JP2008164925A - 位相差フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、フィルム厚み方向の屈折率が制御された位相差フィルムを簡便な製造方法で提供する。
【解決手段】光配向性材料の光架橋物で構成された位相差フィルムであって、前記光配向性材料は、メソゲン形成性基と感光性基とで構成されたユニットを有する液晶性高分子で少なくとも構成されるとともに、前記光架橋物が、少なくとも直線偏光性の照射線の照射により架橋された光架橋物であり、かつフィルムのNz係数は1未満である。
【選択図】なし

Description

本発明は、フィルムの厚み方向(フィルムに対する法線方向)の屈折率を制御した位相差フィルムおよびその製造方法に関するものである。
位相差フィルムとは、互いに垂直な主軸方向に振動する直線偏光成分を透過させ、この二成分間に必要な位相差を与え、複屈折性を付与するフィルムである。このような位相差フィルムは、コンピュータやファクシミリなどのOA機器、携帯電話や電子手帳、さらに液晶テレビやビデオカメラなどの各種液晶表示装置の視野角を拡大したり、防眩性を付与したり、またコントラストや輝度を向上させるために不可欠な光学部材である。
位相差フィルムを用いて、液晶表示装置を好適に光学補償するためには、位相差フィルム中の屈折率を3次元的に制御する必要がある。しかし、一般に、位相差フィルムの厚み方向の屈折率を制御することは困難であり、フィルムの斜め入射光に対するリターデーション値と、垂直入射光に対するリターデーション値との差が大きいため、高分子フィルムの配置位置や位相差フィルムとしてのパラメータを調整しても、斜め入射光に対しては所望の特性を得ることができない。
そのため、フィルムを1軸または2軸延伸する方法、液晶材料をコーティングして配向する方法などが利用されている。しかし、これらの方法では、フィルム厚み方向の屈折率を制御することは一般的に困難である。
フィルム厚み方向の屈折率を制御する方法として、特開平2−160204号公報(特許文献1)には、押出したポリカーボネートのロッド棒をスライスして分子が円盤法線方向に配向した円盤を得て、更にこの円盤を1軸延伸することにより、フィルムの厚み方向の屈折率を制御できることが記載されている。
特開平5−157911号公報(特許文献2)には、樹脂フィルムの片面または両面に収縮性フィルムを接着積層し、次いで、加熱延伸することにより、延伸方向と直交する方向の収縮力を付与することによりフィルム厚み方向の屈折率を制御できることが記載されている。
特開平2−160204号公報 特開平5−157911号公報
しかし、特許文献1の位相差フィルムでは、ロッド棒をスライスするため、大面積化が困難であるだけでなく、位相差フィルム内の均質性にも欠ける。また、特許文献2の位相差フィルムでは、収縮力を利用しているため、位相差や配向軸がばらつきやすい。また、特許文献1および2に記載された製造方法では、位相差フィルムを安価で大量に製造することは難しい。
従って、本発明の目的は、フィルムの厚み方向の屈折率が制御されるとともに、配向軸がばらつきにくく、均質な位相差性を有する位相差フィルムを提供することである。
本発明の他の目的は、簡便な方法によって工業的に有利に生産できる位相差フィルムの製造方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意研究を行った結果、光配向性材料を基材上に塗布した後、光配向性材料がミクロドメインを形成する温度より低温で塗布物を乾燥させると、ミクロドメインの形成を抑制するだけでなく、光配向性材料の一部を基板に対して垂直に配向させることができること、さらにこのような配向性を有する塗布物に直線偏光性の照射線を照射すると、フィルム厚み方向の屈折率が高度に制御できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の位相差フィルムは、光配向性材料の光架橋物で構成された位相差フィルムであって、前記光配向性材料が、メソゲン形成性基と感光性基とで構成されたユニットを有する液晶性高分子で少なくとも構成されるとともに、前記光架橋物が、少なくとも直線偏光性の照射線の照射により架橋された光架橋物であり、かつフィルムのNz係数が1未満である。
なお、ここで、「メソゲン形成性基と感光性基とで構成されたユニット」とは、これらの官能基を有する複合基という意味で用いられており、一つのユニットの中で、感光性基とメソゲン形成性基とが化学構造を共有して複合的に存在していてもよく、一つのユニットが、メソゲン形成性基および感光性基をそれぞれ有していてもよい。さらに、「Nz係数」とは、位相差フィルムの屈折率楕円体の形態を表す指標であり、下記式で表される。
Nz=(nx−nz)/|nx−ny|
式中、nxおよびnyはフィルム面内の屈折率、nzはフィルムに対して法線方向の屈折率を示す。
光配向性材料は、さらに液晶性低分子化合物を含んでいてもよい。すなわち、光配向性材料の光架橋物は、液晶性高分子と液晶性低分子化合物とで構成された混合物に対して直線偏光を照射した照射物であってもよい。
本発明の位相差フィルムの製造方法は、光配向性材料を基板に対して塗布する塗布工程と、塗布した光配向材料をミクロドメイン非形成温度で乾燥する乾燥工程と、乾燥した塗布物に対して直線偏光性の照射線(以下、単に直線偏光と称する場合がある)を照射する照射工程と、照射された塗布物を加熱する加熱工程と、加熱された塗布物を徐冷する徐冷工程とで構成される。
また、本発明は、このような位相差フィルムを用いた液晶表示装置を包含する。
本発明では、特定の乾燥工程および直線偏光の照射により、位相差フィルムの厚み方向の屈折率を簡便かつ高度に制御できる。さらに、液晶構造によりフィルム内における位相差を均質にすることができる。
[位相差フィルム]
本発明の位相差フィルムは、光配向性材料の光架橋物で構成(または形成)される。前記光配向性材料は、メソゲン形成性基と感光性基とで構成されたユニットを有する液晶性高分子で少なくとも構成される。
(液晶性高分子)
本発明の液晶性高分子は、メソゲン形成性基および感光性基で構成されたユニットを有する限り特に限定されない。前記液晶性高分子は、フィルムの厚み方向に特定の屈折率を付与する限り、前記ユニットを液晶性高分子の主鎖に有していてもよく、側鎖に有していてもよい。
本発明において、メソゲン形成性基は、液晶性高分子に対して液晶性を付与できる限り特に制限されず、いわゆるメソゲン基だけでなく、単独では液晶性を呈しないが、分子間の水素結合により液晶性を呈する水素結合性メソゲン基(または超分子性メソゲン基)も含まれる。
