JPH08103296A - 遊離脂肪酸測定用乾式分析要素 - Google Patents

遊離脂肪酸測定用乾式分析要素

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JPH08103296A
JPH08103296A JP24144094A JP24144094A JPH08103296A JP H08103296 A JPH08103296 A JP H08103296A JP 24144094 A JP24144094 A JP 24144094A JP 24144094 A JP24144094 A JP 24144094A JP H08103296 A JPH08103296 A JP H08103296A
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JP
Japan
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group
layer
reagent
free fatty
fatty acids
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Application number
JP24144094A
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English (en)
Inventor
Yoshikazu Amano
芳和 天野
Junko Tadashige
純子 忠重
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 血液等の液体試料に含まれる遊離脂肪酸を高
感度かつ高精度で測定できる乾式分析要素を提供する。 【構成】 少なくとも多孔性展開層、試薬層および水不
透過性支持体がこの順に積層されており、遊離脂肪酸と
反応して過酸化水素を発生させる脂肪酸測定試薬組成物
とペルオキシダーゼとH22発色試薬成分として一般式
〔I〕で示される尿素誘導体を含有することを特徴とす
る遊離脂肪酸測定用乾式分析要素。 【化1】 {式中、R1,R2は夫々独立して4−ジ置換アミノアリ
ール基を示し、R1とR2のアリール基は、酸素又は硫黄
原子を介して互いに結合していてもよく、R3はカルボ
キシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカ
ルボニル基、アリールスルホニル基、スルホアリール基
又はカルボキシアリール基を示す。}

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体試料中、例えば血液
中の遊離脂肪酸の測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】血中の遊離脂肪酸濃度は肝臓疾患、内分
泌に関する疾患、糖尿病など、糖質や脂質の代謝異常に
基づく疾患の指標として有益であり、種々の分析法が開
発されている。例えば、有機溶剤で抽出してアルカリで
中和滴定する方法、硝酸銅とトリエタノールアミンを作
用させて銅塩に変えこれを定量する方法、アデノシン三
リン酸とコエンザイムAの存在下でアシルコエンザイム
Aシンセターゼを作用させて生成したアデノシン一リン
酸を定量する方法等がある。上記のコエンザイムAを使
用する方法ではアシルコエンザイムAシンセターゼを作
用させることによる生成物であるアシルコエンザイムA
にSH試薬の存在下でアシルコエンザイムA酸化酵素を
作用させて酸化し、生じた過酸化水素を測定する方法も
知られている(特開昭57−8797号公報)。
【0003】これらはいずれも湿式分析法であり、乾式
分析法による遊離脂肪酸の測定方法はまだ開発されてい
ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、簡便でありなが
ら分析精度の高い方法として乾式分析要素が開発され、
各種の分析項目が乾式分析要素で分析しうるようになっ
てきている。
【0005】本発明者らは、遊離脂肪酸を定量しうる乾
式分析を開発明するべく種々検討の結果、H22発色系
試薬の使用に注目した。しかしながら、従来H22発色
