JP2008523355A - 膜のコーティング方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、マイクロポーラス膜に固形分を含む反応性フィルムを塗布する方法であって、最初に膜を湿らせ、それがまだ湿っているうちに該膜に固形分を含む反応性フィルムを塗布することを特徴とする上記方法に関する。この方法で作製された膜は高割合のフィルム開孔剤を含有する反応性フィルムを含んでなり、体液中の成分、特に大きな疎水性のアナライトを検出するための診断用エレメントにおいて有利に使用することができる。

Description

本発明は、固形物を含有する反応性フィルムをマイクロポーラス膜に塗布するための方法、そのようにして製造された膜、ならびに前記膜を含む診断用エレメントに関する。
いわゆる担体結合型の検査は、液体の成分、特に血液のような体液の成分の定性的または定量的分析測定にしばしば用いられている。こうした検査では、試薬類、特に特異的検出試薬と補助試薬が固相担体の適切な層中に埋め込まれているか、または固定化されている。これらの層は検出エレメントと呼ばれる。目的のアナライト(被分析物質)を測定するために、これらの検出エレメントに液体サンプルを接触させる。液体サンプルと試薬(最初は乾燥状態で存在し、サンプルによって再溶解される)とが反応すると、目的のアナライトが存在する場合、通常はシグナルが発生し、このシグナルは光学的または電気化学的に検出される。特に、色の変化が生じる場合は、それを肉眼で分析するか、または機器の助けをかりて、通常は反射型光度計を用いて分析することができる。その他の検出法としては、例えば電気化学的方法に基づく方法があり、これは電荷、電位または電流の変化を検出するものである。
従来の実験室検査とは対照的に、担体結合型検査は、検出試薬が最初に乾燥状態で存在するため、しばしば「乾式化学検査」と呼ばれている。
乾式化学検査用の試験エレメントまたは試験担体はたいてい試験片(試験ストリップ)の形をしており、本質的にこうした試験片はプラスチック製の細長い支持層と、試験域としてその上に固定された検出エレメントからなる。しかし、正方形または長方形のウェファーとしてデザインされた試験担体も知られている。
乾式化学試験片を用いて血液中の低分子アナライトを光度測定により検出するには、通常、光度測定を妨害する赤血球を分離する必要がある。
アナライトの検出に必要な酵素は通常、耐水性で水不溶性のフィルム中に配置されており、かかるフィルムにおいては、フィルム形成剤からなる疎水性マトリックスが全部または少なくとも一部の検出試薬(すなわち、本質的に酵素と指示薬系)を含有し、そのマトリックスにサンプルがしみ込んで、そこで発色反応が起こる。こうしたフィルムは、機械的に安定した非吸収性の支持材(例えば、ビスフェノール-Aポリカーボネート製のPokalon(登録商標))上に、各種の確立されたコーティング方法(例えば、ナイフコーティング)を用いて塗布される。
フィルム形成剤という用語は、機械的に安定した耐水性の試薬層のコーティングを可能にするポリマー(例えば、Propiofan(登録商標)、ビニルプロピオネートプラスチック分散体)を意味する。
さらに、これらの反応性フィルムは一般的に膨潤剤を含有する。膨潤剤はコーティングペーストの粘度に大きな影響を与える水溶性のポリマーであり、耐水層の一部の疎水性ゾーンへの試薬類の微細分散をもたらし、また、かかる層へのサンプルの浸透を促進させる(例としては、アルギネート、Keltrol(登録商標)、Gantrez(登録商標)、Eudragitなどがある)。
開放気孔率(このために、アナライトが反応性フィルムの中に入り込むことができる)は充填剤(フィルム開孔剤としても知られる)によってプラスの影響を受けることがある(例えば、米国特許第4,312,834号参照)。充填剤は水不溶性、非膨潤性、易湿潤性の微細な無機または有機粒子であり、かかる粒子は光線を光学的に散乱させないか、またはわずかな程度にしか散乱させず、比較的大きな分子(例えば、リポタンパク質の形の脂質)や細胞(例えば、赤血球)さえもが耐水性フィルムの中に入り込むのを可能にする。充填剤の例としては、チョーク、セルロース、珪藻土、セラトム(Celatom)、多孔質珪藻土(kieselguhr)、ケイ酸などがある。
第一世代の血中グルコース試験片(例えば、Boehringer Mannheim社製の「Haemoglukotest」20-800、米国特許第3,630,957号も参照)では、反応性フィルムは検出試薬類に加えてフィルム形成剤(Propiofan(登録商標))と膨潤剤(アルギネート)を含むにすぎなかった。こうした非常に緻密な(すなわち、開放気孔の少ない)、拭き取りに耐えるフィルムの場合には、赤血球は反応性フィルムの中に入り込めないが、血液の低分子量成分、特にグルコースは実際に浸入することが可能である。そのため、血液の分離を別個に行う必要がなかった。血中グルコースの測定を目的とした1滴の血液を、試験片の反応性フィルムの上に直接点着するだけでよかった。その反応性フィルム上の1滴の血液を1分間インキュベーションした後、血液を拭き取り、さらに1分の反応時間後に、アナライト濃度の尺度として血液を先ほど点着した試験片の同じ面から発色を読み取ることができた。
