JP4078134B2 - 燃料タンク用統合バルブ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料タンクとキャニスターへの通気路とを接続するために用いられるバルブの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料タンクとキャニスターとは、従来、複数の通気路によって接続されている。
【0003】
この通気路の一つは、一般にベントラインと称されるものであって、キャニスターと燃料タンクとをベントバルブを介して接続させるものである。
【0004】
ベントバルブは、燃料タンクの給油を可能とする燃料タンクの通気を確保すると共に、この給油により燃料タンク内の燃料の液面レベルが一定のレベルになった段階で、ベントラインへの通気を遮断または減少させて燃料タンクの内圧を高め、これによりフィラーチューブ(あるいはフィラーネック)内の燃料の液面レベルを上昇させて給油ノズル側のセンサに満タンを検知させ、過給油を防止するものである。
【0005】
また、前記通気路の他の一つは、一般にエバポレーションラインと称されるものであって、キャニスターと燃料タンクとをカットバルブを介して接続させるものである。
【0006】
このエバポレーションライン上には、燃料タンクの外部においてチェックバルブがさらに配され、このチェックバルブの設置個所においてエバポレーションラインは通常は通気を遮断されている。このチェックバルブは、燃料タンクの内圧が所定の圧力範囲以上に高くなったり、あるいは、所定の圧力範囲以下に低くなった場合に、開弁して燃料タンク内の圧力を所定の圧力範囲内に復帰させるものである。
【0007】
また、カットバルブは、車両に傾きが生じたり事故時の車両の横転などによって、燃料タンク内の燃料の液面レベルが満タンレベルよりも上方に達した場合に、エバポレーションラインを遮断し、キャニスター側への燃料の流入を阻止するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
こうしたことから、従来は、燃料タンクの通気系を組むにあたっては、燃料タンクにベントバルブと、カットバルブをそれぞれ別個に備えさせると共に、ベントライン、エバポレーションラインの二つの通気路を燃料タンクとキャニスターとの間に配させ、さらに、チェックバルブを備えさせることを要していた。
【0009】
部品点数の軽減、組立工程の簡素化などの観点からは、これらの機能を損なうことなくこれらを統合することが望まれるところである。
【0010】
また、近年では環境保護などの観点から燃料から生じるハイドロカーボンの放出の低減が強く求められていることから、燃料タンクに対する通気系はできる限り統合してこうした通気系の接続部分を減らすことが望まれるところである。
【0011】
そこでこの発明は、燃料タンクとキャニスターへの通気路とを接続するために用いられるベントバルブとカットバルブをこれらの機能を損なうことなく合理的に統合させると共に、併せてチェックバルブの機能を備えた統合バルブを提供することを主たる目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1記載の発明にあっては、燃料タンク用統合バルブが以下の(1)〜(22)の構成を備えたものとした。
(1)キャニスターへの通気路に連通される上部空間と、
(2)燃料タンク内に配される下部室と、
(3)上部空間と下部室との間に設けられた中間室と、
(4)上部空間と中間室とを連通させる第一連通部と、
(5)中間室と下部室とを連通させる第二連通部と、
(6)上部空間と下部室とを中間室を介在させずに連通させる第三連通部と、
(7)上部空間と下部室又は燃料タンク内とを中間室を介在させずに連通させる第四連通部と、
(8)下部室内への燃料の流入により上昇してこの下部室側から第二連通部を閉塞するようにこの下部室に納められたカットバルブを構成するフロート体と、
(9)下部室内への燃料の流入により上昇してこの下部室側から第三連通部を閉塞するようにこの下部室に納められたベントバルブを構成するフロート体と、
(10)中間室に納められて燃料タンク内が一定の高圧状態又は一定の低圧状態となった際に開弁動作して中間室を介して下部室と上部空間とを連通させるチェックバルブ構成体とを有していると共に、
(11)カットバルブを構成するフロート体は、燃料タンク内の燃料の液面レベルがベントバルブを構成するフロート体を第三連通部を閉塞させる位置に上昇させる以上の液面レベルに達した段階で、第二連通部を閉塞させる位置に上昇されるように構成してあり、
(12)第四連通部は、燃料タンク内が一定の高圧状態となった際に開弁動作してこの第四連通部を介して下部室又は燃料タンク内と上部空間とを連通させるリリーフバルブ構成体により閉じられており、
(13)しかも、上部ケース体と、第一下部ケース体と、第二下部ケース体とを有しており、
(14)上部ケース体には、前記第四連通部とリリーフバルブ構成体が備えられていると共に、上部ケース体の下部には、第一下部ケース体がはめ付けられる第一下部開放部と、第二ケース体がはめ付けられる第二下部開放部とが備えられており、
(15)上部ケース体に、第一下部ケース体及び第二下部ケース体をはめ付けることにより、前記上部空間が形成されるようにしてあると共に、
(16)第一下部ケース体によって、前記ベントバルブを構成するフロート体を納める下部室が形成され、
(17)かつ、第二下部ケース体によって、前記中間室と、カットバルブを構成するフロート体を納める下部室とが形成されるようにしてあり、
(18)しかも、第三連通部が、大径連通孔と、この大径連通孔より小さい小径連通孔とにより構成してあると共に、
(19)ベントバルブを構成するフロート体が、下部室内への燃料の流入により上昇してこの下部室側から大径連通孔を閉塞するようにこの下部室に納められたメインフロートと、
(20)下部室内への燃料の流入により上昇してこの下部室側から小径連通孔を閉塞するようにこの下部室に納められたサブフロートとにより構成してあり、
(21)サブフロートは、燃料タンク内の燃料の液面レベルがメインフロートを大径連通孔を閉塞させる位置に上昇させる以上の液面レベルに達した段階で、小径連通孔を閉塞させる位置に上昇されるように構成してあり、
(22)しかも、第一下部ケース体によって、前記ベントバルブを構成するメインフロートとサブフロートとを納める下部室が形成されるようにしてある。
【0013】
かかる構成によれば、燃料タンク内の燃料の液面がベントバルブを構成するフロート体を上昇させるレベルに達すると、このフロート体により第三連通部が閉塞される。これにより、燃料タンク内の内圧を上昇させて、フィラーチューブ内の燃料の液面レベルを上昇させて給油ノズル側のセンサに満タンを検知させることができる。
【0014】
このようにベントバルブを構成するフロート体によって第三連通部が閉塞されている状態下において、燃料タンク内が一定の高圧状態又は一定の低圧状態となった場合には、チェックバルブ構成体を開弁動作させて燃料タンクとキャニスターへの通気路とを連通させ、これにより、燃料タンク内の圧力が所定の圧力範囲以上の高圧になったり、所定の圧力範囲以下の低圧になったりしないようにすることができる。
【0015】
また、車両に傾きが生じたり事故時の車両の横転などによって、燃料タンク内の燃料の液面がカットバルブを構成するフロート体を上昇させるレベルに達した場合には、ベントバルブを構成するフロート体によってキャニスターへの通気路を遮断させると共に、カットバルブを構成するフロート体によってチェックバルブ構成体によって通常は閉塞されている箇所を別途閉塞させて、こうした場合にキャニスターの通気路側に燃料が流れ込まないようにすることができる。
【0016】
