JP2018095736A - 側鎖型液晶ポリマー、液晶組成物、位相差フィルム及びその製造方法、転写用積層体、光学部材、並びに表示装置 - Google Patents
側鎖型液晶ポリマー、液晶組成物、位相差フィルム及びその製造方法、転写用積層体、光学部材、並びに表示装置 Download PDFInfo
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、特定のホメオトロピック配向性側鎖型液晶ポリマーと光重合性液晶化合物を含有してなるホメオトロピック配向液晶性組成物により形成されたホメオトロピック配向液晶フィルムを有する位相差板が開示されている。
前記成膜された前記液晶組成物中の前記側鎖型液晶ポリマーが有する液晶性構成単位と、前記重合性液晶化合物を配向する工程と、
前記配向する工程の後に、前記重合性液晶化合物を重合する工程とを有することにより、位相差層を形成する、位相差フィルムの製造方法を提供する。
前記位相差層が、側鎖型液晶ポリマーと、重合性液晶化合物とを含有し、前記側鎖型液晶ポリマーが、前記一般式(I)で表される構成単位と、液晶性構成単位とを有する共重合体を含む、液晶組成物の硬化物からなる、
位相差層の転写に供する転写用積層体を提供する。
「本明細書において、ある部材又はある領域等のある構成が、他の部材又は他の領域等の他の構成の「上に(又は下に)」あるとする場合、特段の限定がない限り、これは他の構成の直上(又は直下)にある場合のみでなく、他の構成の上方(又は下方)にある場合を含み、すなわち、他の構成の上方(又は下方)において間に別の構成要素が含まれている場合も含む。
本開示において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタアクリルの各々を表し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの各々を表す。
また、本明細書において「板」、「シート」、「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではなく、「フィルム面(板面、シート面)」とは、対象となるフィルム状(板状、シート状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるフィルム状部材(板状部材、シート状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。
本開示の側鎖型液晶ポリマーは、下記一般式(I)で表される構成単位と、液晶性構成単位とを有する共重合体を含む、側鎖型液晶ポリマーである。
本開示の実施形態において側鎖型液晶ポリマーは、このような一般式(I)で表される構成単位を有していることにより、側鎖型液晶ポリマー中の液晶性構成単位の側鎖を垂直配向しやすくすると共に、後述する重合性液晶化合物のような他の液晶化合物との相溶性を高め、重合性液晶化合物も垂直配向しやすくする。その結果、液晶が配向する温度範囲を広げられ、また、後述する重合性液晶化合物の析出が抑制されると推定される。
以下、共重合体における各構成単位について説明する。
アルキレン鎖{−(CH2)n−}、又はオリゴエチレンオキシド鎖{−(C2H4O)n’−}のn及びn’はそれぞれ独立に2以上10以下の整数である。中でも、上記効果を発揮する点から、nは、2以上8以下の整数であることが好ましい。また、中でも、上記効果を発揮する点から、n’は、2以上4以下の整数であることが好ましい。
当該アリーレン基が有してもよいR3以外の置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子が挙げられる。
炭素原子数2以上10以下の直鎖又は分岐のアルキル基の具体例としては、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。中でも、液晶性構成単位の側鎖を垂直配向しやすくし、上記効果を発揮する点から、炭素原子数2以上10以下の直鎖アルキル基であることが好ましく、炭素原子数3以上10以下の直鎖アルキル基であることが更に好ましく、炭素原子数4以上10以下の直鎖アルキル基であることがより更に好ましい。
また、炭素原子数2以上10以下の直鎖又は分岐のアルコキシ基(−OR3’)におけるアルキル基R3’の具体例としては、上記アルキル基の具体例と同様のものが挙げられる。中でも、液晶性構成単位の側鎖を垂直配向しやすくし、上記効果を発揮する点から、アルキル基R3’が直鎖である炭素原子数2以上10以下の直鎖アルコキシ基であることが好ましく、炭素原子数3以上10以下の直鎖アルコキシ基であることが更に好ましく、炭素原子数4以上10以下の直鎖アルコキシ基であることがより更に好ましい。