かくして、初めて、全血から直接的にグルコースを検出することが可能となった。こうした反応性フィルムは充填剤を含んでいなかったので、グルコースのような、水に溶けやすい低分子量のアナライトのみをゆっくり浸入させるが、コレステロール(CHOL)、HDL(高密度リポタンパク質、すなわち、密度がより高いリポタンパク質)、トリグリセリド(TG)、クレアチンキナーゼ(CK)といった大きな疎水性分子を検出することはできない。
赤血球を分離するためのガラス繊維フリースの使用(とりわけ、米国特許第4,816,224号参照)、特に充填剤を含有する開放気孔型反応性フィルムとの併用(例えば、Roche Diagnostics社製のReflotron製品の試験片、その後のRoche Diagnostics社製のAccutrend系列のいわゆる「拭き取り不要(non-wipe)試験片」)は、全血中のアナライトを検出するための乾式化学検査を開発するうえで画期的な出来事であった。より迅速な動力学(特に、検出フィルムへのアナライトの浸入、酵素反応、および発色反応に関する動力学)に加えて、これらの試験超構造物は比較的大きな疎水性分子(例えば、CHOL、HDL、TGなど)の検出をも可能にする。
しかしながら、ガラス繊維フリース技術の欠点は、使用した血液容量に対する利用可能な血漿容量の比率(以後では血液/血漿収率ともいう)が比較的不利なことである。さらに、酸化的アナライト検出(例えば、アナライト酸化酵素を用いるアナライト検出、および指示薬の存在下でペルオキシダーゼにより形成される過酸化水素の反応(このプロセスでは指示薬が通常無色の還元型から通常有色の酸化型へと変換される))の場合には、反応性フィルムへの酸素の供給に限界があることがわかり、特に、いわゆるスタック構造物においてはそうである(かかる構造物では、赤血球を分離するためのガラス繊維フリースと反応性フィルムが積み重なったスタック複合物を形成している。血液サンプルをガラス繊維フリースに点着すると、それが赤血球を分離しながらガラス繊維フリースに浸入し、このようにして生じた血清または血漿が下層の反応性フィルムに浸透して、そこで実際の検出・指示薬反応が起こる。その後、血液を点着した面とは反対のスタック複合物の面からその反応を観察することができる)。その結果、先端に限られた測定域を達成できるにすぎない。
したがって、血液の容量を少なくするために、最新世代の試験片は血液分離膜(例えば、EP-A 0 654 659)または非常に薄い1層もしくは2層フィルム(米国特許第5,536,470号および同第6,036,919号参照)を採用している。このような膜による分離システムの血液/血漿収率は、一般的に、ガラス繊維技術を用いる場合よりもかなり良好である。両方の膜分離システムを以下で説明する。
米国特許第5,536,470号は、薄いフィルム層からなる試験域を開示している。全血のサンプルをこのフィルム層の一方の面に点着する。発色反応は反対の面から検出されるが、赤血球はサンプル点着面から検出面に入り込むことができない。このフィルム層は透明な支持体(例えば、フォイル)または膜上にコーティングすることができる。こうして、米国特許第5,536,470号に開示されたフィルムは、血液(着色物質)の分離と検出を兼ね備えた層として作用する。前者の機能(着色物質である血液の分離)を果たすためには高割合の顔料が必要である。つまり、この場合には顔料の含有量をフィルム形成ペーストの固体含有量に基づいて少なくとも30重量%とする。そのような高割合の顔料を含有するフィルム層の機械的安定性を確保するには、高含有量のフィルム形成剤も必要となる。顔料とフィルム形成剤はほぼ同じ重量比で存在させなければならない。不活性充填剤(すなわち、いわゆるフィルム開孔剤)は、可能であれば、これらのフィルム層中に存在しないほうがよく、もしそれが存在するのであれば、フィルム形成ペースト中にごく少量(全固体含有量の10%未満)だけ存在させるべきである。なぜなら、そうしないとフィルム層の血液分離特性がもはや保証されないからである。しかしながら、フィルム形成ペースト中の充填剤がせいぜい10%という低含有量であるため、米国特許第5,536,470号に開示されたフィルムは、大きな疎水性のアナライト(例えば、脂質)を透過させるのに十分な開放気孔とならない。
透明なフォイル上の薄い2層フィルムを用いたグルコース検出の場合には、第1層(すなわち、フォイル上に直接載せてある層)が反応性フィルムであって、酵素-指示薬系に加えて、フィルム形成剤、膨潤剤、および光透過性充填剤(例えば、Transpafill(登録商標)、Degussa社製のケイ酸アルミニウムナトリウム)を含有する。湿式化学光度測定検査から類推して、透明な第1層は、光度測定によるアナライト検出が起こるキュベットのようなものを形成する。第1層に貼り合わされた第2層は、フィルム開孔剤または充填剤を省いたまま、高度に屈折性の顔料(例えば、二酸化チタン)を高割合で含有する。血液を第2層にじかに点着させて、試験片の反対面から第1層の透明支持体フォイルを通して光度測定検出を行う。
