JP3669677B2 - 燃料タンク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等に用いられる燃料タンクに関し、特に一端がタンク本体の上部空間に連通して他端がフィラーパイプの給油口に連通するブリーザパイプを備えた燃料タンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は、自動車用の従来の燃料タンクTを示すものである。燃料タンクTは車体の後部下面に搭載されたタンク本体11を備えており、その下部空間に一端を接続されたフィラーパイプ12は車体側方に向けて斜め上方に立ち上がり、他端に形成した給油口121 が車体の側面に開口する。タンク本体11の上部空間とフィラーパイプ12の給油口121 とがブリーザパイプ13で接続されており、タンク本体11の上部空間に延びるブリーザパイプ13の端部に、燃料液面が満タン液面Fまで上昇したときに閉弁してブリーザパイプ13を閉塞するフロートバルブ21が設けられる。
【0003】
而して、給油ガンGを用いてフィラーパイプ12の給油口121 から燃料を給油すると、タンク本体11の燃料液面が上昇するに伴って、タンク本体11の上部空間の空気は開弁状態のフロートバルブ21、ブリーザパイプ13および給油口121 を経て外部に排出される。タンク本体11の燃料液面が満タン液面Fに達してフロートバルブ21が閉弁するとブリーザパイプ13が閉塞され、タンク本体11の上部空間の空気が密閉されて燃料液面の上昇が規制されるため、給油ガンGから供給される燃料によってフィラーパイプ12内の燃料液面が上昇する。そしてフィラーパイプ12内の燃料液面が給油ガンGのノズルNの高さに達すると、給油ガンGのオートストップ装置が作動して燃料の供給が停止される。エンジンの運転時には、タンク本体11内の燃料はインタンク型の燃料ポンプ14でフィードパイプ15を経てエンジンに供給される。
【0004】
ところで、図7に示すようにタンク本体11と給油口121 との間に車体フレーム16のような障害物が存在するとき、この障害物との干渉を回避すべくブリーザパイプ13の中間を下向きに湾曲させる場合がある。このようにブリーザパイプ13の中間に下向きに湾曲した下方湾曲部132 が形成されると、燃料蒸気が液化した燃料が前記下方湾曲部132 に滞留したり、あるいは自動車の走行に伴う揺れでタンク本体11内の燃料がブリーザパイプ13内に流入して前記下方湾曲部132 に滞留したりする可能性がある。
【0005】
下方湾曲部132 に滞留した燃料でブリーザパイプ13が閉塞されると、給油ガンGでの給油時にタンク本体11の上部空間の空気がブリーザパイプ13を介して排出されなくなるため、タンク本体11に流入できなくなった燃料でフィラーパイプ12内の燃料液面が上昇してしまい、タンク本体11が燃料で満たされる前に給油ガンGのオートストップが作動してしまう問題が発生する。また給油ガンGから供給される燃料の圧力でタンク本体11の上部空間の圧力が急激に上昇すると、その圧力でブリーザパイプ13の下方湾曲部132 に滞留した燃料がフィラーパイプ12の給油口121 に噴出する場合がある。この場合にも、タンク本体11が燃料で満たされる前に、噴出した燃料で給油ガンGのオートストップが作動してしまう問題が発生する。
【0006】
そこで、図8に示すように、エンジンの燃料噴射装置から余剰の燃料をタンク本体11内に戻すリターンパイプ18の下流端にジェットポンプ19を設け、このジェットポンプ19と下方湾曲部132 とを滞留燃料吸引パイプ20で接続し、ジェットポンプ19が発生する負圧で下方湾曲部132 に滞留した燃料を滞留燃料吸引パイプ20を介してタンク本体11に吸引することにより、上記問題を解決することが考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図8に示すように、タンク本体11に延びるブリーザパイプ13の端部に設けたフロートバルブ21が閉弁する満タン液面Fに対して、ジェットポンプ19の燃料噴出口192 が低い位置に配置されていると、エンジンを停止させての給油時にはジェットポンプ19も停止しているため、燃料液面の上昇に伴ってジェットポンプ19の燃料噴出口192 から滞留燃料吸引パイプ20を経てブリーザパイプ13の下方湾曲部132 に燃料が逆流してしまい、その結果としてフィラーパイプ12内の燃料液面が上昇して給油ガンGのオートストップ装置が早期に作動してしまう問題がある。
