JP2008184012A - トノカバー装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両内の後方に形成された荷置き用フロアを覆うためのトノカバー装置であって、上記荷置き用フロアを覆うためのトノカバーと、所定の引っ張り力によって上記トノカバーを巻き取り収容可能な収納ケースと、上記トノカバーの略先端に取り付けられた板状部材と、上記板状部材に形成された係合部を上記トノカバーの引き出し方向に略沿ってスライド移動せしめるレールとを備え、上記レールは少なくとも、上記係合部と係合することにより上記板状部材の位置を、板状部材の面を上記荷置き用フロアのフロア面と略平行にした状態で固定する横係合形状部と、上記係合部と係合することにより板状部材の位置を、板状部材の面を上記フロア面に対して所定の角度をもって立たせた状態で固定する縦係合形状部とを形成した構成とした。
【選択図】図6
Description
このようなバックドアの開閉作業の煩雑さへの対策として、バックドアにガラスハッチを設け、このガラスハッチを開けることにより車外から荷物室へ荷物を収納する手法が考えられる。しかし、このようなガラスハッチを設けた場合であっても、従来のトノカバーを採用した場合は次のような課題があった。つまり、荷物室に荷物を収容するとき、バックドアのガラスハッチを開け、荷物室を覆っているカバーシートを巻取りケースの引っ張り力によって同巻取りケース内に収容することになるが、この巻取りケースは、通常ユーザがガラスハッチの外から手を車内に伸ばしても届かない位置に設置されている。従って、巻き取られたカバーシートによって再び荷物室を覆うには、バックドアを開け、巻取りケースのある位置まで車内に入ってカバーシートを引き出さなければならず、ガラスハッチを使用しつつも結局バックドアの開閉という大きな動作も省略できなかった。
当該構成においては、トノカバーの係合部をレールの横係合形状部に係合させれば、上記フロアをトノカバーと板状部材とによって覆うことができる。一方、係合部を縦係合形状部に係合させれば、板状部材が上記フロア面に対して所定の角度をもって立った状態となるため、上記フロアのうち一部がトノカバーによって覆われていない状況となる。その結果、トノカバーによって覆われていない空間を介して、荷置き用フロアへ荷物を収容したり、荷置き用フロアから荷物を出すことができる。
なお、上記突出片は、周囲が面取りされた形状であるとともに、上記トノカバーが引っ張られる方向に向かってテーパ状となっているとしてもよい。
また、上記板状部材は、上記後方を向く面の所定位置に、荷物の保持及び又は荷物の引っ掛けに使用可能なアクセサリを形成したものであってもよい。
また、上記板状部材は、上記後方を向く面において開口する収納空間を内部に形成するとともに、当該開口を開閉する扉を当該面に形成したものであってもよい。
また、係合部をその周囲が面取りされた形状とし、かつトノカバーが引っ張られる方向に向かってテーパ状とすることで、各係合形状部に対してより滑らかに係合させ易く、かつ、上記負荷が加えられたときに係合形状部に対する固定が解かれ易くなる。
また、板状部材を縦係合形状部に係合させた状態で、トノカバーが覆っていない空間に任意の荷物を置いたときに、上記開閉板部材を開いて荷物に対する支えとすることができる。
また、板状部材を縦係合形状部に係合させた状態において、上記アクセサリに小物を収納したり荷物を引っ掛けることができる。
また、板状部材を縦係合形状部に係合させた状態において、上記収納空間に荷物を収納することができる。
(1)トノカバー装置の概略構成
(2)ボードの固定態様
(3)変形例
図1は、本発明のトノカバー装置1を備えた車両の内部を斜視図により表している。トノカバー装置1は、車両内のラゲージフロアFに形成されている。ラゲージフロアFとは、車両の座席(不図示)と車両のバックドア50(図1では不図示)とによって前後を挟まれ、デッキサイド60およびピラー70によって左右を挟まれた荷置き用の領域であり、特許請求の範囲に言う荷置き用フロアに該当する。ただし同図では、車両の左右のデッキサイド60およびピラー70のうち、右側のものだけ示している。
トノカバー装置1は、概略、トノカバー10と、ボード20と、収容ケース30と、ボード20を車両の前後方向に誘導せしめるレール40とからなる。トノカバー装置1は、車両の後部座席の後方に設けられることが好ましい。ボード20は、特許請求の範囲に言う板状部材に該当する。
収容ケース30は、不図示の座席の後方に配設されており、内部に備えた付勢手段(ばね等)による所定の引っ張り力によってトノカバー10を常時車両の前方に引っ張っている。
ボード20は、トノカバー10の車両後方を向く端部(先端)に取り付けられている。ボード20の素材は硬質なものが好ましく、硬質な樹脂製とすることが考えられる。またボード20は、その略中央位置に把手部21を形成するとともに、左右の縁に車両の左右の壁面を向く突出片(係合部)22を形成している。