系試薬として使用されている特開昭53−26188
(対応米国特許4 089 747)等に記載のトリアリ
ールイミダゾールロイコ色素、特開昭59−19335
2(対応EP特許0 122 641B)等に記載のジア
リールイミダゾールロイコ色素などのロイコ色素や4−
アミノアンチピリンと1,7−ジヒドロキシナフタレン
の組合せからなる改良Trinder発色試薬組成物を
用いたのでは全く感度が得られなかった。
【0006】本発明の目的は、血液等の液体試料に含ま
れる遊離脂肪酸を高感度かつ高精度で定量分析できる乾
式分析要素を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の乾式
分析要素を開発するべくさらに検討を進めた結果、H 2
2発色系試薬として特定の尿素誘導体を用いることに
よって上記目的を達成しうることを見出して本発明を完
成するに到った。
【0008】すなわち、本発明は、少なくとも多孔性展
開層、試薬層および水不透過性支持体がこの順に積層さ
れており、遊離脂肪酸と反応して過酸化水素を発生させ
る脂肪酸測定試薬組成物とペルオキシダーゼとH22
色試薬成分として一般式〔I〕で示される尿素誘導体を
含有することを特徴とする遊離脂肪酸測定用乾式分析要
素。
【0009】
【化2】
【0010】{式中、R1,R2は夫々独立して4−ジ置
換アミノアリール基を示し、R1とR2のアリール基は、
酸素又は硫黄原子を介して互いに結合していてもよく、
3はカルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル
基、アルキルカルボニル基、アリールスルホニル基、ス
ルホアリール基又はカルボキシアリール基を示す。}に
関するものである。
【0011】本発明の遊離脂肪酸測定用一体型多層分析
要素の支持体層を構成するものとしては、光透過性でか
つ水不透過性である支持体が好ましい。光透過性・水不
透過性支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ビスフェノールAのポリカルボネート、ポリスチレ
ン、セルロースエステル(例、セルロースジアセテー
ト、セルローストリアセテート、セルロースアセテート
プロピオネート等)等のポリマーからなる厚さ約50μ
mから約1mm、好ましくは約80μmから約300μ
mの範囲のフィルムもしくはシート状の透明支持体を挙
げることができる。
【0012】支持体の表面には必要により下塗層を設け
て、支持体の上に設けられる試薬層と支持体との接着を
強固なものにすることができる。また、下塗層の代り
に、支持体の表面を物理的あるいは化学的な活性化処理
を施して接着力の向上を図ってもよい。
【0013】支持体の上には(場合によっては下塗層等
の他の層を介して)試薬層が設けられる。試薬層はアナ
ライトである遊離脂肪酸と反応して光学的に検出可能な
変化を生じる後述の試薬組成物の少なくとも一部が親水
性ポリマーバインダー中に実質的に一様に分散されてい
る吸水性で水浸透性の層である。
【0014】試薬層のバインダーとして用いることがで
きる親水性ポリマーは、一般には水吸収時の膨潤率が3
0℃で約150%から約2000%、好ましくは約25
0%から約1500%の範囲の天然または合成親水性ポ
リマーである。そのような親水性ポリマーの例として
は、特開昭58−171864号公報および特開昭60
−108753号公報等に開示されているゼラチン
(例、酸処理ゼラチン、脱イオンゼラチン等)、ゼラチ
ン誘導体(例、フタル化ゼラチン、ヒドロキシアクリレ
ートグラフトゼラチン等)、アガロース、プルラン、プ
ルラン誘導体、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドン等をあげることができる。
【0015】試薬層は架橋剤を用いて適宜に架橋硬化さ
れた層とすることができる。架橋剤の例として、ゼラチ
ンに対する1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミ
ド)エタン、ビス(ビニルスルホニルメチル)エーテル
等の公知のビニルスルホン系架橋剤、アルデヒド等、メ
タリルアルコールコポリマーに対するアルデヒド、2個
