JP7200558B2 - 重合性組成物、位相差フィルム及びその製造方法、転写用積層体、光学部材及びその製造方法、並びに表示装置 - Google Patents

重合性組成物、位相差フィルム及びその製造方法、転写用積層体、光学部材及びその製造方法、並びに表示装置 Download PDF

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Description

本開示は、重合性組成物、位相差フィルム及びその製造方法、転写用積層体、光学部材及びその製造方法、並びに表示装置に関する。
従来、液晶表示装置や発光表示装置等の表示装置に関して、位相差フィルムや偏光板等の光学部材をパネル面に配置する構成が提案されている。
例えば有機発光表示装置等の発光表示装置においては、発光層の光を効率よく利用するため、反射性に優れた金属電極が設けられている。一方、当該金属電極を用いることにより、外光反射が大きくなる。そのため、発光表示装置においては、当該外光反射を抑制することを目的として、視認側に、直線偏光を円偏光に変換する1/4波長板と偏光子からなる円偏光板を用いることが知られている。
位相差フィルムには、前記1/4波長板の他、直線偏光の偏光振動面を90度変換する1/2波長板等がある。これらの位相差フィルムは、ある特定の単色光に対しては正確に光線波長の1/4λ又は1/2λの位相差に変換可能なものである。しかしながら、従来の位相差フィルムには、位相差フィルムを通過して出力される偏光が有色の偏光に変換されてしまうという問題があった。これは位相差フィルムを構成する材料が位相差について波長分散性を有し、可視光域の光線が混在する白色光に対して各波長ごとの偏光状態に分布が生じることに起因する。この問題を防ぐためには、各波長において設計した位相差になるよう、波長分散性を制御する必要があり、広い波長域の光に対して均一な位相差を与え得る広帯域位相差フィルム、いわゆる逆波長分散性を有する位相差フィルムが求められている。
位相差フィルムは、フィルムを延伸して製造する方法や、例えば、配向処理した支持体上に、液晶化合物を含む重合性組成物を塗布し、溶剤を乾燥させ、液晶化合物を配向させた後、紫外線又は熱により重合させることによって製造する方法が挙げられる。
逆波長分散性を有する位相差フィルムとしては、例えば、2枚の位相差層を配向軸の方向にそれぞれ角度を付けて積層する方法が提案されている(特許文献1及び2)。しかし、このような積層体では、2枚の位相差層が必要であり、且つ2枚の位相差層を積層する際の製造上の煩雑さや位相差フィルムの膜厚が厚くなるなどの課題があった。
携帯型情報端末の高機能化及び普及に伴い、表示装置の厚みを薄くすることが求められてきており、その結果、構成部材である位相差フィルムの薄膜化も求められている。
そのため、1層で逆波長分散性を有する位相差層を構成することができるように、複屈折率(△n)の波長分散性を小さく若しくは逆にする特性を実現する、逆波長分散性の液晶化合物の開発が行われてきている(例えば特許文献3~4)。なお、位相差フィルムに対する入射光の波長λを横軸に取り、その複屈折率(△n=異常光に対する屈折率n-常光に対する屈折率n)を縦軸にプロットして得たグラフの傾きが正(右肩上がり)である場合、その複屈折率の波長分散は逆である、又はその位相差フィルムを構成する材料の液晶化合物は逆波長分散性である、と一般的に言われている。
しかしながら、例えば特許文献3~4の化合物など、従来の逆波長分散性を有する液晶化合物は複屈折率(△n)が小さいため、所望の位相差(Re(λ)=複屈折率△n(λ)×膜厚d)を得るためには、膜厚を厚くする必要があった。
また、例えば1/4波長板において、理想的な逆波長分散性が得られれば、可視光域全ての波長で円偏光に変換できるため、完全な外光の反射防止が可能になる。しかしながら、従来の逆波長分散性を有する液晶化合物は、逆波長分散性が不十分であり、理想的な逆波長分散性に近付けることが望まれている。
特許文献5には、実用的な低い融点を有し、汎用溶媒に対する溶解性に優れ、広い波長域において一様の偏光変換が可能な光学フィルムを得ることが出来る重合性化合物として、化合物の主鎖の1個の4価のベンゼン環基に、2つの側鎖を有する構造が開示されている。特許文献5の重合性化合物自体は、液晶性を有しないことが示されている(特許文献5の表1)。特許文献5の重合性化合物に従来の逆波長分散性液晶化合物を混合することによって、逆波長分散性となる光学フィルムが示されているが、その逆波長分散性は理想的な逆波長分散性とは隔たりが大きいものである。
また、逆波長分散性を有する液晶化合物は、一般的に溶剤に対する溶解性が悪いため、溶剤溶解性の向上及び溶液としたときの安定性の向上が求められている。
特許文献6には、重合性組成物に添加した際に結晶の析出が起こらず高い保存安定性を有するような重合性化合物として、化合物の主鎖の1個の3価のベンゼン環基Mに1つの側鎖を有し、3価のベンゼン環基Mの主鎖方向の2つの置換基のうち、一方の置換基には1つの環構造を有し、もう一方の置換基には2つの環構造を有することを特徴とした重合性化合物が開示されている。
特許文献7には、重合性組成物に添加した際に結晶の析出が起こらず高い保存安定性を有するような重合性化合物として、特許文献6と同様の化合物、及び特許文献5と同様の化合物の主鎖の1個の4価のベンゼン環基に、2つの側鎖を有する構造が開示されている。
特開平10-68816号公報 特開2001-4837号公報 特表2010-522893号公報 特許5962760号公報 国際公開2014/061709号公報 国際公開2016/136533号公報 国際公開2016/104317号公報
更に、従来の逆波長分散性を有する位相差層は、偏光顕微鏡観察で欠点が見られる場合があり、配向性の更なる向上が求められている。
本開示の実施形態は、前述のような実情を鑑み、複屈折率(△n)が大きく、逆波長分散性を有し、配向性が向上した位相差層を形成可能であり、保存安定性が向上した重合性組成物、当該重合性組成物の硬化物を含む位相差層を有する位相差フィルム及びその製造方法、前記位相差層を転写可能な転写用積層体、前記位相差フィルムを有する光学部材及びその製造方法、並びに、表示装置を提供することを目的とする。
本開示の1実施形態は、下記一般式(1)で表される重合性液晶化合物と、下記一般式(2)で表される重合性化合物とを含有する、重合性組成物を提供する。
Figure 0007200558000001
(一般式(1)及び一般式(2)中、L、L、L及びLはそれぞれ独立して、-O-、-S-、-OCH-、-CHO-、-CHCH-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-OCO-NH-、-NH-COO-、-NH-CO-NH-、-NH-O-、-O-NH-、-SCH-、-CHS-、-CFO-、-OCF-、-CFS-、-SCF-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-COO-CHCH-、-OCO-CHCH-、-CHCH-COO-、-CHCH-OCO-、-COO-CH-、-OCO-CH-、-CH-COO-、-CH-OCO-、-CH=CH-、-N=N-、-CH=N-、-N=CH-、-CH=N-N=CH-、-CF=CF-、-C≡C-又は単結合を表し、
及びAはそれぞれ独立して、無置換であるか又は1つ以上の置換基Eによって置換されていても良いシクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、シクロヘプタン-1,4-ジイル基、シクロヘプタン-1,3-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基を表し、
及びAはそれぞれ独立して、無置換であるか又は1つ以上の置換基Eによって置換されていても良いシクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、シクロヘプタン-1,4-ジイル基、シクロヘプタン-1,3-ジイル基、ベンゼン-1,4-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-2,7-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基、テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基を表し、
及びRはそれぞれ独立して、下記一般式(R-1)から選ばれる基を表し、
一般式(R-1): -L-Rsp1-Z
一般式(R-1)中、Lは、-O-、-S-、-OCH-、-CHO-、-CHCH-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-OCO-NH-、-NH-COO-、-NH-CO-NH-、-NH-O-、-O-NH-、-SCH-、-CHS-、-CFO-、-OCF-、-CFS-、-SCF-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-COO-CHCH-、-OCO-CHCH-、-CHCH-COO-、-CHCH-OCO-、-COO-CH-、-OCO-CH-、-CH-COO-、-CH-OCO-、-CH=CH-、-N=N-、-CH=N-、-N=CH-、-CH=N-N=CH-、-CF=CF-、-C≡C-又は単結合を表し、Rsp1は、炭素原子数1~20のアルキレン基又は単結合を表し、当該アルキレン基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-CH=CH-又は-C≡C-に置き換えられていても良く、Zは重合性官能基を表す。
及びDはそれぞれ独立して、下記一般式(D-1)から選ばれる基を表し、一般式(2)内に複数存在するD及びDは各々同一であり、一般式(1)と一般式(2)とで、D及びDは各々同一であり、
置換基E、E及びEはそれぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、ニトロ基、シアノ基、イソシアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、トリメチルシリル基、ジメチルシリル基、チオイソシアノ基、又は、炭素原子数1~20のアルキル基を表し、当該アルキル基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-に置き換えられていても良く、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子によって置換されていても良く、或いは、置換基E、E及びEはそれぞれ独立して、-L-RspE-Zで表される基を表しても良く、ここでL、RspE、及びZは、それぞれ、前記L、Rsp1、及びZで定義されるものと同一のものを表すが、それぞれ前記L、Rsp1、及びZと同一であっても異なっていても良く、化合物内に置換基E、E及びEがそれぞれ複数存在する場合は、各々同一であっても異なっていても良く、
11及びL12はそれぞれ独立して、前記L~Lで定義されるものと同一のものを表すが、各々前記L~Lと同一であっても異なっていても良く、
11は、前記A~Aで定義されるものと同一のものを表すが、前記A~Aと同一であっても異なっていても良く、
一般式(1)内及び一般式(2)内の各々において、L、L、L11、L12、A、A及びA11がそれぞれ複数存在する場合は、各々同一であっても異なっていても良く、一般式(1)と一般式(2)とで、L~L、A~A、R、R、E及びEは、各々同一であっても異なっていても良い。
m1及びm2はそれぞれ独立して1~4の整数を表し、n1及びn2はそれぞれ独立して0~3の整数を表し、nは1以上の整数を表し、一般式(2)内に複数存在するn1及びn2は、各々同一であっても異なっていても良く、一般式(1)と一般式(2)とで、m1、m2、n1及びn2は、各々同一であっても異なっていても良い。)
Figure 0007200558000002
(一般式(D-1)中、Gは水素原子又は炭素原子数1~6のアルキル基を表すが、当該アルキル基は無置換であるか又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されていても良く、
は、芳香環を有する炭素原子数2~30の有機基を表すが、当該芳香環は無置換であるか又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されていても良く、
は、-O-、-S-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-NQ-、-N=CQ-、-CO-NQ-、-OCO-NQ-又は-O-NQ-を表し、Qは水素原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数3~12のシクロアルキル基、炭素原子数3~12のシクロアルケニル基、芳香環を有する炭素原子数2~30の有機基、又は-(L-A-L-Rsp2-Zを表し、当該アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、及び芳香環はそれぞれ、無置換であるか又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されていても良く、当該アルキル基は当該シクロアルキル基又はシクロアルケニル基によって置換されていても良く、当該アルキル基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は各々独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-SO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-に置き換えられていても良く、当該シクロアルキル基又はシクロアルケニル基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は各々独立して-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、又は-O-CO-O-に置き換えられていても良く、L、A、L、Rsp2、及びZは、それぞれ、前記L~L、A~A、L、Rsp1、及びZで定義されるものと同一のものを表すが、それぞれ前記L~L、A~A、L、Rsp1、及びZと同一であっても異なっていても良く、qは0~4の整数を表し、L及びAがそれぞれ複数存在する場合は、各々同一であっても異なっていても良い。また、QとQは結合して環を構成していても良い。)
本開示の1実施形態は、位相差層を有する位相差フィルムであって、前記位相差層が、前記本開示の1実施形態の重合性組成物の硬化物を含有する、位相差フィルムを提供する。
本開示の1実施形態は、前記本開示の1実施形態の重合性組成物を成膜する工程と、
前記成膜された前記重合性組成物中の前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物を少なくとも配向させる工程と、
前記配向させる工程の後に、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物を少なくとも重合する工程とを有することにより、位相差層を形成する工程を有する、位相差フィルムの製造方法を提供する。
本開示の1実施形態は、位相差層と、前記位相差層を剥離可能に支持した支持体とを備え、
前記位相差層が、前記本開示の1実施形態の重合性組成物の硬化物を含有する、
位相差層の転写に供する転写用積層体を提供する。
本開示の1実施形態は、前記本開示の1実施形態の位相差フィルム上に、偏光板を備える光学部材を提供する。
本開示の1実施形態は、位相差層と、前記位相差層を剥離可能に支持した支持体とを備え、前記位相差層が、前記本開示の1実施形態の重合性組成物の硬化物を含有する、位相差層の転写に供する転写用積層体を準備する工程と、
少なくとも偏光板を含む被転写体と、前記転写用積層体の前記位相差層とを対向させ、前記被転写体上に前記転写用積層体を転写する転写工程と、
前記被転写体上に転写された前記転写用積層体から、前記支持体を剥離する剥離工程と、
を有する、光学部材の製造方法を提供する。
また、本開示の1実施形態は、前記本開示の1実施形態の位相差フィルム又は、前記本開示の1実施形態の光学部材を備える表示装置を提供する。
本開示の実施形態によれば、複屈折率(△n)が大きく、逆波長分散性を有し、配向性が向上した位相差層を形成可能であり、保存安定性が向上した重合性組成物、当該重合性組成物の硬化物を含む位相差層を有する位相差フィルム及びその製造方法、前記位相差層を転写可能な転写用積層体、前記位相差フィルムを有する光学部材及びその製造方法、並びに、表示装置を提供することができる。
図1は、位相差フィルムの1実施形態を示す模式断面図である。 図2は、位相差フィルムの1実施形態を示す模式断面図である。 図3は、位相差フィルムの1実施形態を示す模式断面図である。 図4は、転写用積層体の1実施形態を示す模式断面図である。 図5は、転写用積層体の1実施形態を示す模式断面図である。 図6は、転写用積層体の1実施形態を示す模式断面図である。 図7は、光学部材の1実施形態を示す模式断面図である。 図8は、表示装置の1実施形態を示す模式断面図である。
以下、本開示の実施の形態や実施例などを、図面等を参照しながら説明する。但し、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態や実施例等の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。また、説明の便宜上、上方又は下方という語句を用いて説明する場合があるが、上下方向が逆転してもよい。
「本明細書において、ある部材又はある領域等のある構成が、他の部材又は他の領域等の他の構成の「上に(又は下に)」あるとする場合、特段の限定がない限り、これは他の構成の直上(又は直下)にある場合のみでなく、他の構成の上方(又は下方)にある場合を含み、すなわち、他の構成の上方(又は下方)において間に別の構成要素が含まれている場合も含む。
本開示において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルの各々を表し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの各々を表す。
また、本明細書において「板」、「シート」、「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではなく、「フィルム面(板面、シート面)」とは、対象となるフィルム状(板状、シート状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるフィルム状部材(板状部材、シート状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。
A.重合性組成物
本開示の重合性組成物は、下記一般式(1)で表される重合性液晶化合物と、下記一般式(2)で表される重合性化合物とを含有する。
Figure 0007200558000003
(一般式(1)及び一般式(2)中、L、L、L及びLはそれぞれ独立して、-O-、-S-、-OCH-、-CHO-、-CHCH-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-OCO-NH-、-NH-COO-、-NH-CO-NH-、-NH-O-、-O-NH-、-SCH-、-CHS-、-CFO-、-OCF-、-CFS-、-SCF-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-COO-CHCH-、-OCO-CHCH-、-CHCH-COO-、-CHCH-OCO-、-COO-CH-、-OCO-CH-、-CH-COO-、-CH-OCO-、-CH=CH-、-N=N-、-CH=N-、-N=CH-、-CH=N-N=CH-、-CF=CF-、-C≡C-又は単結合を表し、
及びAはそれぞれ独立して、無置換であるか又は1つ以上の置換基Eによって置換されていても良いシクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、シクロヘプタン-1,4-ジイル基、シクロヘプタン-1,3-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基を表し、
及びAはそれぞれ独立して、無置換であるか又は1つ以上の置換基Eによって置換されていても良いシクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、シクロヘプタン-1,4-ジイル基、シクロヘプタン-1,3-ジイル基、ベンゼン-1,4-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-2,7-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基、テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基を表し、
及びRはそれぞれ独立して、下記一般式(R-1)から選ばれる基を表し、
一般式(R-1): -L-Rsp1-Z
一般式(R-1)中、Lは、-O-、-S-、-OCH-、-CHO-、-CHCH-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-OCO-NH-、-NH-COO-、-NH-CO-NH-、-NH-O-、-O-NH-、-SCH-、-CHS-、-CFO-、-OCF-、-CFS-、-SCF-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-COO-CHCH-、-OCO-CHCH-、-CHCH-COO-、-CHCH-OCO-、-COO-CH-、-OCO-CH-、-CH-COO-、-CH-OCO-、-CH=CH-、-N=N-、-CH=N-、-N=CH-、-CH=N-N=CH-、-CF=CF-、-C≡C-又は単結合を表し、Rsp1は、炭素原子数1~20のアルキレン基又は単結合を表し、当該アルキレン基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-CH=CH-又は-C≡C-に置き換えられていても良く、Zは重合性官能基を表す。
及びDはそれぞれ独立して、下記一般式(D-1)から選ばれる基を表し、一般式(2)内に複数存在するD及びDは各々同一であり、一般式(1)と一般式(2)とで、D及びDは各々同一であり、