例えば、メソゲン基としては、−Ar−Y−Ar−基[式中、ArおよびArは、同一または異なって、置換基を有してもよいアリーレン基(例えば、フェニレン基、ナフチレン基)、置換基を有してもよい2価の複素環残基(例えば、フラン基、ピラン基などの酸素含有複素環;ピロール基、イミダゾール基などの窒素含有複素環など)を示し;Yは、直接結合(なし)、C1−3アルキレン基、−C=C−、−C≡C−、−O−、−N=N−、−NO=N−、−COO−、または−OCO−、−CH=N−、アリーレン基(例えば、フェニレン基、ナフチレン基)を示す]、ヒドロキシ安息香酸残基などが挙げられる。
前記アリーレン基及び複素環基の結合手の位置は、液晶性を付与する限り特に限定されないが、通常、フェニレン基では、p−配置である場合が多く、ナフチレン基では、2,6−配位である場合が多い。
置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基などのC1−20アルキル基、好ましくはC1−10アルキル基、さらに好ましくはC1−5アルキル基など)、ホルミル基、アルキルオキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1−20アルキルオキシ基、好ましくはC1−10アルキルオキシ基、さらに好ましくはC1−5アルキルオキシ基など)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基などのC2−20アルケニル基、好ましくはC2−10アルケニル基、さらに好ましくはC2−5アルケニル基など)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などのC2−20アルキニル基、好ましくはC2−10アルキニル基、さらに好ましくはC2−5アルキニル基など)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)、ハロアルキル基(例えば、クロロメチル基、2−クロロエチル基、ジクロロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチルなどのC1-4 ハロアルキル基など)、置換基を有していてもよいシクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などのC3-10シクロアルキル基)、置換基を有していてもよいアリール基(例えば、フェニル、4−メトキシフェニル、2−ニトロフェニル、ナフチル基などのC6-20アリール基など)などが例示できる。
また、水素結合性メソゲン基としては、−(Ar−X)−Ar−(Z)−COOH[式中、Ar及びArは、それぞれ同一又は異なって、置換基を有していてもよいアリール基(例えば、フェニレン基、ナフチレン基などのC6-20アリーレン基、好ましくはフェニレン基)を示し;X=直接結合、C1−3アルキレン基、−C=C−、−C≡C−、−O−、−N=N−、−COO−、または−OCO−;Zは、−C=C−または−C≡C−;i=0または1(好ましくは1);j=0または1〜3の整数(好ましくは1〜2の整数)を示す]などが挙げられる。なお、置換基は、前記メソゲン基で記載した置換基を使用できる。このような水素結合性メソゲン基では、末端のカルボキシル基間で水素結合により超分子的に液晶性を発現することが可能である。さらに、水素結合性メソゲン基では、メソゲン基そのものをその構造に含まない場合が多く、そのような場合には感光性基の光反応を進行する波長の光を吸収しない。そのため、照射された光を感光性基の重合に有効に利用でき、製造コストを低減できる。
感光性基は、光エネルギーにより光架橋反応(例えば、光2量化反応)を起こすことが可能な官能基であれば特に制限されず、例えば、桂皮酸基、フェニルアリル基(シンナモイル基)、フェニルアリリデン基(シンナミリデン基)、フェニルアリリジン基(シンナミリジン基)、カルコン基、アクリロイル基含有感光性基[例えば、フリルアクリロイル基、ビフェニルアクリロイル基、ナフチルアクリロイル基など]、クマリン基、ベンゾフェノン基、またはこれらの誘導体が挙げられる。
なお、前述したように、一つのユニットの中で、感光性基とメソゲン形成性基とは、化学構造を共有して複合的に存在してもよいし、一つのユニットの中で、メソゲン形成性基および感光性基が、それぞれ独立した官能基として存在してもよい。メソゲン形成性基および感光性基が独立した官能基として存在する場合、メソゲン形成性基および感光性基は、直接結合していてもよく、連結基を介して結合していてもよい。連結基としては、例えば、アルキレン基(C1−20アルキレン基、好ましくはC1−10アルキレン基、さらに好ましくはC1−5アルキレン基など)、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−C=C−、−C≡C−、−N=N−、−COO−、および−OCO−などが挙げられる。これらの連結基は、単独でまたは組み合わせて、メソゲン形成性基と感光性基とを連結していてもよい。
例えば、好ましいユニットとしては、以下の組み合わせが挙げられる。
(i)感光性基:桂皮酸基、水素結合性メソゲン基:(Ar=フェニレン基、Y:−C=C−)、ここで感光性基と水素結合性メソゲン基は、化学構造を共有。
(ii)感光性基:シンナモイル基、メソゲン基:(Ar及びAr:フェニレン基、Y:直接結合)、連結基:(アルキレン基及び−O−)、
(iii)感光性基:ナフチルアクリロイル基、Ar及びAr:フェニレン基、Y:直接結合、連結基:(アルキレン基及び−O−)、
液晶性高分子は、重合性基と感光性基とメソゲン形成性基とを有する単量体を少なくとも重合させることにより得ることができ、例えば、液晶性高分子としては、以下の単量体を重合させた重合体が挙げられる。
(i)重合性基と感光性基とメソゲン形成性基とを有する単量体の単独または共重合体(ランダム,ブロック,又はグラフト共重合体)、
(ii)重合性基と感光性基とメソゲン形成性基とを有する単量体と、重合性基を有する単量体との共重合体(ランダム,ブロック,又はグラフト共重合体)、
(iii)重合性基と感光性基とメソゲン形成性基とを有する単量体と、重合性基および感光性基を有する単量体との共重合体(ランダム,ブロック,又はグラフト共重合体)、
(iv)重合性基と感光性基とメソゲン形成性基とを有する単量体と、重合性基およびメソゲン形成性基を有する単量体との共重合体(ランダム,ブロック,又はグラフト共重合体)など。
前記重合性基は、付加重合性基であってもよく、縮合重合性基であってもよい。付加重合性基としては、例えば、不飽和脂肪族炭化水素基(ビニル基、アリル基など)、不飽和脂肪族カルボン酸基(アクリロイル基、メタクリロイル基など)などが挙げられる。これらの付加重合性基は、単独でまたは組み合わせて使用できる。付加重合性基は、公知または慣用の重合開始剤で重合させることができ、重合開始剤としては、たとえば、アゾ化合物(例えば、アゾビスイソブチロニトリル)や過酸化物(例えば、過酸化ベンゾイル)などが挙げられる。また、縮合重合性基としては、ヒドロキシル基(シラノール基を含む)、カルボキシル基、アミノ基などが挙げられる。なお、シラノール基は、通常、オルガノクロロシラン化合物を加水分解することにより、形成することが多い。