のグリシジル基含有エポキシ化合物等がある。
【0016】試薬層の乾燥時の厚さは約1μmから約1
00μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは
約3μmから約30μmの範囲である。また試薬層は実
質的に透明であることが好ましい。
【0017】上記試薬層の上に必要に応じて光遮蔽層を
設けることができる。光遮蔽層は、光吸収性または光反
射性(これらを合わせて光遮蔽性という。)を有する微
粒子または微粉末(以下、単に微粒子という)が少量の
被膜形成能を有する親水性ポリマーバインダーに分散保
持されている水透過性または水浸透性の層である。光遮
蔽層は試薬層にて発生した検出可能な変化(色変化、発
色等)を光透過性を有する支持体側から反射測光する際
に、後述する展開層に点着供給された水性液体の色、特
に試料が全血である場合のヘモグロビンの赤色等、を遮
蔽するとともに光反射層または背景層としても機能す
る。
【0018】光反射性を有する微粒子の例としては、二
酸化チタン微粒子(ルチル型、アナターゼ型またはブル
カイト型の粒子径が約0.1μmから約1.2μmの微
結晶粒子等)、硫酸バリウム微粒子、アルミニウム微粒
子または微小フレーク等を挙げることができ、光吸収性
微粒子の例としては、カーボンブラック、ガスブラッ
ク、カーボンミクロビーズ等を挙げることができ、これ
らのうちでは二酸化チタン微粒子、硫酸バリウム微粒子
が好ましい。特に好ましいのは、アナターゼ型二酸化チ
タン微粒子である。
【0019】被膜形成能を有する親水性ポリマーバイン
ダーの例としては、前述の試薬層の製造に用いられる親
水性ポリマーと同様の親水性ポリマーのほかに、弱親水
性の再生セルロース、セルロースアセテート等を挙げる
ことができ、これらのうちではゼラチン、ゼラチン誘導
体、ポリアクリルアミド等が好ましい。なお、ゼラチ
ン、ゼラチン誘導体は公知の硬化剤(架橋剤)を混合し
て用いることができる。
【0020】光遮蔽層は、光遮蔽性微粒子と親水性ポリ
マーとの水性分散液を公知の方法により試薬層の上に塗
布し乾燥することにより設けることができる。また光遮
蔽層を設ける代りに、後述する展開層中に光遮蔽性微粒
子を含有させてもよい。
【0021】なお、試薬層の上に、場合によっては光遮
蔽層等の層を介して、後述する展開層を接着し積層する
ために接着層を設けてもよい。
【0022】接着層は水で湿潤しているとき、または水
を含んで膨潤しているときに展開層を接着することがで
き、これにより各層を一体化できるような親水性ポリマ
ーからなることが好ましい。接着層の製造に用いること
ができる親水性ポリマーの例としては、試薬層の製造に
用いられる親水性ポリマーと同様な親水性ポリマーがあ
げられる。これらのうちではゼラチン、ゼラチン誘導
体、ポリアクリルアミド等が好ましい。接着層の乾燥膜
厚は一般に約0.5μmから約20μm、好ましくは約
1μmから約10μmの範囲である。
【0023】なお、接着層は試薬層上以外にも、他の層
間の接着力を向上させるため所望の層上に設けてもよ
い。接着層は親水性ポリマーと、必要によって加えられ
る界面活性剤等を含む水溶液を公知の方法で、支持体や
試薬層等の上に塗布する方法などにより設けることがで
きる。
【0024】多孔性展開層としては特開昭55−164
356号公報、特開昭57−66359号公報等に記載
の織物布地展開層(例:ブロード、ポプリン等の平織布
地等)、特開昭60−222769号公報等に記載の編
物布地展開層(例:トリコット編布地、ダブルトリコッ
ト編布地、ミラニーズ編布地等)、特開平1−1727
53号公報に記載のアルカリエッチング液でエッチング
処理した織物布地又は編物布地からなる展開層、特開昭
57−148250号公報に記載の有機ポリマー繊維パ
ルプ含有抄造紙からなる展開層;特公昭53−2167
7号公報、米国特許3,992,158等に記載のメンブ
ランフイルタ(ブラッシュポリマー層)、ポリマーミクロ
ビーズ、ガラスミクロビーズ、珪藻土が親水性ポリマー
バインダーに保持されてなる連続微空隙含有多孔性層等
の非繊維等方的多孔性展開層、特開昭55−90859
号公報に記載のポリマーミクロビーズが水で膨潤しない