レール40は、トノカバー10の左右両側の車両内の壁面においてトノカバー10の引き出し方向に略沿って形成された溝である。本実施形態では、レール40は左右のピラー70に形成されている。左右のピラー70間の距離は左右のデッキサイド60間の距離よりも狭くなっており、トノカバー10の左右両側の壁面のうちかかるピラー70が出現する位置から車両後方に向かってレール40は形成されている。
トノカバー10が収容ケース30内に収容されている状態においては、ユーザは、ボード20を収容ケース30の位置から引っ張り、ピラー70の位置まで引っ張ったら突出片22をレール40内に入れて更に移動させ、任意の係合形状部に対して突出片22を係止させることにより、ボード20を当該任意の係合形状部の位置に固定することができる。
図2は、レール40内における突出片22の位置等を示している。また同図では、レール40に対する、バックドア50の車両内側の面(2点鎖線)およびバックドア50の一部であるガラスハッチ51(2点鎖線)の位置関係を示している。ガラスハッチ51は、バックドア50のガラス窓を開閉可能とすることにより形成された扉である。
レール40は、車両前方を向いた入口43から略水平に車両後方に向かって延伸するとともに、最後端において略上方に進路を変更し、この上方に延伸した先においてさらに、突出片22を略収容できる程度の長さ分だけ、その進路を車両前方に戻して延ばしている。本実施形態では、この車両前方に戻った溝部分を横係合形状部41としている。
例えば、通常固定状態からボード20を縦係合形状部42の位置に移動させる場合、ボード20の突出片22を横係合形状部41から脱出させてそのままレール40に沿って入口43に向かって突出片22を誘導する。そして、段部42aが形成されている位置でボード20を若干下方に移動させ、突出片22を段部42a内に収容する。段部42aは、ボード20の面と略平行な方向における突出片22の幅を収容可能な大きさに形成されている。そのため、ボード20の面を略水平としたまま突出片22を段部42aに収容することができる(図4参照)。
つまり、縦固定状態とすることで、ラゲージフロアFの一部が覆われていない状態となり、その結果生じた間口B(図5参照)を介して、ラゲージフロアFに荷物を入れたり、同フロアFから荷物を出すことができる。また、ボード20を横係合形状部41から車両前方に所定距離スライド移動させた位置において立てて固定することにより、横係合形状部41から同じ距離だけスライドさせてボード20の面を略水平のまま固定する場合と比べて、上記間口Bが広く確保されて荷物の出し入れが容易となる。
つまり、従来のトノカバーの構成であれば、通常固定状態が解かれたボード20は、ガラスハッチ51から手を車内に入れても届かない位置にある収納ケース30まで同ケース30の引っ張り力によって引き戻されていた。本発明によれば、通常固定状態を解いたボード20を収納ケース30まで戻さずに、ユーザの手の届く縦係合形状部42に留めておくことができる。そのため、後からバックドア50を開けて収納ケース30の位置からボード20を再度引き出す必要が無くなり、ガラスハッチ51の開け閉めと、ボード20の横係合形状部41と縦係合形状部42との間での位置変更によって、ラゲージフロアFに対する荷入れ荷出しを行うことが可能となる。
本実施形態では、ボード20を硬質な素材としているため、通常固定状態においてはボード20上にいくらかの荷物を載せることも可能である。また、トノカバー10を比較的硬い素材で構成すれば、軽い荷物をトノカバー10上に載せることも可能であるし、縦固定状態とした場合には、トノカバー10上に載せた荷物の落下をボード20によって防止できる。つまり、荷物の収納スペースとしてトノカバー10の下部と上部の2箇所を提供することが可能となる。
1本のレール40には、横係合形状部41と縦係合形状部42とを1つずつ形成するだけにとどまらず、いずれのタイプの係合形状部をどれだけ増設してもよい。またこれら2種類の係合形状部のみならず、ボード20をラゲージフロアFに対して横係合形状部41および縦係合形状部42とは異なる角度で固定する別の係合形状部を設けても良い。
なお上記では、縦固定状態においてボード20の先端23を上方(車両の天井方向)に向かせた場合を例に説明しているが、逆に先端23を下方(ラゲージフロアFの方向)に向かせた態様を採ってもよい。
上述したように、縦係合形状部42は段部42aと縦溝42bとによる2段構造になっている。よって、ボード20をスライド移動させて突出片22を縦溝42bまで導こうとする場合、ボード20の面の角度を略水平に維持したまま突出片22を段部42aに収容して突出片22の位置をおよそ決め、その上で、突出片22を回転軸とするようにボード20の面を徐々に立たせながら、突出片22を縦溝42b内に導くことができる。すなわち上記2段構造とすることにより、レール40の途中箇所にいきなり縦溝42bを形成する場合よりも、滑らかかつ容易に突出片22を縦溝42bに導いてボード40を縦固定状態とすることができる。
さらに、突出片22の形状をトノカバー10が引っ張られる方向に向かってテーパ状としてもよい。より具体的には、突出片22の部位のうち、トノカバー10側の端部を先細りの形状としている。つまり、ボード20は常に収容ボックス30の方向へ引っ張り力を受けているため、突出片22のトノカバー10側の端部を先細りにしておけば、横係合形状部41や縦係合形状部42の縦溝42bに対して突出片22を嵌める作業がより容易となる。