この場合には、光不透過性で、開放気孔の少ない第2層が二重の機能を果たす。第2層は、一方では、血液分離フィルムとして、赤血球が反応性第1層に入り込むのを防止し、他方では、第1層から入ってくる光を反射し、赤血球の赤色が検出面に伝わるのを防止する。
ガラス繊維フリースによる赤血球分離と比較して、このようなシステムの利点は、必要となるサンプルの容量が少ないこと、そして低分子のアナライトを検出する場合にはその速度が速いことである。
この2層構造物の欠点は、大きな疎水性の分子(例えば、リポタンパク質、コレステロール、トリグリセリド、HDLなど)が血液分離のための第2層を通って拡散することができず、それゆえに第1層において検出され得ないことである。
したがって、代替法は血液分離膜を使用することである。血液分離膜(すなわち、全血から血漿または血清を生成させる膜)は非常に非対称性の膜であり(一般的には、ポリエーテルまたはポリエーテルスルホン、例えばPall社製のBTS-SP-300、Spectral Diagnostics社製のPrimeCareXまたはSG)、すなわち孔径が均一ではなく、より大きく開いた気孔をもつ面とより狭い気孔をもつ面とを有する膜である。血液は通常、この膜の開放気孔面に点着される。赤血球は、サンプル物質が膜を通過するにつれて、テーパーの付いた孔中に保持される(EP 0 654 659参照)。
血液分離膜は乾式化学試験片においては基本的に2つの形態で用いられる。いわゆる1層構造物では、血液の分離に加えて、血液分離膜が検出化学のための支持体機能も果たす。そのために、該膜に、指示薬と検出系を含む水性系を(例えば、浴含浸またはスロットノズルメーターリングにより)含浸させる。
含浸させ乾燥させた酵素の速やかな溶解と、サンプル物質による膜の速やかな湿潤とを確実にするために、通常は含浸溶液に湿潤剤が添加される。
1層膜構造物の欠点は、該膜が乾燥状態において光透過性でないことである(空気の屈折率は約1.00であり、該膜の屈折率は約1.35〜1.38である。すなわち、これらの屈折率の差は約0.35〜0.38となり、結果的に該膜は明らかに透明ではない)。ところが、湿った状態では、該膜は光透過性となり(水の屈折率は約1.33であり、屈折率の差は約0.02〜0.05にすぎない)、したがって、該膜の下方ゾーンで分離された赤血球の固有の血液色が伝わってきて、光度測定に影響を与える。
こうしたことは、含浸溶液に白色顔料(例えば、二酸化チタン、屈折率約2.55)を添加することによって低減させたり、防止したりすることができる。光不透過性の白色顔料は、反射される光の波長の半分の範囲の粒子サイズ(0.2〜0.4μm)を有するので、それらは含浸中に膜の気孔(一般には0.2〜10μmの直径を有する)に入り込み、気孔の幅を狭くして、それらをブロックすることがある。それゆえ、大きな疎水性の分子は膜に入り込んで、それを通り抜けることができなくなるか、またはより困難になる。
その結果、血液分離膜を備えた1層構造物は、小さな、水に溶けやすいアナライト(例えば、グルコース)を検出するために、もっぱら使用される。
2層膜構造物は1層構造物が抱えた多くの問題点を回避することができる。この場合には、血液分離膜からの血漿を吸収する、より狭い気孔をもつ別の検出膜(例えば、Pall社製のBiodyne AまたはLoprodyne=0.2/0.45μmナイロン膜)が血液分離膜に隣接している。かかる場合は光不透過性の白色顔料が必要でない。さらに、第2の膜中に存在する検出系は血液分離膜と直接接触しておらず、このことは、特に脂質検査の分野において湿潤剤(脂質を容易に溶解し、溶血作用をも有する)の使用を可能にする。
しかしながら、2層構造物の不利な点は複雑で高価な試験構成にある。この製造プロセスは、血清または血漿が血液分離膜から検出膜に送られるように、これらの膜を、可能ならば間隙なしに、確実に密着させなければならないので、試験片の機械的組み立てに対して高度な要求を課すこととなる。このシステムが本来抱える欠点は、試験構造物の湿潤化が遅く、1層構造物と比較して血液/血漿収率が不利であり、また、検出膜の気孔が狭いゆえに反応速度が遅いことである。
したがって、以上を要約すると、先行技術の方法の欠点は次のようになる。すなわち、高割合の充填剤を含有する開孔検出フィルムが、特に大きな疎水性の分子を検出するためには必要であるが、そのような開孔検出フィルムのみでは、光学的に分析される試験片の干渉性血液成分(とりわけ、赤血球、ヘモグロビン)を確実に分離することができない。これに対して、適当な血液分離システム(フィルム、膜)は大きな疎水性分子の浸入を可能にするにしても、不十分な程度であるにすぎない。基本的に大きな疎水性分子の検出に適しているシステム(例えば、ガラス繊維フリースと開孔検出フィルムの組合せ、つまり2層膜構造物)は、製造するのが複雑であり、干渉を受けやすく、その試験性能が最適とはいえない(必要な血液量が多い、測定域が上方に限られる、または反応速度が遅い)ので、上記問題を完全には解決し得ない。
