JP2008240687A - 燃料供給構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料の凍結等によりサクションフィルタが目詰まり等を生じてもエアを吸い込まないようにする。
【解決手段】燃料タンク内に設けられた第1のサクションフィルタと、燃料供給通路3bを介して第1のサクションフィルタと直列に接続された第2のサクションフィルタ2とを有し、2つのサクションフィルタはいずれも燃料を吸入する燃料吸入孔と、燃料の液面高さに応じて燃料吸入孔を閉塞するフロートバルブ12とを備え、第1のサクションフィルタには、燃料吸入孔を大気開放する機能と燃料を吸入する機能とを兼用するオリフィスを形成し、第2のサクションフィルタ2のフロートバルブ12の上方には、燃料の補給時にフロートバルブ12の上昇を促進するエア抜き用の穴部16を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等に設けられた燃料タンク内の燃料をエンジンに供給する、燃料供給構造に関するものである。
従来より、自動車等の車両では、燃料タンクとエンジンとの間に、燃料タンク内の燃料をエンジンに供給する燃料供給装置が設けられている。このような燃料供給装置は、主に、燃料タンクとエンジンとを接続する燃料供給路,燃料タンク内に配設されるとともに上記の燃料供給路に接続された燃料吸入路(ホース又はパイプ),ホースの先端の燃料吸い込み口に設けられたフィルタ及び燃料タンク内の燃料を吸入して加圧する燃料ポンプ等から構成されている。
また、このような燃料供給装置に関する技術として、例えば特許文献1には、車両の傾斜や旋回時を考慮して燃料タンク内にフィルタを並列に複数設けた技術が開示されている。
実公昭63−492号公報号公報
ところで、例えば前後方向に比較的長く形成された燃料タンクでは、前傾駐車時のエンジンストール防止対策として、複数のフィルタを前後方向に設けることが考えられる。ここで、図5(a),(b)において、101は燃料タンク110の後方に設けられたメインのフィルタ(後側フィルタ)であり、102はメインフィルタ101よりも前方に設けられたサブフィルタ(前側フィルタ)、103a,103bはともにホース、104は余剰となった燃料を燃料タンク110に戻すドレーンホース、105はドレーンホース104の先端に設けられたフィルタである。
また、図示するように、前側フィルタ102は、後側フィルタ101よりも高い位置に配設されており、また、この後側フィルタ101は燃料タンク110の底面近傍に設けられている。
前側フィルタ102と後側フィルタ101とは直列に接続されており、図示しない燃料ポンプの負圧はまず後側フィルタ101に作用し、後側フィルタ101で燃料が吸い込めなくなるとこの負圧が前側フィルタ102に作用するようになっている。したがって、通常は後側フィルタ101から燃料が吸い込まれるようになっており、前側フィルタ102からは燃料が吸い込まれることはない。
一方、車両前側が下向きになるような前傾駐車時には、燃料が少ないと図5(b)に示すように、後側フィルタ101から燃料が吸い込めなくなるが、このような場合には、前側フィルタ102から燃料が吸い込まれ、これにより燃料タンク110が傾いた際にも確実に燃料供給を行えるようになっている。
ところで、海外には外気温が−25℃以下となるにもかかわらず、−14℃程度で凍結するような性状の燃料が流通している地域が一部存在している。このような給油インフラが整っていない一部の地域においては、燃料タンク110内が低温となって燃料が凍結温度に近づくと、燃料の粘性が高くなるとともに、燃料からパラフィンが析出してフィルタ101のメッシュを塞いでしまう恐れがある。
このように燃料の粘性が高くなったりフィルタ101にパラフィンが付着したりするとフィルタ101を通過する抵抗が大きくなり、後側のフィルタ101から燃料を十分に吸い込めなくなる。
一方、前側に設けられたサブフィルタ102は後側のメインフィルタ101に対して直列に接続されているに過ぎないため、後側のフィルタ101が目詰まりを生じると、燃料吸引の負圧が前側のフィルタ102に作用し、この前側のフィルタ102から燃料が吸い込まれることになる。
