JP2004165408A - 研磨パッド - Google Patents
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Abstract
【課題】シリコン基板の上に形成された絶縁層または金属配線の表面を機械的に平坦化するための研磨において、研磨特性が安定するまでに必要な予備研磨時間が短時間である研磨パッドを提供する。
【解決手段】含水率が1%以上であり、かつ、水浸漬開始より4時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率が24時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率の1.05倍以下である経時特性安定性を有することを特徴とする研磨パッドを用いる。
【選択図】なし
【解決手段】含水率が1%以上であり、かつ、水浸漬開始より4時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率が24時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率の1.05倍以下である経時特性安定性を有することを特徴とする研磨パッドを用いる。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、研磨用パッドに関するものであり、さらに、シリコンなど半導体基板上に形成される絶縁層の表面や金属配線の表面を機械的に平坦化する工程で使用される研磨パッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体メモリに代表される大規模集積回路(LSI)は、年々集積化が進んでおり、それに伴い大規模集積回路の製造技術も高密度化への適用に向けて進歩している。さらに、この高密度化に伴い、半導体各素子や配線などの構成要素の積層数も増加している。その積層数の増加により、従来は問題とならなかった積層にすることによって生ずる半導体ウェハ主面の凹凸が問題となっている。
【0003】
このため、積層することによって生じる凹凸に起因する露光時の焦点深度不足を補う目的で、あるいはスルーホール部の平坦化による配線密度を向上させる目的で、化学機械研磨技術を用いた半導体ウェハの平坦化が検討されている(非特許文献1参照)。
【0004】
一般に化学機械研磨装置は、被処理物である半導体ウェハを保持する研磨ヘッド、被処理物の研磨処理をおこなうための研磨パッド、前記研磨パッドを保持する研磨定盤から構成されている。そして、半導体ウェハの研磨処理は研磨剤と薬液からなるスラリーを用いて、半導体ウェハと研磨パッドを相対運動させることにより、半導体ウェハ表面の層の突出した部分が除去されてウェハ表面の層を滑らかにするものである。半導体ウェハと研磨パッドの相対速度及び荷重にほぼ比例している。そのため、半導体ウェハの各部分を均一に研磨加工するためには、半導体ウェハにかかる荷重を均一にする必要がある。
【0005】
半導体ウェハの主面に形成された絶縁層等を研磨加工する場合、現在使用されている高硬度発泡ポリウレタンパッド、研磨特性が安定するまで、スラリーを供給しながらの長時間予備研磨をする必要があるという問題点があった。
【0006】
【非特許文献1】
日経マイクロデバイス、1994年7月号、第50〜57頁
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、シリコン基板の上に形成された絶縁層または金属配線の表面を機械的に平坦化するための研磨において、研磨特性が安定するまでに必要な予備研磨時間が短時間である研磨パッドを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
課題を解決するための手段として、本発明は以下の構成からなる。
【0009】
(1) 含水率が1%以上であり、かつ、水浸漬開始より4時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率が24時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率の1.05倍以下である経時特性安定性を有することを特徴とする研磨パッド。
【0010】
(2) 乾燥状態での研磨層の引張貯蔵弾性率が100MPa以上1000MPa以下であることを特徴とする前記(1)記載の研磨パッド。
【0011】
(3) 独立気泡を有することを特徴とする前記(1)または(2)記載の研磨パッド。
【0012】
(4) 密度が0.6〜0.95の範囲であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の研磨パッド。
【0013】
(5) ポリウレタンとビニル化合物から重合される重合体を含有することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の研磨パッド。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態について説明する。
【0015】
本発明の研磨パッドに用いる研磨層は、水浸漬開始より4時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率が24時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率の1.05倍以下である経時特性安定性を有する必要がある。水浸漬時の研磨層の引張貯蔵弾性率は、研磨層を幅3mm×厚さ1.25mm×長さ28mmの試料にして、水に浸漬しながら静的応力を加えた後、動電型加振器によって周波数10Hzで振幅が±2.5μmの正弦波歪を加え、その時に発生する応力レスポンスを測定し、動的応力波形及び動的歪波形から線形粘弾性理論に基づく演算式により求まる研磨層の引張貯蔵弾性率である。水浸漬時の研磨層の引張貯蔵弾性率は、水浸漬開始時から、経時的に低下していく傾向がある。本発明者らは、シリコン基板の上に形成された絶縁膜または金属配線の表面を機械的に平坦化するための研磨において、研磨特性が安定するまでに必要な予備研磨時間が研磨層が水に浸漬してから研磨層の引張貯蔵弾性率が安定するまでの時間に関係があることを見出し、水浸漬開始より4時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率が24時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率の1.05倍以下である経時特性安定性を有する研磨パッドは、実用的に非常に短時間の予備研磨で研磨が安定すること見出した。
【0016】
本発明の研磨パッドに用いる研磨層は含水率が1%以上である必要がある。含水率が1%を下回ると被研磨面にスクラッチが多発して、良好な研磨が出来ないので好ましくない。
【0017】
本発明の研磨パッドに用いる研磨層の乾燥状態の研磨層の引張貯蔵弾性率は100MPa以上1000MPa以下が好ましい。乾燥状態の研磨層の引張貯蔵弾性率が100MPaを下回ると平坦化特性が不良となるので好ましくない。また、乾燥状態の研磨層の引張貯蔵弾性率が1000MPaを越えるとスクラッチが多く発生しやすいので、好ましくない。
【0018】
本発明の研磨パッドに用いる研磨層としては独立気泡を有していることが安定した研磨ができるので好ましい。この独立気泡径は、平均気泡径で200μm以下であることが半導体基板の局所的凹凸の平坦性が良好であることから好ましい。独立気泡径のさらに好ましい平均気泡径は100μm以下、さらに好ましい平均気泡径は50μm以下である。