本発明の目的は、上記の欠点を除くことである。特に、本発明の目的は、大きな疎水性分子(特に、生物学的サンプル中にリポタンパク質複合体として存在する脂質)の検出を、ごく少量の全血を用いて可能にする乾式化学試験デバイス(およびその対応する製造方法)であって、赤血球の分離が該デバイスに一体化されており、速い検出反応速度が達成される、上記デバイスを提供することである。
上記目的は本発明の手段により達成される。
本発明は、請求項1に記載の方法、本発明の方法により製造できる請求項10に記載のマイクロポーラス膜、請求項11に記載の(フィルム形成剤に基づいて)比較的高割合の充填剤を含む反応性フィルムをコーティングしたマイクロポーラス膜、ならびに請求項16に記載の本発明の膜を含む診断用エレメントに関する。本発明の好ましい実施形態は従属項の主題である。
マイクロポーラス構造の膜に、固形分を含む反応性フィルムを塗布するための本発明の方法は、最初に該膜を湿らせ、それがまだ湿っているうちに該膜に固形分を含む反応性フィルムを塗布することを特徴とする。
固形分を含む反応性フィルムは耐水性、水不溶性のフィルムであり、フィルム形成剤の疎水性マトリックス中に全部または少なくとも一部の検出試薬を含有する。通常は酵素、補酵素、媒介物質、指示薬、指示薬系などを含む実際の検出化学に加えて、反応性フィルムは耐水性のフィルム形成剤、フィルム開孔剤、任意成分としての遮光性顔料(光透過性を減少させるために用いる)、および当業者には公知の他の成分(湿潤剤、膨潤剤など)を含むことができる。
本発明によれば、特に粒状の、無機または有機物質がフィルム開孔剤(充填剤ともいう)として考えられる。そのようなフィルム開孔剤は当業者に公知である。例えば、すでに上述したように、水不溶性、非膨潤性、易湿潤性の微細な無機または有機粒子であって、光を散乱させないか、またはわずかな程度にしか散乱させず、比較的大きな分子(例えば、リポタンパク質の形の脂質)や細胞(例えば、赤血球)さえもが耐水性フィルム中に速やかに入り込むのを可能にする、そのような粒子が適している。充填剤の例としては、チョーク、セルロース、珪藻土、セラトム(Celatom)、多孔質珪藻土(kieselguhr)、ケイ酸などがある。本発明のためにはセラトムと多孔質珪藻土が特に適しているとわかった。
本発明によれば、機械的に安定で耐水性の試薬層の形成を可能にする有機ポリマーがフィルム形成剤として特に考えられる。そのようなフィルム形成剤は当業者に公知である。例えば、すでに上述したように、ビニルプロピオネートプラスチック分散体、例えばPropiofan(登録商標)、Eudragit(登録商標)(アクリル樹脂の分散体)、Mowiol(登録商標)(ポリビニルアルコール)などが適している。
本発明によれば、反応性フィルムはマイクロポーラス膜とも呼ばれるマイクロポーラス構造の支持層の上にコーティングされる。特にサンプル物質として全血を用いる場合、その膜は血液分離特性を有することが好適である。すなわち、着色成分(とりわけ、赤血球、ヘモグロビン)を全血から分離して保持することができ、したがって、全血から血漿または血清を生成させることができる膜が有利である。そのような膜は当業者に公知である。例としてはポリエーテルまたはポリエーテルスルホン膜があり、好ましくは非対称性の膜である。これらの例はBTS SP 300 (Pall社)、Prime Care X または SG (Spectral Diagnostics社)である。
本発明に従うと、反応性フィルムを形成させるためのコーティングペーストをマイクロポーラス膜にコーティングする前に該膜を湿らせて、それがまだ湿った状態にあるうちにコーティングを実施することが有利であるとわかった。特に、反応性フィルムコーティングを、湿らせた直後に、すなわち可能であれば1工程で、塗布することが有利である。
仮に前もって湿らせてない膜(すなわち乾燥した膜)に反応性フィルムを塗布すると、反応性フィルムをコーティングした血液分離膜が得られ、それは、予想されるように、赤血球を通過させない。膜に塗布された反応性フィルムは血漿で満たされる。原理的には、アナライトの量に依存する発色を観測することができる。しかしながら、反応性フィルムをコーティングした乾燥膜は、血液サンプルを分析するとき、特にアナライトが大きい疎水性の分子(CHOL,、TG、HDLなど)であるとき、次善の(最適には及ばない)結果を示すにすぎない。この場合には、反応性フィルムの発色の程度が予想よりもかなり低くなる。
しかし、脂質を含む血漿をこの反応性フィルムに直接(すなわち、該膜を使って全血から血液を前もって分離することなく)点着させると、予想された発色が生じる。同じサンプルを最初に乾式コーティングした血液分離膜を通して誘導する場合は、反応性フィルムが血漿で確実に湿潤化されるにもかかわらず発色がほとんど認められない。この実験的知見から、大きい疎水性分子に対する膜の透過性は、充填剤を含有する比較的開孔性のフィルムを塗布することにより大きく減少すると仮定された。
