JP3789160B2 - 燃料タンクのサブタンク構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の燃料タンク内に配設されるサブタンク構造に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車等の燃料タンク内には、その内部の燃料を有効に使い切るために、上方に開放された有底状のサブタンクが設けられており、このサブタンク内に貯溜された燃料を燃料ポンプによりエンジンに供給するようになされている。このサブタンク構造の場合、サブタンク内の燃料がエンジンに供給されて減少するため、燃料タンク内におけるサブタンク外の燃料をサブタンク内に補給する必要がある。そのため、例えば特開昭63−227949号公報に示されているように、エンジンから戻される余剰燃料の動圧によって負圧を発生する負圧ポンプを設け、この負圧ポンプにより燃料タンク内の燃料をサブタンク内に供給するようにすることが提案されている。
【0003】
このことにより、所定量の燃料がサブタンク内に確保されていれば、それを燃料ポンプの作動によりエンジンに供給し、エンジンを始動させて一定時間運転することができ、一旦エンジンが始動運転されれば、その間は負圧ポンプにより自動的に燃料がサブタンク内に補給されることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動車等の製造直後の状態又は燃料を使い切って燃料タンク及びサブタンク内の燃料が空の状態のとき、燃料を外部から燃料タンクに補給する必要がある。そのとき、燃料がいくら燃料タンクに補給されてもサブタンク内に入いらなければ、燃料ポンプにより燃料をエンジンに供給することができず、エンジンを始動することはできない。また、そのため、エンジンからの余剰燃料が戻らないので、上記負圧ポンプも作動せず、燃料タンク内の燃料をサブタンク内に補給することもできない。
【0005】
そこで、外部より燃料タンクに燃料を補給する際には、その燃料がサブタンク内に確実に入るようにするため、外部から燃料を補給するための給油パイプをその端部が燃料タンク内のサブタンク内に位置する箇所まで延ばすことが行われている。
【0006】
しかし、サブタンクは、通常、その内部の燃料の液面変化が燃料タンクのあらゆる傾きに対して小さくなるように燃料タンクの略中央部に配置されており、このため、上記給油パイプをサブタンク内まで延ばすと、給油パイプの長さは長くなり、その分、燃料タンク全体のコストが増大する。また、その給油パイプが燃料ポンプや負圧ポンプ或いはそれらに接続されるパイプ等と干渉しないようにする必要があり、その取回しに制約が発生する。
【0007】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記のように、エンジンから戻される余剰燃料の動圧を利用した負圧ポンプ等の吸入ポンプにより燃料タンク内の燃料をサブタンク内に供給するようにした燃料タンクの構造を改良することによって、補給燃料を直接サブタンクに入れなくてもその内部に常に所定量の燃料を確保できるようにし、給油パイプの配置レイアウトの制約をなくすとともに、燃料タンク全体のコストの上昇を抑えることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明では、サブタンクの壁部に開口を形成するとともに、そのサブタンク内の燃料量が基準量よりも多いときに開口を閉じる開閉弁を設け、この開閉弁が上記開口を開放しているときに、吸入ポンプによって燃料タンクからサブタンク内に該サブタンクの上方開放部を通じて供給される燃料の量が、サブタンク内から開口を通って燃料タンクへ流出する燃料の量よりも常に多くなるようにした。
【0009】