【0008】
逆に、満タン液面Fに対してジェットポンプ19の燃料噴出口192 が高い位置に配置されていると、燃料タンクTが満タンになってフロートバルブ21が閉弁しても、滞留燃料吸引パイプ20およびブリーザパイプ13を介してタンク本体11の上部空間とフィラーパイプ12とが連通状態に保たれるため、フィラーパイプ12内の燃料液面が上昇できなくなって給油ガンGのオートストップ装置が作動しないという問題がある。
【0009】
更に、図8に示すように、フロートバルブ21が閉弁した状態でジェットポンプ19が作動すると、タンク本体11内の燃料がフィラーパイプ12、ブリーザパイプ13および滞留燃料吸引パイプ20を経てジェットポンプ19に吸引されるため、フィラーパイプ12内の燃料液面が給油口121 まで上昇する。従って、この状態で誤って燃料キャップを開くと、給油口121 から燃料が噴出する可能性がある。また燃料キャップが完全に閉まっていない場合には、フィラーパイプ12内の燃料液面が上昇することはないが、ジェットポンプ19によって大気が給油口121 、ブリーザパイプ13および滞留燃料吸引パイプ20を経てタンク本体11内に吸引されるため、タンク本体11の内圧の増加したり、燃料蒸気の発生量が増加してキャニスタが早期に劣化したりする問題がある。
【0010】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、上記各問題を解決し得る燃料タンクを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、燃料を貯留するタンク本体と、一端がタンク本体の下部空間に連通して他端に給油ガンが挿入される給油口が形成されたフィラーパイプと、一端がタンク本体の上部空間に連通して他端がフィラーパイプの給油口に連通し、中間に下方湾曲部が形成されたブリーザパイプと、ブリーザパイプの一端に設けられてタンク本体内の燃料液面が満タン液面に達すると閉弁するフロートバルブと、ブリーザパイプの下方湾曲部に滞留した燃料を滞留燃料吸引パイプを介して吸引するジェットポンプと、を備えた燃料タンクであって、ジェットポンプの燃料噴出口の高さを前記満タン液面の高さに略一致させたことを特徴とする燃料タンクが提案される。
【0012】
上記構成によれば、ジェットポンプの燃料噴出口の高さを満タン液面の高さに略一致させたので、ジェットポンプが停止している給油時に燃料噴出口から滞留燃料吸引パイプを経てブリーザパイプの下方湾曲部に燃料が逆流するのを防止し、ブリーザパイプの閉塞による給油ガンのオートストップ装置の早期作動を防止することができる。またフロートバルブの閉弁時にジェットポンプの燃料噴出口、滞留燃料吸引パイプおよびブリーザパイプを介してタンク本体の上部空間とフィラーパイプとが連通するのを防止し、フィラーパイプ内の燃料液面を上昇させて給油ガンのオートストップ装置を確実に作動させることができる。
【0013】
また請求項2に記載された発明によれば、燃料を貯留するタンク本体と、一端がタンク本体の下部空間に連通して他端に給油ガンが挿入される給油口が形成されたフィラーパイプと、一端がタンク本体の上部空間に連通して他端がフィラーパイプの給油口に連通し、中間に下方湾曲部が形成されたブリーザパイプと、ブリーザパイプの一端に設けられてタンク本体内の燃料液面が満タン液面に達すると閉弁するフロートバルブと、ブリーザパイプの下方湾曲部に滞留した燃料を滞留燃料吸引パイプを介して吸引するジェットポンプと、を備えた燃料タンクであって、ジェットポンプが所定の吸引力を発生したときに開弁してタンク本体の上部空間の空気を吸引可能にするチェックバルブを滞留燃料吸引パイプに設けたことを特徴とする燃料タンクが提案される。
【0014】
