JP2002527677A - 燃料フィードモジュール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 特に自動車で使用される、内燃機関に燃料を供給するための燃料フィードモジュールであって、底面（１１）を有する貯えポット（１０）と、貯えポット（１０）内に配置された、ポンプエレメント（２８）を備えた燃料ポンプ（２０）とを有しており、燃料ポンプ（２０）のポンプエレメント（２８）が貯えポット（１０）の底面（１１）上に、燃料が側方でポンプエレメント（２８）に流入するように配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、内燃機関に燃料を供給するための燃料フィードモジュールであって
、特に自動車で使用される形式のものに関する。

【０００２】 背景技術 自動車では燃料を燃料タンクからエンジンに供給するために、燃料タンクの内
側に設置されている燃料ポンプが使用される。この燃料ポンプは通常はタンクの
底面に配置されていて、いわゆる貯えポットに取り囲まれている。この貯えポッ
トによって燃料ポンプの周囲の燃料レベルは所定のレベルに保持される。これに
より、部分的には既に空になるまで吐出された燃料タンクにおいても、カーブ走
行中または斜面走行中に確実にエンジンに燃料が供給されることが保証される。
貯えポットはこの場合、燃料ポンプと共に燃料フィードモジュールを形成する。
貯えポットに一方の側で燃料をタンクから充填するためにしばしば、エンジンか
ら戻された燃料によって駆動されるサクションジェットポンプが使用される。し
かし戻された燃料は貯えポットに直接的にも戻される。さらに貯えポットは典型
的には２つの燃料フィルタを有しており、これらのフィルタの一方は吸込側で燃
料ポンプの手前に位置しており、他方の微多孔性のフィルタは燃料ポンプに後置
されている。

【０００３】 請求項１の上位概念に記載の形式の燃料モジュールは例えばドイツ連邦共和国
特許第１９６１９９９２号明細書により公知である。このような構成では貯えポ
ットの内側の燃料ポンプの組み込み高さは一方では燃料ポンプの寸法により、他
方ではこれに前置された粗フィルタと、吸込管片とにより規定される。この吸込
管片によって燃料は粗フィルタを通って吸い込まれる。吸込管片は粗フィルタと
ともに貯えポットの底面の上方に配置されているので、燃料は主として下方から
鉛直に流入する。

【０００４】 しかしながらこのような配置では次のような問題が生じる。即ち貯えポットの
燃料レベルが粗フィルタの下方に位置する場合に、燃料フィードポンプに、ひい
てはエンジンにもはや燃料が供給されない。このような不都合な残留吸込特性と
同様に、タンクもしくは貯えポットの最初の充填時に問題が生じる。何故ならば
このような場合にも、燃料フィードポンプが運転を開始する前にまず最初に最低
限のレベルの燃料が貯えポット内に存在してなければならないからである。

【０００５】 発明の効果 請求項１に記載の特徴を有する本発明による燃料フィードモジュールは、貯え
ポット内で必要な燃料の最低限のレベルが極めて低いという利点を有している。
これにより、燃料フィードモジュールの卓越した残留吸込特性と同様に、タンク
の最初の充填時の良好な特性が得られる。さらに燃料ポンプの構造は吸込管片を
省くことができるので安価になる。燃料がポンプエレメントに側方から流入する
ことによりさらに、貯えポットにおける燃料ポンプの構成高さが低くなるので、
燃料フィードモジュール全体が小さな体積を有している。このことは内部に燃料
フィードモジュールが配置されているタンクの容積というだけでなく、モジュー
ルの安定性という観点からも有利である。何故ならばコンパクトな寸法は、自動
車で典型的に生じるような振動による不都合な影響を減じるからである。

【０００６】 別の請求項に記載された手段により、請求項１に記載の燃料フィードモジュー
ルの有利な別の構成ならびに改良形が得られる。

【０００７】 有利な構成によれば、燃料ポンプは、側方の流入開口を備えたケーシングを有
しており、この流入開口は貯えポットの下方の領域に配置されているので、貯え
ポット内の最も僅かな残留量の燃料を吸い込むことができる。ケーシングの流入
開口はこの場合、有利には貯えポットの底面に直接に配置されている。別の有利
な構成によれば、流入開口はその下側（下面）で燃料ポンプのケーシングの一部
分によって制限されている。

