JP2008198741A - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】DIWによるリンス処理が行われたウエハWの表面にHFEを短時間供給する。これにより、ウエハW上のDIWの大部分がHFEに置換される。その後、HFEとIPAの混合液の蒸気をウエハWの表面に供給する。供給された蒸気は、ウエハW上の液成分に均一に溶け込んでいく。また、ウエハW上に残留しているDIWは、前記液成分に拡散した後、当該液成分の液面から蒸発していく。これにより、ウエハW上からDIWが完全に除去され、パターン倒れの発生が抑制される。その後、スピンドライ処理を実施することにより、ウォーターマークの発生を抑制しつつウエハWを乾燥させることができる。
【選択図】図3
Description
リンス処理が行われた後は、基板上に残留している純水を除去して基板を乾燥させる乾燥処理が行われる。この乾燥処理を行う方法としては、リンス処理後の基板の主面に、純水よりも揮発性が高い有機溶剤であるIPA(イソプロピルアルコール)の液体を供給することにより基板上の純水をIPAに置換し、その後、このIPAを基板上から除去することにより当該基板を乾燥させるものがある。
そこで、この発明の目的は、ダメージや乾燥不良の発生を抑制しつつ、処理時間を低減することができる基板処理方法および基板処理装置を提供することである。
この発明によれば、基板の主面に処理液が供給された後(処理液供給工程)、当該主面に、純水よりも表面張力が低い第1低表面張力液体を供給することにより(液体供給工程)、基板上の処理液の大部分を洗い流して、第1低表面張力液体で基板表面を覆うことができる。
この発明によれば、蒸気供給工程において基板上の液成分に溶け込んだ第2低表面張力液体に、当該液成分に含まれる微量の処理液を溶け込ませることができるので、基板上の液成分に処理液を拡散させつつ、当該液成分の液面から処理液を蒸発させることができる。これにより、前記液体供給工程が行われた基板の主面に残留している処理液を当該主面から効率的に除去することができる。
請求項3記載の発明は、前記液体供給工程は、前記処理液供給工程において基板の主面に供給された処理液よりも表面張力が低い前記第1低表面張力液体を前記主面に供給する工程を含み、前記蒸気供給工程は、前記処理液供給工程において基板の主面に供給された処理液よりも表面張力が低い前記第2低表面張力液体の蒸気を前記主面に供給する工程を含む、請求項1または2記載の基板処理方法である。
この発明によれば、第1低表面張力液体と第2低表面張力液体との表面張力の差が所定値以下であるので、第1低表面張力液体を含む液層と第2低表面張力液体を含む液層との界面においてマランゴニ効果による対流が発生することより確実に抑制することができる。すなわち、前記所定値として、マランゴニ効果が実験的に生じない境界値を設定することにより、第2低表面張力液体を基板上の液成分に均一に溶け込ませることができる。具体的には、前記所定値として、たとえば、20mN/mを設定することができる。
この発明によれば、前記液体供給工程および前記蒸気供給工程と並行して基板を回転させることにより、処理液を含む基板上の液成分の一部を当該基板の回転による遠心力によって振り切って基板上から除去することができる。したがって、基板の主面に残留している処理液を基板上から効率的に除去することができる。
請求項6記載の発明は、前記蒸気供給工程は、基板対向部材(5)の基板対向面(31)を前記主面に対向させる対向工程と、前記基板対向面が前記主面に対向された状態で、前記基板対向面と前記主面との間の空間に前記蒸気を供給する工程とを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理方法である。
この発明によれば、基板対向面と、第2低表面張力液体の蒸気が流通する流通管との温度を、第2低表面張力液体の蒸気が凝縮する温度よりも高くすることより、第2低表面張力液体の蒸気が基板対向面や前記流通管内で結露して消費されることを抑制することができる。これにより、第2低表面張力液体の蒸気の消費量を低減することができる。
この発明によれば、前記蒸気供給工程において基板の主面の温度を第2低表面張力液体の蒸気が凝縮の分圧を飽和蒸気圧とする第2低表面張力液体の温度以下にすることにより、第2低表面張力液体の蒸気を基板上で結露させることができる。すなわち、第2低表面張力液体の蒸気を基板の主面に効率的に供給することができる。これにより、第2低表面張力液体の蒸気の消費量をより低減することができる。また、第2低表面張力液体の蒸気を基板の主面に効率的に供給することにより、基板の主面が第2低表面張力液体によって覆われた状態を維持することができる。