置換基E、E及びEはそれぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、ニトロ基、シアノ基、イソシアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、トリメチルシリル基、ジメチルシリル基、チオイソシアノ基、又は、炭素原子数1~20のアルキル基を表し、当該アルキル基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-に置き換えられていても良く、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子によって置換されていても良く、或いは、置換基E、E及びEはそれぞれ独立して、-L-RspE-Zで表される基を表しても良く、ここでL、RspE、及びZは、それぞれ、前記L、Rsp1、及びZで定義されるものと同一のものを表すが、それぞれ前記L、Rsp1、及びZと同一であっても異なっていても良く、化合物内に置換基E、E及びEがそれぞれ複数存在する場合は、各々同一であっても異なっていても良く、
11及びL12はそれぞれ独立して、前記L~Lで定義されるものと同一のものを表すが、各々前記L~Lと同一であっても異なっていても良く、
11は、前記A~Aで定義されるものと同一のものを表すが、前記A~Aと同一であっても異なっていても良く、
一般式(1)内及び一般式(2)内の各々において、L、L、L11、L12、A、A及びA11がそれぞれ複数存在する場合は、各々同一であっても異なっていても良く、一般式(1)と一般式(2)とで、L~L、A~A、R、R、E及びEは、各々同一であっても異なっていても良い。
m1及びm2はそれぞれ独立して1~4の整数を表し、n1及びn2はそれぞれ独立して0~3の整数を表し、nは1以上の整数を表し、一般式(2)内に複数存在するn1及びn2は、各々同一であっても異なっていても良く、一般式(1)と一般式(2)とで、m1、m2、n1及びn2は、各々同一であっても異なっていても良い。)
Figure 0007200558000004
(一般式(D-1)中、Gは水素原子又は炭素原子数1~6のアルキル基を表すが、当該アルキル基は無置換であるか又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されていても良く、
は、芳香環を有する炭素原子数2~30の有機基を表すが、当該芳香環は無置換であるか又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されていても良く、
は、-O-、-S-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-NQ-、-N=CQ-、-CO-NQ-、-OCO-NQ-又は-O-NQ-を表し、Qは水素原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数3~12のシクロアルキル基、炭素原子数3~12のシクロアルケニル基、芳香環を有する炭素原子数2~30の有機基、又は-(L-A-L-Rsp2-Zを表し、当該アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、及び芳香環はそれぞれ、無置換であるか又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されていても良く、当該アルキル基は当該シクロアルキル基又はシクロアルケニル基によって置換されていても良く、当該アルキル基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は各々独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-SO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-に置き換えられていても良く、当該シクロアルキル基又はシクロアルケニル基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は各々独立して-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、又は-O-CO-O-に置き換えられていても良く、L、A、L、Rsp2、及びZは、それぞれ、前記L~L、A~A、L、Rsp1、及びZで定義されるものと同一のものを表すが、それぞれ前記L~L、A~A、L、Rsp1、及びZと同一であっても異なっていても良く、qは0~4の整数を表し、L及びAがそれぞれ複数存在する場合は、各々同一であっても異なっていても良い。また、QとQは結合して環を構成していても良い。)
本開示の重合性組成物に含まれる前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物は、主鎖部分に含まれるビフェニレン基によって分子同士の配向性が高く、更に当該ビフェニレン基の2つのベンゼン環にそれぞれ1つずつ、合計2つの側鎖を有するため、逆波長分散性を有しながら、複屈折率(△n)が大きい液晶化合物となる。そのため、本開示の重合性組成物を用いて、複屈折率(△n)が大きく、逆波長分散性を有する位相差層を形成することができる。
また、本開示の重合性組成物は、保存安定性が向上したものであるため、溶剤を更に含有させた溶液とした場合において、長期間保存しても、沈殿物の析出が抑制される。本開示の重合性組成物においては、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物が、ビフェニレン基に近接するA及びAに、前記特定の脂環式炭化水素基が導入されていることにより、溶剤溶解性の低下が抑制されており、更に、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物に、前記一般式(2)で表される重合性化合物を組み合わせて含有することにより、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物の凝集が抑制される。前記一般式(2)で表される重合性化合物は、前記一般式(1)で表される構造の主鎖部分に、側鎖を有するビフェニレン基を特定の連結基を介して2つ以上導入した以外は、前記一般式(1)と同様の構造を有する化合物である。前記一般式(2)で表される重合性化合物は、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物に対し、ビフェニレン基が有する側鎖の数が2倍以上であることにより、溶剤溶解性が向上している。前記一般式(2)で表される重合性化合物を前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物と組み合わせて用いると、溶剤中において、より溶剤溶解性の高い前記一般式(2)で表される重合性化合物が、構造の類似した前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物の溶解を補助し、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物の凝集を抑制して、沈殿物の析出を抑制すると推定される。
更に、本開示の重合性組成物は、配向性が向上した位相差層を形成することができるものである。本開示の重合性組成物中では、上述したように、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物の凝集が抑制されるため、本開示の重合性組成物を成膜した際に塗膜が均一になり易く、塗膜が均一であると、塗膜中の液晶性成分の配向も均一になり易いことから、位相差層としたときの配向性が向上すると推定される。
また、本開示の重合性組成物においては、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物が、複屈折率(△n)が大きく、逆波長分散性を有するため、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物の配合量を低減しても、所望の逆波長分散性を有する位相差層を得ることが可能であり、より薄膜の位相差層を得ることができる。
また、本開示の重合性組成物においては、更に他の液晶化合物を組み合わせて用いることにより、位相差を調整することが可能である。
本開示の重合性組成物は、少なくとも前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物と、前記一般式(2)で表される重合性化合物とを含有し、典型的には更に溶剤を含有し、効果を損なわない範囲で更に他の成分を含有していてもよいものである。以下、本開示の重合性組成物を構成する各成分について順に説明する。
1.一般式(1)で表される重合性液晶化合物
前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物は、前記特定のRからRに至る主鎖構造に特定の構造を有することから、分子同士の配向性が向上し、単独で液晶性を示すことができ、また、末端に重合性基を有することから、他の重合性基を有する化合物と重合することができる重合性液晶化合物である。
一般式(1)中のL、L、L及びLは、それぞれ独立して、-O-、-S-、-OCH-、-CHO-、-CHCH-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-OCO-NH-、-NH-COO-、-NH-CO-NH-、-NH-O-、-O-NH-、-SCH-、-CHS-、-CFO-、-OCF-、-CFS-、-SCF-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-COO-CHCH-、-OCO-CHCH-、-CHCH-COO-、-CHCH-OCO-、-COO-CH-、-OCO-CH-、-CH-COO-、-CH-OCO-、-CH=CH-、-N=N-、-CH=N-、-N=CH-、-CH=N-N=CH-、-CF=CF-、-C≡C-又は単結合を表す。二価の連結基又は単結合を表す。なお、L及びLがそれぞれ独立して、複数存在する場合は、各々同一であっても異なっていても良い。
及びLとしてより具体的には、液晶性、原料の入手容易さ及び合成の容易さの観点から、各々独立して-COO-、-OCO-、-OCH-、-CHO-、-CFO-、-OCF-、-CHCH-、-CFCF-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-COO-CHCH-、-OCO-CHCH-、-CHCH-COO-、-CHCH-OCO-、-CH=CH-、-CF=CF-、-C≡C-又は単結合を表すことが好ましく、-COO-、-OCO-、-OCH-、-CHO-、-CFO-、-OCF-、-CHCH-、-COO-CHCH-、-OCO-CHCH-、-CHCH-COO-、-CHCH-OCO-、-CH=CH-、-C≡C-又は単結合を表すことがより好ましく、-COO-、-OCO-、-OCH-、-CHO-、-CFO-、-OCF-又は単結合を表すことがさらに好ましく、-COO-、-OCO-、-OCH-、-CHO-、又は単結合を表すことがさらにより好ましく、-COO-、-OCO-、-OCH-、又は-CHO-を表すことが特に好ましい。
及びLとしてより具体的には、原料の入手容易さ及び合成の容易さの観点から、各々独立して-O-、-S-、-OCH-、-CHO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-COO-CHCH-、-OCO-CHCH-、-CHCH-COO-、-CHCH-OCO-又は単結合を表すことが好ましく、複数存在する場合は各々同一であっても異なっていても良く、各々独立して-O-、-OCH-、-CHO-、-COO-、-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-COO-CHCH-、-OCO-CHCH-、-CHCH-COO-、-CHCH-OCO-又は単結合を表すことがより好ましく、複数存在する場合は各々同一であっても異なっていても良く、各々独立して-O-、-COO-、-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-COO-CHCH-、-OCO-CHCH-、又は単結合を表すことが特に好ましい。
一般式(1)中のA及びAはそれぞれ独立して、無置換であるか又は1つ以上の置換基Eによって置換されていても良いシクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、シクロヘプタン-1,4-ジイル基、シクロヘプタン-1,3-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基を表すが、中でも液晶性を向上させ、配向性を向上させることが容易になる点から、無置換であるか又は1つ以上の置換基Eによって置換されていても良い、シクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、シクロヘプタン-1,4-ジイル基、又はシクロドデカン-1,5-ジイル基であることが更に好ましく、無置換であるか又は1つ以上の置換基Eによって置換されていても良い、シクロヘキサン-1,4-ジイル基であることが特に好ましい。
また、一般式(1)中のA及びAは、L、L(又はL、L)と結合する炭素原子の立体配置の相違に基づく、シス型、トランス型の立体異性体が存在し得るが、シス型であってもトランス型であっても、あるいはシス型とトランス型の異性体混合物であってもよく、中でも配向性が良好であることから、トランス型あるいはシス型であるのが好ましく、トランス型がより好ましい。
一般式(1)中のA及びAはそれぞれ独立して、無置換であるか又は1つ以上の置換基Eによって置換されていても良いシクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、シクロヘプタン-1,4-ジイル基、シクロヘプタン-1,3-ジイル基、ベンゼン-1,4-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-2,7-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基、テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基を表すが、中でも液晶性を向上させ、配向性を向上させることが容易になる点から、ベンゼン-1,4-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、又は1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基であることが好ましく、無置換であるか又は1つ以上の置換基Eによって置換されていても良いベンゼン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基又はシクロヘキサン-1,4-ジイル基であることが好ましく、ベンゼン-1,4-ジイル基又はシクロヘキサン-1,4-ジイル基であることがより好ましく、ベンゼン-1,4-ジイル基であることが特に好ましい。
なお、一般式(1)中、A及びAがそれぞれ複数存在する場合は、各々同一であっても異なっていても良い。
置換基Eはそれぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、ニトロ基、シアノ基、イソシアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、トリメチルシリル基、ジメチルシリル基、チオイソシアノ基、又は、1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-に置き換えられても良い炭素原子数1~20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すが、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、或いは、置換基Eはそれぞれ独立して、-L-RspE-Zで表される基を表しても良く、ここでL、RspE、及びZは、それぞれ、後述するL、Rsp1、及びZで定義されるものと同一のものを表すが、それぞれ前記L、Rsp1、及びZと同一であっても異なっていても良く、化合物内に置換基Eがそれぞれ複数存在する場合は、各々同一であっても異なっていても良い。
液晶性、合成の容易さの観点から、置換基Eは、フッ素原子、塩素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、ニトロ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、又は、任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は各々独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-O-CO-O-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-から選択される基に置き換えられても良い炭素原子数1~20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すことが好ましく、フッ素原子、塩素原子、又は、任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は各々独立して-O-、-COO-又は-OCO-から選択される基に置き換えられても良い炭素原子数1~12の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すことがより好ましく、フッ素原子、塩素原子、又は、任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良い炭素原子数1~12の直鎖状又は分岐状アルキル基若しくはアルコキシ基を表すことがさらに好ましく、フッ素原子、塩素原子、又は、炭素原子数1~8の直鎖アルキル基若しくは直鎖アルコキシ基を表すことが特に好ましい。
また、A及びAに置換されていても良い置換基E、中でも、R及びRがそれぞれ結合しているA及びAに置換されていても良い置換基Eとしては、-L-RspE-Zで表される基も好ましい。
一般式(1)中のm1及びm2はそれぞれ独立して1~4の整数を表す。中でも、液晶性及び配向性の点から、m1及びm2の一方又は両方が1~3の整数であることが好ましく、m及びnの両方が1~3の整数であることがより好ましく、m1及びm2の両方が1又は2であることがさらに好ましい。
及びRはそれぞれ独立して、下記一般式(R-1)から選ばれる基を表す。
一般式(R-1): -L-Rsp1-Z
一般式(R-1)中、Lは、-O-、-S-、-OCH-、-CHO-、-CHCH-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-OCO-NH-、-NH-COO-、-NH-CO-NH-、-NH-O-、-O-NH-、-SCH-、-CHS-、-CFO-、-OCF-、-CFS-、-SCF-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-COO-CHCH-、-OCO-CHCH-、-CHCH-COO-、-CHCH-OCO-、-COO-CH-、-OCO-CH-、-CH-COO-、-CH-OCO-、-CH=CH-、-N=N-、-CH=N-、-N=CH-、-CH=N-N=CH-、-CF=CF-、-C≡C-又は単結合を表す。
一般式(R-1)中、Lとしてより具体的には、原料の入手容易さ及び合成の容易さの観点から、各々独立して-O-、-S-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-CHCH-COO-、-CHCH-OCO-又は単結合を表すことが好ましく、各々独立して-O-、-COO-、-OCO-、-O-CO-O-、又は単結合を表すことがより好ましく、複数存在する場合は各々同一であっても異なっていても良い。
一般式(R-1)中、Rsp1は、1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-CH=CH-又は-C≡C-に置き換えられても良い炭素原子数1~20のアルキレン基又は単結合を表す。
一般式(R-1)中、Rsp1としてより具体的には、原料の入手容易さ及び合成の容易さの観点から、各々独立して、1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-COO-、-OCO-に置き換えられても良い炭素原子数1~12のアルキレン基又は単結合を表すことがより好ましく、各々独立して、炭素原子数1~12のアルキレン基又は単結合を表すことが更に好ましく、各々独立して、炭素原子数2~10のアルキレン基を表すことがより更に好ましく、複数存在する場合は各々同一であっても異なっていても良い。
一般式(R-1)中、Zは重合性官能基を表す。当該重合性官能基は、従来の重合性液晶化合物に使用される基が制限なく適用可能である。
当該重合性官能基は、それぞれ独立して下記式(Z-1)から式(Z-8)から選ばれる基を表すことが好ましい。なお、下記式(Z-1)から式(Z-8)において、*(アスタリスク)はRsp1との結合位置を示す。
Figure 0007200558000005
(式(Z-1)~(Z-8)中、Rはそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、エチル基、又はトリフルオロメチル基である。)
重合方法として紫外線重合を行う場合には、Zは、式(Z-1)、式(Z-2)、式(Z-3)、式(Z-5)、式(Z-7)が好ましく、式(Z-1)、式(Z-3)、式(Z-7)がより好ましく、式(Z-1)がさらに好ましく、式(Z-1)において、Rが水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である場合が特に好ましい。
一般式(1)において、Lc1:-L-A-(L-Am1-L-Rsp1-Z、及び、Lc2:-L-A-(L-Am2-L-Rsp1-Zの具体例としては、これらに限定されるものではないが、下記Lc-1~Lc-244で表される基が挙げられる。一般式(1)で表される重合性液晶化合物において、Lc1とLc2は同一であっても異なっていても良い。
Figure 0007200558000006
Figure 0007200558000007
Figure 0007200558000008
Figure 0007200558000009
Figure 0007200558000010
Figure 0007200558000011
前記Lc-1~Lc-244で表される基において、L及びLにおけるmは、1又は2を表し、2が好ましい。Rsp1におけるnは、1~20を表すが、中でも2以上であることが好ましく、更に4以上であることが好ましく、一方で、12以下であることが好ましく、更に10以下であることが好ましい。