しかしながら、図5(a)に示すような状態、即ち、燃料残量が比較的少なく前側のフィルタ102が露出してしまうような場合には、この前側のフィルタ102から燃料ではなくエア(空気)を吸い込んでしまうことになり、エンジンのドライバビリティに悪影響を及ぼすほか、エンジンストールを生じる恐れがある。
なお、上記特許文献1に開示された技術では、フィルタのメッシュを液体燃料の性状や燃料ポンプの吸引力等に応じて適当に定めればよいという開示があるのみであり、上述したような課題を解決することはできなかった。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、燃料の凍結等によりフィルタが目詰まり等を生じてもエアを吸い込まないようにした、燃料供給構造を提供することを目的とする。
このため、本発明の燃料供給構造は、燃料タンク内の燃料をエンジンに供給する燃料供給構造であって、該燃料タンク内に設けられた第1のサクションフィルタと、該燃料タンク内において該第1のサクションフィルタと離隔した位置に配設され、燃料供給通路を介して該第1のサクションフィルタと直列に接続された第2のサクションフィルタとを有し、該2つのサクションフィルタはいずれも該燃料を吸入する燃料吸入孔と、該燃料の液面が該燃料吸入孔の開口よりも低下すると該燃料吸入孔を閉塞するフロートバルブとを備えるとともに、該第1のサクションフィルタには、該燃料吸入孔を大気開放する機能と該燃料を吸入する機能とを兼用するオリフィスが形成され、該第2のサクションフィルタの該フロートバルブの上方には、該第2のサクションフィルタ内部のエアを逃がす穴部が形成されていることを特徴としている(請求項1)。
また、該エア抜き用の穴部は、該第2のサクションフィルタにのみ形成され、該第1のサクションフィルタには形成されていないのが好ましい(請求項2)。
また、該燃料タンクは、前記エンジンが搭載される車両の前後方向に延びるように形成され、該第1のサクションフィルタは、該第2のサクションフィルタよりも後方で且つ低い位置に配設されているのが好ましい(請求項3)。
本発明の燃料供給構造によれば、燃料凍結時のエアの吸い込みを確実に防止することができ、エアの吸い込みに起因するドライバビリティの悪化やエンジンストールを確実に防止することができる。また、これにより車両の信頼性や安全性を高めることができる。
また、オリフィスから凍結に至っていない燃料成分を吸い込むことができエンジンに最低限の燃料を供給することができる。
また、オリフィスによりサクションフィルタ内を大気開放できるので、燃料残量が低下した後に負圧に起因するフロートバルブの張り付きを確実に回避することができる。また、第2のサクションフィルタにはエア抜きの穴部を設けているので、燃料補給時にエアがフロートバルブの上昇を阻害することなく、速やかにフロートバルブを上昇させることができる(以上、請求項1)。
また、このエア抜き用穴部は第1のサクションフィルタには設けていないので、通常運転時にこのリリーフ穴からエアを吸い込むような事態を確実に回避することができる(請求項2)。
また、前傾駐車時のエンジンストールを確実に回避することができる(請求項3)。
以下、図面により、本発明の一実施形態に係る燃料供給構造について説明すると、図1はその全体構成を示す模式図、図2はその要部構成としての第2のサクションフィルタを示す模式的な斜視図、図3はその要部構成としての第1のサクションフィルタを示す模式的な斜視図、図4(a),(b)は第1のサクションフィルタの模式的な断面図であって、フロートバルブの作用を説明する図である。
図1において20は車両に搭載されるエンジンである。このエンジン20は燃料供給通路3及び燃料還流路(ドレーンホース)4により燃料タンク10と接続されており、燃料供給通路3はエンジン20に付設された燃料ポンプ24と接続されている。燃料ポンプ24が稼動すると、燃料供給通路3を通って燃料タンク10内の燃料がエンジン20に供給され、余剰分の燃料が燃料還流路4を通って燃料タンク10に還流されるようになっている。なお、5はドレーンホース4の先端に設けられたフィルタである。
