以下、本発明の実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。まず、本発明に係る遊技台の全体構成について説明しておく。
〈全体の構成〉
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観を示す斜視図である。図1に示すように、スロットマシン100の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄(「7」、「Bar」、「ベル」、「リプレイ」等の文字や記号:図示省略)を配列した円筒状のリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、本体101bの内部で回転できるように構成されている。
前面扉101aには、リール表示窓113が設けられており、リール110〜112を正面から眺めると、これに施された絵柄がリール表示窓113から縦方向に3つ見えるようになっている。つまり、全リール110〜112が停止した場合、遊技者は、3×3の合計9個の絵柄を見ることができる。これらのリール110〜112が回転し、停止することにより、様々な絵柄の組み合せがリール表示窓113に表示されることになる。なお、本実施形態では、3個のリールを備えるものとしたが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各リール110〜112の裏側には、リール表示窓113上に表示される個々の絵柄を照らすためのバックライト(図示せず)が配置されている。本実施形態に係るスロットマシン100においては、バックライトとして一枚の照明基板を用いた照明装置(後に詳述)を用い、複数の絵柄を効果的に照明するようにした。
入賞ライン表示ランプ120は、遊技毎に有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ライン114は、スロットマシン100に投入された遊技媒体(本実施形態ではメダルを想定する。)の枚数によって変化する。例えば、図1に示すように5本の入賞ライン114を有する場合、メダルを1枚投入したときは中段の水平入賞ライン、2枚投入したときは、上段の水平入賞ラインおよび下段の水平入賞ラインを加えた3つの入賞ライン、3枚投入したときは更に2本の斜めの入賞ラインを加えた5ラインが有効となり、有効な入賞ライン114上に揃った絵柄の組み合せにより入賞が判断されることとなる。勿論、入賞ラインの数は5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110〜112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、入賞役である再遊技に入賞したとき(例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイの再遊技絵柄の組み合せが入賞ライン114上に揃ったとき)、遊技者へ次の遊技が再遊技であることを知らせるランプである。再遊技の場合、次遊技において遊技媒体であるメダルの投入が免除される。
告知ランプ123は、特別な入賞役(例えば、ビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB))に内部当選した状態にあることを遊技者に報知するランプである。メダル投入ランプ124は、遊技開始にあたって遊技者にメダルの投入が必要であることを報知するランプである。
メダル投入枚数表示ランプ125は、遊技者が投入したメダル枚数を表示するランプである。本実施形態では、1回の遊技に最大3枚までメダル投入できるので、縦に配置した3つのランプを用いてメダル投入枚数を表示している。無論、ランプで表示する他に7セグメント表示器等で直接メダル投入枚数を表示しても良い。
払出枚数表示器126は、メダルの払い出しのある何らかの入賞役に入賞したとき、遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する表示器である。遊技回数表示器127は、ビッグボーナスゲーム中の一般ゲームの回数等を表示する表示器である。貯留枚数表示器128は、電子的に貯留(クレジット)しているメダルの枚数を表示する表示器である。演出用ランプ129は、遊技の興趣を高めるための演出に使用されるランプである。
メダル投入ボタン131、132は、貯留されたメダルをスロットマシン100へ電子的に投入するための投入ボタンであり、いわゆるベットボタンと呼ばれているものである。本実施形態では、3枚メダル投入ボタン131(最大枚数のメダルを投入できる、いわゆるマックスベットボタン)と、1回押下するごとに1枚のメダルを投入する1枚メダル投入ボタン132とを有し、これらのボタンのいずれかを押下することにより遊技に必要な1〜3枚のメダルがスロットマシン100へ電子的に投入される。2枚のメダルを投入する場合は、1枚メダル投入ボタン131を2回押下することとなる。投入されたメダル枚数分は、現在の貯留枚数から減算されて残枚数が貯留枚数表示器128に表示される。
メダル投入口ブロック133は、遊技を開始するに当たって遊技者が直接メダルを投入するための開口を有する。メダルを直接投入した際に、メダル投入口直下にあるメダルセレクターユニット(図示せず)内にメダルが詰まってしまった場合は、メダルキャンセルスイッチ133aを操作することによってメダルの詰まりを解消させる。スタートレバー135は、遊技の開始操作として、リール110〜112の回転を開始させるレバー型のスイッチである。
停止ボタンユニット136には、3つの停止ボタン(左停止ボタン136a,中停止ボタン136b,右停止ボタン136c)が設けられている。各停止ボタンは、押下することによって対応するリール110〜112を停止させるボタン型のスイッチである。具体的には、左停止ボタン136aを操作することによって左リール110が、中停止ボタン136bを操作することによって中リール111が、右停止ボタン136cを操作することによって右リール112がそれぞれ停止する。
各停止ボタンの内部にはランプ(図示せず)が設けられており、スタートレバー135が操作された後、リール110〜112の停止操作が可能な状態になると全ランプが点灯し、遊技者に停止操作が可能になったことを報知する。各停止ボタンのランプは各停止ボタンが押下される毎に消灯する。無論、停止操作可能な状態とその他の状態とでランプの発光色を変化させるように構成することもできる。
精算ボタン138は、遊技者が獲得したメダルを精算して排出する精算処理を行う場合に押下されるボタンである。なお、精算ボタン138は、遊技者がメダル投入口ブロック133から投入したメダルのうち所定枚数(例えば3枚)以上のメダルまたは入賞により獲得したメダルを最大50枚まで貯留するか否かを切り換える場合にも使用され、例えば、一回精算ボタン138が押下されて精算処理が行われると、非貯留モードが設定され、もう一度精算ボタン138が押下されると、貯留モードが設定される。ここに、メダルの貯留とは、メダルを直接払い出さずに、電子的にその枚数を後述する制御部に一時記憶しておくことを意味する。