この発明によれば、前述のように、前記蒸気供給工程が行われた後の基板上には処理液が存在しておらず、純水よりも表面張力の小さい第1および第2低表面張力液体のみが存在しているので、乾燥不良が生じることを抑制しつつ、短時間で基板を乾燥させることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置1の構成を説明するための図解図である。この基板処理装置1は、基板としての半導体ウエハW(以下、単に「ウエハW」という。)に処理液による処理を施すための枚葉式の処理装置であり、ウエハWをほぼ水平に保持して回転させるスピンチャック2と、このスピンチャック2に保持されたウエハWの表面(上面)に処理液を供給する第1ノズル3および第2ノズル4と、スピンチャック2の上方に設けられた遮断板5とを備えている。
なお、スピンチャック2としては、このような構成のものに限らず、たとえば、ウエハWの裏面を真空吸着することによりウエハWをほぼ水平な姿勢で保持し、さらにその状態で鉛直な軸線まわりに回転することにより、その保持したウエハWを回転させることができる真空吸着式のもの(バキュームチャック)が採用されてもよい。
支持軸11は、その中心軸線まわりに回転可能にされており、支持軸11を回転させることにより第1ノズル3をほぼ水平に移動させるための第1ノズル移動機構12に結合されている。第1ノズル移動機構12によって、第1ノズル3をほぼ水平に移動させることにより、第1ノズル3をスピンチャック2に保持されたウエハWの上方に配置したり、ウエハWの上方から退避させたりすることができる。
支持軸20は、その中心軸線まわりに回転可能にされており、支持軸20を回転させることにより第2ノズル4をほぼ水平に移動させるための第2ノズル移動機構21と結合されている。第2ノズル移動機構21によって、第2ノズル4をほぼ水平に移動させることにより、第2ノズル4をスピンチャック2に保持されたウエハWの上方に配置したり、ウエハWの上方から退避させたりすることができる。
HFEとしては、たとえば、住友スリーエム株式会社製の商品名ノベック(登録商標)のHFEを用いることができる。具体的には、HFEとして、たとえば、HFE−7100(商品名、化学式:C4F9OCH3)、HFE−7200(商品名、化学式:C4F9OC2H5)、7300(商品名、化学式:C6F13OCH3)などを用いることができる。本実施形態では、HFEとして、HFE−7100が用いられている。
また、揮発性の高さを表すものとして沸点を例示すれば、IPAおよびHFEの大気圧における沸点は、IPA:82℃、HFE−7100:61℃、HFE―7200:76℃、7300:98℃となっている。すなわち、これらすべての有機溶剤は、純水よりも沸点が低く(純水の大気圧における沸点は、100℃)、純水よりも揮発性が高い。
DIW供給管24にはDIWバルブ27が介装されており、このDIWバルブ27を開閉することにより、マニホールド22へのDIWの供給を制御することができる。IPA供給管25にはIPAバルブ28が介装されており、このIPAバルブ28を開閉することにより、マニホールド22へのIPAの供給を制御することができる。HFE供給管26にはHFEバルブ29が介装されており、このHFEバルブ29を開閉することにより、マニホールド22へのHFEの供給を制御することができる。
蒸気供給管35には、第1供給管37、第2供給管38および第3供給管39が接続されている。この第1供給管37から蒸気供給管35に混合液ベーパが供給され、第2供給管38から蒸気供給管35にIPAベーパが供給され、第3供給管39から蒸気供給管35にHFEベーパが供給されるようになっている。
支軸34には、遮断板昇降駆動機構45と、遮断板回転駆動機構46とが結合されている。遮断板昇降駆動機構45によって、支軸34および遮断板5を昇降させることにより、遮断板5をスピンチャック2に保持されたウエハWの表面に近接した近接位置と、スピンチャック2の上方に大きく退避した退避位置との間で昇降させることができる。また、遮断板回転駆動機構46によって、スピンチャック2によるウエハWの回転にほぼ同期させて(あるいは若干回転速度を異ならせて)支軸34および遮断板5を回転させることができる。なお、遮断板回転駆動機構46を省略し、遮断板5を回転方向に固定としてもよい。