前述したように、前記ユニットは液晶性高分子の主鎖を形成してもよいが、前記ユニットの光架橋性や液晶性高分子の配向性を制御する観点から、液晶性高分子は前記ユニットを少なくとも側鎖に有するのが好ましい。例えば、好ましい液晶高分子としては、下記式1または2で表される側鎖を少なくとも1つ有する液晶高分子が挙げられる。
Figure 2008164925
式中、k=0または1〜12の整数(好ましくは1〜10の整数、さらに好ましくは1〜8の整数);l=0または1(好ましくは1);m=0または1(好ましくは1);n=1〜3の整数(好ましくは1〜2の整数);p=1〜12の整数(好ましくは1〜10の整数、さらに好ましくは1〜8の整数);q=0または1〜12の整数(好ましくは1〜10の整数、さらに好ましくは1〜5の整数);X=直接結合、C1−3アルキレン基、−C=C−、−C≡C−、−O−、−N=N−、−COO−、または−OCO−;Yは、直接結合、アルキレン基(例えば、C1−20アルキレン基、好ましくはC1−10アルキレン基、さらに好ましくはC1−5アルキレン基など)、アリーレン基(例えば、フェニレン基、ナフチレン基などのC6−20アリーレン基、好ましくはC6−15アリーレン基など)、−C=C−、−C≡C−、−O−、−N=N−、−COO−、または−OCO−;R〜Rは、それぞれ同一または異なって、水素原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、アルキニル基、またはハロゲン原子;W=シンナモイル基、シンナミリデン基、シンナミリジン基、カルコン基、フリルアクリロイル基、ビフェニルアクリロイル基、ナフチルアクリロイル基、クマリン基、ベンゾフェノン基、またはこれらの誘導体を示す。なお、アルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、アルキニル基、およびハロゲン原子としては、前記メソゲン基の置換基として例示された官能基が挙げられる。
さらに、ユニットが、メソゲン形成性基および感光性基をそれぞれ独立した官能基として有するとともに、側鎖である場合(感光性側鎖)、液晶性高分子は、感光性基を含まずメソゲン基で構成された側鎖(非感光性側鎖)を有してもよい。このような異なる種類の側鎖の併用により、液晶性高分子の配向軸に平面性を付与しやすくなる。例えば、好ましい側鎖の組み合わせとしては、下記式3と下記式4で表される側鎖の組み合わせが挙げられる。
Figure 2008164925
式中、pおよびrは、それぞれ同一または異なって、1〜12の整数(好ましくは1〜10の整数、さらに好ましくは2〜8の整数);qおよびsは、それぞれ同一または異なって、0または1〜12の整数(好ましくは1〜10の整数、さらに好ましくは1〜5の整数);YおよびYは、それぞれ同一または異なって、直接結合、アルキレン基、アリーレン基、−C=C−、−C≡C−、−O−、−N=N−、−COO−、または−OCO−;R〜Rは、それぞれ同一または異なって、水素原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、アルキニル基、またはハロゲン原子;W=シンナモイル基、シンナミリデン基、シンナミリジン基、カルコン基、フリルアクリロイル基、ビフェニルアクリロイル基、ナフチルアクリロイル基、クマリン基、ベンゾフェノン基、またはこれらの誘導体、W=水素原子、−OH、−CN、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルオキシ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、またはこれらの誘導体を示す。
なお、YおよびYで記載されたアルキレン基およびアリーレン基としては、前記Yで例示された官能基を挙げることができ、Wで記載されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルオキシ基、ハロゲン原子、およびハロアルキル基としては、前記メソゲン基の置換基として例示された官能基が挙げられる。
なお、前記液晶性高分子の液晶構造は、通常サーモトロピックである場合が多い。また、サーモトロピック液晶としては、ネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶のいずれであってもよいが、厚み方向への配向性の観点から、ネマチック液晶が好ましい。
なお、液晶性高分子の平均分子量(数平均分子量)は、例えば、2000〜100万程度、好ましくは5000〜50万程度、さらに好ましくは1万〜20万程度であってもよい。
(液晶性低分子化合物)
本発明では、光配向性材料として、液晶性高分子に加え、液晶性低分子化合物を用いてもよく、光配向性材料の光架橋物は、液晶性高分子と液晶性低分子化合物(以下、単に液晶性低分子と呼ぶ場合がある)とで構成された混合物に対して直線偏光を照射した照射物であってもよい。液晶性低分子が加わると、フィルムの複屈折性を向上できる。
液晶性低分子化合物は、前記液晶性高分子の項で記載したメソゲン基(例えば、−Ar−Y−Ar−基、ここで、Ar、Ar、Yは前記に同じ)を少なくとも有していればよい。また、液晶性低分子は、メソゲン形成性基と感光性基とを有してもよく、その場合、メソゲン形成性基および感光性基は、直接結合していてもよく、連結基を介して結合していてもよい。連結基としては、前記液晶性高分子の項で記載した連結基が例示できる。
例えば、ArおよびArがともにフェニレン基である場合、液晶性低分子としては、例えば、下記式5で表された化合物が例示できる。
Figure 2008164925
式中、t=0または1(好ましくは1);u=0または1(好ましくは1);Yは前記に同じ;ZおよびZは、それぞれ同一または異なって、直接結合、アルキレン基(例えば、C1−20アルキレン基、好ましくはC1−15アルキレン基、さらに好ましくはC1−10アルキレン基など)、アルケニレン基(例えば、C1−20アルケニレン基、好ましくはC1−15アルケニレン基、さらに好ましくはC1−10アルケニレン基など)を示し;RおよびRは、水素原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、アルキニル基、またはハロゲン原子;R11およびR12は、それぞれ同一または異なって、水素原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ハロゲン原子、または前記Wで表される構造を示す。