【0019】
本発明の研磨パッドに用いる研磨層は、その密度が0.6〜0.95(g/cm3)の範囲にあることが好ましい。密度が0.6(g/cm3)に満たない場合、局所的な凹凸の平坦性が不良となり、グローバル段差が大きくなるので好ましくない。密度が0.95(g/cm3)を越える場合は、スクラッチが発生しやすくなるので好ましくない。さらに好ましい密度は、0.65〜0.9(g/cm3)の範囲である。また、さらに好ましい密度は0.7〜0.85(g/cm3)の範囲である。
【0020】
本発明の研磨パッドに用いる研磨層の具体例として、マイクロゴムA硬度が80度以上で、ポリウレタンとビニル化合物から重合される重合体を含有してかつ独立気泡を有する研磨層を挙げることができる。このポリウレタンとは、ポリイソシアネートの重付加反応または重合反応に基づき合成される高分子である。ポリイソシアネートの対象として用いられる化合物は、含活性水素化合物、すなわち、二つ以上のポリヒドロキシ基、あるいはアミノ基含有化合物である。ポリイソシアネートとして、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなど挙げることができるがこれに限定されるわけではない。ポリヒドロキシ基含有化合物としてポリオールが代表的であるが、ポリオールとしてポリエーテルポリオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、エポキシ樹脂変性ポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、シリコーンポリオール等が挙げられる。この中で、ポリイソシアネートとしてトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリオールとして、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールとの組み合わせで得られるポリウレタンが成形性に優れ、汎用的に使用されているので好ましい。
【0021】
このビニル化合物とは、炭素炭素二重結合のビニル基を有する化合物である。具体的にはメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、メチル(α−エチル)アクリレート、エチル(α−エチル)アクリレート、プロピル(α−エチル)アクリレート、ブチル(α−エチル)アクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、メタクリル酸、グリシジルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、フマル酸、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、アクリロニトリル、アクリルアミド、塩化ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−フェニルマレイミド等が挙げられる。その中で好ましいビニル化合物は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、メチル(α−エチル)アクリレート、エチル(α−エチル)アクリレート、プロピル(α−エチル)アクリレート、ブチル(α−エチル)アクリレートである。ここでのビニル化合物から重合される重合体とは、上記ビニル化合物を重合して得られる重合体であり、具体的にはポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、ポリイソブチルメタクリレート、ポリメチル(α−エチル)アクリレート、ポリエチル(α−エチル)アクリレート、ポリプロピル(α−エチル)アクリレート、ポリブチル(α−エチル)アクリレート、ポリ(2−エチルヘキシルメタクリレート)、ポリイソデシルメタクリレート、ポリ(n−ラウリルメタクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシプロピルメタクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシプロピルアクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシブチルメタクリレート)、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリジエチルアミノエチルメタクリレート、ポリメタクリル酸、ポリグリシジルメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリフマル酸、ポリフマル酸ジメチル、ポリフマル酸ジエチル、ポリフマル酸ジプロピル、ポリマレイン酸、ポリマレイン酸ジメチル、ポリマレイン酸ジエチル、ポリマレイン酸ジプロピル、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリ(N−メチルマレイミド)、ポリ(N−エチルマレイミド)、ポリ(N−イソプロピルマレイミド)、ポリ(N−フェニルマレイミド)等が挙げられる。この中で、好ましい重合体としてポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、ポリイソブチルメタクリレート、ポリメチル(α−エチル)アクリレート、ポリエチル(α−エチル)アクリレート、ポリプロピル(α−エチル)アクリレート、ポリブチル(α−エチル)アクリレートが研磨パッドの硬度を高くでき、平坦化特性を良好にできる。ここでのビニル化合物から重合される重合体の含有率が30重量%以上90重量%以下であることが好ましい。含有率が30重量%に満たない場合は、研磨パッドの硬度が低くなるので好ましくない。含有率が90重量%を越える場合は、パッドの有している弾力性が損なわれるので好ましくない。この様な研磨層の作製方法として、好ましい方法は、攪拌機で攪拌ができる混合容器の中にあらかじめビニル化合物から重合される重合体の粉末を所定量入れておき、ポリイソシアネートとポリオールと発泡剤との所定組成比で注入して、よく混合した後、金型の中に注入して硬化させる方法である。ここでの研磨層の硬度と気泡径と発泡倍率によって、ポリイソシアネートとポリオールおよび触媒、整泡剤、発泡剤の組み合わせや最適量を決める必要がある。発泡ポリウレタンシートとしては、前述のポリウレタンを発泡させたものが好ましく使用される。
【0022】
ここでの研磨パッドには、砥粒が含有されている場合もあり得る。砥粒としては、シリカ系研磨剤、酸化アルミニウム系研磨剤、酸化セリウム系研磨剤等が挙げられる。
【0023】
本発明で得られた研磨パッドは、クッション性を有するクッションシートと積層して複合研磨パッドとして使用することも可能である。半導体基板は局所的な凹凸とは別にもう少し大きなうねりが存在しており、このうねりを吸収する層として硬い研磨パッドの下(研磨定盤側)にクッションシートをおいて研磨する場合が多い。
【0024】
本発明の研磨パッドを用いて、スラリーとしてシリカ系スラリー、酸化アルミニウム系スラリー、酸化セリウム系スラリー等を用いて半導体ウェハ上での絶縁膜の凹凸や金属配線の凹凸を局所的に平坦化することができたり、グローバル段差を小さくしたり、ディッシングを抑えたりできる。スラリーの具体例として、キャボットマイクロエレクトロニクス社製のCMP用CAB−O−SPERESE SC−1、CMP用CAB−O−SPERSE SC−112、CMP用SEMI−SPERSE AM100、CMP用SEMI−SPERSE AM100C、CMP用SEMI−SPERSE 12、CMP用SEMI−SPERSE 25、CMP用SEMI−SPERSE W2000、CMP用SEMI−SPERSE W−A400等を挙げることができるが、これらに限られるわけではない。