すなわち、かかるバルブは、単一のバルブでありながら、ベントバルブとしての機能、カットバルブとしての機能、チェックバルブとしての機能を有している。これにより、このバルブによれば、第一に、燃料タンクとキャニスターとを結ぶ通気路を一本化することができる。また、第二に、燃料タンクに機能を異ならせる複数のバルブを取り付ける必要がなくなる。
【0018】
さらに、かかる構成によれば、給油により燃料タンク内の燃料の液面がメインフロートを上昇させる液面レベルとなった場合に、先ずメインフロートのみを上昇させて大径連通孔を閉塞することができる。これにより、燃料タンクと通気路との連通部分が、小径連通孔のみとなることから、燃料タンク内の内圧は上昇し、それに伴い、フィラーチューブ内の燃料の液面レベルも上昇し、燃料ノズル側のセンサに満タンを検知させることができる。
【0019】
この検知により燃料ノズルによる給油が一旦停止されると、小径連通孔を通じた通気によって燃料タンクの内圧は低下し、これに伴い、フィラーチューブ内の燃料の液面レベルも下降し、燃料ノズル側のセンサの満タンの検知が解除される。
【0020】
そこで追加給油を行い、この追加給油によって燃料タンク内の燃料の液面がサブフロートを上昇させる液面レベルとなると、サブフロートが上昇して小径連通孔が閉塞される。これにより、燃料タンクと通気路との連通部分がなくなることから、燃料タンク内の内圧は再び上昇し、それに伴い、フィラーチューブ内の燃料の液面レベルも再び上昇し、燃料ノズル側のセンサに再度満タンを検知させることができる。
【0022】
さらに、かかる構成によれば、上部空間側が下部室、つまり、燃料タンク内よりも低圧になっており、このため前記のように下部室内の燃料が流出しているにもかかわらずベントバルブを構成するフロート体の弁体部に第三連通部に張り付くような力が作用されていており、かつ、この燃料タンク内の圧力がリリーフバルブ構成体を開弁動作させる高さである場合には、リリーフバルブ構成体による第四連通部の閉塞状態を解除して燃料タンク側と上部空間との圧力差をなくし、ベントバルブを構成するフロート体を下降させることができる。
【0023】
また、請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の燃料タンク用統合バルブにおけるチェックバルブ構成体が、
中間室内に上下動可能に納められると共にその上部と下部とにそれぞれ通気孔を備えた中空弁体と、
この中空弁体を常時所定の力で上方に向けて付勢してこの中空弁体の上部を第一連通部に押し付けさせる付勢手段と、
この中空弁体内にこの中空弁体の下部の通気孔をこの中空弁体の内方から塞ぐ位置からこれを塞がない位置への移動を許容された状態で納められたボール体とを備えていることを特徴としている。
【0024】
かかる構成によれば、前記ボール体は、その自重により、通常は、中空弁体の前記下部の通気孔をこの中空弁体の内方から塞ぐ。
それ共に、中空弁体は、前記付勢手段の付勢により、上部を第一連通部に押し付けて、中間室側からこの第一連通部を塞ぐ。
これにより、中間室は、通常は、下部室と第二連通部を介して連通されているが、中間室と上部空間とは連通されず、したがって、下部室と上部空間との連通は第二連通部によってはなされない。
燃料タンク内の内圧が一定の高圧状態となりボール体の自重によるこのボール体を中間室側から中空弁体の下部の通気孔を塞ぐ位置に留まらせようとする力よりも大きくなると、ボール体は上方ないしは側方に移動され、この下部の通気孔が開かれる。このようになると、第一連通部を塞ぐ中空弁体の上部には通気孔が形成されていることから、中空弁体の内部を通じて燃料タンク側から上部空間側への通気がなされ、燃料タンクの内圧を低下させることができる。
一方、燃料タンク内の内圧が一定の低圧状態となり、前記付勢手段による中空弁体を中間室側から第一連通部を塞ぐ位置に押し上げようとする力よりも中空弁体を下方に押し下げようとする力が大きくなると、中空弁体は前記付勢手段の付勢に抗して下方に移動され、第一連通部が開かれ、中空弁体と中間室内面との間を通じて燃料タンク側から上部空間側への通気がなされ、燃料タンクの内圧を低下させることができる。
燃料タンクの内圧が所定値まで上昇すると再び中空弁体は付勢手段の付勢により上方に移動され、前記第一連通部をこの中間室の側から塞ぐ。
【0025】
また、請求項3記載の発明にあっては、燃料タンク用統合バルブが以下の(1)〜(22)の構成を備えたものとした。
(1)キャニスターへの通気路に連通される上部空間と、
(2)燃料タンク内に配される下部室と、
(3)上部空間と下部室との間に設けられた中間室と、
(4)上部空間と中間室とを連通させる第一連通部と、
(5)中間室と下部室とを連通させる第二連通部と、
(6)上部空間と下部室とを中間室を介在させずに連通させる第三連通部と、
(7)下部室内への燃料の流入により上昇してこの下部室側から第二連通部を閉塞するようにこの下部室に納められたカットバルブを構成するフロート体と、
(8)下部室内への燃料の流入により上昇してこの下部室側から第三連通部を閉塞するようにこの下部室に納められたベントバルブを構成するフロート体と、
(9)中間室に納められて燃料タンク内が一定の高圧状態又は一定の低圧状態となった際に開弁動作して中間室を介して下部室と上部空間とを連通させるチェックバルブ構成体とを有していると共に、
(10)カットバルブを構成するフロート体は、燃料タンク内の燃料の液面レベルがベントバルブを構成するフロート体を第三連通部を閉塞させる位置に上昇させる以上の液面レベルに達した段階で、第二連通部を閉塞させる位置に上昇されるように構成してあり、
(11)しかも、上部ケース体と、第一下部ケース体と、第二下部ケース体と、第一栓体と、第二栓体とを有しており、
(12)上部ケース体の下部には、
(13)第一下部ケース体及び第一栓体のいずれか一方がはめ付けられる第一下部開放部と、
(14)第二下部ケース体及び第二栓体のいずれか一方がはめ付けられる第二下部開放部とが備えられており、
(15)上部ケース体に、第一下部ケース体及び第一栓体のいずれか一方をはめ付けると共に、第二下部ケース体及び第二栓体のいずれか一方をはめ付けることにより、前記上部空間が形成されるようにしてあると共に、
(16)第一下部ケース体によって、前記ベントバルブを構成するフロート体を納める下部室が形成され、
(17)かつ、第二下部ケース体によって、前記中間室と、カットバルブを構成するフロート体を納める下部室とが形成されるようにしてあり、
(18)しかも、第三連通部が、大径連通孔と、この大径連通孔より小さい小径連通孔とにより構成してあると共に、
(19)ベントバルブを構成するフロート体が、下部室内への燃料の流入により上昇してこの下部室側から大径連通孔を閉塞するようにこの下部室に納められたメインフロートと、
(20)下部室内への燃料の流入により上昇してこの下部室側から小径連通孔を閉塞するようにこの下部室に納められたサブフロートとにより構成してあり、
(21)サブフロートは、燃料タンク内の燃料の液面レベルがメインフロートを大径連通孔を閉塞させる位置に上昇させる以上の液面レベルに達した段階で、小径連通孔を閉塞させる位置に上昇されるように構成してあり、
(22)しかも、第一下部ケース体によって、前記ベントバルブを構成するメインフロートとサブフロートとを納める下部室が形成されるようにしてある。
【0026】
かかる構成によれば、燃料タンク内の燃料の液面がベントバルブを構成するフロート体を上昇させるレベルに達すると、このフロート体により第三連通部が閉塞される。これにより、燃料タンク内の内圧を上昇させて、フィラーチューブ内の燃料の液面レベルを上昇させて給油ノズル側のセンサに満タンを検知させることができる。
【0027】
このようにベントバルブを構成するフロート体によって第三連通部が閉塞されている状態下において、燃料タンク内が一定の高圧状態又は一定の低圧状態となった場合には、チェックバルブ構成体を開弁動作させて燃料タンクとキャニスターへの通気路とを連通させ、これにより、燃料タンク内の圧力が所定の圧力範囲以上の高圧になったり、所定の圧力範囲以下の低圧になったりしないようにすることができる。
