JP2008273933A - ビスフェノールaの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】回分晶析の際に、析出結晶の粒径が大きくてスラリーの粘度が低くなり、回分晶析から連続晶析への移行が円滑に行われる様に改良されたビスフェノールAの製造方法を提供する。
【解決手段】晶析工程において晶析操作を開始するに際し、晶析槽内において回分晶析操作を行い、かつ、当該回分晶析操作において晶析槽内の溶液のビスフェノールA濃度が飽和に達した時点における単位時間当たりの過飽和度の変化が0.1〜8℃/hである。
【選択図】なし

Description

本発明は、ビスフェノールAの製造方法に関し、詳しくは、晶析工程を包含するビスフェノールAの製造方法であって、定期点検などで連続的な晶析操作を一旦停止した後に再開する際における連続式晶析装置の運転方法を改良したビスフェノールAの製造方法に関する。
通常、ビスフェノールAは、フェノールとアセトンとをイオン交換樹脂触媒の存在下で反応させることにより連続的に製造される。そして、ビスフェノールAは、晶析により、ビスフェノールAとフェノールとの付加物(以下「付加物」と略記することがある)として回収される。
ところで、ビスフェノールAの連続的製造においては、一定期間製造を行った後、定期点検などで運転を停止することがある。この場合、点検作業の一環として連続式晶析装置内の堆積した付加物を加温して溶解することは望ましいことである。斯かる後、晶析装置内の溶液を漸次冷却して回分晶析を行って付加物として回収することが行われる。
上記の態様において、回分晶析終了後の連続晶析操作の再開(回分晶析から連続晶析への移行)は、連続式晶析装置にビスフェノールAを含む晶析原料の供給を再開し、回分晶析で得られたスラリーを次工程(固液分離工程)に移送させつつ行われる。
ところで、回分晶析で得られたスラリーの次工程への移送が円滑に行われず、回分晶析から連続晶析への移行に支障を来すことがある。斯かる問題は、回分晶析で得られたスラリーの粘度が高いことに起因して惹起される。すなわち、上記の回分晶析において、ビスフェノールAとフェノールとの付加物を析出させる際、晶析条件によっては、析出粒子の粒径が小さくなり、スラリーの粘度が高くなる。斯かる高いスラリー粘度は、回分晶析から連続晶析への円滑な移行のみならず、回分晶析における循環ポンプの負荷の増大などの問題も惹起する。
従来、ビスフェノールAの製造方法の1つとして、ビスフェノールAの濃度が、飽和濃度の50%に達した時点から生成するビスフェノールAのフェノール付加物が晶出し始めるまでの間に、ビスフェノールAの結晶またはビスフェノールAとフェノールとの付加物の結晶を添加する方法が提案されている(特許文献1参照)。
特公平4−17170号公報
しかしながら、上記の方法は、反応によってビスフェノールAの濃度を上昇させ、回分晶析を行う方法である。そのため、連続晶析については考慮されておらず、必ずしも、工業的に有利な方法とはいえない。
本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、連続式晶析装置にビスフェノールAを含む晶析原料を連続的に供給してビスフェノールAをフェノールとの付加物として晶析させてスラリーを得る晶析工程と当該晶析操作を一旦停止した後に再開する操作とを包含するビスフェノールAの製造方法であって、晶析操作を開始するに当り、連続式晶析装置内の溶液の回分晶析を行うが、回分晶析の際、析出粒子の粒径が大きくてスラリーの粘度が低くなり、結晶純度を改善し、回分晶析から連続晶析への移行が円滑に行われる様に改良されたビスフェノールAの製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明は次の(1)〜(10)の通りである。
(1)少なくとも、ビスフェノールA及び過剰のフェノールを含む溶液を晶析装置に供給してビスフェノールAとフェノールが1:1(モル比)で結合した付加物を含むスラリー流を形成する晶析工程を含むビスフェノールAの製造方法であって、晶析工程において晶析操作を開始するに際し、晶析装置内において、回分晶析操作を行い、かつ、当該回分晶析操作において晶析装置内の溶液のビスフェノールA濃度が飽和に達した時点における単位時間当たりの過飽和度の変化が0.1〜8℃/hであることを特徴とするビスフェノールAの製造方法。
(2)回分晶析操作を行うに際し、晶析装置内の溶液を漸次冷却して回分晶析操作を行い、晶析装置内の溶液のビスフェノールA濃度が飽和に達した時点における冷却速度が0.1〜8℃/hである上記(1)に記載のビスフェノールAの製造方法。
(3)回分晶析操作が、以下の条件(A)及び(B)を満足する上記(1)又は(2)に記載のビスフェノールAの製造方法。
(A)晶析装置内の溶液温度が、晶析装置内の溶液のビスフェノールA濃度が飽和に達した時点の温度以下において、極小値を示した後に極大値を示す様な温度変化を伴う。
(B)晶析装置内の溶液温度が晶析装置内の溶液のビスフェノールA濃度が飽和に達した時点から極大値に達するまでの間において、除熱量が、晶析装置内の溶液のビスフェノールA濃度が飽和に達した時点における除熱量に対し、±5%の範囲である。
(4)晶析装置内の溶液の温度が極大値に達した後の晶析操作において、結晶析出速度が1m当り70kg/h以下である上記(3)に記載のビスフェノールAの製造方法。
(5)晶析装置内の溶液の温度が極大値に達した後の晶析操作において、冷却速度が1℃/h〜10℃/hであり、かつ晶析装置内の溶液のビスフェノールAの濃度が飽和に達した時点における冷却速度よりも大きい操作を行う上記(2)又は(3)に記載のビスフェノールAの製造方法。
(6)晶析装置内に前記の条件(A)を満たさない状態となる量の種晶を添加する上記(1)又は(2)に記載のビスフェノールAの製造方法。
(7)晶析装置内の溶液温度が、晶析装置内の溶液のビスフェノールA濃度が飽和に達した時点の温度以下において、ビスフェノールAとフェノールとの付加物が析出前に種晶を添加する上記(6)に記載のビスフェノールAの製造方法。