ポリマー接着剤で点接触状に接着されてなる連続微空隙
含有多孔性層(三次元格子状粒状構造物層)からなる非
繊維等方的多孔性展開層等を用いることができる。
【0025】多孔性展開層に用いられる織物布地、編物
布地又は抄造紙は特開昭57−66359に記載のグロ
ー放電処理またはコロナ放電処理に代表される物理的活
性化処理を布生地又は紙の少なくとも片面に施すか、ま
たは特開昭55−164356、特開昭57−6635
9等に記載の水洗脱脂処理、界面活性剤含浸又は親水性
ポリマー含浸等の親水化処理、またはこれらの処理工程
を適宜に組み合せて逐次実施することにより布地又は紙
を親水化し、下側(支持体に近い側)の層との接着力を
増大させることができる。
【0026】本発明の多層分析要素には、支持体と試薬
層の間に吸水層を設けることができる。吸水層は水を吸
収して膨潤する親水性ポリマーを主成分とする層で、吸
水層の界面に到達または浸透した水性液体試料の水を吸
収できる層であり、全血試料を用いる場合には水性液体
成分である血漿の試薬層への浸透を促進する作用を有す
る。吸水層に用いられる親水性ポリマーは前述の試薬層
に使用されるもののなかから選択することができる。吸
水層には一般的にはゼラチンまたはゼラチン誘導体、ポ
リアクリルアミド、ポリビニルアルコール、特に前述の
ゼラチン又は脱イオンゼラチンが好ましく、試薬層と同
じ前述のゼラチンが最も好ましい。吸水層の乾燥時の厚
さは約3μmから約100μm、好ましくは約5μmか
ら約30μmの範囲、被覆量では約3g/m2から約1
00g/m2、好ましくは約5g/m2から約30g/m
2の範囲である。吸水層には後述するpH緩衝剤、公知
の塩基性ポリマー等を含有させて使用時(分析操作実施
時)のpHを調節することができる。さらに吸水層には
公知の媒染剤、ポリマー媒染剤等を含有させることがで
きる。
【0027】一方、血球分離層を展開層の上に別異の層
として載置するか、あるいは展開層と一体化して設ける
こともできる。血球分離層としては特開昭61−495
9(US5 019 347)、特開昭62−13875
7(EP0 226 465A)、特開平03−1665
1(EP0 382 207A)、特開平03−2629
67等の記載の、少なくとも3層の多孔性層が、支持体
側から第1の繊維質多孔性層、非繊維質多孔性層、第2
の繊維質多孔性層の順に、それぞれ隣接する界面の間
で、液体の一様透過が実質的に妨げられない微少貫通部
が形成されるように部分的に配置された接着剤により実
質的に密着した状態で接着積層されて一体化した複数の
多孔性層の積層構造物層(この接着を部分接着又は多孔
性接着という)、特開平03−131757(EP0
423 784A)に記載のフィラメント平均直径0.
2μm〜10μmの微細繊維からなる不織布の単一層又
はその支持体側に繊維質又は非繊維質多孔性層が部分接
着(又は多孔性接着)された複数の多孔性層の積層構造
物層、特開平03−131758(EP0 423 78
4A)に記載のフィラメント平均直径1μm〜30μ
m、平均繊維長0.5mm〜5.0mmの繊維を立毛さ
せた織物布地又は編物布地の単一層又はその支持体側に
繊維質又は非繊維質多孔性層が部分接着(又は多孔性接
着)された複数の多孔性層の積層構造物層、特開平03
−131759(EP0 423 784A)に記載のフ
ィラメント平均直径0.1μm〜7μmの微細繊維から
なる織物布地又は編物布地の単一層又はその支持体側に
繊維質又は非繊維質多孔性層が部分接着(又は多孔性接
着)された複数の多孔性層の積層構造物層、特開昭57
−53661(EP0 045 476A)、特開昭61
−96466(EP0 159727A)等の記載の繊
維質又は非繊維質の多孔性層の上(支持体から遠い側)
にガラス繊維濾紙を載置した積層構造物層があげられ
る。これらの血球分離層が展開層の機能を有する態様に
おいては、展開層を別個に設ける必要がないことはいう
までもない。血球分離層を乾燥分析要素の最上層に設け
るとにより、全血試料を適用して遊離脂肪酸の正確な定
量分析をすることができる。
【0028】本発明の一体型多層分析要素に組み込まれ
る呈色試薬組成物は遊離脂肪酸と反応して過酸化水素を
発生させる脂肪酸測定試薬組成物と、H22発色試薬成
