JP2008207319A - 研磨パッド - Google Patents
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Abstract
【解決手段】定盤の表面に貼着して使用される研磨層を有する研磨パッドであって、研磨面側から測定した該研磨パッドのマイクロゴムA硬度値が、研磨面側から測定した該研磨パッドのアスカーC硬度値よりも12以上小さく、かつ該アスカーC硬度値が60以上であることを特徴とする研磨パッド。
【選択図】なし
Description
(1)定盤の表面に貼着して使用される研磨層を有する研磨パッドであって、研磨面側から測定した該研磨パッドのマイクロゴムA硬度値が、研磨面側から測定した該研磨パッドのアスカーC硬度値よりも12以上小さく、かつ該アスカーC硬度値が60以上であることを特徴とする研磨パッド。
(2)前記マイクロゴムA硬度値が90未満であることを特徴とする上記(1)に記載の研磨パッド。
(3)研磨面側から測定した前記研磨パッドの圧縮変形量が100μm未満であることを特徴とする上記(2)に記載の研磨パッド。
(4)前記研磨パッドの密度が0.8g/cm3 以上であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の研磨パッド。
(5)前記研磨層が、繊維を含有してなることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の研磨パッド。
(6)前記繊維が、単繊維繊度3デシテックス以下のものであることを特徴とする上記(5)に記載の研磨パッド。
(7)前記研磨層が、繊維布帛からなることを特徴とする上記(5)または(6)に記載の研磨パッド。
(8)前記繊維布帛が、織物または編物であることを特徴とする上記(7)に記載の研磨パッド。
(9)前記研磨層の厚さが1mm未満であることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の研磨パッド。
(10)前記研磨層が、極細繊維により表面を被覆されてなるものであり、該極細繊維表面被覆率が70%以上であることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載の研磨パッド。
(11)前記繊維布帛の圧縮エネルギーが、0.05gf・cm/cm2 以上であることを特徴とする上記(7)または(8)に記載の研磨パッド。
(12)前記繊維布帛の圧縮回復エネルギーが、0.02gf・cm/cm2 以上であることを特徴とする上記(7)または(8)に記載の研磨パッド。
(13)前記研磨層の定盤側に積層された下地層を有する積層研磨パッドであって、研磨層である表層のマイクロゴムA硬度が該下地層のマイクロゴムA硬度よりも3以上小さく、該下地層のマイクロゴムA硬度が50以上であることを特徴とする上記(1)〜(12)のいずれかに記載の研磨パッド。
(14)表層側から測定した前記積層研磨パッドの圧縮率が5%未満であって、表層側から測定した前記積層研磨パッドの圧縮率が前記下地層の圧縮率よりも大きいことを特徴とする上記(13)に記載の研磨パッド。
(15)前記下地層が樹脂層からなることを特徴とする上記(13)または(14)に記載の研磨パッド。
(16)前記研磨層の表面粗さRaが5μm以上であることを特徴とする上記(1)〜(15)のいずれかに記載の研磨パッド。
(17)前記樹脂層が実質的に非吸水性であることを特徴とする上記(15)に記載の研磨パッド。
(18)前記樹脂層の密度が0.8g/cm3 以上であることを特徴とする上記(17)に記載の研磨パッド。
(19)前記下地層の圧縮変形量が20μm以下であることを特徴とする上記(13)〜(18)のいずれかに記載の研磨パッド。
(20)前記下地層の体積弾性率が40MPa以上であって、かつ引張弾性率が0.1MPa〜20MPaであることを特徴とする上記(13)〜(19)のいずれかに記載の研磨パッド。
(21)前記下地層の100Hzにおけるtanδの値が25℃において0.03以上0.25以下であることを特徴とする上記(13)〜(20)のいずれかに記載の研磨パッド。
