JP2004182642A - ビスフェノールa・フェノール付加物の晶析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アダクト結晶の晶析において、微少結晶の発生が抑制され、結晶サイズを大きく成長させ、かつ晶析装置の内面への固体の付着を抑制して連続運転期間を長期化することのできる方法が提供される。
【解決手段】ビスフェノールAを含有するフェノール溶液からなる晶析原料液を晶析槽の供給口から晶析スラリーが流動している晶析槽内に供給してビスフェノールAとフェノールとの付加物の結晶を晶析させると共に晶析槽の出口から晶析スラリーを抜き出す方法において、該晶析原料液を、晶析スラリー全体の晶析槽内の平均滞留時間に対して、各供給口から晶析槽の出口に至る晶析スラリーの平均移動時間において5%以上相違する複数の供給口から晶析槽内に供給するビスフェノールA・フェノール付加物の晶析方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビスフェノールA・フェノール付加物の晶析方法に関する。詳しくは本発明はビスフェノールAを含有するフェノール溶液からなる晶析原料液からビスフェノールA・フェノール付加物を連続的に晶析させる方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸触媒の存在下、アセトンに過剰量のフェノ−ルを反応させてビスフェノ−ルAを製造することは知られている。この反応生成物から高純度のビスフェノ−ルAを取得する方法としては、該反応生成物を晶析処理してビスフェノ−ルAとフェノ−ルとの付加物(アダクト)の結晶(以下、「アダクト結晶」ともいう)を析出させ、得られたアダクト結晶の晶析スラリ−を固液分離し、回収されたアダクト結晶からフェノ−ルを除去してビスフェノ−ルAを取得する方法が知られている。
【0003】
アダクト結晶を連続的に晶析させる方法は、例えば、特許第3171464号公報、特開平5−117194号公報等に開示されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
アダクト結晶を晶析させる方法においては、通常、晶析工程の下流に固液分離工程を有する。固液分離工程においては、分離、回収される固形物の粒径分布、平均粒子径や粒子形状が、母液の物性に対して適正な範囲であることが要求される。通常、粒径サイズが大きいほど固液分離能力が高くなるので、粒径サイズを大きくすることは製品品質にとって好ましい。
【0004】
しかるに一般に、生産ロードが上がると粒径サイズが低下し、固液分離機能力を悪化させ、従って精製能力が低下するので、その結果、製品品質が低下することが問題となっていた。
また、長期の連続運転に伴い晶析槽内のスケールが徐々に成長し、スケールの付着により晶析装置の実質的な容積が低下するので、それにより晶析槽内の晶析スラリー(以下、プロセス流体ともいう)の滞留時間が低減し、それにより製品純度が低下することも問題となっていた。
【0005】
【特許文献1】
特許第3171464号公報
【特許文献2】
特開平5−117194号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、アダクト結晶の晶析において、微少結晶の発生を抑制し、結晶サイズを大きく成長させること、並びに、晶析装置の内面への固体の付着を抑制して連続運転期間を長期化することのできる方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、晶析槽への晶析原料液の供給口付近で、微細結晶の発生速度が急激に増加したり、スケールが急速に成長したりすることを見出した。また、晶析槽内で過飽和度の高い状態が持続されると、得られる結晶のサイズが低下することを見出した。しかして、晶析原料液を分割して、晶析槽の特定の複数箇所に供給することにより、得られる結晶のサイズを増大させ得ることを見出した。本発明はかかる知見を基にして完成されたものである。
【0008】
即ち本発明の要旨は、ビスフェノールAを含有するフェノール溶液からなる晶析原料液を晶析槽の供給口から晶析スラリーが流動している晶析槽内に供給してビスフェノールAとフェノールとの付加物の結晶を晶析させると共に晶析槽の出口から晶析スラリーを抜き出す方法において、該晶析原料液を、晶析スラリー全体の晶析槽内の平均滞留時間に対して、各供給口から晶析槽の出口に至る晶析スラリーの平均移動時間において5%以上相違する複数の供給口から晶析槽内に供給することを特徴とするビスフェノールA・フェノール付加物の晶析方法、に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の晶析方法は、ビスフェノールAを含有するフェノール溶液からなる晶析原料液を晶析槽の特定の複数の供給口から晶析スラリーが流動している晶析槽内に供給してアダクト結晶を晶析させることを特徴としている。