キー孔139は、扉開閉用のキーを差し込む孔で、キーを差し込んで時計方向に回すとロックが解除され、スロットマシン100の前面扉101aを開けることができる。メダル排出口165は、メダルを排出するための開口であり、入賞時に払い出されるメダルはここから排出される。排出されたメダルは、受皿160に溜まるようになっている。
上部ランプ190、サイドランプ151,152、中央ランプ153,154、腰部ランプ155,156、下部ランプ157,158は、遊技を盛り上げるための演出用のランプであり、遊技状態に応じて点灯/消灯/点滅する。また、図示を省略したタイトルパネルランプ146によりタイトルパネル140を照明する。本実施形態では、受皿160を透光性材料で構成し、受皿取り付け面からランプ光を入射させることで上記演出用のランプと同様の効果を発揮させるように構成している。また、受皿160には、着脱可能に構成した灰皿ユニット170が設けられている。
また、スロットマシンの上部(リール表示窓113の上方)中央部には、遊技に関する各種の情報(ゲームを盛り上げるためキャラクタ等を登場させるゲーム画面、スロットマシンの内部で異常が発生した場合にエラーの内容を表示するエラー画面など)を表示することができるLCD180が設けられており、このLCD180を用いて、各種スイッチ類(例えば、3枚メダル投入ボタン131や1枚メダル投入ボタン132,スタートレバー135,停止ボタン136a〜136c,精算ボタン138等)に生じた動作不良に関する情報も報知する。
〈リール回転装置の構成〉
図2は、スロットマシン100の左リール110,中リール111,右リール112を構成するリール回転装置200の外観斜視図で、リール回転装置200は、概略、3つのリール駆動ユニット210と、これらを収納するケース部材201とで構成される。なお、左リール110,中リール111,右リール112の各リール駆動ユニット210は、リール帯211に印刷される絵柄の配列が異なるだけで、同一の部品で構成されており、各リール駆動ユニット210は、それぞれ個別にケース部材201内に着脱可能に収納固定されている。
〈リールユニットの構成〉
図3(a)は、リール駆動ユニット210の斜視図であり、図3(b)は、リール帯211を取り外した状態の斜視図である。本図に示すように、リール駆動ユニット210は、絵柄を移動表示させるための構成として、取付ベース212の内側面(スロットマシン100の前面に向って、リール帯211の右側方に取付ベース212を配置する場合は、その左側面)に配設したステッピングモータ213の回動軸にリール枠214を取り付け、リール枠214の回転に伴ってリール帯211が回転するものとなっている。
リール枠214に一端縁が接着されたリール帯211の反対側には、リール帯211の補強を目的として補強リム215が接着される。また、リール枠214の適所(例えば、ステッピングモータ213の回転軸に取り付けられるボス部とリール帯211が貼り付けられる円環状のリム部とを連結する連結部の内面)には検知片216を設けてあり、リール枠214が1回転する毎に、非接触式のセンサ217によって検出され、センサ217の検出信号からリール回転基準位置を知ることができる。なお、センサ217はセンサホルダ218を介して取付ベース212の内側面に固定してある。
さらに、リール駆動ユニット210の取付ベース212の内側面には、照明装置220を設けてあり、リール表示窓113にリール帯211が臨む部位の後方から光を照射する。リール帯211は内面側から照射された照明装置220の光が前方へ透過可能な透光性であり、少なくとも、リール表示窓113から前方に臨む複数の絵柄(例えば、上部絵柄、中部絵柄、下部絵柄の3絵柄)を高い視認性で照射するべく、各絵柄に対応する部位を照射領域とし、これらの照明領域裏面を照明装置220は略均一に照射できるよう構成する。なお、リール表示窓113は、遊技者からの視認性がよいように、上縁部が下縁部よりも後方へ傾斜するように形成してあるので、照明装置220も、この傾斜に対応するように、水平方向よりも若干上向きとなるように取り付ける。
〈照明装置の第1構成例〉
図4は、第1構成例の照明装置220Aの概略構造を示す縦断面図で、リール帯211の内面側に配置した状態を示す。照明装置220Aは、複数の発光源としてLED221aを概ね等間隔で配置した照明基板221を、内面がリフレクタとして機能する基板ケース222Aに収納し、基板ケース222Aの前面開口を光学部材230Aで閉塞したものである。なお、照明基板221は、LED221aの発光部が前方のリール帯211に対向するように配置してあり、各LED221aからの照射光は概ね前方へ直進する光路となる。
また、基板ケース222A内は、第1区画壁223aと第2区画壁223bとで上下方向に略三分割し、例えば、第1区画壁223aよりも上方空間を上部絵柄照明部224aとし、この上部絵柄照明部224a内に位置するLED221a…は、リール帯211の上部絵柄領域211aを照明するための光源として用い、第1区画壁223aと第2区画壁223bとの間の空間を中部絵柄照明部224bとし、この中部絵柄照明部224b内に位置するLED221a…は、リール帯211の中部絵柄領域211bを照明するための光源として用い、第2区画壁223bよりも下方空間を下部絵柄照明部224cとし、この下部絵柄照明部224c内に位置するLED221a…は、リール帯211の下部絵柄領域211cを照明するための光源として用いる。
そして、光学部材230Aは、上部絵柄照明部224aの光源から照射された光を上部絵柄領域211aの裏面へ略均一に照射するように調整する上調整部231と、中部絵柄照明部224bの光源から照射された光を中部絵柄領域211bの裏面へ略均一に照射するように調整する中調整部232と、下部絵柄照明部224cの光源から照射された光を下部絵柄領域211cの裏面へ略均一に照射するように調整する下調整部233を備えるものとし、「光源とリール帯との間に配置され、光源からの光の照射方向を調整して、リール帯における前方に臨む照射領域の裏面を略均一に照射する光学部材」として機能する。
光学部材230Aの上調整部231は、上部絵柄照明部224aの前面側に配置される部位で、図5(a1),(a2)に示すように、その入射面231aは、照明基板221の各LED221aからリール帯211の裏面へ直進する光路に対して、上向きに屈折するように傾斜(下部から上部に向って後方へ迫り出す様に傾斜)させた屈折入射部231a1と、該屈折入射部231a1の上端および下端に連なる段差部231a2を、上下方向へ連続的に配置したものである。従って、上調整部231の入射面231aに入射した光は、光の入射角と光学部材230Aの材質で定まる屈折率に応じた方向へ屈折することとなり、上部絵柄照明領域211aに向う光路に変更され、出射面231bから上部絵柄照明領域211aへ向けて出射される。