(22)前記下地層の25%押し込み時におけるヒステリシスロス率が10%以上32%以下であることを特徴とする上記(13)〜(21)のいずれかに記載の研磨パッド。
(23)シリコンウェハーの研磨に用いられるものであることを特徴とする上記(1)〜(22)のいずれかに記載の研磨パッド。
(24)ガラス基板の研磨に用いられるものであることを特徴とする上記(1)〜(22)のいずれかに記載の研磨パッド。
本発明の布帛は、繊維のみからなることが好ましい。布帛形成後に、ポリウレタンやポリエステルなどの樹脂成分を含浸させて、繊維間や布帛の隙間を樹脂成分で覆って改質しないことが好ましい。
本発明の研磨パッドは、ふちだれの低減を追求した結果、狭い領域で柔らかく、より広い領域で硬い研磨層という一見矛盾する物理特性を有する研磨パッドにおいてその実現が可能であることを見出したものである。加えて、本発明の研磨層は、スラリー保持性にも優れることから高い研磨加工能率も得ることができる。このとき、広い領域において硬いパッドであることから、被加工物全体にわたる研磨加工能率の均一性が得られる点も重要である。以上のようにして、本発明の研磨パッドは、高い研磨加工能率と優れた平坦性が両立できると推察される。
圧縮率 (%)=((T1−T2)/T1)×100
高分子計器(株)製マイクロゴム硬度計MD−1で測定した。30mm×30mmの試料で異なる箇所を3回測定し、平均値を硬度の値とした。3回の測定値が±1の範囲内に入らない場合には、30mm×30mmの試料を2枚準備し、それぞれのシートの異なる箇所を9回測定し、合計18点のデータの平均値を硬度の値とした。
アスカーC硬度は、アスカーゴム硬度計C型を使用して測定された値であり、試料寸法を30mm×30mmとして、JIS K7312 付属書2に記載された方法に準じて測定したものである。ただし、厚さが10mm未満のときには、該JIS K7312 付属書2には、試料を重ねて10mm以上になるようにして測定することが記載されている。この点、本発明では、上述のように厚さ1mmのステンレス板の上に、1枚の研磨パッドそのまま置いて測定し、30mm×30mmの試料で異なる箇所を3回測定し、平均値を硬度の値とした。
直径5mmの圧子を用い、約30×30mmの試料に300g/cm2 の圧力を60秒加えたときの試料厚さT1、続いて1800g/cm2 の圧力を60秒間加えたときの試料厚さT2を測定し、圧縮率(%)=((T1−T2)/T1)×100 から算出した。T1、T2の測定には、レーザー変位計を使用し、圧子の位置を所定のタイミングで測定した。30×30mmの試料で異なる箇所を3回測定し、平均値を圧縮率の値とした。
直径5mmの圧子を用い、約30×30mmの試料に300g/cm2 の圧力を60秒間加えたときの試料厚さT1、続いて1800g/cm2 の圧力を60秒間加えたときの試料厚さT2を測定し、圧縮変形量T2−T1(μm)から算出した。T1、T2の測定には、レーザー変位計を使用し、圧子の位置を所定の時刻に測定した。30mm×30mmの試料で異なる箇所を3回測定し、平均値を圧縮変形量の値とした。
JIS K7112記載の方法にしたがって、ピクノメーター(ハーバード型)を使用して測定した。30mm×15mmの試料1枚で測定を行った。試料3枚を用いて3回測定し、平均値を密度の値とした。
試料を70℃、12時間真空乾燥し、デシケーター内で1時間放置後、重量を測定した(dry重量)。23℃において、試料を精製水中に24時間浸漬し、表面の精製水を拭き取り、重量を測定した(wet重量)。
(wet重量−dry重量)/dry重量×100の値を吸水率とした。
30mm×15mmの試料1枚で測定を行った。試料3枚を用いて3回測定し、平均値を吸水率の値とした。
カトーテック(株)製自動化圧縮試験機KESFB3により布帛の圧縮エネルギー、布帛の圧縮回復エネルギーを測定した。