(8)種晶を添加した後の結晶析出速度が1m当り150kg/h以下である上記(6)又は(7)に記載のビスフェノールAの製造方法。
(9)種晶がビスフェノールAとフェノールが1:1(モル比)で結合した付加物である上記(6)〜(8)の何れかに記載のビスフェノールAの製造方法。
(10)晶析工程が以下に規定する主晶析工程及び/又は回収晶析工程である上記(1)〜(9)の何れかに記載のビスフェノールAの製造方法。
(主晶析工程)
酸性触媒の存在下に過剰のフェノールとアセトンとを反応させてビスフェノールA及びフェノールを含む反応混合物を得る反応工程;当該反応混合物を含む溶液を晶析装置に供給してビスフェノールAとフェノールが1:1(モル比)で結合した付加物を含むスラリー流を形成する主晶析工程;当該スラリー流を付加物とフェノールを主成分とする母液とに分離する固液分離工程;当該付加物からフェノールを分離してビスフェノールAを得るフェノール除去工程;の各工程を含むビスフェノールAの製造方法における主晶析工程。
(回収晶析工程)
上記のビスフェノールAの製造方法における固液分離工程で得られる母液の少なくとも一部を晶析装置に供給してビスフェノールAとフェノールが1:1(モル比)で結合した付加物を含むスラリー流を得る回収晶析工程。
本発明によれば、飽和点から核発生までの間の過飽和度の変化を適正範囲に制御することにより核発生量が少なくなり、粒子数を少なくすることが出来る。従って、目標温度到達時の平均粒径が大きくなるため、移動物性であるスラリー粘度を低下し、流動性が良好となり、クーラーの冷却能力も良好となる。更に、回分晶析で得られる結晶の純度も改善できる。
以下、本発明を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の代表例であり、これらの内容に本発明は限定されるものではない。
本発明のビスフェノールAの製造方法は、少なくとも、ビスフェノールA及び過剰のフェノールを含む溶液を晶析装置に供給してビスフェノールAとフェノールが1:1(モル比)で結合した付加物を含むスラリー流を形成する晶析工程を含む。
上記の晶析工程は、ビスフェノールAの製造方法において、以下に規定する主晶析工程及び/又は回収晶析工程である。
(主晶析工程)
酸性触媒の存在下に過剰のフェノールとアセトンとを反応させてビスフェノールA及びフェノールを含む反応混合物を得る反応工程;当該反応混合物を含む溶液を晶析装置に供給してビスフェノールAとフェノールが1:1(モル比)で結合した付加物を含むスラリー流を形成する主晶析工程;当該スラリー流を付加物とフェノールを主成分とする母液とに分離する固液分離工程;当該付加物からフェノールを分離してビスフェノールAを得るフェノール除去工程;の各工程を含むビスフェノールAの製造方法における主晶析工程。
(回収晶析工程)
上記のビスフェノールAの製造方法における固液分離工程で得られる母液の少なくとも一部を晶析装置に供給してビスフェノールAとフェノールが1:1(モル比)で結合した付加物を含むスラリー流を得る回収晶析工程。
上記の各工程は、基本的には公知のビスフェノールAの製造方法と同じである。以下各工程にについて説明する。
反応工程で行われる反応において、原料のフェノールとアセトンは、化学量論的にフェノール過剰で反応させる。フェノールとアセトンとのモル比(フェノール/アセトン)は、通常3〜30、好ましくは、5〜20である。反応温度は、通常50〜100℃、反応圧力は、通常、常圧〜600kPa(絶対圧力)である。
原料のアセトンとしては、工業的に入手可能なものであれば特に制限されずに使用することが出来る。例えば、新たに系外から供給される精製アセトン、後述する低沸点成分分離工程で分離された未反応アセトンを更にアセトン循環工程で処理して得られるアセトン、それらの混合物などを使用することが出来る。
触媒としては、通常、スルホン酸型などの強酸性陽イオン交換樹脂、好ましくは助触媒として含イオウ化合物が使用され、更に好ましくは強酸性陽イオン交換樹脂を部分的に含イオウアミン化合物で修飾した樹脂が使用される。特に、2−アミノエタンチオール、2−(4−ピリジル)エタンチオール等の含イオウアミン化合物で修飾した樹脂を使用した場合、本発明の効果が顕著となる。含イオウアミン化合物による修飾の程度は、酸性イオン交換体中の酸基(スルホン酸基)に対し、通常2〜30モル%、好ましくは5〜20モル%である。
フェノールとアセトンとの縮合反応は、通常、固定床流通方式または懸濁床回分方式で行われる。固定床流通方式の場合、反応器に供給する原料混合物の液空間速度は、通常0.2〜50/hである。懸濁床回分方式の場合、反応温度、反応圧力によって異なるが、酸性イオン交換樹脂触媒の使用量は、原料混合物に対して通常20〜100重量%、反応時間は通常0.5〜5時間である。
通常、上記のビスフェノールAを含む晶析原料は、反応工程で得られた反応混合物からビスフェノールAを含む成分(晶析原料)と未反応アセトンを含む低沸点成分とに分離する低沸点成分分離工程とを経て得られる。また、晶析原料中のビスフェノールA濃度を調整すためにフェノールの一部を除去する濃縮工程を経て得ることも出来る。または、固液分離および洗浄後のビスフェノールAとフェノールとの付加物を主体とするケーキと、ビスフェノールAのフェノール溶液およびフェノールを所定の比率で混合および加温し、当該付加物を溶解することにより得られる。
低沸点成分分離工程における分離方法としては、蒸留塔を使用し、反応工程において得られた反応混合物を蒸留し、塔頂から未反応アセトンを含む低沸点成分を分離する方法が挙げられる。塔底液はビスフェノールAを含む液体成分である。蒸留塔としては公知のものが使用できる。蒸留を常圧で行う場合はフェノールの沸点以下で行うが、好ましくは減圧蒸留により行われる。減圧蒸留は、通常、温度50〜150℃、圧力50〜300mmHgで行われる。反応混合物中に含まれる未反応フェノールは、以降の主晶析工程でビスフェノールAとアダクト付加物を形成させるため、所定量を塔底から抜き出す条件で蒸留を行うことが好ましい。蒸留塔の塔頂から分離される成分は、未反応アセトン、水、不純物として含まれるメタノール、イソプロピルフェノール、未反応フェノール等である。