分として一般式〔I〕で示される尿素誘導体とペルオキ
シダーゼからなる。
【0029】一般式〔I〕
【化3】
【0030】{式中、R1,R2は夫々独立して4−ジ置
換アミノアリール基を示し、R1とR2のアリール基は、
酸素又は硫黄原子を介して互いに結合していてもよく、
3はカルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル
基、アルキルカルボニル基、アリールスルホニル基、ス
ルホアリール基又はカルボキシアリール基を示す。}で
示される尿素誘導体は過酸化水素等の酸化物質の発色試
薬として開発されたものであり、その詳細は特開昭63−
246356号公報に説明されている。該尿素誘導体に於い
て、R1,R2で示される4−ジ置換アミノアリール基に
於けるジ置換アミノ基
【0031】
【化4】
【0032】及び
【化5】
【0033】の置換基R4〜R7としては、例えばアルキ
ル基、カルボキシルアルキル基、ヒドロキシアルキル
基、アルコキシアルキル基(これらアルキル基、置換ア
ルキル基のアルキル基としては、例えばメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基等
炭素数1〜6の低級アルキル基(直鎖状、分岐状のいず
れにても可。)が挙げられ、アルコキシアルキル基のア
ルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、ブトキシ基、アミルオキシ基、ヘキシル
オキシ基等炭素数1〜6の低級アルコキシ基(直鎖状、
分岐状のいずれにても可。)が挙げられる。カルボキシ
アルキル基はカルボキシル基の部分が、ナトリウム、カ
リウム、リチウム等のアルカリ金属塩、又はアンモニウ
ム塩等の塩の形になっていてもよい。)等が挙げられ、
4とR5、R6とR7は夫々同じであっても異なっていて
もよい。またR4とR5又は/及びR6とR7が互いに結合
して、R4,R5及びNとで又は/及びR6,R7及びNと
で、例えばピペリジン環の如き環を形成していてもよ
い。4−ジ置換アミノアリール基のアリール基としては
フェニル基、置換フェニル基(例えばトリル基、メトキ
シフェニル基等)、ナフチル基、置換ナフチル基(例え
ばメチルナフチル基、メトキシナフチル基等)等が挙げ
られる。R1とR2のアリール基は、また、酸素又は硫黄
原子を介して、例えば
【0034】
【化6】
【0035】X:S又はOの如く互いに結合していても
よい。また、R3で示される、カルボキシアルキル基、
アルキルカルボニル基のアルキル基としては、例えばメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、
ヘキシル基等炭素数1〜6のアルキル基(直鎖状、分岐
状のいずれにても可。)が挙げられ、アルコキシカルボ
ニル基のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エ
トキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、アミルオキシ
基、ヘキシルオキシ基等炭素数1〜6のアルコキシ基
(直鎖状、分岐状のいずれにても可。)が挙げられる。
アリールスルホニル基、スルホアリール基、カルボキシ
アリール基のアリール基としては、例えばフェニル基、
置換フェニル基(例えばトリル基、メトキシフェニル基
等)、ナフチル基、置換ナフチル基(例えばメチルナフ
チル基、メトキシナフチル基)等が例示される。R3
しては、これらカルボキシアルキル基、アルコキシカル
ボニル基、アルキルカルボニル基、アリールスルホニル
基、スルホアリール基、カルボキシアリール基等が通常
好ましく用いられるが、これらに限定されるものではな
く、一般に知られている親水性を有する官能基や極性の
高い構造を有する官能基を導入することも勿論可能であ
る。
【0036】本発明で特に好ましいものは上記の一般式
〔II〕で示されるものであり、R4〜R7がいずれも炭素
数1〜6の低級アルキル基のものが特に好ましい。市販
品の例としては下記構造のもの(「DA−67」,和光
純薬工業(株)製品)がある。
【0037】
【化7】
【0038】ペルオキシダーゼ(EC1.11.1.