当該アルキル基又はアルコキシ基が有してもよい置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子が挙げられる。
なお、共重合体における各構成単位の含有割合は、1H NMR測定による積分値から算出することができる。
本開示の実施形態の側鎖型液晶ポリマーにおいて、液晶性構成単位は、側鎖に液晶性を示すメソゲンを含む構成単位であることが好ましい。液晶性構成単位は、メソゲン基にスペーサーを介して重合性基が結合した液晶性を示す化合物(以下、液晶モノマーという場合がある)から誘導される構成単位である。
本開示においてメソゲンとは、液晶性を発現するような剛直性の高い部位をいい、例えば、2個以上の環構造、好ましくは3個以上の環構造を有し、環構造同士が直接結合により連結しているか、又は、当該環構造が1原子乃至3原子を介して連結している部分構造が挙げられる。側鎖にこのようなメソゲンを有することにより、液晶性構成単位は垂直配向しやすくなる。
前記環構造としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン等の芳香環であってもよく、シクロペンチル、シクロヘキシル等の環状の脂肪族炭化水素であってもよい。
また、当該環構造が1原子乃至3原子を介して連結している場合、当該連結部の構造としては、例えば、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−N(−R’ )−C(=O)−、−C(=O)−N(−R’ )−、−O−C(=O)−N(−R’ )−、−N(−R’ )−C(=O)−O−、−N(−R’ )−C(=O)−N(−R’ )−、−O−N(−R’ )−、−N(−R’ )−O−、−CH=CH−、−C≡C−、−N=N−等が挙げられる(R’はアルキル基)。当該アルキル基としては、例えば、直鎖、分岐若しくは環状の炭素原子数1以上6以下のアルキル基等が挙げられ、中でも直鎖若しくは分岐の炭素原子数1以上3以下のアルキル基が好ましい。なお、前記環構造が1原子乃至3原子を介して連結においては、−「N」(−R’ )−「C」(=O)−「O」−の「」内に入れた原子のように、連結部において直列に連なった原子数を数えている。
中でも、メソゲンとしては、前記環構造の連結が棒状になるように、ベンゼンであればパラ位、ナフタレンであれば2,6位で接続された、棒状メソゲンであることが好ましい。
側鎖型液晶ポリマーにおける液晶性構成単位は、例えば、H.J.Neumann, M.Jarek, and G.P.Hellmann Macromolecules, 26, 2489-2495, (1993)や、国際公開2004/113469のp.8〜10に記載されているような、従来公知の液晶モノマーから誘導される液晶性構成単位を適宜選択して用いればよい。
L2は、中でも、垂直配向性の点から、直接結合、又は、−O−、−O−C(=O)−、若しくは−C(=O)−O−で表される連結基であることが好ましい。また、2つのAr2の間のL2としては、直接結合、又は、−O−C(=O)−、若しくは−C(=O)−O−で表される連結基であることが好ましい。
R13は、中でも垂直配向性の点から、−Cl、−CN、−OCF3、−OCF2H、−NCO、−NCS、−NO2、−NHC(=O)−R15、−C(=O)−OR15、−OH、−SH、−CHO、−SO3H、−NR15 2、−R16、又は−OR16であることが好ましく、−Cl、−CN、−OCF3又は−C(=O)−OR15、−R16、又は−OR16であることがより好ましい。
本発明において、側鎖型液晶ポリマーの共重合体は、上記一般式(I)で表される構成単位および上記液晶性構成単位の他に、上記一般式(I)で表される構成単位および上記液晶性構成単位のいずれにも該当しない構成単位を有していてもよい。共重合体に他の構成単位が含まれることにより、例えば溶剤溶解性、耐熱性、反応性等を高めることができる。
これらの他の構成単位は、1種であってもよく2種以上であってもよい。
本開示の実施形態において、側鎖型液晶ポリマーは、一般式(I)で表される構成単位からなるブロック部と、液晶性構成単位からなるブロック部を有するブロック共重合体であってもよく、一般式(I)で表される構成単位と液晶性構成単位とが不規則に並ぶランダム共重合体であってもよい。本実施形態においては、重合性液晶化合物の垂直配向性や析出の抑制、また、位相差層を割れにくくする点から、ランダム共重合体であることが好ましい。
