基と共に、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と共同して、アミド基を形成する残基、又は
・アミド結合を介して結合した2、3又は4の上に特定したα-アミノ酸アミド又はアミノ酸残基からなる鎖であって、アミド結合を介して、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に結合している鎖、又は
・結合、
であり;
は:
・-COCH(CONH)-
・-COCHN(CHCONH)-
・-COCHN(CHCONH)COCHN(CHCONH)
・-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCHCONH)-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCONH)-
・-COCHOCHCONH-
・-CO-((CR)1−6-NH-CO)1−4-;
・-CO-((CR)1−6-CO-NH)1−4-で、Rは独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができ、Rは独立して、H、-CH、-(CH)1−6CHとすることができるもの;又は
・結合;
であり;
但し、
−Q又はQの少なくとも一は結合でなく、
−nが0又は1であり、Xが結合であり、Qが(CHCHO)-、(CHCHO)-又は(CHCHOCHCHCHCHO)-である場合、Qは-CO-(CH)-CO-NH-ではなく、
−Q又はQ中のアミンが、残りの置換基と結合を形成するならば、アミンは、カルボニル基を介して残りの置換基に結合していなくてはならず;
、Q及びQは互いに独立して、
・mが6〜32の範囲の整数である-(CH)-;
・1、2又は3の-CH=CH-基、及び鎖中の炭素原子の全数が4〜32の範囲となるのに十分な数の-CH-基を有する二価の炭化水素鎖;
・-CO-((CR)1−6-NH-CO)-;
・-(CO-(CR)1−6-CO-NH)1−4-で、Rが独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができ、Rが独立して、H、-CH、-(CH)1−6CHとすることができるもの;
・Arがアリーレン又はヘテロアリーレンとすることができ、また-CH、-(CH)1−6-CH、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよく、ここでR及びRが互いに独立して、H、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができる、-CO-(CH)0−3-Ar-(CH)0−3-;
・yが1-20である、(CHCHO)-;(CHCHCHO)-;(CHCHCHCHO)-;(CHCHOCHCHCHCHO)-又は(CHCHCHOCHCHCHCHO)-;-(CHOCH)-;
・R及びRが互いに独立して、H、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができる、-CH、-(CH)1−6-CH、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレン;
・Arが上述したものであり、Y-Yが互いに独立して、O、S、S=O、SO又は結合とすることができ;s、w、t及びzが互いに独立して、s、w、t及びzの合計が4〜30の範囲となるような、0又は1〜10の整数であり、v、v及びvが互いに独立して、0又は1とすることができ、但し、Y-Yは互いに結合しておらず、構造-O-(CH)-O-は生じない、次の式:
-(CH)s--(Ar)v1-Y-(CH)-Y-(Ar)v2-Y-(CH)-Y-(Ar)v3-Y-(CH)-
の鎖;又は
・結合;
とすることができ、但し、Q-Qの少なくとも一は結合ではなく;
、X及びXは互いに独立して、
・O;
・-C=O
・結合;
・RがH、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができる、NCOR;又は
・次の式:
Figure 0005269767
(上式中:Rは、水素、C1−3-アルキル、C2−3-アルケニル又はC2−3-アルキニルである)
のものであり;
但し、X、X及びXはZに結合できず、X、X及びXがOである場合、X、X及びXは、Q、Q及びQ中のOに直接結合せず;及び
Zは:
-COOH;
-CO-Asp;
-CO-Glu;
-CO-Gly;
-CO-Sar;
-CH(COOH)
-N(CHCOOH)
-SO
-OSO
-OPO3H
-PO、又は
-テトラゾール-5-イル、又は
-O-W
であり、
ここでWは、R及びRが互いに独立して、H、-(CH)1−6-SOH、又は-(CH)1−6-O-POとすることができる、テトラゾ-5-リル、-COOH、-SOH、-(CH)1−6-SOH、-(CH)1−6-O-PO、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレンであり;但し、Zが-O-Wである場合、Qは存在しなければならない]
を有するもの、及びその任意のZn2+錯体である。
本発明の一態様において、インスリン誘導体のQは、
・-COCH(CONH)-
・-COCHN(CHCONH)-
・-COCHN(CHCONH)COCHN(CHCONH)
・-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCHCONH)-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCONH)-
・-COCHOCHCONH-;
・-CO-((CR)1−6-NH-CO)1−4-;又は
・-CO-((CR)1−6-CO-NH)1−4−で、Rが独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができ、Rが独立してH、-CH、-(CH)1−6CHとすることができるもの;
からなる群から選択される。
本発明の一態様において、Qは-(CH)-であり、ここでmは6〜32又は8〜20の範囲の整数であるか、又はmは12、13、14、15又は16である。
本発明の一態様において、Q、Q、Q、X、X及びXは結合であり、nは0である。
本発明の一態様において、Qは-(CH)-であり、ここでmは6〜32又は8〜20の範囲の整数であるか、又はmは12、13、14、15又は16であり、Q、Q、Q、X、X及びXは結合であり、nは0であり、Zは-COOHである。
本発明の一態様において、Q、Q又はQの一つは、(CHCHO)-;(CHCHCHO)-;(CHCHCHCHO)-;(CHCHOCHCHCHCHO)-又は(CHCHCHOCHCHCHCHO)-;-(CHOCH)-であり、ここでyは1-20である。
本発明の一態様において、Qは、
・-CO-((CR)1−6-NH-CO)-;
・-(CO-(CR)1−6-CO-NH)1−4-で、Rが独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができ、Rが独立してH、-CH、-(CH)1−6CHとすることができるもの;
・Arがアリーレン又はヘテロアリーレンとすることができ、また-CH、-(CH)1−6-CH、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよく、ここでR及びRが互いに独立して、H、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができる、-CO-(CH)0−3-Ar-(CH)0−3-;又は
・結合;
であり;
は、
・mが4〜22の整数である-(CH)-;
・1、2又は3の-CH=CH-基、及び鎖中の炭素原子の全数が4〜22の範囲となるのに十分な数の-CH-基を有する二価の炭化水素鎖;
・R及びRが互いに独立して、H、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができる、-CH、-(CH)1−6-CH、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレン;
・Arが上述したものであり、Y-Yが互いに独立して、O、S、S=O、SO又は結合とすることができ;s、w、t及びzが互いに独立して、s、w、t及びzの合計が4〜30の範囲となるような、0又は1〜10の整数であり、v、v及びvが互いに独立して、0又は1とすることができ、但し、Y-Yは互いに結合しておらず、構造-O-(CH)-O-は生じない、次の式:
-(CH)s--(Ar)v1-Y-(CH)-Y-(Ar)v2-Y-(CH)-Y-(Ar)v3-Y-(CH)-
の鎖;
であり;
は、
・O;
・-C=O
・RがH、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができる、NCOR;又は
・次の式:
Figure 0005269767
(上式中:Rは、水素、C1−3-アルキル、C2−3-アルケニル又はC2−3-アルキニルである)
のものであり;
但し、XがOである場合、XはQ中のOに直接結合せず;
、X及びQは結合であり;
nの全ての値は0であり;及び
Zは:
-COOH;
-CO-Asp;
-CO-Glu;
-CO-Gly;
-CO-Sar;
-CH(COOH)
-N(CHCOOH)
-SO
-OSO
-OPO3H
-PO、又は
-テトラゾール-5-イル、又は
-O-W
であり、
ここでWは、R及びRが互いに独立して、H、-(CH)1−6-SOH、又は-(CH)1−6-O-POとすることができる、テトラゾ-5-リル、-COOH、-SOH、-(CH)1−6-SOH、-(CH)1−6-O-PO、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレンであり;
及び任意のそのZn2+錯体である。
本発明の一態様において、Zは-COOHである。
本発明の一態様において、インスリン誘導体の親インスリンはインスリンアナログ(インスリン類似体)である。
本発明の一態様において、親インスリンは、desB30ヒトインスリン、GlyA21ヒトインスリン、GlyA21desB30ヒトインスリン、GlyA21ArgB31ArgB32ヒトインスリン、LysB3GluB29ヒトインスリン、LysB28ProB29ヒトインスリン及びThrB29LysB30ヒトインスリンからなる群から選択される。
本発明の一態様においては、本発明のインスリン誘導体を治療的有効量含有し、治療が必要な患者における糖尿病を治療するための薬学的組成物が提供される。
本発明の一態様においては、本発明のインスリン誘導体を治療的有効量含有する薬学的組成物の調製方法が提供され、ここで、インスリン誘導体の6つの分子当たり約10までの亜鉛原子が薬学的組成物に付加される。
本発明の一態様においては、本発明のインスリン誘導体を治療的有効量、患者に投与することを含む、治療が必要な患者における糖尿病の治療方法が提供される。
本発明の一態様において、インスリン誘導体は肺に投与される。
本発明の一態様においては、本発明のインスリン誘導体と、AspB28ヒトインスリン;LysB28ProB29ヒトインスリン及びLysB3GluB29ヒトインスリンからなる群から選択される速効型インスリンアナログの混合物が提供される。
本発明の一態様において、インスリン誘導体は、
εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-γ-アミノ-ブタノイルdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-テトラデカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-トリデカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-β-アラニルdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-γ-L-アスパルチルアミドdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-ε-アミノヘキサノイルdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-δ-アミノペンタノイルdesB30ヒトインスリン、
εB29-10-(4-カルボキシフェノキシ)-デカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30ヒトインスリン、
εB29-4-[11-(4-カルボキシフェニル)ウンデカノイルアミノ]ブチリルdesB30ヒトインスリン、
εB29-(3-(3-{4−[3-(7-カルボキシヘプタノイルアミノ)プロポキシ]ブトキシ}プロピルカルバモイル)-プロピオニル-γ-グルタミルアミド)desB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-トリデカノイル-γ-アミノ-ブタノイルdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-ウンデカノイル-γ-アミノ-ブタノイルdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-テトラデカノイル-γ-アミノ-ブタノイルdesB30ヒトインスリン、
εB29-{4-[10-(4-カルボキシ-フェノキシ)-デカノイルアミノ]-ブチリル}desB30インスリン、
εB29-{4-[(14-カルボキシ-テトラデカノイルアミノ)-メチル]-ベンゾイル}desB30インスリン、
εB29-[16-(4-カルボキシ-フェノキシ)-ヘキサデカノイル]desB30インスリン、
εB29-{4-[(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)ベンゾイル]-desB30ヒトインスリン、及び
εB29-{4-[(15-カルボキシ-ペンタデカノイルアミノ)-メチル]-ベンゾイル}-desB30インスリン、
からなる群から選択される。
(定義)
ここで使用される「インスリンアナログ(インスリン類似体)」とは、天然に生じるインスリン中に生じる少なくとも一つのアミノ酸残基を欠失させ、及び/又は交換することにより、及び/又は少なくとも一つのアミノ酸残基を付加することによって、天然に生じるインスリン、例えばヒトインスリンの構造から形式的には誘導することができる分子構造を有するポリペプチドを意味する。付加された及び/又は交換されたアミノ酸残基は、コード可能なアミノ酸残基又は他の天然に生じるアミノ酸残基又は純粋に合成のアミノ酸残基の何れかでありうる。
本発明の態様においては、最大17のアミノ酸が修飾される。本発明の態様においては、最大15のアミノ酸が修飾される。本発明の態様においては、最大10のアミノ酸が修飾される。本発明の態様においては、最大8のアミノ酸が修飾される。本発明の態様においては、最大7のアミノ酸が修飾される。本発明の態様においては、最大6のアミノ酸が修飾される。本発明の態様においては、最大5のアミノ酸が修飾される。本発明の態様においては、最大4のアミノ酸が修飾される。本発明の態様においては、最大3のアミノ酸が修飾される。本発明の態様においては、最大2のアミノ酸が修飾される。本発明の態様においては、1のアミノ酸が修飾される。
「desB30インスリン」、「desB30ヒトインスリン」とは、B30アミノ酸残基を欠く天然インスリン又はそのアナログを意味する。同様に、「desB29desB30インスリン」又は「desB29desB30ヒトインスリン」とは、B29及びB30アミノ酸残基を欠く天然インスリン又はそのアナログを意味する。
「B1」、「A1」等とは、それぞれインスリンのB-鎖の1位(N-末端から数える)のアミノ酸残基及びインスリンのA-鎖の1位(N-末端から数える)のアミノ酸残基を意味する。特定の位置にあるアミノ酸残基は、例えばB1位のアミノ酸残基がフェニルアラニン残基であることを意味する、例えばPheB1として表される。
ここで使用される「インスリン」とは、CysA7とCysB7の間と、CysA20とCysB19の間にジスルフィド架橋を、またCysA6とCysA11の間に内部ジスルフィド架橋を有するヒトインスリン、ブタインスリン、又はウシインスリンを意味する。
「親インスリン」とは、天然に生じるインスリン、例えばヒトインスリン又はブタインスリンを意味する。また親インスリンはインスリンアナログであってもよい。
「無電荷」なる表現は、4と9の間のpHで荷電していると思われる基又は基類が存在していないことを意味する。例えば、遊離のカルボン酸は存在していない。
「二官能性脂肪部分」とは、カルボキシ、アミノ又はヒドロキシルから選択される2つの官能基を有する、6〜32の炭素原子の炭素鎖を意味する。
「非結合アミド」なる用語は、側鎖に存在するアミド官能基、又は置換基に存在する残基の側基を記載することを意味しており、該アミド結合は置換基の残基の結合には使用されない。非結合アミドに加えて置換基の残基は、アミド基、例えば置換基の他の残基に結合するアミド類等をさらに含有可能である。
「アミノ酸アミド残基」とは、アミノ酸のアルファ-カルボキシアミドを意味するか、もしくはアミノ酸が側鎖にカルボン酸を有するならば、「アミノ酸アミド」とは、特定されるようにアルファ-カルボキシ基のアミド、又は側鎖カルボキシ基のアミドを意味する。
本発明のインスリン誘導体が「生理学的pH値で可溶性である」と記載されている場合は、インスリン誘導体が生理学的pH値で十分に溶解するインスリン組成物を調製するのに使用可能であることを意味する。このような好ましい溶解度は、インスリン誘導体単独の固有の特性、又はインスリン誘導体と、ビヒクルに含まれる一又は複数の成分との好ましい相互作用の結果のいずれかによるものである。
ここで使用される「非鈍化」とは、一製剤中に処方された場合における速効型インスリンとアシル化インスリンの双方が、別々の製剤として速効型インスリンとアシル化インスリンを投与する場合の作用プロファイルと、同一又は実質的に同一である作用プロファイルを有していることを意味する。
「高分子インスリン」又は「hmw」なる表現は、ヒトインスリン複合体、インスリンアナログ、又はインスリン誘導体の分子量が、ヒト血清アルブミン以上、インスリンアナログ又はインスリン誘導体の12量複合体以上、又は約72kダルトン以上であることを意味する。
「中間分子量インスリン」又は「mmw」なる表現は、ヒトインスリン複合体、インスリンアナログ、又はインスリン誘導体の分子量が、ほぼインスリン6量体から24〜80kダルトンのインスリン12量体までであることを意味する。
「低分子量インスリン」又は「lmw」なる表現は、ヒトインスリン、インスリンアナログ又はインスリン誘導体の分子量が、24kダルトン以下であることを意味する。
以下の略語が、明細書及び実施例で使用される:
CV カラム容量
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
HSA ヒト血清アルブミン
LC 液体クロマトグラフィー
MALDI マトリックス支援レーザー脱離イオン化
MS 質量分析
RT 室温
SEC サイズ排除クロマトグラフィー
SPA シンチレーション近接アッセイ
Tris トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
O.D. 光学密度=吸光度
X2モノマー AspB9 GluB27ヒトインスリン
DIEA: N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMF: N,N-ジメチルホルムアミド
Sar: サルコシン(N-メチル-グリシン)
tBu: tert-ブチル
TSTU: O-(N-スクシンイミジル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム-テトラフルオロボラート
THF: テトラヒドロフラン
EtOAc: 酢酸エチル
DIPEA: ジイソプロピルエチルアミン TEA:トリエチルアミン
TFA: トリフルオロ酢酸
DCM: ジクロロメタン
RT: 室温
PEG: ポリエチレングリコール
GIR: グルコース注入速度
ここに引用された刊行物、特許出願及び特許を含む全ての文献は、各文献が、出典明示により個々にかつ特に援用され、その全内容がここに記載されているかの如く、その全体が出典明示によりその全内容がここに援用される(法律により許容される最大範囲)。
全ての表題及び副題は、ここでは便宜的に使用され、決して本発明を限定するものと解すべきではない。
ここに提供される任意かつ全ての例、又は例示的言語(例えば「等」)の使用は、単に本発明をより明らかにすることを意図しており、特に請求項に記載がない限り、本発明の範囲に限定をもたらすものではない。明細書中の如何なる語句も請求項に記載していない要素が本発明の実施に必須であることを示しているものと解すべきではない。
ここでの特許文献の引用及び援用は単に便宜上なされているもので、そのような特許文献の有効性、特許性、及び/又は権利行使性についての見解を反映させるものではない。
この発明は、適用される法律に容認される場合、ここに付加される請求項に列挙された主題事項の全ての修正点及び等価物を含む。
(発明の記載)
本発明は、末端基のみが荷電しているインスリン誘導体分子中に置換基を設けることが、持続型インスリンの作用のインビボ持続時間と、鈍化させることのない速効型インスリンと持続型インスリンとの混合可能性について重要な役割を担っているとの知見に基づいている。
有利には、本発明のインスリン誘導体は生理学的pH値で可溶性であり、ヒトインスリンのものに匹敵する効力を有し、鈍化することなく、速攻型インスリンと混合可能である。混合された基礎及びボーラスインスリンの個々の作用プロファイルは、インスリン六量体当たり3を越えるZn(II)を含む製剤と比較して、製剤中での沈殿リスクを制限するZn(II)をインスリン六量体当たり約3まで又はそれ未満のZn(II)濃度で含む製剤において保持される。
本発明を次の段落に要約する:
次の式:
Figure 0005269767
[上式中:
Insは親インスリン部分であり、Q-Q-[CH]-X-[CH]-Q-[CH]-X-[CH]-Q-[CH]-X-[CH]-Q-[CH]-Zは置換基であり、ここで、Insは、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と、置換基のQ又はQ中のCO基との間のアミド結合を介して置換基に結合しており;
各nは独立して、0、1、2、3、4、5又は6であり;
は:
・側鎖にカルボン酸を持つアミノ酸、又は無電荷側鎖を持つアミノ酸のアミノ酸アミドであって、そのカルボン酸基と共に、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と共同して、アミド基を形成する残基、又は
・アミド結合を介して結合した2、3又は4の上に特定したα-アミノ酸アミド又はアミノ酸残基からなる鎖であって、アミド結合を介して、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に結合している鎖、又は
・結合、
であり;
は:
・-COCH(CONH)-
・-COCHN(CHCONH)-
・-COCHN(CHCONH)COCHN(CHCONH)
・-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCHCONH)-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCONH)-
・-COCHOCHCONH-
・-CO-((CR)1−6-NH-CO)1−4-;
・-CO-((CR)1−6-CO-NH)1−4-で、Rは独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができ、Rは独立して、H、-CH、-(CH)1−6CHとすることができるもの;又は
・結合;
であり;
但し、
−Q又はQの少なくとも一は結合でなく、
−nが0又は1であり、Xが結合であり、Qが(CHCHO)-、(CHCHO)-又は(CHCHOCHCHCHCHO)-である場合、Qは-CO-(CH)-CO-NH-ではなく、
−Q又はQ中のアミンが、残りの置換基と結合を形成するならば、アミンは、カルボニル基を介して残りの置換基に結合していなくてはならず;
、Q及びQは互いに独立して、
・mが6〜32の範囲の整数である-(CH)-;
・1、2又は3の-CH=CH-基、及び鎖中の炭素原子の全数が4〜32の範囲となるのに十分な数の-CH-基を有する二価の炭化水素鎖;
・-CO-((CR)1−6-NH-CO)-;
・-(CO-(CR)1−6-CO-NH)1−4-で、Rが独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができ、Rが独立して、H、-CH、-(CH)1−6CHとすることができるもの;
・Arがアリーレン又はヘテロアリーレンとすることができ、また-CH、-(CH)1−6-CH、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよく、ここでR及びRが互いに独立して、H、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができる、-CO-(CH)0−3-Ar-(CH)0−3-;
・yが1-20である、(CHCHO)-;(CHCHCHO)-;(CHCHCHCHO)-;(CHCHOCHCHCHCHO)-又は(CHCHCHOCHCHCHCHO)-;-(CHOCH)-;
・R及びRが互いに独立して、H、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができる、-CH、-(CH)1−6-CH、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレン;
・Arが上述したものであり、Y-Yが互いに独立して、O、S、S=O、SO又は結合とすることができ;s、w、t及びzが互いに独立して、s、w、t及びzの合計が4〜30の範囲となるような、0又は1〜10の整数であり、v、v及びvが互いに独立して、0又は1とすることができ、但し、Y-Yは互いに結合しておらず、構造-O-(CH)-O-は生じない、次の式:
-(CH)s--(Ar)v1-Y-(CH)-Y-(Ar)v2-Y-(CH)-Y-(Ar)v3-Y-(CH)-
の鎖;又は
・結合;
とすることができ、但し、Q-Qの少なくとも一は結合ではなく;
、X及びXは互いに独立して、
・O;
・-C=O
・結合;
・RがH、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができる、NCOR;又は
・次の式:
Figure 0005269767
(上式中:Rは、水素、C1−3-アルキル、C2−3-アルケニル又はC2−3-アルキニルである)
のものであり;
但し:
−X、X及びXはZに結合できず、また
−X、X及びXがOである場合、X、X及びXは、Q、Q及びQ中のOに直接結合せず;及び
Zは:
-COOH;
-CO-Asp;
-CO-Glu;
-CO-Gly;
-CO-Sar;
-CH(COOH)
-N(CHCOOH)
-SO
-OSO
-OPO3H
-PO、又は
-テトラゾール-5-イル、又は
-O-W
であり、
ここでWは、R及びRが互いに独立して、H、-(CH)1−6-SOH、又は-(CH)1−6-O-POとすることができる、テトラゾ-5-リル、-COOH、-SOH、-(CH)1−6-SOH、-(CH)1−6-O-PO、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレンであり;但し、Zが-O-Wである場合、Qは存在しなければならない]
を有するインスリン誘導体、及び任意のそのZn2+錯体。
2.次の式:
Figure 0005269767
[上式中:
Insは親インスリン部分であり、Q-Q-[CH]-X-[CH]-Q-[CH]-X-[CH]-Q-[CH]-X-[CH]-Q-[CH]-Zは置換基であり、ここで、Insは、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と、置換基のQ又はQ中のCO基との間のアミド結合を介して置換基に結合しており;
各nは独立して、0、1、2、3、4、5又は6であり;
は:
・側鎖にカルボン酸を持つアミノ酸、又は無電荷側鎖を持つアミノ酸のアミノ酸アミドであって、そのカルボン酸基と共に、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と共同して、アミド基を形成する残基、又は
・アミド結合を介して結合した2、3又は4の上に特定したα-アミノ酸アミド又はアミノ酸残基からなる鎖であって、アミド結合を介して、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に結合している鎖、又は
・結合、
であり;
は:
・-COCH(CONH)-
・-COCHN(CHCONH)-
・-COCHN(CHCONH)COCHN(CHCONH)
・-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCHCONH)-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCONH)-
・-COCHOCHCONH-
・-CO-((CR)1−6-NH-CO)1−4-;
・-CO-((CR)1−6-CO-NH)1−4-で、Rは独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができ、Rは独立して、H、-CH、-(CH)1−6CHとすることができるもの;又は