7)はその由来等は問うところではなく、その至適p
H、入手の安易等を考慮して適当なものを選択すればよ
い。好ましいペルオキシダーゼの具体例として西洋わさ
びペルオキシダーゼである。
【0039】遊離脂肪酸と反応して過酸化水素を発生さ
せる脂肪酸測定試薬組成物としては、例えばアデノシン
三リン酸、コエンザイムA(CoA)、アシルCoAシ
ンセターゼ、SH試薬、およびアシルCoAオキシダー
ゼからなる特開昭57−8797号公報開示のものがあ
る。SH試薬とは、−SH基を有する化合物であるCo
Aの還元作用を抑制する化合物を意味し、例えばマレイ
ミド誘導体、ヨードアセトアミドがあげられる。遊離脂
肪酸と反応して過酸化水素を発生させる脂肪酸測定試薬
組成物のほかの例としては特開昭56−158097に
記載の、アシルCoA合成酵素(シンセターゼ)(EC
6.2.1.3)、アシルCoA酸化酵素(オキシダー
ゼ)(EC1.3.3.X)、アデノシン三燐酸、Mg
2+イオンを含む遊離脂肪酸測定試薬組成物とペルオキシ
ダーゼ、H22発色試薬組成物、酸性試薬(例:塩酸、
硫酸等の無機酸、酢酸、枸櫞酸、蓚酸等の有機酸のいず
れか)を含む酸性のH22発色試薬組成物の2試薬系を
用いる還元性物質の影響を低減させた遊離脂肪酸測定方
法に用いられる遊離脂肪酸測定試薬組成物等挙げること
ができる。
【0040】本発明の遊離脂肪酸測定用乾式分析要素に
含有させる呈色試薬組成物の含有量としては、一般式
〔I〕で示される尿素誘導体が約10mg/m2〜約2
0g/m2程度、好ましくは約100mg/m2〜約1.
0g/m2程度、ペルオキシダーゼが約1000U/m2
〜約200KU/m2程度、好ましくは約3000U/
2〜約50KU/m2程度が適当である。脂肪酸測定試
薬組成物として、アデノシン三リン酸約1.0g/m2
〜約100g/m2程度、好ましくは約2.0g/m2
約50g/m2程度、コエンザイムA約100mg/m2
〜約10g/m2程度、好ましくは約200mg/m2
約8.0g/m2程度、アシルCoAシンセターゼ約1
000U/m2〜約30KU/m2程度、好ましくは約2
000U/m 2〜約20KU/m2程度、アシルCoAオ
キシダーゼ約100U/m2〜約20KU/m2程度、好
ましくは約200U/m2〜約15KU/m2程度、Mg
2+イオン約20mg/m2〜約1.0g/m2程度、好ま
しくは約40mg/m2〜約600mg/m2程度が適当
である。
【0041】この試薬組成物は全てを試薬層に含有させ
てもよく、また、一部を展開層等他の層に含有させても
よい。その場合、H22発生試薬組成物はひとまとめに
し、尿素誘導体とペルオキシダーゼも同じ層に含有させ
ることが好ましい。好ましい態様のひとつは脂肪酸測定
試薬組成物を展開層に、そして尿素誘導体とペルオキシ
ダーゼを試薬層に含有させるものである。呈色試薬組成
物全体を展開層に含有させることもできる。
【0042】本発明の分析要素には、その他の試薬も加
えることができる。このような試薬には緩衝剤、界面活
性剤等がある。別の態様として、シアルCoAオキシダ
ーゼ以外の脂肪酸測定試薬組成物の成分を展開層に含有
させ、シアルCoAオキシダーゼ、尿素誘導体及びペル
オキシダーゼを試薬層に含有させることもできる。
【0043】本発明の分析要素に含有させることができ
る緩衝剤の例としては、炭酸塩、ホウ酸塩、燐酸塩、ト
リス塩およびグッド(Good)の緩衝剤などの公知の
緩衝剤を挙げることができる。これらの緩衝剤は「蛋白
質・酵素の基礎実験法」(梶尾武一他,南江堂,198
1)等の公知文献を参考にして選択し、使用することが
できる。含有量は一体型多層分析要素で通常使用されて
いる量と同程度でよく、約100mg/m2〜約5.0
g/m2の範囲、好ましくは約500mg/m2〜約3.