上記構成によれば、ジェットポンプが所定の吸引力を発生したときに開弁してタンク本体の上部空間の空気を吸引可能にするチェックバルブを滞留燃料吸引パイプに設けたので、燃料液面が満タン液面に達してフロートバルブが閉弁した状態でジェットポンプが作動したとき、チェックバルブが開弁してブリーザパイプに過剰な負圧が発生するのを防止することができる。これにより、フィラーパイプ内の燃料液面が吸い上げられないようにし、燃料キャップを開いたときに給油口から燃料が噴出するのを防止することができるだけでなく、燃料キャップが完全に閉じていないときに給油口から大量の空気がタンク本体内に吸入されないようにし、キャニスタの劣化を抑制することができる。
【0015】
また請求項3に記載された発明によれば、燃料を貯留するタンク本体と、一端がタンク本体の下部空間に連通して他端に給油ガンが挿入される給油口が形成されたフィラーパイプと、一端がタンク本体の上部空間に連通して他端がフィラーパイプの給油口に連通し、中間に下方湾曲部が形成されたブリーザパイプと、ブリーザパイプの一端に設けられてタンク本体内の燃料液面が満タン液面に達すると閉弁するフロートバルブと、ブリーザパイプの下方湾曲部に滞留した燃料を滞留燃料吸引パイプを介して吸引するジェットポンプと、を備えた燃料タンクであって、フロートバルブの閉弁中にジェットポンプが作動したとき、フロートバルブを通してタンク本体の上部空間の空気をブリーザパイプに吸引可能に構成したことを特徴とする燃料タンクが提案される。
【0016】
上記構成によれば、フロートバルブの閉弁中にジェットポンプが作動したとき、フロートバルブを通してタンク本体の上部空間の空気をブリーザパイプに吸引し、該ブリーザパイプに過剰な負圧が発生するのを防止することができる。これにより、フィラーパイプ内の燃料液面が吸い上げられないようにし、燃料キャップを開いたときに給油口から燃料が噴出するのを防止することができるだけでなく、燃料キャップが完全に閉じていないときに給油口から大量の空気がタンク本体内に吸入されないようにし、キャニスタの劣化を抑制することができる。 また請求項4に記載された発明によれば、燃料を貯留するタンク本体と、一端がタンク本体の下部空間に連通して他端に給油ガンが挿入される給油口が形成されたフィラーパイプと、一端がタンク本体の上部空間に連通して他端がフィラーパイプの給油口に連通し、中間に下方湾曲部が形成されたブリーザパイプと、ブリーザパイプの一端に設けられてタンク本体内の燃料液面が満タン液面に達すると閉弁するフロートバルブと、ブリーザパイプの下方湾曲部に滞留した燃料を滞留燃料吸引パイプを介して吸引するジェットポンプと、を備えた燃料タンクであって、滞留燃料吸引パイプの中間部をフロートバルブに連通させ、ジェットポンプの作動により滞留燃料吸引パイプに作用する負圧でフロートバルブの閉弁を規制することを特徴とする燃料タンクが提案される。
【0017】
上記構成によれば、滞留燃料吸引パイプの中間部をフロートバルブに連通させ、ジェットポンプの作動により滞留燃料吸引パイプに作用する負圧でフロートバルブの閉弁を規制するので、燃料液面が満タン液面に達してフロートバルブが閉弁した状態でジェットポンプが作動したとき、フロートバルブを強制的に開弁してブリーザパイプに過剰な負圧が発生するのを防止することができる。これにより、フィラーパイプ内の燃料液面が吸い上げられないようにし、燃料キャップを開いたときに給油口から燃料が噴出するのを防止することができるだけでなく、燃料キャップが完全に閉じていないときに給油口から大量の空気がタンク本体内に吸入されないようにし、キャニスタの劣化を抑制することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。尚、以下の第1〜第4実施例において、図7および図8に示した従来例と同じ構成要素は、それに従来例と同じ符号を付すことにより重複する説明を省略する。
【0019】
図1は請求項1に記載された発明に対応する第1実施例を示すもので、図8に示す従来例と比較すると明らかなように、第1実施例のジェットポンプ19の燃料噴出口192 の高さはタンク本体部11の満タン液面Fの高さに略一致するように配置される。而して、ブリーザパイプ13の下方湾曲部132 に燃料が滞留しても、エンジンから戻される余剰燃料がジェットポンプ19のベンチュリノズル191 を通過する際に発生する負圧で、ブリーザパイプ13の下方湾曲部132 に滞留した燃料を滞留燃料排出パイプ20を介してタンク本体11の内部に吸引することができる。これにより、給油時にブリーザパイプ13の下方湾曲部132 に燃料が滞留しないようにしてフィラーパイプ12内の燃料液面の早期上昇を防止し、タンク本体11が燃料で満たされる前に給油ガンGのオートストップ装置が作動してしまうのを防止することができる。