【0028】
また、車両に傾きが生じたり事故時の車両の横転などによって、燃料タンク内の燃料の液面がカットバルブを構成するフロート体を上昇させるレベルに達した場合には、ベントバルブを構成するフロート体によってキャニスターへの通気路を遮断させると共に、カットバルブを構成するフロート体によってチェックバルブ構成体によって通常は閉塞されている箇所を別途閉塞させて、こうした場合にキャニスターの通気路側に燃料が流れ込まないようにすることができる。
【0029】
すなわち、かかるバルブは、単一のバルブでありながら、ベントバルブとしての機能、カットバルブとしての機能、チェックバルブとしての機能を有している。これにより、このバルブによれば、第一に、燃料タンクとキャニスターとを結ぶ通気路を一本化することができる。また、第二に、燃料タンクに機能を異ならせる複数のバルブを取り付ける必要がなくなる。
【0030】
また、かかるバルブは、第一下部ケース体と第二下部ケース体とを組み付けることにより、ベントバルブとしての機能、カットバルブとしての機能、チェックバルブとしての機能を発揮する。
また、第一下部ケース体と第二栓体とを組み付けることにより、ベントバルブとしての機能を発揮する。
また、第一栓体と第二下部ケース体とを組み付けることにより、カットバルブとしての機能、チェックバルブとしての機能を発揮する。
すなわち、かかるバルブにあっては、必要に応じて、前記三つの機能の全てを備えるようにも、また、その一部を備えるようにもすることができる。
【0032】
さらに、かかる構成によれば、給油により燃料タンク内の燃料の液面がメインフロートを上昇させる液面レベルとなった場合に、先ずメインフロートのみを上昇させて大径連通孔を閉塞することができる。これにより、燃料タンクと通気路との連通部分が、小径連通孔のみとなることから、燃料タンク内の内圧は上昇し、それに伴い、フィラーチューブ内の燃料の液面レベルも上昇し、燃料ノズル側のセンサに満タンを検知させることができる。
【0033】
この検知により燃料ノズルによる給油が一旦停止されると、小径連通孔を通じた通気によって燃料タンクの内圧は低下し、これに伴い、フィラーチューブ内の燃料の液面レベルも下降し、燃料ノズル側のセンサの満タンの検知が解除される。
【0034】
そこで追加給油を行い、この追加給油によって燃料タンク内の燃料の液面がサブフロートを上昇させる液面レベルとなると、サブフロートが上昇して小径連通孔が閉塞される。これにより、燃料タンクと通気路との連通部分がなくなることから、燃料タンク内の内圧は再び上昇し、それに伴い、フィラーチューブ内の燃料の液面レベルも再び上昇し、燃料ノズル側のセンサに再度満タンを検知させることができる。
【0035】
また、かかるバルブは、第一下部ケース体と第二下部ケース体とを組み付けることにより、ベントバルブとしての機能、カットバルブとしての機能、チェックバルブとしての機能を発揮する。
また、第一下部ケース体と第二栓体とを組み付けることにより、ベントバルブとしての機能を発揮する。
また、第一栓体と第二下部ケース体とを組み付けることにより、カットバルブとしての機能、チェックバルブとしての機能を発揮する。
すなわち、かかるバルブにあっては、必要に応じて、前記三つの機能の全てを備えるようにも、また、その一部を備えるようにもすることができる。
【0036】
また、請求項4記載の発明にあっては、請求項3記載の燃料タンク用統合バルブがさらに、
上部空間と下部室又は燃料タンク内とを中間室を介在させずに連通させる第四連通部を備えていると共に、
この第四連通部が、燃料タンク内が一定の高圧状態となった際に開弁動作してこの第四連通部を介して下部室又は燃料タンク内と上部空間とを連通させるリリーフバルブ構成体により閉じられていることを特徴としている。
【0037】
かかる構成によれば、上部空間側が下部室、つまり、燃料タンク内よりも低圧になっており、このため前記のように下部室内の燃料が流出しているにもかかわらずベントバルブを構成するフロート体の弁体部に第三連通部に張り付くような力が作用されていており、かつ、この燃料タンク内の圧力がリリーフバルブ構成体を開弁動作させる高さである場合には、リリーフバルブ構成体による第四連通部の閉塞状態を解除して燃料タンク側と上部空間との圧力差をなくし、ベントバルブを構成するフロート体を下降させることができる。
【0038】
また、請求項5記載の発明にあっては、請求項3又は請求項4記載の燃料タンク用統合バルブにおけるチェックバルブ構成体が、
中間室内に上下動可能に納められると共にその上部と下部とにそれぞれ通気孔を備えた中空弁体と、
この中空弁体を常時所定の力で上方に向けて付勢してこの中空弁体の上部を第一連通部に押し付けさせる付勢手段と、
この中空弁体内にこの中空弁体の下部の通気孔をこの中空弁体の内方から塞ぐ位置からこれを塞がない位置への移動を許容された状態で納められたボール体とを備えていることを特徴としている。
【0039】
かかる構成によれば、前記ボール体は、その自重により、通常は、中空弁体の前記下部の通気孔をこの中空弁体の内方から塞ぐ。
それ共に、中空弁体は、前記付勢手段の付勢により、上部を第一連通部に押し付けて、中間室側からこの第一連通部を塞ぐ。
これにより、中間室は、通常は、下部室と第二連通部を介して連通されているが、中間室と上部空間とは連通されず、したがって、下部室と上部空間との連通は第二連通部によってはなされない。
燃料タンク内の内圧が一定の高圧状態となりボール体の自重によるこのボール体を中間室側から中空弁体の下部の通気孔を塞ぐ位置に留まらせようとする力よりも大きくなると、ボール体は上方ないしは側方に移動され、この下部の通気孔が開かれる。このようになると、第一連通部を塞ぐ中空弁体の上部には通気孔が形成されていることから、中空弁体の内部を通じて燃料タンク側から上部空間側への通気がなされ、燃料タンクの内圧を低下させることができる。
一方、燃料タンク内の内圧が一定の低圧状態となり、前記付勢手段による中空弁体を中間室側から第一連通部を塞ぐ位置に押し上げようとする力よりも中空弁体を下方に押し下げようとする力が大きくなると、中空弁体は前記付勢手段の付勢に抗して下方に移動され、第一連通部が開かれ、中空弁体と中間室内面との間を通じて燃料タンク側から上部空間側への通気がなされ、燃料タンクの内圧を低下させることができる。
燃料タンクの内圧が所定値まで上昇すると再び中空弁体は付勢手段の付勢により上方に移動され、前記第一連通部をこの中間室の側から塞ぐ。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図11に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について、説明する。
【0041】
なお、図1〜図3の各図に示される例に対し、図4〜図6の各図に示される例は、構成の一部を異ならせているが、この構成の異なる点以外の部分については両者は実質的に同一の構成を有することから、この実質的に同一の構成部分については両者を示す各図において同一の符号を付すこととする。
また、図1〜図3の各図に示される例に対し、図7〜図11の各図に示される例は、構成の一部を異ならせているが、この構成の異なる点以外の部分については両者は実質的に同一の構成を有することから、この実質的に同一の構成部分については両者を示す各図において同一の符号を付すこととする。
【0042】
この実施の形態にかかるバルブは、燃料タンクとキャニスターへの通気路とを接続するために用いられるものである。
【0043】