燃料タンク10は、図5(a),(b)を用いて説明したものと同様に、前後方向(車長方向)に比較的長く形成されている。この燃料タンク10の底部は、後側がフラットになっている(後側底部10a)とともに、前側が前端部に向けて徐々に上がるよう傾斜している(前側底部10b)。燃料タンク10の内部には、前後方向に離れて2つのサクションフィルタ1,2が設けられており、これらのサクションフィルタ1,2間が燃料供給通路3の一部を構成するサクションホース3bで直列に接続されている。
前後方向後側に配置された後側サクションフィルタ(第1のサクションフィルタ)1は、燃料供給通路3の途中(燃料供給通路3の一部を構成するサクションホース3aと3bの間)に接続されている。前後方向前側に配置された前側サクションフィルタ(第2のサクションフィルタ)2は、燃料供給通路3の端部(サクションホース3bの端部)に接続されている。後側サクションフィルタ1は、サクションホース3aを介して、燃料タンク10の外部に設けられたフィルタ25に接続されている。また、このフィルタ25とエンジン駆動の燃料ポンプ24とが燃料供給路3cにより接続されている。
前側サクションフィルタ2は、燃料タンク10の前側底部10b上に配置されており、後側サクションフィルタ1は燃料タンク10の後側底部10a上に配置されている。そのため、車両が平坦な土地を走行している又は平坦な土地に停車しているとき等、燃料タンク10が水平に配置されている状態では、前側サクションフィルタ2は後側サクションフィルタ1よりも高い位置に設けられた状態となっている。
このような構成により、車両が前傾した場合であっても前側のサクションフィルタ2から燃料を吸入することができ〔図5(b)参照〕、前傾駐車時のエンジンストールを防止することができるようになっている。
次に、本装置の要部構成について説明すると、図2及び図3に示すように、両サクションフィルタ1、2を比較すると、前側サクションフィルタ2はリリーフ穴16を有するがオリフィスがなく、後側サクションフィルタ1はオリフィス15を有するがリリーフ穴16がない点で大きく異なるが、その他の部位は略同様に構成されている。本実施形態では、前側サクションフィルタ2及び後側サクションフィルタ1は、燃料がなくなるとサクションフィルタ1,2の吸入孔を密閉しエアの吸い込みを防止できるようなフロート式のサクションフィルタとして構成されている。
まず、図3及び図4を参照しつつ、後側サクションフィルタ1の構成について説明する。
後側サクションフィルタ1は、図3及び図4(a),(b)に示すように、外形が略円筒形状のフィルタ本体6を有している。フィルタ本体6の外周壁部には、メッシュの開口6aが複数形成されている。フィルタ本体6は、フィルタ底部7から立ち上がるように一体形成されている。このフィルタ底部7の内部には、燃料が通過可能な空間14(図4参照)が形成されている。フィルタ本体6の内側には、図4(a),(b)に示すように、燃料吸入孔8が形成されている。この燃料吸入孔8は、フィルタ本体6の内部とフィルタ底部7の内部の空間14とを連通している。
後側サクションフィルタ1には、フィルタ本体6の側方においてフィルタ底部7から立ち上がった第1のサクションホース接続部(以下、単に第1接続部という)9と第2のサクションホース接続部(以下、単に第2接続部)11とが形成されている。これら接続部9、11はパイプ状であって、第1接続部9はサクションホース3aに接続されており、第2接続部11はサクションホース3bに接続されている。フィルタ本体6の内部は、燃料吸入孔8及びフィルタ底部7の空間14を介してこれらの接続部9,11に連通している。
フィルタ本体6の内部には、燃料よりも比重の小さい材質で形成されたフロート(フロートバルブ)12が設けられている。このフロート12は、フィルタ本体6内に導入された燃料の液面の低下,上昇に伴って低下,上昇する。これにより、図4(b)に示すように、燃料量が減少して液面が低下するとフロート12も低下し、燃料の液面が燃料吸入孔8の開口よりも低くなると、フロート12により、燃料吸入孔8が閉塞されるようになっている。なお、図4において符号13は、液密性を高めるためのシール部材(シールリング)である。