【0020】
仮にジェットポンプ19の燃料噴出口192 が満タン液面Fよりも低い位置に配置されていると、ジェットポンプ19が停止している給油時に、燃料液面の上昇に伴ってジェットポンプ19の燃料噴出口192 から滞留燃料吸引パイプ20を経てブリーザパイプ13の下方湾曲部132 に燃料が逆流してしまい、ブリーザパイプ13の閉塞によりフィラーパイプ12内の燃料液面が上昇し、給油ガンGのオートストップ装置が早期に作動してしまう問題がある。また、仮にジェットポンプ19の燃料噴出口192 が満タン液面Fよりも高い位置に配置されていると、燃料液面が満タン液面Fに達してフロートバルブ21が閉弁しても、ジェットポンプ19の燃料噴出口192 、滞留燃料吸引パイプ20およびブリーザパイプ13を介してタンク本体11の上部空間とフィラーパイプ12とが連通状態に保たれるため、フィラーパイプ12内の燃料液面が上昇できなくなって給油ガンGのオートストップ装置が作動しないという問題がある。
【0021】
しかしながら、本実施例ではジェットポンプ19の燃料噴出口192 の高さをタンク本体11の満タン液面Fの高さに略一致させたので、上記2つの問題を共に解決することが可能となる。
【0022】
次に、図2に基づいて請求項2に記載された発明に対応する第2実施例を説明する。
【0023】
第2実施例は、タンク本体11の上部空間に露出する滞留燃料吸引パイプ20にチェックバルブ22を設けたものである。チェックバルブ22はタンク本体11の上部空間に連通する弁孔23を閉鎖するようにスプリング24で付勢されたチェックボール25を備えており、ジェットポンプ19が発生する負圧が滞留燃料吸引パイプ20に作用すると開弁するもので、その開弁圧p(負圧)は、ブリーザパイプ13の下方湾曲部132 を基準にしたジェットポンプ19のベンチュリノズル191 の高さをhとし、タンク本体11の満タン液面Fを基準としたフィラーパイプ12およびブリーザパイプ13の接続部の高さをHとし、燃料の比重量をγとしたとき、
γh<p<γH
が成立するように設定される。
【0024】
而して、ジェットポンプ19が作動してブリーザパイプ13の下方湾曲部132 に滞留した燃料を吸引するとき、チェックバルブ22の開弁圧pをγhよりも大きく設定したことにより、該チェックバルブ22は閉弁状態に保たれる。従って、ジェットポンプ19で下方湾曲部132 に滞留した燃料を支障なく吸引することができる。
【0025】
また燃料液面が満タン液面Fに達してフロートバルブ21が閉弁した状態でジェットポンプ19が作動したとき、ブリーザパイプ13内に発生する負圧でフィラーパイプ12内の燃料液面が上昇するが、チェックバルブ22の開弁圧pをγHよりも小さく設定したことにより、フィラーパイプ12内の燃料液面はブリーザパイプ13との接続部よりも低い位置までしか上昇しない。従って、この状態から誤って燃料キャップ26を開いても、給油口121 から燃料が噴出する虞はない。
【0026】
また燃料キャップ26が完全に閉まっていない場合には、ジェットポンプ19によって大気が給油口121 、ブリーザパイプ13および滞留燃料吸引パイプ20を経てタンク本体11内に吸引されるため、フィラーパイプ12内の燃料液面が上昇することはないが、給油口121 から大気が吸入されてタンク本体11の内圧の増加したり、燃料蒸気の発生量が増加してキャニスタが早期に劣化したりする問題がある。しかしながら、本実施例では滞留燃料吸引パイプ20の負圧が高まるとチェックバルブ22が開弁するため、給油口121 からの大気の吸入が抑制されて前記問題が解決される。
【0027】
次に、図3に基づいて請求項3に記載された発明に対応する第3実施例を説明する。
【0028】