また、Zにおいて、式(Z-1)中のRとしては、それぞれ独立して、中でも水素原子、又はメチル基であることが好ましく、更に水素原子であることが好ましい。
一方、一般式(D-1)中、Gは水素原子又は炭素原子数1~6のアルキル基を表すが、当該アルキル基は無置換であるか又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されていても良く、当該置換基Eとしては、中でも、F、Cl、CF、OCF又はシアノ基であることが好ましい。Gは水素原子又は無置換であるか又は1つ以上の水素原子がフッ素原子によって置換された炭素原子数1~6のアルキル基がより好ましく、Gは水素原子が特に好ましい。
は、芳香環を有する炭素原子数2以上30以下の有機基を表すが、当該芳香環は無置換であるか又は1つ以上の置換基Eによって置換されていても良く、或いは、QはQと結合して環を構成していても良い。
が、芳香環を有する炭素原子数2~30の有機基を表す場合、前記芳香環は、芳香族炭化水素環、及び芳香族複素環のいずれであっても良い。この場合、Qは、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素原子数2~30の有機基を表す。前記芳香環としては、下記の式(Q-1)から式(Q-22)から選ばれる基が好ましい。
は、波長分散性が良好になる点から、炭素原子の1つ以上がヘテロ原子に置換されている、芳香族複素環を有する有機基であることが好ましく、波長分散性が良好で、高い複屈折を示すようになる点から、5員環と6員環の縮合環である芳香族複素環を有する有機基であることが更に好ましい。5員環と6員環の縮合環である芳香族複素環としては、例えば下記の式(Q-10)、式(Q-11)、式(Q-21)及び式(Q-22)から選ばれる基の炭素原子の1つ以上がヘテロ原子に置換されている芳香族複素環が好ましい。
Figure 0007200558000012
これらの基は任意の位置に結合手を有している。Qは-O-、-S-、-NRQa-(式中、RQaは水素原子又は炭素原子数1~8のアルキル基を表す。)又は-CO-を表すが、これらの基中の-CH=は各々独立して-N=に置き換えられても良く、-CH-は各々独立して-O-、-S-、-NRQa-(式中、RQaは水素原子又は炭素原子数1~8のアルキル基を表す。)-SO-、又は-SO-又は-CO-に置き換えられても良い(但し、酸素原子同士が直接結合する場合を除く。)。これらの環に結合する1つ以上の水素原子は、前記置換基Eによって置換されていても良い。前記アルキル基を構成するアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。前記アルキル基の炭素原子数は、1~4が好ましく、1又は2がより好ましく、1が更に好ましい。
式(Q-1)で表される基としては、無置換又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されても良い下記の式(Q-1-1)から式(Q-1-8)から選ばれる基を表すことが好ましく、これらの基は任意の位置に結合手を有している。
Figure 0007200558000013
式(Q-7)で表される基としては、無置換又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されても良い下記の式(Q-7-1)から式(Q-7-7)から選ばれる基を表すことが好ましく、これらの基は任意の位置に結合手を有している。
Figure 0007200558000014
式(Q-10)で表される基としては、無置換又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されても良い下記の式(Q-10-1)から式(Q-10-9)から選ばれる基を表すことが好ましい。
Figure 0007200558000015
(式中、Rは水素原子又は炭素原子数1~6のアルキル基を表す。これらの基は任意の位置に結合手を有している。)
式(Q-11)で表される基としては、無置換又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されても良い下記の式(Q-11-1)から式(Q-11-12)から選ばれる基を表すことが好ましい。
Figure 0007200558000016
(式中、Rは水素原子又は炭素原子数1~6のアルキル基を表す。これらの基は任意の位置に結合手を有している。)
式(Q-13)で表される基としては、無置換又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されても良い下記の式(Q-13-1)から式(Q-13-19)から選ばれる基を表すことが好ましい。
Figure 0007200558000017
(式中、Rは水素原子又は炭素原子数1~6のアルキル基を表す。これらの基は任意の位置に結合手を有している。)
式(Q-14)で表される基としては、無置換又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されても良い下記の式(Q-14-1)から式(Q-14-10)から選ばれる基を表すことが好ましい。
Figure 0007200558000018
(式中、Rは水素原子又は炭素原子数1~6のアルキル基を表す。これらの基は任意の位置に結合手を有している。)
式(Q-15)で表される基としては、無置換又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されても良い下記の式(Q-15-1)から式(Q-15-4)から選ばれる基を表すことが好ましい。
Figure 0007200558000019
(式中、Rは水素原子又は炭素原子数1~6のアルキル基を表す。これらの基は任意の位置に結合手を有している。)
式(Q-16)で表される基としては、無置換又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されても良い下記の式(Q-16-1)から式(Q-16-16)から選ばれる基を表すことが好ましい。
Figure 0007200558000020
(式中、Rは水素原子又は炭素原子数1~6のアルキル基を表す。これらの基は任意の位置に結合手を有している。)
式(Q-17)で表される基としては、無置換又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されても良い下記の式(Q-17-1)から式(Q-17-4)から選ばれる基を表すことが好ましい。
Figure 0007200558000021
(式中、Rは水素原子又は炭素原子数1~6のアルキル基を表す。これらの基は任意の位置に結合手を有している。)
式(Q-18)で表される基としては、無置換又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されても良い下記の式(Q-18-1)から式(Q-18-6)から選ばれる基を表すことが好ましい。
Figure 0007200558000022
(式中、Rは水素原子又は炭素原子数1~6のアルキル基を表す。これらの基は任意の位置に結合手を有している。)
式(Q-19)で表される基としては、無置換又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されても良い下記の式(Q-19-1)から式(Q-19-6)から選ばれる基を表すことが好ましい。
Figure 0007200558000023
(式中、Rは水素原子又は炭素原子数1~6のアルキル基を表す。これらの基は任意の位置に結合手を有している。)
式(Q-20)で表される基としては、無置換又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されても良い下記の式(Q-20-1)から式(Q-20-9)から選ばれる基を表すことが好ましい。
Figure 0007200558000024
(式中、Rは水素原子又は炭素原子数1~6のアルキル基を表す。これらの基は任意の位置に結合手を有している。)
式(Q-21)で表される基としては、無置換又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されても良い下記の式(Q-21-1)から式(Q-21-3)から選ばれる基を表すことが好ましい。
式(Q-22)で表される基としては、無置換又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されても良い下記の式(Q-22-1)から式(Q-22-3)から選ばれる基を表すことが好ましい。
Figure 0007200558000025
に含まれる芳香族基は、無置換又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されても良い上記式(Q-1-1)、式(Q-7-1)、式(Q-7-2)、式(Q-7-7)、式(Q-8)、式(Q-10-2)、式(Q-10-3)、式(Q-10-4)、式(Q-10-5)、式(Q-10-6)、式(Q-10-7)、式(Q-10-8)、式(Q-10-9)、式(Q-11-2)、式(Q-11-3)、式(Q-11-4)、式(Q-11-5)、式(Q-11-6)、式(Q-11-7)、式(Q-11-8)、式(Q-11-9)、式(Q-11-10)、式(Q-11-11)、式(Q-11-12)、式(Q-21-1)、式(Q-21-2)、式(Q-22-1)、及び式(Q-22-2)から選ばれる基を表すことがより好ましく、無置換又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されても良い式(Q-10-2)、式(Q-10-3)、式(Q-10-4)、式(Q-10-5)、式(Q-10-6)、式(Q-10-7)、式(Q-10-8)、及び式(Q-10-9)、式(Q-21-1)、式(Q-21-2)、式(Q-22-1)、及び式(Q-22-2)から選ばれる基を表すことが特に好ましい。
また、Qに含まれる芳香族基が置換されている場合の置換基Eとしては、中でもフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトロ基、シアノ基、イソシアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、チオイソシアノ基、又は、1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、によって置換されても良い炭素原子数1~20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すが、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良い、が好ましく、更に、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又は、1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、によって置換されても良い炭素原子数1~20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すが、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良い、がより好ましい。
さらに、Qは下記の式(Q-10-2)、式(Q-10-2a)、式(Q-10-3)、式(Q-10-3a)、式(Q-10-3b)、式(Q-10-6)、式(Q-10-6a)、式(Q-10-6b)、式(Q-10-6c)、式(Q-10-6d)、式(Q-10-7)、式(Q-10-7a)、式(Q-10-7b)、式(Q-10-7c)、式(Q-10-7d)、式(Q-10-7e)、式(Q-10-7f)、式(Q-10-9)、式(Q-10-9a)、式(Q-10-9b)、式(Q-21-1)、式(Q-21-2)、式(Q-22-1)及び式(Q-22-2)から選ばれる基を表すことが特に好ましい。
Figure 0007200558000026
は、-O-、-S-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-NQ-、-N=CQ-、-CO-NQ-、-OCO-NQ-又は-O-NQ-を表し、Qは水素原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数3~12のシクロアルキル基、炭素原子数3~12のシクロアルケニル基、芳香環(芳香族炭化水素環及び芳香族複素環のいずれであっても良い)を有する炭素原子数2~30の有機基、又は-(L-A-L-Rsp2-Zを表し、当該アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、及び芳香環はそれぞれ、無置換であるか又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されていても良く、当該アルキル基は当該シクロアルキル基又はシクロアルケニル基によって置換されていても良く、当該アルキル基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は各々独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-SO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-に置き換えられても良く、当該シクロアルキル基又はシクロアルケニル基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は各々独立して-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、又は-O-CO-O-に置き換えられていても良く、L、A、L、Rsp2、及びZは、それぞれ、前記L~L、A~A、L、Rsp1、及びZで定義されるものと同一のものを表すが、それぞれ前記L~L、A~A、L、Rsp1、及びZと同一であっても異なっていても良く、qは0~4の整数を表し、L、及びAがそれぞれ複数存在する場合は、各々同一であっても異なっていても良い。
は、複屈折が良好で合成が容易な点から、中でも、-O-、-S-、-N=CQ-又は-NQ-であることが好ましく、更に、波長分散性と複屈折が良好な点から、-O-、-S-、又は-NQ-であることが好ましい。
ここでQは、好ましくは、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数3~12のシクロアルキル基、炭素原子数3~12のシクロアルケニル基、芳香環(芳香族炭化水素環及び芳香族複素環のいずれであっても良い)を有する炭素原子数2~30の有機基、又は-(L-A-L-Rsp2-Zを表し、当該アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、及び芳香環はそれぞれ、無置換であるか又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されていても良く、当該アルキル基は当該シクロアルキル基又はシクロアルケニル基によって置換されていても良く、当該アルキル基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-O-CO-O-又は-CH=CH-に置き換えられても良く、当該シクロアルキル基及びシクロアルケニル基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-CO-、-COO-、-OCO-又は-O-CO-O-に置き換えられても良い。
は、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、Qが、ヘテロ原子を含まない構造であることが、複屈折の点から好ましい。また、Qが、ヘテロ原子をより多く含む構造であること、中でも、1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、又は-O-CO-O-によって置換されている構造を有する場合には、化合物の溶剤溶解性が向上し、組み合わせる基材の選択肢も増える点から好ましい。また、Qが、-(L-A)q-L-Rsp2-Zであることが、膜の硬化度が向上することにより耐久性が向上する点から好ましい。
無置換の炭素原子数1~20のアルキル基若しくは当該のアルキル基中の1個の-CH-が-CH=CH-に置き換えられたアルケニル基若しくは当該アルキル基中の1個の-CH-が-C≡C-に置き換えられたアルキニル基、炭素原子数3~12のシクロアルキル基、炭素原子数3~12のシクロアルケニル基、当該シクロアルキル基又はシクロアルケニル基によって置換されていても良い前記アルキル基、芳香環を有する炭素原子数2~30の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-へキシル基、1-メチルペンチル基、n-ヘプチル基、1-エチルペンチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、n-ノニル基、n-デシル基、3,7-ジメチルオクチル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、ブチニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、ベンジル基等が挙げられる。
における置換基としては中でも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、又は、1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-に置き換えられても良い炭素原子数1~20の直鎖状又は分岐状アルキル基であることが好ましく、更に、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ヒドロキシル基、又は、1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、又は-O-CO-O-に置き換えられても良い炭素原子数1~20の直鎖状又は分岐状アルキル基であることが好ましい。
中でもQは、複屈折、溶剤溶解性、又は耐久性の点から、好ましくは、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数3~12のシクロアルキル基、炭素原子数3~12のシクロアルケニル基、又は-(L-A)q-L-Rsp2-Zを表し、当該アルキル基、シクロアルキル基及びシクロアルケニル基はそれぞれ、無置換であるか又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されていても良く、当該アルキル基は当該シクロアルキル基又はシクロアルケニル基によって置換されていても良く、当該アルキル基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-O-CO-O-又は-CH=CH-に置き換えられても良く、当該シクロアルキル基及びシクロアルケニル基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、又は-O-CO-O-に置き換えられても良い。Qは、より好ましくは、炭素原子数1~20の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、炭素原子数3~12のシクロアルキル基、又は-(L-A)q-L-Rsp2-Zを表し、当該アルキル基は当該シクロアルキル基によって置換されていても良く、当該アルキル基及びシクロアルキル基中の任意の水素原子がフッ素原子に置換されても良く、当該アルキル基及びシクロアルキル基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-に置き換えられても良い。Qは、より更に好ましくは、炭素原子数1~12の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、炭素原子数3~12のシクロアルキル基、又は-(L-A)q-L-Rsp2-Zを表し、当該アルキル基は当該シクロアルキル基によって置換されていても良く、当該アルキル基及びシクロアルキル基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々-O-に置き換えられても良い。
また、-(L-A)q-L-Rsp2-Zの好ましい構造は、各々前記L~L、A~A、L、Rsp1、及びZで定義される好ましい構造と同様であることが望ましい。qは0~4の整数を表すが、0~2の整数を表すことがより好ましく、0又は1を表すことがさらに好ましく、0を表すことが特に好ましい。
中でもQは、複屈折、及び溶剤溶解性の点から、水素原子がフッ素原子に置換されても良く、1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-CO-、-COO-、-OCO-に置き換えられても良い炭素原子数2~20の直鎖状若しくは分岐状アルキル基又は炭素原子数3~12のシクロアルキル基、或いは、当該シクロアルキル基によって置換されていても良い前記アルキル基であることが好ましく、水素原子がフッ素原子に置換されても良く、1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-CO-、-COO-、-OCO-に置き換えられても良い炭素原子数2~20の直鎖状若しくは分岐状アルキル基であることがより好ましく、水素原子がフッ素原子に置換されても良く、1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-CO-、-COO-、-OCO-に置き換えられても良い炭素原子数2~20の直鎖状アルキル基であることがより更に好ましい。
における炭素原子数は、4以上であることが好ましく、12以下であることが更に好ましい。
或いは、QとQは結合して環を構成していても良いが、その場合、例えば、-NQで表される環状基、又は-N=CQで表される環状基が挙げられる。QとQが結合している窒素原子又は炭素原子と一緒に形成している環は、芳香環を有し炭素原子数が2~30である環が挙げられ、炭素原子数は、2~18であることがより好ましく、2~14であることがより更に好ましい。中でも、-NQで表される環状基は、無置換であるか1つ以上の前記置換基Eによって置換されていても良い下記の式(QQ-1)から式(QQ-22)から選ばれる基を表すことが好ましい。-N=CQで表される環状基は、下記の式(QQ-23)又は式(QQ-24)を表すことが好ましい。
Figure 0007200558000027