また、ブロック共重合体とする場合には、例えば、前記一般式(I)で表される構成単位を誘導するモノマーと、液晶性構成単位を誘導するモノマーをそれぞれ公知の重合手段により重合した後、得られた各重合体を連結してもよく、また、前記一般式(I)で表される構成単位を誘導するモノマー又は液晶性構成単位を誘導するモノマーのうち一方を公知の重合手段により重合した後、他方のモノマーを加えて更に重合する方法などが挙げられる。
上記重合手段としては、ビニル基を有する化合物の重合に一般的に用いられる方法を採用することができ、例えば、アニオン重合やリビングラジカル重合などを用いることができる。本実施形態においては、なかでも、「J.Am.Chem.Soc.」105、5706(1983)に開示されているグループトランスファー重合(GTP)のようにリビング的に重合が進行する方法を用いることが好ましい。この方法によると、分子量、分子量分布などを所望の範囲とすることが容易であるので、得られる側鎖型液晶ポリマーの特性を均一にすることができる。
本開示の液晶組成物は、側鎖型液晶ポリマーと、重合性液晶化合物と、光重合開始剤とを含有し、前記側鎖型液晶ポリマーが、前記一般式(I)で表される構成単位と、液晶性構成単位とを有する共重合体を含む、液晶組成物である。
本開示の液晶組成物は、側鎖型液晶ポリマーとして、液晶性構成単位の他に、アルキレン鎖{−(CH2)n−}、又はオリゴエチレンオキシド鎖{−(C2H4O)n’−}と、置換基を有していてもよいアルキル基又はアルコキシ基との間に、前記特定のアリーレン基を有する、前記一般式(I)で表される構成単位を有している。
前記側鎖型液晶ポリマーを含む液晶組成物を塗膜にして適宜加熱した場合、前記側鎖型液晶ポリマーの液晶性構成単位の側鎖は、前記一般式(I)で表される構成単位との組み合わせにより、塗膜の面内方向に対して垂直方向に配向し易いものと推定される。更に、前記側鎖型液晶ポリマーは、前記一般式(I)で表される構成単位を含んでいるため、特定のアリーレン基によって後述する重合性液晶化合物との相溶性が向上していると推定される。当該相溶性の向上により、液晶材料全体の配向性が向上して、液晶材料全体が配向する温度範囲が広がると推定される。すなわち、側鎖型液晶ポリマーと重合性液晶化合物との相溶性が向上して、側鎖型液晶ポリマーに、重合性液晶化合物が入り込んで垂直配向し易く、また、一旦垂直配向した重合性液晶化合物は移動し難くなっていると推定される。これらのことから、本開示の液晶組成物は、低温であっても垂直配向し易く、液晶が配向する温度範囲が広がり、また、重合性液晶化合物等の相分離、結晶化に伴う析出が抑制されるものと推定される。
また、前記側鎖型液晶ポリマーは、一般式(I)で表される構成単位を含んでいることから、組み合わせる重合性液晶化合物の選択肢が広い。
また、本開示の液晶組成物は、低温で垂直配向しやすいためプロセスマージンが広く、量産に適しており、当該液晶組成物から形成される位相差層や、当該位相差層を備える表示装置の生産性を向上することもできる。
本開示の液晶組成物において側鎖型液晶ポリマーは、前記「A.側鎖型液晶ポリマー」で説明したものと同様であって良いので、ここでの説明は省略する。
本開示における液晶組成物において、前記側鎖型液晶ポリマーは1種単独を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本実施形態において、液晶の析出が抑制され、液晶が配向する温度範囲を広くできる液晶組成物が得られる点から、上記側鎖型液晶ポリマーの含有割合は、液晶組成物の固形分100質量部に対して20質量部以上79.9質量部以下であることが好ましく、25質量部以上69.9質量部以下であることがより好ましく、25質量部以上59.9質量部以下であることがより更に好ましい。
なお、本開示において固形分とは溶剤を除く全ての成分をいい、例えば、後述する重合性液晶化合物が液状であっても固形分に含まれるものとする。
本開示の液晶組成物において重合性液晶化合物は、従来公知のものの中から適宜選択して用いることができる。本実施形態においては、前記側鎖型液晶ポリマーとの組み合わせにおいて垂直配向しやすいことから、棒状メソゲンの少なくとも一方の末端に重合性基を有する重合性液晶化合物であることが好ましく、棒状メソゲンの両末端に重合性基を有する重合性液晶化合物であることがより好ましい。
重合性液晶化合物が有するメソゲン乃至棒状メソゲンは、前記側鎖型液晶ポリマーにおける液晶性構成単位が有するメソゲン乃至棒状メソゲンと同様のものとすることができる。
また、Ar3及びAr4は前記一般式(II)におけるAr2と同様のものとすることができる。
また、一般式(III)におけるR23は、前記一般式(II)におけるR13と同様のものとすることができる。