フロートバルブ21は、タンク本体11の上壁に着脱自在に支持されたバルブハウジング31を備えており、バルブハウジング31にはタンク本体11の上部空間に臨むフロート室311 と、フロート室311 の上部に形成された弁座312 と、弁座312 の上方に形成されてブリーザパイプ13に連なる継ぎ手313 とが形成される。フロート室311 の内部には上面が閉塞された有底円筒状のフロート32が上下動自在に収納されており、その上端に前記弁座312 に着座可能な弁体33が設けられる。フロート32の重量の一部を支持すべく、フロート室311 の底壁とフロート32との間にスプリング34が配置される。そしてフロート室311 には複数の連通孔314 …が形成されるとともに、フロート32の上壁に小孔321 が形成される。
【0029】
而して、給油時にタンク本体11内の燃料液面の上昇に伴ってフロートバルブ21のフロート32がフロート室311 の内部で上昇し、燃料液面が満タン液面Fに達したときにフロート32の弁体33が弁座312 に着座してブリーザパイプ13を閉塞し、フィラーパイプ12内の燃料液面を上昇させる。このとき、フロート32の上壁に形成した小孔321 を介してフロート32内の空気がブリーザパイプ13側に流出するが、その流量は極めて僅かであるため、フィラーパイプ12内の燃料液面の上昇が阻害されることはない。
【0030】
フロートバルブ21が閉弁した状態でジェットポンプ19が作動すると滞留燃料吸引パイプ20およびブリーザパイプ13の内部が負圧になるため、閉弁状態にあるフロートバルブ21のフロート32の上壁の小孔321 を介して該フロート32の内部に閉じ込められた空気がブリーザパイプ13の内部に吸い出される。するとフロート32の内部の燃料液面がL1 からL2 へと上昇して該フロート32の液没体積が減少するため、浮力の減少によりフロート32が沈下して弁体33が弁座312 から離反し、フロート弁21が開弁する。その結果、ブリーザパイプ13の内部がタンク本体11の上部空間に連通して負圧が発生しなくなり、フィラーパイプ12内の燃料液面が上昇することが防止されるとともに、燃料キャップ26が完全に閉まっていない場合に大量の空気がタンク本体11内に吸入されることが防止され、前記第2実施例と同様の作用効果を達成することができる。
【0031】
次に、図4に基づいて上記第3実施例の変形例を説明する。
【0032】
この変形例はフロート32の上壁にチェックバルブ35を設けたものである。このチェックバルブ35は、フロート32の上壁を貫通する小孔321 …の上面を弾性体よりなる弁体36で覆ったもので、フロート弁21の閉弁中にジェットポンプ19が作動するとブリーザパイプ13に発生する負圧でチェックバルブ35が開弁する。その結果、フロート32内の空気が吸い出されて内部の燃料液面がL1 からL2 へと上昇し、フロート32が浮力の減少により沈下して弁体33が弁座312 から離反し、ブリーザパイプ13の内部がタンク本体11の上部空間に連通して負圧が発生しなくなる。而して、この変形例によっても、前記図3の実施例と同様の作用効果を得ることができる。特に、給油時にフロート32が上昇してフロートバルブ21が閉弁した後、フロート32の小孔321 …が弁体36で閉塞されるので、ブリーザパイプ13内に空気が入るのを防止してフィラーパイプ12内の燃料液面を速やかに上昇させ、給油ガンGのオートストップ装置を確実に作動させることができる。
【0033】
次に、図5に基づいて上記第3実施例の他の変形例を説明する。
【0034】
この変形例はフロート32の側壁に連通孔322 ,322 を形成したものである。フロート32の側壁に連通孔322 ,322 を形成したことにより、フロート弁21の閉弁中にジェットポンプ19が作動したとき、タンク本体11の上部空間の空気がフロート室311 の連通孔314 ,314 、フロート32の側壁の連通孔322 ,322 およびフロート32の上壁の小孔321 …を通してブリーザパイプ13内に吸入される。従って、フロート32を閉弁位置に保持したまま、ブリーザパイプ13の内部に負圧が発生するのを防止して図3の第3実施例と同様の作用効果を発揮させることができる。
【0035】
次に、図6に基づいて請求項4に記載された発明に対応する第4実施例を説明する。
【0036】