【０００８】 燃料モジュールはさらに有利には、燃料を流入前に濾過するために貯えポット
に配置されているフィルタを有している。有利にはフィルタは、燃料ポンプを取
り囲むかご型フィルタとして形成されている。有利な構成によればかご型フィル
タは、燃料ポンプを貯えポットに支持するために働く。燃料ポンプを上方の領域
に支持するための付加的な装置はこの実施例では不要である。

【０００９】 有利な実施の形態の詳しい説明 次に図面につき本発明の実施の形態をを詳しく説明する。

【００１０】 図１に示した燃料フィードモジュールは、タンク１内に配置されている貯えポ
ット１０を有している。貯えポット１０の底面１１には燃料ポンプ２０が位置し
ており、この燃料ポンプ２０は内燃機関（図示せず）に燃料を供給する。燃料は
、図１の右下方に黒矢印で示したようにサクションポンプ等（図示せず）を介し
てタンク１から貯えポット１０に送られる。燃料ポンプ２０は電気的なモータ２
９を有しており、このモータ２９がその下方に配置されたポンプ車２８としての
ポンプエレメントを駆動する。このような構成の他にも燃料を供給するための、
ダイアフラムまたは他のポンプ機構を備えたポンプ構造体も考えられる。

【００１１】 駆動モータ２９とポンプ車２８とは外方に向かって、燃料ポンプ２０のケーシ
ング２６によって取り囲まれている。ケーシング２６はその右側に、ポンプ車２
８のための側方の流れ開口２１を有しており、この流れ開口２１を通って運転中
に燃料が側方からポンプ車２８に流入する。流入開口２１はこの場合、貯えポッ
ト１０の下方の領域に配置されている。図１に示した有利な構成によれば、流入
開口２１は下側でケーシング２６の部分によって制限される。上記の構成により
、燃料ポット１０における燃料レベルが極めて低い場合でも燃料が吸い込まれる
。別個の吸込管片は不要である。

【００１２】 図２に拡大して示したように本発明の別の構成によれば、流入開口２１は直接
的に貯えポット１０の底面に配置されている。燃料フィードモジュールの残留吸
込特性はこれによりさらに改善される。

【００１３】 図３に示した構成ではポンプ車２８がさらに、貯えポット１０の底面１１に設
けられた凹部に配置されている。これにより燃料の僅かな残留量がポンプ車２８
の周辺に、ひいていは流入開口２１の前に集められる。

【００１４】 図４に示した別の実施例によれば、ポンプ車２８が貯えポット１０の底面１１
の切欠内に配置されている。これにより図３に示した構成のものと同様の効果が
得られ、さらに付加的に燃料モジュールの構成高さがさらに減少され材料が節約
される。

【００１５】 改めて図１を参照するが、燃料ポンプ２０の下方領域の周囲には（粗い）フィ
ルタ３０が配置されている。このようなフィルタ３０は燃料の不純物または堆積
物が燃料ポンプ内に達するのを阻止する。この場合、フィルタ３０は有利にはか
ご型フィルタとして形成されている。燃料ポンプ２０の周りに環状に配置されて
いることによりフィルタ面積を大きくすることができるので、耐用期間は延長さ
れ、車両の平均的な寿命の間はフィルタ３０を交換する必要はない。このことは
公知の燃料フィードモジュールと比べて著しい利点である。公知の燃料フィード
モジュールでは、比較的小さな粗燃料フィルタが燃料ポンプ２０の下側に配置さ
れていて、これにより目詰まりしたフィルタの交換には、燃料ポンプを取り外す
必要があるので著しく手間がかかりコストがかかる。

【００１６】 図１及び図４に示した有利な構成によれば、かご型フィルタ３０はさらに燃料
ポンプ２０の上方領域を支持するためにも働く。そのために必要な安定性を得る
ために、かご型フィルタ３０は複数の補強エレメント３１を有している。かご型
フィルタ３０は固定のために、貯えポット１０の底面１１に設けられた対応する
収容エレメント３２内に差し込まれる。この場合、結合は、係止、接着又はこれ
に類似の方法で行われる。

【００１７】 図３に示した実施例によれば、燃料ポンプ２０と貯えポット１０の外壁との間
には支持するための補強材２２が存在している。この補強材は有利にはばね弾性
的に形成されており、燃料ポンプから発せられる振動が貯えポットに、ひいてい
は車両のタンクに伝わるのを防止している。この実施例ではフィルタ３０はその
上縁部で補強材２２に固定されている。