かかるバルブは、キャニスターへの通気路に接続される上部空間1と、後述する各連通部4、5、6を通じてこの上部空間1に連通される下部室2とを有する。そして、全体として燃料タンク内Tに入れ込まれた状態で、あるいはまた、下部室2側を燃料タンク内Tに入れ込ませた状態で、燃料タンクに取り付けられて用いられる。あるいはまた、センダーモジュール(給油ポンプ、フューエルゲージ、サクションフィルター、フューエルフィルターなどを一体化して燃料タンクに組み入れられる部材)の上部に取り付けられて用いられる。(本明細書における燃料タンク内Tとの概念には、このセンダーモジュール内も含まれる。)
【0044】
また、かかるバルブは、前記下部室2内に、ベントバルブを構成するフロート体100と、カットバルブを構成するフロート体110と、チェックバルブ構成体111とを一体にして有している。
【0045】
これにより、かかるバルブによれば、給油により燃料タンク内Tの燃料の液面レベルが一定のレベル(以下、第一液面レベルL1と称する。/図1および図4においてこの第一液面レベルL1を破線で表す。)に達した段階で、ベントバルブを構成するフロート体100によってキャニスターの通気路への通気を遮断又は減少させて燃料タンクの内圧を上昇させ、この内圧の上昇によってフィラーチューブ内の燃料の液面レベルを上昇させて給油ノズル側のセンサに満タンを検知させ、もって、過給油を防止することができる。
【0046】
また、この実施の形態にかかるバルブにあっては、さらに、前記のように一旦給油ノズル側のセンサに満タンを検知させてこの給油ノズルによる自動給油を停止させた後の、燃料タンクの内圧の低下に伴って許容される追加給油(一般に給油ノズルを手動操作してなされる。)により燃料タンク内Tの燃料の液面レベルが前記第一液面レベルL1より高い一定のレベル(以下、第二液面レベルL2と称する。/図1および図4においてこの第二液面レベルL2を一点鎖線で表す。)に達した段階で、ベントバルブを構成するフロート体100によってキャニスターの通気路への通気を遮断させて燃料タンクの内圧を上昇させ、この内圧の上昇によってフィラーチューブ内の燃料の液面レベルを再度上昇させて給油ノズル側のセンサに再度満タンを検知させ、もって、この追加給油における過給油を防止する機能を有している。
【0047】
また、かかるバルブによれば、このようにベントバルブを構成するフロート体100によってキャニスターへの通気路が遮断されている状態下において、燃料タンク内Tが一定の高圧状態又は一定の低圧状態となった場合には、チェックバルブ構成体111が開弁動作させて燃料タンクとキャニスターへの通気路とを連通させ、これにより、燃料タンク内Tの圧力が所定の圧力範囲以上の高圧になったり、所定の圧力範囲以下の低圧になったりしないようにする機能を有している。
【0048】
また、かかるバルブによれば、車両に傾きが生じたり事故時の車両の横転などによって、前記第二液面レベルL2以上に燃料タンク内Tの燃料の液面レベルが上昇した場合には、ベントバルブを構成するフロート体100によってキャニスターへの通気路を遮断させると共に、カットバルブを構成するフロート体110によってチェックバルブ構成体111によって通常は閉塞されている箇所を別途閉塞させて、こうした場合にキャニスターの通気路側に燃料が流れ込まないようにする機能を有している。(以下、このカットバルブを上昇させる液面レベルを第三液面レベルL3と称する。/図1および図4においてこの第三液面レベルL3を二点鎖線で表す。)
【0049】
すなわち、この実施の形態にかかるバルブは、
(1)キャニスターへの通気路に連通される上部空間1と、
(2)燃料タンク内Tに配される下部室2と、
(3)上部空間1と下部室2との間に設けられた中間室3と、
(4)上部空間1と中間室3とを連通させる第一連通部4と、
(5)中間室3と下部室2とを連通させる第二連通部5と、
(6)上部空間1と下部室2とを中間室3を介在させずに連通させる第三連通部6と、
(7)下部室2内への燃料の流入により上昇してこの下部室2側から第二連通部5を閉塞するようにこの下部室2に納められたカットバルブを構成するフロート体110と、
(8)下部室2内への燃料の流入により上昇してこの下部室2側から第三連通部6を閉塞するようにこの下部室2に納められたベントバルブを構成するフロート体100と、
(9)中間室3に納められて燃料タンク内Tが一定の高圧状態又は一定の低圧状態となった際に開弁動作して中間室3を介して下部室2と上部空間1とを連通させるチェックバルブ構成体111とを有している。
(10)そして、カットバルブを構成するフロート体110は、燃料タンク内Tの燃料の液面レベルがベントバルブを構成するフロート体100を第三連通部6を閉塞させる位置に上昇させる以上の液面レベルに達した段階で、第二連通部5を閉塞させる位置に上昇されるように構成してある。
【0050】
図示の例では、上部空間1は、上壁と側壁とを備え、気密状態に形成された上部構成部10内の空間によって形成されている。この上部構成部10の側壁には、キャニスターへの通気路を構成するチューブやパイプなどが接続される接続部11が形成されており、この接続部11を通じて上部空間1と通気路とは連通状態に接続される。
【0051】
一方、図示の例では、下部室2は、天部21と底部22と側部23とを有し、その内部に前記各フロート体100、110を納めるケース体によって構成されている。
【0052】
この下部室2は、その天部21において前記上部構成部10の下部に一体に連接されている。そして、この天部21に、前記第二連通部5と第三連通部6とが形成されている。
【0053】
また、図示の例にあっては、下部室2の底部22と側部23に、燃料の流入孔24が形成されており、この流入孔24を通じて下部室2内に燃料が流入されるようになっている。
【0054】
また、図示の例にあっては、第二連通部5の上方に、中間室3が形成されている。図示の例では、この中間室3は、第二連通部5の形成されている下部室2の天部21を底とするように上部空間1側から下方に窪んだ凹部30におけるこの上部空間1に臨んだ箇所を蓋体31によって気密状態に閉塞させることにより構成されている。そして、この蓋体31に前記第一連通部4が形成されていると共に、この中間室3に前記チェックバルブ構成体111が納められている。
【0055】
また、このように構成される下部室2内に、前記カットバルブを構成するフロート体110と、ベントバルブを構成するフロート体100が納められている。
【0056】
また、各フロート体100、110は、その下部側と下部室2の底部22との間に介装された圧縮コイルバネ112によって、下降位置においても上向きの一定の付勢力を常時作用されている。
【0057】
また、各フロート体100、110は、その上部に上昇位置において前記各連通部5、6を下部室2側から塞ぐ弁体部113を有している。
【0058】
燃料タンク内Tの燃料の液面がベントバルブを構成するフロート体100を上昇させるレベルに達すると、このフロート体100により第三連通部6が閉塞される。これにより、燃料タンク内Tの内圧を上昇させて、フィラーチューブ内の燃料の液面レベルを上昇させて給油ノズル側のセンサに満タンを検知させることができる。
【0059】
このようにベントバルブを構成するフロート体100によって第三連通部6が閉塞されている状態下において、燃料タンク内Tが一定の高圧状態又は一定の低圧状態となった場合には、チェックバルブ構成体111が開弁動作させて燃料タンクとキャニスターへの通気路とを連通させ、これにより、燃料タンク内Tの圧力が所定の圧力範囲以上の高圧になったり、所定の圧力範囲以下の低圧になったりしないようにすることができる。
【0060】
また、車両に傾きが生じたり事故時の車両の横転などによって、燃料タンク内Tの燃料の液面がカットバルブを構成するフロート体110を上昇させるレベルに達した場合には、ベントバルブを構成するフロート体100によってキャニスターへの通気路を遮断させると共に、カットバルブを構成するフロート体110によってチェックバルブ構成体111によって通常は閉塞されている箇所を別途閉塞させて、こうした場合にキャニスターの通気路側に燃料が流れ込まないようにすることができる。