このように、光学部材230Aの上調整部231においては、入射面231aに屈折入射部231a1を設けることで、「光源からの光をリール帯の照射領域へ向かわせるように出射角度を変える屈折調整手段」としての機能を実現した。なお、出射面231bを透過する際に光路は再び屈折するので、この屈折によって光の出射方向が上部絵柄照明領域211aに向う適切な偏角となるように、入射面231aの屈折入射部231a1の傾斜角度を調整しておく。
また、出射面231bには、蒲鉾状のレンズ231b1を縦方向に整列配置したレンチキュラーレンズ形状の光拡散手段を設け、出射面231bで光を縦方向に拡散させ、上部絵柄照明領域211aを照射するようにした。斯くすることで、上部絵柄照明領域211aに生じる照射斑を一層低減し、より均一な照明効果を期待できる。なお、本構成例の光学部材230Aの上調整部231では、入射面231aに屈折入射部231a1と段差部231a2を屈折調整手段として設けたために、図5(a2)に示す如く、入射面231aより光学部材230Aに入射した光が直進できる直進領域αと、入射面231aより光学部材230Aに入射した光が段差部231a2で反射されたり光学部材230Aから抜け出たりして直進できなくなる非直進領域βとが生ずることとなり、非直進領域βから光学部材230Aに入射した光が照射斑の要因になる可能性があるので、出射面231bに光拡散手段を設けることは有効である。
一方、光学部材230Aの下調整部233は、下部絵柄照明部224cの前面側に配置される部位で、図5(b1),(b2)に示すように、その入射面233aは、照明基板221の各LED221aからリール帯211の裏面へ直進する光路に対して、下向きに屈折するように傾斜(上部から下部に向って後方へ迫り出す様に傾斜)させた屈折入射部233a1と、該屈折入射部233a1の上端および下端に連なる段差部233a2を、上下方向へ連続的に配置したものである。従って、下調整部233の入射面233aに入射した光は、光の入射角と光学部材230Aの材質で定まる屈折率に応じた方向へ屈折することとなり、下部絵柄照明領域211cに向う光路に変更され、出射面233bから下部絵柄照明領域211cへ向けて出射される。
このように、光学部材230Aの下調整部233においては、入射面233aに屈折入射部233a1を設けることで、「光源からの光をリール帯の照射領域へ向かわせるように出射角度を変える屈折調整手段」としての機能を実現した。なお、出射面233bを透過する際に光路は再び屈折するので、この屈折によって光の出射方向が下部絵柄照明領域21cに向う適切な偏角となるように、入射面233bの屈折入射部233a1の傾斜角度を調整しておく。
また、出射面233bには、蒲鉾状のレンズ233b1を縦方向に整列配置したレンチキュラーレンズ形状の光拡散手段を設け、出射面233bで光を縦方向に拡散させ、下部絵柄照明領域211cを照射するようにした。斯くすることで、上述した上調整部231と同様に、入射面233aに屈折入射部233a1と段差部233a2を屈折調整手段として設けることで生じてしまう非直進領域βから下調整部233に入射した光が照射斑の要因になる場合でも、その照射斑を緩和して、下部絵柄照明領域211cを略均一に照明することが可能となる。
上述した上調整部231と下調整部233の間に形成される中調整部232は、中部絵柄照明部224bの前面側に配置される部位で、その入射面232aは、照明基板221の各LED221aからリール帯211の中部絵柄照明領域211bに直進する光路に直交する平坦面であり、入射面232aより入射した光は屈折することなく直進し、中調整部232の出射面232bから中部絵柄照明領域211bの裏面へ照射される。この中調整部232の出射面232bにも蒲鉾状のレンズ232b1を縦方向に整列配置したレンチキュラーレンズ形状の光拡散手段を設けてある。
なお、本構成例の光学部材230Aにおいては、上調整部231,中調整部232,下調整部233の各出射面231b,232b,233bには、横型の蒲鉾状レンズを縦方向に整列配置することで出射光を縦方向に拡散させるものとしたが、例えば、図6に示す光学部材230A′のように、上調整部231,中調整部232,下調整部233の各出射面231b,232b,233bには、縦型の蒲鉾状レンズ231b1,232b1,233b1を横方向に整列配置することで出射光を横方向に拡散させるようにしても良い。或いは、半球面状のレンズを規則的に配列したマイクロアレイレンズ構造の光拡散手段を各出射面231b,232b,233bに適用しても良い。また、本構成例においては、第1,第2区画壁223a,223bを設けることで、光学部材230Aの各入射面231a,232a,233aに光が照射される領域を制限し、光が照射されない区画領域を生ぜしめて、リール帯211における各絵柄照明領域211a〜211cの境界を明瞭に識別できるようにしたが、これら第1,第2区画壁223a,223bを設けない場合でも、光学部材230Aの各調整部231〜233によって出射光の向きを調整するので、各絵柄照明領域211a〜211cに対する十分な照明効果を発揮できる。
上述したように、本構成例の照明装置220Aにおいては、光源であるLED221aが一枚の基板上に分散配置された照明基板221を用いても、光学部材230Aの機能によって、その前方に照射する光を適宜に調整できるので、この照明装置220Aをリール回転装置200の各リール駆動ユニット210に用いれば、円弧状のリール帯211における上部絵柄照明領域211a,中部絵柄照明領域211b,下部絵柄照明領域211cを略均一に照らすことができ、高い照明効果を廉価に実現できる。
また、本構成例の照明装置220Aを用いれば、リール帯211における各絵柄照明領域211a〜211cの停止絵柄をそれぞれ略均一な光量で照射できるので、リール回転装置200のほぼ正面である視点Aから見れば、各絵柄照明領域211a〜211cの停止絵柄を全て明瞭に視認できるのは勿論、リール回転装置200を若干上方から見下ろすような視点Bから見ても、上部絵柄照明領域211aの停止絵柄の光量が極端に低下して視認性が損なわれることもないので、スロットマシン100のように、遊技者の視点位置が一定に定まらない遊技台においては、リール絵柄の視認性向上に有用である。
〈制御ブロック〉
次に、上述した照明装置220Aを備えるスロットマシン100における制御手段として機能する各制御部を詳細に説明する。図7は主制御部300の詳細を示すもので、図8は副制御部400の詳細を示すものである。
〈主制御部の構成〉
まず、図7を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するための監視周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。
タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
また、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400においても同様である。