さらに、後側サクションフィルタ1には、フィルタ底部7内部の空間14と外部とを連通するオリフィス15が設けられている。このオリフィス15は、後側のサクションフィルタ1にのみ設けられた小径の穴部であって、前側サクションフィルタ2には設けられていない。このオリフィス15は、燃料タンク10内の燃料残量が低下してフロート12がシール部材13に密着した場合に、フロート12がシール部材13に密着したままになるのを防止することを主な機能とするが、詳細については後述する。
次に、図2を参照しつつ、前側サクションフィルタ2の構成について説明する。
前側サクションフィルタ2は、図2に示すように、フィルタ本体6やフィルタ底部7、両接続部9、11、フロート12等を有する点では前述の後側サクションフィルタ1と同様であるが、第1接続部9は封止されて第2接続部11のみが機能している、フィルタ本体6の上面にはエア逃がし用のリリーフ穴16が形成されている、オリフィスが形成されていないといった点で、後側サクションフィルタ1とは大きく異なる。また、リリーフ穴16は、前側サクションフィルタ2のみに設けられており、後側サクションフィルタ1には形成されていない(図3参照)。このリリーフ穴16は、フィルタ本体6内に残留したエアを確実に排出するためのものであるが、詳細については後述する。
このような燃料供給構造では、燃料タンク10内の燃料の液面が後側サクションフィルタ1の燃料吸入孔8の開口よりも上方にある場合には、燃料が後側サクションフィルタ1から吸い込まれる。このとき、燃料がフィルタ本体6のメッシュ状の開口6aを通過する際に、燃料に混在している異物が取り除かれる。その後、燃料は、フィルタ本体6の燃料吸入孔8からフィルタ底部7の空間14に吸い込まれて、サクションホース3aを通ってエンジン20に供給される。
そして、上述のように2つのサクションフィルタ1,2をいずれもフロート式サクションフィルタとすることにより、燃料液面が前側サクションフィルタ2よりも低下しているときには、前側サクションフィルタ2ではフロート12により燃料吸入孔8が閉塞されるので、この前側サクションフィルタ2からエアを吸い込むような事態を確実に回避することができる。
特に、燃料液面が前側のフィルタ2よりも低く、且つ後側のフィルタ1よりも高い状態であって、さらに、燃料の凍結温度(例えば−14℃)以下の外気温度(例えば−25℃)となった場合には、このフロート式フィルタは有効に機能する。
つまり、この場合は、凍結により燃料の粘性が高くなるとともに、燃料からパラフィンが析出して後側サクションフィルタ1の開口6aのメッシュを塞いでしまい、後側サクションフィルタ1から燃料を十分に吸い込めなくなる。そして、このように後側サクションフィルタ1が目詰まりを生じると、燃料吸引の負圧が前側サクションフィルタ2に作用し、この前側サクションフィルタ2からエアを吸い込もうとする。
しかしながら、この場合には上述したフロート12により前側サクションフィルタ2の燃料吸入孔8が閉塞されるため、前側サクションフィルタ2が周囲のエアを吸い込んでしまうような事態を回避でき、エンジンストール等を防止することができる。
また、この場合は、後側サクションフィルタ1に作用する負圧により、後側サクションフィルタ1のメッシュの隙間から僅かであっても燃料が吸い込まれ、エンジン20に対して燃料を供給することができるようになるのである。
また、従来と同様に、燃料タンク10が前下がりとなるような前傾姿勢で駐車した場合には、仮に後側フィルタ1の燃料吸入孔8が燃料液面よりも上方に突出したとしても、前側フィルタ2から燃料が吸い込まれてエンジンのストールを防止するようことができる。
ところで、本実施形態では、前後2つのサクションフィルタ1,2をいずれもフロート式のサクションフィルタとして構成しているため、燃料液面が後側のサクションフィルタ1よりも低下すると、両方のサクションフィルタ1,2ではともにフロート12により燃料吸入孔8が塞がれてしまい、この状況で燃料ポンプ24が停止すると負圧が作用したままになり、フロート12がシール部材13に密着してしまう(つまり、張り付いてしまう)ことが考えられる。