なお、アルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、アルキニル基、およびハロゲン原子としては、前記メソゲン基の置換基として例示された官能基が挙げられる。
好ましい液晶性低分子としては、Yが直接結合であるビフェニル系化合物、Yが、フェニレン基であるターフェニル系化合物、Yが−COO−であるフェニルベンゾエート化合物、Yが−N=N−であるアゾベンゼン化合物などが挙げられる。これらの液晶性低分子化合物は、単独でまたは組み合わせて使用できる。これらの液晶性低分子化合物のうち、ビフェニル化合物が好ましく、ビフェニル化合物としては、例えば、tおよびuが1であり、ZおよびZがアルキレン基であり、R11およびR12がメタクリロイル基である化合物;tおよびuが1であり、ZおよびZがアルキレン基であり、R11およびR12がアルキル基である化合物;tおよびuが0であり、ZおよびZが直接結合であり、R11がアルキル基であり、R12がシアノ基である化合物などが挙げられる。
液晶性低分子の分子量は、例えば、50〜800程度、好ましくは100〜700程度、さらに好ましくは200〜600程度である。
液晶性低分子の液晶性高分子に対する割合は、位相差フィルムの厚み方向の屈折率が制御できる範囲あれば特に制限されない。液晶性高分子100重量部に対して、液晶性低分子の割合は、例えば、0.1〜90重量部程度、好ましくは1〜75重量部程度、さらに好ましくは5〜50重量部程度であってもよい。
(位相差フィルムのNz係数)
本発明の位相差フィルムでは、特定の光配向性材料を用いるとともに、特定の製造方法で調製するためか、フィルム(または基板)に対して法線方向に配向したメソゲン形成性基(a)と、フィルム(または基板)に対して水平方向で、かつ照射された直線偏光の電界振動方向に対して平行または垂直方向に配向したメソゲン形成性基(b)とを混在させることができ、このようなメソゲン形成性基(a)および(b)で構成された配向構造により、フィルムのNz係数を1未満にすることができる。なお、平行方向とは、略平行であればよく、垂直方向も略垂直であればよい。
全メソゲン形成性基中における、前記メソゲン形成性基(a)および(b)の総量の割合は、85モル%以上(例えば、85〜100モル%程度、好ましくは90〜99モル%程度)であってもよい。
なお、Nz係数は、以下の数式で表される。
Nz=(nx−nz)/|nx−ny|
(式中、nxおよびnyはフィルム面内の屈折率であり、nzはフィルムに対して法線方向の屈折率を示す。)
例えば、図1は、各屈折率がnx>nz>nyである屈折率楕円体(0≦Nz<1)を示し、図2は、各屈折率がnz>nx>nyである屈折率楕円体(Nz<0)を示す。本発明の位相差フィルムにおいて、Nz係数は、1未満であれば特に限定されないが、好ましくは、−10<Nz<1程度、さらに好ましくは−8<Nz<0.95程度、特に好ましくは−2<Nz<0.90程度であってもよい。Nz係数がこのような範囲にあると、液晶表示装置の光学補償(例えば、視野角の拡大、防眩性の付与、コントラストや輝度の向上)に有効である。
また、例えば、各屈折率に関して、フィルムの法線方向、すなわち厚み方向の屈折率nzと、フィルム面内の屈折率nxおよびnyとは、例えば、nx>nyであって、1<nz/ny<1.2、好ましくは1.0001<nz/ny<1.15、さらに好ましくは1.0005<nz/ny<1.1の関係を有していてもよい。nx、nz、nyが、このような範囲にあると、フィルムの厚み方向の屈折率をより高度に制御できる。
[位相差フィルムの製造方法]
本発明の位相差フィルムの製造方法は、前記光配向性材料を基板に対して塗布する塗布工程と、塗布した光配向材料をミクロドメイン非形成温度で乾燥する乾燥工程と、乾燥した塗布物に対して直線偏光性の光を照射する照射工程と、照射された塗布物を加熱する加熱工程と、加熱された塗布物を徐冷する徐冷工程とで構成される。すなわち、本発明の位相差フィルムは、ミクロドメイン非形成温度で乾燥させた前記光配向性材料に対して、直線偏光を照射し、さらに照射物を加熱・徐冷して得られるフィルムである。
本発明では、このような製造方法により、厚み方向の位相差が制御されたフィルムを簡便に製造できるだけでなく、フィルムの大面積化が可能となる。
(塗布工程)
本発明では、液晶性高分子(および、必要に応じて、液晶性低分子化合物)で構成された光配向性材料を溶媒に溶解して基板に塗布する。前記溶媒は、固形成分を溶解できる限り特に制限されず、例えば、脂肪族炭化水素類(ヘキサンなど)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン、ベンゼン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼンなど)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、ジクロロエタンなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)などが例示できる。また、溶媒は混合溶媒であってもよい。これらの溶媒のうち、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、およびエーテル類が好ましく、特に芳香族炭化水素類およびエーテル類が好ましい。
フィルム厚み方向への屈折率を向上する観点から、溶媒の揮発性は、低いほうが好ましい。例えば、溶媒の沸点は、60℃〜240℃程度、好ましくは70℃〜220℃程度、さらに好ましくは80℃〜200℃程度であってもよい。
光配向性材料の溶解液は、公知または慣用のコーティング機(例えば、スピンコータ、スリットコータ、スプレーコータ、ロールコータ、カーテンコータ、エアナイフコータなど)により、基板に塗布される。基板への塗布物の厚さは、乾燥後の厚みで、通常、0.1〜20μmの範囲から選択でき、例えば、0.5〜10μm程度、好ましくは1〜9μm程度、さらに好ましくは1.5〜8μm程度であってもよい。
(乾燥工程)
乾燥工程では、塗布工程により塗布された塗布物(例えば、塗布膜)をミクロドメイン非形成温度で乾燥する。ここで、ミクロドメイン非形成温度とは、塗布された光配向性材料がミクロドメインを形成する温度よりも低い温度を意味する。なお、ミクロドメインは、塗布物を通常乾燥させるために用いられる程度の温度(例えば、70〜80℃)で加熱すると形成される。
