JP2008282763A - 積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペースト - Google Patents

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Abstract

【課題】セラミックグリーンシートとの接着性が高く、かつ、印刷性に優れる積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペーストを提供する。
【解決手段】ポリビニルアセタール樹脂を含有する有機バインダー、有機溶剤、金属粉末及び脂肪酸アミドを含有する積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペースト。
【選択図】なし

Description

本発明は、セラミックグリーンシートとの接着性が高く、かつ、印刷性に優れる積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペーストに関する。
種々の分野において導電粉末等の無機粉末を分散させた導電ペーストを塗工した後、焼成することにより、精密な導電膜等を調製する方法が行われており、例えば、このような導電ペーストを使用した積層セラミックコンデンサ等の積層型の電子部品は、特許文献1又は特許文献2に開示されているように、一般に次のような工程を経て製造されている。
まず、ポリビニルブチラール樹脂やポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂等のバインダー樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に可塑剤、分散剤等を添加した後、セラミック原料粉末を加え、ボールミル等により均一に混合し、脱泡後に一定粘度を有するセラミックスラリー組成物を得る。このスラリー組成物をドクターブレード、リバースロールコーター等を用いて、離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム又はSUSプレート等の支持体面に流延成形する。これを加熱等により、溶剤等の揮発分を溜去させた後、支持体から剥離してセラミックグリーンシートを得る。
次に、得られたセラミックグリーンシート上に内部電極となる導電ペーストをスクリーン印刷等により塗布したものを交互に複数枚積み重ね、加熱圧着して積層体を得、この積層体中に含まれるバインダー成分等を熱分解して除去する処理、いわゆる脱脂処理を行った後、焼成して得られるセラミック焼成物の端面に外部電極を焼結する工程を経て積層セラミックコンデンサが得られる。
このとき、内部電極を形成するのに用いる導電ペーストとしては、通常、特許文献1に記載のように、パラジウムやニッケル等の金属材料、有機溶剤、エチルセルロース等のバインダー樹脂を含有するものが使用される。
しかしながら、近年積層セラミックコンデンサには更なる高容量化が求められており、より一層の多層化、薄膜化が検討されている。このように極めて薄膜化が進んだ積層セラミックコンデンサを、従来のエチルセルロースをバインダー樹脂とした導電ペーストを用いて製造した場合、ポリビニルアセタール樹脂をバインダー樹脂として用いたセラミックグリーンシートとの接着性が劣るため、いわゆるデラミネーションと呼ばれる層間剥離が発生しやすく、また、エチルセルロース自体の熱分解性が劣るため、上記積層体を脱脂処理した場合、焼成後にカーボン成分が残留し、電気特性を損なうといった問題点があった。
これに対して、近年はバインダー樹脂としてポリビニルアセタール樹脂を用いた導電ペーストが実用化されており、このような導電ペーストを使用することで、層間剥離の発生を効果的に防止することができる。しかしながら、ポリビニルアセタール樹脂をバインダー樹脂とした導電ペーストは、印刷特性が低く、スクリーン印刷により導電ペーストを印刷しようとすると、にじみが発生してしまい、小形状(例えば1005サイズ以下)のコンデンサーを作製する場合に用いることができなかった。
従って、バインダー樹脂として、セラミックグリーンシートとの接着性に優れるポリビニルアセタール樹脂を使用可能で、かつ、印刷性に優れる積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペーストが求められていた。
特公平3−35762号公報 特公平4−49766号公報
本発明は、セラミックグリーンシートとの接着性が高く、かつ、印刷性に優れる積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペーストを提供することを目的とする。
本発明は、ポリビニルアセタール樹脂を含有する有機バインダー、有機溶剤、金属粉末及び脂肪酸アミドを含有することを特徴とする積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペーストである。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペーストにおいて、有機バインダーとしてのポリビニルアセタール樹脂に加えて、脂肪酸アミドを添加することで、セラミックグリーンシートとの接着性を向上させることができ、かつ、スクリーン印刷等を行った後、にじみが発生しににくく、印刷性を大幅に高めることが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペースト(以下、単に導電ペーストともいう)は、ポリビニルアセタール樹脂を含む有機バインダーを含有する。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度の好ましい下限は70モル%である。70モル%未満であると、印刷性が低下し、所望の印刷形状を形成できないことがある。