【0025】
本発明の研磨パッドの対象は、半導体ウェハの上に形成された絶縁層または金属配線の表面であるが、絶縁層としては、金属配線の層間絶縁膜や金属配線の下層絶縁膜や素子分離に使用されるシャロートレンチアイソレーションを挙げることができ、金属配線としては、アルミ、タングステン、銅等であり、構造的にダマシン、デュアルダマシン、プラグなどがある。銅を金属配線とした場合には、窒化珪素等のバリアメタルも研磨対象となる。絶縁膜は、現在酸化シリコンが主流であるが、遅延時間の問題で低誘電率絶縁膜が用いられる様になる。低誘電率絶縁膜は、酸化シリコンに比べて柔らかく、脆い性質があるが、本発明研磨パッドでは、スクラッチが比較的に入れにくい状態で研磨が可能である。半導体ウェハ以外に磁気ヘッド、ハードディスク、サファイヤ等の研磨に用いることもできる。
【0026】
本発明の研磨パッドの表面形状は、ハイドロプレーン現象を抑える為に、溝切り形状、ディンプル形状、スパイラル形状、同心円形状等、通常の研磨パッドがとり得る形状にして使用される。研磨パッドは、ディスク状で使用されるが、研磨機によっては、ベルト状として用いることも可能である。
【0027】
本発明の研磨パッドを研磨機の研磨定盤(プラテン)に固着させる。ウェハーはウェハー保持試料台(キャリアー)に真空チャック方式により固定される。研磨定盤を回転させ、同方向でウェハー保持試料台を回転させて、研磨パッドに押しつける。この時に、研磨パッドと半導体ウェハの間にスラリーが入り込む様な位置からスラリーを供給する。スラリーの供給量は、研磨パッドの1cm2 あたり0.005〜0.15(cc/分)が最適な範囲である。スラリーの供給量が0.005(cc/分)を下回る場合は、スラリーの潤滑効果が十分得られない為、半導体ウェハ表面にスクラッチが発生したり、半導体ウェハが研磨パッド上で円滑に回転が起きにくいので面内均一性が損なわれるので好ましくない。スラリーの供給量が0.15(cc/分)を越える場合は、半導体ウェハと研磨パッド表面との間にスラリーの液膜が生じやすくなり、平坦化特性が悪くなるので好ましくない。研磨定盤の回転速度は半導体ウェハの中心位置での研磨定盤の線速度が2000〜5000(cm/分)の範囲にあることが好ましい。研磨定盤の線速度が2000(cm/分)を下回る場合は、平坦化速度が遅くなるので好ましくない。研磨定盤の線速度が5000(cm/分)を越える場合はスクラッチが発生しやすいので好ましくない。押し付け圧は、ウェーハ保持試料台に加える力を制御することによりおこなう。押し付圧として低圧することによって高いグローバル平坦性が得られることから、0.01〜0.04MPaが好ましい。しかしながら、研磨機によっては、高速・低圧定盤方式も開発されており、上記研磨条件以外でも使用できないわけではない。
【0028】
本発明の研磨パッドは、研磨の前に表面をダイヤモンド砥粒を電着で取り付けたコンディショナーでドレッシングすることが通常をおこなわれる。ドレッシングの仕方として、研磨前におこなうバッチドレッシングと研磨と同時におこなうインサイチュウドレッシングのどちらでおこなうことも可能である。
【0029】
本発明の目的は、シリコン基板の上に形成された絶縁層または金属配線の表面を機械的に平坦化するための研磨において、研磨特性が安定するまでに必要な予備研磨時間が短時間である研磨パッドを提供することにある。
【0030】
【実施例】
1.動的引張貯蔵弾性率:株式会社 ユービーエム(所在地:京都府向日市上植野町上川原7−1タミアキビル2F)の動的粘弾性測定装置”Rheogel
E−4000”で測定した。
【0031】
動的粘弾性測定装置”Rheogel E−4000”の構成は下記のとおりである。
【0032】
1.1本体機構部
(1)加振器:電磁透導されるムービングコイルの外側、内側に円柱状の強力な磁石を数多く取り付け、効率良く加振出来るようになっているコンパクトな電動型加振器である。
【0033】
(2)動力計:水晶圧電素子のピエゾ効果を利用したセンサーである。測定範囲が広く、剛性が大きく測定応力に対してほとんどセンサー自身が歪まない。この為一般のロードセルの様にセンサー自身の歪が大きいと起こる位相のずれや高弾性時の試料の歪測定の誤差が小さくなっている。
【0034】
(3)変位計:渦電流式の非接触変位計である。0.1μm以下の分解能がある。
【0035】
1.2制御計測部
パソコンとの通信、本体機構部の駆動制御等をおこなう。
【0036】
1.3コンピューターシステム(パソコン、CRT、プリンター)
読み込まれたデータの計算・記録及び制御信号の発生・データ処理をおこなう。データは市販の表計算・グラフィックスソフトを利用することができる。
【0037】
1.4測定冶具
引張用冶具を使用した。
【0038】
2.ダスト・スクラッチ評価用テストウェハ:酸化膜付き4インチシリコンウェハ(酸化膜厚:1μm)を使用した。
【0039】
3.グローバル段差評価用テストウェハ:酸化膜付き4インチシリコンウェハ(酸化膜厚:2μm)に10mm角のダイを配置する。フォトレジストを使用してマスク露光をおこない、RIEによって10mm角のダイの中に20μm幅、高さ0.7μmのラインと230μmのスペースで左半分にラインアンドスペースで配置し、230μm幅、高さ0.7μmのラインを20μのスペースで右半分にラインアンドスペースで配置する。この様にしてグローバル段差評価用テストウェハを用意した。
【0040】
4.研磨パッドと研磨機:厚み1.2mm、直径38cmの円形の研磨層を作製し、表面に幅2.0mm、深さ0.5mm、ピッチ15mmのいわゆるX−Yグルーブ加工(格子状溝加工)を施した。この研磨パッドを研磨機(ラップマスターSFT社製、L/M―15E)の定盤にクッッション層として、ロデール社製“Suba400”を貼り、その上に両面接着テープ(3M社製、“442J”)で貼り付けた。旭ダイヤモンド工業(株)のコンディショナー(“CMP−M”、直径14.2cm)を用い、押しつけ圧力0.04MPa、定盤回転数25rpm、コンディショナー回転数25rpmで同方向に回転させ、純水を10cc/分で供給しながら5分間研磨パッドのコンディショニングを行った。研磨機に純水を100cc/分流しながら研磨パッド上を2分間洗浄し次に、グローバル段差評価用テストウェハを研磨機に設置し、説明書記載使用濃度のキャボット社製スラリー(“SC−1”)を所定供給量で研磨パッド上に供給しながら、押しつけ圧力は0.01MPa〜0.04MPaの所定の圧力にし、定盤回転数45rpm(ウェハの中心での線速度は3000(cm/分))、半導体ウェハ保持試料台を回転数45rpmで同方向に回転させ、所定時間研磨を実施した。半導体ウェハ表面を乾かさないようにし、すぐさま純水をかけながら、ポリビニルアルコールスポンジでウェハ表面を洗浄し、乾燥圧縮空気を吹き付けて乾燥した。グローバル段差評価用テストウェハのセンタ10mmダイ中の20μmラインと230μラインの酸化膜厚みを大日本スクリーン社製ラムダエース(“VM−2000”)を用いて測定し、それぞれの厚みの差をグローバル段差として評価した。
【0041】