そこで、後側サクションフィルタ1では、フィルタ本体6内に小径のオリフィス15を穿設しこのオリフィス15により、燃料タンク10内とフィルタ底部7内部の空間14とを連通することにより、この空間14が大気開放されるようにしているのである。そして、このようなオリフィス15を介して空間14を大気開放することにより、フロート12のシール部材13への張り付きを解消しているのである。
なお、オリフィス15の径は、負圧作用時にはフロート12をシール部材13に密着でき、且つ、負圧が作用しなくなったときにフロート12のシール部材13の張り付きを解消できる程度の大きさに設定してあればよく、本実施形態の場合では例えばΦ1.0〜2.0程度に設定されている。
このようなオリフィス15を設けることにより、エアの吸い込みを防止しながら燃料タンク10に燃料を補給したときのフロート12の張り着きを防止して、燃料補給後速やかに燃料吸入孔8を開放できる。また、このようなオリフィス15を設けることにより、オリフィス15からも僅かながら燃料を吸い込むことができ、燃料凍結時やパラフィン析出時に少しでも多くの燃料を吸い込むことができるようになるという利点もある。
なお、このようなオリフィス15は前側サクションフィルタ2をフロート式サクションフィルタとしたために必要になったものであり、前側サクションフィルタ2が常時大気開放されているような一般的なサクションフィルタであれば、この前側サクションフィルタ2を介して後側サクションフィルタ1も大気開放されるので、このようなオリフィス15は不要である。
さらに、前側サクションフィルタ2のフィルタ本体6のメッシュにパラフィンが付着していると、燃料タンク10に燃料を補給したときにフィルタ本体6のエアがメッシュから排出されず残留してしまい、フロート12の浮き上がりが残留エアにより阻害されるおそれがあるが、エア抜き用のリリーフ穴16により、フィルタ本体6内に残留したエアを確実に排出できる。そして、燃料補給時にフィルタ本体6内に残留したエアをこのリリーフ穴16から排出することにより、速やかにフロート12を浮上させることができる。
ただし、後側サクションフィルタ1にこのようなリリーフ穴16を設けると、通常運転時にこのリリーフ穴16からエアを吸い込む可能性がある。そのため、後側サクションフィルタ1ではリリーフ穴を廃止して、エアの吸い込みを一層確実に防止している。
本発明の一実施形態に係る燃料供給構造は上述のように構成されているので、通常運転時には後側サクションフィルタ1により燃料が吸い込まれ、エンジン20に供給される。一方、燃料残量が僅かなときに前傾駐車により燃料タンク10が前方に傾くと、後側サクションフィルタ1からは燃料を吸い込めなくなるが、この場合には前側サクションフィルタ2により燃料が供給され、エンジンストールが回避される。
ところで、本来、燃料は使用される地域で想定される最低気温よりもさらに低い温度にならないと凍結しないように燃料成分が調整されるべきであるが、既に述べたように、海外の一部の地域では外気温度より高い温度(−14℃程度)で凍結するような燃料が流通している。
このような給油インフラが整っていない一部の地域においては、燃料タンク10内が低温となって燃料が凍結温度に近づくと、燃料の粘性が高くなるとともに、燃料からパラフィンが析出してフィルタ本体6のメッシュを塞いでしまい、後側サクションフィルタ1から燃料を十分に吸い込めなくなる事態が生じ得る。
この場合、燃料吸引の負圧が前側サクションフィルタ2に作用し、この前側サクションフィルタ2から燃料が吸い込まれることになるが、このようなときに、燃料残量が低下していて、前側サクションフィルタ2が燃料の液面から露出していると、この前側サクションフィルタ2からエアを吸い込んでしまうおそれがある。
これに対して、本実施形態に係る燃料供給装置では、前側サクションフィルタ2はフロート12により燃料供給孔8が閉塞されるので、このようなエアの吸い込みを確実に防止することができる。これにより、エアの吸い込みに起因するドライバビリティの悪化やエンジンストールを防止することができ、車両の信頼性や安全性を高めることができる。