本実施形態において重合性液晶化合物の含有割合は、液晶の析出が抑制され、液晶が配向する温度範囲を広くできる液晶組成物が得られる点から、液晶組成物の固形分100質量部に対して、20質量部以上79.9質量部以下であることが好ましく、30質量部以上74.9質量部以下であることがより好ましく、40質量部以上69.9質量部以下であることがより更に好ましい。
本実施形態において光重合開始剤は、従来公知の物の中から適宜選択して用いることができる。このような光重合開始剤の具体例としては、例えば、チオキサントン等を含む芳香族ケトン類、α−アミノアルキルフェノン類、α−ヒドロキシケトン類、アシルフォスフィンオキサイド類、オキシムエステル類、芳香族オニウム塩類、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物等が好適に挙げられ、中でも、アシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤、α−アミノアルキルフェノン系重合開始剤、α−ヒドロキシケトン系重合開始剤、及びオキシムエステル系重合開始剤よりなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
本実施形態において光重合開始剤の含有割合は、前記重合性液晶化合物の硬化を促進する点から、液晶組成物の固形分100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、1質量部以上8質量部以下であることがより好ましい。
本実施形態の液晶組成物は、効果を損なわない範囲で更に他の成分を含有してもよい。具体的には、他の成分として、レベリング剤、酸化防止剤、光安定化剤や、塗工性の観点から溶剤等を含有してもよい。これらは従来公知の材料を適宜選択して用いればよい。
レベリング剤としては、フッ素系又はシリコーン系のレベリング剤を用いることが好ましい。レベリング剤の 具体例としては、例えば、特開2010−122325号公報に記載のDIC(株)製の メガファックシリーズ、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製の TSFシリーズ及び(株)ネオス製のフタージェントシリーズ等が挙げられる。本実施形態においてレベリング剤を用いる場合、その含有割合は、液晶組成物の固形分100質量部に対して0.001質量部以上5質量部以下とすることが好ましい。
本開示の位相差フィルムは、位相差層を有する位相差フィルムであって、前記位相差層が、側鎖型液晶ポリマーと、重合性液晶化合物とを含有し、前記側鎖型液晶ポリマーが、前記一般式(I)で表される構成単位と、液晶性構成単位とを有する共重合体を含む、液晶組成物の硬化物からなるものである。
上記本実施形態の位相差フィルムは、位相差層が前記液晶組成物の硬化物からなるものであるため、前述したように、重合性液晶化合物の析出が抑制され、光学特性に優れていると共に、液晶が配向する温度範囲が広がっていることからプロセスマージンが広く、量産性が向上したものである。
なお、前記一般式(I)で表される構成単位と液晶性構成単位とを有する共重合体を含む側鎖型液晶ポリマーと、重合性液晶化合物とを含有する、液晶組成物は、前述のように、前記側鎖型液晶ポリマーが垂直配向しやすく、それに伴い、前記重合性液晶化合物が垂直配向しやすいため、配向膜を用いなくても、垂直配向性を示し得るものである。
本開示の実施形態の位相差層1は、前記一般式(I)で表される構成単位と液晶性構成単位とを有する共重合体を含む側鎖型液晶ポリマーと、重合性液晶化合物とを含有する、液晶組成物の硬化物からなる。
ここで、下記一般式(I)で表される構成単位と、液晶性構成単位とを有する共重合体を含む側鎖型液晶ポリマーと、重合性液晶化合物とは、それぞれ、前記本開示の実施形態の液晶組成物において説明したものと同様であって良いので、ここでの説明は省略する。
本明細書において配向膜とは、位相差層に含まれる液晶性成分を一定方向に配列させるための層をいう。
本開示の実施形態に用いられる配向膜としては、前記本開示の実施形態の液晶組成物が垂直配向しやすいことから、垂直配向膜を用いることが好ましい。
垂直配向膜は、塗膜として設けることで、位相差層に含まれる液晶性成分のメソゲンの長軸を垂直配向させる機能を有する配向膜である。
なお、垂直配向膜用組成物として、ジェイエスアール(株)製のポリイミド系垂直配向膜用組成物「JALS−2021」や「JALS−204」、日産化学工業(株)製の「RN−1517」、「SE−1211」、「EXPOA−018」、三洋化成工業(株)製の「ファインキュアーPXV−18」等の市販品を適用することができる。また、特開2015−191143に記載の垂直配向膜であっても良い。