【0061】
すなわち、かかるバルブは、単一のバルブでありながら、ベントバルブとしての機能、カットバルブとしての機能、チェックバルブとしての機能を有している。これにより、このバルブによれば、第一に、燃料タンクとキャニスターとを結ぶ通気路を一本化することができる。また、第二に、燃料タンクに機能を異ならせる複数のバルブを取り付ける必要がなくなる。
【0062】
また、図示の例にあっては、
(1)第三連通部6が、大径連通孔6aと、この大径連通孔6aより小さい小径連通孔6bとにより構成してあると共に、
(2)ベントバルブを構成するフロート体100が、下部室2内への燃料の流入により上昇してこの下部室2側から大径連通孔6aを閉塞するようにこの下部室2に納められたメインフロート101と、
(3)下部室2内への燃料の流入により上昇してこの下部室2側から小径連通孔6bを閉塞するようにこの下部室2に納められたサブフロート102とにより構成してある。
(4)そして、サブフロート102が、燃料タンク内Tの燃料の液面レベルがメインフロート101を大径連通孔6aを閉塞させる位置に上昇させる以上の液面レベルに達した段階で、小径連通孔6bを閉塞させる位置に上昇されるようにしてある。
【0063】
具体的には、図示の例にあっては、下部室2は、前記天部21と底部22との間に亙る縦向きの仕切壁25によって三つに区分されている。
【0064】
そして、図示の例にあっては、このように三つに区分された下部室2の第一室2aにメインフロート101が、第二室2bにサブフロート102が、第三室2cにカットバルブを構成するフロート体110が納められている。
【0065】
また、図示の例にあっては、第一室2aと第二室2bには、前記第一液面レベルL1より上方において通気部26が形成されていると共に、第三室2cには、第三液面レベルL3より上方において通気部26が形成されている。
【0066】
給油により燃料タンクT内の燃料の液面が第一液面レベルL1となると、メインフロート101のみが上昇して大径連通孔6aが閉塞される。これにより、燃料タンクと通気路との連通部分が、第二室2bの小径連通孔6bのみとなることから、燃料タンク内Tの内圧は上昇し、それに伴い、フィラーチューブ内の燃料の液面レベルも上昇し、燃料ノズル側のセンサに満タンを検知させることができる。
【0067】
この検知により燃料ノズルによる給油が一旦停止されると、第二室2bの小径連通孔6bを通じた通気によって燃料タンクの内圧は低下し、これに伴い、フィラーチューブ内の燃料の液面レベルも下降し、燃料ノズル側のセンサの満タンの検知が解除される。
【0068】
そこで追加給油を行い、この追加給油によって燃料タンク内Tの燃料の液面が第二液面レベルL2となると、サブフロート102が上昇して小径連通孔6bが閉塞される。これにより、燃料タンクと通気路との連通部分がなくなることから、燃料タンク内Tの内圧は再び上昇し、それに伴い、フィラーチューブ内の燃料の液面レベルも再び上昇し、燃料ノズル側のセンサに再度満タンを検知させることができる。
【0069】
燃料タンク内Tの燃料の液面レベルが燃料の消費により低下すると、前記流入孔24を通じて下部室2内の燃料が流出し、これにより、メインフロート101およびサブフロート102は自重により下降し、大径連通孔6a、小径連通孔6bともに開放される。なお、上部空間1側が下部室2、つまり、燃料タンク内Tよりも低圧になっており、このためこのように下部室2内の燃料が流出した場合にもこれらフロートの弁体部113がこれら連通孔に張り付くような力が作用されていても、小径連通孔6bは大径連通孔6aよりも小さくこのためこの小径連通孔6bを塞ぐサブフロート102の弁体部113に作用されるこのような力は大径連通孔6aを塞ぐメインフロート101の弁体部113に作用されるこのような力よりも小さくなることから、サブフロート102が先ず下降し、これによる燃料タンクの内圧の低下によりメインフロート101も支障なく下降する。すなわち、この図示の例では、メインフロート101により閉塞される大径連通孔6aを燃料の効率的な給油がなせるよう大径に構成しながら、燃料の液面レベルの低下時におけるこのメインフロート101の降下をスムースになさしめることができる。
【0070】
また、図1に示される例にあっては、上部空間1と下部室2又は燃料タンク内Tとを中間室3を介在させずに連通させる第四連通部7を備えていると共に、
この第四連通部7が、燃料タンク内Tが一定の高圧状態となった際に開弁動作してこの第四連通部7を介して下部室2又は燃料タンク内Tと上部空間1とを連通させるリリーフバルブ構成体114により閉じられている。
【0071】
この例では、第四連通部7は、上部空間1を内部に備えた上部構成部10における下部室2の側部から側方に張り出された箇所に下端開口7aを配すると共に、上端開口7bを上部空間1に臨ませるように上部構成部10の側部内に形成された通気路として構成してある。
【0072】
また、この例では、第四連通部7を構成する通気路は、太径部7cと細径部7dとに区分されており、細径部7d側に下端開口7aが設けられ、太径部7c側に上端開口7bが設けられている。
【0073】
そして、この太径部7cにリリーフバルブ構成体114が納められている。図示の例では、このリリーフバルブ構成体114は、太径部7cと細径部7dとの連通箇所を太径部7c側から塞ぐこの太径部7cの内径よりも径をやや小さくするボール体114aと、このボール体114aを常時この連通箇所に押し付けさせる向きに付勢するようにこのボール体114aと第四連通部7を構成する通気路の上部との間に介装された圧縮コイルバネ114bとにより構成されている。
【0074】
これにより、図1に示される例にあっては、上部空間1側が下部室2、つまり、燃料タンク内Tよりも低圧になっており、このため前記のように下部室2内の燃料が流出しているにもかかわらずベントバルブを構成するフロート体100の弁体部113に第三連通部6に張り付くような力が作用されていており、かつ、この燃料タンク内Tの圧力がリリーフバルブ構成体114を開弁動作させる高さである場合には、(図示の例では、燃料タンク内Tの圧力がボール体114aを下方に押し付けるバネ114bの付勢力とボール体114aの自重とによるボール体114aが下方に留まろうとする力を上回る高さとなった場合)リリーフバルブ構成体114による第四連通部7の閉塞状態を解除して燃料タンク側と上部空間1との圧力差をなくし、ベントバルブを構成するフロート体100を下降させることができる。
【0075】
また、図示の例にあっては、チェックバルブ構成体111が、
(1)中間室3内に上下動可能に納められると共にその上部と下部とにそれぞれ通気孔111bを備えた中空弁体111aと、
(2)この中空弁体111aを常時所定の力で上方に向けて付勢してこの中空弁体111aの上部を第一連通部4に押し付けさせる付勢手段111dと、
(3)この中空弁体111a内にこの中空弁体111aの下部の通気孔111bをこの中空弁体111aの内方から塞ぐ位置からこれを塞がない位置への移動を許容された状態で納められたボール体111fとを備えている。
図示の例では、中空弁体111aを納める中間室3には、中空弁体111aの側部外面と中間室3の側部内面との間に常時通気隙間を形成させる側部リブ32が設けられている。
【0076】
また、前記付勢手段111dは、中間室3の底と中空弁体111aの下部との間に介装された圧縮コイルバネ111eにより構成されている。
【0077】
また、中空弁体111aの内底部111cは、すり鉢状をなすように構成されており、このすり鉢状をなす内底部111cの底に中空弁体111aの下部の通気孔111bが形成されている。
【0078】
また、中空弁体111aの上下内面寸法、および、左右内面寸法は、前記ボール体111fの外径寸法よりも大きくなっている。
【0079】