また、この場合、後側サクションフィルタ1に大きな負圧が作用するので、後側サクションフィルタ1の燃料供給孔8及びオリフィス15から凍結に至っていない燃料成分を吸い込むことができ、エンジン20に最低限の燃料を供給することができる。
また、通常使用時には、燃料を使い切ると、両サクションフィルタ1、2ではフロート12が燃料供給孔8を閉塞してしまうが、本燃料供給構造では、後側サクションフィルタ1のオリフィス15を介してフィルタ底部7内の空間14を大気開放できるので、負圧に起因するフロート12のシール部材13への密着(張り付き)を確実に回避することができる。
また、前側サクションフィルタ2のフィルタ本体6の上面にはエア抜きのリリーフ穴16を設けているので、燃料補給時には速やかにフロート12を上昇させることができる。なお、このリリーフ穴16は後側サクションフィルタ1には設けていないので、通常運転時に後側サクションフィルタ1がエアを吸い込むような事態を確実に回避することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。例えば、上述の実施形態では、オリフィス15は後側サクションフィルタ1にのみ設けているが、前側サクションフィルタ1にオリフィスを追加しても良い。また、本実施形態では燃料タンク10が車両の前後に延びるような形状としたが、車両の左右(幅方向)に延びるような形状であってもよい。この場合は、2つのサクションフィルタが左右に離れるように配置することで、車両の左右方向への傾斜に伴う燃料の偏りに対して、前述と同様の効果を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る燃料供給構造の全体構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る燃料供給構造の要部構成としての第2のサクションフィルタを示す模式的な斜視図である。 本発明の一実施形態に係る燃料供給構造の要部構成としての第1のサクションフィルタを示す模式的な斜視図である。 本発明の一実施形態に係る燃料供給構造における第1のサクションフィルタの模式的な断面図であって、フロートバルブの作用を説明する図である。 従来の技術について説明する図である。
符号の説明
1 後側サクションフィルタ(第1のサクションフィルタ)
2 前側サクションフィルタ(第2のサクションフィルタ)
3 燃料供給通路
3a,3b サクションホース
6 フィルタ本体
6a 開口
7 フィルタ底部
8 燃料吸入孔
10 燃料タンク
12 フロート(フロートバルブ)
15 オリフィス
16 リリーフ穴(エア抜き用穴部)
20 エンジン

Claims (3)

  1. 燃料タンク内の燃料をエンジンに供給する燃料供給構造であって、
    該燃料タンク内に設けられた第1のサクションフィルタと、
    該燃料タンク内において該第1のサクションフィルタと離隔した位置に配設され、燃料供給通路を介して該第1のサクションフィルタと直列に接続された第2のサクションフィルタとを有し、
    該2つのサクションフィルタはいずれも該燃料を吸入する燃料吸入孔と、該燃料の液面が該燃料吸入孔の開口よりも低下すると該燃料吸入孔を閉塞するフロートバルブとを備えるとともに、
    該第1のサクションフィルタには、該燃料吸入孔を大気開放する機能と該燃料を吸入する機能とを兼用するオリフィスが形成され、
    該第2のサクションフィルタの該フロートバルブの上方には、該第2のサクションフィルタ内部のエアを逃がす穴部が形成されている
    ことを特徴とする、燃料供給構造。
  2. 該エア抜き用の穴部は、該第2のサクションフィルタにのみ形成され、該第1のサクションフィルタには形成されていない
    ことを特徴とする、請求項1記載の燃料供給構造。
  3. 該燃料タンクは、前記エンジンが搭載される車両の前後方向に延びるように形成されており、該第1のサクションフィルタは、該第2のサクションフィルタよりも後方で且つ低い位置に配設されている
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の燃料供給構造。
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