・結合;
であり;
但し、
−Q又はQの少なくとも一は結合でなく、
−nが0又は1であり、Xが結合であり、Qが(CHCHO)-、(CHCHO)-又は(CHCHOCHCHCHCHO)-である場合、Qは-CO-(CH)-CO-NH-ではなく、
−Q又はQ中のアミンが、残りの置換基と結合を形成するならば、アミンは、カルボニル基を介して残りの置換基に結合していなくてはならず;
、Q及びQは互いに独立して、
・mが6〜32の範囲の整数である-(CH)-;
・1、2又は3の-CH=CH-基、及び鎖中の炭素原子の全数が4〜32の範囲となるのに十分な数の-CH-基を有する二価の炭化水素鎖;
・-CO-((CR)1−6-NH-CO)-;
・-(CO-(CR)1−6-CO-NH)1−4-で、Rが独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができ、Rが独立して、H、-CH、-(CH)1−6CHとすることができるもの;
・Arがアリーレン又はヘテロアリーレンとすることができ、また-CH、-(CH)1−6-CH、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよく、ここでR及びRが互いに独立して、H、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができる、-CO-(CH)0−3-Ar-(CH)0−3-;
・yが1-20である、(CHCHO)-;(CHCHCHO)-;(CHCHCHCHO)-;(CHCHOCHCHCHCHO)-又は(CHCHCHOCHCHCHCHO)-;-(CHOCH)-;
・R及びRが互いに独立して、H、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができる、-CH、-(CH)1−6-CH、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレン;
・Arが上述したものであり、Y-Yが互いに独立して、O、S、S=O、SO又は結合とすることができ;s、w、t及びzが互いに独立して、s、w、t及びzの合計が4〜30の範囲となるような、0又は1〜10の整数であり、v、v及びvが互いに独立して、0又は1とすることができ、但し、Y-Yは互いに結合しておらず、構造-O-(CH)-O-は生じない、次の式:
-(CH)s--(Ar)v1-Y-(CH)-Y-(Ar)v2-Y-(CH)-Y-(Ar)v3-Y-(CH)-
の鎖;又は
・結合;
とすることができ、但し:
−Q-Qの少なくとも一は結合ではなく;また
−Q-Qの一つがアリーレン又はヘテロアリーレン、又は式-(CH)s--(C)v1-Y-(CH)-Y-(C)v2-Y-(CH)-Y-(C)v3-Y-(CH)-の鎖である場合、Qは-CO-((CH)1−6-NH-CO)1−4ではなく;
、X及びXは互いに独立して、
・O;
・-C=O
・結合;
・RがH、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができる、NCOR;又は
・次の式:
Figure 0005269767
(上式中、Rは、水素、C1−3-アルキル、C2−3-アルケニル又はC2−3-アルキニルである)
のものであり;
但し:
−X、X及びXはZに結合できず、また
−X、X及びXがOである場合、X、X及びXは、Q、Q及びQ中のOに直接結合せず;及び
Zは:
-COOH;
-CO-Asp;
-CO-Glu;
-CO-Gly;
-CO-Sar;
-CH(COOH)
-N(CHCOOH)
-SO
-OSO
-OPO3H
-PO、又は
-テトラゾール-5-イル、又は
-O-W
であり、
ここでWは、R及びRが互いに独立して、H、-(CH)1−6-SOH、又は-(CH)1−6-O-POとすることができる、テトラゾ-5-リル、-COOH、-SOH、-(CH)1−6-SOH、-(CH)1−6-O-PO、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレンであり;但し、Zが-O-Wである場合、Qは存在しなければならない]
を有するインスリン誘導体、及び任意のそのZn2+錯体。
3.次の式:
Figure 0005269767
[上式中:
Insは親インスリン部分であり、Q-Q-[CH]-X-[CH]-Q-[CH]-X-[CH]-Q-[CH]-X-[CH]-Q-[CH]-Zは置換基であり、ここで、Insは、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と、置換基のQ又はQ中のCO基との間のアミド結合を介して置換基に結合しており;
各nは独立して、0、1、2、3、4、5又は6であり;
は:
・側鎖にカルボン酸を持つアミノ酸、又は無電荷側鎖を持つアミノ酸のアミノ酸アミドであって、そのカルボン酸基と共に、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と共同して、アミド基を形成する残基、又は
・アミド結合を介して結合した2、3又は4の上に特定したα-アミノ酸アミド又はアミノ酸残基からなる鎖であって、アミド結合を介して、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に結合している鎖、又は
・結合、
であり;
は:
・-COCH(CONH)-
・-COCHN(CHCONH)-
・-COCHN(CHCONH)COCHN(CHCONH)
・-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCHCONH)-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCONH)-
・-COCHOCHCONH-
・-CO-((CR)1−6-NH-CO)1−4-;
・-CO-((CR)1−6-CO-NH)1−4-で、Rは独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができ、Rは独立して、H、-CH、-(CH)1−6CHとすることができるもの;又は
・結合;
であり;
但し、
−Q又はQの少なくとも一は結合でなく、
−nが0又は1であり、Xが結合であり、Qが(CHCHO)-、(CHCHO)-又は(CHCHOCHCHCHCHO)-である場合、Qは-CO-(CH)-CO-NH-ではなく、
−Q又はQ中のアミンが、残りの置換基と結合を形成するならば、アミンは、カルボニル基を介して残りの置換基に結合していなくてはならず;
、Q及びQは互いに独立して、
・mが6〜32の範囲の整数である-(CH)-;
・1、2又は3の-CH=CH-基、及び鎖中の炭素原子の全数が4〜32の範囲となるのに十分な数の-CH-基を有する二価の炭化水素鎖;
・-CO-((CR)1−6-NH-CO)-;
・-(CO-(CR)1−6-CO-NH)1−4-で、Rが独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができ、Rが独立して、H、-CH、-(CH)1−6CHとすることができるもの;
・Arがアリーレン又はヘテロアリーレンとすることができ、また-CH、-(CH)1−6-CH、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよく、ここでR及びRが互いに独立して、H、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができる、-CO-(CH)0−3-Ar-(CH)0−3-;
・yが1-20である、(CHCHO)-;(CHCHCHO)-;(CHCHCHCHO)-;(CHCHOCHCHCHCHO)-又は(CHCHCHOCHCHCHCHO)-;-(CHOCH)-;
・R及びRが互いに独立して、H、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができる、-CH、-(CH)1−6-CH、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレン;
・Arが上述したものであり、Y-Yが互いに独立して、O、S、S=O、SO又は結合とすることができ;s、w、t及びzが互いに独立して、s、w、t及びzの合計が4〜30の範囲となるような、0又は1〜10の整数であり、v、v及びvが互いに独立して、0又は1とすることができ、但し、Y-Yは互いに結合しておらず、構造-O-(CH)-O-は生じない、次の式:
-(CH)s--(Ar)v1-Y-(CH)-Y-(Ar)v2-Y-(CH)-Y-(Ar)v3-Y-(CH)-
の鎖;又は
・結合;
とすることができ、但し:
−Q-Qの少なくとも一は結合ではなく;また
−Q-Qの一つがアリーレン、ヘテロアリーレン、又は式-(CH)s--(C)v1-Y-(CH)-Y-(C)v2-Y-(CH)-Y-(C)v3-Y-(CH)-の鎖である場合、Q又はQは未結合アミドを有し;
、X及びXは互いに独立して、
・O;
・-C=O
・結合;
・RがH、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができる、NCOR;又は
・次の式:
Figure 0005269767
(上式中、Rは、水素、C1−3-アルキル、C2−3-アルケニル又はC2−3-アルキニルである)
のものであり;
但し:
−X、X及びXはZに結合できず、また
−X、X及びXがOである場合、X、X及びXは、Q、Q及びQ中のOに直接結合せず;及び
Zは:
-COOH;
-CO-Asp;
-CO-Glu;
-CO-Gly;
-CO-Sar;
-CH(COOH)
-N(CHCOOH)
-SO
-OSO
-OPO3H
-PO、又は
-テトラゾール-5-イル、又は
-O-W
であり、
ここでWは、R及びRが互いに独立して、H、-(CH)1−6-SOH、又は-(CH)1−6-O-POとすることができる、テトラゾ-5-リル、-COOH、-SOH、-(CH)1−6-SOH、-(CH)1−6-O-PO、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレンであり;但し、Zが-O-Wである場合、Qは存在しなければならない]
を有するインスリン誘導体、及び任意のそのZn2+錯体。
4.次の式:
Figure 0005269767
[上式中:
Insは親インスリン部分であり、Q-Q-[CH]-X-[CH]-Q-[CH]-X-[CH]-Q-[CH]-X-[CH]-Q-[CH]-Zは置換基であり、ここで、Insは、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と、置換基のQ又はQ中のCO基との間のアミド結合を介して置換基に結合しており;
各nは独立して、0、1、2、3、4、5又は6であり;
は:
・側鎖にカルボン酸を持つアミノ酸、又は無電荷側鎖を持つアミノ酸のアミノ酸アミドであって、そのカルボン酸基と共に、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と共同して、アミド基を形成する残基、又は
・アミド結合を介して結合した2、3又は4の上に特定したα-アミノ酸アミド又はアミノ酸残基からなる鎖であって、アミド結合を介して、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に結合している鎖、又は
・結合、
であり;
は:
・-COCH(CONH)-
・-COCHN(CHCONH)-
・-COCHN(CHCONH)COCHN(CHCONH)
・-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCHCONH)-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCONH)-
・-COCHOCHCONH-
・-CO-((CR)1−6-CO-NH)1−4-で、Rは独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができ、Rは独立して、H、-CH、-(CH)1−6CHとすることができるもの;又は
・結合;
であり;
但し、
−Q又はQの少なくとも一は結合でなく、
−nが0又は1であり、Xが結合であり、Qが(CHCHO)-、(CHCHO)-又は(CHCHOCHCHCHCHO)-である場合、Qは-CO-(CH)-CO-NH-ではなく、
−Q又はQ中のアミンが、残りの置換基と結合を形成するならば、アミンは、カルボニル基を介して残りの置換基に結合していなくてはならず;
、Q及びQは互いに独立して、
・mが6〜32の範囲の整数である-(CH)-;
・1、2又は3の-CH=CH-基、及び鎖中の炭素原子の全数が4〜32の範囲となるのに十分な数の-CH-基を有する二価の炭化水素鎖;
・-CO-((CR)1−6-NH-CO)-;
・-(CO-(CR)1−6-CO-NH)1−4-で、Rが独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができ、Rが独立して、H、-CH、-(CH)1−6CHとすることができるもの;
・Arがアリーレン又はヘテロアリーレンとすることができ、また-CH、-(CH)1−6-CH、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよく、ここでR及びRが互いに独立して、H、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができる、-CO-(CH)0−3-Ar-(CH)0−3-;
・yが1-20である、(CHCHO)-;(CHCHCHO)-;(CHCHCHCHO)-;(CHCHOCHCHCHCHO)-又は(CHCHCHOCHCHCHCHO)-;-(CHOCH)-;
・R及びRが互いに独立して、H、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができる、-CH、-(CH)1−6-CH、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレン;
・Arが上述したものであり、Y-Yが互いに独立して、O、S、S=O、SO又は結合とすることができ;s、w、t及びzが互いに独立して、s、w、t及びzの合計が4〜30の範囲となるような、0又は1〜10の整数であり、v、v及びvが互いに独立して、0又は1とすることができ、但し、Y-Yは互いに結合しておらず、構造-O-(CH)-O-は生じない、次の式:
-(CH)s--(Ar)v1-Y-(CH)-Y-(Ar)v2-Y-(CH)-Y-(Ar)v3-Y-(CH)-
の鎖;又は
・結合;
とすることができ、但し:
−Q-Qの少なくとも一は結合ではなく;
、X及びXは互いに独立して、
・O;
・-C=O
・結合;
・RがH、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができる、NCOR;又は
・次の式:
Figure 0005269767
(上式中、Rは、水素、C1−3-アルキル、C2−3-アルケニル又はC2−3-アルキニルである)
のものであり;
但し:
−X、X及びXはZに結合できず、また
−X、X及びXがOである場合、X、X及びXは、Q、Q及びQ中のOに直接結合せず;及び
Zは:
-COOH;
-CO-Asp;
-CO-Glu;
-CO-Gly;
-CO-Sar;
-CH(COOH)
-N(CHCOOH)
-SO
-OSO
-OPO3H
-PO、又は
-テトラゾール-5-イル、又は
-O-W
であり、
ここでWは、R及びRが互いに独立して、H、-(CH)1−6-SOH、又は-(CH)1−6-O-POとすることができる、テトラゾ-5-リル、-COOH、-SOH、-(CH)1−6-SOH、-(CH)1−6-O-PO、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレンであり;但し、Zが-O-Wである場合、Qは存在しなければならない]
を有するインスリン誘導体、及び任意のそのZn2+錯体。
5.Qが、無電荷側鎖を有するアミノ酸、又は側鎖にカルボン酸を有するアミノ酸のアミノ酸アミドであり、該アミノ酸アミド残基又はアミノ酸残基が2〜10の炭素原子を有している、第1−4項に記載のインスリン誘導体。
6.Qが、β-D-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド、γ-L-Glu-アミド及びγ-D-Glu-アミドからなる群から選択される、第1−5項の何れかに記載のインスリン誘導体。
7.Qが、2、3又は4のα-アミノ酸アミド残基又は無電荷側鎖を有するアミノ酸残基からなる鎖である、第1−4項に記載のインスリン誘導体。
8.Qが、β-L-Asp-アミド-β-L-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-β-L-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-β-D-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-β-D-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-β-L-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-β-L-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-β-D-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-β-D-Asp-アミドからなる群から選択される、2のアミノ酸アミド残基の鎖である、第1−4項に記載のインスリン誘導体。
9.Qが結合である、第1−8項の何れかに記載のインスリン誘導体。
10.Qが、-CO-((CR)1−6-NH-CO)1−4-である、第1−3又は5−8項の何れかに記載のインスリン誘導体。
11.Qが、-CO-((CH)-NH-CO)-、-CO-((CH)3-NH-CO)-及び-CO-((CH)4-NH-CO)-、CO-((CH)-NH-CO)-からなる群から選択される、第10項に記載のインスリン誘導体。
12.Qが結合である、第1、3又は10−11項に記載のインスリン誘導体。
13.Qが:
・側鎖にカルボン酸を持つアミノ酸、又は無電荷側鎖を持つアミノ酸のアミノ酸アミドであって、そのカルボン酸基と共に、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と共同して、アミド基を形成する残基、又は
・アミド結合を介して結合した2、3又は4の上に特定したα-アミノ酸アミド又はアミノ酸残基からなる鎖であって、アミド結合を介して、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に結合している鎖、又は
・結合、
であり;
が:
・-COCH(CONH)-
・-COCHN(CHCONH)-
・-COCHN(CHCONH)COCHN(CHCONH)
・-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCHCONH)-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCONH)-
・-COCHOCHCONH-
・-CO-((CR)1−6-NH-CO)1−4-;
・-CO-(CR)1−6-CO-NH)1−4-で、Rは独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができ、Rは独立して、H、-CH、-(CH)1−6CHとすることができるもの;又は
・結合;
であり;
但し、Q又はQの少なくとも一は結合でなく、Q又はQ中のアミンが、残りの置換基と結合を形成するならば、アミンは、カルボニル基を介して残りの置換基に結合していなくてはならず;
が:
・mが6〜32の範囲の整数である-(CH)-;
・1、2又は3の-CH=CH-基、及び鎖中の炭素原子の全数が4〜32の範囲となるのに十分な数の-CH-基を有する二価の炭化水素鎖;
・s及びwの合計が6〜30の範囲になるように、v及びwが整数又はそれらのひとつが0である、式-(CH)(CH)-の二価の炭化水素鎖;
であり;
が-C=O又は結合とすることができ;
、Q、X及びXが結合であり;
nの全ての値が0であり;
Zが:
-COOH;
-CO-Asp;
-CO-Glu;
-CO-Gly;
-CO-Sar;
-CH(COOH)
-N(CHCOOH)
-SO
-OSO
-OPO3H
-PO、又は
-テトラゾール-5-イル
である、第1−3項に記載のインスリン誘導体、及び任意のそのZn2+錯体。
14.Qが、無電荷側鎖を有するアミノ酸、又は側鎖にカルボン酸を有するアミノ酸のアミノ酸アミドであり、該アミノ酸アミド残基又はアミノ酸残基が2〜10の炭素原子を有している、第13項に記載のインスリン誘導体。
15.Qが、β-D-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド、γ-L-Glu-アミド及びγ-D-Glu-アミドからなる群から選択される、第13−14項の何れかに記載のインスリン誘導体。
16.Qが、2、3又は4のα-アミノ酸アミド残基又は無電荷側鎖を有するアミノ酸残基からなる鎖である、第13項に記載のインスリン誘導体。
17.Qが、β-L-Asp-アミド-β-L-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-β-L-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-β-D-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-β-D-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-β-L-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-β-L-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-β-D-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-β-D-Asp-アミドからなる群から選択される、2のアミノ酸アミド残基の鎖である、第13又は16項に記載のインスリン誘導体。
18.Qが結合である、第13−17項の何れかに記載のインスリン誘導体。
19.Qが:
・-COCH(CONH)-
・-COCHN(CHCONH)-
・-COCHN(CHCONH)COCHN(CHCONH)
・-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCHCONH)-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCONH)-
・-COCHOCHCONH-
・-CO-((CR)1−6-NH-CO)1−4-;又は
・-CO-((CR)1−6-CO-NH)1−4-で、Rは独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができ、Rは独立して、H、-CH、-(CH)1−6CHとすることができるもの;
からなる群から選択される、第13−17項に記載のインスリン誘導体。
20.Qが、-COCHOCHCONH-、-CO-((CH)-NH-CO)−、-CO-((CH)-NH-CO)-、-CO-((CH)-NH-CO)-及び-CO-((CH)-NH-CO)-からなる群から選択される、第19項に記載のインスリン誘導体。
21.Qが結合である、第13又は19−21項に記載のインスリン誘導体。
22.Xが-C=Oである、第13−21項の何れかに記載のインスリン誘導体。
23.Qが-(CH)-であり、mが6〜32又は8〜20の範囲の整数である、第13−22項の何れかに記載のインスリン誘導体。
24.mが12、13、14、15又は16である、第23項に記載のインスリン誘導体。
25.Qが、1、2又は3の-CH=CH-基、及び鎖中の炭素原子の全数が4〜32の範囲となるのに十分な数の-CH-基を有する二価の炭化水素鎖である、第13−22項に記載のインスリン誘導体。
26.Zが-COOHである、第13−25項の何れかに記載のインスリン誘導体。
27.Zが-CH(COOH)である、第13−25項の何れかに記載のインスリン誘導体。28.Zが-N(CHCOOH)である、第13−25項の何れかに記載のインスリン誘導体。
29.Zが-SOHである、第13−25項の何れかに記載のインスリン誘導体。
30.Zが-POHである、第13−25項の何れかに記載のインスリン誘導体。
31.インスリン誘導体が
εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-γ-アミノ-ブタノイルdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-テトラデカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-トリデカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-β-アラニルdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-γ-L-アスパルチルアミドdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-ε-アミノヘキサノイルdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-δ-アミノペンタノイルdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-トリデカノイル-γ-アミノ-ブタノイルdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-ウンデカノイル-δ-アミノ-ブタノイルdesB30ヒトインスリン、及び
εB29-ω-カルボキシ-テトラデカノイル-γ-アミノ-ブタノイルdesB30ヒトインスリン、
からなる群から選択される、第13−30項の何れかに記載のインスリン誘導体。
32.Qが:
・-CO-((CR)1−6-NH-CO)-;
・-(CO-(CR)1−6-CO-NH)1−4-で、Rが独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができ、Rが独立してH、-CH、-(CH)1−6CHとすることができるもの;
・Arがアリーレン又はヘテロアリーレンとすることができ、また-CH、-(CH)1−6-CH、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよく、ここでR及びRが互いに独立して、H、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができる、-CO-(CH)0−3-Ar-(CH)0−3-;又は
・結合;
であり;
が:
・mが4〜22の整数である-(CH)-;
・1、2又は3の-CH=CH-基、及び鎖中の炭素原子の全数が4〜22の範囲となるのに十分な数の-CH-基を有する二価の炭化水素鎖;
・R及びRが互いに独立して、H、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができる、-CH、-(CH)1−6-CH、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレン;
・Arが上述したものであり、Y-Yが互いに独立して、O、S、S=O、SO又は結合とすることができ;s、w、t及びzが互いに独立して、s、w、t及びzの合計が4〜30の範囲となるような、0又は1〜10の整数であり、v、v及びvが互いに独立して、0又は1とすることができ、但し、Y-Yは互いに結合しておらず、構造-O-(CH)-O-は生じない、次の式:
-(CH)s--(Ar)v1-Y-(CH)-Y-(Ar)v2-Y-(CH)-Y-(Ar)v3-Y-(CH)-
の鎖;
であり;
が:
・O;
・-C=O
・RがH、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができる、NCOR;又は
・次の式:
Figure 0005269767
(上式中:Rは、水素、C1−3-アルキル、C2−3-アルケニル又はC2−3-アルキニルである)
のものであり;
但し、XがOである場合、XはQ中のOに直接結合せず;
、X及びQが結合であり;
nの全ての値が0であり;及び
Zが:
-COOH;
-CO-Asp;
-CO-Glu;
-CO-Gly;
-CO-Sar;
-CH(COOH)
-N(CHCOOH)
-SO
-OSO
-OPO3H
-PO、又は
-テトラゾール-5-イル、又は
-O-W
であり、
ここでWは、R及びRが互いに独立して、H、-(CH)1−6-SOH、又は-(CH)1−6-O-POとすることができる、テトラゾ-5-リル、-COOH、-SOH、-(CH)1−6-SOH、-(CH)1−6-O-PO、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレンである、第2又は4項に記載のインスリン誘導体、及び任意のそのZn2+錯体。
33.Qが、無電荷側鎖を有するアミノ酸、又は側鎖にカルボン酸を有するアミノ酸のアミノ酸アミドであり、該アミノ酸アミド残基又はアミノ酸残基が2〜10の炭素原子を有している、第2、4又は32項に記載のインスリン誘導体。