また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル受付センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、MAXベットボタンセンサ323、ONEベットボタンセンサ324、精算ボタンセンサ325、リセットスイッチ326、メダル払出センサ327の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル受付センサ320は、メダル投入ブロック133のメダル投入口に連なるメダル通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバーセンサ321は、遊技者によるスタートレバー130の操作を検出する。ストップボタンセンサ322は、各々のストップボタン136a〜136cに設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
MAXベットボタンセンサ323はMAXベットボタン131が操作されたことを検出し、ONEベットボタンセンサ322はONEベットボタン132が操作されたことを検出し、夫々の検出出力は、RAM313に電子的に貯留されているメダルを遊技用のメダルとして投入した枚数の特定に供される。たとえば、CPU310は、ONEベットボタン132に対応するONEベットボタンセンサ324がHレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを1枚投入し、MAXベットボタン131に対応するMAXベットボタンセンサ323がHレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを3枚投入する。なお、MAXベットボタン131が押された際に、貯留されているメダル枚数が2枚の場合は2枚投入され、1枚の場合は1枚投入される。
精算ボタンスイッチ325は、精算ボタン138が操作されたことを検出し、これを受けたCPU310は、ホッパモータを駆動させてメダル払出装置(ホッパ)から貯留メダルを払い出す。リセットスイッチ326は、エラー等の復旧後に操作されると、RAM313の特定エリアをクリアして通常稼働状態に復帰させるものである。メダル払出センサ327は、メダル払出装置によって払い出されたメダルを検出し、適正数の払出制御を行うためのものである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
CPU310には、さらに、入力インタフェース361、出力インタフェース370,371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。
入力インタフェース361には、インデックスセンサ328が接続されている。インデックスセンサ328は、具体的には、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ328を通過するたびにHレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのリールモータ駆動部330と、メダル払出装置(バケットにたまっているメダルをメダル払出口165から払い出すための装置。図示せず。)のホッパモータを駆動するためのホッパモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、演出用ランプ129等)と、払出枚数表示器126と、遊技回数表示器127と、貯留枚数表示器128が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。なお、乱数発生回路317は、例えば2つの乱数カウンタ(水晶発振器311のクロック周波数を用いて0〜65535までの値をインクリメントするカウンタ、および水晶発振器316のクロック周波数を用いて0〜16777215までの値をインクリメントするカウンタ)を備える。
また、CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。
〈副制御部の構成〉
次に、図8を用いて、スロットマシン100の副制御部400について説明する。副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110〜112の絵柄を背面より照明するための照明装置220(照明基板221)、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ421等が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。
また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。
CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、各種演出用のランプへ信号を出力するための出力インタフェース470、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、液晶画面制御部500からの信号を入力するための入力インタフェース471、時計IC424、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472が接続されている。
時計IC424が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定情報を店の係員等が確認できるようになっている。
更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信したデータに応じて上部ランプ190、サイドランプ151,152、腰部ランプ155,156、下部ランプ157,158、リールパネルランプ145、タイトルパネルランプ146、払出口ストロボ147、受皿ランプ148を制御する。
タイトルパネルランプ146は、タイトルパネル140を照明するランプである。払出口ストロボ147は、メダル排出口165の内側に設置されたストロボタイプのランプである。受皿ランプ148は、透光性材料で構成したメダル受皿160を受皿取り付け面から照明するランプである。
なお、CPU410は、液晶画面制御部500への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。逆に、CPU410は、入力インタフェース471を介して液晶画面制御部500からの信号を受信する。すなわち、CPU410は、デマルチプレクサ419と入力インタフェース471を介して液晶画面制御部500と双方向通信を行う。この液晶画面制御部500は、LCD180への表示制御を行う装置である。
上述した主制御部300および副制御部400を備えるスロットマシン100は、「複数種類の絵柄が施され、前記光源と前記光学部材とにより内面側より照射される複数のリール」と、「前記複数のリールの回転を開始させるスタートスイッチ」と、「前記複数のリールそれぞれに対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるストップスイッチ」と、「予め定められた複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段」と、「停止時の前記複数のリールにより表示された絵柄の組合せが、前記抽選手段により内部当選した入賞役の絵柄組合せであるか否かにより当該入賞役への入賞を判定する判定手段」と、を備えた遊技台として機能する。