【0010】
従って本発明の晶析方法は、基本的に晶析原料液調製工程及び晶析工程から構成されている。
晶析原料液調製工程においては、晶析原料液調製槽にビスフェノールA(以下、BPAと略記する)のフェノール(以下、PLと略記する)溶液等の晶析原料、並びに固液分離工程から循環される晶析母液を供給するなどして、晶析原料液を調製する。BPAのPL溶液としては、通常、アセトンとフェノールとの反応工程から得られる反応生成物が使用されるが、必要により、液の一部を蒸発させたり、循環される晶析母液を添加するなどしてBPA濃度を調節したり、熱交換器などを利用して加熱して結晶を溶解したりする。或いは、前段の晶析工程で得られた結晶を固液分離した後、循環される晶析母液と混合したり、加熱したりして、BPA濃度や温度の調節された晶析原料液とする。
【0011】
晶析原料液調製工程(槽)の温度は、通常、BPAのPL溶液の飽和温度より高い温度に設定される。好ましくは該飽和温度より1〜10℃高い温度、より好ましくは該飽和温度より1〜5℃高い温度である。なお、上記飽和温度は、ガスクロマトグラフィーや近赤外分光分析などを利用してBPA濃度を特定した上で、特開平5−15701号公報等の文献に記載の飽和溶解度曲線などを利用すれば求められる。
【0012】
晶析原料液調製槽では、原料液の均一化を図るために、攪拌機などを用いて攪拌することが好ましい。原料液調製時に液と液との混合を行う場合には、スタティックミキサーなどを用いることもできる。
晶析原料液調製工程にて調製された晶析原料液は、BPA濃度が、通常、18〜30%、好ましくは22〜27%のPL溶液である。ここで、当該PL溶液は、若干の固形物を含むスラリーでもよいが、再晶析のためには完全な溶液であることが好ましい。該晶析原料液の温度は通常、70〜100℃である。
【0013】
晶析工程においては、上記晶析原料液が特定の箇所から晶析装置に導入され、そこで冷却されて、アダクト結晶が析出し、晶析スラリーとされる。
本発明の晶析方法においては、晶析装置として複数の供給口を備えた晶析槽を使用する。
晶析装置の形式は、特に限定されないが、例えば、外部循環式冷却装置を備えた晶析装置(例えば、特許第3171464号公報)、蒸発潜熱を利用する内部冷却式晶析装置(例えば、特許第2974463号公報)等が挙げられる。これらのなかでも外部循環式冷却装置を備えた晶析装置が好ましい。
【0014】
外部循環式冷却装置を備えた晶析装置は、少なくとも晶析槽と外部冷却器とを備えている。さらに微結晶を溶解させることにより結果として平均粒径を大きくするための加熱器や微結晶溶解槽を備えていてもよい。
晶析槽は、晶析原料液を供給するための供給口と晶析スラリーを抜き出すための出口とを備え、結晶を成長させるための、プロセス流体(晶析スラリー)の流動経路を備えている。晶析槽には、運搬層型、完全混合層型、分級層型など各種の型式が知られているが、晶析槽の型だけでなく、ドラフトチューブ(内筒)やバッフル(邪魔板)の使用方法により、晶析槽内の流体の流れが異なる。晶析槽内の流れのタイプとしては、大きく完全混合タイプとピストン流タイプとに分類されるが、いずれのタイプでもよい。このうち、流れの把握がより容易なピストン流タイプの方が、供給口から晶析槽の出口に至る晶析スラリーの移動時間の把握やスラリーの移動時間や局所的過飽和度の制御のためにはより好ましい。しかしながら、近年の流体解析技術の発達に伴い、完全混合タイプでも局所的な過飽和度の予測が可能となった。従って、完全混合タイプでも本発明方法を用いれば過飽和度の制御が充分に可能である。
【0015】
晶析槽に晶析原料液を供給するための複数の供給口は、各供給口から晶析槽の出口に至る晶析スラリーの平均移動時間が、晶析スラリー全体の晶析槽内の平均滞留時間に対して5%以上相違するように設ける。各供給口から晶析槽の出口に至る晶析スラリーの平均移動時間の差は、晶析スラリー全体の晶析槽内の平均滞留時間に対して、好ましくは7%以上、より好ましくは10〜50%である。
【0016】
第1の供給口は、晶析原料液が晶析槽内に最初に供給されてから晶析槽の出口に至るまでにできるだけ長い晶析時間を確保し得るように、当該供給口から晶析槽の出口に至る晶析スラリーの平均移動時間が、晶析スラリー全体の晶析槽内の平均滞留時間に対して、通常100%以上、好ましくは105%以上140%以下となる位置に設ける。本発明では、従来公知の晶析槽に更に原料供給口を追加した態様が好ましい。
【0017】
