JP5198578B2

JP5198578B2 - 燃料タンク

Info

Publication number: JP5198578B2
Application number: JP2010536752A
Authority: JP
Inventors: 真也村林; 健彰中島
Original assignee: Honda Motor Co Ltd
Current assignee: Honda Motor Co Ltd
Priority date: 2008-11-07
Filing date: 2009-10-29
Publication date: 2013-05-15
Anticipated expiration: 2029-10-29
Also published as: JPWO2010053045A1; EP2343446A1; EP2343446B1; WO2010053045A1; US20110209789A1; CN102197210A; EP2343446A4

Description

本発明は、燃料ポンプと、前記燃料ポンプが配置されるとともに、燃料が貯留される第１溜まり部と、前記燃料が貯留される第２溜まり部と、前記第１溜まり部及び前記第２溜まり部にわたって配置され、前記燃料ポンプを介して吸引されるサイフォン管とを備える燃料タンクに関する。

内燃エンジンに燃料を供給するために、燃料タンクが用いられている。例えば、４ＷＤ（４輪駆動）車やＦＲ（フロントエンジン・リアドライブ）車では、センターを通るプロペラシャフトを避けるために、タンク底部の車幅方向中央が上方に凹んだ、所謂、鞍型燃料タンクが採用されている。

鞍型燃料タンクは、一般的に、燃料が貯留される第１溜まり部と、前記燃料が貯留される第２溜まり部とに区画されるとともに、前記第１溜まり部及び前記第２溜まり部には、それぞれ燃料汲み上げ用システムが取り付けられている。このため、２ＷＤ（２輪駆動）車に比べて、２台分の燃料汲み上げ用システムが必要であり、コストが高騰するとともに、大型化する。

そこで、例えば、特開平１０−０６１５１５号公報に開示されている燃料タンクレベル均衡装置が知られている。この装置は、図５に示すように、２つの分割区画１ａ、１ｂを有する燃料タンク１を備えており、サイフォン２を介して前記分割区画１ａ、１ｂ内の燃料レベルを等しく保つように構成されている。

分割区画１ｂには、燃料ポンプモジュール３が配設されるとともに、前記燃料ポンプモジュール３の出口には、バイパス圧力レギュレータ４が設けられている。このレギュレータ４の出口には、導管５が連結されており、前記導管５を通って噴射ポンプ６のノズル６ａに液体燃料が供給されている。噴射ポンプ６は、ノズル６ａに供給される液体燃料により作動し、サイフォン２の各燃料ピックアップ２ａ、２ｂから前記サイフォン２内を通って燃料が吸引されている。

これにより、サイフォン２を介して分割区画１ａ、１ｂ内の燃料レベルを等しく保つとともに、１つの燃料レベルセンサ７で車両内の全燃料レベルを監視することができる、としている。

上記の特開平１０−０６１５１５号公報では、サイフォン２の両端に設けられている燃料ピックアップ２ａ、２ｂが、分割区画１ａ、１ｂの内側内壁（互いに近接する内壁）に配置されている。このため、燃料タンク１が左又は右（矢印Ａ方向）に傾斜して駐車した際や、旋回走行している際に、サイフォン２を介して必要以上の燃料が移送されるおそれがある。

特に、燃料タンク１が矢印Ａ１方向に傾斜した状態では、燃料ピックアップ２ｂは、燃料ポンプモジュール３の吸い込み口３ａよりも下方に配置している。従って、燃料ピックアップ２ｂを介して分割区画１ｂ内の燃料のほとんどが分割区画１ａ側に移送されてしまう。これにより、燃料ポンプモジュール３を介して燃料をエンジンに供給することができず、このエンジンの始動性が低下する。

本発明はこの種の問題を解決するものであり、旋回走行中や傾斜地での駐車時に、第１溜まり部と第２溜まり部との間で必要以上の燃料の移送が発生することを抑制し、簡単な構成で、エンジンを確実に始動させることが可能な燃料タンクを提供することを目的とする。

本発明は、燃料ポンプと、前記燃料ポンプが配置されるとともに、燃料が貯留される第１溜まり部と、前記燃料が貯留される第２溜まり部と、前記第１溜まり部及び前記第２溜まり部にわたって配置され、前記燃料ポンプを介して吸引されるサイフォン管とを備える燃料タンクに関するものである。