式(QQ-1)から式(QQ-22)から選ばれる基中の-CH=は各々独立して-N=に置き換えられても良く、-CH-は各々独立して-O-、-S-、-NRQa-(式中、RQaは水素原子又は炭素原子数1~8のアルキル基を表す。)-SO-、又は-SO-又は-CO-に置き換えられても良い(但し、酸素原子同士が直接結合する場合を除く。)。これらの環に結合する1つ以上の水素原子は、前記置換基Eによって置換されていても良い。前記アルキル基を構成するアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。前記アルキル基の炭素原子数は、1~4が好ましく、1又は2がより好ましく、1が更に好ましい。
及びQに含まれるπ電子の総数は、波長分散特性、液晶性、及び合成の容易さの観点から、4~24であることが好ましく、更に4~20であることが好ましい。
及びDはそれぞれ、下記の式(D-1)から式(D-47)から選ばれる基を表すことが、原料が入手しやすく、溶解性が良好で高い複屈折率を示す点から、特に好ましい。
Figure 0007200558000028
Figure 0007200558000029
ビフェニレン基のベンゼン環に置換されていても良いE及びEはそれぞれ独立して、前記置換基Eと同様であって良い。
ビフェニレン基のベンゼン環に置換されていても良いE及びEとしては、中でも、複屈折が良好で合成が容易な点から、フッ素原子、塩素原子、ヒドロキシル基、メルカプト基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、又は、1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-によって置換されても良い炭素原子数1~6の直鎖状又は分岐状アルキル基であることが好ましい。
また、n1及びn2はそれぞれ独立して0~3の整数を表すが、0~2であることが好ましく、0又は1であることが更に好ましい。
また、E及びEがそれぞれ独立して、ビフェニレン基に置換されている場合、置換位置は、ビフェニレン基の6位、6’位であることが、複屈折が良好となる点から、好ましい。このような場合、ビフェニレン基における2つのベンゼン環のねじれ角が大きくなり、π電子共役構造を切断しやすくなる。
主鎖部分に有するビフェニレン基における構造は、下記式(Co-1)から式(Co-8)から選ばれる基を表すことが好ましい。
Figure 0007200558000030
前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物は、配向性が良好であり、複屈折率(△n)が大きく、逆波長分散性を有する重合性液晶化合物である。例えば、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物と光重合開始剤のみを含む重合性組成物を調製し、硬化膜(位相差層)を形成し、当該硬化膜の複屈折率(△n)を測定した場合に、0.075以上であることが好ましく、更に0.08以上であることが好ましい。
また、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物は、逆波長分散性が良好であり、理想的な逆波長分散性に近付けるために、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物と光重合開始剤のみを含む重合性組成物を調製し、硬化膜(位相差層)を形成し、位相差値を測定した場合に、Re(450)/Re(550)が、0.50以上0.95未満の範囲内にあることが好ましく、更に0.55以上0.93未満の範囲内にあることが好ましく、より更に0.60以上0.90未満の範囲内にあることが好ましく、特に0.60以上0.83以下の範囲内にあることが好ましく、0.60以上0.80未満の範囲内にあっても良い。また、Re(650)/Re(550)が、1超過であることが好ましく、更に1.02以上1.1以下の範囲内にあることが好ましい。
位相差値の試験法としては、以下の測定法が挙げられる。
[試験法]
前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物100質量部と2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン4質量部をシクロペンタノン900質量部に溶解させた重合性組成物を、ラビング処理後ポリイミド配向膜付ガラスの配向膜上に、硬化後の膜厚が1μmになるように塗布して成膜し、乾燥させた後に、紫外線を照射量400mJ/cmで照射することにより位相差層を形成し、位相差測定装置(例えば、製品名:KOBRA-WR、王子計測機器(株)製)により波長450nmに対する面内位相差Re(450)と波長550nmに対する面内位相差Re(550)を測定する。
ここで、前記ラビング処理後ポリイミド配向膜付ガラスとしては、市販品を用いてもよく、例えば、株式会社イーエッチシー製の製品名「配向処理ガラス基板」を用いることができる。当該配向処理ガラス基板は、日立化成株式会社製ポリイミドLX-1400が塗布されラビング処理されている。
なお、後述の比較例1に示す方法で位相差層を形成して位相差値を測定しても、同様の結果を得ることができる。
また、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物は、使用可能な基材の選択肢が広がる点から、固体-液晶相転移温度が25℃以上200℃以下であることが好ましく、30℃以上180℃以下であることが更に好ましく、30℃以上150℃以下であることがより更に好ましい。固体-液晶相転移温度が低いと、液晶を配向させる工程での負荷が軽減されたり、高温に弱い基板への利用が可能となる。
ここで、固体-液晶相転移温度とは、液晶化合物が固体から液晶に変化する温度を意味する。本開示において固体-液晶相転移温度は、温度調節ステージを備えた偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって昇温時において確認する。すなわち、偏光顕微鏡観察において、昇温時、固体が融解して液状になり、かつ偏光顕微鏡のクロスニコル観察(偏光板が直交状態)において明視野となった点を固体-液晶相転移温度と特定することができる。
また、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物は、N-メチルピロリドン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、及びシクロヘキサノンからなる群から選択される少なくとも1種の溶剤に10質量%以上溶解することが、使用可能な基材の選択肢が広がる点、及び溶剤溶解性と保存安定性の点から好ましく、更に20質量%以上溶解することが好ましい。
本開示の重合性組成物は、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物を、1種単独で含んでいても良く、2種以上を組み合わせて含んでいても良い。
本開示の重合性組成物に含まれる前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物の含有量は、複屈折率(△n)が大きく、逆波長分散性を有する重合性組成物が得られる点から、重合性組成物の固形分100質量部に対して50質量部以上99.9質量部以下であることが好ましく、54質量部以上99質量部以下であることがより好ましく、57質量部以上98質量部以下であることがより更に好ましい。
なお、本開示において固形分とは溶剤を除く全ての成分をいい、例えば、後述する、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物とは異なるその他の重合性液晶化合物が液状であっても固形分に含まれるものとする。
2.一般式(2)で表される重合性化合物
前記一般式(2)で表される重合性化合物は、末端に重合性基を有することから、他の重合性基を有する化合物と重合することができる重合性化合物である。
一般式(2)中のL~L、A~A、R、R、D、D、置換基E、E、E、m1、m2、n1及びn2は、各々一般式(1)中のL~L、A~A、R、R、D、D、置換基E、E、E、m1、m2、n1及びn2で定義されるものと同一のものを表す。
なお、一般式(2)内に複数存在するD及びDは各々同一である。すなわち、一般式(2)内に複数存在するDは同一であり、一般式(2)内に複数存在するDは同一である。一般式(2)内のDとDとは、互いに同一であっても異なっていても良い。
また、一般式(2)内に複数存在するビフェニレン基において、各々D及びDの置換位置は同一でも異なっていても良いが、保存安定性及び配向性の点から、同一であることが好ましい。
また、一般式(1)と一般式(2)とで、D及びDは各々同一である。すなわち、一般式(2)中のDは、一般式(1)中のDと同一であり、一般式(2)中のDは、一般式(1)中のDと同一である。
一般式(2)中のL、L、A及びAはそれぞれ独立に、複数存在する場合は各々同一であっても異なっていても良い。
一般式(2)内に複数存在するE、E、n1及びn2はそれぞれ独立に、各々同一であっても異なっていても良い。一般式(2)内に複数存在するビフェニレン基において、各々E及びEの置換位置は同一でも異なっていても良いが、保存安定性及び配向性の点から、同一であることが好ましい。
また、一般式(1)と一般式(2)とで、L~L、A~A、R、R、E及びE、並びにm1、m2、n1及びn2は、各々同一であっても異なっていても良い。すなわち、一般式(2)中のL~L、A~A、R、R、E及びE、並びにm1、m2、n1及びn2は、それぞれ独立に、一般式(1)中のL~L、A~A、R、R、E及びE、並びにm1、m2、n1及びn2と、同一であっても異なっていても良い。
一般式(2)において、Lc1:-L-A-(L-Am1-L-Rsp1-Z、及び、Lc2:-L-A-(L-Am2-L-Rsp1-Zの具体例としては、前記一般式(1)における前記Lc1及びLc2の具体例と同様のものが挙げられる。一般式(2)で表される重合性化合物において、Lc1とLc2は同一であっても異なっていても良い。
また、一般式(2)において、D及びDの具体例としては、前記一般式(1)における前記D及びDの具体例と同様のものが挙げられる。
また、一般式(2)において、主鎖部分に有するビフェニレン基における好ましい構造としては、前記一般式(1)における前記主鎖部分に有するビフェニレン基における好ましい構造と同様のものが挙げられる。
一般式(2)中のL11及びL12はそれぞれ独立して、前記一般式(1)中の前記L~Lで定義されるものと同一のものを表すが、中でも、液晶性、原料の入手容易さ及び合成の容易さの観点から、各々独立して-COO-、-OCO-、-OCH-、-CHO-、-CFO-、-OCF-、-CHCH-、-CFCF-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-COO-CHCH-、-OCO-CHCH-、-CHCH-COO-、-CHCH-OCO-、-CH=CH-、-CF=CF-、-C≡C-又は単結合を表すことが好ましく、-COO-、-OCO-、-OCH-、-CHO-、-CFO-、-OCF-、-CHCH-、-COO-CHCH-、-OCO-CHCH-、-CHCH-COO-、-CHCH-OCO-、-CH=CH-、-C≡C-又は単結合を表すことがより好ましく、-COO-、-OCO-、-OCH-、-CHO-、-CFO-、-OCF-又は単結合を表すことがさらに好ましく、-COO-、-OCO-、-OCH-、-CHO-、又は単結合を表すことがさらにより好ましく、-COO-、-OCO-、-OCH-、又は-CHO-を表すことが特に好ましい。
なお、一般式(2)中のL11及びL12はそれぞれ独立して、前記一般式(1)中の前記L~Lと同一であっても異なっていても良い。
一般式(2)中のA11は、前記一般式(1)中の前記A~Aで定義されるものと同一のものを表すが、中でも液晶性を向上させ、配向性を向上させることが容易になる点から、無置換であるか又は1つ以上の置換基Eによって置換されていても良い、シクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、シクロヘプタン-1,4-ジイル基、又はシクロドデカン-1,5-ジイル基であることが更に好ましく、無置換であるか又は1つ以上の置換基Eによって置換されていても良い、シクロヘキサン-1,4-ジイル基であることが特に好ましい。
また、一般式(2)中のA11は、L11、L12と結合する炭素原子の立体配置の相違に基づく、シス型、トランス型の立体異性体が存在し得るが、シス型であってもトランス型であっても、あるいはシス型とトランス型の異性体混合物であってもよく、中でも配向性が良好であることから、トランス型あるいはシス型であるのが好ましく、トランス型がより好ましい。
なお、一般式(2)中のA11は、前記一般式(1)中の前記A~Aと同一であっても異なっていても良い。
一般式(2)において、Lc3:-L11-A11-L12-の具体例としては、これらに限定されるものではないが、例えば、下記Lc3-1~Lc3-10で表される2価の基が挙げられる。なお、一般式(2)で表される重合性化合物において、Lc3が複数存在する場合は、各々同一でも異なっていても良い。
Figure 0007200558000031
前記Lc3-1~Lc3-10で表される2価の基において、L12におけるmは、1又は2を表し、2が好ましい。
一般式(2)中のnは、1以上の整数を表し、中でも保存安定性及び配向性の点から、1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
また、前記一般式(2)で表される重合性化合物は、N-メチルピロリドン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、及びシクロヘキサノンからなる群から選択される少なくとも1種の溶剤に10質量%以上溶解することが、使用可能な基材の選択肢が広がる点、及び溶剤溶解性と保存安定性の点から好ましく、更に20質量%以上溶解することが好ましい。
本開示の重合性組成物において、前記一般式(2)で表される重合性化合物は、前記一般式(2)中のD及びDが、重合性組成物中に含まれる前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物のD及びDと同一になるように、適宜選択して用いられれば良く、本開示の重合性組成物は、前記一般式(2)で表される重合性化合物を、1種単独で含んでいても良く、2種以上を組み合わせて含んでいても良い。
本開示の重合性組成物に含まれる前記一般式(2)で表される重合性化合物の含有量は、保存安定性及び配向性を向上する点から、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物と前記一般式(2)で表される重合性化合物との合計100質量%中、前記一般式(2)で表される重合性化合物の割合が、0.1質量%以上33質量%以下であることが好ましい。
また、本開示の重合性組成物が含有する前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物と前記一般式(2)で表される重合性化合物との組み合わせとしては、例えば、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物におけるLとLとの間に位置する側鎖を有するビフェニレン基の構造が、前記一般式(2)で表される重合性化合物におけるLとL11との間に位置する側鎖を有するビフェニレン基の構造、及びL12とLとの間に位置する側鎖を有するビフェニレン基の構造と同一である組み合わせを挙げることができる。具体的な組み合わせとしては、例えば、下記組み合わせ(i)~(xci)を挙げることができる。なお、表中のCoreは、一般式(1)で表される重合性液晶化合物及び一般式(2)で表される重合性化合物が有する各ビフェニレン基におけるD、D、E及びEの置換位置を、表中のD1、D2、E1及びE2は、一般式(1)で表される重合性液晶化合物及び一般式(2)で表される重合性化合物が有するD、D、E及びEを、表中のLc1は、一般式(1)で表される重合性液晶化合物及び一般式(2)で表される重合性化合物が有する-L-A-(L-Am1-L-Rsp1-Zで表される基を、表中のLc2は、一般式(1)で表される重合性液晶化合物及び一般式(2)で表される重合性化合物が有する-L-A-(L-Am2-L-Rsp1-Zで表される基を、表中のLc3は、一般式(2)で表される重合性化合物が有する-L11-A11-L12-で表される2価の基を表す。なお、下記組み合わせ(i)~(xci)において、一般式(2)で表される重合性化合物は、前記一般式(2)中のnが1の化合物である。
Figure 0007200558000032
Figure 0007200558000033
更に、表8及び表9に示す組み合わせ(i)~(xci)のうち、代表的なものについて、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物の構造式と前記一般式(2)で表される重合性化合物の構造式を下記に例示するが、これらに限定されるものではない。
Figure 0007200558000034
Figure 0007200558000035
Figure 0007200558000036
前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物と前記一般式(2)で表される重合性化合物との混合物は、例えば、以下の製法で製造することができる。製法としては例えば、Methoden der Organischen Chemie、Organic Reactions、Organic Syntheses、Comprehensive Organic Synthesis、新実験化学講座等に記載されている公知の有機合成反応(例えば、縮合反応、エステル化反応、ウイリアムソン反応、ウルマン反応、ウイッティヒ反応、シッフ塩基生成反応、ベンジル化反応、薗頭反応、鈴木-宮浦反応、根岸反応、熊田反応、檜山反応、ブッフバルト-ハートウィッグ反応、フリーデルクラフト反応、ヘック反応、アルドール反応、ダフ反応など)を、その構造に応じて適宜組み合わせることにより、製造することができる。以下、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物と前記一般式(2)で表される重合性化合物との混合物の製造方法の例を示すが、本開示はこれらの構造や製造方法に限定されるものではない。
例えば、L及びLがそれぞれ、*-OCO-であり(*はビフェニレン基との結合位置を示す)、Gが水素原子である化合物の場合、例えば下記のように製造することができる。
まず、4,4’-ジヒドロキシビフェニル又は更に置換基Eが導入された式(ip-1)で表される化合物を準備し、ダフ反応等によって所望の位置にアルデヒド基を導入した式(ip-2)で表される中間体Aを製造する。
Figure 0007200558000037
次に、式(ip-2)で表される中間体Aと、HOOC-A-(L-Am1-Rで表される中間体B(A、L、A、R、及びm1は上記と同一の意味を表す)とを、縮合反応等によって反応させることにより、式(ip-3)で表される中間体Cを得る。更に、得られた式(ip-3)で表される中間体Cと、HOOC-A-(L-Am2-Rで表される中間体D(A、L、A、R、及びm2は上記と同一の意味を表す)とを反応させることにより、式(ip-4)で表される中間体Eを得る。なお、前記中間体Bと中間体Dの構造が同じ場合には、中間体Aに中間体Bを反応させることにより中間体Eを得ることができる。
Figure 0007200558000038
一方で、式(ip-3)で表される中間体Cを合成する際に、更に1,4-シクロヘキサンジカルボン酸を添加することにより、式(ip-2)で表される中間体Aと、HOOC-A-(L-Am1-Rで表される中間体B(A、L、A、R、及びm1は上記と同一の意味を表す)と、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸との反応によって、式(ip-5)で表される中間体Fが得られ、更に、得られた式(ip-5)で表される中間体Fと、HOOC-A-(L-Am2-Rで表される中間体D(A、L、A、R、及びm2は上記と同一の意味を表す)との反応により、式(ip-6)で表される中間体Gが得られる。なお、前記中間体Bと中間体Dの構造が同じ場合には、中間体Aと1,4-シクロヘキサンジカルボン酸と中間体Bとの反応により、式(ip-6)で表される中間体Gを得ることができる。
Figure 0007200558000039
Figure 0007200558000040
次いで、式(ip-4)で表される中間体E及び式(ip-6)で表される中間体Gに、例えばQ-J-NHで表される中間体Hを反応させることにより、式(1-ex1)で表される化合物、及び式(1-ex2)で表される化合物を得ることができる。
Figure 0007200558000041
Figure 0007200558000042
また、前記式(ip-2)で表される中間体Aは、E及びEの種類や置換位置、D及びDの置換位置等によって、例えば3,4-メチレンジオキシフェノール(東京化成工業(株)製)又はその誘導体に、ダフ反応を行ってアルデヒド基を導入し、鈴木-宮浦カップリング反応を行うことにより得てもよい。
また、例えば、式(ip-2)で表される中間体Aに、側鎖部分となるD及びDを予め導入した中間体Iを得た後、当該中間体Iに、HOOC-A-(L-Am1-Rで表される中間体B(A、L、A、R、及びm1は上記と同一の意味を表す)や、HOOC-A-(L-Am2-Rで表される中間体D(A、L、A、R、及びm2は上記と同一の意味を表す)を反応させることにより、式(1-ex1)で表される化合物を得てもよい。同様に、当該中間体Iに、HOOC-A-(L-Am1-Rで表される中間体B(A、L、A、R、及びm1は上記と同一の意味を表す)、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、及びHOOC-A-(L-Am2-Rで表される中間体D(A、L、A、R、及びm2は上記と同一の意味を表す)を反応させることにより、式(1-ex2)で表される化合物を得てもよい。
また製造に用いられる各中間体は、適宜市販品を用いてもよいし、従来公知の方法で適宜合成することができる。
なお、本開示において化合物の構造は核磁気共鳴分光法(NMR)、熱分解型ガスクロマトグラフ質量分析法(Py-GC-MS)、及びマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI-TOFMS)等を適宜組み合わせて解析することができる。
また、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物と前記一般式(2)で表される重合性化合物との混合物において、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物と前記一般式(2)で表される重合性化合物との含有比率は、前記一般式(2)中の-L11-A11-L12-で表される2価の基を誘導する化合物、即ち上述した例では1,4-シクロヘキサンジカルボン酸の添加量により制御することができる。