〈照明装置の第2構成例〉
図9は、第2構成例の照明装置220Bの概略構成を示す縦断面図で、リール帯211の内面側に配置した状態を示す。なお、このリール帯211に施した絵柄は相互に近接しており、上部絵柄照明領域211a,中部絵柄照明領域211b,下部絵柄照明領域211cの間には、絵柄同士を区画する領域が無い。
照明装置220Bは、光源として冷陰極管221bを設けた照明基板221Bを、凹面状のリフレクタを備える基板ケース222Bに収納し、基板ケース222Bの前面開口を光学部材230Bで閉塞したものである。本構成例の照明装置220Bにおける照明基板221Bの冷陰極管221bは、リール帯211の各絵柄照明領域211a〜211cを1本で照らせるように縦向きに配置し、冷陰極管221bの周面から拡散放射される光は、基板ケース222Bのリフレクタにより反射され、略平行光として前方のリール帯211に向って直進するようにしてある。なお、リール帯211の照明に必要な光量が高い場合には、冷陰極管221bを複数本横に並べて用いても構わない。
また、基板ケース222B内には区画壁を設けず、光学部材230Bの上調整部231′の後方空部を上部絵柄照明部224a′、中調整部232の後方空部を中絵柄照明部224b′、下調整部233′の後方空部を下部絵柄照明部224c′とする。そして、上調整部231′は、上部絵柄照明部224a′からの光を上部絵柄領域211aの裏面へ略均一に照射するように調整し、中調整部232は、中部絵柄照明部224bからの光を中部絵柄領域211bの裏面へ略均一に照射するように調整し、下調整部233′は、下部絵柄照明部224cからの光を下部絵柄領域211cの裏面へ略均一に照射するように調整することで、光学部材230Bも「光源とリール帯との間に配置され、光源からの光の照射方向を調整して、リール帯における前方に臨む照射領域の裏面を略均一に照射する光学部材」として機能する。
しかして、光学部材230Bにおける上調整部231′の入射面231a′は、前述した第1構成例の光学部材230Aと同様に、照明基板221Bの冷陰極管221bからリール帯211の裏面へ直進する光路に対して、上向きに屈折するように傾斜(下部から上部に向って後方へ迫り出す様に傾斜)させた屈折入射部と、該屈折入射部の上端および下端に連なる段差部を、上下方向へ連続的に配置したものであるが、屈折入射部の傾斜角度を形成位置により異ならしめてある。具体的には、中調整部232に近い下方部では屈折入射部の傾斜角度を小さくし(段差部の段差量は小さい)、上部の屈折入射部ほど傾斜角度を大きくする(段差部の段差量は大きい)ことで、上調整部231′における出射面231bの下部では偏角を小さく抑え、出射面231bの上部にかけて、偏角を徐々に大きくして行く。これにより、上調整部231′の出射面231bからリール帯211の上部絵柄照明領域211aに向けて放射状に略均一な光を照射できる。
一方、中調整部232の入射面232aは、照明基板221Bの冷陰極管221bからリール帯211の中部絵柄照明領域211bに直進する光路に直交する平坦面であり、入射面232aより入射した光は屈折することなく直進し、中調整部232の出射面232bから中部絵柄照明領域211bの裏面へ照射される。すなわち、中調整部232の出射面232bにおいては、その上端から下端にかけて偏角が零の出射光が照射されることとなる。
そして、中調整部232の出射面232bと接する上調整部231′の出射面231b下端においては、出射光の偏角が小さく抑えられているため、中調整部232よりの出射光が照らす領域の上端と、上調整部231′よりの出射光が照らす領域の下端を連続させることができ、前述した第1構成例の光学部材230Aのように、上調整部231が照らす領域の下端と中調整部232が照らす領域の上端との間に、光が照射されない区画領域が生ずることを防止できる。従って、出射光の偏角を徐々に変化させる屈折調整手段を採用した上調整部231′を備える光学部材230Bにおいては、上部絵柄照明領域211aと中部絵柄照明領域211bが近接しているリール帯211に対する好適な照明を実現できる。
また、上述した上調整部231′と同様に、下調整部233′の入射面233a′は、照明基板221Bの冷陰極管221bからリール帯211の裏面へ直進する光路に対して、下向きに屈折するように傾斜(上部から下部に向って後方へ迫り出す様に傾斜)させた屈折入射部と、該屈折入射部の上端および下端に連なる段差部を、上下方向へ連続的に配置したもので、中調整部232に近い上方部では屈折入射部の傾斜角度を小さくし(段差部の段差量は小さい)、下部の屈折入射部ほど傾斜角度を大きくする(段差部の段差量は大きい)ことで、下調整部233′における出射面233bの上部では偏角を小さく抑え、出射面231bの下部にかけて、偏角を徐々に大きくして行く。これにより、下調整部233′の出射面233bからリール帯211の下部絵柄照明領域211cに向けて放射状に略均一な光を照射できる。
そして、中調整部232の出射面232bと接する下調整部233′の出射面233b上端においては、出射光の偏角が小さく抑えられているため、中調整部232よりの出射光が照らす領域の下端と、下調整部233′よりの出射光が照らす領域の上端を連続させることができる。従って、出射光の偏角を徐々に変化させる屈折調整手段を採用した下調整部233′を備える光学部材230Bにおいては、中部絵柄照明領域211bと下部絵柄照明領域211cが近接しているリール帯211に対する好適な照明を実現できる。
なお、上調整部231′、中調整部232、下調整部233′の各出射面231b,232b,233bには、横型の蒲鉾状レンズを縦方向に整列配置したレンチキュラーレンズ形状の光拡散手段を設けてある。無論、光拡散手段は特に限定されるものではなく、縦型の蒲鉾状レンズを横方向に整列配置した構造でも、半球面状のレンズを規則的に配列したマイクロアレイレンズ構造でも構わない。
上述したように、本構成例の照明装置220Bにおいては、上述した第1構成例の照明装置220Aと同様に、光源である冷陰極管221bが一枚の基板上に設けられた照明基板2B21を用いても、光学部材230Bの機能によって、その前方に照射する光を適宜に調整できるので、この照明装置220Bをリール回転装置200の各リール駆動ユニット210に用いれば、円弧状のリール帯211における上部絵柄照明領域211a,中部絵柄照明領域211b,下部絵柄照明領域211cを略均一に照らすことができ、高い照明効果を廉価に実現できる。