3次元微細形状測定機ET4000A(株式会社小坂研究所製)を用い、未研磨の積層研磨パッドのパッド表面の表面粗さ測定を行った。測定領域は、1000×1000μmとし、Xピッチ1μm、Yピッチ4μm、X送り速さ0.1mm/秒の測定条件で、最小二乗法によるレベリング処理を行った。
特開2005−345228号公報に記載の方法により測定した。23℃の環境下において、体積変化検出部を備えた測定セル(内容積約43mL)に試料および水を入れ、該測定セルの全体に対して等方的に圧力を加え、その体積変化から試料の体積弾性率を算出した。等方的圧力として0.10MPa加圧したときの体積変化から体積弾性率を算出した。
株式会社レオロジー社製の広域動的粘弾性測定装置”DVE−V4”で測定した。幅3mm×厚さ1〜2mm×長さ28mmの試料(チャック間距離約20mm)に静的応力(約7g/mm2 )を加えた後、変位振幅が40μmの正弦波歪を100Hzの周波数で加え、そのときに発生する応力レスポンスを測定し、動的応力波形及び動的歪波形から、貯蔵弾性率、損失弾性率、損失正接tanδを算出した。測定は、0℃〜80℃において、昇温速度2℃/分(等速昇温)で窒素ガス気流中で行った。
東洋ボールドウィン社製テンシロンで測定した。50mm×50mmのサイズの試料を厚さが5〜7mmになるように積層し、全面を厚み方向に10mm/分の速度で変位量25%まで加圧して押し込み、その後に10mm/分の速度で変位量0%までの徐圧して戻す操作を連続して5回行ない、5回目のサイクルにおける押し込み時の加圧エネルギーと戻し時の徐圧エネルギーとの差を、5回目の加圧エネルギーで除した値を算出して、ヒステリシスロスとした。
420mmφの定盤を有する片面研磨機LP−15F(ラップマスターSFT社製)に研磨パッドを貼着し、セリアスラリー(セリア砥粒濃度5重量%)を25mL/分の割合で研磨パッド上に流しながら、定盤回転数40rpm、研磨圧力10kPaで74mm×74mm×1mm厚の光学ガラス板BK−7を10分間研磨した。比較例2においては研磨パッド上に#170のダイヤモンドドレッサーを押し付けて、回転数50rpmで加工前にコンディショニングを行った。実施例1、実施例2、比較例1においては加工前のコンディショニングを行うことなく研磨加工した。研磨加工終了後、イオン交換水でリンスを行った後、研磨加工能率および光学ガラス板のふち形状の測定を行った。
420mmφの定盤を有する片面研磨機LP−15F(ラップマスターSFT社製)に研磨パッドを貼着し、コロイダルシリカスラリーGLANZOX−1302(フジミ・インコーポレーテッド社製)を25mL/分の割合で研磨パッド上に流しながら、定盤回転数40rpm、研磨圧力13.4kPaで5インチの単結晶シリコンウェハーを20分間研磨した。研磨終了後、イオン交換水でリンスを行った後、研磨加工能率およびウェハーのふち形状の測定を行った。なお、比較例3では、研磨パッド上に#170のダイヤモンドドレッサーを圧力0.7kPa、回転数50rpmで5分間押し付けて、加工前にコンディショニングを行ってから研磨加工を行った。実施例3〜7、比較例4〜5においては加工前のコンディショニングを行うことなく研磨加工した。
研磨前後の重量変化を電子天秤で測定した。研磨評価Aにおいては、光学ガラスBK−7の密度(2.51g/cm3 )、ガラス板の面積、および研磨時間で割りかえして、研磨加工能率(μm/分)を算出した。また、研磨評価Bにおいては、単結晶シリコンの密度(2.329g/cm3 )、ウェハーの面積、研磨時間で割りかえして、研磨加工能率(μm/分)を算出した。研磨前、研磨後ともに、PVAスポンジ(ポリビニルホルマール樹脂製)を用いてイオン交換水で洗浄し、乾燥後に重量測定を行った。
ガラス板(74mm角)、5インチ単結晶シリコンウェハーのふち形状は、3次元微細形状測定機ET4000A(株式会社小坂研究所製)により測定した。最小二乗法によるレベリング処理を行った。表面形状のエッジから3mmから6mmの範囲における近似直線を求め、その直線を基準として被研磨物の中央からエッジ方向にふちだれ量をたどり、初めてふちだれ量が0.02μmを越える位置(エッジからの距離)をふちだれ開始点、初めてふちだれ量が0.10μmを越える位置(エッジからの距離)をふちだれ限界点として、それぞれの位置(エッジからの距離)を求めた。ふちだれ開始点がエッジ3mmよりも内側に見られるものについては、近似直線の範囲をエッジから5mmから10mmの領域に変更し、上記と同様にしてふちだれ開始点、およびふちだれ限界点を求めた。