処理対象のウエハWは、図示しない搬送ロボットによって搬送されてきて、搬送ロボットからスピンチャック2へと受け渡される。そして、ウエハWがスピンチャック2に受け渡されると、制御装置47は、チャック回転駆動機構9を制御してスピンチャック2に保持されたウエハWを所定の回転速度で回転させる。また、制御装置47は、第1ノズル移動機構12を制御して第1ノズル3をスピンチャック2に保持されたウエハWの上方に配置させる。このとき、制御装置47は、遮断板昇降駆動機構45を制御して、遮断板5をスピンチャック2の上方に大きく退避させている。
薬液の供給が所定の薬液処理時間に亘って行われると、制御装置47は、薬液バルブ17を閉じて第1ノズル3からの薬液の供給を停止させる。その後、制御装置47は、DIWバルブ18を開いて第1ノズル3からウエハWの表面の回転中心付近に向けてDIWを供給させる(処理液供給工程)。
DIWの供給が所定のリンス処理時間に亘って行われると、制御装置47は、DIWバルブ18を閉じて第1ノズル3からのDIWの供給を停止させる。その後、制御装置47は、第1ノズル移動機構12を制御して第1ノズル3をウエハWの上方から退避させる。次に、制御装置47は、第2ノズル移動機構21を制御して、第2ノズル4をスピンチャック2に保持されたウエハWの上方に配置させる。そして、制御装置47は、図3(b)に示すように、HFEバルブ29を開いて第2ノズル4からウエハWの表面の回転中心付近に向けて第1低表面張力液体としてのHFE(液体)を供給させる(液体供給工程)。
さらに、ウエハWの表面にHFEが供給されている間、ウエハWは前記所定の回転速度で回転されているので、その遠心力によって、DIWおよびHFEをウエハWの周囲に移動させ、大部分はウエハ外へ排出することができる。したがって、ウエハW表面の液の量を少なくすることで、除去すべき水分量を低減させ、効率的に水分の除去を行うことができる。
混合液ベーパの供給が所定の処理時間に亘って行われると、制御装置47は、第1バルブ40を閉じて混合液ベーパの吐出を停止させる。その後、制御装置47は、ガスバルブ44を開いて、基板対向面31の開口32からウエハWの表面の回転中心付近に向けて窒素ガスを吐出させる。それとともに、制御装置47は、チャック回転駆動機構9を制御して、スピンチャック2によるウエハWの回転速度を所定の高回転速度に変更させ、遮断板回転駆動機構46を制御して、スピンチャック2によるウエハWの回転にほぼ同期させて(あるいは若干回転速度を異ならせて)支軸34および遮断板5を回転させる。あるいは、遮断板回転駆動機構46によって支軸34および遮断板5を回転制御せずに、支軸34および遮断板5を回転停止状態としてもよい。
また、ウエハWの表面に残留している液成分(混合有機溶剤)は、ウエハWの回転による遠心力を受けて、ウエハWの周囲に振り切られる(基板乾燥工程)。これにより、ウエハWの表面から液成分が除去され、ウエハWの表面が乾燥する。このとき、ウエハWの表面に残留している液成分は、スピンチャック2によるウエハWの回転によってその余剰分が予め除去されているので、短時間でウエハWの表面から除去される。これにより、基板乾燥時間が短縮されている。また、ウエハWの表面と基板対向面31との間の空間を窒素ガスで充満させて当該空間の酸素濃度を低下させることにより、ウォーターマークの発生を抑制することができる。さらに、ウエハWの表面に残留している液成分は、純水よりも表面張力が低い有機溶剤であるので、パターン倒れ等のダメージがウエハWに生じることを抑制することができる。
この図5におけるウエハWの処理と、図3におけるウエハWの処理との主要な相違点は、第1低表面張力液体としてIPAが用いられ、第2低表面張力液体の蒸気としてIPAベーパが用いられていることにある。
この図6におけるウエハWの処理と、図3におけるウエハWの処理との主要な相違点は、処理液としての薬液の供給後に、第1低表面張力液体としてのDIWとIPAの混合液を用いてリンス処理を行い、その後、第2低表面張力液体の蒸気としてのIPAベーパを供給することにある。
この図7におけるウエハWの処理と、図3におけるウエハWの処理との主要な相違点は、処理液(リンス液)としてIPAが用いられ、第2低表面張力液体の蒸気としてHFEベーパが用いられていることにある。
たとえば、蒸気供給工程が行われた後、ウエハWを大気に開放して乾燥させてもよい。具体的には、遮断板5をスピンチャック2の上方に大きく退避させて、ウエハW上の液成分を蒸発させることによりウエハWを乾燥させてもよい。また、蒸気供給工程が行われた後、ウエハWの表面に窒素ガスを供給することによりウエハWを乾燥させてもよい。このとき、ウエハWは回転されていてもよいし、回転されていなくてもよい。