主晶析工程においては、通常、連続晶析装置が使用される。連続晶析装置としては、ジャケットや内部コイルによる冷却方式の晶析装置、外部循環冷却式晶析装置、蒸発冷却式晶析装置などが知られており、特に制限はないが、本発明においては、外部循環冷却式晶析装置とジャケット式晶析装置とが好適に使用される。外部循環冷却式晶析装置は、晶析槽とその外部に配置された冷却器とを配管、バルブ等から成る循環路で形成されて成り、冷却器としては、多管式冷却器が好適に使用される。また、微結晶を溶解するための溶解槽または加熱器を具備することが好ましい。ジャケット式晶析装置は、晶析を行う容器の周囲にジャケットを有し、当該ジャケット内に冷媒を通し、当該容器の壁面を介して冷却するタイプである。容器内に攪拌翼やバッフルを具備し、内液が良好に攪拌できるものが好ましい。また、何れのタイプも、混合性の向上のため、内部にドラフトチューブを具備するのが好ましい。結晶の形状やサイズを制御するため、分級装置を装置内に具備するか外部に併設してもよい。分級装置としては、結晶の形状やサイズによる結晶の沈降速度の差を利用したもの、溶解速度の差を利用したもの等が挙げられる。また、必要に応じ、晶析操作の途中で加熱を行ったり、あるいは、結晶の溶解操作を行うことも出来る。このような場合は、冷媒に代えて熱媒を使用する。
固液分離工程では、通常の固液分離装置を使用し、ビスフェノールAとフェノールとの付加物と母液とに分離される。固液分離装置としては、例えば、ロータリーバキュームフィルター、ロータリープレッシャーフィルター、遠心分離機などが挙げられる。
フェノール除去工程では、通常、100〜160℃に結晶アダクトを加熱溶融し、得られた溶融液から、例えば、蒸留装置や薄膜蒸発器を使用することにより、大部分のフェノールを除去する方法が採用される。また、溶融液中に残存している微量のフェノールを除去するために、上記の操作を行った後、更に、スチームストリッピング等により残存フェノールを除去し、ビスフェノールAを精製する方法も採用される。この方法は、例えば、特開昭63−132850号公報、特開平2−28126号公報などに記載されている。
また、固液分離工程で得られる母液の少なくとも一部を回収晶析工程に供給し、ビスフェノールAとフェノールの付加物を得ることも出来る。母液の少なくとも一部を回収晶析工程に供給する前に陽イオン交換樹脂などの酸性触媒による異性化や、母液中の過剰のフェノールの一部を除去することにより、回収晶析工程における付加物の回収率を高めることも可能である。回収晶析工程で得られる付加物は、そのままフェノール除去工程に供することも出来る。しかし、そのままでは、母液中に濃縮されたその他の重質の不純物が含まれる場合があるので、再度溶解した後に主晶析工程に供給して再度晶析を行うのが好ましい。母液の処理方法としては、少なくともその一部にアルカリや酸のような触媒を添加して加熱処理することにより、有用物質を回収する方法などが知られているが、回収晶析工程とこれらの方法を組み合わせることも出来る。
本発明の特徴は、例えば、定期点検などで晶析操作を一旦停止した後に再開する際における連続式晶析装置の運転方法を改良した点にあり、晶析操作の再開に当たっての操作は次の様に行われる。
回分晶析前の溶液(回分晶析原料)は、通常、ビスフェノールAとフェノールとを主体とする溶液であり、ビスフェノールAの濃度は、通常15〜50重量%、好ましくは20〜30重量%である。晶析装置内にビスフェノールAとフェノールとの付加物が残存している場合は加温して溶解する。この操作は、点検作業の一環として行われる。また、濃度調節の際、内容液を一部抜出した後に溶融フェノール等を加えて希釈するのが好ましい。回分晶析原料の温度は通常60〜120℃である。
次いで、晶析装置内において回分晶析操作を行う。晶析操作における液相から固相の析出の推進力は過飽和度であり、冷却晶析の場合、過飽和度は飽和溶液を冷却することにより形成される。しかしながら、通常、飽和温度に到達しても結晶の析出は開始せず、一般に、飽和温度よりも1〜10℃ほど下回ると、また、除熱量を適正に制御した場合は、飽和温度よりも1〜5℃ほど下回ると、一斉に結晶が析出し始める。なお、核発生前に種結晶を添加してもよい。なお、上記の冷却操作における温度調節は、外部循環冷却式晶析装置の場合は、通常、回分晶析原料の循環量(冷却器への供給量)や冷却器の能力(冷媒の供給量など)によって行われる。また、加熱器の起動は核発生後または結晶核の添加後が好ましい。
前記の過飽和度を所望の範囲にする方法は特に限定されない。例えば、(a)反応によって系のビスフェノールAを過飽和状態とする方法、(b)系内に過剰に存在するフェノールを蒸発させてビスフェノールAを過飽和状態とする方法、(c)系内に水のような沸点が低く蒸発し易い第3成分を添加し当該第3成分を蒸発させてビスフェノールAを過飽和状態とする方法、(d)系内の温度を低下させることによって過飽和状態とする方法、、(e)これらを組み合わせた方法などが挙げられる。これら中では、過飽和度の制御が容易であるとの観点から、上記(c)、(d)又は両者を組み合わせた方法が好ましく、上記(d)が簡便であり特に好ましい。
本発明の特徴は、該回分晶析操作において晶析装置内の溶液のビスフェノールA濃度が飽和に達した時点における単位時間当たりの過飽和度の変化が0.1〜8℃/h(好ましくは0.1〜5℃/h、更に好ましくは0.1〜3℃/h)である点に存する。斯かる特徴は、例えば、晶析装置内の溶液を漸次冷却して回分晶析操作を行うに際し、晶析装置内の溶液のビスフェノールA濃度が飽和に達した時点における冷却速度が0.1〜8℃/hであることによって達成される。本発明は、飽和点から核発生までの間の冷却速度を適正範囲に制御することにより、核発生量を少なくし(粒子数を少なくし)、それにより、連続晶析操作に移行時の粒径を大きくしてスラリー粘度を低くせんとするものである。また、核発生量を少なくすることにより、結晶中の不純物濃度の一層の低減化を図ることも出来る。
本発明において飽和に達した時点における冷却速度を規定する理由は、上記の適正な冷却速度が核発生時点において達成される様にするため(核発生が遅れて過飽和度が過剰となり、過剰量の核が発生するのを防ぐため)である。