3.溶剤
本開示の重合性組成物は、典型的には塗工性の点から更に溶剤を含有する。溶剤としては、重合性組成物に含まれる各成分を溶解乃至分散し得る従来公知の溶剤の中から適宜選択すればよい。具体的には、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン等の炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGME)等のエーテル系溶剤、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化アルキル系溶剤、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン等のアミド系溶剤、およびジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤、メタノール、エタノール、およびプロパノール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。本実施形態において溶剤は1種単独で、又は2種以上を組み合わせて混合溶剤として用いることができる。
本開示の重合性組成物において、前記溶剤の含有量は、特に限定はされないが、塗工性の点及び保存安定性の点から、重合性組成物の固形分濃度が7質量%以上49.9質量%以下であることが好ましく、10質量%以上45質量%以下であることがより好ましい。
4.光重合開始剤
本開示の重合性組成物は、更に、光重合開始剤を含有することが好ましい。
本実施形態において光重合開始剤は、従来公知の物の中から適宜選択して用いることができる。このような光重合開始剤の具体例としては、例えば、チオキサントン等を含む芳香族ケトン類、α-アミノアルキルフェノン類、α-ヒドロキシケトン類、アシルフォスフィンオキサイド類、オキシムエステル類、芳香族オニウム塩類、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物等が好適に挙げられ、中でも、塗膜の内部まで硬化し耐久性が向上するため、アシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤、α-アミノアルキルフェノン系重合開始剤、α-ヒドロキシケトン系重合開始剤、及びオキシムエステル系重合開始剤よりなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
アシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤としては、例えばビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニル-フォスフィンオキサイド(例えば、商品名:イルガキュア819、BASF社製)、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド(商品名:Lucirin TPO:BASF社製等)等が挙げられる。
また、α-アミノアルキルフェノン系重合開始剤としては、例えば、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン(例えばイルガキュア907、BASF社製)、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-1-(4-モルフォリノフェニル)-1-ブタノン(例えばイルガキュア369、BASF社製)、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン(イルガキュア379EG、BASF社製)等が挙げられる。
また、α-ヒドロキシケトン系重合開始剤としては、例えば、2-ヒドロキシ-1-{4-〔4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル〕-フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン(例えば、商品名:イルガキュア127、BASF社製等)、2-ヒドロキシ-4’-ヒドロキシエトキシ-2-メチルプロピオフェノン(例えば、商品名:イルガキュア2959、BASF社製等)、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(例えば、商品名:イルガキュア184、BASF社製等)、オリゴ{2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノン}(例えば、商品名:ESACURE ONE、Lamberti社製等)等が挙げられる。
オキシムエステル系重合開始剤としては、1.2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)](商品名:イルガキュアOXE-01、BASF製)、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(o-アセチルオキシム)(商品名:イルガキュアOXE-02、BASF製)、メタノン,エタノン,1-[9-エチル-6-(1,3-ジオキソラン,4-(2-メトキシフェノキシ)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(o-アセチルオキシム)(商品名ADEKA OPT-N-1919、ADEKA社製)等が挙げられる。
本実施形態において光重合開始剤は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態において光重合開始剤の含有割合は、前記重合性化合物の硬化を促進する点から、重合性組成物の固形分100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、1質量部以上8質量部以下であることがより好ましい。
5.その他の重合性液晶化合物
本開示の重合性組成物は、位相差や逆波長分散性を調整する点や、配向性、溶解性、相転移温度を調整する点から、更に、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物とは異なるその他の重合性液晶化合物を含有していても良い。
前記その他の重合性液晶化合物は、従来公知のものの中から適宜選択して用いることができる。位相差フィルムに対する入射光の波長λを横軸に取り、その複屈折率を縦軸にプロットして得たグラフの傾きが負(右肩下がり)である一般的な正常分散(正分散)の重合性液晶化合物であってもよいし、逆波長分散性の重合性液晶化合物であっても良いし、波長分散性を実質的に示さない(フラット分散又は低波長分散)重合性液晶化合物であっても良い。前記その他の重合性液晶化合物として、例えば、逆波長分散性を示す化合物の例としては特許第5463666号、特許第4186981号、特許第5962760号、及び特許第5826759号に記載の重合性液晶化合物が挙げられる。フラット分散性を示す化合物の例としてはRecueil des Travaux Chimiques des Pays-Bas(1996),115(6),321-328に記載の化合物などが挙げられる。
本実施形態においては、前記重合性液晶化合物との組み合わせにおいて配向しやすいことから、棒状メソゲンの少なくとも一方の末端に重合性官能基を有する重合性液晶化合物であることが好ましく、棒状メソゲンの両末端に重合性官能基を有する重合性液晶化合物であることがより好ましい。1分子中に重合性官能基を2つ以上有する重合性液晶化合物は、塗膜の硬度や耐久性を向上させることができる。
本開示に用いられる重合性液晶化合物としては、例えば、前記重合性化合物の主鎖部分と同様の構造を有する、下記一般式(II-1)で表される重合性液晶化合物、及び下記一般式(II-2)で表される重合性液晶化合物が挙げられる。
Figure 0007200558000043
(式中、Z10、及びZ20は各々独立して重合性官能基を表し、Rsp10、及びRsp20は各々独立して単結合又は炭素原子数1~20個のアルキレン基を表すが、1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は-O-、-COO-、-OCO-、-OCOO-に置き換えられても良く、L10、L20及びL30は各々独立して-O-、-S-、-OCH-、-CHO-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-SCH-、-CHS-、-CFO-、-OCF-、-CFS-、-SCF-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-COO-CHCH-、-OCO-CHCH-、-CHCH-COO-、-CHCH-OCO-、-COO-CH-、-OCO-CH-、-CH-COO-、-CH-OCO-、-CH=CH-、-CF=CF-、-C≡C-又は単結合を表し、A10、及びA20は各々独立して、ベンゼン-1,4-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基、テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基を表すが、A10、及びA20は各々独立して無置換であるか又はアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基に置換されていても良く、Rは水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、シアノ基、ニトロ基、イソシアノ基、チオイソシアノ基、若しくは、1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-によって置換されても良い炭素原子数1~20の直鎖又は分岐アルキル基を表し、s1及びs2は0、1、2、3又は4を表すが、s1及びs2がそれぞれ独立に2、3又は4を表す場合、2個、3個あるいは4個存在するA20、L10はそれぞれ同一であっても異なっていても良い。)
重合性液晶化合物が有する重合性官能基としては、前記重合性化合物のZ等と同様のものが挙げられる。重合性液晶化合物が有する重合性官能基としては、例えば、オキシラン環、オキセタン環等の環状エーテル含有基、エチレン性二重結合含有基等が挙げられるが、中でも光硬化性を示し、取り扱い性に優れる点から、エチレン性二重結合含有基であることが好ましい。環状エーテル基としては、例えば、グリシジル基が挙げられる。また、エチレン性二重結合含有基としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基であることが好ましい。
本実施形態において、重合性液晶化合物は、配向性の点から、中でも、下記一般式(III)で表される化合物、及び下記一般式(IV)で表される化合物より選択される1種以上の化合物が好ましい。
Figure 0007200558000044
(一般式(III)中、R21は、水素原子又はメチル基を、R22は、-(CH-、又は-(CO)p’-で表される基を表す。L23は、直接結合、又は、-O-、-O-C(=O)-、若しくは-C(=O)-O-で表される連結基を、Arは、ベンゼン-1,4-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基、テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基を表すが、Arは無置換であるか又はアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基に置換されていても良く、複数あるL23及びArはそれぞれ同一であっても異なっていても良い。R23は、-F、-Cl、-CN、-OCF、-OCFH、-NCO、-NCS、-NO、-NHC(=O)-R24、-C(=O)-OR24、-OH、-SH、-CHO、-SOH、-NR24 、-R25、又は-OR25を、R24は、水素原子又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表し、R25は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す。bは2以上5以下の整数、p及びp’はそれぞれ独立に2以上10以下の整数である。
Figure 0007200558000045
(一般式(IV)中、R31及びR32は各々独立に、水素原子又はメチル基を、R33は、-(CH-、又は-(CO)q’-で表される基を、R34は、-(CH-、又は-(OCr’-で表される基を表す。L34は、直接結合、又は、-O-、-O-C(=O)-、若しくは-C(=O)-O-で表される連結基を、Arは、ベンゼン-1,4-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基、テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基を表すが、Arは無置換であるか又はアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基に置換されていても良く、複数あるL34及びArはそれぞれ同一であっても異なっていても良い。cは2以上5以下の整数、q、q’、r及びr’はそれぞれ独立に2以上10以下の整数である。)
一般式(III)におけるp、p’、一般式(IV)におけるq、q’、r及びr’は配向性の点から、2以上8以下であることが好ましく、2以上6以下であることがより好ましく、2以上5以下であることがより更に好ましい。
また、Ar及びArはそれぞれ、ベンゼン-1,4-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基、テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基を表すが、中でもベンゼン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、又はシクロヘキサン-1,4-ジイル基がより好ましい。Ar及びArが有してもよい置換基としては、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基が挙げられるが、より好ましくは炭素原子数1以上5以下のアルキル基、ハロゲン原子等が挙げられる。
また、一般式(III)におけるR24及びR25における炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、直鎖、分岐、若しくは環状のいずれであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基及びn-ヘキシル基等の直鎖アルキル基、i-プロピル基、i-ブチル基、t-ブチル基、2-メチルブチル基等の分岐アルキル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等のシクロアルキル基等が挙げられる。R24は、中でも、水素原子又は炭素原子数1以上5以下のアルキル基であることが好ましく、更に、水素原子又は炭素原子数1以上3以下のアルキル基であることが好ましい。R25は、中でも、炭素原子数1以上5以下のアルキル基であることが好ましく、更に、炭素原子数1以上3以下のアルキル基であることが好ましい。
23は、中でも配向性の点から、-Cl、-CN、-OCF、-OCFH、-NCO、-NCS、-NO、-NHC(=O)-R25、-C(=O)-OR24、-OH、-SH、-CHO、-SOH、-NR24 、-R25、又は-OR25であることが好ましく、-Cl、-CN、-OCF又は-C(=O)-OR24、-R25、又は-OR25であることがより好ましい。
重合性液晶化合物に含まれるメソゲン構造としては、下記化学式(V-1)~(V-6)で表される部分構造が、好ましく用いられ、中でも、環構造を3つ以上含む下記化学式(V-1)、(V-2)、(V-4)、(V-5)、及び(V-6)よりなる群から選択される少なくとも1種で表される部分構造が、好ましく用いられる。下記化学式(V-1)~(V-6)で表される部分構造におけるフェニレン基やナフチレン基における水素原子は、炭素数1以上3以下のアルキル基や、ハロゲン原子によって置換されていても良い。
Figure 0007200558000046
一般式(III)で表される化合物、及び一般式(IV)で表される化合物の好適な具体例としては、下記化学式(1)~(22)に示されるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0007200558000047
Figure 0007200558000048
前述のように前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物は逆波長分散性が非常に良好であるため、幅広い波長分散性を示す化合物を添加しても、組成物の硬化物の位相差値は逆波長分散性を示しやすい。前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物は、前述のように位相差値を測定した場合に、Re(450)/Re(550)が比較的小さくなる傾向がある。
そのため、前記その他の重合性液晶化合物としては、下記試験法における波長450nmに対する面内位相差(Re(450))と波長550nmに対する面内位相差(Re(550))との比の値(Re(450)/Re(550))が、含まれる前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物のRe(450)/Re(550)よりも大きい重合性液晶化合物を更に含有することが、理想的な波長分散性に調整する点から好ましい。前記その他の重合性液晶化合物としては、Re(450)/Re(550)が、0.6以上1.2未満であるものから選択することができるが、0.8以上1.2未満であるものから選択することが好ましく、0.9以上1.2未満であるものから選択することがより更に好ましい。
[試験法]
重合性液晶化合物100質量部と2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン4質量部をシクロペンタノン900質量部に溶解させた重合性組成物を、ラビング処理後ポリイミド配向膜付ガラスの配向膜上に、硬化後の膜厚が1μmになるように塗布して成膜し、乾燥させた後に、紫外線を照射量400mJ/cmで照射することにより位相差層を形成し、位相差測定装置(例えば、製品名:KOBRA-WR、王子計測機器(株)製)により波長450nmに対する面内位相差Re(450)と波長550nmに対する面内位相差Re(550)を測定する。
なお、前記ラビング処理後ポリイミド配向膜付ガラスとしては、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物について行う前記試験法で用いるものと同様のものを用いることができる。
また、本実施形態において、前記その他の重合性液晶化合物は、N-メチルピロリドン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、及びシクロヘキサノンからなる群から選択される少なくとも1種の溶剤に20質量%以上溶解することが、重合性組成物の溶剤溶解性及び保存安定性が向上する点から好ましい。重合性組成物の溶剤溶解性が向上すると、当該重合性組成物を用いて塗膜を形成する際に、均一な塗膜を形成しやすく、溶剤を乾燥させるための製造工程や製造装置の負荷が軽減される点、使用可能な基材の選択肢が広がる点、及び組成物としての液晶相転移温度が広がって、配向時のプロセスマージンが広がり、配向性がより均一に良好になる点から好ましい。
本実施形態において、前記その他の重合性液晶化合物は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態において、前記その他の重合性液晶化合物の含有割合は、所望の位相差等を調整するために適宜調整されれば良く、限定されるものではないが、重合性組成物の固形分100質量部に対して、7質量部以上49.9質量部以下であることが好ましく、10質量部以上45質量部以下であることがより好ましく、10質量部以上42質量部以下であることがより更に好ましい。
また、前記その他の重合性液晶化合物の含有割合は、所望の位相差等を調整するために適宜調整されれば良いが、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物と、前記その他の重合性液晶化合物との合計量100質量部に対して50質量部以下であることが好ましく、更に45質量部以下であることが好ましい。
6.その他の成分
本実施形態の重合性組成物は、効果を損なわない範囲で更に他の成分を含有してもよい。具体的には、他の成分としてレベリング剤、酸化防止剤、光安定化剤や、塗工性の観点から溶剤等を含有してもよい。また、単独では液晶性を示さないが前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物と共に用いることで位相差や逆波長分散性、相転移温度、硬度、耐久性を調整可能であり、前記一般式(2)で表される重合性化合物とは異なるその他の重合性化合物を含有してもよい。これらは従来公知の材料を適宜選択して用いればよい。
前記その他の重合性化合物としては、所謂多官能モノマーを用いることもでき、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、アダマンチルジ(メタ)アクリレート、イソボロニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートや、これらをPO、EO等で変性したものが挙げられる。架橋反応が進行し、塗膜の耐久性が向上するため、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(DPPA)、トリメチロールプロパントリアクリラート(TMPTA)等の1分子中に重合性官能基を3つ以上有する重合性化合物が好ましい。
本実施形態において前記その他の重合性化合物を用いる場合、その含有割合は、重合性組成物の固形分100質量部に対して40質量部以下とすることが好ましく、30質量部以下とすることがより好ましく、20質量部以下とすることがより更に好ましい。
本実施形態において、前記その他の重合性化合物としては、N-メチルピロリドン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、及びシクロヘキサノンからなる群から選択される少なくとも1種の溶剤に20質量%以上溶解することが、重合性組成物の溶剤溶解性及び保存安定性が向上し、当該重合性組成物を用いて塗膜を形成する際に、均一な塗膜を形成しやすく、溶剤を乾燥させるための製造工程や製造装置の負荷が軽減される点、使用可能な基材の選択肢が広がる点から好ましい。