本発明において重要な点は、従来、工業生産で塗布物を乾燥させるために、低温をわざわざ用いるという発想は存在しなかったということである。すなわち、生産効率を重視する通常の工程では、塗布物を速やかに乾燥させるため、高温で塗布物を加熱して乾燥させるのが一般的である。そして、このような塗布物はミクロドメインの形成により白濁化する。また、白濁化を回避するために、塗布物をその等方相転移温度以上に加熱後、急冷する操作も一般に行われている。しかし、この場合、等方相転移温度以上に塗布物を加熱するため、塗布物の基板に対して法線方向に配向する傾向が消失してしまい、1軸性の膜となる。そのため、フィルム厚み方向の屈折率を制御することができない。
ミクロドメイン非形成温度は、光配向性材料の種類によって異なるが、例えば、15〜60℃程度(例えば、15〜50℃程度)、好ましくは20〜55℃程度(例えば、20〜45℃程度)、さらに好ましくは25〜50℃程度(例えば、25〜40℃程度)であってもよい。
乾燥工程において、光配向性材料がミクロドメインを形成する温度よりも低い温度で乾燥した塗布物では、光配向性材料の分子運動をある程度抑制して光配向性材料の一部のみを基板に対して垂直に配向させることができるため、光配向性材料のメソゲン形成性基の一部が基板に対して法線方向に配向する。
(照射工程)
照射工程では、乾燥した塗布物に対して、少なくとも直線偏光(直線偏光性の照射線)を照射する。このような塗布物に直線偏光を照射すると、塗布物のユニットの中で、直線偏光の電界振動方向に沿って配置されている感光性基の光架橋反応(光2量化)が選択的に起き、特定の割合の架橋ユニットが発生する。
照射線の種類は、赤外線、可視光線、紫外線(近紫外線、遠紫外線など)、X線、荷電粒子線(例えば、電子線など)など、照射により化学反応を生じさせることができる照射線であれば、特に限定されないが、通常、照射線は200〜500nmの波長を有する場合が多く、光架橋を有効に発生させる点から、250〜400nmの波長を有する紫外線が好ましい。これらの照射線は、例えば、グランテーラープリズムを介して直線偏光にすることができる。
前記液晶性高分子に対して、直線偏光(直線偏光性の照射線)を基板平面に対して法線方向に照射すると、直線偏光の電界振動方向に沿って配置されている感光性基の光架橋(光2量化)が選択的に起こるため、直線偏光により光架橋した架橋ユニットと、光架橋していない非架橋ユニットの双方が生じる。なお、「架橋ユニット」とは、直線偏光性の照射線の照射で光架橋した感光性基が含まれるユニットを意味し、「非架橋ユニット」とは、直線偏光の照射で光架橋しなかった感光性基が含まれるユニットを意味する。
前記ユニット中、光架橋した架橋ユニットの割合は、例えば、液晶性高分子の中で1〜50モル%、好ましくは5〜40モル%、さらに好ましくは10〜30モル%程度であってもよい。本発明の位相差フィルムで厚み方向の屈折率を制御できるのは、架橋ユニットが特定の割合で存在するためであると推察され、架橋ユニットの割合が低すぎると、位相差フィルムの配向性が低減し、架橋ユニットの割合が高すぎると、位相差フィルムの厚み方向への屈折率が消失するだけでなく、フィルムの配向性が低下する。
なお、液晶高分子中の架橋密度は、赤外分光吸収スペクトル測定による感光性基のスペクトル変化により測定できる。
なお、光配向性材料を露光させる際の感光性を増強するため、増感剤を用いてもよい。増感剤としては、例えば、クマリン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体、アントラセン誘導体、カルバゾール誘導体、ペリレン誘導体、ニトロアニリン、4−ニトロー4’−アルキルオキシビフェニルなどが挙げられる。これらの増感剤のうち、ベンゾフェノン誘導体(たとえば、4、4´−(N、Nビスジメチルアミノ)ベンゾフェノンなど)、ニトロアニリン(例えば、p−ニトロアニリンなど)、4−ニトロー4’−アルキルオキシビフェニル(例えば、4−ニトロー4’−エチルオキシビフェニルなど)などが好ましい。
(加熱工程および徐冷工程)
加熱工程では、光照射された塗布物を加熱する。加熱温度は、液晶性高分子の種類により異なるが、通常、60℃〜150℃程度、好ましくは70℃〜140℃程度、さらに好ましくは80℃〜130℃程度であってもよい。
徐冷工程では、加熱された塗布物を徐冷する。徐冷条件についても、液晶性高分子の種類により異なるが、例えば、0.1〜100℃/min程度、好ましくは1〜20℃/min程度の徐冷速度で冷却し、液晶性高分子のガラス転移温度以下まで冷却する。
この加熱および徐冷により、光配向性材料中のメソゲン形成性基は、(i)基板の法線方向、または(ii)光反応した架橋ユニットに対して平行もしくは垂直方向に沿って配向するようになる。通常、加熱工程および徐冷工程では、塗布膜を有する基板を加熱プレートの上に設置し加熱して所望の温度に到達後、その温度を保持した後、基板を載せたままこの加熱プレートの電源を切って放置する場合が多い。
(配向固定工程)
なお、誘起された配向を固定するために、加熱・徐冷工程を経た塗布物に対して、再度光照射をしてもよい。照射線としては誘起された配向を固定できる限り特に限定されず、前記照射工程の項で例示した各種照射線を用いることができる。配向を有効に固定できる観点から、例えば、波長200〜500nm程度の照射線、好ましくは波長250〜400nm程度の紫外線である場合が多い。
本発明の位相差フィルムは、各種光学部材や、コンピュータやファクシミリなどのOA機器、携帯電話や電子手帳、さらに液晶テレビやビデオカメラなどの各種液晶表示装置(特に高精細または高精彩表示装置)などの表示装置の光学素子として有用である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
本発明の位相差フィルムの実施例において用いた光配向性材料の原料化合物に関する合成方法を以下に示す。
(単量体1)
p−クマル酸と6−クロロ−1−ヘキサノールとの混合物を、アルカリ条件下で加熱することにより、4−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)桂皮酸を合成した。この生成物に、メタクリル酸を大過剰加えてエステル化反応させ、化学式6に示される単量体1を合成した。
Figure 2008164925
(単量体2)
4、4´−ビフェニルジオールと2−クロロエタノールとの混合物を、アルカリ条件下で加熱することにより、4−ヒドロキシ−4´−(2−ヒドロキシエトキシ)ビフェニルを合成した。この生成物に、アルカリ条件下で1、6−ジブロモヘキサンを反応させ、4−(6−ブロモヘキシルオキシ)−4´−(2−ヒドロキシエトキシ)ビフェニルを合成した。次いで、リチウムメタクリレートを反応させ、化学式7に示される単量体2を合成した。
Figure 2008164925
(単量体3)
単量体2に、塩基性の条件下において桂皮酸クロライドを加え、化学式8に示される単量体3を合成した。