0g/m2の範囲である。
【0044】本発明の分析要素の展開層又は試薬層には
界面活性剤、例えばノニオン性界面活性剤を含有させる
ことができる。ノニオン性界面活性剤の具体例として、
p−オクチルフェノキシンポリエトキシエタノール、p
−ノニルフェノキシポリエトキシエタノール、ポリオキ
シエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンソル
ビタンモノラウレート、p−ノニルフェノキシポリグリ
シドール、オクチルグルコシド等がある。これらのノニ
オン性界面活性剤のうちでは、p−オクチルフェノキシ
ポリエトキシエタノール、p−ノニルフェノキシポリエ
トキシエタノール、p−ノニルフェノキシポリグリシド
ールなどが好ましい。ノニオン性界面活性剤を展開層に
含有させることにより水性液体試料の展開作用(メータ
リング作用)がより良好になる。ノニオン性界面活性剤
を吸水層に含有させることにより分析操作時に水性液体
試料中の水が吸水層に実質的に一様に吸収されやすくな
り、また展開層との液体接触が迅速にかつ実質的に一様
になる。
【0045】また、展開層には親水性ポリマーも含有さ
せることができる。この親水性ポリマーには、澱粉、セ
ルロース、アガロース、ゼラチンおよびこれらの誘導体
(例、ヒドロキシメチル化およびヒドロキシプロピル化
等)、アクリルアミド重合体、アクリルアミドと各種ビ
ニル性モノマーとの共重合体、ビニルピロリドン重合
体、ビニルピロリドンと各種ビニル性モノマーとの共重
合体、アクリレート重合体およびアクリレートと各種ビ
ニル性モノマーとの共重合体等を挙げることができる。
上記親水性ポリマーのうちではビニルピロリドン誘導体
が好ましい。
【0046】本発明の一体型多層分析要素は、一辺約1
0mmから約30mmの正方形またはほぼ同サイズの円
形等の小片に裁断し特開昭57−63452号、特開昭
54−156079号、実開昭56−142454号、
実開昭58−32350号および特開昭58−5011
44号各公報等に開示のスライド枠等に納めて分析スラ
イドとして用いるのが製造、包装、輸送、保存および測
定操作等の全ての観点で好ましい。
【0047】本発明の一体型多層分析要素は、前述の諸
公報に開示の方法に従い約5μlから約30μl、好ま
しくは約8μlから約15μlの水性液体試料を多孔性
展開層に点着供給し、必要に応じて約20℃から約45
℃の範囲の実質的に一定の温度でインクベーションの後
に、光透過性支持体側から一体型多層分析要素内の色変
化、発色等の検出可能な変化を反射測光し比色法の原理
により液体試料中の測定対象成分を分析する。
【0048】
【実施例】ゼラチン下塗り層が設けられている厚さ18
0μmの無色透明ポリエチレンテレフタレート(PE
T)平滑フィルムシート(支持体)上に表1記載の被覆
量になるようにして試薬層塗布液を塗布し、さらにそれ
を乾燥させて試薬層を設けた。
【0049】
【表1】 *:10−(Carboxymethylaminocarbonyl)−3,7−bis(dim
ethylamino)phenothiazine sodium salt **:1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エ
タン
【0050】ついで、この試薬層の上に30g/m2
割合で水を供給して湿潤させた後、トリコット編物布地
(ポリエチレンテレフタレート紡績糸製40ゲージ)を
ほぼ一様に軽く圧力をかけてラミネートして多孔性展開
層を設けた。
【0051】次に、この展開層の上から、下記の表2に
記載の被覆量になるようにほぼ一様に塗布し、さらにそ
れを乾燥させて遊離脂肪酸測定用一体型乾式多層分析要
素を作製した。
【0052】