これにより、前記ボール体111fは、その自重により、通常は、すり鉢状をなす中空弁体111aの内底部111cの中央に位置されて、前記下部の通気孔111bをこの中空弁体111aの内方から塞ぐ。
【0080】
それ共に、中空弁体111aは、前記バネ111eの付勢により、上部を第一連通部4に押し付けて、中間室3側からこの第一連通部4を塞ぐ。
【0081】
これにより、中間室3は、通常は、下部室2、図示の例では、カットバルブの納められた第三室2cと第二連通部5を介して連通されているが、中間室3と上部空間1とは連通されず、したがって、下部室2と上部空間1との連通は第二連通部5によってはなされない。
【0082】
燃料タンク内Tの内圧が一定の高圧状態となりボール体111fの自重によるこのボール体111fを中間室3側から中空弁体111aの下部の通気孔111bを塞ぐ位置に留まらせようとする力よりも大きくなると、ボール体111fは上方ないしは側方に移動され、この下部の通気孔111bが開かれる。このようになると、第一連通部4を塞ぐ中空弁体111aの上部には通気孔111bが形成されていることから、中空弁体111aの内部を通じて燃料タンク側から上部空間1側への通気がなされ、燃料タンクの内圧を低下させることができる。
【0083】
図示の例では、中空弁体111aの内底部111cはすり鉢状をなすことから、燃料タンクの内圧が所定値まで低下すると再びボール体111fはこの内底部111cの中央に戻り、前記下部の通気孔111bをこの中空弁体111aの内方から塞ぐ。なお、図示の例では、かかる構成により、車両の走行時の振動などによってもボール体111fを移動させることができ、車両の走行時に極力燃料タンクを開放できる特長も有している。
【0084】
一方、燃料タンク内Tの内圧が一定の低圧状態となり、前記付勢手段111d、つまり、前記バネ111eによる中空弁体111aを中間室3側から第一連通部4を塞ぐ位置に押し上げようとする力よりも中空弁体111aを下方に押し下げようとする力が大きくなると、中空弁体111aは前記付勢手段111dの付勢に抗して下方に移動され、第一連通部4が開かれる。中間室3の底部22には、このように中空弁体111aが下方に移動しても、この中空弁体111aの下部と中間室3の底部22との間に通気隙間を形成させる底部リブ33が設けられていることから、このようになると、中空弁体111aと中間室3内面との間を通じて燃料タンク側から上部空間1側への通気がなされ、燃料タンクの内圧を低下させることができる。(図3、図6、図9)
【0085】
燃料タンクの内圧が所定値まで上昇すると再び中空弁体111aは付勢手段111dの付勢により上方に移動され、前記第一連通部4をこの中間室3の側から塞ぐ。
【0086】
なお、図4に示される例にあっては、カットバルブを納める第三室2cと中間室3とを、第二連通部5と異なる位置で連通させるバイパス部8が備えられていると共に、
このバイパス部8が、燃料タンク内Tが一定の高圧状態となった際に開弁動作してこのバイパス部8を介して第三室2cと中間室3とを連通させるリリーフバルブ構成体115により閉じられている。
【0087】
この例では、バイパス部8は、第三室2cの上部に下端開口8aを配すると共に、上端開口8bを中間室3に臨ませるように中間室3の側方に形成された通気路として構成してある。
【0088】
また、この例では、バイパス部8を構成する通気路は、太径部8cと細径部8dとに区分されており、細径部8d側に下端開口8aが設けられ、太径部8c側に上端開口8bが設けられている。
【0089】
そして、この太径部8cにリリーフバルブ構成体115が納められている。図示の例では、このリリーフバルブ構成体115は、太径部8cと細径部8dとの連通箇所を太径部8c側から塞ぐこの太径部8cの内径よりも径をやや小さくするボール体115aと、このボール体115aを常時この連通箇所に押し付けさせる向きに付勢するようにこのボール体115aとバイパス部8を構成する通気路の上部との間に介装された圧縮コイルバネ115bとにより構成されている。
【0090】
これにより、図4に示される例にあっては、燃料タンク内Tの燃料が前記第三液面レベルL3に達してメインフロート101が大径連通孔6aを閉塞し、サブフロート102が小径連通孔6bを閉塞し、さらに、カットバルブを構成するフロート体110が第二連通部5を閉塞した後に、燃料レベルが第三液面レベルL3よりも低下したにもかかわらず、上部空間1側が下部室2、つまり、燃料タンク内Tよりも低圧になっており、このため前記のように燃料レベルが低下しているにもかかわらずメインフロート101、サブフロート102およびカットバルブを構成するフロート体110のいずれもにその閉塞を解く降下を阻止する力が作用されており、かつ、この燃料タンク内Tの圧力がリリーフバルブ構成体115を開弁動作させる高さである場合には、(図示の例では、燃料タンク内Tの圧力がボール体115aを下方に押し付けるバネ115bの付勢力とボール体115aの自重とによるボール体115aが下方に留まろうとする力を上回る高さとなった場合)リリーフバルブ構成体115によるバイパス部8の閉塞状態を解除して第三室2c側からの中間室3への通気をなさせ、これによりカットバルブを構成するフロート体110を下降させることができる。このような場合には、カットバルブを構成するフロート体110が下降した状態においても燃料タンク内Tの内圧は依然高いことから、前記チェックバルブ構成体111を構成するボール体111fがこのボール体111fによる中空弁体111aの下部の通気孔111bの閉塞を解くように移動され、これにより下部室2と上部空間1とが連通し、燃料レベルが第一液面レベルL1よりも低ければメインフロート101、サブフロート102も下降されることとなる。
【0091】
また、図7ないし図11に示される例にあっては、
(1)上部ケース体200と、
(2)第一下部ケース体210と、
(3)第二下部ケース体230と、
(4)第一栓体220と、
(5)第二栓体240とを有しており、
かかる上部ケース体200に対し、
第一下部ケース体210と第二下部ケース体230を組み付けることにより、
または、第一下部ケース体210と第二栓体240を組み付けることにより、
または、第一栓体220と第二下部ケース体230を組み付けることにより、
バルブを構成させるようにしている。
【0092】
すなわち、図7ないし図11に示される例にあっては、上部ケース体200は、下面を開放させたケース状をなすように構成されている。また、かかる上部ケース体200は、縦向きの仕切壁200aによってその内部を二つの区画に区分されている。この縦向きの仕切壁200aの上部には、この二つの区画を連通させ合う連通部200bが形成してある。それと共に、二つの区画の一方に、キャニスターの通気路への接続部11が形成されている。
【0093】
そして、このように構成される上部ケース体200の下部に、
第一下部ケース体210及び第一栓体220のいずれか一方がはめ付けられる第一下部開放部200cと、
第二下部ケース体230及び第二栓体240のいずれか一方がはめ付けられる第二下部開放部200dとが備えられており、
上部ケース体200に、第一下部ケース体210及び第一栓体220のいずれか一方をはめ付けると共に、第二下部ケース体230及び第二栓体240のいずれか一方をはめ付けることにより、前記上部空間1が形成されるようにしてある。
【0094】
すなわち、図7ないし図11に示される例にあっては、上部ケース体200における前記仕切壁200aによって区分された二つの区画の一方の下部が、前記第一下部開放部200cとなり、上部ケース体200における前記仕切壁200aによって区分された二つの区画の他方の下部が、前記第二下部開放部200dとなるようにしてある。
【0095】