Figure 2008164925
(単量体4)
4、4´−ビフェニルジオールと1、6−ジブロモヘキサンとの混合物を、アルカリ条件下で加熱することにより、4−ヒドロキシ−4´−(2−ヒドロキシエトキシ)ビフェニルを合成した。この生成物に、アルカリ条件下で1、6−ジブロモヘキサンを反応させ、4−ヒドロキシ−4´−(6−ブロモヘキシルオキシ)ビフェニルを合成した。次いで、リチウムメタクリレートを反応させ、6−(4´−ヒドロキシビフェニル−4−イルオキシ)ヘキシルメタクリレートを合成した。更に、1−ブロモ−3−メチル−2−ブテン反応させ、化学式9に示される単量体4を合成した。
Figure 2008164925
(単量体5)
単量体2に、塩基性の条件下においてナフチルアクリロイルクロライドを加え、化学式10に示される単量体5を合成した。
Figure 2008164925
(重合体1)
単量体1を1、4−ジオキサン中に溶解し、反応開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を添加して重合することにより感光性の重合体1を得た。この重合体1は液晶性を呈した。
(重合体2)
単量体2と単量体3とを、モル比3:7でテトラヒドロフランに溶解し、反応開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を添加して重合することにより感光性の重合体2を得た。この重合体2は液晶性を呈した。
(重合体3)
単量体3と単量体4とメタクリル酸メチルとを、モル比6:2.5:1.5でテトラヒドロフラン中に溶解し、反応開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を添加して重合することにより感光性の重合体3を得た。この重合体3は液晶性を呈した。
(重合体4)
単量体3と単量体4とメタクリル酸メチルとを、モル比5:2.5:2.5でテトラヒドロフラン中に溶解し、反応開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を添加して重合することにより感光性の重合体4を得た。この重合体4は液晶性を呈した。
(重合体5)
単量体2と単量体5とメタクリル酸メチルとを、モル比8:2:1でテトラヒドロフラン中に溶解し、反応開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を添加して重合することにより感光性の重合体5を得た。この重合体5は液晶性を呈した。
(実施例1)
(1)ミクロドメイン形成温度の確認
重合体1を1、4−ジオキサンに溶解した溶液をカバーガラス基板上に塗布した。塗布後、乾燥温度60〜70℃で塗布物に白濁が僅かに生じ、80〜90℃になると白濁が顕著になった。このような白濁によりミクロドメインの形成が示唆された。
(2)位相差フィルムの作製
重合体1のミクロドメイン形成温度を確認した後、スピンコータを用いて、乾燥後の厚みが約6μmとなるよう、この溶液をカバーガラス基板上に塗布した。塗布後、このカバーガラス基板を、ミクロドメイン非形成温度である50℃に設定した加熱プレート上に置いて塗布物を乾燥させた。ついで、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介して直線偏光とし、この基板に対して300秒間照射した。照射後、基板を120℃まで加熱し、120℃に到達後、加熱プレートの電源を切り、そのまま基板をプレート上に放置した。さらに、徐冷した塗布物に対し、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介さず300秒間照射した。このようにして作製した位相差フィルムは、複屈折性を有した。また、位相差フィルムの面内遅相軸は、照射した直線偏光性の紫外光の電界振動方向に対して垂直であった。
(実施例2)
(1)ミクロドメイン形成温度の確認
重合体2と、4、4´−ビス(6−メタクリロイルオキシヘキシルオキシ)ビフェニルと、増感剤としてのミヒラ−ケトン[4、4´−(N、Nビスジメチルアミノ)ベンゾフェノン](2wt%)とを、o−ジクロロベンゼンに溶解し、この溶液を、カバーガラス基板上に塗布した。塗布後、乾燥温度50〜60℃で塗布物に白濁が僅かに生じ、80℃以上になると顕著になった。このような白濁によりミクロドメインの形成が示唆された。
(2)位相差フィルムの作製
重合体2のミクロドメイン形成温度を確認した後、スピンコータを用いて、乾燥後の厚みが約3μmとなるよう、この溶液をカバーガラス基板上に塗布した。塗布後、このカバーガラス基板を、ミクロドメイン非形成温度である30℃に設定した加熱プレート上に置いて塗布物を乾燥させた。ついで、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介して直線偏光とし、この基板に対して600秒間照射した。照射後、基板を120℃まで加熱し、120℃に到達後、加熱プレートの電源を切り、そのまま基板をプレート上に放置した。さらに、徐冷した塗布物に対し、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介さず600秒間照射した。このようにして作製した位相差フィルムは、複屈折性を有した。また、位相差フィルムの面内遅相軸は、照射した直線偏光性の紫外光の電界振動方向に対して平行であった。
(実施例3)
実施例2で使用した溶液を、スピンコータを用いて、乾燥後の厚みが約3μmとなるよう、この溶液をカバーガラス基板上に塗布した。塗布後、このカバーガラス基板を、ミクロドメイン非形成温度である40℃に設定した加熱プレート上に置いて塗布物を乾燥させた。ついで、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介して直線偏光とし、この基板に対して600秒間照射した。照射後、基板を120℃まで加熱し、120℃に到達後、加熱プレートの電源を切り、そのまま基板をプレート上に放置した。さらに、徐冷した塗布物に対し、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介さず600秒間照射した。このようにして作製した位相差フィルムは、複屈折性を有した。また、位相差フィルムの面内遅相軸は、照射した直線偏光性の紫外光の電界振動方向に対して平行であった。
(実施例4)