【表2】 ***:Piperazine−N,N'−bis(2−ethanesulfonic aci
d)
【0053】比較例 比較対照として実施例の試薬水溶液の組成(表1)の代
わりに下記表3の組成の溶液を用い、他は実施例と同様
にして遊離脂肪酸測定用分析要素(比較例)を作製し
た。
【0054】
【表3】 *:2−(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニ
ル)−4−フェネチル−5−(4−ジメチルアミノフェ
ニル)イミダゾール **:1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エ
タン
【0055】測定例1 本発明の実施例及び比較例の分析要素の定量性能を調べ
るために以下の試験を実施した。
【0056】表4に示した各濃度のオレイン酸水溶液
を、実施例および比較例の分析要素にそれぞれ10μl
ずつ点着した。各分析要素を37℃にて6分間インキュ
ベーションした後波長650nmにて支持体側からの反
射濃度(ODr)を測定し、盲検ODrを差し引いた値
(dODr)を算出した。結果を表4に示す。
【0057】
【表4】
【0058】表4の結果を検量線としてグラフ化すると
図1のようになる。図中、●は実施例品を用いて得られ
たものであり、○は比較例品を用いて得られたものであ
る。表4および図1から本発明である実施例では単位ア
ナライトに対する反射光学濃度値が充分大きく、比較例
に比べ定量感度が良好であり分析要素として適当である
ことが明らかである。又、表5に示す濃度のオレイン酸
水溶液を用いてn=6でCVを測定した。
【0059】
【表5】
【0060】表5の結果より本実施例は比較例に比べ明
らかにCVが良好であることが判る。
【0061】測定例2 さらに血清試料における本発明の定量性能を確認するた
めに以下の試験を実施した。
【0062】本例と同測定反応法利用遊離脂肪酸測定市
販キットを用い遊離脂肪酸濃度を検定した市販コントロ
ール血清を用い、測定例1と同様の測定を行い検量線を
作成した。結果を図2に示す。
【0063】図2から明らかなように本発明の一体型乾
式多層分析要素により遊離脂肪酸水溶液のみならず血清
試料中の遊離脂肪酸を測定することが可能である。
【0064】
【発明の効果】本発明の分析要素を用いることにより液
体試料中の遊離脂肪酸を簡便に、高感度かつ高精度で測
定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例及び比較例の分析要素による
測定例1の結果を示す検量線である。
【図2】 本発明の実施例による測定例2の結果を示す
検量線である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも多孔性展開層、試薬層および
    水不透過性支持体がこの順に積層されており、遊離脂肪
    酸と反応して過酸化水素を発生させる脂肪酸測定試薬組
    成物とペルオキシダーゼとH22発色試薬成分として一
    般式〔I〕で示される尿素誘導体を含有することを特徴
    とする遊離脂肪酸測定用乾式分析要素。 【化1】 {式中、R1,R2は夫々独立して4−ジ置換アミノアリ
    ール基を示し、R1とR2のアリール基は、酸素又は硫黄
    原子を介して互いに結合していてもよく、R3はカルボ
    キシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカ
    ルボニル基、アリールスルホニル基、スルホアリール基
    又はカルボキシアリール基を示す。}
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