ところで、結晶の発生前においては、溶液から除熱することによって奪われた熱は、その溶液の冷却に使用されるため、一定量の熱を除去した場合、溶液の温度は略一定速度で低下するが、結晶核の発生時においては、結晶生成により発生する結晶化熱により溶液に熱量が与えられるため、一定量の除熱にも拘らず、溶液の冷却速度が減速している様な現象が起こる。そして、結晶が急激に発生している場合は、結晶化熱の量が除熱量を上回り、除熱しているにも拘らず、溶液の温度が上昇する現象が起こる(図1参照)。
従って、回分晶析操作における晶析装置内の溶液が飽和に達した時点により連続晶析操作に移行するまでの問においては、除熱量で降温過程の制御を行なうのが好ましく、晶析装置内の溶液が飽和に達した時点により核発生が終了し温度が極大値までの間は晶析装置内の溶液温度を指標とせずに除熱量を一定にする制御を行なうのが更に好ましい。具体的には、晶析装置からの除熱量が飽和に達した時点における除熱量に対し±5%の範囲となるように制御することである。すなわち、晶析装置内の溶液温度を指標とし、晶析による発熱を打ち消すために除熱量を増加させることなく、飽和に達した時点における冷却速度に必要な略一定量(±5%以内)の除熱をそのまま続行する。斯かる操作によれば、一斉に適性量の核が発生することにより、冷却速度よりも発熱が勝り、温度上昇が観測されるが、その上昇は適性に制御される。その後、核発生速度は徐々に低下するため、再度、冷却速度が勝り、冷却の継続により、溶液の温度は極大値を迎えた後、再度、降温過程に移行する。すなわち、回分晶析操作が前記の(B)の条件を満足するのが好ましい。
また、飽和点到達後の除熱量は、1m当たり0.2〜20MJ/hが好ましく、0.2〜12MJ/hが更に好ましい。一方、系内に結晶が存在してからの除熱量は、1m当たり4〜55MJ/hが好ましく、4〜45MJ/hが更に好ましい。ここで、系内に結晶が存在している状態とは、過飽和によって結晶が析出した後、及び、種結晶を添加した後の両者を含むことを意味する。上記の条件を満たすことにより、結晶の粒径および純度が良好となる。
また、本発明においては、晶析装置内の溶液温度が極大値に達した後の降温過程における冷却速度を1℃/h〜10℃/hに調節する操作を行うのが好ましい。すなわち、結晶の成長過程においてはその成長を促進させるために冷却速度を高めて晶析時間全体の短縮を図るのが好ましい。そのため、溶液温度が極大値に達した後に直ちに冷却速度の調節操作を行う必要はなく、降温過程において冷却速度を変化させることにより、冷却速度を上記の範囲とすることが出来る。ただし、冷却速度を大きくし過ぎると、核の発生を促進させることになるため、目標温度到達時において結晶粒径の低下を招く。
本発明においては、晶析装置内の溶液の温度が極大値に達した後の晶析操作において、結晶析出速度が1m当り70kg/h以下であることが好ましい。また、晶析装置内の溶液の温度が極大値に達した後の晶析操作において、冷却速度が1℃/h〜10℃/hであり、かつ晶析装置内の溶液のビスフェノールAの濃度が飽和に達した時点における冷却速度よりも大きい操作を行うことが好ましい。
回分晶析が水やアセトン等の溶媒の蒸発を伴う場合、蒸発潜熱により、晶析装置内液の温度低下が起こる。ここで、温度を一定にして回分晶析を行う場合は、加熱により温度を一定にするのが好ましい。この際、溶媒成分の減少に伴いビスフェノールA及びフェノールの濃縮が行われるが、飽和濃度に到達しても結晶の析出は開始せず、例えば、ビスフェノールA飽和濃度よりも1〜3重量%ほど上回ると、一斉に析出し始める。結晶核の発生時においては、結晶生成により発生する結晶化熱により溶液に熱量が与えられる。そして、結晶が急激に発生している場合は、結晶化熱の量が大きくなり溶液の温度が上昇する現象が起こる(図2参照)。従って、この場合も、回分晶析操作における晶析装置内の溶液が飽和に達した時点により連続晶析操作に移行するまでの間においては除熱を行い、除熱量を制御して操作することが好ましい。また、蒸発による回分晶析において、晶析装槽内の温度変化を伴う場合も同様に、結晶が急激に発生している際に温度が上昇する現象が起こり得る。この場合も除熱量を制御して操作することは有効である。
また、本発明においては、前記の条件(A)を満たさない条件を採用することも出来る。当該条件を達成するためには、晶析装置内の溶液温度を詳細に監視し、温度調節を行うことにより達成することも可能であるが、前記の通り結晶の析出に伴って発熱が起こるため調整が困難である。従って、当該条件を達成する方法としては、降温途中に種結晶を添加する方法が簡便であり好ましい。中でも、晶析装置内の溶液温度が、晶析装置内の溶液のビスフェノールA濃度が飽和に達した時点の温度以下において、付加物の結晶が析出する前に種結晶を添加するのが好ましい。溶液温度が溶液のビスフェノールA濃度が飽和に達する前に種結晶を添加すると種結晶が溶解してしまい、種結晶として有効に働く量が少なくなり、好ましくない。また、前記の通り付加物の結晶が析出し始めると、析出による発熱の為に極大値が現れたとしても、あるいは極大値が現れないにも拘らず結晶の粒子径や純度が所望の効果を得られない場合があり好ましくない。種結晶を添加する場合、種結晶をそのまま加えても、他の溶媒に分散したスラリーとして加えても良いが、取り扱いの容易さから種結晶をそのまま加えるのが好ましい。また、種結晶の粒子径は10〜300μmの範囲であるのが好ましく、50〜200μmの範囲であるのがより好ましい。
本発明において種結晶を添加した場合、種結晶を添加した後の結晶析出速度が1m当たり150kg/hであるのが好ましく、100kg/h以下であるのが更に好ましい。また、種結晶がビスフェノールAとフェノールが1:1(モル比)で結合した付加物であるのが好ましい。これは種結晶が付加物である場合、その後の降温過程において種結晶表面で付加物結晶の成長が優先して起こり、得られる結晶の純度が上昇し、また粒子径が大きくなる傾向となるためであると考えられる。例えば種結晶がビスフェノールAの結晶である場合は付加物結晶の成長が優先的に起こらないので、結晶の純度が低く、粒子径が小さくなる傾向となるので好ましくない。