420mmφの定盤を有する片面研磨機LP−15F(ラップマスターSFT社製)に研磨パッドを貼着し、フュームドシリカスラリーSemi−Sperse 25(キャボット・マイクロエレクトロニクス社製)を2倍に希釈し、20mL/分の割合で研磨パッド上に流しながら、定盤回転数45rpm、研磨圧力30kPaで5インチのシリコン酸化膜ウェハー(酸化膜厚1μm)を1分間研磨した。研磨終了後、イオン交換水でリンスを行った後、研磨速度および研磨速度の面内均一性の測定を行った。なお、比較例6では、研磨パッド上に#170のダイヤモンドドレッサーを圧力10kPa、回転数50rpmで60分間押し付けて、加工前にコンディショニングを行ってから研磨加工を行った。実施例8では、研磨加工前のコンディショニングを行うことなく研磨加工した。
ラムダエースVM−2000(大日本スクリーン製造社製)を用いて、ウェハーの直径方向にエッジ1mmよりも内側において所定の31点の測定点において測定を行った。以下の式から算出される各測定点の研磨速度の31点の平均値を研磨速度とした。
研磨速度=(研磨前の酸化膜の厚さ−研磨後の酸化膜の厚さ)/研磨時間
研磨速度のウェハー面内均一性は、以下の式にしたがって算出した。
面内均一性(%)=(最大研磨速度−最小研磨速度)/(最大研磨速度+最小研磨速度)×100
研磨層として、縦糸ポリエステル糸(繊維径3.1デシテックス)、横糸は海島型ポリエステル超極細繊維(繊維径0.07デシテックス)を用いたサテン織り構造の布帛を使用した。布帛のみのマイクロゴムA硬度は73、布帛厚さは0.24mm、布帛の圧縮エネルギーは0.15gf・cm/cm2 、布帛の圧縮回復エネルギーは0.07gf・cm/cm2 であった。研磨層の裏面に離型フイルム付き両面テープ(ポリエチレンテレフタレート製フイルムの両面に接着層を設けた両面テープで、厚さ約110μm)を貼り合わせた後、直径420mmの円形に打ち抜き、離型フイルムを剥がして定盤に貼着し、研磨評価Aを行った。結果は表1の通りであった。
また、研磨パッドの厚さは0.36mm、研磨面側から測定したマイクロゴムA硬度は71、研磨面側から測定した研磨パッドのアスカーC硬度は95、研磨面側から測定した圧縮変形量は35.5μmであった。また、研磨パッドの極細繊維表面被覆率は95%であった。
研磨層として、縦糸、横糸ともに海島型ポリエステル超極細繊維(単繊維繊度0.11デシテックス、約0.1デニールに相当する)を用いた平織り構造の布帛を使用した。この布帛は、単繊維繊度0.11デシテックスのポリエチレンテレフタレート繊維を70本束ね、これをさらに9本束ねたものを、縦糸および横糸とした織布である。布帛のみのマイクロゴムA硬度は89、布帛厚さは0.19mmであった。研磨層の裏面に離型フイルム付き両面テープ(ポリエチレンテレフタレート製フイルムの両面に接着層を設けた両面テープで、厚さ約110μm)を貼り合わせた後、直径420mmの円形に打ち抜き、離型フイルムを剥がして定盤に貼着し、研磨評価Aを行った。結果は表1の通りであった。
また、研磨パッドの厚さは0.31mm、研磨面側から測定した研磨パッドのマイクロゴムA硬度は86、アスカーC硬度は96、圧縮率は10.5%、圧縮変形量は15.0μm、表面粗さは11.5μmであった。
研磨層は比較例1で使用した布帛と同じ布帛を使用し、以下のようにして積層パッドを作製した。下地層として、厚さ2.10mmのアクリロニトリルブダジエンゴムシートを使用した。下地層のみの物性値は、マイクロゴムA硬度は91、アスカーC硬度は95、圧縮率は0.65%、tanδは0.24、ヒステリシスロスは28%であった。研磨層と下地層は厚さ約70μmの接着層を介して貼り合わせた。次に、下地層の裏面に離型フイルム付き両面テープ(ポリエチレンテレフタレート製フイルムの両面に接着層を設けた両面テープで、厚さ約110μm)を貼り合わせた後、直径420mmの円形に打ち抜き、離型フイルムを剥がして研磨定盤に貼着し、研磨評価Aを行った。結果は表1の通りであった。