34.Qが、β-D-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド、γ-L-Glu-アミド及びγ-D-Glu-アミドからなる群から選択される、第2、4又は33項に記載のインスリン誘導体。
35.Qが、2、3又は4のα-アミノ酸アミド残基又は無電荷側鎖を有するアミノ酸残基からなる鎖である、第2、4又は34項に記載のインスリン誘導体。
36.Qが、β-L-Asp-アミド-β-L-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-β-L-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-β-D-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-β-D-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-β-L-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-β-L-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-β-D-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-β-D-Asp-アミドからなる群から選択される、2のアミノ酸アミド残基の鎖である、第2、4又は35項に記載のインスリン誘導体。
37.Qが結合である、第2、4又は32−36項の何れかに記載のインスリン誘導体。
38.Qが、-CO-CH-(CHCONH)-NH-CO;-CO-(CH)-(CHCONH)-NH-CO)-又は-CO-(CH)-(CHCONH)-NH-CO)-である、第2、4又は32−36項に記載のインスリン誘導体。
39.Qが結合である、第2、4又は38項に記載のインスリン誘導体。
40.Qが、Arが上述したものであり、Y-Yが互いに独立して、O、S、S=O、SO又は結合とすることができ;s、w、t及びzが互いに独立して、s、w、t及びzの合計が4〜30の範囲となるような、0又は1〜10の整数であり、v、v及びvが互いに独立して、0又は1とすることができ、但し、Y-Yは互いに結合しておらず、構造-O-(CH)-O-は生じない、次の式:
-(CH)s--(Ar)v1-Y-(CH)-Y-(Ar)v2-Y-(CH)-Y-(Ar)v3-Y-(CH)-
である、第32−39項に記載のインスリン誘導体。
41.v、v又はvの少なくとも2が0である、第40項の何れかに記載のインスリン誘導体。
42.Y-Yが結合である、第40−41項の何れかに記載のインスリン誘導体。
43.Y-Yの少なくとも一がO又はSである、第40−41項の何れかに記載のインスリン誘導体。
44.YがO又はSであり、vが1である、第40−41又は43項の何れかに記載のインスリン誘導体。
45.sが、6、7、8、9又は10である、第40−44項の何れかに記載のインスリン誘導体。
46.X、X、X、Q及びQが結合であり、ArがCである、第40−45項の何れかに記載のインスリン誘導体。
47.nが0である、第32−46項の何れかに記載のインスリン誘導体。
48.Zが-COOHである、第32−47項の何れかに記載のインスリン誘導体。
49.Zが-CH(COOH)である、第32−47項の何れかに記載のインスリン誘導体。50.Zが-N(CHCOOH)である、第32−47項の何れかに記載のインスリン誘導体。
51.Zが-SOHである、第32−47項の何れかに記載のインスリン誘導体。
52.Zが-POHである、第32−47項の何れかに記載のインスリン誘導体。
53.Zが-O-Wであり、ここでWが、R13及びR14が互いに独立して、H、-(CH)1−6-SOH、又は-(CH)1−6-O-POとすることができる、テトラゾ-5-リル、-COOH、-SOH、-(CH)1−6-SOH、-(CH)1−6-O-PO、-CONR1314又は-SONR1314からなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレンである、第32−47項の何れかに記載のインスリン誘導体。
54.インスリン誘導体が、NεB29-10-(4-カルボキシフェノキシ)-デカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30ヒトインスリンである、第32−53項の何れかに記載のインスリン誘導体。
55.Qが、無電荷側鎖を有するアミノ酸、又は側鎖にカルボン酸を有するアミノ酸のアミノ酸アミドであり、該アミノ酸アミド残基又はアミノ酸残基が2〜10の炭素原子を有している、第1項に記載のインスリン誘導体。
56.Qが、β-D-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド、γ-L-Glu-アミド及びγ-D-Glu-アミドからなる群から選択される、第1又は55項の何れかに記載のインスリン誘導体。
57.Qが、2、3又は4のα-アミノ酸アミド残基又は無電荷側鎖を有するアミノ酸残基からなる鎖である、第1項に記載のインスリン誘導体。
58.Qが、β-L-Asp-アミド-β-L-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-β-L-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-β-D-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-β-D-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-β-L-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-β-L-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-β-D-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-β-D-Asp-アミドからなる群から選択される、2のアミノ酸アミド残基の鎖である、第1又は57項に記載のインスリン誘導体。
59.Qが結合である、第1又は55−58項の何れかに記載のインスリン誘導体。
60.Qが-CO-(CR)1−6-NH-CO-及び-(CO-(CR)1−6-CO-NH)1-4-からなる群から選択され、ここでRが独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができ、Rが独立して、H、-CH、-(CH)1−6CHとすることができる、第1又は55−58項の何れかに記載のインスリン誘導体。
61.Qが、-CO-((CH)-NH-CO)-、-CO-CH-(CHCONH)-NH-CO;-CO-(CH)-(CHCONH)-NH-CO)-又は-CO-(CH)-(CHCONH)-NH-CO)-である、第1又は60項に記載のインスリン誘導体。
62.Qが結合である、第1又は60−61項に記載のインスリン誘導体。
63.Qが、Arが上述したものであり、Y-Yが互いに独立して、O、S、S=O、SO又は結合とすることができ;s、w、t及びzが互いに独立して、s、w、t及びzの合計が4〜30の範囲となるような、0又は1〜10の整数であり、v、v及びvが互いに独立して、0又は1とすることができ、但し、Y-Yは互いに結合しておらず、構造-O-(CH)-O-は生じない、次の式:
-(CH)s--(Ar)v1-Y-(CH)-Y-(Ar)v2-Y-(CH)-Y-(Ar)v3-Y-(CH)-
である、第55−62項に記載のインスリン誘導体。
64.v、v又はvの少なくとも2が0である、第63項に記載のインスリン誘導体。
65.Y-Yが結合である、第63−64項の何れかに記載のインスリン誘導体。
66.Y-Yの少なくとも一がO又はSである、第63−64項の何れかに記載のインスリン誘導体。
67.YがO又はSであり、vが1である、第63−64又は66項の何れかに記載のインスリン誘導体。
68.sが、6、7、8、9又は10である、第63−67項の何れかに記載のインスリン誘導体。
69.X、X、X、Q及びQが結合であり、ArがCである、第55−68項の何れかに記載のインスリン誘導体。
70.nが0である、第55−69項の何れかに記載のインスリン誘導体。
71.Zが-COOHである、第55−70項の何れかに記載のインスリン誘導体。
72.Zが-CH(COOH)である、第55−70項の何れかに記載のインスリン誘導体。73.Zが-N(CHCOOH)である、第55−70項の何れかに記載のインスリン誘導体。
74.Zが-SOHである、第55−70項の何れかに記載のインスリン誘導体。
75.Zが-POHである、第55−70項の何れかに記載のインスリン誘導体。
76.Zが-O-Wであり、ここでWが、R13及びR14が互いに独立して、H、-(CH)1−6-SOH、又は-(CH)1−6-O-POとすることができる、テトラゾ-5-リル、-COOH、-SOH、-(CH)1−6-SOH、-(CH)1−6-O-PO、-CONR1314又は-SONR1314からなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレンである、第55−70項の何れかに記載のインスリン誘導体。
77.インスリン誘導体が、NεB29-10-(4-カルボキシフェノキシ)-デカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30ヒトインスリン、NεB29-4-[11-(4-カルボキシフェニル)ウンデカノイルアミノ]ブチリルdesB30ヒトインスリンからなる群から選択される、第1又は55−70項の何れかに記載のインスリン誘導体。
78.Qが、2〜10の炭素原子を有し、側鎖にカルボン酸を有するアミノ酸のアミノ酸アミドである、第3項に記載のインスリン誘導体。
79.Qが、β-D-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド、γ-L-Glu-アミド及びγ-D-Glu-アミドからなる群から選択される、第3又は77項の何れかに記載のインスリン誘導体。
80.Qが、β-L-Asp-アミド-β-L-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-β-L-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-β-D-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-β-D-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-β-L-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-β-L-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-β-D-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-β-D-Asp-アミドからなる群から選択される、2のアミノ酸アミド残基の鎖である、第3項に記載のインスリン誘導体。
81.Qが結合である、第3又は77−79項の何れかに記載のインスリン誘導体。
82.Qが:
・-COCH(CONH)-
・-COCHN(CHCONH)-
・-COCHN(CHCONH)COCHN(CHCONH)
・-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCHCONH)-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCONH)-
・-COCHOCHCONH-;
・-CO-((CR)1−6-NH-CO)1−4-;又は
・-CO-((CR)1−6-CO-NH)1−4-で、Rは独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができ、Rは独立して、H、-CH、-(CH)1−6CHとすることができるもの;
からなる群から選択され、但し、Qが結合である場合、Qは非結合アミドを含む、第3又は77−80項に記載のインスリン誘導体。
83.Qが結合である、第3又は82項に記載のインスリン誘導体。
84.Qが、Arが上述したものであり、Y-Yが互いに独立して、O、S、S=O、SO又は結合とすることができ;s、w、t及びzが互いに独立して、s、w、t及びzの合計が4〜30の範囲となるような、0又は1〜10の整数であり、v、v及びvが互いに独立して、0又は1とすることができ、但し、Y-Yは互いに結合しておらず、構造-O-(CH)-O-は生じない、次の式:
-(CH)s--(Ar)v1-Y-(CH)-Y-(Ar)v2-Y-(CH)-Y-(Ar)v3-Y-(CH)-
である、第78−83項に記載のインスリン誘導体。
85.v、v又はvの少なくとも2が0である、第84項に記載のインスリン誘導体。
86.Y-Yが結合である、第84−85項の何れかに記載のインスリン誘導体。
87.Y-Yの少なくとも一がO又はSである、第84−85項の何れかに記載のインスリン誘導体。
88.YがO又はSであり、vが1である、第84−85又は87項の何れかに記載のインスリン誘導体。
89.sが、6、7、8、9又は10である、第84−88項の何れかに記載のインスリン誘導体。
90.X、X、X、Q及びQが結合であり、ArがCである、第78−89項の何れかに記載のインスリン誘導体。
91.nが0である、第78−90項の何れかに記載のインスリン誘導体。
92.Zが-COOHである、第78−91項の何れかに記載のインスリン誘導体。
93.Zが-CH(COOH)である、第78−91項の何れかに記載のインスリン誘導体。
94.Zが-N(CHCOOH)である、第78−91項の何れかに記載のインスリン誘導体。
95.Zが-SOHである、第78−91項の何れかに記載のインスリン誘導体。
96.Zが-POHである、第78−91項の何れかに記載のインスリン誘導体。
97.Zが-O-Wであり、ここでWが、R13及びR14が互いに独立して、H、-(CH)1−6-SOH、又は-(CH)1−6-O-POとすることができる、テトラゾ-5-リル、-COOH、-SOH、-(CH)1−6-SOH、-(CH)1−6-O-PO、-CONR1314又は-SONR1314からなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレンである、第78−91項の何れかに記載のインスリン誘導体。
98.インスリン誘導体が:
εB29-10-(4-カルボキシフェノキシ)-デカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30ヒトインスリン、
εB29-4-[11-(4-カルボキシフェニル)ウンデカノイルアミノ]ブチリルdesB30ヒトインスリン、及び
εB29-{4-[10-(4-カルボキシ-フェノキシ)-デカノイルアミノ]-ブチリル}desB30インスリン、
からなる群から選択される、第3又は78−97項の何れかに記載のインスリン誘導体。
99.Qが、無電荷側鎖を有するアミノ酸、又は側鎖にカルボン酸を有するアミノ酸のアミノ酸アミドであり、該アミノ酸アミド残基又はアミノ酸残基が2〜10の炭素原子を有している、第1又は2項に記載のインスリン誘導体。
100.Qが、β-D-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド、γ-L-Glu-アミド及びγ-D-Glu-アミドからなる群から選択される、第1、2又は99項の何れかに記載のインスリン誘導体。
101.Qが、2、3又は4のα-アミノ酸アミド又は無電荷側鎖を有するアミノ酸残基からなる鎖である、第1又は2項に記載のインスリン誘導体。
102.Qが、β-L-Asp-アミド-β-L-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-β-L-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-β-D-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-β-D-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-β-L-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-β-L-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-β-D-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-β-D-Asp-アミドからなる群から選択される、2のアミノ酸アミド残基の鎖である、第1、2又は101項に記載のインスリン誘導体。
103.Qが結合である、第99−102項の何れかに記載のインスリン誘導体。
104.Qが-CO-((CR)1−6-NH-CO)-及び-(CO-(CR)1−6-CO-NH)1-4-からなる群から選択され、ここでRが独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができ、Rが独立して、H、-CH、-(CH)1−6CHとすることができる、第1、2又は99−102項の何れかに記載のインスリン誘導体。
105.Qが、-CO-CH-(CHCONH)-NH-CO;-CO-(CH)-(CHCONH)-NH-CO)-又は-CO-(CH)3-(CHCONH)-NH-CO)-である、第1、2又は99−104項の何れかに記載のインスリン誘導体。
106.Qが結合である、第1、2又は104−105項に記載のインスリン誘導体。
107.Q、Q又はQ一つが-(CH)-であり、mが1〜32又は1〜12の範囲の整数である、第99−106項の何れかに記載のインスリン誘導体。
108.mが4、5、6、8、9、10又は11である、第107項に記載のインスリン誘導体。
109.Q、Q又はQの一つが、(CHCHO)-;(CHCHCHO)-;(CHCHCHCHO)-;(CHCHOCHCHCHCHO)-又は(CHCHCHOCHCHCHCHO)-;-(CHOCH)-であり、ここでyが1-20である、第99−108項の何れかに記載のインスリン誘導体。
110.Q、Q又はQの一つが、(CHCHO)-又は(CHCHOCHCHCHCHO)であり、ここでyが1-12、2-4又は2-3の範囲にある、第109項に記載のインスリン誘導体。
111.yが1である、第109−110項の何れかに記載のインスリン誘導体。
112.X、X及びXが互いに独立して、
・O;
・-C=O
・結合;
・RがH、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができる、NCOR;又は
・次の式:
Figure 0005269767
(上式中:Rは、水素、C1−3-アルキル、C2−3-アルケニル又はC2−3-アルキニルである)
のものである、第99−111項の何れかに記載のインスリン誘導体。
113.X、X及びXが:次の式:
Figure 0005269767
(上式中:Rは、水素、C1−3-アルキル、C2−3-アルケニル又はC2−3-アルキニルである)
のものである、第99−112項の何れかに記載のインスリン誘導体。
114.Xが次の式:
Figure 0005269767
(上式中、RはHである)
のものであり、Xが次の式:
Figure 0005269767
(上式中、RはHである)
のものである、第99−113項の何れかに記載のインスリン誘導体。
115.nが0、1、2又は3である、第99−114項の何れかに記載のインスリン誘導体。
116.Zが-COOHである、第99−115項の何れかに記載のインスリン誘導体。
117.Zが-CH(COOH)である、第99−115項の何れかに記載のインスリン誘導体。
118.Zが-N(CHCOOH)である、第99−115項の何れかに記載のインスリン誘導体。
119.Zが-SOHである、第99−115項の何れかに記載のインスリン誘導体。
120.Zが-POHである、第99−115項の何れかに記載のインスリン誘導体。
121.インスリン誘導体が:
εB29-(3-(3-{4-[3-(7-カルボキシヘプタノイルアミノ)プロポキシ]ブトキシ}プロピルカルバモイル)-プロピオニル-γ-グルタミルアミド)desB30ヒトインスリン
である、第1−2又は99−120項の何れかに記載のインスリン誘導体。
本発明の一態様において、Qは、無電荷側鎖を有するアミノ酸、又は側鎖にカルボン酸を有するアミノ酸のアミノ酸アミドであり、該アミノ酸アミド残基又はアミノ酸残基は2〜10の炭素原子を有している。
またQは、無電荷側鎖を有するアミノ酸及び/又は側鎖にカルボン酸を有するアミノ酸のアミノ酸アミドが2、3又は4からなる鎖とすることができる。アミノ酸の鎖は、アミドを含む少なくとも一のアミノ酸を含有していてよい。例えば、Qは、β-L-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド、γ-L-Glu-アミド及びγ-D-Glu-アミドからなる群から選択されてよい。
一態様において、Qは、4〜10の炭素原子を有する、2つの無電荷アミノ酸残基からなる鎖である。アミノ酸はアミドを含むことができる。このようなアミノ酸残基の例は、β-L-Asp-アミド-β-L-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-β-L-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-β-D-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-β-D-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-β-L-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-β-L-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-β-D-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-β-D-Asp-アミドである。
本発明の一態様において、Qは、独立して4〜10の炭素原子を有する、3つのアミノ酸残基からなる鎖であり、鎖の少なくとも一のアミノ酸残基は、アミドを有する残基の群から選択される。3つのアミノ酸アミドの組合せは、β-L-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド、γ-L-Glu-アミド及びγ-D-Glu-アミドの任意の組合せとすることができ、これは64の異なる組合せが可能であることを意味する。
さらなる態様において、Qは、独立して4〜10の炭素原子を有する、4つのアミノ酸残基からなる鎖であり、鎖の少なくとも一のアミノ酸残基は、アミドを有する残基の群から選択される。4つのアミノ酸アミドの組合せは、β-L-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド、γ-L-Glu-アミド及びγ-D-Glu-アミドの任意の組合せとすることができ、これは256の異なる組合せが可能であることを意味する。
122.desB30ヒトインスリンのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基、又はB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基で、desB30ヒトインスリンに結合した置換基を有するインスリン誘導体であって、該置換基が、約6〜約32の炭素原子を有する少なくとも一の二官能性脂肪部分、及びdesB30ヒトインスリンに二官能性脂肪部分が結合した、式-CO-((CH)1−6-NH-CO)1−4の無電荷リンカーを含み、二官能性脂肪部分が芳香族基を有するインスリン誘導体。
123.無電荷リンカーが:-CO-CH-NH-CO、-CO-(CH)-NH-CO、-CO-(CH)3-NH-CO及び-CO-(CH)-NH-COからなる群から選択される、第122項に記載のインスリン誘導体。
124.二官能性脂肪部分が:
T-(CH)s--(Ar)v1-Y-(CH)w-3-(Ar)v2-Y4-(CH)-Y-(Ar)v3-Y-(CH)-T
[上式中:
・Arはアリーレン又はヘテロアリーレンとすることができ、また-CH、-(CH)1−6-CH、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよく、ここでR及びRは互いに独立して、H、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができ;
・Y-Yは互いに独立して、O、S、S=O、SO又は結合とすることができ;
・s、w、t及びzは互いに独立して、s、w、t及びzの合計が4〜30の範囲となるような、0又は1〜10の整数であり;
・v、v及びvは互いに独立して、0又は1とすることができ;
但し、Y-Yは互いに結合しておらず、構造-O-(CH)-O-は生じず;
・Tは、カルボキシ、アミノ又はヒドロキシル基から選択される官能基である]
である、第122又は123項に記載のインスリン誘導体。
125.インスリン誘導体が、NεB29-4-[11-(4-カルボキシフェニル)ウンデカノイルアミノ]ブチリルdesB30ヒトインスリンである、第123−124項に記載のインスリン誘導体。
126.親インスリン部分のA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基、又はB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基で、親インスリン部分に結合した置換基を有するインスリン誘導体であって、該置換基が、約6〜約32の炭素原子を有する少なくとも一の二官能性脂肪部分、及び親インスリンに二官能性脂肪部分が結合した無電荷リンカーを含み、但し、インスリン置換基が芳香族基を含むならば、無電荷リンカーは、-(CO-(CH)1−6-NH-CO)1-4-を含まず、置換基は-CO-(CH)-CO-NH-(CHCHO)-、-CO-(CH)-CO-NH-CH-(CHCHO)-、-CO-(CH)-CO-NH-(CHCHO)-及び-CO-(CH)-CO-NH-CH-(CHCHOCHCHCHCHO)-の群から選択される一又は複数の残基を含まないインスリン誘導体。
127.親インスリン部分のA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基、又はB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基で、親インスリン部分に結合した置換基を有するインスリン誘導体であって、該置換基が、約6〜約32の炭素原子を有する少なくとも一の二官能性脂肪部分、及び親インスリンに二官能性脂肪部分で結合した無電荷リンカーを含み、但し、置換基は-CO-(CH)-CO-NH-(CHCHO)-、-CO-(CH)-CO-NH-CH-(CHCHO)-、-CO-(CH)-CO-NH-(CHCHO)-及び-CO-(CH)-CO-NH-CH-(CHCHOCHCHCHCHO)-の群から選択される一又は複数の残基を含まないインスリン誘導体。
128.親インスリン部分のA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基、又はB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基で、親インスリン部分に結合した置換基を有するインスリン誘導体であって、該置換基が、約6〜約32の炭素原子を有する少なくとも一の二官能性脂肪部分、及び親インスリンに二官能性脂肪部分で結合した無電荷リンカーを含み、但し、置換基が-CO-(CH)-CO-NH-(CHCHO)-、-CO-(CH)-CO-NH-CH-(CHCHO)-、-CO-(CH)-CO-NH-(CHCHO)-及び-CO-(CH)-CO-NH-CH-(CHCHOCHCHCHCHO)-の群から選択される一又は複数の残基を含まず、無電荷リンカーが:
・側鎖にカルボン酸を持つアミノ酸、又は無電荷側鎖を持つアミノ酸のアミノ酸アミドであって、そのカルボン酸基と共に、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と共同して、アミド基を形成する残基、又は
・アミド結合を介して結合した2、3又は4の上に特定したα-アミノ酸アミド又はアミノ酸残基からなる鎖であって、アミド結合を介して、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に結合している鎖、
・-COCH(CONH)-
・-COCHN(CHCONH)-
・-COCHN(CHCONH)COCHN(CHCONH)
・-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCHCONH)-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCONH)-
・-COCHOCHCONH-;又は
・-CO-((CR)1−6-CO-NH)1−4-で、Rは独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができ、Rは独立して、H、-CH、-(CH)1−6CHとすることができるもの;