次いで、本発明においては、回分晶析が終了した連続式晶析装置にビスフェノールAを含む晶析原料の供給を再開し、連続晶析操作を再開する。
ところで、ビスフェノールAの製造プロセスにおいて、スラリーを保持する機器またはそれに付随する設備では、スラリー濃度が増加すると、スラリー粘度が増加する。また、同じスラリー濃度でも結晶粒径が小さくなると粘度が増大し、ポンプ能力が低下するためにスラリー搬送が困難となり、閉塞を招くことがある。ここで、スラリーを保持する機器またはそれに付随する設備としては、晶析装置、固液分離装置のフィードベッセル、濾液ベッセル及び母液ベッセル、結晶の懸洗ベッセル及びそれに付随する配管や熱交換器、ポンプ等が挙げられる。
スラリー濃度は、一般に体積分率または重量分率で表現され、スラリー濃度が一定になる様にフィード組成や設備内の温度を一定に保つことが通例である。すなわち、従来はオンラインでスラリー粘度を測定することが出来なかったため、スラリー濃度計や粒径分布計などにより、オンライン又はオフラインで組成や温度条件を管理し、間接的にスラリー粘度が高くなり過ぎない様に監視するしか出来なかった。
しかしながら、前述の様に、同一スラリー濃度でも結晶粒径が小さくなるとスラリー粘度が増大し、上記の管理方法では不十分であり、搬送不良を惹起する。特に、スラリー中の固体の粒径変動を伴う場合、スラリーを保持する機器またはそれに付随する設備では搬送不良などのトラブルを惹起する。
そこで、本発明に係るビスフェノールAの製造方法においては、ビスフェノールAとフェノールとの付加物を含有するスラリーを保持する機器またはそれに付随する設備において、スラリー粘度を計測し、当該機器への原料の組成もしくは供給量または当該機器の内温を調節することが好ましい。スラリー粘度の計測はオンライン式粘度計(例えば振動式粘度計)によって行なうことが出来る。
本発明は上記の様にして実施されるが、以下に、本発明の特徴部分、すなわち、ビスフェノールA(以下、BPAと略記することがある)の製造方法における、連続式晶析装置内の溶液の回分晶析を示すが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
以下の諸例において、連続式晶析装置としては図3に示す様な外部循環冷却式晶析装置を使用した。図3に示す装置は、晶析槽(1)、循環ポンプ(2)及び冷却装置(3)、循環ポンプ(4)及び加熱装置(5)、微結晶付加物溶解槽(6)から主として構成される。なお、図3中、ライン(72)に設けられた符号「T」は温度計、ライン(73)に設けられた符号「V」はオンライン式粘度計(振動式粘度計)を表す。
連続晶析の場合、晶析原料はライン(71)から供給され、晶析槽(1)で得られたスラリーはライン(72)及び(75)を通して抜出される。回分晶析の際の晶析原料の冷却は、バルブ(V1)を閉止し、ライン(72)、ライン(72)の分岐ライン(72b)、ライン(73)及び(74)にて形成される循環路に晶析原料を供給することによって行われる。
そして、長期の連続運転の間には、晶析槽内、配管、熱交換器伝面、液の滞留部などに主にビスフェノールAとフェノールの付加物(以下、付加物と略記することがある)が堆積する。晶析槽(1)の内壁に堆積した付加物を溶解する際の加温は、バルブ(V2)を閉止し、ライン(72)、ライン(75)の分岐ライン(75b)、ライン(76)及び(77)にて形成される循環路に晶析槽(1)の内液を流すことによって行われる。また、上記の加熱は、冷却装置(3)に熱媒体を通して加熱装置として使用することによって行なうことにより、ライン等のその他の場所に堆積した付加物も同様に溶解することが出来るので好ましい。付加物のビスフェノールA濃度は約70重量%であり、定期点検の際に加温し、堆積物を溶解させると、内容物のビスフェノールA濃度が上昇する(例えば、連続運転時の濃度よりも5〜15重量%上昇する〉。従って、回分晶析前に溶媒により希釈してBPA濃度を調節する必要がある。例えば、バルブ(V2)を開にして晶析槽(1)の内液の一部を抜き出した後、バルブ(V2)を閉とし、バルブ(V1)を開とし、ビスフェノールA濃度が低いフェノール溶液か純フェノールを追加する。
(1)晶析槽内液、母液および結晶の組成分析:
晶析槽内液および母液の組成分析はガスクロマトグラフィー(島津製作所製「GC−14A」)を使用して行った。条件は次の通りである。
カラム:Hewlett Packerd製「Ultra Performance Capillary Column Ultra2(Cross-linked 5% Phenylmethyl Silicone GumPhase)25m×0.32mm×0.52μm
検出器:FID
キャリヤーガス:He
(2)スラリー濃度の測定:
測定対象となるスラリーを遠心分離した後、ケーキ及び母液の重量を各々測定し、スラリー濃度を計算により求めた。遠心分離の条件は次の通りである。
機器:三陽理化学器械製作所製「SYK−3800−15A」
濾布:テトロン(200メッシュ)
遠心分離:2500rpm×10分
振り掛け洗浄:スラリーの固液分離処理量に対し、1:1重量のヘプタン(60℃)を振りかけて洗浄し、更に、10分間遠心分離を実施する。
真空乾燥:室温にて4時間真空乾燥を行う。
実施例1:
定期点検で晶析操作を一旦停止した際、晶析槽(1)内の堆積物を90℃に加温して溶解すると共に、ビスフェノールA濃度を調節した。晶析槽(1)内のフェノール溶液中のビスフェノールA濃度は22.760重量%であり、2,4’−ビスフェノールAは0.314重量%、トリスフェノールは0.121重量%であった。この液組成における飽和温度は、予め作成した飽和曲線に基づいて74.3℃と推定された。
冷却装置(3)の冷媒量を調節して、晶析槽(1)の内液温度が1.2℃/hで低下する様に設定した。このときの冷媒の温度は41℃であった。このときの除熱量が内液1m当り3MJ/hとなる様にPID制御し、晶析槽(1)の内液の降温を行なったところ、74.8℃から70℃に至るまで約4時間かかり、結果として1.2℃/hの一定速度がキープされた。更に1.2℃/hで低下した。晶析槽(1)上部のサイトグラスにて監視していたところ、晶析槽(1)の内液温度が69.0℃に達した後、晶析槽(1)の内液が白濁し始めた。この時点を晶析開始とした。