この燃料タンクでは、第１溜まり部に開放されるサイフォン管の開放端は、燃料ポンプよりも外側に配置されている。

本発明では、第１溜まり部に開放されるサイフォン管の開放端が、燃料ポンプよりも外側に配置されている。このため、旋回走行中や傾斜地での駐車時に、特に燃料ポンプが配置される第１溜まり部から第２溜まり部に燃料を必要以上に移送させることを阻止することができる。従って、燃料ポンプを介してエンジンに燃料を確実に供給することが可能になり、簡単な構成で、前記エンジンの始動性が良好に向上する。

添付した図面と協同する次の好適な実施の形態例の説明から、上記の目的、特徴及び利点がより明らかになるだろう。

図１は、本発明の実施形態に係る燃料タンクが組み込まれる燃料供給システムの概略構成図である。図２は、工場出荷時の前記燃料タンクの説明図である。図３は、傾斜地での駐車時又は旋回走行時の前記燃料タンクの説明図である。図４は、連続旋回走行時の前記燃料タンクの説明図である。図５は、特開平１０−０６１５１５号公報に開示されている燃料タンクレベル均衡装置の説明図である。

図１に示すように、本発明の実施形態に係る燃料タンク１０は、燃料供給システム１２に組み込まれる。燃料タンク１０は、鞍型燃料タンクを構成しており、図示しない車両に搭載される。燃料タンク１０の車幅方向（矢印Ａ方向）略中央底部には、上方に湾曲する鞍部１４が設けられ、この鞍部１４によりメインタンク部（第１溜まり部）１６及びサブタンク部（第２溜まり部）１８が形成される。

メインタンク部１６には、燃料ポンプモジュール２０が配置される。この燃料ポンプモジュール２０を構成する燃料ポンプ２２は、メインタンク部１６の底部１６ａに開口する燃料吸引口２４ａを有する汲み上げ用ジェットポンプ２４を備える一方、出口側には、プレッシャレギュレータ２６が接続される。

プレッシャレギュレータ２６は、燃料配管２８を介して図示しないエンジンに燃料Ｆを供給する一方、サクション用分岐配管３０を設ける。分岐配管３０の先端（下端）には、サクション用ジェットポンプ３２が設けられる。

燃料タンク１０内には、メインタンク部１６及びサブタンク部１８の各底部１６ａ、１８ａにわたってサイフォン管３４が配置される。サイフォン管３４の上部側途上には、３方向ジョイント３６が設けられ、前記３方向ジョイント３６には、逆流防止弁３８が配設された吸引用接続部３６ａが設けられる。この接続部３６ａには、サクション用管路４０の一端が接続されるとともに、前記サクション用管路４０の他端は、サクション用ジェットポンプ３２の吸引側（負圧側）に接続される。

サイフォン管３４のメインタンク部１６側の開放端３４ａは、サクション用ジェットポンプ３２よりも外側に、より具体的には、前記メインタンク部１６の底部１６ａに、且つ、サブタンク部１８から離間する外側内壁１６ｂに隣接して配置される。この開放端３４ａには、切替バルブ４２ａが装着される。切替バルブ４２ａは、気体を検出することにより開放端３４ａを閉塞する一方、液体を検出することにより前記開放端３４ａを開放させる。

サイフォン管３４のサブタンク部１８側の開放端３４ｂは、同様に、底部１８ａに、且つ、メインタンク部１６から離間する外側内壁１８ｂに隣接して配置される。この開放端３４ｂには、気体検出によって閉塞される一方、液体検出によって開放される切替バルブ４２ｂが装着される。

燃料ポンプモジュール２０には、メインタンク部１６に貯留される燃料Ｆの液面Ｆｓの位置を検出するためのフロート４４が設けられる。このフロート４４により検出された液面Ｆｓから燃料の残量を検出する燃料計４６は、制御部であるＥＣＵ（電気制御ユニット）４８に接続される。ＥＣＵ４８には、燃料タンク１０の傾斜角度を検出する傾斜角度検出センサ（燃料不均衡状態検出部）５０と、前記燃料タンク１０のヨーレートを検出するヨーレートセンサ（燃料不均衡状態検出部）５２とが接続される。