また、第一下部ケース体210は、第一下部開放部200cを通じて、下方からその上部側を上部ケース体200内に入れ込ませて、この上部ケース体200に対し取り外し可能に組み付けられる外径を備えた筒状をなすように構成されている。具体的には、第一下部ケース体210の外径と第一下部開放部200cの内径とは、ほぼ等しくなるように構成されている。また、第一下部ケース体210の外面には、この第一下部ケース体210を上部ケース体200にはめ込み切った位置で、上部ケース体200に形成された窓穴200eに弾発して入り込み掛合する掛合爪210aが形成されている。また、この第一下部ケース体210の外側であって、掛合爪210aの形成位置よりも上方には、シールリング210bがはめ付けられており、第一下部ケース体210を上部ケース体200にはめ込み切った状態において、第一下部ケース体210と上部ケース体200とはそのはめ込み部分において液密状態に組み合わされるようになっている。
【0096】
また、第一栓体220は、第一下部開放部200cに下方からはめ付けられて、この第一下部開放部200cを液密状体に閉塞する外径を備えるように構成されている。具体的には、第一栓体220の外径と第一下部開放部200cの内径とは、ほぼ等しくなるように構成されている。また、第一栓体220の外面には、この第一栓体220を上部ケース体200にはめ込み切った位置で、上部ケース体200に形成された窓穴200eに弾発して入り込み掛合する掛合爪220aが形成されている。また、この第一栓体220の外側であって、掛合爪220aの形成位置よりも上方には、シールリング220bがはめ付けられており、第一栓体220を上部ケース体200にはめ込み切った状態において、第一栓体220と上部ケース体200とはそのはめ込み部分において液密状態に組み合わされるようになっている。
【0097】
また、第二下部ケース体230は、第二下部開放部200dを通じて、下方からその上部側を上部ケース体200内に入れ込ませて、この上部ケース体200に対し取り外し可能に組み付けられる外径を備えた筒状をなすように構成されている。具体的には、第二下部ケース体230の外径と第二下部開放部200dの内径とは、ほぼ等しくなるように構成されている。また、第二下部ケース体230の外面には、この第二下部ケース体230を上部ケース体200にはめ込み切った位置で、上部ケース体200に形成された窓穴200eに弾発して入り込み掛合する掛合爪230aが形成されている。また、この第二下部ケース体230の外側であって、掛合爪230aの形成位置よりも上方には、シールリング230bがはめ付けられており、第二下部ケース体230を上部ケース体200にはめ込み切った状態において、第二下部ケース体230と上部ケース体200とはそのはめ込み部分において液密状態に組み合わされるようになっている。
【0098】
また、第二栓体240は、第二下部開放部200dに下方からはめ付けられて、この第二下部開放部200dを液密状体に閉塞する外径を備えるように構成されている。具体的には、第二栓体240の外径と第二下部開放部200dの内径とは、ほぼ等しくなるように構成されている。また、第二栓体240の外面には、この第二栓体240を上部ケース体200にはめ込み切った位置で、上部ケース体200に形成された窓穴200eに弾発して入り込み掛合する掛合爪240aが形成されている。また、この第二栓体240の外側であって、掛合爪240aの形成位置よりも上方には、シールリング240bがはめ付けられており、第二栓体240を上部ケース体200にはめ込み切った状態において、第二栓体240と上部ケース体200とはそのはめ込み部分において液密状態に組み合わされるようになっている。
【0099】
そして、この図7ないし図11に示される例にあっては、前記第一下部ケース体210によって、前記ベントバルブを構成するフロート体100を納める下部室2が形成され、かつ、前記第二下部ケース体230によって、前記中間室3と、カットバルブを構成するフロート体110を納める下部室2とが形成されるようにしてある。
【0100】
この結果、この図7ないし図11に示される例にあっては、前記上部ケース体200に対し、
(1)第一下部ケース体210と第二下部ケース体230とを組み付けることにより、ベントバルブとしての機能、カットバルブとしての機能、チェックバルブとしての機能を発揮する。
(2)また、第一下部ケース体210と第二栓体240とを組み付けることにより、ベントバルブとしての機能を発揮する。
(3)または、第一栓体220と第二下部ケース体230とを組み付けることにより、カットバルブとしての機能、チェックバルブとしての機能を発揮する。
【0101】
すなわち、図7ないし図11に示されるバルブにあっては、必要に応じて、前記三つの機能の全てを備えるようにも、また、その一部を備えるようにもすることができる。
【0102】
例えば、ベントバルブが別途燃料タンクに備えられている場合には、上部ケース体200に第二下部ケース体230と第一栓体220を組み付けることにより、カットバルブとしての機能およびチェックバルブとしての機能のみを持ったバルブとすることができる。(図11)
また、カットバルブが別途燃料タンクに備えられている場合には、上部ケース体200に第二栓体240と第一下部ケース体210を組み付けることにより、ベントバルブとしての機能のみを持ったバルブとすることができる。(図10)
【0103】
また、図7ないし図11に示されるバルブにあっては、前記第一下部ケース体210によって、前記ベントバルブを構成するメインフロート101とサブフロート102とを納める下部室3(すなわち、第一室2aと第二室2b)が形成されるようにしてある。
【0104】
すなわち、第一下部ケース体210が縦向きの仕切壁によって二つに区分されており、これにより第一下部ケース体210内に第一室2aと第二室2bとが設けられるようにしてある。そして、かかる第一下部ケース体210の上端部に前記第三連通部6を構成する大径連通孔6aと小径連通孔6bが形成されている。
【0105】
また、第二下部ケース体230は、その上部側に前記中間室3を、その下部側に前記第三室2cを有すると共に、その上端部に前記第一連通部4を備え、かつ、この中間室3と第三室2cとを前記第二連通部5によって連通させている。そして、かかる第二下部ケース体230の中間室3に前記チェックバルブ構成体111が、また、第三室2cに前記カットバルブを構成するフロート体110が納められている。
【0106】
【発明の効果】
この発明にかかる燃料タンク用統合バルブは、キャニスターの通気路に連通される上部空間と、ベントバルブ、カットバルブを構成する下部室とを有し、さらに、チェックバルブを構成する中間室を有することから、燃料タンクにこのバルブを取り付け、前記上部空間とキャニスターとを単一の通気路によって接続することにより、燃料タンクの通気系を完成させることができる。
【0107】
すなわち、この発明にかかるバルブによれば、燃料タンクとキャニスターとを結ぶ通気路を一本化することができる。また、燃料タンクに機能を異ならせる複数のバルブを取り付ける必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】バルブの一例を示す断面構成図
【図2】図1の要部拡大図
【図3】図1の要部拡大図(中空弁体111a下降状態)
【図4】バルブの他の一例を示す断面構成図
【図5】図4の要部拡大図
【図6】図4の要部拡大図(中空弁体111a下降状態)
【図7】バルブのさらに他の一例を示す断面構成図
【図8】図7の要部拡大図
【図9】図7の要部拡大図(中空弁体111a下降状態)
【図10】第一下部ケース体210と第二栓体240とを上部ケース体200に組み付けてバルブを構成させた状態を示す断面構成図
【図11】第二下部ケース体230と第一栓体220とを上部ケース体200に組み付けてバルブを構成させた状態を示す断面構成図
【符号の説明】
1 上部空間
2 下部室
3 中間室
4 第一連通部
5 第二連通部
6 第三連通部
100 ベントバルブを構成するフロート体
110 カットバルブを構成するフロート体