また、上記と同じコンジショニングを行い、ダスト・スクラッチ評価用テストウェハを研磨機に設置し、説明書記載使用濃度のキャボット社製スラリー(“SC−1”)を所定供給量で研磨パッド上に供給しながら、押しつけ圧力は0.01MPa〜0.04MPaの所定の圧力にし、定盤回転数45rpm(ウェハの中心での線速度は3000(cm/分))、半導体ウェハ保持試料台を回転数45rpmで同方向に回転させ、所定時間研磨を実施した。半導体ウェハ表面を乾かさないようにし、すぐさま純水をかけながら、ポリビニルアルコールスポンジでウェハ表面を洗浄し、自然状態に放置して乾燥をおこない、トップコン社製ゴミ検査装置WM−3で0.5μm以上のダストを検査し、その後マイクロスコープでスクラッチを検査した。
【0042】
実施例1
ポリプロピレングリコール100重量部とジフェニルメタンジイソシアネート80重量部と水0.6重量部とアミン系触媒1.4重量部とシリコン整泡剤1.0重量部をRIM成形機で混合して、予めPMMA粉末180重量部を入れている混合容器に入れて良く攪拌した後、素早く金型に注入して加圧成型をおこない厚み4.2mmの発泡シートを作製した。(密度:0.81(g/cm3)、独立気泡平均径:39μm、吸水率4%)を作製した。得られた発泡シートを両面研削して厚みが1.2mmの研磨パッドを作製した。周波数10Hzの乾燥状態の研磨層の引張貯蔵弾性率は412MPaであり、水浸漬後の4時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率は320MPaで、24時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率は318MPaで1.01倍で安定していた。クッション層“Suba400”を該研磨パッドと貼り合わせして複合研磨パッドを作製した。グローバル段差評価用テストウェハを研磨機の研磨ヘッドに取り付けて45rpmで回転させ、該複合研磨パッドを研磨機のプラテンに固着させ45rpmで研磨ヘッドの回転方向と同じ方向に回転させ、スラリー“SC−1”を35cc/分(研磨パッド1cm2面積あたり0.031cc/分)で供給しながら研磨圧力0.04MPaで研磨時間4分で研磨を実施した。研磨開始直後のグローバル段差評価用テストウェハの20μm幅配線領域と230μm幅配線領域のグローバル段差は0.4μmであった。研磨開始4時間後のグローバル段差は0.2μmであり、その後研磨時間8時間後もグローバル段差は0.2μmであり安定して研磨ができる様になった。研磨開始4時間後にダスト・スクラッチ評価用テストウェハを研磨機の研磨ヘッドに取り付けて45rpmで回転させ、該複合研磨パッドを研磨機のプラテンに固着させ45rpmで研磨ヘッドの回転方向と同じ方向に回転させ、スラリー“SC−1”を35cc/分(研磨パッド1cm2面積あたり0.031cc/分)で供給しながら研磨圧力0.04MPaで研磨を実施した。ダスト数は6個とスクラッチは0個と少なかった。
【0043】
実施例2
ポリプロピレングリコール100重量部とエチレングリコール8重量部とジフェニルメタンジイソシアネート95重量部と水0.3重量部とアミン系触媒1.0重量部とシリコン整泡剤1.0重量部をRIM成形機で混合して、予めポリメタクリル酸粉末300重量部を入れている混合容器に入れて良く攪拌した後、素早く金型に注入して加圧成型をおこない厚み4.0mmの発泡シート(密度:0.75、独立気泡平均径:40μm、吸水率8%)を作製した。周波数10Hzの乾燥状態の研磨層の引張貯蔵弾性率は650MPaであり、水浸漬後の4時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率は420MPaで、24時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率は410MPaで1.02倍で安定していた。クッション層“Suba400”を該研磨パッドと貼り合わせして複合研磨パッドを作製した。グローバル段差評価用テストウェハを研磨機の研磨ヘッドに取り付けて45rpmで回転させ、該複合研磨パッドを研磨機のプラテンに固着させ45rpmで研磨ヘッドの回転方向と同じ方向に回転させ、スラリー“SC−1”を35cc/分(研磨パッド1cm2面積あたり0.031cc/分)で供給しながら研磨圧力0.04MPaで研磨時間4分で研磨を実施した。研磨開始直後のグローバル段差評価用テストウェハの20μm幅配線領域と230μm幅配線領域のグローバル段差は0.45μmであった。研磨開始5時間後のグローバル段差は0.2μmであり、その後研磨時間10時間後もグローバル段差は0.2μmであり安定して研磨ができる様になった。研磨開始5時間後にダスト・スクラッチ評価用テストウェハを研磨機の研磨ヘッドに取り付けて45rpmで回転させ、該複合研磨パッドを研磨機のプラテンに固着させ45rpmで研磨ヘッドの回転方向と同じ方向に回転させ、スラリー“SC−1”を35cc/分(研磨パッド1cm2面積あたり0.031cc/分)で供給しながら研磨圧力0.04MPaで研磨を実施した。ダスト数は5個とスクラッチは0個と少なかった。
【0044】
比較例1
ポリエーテル系ウレタンポリマ(ユニローヤル社製アジプレンL−325)78重量部と4、4’−メチレン−ビス2−クロロアニリン20重量部をRIM成形機で混合しさらに中空高分子微小球体(エクスパセル551 DE)1.8重量部を混合して金型に吐出して加圧成型をおこない厚み2.2mmの発泡ポリウレタンシート(密度=0.75(g/cm3)、独立気泡平均径=30μm、吸水率4%)を作製した。周波数10Hzの乾燥状態の研磨層の引張貯蔵弾性率は390MPaであり、水浸漬後の4時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率は330MPaで、24時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率は281MPaで1.17倍で安定性が悪かった。クッション層“Suba400”を該研磨パッドと貼り合わせして複合研磨パッドを作製した。グローバル段差評価用テストウェハを研磨機の研磨ヘッドに取り付けて45rpmで回転させ、該複合研磨パッドを研磨機のプラテンに固着させ45rpmで研磨ヘッドの回転方向と同じ方向に回転させ、スラリー“SC−1”を35cc/分(研磨パッド1cm2面積あたり0.031cc/分)で供給しながら研磨圧力0.04MPaで研磨時間4分で研磨を実施した。研磨開始直後のグローバル段差評価用テストウェハの20μm幅配線領域と230μm幅配線領域のグローバル段差は0.4μmであった。研磨開始10時間後のグローバル段差は0.3μmであり、その後研磨時間15時間後もグローバル段差は0.25μmであり、研磨時間24時間後に漸くグローバル段差は0.2μmで安定して研磨ができる様になった。研磨開始10時間後にダスト・スクラッチ評価用テストウェハを研磨機の研磨ヘッドに取り付けて45rpmで回転させ、該複合研磨パッドを研磨機のプラテンに固着させ45rpmで研磨ヘッドの回転方向と同じ方向に回転させ、スラリー“SC−1”を35cc/分(研磨パッド1cm2面積あたり0.031cc/分)で供給しながら研磨圧力0.04MPaで研磨を実施した。ダスト数は30個とスクラッチは5個と多かった。
【0045】
【発明の効果】
本発明の目的は、シリコン基板の上に形成された絶縁層または金属配線の表面を機械的に平坦化するための研磨において、研磨特性が安定するまでに必要な予備研磨時間が短時間である研磨パッドを提供できた。
【発明の属する技術分野】