この燃料タンク１０の動作について、これを組み込む燃料供給システム１２との関連で以下に説明する。

先ず、図２に示すように、工場出荷時等のように、メインタンク部１６にのみ燃料Ｆが貯留されている状態で、エンジンの初期始動が行われる。このため、燃料ポンプモジュール２０を構成する燃料ポンプ２２が駆動され、メインタンク部１６に貯留されている燃料Ｆは、汲み上げ用ジェットポンプ２４の作用下に燃料吸引口２４ａから吸引される。

燃料Ｆは、プレッシャレギュレータ２６から燃料配管２８を介してエンジンに供給される。一方、分岐配管３０を介してサクション用ジェットポンプ３２に供給され、サクション用管路４０に負圧が発生する。サクション用管路４０は、３方向ジョイント３６を介してサイフォン管３４に連通しており、このサイフォン管３４内が吸引される。

サイフォン管３４は、一方の開放端３４ａがメインタンク部１６に貯留されている燃料Ｆ内に配置されるとともに、他方の開放端３４ｂは、燃料Ｆのないサブタンク部１８に配置されており、切替バルブ４２ｂが閉塞されている。従って、サクション用ジェットポンプ３２の作用下に、サイフォン管３４内が吸引されると、このサイフォン管３４の一方の開放端３４ａから吸い上げられた燃料Ｆは、前記サイフォン管３４の他方の開放端３４ｂ側に移送される。

開放端３４ｂでは、燃料Ｆが供給されることにより、切替バルブ４２ｂが開放され、メインタンク部１６側の燃料Ｆがサブタンク部１８側に送られ、サイフォン管３４によるサイフォン機能が発揮される。このため、メインタンク部１６内の燃料Ｆ及びサブタンク部１８に移送された燃料Ｆの各液面Ｆｓは、同一高さ位置に配置されることになる。

また、図３に示すように、車両を傾斜地に駐車する際や旋回走行させる際に、燃料タンク１０が車幅方向（矢印Ａ方向）に対して傾斜する場合がある。従って、メインタンク部１６に貯留されている燃料Ｆと、サブタンク部１８内に貯留されている燃料Ｆとは、不均衡になり易い。

そこで、車両が傾斜地に駐車した状態では、傾斜角度検出センサ５０が燃料タンク１０の傾斜角度を検出し、検出された傾斜角度が設定角度（例えば、５゜〜６゜）以上であると判断されると、ＥＣＵ４８は、燃料計４６による残量検出を一定時間だけ規制する。

また、車両が旋回走行時である際には、ヨーレートセンサ５２によりヨーレートが検出され、この検出されたヨーレート（横Ｇ）が設定値（例えば、０．１Ｇ）以上であると判断されると、燃料計４６による残量検出を一定時間だけ規制する。

さらにまた、傾斜角度検出センサ５０により検出された傾斜角度が設定角度以上である際、又はヨーレートセンサ５２により検出されたヨーレートが設定値以上である際、燃料計４６による残量検出を一定時間だけ停止し、通常状態に復帰して所定時間（サイフォン管３４によりメインタンク部１６とサブタンク部１８との燃料が均一になるのに掛かる時間）後、残量検出を行うことも可能である。

これにより、メインタンク部１６とサブタンク部１８とに、規定値以上の液面差が発生するような場合に、燃料の残量検出を規制することによって、残量誤検出を阻止することができる。

図３に示す燃料タンク１０の傾斜状態では、サイフォン管３４のサイフォン効果によって、上方に傾斜するメインタンク部１６内の燃料Ｆが、下方側に配置されているサブタンク部１８に移送される。このため、メインタンク部１６及びサブタンク部１８の各液面Ｆｓを、同一位置に調整することが可能になる。

また、エンジン停止時には、３方向ジョイント３６の接続部３６ａに配置されている逆流防止弁３８の作用下に、サクション用管路４０からサイフォン管３４側に逆流することがない。従って、サイフォン管３４は、所望のサイフォン効果を有することができ、メインタンク部１６及びサブタンク部１８の各液面Ｆｓを均一化する機能を継続して維持することが可能になる。

この場合、本実施形態では、サイフォン管３４のメインタンク部１６側の開放端３４ａは、サクション用ジェットポンプ３２よりも外側に配置されている。より具体的には、サイフォン管３４の両開放端３４ａ、３４ｂは、メインタンク部１６及びサブタンク部１８の各底部１６ａ、１８ａに、且つ、互いに離間する外側内壁１６ｂ、１８ｂに隣接して配置されている。このため、メインタンク部１６がサブタンク部１８を下方にして傾斜する際、燃料ポンプ２２の燃料吸引口２４ａは、サイフォン管３４の開放端３４ａよりも下方に配置されている（図３参照）。