上記では、係合形状部からの突出片22の解除のし易さという観点について説明を行なったが、逆に、係合形状部に対して突出片22をより強固に固定することが望まれる場合もある。そこで、突出片22に進退可能な凸部を設け、この凸部をレール40内に形成した凹部に進入させることによって突出片22の固定を強固にするとしてもよい。
図7は、そのような構成を実現するための一例を示している。同図では、レール40について図2のA‐A線で切断したときの断面と、横係合形状部41に対して嵌合している左側の突出片22などを示している。同図に示すように、突出片22の先端には、ボード20のスライド方向と垂直な方向に進退可能な凸部22aを形成している。一方、横係合形状部41側には、突出片22の先端と相対する面に、上記凸部22aが進出する方向に向かって掘った凹部44が形成されている。凹部44はその内部に凸部22aを受け入れ可能な大きさに形成されている。図示しない右側の突出片とレールにも、上記凸部と凹部が形成される。
図8は、縦固定状態としたボード20の車両後方を向く面(面24と呼ぶ。)の一例を示している。同図においては、面24に支え板(開閉板部材)24aを形成している。支え板24aは一端をヒンジ(不図示)によって回転可能に面24に固定されており、面24に対して略垂直に開くことができる。また、略垂直に開いたときの支え板24aの面は、車両の左右の壁面と略平行となる。かかる構成においてボード20を縦固定状態とし、ラゲージフロアFからの高さがトノカバー10までの高さを超えるような背の高い荷物Pを上記間口Bから入れたとき、同図に示すように開いた開閉板24aによって荷物Pを支えることができる。なお、支え板24a以外にも、面24には各種凸凹やリブといったものを形成し、収容した背の高い荷物の支えとすることができる。
Claims (7)
- 車両内の後方に形成された荷置き用フロアを覆うためのトノカバー装置であって、
上記荷置き用フロアを覆うためのトノカバーと、
所定の引っ張り力によって上記トノカバーを巻き取り収容可能な収納ケースと、
上記トノカバーの略先端に取り付けられた板状部材と、
上記板状部材に形成された係合部を上記トノカバーの引き出し方向に略沿ってスライド移動せしめるレールとを備え、
上記レールは少なくとも、上記係合部と係合することにより上記板状部材の位置を、板状部材の面を上記荷置き用フロアのフロア面と略平行にした状態で固定する横係合形状部と、上記係合部と係合することにより板状部材の位置を、板状部材の面を上記フロア面に対して所定の角度をもって立たせた状態で固定する縦係合形状部とを形成したことを特徴とするトノカバー装置。 - 上記係合部は、板状部材の縁から上記レールが形成されている車両内の壁面に向かって突出した突出片であり、上記レールは、突出片を内部に受け入れてスライド移動せしめる溝であり、上記縦係合形状部は、レールの途中箇所においてレールの延伸方向と略垂直な方向に溝の側面を一段階掘り下げることにより形成した、板状部材の面と略平行な方向における突出片の幅を収容可能な大きさの段部と、当該段部の一部範囲をさらに堀り下げることにより形成した、板状部材の厚み方向における突出片の幅に略対応した幅の縦溝とからなることを特徴とする請求項1に記載のトノカバー装置。
- 上記突出片は、周囲が面取りされた形状であるとともに、上記トノカバーが引っ張られる方向に向かってテーパ状となっていることを特徴とする請求項2に記載のトノカバー装置。
- 上記各係合形状部は、係合部がスライド移動する方向と略垂直な方向に掘られた凹部を備え、上記板状部材は、係合部がいずれかの係合形状部と係合したときに上記凹部内に進入可能な凸部を係合部の略先端に備えるとともに、所定の操作を受けることにより凹部に対する凸部の進入および凹部からの凸部の退出を切り替え可能なスイッチを備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のトノカバー装置。
- 上記板状部材は、係合部が縦係合形状部と係合したときに車両の後方を向く面の所定位置に、当該面から所定の角度をもって開閉可能な開閉板部材を形成したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のトノカバー装置。
- 上記板状部材は、係合部が縦係合形状部と係合したときに車両の後方を向く面の所定位置に、荷物の保持及び又は荷物の引っ掛けに使用可能なアクセサリを形成したことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のトノカバー装置。
- 上記板状部材は、係合部が縦係合形状部と係合したときに車両の後方を向く面において開口する収納空間を内部に形成するとともに、当該開口を開閉する扉を当該面に形成したことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のトノカバー装置。
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