具体的には、請求項1の発明では、燃料タンク内に配設され、上方に開放された有底状のサブタンクと、エンジンから戻される余剰燃料の動圧により上記燃料タンク内の燃料をサブタンク内に該サブタンクの上方開放部を通じて供給する吸入ポンプとを備えた燃料タンクのサブタンク構造を前提とする。
【0010】
そして、上記サブタンクの壁部に形成され、サブタンク内外を連通する燃料流出入孔と、サブタンク内に貯溜された燃料の量が基準量以下のときに上記燃料流出入孔を開放する一方、基準量よりも多いときに燃料流出入孔を閉じる開閉弁とを備え、上記開閉弁が上記燃料流出入孔を開放しているときに、上記吸入ポンプによって燃料タンクよりサブタンク内に該サブタンクの上方開放部を通じて供給される燃料の補給量が、上記サブタンク内から燃料流出入孔を通って燃料タンクへ流出する燃料の流出量よりも多くなるように構成されており、上記開閉弁は、上記サブタンク内に貯溜された燃料の液面高さに連動して上下移動するフロートと、上記燃料流出入孔の下側に位置し、該フロートに、上下方向に延びかつ該燃料流出入孔を貫通する軸部を介して連結された弁体とを備えたフロート弁で構成され、上記弁体は、上記サブタンク内の燃料の量が上記基準量以下のときに上記フロートの下降移動により下降して燃料流出入孔を開放する一方、サブタンク内の燃料の量が基準量よりも多いときにフロートの上昇移動により上昇して燃料流出入孔を閉じるように構成されているものとする。
【0011】
この構成により、サブタンク内の燃料が基準量以下のときには、開閉弁によって燃料流出入孔が開放されるので、自動車等の製造直後の状態や燃料を使い切って燃料タンク及びサブタンク内の燃料が空の状態で、燃料を外部から燃料タンクに補給する際、その燃料をサブタンク内ではなくて燃料タンク(サブタンク外)に補給したとしても、その燃料タンク内の燃料がサブタンク内で基準量となるまで燃料流出入孔を通ってサブタンク内に入り、サブタンク内に燃料が確保される。そして、燃料ポンプによりエンジンに燃料を供給できるだけの最低量の燃料がサブタンク内にあれば、サブタンク内の燃料が基準量以下の状態で外部からの燃料タンクへの燃料補給を止めても、エンジンを始動することができ、そのエンジンの始動運転に伴い、エンジンから戻る余剰燃料の動圧により吸入ポンプが作動して燃料タンク内の燃料がサブタンク内に補給される。このときの吸入ポンプによる補給量は、サブタンク内から燃料流出入孔を通って燃料タンクへ流出する燃料の流出量よりも多くなるように設定されているので、サブタンク内に燃料が確実に補給されて、そのサブタンク内の燃料の量は増加する。そして、このサブタンク内の燃料の量が基準量よりも多くなると、開閉弁が閉じられるので、その後はサブタンク内から燃料タンクへ燃料が流出することはなく、引続き上記吸入ポンプによりサブタンク内に燃料が補給されて満杯状態となる。よって、燃料タンク内に燃料がある限り、サブタンク内に、常に満杯状態の燃料が確保される。
【0012】
また、燃料タンク内の燃料の減少により吸入ポンプによって燃料タンクからサブタンク内に燃料を補給することができなくなったとき、エンジンを運転稼働させることができる燃料の最大量は、サブタンク満杯容量から上記開閉弁が開く基準量を差引いた一定の量となる。すなわち、サブタンク外からサブタンク内に燃料を補給することができなくなった時点ではサブタンク内に燃料が残されており、そのサブタンク内の燃料を基準量まで使用すると、上記開閉弁が開放されるので、サブタンク内の燃料は燃料流出孔を通って燃料タンクへ流出し、その基準量の燃料分はエンジンに使用できない。
【0013】
その結果、吸入ポンプによって燃料タンク内の燃料をサブタンク内に補給することができなくなったことを検出するようにすれば、その検出したときから常に一定時間エンジンを稼働させることができる。また、その検出時にエンジンを一旦停止させても、サブタンク内に燃料が一定量残った状態が保持されるので、次にエンジンを再始動させるときにも、常に一定量の使用可能な燃料が確保されており、自動車等の残りの走行距離を容易に判断することができる。