本発明は、研磨用パッドに関するものであり、さらに、シリコンなど半導体基板上に形成される絶縁層の表面や金属配線の表面を機械的に平坦化する工程で使用される研磨パッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体メモリに代表される大規模集積回路(LSI)は、年々集積化が進んでおり、それに伴い大規模集積回路の製造技術も高密度化への適用に向けて進歩している。さらに、この高密度化に伴い、半導体各素子や配線などの構成要素の積層数も増加している。その積層数の増加により、従来は問題とならなかった積層にすることによって生ずる半導体ウェハ主面の凹凸が問題となっている。
【0003】
このため、積層することによって生じる凹凸に起因する露光時の焦点深度不足を補う目的で、あるいはスルーホール部の平坦化による配線密度を向上させる目的で、化学機械研磨技術を用いた半導体ウェハの平坦化が検討されている(非特許文献1参照)。
【0004】
一般に化学機械研磨装置は、被処理物である半導体ウェハを保持する研磨ヘッド、被処理物の研磨処理をおこなうための研磨パッド、前記研磨パッドを保持する研磨定盤から構成されている。そして、半導体ウェハの研磨処理は研磨剤と薬液からなるスラリーを用いて、半導体ウェハと研磨パッドを相対運動させることにより、半導体ウェハ表面の層の突出した部分が除去されてウェハ表面の層を滑らかにするものである。半導体ウェハと研磨パッドの相対速度及び荷重にほぼ比例している。そのため、半導体ウェハの各部分を均一に研磨加工するためには、半導体ウェハにかかる荷重を均一にする必要がある。
【0005】
半導体ウェハの主面に形成された絶縁層等を研磨加工する場合、現在使用されている高硬度発泡ポリウレタンパッド、研磨特性が安定するまで、スラリーを供給しながらの長時間予備研磨をする必要があるという問題点があった。
【0006】
【非特許文献1】
日経マイクロデバイス、1994年7月号、第50〜57頁
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、シリコン基板の上に形成された絶縁層または金属配線の表面を機械的に平坦化するための研磨において、研磨特性が安定するまでに必要な予備研磨時間が短時間である研磨パッドを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
課題を解決するための手段として、本発明は以下の構成からなる。
【0009】
(1) 含水率が1%以上であり、かつ、水浸漬開始より4時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率が24時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率の1.05倍以下である経時特性安定性を有することを特徴とする研磨パッド。
【0010】
(2) 乾燥状態での研磨層の引張貯蔵弾性率が100MPa以上1000MPa以下であることを特徴とする前記(1)記載の研磨パッド。
【0011】
(3) 独立気泡を有することを特徴とする前記(1)または(2)記載の研磨パッド。
【0012】
(4) 密度が0.6〜0.95の範囲であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の研磨パッド。
【0013】
(5) ポリウレタンとビニル化合物から重合される重合体を含有することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の研磨パッド。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態について説明する。
【0015】
本発明の研磨パッドに用いる研磨層は、水浸漬開始より4時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率が24時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率の1.05倍以下である経時特性安定性を有する必要がある。水浸漬時の研磨層の引張貯蔵弾性率は、研磨層を幅3mm×厚さ1.25mm×長さ28mmの試料にして、水に浸漬しながら静的応力を加えた後、動電型加振器によって周波数10Hzで振幅が±2.5μmの正弦波歪を加え、その時に発生する応力レスポンスを測定し、動的応力波形及び動的歪波形から線形粘弾性理論に基づく演算式により求まる研磨層の引張貯蔵弾性率である。水浸漬時の研磨層の引張貯蔵弾性率は、水浸漬開始時から、経時的に低下していく傾向がある。本発明者らは、シリコン基板の上に形成された絶縁膜または金属配線の表面を機械的に平坦化するための研磨において、研磨特性が安定するまでに必要な予備研磨時間が研磨層が水に浸漬してから研磨層の引張貯蔵弾性率が安定するまでの時間に関係があることを見出し、水浸漬開始より4時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率が24時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率の1.05倍以下である経時特性安定性を有する研磨パッドは、実用的に非常に短時間の予備研磨で研磨が安定すること見出した。
【0016】
本発明の研磨パッドに用いる研磨層は含水率が1%以上である必要がある。含水率が1%を下回ると被研磨面にスクラッチが多発して、良好な研磨が出来ないので好ましくない。
【0017】
本発明の研磨パッドに用いる研磨層の乾燥状態の研磨層の引張貯蔵弾性率は100MPa以上1000MPa以下が好ましい。乾燥状態の研磨層の引張貯蔵弾性率が100MPaを下回ると平坦化特性が不良となるので好ましくない。また、乾燥状態の研磨層の引張貯蔵弾性率が1000MPaを越えるとスクラッチが多く発生しやすいので、好ましくない。
【0018】
本発明の研磨パッドに用いる研磨層としては独立気泡を有していることが安定した研磨ができるので好ましい。この独立気泡径は、平均気泡径で200μm以下であることが半導体基板の局所的凹凸の平坦性が良好であることから好ましい。独立気泡径のさらに好ましい平均気泡径は100μm以下、さらに好ましい平均気泡径は50μm以下である。
【0019】
本発明の研磨パッドに用いる研磨層は、その密度が0.6〜0.95(g/cm3)の範囲にあることが好ましい。密度が0.6(g/cm3)に満たない場合、局所的な凹凸の平坦性が不良となり、グローバル段差が大きくなるので好ましくない。密度が0.95(g/cm3)を越える場合は、スクラッチが発生しやすくなるので好ましくない。さらに好ましい密度は、0.65〜0.9(g/cm3)の範囲である。また、さらに好ましい密度は0.7〜0.85(g/cm3)の範囲である。
【0020】
本発明の研磨パッドに用いる研磨層の具体例として、マイクロゴムA硬度が80度以上で、ポリウレタンとビニル化合物から重合される重合体を含有してかつ独立気泡を有する研磨層を挙げることができる。このポリウレタンとは、ポリイソシアネートの重付加反応または重合反応に基づき合成される高分子である。ポリイソシアネートの対象として用いられる化合物は、含活性水素化合物、すなわち、二つ以上のポリヒドロキシ基、あるいはアミノ基含有化合物である。ポリイソシアネートとして、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなど挙げることができるがこれに限定されるわけではない。ポリヒドロキシ基含有化合物としてポリオールが代表的であるが、ポリオールとしてポリエーテルポリオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、エポキシ樹脂変性ポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、シリコーンポリオール等が挙げられる。この中で、ポリイソシアネートとしてトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリオールとして、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールとの組み合わせで得られるポリウレタンが成形性に優れ、汎用的に使用されているので好ましい。