また、このとき核発生に伴う発熱により晶析槽(1)の内液の温度が上昇し始めた。この際の温度上昇速度は1.2℃/h程度であった。PIDによって除熱量の増加を抑え、冷媒量(除熱量)は徐々に低下し、過度な核発生を抑制する方向に制御されることが確認された。晶析槽(1)の内液の温度が69.4℃(極大温度)に達した後、当該晶析槽(1)の内液の温度が低下し始めた。このときの降温速度は0.7℃/h、1m当たりの結晶析出速度は9kg/hであった。なお、結晶析出速度は、遠心分離により得られたケーキ量の変化から計算した。晶析開始温度と極大温度との差は0.4℃であった。また、極大温度までの除熱量の変動幅は最大0.06MJ/h(除熱量3MJ/hに対し2%)であった。
更に、1時間後、除熱量が内液1m当たり6MJ/hとなる様にPID制御を行ない冷媒量を調節した。このとき、1m当たりの結晶析出速度は15kg/hであった。その結果、晶析槽(1)の内液の温度は1.5℃/hの速度で低下し、約12時間後に目標の50℃に到達した。この時点のスラリー濃度は22重量%であり、循環ポンプ(2)の入出の差圧は80kPaであった。この差圧とポンプのパフォーマンスチャートとに基づき、ポンプ効率は最大値の80%と推定された。この結果から、ポンプ能力が充分に発揮されていることがわかる。つまり、ポンプを通過するスラリーの粘度が適切な範囲であることがわかる。更に、振動式粘度計(CBC社製「FVM−80A」)により、スラリー粘度を測定した結果、21.7mPa・sであった。50℃到達時点の母液および結晶の組成は下表の様であり、結晶の平均粒径(Greenfield Instruments社製「SpeedView850」にて測定)は185μmであった。また、極大温度から50℃に到達までの1m当たりの除熱量の変動幅は最大0.18MJ/h(除熱量6MJ/hに対し3%)であった。
Figure 2008273933
その後、ビスフェノールA濃度24重量%に調節された晶析原料を80℃で晶析槽(1)へ連続供給開始すると共に、連続抜出を開始し、固液分離工程へ通液することにより、連続晶析に移行することが出来た。
実施例2:
実施例1において、晶析槽(1)内のフェノール溶液中のビスフェノールA濃度が20.77重量%及びその他の成分の組成が表2の通りであり、冷却装置(3)の冷媒量を調節して、晶析槽内温度が2.2℃/hで低下する様に設定し、除熱量が内液1m当たり4MJ/hとなる様にPID制御する以外は、実施例1と同様に冷却を開始した。この組成における飽和温度は、予め作成した飽和曲線に基づいて71.7℃と推定された。晶析槽(1)上部のサイトグラスにて監視していたところ、晶析槽(1)の内液温度が67.2℃に達した後、晶析槽(1)の内液が白濁し始めた。この時点を晶析開始とした。
また、このとき核発生に伴う発熱により晶析槽(1)の内液の温度が上昇し始めた。この際の温度上昇速度は1.2℃/h程度であった。冷媒量(除熱量)は徐々に低下し、PIDによって過度な核発生を抑制する方向に制御されることが確認された。晶析槽(1)の内液の温度が67.6℃(極大温度)に達した後、当該晶析槽(1)の内液の温度が低下し始めた。このときの降温速度は0.8℃/h、1m当たりの結晶析出速度は12kg/hであった。晶析開始温度と極大温度との差は0.4℃であった。また、極大温度までの1m当たりの除熱量の変動幅は最大0.09MJ/h(除熱量4MJ/hに対し2%)であった。
更に1時間後、除熱量が内液1m当り12MJ/hとなる様にPID制御を行い冷媒量を調節した。このときの1m当たりの結晶析出速度は31kg/hであった。その結果、晶析槽(1)の内液の温度は2.5℃/hの速度で低下し、約2.6時間後に目標の60℃に到達した。この時点のスラリー濃度は13重量%であり、循環ポンプ(2)の入出の差圧は80kPaであった。この差圧とポンプのパフォーマンスチャートに基づき、ポンプ効率は最大値の80%と推定された。この結果から、ポンプ能力を充分に発揮していることがわかる。つまり、ポンプを通過するスラリーの粘度が適切な範囲であることがわかる。更に、振動式粘度計により、スラリー粘度を測定した結果、6.8mPa・sであった。60℃到達時点の母液および結晶の組成は下表の様であり、結晶の平均粒径は92μmであった。また、極大温度から60℃に到達までの除熱量の変動幅は最大0.48MJ/h(除熱量12MJ/hに対し4%)であった。
Figure 2008273933
その後、ビスフェノールA濃度24重量%に調節された晶析原料を80℃で晶析槽(1)へ連続供給開始すると共に、連続抜出を開始し、固液分離工程へ通液することにより、連続晶析に移行することが出来た。
比較例1:
実施例2において、冷却装置(3)の冷媒量を調節して、晶析槽(1)の内液温度が10℃/hで低下する様に手動にて調節し、除熱量が内液1m当り24MJ/hとなる様に操作する以外は、実施例2と同様に冷却した。晶析槽(1)の内液温度の低下に伴い、内液温度と冷媒温度の温度差が徐々に低下し、除熱量も低下したため、手動にて冷媒量を増加させた。晶析槽(1)の内液温度が64.6℃に達した後、白濁し始め、晶析開始を確認した。そして、この時点を晶析開始とした。また、このとき晶析温度上昇が開始した。この際の温度上昇速度は30℃/h程度であった。温度は上昇し、65.5℃で極大温度に達した後、再び温度が低下し始めた。このときの降温速度は8℃/h、1m当たりの結晶析出速度は97kg/hであり、晶析開始温度と極大温度の差は0.9℃であった。また、極大温度までの除熱量の変動幅は最大1.44MJ/h(除熱量24MJ/hに対し6%)であった。
更に1時間後、除熱量が内液1m当たり32MJ/hとなるように操作し、8.0℃/hで低下するように冷媒量を調節した。このときの1m当たりの結晶析出速度は80kg/hであった。その結果、約0.8時間後に目標の60℃に到達した。この時点の循環ポンプの入出の差圧は100kPaであり、ポンプのパフォーマンスチャートからポンプ効率60%であり、晶析後のスラリーの粘性が高く、ポンプ能力が充分に出ていないことが判明した。極大温度から60℃に到達までの除熱量の変動幅は最大2.88MJ/h(除熱量32MJ/hに対し9%)であった。60℃到達時点の母液および結晶の組成は下表の様であり、晶析開始の際の核発生量が原因となり、結晶純度が低下した。結晶の平均粒径は65μmであった。振動式粘度計(CBC社製「FVM−80A」)により、スラリー粘度を測定した結果、48mPa・sであった。