本実施形態において基材は、ガラス基材、金属箔、樹脂基材等が挙げられる。中でも、基材は透明性を有することが好ましく、従来公知の透明基材の中から適宜選択することができる。透明基材としては、ガラス基材の他、トリアセチルセルロース等のアセチルセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン等のオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホンやポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、アクロニトリル、メタクリロニトリル、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等の樹脂を用いて形成された透明樹脂基材が挙げられる。
このようなフレキシブル材としては、セルロース誘導体、ノルボルネン系ポリマー、シクロオレフィン系ポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アモルファスポリオレフィン、変性アクリル系ポリマー、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル類などを例示することができる。なかでも本実施形態においてはセルロース誘導体やポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。セルロース誘導体は特に光学的等方性に優れるため、光学的特性に優れたものとすることができるからである。また、ポリエチレンテレフタレートは、透明性が高く、機械的特性に優れる点から好ましい。
中でも、基材の厚みは、25μm以上125μm以下の範囲内が好ましく、中でも30μm以上100μm以下の範囲内が好ましい。厚みが上記の範囲よりも厚いと、例えば、長尺状の位相差フィルムを形成した後、裁断加工し、枚葉の位相差フィルムとする際に、加工屑が増加したり、裁断刃の磨耗が早くなってしまう場合があるからである。
例えば、本実施形態に用いられる配向膜が紫外性硬化性樹脂を含有するものである場合、透明基材と当該紫外線硬化性樹脂の接着性を向上させるためのプライマー層を基材上に形成してもよい。このプライマー層は、基材および紫外線硬化性樹脂との双方に接着性を有し、可視光学的に透明であり、紫外線を通過させるものであればよく、例えば、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体系、ウレタン系のもの等を適宜選択して使用することができる。
前記基材がアンカーコート層を有する場合には、基材とアンカーコート層の間に更にバインダー層を積層したり、アンカーコート層に基板との密着性を強化する材料を含有させることにより、基材とアンカーコート層の密着性を向上させてもよい。前記バインダー層の形成に用いるバインダー材料は、基材とアンカーコート層との密着性を向上できるものを特に制限なく使用することができる。バインダー材料としては、たとえば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤等を例示できる。
本開示の実施形態の位相差フィルムの製造方法は、
前記本開示の実施形態の液晶組成物を成膜する工程と、
前記成膜された前記液晶組成物中の前記側鎖型液晶ポリマーが有する液晶性構成単位と、前記重合性液晶化合物を配向する工程と、
前記配向する工程の後に、前記重合性液晶化合物を重合する工程とを有することにより、位相差層を形成する工程を有する。
当該液晶組成物としては、前記「B.液晶組成物」と同様のものを用いることができるので、ここでの説明を省略する。
支持体上に、液晶組成物を均一に塗布して成膜を形成する。
ここでの支持体上としては、前記基材上であっても良いし、前記配向膜を備えた基材の配向膜上であってもよい。
次いで、成膜された液晶組成物中の側鎖型液晶ポリマーが有する液晶性構成単位と、重合性液晶化合物が垂直配向可能な温度に調整し、加熱する。当該加熱処理により、側鎖型液晶ポリマーが有する液晶性構成単位と、重合性液晶化合物とを垂直配向させて乾燥することができ、前記配向状態を維持した状態で固定化することができる。
垂直配向可能な温度は、液晶組成物中の各物質に応じて異なるため、適宜調整する必要がある。例えば、60℃以上200℃以下の範囲内で行うことが好ましく、更に60℃以上100℃以下の範囲内で行うことが好ましい。本実施形態の液晶組成物は、前記側鎖型液晶ポリマーを有するため、垂直配向可能な温度範囲が広く、温度管理が容易である。
加熱手段としては、公知の加熱、乾燥手段を適宜選択して用いることができる。