【0014】
したがって、このように燃料タンク内の燃料がサブタンクに補給されてサブタンク内に燃料を確保できるので、燃料を外部から燃料タンクに補給する際、給油パイプをサブタンク内まで延ばしてサブタンク内に燃料を直接補給しなくても済む。よって、サブタンクを燃料タンクの中央部に配置しても、給油パイプは燃料タンクに燃料を供給できる長さ及び配置であればよく、その長さは短くて済み、燃料タンク全体のコストアップを抑えることができるとともに、給油パイプの配置レイアウトの制約をなくすことができる。
【0015】
また、上記開閉弁の構成により、サブタンク内の燃料の量が基準量以下になると、その燃料の液面高さに連動して移動するフロートが下降し、そのフロートと一体となった弁体も下降して燃料流出入孔が開放される。一方、燃料の量が基準量よりも多くなると、その液面高さの上昇に伴い、フロートがその浮力により上昇して弁体も上昇し、その弁体により燃料流出入孔が塞がれる。よって、簡単で低コストの開閉弁の具体的構成が容易に得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施形態を示し、1はサブタンク2を内部に有する自動車用燃料タンクであって、この燃料タンク1は、下方に開口された有底状をなしかつその開口縁に外向きフランジを有する金属板からなるアッパ部材5と、上方に開口された有底状をなしかつその開口縁に外向きフランジを有する金属板からなるロア部材6とをそのフランジ同士で互いに気密状に接合したものである。そして、燃料タンク1の上壁部(上記アッパ部材5の底壁部)と側壁部との間の隅角部には、燃料タンク1に外部から燃料を補給するための給油パイプ8が貫通状態で取り付けられている。また、燃料タンク1の上壁部には開口部1aが形成され、この開口部1aの周縁には段差状に隆起した状態の段差部1bが設けられていて、この段差部1bにより開口部1a周縁が燃料タンク1の上面よりもその段差分だけ高くなっており、この段差部1bの周りにはシール用のパッキン10が配置されている。
【0017】
上記開口部1aは金属板からなるベースプレート13で覆われている。このベースプレート13の周縁部は下方に向かって折り曲げられ、その周縁部の折り曲げられたところよりも内側の下面には、上記段差部1b及びその周囲の上記パッキン10に弾接するパッキン11が配設され、ベースプレート13は上記2つのパッキン10,11を介して図外の複数本のビスにより上記アッパ部材5に取付固定されている。このベースプレート13には、L字状をなすメインパイプ15とリターンパイプ16とがそれぞれ貫通状態で取り付けられ、これらパイプ15,16は共に図外の車載エンジンと接続されている。
【0018】
上記燃料タンク1内の底壁部上面の略中央部には、上方に開口する有底状のサブタンク2が一体に取付固定されている。このサブタンク2内において上記給油パイプ8から遠い側の側壁部には、サブタンク2内部に貯溜されている燃料をエンジンに圧送するための燃料ポンプ18が配置されている。この燃料ポンプ18の上部にはポンプサポーター21が巻き付けられ、下部にはL字状のブラケット20が取付固定され、これらポンプサポーター21及びブラケット20は、上記ベースプレート13に上端部を固定したポンプステー19の下端部に取り付けられており、このことで、燃料ポンプ18はベースプレート13に支持されている。尚、図1中、22は上記ブラケット20をポンプステー19に取り付けるためのビス、23はサポーター21の両端部を結合するためのビスである。
【0019】