【００１８】 有利には燃料ポンプ２０を貯えポット１０の底面１１に固定するために、斜め
上方に向かって減径する複数のリブ１２が設けられている（図１参照）。これに
より燃料ポンプ２０の懸吊は強化され、燃料ポンプ２０の振動に起因する機械的
な負荷は良好に維持することができる。これに対して選択的に燃料ポンプ２０は
、貯えポット１０の底面１１上に位置する環状のリング（図示せず）によって位
置固定される。このリングは流入開口２１の領域で中断されている。リブもしく
はリングでの固定のために考えられる結合方法は、ねじ締結、リベット結合、係
止、接着等の技術である。

【００１９】 貯えポット、燃料ポンプの固定リブもしくは固定リング、図３の構成では補強
材のための材料は有利には、コスト及び重量を低減させるために耐燃料性のプラ
スチックが使用される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 第１の実施例による燃料フィードモジュールの側方図である。

【図２】 別の有利な構成による燃料ポンプの下方の領域の拡大図である。

【図３】 別の構成による燃料モジュールの概略図である。

【図４】 別の構成による燃料モジュールの概略図である。

【符号の説明】

１ タンク、 １０ 貯えポット、 １１ 底面、 ２０ 燃料ポンプ、 ２
１ 流入開口、 ２２ 補強材、 ２６ ケーシング、 ２８ ポンプ車、 ２
９ モータ、 ３０ フィルタ、 ３１ 補強部材、 ３２ 収容部材

Claims (12)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内燃機関に燃料を供給するための燃料フィードモジュールで
   あって、特に自動車で使用される形式のものにおいて、 イ）底面（１１）を有する貯えポット（１０）と、 ロ）貯えポット（１０）内に配置された、ポンプエレメント（２８）を備えた
   燃料ポンプ（２０）とを有しており、 ハ）燃料ポンプ（２０）のポンプエレメント（２８）が貯えポット（１０）の
   底面（１１）上に、燃料が側方でポンプエレメント（２８）に流入するように配
   置されていることを特徴とする、燃料フィードモジュール。
2. 【請求項２】 燃料ポンプがケーシング（２６）を有していて、該ケーシン
   グが、ポンプエレメントのための側方の流入開口（２１）を有しており、該流入
   開口（２１）が貯えポット（１０）の下方領域に配置されている、請求項１記載
   の燃料フィードモジュール。
3. 【請求項３】 ケーシング（２６）の流入開口（２１）が、貯えポット（１
   ０）の底面（１１）に直接的に配置されている、請求項２記載の燃料フィードモ
   ジュール。
4. 【請求項４】 流入開口（２１）の下面が、燃料ポンプ（２０）のケーシン
   グ（２６）の一部によって制限されている、請求項２記載の燃料フィードモジュ
   ール。
5. 【請求項５】 ポンプエレメント（２８）が、貯えポット（１０）の底面（
   １１）に設けられた凹部または切欠内に配置されている、請求項１から４までの
   いずれか１項記載の燃料フィードモジュール。
6. 【請求項６】 燃料を流入前に濾過するために、さらにフィルタ（３０）が
   貯えポット（１０）に配置されている、請求項１から５までのいずれか１項記載
   の燃料フィードモジュール。
7. 【請求項７】 フィルタ（３０）が、燃料ポンプ（２０）を取り囲むかご型
   フィルタとして形成されている、請求項６記載の燃料フィードモジュール。
8. 【請求項８】 かご型フィルタ（３０）が、貯えポット（１０）内で燃料ポ
   ンプ（２０）を支持している、請求項７記載の燃料フィードモジュール。
9. 【請求項９】 かご型フィルタ（３０）が、貯えポット（１０）の底面（１
   １）上に直接に載置されている、請求項７または８記載の燃料フィードモジュー
   ル。
10. 【請求項１０】 燃料ポンプ（２０）がリブ（１２）によって貯えポット（
    １０）の底面に固定されている、請求項１から９までのいずれか１項記載の燃料
    フィードモジュール。
11. 【請求項１１】 燃料ポンプ（２０）が、流入開口（２１）のところで切欠
    を有する環状のリングによって、貯えポット（１０）の底面（１１）に固定され
    ている、請求項１から１０までのいずれか１項記載の燃料フィードモジュール。
12. 【請求項１２】 特に自動車で使用するタンクにおいて、 該タンクが請求項１から１１までのいずれか１項記載の燃料フィードモジュー
    ルを有していることを特徴とするタンク。