なお、本開示の重合性組成物においては、含有する全ての重合性液晶化合物及び重合性化合物が、N-メチルピロリドン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、及びシクロヘキサノンからなる群から選択される少なくとも1種の溶剤に20質量%以上溶解することが、重合性組成物の溶剤溶解性及び保存安定性が向上し、当該重合性組成物を用いて塗膜を形成する際に、均一な塗膜を形成しやすく、溶剤を乾燥させるための製造工程や製造装置の負荷が軽減される点、使用可能な基材の選択肢が広がる点から好ましい。
レベリング剤としては、フッ素系又はシリコーン系のレベリング剤を用いることが好ましい。レベリング剤の具体例としては、例えば、特開2010-122325号公報に記載のDIC(株)製のメガファックシリーズ、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製のTSFシリーズ及び(株)ネオス製のフタージェントシリーズ等が挙げられる。本実施形態においてレベリング剤を用いる場合、その含有割合は、重合性組成物の固形分100質量部に対して0.001質量部以上5質量部以下とすることが好ましい。
7.重合性組成物の製造方法
本開示の重合性組成物の製造方法は、前述した本開示の重合性組成物を得ることができる方法であれば、特に限定はされない。例えば、前述した製造方法により製造した前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物と前記一般式(2)で表される重合性化合物との混合物と、必要に応じて更に含有される他の成分とを、公知の方法により混合することで、本開示の重合性組成物を得ることができる。
前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物と前記一般式(2)で表される重合性化合物との混合物を、溶剤に溶解させる際には、溶液の温度を20℃以上60℃以下の範囲内で加温しても良い。溶液の温度が80℃を超えると、重合性液晶化合物の重合や分解の恐れがある。
8.用途
本開示の重合性組成物は、配向性が良好であることから種々の用途に好適に用いられる。本実施形態の重合性組成物は、液晶組成物として、例えば、後述する位相差フィルムや各種光学部材用途に好適に用いられる。
B.位相差フィルム
本開示の位相差フィルムは、位相差層を有する位相差フィルムであって、前記位相差層が、前記本開示の重合性組成物の硬化物を含有する。
上記本実施形態の位相差フィルムは、位相差層が前記本開示の重合性組成物の硬化物を含有するため、前述したように、配向性が良好であり、複屈折率(△n)が大きく、逆波長分散性を有するものである。
位相差フィルムの層構成について図を参照して説明する。図1~図3は、各々本開示の位相差フィルムの1実施形態を示す。図1の例に示される位相差フィルム10の1実施形態は、基材2上に配向膜3と位相差層1がこの順に積層されている位相差フィルムである。図2の例に示される位相差フィルム10’の1実施形態は、位相差層1のみからなる位相差フィルムである。また図3の例に示される位相差フィルム10”の1実施形態は、基材2’上に直接位相差層1が形成されている。図3の例に示される位相差フィルムには基材2’の位相差層1側表面に配向規制力を発現する手段が付されていてもよい。本開示において、配向規制力とは、位相差層中の配向性成分を特定方向に配列させる作用をいう。
1.位相差層
本開示の実施形態の位相差層1は、前記本開示の重合性組成物の硬化物を含有するものであり、複屈折率(△n)の点、及び配向性及び逆波長分散性の点から、本開示の実施形態の位相差層1は、前記本開示の重合性組成物の硬化物からなるものであることが好ましい。
ここで、前記本開示の重合性組成物は、前記本開示の実施形態の重合性組成物において説明したものと同様であって良いので、ここでの説明は省略する。
位相差層は、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物の配向性を有する主鎖部分、及び更に含まれていても良い重合性液晶化合物が、フィルム面に対して実質的に水平配向した状態で、硬化しているものであることが好ましい。本開示の実施形態の重合性組成物の硬化物には、少なくとも、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物の少なくとも一部が重合した構造が含まれる。このような重合性化合物の重合性官能基の少なくとも一部が重合した構造が含まれることから、本実施形態の位相差層は、耐久性が向上している。
位相差層の位相差は、自動複屈折測定装置(例えば、王子計測機器株式会社製、商品名:KOBRA-WR)により測定することができる。測定光を位相差層表面に対して垂直あるいは斜めから入射して、その光学位相差と測定光の入射角度のチャートから位相差層の位相差を増減させる異方性や、液晶の垂直(厚さ)方向の配向性の程度を確認することができる。
また、位相差層が、前記本開示の重合性組成物に含まれる前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物の重合性官能基の少なくとも一部が重合した構造が含まれることは、位相差層から材料を採取し分析することで確認することができる。分析方法としては、NMR、IR、GC-MS、XPS、TOF-SIMSおよびこれらの組み合わせた方法を適用することができる。
位相差層は、光重合開始剤、レベリング剤、酸化防止剤、光安定化剤等のその他の成分を含んでいても良い。光重合開始剤など、重合性化合物が有する重合性官能基を反応させるために光照射した際に、全てが分解する可能性がある成分については、位相差層には含まれていない場合もある。
位相差層の厚みは、用途に応じて適宜設定すればよい。
本開示の位相差フィルムを、例えば、広帯域1/4波長板とする場合には、得られる位相差フィルムのRe(550)を113nm以上163nm以下、好ましくは135nm以上140nm以下、特に好ましくは約137.5nm程度に膜厚を調整すればよく、1/2波長板とする場合には、得られる光学フィルムのRe(550)を250nm以上300nm以下、好ましくは273nm以上277nm以下、特に好ましくは約275nm程度となるように、膜厚を調整すればよい。
なお重合性組成物の塗布量や重合性液晶化合物の濃度を適宜調整することにより、所望の位相差を与えるように膜厚を調整することができる。得られる位相差層の位相差値(リタデーション値、Re(λ))は、下記式のように決定されることから、所望のRe(λ)を得るためには、膜厚dを調整すればよい。
Re(λ)=d×△n(λ)
(式中、Re(λ)は、波長λnmにおける位相差値を表し、dは膜厚を表し、△n(λ)は波長λnmにおける複屈折率を表す。)
位相差層の厚みは、中でも、0.1μm以上5μm以下であることが好ましく、0.5μm以上3μm以下であることがより好ましい。
前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物の複屈折率(△n)が大きいため、従来よりも薄膜で位相差を実現することが可能である。
本開示の位相差フィルムの波長分散特性は、位相差層の形成に用いる本開示の重合性組成物において、含有させる重合性液晶化合物の種類及び含有量によって、任意に決定することができる。前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物の含有量を増加させると、逆波長分散特性が増加する傾向を示す。
2.配向膜
本明細書において配向膜とは、位相差層に含まれる液晶性成分を一定方向に配列させるための層をいう。
本開示の実施形態に用いられる配向膜としては、前記本開示の実施形態の重合性組成物が水平配向しやすいことから、水平配向膜を用いることが好ましい。
水平配向膜は、塗膜として設けることで、位相差層に含まれる液晶性成分のメソゲンの長軸を該水平配向膜面(フィルム面)に対して実質的に水平に配向させる膜であればよい。
水平配向膜としては、従来公知のもの適宜選択して用いることができ、例えば、ラビング法、光配向法、賦形法等により配向規制力を付与した配向膜等を挙げることができ、中でも、ラビング法、光配向法又は賦形法により配向規制力を付与した水平配向膜が好ましい。
ラビング法により配向規制力を付与する場合、水平配向膜には、ラビングにより配向規制力を発現するポリマーが用いられる。当該ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアミド及びこれらの誘導体が挙げられ、中でも、ポリビニルアルコールが好ましい。
ラビング法による水平配向膜の形成方法は、従来公知の方法から適宜選択すればよい。例えば、前記透明基材上に、上記ポリマーを含む塗膜を形成した後、公知のラビングローラ等を用いてラビングすることにより、水平配向膜を得ることができる。
水平配向膜を光配向法により形成する場合、配向膜用組成物として、偏光を照射することにより配向規制力を発現する光配向性材料を含有する光配向性組成物が用いられる。当該光配向性材料としては、光二量化型材料であっても、光異性化型材料であってもよい。具体的には、例えば、シンナメート、クマリン、ベンジリデンフタルイミジン、ベンジリデンアセトフェノン、ジフェニルアセチレン、スチルバゾール、ウラシル、キノリノン、マレインイミド、または、シンナミリデン酢酸誘導体を有するポリマー等が挙げられ、中でも、シンナメート及びクマリンのうち少なくとも一方を有するポリマー、並びにこれらの誘導体が好ましく用いられる。このような光二量化型材料の具体例として、例えば、特開平9-118717号公報、特表平10-506420号公報、特表2003-505561号公報、WO2010/150748号公報、及び特開2015-151548号公報に記載された化合物を挙げることができる。
光配向法による光配向膜の形成方法は、従来公知の方法から適宜選択すればよい。例えば、前記透明基材上に、前記光配向性組成物を均一に塗布し、偏光を照射し、次いで、塗膜全面に光照射することにより、光配向膜を得ることができる。
また、水平配向膜を賦型法により形成する場合、配向膜用組成物は、所望の微細凹凸形状を賦型可能なものの中から適宜選択して用いればよく、例えば、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等を含有する賦型用組成物を用いることができる。中でも、配向膜の形成が容易である点から紫外線硬化性樹脂が用いられることが好ましい。紫外線硬化性樹脂の具体例としては、例えば、上記重合性モノマー、重合性オリゴマーの他、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、メラミンアクリレート等が挙げられ、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
賦型法による水平配向膜の形成方法は、従来公知の方法から適宜選択すればよい。例えば、前記透明基材上に、前記賦型用組成物を均一に塗布し、所望の微細凹凸形状が形成された金型上に、塗膜を接触させた後、加圧し、紫外線を照射することにより、所望の微細凹凸形状が付与された配向膜を得ることができる。
また、前記水平配向膜としては、パターニング処理がされ、配向性能を有する部位がパターン状に配置されたものであっても良い。パターニング処理がされた水平配向膜としては、公知のものを用いることができ、特に限定はされないが、例えば、マスクラビングによりパターニング処理がされたラビング配向膜、マスク露光によりパターニング処理がされた光配向膜、配向膜を印刷等でパターニング処理した配向膜等が挙げられる。
水平配向膜の厚さは、前記重合性棒状液晶化合物を水平方向に配向できればよく、適宜設定することができ、特に限定はされないが、通常、1nm以上であり、60nm以上であることが好ましく、薄膜化の観点から、15μm以下が挙げられ、10μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましく、0.3μm以下であることがより更に好ましい。
3.基材
本実施形態において基材は、ガラス基材、金属箔、樹脂基材等が挙げられる。中でも、基材は透明性を有することが好ましく、従来公知の透明基材の中から適宜選択することができる。透明基材としては、ガラス基材の他、トリアセチルセルロース等のアセチルセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン等のオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホンやポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、アクロニトリル、メタクリロニトリル、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等の樹脂を用いて形成された透明樹脂基材が挙げられる。
上記透明基材は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。ここで、透明基材の透過率は、JIS K7361-1(プラスチック-透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
また、ロールトゥロール方式で位相差層を形成する場合には、透明基材は、ロール状に巻き取ることができる可撓性を有するフレキシブル材であることが好ましい。
このようなフレキシブル材としては、セルロース誘導体、ノルボルネン系ポリマー、シクロオレフィン系ポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アモルファスポリオレフィン、変性アクリル系ポリマー、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル類などを例示することができる。なかでも本実施形態においてはセルロース誘導体やポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。セルロース誘導体は特に光学的等方性に優れるため、光学的特性に優れたものとすることができるからである。また、ポリエチレンテレフタレートは、透明性が高く、機械的特性に優れる点から好ましい。
本実施形態に用いられる基材の厚みは、位相差フィルムの用途等に応じて、必要な自己支持性を付与できる範囲内であれば特に限定されないが、通常、10μm以上1000μm以下程度の範囲内である。
中でも、基材の厚みは、25μm以上125μm以下の範囲内が好ましく、中でも30μm以上100μm以下の範囲内が好ましい。厚みが上記の範囲よりも厚いと、例えば、長尺状の位相差フィルムを形成した後、裁断加工し、枚葉の位相差フィルムとする際に、加工屑が増加したり、裁断刃の磨耗が早くなってしまう場合があるからである。
本実施形態に用いられる基材の構成は、単一の層からなる構成に限られるものではなく、複数の層が積層された構成を有してもよい。複数の層が積層された構成を有する場合は、同一組成の層が積層されてもよく、また、異なった組成を有する複数の層が積層されてもよい。
例えば、本実施形態に用いられる配向膜が紫外性硬化性樹脂を含有するものである場合、透明基材と当該紫外線硬化性樹脂の接着性を向上させるためのプライマー層を基材上に形成してもよい。このプライマー層は、基材および紫外線硬化性樹脂との双方に接着性を有し、可視光学的に透明であり、紫外線を通過させるものであればよく、例えば、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体系、ウレタン系のもの等を適宜選択して使用することができる。
また、基材上にアンカーコート層を積層しても良い。当該アンカーコート層によって基板の強度を向上させることができる。アンカーコート材料としては、金属アルコキシド、特に金属シリコンアルコキシドゾルを用いることができる。金属アルコキシドは、通常アルコール系の溶液として用いられる。アンカーコート層は、均一で、かつ柔軟性のある膜が必要なため、アンカーコート層の厚みは0.04μm以上2μm以下程度が好ましく、0.05μm以上0.2μm以下程度がより好ましい。
前記基材がアンカーコート層を有する場合には、基材とアンカーコート層の間に更にバインダー層を積層したり、アンカーコート層に基板との密着性を強化する材料を含有させることにより、基材とアンカーコート層の密着性を向上させてもよい。前記バインダー層の形成に用いるバインダー材料は、基材とアンカーコート層との密着性を向上できるものを特に制限なく使用することができる。バインダー材料としては、たとえば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤等を例示できる。
4.位相差フィルムの製造方法
本開示の実施形態の位相差フィルムの製造方法は、
前記本開示の実施形態の重合性組成物を成膜する工程(成膜工程)と、
前記成膜された前記重合性組成物中の前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物を少なくとも配向させる工程(配向工程)と、
前記配向させる工程の後に、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物を少なくとも重合する工程(重合工程)とを有することにより、位相差層を形成する工程を有する。
当該重合性組成物としては、前記「A.重合性組成物」と同様のものを用いることができるので、ここでの説明を省略する。
(1)重合性組成物の成膜工程
支持体上に、重合性組成物を均一に塗布して成膜を形成する。
前述のように、重合性組成物の塗布量や重合性液晶化合物の濃度を適宜調整することにより、所望の位相差を与えるように膜厚を調整する
ここでの支持体上としては、前記基材上であっても良いし、前記配向膜を備えた基材の配向膜上であってもよい。
塗布方法は、所望の厚みで精度良く成膜できる方法であればよく、適宜選択すればよい。例えば、グラビアコート法、リバースコート法、ナイフコート法、ディップコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、ロールコート法、プリント法、浸漬引き上げ法、カーテンコート法、ダイコート法、キャスティング法、バーコート法、エクストルージョンコート法、E型塗布方法などが挙げられる。
(2)配向工程
次いで、前記成膜された前記重合性組成物中の前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物を少なくとも配向させる。成膜された重合性組成物中の前記重合性液晶化合物が、配向可能な温度に調整し、加熱する。当該加熱処理により、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物の配向性を有する主鎖部分と、必要に応じて更に含まれる前記その他の重合性液晶化合物とを配向させて乾燥することができ、前記配向状態を維持した状態で固定化することができる。
配向可能な温度は、重合性組成物中の各物質に応じて異なるため、適宜調整する必要がある。例えば、60℃以上200℃以下の範囲内で行うことが好ましく、更に60℃以上100℃以下の範囲内で行うことが好ましい。
加熱手段としては、公知の加熱、乾燥手段を適宜選択して用いることができる。
また、加熱時間は、適宜選択されれば良いが、例えば、10秒以上2時間以内、好ましくは20秒以上30分以内の範囲内で選択される。
(3)重合工程
前記配向工程の後に、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物を少なくとも重合する。前記配向工程において、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物及び更に含まれていても良い重合性液晶化合物の配向状態を維持した状態で固定化された塗膜に、例えば光照射することにより、塗膜中の重合性液晶化合物及び重合性化合物を重合することができ、前記重合性組成物の硬化物からなる位相差層を得ることができる。
光照射としては、紫外線照射が好適に用いられる。紫外線照射は、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線を使用することができる。エネルギー線源の照射量は、適宜選択されれば良く、紫外線波長365nmでの積算露光量として、例えば10mJ/cm以上10000mJ/cm以下の範囲内であることが好ましい。
5.用途
本開示の位相差フィルムは、例えば反射防止用1/4波長板して好適に用いられ、後述するような各種表示装置用の光学部材に好適に用いられる。
C.転写用積層体
本開示の転写用積層体は、位相差層と、前記位相差層を剥離可能に支持した支持体とを備え、
前記位相差層が、前記本開示の重合性組成物の硬化物を含有する、
位相差層の転写に供する転写用積層体である。
上記本実施形態の転写用積層体は、位相差層が前記重合性組成物の硬化物を含有するものであるため、前述したように、配向性が良好であり、複屈折率(△n)が大きく、逆波長分散性を有する位相差層の転写に供するものである。上記本実施形態の転写用積層体によれば、他の任意の光学部材等に、例えば、基材を含まない薄膜の、本開示の位相差層を転写することができる。
本実施形態の転写用積層体によれば、例えば、図2の例に示される位相差層1のみからなる位相差フィルム10’や、図5の例に示されるような、基材は含まず配向膜23と位相差層21とが積層された積層体26からなる位相差フィルムを、提供することができる。すなわち、前記位相差層を少なくとも剥離可能であれば、転写用積層体の転写に供する位相差層には、配向膜等が積層されていても良い。
以下、このような転写用積層体の構成について説明するが、前記本開示の実施形態の重合性組成物については前述のとおりであるため、ここでの説明は省略する。
転写用積層体の層構成について図を参照して説明する。図4及び図5は、各々本開示の転写用積層体の1実施形態を示す。
図4の例に示される転写用積層体20の1実施形態は、位相差層11と、前記位相差層を剥離可能に支持した支持体15として第二の基材12上に配向膜13が積層された積層体を備えている。図4の例に示される転写用積層体20においては、第二の基材12と配向膜13との界面の剥離強度が、配向膜13と位相差層11との界面の剥離強度よりも大きくなっていることにより、配向膜13と位相差層11との界面17で剥離されやすい。そのため、被転写体上に転写された転写用積層体20から、第二の基材12上に配向膜13が積層された積層体を、剥離可能な支持体15として剥離することができ、位相差層11のみを位相差層を含む転写層16として転写することができる。