上記燃料ポンプ18の下端面には吸込部18aが、上端面には吐出部18bがそれぞれ突設されている。上記吸込部18aの先端側はL字状に屈曲され、その先端部にはストレーナ25がサブタンク2内の底壁部上面に接するように接続されている。このストレーナ25はメッシュ材からなる袋状のもので、その内部にはストレーナ25を所定の形状に保持するフィルター部材が入っている。一方、上記吐出部18bにはジョイントホース27の下端部が外嵌合状態に接続され、このジョイントホース27の周りはジョイントクリップ28で締め付けられている。このジョイントホース27の上端部は、上記ベースプレート13下面近傍で上記メインパイプ15の下端部に外嵌合状態に接続され、このホース27の周りはジョイントクリップ29で締め付けられている。そして、上記燃料ポンプ18は、サブタンク2内の燃料をその吸込部18aからストレーナ25を介して吸い込んだ後、吐出部18bより吐出してジョイントホース27及びメインパイプ15を通してエンジンに圧送するように構成されている。
【0020】
また、上記サブタンク2内の上部略中央には吸入ポンプとしての負圧ポンプ33が設けられている。この負圧ポンプ33は、図示しないが、入口部から出口部を通過する燃料の動圧により負圧を生成して、その負圧により吸入部の燃料を吸い込んで上記出口部に供給するもので、入口部は上記リターンパイプ16に、また出口部はサブタンク2内に延びる吐出管34にそれぞれ接続されている。また、負圧ポンプ33の吸入部はリムーブパイプ35の一端部に接続されている。このリムーブパイプ35は、負圧ポンプ33からサブタンク2上方を上記給油パイプ8に向かって水平状に延びた後、サブタンク2の外側の所で略直角に下方に屈曲されてサブタンク2の側壁部に沿って延び、その他端部は燃料タンク1の底壁部近傍に位置している。よって、上記負圧ポンプ33は、上記エンジンからリターンパイプ16を通って戻される余剰燃料が負圧ポンプ33を通過して吐出管34よりサブタンク2内に吐出されるときに、その余剰燃料の動圧によって発生する負圧とリムーブパイプ35の他端部との圧力差を利用して、燃料タンク1内(サブタンク2外)に貯溜されている燃料をリムーブパイプ35より吸い上げて上記余剰燃料と共に吐出管34よりサブタンク2内に吐出する。つまり、燃料タンク1よりサブタンク2内に燃料が供給されるようになっている。尚、この負圧ポンプ33によりサブタンク2内に供給される燃料の補給量は、上記燃料ポンプ18により自動車エンジンに圧送される量よりも多くなるように設定されている。
【0021】
上記サブタンク2底壁部において上記リムーブパイプ35に近い側の側壁部近傍には、そのサブタンク2底壁部の一部をサブタンク2内側に凹陥した段差部38が形成され、その段差部38には、サブタンク2の内外を連通する燃料流出入孔40が設けられている。
【0022】
また、この燃料流出入孔40にはその孔40を開閉するための開閉弁としてのフロート弁43が設けられている。すなわち、このフロート弁43は、弁体44とこの弁体44の軸部44a上端に取付固定されているフロート45とからなる。
弁体44は、サブタンク2の外側に位置しかつ燃料流出入孔40よりも大きい径を有する円板状のもので、この弁体44の上面にはリング状のパッキンが取付固定されている。また、弁体44の軸部44aは上記燃料流出入孔40を貫通してサブタンク2内に延び、その上端にフロート45が取付固定されている。このフロート45はサブタンク2内に燃料の浮力を受けて浮くように配置されていて、サブタンク2内の燃料の液面高さに連動して上下移動するようになっている。
【0023】