また、本構成例の照明装置220Aを用いれば、リール帯211における各絵柄照明領域211a〜211cの停止絵柄をそれぞれ略均一な光量で照射できるので、リール回転装置200のほぼ正面である視点Aから見れば、各絵柄照明領域211a〜211cの停止絵柄を全て明瞭に視認できるのは勿論、リール回転装置200を若干上方から見下ろすような視点Bから見ても、上部絵柄照明領域211aの停止絵柄の光量が極端に低下して視認性が損なわれることもないので、スロットマシン100のように、遊技者の視点位置が一定に定まらない遊技台においては、リール絵柄の視認性向上に有用である。
加えて、本構成例の照明装置220Bを用いれば、各絵柄照明領域211a〜211cが近接あるいは連続して設けられたリール帯211であっても、各絵柄照明領域221a〜221cを略均等に照らすことができる。
〈照明装置の第3構成例〉
図10は、第3構成例の照明装置220Cの概略構造を示す縦断面図で、リール帯211の内面側に比較的近接させて配置した状態を示す。照明装置220Cは、複数の発光源としてLED221aを概ね等間隔で配置した照明基板221を、内面がリフレクタとして機能する基板ケース222Cに収納し、基板ケース222Cの前面開口を光学部材230Cで閉塞したものである。なお、照明基板221は、LED221aの発光部が前方のリール帯211に対向するように配置してあり、各LED221aからの照射光は概ね前方へ直進する光路となる。
また、基板ケース222C内は、第1区画壁223aと第2区画壁223bとで上下方向に略三分割し、例えば、第1区画壁223aよりも上方空間を上部絵柄照明部224aとし、この上部絵柄照明部224a内に位置するLED221a…は、リール帯211の上部絵柄領域211aを照明するための光源として用い、第1区画壁223aと第2区画壁223bとの間の空間を中部絵柄照明部224bとし、この中部絵柄照明部224b内に位置するLED221a…は、リール帯211の中部絵柄領域211bを照明するための光源として用い、第2区画壁223bよりも下方空間を下部絵柄照明部224cとし、この下部絵柄照明部224c内に位置するLED221a…は、リール帯211の下部絵柄領域211cを照明するための光源として用いる。
そして、光学部材230Cは、上部絵柄照明部224aの光源から照射された光を上部絵柄領域211aの裏面へ略均一に照射するように調整する上調整部234と、中部絵柄照明部224bの光源から照射された光を中部絵柄領域211bの裏面へ略均一に照射するように調整する中調整部235と、下部絵柄照明部224cの光源から照射された光を下部絵柄領域211cの裏面へ略均一に照射するように調整する下調整部236を備えるものとし、「光源とリール帯との間に配置され、光源からの光の照射方向を調整して、リール帯における前方に臨む照射領域の裏面を略均一に照射する光学部材」として機能する。
光学部材230Cの上調整部234は、前述した第1構成例の照明装置220Aの光学部材230Aにおける上調整部231と同様に、上部絵柄照明部224aの前面側に配置される部位で、その入射面234aは、照明基板221の各LED221aからリール帯211の裏面へ直進する光路に対して、上向きに屈折するように傾斜(下部から上部に向って後方へ迫り出す様に傾斜)させた屈折入射部と、該屈折入射部の上端および下端に連なる段差部を、上下方向へ連続的に配置したものである。なお、前述した第2構成例の照明装置220Bの光学部材230Bにおける上調整部231′と同様に、出射光の偏角を徐々に変化させ得るように屈折入射部と段差部を調整して、略均一な放射状の出射光を照射できるようにしても良い。
しかして、光学部材230Cにおける上調整部234は、照明基板221におけるLED221aが配列された仮想的な平面と平行に配置せず、上部が後方へ下がるように傾斜させた傾斜構造としてある。すなわち、光学部材230Cの上調整部234は、リール帯211における上部絵柄照明領域211aの曲面に沿わせ得る傾斜形状とすることで、中調整部235を中部絵柄照明領域211bに近接させるように照明装置220Cを前方へ移動させても、上調整部234が上部絵柄照明領域211aに押し当たることを回避できる。
また、出射面234bには、前述した第1,第2構成例の照明装置220A,220Bの光学部材230Aにおける上調整部231と同様に、横型の蒲鉾状レンズを縦方向に整列配置したレンチキュラーレンズ形状の光拡散手段を設け、出射面234bで光を縦方向に拡散させ、上部絵柄照明領域211aを照射するようにした。この上調整部234の出射面234bに設ける光拡散手段も、特に限定されるものではなく、縦型の蒲鉾状レンズを横方向に整列配置した構造でも、半球面状のレンズを規則的に配列したマイクロアレイレンズ構造でも構わない。
一方、光学部材230Cの下調整部236は、前述した第1構成例の照明装置220Aの光学部材230Aにおける上調整部231と同様に、下部絵柄照明部224cの前面側に配置される部位で、その入射面236aは、照明基板221の各LED221aからリール帯211の裏面へ直進する光路に対して、下向きに屈折するように傾斜(上部から下部に向って後方へ迫り出す様に傾斜)させた屈折入射部と、該屈折入射部の上端および下端に連なる段差部を、上下方向へ連続的に配置したものである。従って、下調整部236の入射面236aに入射した光は、光の入射角と光学部材230Cの材質で定まる屈折率に応じた方向へ屈折することとなり、下部絵柄照明領域211cに向う光路に変更され、出射面236bから下部絵柄照明領域211cへ向けて出射される。なお、前述した第2構成例の照明装置220Bの光学部材230Bにおける下調整部233′と同様に、出射光の偏角を徐々に変化させ得るように屈折入射部と段差部を調整して、略均一な放射状の出射光を照射できるようにしても良い。
しかして、光学部材230Cにおける下調整部236は、照明基板221におけるLED221aが配列された仮想的な平面と平行に配置せず、下部が後方へ下がるように傾斜させた傾斜構造としてある。すなわち、光学部材230Cの下調整部236は、リール帯211における下部絵柄照明領域211cの曲面に沿わせ得る傾斜形状とすることで、中調整部235を中部絵柄照明領域211bに近接させるように照明装置220Cを前方へ移動させても、下調整部236が下部絵柄照明領域211cに押し当たることを回避できる。
また、出射面236bには、前述した第1構成例の照明装置220Aの光学部材230Aにおける下調整部233と同様に、横型の蒲鉾状レンズを縦方向に整列配置したレンチキュラーレンズ形状の光拡散手段を設け、出射面236bで光を縦方向に拡散させ、下部絵柄照明領域211cを照射するようにした。この下調整部236の出射面236bに設ける光拡散手段も、特に限定されるものではなく、縦型の蒲鉾状レンズを横方向に整列配置した構造でも、半球面状のレンズを規則的に配列したマイクロアレイレンズ構造でも構わない。