【0021】
このビニル化合物とは、炭素炭素二重結合のビニル基を有する化合物である。具体的にはメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、メチル(α−エチル)アクリレート、エチル(α−エチル)アクリレート、プロピル(α−エチル)アクリレート、ブチル(α−エチル)アクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、メタクリル酸、グリシジルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、フマル酸、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、アクリロニトリル、アクリルアミド、塩化ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−フェニルマレイミド等が挙げられる。その中で好ましいビニル化合物は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、メチル(α−エチル)アクリレート、エチル(α−エチル)アクリレート、プロピル(α−エチル)アクリレート、ブチル(α−エチル)アクリレートである。ここでのビニル化合物から重合される重合体とは、上記ビニル化合物を重合して得られる重合体であり、具体的にはポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、ポリイソブチルメタクリレート、ポリメチル(α−エチル)アクリレート、ポリエチル(α−エチル)アクリレート、ポリプロピル(α−エチル)アクリレート、ポリブチル(α−エチル)アクリレート、ポリ(2−エチルヘキシルメタクリレート)、ポリイソデシルメタクリレート、ポリ(n−ラウリルメタクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシプロピルメタクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシプロピルアクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシブチルメタクリレート)、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリジエチルアミノエチルメタクリレート、ポリメタクリル酸、ポリグリシジルメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリフマル酸、ポリフマル酸ジメチル、ポリフマル酸ジエチル、ポリフマル酸ジプロピル、ポリマレイン酸、ポリマレイン酸ジメチル、ポリマレイン酸ジエチル、ポリマレイン酸ジプロピル、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリ(N−メチルマレイミド)、ポリ(N−エチルマレイミド)、ポリ(N−イソプロピルマレイミド)、ポリ(N−フェニルマレイミド)等が挙げられる。この中で、好ましい重合体としてポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、ポリイソブチルメタクリレート、ポリメチル(α−エチル)アクリレート、ポリエチル(α−エチル)アクリレート、ポリプロピル(α−エチル)アクリレート、ポリブチル(α−エチル)アクリレートが研磨パッドの硬度を高くでき、平坦化特性を良好にできる。ここでのビニル化合物から重合される重合体の含有率が30重量%以上90重量%以下であることが好ましい。含有率が30重量%に満たない場合は、研磨パッドの硬度が低くなるので好ましくない。含有率が90重量%を越える場合は、パッドの有している弾力性が損なわれるので好ましくない。この様な研磨層の作製方法として、好ましい方法は、攪拌機で攪拌ができる混合容器の中にあらかじめビニル化合物から重合される重合体の粉末を所定量入れておき、ポリイソシアネートとポリオールと発泡剤との所定組成比で注入して、よく混合した後、金型の中に注入して硬化させる方法である。ここでの研磨層の硬度と気泡径と発泡倍率によって、ポリイソシアネートとポリオールおよび触媒、整泡剤、発泡剤の組み合わせや最適量を決める必要がある。発泡ポリウレタンシートとしては、前述のポリウレタンを発泡させたものが好ましく使用される。
【0022】
ここでの研磨パッドには、砥粒が含有されている場合もあり得る。砥粒としては、シリカ系研磨剤、酸化アルミニウム系研磨剤、酸化セリウム系研磨剤等が挙げられる。
【0023】
本発明で得られた研磨パッドは、クッション性を有するクッションシートと積層して複合研磨パッドとして使用することも可能である。半導体基板は局所的な凹凸とは別にもう少し大きなうねりが存在しており、このうねりを吸収する層として硬い研磨パッドの下(研磨定盤側)にクッションシートをおいて研磨する場合が多い。
【0024】
本発明の研磨パッドを用いて、スラリーとしてシリカ系スラリー、酸化アルミニウム系スラリー、酸化セリウム系スラリー等を用いて半導体ウェハ上での絶縁膜の凹凸や金属配線の凹凸を局所的に平坦化することができたり、グローバル段差を小さくしたり、ディッシングを抑えたりできる。スラリーの具体例として、キャボットマイクロエレクトロニクス社製のCMP用CAB−O−SPERESE SC−1、CMP用CAB−O−SPERSE SC−112、CMP用SEMI−SPERSE AM100、CMP用SEMI−SPERSE AM100C、CMP用SEMI−SPERSE 12、CMP用SEMI−SPERSE 25、CMP用SEMI−SPERSE W2000、CMP用SEMI−SPERSE W−A400等を挙げることができるが、これらに限られるわけではない。
【0025】
本発明の研磨パッドの対象は、半導体ウェハの上に形成された絶縁層または金属配線の表面であるが、絶縁層としては、金属配線の層間絶縁膜や金属配線の下層絶縁膜や素子分離に使用されるシャロートレンチアイソレーションを挙げることができ、金属配線としては、アルミ、タングステン、銅等であり、構造的にダマシン、デュアルダマシン、プラグなどがある。銅を金属配線とした場合には、窒化珪素等のバリアメタルも研磨対象となる。絶縁膜は、現在酸化シリコンが主流であるが、遅延時間の問題で低誘電率絶縁膜が用いられる様になる。低誘電率絶縁膜は、酸化シリコンに比べて柔らかく、脆い性質があるが、本発明研磨パッドでは、スクラッチが比較的に入れにくい状態で研磨が可能である。半導体ウェハ以外に磁気ヘッド、ハードディスク、サファイヤ等の研磨に用いることもできる。
【0026】
本発明の研磨パッドの表面形状は、ハイドロプレーン現象を抑える為に、溝切り形状、ディンプル形状、スパイラル形状、同心円形状等、通常の研磨パッドがとり得る形状にして使用される。研磨パッドは、ディスク状で使用されるが、研磨機によっては、ベルト状として用いることも可能である。