なお、本明細書において、アセタール化度とは、ポリビニルアルコールの水酸基数のうち、アセタール化された水酸基数の割合のことであり、アセタール化度の計算方法としては、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基が2個の水酸基からアセタール化されて形成されていることから、アセタール化された2個の水酸基を数える方法を採用してアセタール化度のモル%を算出する。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、残存アセチル基量の好ましい上限は6モル%である。6モル%を超えると、原料のポリビニルアルコールの溶解性が低下し、アセタール化反応が困難となる。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、残存水酸基量の好ましい上限が24モル%である。24モル%を超えると、有機溶剤への溶解性が低下することがある。
上記ポリビニルアセタール樹脂の重合度としては特に限定されないが、好ましい下限は300、好ましい上限は2400である。300未満であると、得られる塗膜が強度に劣るものとなることがあり、2400を超えると、得られる導電ペーストの粘度が高くなりすぎ、ハンドリング性が悪化することがある。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアセタ−ル化して得られる。
上記アセタール化の方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができ、例えば、塩酸等の酸触媒の存在下で、上記ポリビニルアルコールの水溶液に各種アルデヒドを添加する方法等が挙げられる。
上記アセタール化に用いるアルデヒドとしては特に限定されず、例えば、ホルムアルデヒド(パラホルムアルデヒドを含む)、アセトアルデヒド(パラアセトアルデヒドを含む)、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられる。なかでも、アセトアルデヒド及び/又はブチルアルデヒドを用いてアセタール化することが好ましい。これらのアルデヒドは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、変性ポリビニルアルコールをアセタール化してなる変性ポリビニルアセタール樹脂であることが好ましい。
上記変性ポリビニルアルコールのエチレン単位の含有量の好ましい下限は1モル%、好ましい上限は20モル%である。1モル%未満であると、得られる導電ペーストの金属粉末の分散性が低下したり、印刷性が低下したりすることがある。20モル%を超えると、上記変性ポリビニルアルコールの水溶性が低下するため、アセタール化反応が困難になったり、得られた変性ポリビニルアセタール樹脂の有機溶剤への溶解性が低下するため、導電ペースト作製に支障が出たり、経時粘度安定性が悪化したりすることがある。
上記ポリビニルアセタール樹脂を製造する際に用いられるポリビニルアルコール又は変性ポリビニルアルコールのケン化度の好ましい下限は80モル%である。80モル%未満であると、水溶性が悪化するためアセタール化が困難になり、また、水酸基量が少なくなるためアセタール化自体が困難になる。
本発明の導電ペーストにおけるポリビニルアセタール樹脂の含有量の好ましい下限は、金属粉末100重量部に対して3重量部、好ましい上限は10重量部である。3重量部未満であると、セラミックグリーンシートに対する接着性が不充分となる。10重量部を超えると、粘度が高くなりすぎ、印刷性が不充分となることがある。
本発明では、有機バインダーとして、上記ポリビニルアセタール樹脂を含有するものを用いるが、上記有機バインダーとして、上記ポリビニルアセタール樹脂以外に他の樹脂を併用して用いてもよく、例えば、従来から積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペーストに用いられるエチルセルロースの他、アクリル樹脂も用いることができる。
本発明の積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペーストは、脂肪酸アミドを含有する。
上記脂肪酸アミドを含有することで、本発明の積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペーストにチクソトロピー性を付与することができる。これにより、高せん断速度域では容易に流動し、低せん断速度域では流動しにくい性質を導電ペーストに与えることができ、高せん断速度域における粘度と低せん断速度域における粘度の比を大きくすることができる。その結果、印刷直後の導電ペーストが流動しにくくなり、にじみを抑制することができる。
本発明では、上記ポリビニルアセタール樹脂と脂肪酸アミドとを併用することにより、セラミックグリーンシートとの接着性を確保しつつ、優れた印刷性を有する導電ペーストとすることができる。