また、研磨面側から測定した積層研磨パッドのマイクロゴムA硬度は76、アスカーC硬度は95、圧縮率は1.04%、圧縮変形量は25.4μmであった。
研磨パッドとして、セリア粒子を含有した発泡ポリウレタンMHC15A(ニッタ・ハース社製)を直径420mmの円形に打ち抜き、離型フイルムを剥がして研磨パッドを定盤に貼着し、研磨評価Aを行った。結果は表1の通りであった。
この研磨パッドは、厚さ1.64mm、研磨面側から測定したマイクロゴムA硬度は91、研磨面側から測定したアスカーC硬度は94、圧縮変形量は16.0μmであった。
研磨パッドとして、実施例1で使用したパッドと同じ研磨パッドを使用し、研磨評価Bを行った。結果は表2の通りであった。
研磨層は実施例1で使用した布帛と同じ布帛を使用し、以下のようにして積層パッドを作製した。下地層として、厚さ1.11mmの熱可塑性ポリウレタンシートを使用した。下地層のみの物性値は、マイクロゴムA硬度は92、アスカーC硬度は97、圧縮率は0.59%、密度は1.20g/cm3 であった。研磨層と下地層は厚さ約70μmの接着層を介して貼り合わせた。次に、下地層の裏面に離型フイルム付き両面テープ(ポリエチレンテレフタレート製フイルムの両面に接着層を設けた両面テープで、厚さ約110μm)を貼り合わせた後、直径420mmの円形に打ち抜き、離型フイルムを剥がして研磨定盤に貼着し、研磨評価Bを行った。結果は表2の通りであった。
また、研磨面側から測定した積層研磨パッドのマイクロゴムA硬度は59、アスカーC硬度は91、圧縮率は2.85%、圧縮変形量は40.6μm、表面粗さは19.3μmであった。
研磨層として、ポリエステルおよびナイロンからなる剥離分割型マルチフィラメント糸条(単糸繊維は3.0デシテックスであり、単糸繊維の断面形状は中心がナイロン成分からなる8葉形であり、それを取り巻く形でポリエステル成分が配された剥離分割型の繊維であって、剥離分割後のポリエステル成分は0.3デシテックスである)を用いた丸編み構造の布帛を使用した。布帛のみのマイクロゴムA硬度は59、布帛厚さは0.51mmであった。下地層として、厚さ1.01mmの熱硬化性ポリウレタンシートを使用した。下地層のみの物性値は、マイクロゴムA硬度は91、圧縮率は0.50%、密度は1.19g/cm3 、体積弾性率は355MPa、引張弾性率は9.7MPa、圧縮変形量は4.8μm、tanδは0.17、ヒステリシスロスは19%であった。研磨層と下地層は厚さ約70μmの接着層を介して貼り合わせた。次に、下地層の裏面に離型フイルム付き両面テープ(ポリエチレンテレフタレート製フイルムの両面に接着層を設けた両面テープで、厚さ約110μm)を貼り合わせた後、直径420mmの円形に打ち抜き、離型フイルムを剥がして研磨定盤に貼着し、研磨評価Bを行った。結果は表2の通りであった。
また、研磨面側から測定した積層研磨パッドのマイクロゴムA硬度は54、アスカーC硬度は88、圧縮率は4.82%、圧縮変形量は80.1μm、表面粗さは18.5μmであった。
研磨層は、実施例1で使用した布帛と同じ布帛を使用し、以下のようにして積層パッドを作製した。下地層として、厚さ1.14mmの熱可塑性ポリウレタンシートを使用した。下地層のみの物性値は、マイクロゴムA硬度は62、アスカーC硬度は91、圧縮率は1.45%、密度は1.14g/cm3 、吸水率は0.83%、引張弾性率は5.9MPa、圧縮変形量は16.4μm、tanδは0.12、ヒステリシスロスは15%であった。研磨層と下地層は厚さ約70μmの接着層を介して貼り合わせた。次に、下地層の裏面に離型フイルム付き両面テープ(ポリエチレンテレフタレート製フイルムの両面に接着層を設けた両面テープで、厚さ約110μm)を貼り合わせた後、直径420mmの円形に打ち抜き、離型フイルムを剥がして研磨定盤に貼着し、研磨評価Bを行った。結果は表2の通りであった。