からなる群から選択され、但し、無電荷リンカー中のアミンが、残りの置換基と結合を形成するならば、アミンは、カルボニル基を介して残りの置換基に結合しなくてはならないことを特徴とするインスリン誘導体。
129.親インスリン部分のA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基、又はB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基で、親インスリン部分に結合した置換基を有するインスリン誘導体であって、該置換基が、約6〜約32の炭素原子を有する少なくとも一の二官能性脂肪部分、及び親インスリンに二官能性脂肪部分で結合した無電荷リンカーを含み、但し、インスリン置換基が芳香族基を含むならば、無電荷リンカーは、-(CO-(CH)1−6-NH-CO)1-4-を含まず、置換基は-CO-(CH)-CO-NH-(CHCHO)-、-CO-(CH)-CO-NH-CH-(CHCHO)-、-CO-(CH)-CO-NH-(CHCHO)-及び-CO-(CH)-CO-NH-CH-(CHCHOCHCHCHCHO)-の群から選択される一又は複数の残基を含まず、無電荷リンカーが:
・側鎖にカルボン酸を持つアミノ酸、又は無電荷側鎖を持つアミノ酸のアミノ酸アミドであって、そのカルボン酸基と共に、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と共同して、アミド基を形成する残基、又は
・アミド結合を介して結合した2、3又は4の上に特定したα-アミノ酸アミド又はアミノ酸残基からなる鎖であって、アミド結合を介して、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に結合している鎖、
・-COCH(CONH)-
・-COCHN(CHCONH)-
・-COCHN(CHCONH)COCHN(CHCONH)
・-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCHCONH)-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCONH)-
・-COCHOCHCONH-
・-CO-((CR)1−6-NH-CO)1−4-;又は
・-CO-((CR)1−6-CO-NH)1−4-で、Rは独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができ、Rは独立して、H、-CH、-(CH)1−6CHとすることができるもの;
からなる群から選択され、但し、無電荷リンカー中のアミンが、残りの置換基と結合を形成するならば、アミンは、カルボニル基を介して残りの置換基に結合しなくてはならないことを特徴とするインスリン誘導体。
130.親インスリン部分のA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基、又はB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基で、親インスリン部分に結合した置換基を有するインスリン誘導体であって、該置換基が、約6〜約32の炭素原子を有する少なくとも一の二官能性脂肪部分、及び親インスリンに二官能性脂肪部分で結合した無電荷リンカーを含み、但し、置換基が-CO-(CH)-CO-NH-(CHCHO)-、-CO-(CH)-CO-NH-CH-(CHCHO)-、-CO-(CH)-CO-NH-(CHCHO)-及び-CO-(CH)-CO-NH-CH-(CHCHOCHCHCHCHO)-の群から選択される一又は複数の残基を含まず、無電荷リンカーが:
・側鎖にカルボン酸を持つアミノ酸、又は無電荷側鎖を持つアミノ酸のアミノ酸アミドであって、そのカルボン酸基と共に、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と共同して、アミド基を形成する残基、又は
・アミド結合を介して結合した2、3又は4の上に特定したα-アミノ酸アミド又はアミノ酸残基からなる鎖であって、アミド結合を介して、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に結合している鎖、
・-COCH(CONH)-
・-COCHN(CHCONH)-
・-COCHN(CHCONH)COCHN(CHCONH)
・-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCHCONH)-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCONH)-
・-COCHOCHCONH-
・-CO-((CR)1−6-NH-CO)1−4-;又は
・-CO-((CR)1−6-CO-NH)1−4-で、Rは独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができ、Rは独立して、H、-CH、-(CH)1−6CHとすることができるもの;
からなる群から選択され、但し、無電荷リンカー中のアミンが、残りの置換基と結合を形成するならば、アミンは、カルボニル基を介して残りの置換基に結合しなくてはならないことを特徴とするインスリン誘導体。
131.親インスリン部分のA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基、又はB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基で、親インスリン部分に結合した置換基を有するインスリン誘導体であって、該置換基が、約6〜約32の炭素原子を有する少なくとも一の二官能性脂肪部分、及び親インスリンに二官能性脂肪部分で結合した無電荷リンカーを含み、但し、置換基が芳香族基を含むならば、非結合アミドはリンカーに存在しており、置換基は-CO-(CH)-CO-NH-(CHCHO)-、-CO-(CH)-CO-NH-CH-(CHCHO)-、-CO-(CH)-CO-NH-(CHCHO)-及び-CO-(CH)-CO-NH-CH-(CHCHOCHCHCHCHO)-の群から選択される一又は複数の残基を含まないインスリン誘導体。
132.親インスリン部分のA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基、又はB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基で、親インスリン部分に結合した置換基を有するインスリン誘導体であって、該置換基が、約6〜約32の炭素原子を有する少なくとも一の二官能性脂肪部分、及び親インスリンに二官能性脂肪部分で結合した無電荷リンカーを含み、但し、二官能性脂肪部分は脂肪族鎖であり、非結合アミドはリンカー中に存在しているインスリン誘導体。
133.置換基が、親インスリンのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基に結合している、第121−129項に記載のインスリン誘導体。
134.置換基が、親インスリンのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に結合している、第121−129項に記載のインスリン誘導体。
135.置換基が、親インスリンのB鎖に存在するB29位において、Lys残基のε-アミノ基に結合している、第121−129又は131項に記載のインスリン誘導体。
136.置換基が、desB30ヒトインスリンのB29位において、Lys残基のε-アミノ基に結合している、第132項に記載のインスリン誘導体。
137.リンカーが、式-CONRのアミド又はN-置換アミドを含み、R及びRが互いに独立して、水素、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルとすることができる、第121−129項の何れかに記載のインスリン誘導体。
138.R及びRが水素である、第134項に記載のインスリン誘導体。
139.リンカーが非結合アミドを含む、第121−129項に記載のインスリン誘導体。
140.置換基が、置換基の個々の成分を連結させるのに使用される、-NH及び-COOHから選択される基を独立して各末端に有するエチレングリコール、プロピレングリコール及び/又はブチレングリコールの一又は複数の残基を含む、第121−129項の何れかに記載のインスリン誘導体。
141.置換基が少なくとも一の芳香族基を含む、第121−129項に記載のインスリン誘導体。
142.親インスリンがヒトインスリン又はブタインスリンである、第1−141項の何れかに記載のインスリン誘導体。
143.親インスリンがインスリンアナログである、第1−141項の何れかに記載のインスリン誘導体。
144.親インスリンのB30位にあるアミノ酸残基がLysであるか、又は欠失している、第143項の何れかに記載のインスリン誘導体。
145.親インスリンがdesB30ヒトインスリンである、第143−44に記載のインスリン誘導体。
146.親インスリンのB1位にあるアミノ酸残基が欠失している、第143−145項の何れかに記載のインスリン誘導体。
147.親インスリンのA21位にあるアミノ酸残基がGly又はAsnである、第143−146項の何れかに記載のインスリン誘導体。
148.親インスリンのB3位にあるアミノ酸残基がLysである、第143−147項の何れかに記載のインスリン誘導体。
149.親インスリンのB28位にあるアミノ酸残基がAsp又はLysである、第143−148項の何れかに記載のインスリン誘導体。
150.親インスリンのB29位にあるアミノ酸残基がPro又はThrである、第143−149項の何れかに記載のインスリン誘導体。
151.親インスリンがAspB28ヒトインスリンである、第149項に記載のインスリン誘導体。
152.親インスリンが、GlyA21ヒトインスリン、又はGlyA21desB30ヒトインスリン、又はGlyA21ArgB31ArgB32ヒトインスリンである、第147項に記載のインスリン誘導体。
153.親インスリンがLysB3GluB29ヒトインスリンである、第148項に記載のインスリン誘導体。
154.親インスリンがLysB28ProB29ヒトインスリンである、第149−150項に記載のインスリン誘導体。
155.親インスリンがThrB29LysB30ヒトインスリンである、第144及び150項に記載のインスリン誘導体。
156.2つの亜鉛イオン、3つの亜鉛イオン、4つの亜鉛イオン、5つの亜鉛イオン、6つの亜鉛イオン、7つの亜鉛イオン、8つの亜鉛イオン、9つの亜鉛イオン、又は10の亜鉛イオンが、インスリン誘導体の6つの分子当たりに結合している、上述した項の何れか一つに記載のインスリン誘導体の亜鉛錯体。
157.薬学的に許容可能な担体と共に、第1−155項に記載のインスリン誘導体又は第156項に記載の亜鉛錯体を治療的有効量含有する、治療が必要な患者における糖尿病を治療するための薬学的組成物。
158.薬学的に許容可能な担体と共に、速攻で作用を開始するインスリン又はインスリンアナログと混合して、第1−155項に記載のインスリン誘導体又は第156項に記載の亜鉛錯体を治療的有効量含有する、治療が必要な患者における糖尿病を治療するための薬学的組成物。
159.薬学的に許容可能な担体と共に、第1−155項に記載のインスリン誘導体又は第156項に記載の亜鉛錯体を治療的有効量、患者に投与することを含む、治療が必要な患者における糖尿病を治療するための方法。
160.薬学的に許容可能な担体と共に、速攻で作用を開始するインスリン又はインスリンアナログと混合して、第1−155項に記載のインスリン誘導体又は第156項に記載の亜鉛錯体を治療的有効量、患者に投与することを含む、治療が必要な患者における糖尿病を治療するための方法。
161.糖尿病の肺処置のための、第138又は139項に記載の方法。
162.1型糖尿病、2型糖尿病、及び高血糖症を引き起こす他の症状を治療するのに使用される薬学的組成物を製造するための、第1−155項に記載のインスリン誘導体又は第156項に記載の亜鉛錯体の使用。
163.1型糖尿病、2型糖尿病、及び高血糖症を引き起こす他の症状を治療するのに使用される薬学的組成物を製造するための、速攻で作用を開始するインスリン又はインスリンアナログと混合しての、第1−155項に記載のインスリン誘導体又は第156項に記載の亜鉛錯体の使用。
164.第1−155項に記載のインスリン誘導体又は第156項に記載の亜鉛錯体と、AspB28ヒトインスリン;LysB28ProB29ヒトインスリン及びLysB3GluB29ヒトインスリンからなる群から選択される速攻型インスリンアナログとの混合物。
165.インスリン誘導体が:
εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-γ-アミノ-ブタノイルdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-テトラデカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-トリデカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-β-アラニルdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-γ-L-アスパルチルアミドdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-ε-アミノヘキサノイルdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-δ-アミノペンタノイルdesB30ヒトインスリン、
εB29-10-(4-カルボキシフェノキシ)-デカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30ヒトインスリン、
εB29-4-[11-(4-カルボキシフェニル)ウンデカノイルアミノ]ブチリルdesB30ヒトインスリン、
εB29-(3-(3-{4-[3-(7-カルボキシヘプタノイルアミノ)プロポキシ]ブトキシ}プロピルカルバモイル)-プロピオニル-γ-グルタミルアミド)desB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-トリデカノイル-γ-アミノ-ブタノイルdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-ウンデカノイル-γ-アミノ-ブタノイルdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-テトラデカノイル-γ-アミノ-ブタノイルdesB30ヒトインスリン、
εB29-{4-[10-(4-カルボキシ-フェノキシ)-デカノイルアミノ]-ブチリル}desB30インスリン、
εB29-{4-[(14-カルボキシ-テトラデカノイルアミノ)-メチル]-ベンゾイル}desB30インスリン、
εB29-[16-(4-カルボキシ-フェノキシ)-ヘキサデカノイル]desB30インスリン、
εB29-{4-[(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)ベンゾイル]-desB30ヒトインスリン、及び
εB29-{4-[(15-カルボキシ-ペンタデカノイルアミノ)-メチル]-ベンゾイル}-desB30インスリン、
からなる群から選択されるインスリン誘導体。
166.実施例に記載されたインスリン誘導体。
本発明を次の段落にさらに要約する:
1a.親インスリン部分のB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基、又はB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基で、親インスリン部分に結合した置換基を有するインスリン誘導体であって、該置換基が、約6〜約32の炭素原子を有する少なくとも一の二官能性脂肪部分、及び親インスリンに二官能性脂肪部分が結合した無電荷リンカーを含み、但し、インスリン置換基が芳香族基を含むならば、無電荷リンカーは、-(CO-(CH)2−6-NH-CO)1-4-を含まないインスリン誘導体。
2a.置換基が、親インスリンのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基に結合している、第1a項に記載のインスリン誘導体。
3a.置換基が、親インスリンのB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に結合している、第1a項に記載のインスリン誘導体。
4a.置換基が、親インスリンのB鎖に存在するB29位において、Lys残基のε-アミノ基に結合している、第1a又は3a項に記載のインスリン誘導体。
5a.置換基が、LysB29desB30ヒトインスリンのB29位において、Lys残基のε-アミノ基に結合している、第4a項に記載のインスリン誘導体。
6a.リンカーが-CONRのアミド又はN-置換アミドを含み、R及びRが互いに独立して、水素、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルとすることができる、第1a−5a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
7a.R及びRが水素である、第6a項に記載のインスリン誘導体。
8a.リンカーがアミドを含む、第1項に記載のインスリン誘導体。
9a.置換基が、-NH及び-COOHから選択される基を独立して各末端に有するエチレングリコール、プロピレングリコール及び/又はブチレングリコールの一又は複数の残基を含む、第1a−7a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
10a.置換基が少なくとも一の芳香族基を含む、第1a−7a項に記載のインスリン誘導体。
11a.次の式:
Figure 0005269767
[上式中:
Insは親インスリン部分であり、インスリン部分のB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基又はB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基を介して、置換基中のQ又はQに結合しており;
各nは独立して、0、1、2、3、4、5又は6であり;
は:
・置換基にカルボン酸を持つα-アミノ酸アミド残基であって、そのカルボン酸基の一つと共に、親インスリンのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と共同して、アミド基を形成する残基;
・アミド結合を介して結合した2、3又は4のα-アミノ酸アミド残基からなる鎖であって、アミド結合を介して、親インスリンのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に結合している鎖で、Wが置換基にカルボン酸基を有する少なくとも一のアミノ酸残基を有するように、Wのアミノ酸残基が、中性置換基を有するアミノ酸残基、及び置換基にカルボン酸基を有するアミノ酸残基の群から選択されるもの;又は
・結合;
であり;
は:
・-COCH(CONH)-
・-COCHN(CHCONH)-
・-COCHN(CHCONH)COCHN(CHCONH)
・-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCHCONH)-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCONH)-
・-(CO-(CH)2−6-NH-CO)1-4-;
・-(CO-(CH)2−6-CO-NH)1-4-;
・-(CO-(CR10)1−6-CO-NH)1-4-で、R及びR10は互いに独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができるもの;又は
・結合;
であり;
但し、Q又はQの少なくとも一は結合でなく;
、Q及びQは互いに独立して、
・mが1〜32の範囲の整数である-(CH)-;
・1、2又は3の-CH=CH-基、及び鎖中の炭素原子の全数が4〜32の範囲となるのに十分な数の-CH-基を有する二価の炭化水素鎖;
・yが1-20である、(CHCHO)-;(CHCHCHO)-;(CHCHCHCHO)-;(CHCHOCHCHCHCHO)-又は(CHCHCHOCHCHCHCHO)-;-(CHOCH)-;
・R及びRが互いに独立して、また各炭素について独立して、H、-COOH又はOHとすることができる、-(CR)1−6-(NHCO-(CR)1−6-NHCO)1−2-(CR)1−6又は-(CR)1−6-(CONH-(CR)1−6-CONH)1−2-(CR)1−6-、-(CR)1−6-(NHCO-(CR)1−6-CONH)1−2-(CR)1−6-又は-(CR)1−6-(CONH-(CR)1−6-NHCO)1−2-(CR)1−6
・R及びRが互いに独立して、また各炭素について独立して、H、-COOH、(CH)1−6COOHとすることができる、-(CR)1−6-;
・R、R及びR15が互いに独立して、H、-CH、-CH1−6CH、-SOH、-(CH)1−6-SOH、-(CH)1−6-O-PO又はCONHとすることができ、R15が、上述したR、Rの1又は2の基で置換されていてもよいアリーレンとすることができる、-((CR)1−6-NR15-CO)1-4-;
・R15が上述したものであるNR15
・-COOH、-CH3、-CH1−6CH、-SOH、-(CH)-SOH、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよい、アリーレン又はヘテロアリーレンで、ここでR及びRは互いに独立して、H、-CH、-(CH)1−6-CH、-SOH、-(CH)1−6-SOH、-(CH)1−6-O-PO又はCONHとすることができ;
・次の式:
-(CH)s--(C)v1-Y-(CH)-Y-(C)v2-Y-(CH)-Y-(C)v3-Y-(CH)-
[上式中、Y-Yは互いに独立して、O;S又は結合とすることができ;s、w、t及びzは互いに独立して、s、w、t及びzの合計が4〜30の範囲となるような、0又は1〜10の整数であり、v、v及びvは互いに独立して、0又は1とすることができ、但し、Y-Yは互いに結合していない]
の二価の炭化水素鎖;又は
・結合;
とすることができ;
但し、Q-Qは異なっており;
、X及びXは互いに独立して、
・O;
・-C=O
・結合;
・次の式:
Figure 0005269767
(上式中:Rは、水素、C1−3-アルキル、C2−3-アルケニル又はC2−3-アルキニルである)
のものであり;
Zは:
-COOH;
-CO-Asp;
-CO-Glu;
-CO-Gly;
-CO-Sar;
-CH(COOH)
-N(CHCOOH)
-SO
-OSO
-OPO3H
-PO、又は
-テトラゾール-5-イル、又は
-O-W
であり、
ここでWは、R13及びR14が互いに独立して、H、-SOH、-(CH)1−6-SOH、-(CH)1−6-O-PO、-CONH又はテトラゾ-5-リルとすることができる、-COOH、-SOH、-(CH)1−6-SOH、-CONR1314又は-SONR1214からなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレンである]
を有する、第1a項に記載のインスリン誘導体、及び任意のそのZn2+錯体。
12a.Qが、4〜10の炭素原子を有するアミノ酸アミド残基である、第11a項に記載のインスリン誘導体。
13a.Qが、β-D-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド、γ-L-Glu-アミド及びγ-D-Glu-アミドからなる群から選択される、第11a−12a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
14a.Qがアミノ酸アミド残基の鎖である、第11a項に記載のインスリン誘導体。
15a.Qが、β-L-Asp-アミド-β-L-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-β-L-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-β-D-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-β-D-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-β-L-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-β-L-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-β-D-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-β-D-Asp-アミドからなる群から選択される、2のアミノ酸アミド残基の鎖である、第11a又は14aに記載のインスリン誘導体。
16a.Qが結合である、第11a−15a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
17a.Qが、-(CO-(CH)2−6-NH-CO)1-4-;-(CO-(CH)2−6-CO-NH)1-4-からなる群から選択される、第11a−15a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
18a.Qが、-(CO-(CH)-NH-CO)-又は-(CO-(CH)-NH-CO)1-4-からなる群から選択される、第17項に記載のインスリン誘導体。
19a.Qが結合である、第17a−18a項に記載のインスリン誘導体。
20a.Qが:
・置換基にカルボン酸を持つα-アミノ酸アミド残基であって、そのカルボン酸基の一つと共に、親インスリンのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と共同して、アミド基を形成する残基;
・アミド結合を介して結合した2、3又は4のα-アミノ酸アミド残基からなる鎖であって、アミド結合を介して、親インスリンのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に結合している鎖で、Wが置換基にカルボン酸基を有する少なくとも一のアミノ酸残基を有するように、Wのアミノ酸残基が、中性置換基を有するアミノ酸残基、及び置換基にカルボン酸基を有するアミノ酸残基の群から選択されるもの;又は
・結合;
であり;
が:
・-COCH(CONH)-
・-COCHN(CHCONH)-
・-COCHN(CHCONH)COCHN(CHCONH)
・-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCHCONH)-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCONH)-
・-(CO-(CH)2−6-NH-CO)1-4-;
・-(CO-(CH)2−6-CO-NH)1-4-;
・-(CO-(CR10)1−6-CO-NH)1-4-で、R及びR10が互いに独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができるもの;又は
・結合;
であり;
但し、Q又はQの少なくとも一は結合でなく;
が:
・mが6〜32の範囲の整数である-(CH)-;
・1、2又は3の-CH=CH-基、及び鎖中の炭素原子の全数が4〜32の範囲となるのに十分な数の-CH-基を有する二価の炭化水素鎖;
・s及びwの合計が6〜30の範囲になるように、v及びwが整数又はそれらのひとつが0である、式-(CH)(CH)-の二価の炭化水素鎖;
であり;
が-C=O又は結合とすることができ;
、Q、X及びXが結合であり;
nの全ての値が0であり;
Zが:
-COOH;
-CO-Asp;
-CO-Glu;
-CO-Gly;
-CO-Sar;
-CH(COOH)
-N(CHCOOH)
-SO
-OSO
-OPO3H
-PO、又は
-テトラゾール-5-イル
である、第11a項に記載のインスリン誘導体、及び任意のそのZn2+錯体。
21a.Qが、4〜10の炭素原子を有するアミノ酸アミド残基である、第20a項に記載のインスリン誘導体。
22a.Qが、β-D-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド、γ-L-Glu-アミド及びγ-D-Glu-アミドからなる群から選択される、第20a−21a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
23a.Qがアミノ酸アミド残基の鎖である、第20a項に記載のインスリン誘導体。
24a.Qが、β-L-Asp-アミド-β-L-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-β-L-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-β-D-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-β-D-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-β-L-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-β-L-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-β-D-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-β-D-Asp-アミドからなる群から選択される、2のアミノ酸アミド残基の鎖である、第20a又は23aに記載のインスリン誘導体。