上記脂肪酸アミドとしては、例えば、酢酸アミド、酪酸アミド、プロピオン酸アミド、吉草酸アミド、ヘキサン酸アミド、ヘプチル酸アミド、オクタン酸アミド、デカン酸アミド、ノナン酸アミド、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、N,N’−エチレンビスラウリン酸アミド、N,N’−メチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−エチレンビスベヘン酸アミドN,N’−エチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’−ブチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−キシリレンビスステアリン酸アミド、ステアリン酸モノメチロールアミド、ヤシ脂肪酸モノエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N−オレイルオレイン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸、N,N’−ジステアリルセバシン酸アミド、N,N’−ジステアリルテレフタル酸アミド及びN,N’−ジステアリルイソフタル酸アミド等から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
本発明の導電ペーストにおける脂肪酸アミドの含有量の好ましい下限は、金属粉末100重量部に対して0.1重量部、好ましい上限は5重量部である。0.1重量部未満であると、低せん断速度域での粘度が小さくなり、高せん断速度域における粘度と低せん断速度域における粘度の比が小さくなるため、にじみ不良が発生しやすくなる。5重量部を超えると、低せん断速度域での粘度が大きくなり、高せん断速度域における粘度と低せん断速度域における粘度の比が大きくなるため、スクリーン印刷後のレベリング性が劣り、印刷膜の表面粗さが大きくなることから、得られる積層セラミックコンデンサにショートが発生しやすくなる。
上記有機溶剤としては特に限定されないが、ジヒドロターピネオール、ジヒドロターピネオールアセテート、ジヒドロターピニルオキシエタノール、ジヒドロターピニルメチルエーテル、ターピネオールアセテート、ターピニルオキシエタノール、ターピニルメチルエーテル、ジヒドロカルビルアセテート、カルビルアセテート、ヘキサン酸エチル、酢酸2−エチルヘキシル、2−エチルヘキシルアルコール、2−オクチルアルコール、n−オクチルアルコール、3,5,5−トリメチルヘキシルアルコール、ノニルアルコール等からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
これらの有機溶剤を用いることにより、導電ペーストをセラミックグリーンシートに塗工した場合に、セラミックグリーンシートに含まれるバインダー成分を溶解するシートアタック現象を効果的に防止することができる。
また、上述した有機溶剤を用いる場合は、同時に、残存水酸基量が24モル%以下のポリビニルアセタール樹脂を含有する有機バインダーを用いることが好ましい。
一般的に、セラミックグリーンシートのバインダー樹脂として用いられるポリビニルアセタール樹脂は、得られるセラミックグリーンシートを高強度とする目的から、高い水素結合性が得られるように残存水酸基量が30モル%以上のものが用いられている。上述した有機溶剤を用いた場合、乾燥工程にて温度を上げた場合においても、残存水酸基量が高いセラミックグリーンシートに使用のポリビニルアセタール樹脂は溶解せず、シートアタック現象の発生を抑制できる。一方で、有機バインダーとして、残存水酸基量が24モル%以下のポリビニルアセタール樹脂を含有するものを用いることで、有機溶剤に対する溶解性は低下せず、有機バインダーとして好適に使用することができる。
上記金属粉末としては充分な導電性を示すものであれば特に限定されず、例えば、ニッケル、パラジウム、白金、金、銀、銅やこれらの合金等からなる粉末等が挙げられる。これらの金属粉末は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペーストでは、上記金属粉末を均一に分散させるため、分散剤を用いてもよい。
上記分散剤としては特に限定されず、例えば、脂肪酸、脂肪族アミン、アルカノールアミド、リン酸エステル、脂肪族アミノ酸塩酸、ポリカルボン酸系化合物等が挙げられる。
上記脂肪酸としては特に限定されず、例えば、ベヘニン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、カプリン酸、カプリル酸、ヤシ脂肪酸等の飽和脂肪酸;オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ソルビン酸、牛脂脂肪酸、ヒマシ硬化脂肪酸等の不飽和脂肪酸等が挙げられる。なかでも、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が挙げられる。
上記脂肪族アミンとしては特に限定されず、例えば、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、アルキル(ヤシ)アミン、アルキル(硬化牛脂)アミン、アルキル(牛脂)アミン、アルキル(大豆)アミン等が挙げられる。
上記アルカノールアミドとしては特に限定されず、例えば、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド、牛脂脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等が挙げられる。