第2の供給口は、晶析槽内のプロセス流体の流れを阻害しないように第1の供給口から距離を取ると共に、晶析原料液が晶析槽内に最初に供給されてから晶析槽の出口に至るまでにできるだけ長い晶析時間を確保し得るように晶析槽の出口から十分に離れた位置に設置することが好ましい。一般的には、第2の供給口は、第1の供給口よりも下流側であるが、晶析スラリー全体の晶析槽内の平均滞留時間に対して、当該供給口から晶析槽の出口に至る晶析スラリーの平均移動時間が50%以上となる位置に設ける。
【0018】
より詳細には、ピストン流タイプの晶析槽の場合、第2の供給口は、第1の供給口から導入された晶析原料液の過飽和度が実質的に有意差で減少した箇所より下流に設置すればよいが、他方において、晶析スラリー全体の晶析槽内の平均滞留時間に対して、当該供給口から晶析槽の出口に至る晶析スラリーの平均移動時間が50%以上となる位置であるのが好ましい。
【0019】
また、完全混合タイプの晶析槽の場合には、第2の供給口は、第1の供給口から導入された晶析原料液の過飽和度が実質的に有意差で減少した箇所より下流であり、例えば第1の供給口と第2の供給口とで高さを異ならせたり、両者について晶析槽の中心からの距離を異ならせたりすることができる。さらに各供給口は、それぞれ晶析槽の出口から充分に離れていることが望ましい。
【0020】
晶析槽内のプロセス流体が維持すべき好ましい過飽和度は、通常0.08wt%/wt%以下、より好ましくは0.06%/%以下である。晶析原料液の各供給口への分配率は、晶析槽内のプロセス流体が上記の過飽和度を維持している限り特に限定されないが、例えば供給口が2カ所の場合、第1の供給口には50〜90%を、第2の供給口には10〜50%を供給するのが好ましい。供給口が3カ所の場合は、第1の供給口には33〜80%を、第2の供給口には10〜33%を、また第3の供給口には10〜33%を供給するのが好ましい。
【0021】
晶析槽の出口から抜き出された晶析スラリーは、外部循環式冷却装置を備えた晶析装置の場合にはその外部循環量を外部循環ラインに供給した上で、固液分離工程に導いて固液分離し、回収されたアダクト結晶からフェノ−ルを除去してビスフェノ−ルAを取得する等、目的に応じて処理される。
本発明方法により、局所的に高い過飽和度となる状態が抑制される。過飽和度を低く維持して晶析すると、微結晶の発生が抑えられるので、結晶がより大きく成長することができる。より好ましくは過飽和度は晶析系の全体で均一化されるほうがより望ましい。
【0022】
外部循環冷却式の晶析装置の場合には、特に冷却器の入口と出口とで過飽和度が大きく異なる。冷却器の出口は晶析槽の供給口に接続されるため、供給口を複数有すると過飽和度が分散されて、過飽和度を晶析系の全体で均一化する効果がある。
なお、BPAの過飽和度は、溶液中のBPAの重量分率をXとし、該溶液の測定温度における飽和溶液中のBPA重量分率をXsatとすると、(X−Xsat)/Xsatで表される。溶液中における1次核の発生速度及びスケールの成長速度は過飽和度に対して指数関数的に増加するので、過飽和度を制御することは非常に重要である。
【0023】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明の具体的態様を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
図1にプロセス構成を示す装置を用いてアダクト結晶の連続晶析を実施した。図1において、1は晶析槽、2は晶析槽の外筒、3は内筒(ドラフトチューブ)であり、また、4は晶析原料液調製槽、5は循環ポンプ、6は冷却器、7はポンプである。
【0024】
晶析槽1は、密閉構造の外筒2内に、上部に開口部を有する内筒3を挿入した2重構造の晶析塔であり、その外筒2の下部に供給口CおよびDから晶析原料液を分割供給する。供給された各晶析原料液は、晶析スラリーの旋回流として外筒2内を内筒の上部まで上昇し、内筒3の上部の開口部より溢流させられ、内筒3内部を下降した後、内筒3の底部より晶析スラリー抜き出しラインL5を経て抜き出される。
【0025】
抜出された晶析スラリーの一部は外部循環ラインL6に送られ、冷却器6で冷却された後、晶析原料液供給ラインL4を経て供給口Cから外筒内下部に旋回流を生じさせるように循環導入される。内筒底部から抜出された晶析スラリーのうち外部循環ラインL6に送られた残りは、晶析スラリー供給ラインL8に導かれ、固液分離装置に送られる。
【0026】
晶析槽1において、供給口Cは晶析槽の底部に、また供給口Dは晶析槽底より通常液高の1/4の高さに設けた。また、供給口C及びDのそれぞれの循環供給ラインL4及びL7の各供給口より上流側にそれぞれ供給口A及びBを設けた。供給口C及びDのいずれも、晶析槽内の旋回流を阻害しないように旋回流の接線方向に設置した。
【0027】