この実施例は、滞留燃料吸引パイプ20の中間部をフロートバルブ21のフロート室311 の下部に連通させたものである。フロート弁21の閉弁中にジェットポンプ19が作動すると、滞留燃料吸引パイプ20に発生する負圧でフロートバルブ21のフロート室311 内の燃料が吸い出されて燃料液面が低下するため、フロート32が落下してフロート弁21が開弁する。而して、ブリーザパイプ13の内部に負圧が発生するのを防止して図3の第3実施例と同様の作用効果を発揮させることができる。
【0037】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0038】
例えば、本発明は自動車以外の用途の燃料タンクに対しても適用することができる。また実施例ではリターンパイプ18にジェットポンプ19を設けているが、フィードパイプ15にジェットポンプ19を設けても同様の効果を得ることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、ジェットポンプの燃料噴出口の高さを満タン液面の高さに略一致させたので、ジェットポンプが停止している給油時に燃料噴出口から滞留燃料吸引パイプを経てブリーザパイプの下方湾曲部に燃料が逆流するのを防止し、ブリーザパイプの閉塞による給油ガンのオートストップ装置の早期作動を防止することができる。またフロートバルブの閉弁時にジェットポンプの燃料噴出口、滞留燃料吸引パイプおよびブリーザパイプを介してタンク本体の上部空間とフィラーパイプとが連通するのを防止し、フィラーパイプ内の燃料液面を上昇させて給油ガンのオートストップ装置を確実に作動させることができる。
【0040】
また請求項2に記載された発明によれば、ジェットポンプが所定の吸引力を発生したときに開弁してタンク本体の上部空間の空気を吸引可能にするチェックバルブを滞留燃料吸引パイプに設けたので、燃料液面が満タン液面に達してフロートバルブが閉弁した状態でジェットポンプが作動したとき、チェックバルブが開弁してブリーザパイプに過剰な負圧が発生するのを防止することができる。これにより、フィラーパイプ内の燃料液面が吸い上げられないようにし、燃料キャップを開いたときに給油口から燃料が噴出するのを防止することができるだけでなく、燃料キャップが完全に閉じていないときに給油口から大量の空気がタンク本体内に吸入されないようにし、キャニスタの劣化を抑制することができる。
【0041】
また請求項3に記載された発明によれば、フロートバルブの閉弁中にジェットポンプが作動したとき、フロートバルブを通してタンク本体の上部空間の空気をブリーザパイプに吸引し、該ブリーザパイプに過剰な負圧が発生するのを防止することができる。これにより、フィラーパイプ内の燃料液面が吸い上げられないようにし、燃料キャップを開いたときに給油口から燃料が噴出するのを防止することができるだけでなく、燃料キャップが完全に閉じていないときに給油口から大量の空気がタンク本体内に吸入されないようにし、キャニスタの劣化を抑制することができる。
【0042】
また請求項4に記載された発明によれば、滞留燃料吸引パイプの中間部をフロートバルブに連通させ、ジェットポンプの作動により滞留燃料吸引パイプに作用する負圧でフロートバルブの閉弁を規制するので、燃料液面が満タン液面に達してフロートバルブが閉弁した状態でジェットポンプが作動したとき、フロートバルブを強制的に開弁してブリーザパイプに過剰な負圧が発生するのを防止することができる。これにより、フィラーパイプ内の燃料液面が吸い上げられないようにし、燃料キャップを開いたときに給油口から燃料が噴出するのを防止することができるだけでなく、燃料キャップが完全に閉じていないときに給油口から大量の空気がタンク本体内に吸入されないようにし、キャニスタの劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る燃料タンクを示す図
【図2】本発明の第2実施例に係る燃料タンクを示す図
【図3】本発明の第3実施例に係るフロートバルブの拡大図
【図4】第3実施例のフロートバルブの第1変形例を示す図
【図5】第3実施例のフロートバルブの第2変形例を示す図
【図6】本発明の第4実施例に係るフロートバルブの拡大図
【図7】従来の燃料タンクを示す図
【図8】従来の燃料タンクにジェットポンプを設けた例を示す図