25a.Qが結合である、第20a−24a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
26a.Xが-C=Oである、第21a−25aの何れかに記載のインスリン誘導体。
27a.Qが、CO(CONH)CH-;-(CO-(CH)2−6-NH-CO)1-4-;-(CO-(CH)2−6-CO-NH)1-4-からなる群から選択される、第20a−26a項のいずれかに記載のインスリン誘導体。
28a.Qが、-(CO-(CH)-NH-CO)-、-(CO-(CH)-NH-CO)-、-(CO-(CH)-NH-CO)-又は-(CO-(CH)-NH-CO)-からなる群から選択される、第20a又は27a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
29a.Qが結合である、第27a又は28a項に記載のインスリン誘導体。
30a.Qが-(CH)-であり、mが6〜32又は8〜20の範囲の整数である、第20a−29a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
31a.mが12、13、14、15又は16である、第30a項に記載のインスリン誘導体。
32a.Zが-COOHである、第20a−31a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
33a.Zが-CH(COOH)である、第20a−31a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
34a.Zが-N(CHCOOH)である、第20a−31a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
35a.Zが-SOHである、第20a−31a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
36a.Zが-POHである、第20a−31a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
37a.NεB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30ヒトインスリン、NεB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-γ-アミノ-ブタノイルdesB30ヒトインスリン、NεB29-ω-カルボキシ-テトラデカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30ヒトインスリン、NεB29-ω-カルボキシ-トリデカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30ヒトインスリン、NεB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-β-アラニルdesB30ヒトインスリン、NεB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-γ-L-アスパルチルアミドdesB30ヒトインスリン、NεB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-ε-アミノヘキサノイルdesB30ヒトインスリン、NεB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-δ-アミノペンタノイルdesB30ヒトインスリンからなる群から選択される、上述した項の何れかに記載のインスリン誘導体。
38a.Qが:
・置換基にカルボン酸を持つα-アミノ酸アミド残基であって、そのカルボン酸基の一つと共に、親インスリンのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と共同して、アミド基を形成する残基;
・アミド結合を介して結合した2、3又は4のα-アミノ酸アミド残基からなる鎖であって、アミド結合を介して、親インスリンのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に結合している鎖で、Wが置換基にカルボン酸基を有する少なくとも一のアミノ酸残基を有するように、Wのアミノ酸残基が、中性置換基を有するアミノ酸残基、及び置換基にカルボン酸基を有するアミノ酸残基の群から選択されるもの;又は
・結合;
であり;
が:
・-COCH(CONH)-
・-COCHN(CHCONH)-
・-COCHN(CHCONH)COCHN(CHCONH)
・-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCHCONH)-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCONH)-
・-(CO-(CH)2−6-NH-CO)1-4-;
・-(CO-(CH)2−6-CO-NH)1-4-;
・-(CO-(CR10)1−6-CO-NH)1-4-で、R及びR10が互いに独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができるもの;又は
・結合;
であり;
但し、Q又はQの少なくとも一は結合でなく;
が:
・R、R及びR15が互いに独立して、H、-CH、-CH1−6CH、-SOH、-(CH)1−6-SOH、-(CH)1−6-O-PO又はCONHとすることができ、R15が、上述したR、Rの1又は2の基で置換されていてもよいアリーレンとすることができる、-((CR)1−6-NR15-CO)1-4-;
・R15が上述したものであるNR15
・結合;
であり;
が:
・mが4〜22の整数である-(CH)-;
・1、2又は3の-CH=CH-基、及び鎖中の炭素原子の全数が4〜22の範囲となるのに十分な数の-CH-基を有する二価の炭化水素鎖;
・-COOH、-CH3、-CHCH、-SOH、-(CH)-SOH、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよい、アリーレン又はヘテロアリーレンで、ここでR及びRは互いに独立して、H、-CH、-(CH)1−6-CH、-SOH、-(CH)1−6-SOH、-(CH)-O-PO又はCONHとすることができ;
・次の式:
-(CH)s--(C)v1-Y-(CH)-Y-(C)v2-Y-(CH)-Y-(C)v3-Y-(CH)-
(上式中、Y-Yは互いに独立して、O;S又は結合とすることができ;s、w、t及びzは互いに独立して、s、w、t及びzの合計が4〜30の範囲となるような、0又は1〜10の整数であり、v、v及びvは互いに独立して、0又は1とすることができ、但し、Y-Yは互いに結合していない)
の二価の炭化水素鎖;
であり;
が:
・O;
・-C=O
・結合;
・次の式:
Figure 0005269767
(上式中:Rは、水素、C1−3-アルキル、C2−3-アルケニル又はC2−3-アルキニルである)
のものであり;
、X及びQが結合であり;
nの全ての値が0であり;及び
Zが:
-COOH;
-CO-Asp;
-CO-Glu;
-CO-Gly;
-CO-Sar;
-CH(COOH)
-N(CHCOOH)
-SO
-OSO
-OPO3H
-PO、又は
-テトラゾール-5-イル、又は
-O-W
であり、ここでWは、R13及びR14が互いに独立して、H、-SOH、-(CH)1−6-SOH、-(CH)1−6-O-PO、-CONH又はテトラゾ-5-リルとすることができる、-COOH、-SOH、-(CH)1−6-SOH、-CONR1314又は-SONR1214からなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレンである、第11aに記載のインスリン誘導体、及び任意のそのZn2+錯体。
39a.Qが、4〜10の炭素原子を有するアミノ酸アミド残基である、第38a項に記載のインスリン誘導体。
40a.Qが、β-D-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド、γ-L-Glu-アミド及びγ-D-Glu-アミドからなる群から選択される、第38a−39a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
41a.Qがアミノ酸アミド残基の鎖である、第38a項に記載のインスリン誘導体。
42a.Qが、β-L-Asp-アミド-β-L-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-β-L-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-β-D-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-β-D-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-β-L-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-β-L-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-β-D-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-β-D-Asp-アミドからなる群から選択される、2のアミノ酸アミド残基の鎖である、第38a又は41aに記載のインスリン誘導体。
43a.Qが結合である、第38a−42a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
44a.Qが、CO(CONH)CH-;-(CO-(CH)2−6-NH-CO)1-4-及び-(CO-(CH)2−6-CO-NH)1-4-からなる群から選択される、第38a−42a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
45a.Qが結合である、第44a項に記載のインスリン誘導体。
46a.Qが、-(CO-(CH)-NH-CO)-又は-(CO-(CH)-NH-CO)1-4-からなる群から選択される、第38a、44a又は45a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
47a.Qが、次の式:
-(CH)s--(C)v1-Y-(CH)-Y-(C)v2-Y-(CH)-Y-(C)v3-Y-(CH)-
(上式中、Y-Yは互いに独立して、O;S又は結合とすることができ;s、w、t及びzは互いに独立して、s、w、t及びzの合計が4〜30の範囲となるような、0又は1〜10の整数であり、v、v及びvは互いに独立して、0又は1とすることができ、但し、Y-Yは互いに結合していない)
のものである、第37a項に記載のインスリン誘導体。
48a.v、v又はvの少なくとも2が0である、第37a又は46a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
49a.Y-Yが結合である、第38a、47a又は48a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
50a.Y-Yの少なくとも一がO又はSである、第38a、47a又は48a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
51a.YがO又はSであり、vが1である、第38a又は47a−48a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
52a.Zが-COOHである、第38a−51a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
53a.Zが-CH(COOH)である、第38a−51a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
54a.Zが-N(CHCOOH)である、第38a−51a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
55a.Zが-SOHである、第38a−51a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
56a.Zが-POHである、第38a−51a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
57a.Zが-O-Wであり、ここでWが、R13及びR14が互いに独立して、H、-SOH、-(CH)1−6-SOH、-(CH)1−6-O-PO、-CONH又はテトラゾ-5-リルとすることができる、-COOH、-SOH、-(CH)1−6-SOH、-CONR1314又は-SONR1214からなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレンである、第38a−51a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
58a.インスリン誘導体が、NεB29-10-(4-カルボキシフェノキシ)-デカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30ヒトインスリン、NεB29-4-[11-(4-カルボキシフェニル)ウンデカノイルアミノ]ブチリルdesB30ヒトインスリンからなる群から選択される、第1a−19a又は38a-57a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
59a.Qが:
・置換基にカルボン酸を持つα-アミノ酸アミド残基であって、そのカルボン酸基の一つと共に、親インスリンのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と共同して、アミド基を形成する残基;
・アミド結合を介して結合した2、3又は4のα-アミノ酸アミド残基からなる鎖であって、アミド結合を介して、親インスリンのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に結合している鎖で、Wが置換基にカルボン酸基を有する少なくとも一のアミノ酸残基を有するように、Wのアミノ酸残基が、中性置換基を有するアミノ酸残基、及び置換基にカルボン酸基を有するアミノ酸残基の群から選択されるもの;又は
・結合;
であり;
が:
・-COCH(CONH)-
・-COCHN(CHCONH)-
・-COCHN(CHCONH)COCHN(CHCONH)
・-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCHCONH)-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCONH)-
・-(CO-(CH)2−6-NH-CO)1-4-;
・-(CO-(CH)2−6-CO-NH)1-4-;
・-(CO-(CR10)1−6-CO-NH)1-4-で、R及びR10が互いに独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができるもの;又は
・結合;
であり;
但し、Q又はQの少なくとも一は結合でなく;
nが独立して、2又は3であり;
、Q又はQが互いに独立して:
・yが1-20である、(CHCHO)-;(CHCHCHO)-;(CHCHCHCHO)-;(CHCHOCHCHCHCHO)-又は(CHCHCHOCHCHCHCHO)-;-(CHOCH)-;
・mが1〜32の整数である-(CH)-;
・1、2又は3の-CH=CH-基、及び鎖中の炭素原子の全数が4〜32の範囲となるのに十分な数の-CH-基を有する二価の炭化水素鎖;
・R及びRが互いに独立して、また各炭素について独立して、H、-COOH又はOHとすることができる、-(CR)1−6-(NHCO-(CR)1−6-NHCO)1−2-(CR)1−6又は-(CR)1−6-(CONH-(CR)1−6-CONH)1−2-(CR)1−6-、-(CR)1−6-(NHCO-(CR)1−6-CONH)1−2-(CR)1−6-又は-(CR)1−6-(CONH-(CR)1−6-NHCO)1−2-(CR)1−6
・R及びRが互いに独立して、また各炭素について独立して、H、-COOH、(CH)1−6COOHとすることができる、-(CR)1−6-;又は
・結合;
とすることができ;
但し、Q-Qは異なっており;
、X及びXは独立して、
・O;
・-C=O
・結合;又は
・次の式:
Figure 0005269767
(上式中:Rは、水素、C1−3-アルキル、C2−3-アルケニル又はC2−3-アルキニルである)
のものであり;
Zは:
-COOH;
-CO-Asp;
-CO-Glu;
-CO-Gly;
-CO-Sar;
-CH(COOH)
-N(CHCOOH)
-SO
-OSO
-OPO3H
-PO、又は
-テトラゾール-5-イルである、第11a項に記載のインスリン誘導体、及び任意のそのZn2+錯体。
60a.Qが、4〜10の炭素原子を有するアミノ酸アミド残基である、第59a項に記載のインスリン誘導体。
61a.Qが、β-D-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド、γ-L-Glu-アミド及びγ-D-Glu-アミドからなる群から選択される、第59a−60a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
62a.Qがアミノ酸アミド残基の鎖である、第59a項に記載のインスリン誘導体。
63a.Qが、β-L-Asp-アミド-β-L-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-β-L-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-β-D-Asp-アミド、β-L-Asp-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-L-Glu-アミド-β-D-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-β-L-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-γ-L-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-β-L-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-β-D-Asp-アミド、β-D-Asp-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-γ-D-Glu-アミド、γ-D-Glu-アミド-β-D-Asp-アミドからなる群から選択される、2のアミノ酸アミド残基の鎖である、第59a又は62aに記載のインスリン誘導体。
64a.Qが結合である、第59a−63a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
65a.Qが、CO(CONH)CH-;-(CO-(CH)2−6-NH-CO)1-4-;-(CO-(CH)2−6-CO-NH)1-4-からなる群から選択される、第59a-63aの何れかに記載のインスリン誘導体。
66a.Qが、-(CO-(CH)-NH-CO)-又は-(CO-(CH)-NH-CO)1-4-からなる群から選択される、第59a又は65a項の何れかに記載のインスリン誘導体。Q2が、
67a.Qが結合である、第65a又は66a項に記載のインスリン誘導体。
68a.Q、Q又はQの一つが-(CH)-であり、mが1〜32又は1〜12の範囲の整数である、第59a−67a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
69a.Q、Q又はQの一つが、(CHCHO)-;(CHCHCHO)-;(CHCHCHCHO)-;(CHCHOCHCHCHCHO)-又は(CHCHCHOCHCHCHCHO)-;-(CHOCH)-であり、ここでyが1-20である、第59a−67a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
70a.Q、Q又はQの一つが、(CHCHO)-又は(CHCHOCHCHCHCHO)であり、ここでyが2-12、2-4又は2-3の範囲にある、第69a項に記載のインスリン誘導体。
71a.yが1である、第59a、60a又は70aの何れかに記載のインスリン誘導体。
72a.Zが-COOHである、第59a−71a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
73a.Zが-CH(COOH)である、第59a−71a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
74a.Zが-N(CHCOOH)である、第59a−71a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
75a.Zが-SOHである、第59a−71a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
76a.Zが-POHである、第59a−71a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
77a.NεB29-(3-(3-{4-[3-(7-カルボキシヘプタノイルアミノ)プロポキシ]ブトキシ}プロピルカルバモイル)-プロピオニル-γ-グルタミルアミド)desB30ヒトインスリンからなる群から選択される、第1a−19a又は59a−76a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
78a.親インスリンがヒトインスリン又はブタインスリンである、第1a−77a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
79a.親インスリンがインスリンアナログである、第1a−77a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
80a.親インスリンのB30位にあるアミノ酸残基がLysであるか、又は欠失している、第78a−79a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
81a.親インスリンがdesB30ヒトインスリンである、第80aに記載のインスリン誘導体。
82a.親インスリンのB1位にあるアミノ酸残基が欠失している、第78a−81a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
83a.親インスリンのA21位にあるアミノ酸残基がGly又はAsnである、第78a−82a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
84a.親インスリンのB3位にあるアミノ酸残基がLysである、第78a−83a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
85a.親インスリンのB28位にあるアミノ酸残基がAsp又はLysである、第78a−84a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
86a.親インスリンのB29位にあるアミノ酸残基がPro又はThrである、第78a−85a項の何れかに記載のインスリン誘導体。
87a.親インスリンがAspB28ヒトインスリンである、第85a項に記載のインスリン誘導体。
88a.親インスリンが、GlyA21ヒトインスリン、又はGlyA21desB30ヒトインスリン、又はGlyA21ArgB31ArgB32ヒトインスリンである、第83a項に記載のインスリン誘導体。
89a.親インスリンがLysB3GluB29ヒトインスリンである、第84a項に記載のインスリン誘導体。
90a.親インスリンがLysB28ProB29ヒトインスリンである、第85a−86a項に記載のインスリン誘導体。
91a.親インスリンがThrB29LysB30ヒトインスリンである、第80a及び86a項に記載のインスリン誘導体。
92a.各インスリン六量体が、2つの亜鉛イオン、3つの亜鉛イオン又は4つの亜鉛イオンに結合している、上述した項の何れかに記載のインスリン誘導体の亜鉛錯体。
93a.薬学的に許容可能な担体と共に、上述した項の何れかに記載のインスリン誘導体を治療的有効量含有する、治療が必要な患者における糖尿病を治療するための薬学的組成物。
94a.薬学的に許容可能な担体と共に、速攻で作用を開始するインスリン又はインスリンアナログと混合して、上述した項の何れかに記載のインスリン誘導体を治療的有効量含有する、治療が必要な患者における糖尿病を治療するための薬学的組成物。
95a.薬学的に許容可能な担体と共に、第1a−94a項に記載のインスリン誘導体を治療的有効量、患者に投与することを含む、治療が必要な患者における糖尿病を治療するための方法。
94a.薬学的に許容可能な担体と共に、速攻で作用を開始するインスリン又はインスリンアナログと混合して、第1a−94a項に記載のインスリン誘導体を治療的有効量、患者に投与することを含む、治療が必要な患者における糖尿病を治療するための方法。
97a.糖尿病の肺処置のための、第95a又は96a項に記載の方法。
98a.第1a−92a項の何れかに記載のインスリン誘導体と、AspB28ヒトインスリン;LysB28ProB29ヒトインスリン及びLysB3GluB29ヒトインスリンからなる群から選択される速攻型インスリンアナログとの混合物。
99a.実施例に記載するようなインスリン誘導体。
アシル化のための出発生成物、親インスリン又はインスリンアナログ又はそれらの前駆体は、よく知られているペプチド合成、又は適切に形質転換された微生物中でのよく知られている組換え生産のいずれかにより生産することができる。よって、インスリン出発生成物は、ポリペプチドをコードするDNA配列を含み、ペプチドの発現を可能にする条件下で適切な栄養培地中でポリペプチドを発現することができる宿主細胞を培養し、その後、得られたペプチドを培地から回収することを含む方法により生産することができる。
細胞を培養するのに使用される培地は、宿主細胞の増殖に適した任意の一般的な培地、例えば適切な栄養補助剤を含む複合培地又は最少培地でありうる。適切な培地は市販供給者から入手可能であり、また刊行されている処方(例えば、American Type Culture Collectionのカタログ)に従い調製することができる。ついで、細胞により産生されたペプチドを、遠心分離又は濾過により培地から宿主細胞を分離し、塩、例えば硫酸アンモニウムにより上清又は濾液のタンパク質様成分を沈殿させ、例えばイオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等、当該ペプチドの種類に応じて様々なクロマトグラフィー手順により精製することを含む一般的な手順により、培養培地から回収され得る。
親インスリンをコードするDNA配列は、適切には、例えばゲノム又はcDNAライブラリを調製し、標準的な技術に従い合成オリゴヌクレオチドプローブを使用するハイブリダイゼーションによりポリペプチドの全て又は一部をコードするDNA配列をスクリーニングすることにより得られる、ゲノム又はcDNA由来のものでありうる(例えば、Sambrook, J, Fritsch、EF及びManiatis, T, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York、1989を参照)。また、親インスリンをコードするDNA配列は、確立された標準的な方法、例えばBeaucage及びCaruthers, Tetrahedron Letters 22 (1981), 1859-1869に記載されているホスホアミジト(phosphoamidite)法、又はMatthesら, EMBO Journal 3 (1984), 801-805に記載されている方法により、合成的に調製されてもよい。またDNA配列は、例えばUS4683202、又はSaikiら, Science 239 (1988),487-491に記載されているように、特定のプライマーを使用するポリメラーゼ連鎖反応により調製されてもよい。
DNA配列は、便宜的に、組換えDNA手順にかけられている任意のベクターに挿入されてよく、ベクターの選択は、多くの場合、導入される宿主細胞に依存する。例えば、ベクターは自己複製ベクター、すなわち染色体外実体として存在するベクターであってよく、その複製は染色体複製とは無関係、例えばプラスミドである。また、ベクターは、宿主細胞に挿入された場合に、宿主細胞のゲノムに組み込まれ、組み込まれた内部の染色体と共に複製されるものであってよい。
ベクターは、例えば、親インスリンをコードするDNA配列が、プロモータ等、DNAの転写に必要な付加的なセグメントに作用可能に結合している発現ベクターである。プロモータは、選択された宿主細胞において転写活性を示す任意のDNA配列であってよく、宿主細胞に対して同族又は異種であるタンパク質をコードする遺伝子から誘導されてもよい。種々の宿主細胞において親インスリンをコードするDNAの転写を指向するのに適切なプロモータの例は当該技術でよく知られている。例えば上掲のSambrookらを参照。
また、親インスリンをコードするDNA配列は、必要ならば、適切なターミネーター、ポリアデニル化シグナル、転写エンハンサー配列、及び翻訳エンハンサー配列に作用可能に結合していてもよい。本発明の組換えベクターは、当該宿主細胞においてベクターの複製を可能にするDNA配列をさらに含みうる。