上記リン酸エステルとしては特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルが挙げられる。
上記脂肪族アミノ酸塩酸としては特に限定されず、例えば、ラウロイルサルコシン酸、ステアリルサルコシン酸、ミリスルトイルサルコシン酸、オレオイルサルコシン酸、ヤシ油脂肪酸サルコシン酸、パルミトイルサルコシン酸、ラウロイルメチルアラニン等が挙げられる。なかでも、ラウロイルサルコシン酸、ステアリルサルコシン酸、オレオイルサルコシン酸等が挙げられる。
上記ポリカルボン酸系化合物としては特に限定されず、例えば、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸アミン、ポリカルボン酸アミン縮合物、ポリカルボン酸縮合物、ポリカルボン酸エステル、ポリカルボン酸エステル縮合物等が挙げられる。
本発明の積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペーストは、本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤、潤滑剤、帯電防止剤等の従来公知の添加剤を含有してもよい。
本発明の積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペーストは、粘度計を用い、せん断速度を0.1s−1として測定した場合の粘度(η1)と、せん断速度を100s−1とした場合の粘度(η2)との比(η1/η2)の好ましい下限が7、好ましい上限が20である。7未満であると、印刷時において、にじみが発生しやすくなり、20を超えると、スクリーン印刷を行った後に形成される印刷層のレベリング性が低下し、表面粗さが大きくなる。その結果、得られる積層セラミックコンデンサにショートが発生しやすくなる。
なお、本明細書において、上記粘度(η1)及び粘度(η2)は、回転式粘度計を用い、冶具としてパラレルプレートを使用し、20℃で測定した粘度である。
本発明の積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペーストを製造する方法としては特に限定されず、例えば、上記有機バインダー、有機溶剤、金属粉末、脂肪酸アミド及び必要に応じて添加する各種添加剤をブレンダーミル、3本ロール等の各種混合機を用いて混合する方法等が挙げられる。
本発明によれば、有機バインダーとしてのポリビニルアセタール樹脂に加えて、脂肪酸アミドを用いることで、セラミックグリーンシートとの接着性を向上させることができ、かつ、スクリーン印刷等の印刷性に優れる積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペーストを提供できる。
以下に本発明の実施例を挙げて更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)変性ポリビニルアセタール樹脂の調製
重合度1700、エチレン含有量5モル%、ケン化度98モル%の変性ポリビニルアルコール193gを純水2900gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌することにより溶解した。得られた溶液を28℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸20gとn−ブチルアルデヒド115gとを添加し、液温を20℃に下げてこの温度を保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、液温を30℃、5時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いてアセタール化度を測定したところ、ブチラール化度は75モル%であった。
(2)導電ペーストの調製
金属粉末としてのニッケル粉(三井金属社製、「2020SS」)100重量部に対して、得られた変性ポリビニルアセタール樹脂7重量部と、ステアリン酸アミド1重量部と、n−オクチルアルコール80重量部とを混合した後、三本ロールで混練して導電ペーストを得た。
(実施例2)
ステアリン酸アミド0.3重量部を添加したこと以外は実施例1と同様にして導電ペーストを作製した。
(実施例3)
ステアリン酸アミド1重量部を添加したこと以外は実施例1と同様にして導電ペーストを作製した。
(実施例4)
ステアリン酸アミド3重量部を添加したこと以外は実施例1と同様にして導電ペーストを作製した。
(実施例5)
ステアリン酸アミド5重量部を添加したこと以外は実施例1と同様にして導電ペーストを作製した。
(実施例6)
ステアリン酸アミドに代えてラウリン酸アミド0.1重量部を添加した以外は実施例1と同様にして導電ペーストを作製した。
(実施例7)
ステアリン酸アミドに代えてラウリン酸アミド1重量部を添加した以外は実施例1と同様にして導電ペーストを作製した。
(実施例8)
ステアリン酸アミドに代えてラウリン酸アミド5重量部を添加した以外は実施例1と同様にして導電ペーストを作製した。
(比較例1)
ステアリン酸アミドを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして導電ペーストを作製した。
(比較例2)
バインダー樹脂として変性ポリビニルアセタール樹脂の代わりにエチルセルロース(ダウケミカル社製STD−20)を金属粉末100重量部に対して7重量部添加したこと以外は実施例1と同様にして導電ペーストを作製した。
(評価)