そして、上記フロート弁43は、図2に示すように、サブタンク2内に貯溜された燃料の量が基準量よりも多くてその基準量に対応した液面高さよりも高いとき、上記フロート45が浮力により弁体44と共に上昇して弁体44上面のパッキン47の上面が段差部38のサブタンク2外側面の燃料流出入孔40周縁部に当接することにより、その燃料流出入孔40を閉じるようになっている。一方、サブタンク2内の燃料の量が基準量以下のとき、フロート45が燃料の液面高さに応じて下降して上記パッキン47の上面が段差部38のサブタンク2外側面より離れることにより、フロート弁43は燃料流出入孔40を開放する。尚、図1及び図3に示すように、サブタンク2内の燃料の量がさらに少なくなると、フロート弁43は、その弁体44の下端部が燃料タンク1の底壁部に当接して、それ以上下降できなくなり、燃料流入孔40が開いたままとなる。この状態では、フロート45の下面は段差部38の上面(サブタンク2内側の面)に当接しないようになっている。また、このときのフロート45の下面と略同じ高さ(図3の状態)の液面高さに相当する燃料の量が、上記燃料ポンプ18により燃料をエンジンに圧送することができる最低量とされており、これよりも燃料が少なくなると、燃料ポンプ18により燃料をエンジンに圧送不能となる。
【0024】
さらに、上記燃料流出入孔40が開放されているとき、上記負圧ポンプ33によって燃料タンク1からサブタンク2内に供給される燃料の補給量は、燃料流出入孔40を通ってサブタンク2内より燃料タンク1へ流出する燃料の流出量よりも多くなるように設定されている。
【0025】
したがって、以上の構成からなる燃料タンク1に対し、燃料を外部より補給する場合、その補給燃料は給油パイプ8を通って燃料タンク1内に入り、その内部で燃料の液面高さが上昇する。このとき、その燃料がサブタンク2内に直接入ることはない。しかし、サブタンク2の底壁部における段差部38に燃料流出孔40が形成されているので、燃料タンク1内の液面高さが上昇してその段差部38の位置する高さを超えると、図3に示すように、燃料流出孔40を通って燃料がサブタンク2内に入り、その液面高さが燃料タンク1内の液面と同じ液面を保って上昇する。そして、このサブタンク2内の液面高さがフロート45の位置する高さに達すると、フロート45の浮力によりフロート弁43が上昇し始め、サブタンク2内の燃料の量が基準量となる液面高さに達すると、フロート弁43の弁体44上のパッキン47が段差部38のサブタンク2の外側面に当接して、燃料流出孔40が閉じられる。このときまで、サブタンク2内外の液面高さは同じであるが、さらに燃料を燃料タンク1に補給すると、燃料流出孔40がフロート弁43によって閉じられているため、燃料はサブタンク2内に入らなくなり、燃料タンク1内(サブタンク2外)の液面高さのみ上昇する。
【0026】
次に、上記のように、燃料タンク1内への燃料の補給がされて車載エンジンを始動運転させた場合について説明する。先ず、燃料の補給量が少なくて、サブタンク2内に入った燃料の量が、上記燃料ポンプ18により自動車エンジンに燃料を圧送することができる最低量よりも多いが、フロート弁43により燃料流出入孔40が閉じられる基準量よりも少なかった場合、上記燃料ポンプ18が作動してサブタンク2内の燃料をその吸込部18aより吸い込んだ後、吐出部18bより吐出し、この燃料は燃料ポンプ18からジョイントホース27及びメインパイプ15を通してエンジンに圧送され、このことによりエンジンが始動運転される。そして、そのエンジンの運転状態ではエンジンから余剰燃料が戻されてその動圧により負圧ポンプ33が作動し、燃料タンク1内の燃料がリムーブパイプ35を通って吸い上げられて余剰燃料と共に吐出管34よりサブタンク2内に供給される。このとき、負圧ポンプ33によるサブタンク2内への補給量は、エンジンに圧送される量よりも多く、かつサブタンク2内から燃料流出入孔40を通って燃料タンク1へ流出する燃料の流出量よりも多いので、サブタンク2内の燃料の量は増加する。すると、サブタンク2内の燃料の液面高さが上昇して上記フロート弁43のフロート45が上方に移動し、やがてサブタンク2内の基準量に達すると、上述の如く、フロート弁43により燃料流出入孔40が閉じられる。そのままエンジンを運転し続けると、もはやサブタンク2内の燃料は燃料タンク1へ流出することなく負圧ポンプ33により供給されるのみとなるので、サブタンク2内の燃料の量は増加し続けて満杯状態となる。