さらに、ベクターは選択可能なマーカー、例えばその産物が宿主細胞における欠損を補完する遺伝子、または、例えばアンピシリン、カイナマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、ネオマイシン、ハイグロマイシン、又はメトトレキセートのような薬剤に対して耐性を付与するものをさらに含んでいてもよい。
宿主細胞の分泌経路に本発明のペプチドを向かわせるために、分泌シグナル配列(リーダー配列、プロプレ配列又はプレ配列としても知られている)が、組換えベクター中に提供されてもよい。分泌シグナル配列は、正しいリーディングフレームでペプチドをコードするDNA配列に結合している。分泌シグナル配列は、通常、ペプチドをコードするDNA配列に対し5'に位置している。分泌シグナル配列は、通常ペプチドに関連しているもの、又は他の分泌タンパク質をコードする遺伝子由来のものであってもよい。
親インスリンをコードするDNA配列、プロモータ及び場合によってはターミネーター及び/又は分泌シグナル配列をそれぞれライゲーションし、複製に必要な情報を含む適切なベクター中にそれらを挿入するのに使用される手順は、当業者にはよく知られている(例えば、上掲のSambrookらを参照)。
DNA配列又は組換えベクターが導入される宿主細胞は、本ペプチドを生成可能な任意の細胞であってよく、細菌、酵母、真菌及び高等真核細胞を含む。当該分野でよく知られ使用される適切な宿主細胞の例は、限定されるものではないが、大腸菌、出芽酵母、又は哺乳類BHK又はCHO細胞系である。
ついで、親インスリン分子は、B鎖のB1位又は選択されたLys位のいずれかに関連置換基を導入することにより、本発明のインスリン誘導体に転換される。置換基は任意の簡便な方法により導入することができ、アミノ基をアシル化するための多くの方法が従来技術に開示されている。さらなる詳細は、以下の実施例から明らかになるであろう。
本発明のインスリン誘導体は、本質的には亜鉛を含まない化合物の形態又は亜鉛錯体の形態で提供され得る。本発明のインスリン誘導体の亜鉛錯体が提供される場合、2つのZn2+イオン、3つのZn2+イオン、4つのZn2+イオン、5つのZn2+イオン、6つのZn2+イオン、7つのZn2+イオン、8つのZn2+イオン、9つのZn2+イオン、又は10のZn2+イオンが、インスリン誘導体の6つの分子当たりに結合され得る。インスリン誘導体の亜鉛錯体の溶液は、このような種の混合物を含むであろう。
一態様では、本発明は、場合によっては、薬学的に許容可能な担体及び/又は薬学的に許容可能な添加剤と共に、治療的有効量の本発明のインスリン誘導体又はインスリン誘導体の亜鉛錯体を含有する薬学的組成物に関し、該組成物は、治療が必要な患者において、1型糖尿病、2型糖尿病、及び高血糖症を引き起こす他の症状を治療するのに提供可能である。
本発明の一態様においては、場合によっては薬学的に許容可能な担体及び/又は薬学的に許容可能な添加剤と共に、本発明のインスリン誘導体又はインスリン誘導体の亜鉛錯体を含有する薬学的組成物を治療的有効量、患者に投与することを含む、治療が必要な患者における、1型糖尿病、2型糖尿病、及び高血糖症を引き起こす他の症状を治療するための方法が提供される。
本発明の一態様においては、1型糖尿病、2型糖尿病、及び高血糖症を引き起こす他の症状を治療するのに使用される薬学的組成物を製造するための方法が提供され、該組成物は、場合によっては薬学的に許容可能な担体及び/又は薬学的に許容可能な添加剤と共に、本発明のインスリン誘導体又はインスリン誘導体の亜鉛錯体を含有している。
本発明の一態様においては、治療が必要な患者における、1型糖尿病、2型糖尿病、及び高血糖症を引き起こす他の症状を治療するための薬学的組成物が提供され、該組成物は、場合によっては薬学的に許容可能な担体及び/又は添加剤と共に、速攻で作用を開始するインスリン又はインスリンアナログと混合して、本発明のインスリン誘導体又はインスリン誘導体の亜鉛錯体を治療的有効量含有している。
本発明の一態様においては、場合によっては薬学的に許容可能な担体及び/又は薬学的に許容可能な添加剤と共に、速攻で作用を開始するインスリン又はインスリンアナログと混合して、本発明のインスリン誘導体又はインスリン誘導体の亜鉛錯体を含有する薬学的組成物を治療的有効量、患者に投与することを含む、治療が必要な患者における、1型糖尿病、2型糖尿病、及び高血糖症を引き起こす他の症状を治療するための方法が提供される。
本発明の一態様においては、1型糖尿病、2型糖尿病、及び高血糖症を引き起こす他の症状を治療するのに使用される薬学的組成物を製造するための方法が提供され、該組成物は、場合によっては薬学的に許容可能な担体及び/又は薬学的に許容可能な添加剤と共に、速攻で作用を開始するインスリン又はインスリンアナログと混合して、本発明のインスリン誘導体又はインスリン誘導体の亜鉛錯体を治療的有効量含有している。
本発明の一態様においては、AspB28ヒトインスリン;LysB28ProB29ヒトインスリン及びLysB3GluB29ヒトインスリンからなる群から選択される、速攻型インスリンアナログ、本発明のインスリン誘導体又はインスリン誘導体の亜鉛錯体の混合物である、薬学的組成物が提供される。
本発明の一態様は、場合によっては薬学的に許容可能な担体及び/又は薬学的に許容可能な添加剤と共に、本発明のインスリン誘導体又はインスリン誘導体の亜鉛錯体を治療的有効量含有し、治療が必要な患者における、1型糖尿病、2型糖尿病、及び高血糖症を引き起こす他の症状の肺処置用に提供可能な薬学的組成物に関する。
本発明の一態様は、治療が必要な患者における、1型糖尿病、2型糖尿病、及び高血糖症を引き起こす他の症状を肺処置するための薬学的組成物の適用に関し、該薬学的組成物は、場合によっては薬学的に許容可能な担体及び/又は添加剤と共に、場合によっては速攻で作用を開始するインスリン又はインスリンアナログと混合して、本発明のインスリン誘導体又はインスリン誘導体の亜鉛錯体を治療的有効量含有している。
本発明の一態様においては、1型糖尿病、2型糖尿病、及び高血糖症を引き起こす他の症状を治療するのに使用される薬学的組成物を製造するための方法が提供され、該組成物は肺に使用され、場合によっては薬学的に許容可能な担体及び/又は薬学的に許容可能な添加剤と共に、場合によっては速攻で作用を開始するインスリン又はインスリンアナログと混合して、本発明のインスリン誘導体又はインスリン誘導体の亜鉛錯体を治療的有効量含有している。
本発明のインスリン誘導体及び速攻型インスリンアナログは、約90/10%;約70/30%又は約50/50%の比率で混合することができる。
一態様において、本発明は、生理学的pH値で可溶性である、本発明のインスリン誘導体を含有する薬学的組成物に関する。
一態様において、本発明は、約6.5〜約8.5の間のpH値で可溶性である、本発明のインスリン誘導体を含有する薬学的組成物に関する。
一態様において、本発明は、本発明のインスリン誘導体を含有する、長時間にわたる作用プロファイルを有する薬学的組成物に関する。
一態様において、本発明は、約120nmol/ml〜2400nmol/ml、約400nmol/ml〜約2400nmol/ml、約400nmol/ml〜約1200nmol/ml、約600nmol/ml〜約2400nmol/ml、又は約600nmol/ml〜約1200nmol/mlの本発明のインスリン誘導体、又は速攻型インスリンアナログと本発明のインスリン誘導体との混合物を含有する溶液である薬学的組成物に関する。
薬学的組成物
請求項記載の式のこのインスリン誘導体は、例えば、皮下、経口又は肺に投与することができる。
皮下投与用には、該式の化合物は、既知のインスリンの製剤と同じようにして製剤化される。さらに、皮下投与用には、該式の化合物は、既知のインスリンの投与と同じように投与され、一般的に医師はこの手順に通じている。
この発明のインスリン誘導体は、循環インスリン濃度を増加させ、及び/又は循環グルコース濃度を低下させるための用量効果的な方式で、吸入により投与されうる。このような投与は、糖尿病又は高血糖症等の疾患の治療に効果的である。インスリンの効果的な投与を達成するには、この発明のインスリン誘導体を約0.5μg/kg〜約50μg/kgの吸入用量で投与することが必要である。治療的有効量は、インスリンレベル、血中血糖値、患者の健康状態、患者の肺の状態等を含む要因を考慮に入れて、博学な実施者により決定することができる。
吸入による投与は、インスリンの皮下投与に匹敵する程の薬物動態に帰する可能性がある。同様の粒径及び同レベルの肺沈着レベルで比較する場合、典型的には、様々な吸入装置で同様の薬学動態が提供される。
本発明において、この発明のインスリン誘導体は、吸入による治療剤の投与について、当該分野で既知の任意の種々の吸入装置により送達されてよい。これらの装置には、定量吸入器、噴霧器、乾燥パウダー発生器、スプレー等が含まれる。この発明のインスリン誘導体は、乾燥パウダー吸入器又はスプレーにより送達せしめられる。この発明のインスリン誘導体を投与するための吸入装置には、いくつかの好ましい特徴がある。例えば、吸入装置による送達には、有利には信頼性、再現性及び正確性がある。吸入装置は、良好な呼吸のためには、例えば約10μm未満、例えば約1-5μmの小さな粒子を送達させるべきである。この発明の実施に適した商業的に入手可能な吸入装置のいくつかの特定の例は、TurbohalerTM(Astra)、Rotahaler(登録商標)(Glaxo)、Diskus(登録商標)(Glaxo)、SpirosTM吸入器(Dura)、Inhale Therapeuticsから市販されている装置、AERxTM(Aradigm)、Ultravent(登録商標)噴霧器(Mallinckrodt)、Acorn II(登録商標)噴霧器(Marquest Medical Products)、Ventolin(登録商標)定量吸入器(Glaxo)、Spinhaler(登録商標)パウダー吸入器(Fisons)等である。
当業者であれば、この発明のインスリン誘導体の処方、送達される製剤の量、及び単一用量の投与による持続時間が、使用される吸入装置の種類に依存することを認識しているであろう。いくつかのエアゾール送達システム、例えば噴霧器において、投与頻度及びシステムが活性化する時間の長さは、主として、エアゾールにおけるインスリンコンジュゲートの濃度に依存するであろう。例えば、より短い期間での投与では、噴霧溶液中、より高い濃度のインスリンコンジュゲートを使用することができる。定量吸入器等の装置は、より高いエアゾール濃度を作り出すことができ、所望される量のインスリンコンジュゲートを送達させるために、より短い期間で操作することができる。パウダー吸入器等の装置は、付与された充填量の薬剤が装置から出されるまで、活性剤を送達する。この種の吸入器において、付与された量のパウダーでのこの発明のインスリン誘導体の量により、単一投与で投与される用量が決定される。
吸入装置により送達される製剤中におけるこの発明のインスリン誘導体の粒子径は、肺、及び下気道又は肺胞中に入るインスリンの能力に関して重要である。この発明のインスリン誘導体は、送達されるインスリンコンジュゲートの少なくとも約10%、例えば約10〜約20%、又はそれ以上が肺に沈着するように処方することができる。口呼吸するヒトにとって、肺沈着の最大効率は、約2μm〜約3μmの粒子径で得られることが知られている。粒子径が約5μmを越えると、肺沈着はかなり低減する。約1μm以下の粒子径では肺沈着は低減し、治療的に有効な十分な質量を有する粒子を送達することが困難になる。よって、吸入により送達されるインスリン誘導体の粒子は、約10μm未満、例えば約1μm〜約5μmの範囲の粒子経を有する。インスリン誘導体の処方は、選択される吸入装置に所望される粒子径を生じるように選択される。
有利には、乾燥パウダーとして投与されるために、この発明のインスリン誘導体は、約10μm未満、例えば約1〜約5μmの粒子径を有する粒状形態に調製される。この粒子径により、患者の肺の肺胞への送達が効果的になされる。乾燥パウダーは、多くの粒子が所望の範囲のサイズを有するように製造された粒子から主としてなる。有利には、少なくとも約50%の乾燥パウダーが、約10μm未満の直径を有する粒子から作製される。このような処方は、噴霧乾燥、製粉、又はインスリンコンジュゲート及び他の所望する成分を含有する溶液の臨界点濃縮により達成可能である。また本発明に有用な粒子を製造するのに適した他の方法は、当該分野で知られている。
粒子は、通常、容器中において、乾燥パウダー製剤から分離され、運搬気流を介して、患者の肺に移送される。典型的には、現在の乾燥パウダー吸入器において、固形物を破壊する力は、患者の吸入のみによりもたらされる。他の種類の吸入器では、患者の吸入により生じる空気流で、粒子を崩壊させるインペラモータが起動される。
乾燥パウダー吸入器から投与されるこの発明のインスリン誘導体の製剤は、誘導体を含有する微細に分割された乾燥パウダーを典型的には含んでいるが、パウダーは、増量剤、担体、賦形剤、他の添加剤等をさらに含有可能である。添加剤は、例えば特定のパウダー吸入器からの送達に要求されているようにパウダーを希釈し、製剤のプロセシングを容易にし、製剤に有利なパウダー特性を提供し、吸入装置からのパウダーの分散を容易にし、製剤を安定化させ(例えば酸化防止剤又はバッファー)、製剤に風味を付与するために、インスリンコンジュゲートの乾燥パウダー製剤に含有せしめることができる。有利には、添加剤は、患者の気道に悪影響を与えないものである。インスリン誘導体は分子レベルで添加剤と混合することもできるし、又は固体製剤は、添加剤の粒子と混合させるか、又は該粒子上をコートするインスリンコンジュゲートの粒子を含有可能である。典型的な添加剤には、単糖類、二糖類及び多糖類;糖アルコール及び他のポリオール、例えばラクトース、グルコース、ラフィノース、メレジトース、ラクチトール(lactitol)、マルチトール、トレハロース、スクロース、マンニトール、デンプン、又はそれらの組合せ;界面活性剤、例えばソルビトール類、ジホスファチジルコリン、又はレシチン等が含まれる。典型的には、添加剤、例えば増量剤は、上述した目的に対して有効な量、多くの場合は製剤の重量に対して約50%〜約90%の量で存在している。インスリンアナログタンパク質等のタンパク質の製剤に対して当該分野で知られている添加剤も本製剤に含めることができる。
この発明のインスリン誘導体を収容するスプレーは、インスリンコンジュゲートの懸濁液又は溶液を、加圧下にて、強いてノズルを通過させることにより製造することができる。ノズルサイズ及び構造、適用圧力、及び液体供給量は、所望する出量及び粒子径が達成されるように選択することができる。例えば、キャピラリー又はノズルフィード部に接続した電場により、電気スプレーを製造することができる。有利には、スプレーにより送達されるインスリンコンジュゲートの粒子は、約10μm未満、例えば約1μm〜約5μmの範囲の粒子径を有する。
スプレーを用いて使用するのに適したこの発明のインスリン誘導体の製剤は、典型的には、溶液1ml当たり、約1mg〜約20mgのインスリンコンジュゲート濃度で、水溶液中にインスリン誘導体を含有している。製剤は、賦形剤、バッファー、等張剤、防腐剤、界面活性剤、及び例えば亜鉛等の薬剤を含有することができる。また製剤は、賦形剤、又はインスリン誘導体を安定化させるための薬剤、例えばバッファー、還元剤、バルクタンパク質、又は炭水化物をさらに含有可能である。インスリンコンジュゲートの処方に有用なバルクタンパク質には、アルブミン、プロタミン等が含まれる。インスリンコンジュゲートの処方に有用な典型的な炭水化物には、スクロース、マンニトール、ラクトース、トレハロース、グルコース等が含まれる。またインスリン誘導体製剤は、エアゾールの形成において、溶液の噴霧化により生じるインスリンコンジュゲートの表面誘起凝集を低減又は防止可能な界面活性剤を、さらに含有することができる。種々の従来からの界面活性剤、例えばポリオキシエチレン脂肪酸エステル及びアルコール類、及びポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルを使用することもできる。量は、一般的には、製剤の重量に対して約0.001〜約4%の範囲である。
本発明のインスリン誘導体を含有する薬学的組成物は、治療が必要な患者に非経口的に投与されてよい。非経口投与は、シリンジ、場合によってはペン状シリンジにより、皮下、筋肉内又は静脈内注射することにより実施されてよい。または、非経口投与は、輸液ポンプにより実施することもできる。さらなる選択肢は、目的に対して特異的に考案された組成物、パウダー又は液体において、インスリンを鼻又は肺に投与することである。
本発明のインスリン誘導体の注射用組成物は、所望する最終生成物を得るために必要に応じて成分を溶解及び混合することを含む、製薬工業の常套的な技術を使用して調製することができる。よって、一手順において、本発明のインスリン誘導体は、調製される組成物の最終容量よりも幾分少ない量の水に溶解される。必要に応じて、等張剤、防腐剤及びバッファーが添加され、必要ならば、塩酸等の酸、又は水酸化ナトリウム水等の塩基を使用して、溶液のpHが調節される。最後に、溶液の容量は、所望の成分濃度が得られるように水で調節される。
本発明の他の態様において、バッファーは酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、シタラート、グリシルグリシン、ヒスチジン、グリシン、リジン、アルギニン、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、及びトリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、ビシン(bicine)、トリシン、リンゴ酸、スクシナート、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、アスパラギン酸、又はそれらの混合物からなる群から選択される。これらの特定のバッファーの各一が、本発明の別の態様を構成する。
本発明のさらなる態様において、製剤は、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ヒドロキシ安息香酸プロピル、2-フェノキシエタノール、p-ヒドロキシ安息香酸ブチル、2-フェニルエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、及びチオメロサル(thiomerosal)、ブロノポール、安息香酸、イミド尿素、クロロヘキシジン、デヒドロ酢酸ナトリウム、クロロクレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸エチル、塩化ベンゼトニウム、クロルフェネシン(chlorphenesine)、(3p-クロロフェノキシプロパン-1,2-ジオール)又はそれらの混合物からなる群から選択され得る、薬学的に許容可能な防腐剤をさらに含有する。本発明のさらなる態様において、防腐剤は、0.1mg/ml〜20mg/mlの濃度で存在している。本発明のさらなる態様において、防腐剤は、0.1mg/ml〜5mg/mlの濃度で存在している。本発明のさらなる態様において、防腐剤は5mg/ml〜10mg/mlの濃度で存在している。本発明のさらなる態様において、防腐剤は10mg/ml〜20mg/mlの濃度で存在している。これらの特定の防腐剤の各一が、本発明の別の態様を構成する。薬学的組成物に防腐剤を使用することは、当業者によく知られている。簡便には、Remington:The Science and Practice of Pharmacy, 第19版、1995が参照される。
本発明のさらなる態様において、製剤は、塩(例えば塩化ナトリウム)、糖又は糖アルコール、アミノ酸(例えば、グリシン、L-ヒスチジン、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、スレオニン)、アルジトール(例えばグリセロール(グリセリン)、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール)ポリエチレングリコール(例えばPEG400)、又はそれらの混合物からなる群から選択され得る等張剤をさらに含有する。任意の糖、例えば単糖類、二糖類又は多糖類、又は水溶性グルカン類、例えばフルクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、可溶性デンプン、ヒドロキシエチルデンプン、及びカルボキシメチルセルロース-Naを使用してもよい。一態様において、糖添加剤はスクロースである。糖アルコールは、少なくとも一の-OH基を有するC4-C8炭化水素と定義され、例えばマンニトール、ソルビトール、イノシトール、ガラクチトール(galactitol)、ズルシトール、キシリトール、及びアラビトールを含む。一態様において、糖アルコール添加剤はマンニトールである。上述した糖又は糖アルコールは、個々に又は組合せて使用されてよい。使用される量は、糖又は糖アルコールが液状調製物に溶解し、本発明の方法を使用して得られた安定化効果に悪影響を与えない限りは、限定されて固定されるものではない。一態様において、糖又は糖アルコールの濃度は、約1mg/ml〜約150mg/mlである。本発明のさらなる態様において、等張剤は1mg/ml〜50mg/mlの濃度で存在している、本発明のさらなる態様において、等張剤は1mg/ml〜7mg/mlの濃度で存在している。本発明のさらなる態様において、等張剤は8mg/ml〜24mg/mlの濃度で存在している。本発明のさらなる態様において、等張剤は25mg/ml〜50mg/mlの濃度で存在している。これらの特定の等張剤の各一が、本発明の別の実施態様を構成する。薬学的組成物に等張剤を使用することは、当業者によく知られている。簡便には、Remington:The Science and Practice of Pharmacy, 第19版、1995が参照できる。
典型的な等張剤は、塩化ナトリウム、マンニトール、ジメチルスルホン及びグリセロールであり、典型的な防腐剤は、フェノール、m-クレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸メチル及びベンジルアルコールである。
適切なバッファーの例は、酢酸ナトリウム、グリシルグリシン、HEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)及びリン酸ナトリウムである。
本発明のインスリン誘導体の鼻投与用の組成物は、例えば、欧州特許第272097号(Novo Nordisk A/S)に記載されているようにして調製されうる。
この発明のインスリン誘導体を含有する組成物は、インスリンに対して敏感な状態の処置に使用することができる。よってそれらは、1型糖尿病、2型糖尿病及び例えば重篤に傷害を被った人及び大手術を受けた人にしばしば見られる高血糖症の処置に使用することができる。任意の患者に対する最適な用量レベルは、用いられる特定のインスリン誘導体の効能、年齢、体重、身体活動性、及び患者の食事を含む様々な要因、他の薬剤との併用の可能性、治療される状態の重篤度に依存する。この発明のインスリン誘導体の毎日の投薬量が、既知のインスリン組成物に対するものと同様の方法で当業者によって各個々の患者に対して決定されることが推奨される。
都合がよいことに、この発明のインスリン誘導体は、他のタイプのインスリン、例えばさらに速効で作用を開始するインスリンアナログと混合して使用してもよい。このようなインスリンアナログの具体例は、例えば、公開番号EP214826(Novo Nordisk A/S)、EP375437(Novo Nordisk A/S)及びEP383472(Eli Lilly & Co)を有する欧州特許出願に記載されている。
本発明を以下の実施例によりさらに例証するが、本発明の範囲を制限すると解釈されるものではない。
図1は、インスリンアスパルト(B28Aspヒトインスリン)と混合した実施例2のインスリン誘導体のサイズ排除クロマトグラフィーである。各個々のピークにおけるインスリン含有量はHPLCにより定量される。2つの別々のフラクション(それぞれ、高分子量インスリン及び中間分子量インスリン)として、六量体当たり2.1Zn(II)又は六量体当たり6Zn(II)のいずれかと、製剤におけるインスリン誘導体及びアスパルトが溶出する。SEC実験は実施例20に従い実施する。 図2は、種々の濃度の、実施例2に記載したインスリン誘導体、及び種々の濃度のZn(II)を皮下注射した後のクランプ作用プロファイルを示し、インスリン誘導体の作用プロファイルは、インスリン誘導体が、6つのインスリン当たり2.3又は6Zn(II)と共に、又は600μM又は1200μM製剤として投与されるかにかかわらず類似している。クランプ実験は実施例21に従い実施する。 図3は、インスリンアスパルトと混合して、実施例2に記載したインスリン誘導体を皮下注射、又は個々に注射した後のクランプ作用プロファイルを示し、個々のインスリン作用プロファイルには、有意の鈍化性はない。クランプ実験は実施例21に従い実施する。 図4は、3つの用量において、実施例2のインスリン誘導体を皮下投与した後のクランプ作用プロファイルにおいて、インスリン作用が長時間効果があることを示している。クランプ実験は実施例21に従い実施する。
実施例1
εB29 -ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30ヒトインスリンの合成
Figure 0005269767
工程1:モノ-tert-ブチルヘキサデカンジオアート
ヘキサデカ二酸(40.0g、140mmol)をトルエン(250ml)に懸濁させ、混合物を加熱還流した。N,N-ジメチルホルムアミド-ジ-tert-ブチルアセタール(76.3g、375mmol)を4時間以上かけて滴下した。混合物を一晩還流した。溶媒を50℃で真空にて除去し、粗物質をDCM/AcOEt(500ml、1:1)に懸濁し、15分攪拌した。濾過により固形物を収集し、DCM(200ml)と共に粉状にした。真空にて濾液を蒸発させたところ、粗モノ-tert-ブチルヘキサデカンジオアート、30グラムが付与された。この物質をDCM(50ml)に懸濁させ、10分間、氷で冷却し、濾過した。溶媒を真空で除去したところ、25グラムの粗モノ-tert-ブチルヘキサデカンジオアートが残り、ヘプタン(200ml)から再結晶させることで、モノ-tert-ブチルヘキサデカンジオアート、15.9g(33%)が得られた。
H-NMR(CDCl)d:2.35(t,2H)、2.20(t,2H)、1.65-1.55(m,4H)、1.44(s,9H)、1.34-1.20(m,20H)。
工程2:スクシンイミジル-tert-ブチルヘキサデカンジオアート
モノ-tert-ブチルエステル(2g、5.8mmol)をTHF(20ml)に溶解させ、TSTU(2.1g、7.0mmol)及びDIEA(1.2ml、7.0mmol)で処理し、一晩攪拌した。混合物を濾過し、濾液を真空で蒸発させた。残留物をAcOEtに溶解させ、0.1Mの冷HCl及び水で2回洗浄した。MgSO上で乾燥させ、真空で蒸発させたところ、スクシンイミジル-tert-ブチルヘキサデカンジオアート、2.02g(79%)が得られた。
H-NMR(CDCl)δ:2.84(s,4H)、2.60(t,2H)、2.20(t,2H)、1.74(p,2H)、1.56(m,2H)、1.44(s,9H)、1.40(m,2H)、1.30-1.20(m、18H)。
工程3:ω-tert-ブチル-カルボキシ-ペンタデカノイル-L-グルタミルアミド
スクシンイミジル-tert-ブチルヘキサデカンジオアート(100mg、0.227mmol)をDMF(2ml)に溶解させ、L-グルタミルアミド(37mg、0.25mmol)及びDIEA(58μl、0.34mmol)で処理し、混合物を一晩攪拌した。溶媒を真空で除去し、粗生成物をAcOEtに溶解させ、0.2MのHCl、水及びブラインで2回洗浄した。MgSO上で乾燥させ、真空で蒸発させたところ、ω-tert-ブチル-カルボキシ-ペンタデカノイル-L-グルタミルアミド、85mg(80%)が得られた。
H-NMR(CDCl)δ:6.98(s,1H)、6.60(d,1H)、5.88(s,1H)、4.69(m,1H)、2.55-2.41(m,2H)、2.25-2.18(m,2H)、2.14(m,1H)、1.93(m,1H)、1.65-1.54(m,4H) 1.44(s,9H)、1.27(br,20H)。
工程4:ω-tert-ブチル-カルボキシ-ペンタデカノイル-L-グルタミルアミド-γ-スクシンイミジルエステル
ω-tert-ブチル-カルボキシ-ペンタデカノイル-L-グルタミルアミド(85g、0.181mmol)をTHF(1ml)に溶解させ、TSTU(65g、0.217mmol)及びDIEA(37μl、0.217mmol)で処理し、一晩攪拌した。混合物を濾過し、濾液を真空で蒸発させた。残留物をAcOEtに溶解させ、0.1Mの冷HCl及び水で2回洗浄した。MgSO上で乾燥させ、真空で蒸発させたところ、ω-tert-ブチル-カルボキシ-ペンタデカノイル-L-グルタミルアミド-γ-スクシンイミジルエステル、91mg(89%)が得られた。
H-NMR(CDCl)δ:6.59(s,1H)、6.41(d,1H)、5.56(s,1H)、4.62(m,1H)、3.02-2.94(dd,2H)、2.84(s,4H)、2.71-2.58(m,2H)、1.76(m,1H)、1.53-1.63(m,4H)、1.44(s,9H)、1.25(br,20H)。
工程5:N εB29 -ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30ヒトインスリン