図5の例に示される転写用積層体30の1実施形態は、位相差層21と、前記位相差層を剥離可能に支持した支持体25として第二の基材22を備え、位相差層21と第二の基材22との間に更に配向膜23を備えている。図5の例に示される転写用積層体30においては、第二の基材22と配向膜23との界面の剥離強度が、配向膜23と位相差層21との界面の剥離強度よりも小さくなっていることにより、第二の基材22と配向膜23との界面27で剥離されやすい。そのため、被転写体上に転写された転写用積層体30から、第二の基材22を、剥離可能な支持体25として剥離することができ、位相差層21と配向膜23との積層体を、位相差層を含む転写層26として転写することができる。
第二の基材と配向膜との剥離強度が配向膜と位相差層との剥離強度よりも大きいか小さいかは、位相差層の剥離を行って、いずれの界面で剥離しているかで確認することができる。いずれの界面で剥離しているかは、例えば、IR等により分析可能である。
また、図6の例に示される転写用積層体40の1実施形態は、位相差層31と、前記位相差層を剥離可能に支持した支持体35として第二の基材32を備えている。被転写体上に転写された前記転写用積層体40からは、第二の基材32を剥離可能な支持体35として剥離することができ、位相差層31のみを、位相差層を含む転写層36として転写することができる。
以下、本実施形態について説明するが、位相差層については前記「B.位相差フィルム」で述べた位相層と同様のものとすることができるのでここでの説明を省略する。
また、配向膜及び基材も前記「B.位相差フィルム」で述べた配向膜及び基材と同様のものを用いることができるが、剥離強度を調整する方法としては、例えば下記の方法を挙げることができる。
図4の例に示される転写用積層体20を得るために、第二の基材12と配向膜13との剥離強度が、配向膜13と位相差層11との剥離強度よりも大きくするには、例えば、配向膜形成用組成物に含まれる溶剤を、第二の基材を溶解可能なものとする方法を用いることができる。当該第二の基材としては樹脂基材を用いることが好ましく、また、基材表面に接着性が向上するための表面処理を行っても良い。このような場合、樹脂基材および配向膜の密着性を向上させることができる。
また、基材と配向膜との剥離強度が配向膜と位相差層との剥離強度よりも大きくなるよう、配向膜と位相差層との剥離強度を小さくするために、配向膜の耐溶剤性を比較的高くすることも好ましい。配向膜の耐溶剤性が比較的高い場合には、配向膜上に重合性組成物を塗布して位相差層を形成する際に、重合性組成物中の溶剤に配向膜が溶解しにくくなるため、配向膜および位相差層の密着性を低くすることができる。
一方、図5の例に示される転写用積層体30を得るために、第二の基材22と配向膜23との剥離強度が、配向膜23と位相差層21との剥離強度よりも小さくするためには、例えば、基材の表面に離型処理が施されていてもよく、あるいは離型層が形成されていてもよい。これにより、基材の剥離性を高めることができ、基材および配向層の剥離強度を配向層および位相差層の剥離強度よりも小さくすることができる。
離型処理としては、例えばフッ素処理、シリコーン処理等の表面処理が挙げられる。
離型層の材料としては、例えばフッ素系離型剤、シリコーン系離型剤、ワックス系離型剤等が挙げられる。離型層の形成方法としては、例えば離型剤をディップコート、スプレーコート、ロールコート等の塗布法により塗布する方法が挙げられる。
また、図6の例に示される転写用積層体40を得るためにも、必要に応じて、基材の表面に離型処理が施されていてもよく、あるいは離型層が形成されていてもよい。
転写用積層体に用いられる基材は、可撓性を有していてもよく有さなくてもよいが、基材を剥離しやすいことから、可撓性を有することが好ましい。
転写用積層体に用いられる基材の厚みは、充分な自己支持強度と、本実施形態の転写用積層体の製造および転写工程に適応出来るだけの可撓性との兼合いから、通常、上記材料のシートの場合、20μm以上200μm以下の範囲内であることが好ましい。
本開示の転写用積層体から提供できる位相差層は、前記位相差フィルムと同様の用途に好適に用いられ、例えば反射防止用1/4波長板として好適に用いられ、各種表示装置用の光学部材に転写することができ、薄膜の光学部材を提供するために好適に用いられる。
D.光学部材
本開示の光学部材は、前記本開示の位相差フィルム上に、偏光板を備えるものである。
本実施形態の光学部材を、図を参照して説明する。図7は、光学部材の1実施形態を示す模式断面図である。
図7の光学部材60の例では、前記本開示の位相差フィルム10上に、偏光板50が配置されている。位相差フィルム10と偏光板50との間には、必要に応じて粘着層(接着層)を有していてもよい(図示せず)。
本実施形態において偏光板は、特定方向に振動する光のみを通過させる板状ものであり、従来公知の偏光板の中から適宜選択して用いることができる。例えば、沃素又は染料により染色し、延伸してなるポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン-酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等を用いることができる。
また、本実施形態において粘着層(接着層)用の粘着剤又は接着剤としては、従来公知のものの中から適宜選択すればよく、感圧接着剤(粘着剤)、2液硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、熱溶融型接着剤等、いずれの接着形態のもの好適に用いることができる。
本実施形態の光学部材には、偏光板の他にも、公知の光学部材が備える他の層を更に有していても良い。当該他の層としては、例えば、前記本実施形態の位相差層とは異なる他の位相差層の他、反射防止層、拡散層、防眩層、帯電防止層、保護フィルム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本実施形態の光学部材は、例えば、外光反射を抑制する光学部材や、各種表示装置用の広視野角偏光板として好適に用いることができる。
本開示の光学部材の製造方法は、特に限定されることなく、前記本開示の位相差フィルム上に、偏光板を積層する方法を適宜選択して用いることができる。例えば、前記本開示の位相差フィルム上に、偏光板を、粘着層乃至接着層を介して積層する製造方法等が挙げられる。
また、本開示の1実施形態の光学部材の製造方法としては、
前記本開示の転写用積層体を準備する転写用積層体準備工程と、
少なくとも偏光板を含む被転写体と、前記転写用積層体の前記位相差層とを対向させ、前記被転写体上に前記転写用積層体を転写する転写工程と、
前記被転写体上に転写された前記転写用積層体から、前記支持体を剥離する剥離工程とを有する、光学部材の製造方法が挙げられる。
前記転写用積層体を用いた本開示の1実施形態の光学部材の製造方法によれば、偏光板と、前記本開示の位相差フィルムのうち前記位相差層のみを備えた光学部材を得ることができる。
本開示の1実施形態の光学部材の製造方法に用いる転写用積層体は、前記「C.転写用積層体」で説明したものと同様のものとすることができるので、ここでの説明を省略する。
また、本開示の1実施形態の光学部材の製造方法に用いる被転写体は、典型的には、接着層と偏光板とを有する被転写体が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、前述した本開示の1実施形態における光学部材が有していても良い他の層と同様の層を、更に有していても良い。
E.表示装置
本開示に係る表示装置は、前記本実施形態の位相差フィルム、又は前記本実施形態の光学部材を備えることを特徴とする。
表示装置としては、例えば、発光表示装置、液晶表示装置等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
中でも、前記本実施形態の位相差フィルム又は前記本実施形態の光学部材を備えるため、特に、透明電極層と、発光層と、電極層とをこの順に有する有機発光表示装置等の発光表示装置において外光反射を抑制しながら、視野角が向上するという効果を有する。
1実施形態である発光表示装置の例を、図を参照して説明する。図8は、光学部材の1実施形態を示す模式断面図である。
図8の有機発光表示装置100の例では、前記位相差フィルム10の出光面側に、偏光板50が配置され、反対側の面には、透明電極層71と、発光層72と、電極層73とをこの順に有している。
発光層72としては、例えば、透明電極層71側から順に正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子注入層の順に積層する構成等が挙げられる。本実施形態において、透明電極層、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子注入層、電極層、及びその他の構成は、公知のものを適宜用いることができる。このようにして作製された発光表示装置は、例えば、パッシブ駆動方式の有機ELディスプレイにもアクティブ駆動方式の有機ELディスプレイにも適用可能である。
なお、本実施形態の表示装置は、上記構成に限定されるものではなく、適宜選択した公知の構成とすることができる。
製造した各化合物は、日本電子(株)製JEOL JNM-LA400WBを用いて、H NMR測定により、化学構造を確認した。
また、製造した各液晶性化合物の相転移温度は、温度調節ステージを備えた偏光顕微鏡(オリンパス製、BX51)によるテクスチャー観察によって昇温時において確認した。Cは結晶、Nはネマチック相、Iは等方性液体を表す。例えば「C 130 N 180 I」は、130℃で結晶からネマチック相に転移し、180℃でネマチック相から等方性液体へ転移したことを示す。
[製造例1:式(1-1)で表される化合物1-1と式(2-1)で表される化合物2-1との混合物1の製造]
まず、500mLナスフラスコ中、式(1-1-1)で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニル 27g(150mmol)、ヘキサメチレンテトラミン46g(330mmol)をトリフルオロ酢酸320mlに溶解し、110℃で3時間反応を行った。反応終了後、氷浴下で4規定塩酸3Lを添加し終夜で撹拌した。撹拌終了後、沈殿物をろ過した。得られた粗体に水(1L)を加え、1時間撹拌し懸濁精製した。沈殿物をろ過し、得られた結晶を乾燥させることにより、式(1-1-2)で表される中間体1を7.5g(21mmol、収率21%)得た。
1,4-シクロヘキサンジカルボン酸 172g(1.0mol)、6-(4-ヒドロキシフェニル)ヘキシルアクリレート 53g(200mmol、DKSH製)、N,N-ジメチルアミノピリジン(DMAP) 0.98g(8.0mmol)のジクロロメタン(1L)懸濁液に、N,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC) 43g(210mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液を滴下した。滴下終了後、12時間撹拌し、沈殿物をろ過した後、炭酸水素ナトリウム水溶液、1N塩酸で洗浄し、溶媒を留去した。得られた粗体をオープンカラムクロマトグラフィにより精製することで式(1-1-3)で表されるカルボン酸誘導体1を合成した。
次に、上記で得られた式(1-1-2)で表される中間体1 7.0g(29mmol)、式(1-1-3)で表されるカルボン酸誘導体1 32g(76mmol)、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸 3.4mg(0.02mmol)、N,N-ジメチルアミノピリジン(DMAP) 0.14g(1.2mmol)のジクロロメタン(70mL)懸濁液に、N,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC) 19g(90mmol)のジクロロメタン(14mL)溶液を滴下した。滴下終了後、12時間撹拌し、沈殿物をろ過した後、溶媒を留去した。得られた粗体にクロロホルム(70mL)を加え、1時間撹拌し懸濁精製した。沈殿物をろ過し、得られた結晶を乾燥させることにより、式(1-1-4)で表される中間体2A 23.0g(22.0mmol)と、式(2-1-1)で表される中間体2B 0.02g(0.014mmol)との混合物を得た。
2-ヒドラジノベンゾチアゾール 25.0g(150mmol)、水酸化カリウム 7.5g(225mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(450mL)に添加し、80度で加熱した。所定の温度に到達したのち、p-トルエンスルホン酸ヘキシル 46g(180mmol)を滴下した。滴下終了後、4時間撹拌した。反応終了後、水 50mlを加え抽出し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、溶媒を留去することで、式(1-1-5)で表される中間体3を15.0g(60mmol、収率40%)得た。
上記で得られた式(1-1-4)で表される中間体2A 23.0g(22.0mmol)と、上記で得られた式(2-1-1)で表される中間体2B 0.02g(0.014mmol)との混合物、12規定塩酸 174mgをテトラヒドロフラン 115mLに溶解し、式(1-1-5)で表される中間体3 13.9g(57.9mmol)のテトラヒドロフラン(35mL)溶液を滴下した。滴下終了後、12時間撹拌したのち、メタノール580mlに滴下した。生成した沈殿物をろ過した後、溶媒を留去した。得られた粗体にメタノール(230mL)を加え、1時間撹拌し懸濁精製した。沈殿物をろ過し、得られた結晶を乾燥させることにより、式(1-1)で表される化合物1-1 30.1g(20.0mmol)と、式(2-1)で表される化合物2-1 0.03g(0.013mmol)との混合物1を得た。
<化合物1-1>
相転移温度(昇温時):C 130 N 180 I
H NMR(CDCl ; δppm) :8.39(s,2H),7.80(s,2H),7.70-7.60(m,4H),7.35-7.20(m,6H),7.05-6.85(m,10H),6.41(dd,2H),6.25-6.10(m,2H),5.83(dd,2H),4.34(t,4H),4.17(t,4H),3.97(t,4H),2.70-2.55(m,4H),2.45-2.35(m,8H),1.95-1.65(m,20H),1.55-1.30(m,20H),0.88(t,6H).
<化合物2-1>
H NMR(CDCl ; δppm) :8.39(s,4H),7.80(s,4H),7.70-7.60(m,8H),7.35-7.20(m,12H),7.05-6.85(m,12H),6.41(dd,2H),6.25-6.10(m,2H),5.83(dd,2H),4.34(t,8H),4.17(t,4H),3.97(t,4H),2.70-2.55(m,6H),2.45-2.35(m,12H),1.95-1.65(m,28H),1.55-1.30(m,32H),0.88(t,12H).
Figure 0007200558000049
Figure 0007200558000050
[製造例2:式(1-1)で表される化合物1-1と式(2-1)で表される化合物2-1との混合物2の製造]
製造例1の製造において、中間体2Aと中間体2Bとの混合物を得る工程にて、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸の添加量を0.14g(0.8mmol)に変えて、中間体2A 22.0g(21.1mmol)と、中間体2B 0.84g(0.59mmol)との混合物を得て、化合物1-1と化合物2-1との混合物を得る工程にて、得られた中間体2A 22.0g(21.1mmol)と、中間体2B 0.84g(0.59mmol)との混合物を用いた以外は、製造例1と同様にして、式(1-1)で表される化合物1-1 28.6g(19.0mmol)と、式(2-1)で表される化合物2-1 1.25g(0.53mmol)との混合物2を得た。
[製造例3:式(1-1)で表される化合物1-1と式(2-1)で表される化合物2-1との混合物3の製造]
製造例1の製造において、中間体2Aと中間体2Bとの混合物を得る工程にて、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸の添加量を0.74g(4.3mmol)に変えて、中間体2A 18.3g(17.5mmol)と、中間体2B 4.30g(3.02mmol)との混合物を得て、化合物1-1と化合物2-1との混合物を得る工程にて、得られた中間体2A 18.3g(17.5mmol)と、中間体2B 4.30g(3.02mmol)との混合物を用いた以外は、製造例1と同様にして、式(1-1)で表される化合物1-1 23.7g(15.8mmol)と、式(2-1)で表される化合物2-1 6.38g(2.72mmol)との混合物3を得た。
[製造例4:式(1-1)で表される化合物1-1と式(2-1)で表される化合物2-1との混合物4の製造]
製造例1の製造において、中間体2Aと中間体2Bとの混合物を得る工程にて、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸の添加量を1.15g(6.7mmol)に変えて、中間体2A 15.6g(15.0mmol)と、中間体2B 6.64g(4.67mmol)との混合物を得て、化合物1-1と化合物2-1との混合物を得る工程にて、得られた中間体2A 15.6g(15.0mmol)と、中間体2B 6.64g(4.67mmol)との混合物を用いた以外は、製造例1と同様にして、式(1-1)で表される化合物1-1 20.3g(13.5mmol)と、式(2-1)で表される化合物2-1 9.86g(4.20mmol)との混合物4を得た。
[製造例5:式(1-2)で表される化合物1-2と式(2-2)で表される化合物2-2との混合物5の製造]
製造例1の製造において、中間体2Aと中間体2Bとの混合物を得る工程にて、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸の添加量を0.14g(0.8mmol)に変えて、中間体2A 22.0g(21.1mmol)と、中間体2B 0.84g(0.59mmol)との混合物を得て、中間体3を得る工程にて、p-トルエンスルホン酸ヘキシルの代わりに1-(2-ブロモエトキシ)ブタンを等モル量用いて、式(1-2-5)で表される中間体4を得て、化合物1-1と化合物2-1との混合物を得る工程にて、得られた中間体2A 22.0g(21.1mmol)と、中間体2B 0.84g(0.59mmol)との混合物を用い、中間体3に代えて前記中間体4を用いた以外は、製造例1と同様にして、式(1-2)で表される化合物1-2 29.5g(19.2mmol)と、式(2-2)で表される化合物2-2 1.55g(0.64mmol)との混合物5を得た。
<化合物1-2>
相転移温度(昇温時):C 122 N 167 I
H NMR(CDCl ; δppm) :8.39(s,2H),7.80(s,2H),7.70-7.60(m,4H),7.35-7.20(m,6H),7.05-6.85(m,10H),6.41(dd,2H),6.25-6.10(m,2H),5.83(dd,2H),4.34(t,4H),4.17(t,4H),3.97(t,4H),3.65-3.50(m,8H)2.70-2.55(m,4H),2.45-2.35(m,8H),1.95-1.65(m,20H),1.55-1.30(m,12H),0.88(t,6H).
<化合物2-2>
H NMR(CDCl ; δppm) :8.39(s,4H),7.80(s,4H),7.70-7.60(m,8H),7.35-7.20(m,12H),7.05-6.85(m,12H),6.41(dd,2H),6.25-6.10(m,2H),5.83(dd,2H),4.34(t,8H),4.17(t,4H),3.97(t,4H),3.65-3.50(m,16H)2.70-2.55(m,6H),2.45-2.35(m,12H),1.95-1.65(m,28H),1.55-1.30(m,16H),0.88(t,12H).
Figure 0007200558000051
[製造例6:式(1-3)で表される化合物1-3と式(2-3)で表される化合物2-3との混合物6の製造]
エチレングリコール 180mlに2-アミノ-6-エトキシベンゾチアゾール42.7g(220mmol)を添加した。氷浴下で、ヒドラジン・1水和物 33.0g(650mmol)、12規定塩酸17.4g(500mmol)を適下し、130℃で5時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却したのち、水 2750mlを加え、沈殿物をろ過し、得られた結晶を乾燥させることにより、中間体5を28.3g(146.3mmol、収率65%)で得た。
製造例1の製造において、中間体2Aと中間体2Bとの混合物を得る工程にて、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸の添加量を0.14g(0.8mmol)に変えて、中間体2A 22.0g(21.1mmol)と、中間体2B 0.84g(0.59mmol)との混合物を得て、中間体3を得る工程にて、2-ヒドラジノベンゾチアゾールの代わりに前記中間体5を用いて、式(1-3-5)で表される中間体6を得て、化合物1-1と化合物2-1との混合物を得る工程にて、得られた中間体2A 22.0g(21.1mmol)と、中間体2B 0.84g(0.59mmol)との混合物を用い、中間体3に代えて前記中間体6を用いた以外は、製造例1と同様にして、式(1-3)で表される化合物1-3 29.8g(18.7mmol)と、式(2-3)で表される化合物2-3 1.44g(0.57mmol)との混合物6を得た。
<化合物1-3>
相転移温度(昇温時):C 147 N 241 I
H NMR(CDCl ; δppm) :8.39(s,2H),7.80(s,2H),7.52(d,2H),7.21(d,2H),7.05-6.75(m,12H),6.41(dd,2H),6.25-6.10(m,2H),5.83(dd,2H),4.34(t,4H),4.17(t,4H),3.97(t,4H),3.65(t,4H),2.70-2.55(m,4H),2.45-2.35(m,8H),1.95-1.65(m,20H),1.55-1.30(m,26H),0.88(t,6H).
<化合物2-3>
H NMR(CDCl ; δppm) :8.39(s,4H),7.80(s,4H),7.52(d,8H),7.21(d,4H),7.05-6.75(m,16H),6.41(dd,2H),6.25-6.10(m,2H),5.83(dd,2H),4.34(t,8H),4.17(t,4H),3.97(t,4H),3.65(t,8H),2.70-2.55(m,6H),2.45-2.35(m,12H),1.95-1.65(m,28H),1.55-1.30(m,44H),0.88(t,12H).