【0027】
これに対し、燃料タンク1への燃料の補給量が十分であって、エンジンを始動する前に既にフロート弁43によって燃料流出入孔40が閉じられている場合は、エンジンを始動すると、上述の如く、サブタンク2内の燃料量が増加して、すぐに満杯状態となる。よって、燃料タンク1内に燃料がある限り、常に、サブタンク2内の燃料は満杯状態に保たれる。
【0028】
また、燃料タンク1内の燃料が減少して負圧ポンプ33によって燃料タンク1よりサブタンク2内に燃料を補給することができなくなった場合、その時点ではサブタンク2内に燃料が残されているが、そのままエンジンを運転し続けると、サブタンク2内の燃料は減少する。そして、上記フロート弁43によって燃料流出入孔40が開放される基準量まで達すると、サブタンク2内の燃料は燃料流出入孔40を通って燃料タンク1へ流出してしまう。このとき、サブタンク2内の燃料は急激に減少して燃料ポンプ18によってエンジンに圧送できる最低量以下となってしまい、サブタンク2内に残された基準量の燃料はエンジンに使用できない。よって、燃料タンク1内の燃料の減少により負圧ポンプ33によって燃料タンク1からサブタンク2内に燃料を補給することができなくなったとき、エンジンを運転稼働させることができる燃料の最大量は、サブタンク2の満杯容量から上記フロート弁43が開く基準量を差引いた一定の量となる。
【0029】
その結果、負圧ポンプ33によって燃料タンク1内の燃料をサブタンク2内に補給することができなくなったことを燃料タンク1内の燃料の液面高さ等で検出するようにすれば、その検出したときから常に一定時間エンジンを稼働させることができる。また、その検出時にエンジンを一旦停止させても、サブタンク2内に燃料が一定量残った状態が保持されるので、次にエンジンを再始動させるときにも、エンジンに使用できる燃料が常に一定量確保されており、自動車等の残りの走行距離を容易に判断することができる。
【0030】
したがって、上記実施形態では、燃料タンク1内の燃料がサブタンク2に補給されてサブタンク2内に燃料を確保できるので、燃料を外部から燃料タンク1に補給する際、給油パイプ8をサブタンク2内まで延ばしてサブタンク2内に燃料を直接補給する必要はない。よって、燃料タンク1の傾きに対してサブタンク2内の燃料の液面変化を小さくするためにサブタンク2を燃料タンク1の中央部に配置しても、給油パイプ8は燃料タンク1に燃料を供給できる長さ及び配置であればよく、その長さは短くて済み、燃料タンク1全体のコスト上昇を抑えることができるとともに、給油パイプ8の配置レイアウトの制約をなくすことができる。
【0031】
また、燃料流出入孔40を開閉するための開閉弁として、サブタンク2内に貯溜された燃料の液面高さに連動して上下移動するフロート45とそのフロート45に連結された弁体44とを備えたフロート弁43を使用し、その弁体44が、サブタンク2内の燃料の量が基準量以下のときにフロート45の下降移動に伴って下降して燃料流出入孔40を開放する一方、サブタンク2内の燃料の量が基準量よりも多いときにフロート45の上昇移動に伴って上昇して燃料流出入孔40を閉じるようにしたことにより、開閉弁を簡単な構成とすることができ、そのコストの低減化を図ることができる。
【0032】
尚、上記実施形態では、燃料タンク1よりサブタンク2内に供給するための吸入ポンプとして、エンジンから戻される余剰燃料の動圧によるリムーブパイプ35の両端部の圧力差を利用する負圧ポンプ33を用いたが、エンジンから戻される余剰燃料の動圧を利用するものであればよく、例えばギヤポンプ等の吸入ポンプであってもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によると、燃料タンク内に配設され、上方に開放された有底状のサブタンクと、エンジンから戻される余剰燃料の動圧により上記燃料