上述した上調整部234と下調整部236の間に形成される中調整部235は、前述した第1構成例の照明装置220Aの光学部材230Aにおける中調整部232と同様に、中部絵柄照明部224bの前面側に配置される部位で、その入射面235aは、照明基板221の各LED221aからリール帯211の中部絵柄照明領域211bに直進する光路に直交する平坦面であり、入射面235aより入射した光は屈折することなく直進し、中調整部235の出射面235bから中部絵柄照明領域211bの裏面へ照射される。この中調整部235の出射面235bにも横型の蒲鉾状レンズを縦方向に整列配置したレンチキュラーレンズ形状の光拡散手段を設けてある。無論、中調整部235の出射面235bに設ける光拡散手段も、特に限定されるものではなく、縦型の蒲鉾状レンズを横方向に整列配置した構造でも、半球面状のレンズを規則的に配列したマイクロアレイレンズ構造でも構わない。
本構成例の照明装置220Cは、上述した第1構成例の照明装置220Aと同様に、光源であるLED221aが一枚の基板上に分散配置された照明基板221を用いても、円弧状のリール帯211における上部絵柄照明領域211a,中部絵柄照明領域211b,下部絵柄照明領域211cを略均一に照らすことができ、高い照明効果を廉価に実現できる。
また、本構成例の照明装置220Cを用いても、リール帯211における各絵柄照明領域211a〜211cの停止絵柄をそれぞれ略均一な光量で照射できるので、リール回転装置200のほぼ正面である視点Aから見れば、各絵柄照明領域211a〜211cの停止絵柄を全て明瞭に視認できるのは勿論、リール回転装置200を若干上方から見下ろすような視点Bから見ても、上部絵柄照明領域211aの停止絵柄の光量が極端に低下して視認性が損なわれることもないので、スロットマシン100のように、遊技者の視点位置が一定に定まらない遊技台においては、リール絵柄の視認性向上に有用である。
さらに、本構成例の照明装置220Cを用いれば、第1,第2構成例の照明装置220A,220Bよりもリール帯211の裏面に近接させるように配置できるので、光学部材230Cの各出射面234,235,236からリール帯211の各絵柄照明領域211a〜211cの距離を近づけることができ、各絵柄照明領域211a〜211cの停止絵柄を高い光量で照らし、視認性を一層高めることが可能となる。
なお、本構成例の照明装置220Cにおいても、前述した第2構成例の照明装置220Bと同様に、冷陰極管を光源とする照明基板を用いても良いし、第1,第2区画壁223a,223bを排除して、上部絵柄照明領域221aから下部絵柄照明領域221cまで連続した照明領域となるようにしても良い。
〈照明装置の第4構成例〉
図11は、第4構成例の照明装置220Dの概略構造を示す縦断面図で、リール帯211の内面側に比較的近接させて配置した状態を示す。照明装置220Dは、複数の発光源としてLED221aを概ね等間隔で配置した照明基板221を、内面がリフレクタとして機能する基板ケース222Dに収納し、基板ケース222Dの前面開口を光学部材230Dで閉塞したものである。なお、照明基板221は、LED221aの発光部が前方のリール帯211に対向するように配置してあり、各LED221aからの照射光は概ね前方へ直進する光路となる。
また、基板ケース222D内は、第1区画壁223aと第2区画壁223bとで上下方向に略三分割し、例えば、第1区画壁223aよりも上方空間を上部絵柄照明部224aとし、この上部絵柄照明部224a内に位置するLED221a…は、リール帯211の上部絵柄領域211aを照明するための光源として用い、第1区画壁223aと第2区画壁223bとの間の空間を中部絵柄照明部224bとし、この中部絵柄照明部224b内に位置するLED221a…は、リール帯211の中部絵柄領域211bを照明するための光源として用い、第2区画壁223bよりも下方空間を下部絵柄照明部224cとし、この下部絵柄照明部224c内に位置するLED221a…は、リール帯211の下部絵柄領域211cを照明するための光源として用いる。
そして、光学部材230Dは、上部絵柄照明部224aの光源から照射された光を上部絵柄領域211aの裏面へ略均一に照射するように調整する上調整部237と、中部絵柄照明部224bの光源から照射された光を中部絵柄領域211bの裏面へ略均一に照射するように調整する中調整部238と、下部絵柄照明部224cの光源から照射された光を下部絵柄領域211cの裏面へ略均一に照射するように調整する下調整部239を備えるものとし、「光源とリール帯との間に配置され、光源からの光の照射方向を調整して、リール帯における前方に臨む照射領域の裏面を略均一に照射する光学部材」として機能する。
光学部材230Dの上調整部237は、前述した第1構成例の照明装置220Aの光学部材230Aにおける上調整部231と同様に、上部絵柄照明部224aの前面側に配置される部位で、その入射面237aは、照明基板221の各LED221aからリール帯211の裏面へ直進する光路に直交する仮想的な平面から上向きに後方へ彎曲する曲面形状とし、出射面237bは、LED221aの光路に直交する仮想的な平面から上向きに前方へ彎曲する曲面形状とする。すなわち、上調整部237の入射面237aと出射面237bは、照明基板221のLED221aから照射された略平行光が入射面237aより入射すると、出射面237bで発散する凹レンズ形状となる。
従って、上調整部237の入射面237aと出射面237bの曲率を適宜に調整することにより、リール帯211の曲面に応じた出射光の発散状態を生ぜしめることができ、上部絵柄照明領域211aの裏面側を略均一に照明することが可能となる。なお、出射面237bに、横型の蒲鉾状レンズを縦方向に整列配置、或いは縦型の蒲鉾状レンズを横方向に整列配置したレンチキュラーレンズ構造の光拡散手段を設けたり、半球面状のレンズを規則的に配列したマイクロアレイレンズ構造の光拡散手段を設たりしても良い。
一方、光学部材230Dの下調整部239は、前述した第1構成例の照明装置220Aの光学部材230Aにおける下調整部2331と同様に、下部絵柄照明部224cの前面側に配置される部位で、その入射面239aは、照明基板221の各LED221aからリール帯211の裏面へ直進する光路に直交する仮想的な平面から下向きに後方へ彎曲する曲面形状とし、出射面239bは、LED221aの光路に直交する仮想的な平面から下向きに前方へ彎曲する曲面形状とする。すなわち、下調整部239の入射面239aと出射面239bは、照明基板221のLED221aから照射された略平行光が入射面239aより入射すると、出射面239bで発散する凹レンズ形状となる。
従って、調整部239の入射面239aと出射面239bの曲率を適宜に調整することにより、リール帯211の曲面に応じた出射光の発散状態を生ぜしめることができ、下部絵柄照明領域211cの裏面側を略均一に照明することが可能となる。なお、出射面239bに、横型の蒲鉾状レンズを縦方向に整列配置、或いは縦型の蒲鉾状レンズを横方向に整列配置したレンチキュラーレンズ構造の光拡散手段を設けたり、半球面状のレンズを規則的に配列したマイクロアレイレンズ構造の光拡散手段を設けたりしても良い。