例としてトリグリセリド検査を用いて、一時的に生成された小さな易溶解性のアナライト中間体(例えば、グリセロール、H2O2)は膜-反応性フィルム複合材料を、たとえ該膜が乾式コーティングされたとしても、確実に透過する(すなわち、サンプルを上から(反応性フィルムに直接)点着させても、下から(サンプルを該膜に点着させて、反応性フィルムと接触する前にこの膜を透過させる)点着させても、発色に差がない)ことを明示することができた。
さらに、準安定性のコーティングペーストは、充填剤と顔料を含む開孔性フィルムを、予め湿らせてない吸収性の膜に塗布している間に、分離し始めることが観察された。コーティングペーストの顔料と充填剤の画分がコーティング工程中にドクターブレードの間隙で濃縮された。その結果、コーティングは非常に不均質なものとなった。
コーティングペースト中の顔料/充填剤の割合を低下させることによって、より安定したコーティングペースト(それゆえに、より均質なフィルム)を予め湿らせてない吸収性の膜に塗布することは可能であったが、アナライトに対する透過性はこうした手段によって向上しなかった。なぜなら、充填剤を低割合で含有するフィルムは開放気孔度が劣り、そのためアナライト(特に大きなアナラトイや疎水性のアナライト)に対してより不透過性になるからである。
このたび予期に反して、固形分を含有する準安定性の反応性フィルムを吸収性の膜に塗布する際に、該膜を湿らせた状態でコーティングする場合にはアナライト透過性を低下させることなく塗布できることが見出された。
この方法を技術的に有利に実施するには、例えば、最初に1工程で膜を水浴中に導入し、続いて、その膜がまだ湿っているうちに、固形分を含有するペーストをドクターブレードまたはスロットダイで該膜に塗布する。
アナライト透過性の向上とは別のプラスの副効果は、湿った膜を使用する場合、コーティング工程中の固形分を含有する準安定性ペーストの分離傾向がかなり抑えられるので、より均質なフィルムを塗布できることである。フィルムがより均質であるということは、すなわち光度測定の精度が向上することを意味し、ひいては濃度測定の変動係数がより低下することを意味する。
さらに、この方法を使用すると、コーティングペースト中の充填剤の割合がより高いものを用いることによって、膜上に開放気孔のフィルムを塗布することができる。
この方法はコーティング工程中に反応性フィルムの成分が膜に浸透するのを明らかに減らすので、(該膜中での)血液分離と(該膜上の)反応性フィルムとの良好な空間的分離ゆえに、検出反応を全体として促進する反応性フィルム成分(例えば、リポタンパク質を容易に溶解し、かつリパーゼとエステラーゼを活性化する特殊な湿潤剤)を1層構造物としての反応性フィルムに添加することが可能であり、同時に血液分離膜中の湿潤剤に起因する溶血を引き起こすことがない。
膜は浴含浸、スロットノズル含浸、または噴霧により湿らせることが好ましい。膜を湿らせるために、例えば緩衝剤、膜の湿潤化を改善する湿潤剤(一般には界面活性剤またはデタージェントともいう)などを含有する水または水溶液を用いることができる。
本発明の方法は、フィルム開孔剤とフィルム形成剤の質量比が10:1〜1:1である反応性フィルムをコーティングするのに特に適している。とりわけ、フィルム開孔剤とフィルム形成剤の質量比が5:1〜2:1であるフィルムは特に好適であることがわかった。そのような質量比を有する反応性フィルムは、大きな疎水性分子の反応性フィルムへの浸入を容易にするまたはかかる浸入を初めて可能にする、比較的高い開放気孔率により特徴づけられる。これまで、そのような均質な開放気孔フィルムをコーティングした膜を製造することは可能でなかった。したがって、そのようにコーティングしたマイクロポーラス膜も本発明の主題である。
反応性フィルムは、例えばドクターナイフコーティング、ローラー塗り、またはスロットダイコーティングのような公知の方法を用いて塗布される。
本発明のコーティング膜に加えて、本発明の別の主題は、反応性フィルムをコーティングした膜を含む、体液の成分を検出するための診断用エレメントである。これに関連して体液とは、特に血液、血清、血漿、尿、唾液、汗などであり、血液が好ましい。検出される成分は、一般に、体液中に検出されるアナライト、特にリポタンパク質複合体の形で血中に存在するCHOL、TG、HDLなどの大きなかつ/または疎水性の分子であるが、それらには、フルクトサミン、クレアチンキナーゼ(CK)、グルタミン酸シュウ酸トランスフェラーゼ(GOT)、グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(GPT)、アミラーゼ、ヘモグロビン、アルブミンも含まれる。
本発明の主題の利点は、(フィルム形成剤の量に基づき)高含有量の充填剤を含む反応性フィルムを膜上にコーティングして、安定した均質な開孔フィルムを作製することが、本発明の方法によって初めて可能になったことである。こうしたフィルムは全血中に含まれる大きな疎水性アナライトを検出するのに特に有利である。膜は血液分離機能を果たし、すなわち、膜は赤血球と場合によってはヘモグロビンを通過させない。その結果、血液の色が光学的方法による後続のアナライト検出を妨げるようなことはない。血清/血漿が速やかにかつ実質的に完全に反応性フィルムに移行するように、膜と検出フィルムとを確実に密着させる。アナライトは数μlの全血で検出することができる。このコーティング方法は自動化されたプロセス(特に、膜にコーティングされた反応性フィルムのラージエリア製造プロセス)に、また、ロールもしくはテープによるプロセスにきわめて適している。