Figure 2008273933
その後、BPA濃度24重量%の80℃に調節された晶析原料を晶析槽へ連続供給開始すると共に、連続抜出を開始したところ、ポンプ能力不足により、充分な冷却装置への通液が困難となり、従って、冷却能力不足のために連続運転に移行できなかった。
実施例3:
連続晶析装置としては図4に示す様なジャケット式晶析装置を使用した。連続晶析の場合、晶析原料は原料槽(32)からライン(371〜372)を通じて供給され、晶析槽(31)内部を攪拌しつつ、ジャケット(33)に冷媒を通液して晶析槽内温度を一定にすることで実施される。晶析槽(31)で得られたスラリーはライン(375)から抜き出される。回分晶析の際の晶析原料の冷却は、バルブ(V31〜V33)を閉止して、晶析槽(31)内部を攪拌しつつ、ジャケット(33)に冷却水を供給することで行われる。また、晶析槽(31)の内壁に堆積したビスフェノールAを溶解する際の晶析原料の加温は、バルブ(V31〜V33)を閉止し、晶析槽(31)内部を攪拌しつつ、ジャケット(33)に熱媒体を通して加熱装置として使用することによって行う。
晶析槽(31)内に晶析原料を仕込み、80℃に維持した。このときのフェノール溶液中のビスフェノールA濃度は23.51重量%、2、4’−ビスフェノールA濃度は0.361重量%、トリスフェノール濃度は0.197重量%、トリスクロマン濃度は0.037重量%、イソプロペニルフェノールダイマー濃度は0.291重量%であった。この液組成における飽和温度は、予め作成した飽和曲線に基づいて75.1℃と推定された。ジャケット(33)の冷媒温度を調節して、晶析槽(31)の内液温度が5℃/hで低下する様に設定した。サイトグラス(31b)にて監視を行いながら、晶析槽(31)の内液の降温を行ったところ、72.2℃にて晶析槽(31)の内液が白濁し始めた。この時点を晶析開始とした。80℃から72.2℃に至るまで約1.6時間かかった。
また、このとき核発生に伴う発熱により晶析槽(31)の内液温度が上昇し始めた。この際の温度上昇速度は7.5℃/h程度であった。晶析槽(31)の内液温度は72.7℃(極大温度)に達した後、低下し始めた。再度ジャケット(33)の冷媒温度調節を再開して、晶析槽(31)内の降温速度を5℃/hに設定した結果、2.5時間後に目標の60℃に到達した。この間の1m当たりの結晶析出速度は63kg/hであった。サイトグラス(31b)から観察した晶析槽内部の流動状態は良好で、槽内が十分に攪拌されていることが確認された。その後、バルブ(V31)を開け原料槽(32)より晶析槽(31)へ連続して晶析原料の供給を開始すると共に、バルブ(V32)を開けて受液槽(35)へ連続して液抜きを開始することにより問題なく連続晶析に移行することができた。80℃から60℃に至るのに要した時間は4.1時間であり60℃到達時点の平均結晶粒径は103μm、スラリー濃度は18重量%であった。
実施例4:
実施例3において、種結晶として、篩い分けによって得られた結晶のサイズが75〜150μmのビスフェノールAとフェノールの付加物を添加する以外は、実施例3と同様に実施した。この液組成における飽和温度は、予め作成した飽和曲線に基づいて75.1℃と推定されたため、過冷却状態である75℃に到達時点で、種結晶を1m当たり2.5kgの割合で添加した。サイトグラス(31b)から、晶析槽(31)の内液中に種結晶が分散したことが確認され、温度上昇は観測されなかった。晶析槽(31)内液の降温速度が5℃/hを維持するように、ジャケット(33)の冷媒の温度を調節をそのまま継続した結果、70℃から60℃到達までに要した時間は2時間であった。この間の1m当たりの結晶析出速度は50kg/hであった。サイトグラス(31b)から観察した晶析槽内部の流動状態は良好で、槽内が十分に攪拌されていることが確認された。その後、バルブ(V31)を開け原料槽(32)より晶析槽(31)へ連続して晶析原料の供給を開始すると共に、バルブ(V32)を開けて受液槽(35)へ連続液抜きを開始することにより問題なく連続晶析に移行することができた。80℃から60℃に至るのに要した時間は4時間であり、60℃到達時点の平均結晶粒径は135μmであった。
実施例5:
実施例4において、種結晶を添加した後の晶析槽内液の降温速度を変更する以外は、実施例4と同様に実施した。過冷却状態である75℃に到達時点で、種結晶を1m当たり2.5kgの割合で添加したところ、サイトグラス(31b)から、晶析槽(31)の内液中に種結晶が分散したことが確認され、温度上昇は観測されなかった。このまま73℃まで降温を継続した。80℃から73℃に至るまでに要した時間は1.4時間であった。その後、晶析槽(31)内液の降温速度が10℃/hを維持するように、ジャケット(33)の冷媒温度を再調整した。73℃から60℃に到達するまでに要した時間は1.3時間であった。この間の1m当たりの結晶析出速度は110kg/hであった。サイトグラス(31b)から観察した晶析槽内部の流動状態は良好で、槽内が十分に攪拌されていることが確認された。その後、バルブ(V31)を開け原料槽(32)より晶析槽(31)へ連続して晶析原料の供給を開始すると共に、バルブ(V32)を開けて受液槽(35)へ連続して液抜きを開始することにより問題なく連続晶析に移行することができた。80℃から60℃に至るのに要した時間は約2.7時間であり、60℃到達時点の平均結晶粒径は103μmであった。実施例3と比較して、同等の結晶粒径であるが、所要時間が短縮された。
実施例6:
実施例4において、種結晶として、篩い分けによって得られた結晶のサイズが75〜212μmのビスフェノールAを添加する以外は、実施例4と同様に実施した。過冷却状態である75℃に到達時点で、種結晶を1m当たり2.5kgの割合で添加したところ、サイトグラス(31b)から、晶析槽(31)の内液中に種結晶が分散したことが確認され、温度上昇は観測されなかった。晶析槽(31)内液温度が5℃/hを維持するように、ジャケット(33)の冷媒温度を調節をそのまま継続した結果、70℃から60℃到達までに要した時間は2時間であった。この間の結晶析出速度は50kg/hであった。サイトグラス(31b)から観察した晶析槽内部の流動状態は、実施例3よりも悪く、槽内の一部に結晶の滞留が確認され、60℃到達時点の平均結晶粒径は96μmであり、種結晶無しのケース(実施例3)と比較してむしろ平均粒径が低下した。80℃から60℃に至るのに要した時間は4時間であった。
比較例2:
実施例3において、ジャケット(33)の冷媒温度を調節して、晶析槽(31)の内液温度が10℃/hで低下する様に設定した。サイトグラス(31b)にて監視を行いながら、晶析槽(31)の内液の降温を行ったところ、68.1℃にて晶析槽(31)の内液が白濁し始めた。この時点を晶析開始とした。また、このとき核発生に伴う発熱により晶析槽(31)の内液温度が上昇し始めた。この際の温度上昇速度は15℃/h程度であった。晶析槽(31)の内液温度は69.1℃(極大温度)に達した後、低下し始めた。再度ジャケット(33)の冷媒温度調節を再開して、晶析槽(31)内の降温速度を10℃/hに設定した結果、0.8時間後に目標の60℃に到達した。この間の1m当たりの結晶析出速度は120kg/hであった。サイトグラス(31b)から観察した晶析槽内部の流動状態は悪く、槽内の一部に結晶が滞留して60℃到達時点の平均結晶粒径は87μm、スラリー濃度は18重量%であった。
冷却回分晶析の降温過程における晶析原料の温度温度変化を説明するグラフ 蒸発回分晶析の内液の物性変化を説明するグラフ 実施例1及び2並びに比較例1で使用した連続式晶析装置の説明図 実施例3〜6及び比較例2で使用した連続式晶析装置の説明図
符号の説明
1:晶析槽
2:循環ポンプ
3:冷却装置
4:循環ポンプ
5:加熱装置
6:微結晶付加物溶解槽
31:晶析槽
31b:サイトグラス
32:原料槽
33:ジャケット
34:遠心分離機
35:受液槽
36:原料供給ポンプ
371〜375:プロセスライン
381〜384:用役ライン
39:晶析槽プレクーラー
310:コンデンサ
71〜77:プロセスライン
V31〜V37:バルブ
T:温度計
V:オンライン粘度計
V1:バルブ
V2:バルブ

Claims (10)

  1. 少なくとも、ビスフェノールA及び過剰のフェノールを含む溶液を晶析装置に供給してビスフェノールAとフェノールが1:1(モル比)で結合した付加物を含むスラリー流を形成する晶析工程を含むビスフェノールAの製造方法であって、晶析工程において晶析操作を開始するに際し、晶析装置内において、回分晶析操作を行い、かつ、当該回分晶析操作において晶析装置内の溶液のビスフェノールA濃度が飽和に達した時点における単位時間当たりの過飽和度の変化が0.1〜8℃/hであることを特徴とするビスフェノールAの製造方法。
  2. 回分晶析操作を行うに際し、晶析装置内の溶液を漸次冷却して回分晶析操作を行い、晶析装置内の溶液のビスフェノールA濃度が飽和に達した時点における冷却速度が0.1〜8℃/hである請求項1に記載のビスフェノールAの製造方法。
  3. 回分晶析操作が、以下の条件(A)及び(B)を満足する請求項1又は2に記載のビスフェノールAの製造方法。
    (A)晶析装置内の溶液温度が、晶析装置内の溶液のビスフェノールA濃度が飽和に達した時点の温度以下において、極小値を示した後に極大値を示す様な温度変化を伴う。
    (B)晶析装置内の溶液温度が晶析装置内の溶液のビスフェノールA濃度が飽和に達した時点から極大値に達するまでの間において、除熱量が、晶析装置内の溶液のビスフェノールA濃度が飽和に達した時点における除熱量に対し、±5%の範囲である。
  4. 晶析装置内の溶液の温度が極大値に達した後の晶析操作において、結晶析出速度が1m当り70kg/h以下である請求項3に記載のビスフェノールAの製造方法。
  5. 晶析装置内の溶液の温度が極大値に達した後の晶析操作において、冷却速度が1℃/h〜10℃/hであり、かつ晶析装置内の溶液のビスフェノールAの濃度が飽和に達した時点における冷却速度よりも大きい操作を行う請求項2又は3に記載のビスフェノールAの製造方法。
  6. 晶析装置内に前記の条件(A)を満たさない状態となる量の種晶を添加する請求項1又は2に記載のビスフェノールAの製造方法。
  7. 晶析装置内の溶液温度が、晶析装置内の溶液のビスフェノールA濃度が飽和に達した時点の温度以下において、ビスフェノールAとフェノールとの付加物が析出前に種晶を添加する請求項6に記載のビスフェノールAの製造方法。
  8. 種晶を添加した後の結晶析出速度が1m当り150kg/h以下である請求項6又は7に記載のビスフェノールAの製造方法。
  9. 種晶がビスフェノールAとフェノールが1:1(モル比)で結合した付加物である請求項6〜8の何れかに記載のビスフェノールAの製造方法。
  10. 晶析工程が以下に規定する主晶析工程及び/又は回収晶析工程である請求項1〜9の何れかに記載のビスフェノールAの製造方法。
    (主晶析工程)
    酸性触媒の存在下に過剰のフェノールとアセトンとを反応させてビスフェノールA及びフェノールを含む反応混合物を得る反応工程;当該反応混合物を含む溶液を晶析装置に供給してビスフェノールAとフェノールが1:1(モル比)で結合した付加物を含むスラリー流を形成する主晶析工程;当該スラリー流を付加物とフェノールを主成分とする母液とに分離する固液分離工程;当該付加物からフェノールを分離してビスフェノールAを得るフェノール除去工程;の各工程を含むビスフェノールAの製造方法における主晶析工程。
    (回収晶析工程)
    上記のビスフェノールAの製造方法における固液分離工程で得られる母液の少なくとも一部を晶析装置に供給してビスフェノールAとフェノールが1:1(モル比)で結合した付加物を含むスラリー流を得る回収晶析工程。
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