Figure 0007200558000052
[製造例7:式(1-1)で表される化合物1-1単体の製造]
製造例1の製造において、中間体2Aと中間体2Bとの混合物を得る工程にて、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸の添加を省くことにより、中間体2Aの単体を得て、化合物1-1と化合物2-1との混合物を得る工程にて、中間体2Aと中間体2Bとの混合物に代えて、中間体2Aの単体を用いた以外は、製造例1と同様にして、式(1-1)で表される化合物1-1の単体を得た。
[製造例8:式(1-1)で表される化合物1-1と式(1-2)で表される化合物1-2との混合物7の製造]
製造例5の製造において、中間体2Aと中間体2Bとの混合物を得る工程にて、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸の添加を省くことにより、中間体2Aの単体を得て、化合物1-2と化合物2-2との混合物を得る工程にて、中間体2Aと中間体2Bとの混合物に代えて、中間体2Aの単体を用いた以外は、製造例5と同様にして、式(1-2)で表される化合物1-2の単体を得た。
製造例7で得られた式(1-1)で表される化合物1-1の単体19.0g(12.6mmol)と、前記で得られた式(1-2)で表される化合物1-2の単体1.00g(0.65mmol)とを混合し、混合物7を得た。
[製造例9:式(1-4)で表される化合物1-4単体の製造]
特許第5962760号の実施例4の化合物4の合成を参考にして、下記式(1-4)で表される化合物1-4を得た。
Figure 0007200558000053
[製造例10:式(1-4)で表される化合物1-4と式(2-4)で表される化合物2-4との混合物の製造]
製造例1の製造において、中間体2Aと中間体2Bとの混合物を得る工程にて、前記中間体1に代えて、2,5-ジヒドロキシベンズアルデヒドを用い、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸の添加量を0.14g(0.8mmol)に変えて、式(1-4-1)で表される中間体7Aと、式(2-4-1)で表される中間体7Bとの混合物を得て、化合物1-1と化合物2-1との混合物を得る工程にて、中間体2Aと中間体2Bとの混合物に代えて、得られた中間体7A 19.8g(21.1mmol)と、中間体7B 0.83g(0.68mmol)との混合物を用いた以外は、製造例1と同様にして、式(1-4)で表される化合物1-4 22.2g(19.0mmol)と、式(2-4)で表される化合物2-4 1.07g(0.64mmol)との混合物8を得た。
Figure 0007200558000054
Figure 0007200558000055
[実施例1]
(1)重合性組成物の製造
製造例1で得た混合物1を20質量部(重合性液晶化合物(式(1-1)で表される化合物1-1)19.98質量部と重合性化合物(式(1-2)で表される化合物1-2)0.02質量部との混合物)と、光重合開始剤(2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン:チバスペシャルティケミカルズ製、イルガキュア907)を4質量部と、N-メチルピロリドンを80質量部とを混合し、45℃で30分間加温して溶解させ、その後、25℃まで冷却することにより、重合性組成物1を製造した。
(2)位相差フィルム乃至転写用積層体の製造
(2-1)光配向膜用組成物の調製
特許5626493の製造例1の記載に従って、ヒドロキシエチルメタクリレート 1.30g、下記化学式で表される光配向性モノマー 3.95g、重合触媒としてα、α’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)50mgをジオキサン25mlに溶解し、90℃にて6時間反応させた。反応終了後、再沈殿法により精製することで、下記化学式で表される光配向性モノマーとヒドロキシエチルメタクリレートを共重合した共重合体1を得た。
下記に示す組成の光配向膜用組成物を調製した。
・共重合体1:0.1質量部
・ヘキサメトキシメチルメラミン(HMM):0.01質量部
・p-トルエンスルホン酸1水和物(PTSA):0.0015質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME):2.1質量部
Figure 0007200558000056
(2-2)水平配向膜の形成
PET基板(東洋紡(株)製、E5100、厚さ38μm)の片面上に、前記光配向膜用組成物を、硬化後の膜厚が0.2μmとなるようにバーコートにより塗布し、120℃のオーブンで1分間加熱して乾燥及び熱硬化を行い、硬化塗膜を形成した。その後、この硬化塗膜表面にHg-Xeランプおよびグランテーラープリズムを用いて313nmの輝線を含む偏光紫外線を基板法線から垂直方向に露光量100mJ/cmで照射することで、水平配向膜を形成した。
(2-3)位相差フィルム乃至転写用積層体の作製
形成した配向膜上に、前記重合性組成物1を、硬化後の膜厚が1μmになるように塗布し、重合性組成物を成膜した。その後、乾燥温度140℃にて120秒間オーブン中で乾燥させた後に、Fusion社製のHバルブを用いて紫外線(UV)を照射量400mJ/cmで照射して位相差層を形成して位相差フィルム乃至転写用積層体を得た。
[実施例2~6、比較例1~4]
(1)重合性組成物の製造
実施例1において、混合物1に代えて、下記表10に従って製造例2~10で得た混合物2~8又は化合物単体を用いた以外は、実施例1と同様にして、重合性組成物2~6、及び比較重合性組成物1~4を得た。
(2)位相差フィルム乃至転写用積層体の製造
実施例1において、重合性組成物1の代わりに、重合性組成物2~6又は比較重合性組成物1~4を用い、乾燥温度を表10に示す温度に変更した以外は、実施例1と同様にして、位相差フィルム乃至転写用積層体2~6及び比較位相差フィルム乃至転写用積層体1~4を得た。
[評価]
<保存安定性>
各実施例及び各比較例で得られた重合性組成物を、25℃で50日間保管し、保管開始後からの沈殿物の析出を目視確認することにより保存安定性を評価した。
(保存安定性の評価基準)
AA:50日間保管しても沈殿物の析出がない。
A:30日以上50日間未満で沈殿物が析出した。
B:7日間以上30日間未満で沈殿物が析出した。
C:1日間以上7日間未満で沈殿物が析出した。
D:1日間未満で沈殿物が析出した。
<配向性>
各実施例及び各比較例で得られた重合性組成物を25℃で50日間保管し、保管後の重合性組成物を用いた以外は、上記各実施例及び各比較例で行った位相差フィルム乃至転写用積層体の製造と同様にして、配向性評価用の位相差フィルムを作製した。得られた配向性評価用の位相差フィルムのPET基板を剥離して、位相差層及び水平配向膜を粘着付きガラスに転写したサンプルを作製し、当該サンプルを偏光顕微鏡観察することにより、配向性を評価した。
(配向性の評価基準)
A:目視で均一な配向が得られており、偏光顕微鏡観察で欠点が一切見られない。
B:目視で均一な配向が得られており、偏光顕微鏡観察で配向面積は90%以上であるが、わずかに欠点が見られる。
C:目視ではB程の配向は得られておらず、偏光顕微鏡観察での配向面積は50%以上90%未満。
D:目視では無配向で、偏光顕微鏡観察での配向面積も50%未満。
<波長分散性(位相差)>
各実施例及び各比較例で得られた位相差フィルムのPET基板を剥離して、位相差層及び水平配向膜を粘着付きガラスに転写したサンプルを作製した。作製したサンプルを用いて、位相差測定装置(王子計測機器(株)製、KOBRA-WR)により、位相差層の波長450nm、550nm、650nmに対する面内位相差Reを測定した。
測定した位相差を用いて以下のように算出されるx、y値から波長分散を評価した。
x=(450nmにおける面内位相差Re)/(550nmにおける面内位相差Re)
y=(650nmにおける面内位相差Re)/(550nmにおける面内位相差Re)
(波長分散性の評価基準)
A:0.6≦x<0.90、1<y ・・・逆波長分散性
B:0.90≦x<0.95、1<y ・・・逆波長分散性
C:0.95≦x<1、1<y
D:1≦x、1≧y ・・・正常分散性
<複屈折率>
前記波長分散性の評価で用いたサンプルと同様のサンプルを用いて、位相差層の550nmにおける面内位相差Reを測定した。位相差Re(λ)=複屈折率△n(λ)×膜厚dという関係があることから、位相差層の550nmにおける面内位相差Reと膜厚dから、550nmにおける複屈折率△nを評価した。
(複屈折率の評価基準)
A:△nが0.08以上
B:△nが0.075≦x<0.08
C:△nが0.075未満
Figure 0007200558000057
また、ラビング処理後ポリイミド配向膜付ガラス[製品名:配向処理ガラス基板、株式会社イーエッチシー製、当該配向処理ガラス基板は、日立化成株式会社製ポリイミドLX-1400が塗布されラビング処理されている。]の配向膜上に、比較例1で得た比較重合性組成物1と、比較例3で得た比較重合性組成物3をそれぞれ、硬化後の膜厚が1μmになるように塗布して成膜した。その後、表10に示す乾燥温度にて120秒間オーブン中で乾燥させた後に、Fusion社製のHバルブを用いて紫外線(UV)を照射量400mJ/cmで照射して位相差層を形成して、位相差フィルム乃至転写用積層体を得た。
形成された位相差層について、前記波長分散性評価と同様に面内位相差Reを測定したところ、化合物1-1を含む比較重合性組成物1及び化合物1-4を含む比較重合性組成物3は、いずれも波長分散性が前記評価基準で「A」であった。
表10より、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物と前記一般式(2)で表される重合性化合物とを組み合わせて含む実施例1~6の重合性組成物1~6は、保存安定性が向上しており、複屈折率(△n)が大きく、逆波長分散性を有し、配向性が向上した位相差層を形成できることが明らかにされた。
比較例1及び2は、前記一般式(2)で表される重合性化合物を用いなかったため、重合性組成物の保存安定性に劣り、位相差層の配向性も劣っていた。
比較例3及び4は、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物及び前記一般式(2)で表される重合性化合物のいずれも用いず、重合性液晶化合物として、従来の重合性液晶化合物である式(1-4)で表される化合物1-4を用いたため、位相差層の複屈折率が小さく、重合性組成物の保存安定性に劣り、位相差層の配向性も劣っていた。
1 位相差層
2、2’ 基材
3 配向膜
10、10’、10” 位相差フィルム
11、21、31 位相差層
12、22、32 第二の基材
13、23、33 配向膜
15、25、35 剥離可能な支持体
16、26、36 位相差層を含む転写層
17 配向膜と位相差層との界面
27 第二の基材と配向膜との界面
20、30、40 転写用積層体
50 偏光板
60 光学部材
71 透明電極層
72 発光層
73 電極層
100 発光表示装置

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で表される重合性液晶化合物と、下記一般式(2)で表される重合性化合物とを含有する、重合性組成物。
    Figure 0007200558000058
    (一般式(1)及び一般式(2)中、L、L、L及びLはそれぞれ独立して、-O-、-S-、-OCH-、-CHO-、-CHCH-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-OCO-NH-、-NH-COO-、-NH-CO-NH-、-NH-O-、-O-NH-、-SCH-、-CHS-、-CFO-、-OCF-、-CFS-、-SCF-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-COO-CHCH-、-OCO-CHCH-、-CHCH-COO-、-CHCH-OCO-、-COO-CH-、-OCO-CH-、-CH-COO-、-CH-OCO-、-CH=CH-、-N=N-、-CH=N-、-N=CH-、-CH=N-N=CH-、-CF=CF-、-C≡C-又は単結合を表し、
    及びAはそれぞれ独立して、無置換であるか又は1つ以上の置換基Eによって置換されていても良いシクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、シクロヘプタン-1,4-ジイル基、シクロヘプタン-1,3-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基を表し、
    及びAはそれぞれ独立して、無置換であるか又は1つ以上の置換基Eによって置換されていても良いシクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、シクロヘプタン-1,4-ジイル基、シクロヘプタン-1,3-ジイル基、ベンゼン-1,4-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-2,7-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基、テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基を表し、
    及びRはそれぞれ独立して、下記一般式(R-1)から選ばれる基を表し、
    一般式(R-1): -L-Rsp1-Z
    一般式(R-1)中、Lは、-O-、-S-、-OCH-、-CHO-、-CHCH-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-OCO-NH-、-NH-COO-、-NH-CO-NH-、-NH-O-、-O-NH-、-SCH-、-CHS-、-CFO-、-OCF-、-CFS-、-SCF-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-COO-CHCH-、-OCO-CHCH-、-CHCH-COO-、-CHCH-OCO-、-COO-CH-、-OCO-CH-、-CH-COO-、-CH-OCO-、-CH=CH-、-N=N-、-CH=N-、-N=CH-、-CH=N-N=CH-、-CF=CF-、-C≡C-又は単結合を表し、Rsp1は、炭素原子数1~20のアルキレン基又は単結合を表し、当該アルキレン基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-CH=CH-又は-C≡C-に置き換えられていても良く、Zは重合性官能基を表す。
    及びDはそれぞれ独立して、下記一般式(D-1)から選ばれる基を表し、一般式(2)内に複数存在するD及びDは各々同一であり、一般式(1)と一般式(2)とで、D及びDは各々同一であり、
    置換基E、E及びEはそれぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、ニトロ基、シアノ基、イソシアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、トリメチルシリル基、ジメチルシリル基、チオイソシアノ基、又は、炭素原子数1~20のアルキル基を表し、当該アルキル基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-に置き換えられていても良く、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子によって置換されていても良く、或いは、置換基E、E及びEはそれぞれ独立して、-L-RspE-Zで表される基を表しても良く、ここでL、RspE、及びZは、それぞれ、前記L、Rsp1、及びZで定義されるものと同一のものを表すが、それぞれ前記L、Rsp1、及びZと同一であっても異なっていても良く、化合物内に置換基E、E及びEがそれぞれ複数存在する場合は、各々同一であっても異なっていても良く、
    11及びL12はそれぞれ独立して、前記L~Lで定義されるものと同一のものを表すが、各々前記L~Lと同一であっても異なっていても良く、
    11は、前記A~Aで定義されるものと同一のものを表すが、前記A~Aと同一であっても異なっていても良く、
    一般式(1)内及び一般式(2)内の各々において、L、L、L11、L12、A、A及びA11がそれぞれ複数存在する場合は、各々同一であっても異なっていても良く、一般式(1)と一般式(2)とで、L~L、A~A、R、R、E及びEは、各々同一であっても異なっていても良い。
    m1及びm2はそれぞれ独立して1~4の整数を表し、n1及びn2はそれぞれ独立して0~3の整数を表し、nは1以上の整数を表し、一般式(2)内に複数存在するn1及びn2は、各々同一であっても異なっていても良く、一般式(1)と一般式(2)とで、m1、m2、n1及びn2は、各々同一であっても異なっていても良い。)
    Figure 0007200558000059
    (一般式(D-1)中、Gは水素原子又は炭素原子数1~6のアルキル基を表すが、当該アルキル基は無置換であるか又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されていても良く、
    は、5員環と6員環の縮合環である芳香族複素環を有する炭素原子数2以上30以下の有機基を表すが、当該芳香族複素環は無置換であるか又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されていても良く、
    は、-O-、-S-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-NQ-、-N=CQ-、-CO-NQ-、-OCO-NQ-又は-O-NQ-を表し、Qは水素原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数3~12のシクロアルキル基、炭素原子数3~12のシクロアルケニル基、芳香環を有する炭素原子数2~30の有機基、又は-(L-A-L-Rsp2-Zを表し、当該アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、及び芳香環はそれぞれ、無置換であるか又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されていても良く、当該アルキル基は当該シクロアルキル基又はシクロアルケニル基によって置換されていても良く、当該アルキル基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は各々独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-SO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-に置き換えられていても良く、当該シクロアルキル基又はシクロアルケニル基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は各々独立して-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、又は-O-CO-O-に置き換えられていても良く、L、A、L、Rsp2、及びZは、それぞれ、前記L~L、A~A、L、Rsp1、及びZで定義されるものと同一のものを表すが、それぞれ前記L~L、A~A、L、Rsp1、及びZと同一であっても異なっていても良く、qは0~4の整数を表し、L及びAがそれぞれ複数存在する場合は、各々同一であっても異なっていても良い
  2. 前記一般式(2)で表される重合性化合物において、前記一般式(2)中のnが1である、請求項1に記載の重合性組成物。
  3. 前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物と、前記一般式(2)で表される重合性化合物との合計100質量%中、前記一般式(2)で表される重合性化合物の割合が、0.1質量%以上33質量%以下である、請求項1又は2に記載の重合性組成物。
  4. 前記一般式(D-1)中、Q は、下記の式(Q-10)から選ばれる基の炭素原子の1つ以上がヘテロ原子に置換されている芳香族複素環を有する炭素原子数2以上30以下の有機基を表すが、当該芳香族複素環は無置換であるか又は1つ以上の前記置換基Eによって置換されていても良いものである、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の重合性組成物。
    Figure 0007200558000060
  5. 位相差層を有する位相差フィルムであって、前記位相差層が、請求項1乃至のいずれか1項に記載の重合性組成物の硬化物を含有する、位相差フィルム。
  6. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の重合性組成物を成膜する工程と、
    前記成膜された前記重合性組成物中の前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物を少なくとも配向させる工程と、
    前記配向させる工程の後に、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物を少なくとも重合する工程とを有することにより、位相差層を形成する工程を有する、位相差フィルムの製造方法。
  7. 位相差層と、前記位相差層を剥離可能に支持した支持体とを備え、
    前記位相差層が、請求項1乃至のいずれか1項に記載の重合性組成物の硬化物を含有する、
    位相差層の転写に供する転写用積層体。
  8. 請求項に記載の位相差フィルム上に、偏光板を備える、光学部材。
  9. 位相差層と、前記位相差層を剥離可能に支持した支持体とを備え、前記位相差層が、請求項1乃至のいずれか1項に記載の重合性組成物の硬化物を含有する、位相差層の転写に供する転写用積層体を準備する工程と、
    少なくとも偏光板を含む被転写体と、前記転写用積層体の前記位相差層とを対向させ、前記被転写体上に前記転写用積層体を転写する転写工程と、
    前記被転写体上に転写された前記転写用積層体から、前記支持体を剥離する剥離工程と、
    を有する、光学部材の製造方法。
  10. 請求項に記載の位相差フィルム、又は請求項7に記載の光学部材を備える表示装置。
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