これにより、車両の旋回中や傾斜地での駐車時に、特に、燃料ポンプ２２が配置されるメインタンク部１６からサブタンク部１８に、燃料Ｆが必要以上に移送されることを阻止することができる。従って、燃料ポンプ２２を介してエンジンに燃料Ｆを確実に供給することが可能になり、簡単な構成で、前記エンジンの始動性が良好に向上する。

さらにまた、図４に示すように、車両が連続旋回走行等を行うことによって、燃料タンク１０内の液面Ｆｓが上下に変動する場合がある。その際、サイフォン管３４の両開放端３４ａ、３４ｂには、切替バルブ４２ａ、４２ｂが装着されており、燃料Ｆが存在するときにのみ、開放端３４ａ、３４ｂが開放されている。このため、サイフォン管３４内にエアが導入されることを阻止し、良好なサイフォン効果を確実に維持することが可能になる。

しかも、燃料ポンプ２２を介してサクション用ジェットポンプ３２を、常時、作動させることにより、３方向ジョイント３６を介してサイフォン管３４内を、常時、吸引している。これにより、サイフォン管３４は、所望のサイフォン効果を確実且つ良好に維持することができ、エンジンへの燃料供給不良を抑制することができる。

Claims

燃料ポンプ（２２）と、
前記燃料ポンプ（２２）が配置されるとともに、燃料が貯留される第１溜まり部（１６）と、
前記燃料が貯留される第２溜まり部（１８）と、
前記第１溜まり部（１６）及び前記第２溜まり部（１８）にわたって配置されるサイフォン管（３４）と、
を備える燃料タンク（１０）であって、
前記第１溜まり部（１６）に開放される前記サイフォン管（３４）の開放端（３４ａ）は、前記燃料ポンプ（２２）よりも外側に配置されることを特徴とする燃料タンク。
請求項１記載の燃料タンクにおいて、前記サイフォン管（３４）の両開放端（３４ａ、３４ｂ）は、前記第１溜まり部（１６）及び前記第２溜まり部（１８）の底部（１６ａ、１８ａ）に且つ互いに離間する外側内壁（１６ｂ、１８ｂ）に隣接して配置されることを特徴とする燃料タンク。
請求項１記載の燃料タンクにおいて、前記第１溜まり部（１６）が前記第２溜まり部（１８）を下方にして傾斜する際、前記燃料ポンプ（２２）の燃料吸引口（２４ａ）は、前記サイフォン管（３４）の開放端（３４ａ）よりも下方に配置されることを特徴とする燃料タンク。
請求項１記載の燃料タンクにおいて、前記サイフォン管（３４）には、負圧によってこのサイフォン管（３４）に燃料を吸引するサクション用管路（４０）を接続するための３方向ジョイント（３６）が設けられるとともに、
前記３方向ジョイント（３６）の接続部（３６ａ）に逆流防止弁（３８）が配設されることを特徴とする燃料タンク。
請求項１記載の燃料タンクにおいて、前記第１溜まり部（１６）の燃料と前記第２溜まり部（１８）の燃料とに不均衡が発生する状態を検出する燃料不均衡状態検出部と、
前記燃料不均衡状態検出部により燃料不均衡状態が検出された際、前記第１溜まり部（１６）又は前記第２溜まり部（１８）に配置された燃料計による残量検出を一定時間だけ規制する制御部（４８）と、
を備えることを特徴とする燃料タンク。
請求項５記載の燃料タンクにおいて、前記燃料不均衡状態検出部は、前記燃料タンク（１０）の傾斜角度を検出する傾斜角度検出センサ（５０）を備え、
前記燃料不均衡状態は、検出された前記傾斜角度が設定角度以上であることを特徴とする燃料タンク。
請求項５記載の燃料タンクにおいて、前記燃料不均衡状態検出部は、前記燃料タンク（１０）のヨーレートを検出するヨーレートセンサ（５２）を備え、
前記燃料不均衡状態は、検出された前記ヨーレートが設定値以上であることを特徴とする燃料タンク。