実施例1〜8及び比較例1〜2で作製した導電ペーストについて以下の方法により評価を行った。
(セラミックグリーンシートの作製)
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業製、エスレックB「BM−2」、重合度850)10重量部を、トルエン30重量部とエタノール15重量部との混合溶剤に加え、攪拌溶解し、更に、可塑剤としてジブチルフタレート3重量部を加え、攪拌溶解した。得られた樹脂溶液に、セラミック粉末としてチタン酸バリウム(堺化学工業製「BT−01(平均粒径0.1μm)」)100重量部を加え、ボールミルで48時間混合してセラミックスラリー組成物を得た。得られたスラリー組成物を、離型処理したポリエステルフィルム上に、乾燥後の厚みが約1μmになるように塗布し、常温で1時間風乾し、熱風乾燥機、80℃で3時間、続いて120℃で2時間乾燥させてセラミックグリーンシートを得た。
(1)粘度
得られた導電ペーストについて、レオメータ(レオロジカインスツルメンツ社製:直径10mmのパラレルプレート使用)を用い、せん断速度500s−1のプレシェアを1分間行った後、せん断速度100s−1で粘度を測定し始め、測定開始から1分後の粘度(η1)を測定した。その後、すぐにせん断速度0.1s−1で粘度を測定し始め、測定開始から1分後の粘度(η2)を得た。このようにして測定されたη1とη2との比(η1/η2)を求めた。なお、測定温度は20℃とした。
(2)にじみ
得られた導電ペーストをセラミックグリーンシート上にスクリーン印刷機にて印刷した後、オーブンにて100℃、30分乾燥した。その後、印刷部分の「にじみ」を光学顕微鏡を用いて観察し、にじみ量を測定した。得られたにじみ量に基づき、以下の基準で評価を行った。
○:にじみ量が20μm未満
×:にじみ量が20μm以上
(3)表面粗さ
得られた導電ペーストをガラス基板上にスクリーン印刷機にて印刷し、オーブンにて100℃、30分乾燥した。得られた塗膜の表面粗さを接触式表面粗さ計(東京精密社製、サーフコム1400D)にて測定した。なお、表面粗さは、JIS B 0601(2001)に準拠した方法で測定した。得られた表面粗さに基づき、以下の基準で評価を行った。
○:表面粗さが0.15μm未満
×:表面粗さが0.15μm以上
(4)接着性
得られた導電ペーストをポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥後の厚さ約2μm、1cm角の大きさとなるようにスクリーン印刷法により印刷し、この上に得られたセラミックグリーンシートを積層し、温度80℃、圧力39kg/cmの条件で3秒間熱圧着して積層体を作製した。得られた積層体を、加温時粘着力測定機(フジコビアン社製、FCL009型)を用いて、0.49mm/秒の速度で引き剥がしたときの剥離強度を測定した。得られた剥離強度に基づき、以下の基準で評価を行った。
○:剥離強度が100mN/cm以上
×:剥離強度が100mN/cm未満
Figure 2008282763
本発明は、上述の構成よりなるので、セラミックグリーンシートとの接着性が高く、かつ、印刷性に優れる積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペーストを提供できる。

Claims (6)

  1. ポリビニルアセタール樹脂を含有する有機バインダー、有機溶剤、金属粉末及び脂肪酸アミドを含有することを特徴とする積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペースト。
  2. ポリビニルアセタール樹脂は、アセタール化度が70モル%以上、残存アセチル基量が6モル%以下、かつ、残存水酸基量が24モル%以下であることを特徴とする請求項1記載の積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペースト。
  3. ポリビニルアセタール樹脂は、エチレン含有量が1〜20モル%の変性ポリビニルアルコールをアセタール化してなる変性ポリビニルアセタール樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペースト。
  4. 有機溶剤は、ジヒドロターピネオール、ジヒドロターピネオールアセテート、ジヒドロターピニルオキシエタノール、ジヒドロターピニルメチルエーテル、ターピネオールアセテート、ターピニルオキシエタノール、ターピニルメチルエーテル、ジヒドロカルビルアセテート、カルビルアセテート、ヘキサン酸エチル、酢酸2−エチルヘキシル、2−エチルヘキシルアルコール、2−オクチルアルコール、n−オクチルアルコール、3,5,5−トリメチルヘキシルアルコール、及び、ノニルアルコールからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペースト。
  5. 金属粉末100重量部に対して脂肪酸アミドを0.1〜5重量部含有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペースト。
  6. 粘度計を用い、せん断速度を0.1s−1として測定した場合の粘度(η1)と、せん断速度を100s−1とした場合の粘度(η2)との比(η1/η2)が、7〜20であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペースト。
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