また、研磨面側から測定した積層研磨パッドのマイクロゴムA硬度は69、アスカーC硬度は88、圧縮率は3.71%、圧縮変形量は50.7μmであった。
研磨層として、縦糸、横糸ともに海島型ポリエステル超極細繊維(単繊維繊度0.05デシテックス)を用いた平織り構造の布帛を使用した。布帛のみのマイクロゴムA硬度は88、布帛厚さは0.15mmであった。下地層として、厚さ0.32mmの熱可塑性ポリウレタンシートを使用した。下地層のみの物性値は、マイクロゴムA硬度は92、アスカーC硬度は98、圧縮率は1.53%、密度は1.20g/cm3 であった。研磨層と下地層は厚さ約70μmの接着層を介して貼り合わせた。次に、下地層の裏面に離型フイルム付き両面テープ(ポリエチレンテレフタレート製フイルムの両面に接着層を設けた両面テープで、厚さ約110μm)を貼り合わせた後、直径420mmの円形に打ち抜き、離型フイルムを剥がして研磨定盤に貼着し、研磨評価Bを行った。結果は表2の通りであった。
また、研磨面側から測定した積層研磨パッドのマイクロゴムA硬度は75、アスカーC硬度は96、圧縮率は2.33%、圧縮変形量は13.2μmであった。
不織布にポリウレタン樹脂を含浸させたSuba800(ニッタ・ハース社製)を直径420mmの円形に打ち抜き、離型フイルムを剥がして研磨パッドを定盤に貼着し、研磨評価Bを行った。結果は表2の通りであった。
この研磨パッドは、厚さ1.27mm、研磨面側から測定したマイクロゴムA硬度は82、研磨面側から測定したアスカーC硬度は92、圧縮変形量は30.3μmであった。
研磨パッドとして、市販の研磨パッド(日本エンギス社製ポリシングクロス410)を使用した。直径420mmの円形に打ち抜き、離型フイルムを剥がして研磨定盤に貼着し、研磨評価Bを行った。結果は表2の通りであった。
この研磨パッドは、表層が単繊維繊度約7デシテックスの繊維からなる布帛層、下地層が樹脂シートから構成され、布帛のみのマイクロゴムA硬度は96であった。下地層のみの物性値は、厚さが0.50mm、マイクロゴムA硬度が97、アスカーC硬度は99であった。また、研磨面側から測定した積層研磨パッドのマイクロゴムA硬度は91、アスカーC硬度は98、圧縮率は0.91%、圧縮変形量は7.5μm、厚さは0.83mmであった。
研磨層として、縦糸、横糸ともにナイロン66繊維(繊維直径約30μm)を用いた平織り構造の布帛を使用した。布帛のみのマイクロゴムA硬度は83、布帛厚さは0.32mmであった。下地層として、厚さ0.32mmの熱可塑性ポリウレタンシートを使用した。下地層のみの物性値は、マイクロゴムA硬度は65、アスカーC硬度は94、圧縮率は1.46%、密度は1.14g/cm3 であった。研磨層と下地層は厚さ約70μmの接着層を介して貼り合わせた。次に、下地層の裏面に離型フイルム付き両面テープ(ポリエチレンテレフタレート製フイルムの両面に接着層を設けた両面テープで、厚さ約110μm)を貼り合わせた後、直径420mmの円形に打ち抜き、離型フイルムを剥がして研磨定盤に貼着し、研磨評価Bを行った。結果は表2の通りであった。
また、研磨面側から測定した積層研磨パッドのマイクロゴムA硬度は82、アスカーC硬度は92、圧縮率は2.57%、圧縮変形量は19.0μm、表面粗さは8.8μmであった。
実施例5と同じ積層研磨パッドを使用し、研磨評価Cを行った。研磨速度は、3100オングストローム/分、面内均一性は1.5%と良好であった。
発泡構造を有する硬質ポリウレタン樹脂であるIC−1000(ローム&ハース社製)単層パッドを直径420mmの円形に打ち抜き、離型フイルムを剥がして研磨パッドを定盤に貼着し、研磨評価Cを行った。研磨速度は、2300オングストローム/分、面内均一性は10.2%であった。この研磨パッドは、厚さ1.38mm、研磨面側から測定したマイクロゴムA硬度は99、研磨面側から測定したアスカーC硬度は99、圧縮変形量は6μmであった。
2 圧縮力減少時の圧縮圧力と厚さとの関係P=P’(T)
Claims (24)