また、前述の実施形態において、第2低表面張力液体の蒸気は少なくとも1つの低表面張力液体の蒸気を含んでいればよく、たとえば、低表面張力液体の蒸気と他の液体の蒸気との混合蒸気、具体的にはたとえば、HFEベーパと水蒸気との混合蒸気、IPAベーパと水蒸気との混合蒸気、あるいはIPA液体と水との混合液の蒸気であってもよい。
2 スピンチャック(基板保持手段)
3 第1ノズル(処理液供給手段)
4 第2ノズル(処理液供給手段、液体供給手段)
5 遮断板(基板対向部材)
31 基板対向面
35 蒸気供給管(流通管、蒸気供給手段)
37 第1供給管(流通管、蒸気供給手段)
38 第2供給管(流通管、蒸気供給手段)
39 第3供給管(流通管、蒸気供給手段)
47 制御装置(制御手段)
W ウエハ(基板)
Claims (10)
- 基板の主面に処理液を供給する処理液供給工程と、
この処理液供給工程の後に、純水よりも表面張力が低い第1低表面張力液体を前記主面に供給する液体供給工程と、
この液体供給工程の後に、純水よりも表面張力が低い低表面張力液体であって、前記第1低表面張力液体に溶解可能である第2低表面張力液体の蒸気を前記主面に供給する蒸気供給工程とを含む、基板処理方法。 - 前記蒸気供給工程は、前記処理液に対しても溶解可能な前記第2低表面張力液体の蒸気を前記基板の主面に供給する工程を含む、請求項1記載の基板処理方法。
- 前記液体供給工程は、前記処理液供給工程において基板の主面に供給された処理液よりも表面張力が低い前記第1低表面張力液体を前記主面に供給する工程を含み、
前記蒸気供給工程は、前記処理液供給工程において基板の主面に供給された処理液よりも表面張力が低い前記第2低表面張力液体の蒸気を前記主面に供給する工程を含む、請求項1または2記載の基板処理方法。 - 前記蒸気供給工程は、前記第1低表面張力液体との表面張力の差が所定値以下の前記第2低表面張力液体の蒸気を前記主面に供給する工程を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理方法。
- 前記液体供給工程および蒸気供給工程と並行して、前記基板を回転させる基板回転工程をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理方法。
- 前記蒸気供給工程は、基板対向部材の基板対向面を前記主面に対向させる対向工程と、前記基板対向面が前記主面に対向された状態で、前記基板対向面と前記主面との間の空間に前記蒸気を供給する工程とを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理方法。
- 前記蒸気供給工程は、前記基板対向面と前記蒸気が流通する流通管とを加熱する加熱工程を含み、前記基板対向面および前記流通管の温度が前記第2低表面張力液体の蒸気が凝縮する温度よりも高くされた状態で、前記蒸気を前記主面に供給する工程である、請求項6記載の基板処理方法。
- 前記蒸気供給工程は、前記主面の温度が前記第2低表面張力液体の蒸気が凝縮の分圧を飽和蒸気圧とする第2低表面張力液体の温度以下にされた状態で、前記蒸気を当該主面に供給する工程を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板処理方法。
- 前記蒸気供給工程の後、基板の主面に付着している液成分を除去して当該基板を乾燥させる基板乾燥工程をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の基板処理方法。
- 基板を保持するための基板保持手段と、
前記基板の主面に処理液を供給するための処理液供給手段と、
前記基板の主面に、純水よりも表面張力が低い第1低表面張力液体を供給するための液体供給手段と、
前記基板の主面に、純水よりも表面張力が低い低表面張力液体であって、前記第1低表面張力液体に溶解可能である第2低表面張力液体の蒸気を供給するための蒸気供給手段と、
前記基板保持手段、処理液供給手段、液体供給手段および蒸気供給手段を制御することにより、前記処理液供給手段から前記基板保持手段に保持された基板の主面に処理液を供給させる処理液供給工程と、この処理液供給工程の後に、前記液体供給手段から前記基板保持手段に保持された基板の主面に前記第1低表面張力液体を供給させる液体供給工程と、この液体供給工程の後に、前記蒸気供給手段から前記基板保持手段に保持された基板の主面に前記第2低表面張力液体の蒸気を供給させる蒸気体供給工程とを実行するための制御手段とを含む、基板処理装置。
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