【0027】
本発明の研磨パッドを研磨機の研磨定盤(プラテン)に固着させる。ウェハーはウェハー保持試料台(キャリアー)に真空チャック方式により固定される。研磨定盤を回転させ、同方向でウェハー保持試料台を回転させて、研磨パッドに押しつける。この時に、研磨パッドと半導体ウェハの間にスラリーが入り込む様な位置からスラリーを供給する。スラリーの供給量は、研磨パッドの1cm2 あたり0.005〜0.15(cc/分)が最適な範囲である。スラリーの供給量が0.005(cc/分)を下回る場合は、スラリーの潤滑効果が十分得られない為、半導体ウェハ表面にスクラッチが発生したり、半導体ウェハが研磨パッド上で円滑に回転が起きにくいので面内均一性が損なわれるので好ましくない。スラリーの供給量が0.15(cc/分)を越える場合は、半導体ウェハと研磨パッド表面との間にスラリーの液膜が生じやすくなり、平坦化特性が悪くなるので好ましくない。研磨定盤の回転速度は半導体ウェハの中心位置での研磨定盤の線速度が2000〜5000(cm/分)の範囲にあることが好ましい。研磨定盤の線速度が2000(cm/分)を下回る場合は、平坦化速度が遅くなるので好ましくない。研磨定盤の線速度が5000(cm/分)を越える場合はスクラッチが発生しやすいので好ましくない。押し付け圧は、ウェーハ保持試料台に加える力を制御することによりおこなう。押し付圧として低圧することによって高いグローバル平坦性が得られることから、0.01〜0.04MPaが好ましい。しかしながら、研磨機によっては、高速・低圧定盤方式も開発されており、上記研磨条件以外でも使用できないわけではない。
【0028】
本発明の研磨パッドは、研磨の前に表面をダイヤモンド砥粒を電着で取り付けたコンディショナーでドレッシングすることが通常をおこなわれる。ドレッシングの仕方として、研磨前におこなうバッチドレッシングと研磨と同時におこなうインサイチュウドレッシングのどちらでおこなうことも可能である。
【0029】
本発明の目的は、シリコン基板の上に形成された絶縁層または金属配線の表面を機械的に平坦化するための研磨において、研磨特性が安定するまでに必要な予備研磨時間が短時間である研磨パッドを提供することにある。
【0030】
【実施例】
1.動的引張貯蔵弾性率:株式会社 ユービーエム(所在地:京都府向日市上植野町上川原7−1タミアキビル2F)の動的粘弾性測定装置”Rheogel
E−4000”で測定した。
【0031】
動的粘弾性測定装置”Rheogel E−4000”の構成は下記のとおりである。
【0032】
1.1本体機構部
(1)加振器:電磁透導されるムービングコイルの外側、内側に円柱状の強力な磁石を数多く取り付け、効率良く加振出来るようになっているコンパクトな電動型加振器である。
【0033】
(2)動力計:水晶圧電素子のピエゾ効果を利用したセンサーである。測定範囲が広く、剛性が大きく測定応力に対してほとんどセンサー自身が歪まない。この為一般のロードセルの様にセンサー自身の歪が大きいと起こる位相のずれや高弾性時の試料の歪測定の誤差が小さくなっている。
【0034】
(3)変位計:渦電流式の非接触変位計である。0.1μm以下の分解能がある。
【0035】
1.2制御計測部
パソコンとの通信、本体機構部の駆動制御等をおこなう。
【0036】
1.3コンピューターシステム(パソコン、CRT、プリンター)
読み込まれたデータの計算・記録及び制御信号の発生・データ処理をおこなう。データは市販の表計算・グラフィックスソフトを利用することができる。
【0037】
1.4測定冶具
引張用冶具を使用した。
【0038】
2.ダスト・スクラッチ評価用テストウェハ:酸化膜付き4インチシリコンウェハ(酸化膜厚:1μm)を使用した。
【0039】
3.グローバル段差評価用テストウェハ:酸化膜付き4インチシリコンウェハ(酸化膜厚:2μm)に10mm角のダイを配置する。フォトレジストを使用してマスク露光をおこない、RIEによって10mm角のダイの中に20μm幅、高さ0.7μmのラインと230μmのスペースで左半分にラインアンドスペースで配置し、230μm幅、高さ0.7μmのラインを20μのスペースで右半分にラインアンドスペースで配置する。この様にしてグローバル段差評価用テストウェハを用意した。
【0040】
4.研磨パッドと研磨機:厚み1.2mm、直径38cmの円形の研磨層を作製し、表面に幅2.0mm、深さ0.5mm、ピッチ15mmのいわゆるX−Yグルーブ加工(格子状溝加工)を施した。この研磨パッドを研磨機(ラップマスターSFT社製、L/M―15E)の定盤にクッッション層として、ロデール社製“Suba400”を貼り、その上に両面接着テープ(3M社製、“442J”)で貼り付けた。旭ダイヤモンド工業(株)のコンディショナー(“CMP−M”、直径14.2cm)を用い、押しつけ圧力0.04MPa、定盤回転数25rpm、コンディショナー回転数25rpmで同方向に回転させ、純水を10cc/分で供給しながら5分間研磨パッドのコンディショニングを行った。研磨機に純水を100cc/分流しながら研磨パッド上を2分間洗浄し次に、グローバル段差評価用テストウェハを研磨機に設置し、説明書記載使用濃度のキャボット社製スラリー(“SC−1”)を所定供給量で研磨パッド上に供給しながら、押しつけ圧力は0.01MPa〜0.04MPaの所定の圧力にし、定盤回転数45rpm(ウェハの中心での線速度は3000(cm/分))、半導体ウェハ保持試料台を回転数45rpmで同方向に回転させ、所定時間研磨を実施した。半導体ウェハ表面を乾かさないようにし、すぐさま純水をかけながら、ポリビニルアルコールスポンジでウェハ表面を洗浄し、乾燥圧縮空気を吹き付けて乾燥した。グローバル段差評価用テストウェハのセンタ10mmダイ中の20μmラインと230μラインの酸化膜厚みを大日本スクリーン社製ラムダエース(“VM−2000”)を用いて測定し、それぞれの厚みの差をグローバル段差として評価した。
【0041】
また、上記と同じコンジショニングを行い、ダスト・スクラッチ評価用テストウェハを研磨機に設置し、説明書記載使用濃度のキャボット社製スラリー(“SC−1”)を所定供給量で研磨パッド上に供給しながら、押しつけ圧力は0.01MPa〜0.04MPaの所定の圧力にし、定盤回転数45rpm(ウェハの中心での線速度は3000(cm/分))、半導体ウェハ保持試料台を回転数45rpmで同方向に回転させ、所定時間研磨を実施した。半導体ウェハ表面を乾かさないようにし、すぐさま純水をかけながら、ポリビニルアルコールスポンジでウェハ表面を洗浄し、自然状態に放置して乾燥をおこない、トップコン社製ゴミ検査装置WM−3で0.5μm以上のダストを検査し、その後マイクロスコープでスクラッチを検査した。
【0042】
実施例1