本発明について、以下の実施例および図面を用いてさらに説明する。
図1は、「湿式コーティング」した膜を含む試験片についての、異なるトリグリセリド含有量(65、207、294、494および728 mg/dl)を有する血液サンプルの存在下での動的測定の経時変化を示す。相対反射率(R、%)を時間(t、秒)に対してプロットしてある。
図2は、乾式コーティング膜(2)および湿式コーティング膜(1)についての、血液サンプル中の異なるトリグリセリド濃度(c、mg/dl)での相対反射率(R)を示す。
図中の数字および記号は以下の意味を有する:
1 湿式コーティング膜についての測定曲線
2 乾式コーティング膜についての測定曲線
R 相対反射率
t 時間
c 濃度
実施例1
反応性フィルムを血液分離膜に塗布する方法および全血中のトリグリセリドを検出するための対応する試験デバイス
1. コーティングペーストの調製
a) Gantrez溶液:
35.5 gの水を58.5 gの85 mM リン酸緩衝液(pH 7.5)に加える。1.7 gのMgSO4を添加した後、5.2 gのGantrez S 97 (メチルビニルエーテルと無水マレイン酸のコポリマー、GAF Corporation 化学部門)を小分けして加え、Gantrezが完全に膨潤するまで3時間撹拌する。その後4.5 gの32% NaOH溶液を加えて、さらに30分撹拌した後、0.6 gのPVP (ポリビニルピロリドン25,000)を振りかけ、それが完全に溶解するまでさらに20分撹拌する。続いて、ペースト調製物のpHを32% NaOHでpH 6.7〜7.0に調整する。
b) Symperonic溶液:
1.3 gのSymperonic F68 (ポリオキシエチレン-コ-オキシプロピレン、ICI)を5.3 gの水に溶解させるが、その間20分撹拌する。
c) 17.0 gのPropiofan 70 D (水中のビニルプロピオネートの50%ポリマー分散体、脱モノマーを行ったもの、販売元BASF、Ludwigshafen)をa)に記載したGantrez溶液に加え、30分撹拌した後26.5 gのCelatom MW 25 (多孔質珪藻土、CHEMAG)を10分以内に添加し、さらに20分撹拌した。この調製物にb)に記載したSymperonic溶液を6.6 g添加して、さらに10分撹拌する。
d) Refloblau溶液:
1.7 gのRefloblau (4-(4-ジメチルアミノフェニル)-5-メチル-2-(3,5-ジメトキシ-4-ヒドロキシフェニル)-イミダゾール二塩酸塩、Roche Diagnostics)を、光を遮断して、23.3 gの35℃温水中に、磁気撹拌機上で15分撹拌することにより溶解する。
e) 二酸化チタン/Refloblau部分調製物:
光を遮断しながら、最初に22.5 gの85 mM リン酸緩衝液(pH 7.5)を加え、4.3 gのTiO2 (RN 56、Kronos Titan)を450 rpmの溶解撹拌機を使って5分以内で振りかけ、その後さらに5分撹拌する。次いで、d)で調製したRefloblau溶液25 gをTiO2懸濁液に5分以内で添加し、さらに30分撹拌する。その後、使用するまでTiO2/Refloblau部分調製物を遮光して冷蔵庫内に保管する。
f) ATP溶液:
1.7 gのATP(アデノシン三リン酸; 二ナトリウム塩)を3.3 gの水に溶解する。
g) DONS溶液:
1.3 g DONS(スルホコハク酸ジオクチルナトリウム)を5.3 gのアセトンに溶解する。
h) MPSC溶液:
0.03 gのMPSC(メチルフェニルセミカルバジド)を遮光しながら0.6 gの1-メトキシ-2-プロパノールに溶解する。
i) 酵素溶液:
下記の酵素(凍結乾燥品として提供)を15.9 gの85 mM リン酸緩衝液(pH 7.5)中に順次溶解する。その際のそれぞれの酵素の重さ(量)は用いた酵素バッチの比活性により決まる:
40キロ単位(約1.8 g)のグリセロキナーゼ(EC 2.7.1.30、Bacillus stearothermophilus由来; Roche Diagnostics、カタログ番号0 717 398)
34キロ単位(約2.4 g)のコレステロールエステラーゼ(EC 3.1.1.13、Candida cylindracea由来; Roche Diagnostics、カタログ番号0 129 046)
28.9キロ単位(約0.12 g)のペルオキシダーゼ(EC 1.11.1.7、セイヨウワサビ由来; Roche Diagnostics、カタログ番号0 121 606)
27.8キロ単位(約0.44 g)のL-α-グリセロールリン酸オキシダーゼ(EC 1.1.3.21; 組換え体, Roche Diagnostics、カタログ番号1 582 003)。
j) 最後に、下記の部分調製物をc)からのGantrez/Propiofan/Celatom調製物に撹拌しながら添加する:
6.6 gのDONS溶液、g)で調製したもの
5.0 gのATP溶液、f)で調製したもの
51.8 gのTiO2/Refloblau懸濁液、e)で調製したもの
7.0 gの水、TiO2/Refloblau溶液をすすぐためのもの
11.8 gのCelatom MW 25
0.63 gのMPSC溶液、h)で調製したもの
20.66 gの酵素溶液、i)で調製したもの
2.2 gの85 mM リン酸緩衝液、酵素溶液をすすぐためのもの。
それぞれの部分溶液(Celatomを除く)を添加した後、この調製物を5分撹拌する。Celatomを少量ずつ15分以内に振りかけてから、この調製物をさらに20分撹拌する。
最後に、全調製物(約250 g)を空気の除去のため300 gで20分遠心分離し、次いでこの遠心分離によって沈降したかもしれない固形分をゴム製のワイパーを使って手でゆっくりと再懸濁させる。
その後、コーティングペーストを140μmの検査用ふるいにかけ、穏やかに撹拌しながら10分間再度ホモジナイズする。
コーティングペーストの組成を表1に示す。
Figure 2008523355
コーティングペーストの固体含有率は29%である。全固体含有量に対するフィルム形成剤(Propiofan)の固体含有量のパーセントは12%である。全固体含有量に対するフィルム開孔剤(Celatom)の固体含有量のパーセントは54%である。フィルム開孔剤とフィルム形成剤の比は4.5:1である。
2. 血液分離膜への反応性フィルムの塗布
反応性フィルムを作製するために以下に記載する方法を用いて、セクション1に記載のように調製したコーティングペーストを血液分離膜(BTS-SP-300型; 物品番号955 00 12 0953、Pall GmbH社(63303 Dreieich)から入手)にコーティングする。
a) 最初に、約1メートルの長さの1枚の膜(BTS-SP-300)を、水を満たしたステンレススチール製トラフに通して引き出し、その後膜表面についている過剰の水をゴム製ワイパーで拭き取る。セクション1からのコーティングペーストを、まだ湿っている膜の上に供給速度1.5 m/分、ナイフ間隙150μmでドクターコーティングする。
続いて、この方法でコーティングした膜(以後「湿式コーティング膜」という)を50℃で5分間乾燥させる。
最後に、この膜をカッタースピンドルを使って4.0 mm幅のファインカットロールに切断する。このファインカットロールは使用するまで乾燥した状態で保存する。
b) 比較のために、もう1枚の膜(BTS-SP-300)に同じコーティングペーストを塗布するが、水を満たしたステンレススチール製トラフに膜を前もって通過させない(以後「乾式コーティング膜」という)。
3. 全血中のTGを検出するための試験片機能性モデルの製造
両面接着テープを両側に貼り付けた厚さ約200μmのポリエステルフォイル(いわゆるスペーサー層)を幅5 mm、長さ78 mmの支持フォイル(Melinex)に接着させる。該ポリエステルフォイルから幅1.5 mmの毛細管(毛細管の長さ35 mm)が後続の試験片まで長軸方向に走行する。該試験片はカッティングプロッター(Aristomat 1310型、ARISTO Graphic Systems社製; 22525 Hamburg)を用いて「キスカット」により5.0 mm間隔で前もって切断しておく。メッシュ幅250μmの5 mm×25 mm ポリエステルネット(Petex 07-98/34型、Sefar社製; CH-9410 Heiden)をこのスペーサー/毛細管層に貼り付けて、一方では、毛細管に対する上部境界を形成するようにし、他方では、サンプル/血液が確実に毛細管から上層のアナライト検出ゾーンに送られるようにする。
Scrynellネットをスペーサー層上に配置するが、最初の5 mmの毛細管を該ネットで覆うことなく、サンプル点着ゾーンとして使用できるようにする。
セクション2に記載した方法に従って反応性フィルムをコーティングした血液分離膜(2個のホットメルト接着ビーズを両側に付着させたもの)をScrynellネットの上に配置する(コーティングされていない血液分離膜の面が下方に向き、反応性フィルムが上方に向く)。
この試験片機能性モデルの形状は、欧州特許出願第04 023 734号(2004年10月5日出願)の実施例1および図1に記載した試験片に匹敵する。
4. トリグリセリドを含む血液サンプルを用いた機能性モデルの評価
25μlの血液を試験片機能性モデル上のサンプル点着ゾーン(Scrynellネットの前の毛細管領域)に点着させる。このモデルは反射光度測定により上から(膜の反応性フィルムの面から)測定するもので、主波長660 nmのLEDを装備した光学測定システムを用いて3分間にわたり10秒間隔で測定する。
測定手順を以下に記載する:
サンプルを点着させる前に、反応していない各反応性フィルムの反射率を得るために、周囲の光を遮断しながら試験片を一回測定する。このようにして得られた試験片の「ブランク値」を、その後のサンプル物質の存在下での動的測定のための100%相対反射率(R)と設定する。