重合体3と、4、4´−ビス(6−メタクリロイルオキシヘキシルオキシ)ビフェニルと、増感剤としてのミヒラ−ケトン(2wt%)とを、o−ジクロロベンゼンに溶解し、この溶液を、スピンコータを用いて、乾燥後の厚みが約3.3μmとなるようカバーガラス基板上に塗布した。塗布後、このカバーガラス基板を、ミクロドメイン非形成温度である30℃に設定した加熱プレート上に置いて塗布物を乾燥させた。ついで、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介して直線偏光とし、この基板に対して600秒間照射した。照射後、基板を80℃まで加熱し、80℃に到達後、加熱プレートの電源を切り、そのまま基板をプレート上に放置した。さらに、徐冷した塗布物に対し、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介さず600秒間照射した。このようにして作製した位相差フィルムは、複屈折性を有した。また、位相差フィルムの面内遅相軸は、照射した直線偏光性の紫外光の電界振動方向に対して平行であった。
(実施例5)
重合体4と、4、4´−ビス(6−メタクリロイルオキシヘキシルオキシ)ビフェニルと、増感剤としてのミヒラ−ケトン(2wt%)とを、o−ジクロロベンゼンに溶解し、この溶液を、スピンコータを用いて、乾燥後の厚みが約2.4μmとなるようカバーガラス基板上に塗布した。塗布後、このカバーガラス基板を、ミクロドメイン非形成温度である30℃に設定した加熱プレート上に置いて塗布物を乾燥させた。ついで、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介して直線偏光とし、この基板に対して600秒間照射した。照射後、基板を80℃まで加熱し、80℃に到達後、加熱プレートの電源を切り、そのまま基板をプレート上に放置した。さらに、徐冷した塗布物に対し、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介さず600秒間照射した。このようにして作製した位相差フィルムは、複屈折性を有した。また、位相差フィルムの面内遅相軸は、照射した直線偏光性の紫外光の電界振動方向に対して平行であった。
(実施例6)
重合体5と4、4´−ビス(6−メタクリロイルオキシヘキシルオキシ)ビフェニルとをo−ジクロロベンゼンに溶解し、この溶液を、スピンコータを用いて、乾燥後の厚みが約3.2μmとなるようカバーガラス基板上に塗布した。塗布後、このカバーガラス基板を、ミクロドメイン非形成温度である30℃に設定した加熱プレート上に置いて塗布物を乾燥させた。ついで、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介して直線偏光とし、この基板に対して150秒間照射した。照射後、85℃まで加熱し、85℃に到達後、加熱プレートの電源を切り、そのまま基板をプレート上に放置した。さらに、徐冷した塗布物に対し、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介さず150秒間照射した。このようにして作製した位相差フィルムは、複屈折性を有した。また、位相差フィルムの面内遅相軸は、照射した直線偏光性の紫外光の電界振動方向に対して平行であった。
(比較例1)
重合体2と、4、4´−ビス(6−メタクリロイルオキシヘキシルオキシ)ビフェニルと、増感剤としてのミヒラ−ケトン(2wt%)とを、o−ジクロロベンゼンに溶解し、この溶液を、スピンコータを用いて、乾燥後の厚みが約3μmとなるよう、カバーガラス基板上に塗布した。塗布後、このカバーガラス基板を、ミクロドメインが形成する温度である85℃に設定した加熱プレート上に置いて塗布物を乾燥させた。ついで、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介して直線偏光とし、この基板に対して600秒間照射した。照射後、基板を100℃に到達後、加熱プレートの電源を切り、そのまま基板をプレート上に放置した。さらに、徐冷した塗布物に対し、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介さず600秒間照射した。このようにして作製した位相差フィルムは複屈折性を有したが、フィルムが白濁するとともに面内位相差を発現しなかった。
(比較例2)
重合体2と、4、4´−ビス(6−メタクリロイルオキシヘキシルオキシ)ビフェニルと、増感剤としてのミヒラ−ケトン(2wt%)とを、o−ジクロロベンゼンに溶解し、この溶液を、スピンコータを用いて、乾燥後の厚みが約3μmとなるよう、カバーガラス基板上に塗布した。塗布後、このカバーガラス基板を、ミクロドメイン非形成温度である30℃に設定したプレート上に置いて塗布物を乾燥させた。その後この基板を120℃に加熱した後に急冷し、透明な等方性のフィルムを得た。ついで、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介して直線偏光とし、この基板に対して600秒間照射した。照射後、基板を100℃に到達後、加熱プレートの電源を切り、そのまま基板をプレート上に放置した。さらに、徐冷した塗布物に対し、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介さず600秒間照射した。このようにして作製した位相差フィルムは、複屈折性を有し、その面内遅相軸は、照射した直線偏光の電界振動方向に対して平行であった。
(比較例3)
重合体3と、4、4´−ビス(6−メタクリロイルオキシヘキシルオキシ)ビフェニルと、増感剤としてのミヒラ−ケトン(2wt%)とを、o−ジクロロベンゼンに溶解し、この溶液を、スピンコータを用いて、乾燥後の厚みが約3.3μmとなるよう、カバーガラス基板上に塗布した。塗布後、このカバーガラス基板を、ミクロドメイン非形成温度である30℃に設定したプレート上に置いて塗布物を乾燥させた。その後この基板を120℃に加熱した後に急冷し、透明な等方性のフィルムを得た。ついで、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介して直線偏光とし、この基板に対して
600秒間照照射した。照射後、基板を100℃に到達後、加熱プレートの電源を切り、そのまま基板をプレート上に放置した。さらに、徐冷した塗布物に対し、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介さず600秒間照射した。このようにして作製した位相差フィルムは、複屈折性を有し、その面内遅相軸は、照射した直線偏光の電界振動方向に対して平行であった。
(比較例4)
重合体4と、4、4´−ビス(6−メタクリロイルオキシヘキシルオキシ)ビフェニルと、増感剤としてのミヒラ−ケトン(2wt%)とを、o−ジクロロベンゼンに溶解し、この溶液を、スピンコータを用いて、乾燥後の厚みが約2.4μmとなるよう、カバーガラス基板上に塗布した。塗布後、このカバーガラス基板を、ミクロドメイン非形成温度である30℃に設定したプレート上に置いて塗布物を乾燥させた。その後この基板を120℃に加熱した後に急冷し、透明な等方性のフィルムを得た。ついで、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介して直線偏光とし、この基板に対して