【符号の説明】
11 タンク本体
12 フィラーパイプ
121 給油口
13 ブリーザパイプ
132 下方湾曲部
19 ジェットポンプ
192 燃料噴出口
20 滞留燃料吸引パイプ
21 フロートバルブ
22 チェックバルブ
F 満タン液面
G 給油ガン
Claims (4)
- 燃料を貯留するタンク本体(11)と、
一端がタンク本体(11)の下部空間に連通して他端に給油ガン(G)が挿入される給油口(121 )が形成されたフィラーパイプ(12)と、
一端がタンク本体(11)の上部空間に連通して他端がフィラーパイプ(12)の給油口(121 )に連通し、中間に下方湾曲部(132 )が形成されたブリーザパイプ(13)と、
ブリーザパイプ(13)の一端に設けられてタンク本体(11)内の燃料液面が満タン液面(F)に達すると閉弁するフロートバルブ(21)と、
ブリーザパイプ(13)の下方湾曲部(132 )に滞留した燃料を滞留燃料吸引パイプ(20)を介して吸引するジェットポンプ(19)と、
を備えた燃料タンクであって、
ジェットポンプ(19)の燃料噴出口(192 )の高さを前記満タン液面(F)の高さに略一致させたことを特徴とする燃料タンク。 - 燃料を貯留するタンク本体(11)と、
一端がタンク本体(11)の下部空間に連通して他端に給油ガン(G)が挿入される給油口(121 )が形成されたフィラーパイプ(12)と、
一端がタンク本体(11)の上部空間に連通して他端がフィラーパイプ(12)の給油口(121 )に連通し、中間に下方湾曲部(132 )が形成されたブリーザパイプ(13)と、
ブリーザパイプ(13)の一端に設けられてタンク本体(11)内の燃料液面が満タン液面(F)に達すると閉弁するフロートバルブ(21)と、
ブリーザパイプ(13)の下方湾曲部(132 )に滞留した燃料を滞留燃料吸引パイプ(20)を介して吸引するジェットポンプ(19)と、
を備えた燃料タンクであって、
ジェットポンプ(19)が所定の吸引力を発生したときに開弁してタンク本体(11)の上部空間の空気を吸引可能にするチェックバルブ(22)を滞留燃料吸引パイプ(20)に設けたことを特徴とする燃料タンク。 - 燃料を貯留するタンク本体(11)と、
一端がタンク本体(11)の下部空間に連通して他端に給油ガン(G)が挿入される給油口(121 )が形成されたフィラーパイプ(12)と、
一端がタンク本体(11)の上部空間に連通して他端がフィラーパイプ(12)の給油口(121 )に連通し、中間に下方湾曲部(132 )が形成されたブリーザパイプ(13)と、
ブリーザパイプ(13)の一端に設けられてタンク本体(11)内の燃料液面が満タン液面(F)に達すると閉弁するフロートバルブ(21)と、
ブリーザパイプ(13)の下方湾曲部(132 )に滞留した燃料を滞留燃料吸引パイプ(20)を介して吸引するジェットポンプ(19)と、
を備えた燃料タンクであって、
フロートバルブ(21)の閉弁中にジェットポンプ(19)が作動したとき、フロートバルブ(21)を通してタンク本体(11)の上部空間の空気をブリーザパイプ(13)に吸引可能に構成したことを特徴とする燃料タンク。 - 燃料を貯留するタンク本体(11)と、
一端がタンク本体(11)の下部空間に連通して他端に給油ガン(G)が挿入される給油口(121 )が形成されたフィラーパイプ(12)と、
一端がタンク本体(11)の上部空間に連通して他端がフィラーパイプ(12)の給油口(121 )に連通し、中間に下方湾曲部(132 )が形成されたブリーザパイプ(13)と、
ブリーザパイプ(13)の一端に設けられてタンク本体(11)内の燃料液面が満タン液面(F)に達すると閉弁するフロートバルブ(21)と、
ブリーザパイプ(13)の下方湾曲部(132 )に滞留した燃料を滞留燃料吸引パイプ(20)を介して吸引するジェットポンプ(19)と、
を備えた燃料タンクであって、
滞留燃料吸引パイプ(20)の中間部をフロートバルブ(21)に連通させ、ジェットポンプ(19)の作動により滞留燃料吸引パイプ(20)に作用する負圧でフロートバルブ(21)の閉弁を規制することを特徴とする燃料タンク。
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