DesB30ヒトインスリン(500mg、0.088mmol)を、100mMのNaCO(5ml、pH10.2)に、室温で溶解させた。ω-tert-ブチル-カルボキシ-ペンタデカノイル-L-グルタミルアミド-γ-スクシンイミジルエステル(57mg、0.105mmol)をアセトニトリル(5ml)に溶解させ、続いてインスリン溶液に添加した。30分後、0.2Mのメチルアミン(0.5ml)を添加した。HClにより、pHを5.5に調節し、遠心分離により等電沈殿物を収集し、真空で乾燥したところ、423mgが付与された。カップリング収率は42%であった(RP-HPLC、C4カラム;バッファーA:0.1%のTFA-水に10%のMeCNが入ったもの、バッファーB:0.1%のTFA-水に80%のMeCNが入ったもの;勾配20%〜90%のBで16分)。保護された生成物を95%のTFA(12ml)に溶解させ、30分放置し、真空で蒸発させた。粗生成物を水に溶解させ、凍結乾燥した。
εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30ヒトインスリンを、C4-カラム、バッファーA:20%のEtOH+0.1%のTFA、バッファーB:80%のEtOH+0.1%のTFA;勾配15-60%のBでのRP-HPLC、続いて、C4-カラム、バッファーA:10mMのTris+20%のEtOHに15mMの硫酸アンモニウムが入ったもの、pH7.3、バッファーB:80%のEtOH、勾配15−60%のBでのHPLCにより精製した。収集したフラクションを70%のアセトニトリル+0.1%のTFAを用いたSep-Pakで脱塩し、アンモニアを添加することにより中和し、凍結乾燥した。最適化されていない収率は50mg、12%であった。HPLCにより評価された純度は>98%であった。LCMS 6102.8;C2744126680は6103.1必要。
実施例2
εB29 -ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-γ-アミノ-ブタノイルdesB30ヒトインスリンの合成
Figure 0005269767
この化合物を実施例1と同様にして、ヘキサデカン二酸とγ-アミノ酪酸から調製した。
ω-tert-ブチル-カルボキシ-ペンタデカノイル-γ-アミノ-酪酸スクシンイミジルエステル
H-NMR(CDCl)δ:5.80(m,1H)、3.36(dd,2H)、2.84(s,4H)、2.65(t,2H)、2.21-2.13(m,4H)、1.99(p,2H)、1.44(s,9H)、1.66-1.51(m,6H)、1.25(br,20H)。
εB29 -ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-γ-アミノ-ブタノイルdesB30ヒトインスリン
LCMS 6059.9;C2734116579は6060.1必要。
実施例3
εB29 -ω-カルボキシ-テトラデカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30ヒトインスリンの合成
Figure 0005269767
この化合物を実施例1と同様にして、ペンタデカン二酸とL-グルタミルアミドから調製した。
LCMS 6088.2;C2734106680は6089.1必要。
実施例4
εB29 -ω-カルボキシ-トリデカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30ヒトインスリンの合成
Figure 0005269767
この化合物を実施例1と同様にして、テトラデカン二酸とL-グルタミルアミドから調製した。
LCMS 6075.3;C2724086680は6075.1必要。
実施例5
εB29 -ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-β-アラニルdesB30ヒトインスリンの合成
Figure 0005269767
この化合物を実施例1と同様にして、ヘキサデカン二酸とβ-アラニンから調製した。
LCMS 6044.8;C2724096579は6046.1必要。
実施例6
εB29 -ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-γ-L-アスパルチルアミドdesB30ヒトインスリンの合成
Figure 0005269767
この化合物を実施例1と同様にして、ヘキサデカン二酸とL-アスパルチルアミドから調製した。
LCMS 6088.8;C2734106680は6089.1必要。
実施例7
εB29 -ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-ε-アミノヘキサノイルdesB30ヒトインスリンの合成
Figure 0005269767
この化合物を実施例1と同様にして、ヘキサデカン二酸とε-アミノ-ヘキサン酸から調製した。
LCMS 6086.1;C2754156579は6088.1必要。
実施例8
εB29 -ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-δ-アミノペンタノイルdesB30ヒトインスリンの合成
Figure 0005269767
この化合物を実施例1と同様にして、ヘキサデカン二酸とδ-アミノ-ペンタン酸から調製した。
LCMS 6074.2;C2744136579は6074.1必要。
実施例9
εB29 -10-(4-カルボキシフェノキシ)-デカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30ヒトインスリンの合成
Figure 0005269767
工程1:4-ヒドロキシ-安息香酸-tert-ブチルエステル
4-ヒドロキシ-安息香酸(3g、21.7mmol)をトルエン(35ml、分子ふるい上で乾燥)において攪拌した。N下、溶液を80℃まで加熱し、N,N'-ジメチルホルムアミド-ジ-tert-ブチルアセタール(10.42mL、43.4mmol)を、約5分以上かけて添加した。混合物を80℃で1時間10分攪拌し、室温まで冷却した。溶液を水、飽和NaHCO及び飽和NaCl(各15mL)で2回洗浄し、MgSO上で乾燥させ、黄色の油(2.77g)が生じるまで濃縮した。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(380gのシリカ、溶離液:4:6のAcOEt/ヘプタン(2L)及び1:1のAcOEt/ヘプタン 700mL)で精製したところ、白色の結晶(2.07g、収率49%)が生じた。
HPLC-MS m/z:217(M+23)。
H-NMR(CDCl、400MHz)7.90(d,2H)、6.85(d,2H)、6.10(s,1H)、1.59(s,9H)。
工程2:4-(9-メトキシカルボニルノニルオキシ)安息香酸-tert-ブチルエステル
4-ヒドロキシ-安息香酸-tert-ブチルエステル(500mg、2.57mmol)及び10-ブロモデカン酸メチルエステル(683mg、2.57mmol)をアセトニトリルに溶解させ、KCO(712mg、5.15mmol)を添加した。窒素下で16時間、混合物を還流し、室温まで冷却した。固形物を濾過し、濾液を真空下で濃縮した。得られた残留物をAcOEt(50ml)と水(25ml)に溶解させた。相分離させ、有機相をMgSO上で乾燥させ、無色の油(874mg、収率90%)が生じるまで濃縮した。
HPLC-MS m/z:402(M+23)
H-NMR(CDCl、400MHz)7.92(d,2H)、6.87(d,2H)、3.99(t,2H)、3.67(s,3H)、2.31(t,2H)、1.72-1.83(m,2H)、1.59-1.69(m,2H)、1.58(s,9H)、1.40-1.50(m,2H)、1.23-1.40(br,8H)。
工程3:4-(9-カルボキシノニルオキシ)安息香酸-tert-ブチルエステル
4-(9-メトキシカルボニルノニルオキシ)安息香酸-tert-ブチルエステル(858mg、2.27mmol)をTHF(5ml)に溶解させ、1NのNaOH(2.27mmol)を添加した。混合物を16時間攪拌した。水(25ml)にAcOEt(40ml)と1NのHCl(2.38ml)を添加した。相分離させ、有機相をMgSO上で乾燥させ、白色の固形物(781mg、収率95%)が生じるまで、真空下で濃縮した。
HPLC-MS m/z:387(M+23)。
H-NMR(CDCl、400MHz)7.92(d,2H)、6.87(d,2H)、3.99(t,2H)、2.35(t,2H)、1.73-1.84(m,2H)、1.60-1.69(m,2H)、1.58(s,9H)、1.39-1.51(m,2H)、1.24-1.39(br,8H)。
工程4:4-[9-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシカルボニル)ノニルオキシ]安息香酸-tert-ブチルエステル
4-(9-カルボキシノニルオキシ)安息香酸-tert-ブチルエステル(779mg、2.14mmol)をTHF(15mL)に溶解させ、DIEA(366μl、2.14mmol)を添加した。混合物を0℃まで冷却し、窒素下に置き、HSTUを添加した。混合物を0℃で30分、室温で16時間攪拌した。サンプルを真空下で濃縮し、AcOEt(40ml)を添加した。混合物を0.2NのHCl(2x25ml)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、わずかに黄色がかった固形物が生じるまで、真空下で濃縮した。固形物をAcOEtから再結晶化させたところ、白色のパウダー(276mg、収率28%)が生じた。母液を濃縮したところ、結晶性の残留物(430mg、収率43%)が生じた。白色パウダーについてのデータ:
HPLC-MS m/z:484(M+23)。
H-NMR(CDCl、300MHz)7.93(d,2H)、6.88(d,2H)、3.99(t,2H)、2.83(s,4H)、2.61(t,2H)、1.67-1.88(m,4H)、1.58(s,11H、理論値.9H+水)、1.27-1.52(m,10H)。
工程5:4-[9-((S)-1-カルバモイル-3-カルボキシプロピルカルバモイル)ノニルオキシ]安息香酸-tert-ブチルエステル
4-[9-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシカルボニル)ノニルオキシ]安息香酸-tert-ブチルエステル(200mg、0.433mmol)を、DMF(2mL)において攪拌し、H-Glu-NH(63mg)を添加した。非均質な混合物を室温で16時間攪拌した。LC/MS分析は、反応が完了したことを示した。H-Glu-NH(20mg)及びさらなるDMF(2ml)を添加し、混合物を室温で2日間攪拌した。サンプルを真空下で濃縮し、AcOEt(50mL)を添加した。溶液を0.2NのHCl(2x25mL)及び水(25mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、白色の固形物(180mg、収率86%)が生じるまで、真空で濃縮した。
HPLC-MS m/z:493(M+1)。
工程6:4-{9-[(S)-1-カルバモイル-3-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシカルボニル)プロピルカルバモイル]ノニルオキシ}安息香酸-tert-ブチルエステル
HSTU活性化を、4-[9-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシカルボニル)ノニルオキシ]安息香酸-tert-ブチルエステルについて記載しているものと同様の方式で実施した。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(1:1のAcOEt:ヘプタン及びAcOEt)で精製したところ、18mg生じた。
HPLC-MS m/z:590(M+1)。
工程7:N εB29 -10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30インスリン
DesB30インスリン(126mg、0.022mmol)を、10mlの丸底フラスコに、100mMのNaCO(1.5mL)とアセトニトリル(1.5mL)を添加することにより溶解させた。4-{9-[(S)-1-カルバモイル-3-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシカルボニル)プロピルカルバモイル]ノニルオキシ}安息香酸-tert-ブチルエステル(14mg、0.022mmol)を、アセトニトリル(750μL)に添加し、NaCO(750μL)を、最終溶液が50:50 100mMのNaCO/アセトニトリルになるように添加した。溶液を室温で1時間攪拌した。溶液を、Milli-Q水(6ml)で洗浄した、15mlの遠心分離用チューブに移した。溶液を氷上で冷却し、1NのHClを添加することにより、pHを5.1に調節し、沈殿に至らしめた。チューブを10℃で10分、5000rpmの遠心分離にかけた。溶媒を固形物からデカントした。固形物に95:5のTFA/水(2.5ml)を添加した。溶媒を、超95:5のTFA/水(2.5ml)で洗浄した、丸底フラスコに注いだ。溶液を室温で30分攪拌し、真空下で濃縮した。DCMを添加し、2回除去し、フラスコを室温で真空下に配した。生成物を調製用HPLC(C18カラム、アセトニトリル/水/0.05%のTFA)により精製した。関連するフラクションをプールし(2つのバッチ)、水を用いて1:1に希釈した。溶液を氷上で冷却し、1NのNaOHを用い約5のpHに調節することによって、沈殿を誘導した。サンプルを遠心分離(5000rpm、10分、5℃)した。液体をデカントし、ペレットを凍結乾燥したところ、白色の固形物(22mg+12mg)が生じた。
MALDI-MS(アルファ-シアノ-4-ヒドロキシケイ皮酸) m/z:6128.7(M=6125.1)。
HPLC-MS m/z:1532.8((M+4)/4=1532.2)。
実施例10
εB29 -4-[11-(4-カルボキシフェニル)ウンデカノイルアミノ]ブチリルdesB30ヒトインスリンの合成
Figure 0005269767
工程1:4-ヨード安息香酸-tert-ブチルエステル
4-ヨード安息香酸(10g、40.3mmol)を無水トルエン(100ml、分子ふるい上で乾燥)に溶解させた。窒素流下、溶液を70℃まで加熱した。トルエン(25mL)にN,N'-ジメチルホルムアミド-ジ-tert-ブチルアセタール(24.6g、121mmol)が入った溶液を、約30分以上かけて添加した。反応体を16時間混合した。加熱ユニットが機能しなくなった時点で、反応体を70℃から室温まで冷却した。溶液を70℃まで加熱し、5時間混合した。サンプルを真空下で濃縮し、AcOEt(400ml)を添加した。ついで、溶液を1:1の飽和NaHCO/水(150ml)、及び飽和NaHCO、水及び飽和NaCl(各75ml)で洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO)、真空下で濃縮したところ、淡褐色の油が生じた。
HPLC-MS m/z:327(M+23)。
H-NMR(CDCl、400MHz)δ7.77(d,2H)、7.69(d,2H)、1.58(s,9H)。
工程2:11-ヨードウンデカン酸メチルエステル
11-ブロモウンデカン酸メチルエステル(20.2g、72.3mmol)をアセトン(200ml)に溶解させた。ヨウ化ナトリウム(54g、361mmol)を添加し、反応体を窒素下で16時間還流した。室温まで冷却した後、塩を濾過した。濾液を真空下で濃縮し、水(200ml)を添加した。相分離を助けるために、幾ばくかの飽和NaClを添加したAcOEt(2x100ml)を用いて、溶液を抽出した。有機抽出物をプールし、水(100ml)+少量の飽和NaCl、及び飽和NaCl(50mL)で洗浄した。MgSO上で乾燥させた。溶液は赤-オレンジの色をしていた。小さじ3杯の活性炭を添加した。混合後、セライト床を通して、溶液を濾過した。濾液を真空下で濃縮したところ、淡黄色の油(20.96g、89%)が生じた。
HPLC-MS m/z:327(M+1)。
H-NMR(CDCl、300MHz)δ3.67(s,3H)、3.19(t,2H)、2.30(t,2H)、1.74-1.89(m,2H)、1.53-1.70(m,2H)、1.34-1.46(m,2H)、1.28(br,10H)。
工程3:4-(10-メトキシカルボニルデシル)安息香酸-tert-ブチルエステル
使用前に、全てのガラス製品を乾燥させた。分子ふるい上でTHFを乾燥させた。LiClを、150℃で1時間乾燥させ、ついで密閉ボトルに保管した。全ての反応溶液を窒素下で作製し、シリンジを介して溶液を移動した。4-ヨード安息香酸-tert-ブチルエステル(1.2g、3.95mmol)をTHF(3ml)に溶解させ、−30℃まで冷却した。イソプロピルマグネシウムクロリド(4.34mmol、THFに2M)を5分以上かけて添加し、溶液を−18℃〜−25℃の温度で1時間攪拌した。溶液を−22℃まで冷却し、ついで、THF(4.2ml)にCuCN(0.389g、4.34mmol)とLiCl(0.368g、8.68mmol)の混合物が入ったものを添加した。反応容器を冷却から外し、放置して室温まで温めた(約10分)。亜リン酸トリメチル(0.95mL)を添加し、室温で5分攪拌した後、THF(3ml)に11-ヨード-ウンデカン酸メチルエステル(1.0g、3.16mmol)が入った溶液を添加した。溶液を室温で16時間混合した。飽和NHCl(3ml)を添加し、溶液を水(60mL)に注いだ。溶液をAcOEt(3x35ml)で抽出した。有機抽出物をプールし、相分離を助けるために、幾ばくかの飽和NaClを使用し、水(30mL)を用いて洗浄した。溶媒を真空下で除去したところ、二相残基が生じた。AcOEt(約2ml)を添加し、フラスコをゆっくりと回転させた。高粘度の白色残留物の全てが溶解したわけではなかった。溶解した部分をシリカ(50g)カラムに添加し、AcOEt:ヘプタン 1:11で溶出させた。適切なフラクションを真空下で濃縮したところ、油(1.25g)が生じた。油をアセトン(30mL)に溶解させ、ピペリジン(1mL)を添加した。NaI(0.8g)を添加し、混合物を攪拌して、16時間還流した。混合物を真空下で濃縮し、AcOEt(50mL)と1NのHCl(25mL)の間に分配された。有機相を1NのHCl(2x25mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、真空下で濃縮したところ、無色の油(1.1g)が生じた。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:AcOEt:ヘプタン 1:11、150gのシリカ)で精製したところ、無色の油(0.72g、61%)が生じた。
HPLC-MS m/z:399(M+23)。
H-NMR(CDCl、300MHz)δ7.90(d,2H)、7.21(d,2H)、3.66(s,3H)、2.64(t,2H)、2.30(t,2H)、1.48-1.70(m,13H)、1.27(br、12H)。
工程4:4-(10-カルボキシデシル)安息香酸-tert-ブチルエステル
4-(9-カルボキシノニルオキシ)安息香酸-tert-ブチルエステルの調製に使用した手順に類似した様式で化合物を調製したところ、白色の固形物(0.68g)が生じた。
HPLC-MS m/z:385(M+23)。
H-NMR(CDCl、300MHz)δ7.90(d,2H)、7.21(d,2H)、2.64(t,2H)、2.34(t,2H)、1.53-1.71(m,13H)、1.28(br,12H)。
工程5:4-[10-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシカルボニル)デシル]安息香酸-tert-ブチルエステル
4-[9-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシカルボニル)ノニルオキシ]安息香酸-tert-ブチルエステルの調製に使用した手順に類似した様式で化合物を調製した。
HPLC-MS m/z:482(M+23)。
H-NMR(CDCl、400MHz)δ7.89(d,2H)、7.21(d,2H)、2.76-2.93(m,4H)、2.54-2.68(m,2H)、1.67-1.81(M,2H)、1.52-1.66(m,11H)、1.35-1.43(M,2H)、1.19-1.35(br,10H)。
工程6:4-[10-(3-カルボキシ-プロピルカルバモイル)デシル]安息香酸-tert-ブチルエステル
4-[10-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシカルボニル)デシル]安息香酸-tert-ブチルエステル(300mg、0.65mmol)を、DMF(3ml)及び4-アミノ酪酸(67mg、0.65mmol)に溶解させた。混合物を窒素下で16時間攪拌した。溶媒を真空下で除去し、AcOEt(35ml)を添加した。溶液を、0.2NのHCl及び水(各15ml)で洗浄した。飽和NaHCOを有機相に添加した(意図しない)。DCM(50ml)を添加した。幾ばくかの有機相を除去し、DCM(100ml)を水相に添加し、一晩放置した。混合物を氷上で冷却し、4NのHClを用いて、pHを1.9に調節した。有機相を単離し、MgSO上で乾燥させ、真空下で濃縮したところ、油(220mg、収率76%)が生じた。
HPLC-MS m/z:470(M+23)。
H-NMR(CDCl、400MHz)δ7.89(d,2H)、7.21(d,2H)、5.79(br,1H)、3.27-3.40(m,2H)、2.64(t,2H)、2.40(t,2H)、2.18(t,2H)、1.78-1.91(m,2H)、1.51-1.61(m,13H)、1.35-1.43(M,2H)、1.17-1.36(br,12H)。
工程7:4-{10-[3-(2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルオキシカルボニル)プロピルカルバモイル]デシル}安息香酸-tert-ブチルエステル
HSTUの代わりにTSTUを使用する以外は、4-[9-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシカルボニル)ノニルオキシ]安息香酸-tert-ブチルエステルの調製に使用した手順に類似した様式で化合物を調製した。沈殿(DCM/ヘプタン)により白色の固体(180mg、収率70%)が生じた。
HPLC-MS m/z:568(M+23)
H-NMR(CDCl、400MHz)δ7.89(d,2H)、7.21(d,2H)、5.83(br,1H)、3.30-3.43(m,2H)、2.85(br,4H)、2.57-2.73(m,4H)、2.15(t,2H)、1.92-2.07(m,2H)、1.56-1.64(m,13H)、1.18-1.36(br,12H)。
工程8:N εB29 -4-[11-(4-カルボキシフェニル)ウンデカノイルアミノ]ブチリルdesB30ヒトインスリン
実施例9の調製に使用した手順に類似した様式で化合物を調製したところ、30mg生じた。
MALDI-MS(アルファ-シアノ-4-ヒドロキシケイ皮酸) m/z:6067(M=6080、参照基準(M=5706)はM-13を示した)。
HPLC-MS m/z:1520.9((M+4)/4=1521)。
実施例11
εB29 -(3-(3-{4-[3-(7-カルボキシヘプタノイルアミノ)プロポキシ]ブトキシ}プロピルカルバモイル)-プロピオニル-γ-グルタミルアミド)desB30ヒトインスリンの合成
Figure 0005269767
工程1:N-{3-[4-(3-tert-ブトキシカルボニルアミノプロポキシ)-ブトキシ]−プロピル}スクシンアミド酸(succinamic acid)
Figure 0005269767
1-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4,9-ジオキサ-12-ドデカンアミン(5.0g、16.45mmol)をTHF(30mL)に溶解させ、アセトニトリル(10mL)に無水コハク酸(1.81g、18.1mmol)が入ったものを添加し、混合物を60℃で4時間加熱し、続いて室温で一晩攪拌した。
混合物を蒸発乾固させ、EtAc(50ml)を添加した。
EtAc相をHCl(0.1M)で3回洗浄し、MgSOで乾燥させ、続いて、有機相を蒸発乾固させたところ、5.86g(88%)の高粘度の油が得られた。
LCMS:Rt2.86分;m/z(M+1)405。算出値:405。
この生成物はさらなる精製をすることなく使用された。
工程2:オクタン二酸-tert-ブチルエステル-2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステル
Figure 0005269767
オクタン二酸-モノ-tert-ブチルエステル(3.14g、13.63mmol)をTHF(100mL)に溶解させた。TSTU(4.9g、16.3mmol)を添加し、DIPEA(2.85mL)を用いて、pHを8.5に調節した。
混合物を窒素下で一晩攪拌し、蒸発乾固させ、EtAc(50mL)に溶解させ、続いて、HCL(0.1M)を用いて2回抽出した。有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させたところ、わずかに黄色がかった油(5g、少量の溶媒を含有)が得られた。
LCMS:Rt6.56分;m/z(M+1)328。算出値:328。
工程3:7-(3-{4-[3-(3-カルボキシプロピオニルアミノ)プロポキシ]ブトキシ}プロピルカルバモイル)ヘプタン酸-tert-ブチルエステル
Figure 0005269767
N-{3-[4-(3-tert-ブトキシカルボニルアミノプロポキシ)-ブトキシ]-プロピル}スクシンアミド酸(4.60g、11.37mmol)を、室温で60分、TFA(20mL)と共に攪拌し、蒸発後、残留物をDCM(30mLx2)を用いて揮散させ、蒸発乾固させた。
得られた油をアセトニトリル(30mL)に溶解させ、DMF(20mL)にオクタン二酸-tert-ブチルエステル-2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステル(4.46g、13.6mmol)が入ったものを添加した。
DIPEAを用いて、pHを8.5に調節し、混合物を窒素下で一晩攪拌した。続いて、混合物を蒸発乾固させ、EtOAc(50mL)に再溶解させた。EtOAc相をHCl(0.1M)で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させたところ、わずかに黄色がかった結晶性油(6.5g、溶媒残留物を含有)が得られた。
LCMS:Rt4.31分;m/z(M+1)517。算出値:517。
粗生成物はさらなる精製をすることなく、さらなる反応に使用された。
工程4:7-[3-(4-{3-[3-((S)-1-カルバモイル-3-カルボキシプロピルカルバモイル)プロピオニルアミノ]プロポキシ}ブトキシ)プロピルカルバモイル]ヘプタン酸-tert-ブチルエステル
Figure 0005269767
7-(3-{4-[3-(3-カルボキシプロピオニルアミノ)プロポキシ]ブトキシ}プロピルカルバモイル)ヘプタン酸-tert-ブチルエステル(2.4g)、工程3の粗生成物を、THF(60mL)に溶解させ、TSTU(2,11g、6.97mmol)をDMF(10mL)と共に添加し、DIPEA(0.8mL)を用いて、pHを8.2に調節した。混合物を窒素下で一晩攪拌した。
混合物を蒸発させ、残留物をEtOAcに溶解させ、HCl(0.1M)で3回抽出した、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、濾液を蒸発させたところ、3.2gの油が付与された。
LCMS:Rt4.57分;m/z614、活性化酸に相当。
この粗生成物をアセトニトリル(40mL)に溶解させ、L-グルタミン酸アミド(0.6g、4.1mmol)をDMF(5mL)と共に添加し、DIPEA(1.4mL)を用いて、pHを8.2に調節した。
混合物を室温で一晩攪拌し;濾過し、続いて蒸発させたところ、高粘度の黄色の油が得られた。
これを、上で報告されたように、EtOAcとHCl(0.1M)の間で抽出し、得られたものでEtOAc相を乾燥させたところ、蒸発して1.66gの粗生成物が得られた。
LCMS:Rt3.62分;m/z(M+1)645。C18カラム(Jones,Kromasil RP18 5μm 15x225mm)における溶離液として、アセトニトリル/水/0.1%のTFAを使用した、調製用HPLCにより、粗生成物を精製した。勾配:0.0-10.0分、35%のアセトニトリルA;10.0-30.0分、35−90%A;16-18分のフラクションにおける生成物を収集した。組合せたフラクションを蒸発させたところ、所望の生成物(1.0g)が生じた。LCMS:Rt3.59分;m/z(M+1)645、算出値;645。
工程5:N εB29 -(3-(3-{4-[3-(7-カルボキシヘプタノイルアミノ)プロポキシ]ブトキシ}プロピルカルバモイル)プロピオニル-γ-L-グルタミルアミド)desB30ヒトインスリン
工程4の7-[3-(4-{3-[3-((S)-1-カルバモイル-3-カルボキシプロピルカルバモイル)プロピオニルアミノ]プロポキシ}ブトキシ)-プロピルカルバモイル]ヘプタン酸-tert-ブチルエステル(1.0g、1.55mmol)をTHF(20mL)に溶解させ、TSTU(0.51g、1.7mmol)を添加し、DIPEA(0.27mL)を用いて、pHを>8に調節した。
混合物を窒素下で一晩攪拌した。蒸発させ、EtOAc及びHCl(0.1M)の間で抽出し、有機相(MgSO)を乾燥させ、続いて蒸発乾固させたところ、21mgの油が付与された。LCMS:Rt4.34分、m/z742。