600秒間照射した。照射後、基板を100℃に到達後、加熱プレートの電源を切り、そのまま基板をプレート上に放置した。さらに、徐冷した塗布物に対し、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介さず600秒間照射した。このようにして作製した位相差フィルムは、複屈折性を有し、その面内遅相軸は、照射した直線偏光の電界振動方向に対して平行であった。
(比較例5)
重合体5と4、4´−ビス(6−メタクリロイルオキシヘキシルオキシ)ビフェニルとをo−ジクロロベンゼンに溶解し、この溶液を、スピンコータを用いて、乾燥後の厚みが約3.2μmとなるよう、カバーガラス基板上に塗布した。塗布後、このカバーガラス基板を、ミクロドメイン非形成温度である30℃に設定したプレート上に置いて塗布物を乾燥させた。その後この基板を120℃に加熱した後に急冷し、透明な等方性のフィルムを得た。ついで、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介して直線偏光とし、この基板に対して150秒間照射した。照射後、基板を100℃に到達後、加熱プレートの電源を切り、そのまま基板をプレート上に放置した。さらに、徐冷した塗布物に対し、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介さず150秒間照射した。このようにして作製した位相差フィルムは、複屈折性を有し、その面内遅相軸は、照射した直線偏光の電界振動方向に対して平行であった。
表1に、実施例1〜6および比較例1〜5の位相差フィルムの位相差角度依存性を測定した結果を示す。位相差測定値は、基板法線方向を0°方向の位相差値[Re(0°)]、面内遅相軸を傾斜軸として40°傾斜させた場合の位相差値[Re(40°)]を示している。Nz係数は、前述したように、位相差フィルムの屈折率楕円体の形態を表す指標であり、基板上の配向層の屈折率成分nx、ny、nz(ここで、nx、nyは基板面内の屈折率、nzは基板に対して法線方向の屈折率である。)とすると式1で表すことができる。このNz係数は、位相差角度依存性から推定でき、表1において、Nz係数は測定値から推定したものである。
Nz=(nx−nz)/|nx−ny| …式1
Figure 2008164925
上記実施例1〜6では、光配向性材料がミクロドメインを形成する温度より低い温度で塗布物を乾燥させた後、この塗布物に対して直線偏光性の光を照射し、さらに照射した塗布物を加熱するという簡便な方法であっても、フィルム厚み方向の屈折率が制御され、配向軸(面内遅相軸)が均一で均質な位相差フィルムが製造できた。一方、比較例1では、ミクロドメインを形成する温度で乾燥したため、フィルムが白濁した。また、比較例1は、面内位相差が生じなかった。また、比較例2〜5では、塗布物を等方相転移温度以上に加熱して急冷することによりミクロドメインの形成が抑制された等方性のフィルムが得られたが、これらのフィルムではNz係数が1未満ではなく、フィルムの厚み方向の屈折率を制御できなかった。
本発明の位相差フィルムの複屈折性(nx>nz>ny)の形態を説明する模式図である。 本発明の位相差フィルムの複屈折性(nz>nx>ny)の形態を説明する模式図である。
符号の説明
11:屈折率楕円体
21:屈折率楕円体

Claims (6)

  1. 光配向性材料の光架橋物で構成された位相差フィルムであって、前記光配向性材料が、メソゲン形成性基と感光性基とで構成されたユニットを有する液晶性高分子で少なくとも構成されるとともに、前記光架橋物が、少なくとも直線偏光性の照射線の照射により架橋された光架橋物であり、かつフィルムのNz係数が1未満である位相差フィルム。
  2. 液晶性高分子が、下記式1または2で表される側鎖を少なくとも1つ有する請求項1記載の位相差フィルム。
    Figure 2008164925
    式中、k=0または1〜12の整数;l=0または1;m=0または1;n=1〜3の整数;p=1〜12の整数;q=0または1〜12の整数;X=直接結合、C1−3アルキレン基、−C=C−、−C≡C−、−O−、−N=N−、−COO−、または−OCO−;Y=直接結合、アルキレン基、アリーレン基、−C=C−、−C≡C−、−O−、−N=N−、−COO−、または−OCO−;R〜Rは、それぞれ同一または異なって、水素原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、アルキニル基、またはハロゲン原子;W=シンナモイル基、シンナミリデン基、シンナミリジン基、カルコン基、フリルアクリロイル基、ビフェニルアクリロイル基、ナフチルアクリロイル基、クマリン基、ベンゾフェノン基、またはこれらの誘導体を示す。
  3. 液晶性高分子が、下記式3で表される側鎖と下記式4で表される側鎖とを有する請求項1記載の位相差フィルム。
    Figure 2008164925
    式中、pおよびrは、それぞれ同一または異なって、1〜12の整数;qおよびsは、それぞれ同一または異なって、0または1〜12の整数;YおよびYは、それぞれ同一または異なって、直接結合、アルキレン基、アリーレン基、−C=C−、−C≡C−、−O−、−N=N−、−COO−、または−OCO−;R〜Rは、それぞれ同一または異なって、水素原子、アルキル基、アルキルオキシ基、またはハロゲン原子;W=シンナモイル基、シンナミリデン基、シンナミリジン基、カルコン基、フリルアクリロイル基、ビフェニルアクリロイル基、ナフチルアクリロイル基、クマリン基、ベンゾフェノン基、またはこれらの誘導体、W=水素原子、−OH、−CN、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルオキシ基、ハロゲン原子、ハルアルキル基、またはこれらの誘導体を示す。
  4. 光配向性材料が、さらに液晶性低分子化合物を含む請求項1から3のいずれかに記載の位相差フィルム。
  5. 光配向性材料を基板に対して塗布する塗布工程と、塗布物をミクロドメイン非形成温度で乾燥する乾燥工程と、乾燥した塗布物に対して直線偏光性の照射線を照射する照射工程と、照射された塗布物を加熱する加熱工程と、加熱された塗布物を徐冷する徐冷工程とで構成された請求項1記載の位相差フィルムの製造方法。
  6. 請求項1記載の位相差フィルムを用いた液晶表示装置。
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