111 チェックバルブ構成体
T 燃料タンク内

Claims (5)

  1. キャニスターへの通気路に連通される上部空間と、
    燃料タンク内に配される下部室と、
    上部空間と下部室との間に設けられた中間室と、
    上部空間と中間室とを連通させる第一連通部と、
    中間室と下部室とを連通させる第二連通部と、
    上部空間と下部室とを中間室を介在させずに連通させる第三連通部と、
    上部空間と下部室又は燃料タンク内とを中間室を介在させずに連通させる第四連通部と、
    下部室内への燃料の流入により上昇してこの下部室側から第二連通部を閉塞するようにこの下部室に納められたカットバルブを構成するフロート体と、
    下部室内への燃料の流入により上昇してこの下部室側から第三連通部を閉塞するようにこの下部室に納められたベントバルブを構成するフロート体と、
    中間室に納められて燃料タンク内が一定の高圧状態又は一定の低圧状態となった際に開弁動作して中間室を介して下部室と上部空間とを連通させるチェックバルブ構成体とを有していると共に、
    カットバルブを構成するフロート体は、燃料タンク内の燃料の液面レベルがベントバルブを構成するフロート体を第三連通部を閉塞させる位置に上昇させる以上の液面レベルに達した段階で、第二連通部を閉塞させる位置に上昇されるように構成してあり、
    第四連通部は、燃料タンク内が一定の高圧状態となった際に開弁動作してこの第四連通部を介して下部室又は燃料タンク内と上部空間とを連通させるリリーフバルブ構成体により閉じられており、
    しかも、上部ケース体と、第一下部ケース体と、第二下部ケース体とを有しており、
    上部ケース体には、前記第四連通部とリリーフバルブ構成体が備えられていると共に、上部ケース体の下部には、第一下部ケース体がはめ付けられる第一下部開放部と、第二ケース体がはめ付けられる第二下部開放部とが備えられており、
    上部ケース体に、第一下部ケース体及び第二下部ケース体をはめ付けることにより、前記上部空間が形成されるようにしてあると共に、
    第一下部ケース体によって、前記ベントバルブを構成するフロート体を納める下部室が形成され、
    かつ、第二下部ケース体によって、前記中間室と、カットバルブを構成するフロート体を納める下部室とが形成されるようにしてあり、
    しかも、第三連通部が、大径連通孔と、この大径連通孔より小さい小径連通孔とにより構成してあると共に、
    ベントバルブを構成するフロート体が、下部室内への燃料の流入により上昇してこの下部室側から大径連通孔を閉塞するようにこの下部室に納められたメインフロートと、
    下部室内への燃料の流入により上昇してこの下部室側から小径連通孔を閉塞するようにこの下部室に納められたサブフロートとにより構成してあり、
    サブフロートは、燃料タンク内の燃料の液面レベルがメインフロートを大径連通孔を閉塞させる位置に上昇させる以上の液面レベルに達した段階で、小径連通孔を閉塞させる位置に上昇されるように構成してあり、
    しかも、第一下部ケース体によって、前記ベントバルブを構成するメインフロートとサブフロートとを納める下部室が形成されるようにしてあることを特徴とする燃料タンク用統合バルブ。
  2. チェックバルブ構成体が、
    中間室内に上下動可能に納められると共にその上部と下部とにそれぞれ通気孔を備えた中空弁体と、
    この中空弁体を常時所定の力で上方に向けて付勢してこの中空弁体の上部を第一連通部に押し付けさせる付勢手段と、
    この中空弁体内にこの中空弁体の下部の通気孔をこの中空弁体の内方から塞ぐ位置からこれを塞がない位置への移動を許容された状態で納められたボール体とを備えていることを特徴とする請求項1記載の燃料タンク用統合バルブ。
  3. キャニスターへの通気路に連通される上部空間と、
    燃料タンク内に配される下部室と、
    上部空間と下部室との間に設けられた中間室と、
    上部空間と中間室とを連通させる第一連通部と、
    中間室と下部室とを連通させる第二連通部と、
    上部空間と下部室とを中間室を介在させずに連通させる第三連通部と、
    下部室内への燃料の流入により上昇してこの下部室側から第二連通部を閉塞するようにこの下部室に納められたカットバルブを構成するフロート体と、
    下部室内への燃料の流入により上昇してこの下部室側から第三連通部を閉塞するようにこの下部室に納められたベントバルブを構成するフロート体と、
    中間室に納められて燃料タンク内が一定の高圧状態又は一定の低圧状態となった際に開弁動作して中間室を介して下部室と上部空間とを連通させるチェックバルブ構成体とを有していると共に、
    カットバルブを構成するフロート体は、燃料タンク内の燃料の液面レベルがベントバルブを構成するフロート体を第三連通部を閉塞させる位置に上昇させる以上の液面レベルに達した段階で、第二連通部を閉塞させる位置に上昇されるように構成してあり、
    しかも、上部ケース体と、第一下部ケース体と、第二下部ケース体と、第一栓体と、第二栓体とを有しており、
    上部ケース体の下部には、
    第一下部ケース体及び第一栓体のいずれか一方がはめ付けられる第一下部開放部と、
    第二下部ケース体及び第二栓体のいずれか一方がはめ付けられる第二下部開放部とが備えられており、
    上部ケース体に、第一下部ケース体及び第一栓体のいずれか一方をはめ付けると共に、第二下部ケース体及び第二栓体のいずれか一方をはめ付けることにより、前記上部空間が形成されるようにしてあると共に、
    第一下部ケース体によって、前記ベントバルブを構成するフロート体を納める下部室が形成され、
    かつ、第二下部ケース体によって、前記中間室と、カットバルブを構成するフロート体を納める下部室とが形成されるようにしてあり、
    しかも、第三連通部が、大径連通孔と、この大径連通孔より小さい小径連通孔とにより構成してあると共に、
    ベントバルブを構成するフロート体が、下部室内への燃料の流入により上昇してこの下部室側から大径連通孔を閉塞するようにこの下部室に納められたメインフロートと、
    下部室内への燃料の流入により上昇してこの下部室側から小径連通孔を閉塞するようにこの下部室に納められたサブフロートとにより構成してあり、
    サブフロートは、燃料タンク内の燃料の液面レベルがメインフロートを大径連通孔を閉塞させる位置に上昇させる以上の液面レベルに達した段階で、小径連通孔を閉塞させる位置に上昇されるように構成してあり、
    しかも、第一下部ケース体によって、前記ベントバルブを構成するメインフロートとサブフロートとを納める下部室が形成されるようにしてあることを特徴とする燃料タンク用統合バルブ。
  4. 上部空間と下部室又は燃料タンク内とを中間室を介在させずに連通させる第四連通部を備えていると共に、
    この第四連通部が、燃料タンク内が一定の高圧状態となった際に開弁動作してこの第四連通部を介して下部室又は燃料タンク内と上部空間とを連通させるリリーフバルブ構成体により閉じられていることを特徴とする請求項3記載の燃料タンク用統合バルブ。
  5. チェックバルブ構成体が、
    中間室内に上下動可能に納められると共にその上部と下部とにそれぞれ通気孔を備えた中空弁体と、
    この中空弁体を常時所定の力で上方に向けて付勢してこの中空弁体の上部を第一連通部に押し付けさせる付勢手段と、
    この中空弁体内にこの中空弁体の下部の通気孔をこの中空弁体の内方から塞ぐ位置からこれを塞がない位置への移動を許容された状態で納められたボール体とを備えていることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の燃料タンク用統合バルブ。
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