この粗生成物をアセトニトリル(10mL)に溶解させ、NaCO(0.1M)を用いて、pHを8に調節し、NaCO溶液(15mL、pH10.2)に溶解させたdesB30ヒトインスリン(1g)の溶液に添加した。
混合物を、窒素下、室温で1時間攪拌した。ついで、HCl(2M)によりpHを5.4に調節することで、沈殿が生じた。混合物を濾過し、濾液を凍結乾燥し、沈殿物を真空下で一晩乾燥させた。C18カラム(Jones, Kromasil RP18 5μm 15x225mm)における溶離液として、アセトニトリル/水/0.1%のTFAを使用するGilsonにて、双方のフラクションを精製した。
勾配:0.0-5.0分、35%のアセトニトリル(A);5.0-25.0分、35-90%のA;生成物を12-15分のフラクションから収集した。組合せたフラクションを蒸発させ、水に再溶解させ、凍結乾燥したところ、27mgの所望の生成物が生じた。
LCMS:Rt7.76分、m/z1570。
MALDI-MS(シンナピン酸(sinnapinic acid)):6277;C2804226884は6277必要。
実施例12
εB29 -ω-カルボキシ-トリデカノイル-γ-アミノ-ブタノイルdesB30ヒトインスリンの合成
Figure 0005269767
この化合物を、実施例1と同様にして、テトラデカン二酸及びγ-アミノ-酪酸から調製した。
LCMS 6032.1、C2714076579は6032.0必要。
実施例13
εB29 -ω-カルボキシ-ウンデカノイル-δ-アミノ-ブタノイルdesB30ヒトインスリンの合成
Figure 0005269767
この化合物を、実施例1と同様にして、ドデカン二酸及びγ-アミノ-酪酸から調製した。
LCMS 6003.8、C2694036579は6004.0必要。
実施例14
εB29 -ω-カルボキシ-テトラデカノイル-γ-アミノ-ブタノイルdesB30ヒトインスリンの合成
Figure 0005269767
この化合物を、実施例1と同様にして、ペンタデカン二酸及びγ-アミノ-酪酸から調製した。
LCMS 6045.6、C2724096579は6046.1必要。
実施例15
εB29 -{4-[10-(4-カルボキシ-フェノキシ)-デカノイルアミノ]-ブチリル}desB30インスリンの合成
Figure 0005269767
この化合物を、実施例9及び10と同様にして、4-(9-メトキシカルボニルノニルオキシ)安息香酸-tert-ブチルエステルから調製した。
LCMS:6095.6、C2764096579は6094.1必要。
実施例16
εB29 -{4-[(14-カルボキシ-テトラデカノイルアミノ)-メチル]-ベンゾイル}desB30インスリンの合成
Figure 0005269767
この化合物を、実施例1と同様にして、4-アミノメチル安息香酸から調製した。
LCMS:6082.0、C2754066681は6082.1必要。
実施例17
εB29 -[16-(4-カルボキシ-フェノキシ)-ヘキサデカノイル]desB30インスリンの合成
Figure 0005269767
工程1:16-ブロモヘキサデカン酸メチルエステル
16-ブロモヘキサデカン酸(6g、17.9mmol)を、メタノール(35mL)、トルエン(100mL)及びトリメチルオルトホルマート(20mL)に溶解させた。Amberlyst15を添加し、混合物を、窒素下、55℃で16時間攪拌した。混合物を濃縮し、メタノール(約50mL)及びDCM(30mL)に溶解させた。樹脂を濾過し、濾液を濃縮した。メタノールを用いて、容量を約40mLに増加させた。生成した結晶を冷却し、濾過し、冷メタノールで洗浄し、乾燥させたところ、白色の結晶(5.61g、収率90%)が生じた。
H-NMR(DMSO、300MHz)3.57(s,3H)、3.52(t,2H)、2.28(t,2H)、1.78(m,2H)、1.50(m,2H)、1.37(m,2H)。
残りの工程を、実施例9と同様に実施した。
LCMS:6081.2、C2764106479は6081.1必要。
実施例18
εB29 -{4-[(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)ベンゾイル]-desB30ヒトインスリンの合成
Figure 0005269767
工程1:4-(15-tert-ブトキシカルボニルペンタデカノイルアミノ)-安息香酸
モノ-tert-ブチルヘキサデカンジオアート-ヘキサデカ二酸(400mg、1.17mmol)をNMP(6ml)に溶解させた。1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドヒドロクロリド(223mg、1.17mmol)及び1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(156mg、1.17mmol)を添加し、混合物を摂氏50度で90分加熱した。4-アミノ安息香酸(320mg、2.34mmol)及びDIEA(0.6mL、3.51mmol)を添加し、混合物を窒素流下で一晩攪拌した。混合物を移し、NaHCOの飽和水溶液(50mL)とジエチルエーテル(100mL)の間に分離させた。NaHSO(50mL、水に10%)を添加し、有機相を単離し、乾燥させ(MgSO)、溶媒を真空で除去した。粗生成物をエタノールから再結晶させたところ、4-(15-tert-ブトキシカルボニルペンタデカノイルアミノ)-安息香酸が得られた。
H-NMR(DMSO-d)δ:10.18(s,1H)、7.87(d,2H)、7.69(d,2H)、2.33(t,2H)、2.15(t,2H)、1.58(t,2H)、1.46(t,2H)、1.38(s,9H)m 1.31-1.20(m,20H)。
工程2:4-(15-tert-ブトキシカルボニル-ペンタデカノイルアミノ)-安息香酸-2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステル
4-(15-tert-ブトキシカルボニルペンタデカノイルアミノ)-安息香酸(29mg、0.063mmol)を、上述にて記載したようにして、TSTUを用いてスクシンイミジルエステルに転換させた。
HPLC-MS、m/z=559(M+23,M+Na)。
工程3:N εB29 -{4-[(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)ベンゾイル]-desB30ヒトインスリン
DesB30ヒトインスリン(355mg、0.062mmol)をDMSO(3.5mL)に溶解させ、トリエチルアミン(0.622mmol,0.087mL)を添加した。4-(15-tert-ブトキシカルボニル-ペンタデカノイルアミノ)-安息香酸-2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステル(28.3mg、0.051mmol)をDMSO(0.5mL及び追加)に溶解させた。混合物を注意深く室温で30分攪拌した。氷浴を用いて冷却することによって、混合物を凍結させ、水(7mL)を添加し、凍結した混合物が溶解するまで、混合物を室温で放置した。1NのHClを使用し、pHをpH=5.3に調節し、沈殿物を遠心分離により単離し、水で1回洗浄して、続いて遠心分離した。トリフルオロ酢酸(15mL)を添加し、混合物を30分攪拌し、氷浴で冷却しつつ、ジエチルエーテル(50mL)に注いだ。粗生成物を遠心分離により単離し、10mMのTRIS+15mMの(NH)SOが20%のEtOHに入ったもの、pH7.3に溶解させ、逆相HPLCを使用するAKTA精製器、Jupiter 5269、C4 250/20mm、15μM、300Åにおいて精製した。バッファーは、A-バッファー、10mMのTRIS+15mMの(NH)SOが20%のEtOHに入ったもの、pH7.3、及びB-バッファー、80%のEtOHからなる。生成物を、勾配15-60%のBを用い、8ml/分で溶出させた。生成物を含有するフラクションを収集し、pHをpH=5.2に調節した。NεB29-{4-[(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)ベンゾイル]-desB30ヒトインスリンを、遠心分離により単離し、凍結乾燥した。
LCMS:6092.0、C2764096579は6094.1必要。
実施例19
εB29 -{4-[(15-カルボキシ-ペンタデカノイルアミノ)-メチル]-ベンゾイル}-desB30インスリンの合成
Figure 0005269767
工程1:4-[(15-tert-ブトキシカルボニルペンタデカノイルアミノ)メチル]安息香酸
ヘキサデカン二酸-tert-ブチルエステル-2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステル(370mg、0.842mmol)をNMP(8mL)に溶解させ、4-アミノメチル安息香酸(127.2mg、0.842mmol)を添加し、混合物を室温で一晩攪拌し、続いて、摂氏50度で2時間加熱した。室温まで冷却した後、混合物を水に注いだ。生成物を濾過により単離し、乾燥させ、任意のさらなる精製をすることなく次の工程で使用した。
H-NMR(DMSO-d)(選択シグナル)δ:7.88(d,2H)、7.34(d,2H)、4.31(d,2H)、2.15(m,4H)、1.47(m,4H)、1.38(s,9H)、1.23(br s,2H)、1.38(s,9H)。
HPLC-MS:m/z=498(M+Na)。
工程2:N εB29 -{4-[(15-カルボキシ-ペンタデカノイルアミノ)-メチル]-ベンゾイル}-desB30インスリン
4-[(15-tert-ブトキシカルボニルペンタデカノイルアミノ)メチル]安息香酸をスクシンイミジルエステルに転換させ、上述にて記載したようにして、desB30ヒトインスリンと反応させた。逆相HPLCを使用するAKTA精製器、Jupiter 5269、C4 250/20mm、15μM、300Åにおいて、生成物を精製した。バッファーは、A-バッファー、10mMのTRIS+15mMの(NH)SOが20%のEtOHに入ったもの、pH7.3、及びB-バッファー、80%のEtOHからなる。生成物を、勾配15-60%のBを用い、8ml/分で溶出させた。続いて、0.1%のTFAを含有する、アセトニトリル/水の36-42%勾配を使用して、Waters Prep LC2000、C18、5cmx20cm、流速20ml/分におけるRP-HPLCにより精製した。生成物を含有するフラクションを収集し、凍結乾燥した。凍結乾燥した物質に水(7.2mL)を添加し、1N+0.1NのNaOHを用いて、pHを8.98に調節した。0.1NのHClを用いて、pHを5.2-5.5に戻した。生成物を沈殿させ、遠心分離により単離し、凍結乾燥したところ、表題の化合物が得られた。
LCMS 6108.0、C2774116579 6108.1。
実施例20:
長時間作用する及び短時間作用するインスリンの疎水性度、アルブミン親和性、自己結合特性及び混合性(mixability)
本発明のインスリン誘導体の自己結合特性の分析
大きいが可溶性の錯体における自己結合性についての、本発明のインスリン誘導体の能力を、SEC(サイズ排除クロマトグラフィー)を使用して分析する:
カラム:SuperoseTM 6 PC 3.2/30、CV=2.4ml
(Amerham Biosciences)
温度:37℃
SECバッファー:140mMのNaCl、10mMのTrisHCl、0.01%の NaN、pH7.5
注入容量:20μl
流量:0.05ml/分
実施時間:60分及び追加の100分の平衡
この分析用の本発明のインスリン誘導体は、0.6mMの誘導体、2.1Zn2+/六量体、16mMのフェノール、7mMのホスファート、pH7.8からなる溶液である。ついで、誘導体の保持時間を、次の標準分子の保持時間と比較する:ブルーデキストラン(>5MDa、KAV0.0)、チログロブリン(669kDa、KAV0.28)、フェリチン(440kDa、KAV0.39)、オボアルブミン(44.5kDa、KAV0.56)、リボヌクレアーゼ(13.7kDa、KAV0.69)、第2の参照のアルブミン(66kDa、KAV0.53)、Co(III)インスリン-六量体(35kDa、KAV0.61)、及び単量体インスリンX2(6kDa、KAV0.73)。
次の等式を使用し、誘導体についてのKAVを決定する:
AV=(t−t)/(V/(f+t−t))
ここで、tは付与されるピークに対する保持時間であり、tはブルーデキストランに対する保持時間であり、Vは全カラム容量(ここでは2.4ml)であり、fは流量(ここでは0.04ml/分)であり、及びtは、システムにおいてカラムのないブルーデキストランに対する保持時間である。
AV値は誘導体の自己結合性の度合いを示し、すなわち、Co(III)六量体及びX2インスリンモノマーに対するKavに類似して大きなKAVであることは、大きな自己結合性錯体を形成するための誘導体の傾向が低いか又は無いことを示し、これに対し、KAVが0に近い程非常に小さいか又は負であるということは、大きな溶解性錯体において自己結合する誘導体の傾向が大きいことを示す。
本発明のインスリン誘導体における疎水性度データ
ヒトインスリンに対する、本発明のインスリン誘導体の疎水性度(疎水性指標)、k'relを、溶離液としてA)10%のアセトニトリルを含有する0.1Mのリン酸ナトリウムバッファー、pH7.3、及びB)水に50%のアセトニトリルが入ったものの混合物を使用し、40℃で定組成溶離させることにより、LiChrosorb RP18(5μm、250x4mm)HPLCカラムにおいて測定した。214nmでの溶出液のUV吸収度を追跡することにより、溶出をモニターした。ボイド時間、tを0.1mMの硝酸ナトリウムを注入することにより見出した。ヒトインスリンについての保持時間tヒトを、A及びB溶液の間の比率を変えることにより、少なくとも2tに調節した。k'rel=(t誘導体−t)/(tヒト−t)。本発明の多くのインスリン誘導体について見出されたk'relを、表1にまとめる。
ヒト血清アルブミン親和アッセイ
Minileak粒子に固定したヒト血清アルブミンに対する125I-TyrA14-アナログの相対結合定数を23℃で測定した(生理食塩水バッファーにおいてデテミル=1)。
インスリン混合物のサイズ排除クロマトグラフィーにより分析された長時間作用する及び短時間作用するインスリンの混合性
SEC:SEC(上述にて記載)からフラクションを収集し、それぞれ高分子量フラクション(フラクション2、MW>HSA)及び低分子量フラクション(フラクション3、MW=HSA)における、長時間作用する及び速攻で作用するインスリンの存在性をHPLCにより定量することで測定して、インスリンアスパルト(3Zn/6インスリン、グリセロール1.6%、16mMのフェノール、及び16mMのm-クレゾール、10mMの塩化ナトリウム、7mMのホスファート、pH7.4)と長時間作用するインスリン(2.1又は6Zn/6インスリン)の混合性、30/70。
4つのフラクションを16分遅れのサイズで収集し、そのフラクション2[16-32分](ピーク1)はアルブミンより大きな会合型(32分はKAV0.46に相当)を含有し、フラクション3(ピーク2)はインスリンのジヘキサマー、六量体、二量体及び単量体を含有する。
HPLC:Zorbax Eclipse XDB-C18 2.1*15mm(1.8μm)における逆相クロマトグラフィー、次のものを用いた勾配溶出、バッファーA:0.2Mの硫酸ナトリウム、0.04Mのリン酸ナトリウム、10%のアセトニトリル、pH7.2、及びバッファーB:70%のアセトニトリル、30℃、19−34%のB、4.5分、直線状、5分で突然開始、操作時間7分、流速0.5ml/分、注入容量14μL、及び双方のアナログについて、609μMのインスリンアスパルト参照を使用し、276nmでUV検出。
Figure 0005269767
表の説明:
ヒトインスリンに対する疎水性度:k'rel<1:+++、1-10:++、>10:+(HI=1)
ヒトインスリンに対するインスリンレセプター親和性:<5%:+、5-50%:++、>50%:+++
インスリンデテミルに対するヒト血清アルブミン親和性:<0.5:+、0.5-2:++、>2:+++
自己結合性:KAV<0.1:+++、KAV<0.55:++及びKAV≧0.55:+
ヒト血清アルブミンに対してKAV=0.55、ヒトインスリンCo(III)六量体に対してKAV=0.63、単量体インスリンアナログX2に対してKAV=0.72。
n.a.=分析せず。
実施例21:
ブタにインスリン調製物を皮下投与した後の正常血糖グルコースクランプ
メスのブタ、60-90kg、18時間絶食させた。実験中、ブタは、その檻中で自由に移動する。多くの場合、2つの貯蔵部に分割された用量サイズに応じて、インスリン用量を皮下投与する。20%のグルコース溶液の静脈注射の速度を変えることによって、24時間までに、各ブタでの個々の空腹時血糖値を正常血糖に保持する。注入は、頸静脈に挿入されたカテーテルを介してなされる。血漿グルコースを頻繁にモニタリングする間に観察される、血漿グルコース濃度の変化に応じて、経験的に、グルコース注入の必要性が調節される。15-30分毎に、EDTAガラスチューブに血液サンプルを収集し、グルコース及びインスリン測定用に血漿を分離した。YSI(Yellow Springs Instruments)グルコース分析器(グルコースオキシダーゼ法)を用い、サンプリングした血液について15分内にグルコース測定した。平均グルコース注入速度(GIR)プロファイル及び平均血漿インスリンプロファイルを、各インスリン調製物用に作製する(図2-4は平均±SEMを示す)。
薬理学的方法
アッセイ(I)
本発明のインスリンのインスリンレセプター結合性
ヒトインスリンレセプターに対する本発明のインスリンアナログの親和性を、SPAアッセイ(シンチレーション近接アッセイ)マイクロタイタープレート抗体捕捉アッセイにより測定した。SPA-PVT抗体-結合ビーズ、抗マウス試薬(Amersham Biosciences、カタログ番号 PRNQ0017)を、25mlの結合バッファー(100mMのHEPES、pH7.8;100mMの塩化ナトリウム、10mMのMgSO、0.025%のトゥイーン(Tween)-20)と混合した。単一のPackard Optiplate(Packard No.6005190)用の試薬混合物は、2.4μlの1:15000に希釈された精製組換えヒトインスリンレセプター−エクソン11、100μlの試薬混合物当たり5000cpmに相当するA14Tyr[125I]-ヒトインスリンの所定量の保存溶液、12μlの1:1000に希釈されたF12抗体、3mlのSPA-ビーズ、及び全体を12mlにする結合バッファーからなる。ついで、全体で100μl添加し、希釈群を適切なサンプルから作製する。ついで、希釈群に100μlの試薬混合物を加え、ゆっくりと振盪させつつ、サンプルを16時間インキュベートした。ついで、1分間遠心分離することにより相分離させ、プレートをトップカウンターで計測した。GraphPad Prism 2.01(GraphPad Software, San Diego、CA)における非線状回帰アルゴリズムを使用し、結合データを適合させた。
アッセイ(II)
ヒトインスリンに対する本発明のインスリン誘導体の効力
実験日、238-383gでオスのスプラーグドーリーラットを、クランプ実験に使用した。制御された周囲条件下、ラットは餌に自由に接近し、クランプ実験の前には一晩(3pmから)、絶食させた。
実験プロトコル:
外科手順の少なくとも1週間前に、ラットを動物施設に慣れさせた。クランプ実験の約1週間前、ハロタン麻酔下で、頸静脈(注入のため)及び頸動脈(血液のサンプリングのため)にタイゴンカテーテルを挿入し、露出させ、頸部の後ろに固定した。外科手術後、ラットをStreptocilin vet.(Boehringer Ingelheim;0.15ml/ラット、筋肉内)に付与し、回復期間中、動物ケアユニット(25℃)においた。無痛覚とするために、麻酔中にアノルフィン(Anorphin)(0.06mg/ラット、皮下)を投与し、麻酔から十分に回復した(2-3時間)後、再度2日に1回、リマダイル(Rimadyl)(1.5mg/kg、皮下)を投与した。
使用したクランプ技術を、(1)実験日の7amに一晩(前日の3pmから)絶食させたラットを計量し、サンプリング用シリンジ及び注入システム(Harvard 22 Basic pumps,Harvard,及びPerfectum Hypodermicglass syringe,Aldrich)につなぎ、ついで個々のクランプ用ゲージに配し、実験開始前の約45分、そこで休ませた。全実験中、それらの通常の寝具上を、ラットは自由に動くことができ、水飲み場に自由に接近することもできる。血漿血糖値を10分間隔で測定する、30分の基本期間後、試験されるインスリン誘導体及びヒトインスリン(ラット当たり1回の投与レベル、投与レベル当たりn=6-7)を、300分、一定の速度で注入した(静脈内)。10分の間隔中、血漿血糖値を測定し、正常血糖を維持するために、20%水性グルコースの注入を調節した。再懸濁させた赤血球のサンプルを各ラットからプールし、頸動脈カテーテルを介して、約1/2ml容量を戻した。
各実験日において、試験される個々のインスリン誘導体溶液及びヒトインスリン溶液のサンプルを、クランプ実験の前及び終了時に取り出し、ペプチド濃度をHPLCにより確認した。ラットインスリン及びC-ペプチド、並びに試験されるインスリン誘導体及びヒトインスリンの血漿濃度を、研究の前及び終了の時点で測定した。ペントバルビタール過剰投与を使用し、実験の終了時にラットを殺した。
被験化合物及び用量:
試験されるインスリンを、5mMのホスファート、pH7.7に97μMのインスリン誘導体を含有する保管溶液から希釈する。使用準備が整った溶液中の最終濃度は、0.45μMのインスリン誘導体、5mMのホスファート、100mMの塩化ナトリウム、0.007%のポリソルバート(polysorbate)20である。pHは7.7であり、静脈内注入速度は15及び20pmolx分−1×kg-であった。
参照化合物として使用されるヒトインスリンの保管溶液を、類似した媒体で処方し、6、15又は30pmolx分−1xkg-で静脈内注入した。
双方の保管溶液を−20℃で保管し、使用前に4℃で一晩解凍した。それらを注入用シリンジに移す15分前に、溶液を数回、ゆっくりと上下逆さまにする。
アッセイ(III)
本発明のインスリン誘導体のT50%のブタにおける定量
50%は、試験されるインスリンのA14Tyr[125I]標識された誘導体の注射量の50%が、外部γ計測器を用いて測定して、注射部位から消失した時間である。
実験用動物ケアの原則に従い、薬物動態及び薬力学的研究のために、特定の病原菌を持たないLYYD、糖尿病ではないメスのブタ、デンマーク在来種、ヨークシャー及びデュロックの交雑種を使用した(Holmenlund, Haarloev, Denmark)。ブタは意識があり、4-5ヶ月の年齢、70-95kgの体重であった。実験前に動物を18時間、一晩絶食させた。
125Iを有するTyrA14で標識されたインスリン誘導体の処方された調製物を、先に記載したブタに皮下注射した(Ribel, U., Jorgensen, K, Brange, J, 及びHenriksen, U. The pig as a model for subcutaneous insulin absorption in man. Serrano-Rios, M and Lefebvre, P. J. 891-896. 1985. Amsterdam; New York; Oxford, Elsevier Science Publishers. 1985 (Conference Proceeding))。
実験の開始時に、本発明のインスリン誘導体(被験化合物)60nmol用量とインスリンデテミル60nmol用量(双方ともTyr A14において125I標識された)を、各ブタの頸部の2つの別々の部位に注射する。
皮下注射部位から放射性標識が消失するのを、伝統的な外部ガンマ-計測法の修正法を使用し、モニターする(Ribel, U. Subcutaneous absorption of insulin analogues. Berger, M. 及びGries, F. A. 70-77 (1993). Stuttgart; New York, Georg Thime Verlag (Conference Proceeding))。この修正法を用いると、コードレスポータブル装置を使用して、数日間、皮下沈着物から放射活性が消失するのを連続して測定することができる(Scancys Laboratorieteknik, Varlose, DK-3500, Denmark)。測定を1分間隔で実施し、計測された値をバックグラウンド活性に対して修正する。

Claims (11)

  1. 次の式:
    Figure 0005269767
    [上式中:
    Insは親インスリン部分であり、Q-Q-[CH]-X-[CH]-Q-[CH]-X-[CH]-Q-[CH]-X-[CH]-Q-[CH]-Zは置換基であり、ここで、Insは、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と、置換基の 中のCO基との間のアミド結合を介して置換基に結合しており

    ・結合、
    であり;

    ・-CO-((CR)1−6-NH-CO)1−4-
    {上式中、は、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONH であり、Rは、H、-CH、-(CH)1−6CH である}
    であり;
    但し、
    中のアミンが、残りの置換基と結合を形成するならば、アミンは、カルボニル基を介して残りの置換基に結合していなくてはならず;
    は:
    ・mが6〜32の範囲の整数である-(CH)-;
    ・1、2又は3の-CH=CH-基、及び鎖中の炭素原子の全数が4〜32の範囲となるのに十分な数の-CH-基を有する二価の炭化水素鎖;
    ・s及びwの合計が6〜30の範囲になるように、v及びwが整数又はそれらのひとつが0である、式-(CH)(CH)-の二価の炭化水素鎖;
    であり;
    は-C(=O)-又は結合であり
    、Q、X及びX 結合であり;
    0であり;

    -COOH;
    -CO-Asp;
    -CO-Glu;
    -CO-Gly;
    -CO-Sar;
    -CH(COOH)
    -N(CH2COOH)
    -SO
    -OSO
    -OPO
    -PO、又は
    -テトラゾール-5-イル]
    を有するインスリン誘導体又はそのZn2+錯体。
  2. が、-COCHOCHCONH-、-CO-((CH)-NH-CO)-、-CO-((CH)-NH-CO)-、-CO-((CH)-NH-CO)-、及び-CO-((CH)-NH-CO)-からなる群から選択される、請求項1に記載のインスリン誘導体又はZn 2+ 錯体
  3. が-(CH)-であり、mが6〜32又は8〜20の範囲の整数である、請求項1又は2に記載のインスリン誘導体又はZn 2+ 錯体
  4. mが12、13、14、15又は16である、請求項3に記載のインスリン誘導体又はZn 2+ 錯体
  5. が、1、2又は3の-CH=CH-基、及び鎖中の炭素原子の全数が4〜32の範囲となるのに十分な数の-CH-基を有する二価の炭化水素鎖である、請求項1又は2に記載のインスリン誘導体又はZn 2+ 錯体
  6. Zが-COOHである、請求項1ないし5の何れかに記載のインスリン誘導体又はZn 2+ 錯体
  7. Zが-CH(COOH)である、請求項1ないし5の何れかに記載のインスリン誘導体又はZn 2+ 錯体
  8. Zが-N(CHCOOH)である、請求項1ないし5の何れかに記載のインスリン誘導体又はZn 2+ 錯体
  9. Zが-SOHである、請求項1ないし5の何れかに記載のインスリン誘導体又はZn 2+ 錯体
  10. Zが-POHである、請求項1ないし5の何れかに記載のインスリン誘導体又はZn 2+ 錯体
  11. インスリン誘導体が
    εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-γ-アミノ-ブタノイルdesB30ヒトインスリン
    εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-β-アラニルdesB30ヒトインスリン、
    εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-γ-L-アスパルチルアミドdesB30ヒトインスリン、
    εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-ε-アミノヘキサノイルdesB30ヒトインスリン、
    εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-δ-アミノペンタノイルdesB30ヒトインスリン、
    εB29-ω-カルボキシ-トリデカノイル-γ-アミノ-ブタノイルdesB30ヒトインスリン、
    εB29-ω-カルボキシ-ウンデカノイル-δ-アミノ-ブタノイルdesB30ヒトインスリン、及び
    εB29-ω-カルボキシ-テトラデカノイル-γ-アミノ-ブタノイルdesB30ヒトインスリン、
    からなる群から選択される、請求項1ないし10の何れかに記載のインスリン誘導体又はZn 2+ 錯体
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