原料供給ラインL1からBPA含有量50wt%のアダクト結晶の母液含有原料ケーキ21重量部/minを、また、原料供給ラインL2からBPA9wt%の飽和フェノール溶液(固液分離装置の晶析母液)31重量部/minを、80℃に調節された晶析原料液調製槽4に導入し、BPA濃度を25wt%に調整しつつ連続的にケーキを完全溶解させた。
【0028】
調製された晶析原料液は、晶析原料液調製槽4から晶析原料液供給ラインL3を経て52重量部/minの速度で抜き出され、バルブV1を調節して供給口Aから晶析原料液供給ラインL4に42重量部/min、供給口Bから晶析原料液供給ラインL7に10重量部/minとなるように連続的に供給された。晶析槽出口温度が62℃に維持されるように冷却器6への冷却水流量を制御した。晶析槽1内のBPA濃度を25wt%に維持しつつ、アダクト結晶を晶出させ、晶析スラリーを晶析スラリー抜き出しラインL5を経て連続的に52重量部/minの速度で抜き出した。
【0029】
外部循環ラインL6における循環流量は合計800重量部/minとし、バルブV2を調節して供給口Cへは640重量部/min、供給口Dへは160重量部/minとなるように配分した。
この場合、晶析スラリー全体の晶析槽内の平均滞留時間(晶析スラリー全体の通過容積を晶析スラリーの供給流速の合計で除すことによって算出する)は6.0分であり、供給口C及び供給口Dのそれぞれから晶析槽の出口に至る晶析スラリーの平均移動時間(各供給口から晶析槽の出口に至る晶析スラリーの通過容積を各供給口からの晶析スラリーの供給流速で除すことによって算出する)はそれぞれ6.4分(全体の平均滞留時間に対して107%)及び4.6分(全体の平均滞留時間に対して77%)であった。従って各供給口から晶析槽の出口に至る晶析スラリーの平均移動時間の差は、晶析スラリー全体の晶析槽内の平均滞留時間に対して30%であった。
【0030】
この条件にて系内の過飽和度を計算した結果、ポイントCにおける過飽和度は0.047wt%/wt%、ポイントDにおける過飽和度は0.025wt%/wt%となった。複数箇所から晶析原料液が供給されることにより、高い過飽和状態に維持される時間が短縮され、それにより、スケールの堆積速度が低下した。
【0031】
また、晶析槽出口から得られるアダクト結晶の平均粒径は130μmであった。過飽和度の高い状態を回避することにより、1次核の発生速度が低下し、その結果、結晶粒径が大きく成長したということができる。
[比較例1]
供給口B及び供給口Dを利用しなかったこと以外は、実施例1と同様に実施した。即ち、晶析原料液は供給口Cから100%供給した。
【0032】
その結果、供給口Cにおける過飽和度は、0.05wt%/wt%と計算された。また、晶析槽出口から得られるアダクト結晶の平均粒径は119μmであった。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、アダクト結晶の晶析において、微少結晶の発生が抑制され、結晶サイズを大きく成長させることができ、かつ、晶析装置の内面への固体の付着を抑制して連続運転期間を長期化することのできる方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するためのプロセス構成の例を示すプロセス流れ図である。
【符号の説明】
1 晶析槽
2 外筒
3 内筒
4 晶析原料液調製槽
5 循環ポンプ
6 冷却器
7 ポンプ
L1 原料供給ライン
L2 原料供給ライン
L3 晶析原料液供給ライン
L4 晶析原料液供給ライン
L5 晶析スラリー抜き出しライン
L6 外部循環ライン
L7 晶析原料液供給ライン
L8 晶析スラリー供給ライン

Claims (2)

  1. ビスフェノールAを含有するフェノール溶液からなる晶析原料液を晶析槽の供給口から晶析スラリーが流動している晶析槽内に供給してビスフェノールAとフェノールとの付加物の結晶を晶析させると共に晶析槽の出口から晶析スラリーを抜き出す方法において、該晶析原料液を、晶析スラリー全体の晶析槽内の平均滞留時間に対して、各供給口から晶析槽の出口に至る晶析スラリーの平均移動時間において5%以上相違する複数の供給口から晶析槽内に供給することを特徴とするビスフェノールA・フェノール付加物の晶析方法。
  2. 晶析槽の第1の供給口を、晶析スラリー全体の晶析槽内の平均滞留時間に対して、当該供給口から晶析槽の出口に至る晶析スラリーの平均移動時間が100%以上となる位置に設け、かつ第2の供給口を、第1の供給口よりも下流側であるが、晶析スラリー全体の晶析槽内の平均滞留時間に対して、当該供給口から晶析槽の出口に至る晶析スラリーの平均移動時間が50%以上となる位置に設ける、請求項1に記載のビスフェノールA・フェノール付加物の晶析方法。
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