タンク内の燃料をサブタンク内に該サブタンクの上方開放部を通じて供給する吸入ポンプとを備えた燃料タンクのサブタンク構造として、そのサブタンクの壁部にサブタンク内外を連通する燃料流出入孔を形成し、サブタンク内に貯溜された燃料の量が基準量以下のときに燃料流出入孔を開放する一方、基準量よりも多いときに燃料流出入孔を閉じる開閉弁を備え、この開閉弁が上記燃料流出入孔を開放しているときに、上記吸入ポンプによって燃料タンクよりサブタンク内に該サブタンクの上方開放部を通じて供給される燃料の補給量が、サブタンク内から燃料流出入孔を通って燃料タンクへ流出する燃料の流出量よりも多くなるように構成するとともに、上記開閉弁を、上記サブタンク内に貯溜された燃料の液面高さに連動して上下移動するフロートと、上記燃料流出入孔の下側に位置し、該フロートに、上下方向に延びかつ該燃料流出入孔を貫通する軸部を介して連結された弁体とを備えたフロート弁で構成し、上記弁体を、上記サブタンク内の燃料の量が上記基準量以下のときに上記フロートの下降移動により下降して燃料流出入孔を開放する一方、サブタンク内の燃料の量が基準量よりも多いときにフロートの上昇移動により上昇して燃料流出入孔を閉じるように構成したことにより、燃料タンク全体のコストの上昇を抑え、給油パイプの配置レイアウトの制約をなくしてその配置の最適化を図ることができる。また、簡単で低コストの開閉弁の具体的構成を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るサブタンクを内部に有する自動車用燃料タンクを示す縦断面図である。
【図2】 フロート弁により燃料流出入孔が閉じられている状態を示す要部の縦断面図である。
【図3】 燃料を燃料ポンプにより自動車エンジンに圧送することができる最低量の燃料を燃料タンクに補給した状態を示す図2相当図である。
【符号の説明】
1 自動車用燃料タンク
2 サブタンク
8 給油パイプ
13 ベースプレート
15 メインパイプ
16 リターンパイプ
18 燃料ポンプ
27 ジョイントホース
33 負圧ポンプ
34 吐出管
35 リムーブパイプ
38 段差部
40 燃料流出入孔
43 フロート弁
44 弁体
45 フロート
47 パッキン

Claims (1)

  1. 燃料タンク内に配設され、上方に開放された有底状のサブタンクと、
    エンジンから戻される余剰燃料の動圧により上記燃料タンク内の燃料をサブタンク内に該サブタンクの上方開放部を通じて供給する吸入ポンプとを備えた燃料タンクのサブタンク構造において、
    上記サブタンクの壁部に形成され、サブタンク内外を連通する燃料流出入孔と、
    サブタンク内に貯溜された燃料の量が基準量以下のときに上記燃料流出入孔を開放する一方、基準量よりも多いときに燃料流出入孔を閉じる開閉弁とを備え、
    上記開閉弁が上記燃料流出入孔を開放しているときに、上記吸入ポンプによって燃料タンクよりサブタンク内に該サブタンクの上方開放部を通じて供給される燃料の補給量が、上記サブタンク内から燃料流出入孔を通って燃料タンクへ流出する燃料の流出量よりも多くなるように構成されており、
    上記開閉弁は、上記サブタンク内に貯溜された燃料の液面高さに連動して上下移動するフロートと、上記燃料流出入孔の下側に位置し、該フロートに、上下方向に延びかつ該燃料流出入孔を貫通する軸部を介して連結された弁体とを備えたフロート弁で構成され、
    上記弁体は、上記サブタンク内の燃料の量が上記基準量以下のときに上記フロートの下降移動により下降して燃料流出入孔を開放する一方、サブタンク内の燃料の量が基準量よりも多いときにフロートの上昇移動により上昇して燃料流出入孔を閉じるように構成されていることを特徴とする燃料タンクのサブタンク構造。
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