上述した上調整部237と下調整部239の間に形成される中調整部238は、前述した第1構成例の照明装置220Aの光学部材230Aにおける中調整部232と同様に、中部絵柄照明部224bの前面側に配置される部位で、その入射面238aおよび出射面238bは、照明基板221の各LED221aからリール帯211の中部絵柄照明領域211bに直進する光路に直交する平坦面であり、入射面238aより入射した光は屈折することなく直進し、中調整部238の出射面238bから中部絵柄照明領域211bの裏面へ照射される。この中調整部238の出射面238bにも、横型の蒲鉾状レンズを縦方向に整列配置、或いは縦型の蒲鉾状レンズを横方向に整列配置したレンチキュラーレンズ構造の光拡散手段を設けたり、半球面状のレンズを規則的に配列したマイクロアレイレンズ構造の光拡散手段を設けたりしても良い。
本構成例の照明装置220Dは、上述した第1,第3構成例の照明装置220A,200Cと同様に、光源であるLED221aが一枚の基板上に分散配置された照明基板221を用いても、円弧状のリール帯211における上部絵柄照明領域211a,中部絵柄照明領域211b,下部絵柄照明領域211cを略均一に照らすことができ、高い照明効果を廉価に実現できる。なお、本構成例の照明装置220Dにおいても、前述した第2構成例の照明装置220Bと同様に、冷陰極管を光源とする照明基板を用いても良いし、第1,第2区画壁223a,223bを排除して、上部絵柄照明領域221aから下部絵柄照明領域221cまで連続した照明領域となるようにしても良い。
また、本構成例の照明装置220Dを用いても、リール帯211における各絵柄照明領域211a〜211cの停止絵柄をそれぞれ略均一な光量で照射できるので、リール回転装置200のほぼ正面である視点Aから見れば、各絵柄照明領域211a〜211cの停止絵柄を全て明瞭に視認できるのは勿論、リール回転装置200を若干上方から見下ろすような視点Bから見ても、上部絵柄照明領域211aの停止絵柄の光量が極端に低下して視認性が損なわれることもないので、スロットマシン100のように、遊技者の視点位置が一定に定まらない遊技台においては、リール絵柄の視認性向上に有用である。
さらに、本構成例の照明装置220Dを用いれば、前述した第2構成例の照明装置220Bにおける光学部材230Bとは異なる拡散手段により、上部絵柄照明領域211aと中部絵柄照明領域211bとの間である第1離隔領域211d1も、上部絵柄照明領域211aおよび中部絵柄照明領域211bと同じ照度で照らすことができ、中部絵柄照明領域211bと下部絵柄照明領域211cとの間である第2離隔領域211d2も、中部絵柄照明領域211bおよび下部絵柄照明領域211cと同じ照度で照らすことができるので、少なくとも、上部絵柄照明領域211aの上端位置から下部絵柄照明領域211cの下端位置までの領域をほぼ均一に照明することが可能である。よって、本構成例の照明装置220Dは、第1,第2離隔領域211d1,211d2に区画表示(絵柄と絵柄の間を区切る指標となるマーキング等)を施したリール帯211に用いる照明として好適である。無論、前述した第2構成例の照明装置220Bと同様に、各絵柄照明領域221a〜221cを近接状に形成したリール帯211に用いる照明としても好適である。
〈他の遊技台への適用例〉
本発明に係る遊技台は、スロットマシン100に限定されるものではなく、パチンコ機、パロット機等、遊技台の前面から視認されるリールの絵柄をリールの内面側より照明する構造を採用していれば、どの遊技台にも適用可能である。図12に示す遊技台としてのパチンコ機600は、前述したスロットマシン100と同様に、照明装置220を有するリールユニット210を3つ備えたリール回転装置200と同様な構成を備え、左リール610,中リール611,右リール612が臨むリール表示窓613が設けられている。
また、パチンコ機600は、遊技者が遊技球であるパチンコ玉の打ち出しを行なうため、ハンドル621と、ハンドル621に対する操作により打ち出されるパチンコ玉が導入される受皿622と、パチンコ玉が打ち出される円形の遊技領域623と、を備える。遊技領域623には不図示の釘が配設され、遊技領域623の上部から落下するパチンコ玉は釘に衝突して方向を変えながら遊技領域623の下部へ落下する。遊技領域623には入賞口624が配設されており、入賞口624へパチンコ玉が入球すると予め定めた特典が遊技者に付与される。
この特典は、例えば、大当たりの抽選の実行で、大当たりの抽選で当選すると、遊技者には多数のパチンコ玉が払出されるチャンスが与えられる。この抽選結果の表示をリール610,611,612の回転・停止制御で行い、停止した絵柄の組合せから、大当たりもしくは外れであることを遊技者は判断できる。なお、抽選結果の表示は別の表示手段により行い、この表示手段による表示動作を、より視覚的効果の高い演出で遊技者に見せるように、リール610,611,612の表示動作として見せるようにしても構わない。何れにしても、表示窓613より遊技者が視認できるリール610,611,612を前述した照明装置220により照らすことができれば、停止絵柄に対応する絵柄表示領域を略均一に照明し、リール610,611,612の絵柄を効果的に遊技者に見せることが可能となる。
図13は、上述したパチンコ機600の制御部700の機能ブロック図である。制御部700は、CPU等の処理手段711、乱数を発生する乱数発生手段712、記憶内容を書き換え可能なRAM等の第1記憶手段713a、及び、記憶内容が固定的に保持されるROM等の第2記憶手段713bを有する。この制御部700は、リール610,611,612を照射する照明装置720への点灯・消灯制御を行い、入賞口624に設けられてパチンコ玉の入球を検出するセンサ730からの検出信号を受ける。また、制御部700は、その他のデバイス740(ランプ、パチンコ玉の払い出し装置等)に対する制御も行う。
処理手段711は、大当たりの抽選の実行条件が成立したか否かを判定する実行条件判定手段として機能する。大当たりの抽選の実行条件は、例えば、センサ730により入賞口624へパチンコ玉が入球したことが検出された時に成立する。そして、処理手段711は、大当たりの抽選の実行条件が成立すると乱数発生手段から乱数値を取得し、第1記憶手段713aに記憶する。
乱数値は大当たりの抽選の実行条件の成立毎に予め定めた記憶上限回数を上限として順次記憶される。例えば、4回分の抽選結果が記憶される。4回分の乱数値が記憶されている場合、新たな乱数値は破棄される。そして、処理手段711は、第1記憶手段713aに乱数値が記憶されていることを条件として、当該乱数値に基づき大当たりの抽選処理を行う抽選手段として機能する。なお、第1記憶手段713aに複数回分の乱数値が記憶されている場合には、最も古いものから順番に選択する。
抽選結果が大当たりの場合は、大当たりに対応した識別情報(リール610,611,612の絵柄の組合せで、例えば、「777」等)が表示されると、ボーナスゲームが開始されて遊技者には多数のパチンコ玉が払出されるチャンスが与えられる。
上述した制御部700を備えるパチンコ機600は、「所定の入賞口を有する遊技盤を備え、前記所定の入賞口に遊技球が入球することにより、所定の特典を与え、前記遊技盤には、複数種類の絵柄が施され、前記光源と前記光学部材とにより内面側より照射されるリールを、所定条件に基づいて回転・停止させるリール回転装置、を設けた遊技台」として機能する。