ポリプロピレングリコール100重量部とジフェニルメタンジイソシアネート80重量部と水0.6重量部とアミン系触媒1.4重量部とシリコン整泡剤1.0重量部をRIM成形機で混合して、予めPMMA粉末180重量部を入れている混合容器に入れて良く攪拌した後、素早く金型に注入して加圧成型をおこない厚み4.2mmの発泡シートを作製した。(密度:0.81(g/cm3)、独立気泡平均径:39μm、吸水率4%)を作製した。得られた発泡シートを両面研削して厚みが1.2mmの研磨パッドを作製した。周波数10Hzの乾燥状態の研磨層の引張貯蔵弾性率は412MPaであり、水浸漬後の4時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率は320MPaで、24時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率は318MPaで1.01倍で安定していた。クッション層“Suba400”を該研磨パッドと貼り合わせして複合研磨パッドを作製した。グローバル段差評価用テストウェハを研磨機の研磨ヘッドに取り付けて45rpmで回転させ、該複合研磨パッドを研磨機のプラテンに固着させ45rpmで研磨ヘッドの回転方向と同じ方向に回転させ、スラリー“SC−1”を35cc/分(研磨パッド1cm2面積あたり0.031cc/分)で供給しながら研磨圧力0.04MPaで研磨時間4分で研磨を実施した。研磨開始直後のグローバル段差評価用テストウェハの20μm幅配線領域と230μm幅配線領域のグローバル段差は0.4μmであった。研磨開始4時間後のグローバル段差は0.2μmであり、その後研磨時間8時間後もグローバル段差は0.2μmであり安定して研磨ができる様になった。研磨開始4時間後にダスト・スクラッチ評価用テストウェハを研磨機の研磨ヘッドに取り付けて45rpmで回転させ、該複合研磨パッドを研磨機のプラテンに固着させ45rpmで研磨ヘッドの回転方向と同じ方向に回転させ、スラリー“SC−1”を35cc/分(研磨パッド1cm2面積あたり0.031cc/分)で供給しながら研磨圧力0.04MPaで研磨を実施した。ダスト数は6個とスクラッチは0個と少なかった。
【0043】
実施例2
ポリプロピレングリコール100重量部とエチレングリコール8重量部とジフェニルメタンジイソシアネート95重量部と水0.3重量部とアミン系触媒1.0重量部とシリコン整泡剤1.0重量部をRIM成形機で混合して、予めポリメタクリル酸粉末300重量部を入れている混合容器に入れて良く攪拌した後、素早く金型に注入して加圧成型をおこない厚み4.0mmの発泡シート(密度:0.75、独立気泡平均径:40μm、吸水率8%)を作製した。周波数10Hzの乾燥状態の研磨層の引張貯蔵弾性率は650MPaであり、水浸漬後の4時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率は420MPaで、24時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率は410MPaで1.02倍で安定していた。クッション層“Suba400”を該研磨パッドと貼り合わせして複合研磨パッドを作製した。グローバル段差評価用テストウェハを研磨機の研磨ヘッドに取り付けて45rpmで回転させ、該複合研磨パッドを研磨機のプラテンに固着させ45rpmで研磨ヘッドの回転方向と同じ方向に回転させ、スラリー“SC−1”を35cc/分(研磨パッド1cm2面積あたり0.031cc/分)で供給しながら研磨圧力0.04MPaで研磨時間4分で研磨を実施した。研磨開始直後のグローバル段差評価用テストウェハの20μm幅配線領域と230μm幅配線領域のグローバル段差は0.45μmであった。研磨開始5時間後のグローバル段差は0.2μmであり、その後研磨時間10時間後もグローバル段差は0.2μmであり安定して研磨ができる様になった。研磨開始5時間後にダスト・スクラッチ評価用テストウェハを研磨機の研磨ヘッドに取り付けて45rpmで回転させ、該複合研磨パッドを研磨機のプラテンに固着させ45rpmで研磨ヘッドの回転方向と同じ方向に回転させ、スラリー“SC−1”を35cc/分(研磨パッド1cm2面積あたり0.031cc/分)で供給しながら研磨圧力0.04MPaで研磨を実施した。ダスト数は5個とスクラッチは0個と少なかった。
【0044】
比較例1
ポリエーテル系ウレタンポリマ(ユニローヤル社製アジプレンL−325)78重量部と4、4’−メチレン−ビス2−クロロアニリン20重量部をRIM成形機で混合しさらに中空高分子微小球体(エクスパセル551 DE)1.8重量部を混合して金型に吐出して加圧成型をおこない厚み2.2mmの発泡ポリウレタンシート(密度=0.75(g/cm3)、独立気泡平均径=30μm、吸水率4%)を作製した。周波数10Hzの乾燥状態の研磨層の引張貯蔵弾性率は390MPaであり、水浸漬後の4時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率は330MPaで、24時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率は281MPaで1.17倍で安定性が悪かった。クッション層“Suba400”を該研磨パッドと貼り合わせして複合研磨パッドを作製した。グローバル段差評価用テストウェハを研磨機の研磨ヘッドに取り付けて45rpmで回転させ、該複合研磨パッドを研磨機のプラテンに固着させ45rpmで研磨ヘッドの回転方向と同じ方向に回転させ、スラリー“SC−1”を35cc/分(研磨パッド1cm2面積あたり0.031cc/分)で供給しながら研磨圧力0.04MPaで研磨時間4分で研磨を実施した。研磨開始直後のグローバル段差評価用テストウェハの20μm幅配線領域と230μm幅配線領域のグローバル段差は0.4μmであった。研磨開始10時間後のグローバル段差は0.3μmであり、その後研磨時間15時間後もグローバル段差は0.25μmであり、研磨時間24時間後に漸くグローバル段差は0.2μmで安定して研磨ができる様になった。研磨開始10時間後にダスト・スクラッチ評価用テストウェハを研磨機の研磨ヘッドに取り付けて45rpmで回転させ、該複合研磨パッドを研磨機のプラテンに固着させ45rpmで研磨ヘッドの回転方向と同じ方向に回転させ、スラリー“SC−1”を35cc/分(研磨パッド1cm2面積あたり0.031cc/分)で供給しながら研磨圧力0.04MPaで研磨を実施した。ダスト数は30個とスクラッチは5個と多かった。
【0045】
【発明の効果】
本発明の目的は、シリコン基板の上に形成された絶縁層または金属配線の表面を機械的に平坦化するための研磨において、研磨特性が安定するまでに必要な予備研磨時間が短時間である研磨パッドを提供できた。
Claims (6)
- 含水率が1%以上であり、かつ、水浸漬開始より4時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率が24時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率の1.05倍以下である経時特性安定性を有することを特徴とする研磨パッド。
- ドライ状態での研磨層の引張貯蔵弾性率が100MPa以上1000MPa以下であることを特徴とする請求項1記載の研磨パッド。
- 独立気泡を有することを特徴とする請求項1または2記載の研磨パッド。
- 密度が0.6〜0.95(g/cm3)の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の研磨パッド。
- ポリウレタンとビニル化合物から重合される重合体を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の研磨パッド。
- 被研磨材を研磨スラリーを介在させて研磨パッドに当接し、回転等相対移動させて研磨を行う研磨方法であって、研磨パッドとして、含水率が1%以上であり、かつ、水浸漬開始より4時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率が24時間時の研磨層の引張貯蔵弾性率の1.05倍以下である経時特性安定性を有するものを用いることを特徴とする研磨方法。
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