- 定盤の表面に貼着して使用される研磨層を有する研磨パッドであって、研磨面側から測定した該研磨パッドのマイクロゴムA硬度値が、研磨面側から測定した該研磨パッドのアスカーC硬度値よりも12以上小さく、かつ該アスカーC硬度値が60以上であることを特徴とする研磨パッド。
- 前記マイクロゴムA硬度値が90未満であることを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。
- 研磨面側から測定した前記研磨パッドの圧縮変形量が100μm未満であることを特徴とする請求項2に記載の研磨パッド。
- 前記研磨パッドの密度が0.8g/cm3 以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の研磨パッド。
- 前記研磨層が、繊維を含有してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の研磨パッド。
- 前記繊維が、単繊維繊度3デシテックス以下のものであることを特徴とする請求項5に記載の研磨パッド。
- 前記研磨層が、繊維布帛からなることを特徴とする請求項5または6に記載の研磨パッド。
- 前記繊維布帛が、織物または編物であることを特徴とする請求項7に記載の研磨パッド。
- 前記研磨層の厚さが1mm未満であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の研磨パッド。
- 前記研磨層が、極細繊維により表面を被覆されてなるものであり、該極細繊維表面被覆率が70%以上であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の研磨パッド。
- 前記繊維布帛の圧縮エネルギーが、0.05gf・cm/cm2 以上であることを特徴とする請求項7または8に記載の研磨パッド。
- 前記繊維布帛の圧縮回復エネルギーが、0.02gf・cm/cm2 以上であることを特徴とする請求項7または8に記載の研磨パッド。
- 前記研磨層の定盤側に積層された下地層を有する積層研磨パッドであって、研磨層である表層のマイクロゴムA硬度が該下地層のマイクロゴムA硬度よりも3以上小さく、該下地層のマイクロゴムA硬度が50以上であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の研磨パッド。
- 表層側から測定した前記積層研磨パッドの圧縮率が5%未満であって、表層側から測定した前記積層研磨パッドの圧縮率が前記下地層の圧縮率よりも大きいことを特徴とする請求項13に記載の研磨パッド。
- 前記下地層が樹脂層からなることを特徴とする請求項13または14に記載の研磨パッド。
- 前記研磨層の表面粗さRaが5μm以上であることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の研磨パッド。
- 前記樹脂層が実質的に非吸水性であることを特徴とする請求項15に記載の研磨パッド。
- 前記樹脂層の密度が0.8g/cm3 以上であることを特徴とする請求項17に記載の研磨パッド。
- 前記下地層の圧縮変形量が20μm以下であることを特徴とする請求項13〜18のいずれかに記載の研磨パッド。
- 前記下地層の体積弾性率が40MPa以上であって、かつ引張弾性率が0.1MPa〜20MPaであることを特徴とする請求項13〜19のいずれかに記載の研磨パッド。
- 前記下地層の100Hzにおけるtanδの値が25℃において0.03以上0.25以下であることを特徴とする請求項13〜20のいずれかに記載の研磨パッド。
- 前記下地層の25%押し込み時におけるヒステリシスロス率が10%以上32%以下であることを特徴とする請求項13〜21のいずれかに記載の研磨パッド。
- シリコンウェハーの研磨に用いられるものであることを特徴とする請求項1〜22のいずれかに記載の研磨パッド。
- ガラス基板の研磨に用いられるものであることを特徴とする請求項1〜22のいずれかに記載の研磨パッド。
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