25μlの血液を点着させた後、動的測定を直ちに開始する。動的モードで得られた反射率をそれぞれの試験片のブランク値で割り算して、測定時間に対する相対反射率(R、%で表す)としてグラフにプロットする。
図1は、様々なトリグリセリド含有量(65、207、294、494および728 mg/dl)を有する血液サンプルを点着させた試験片(「湿式コーティング」膜を含む)についての、この方法で得られた動的測定の経時変化を示す。
動的測定の経時的曲線が示すとおり、反応性フィルムの発色は所定の測定時間内に最小の反射率(最大の色の深み)に達し、この最小の反射率はサンプル中のアナライト濃度の尺度として以下で選択される。
同一の反応性フィルムを含む「湿式コーティング」および「乾式コーティング」したBTS-SP-300膜について、血液サンプル中のトリグリセリド含有量が増加する順に、最小の相対反射率(%)を下記の表2に示す。
Figure 2008523355
表2に示すように、「湿式コーティング」膜を含む機能性モデルは、同一の反応性フィルムを含む「乾式コーティング」膜よりも全測定域にわたってかなり強い発色(より低い反射率値)をもたらす。
さらに、これらの測定値は、全測定域にわたって達成される反射率範囲(すなわち、トリグリセリド濃度65 mg/dlと728 mg/dlとの間の相対反射率の差)が、「乾式コーティング」膜の反射率範囲(24.1% REM)と比べて、「湿式コーティング」膜において相当に広い(38.6% REM)ことを示している。また、図2に示すグラフも参照されたい。ここで、曲線1は湿式コーティング膜についての測定曲線であり、曲線2は乾式コーティング膜についての測定曲線である。
「湿式コーティング」膜では相当に広い反射率範囲となるため、測定ごとの反射率の変化がより低い濃度変化をもたらし、ひいては機能性モデルのより高い精度につながる。
湿式コーティング膜を含む試験片についての、異なるトリグリセリド含有量(65、207、294、494および728 mg/dl)を有する血液サンプルの存在下での動的測定の経時変化を示す。相対反射率(R、%)を時間(t、秒)に対してプロットしてある。 乾式コーティング膜(2)および湿式コーティング膜(1)についての、血液サンプル中の異なるトリグリセリド濃度(c、mg/dl)での相対反射率(R)を示す。

Claims (16)

  1. マイクロポーラス構造の膜に、固形分を含む反応性フィルムを塗布する方法であって、最初に該膜を湿らせ、それがまだ湿っているうちに該膜に固形分を含む反応性フィルムを塗布することを特徴とする、上記方法。
  2. 前記膜が血液を分離するためのものであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記反応性フィルムがフィルム形成剤、フィルム開孔剤、および任意成分としての遮光性顔料を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. フィルム開孔剤とフィルム形成剤の質量比が10:1〜1:1であることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 前記反応性フィルムを前記膜に、湿らせた後直接塗布することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記膜を浴含浸により湿らせることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 水または水溶液を用いて前記膜を湿らせることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 水または水溶液が界面活性剤を含有することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. 前記反応性フィルムをナイフコーティングまたはスロットダイコーティングにより塗布することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法によって得ることができる、反応性フィルムをコーティングしたマイクロポーラス膜。
  11. フィルム形成剤とフィルム開孔剤を含む反応性フィルムをコーティングしたマイクロポーラス膜であって、フィルム開孔剤とフィルム形成剤の質量比が10:1〜1:1であることを特徴とする、上記マイクロポーラス膜。
  12. フィルム形成剤が耐水性であることを特徴とする、請求項11に記載の膜。
  13. フィルム開孔剤が無機または有機粒状物質であることを特徴とする、請求項11または12に記載の膜。
  14. 前記膜が血液を分離するためのものであることを特徴とする、請求項11、12または13に記載の膜。
  15. フィルム開孔剤とフィルム形成剤の質量比が5:1〜2:1であることを特徴とする、請求項11〜14のいずれか1項に記載の膜。
  16. 請求項10〜15のいずれか1項に記載の反応性フィルムをコーティングした膜を含む、体液の成分を検出するための診断用エレメント。
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