また、加熱時間は、適宜選択されれば良いが、例えば、10秒以上2時間以内、好ましくは20秒以上30分以内の範囲内で選択される。
前記配向工程において、液晶性成分の配向状態を維持した状態で固定化された塗膜に、例えば光照射することにより、重合性液晶化合物を重合することができ、前記液晶組成物の硬化物からなる位相差層を得ることができる。
光照射としては、紫外線照射が好適に用いられる。紫外線照射は、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線を使用することができる。エネルギー線源の照射量は、適宜選択されれば良く、紫外線波長365nmでの積算露光量として、例えば10mJ/cm2以上10000mJ/cm2以下の範囲内であることが好ましい。
本開示の位相差フィルムは、ポジティブC型の位相差層を有する位相差フィルムとして好適に用いられる。本開示の位相差フィルムは、例えば視野角補償フィルムとして好適に用いられ、後述するような各種表示装置用の光学部材に好適に用いられる。
本開示の転写用積層体は、位相差層と、前記位相差層を剥離可能に支持した支持体とを備え、
前記位相差層が、側鎖型液晶ポリマーと、重合性液晶化合物とを含有し、前記側鎖型液晶ポリマーが、下記一般式(I)で表される構成単位と、液晶性構成単位とを有する共重合体を含む、液晶組成物の硬化物からなる、
位相差層の転写に供する転写用積層体である。
本実施形態の転写用積層体によれば、例えば、図2の例に示される位相差層1のみからなる位相差フィルム10や、図5の例に示されるような、基材は含まず配向膜23と位相差層21とが積層された積層体26からなる位相差フィルムを、提供することができる。すなわち、前記位相差層を少なくとも剥離可能であれば、転写用積層体の転写に供する位相差層には、配向膜等が積層されていても良い。
以下、このような転写用積層体の構成について説明するが、前記本開示の実施形態の液晶組成物については前述のとおりであるため、ここでの説明は省略する。
図4の例に示される転写用積層体20の1実施形態は、転写に供する位相差層16と、前記位相差層を剥離可能に支持した支持体15として、第二の基材12上に配向膜13と位相差層11とがこの順に積層されている転写用積層体である。図4の例に示される転写用積層体においては、第二の基材12と配向膜13との剥離強度が、配向膜13と位相差層11との剥離強度よりも大きくなっていることにより、配向膜と位相差層との界面17で剥離され、位相差層11(16)を転写することができる転写用積層体の例である。
図5の例に示される転写用積層体30の1実施形態は、転写に供する位相差層26と、前記位相差層を剥離可能に支持した支持体25として、第二の基材22上に配向膜23と位相差層21がこの順に積層されている転写用積層体である。図5の例に示される転写用積層体においては、第二の基材22と配向膜23との剥離強度が、配向膜23と位相差層21との剥離強度よりも小さくなっていることにより、第二の基材22と配向膜23との界面27で剥離され、転写に供する位相差層26としては、位相差層21及び配向膜23を転写することができる転写用積層体の例である。
また、配向膜及び基材も前記「C.位相差フィルム」で述べた配向膜及び基材と同様のものを用いることができるが、剥離強度を調整する方法としては、例えば下記の方法を挙げることができる。
また、基材と配向膜との剥離強度が配向膜と位相差層との剥離強度よりも大きくなるよう、配向膜と位相差層との剥離強度を小さくするために、配向膜の耐溶剤性を比較的高くすることも好ましい。配向膜の耐溶剤性が比較的高い場合には、配向膜上に液晶組成物を塗布して位相差層を形成する際に、液晶組成物中の溶剤に配向膜が溶解しにくくなるため、配向膜および位相差層の密着性を低くすることができる。
離型処理としては、例えばフッ素処理、シリコーン処理等の表面処理が挙げられる。
離型層の材料としては、例えばフッ素系離型剤、シリコーン系離型剤、ワックス系離型剤等が挙げられる。離型層の形成方法としては、例えば離型剤をディップコート、スプレーコート、ロールコート等の塗布法により塗布する方法が挙げられる。
また、図6の例に示される転写用積層体40を得るためにも、必要に応じて、基材の表面に離型処理が施されていてもよく、あるいは離型層が形成されていてもよい。
転写用積層体に用いられる基材の厚みは、充分な自己支持強度と、本実施形態の転写用積層体の製造および転写工程に適応出来るだけの可撓性との兼合いから、通常、上記材料のシートの場合、20μm以上200μm以下の範囲内であることが好ましい。
本開示の光学部材は、前記本開示の位相差フィルム上に、偏光板を備えるものである。
図7の光学部材60の例では、前記本開示の位相差フィルム10上に、偏光板50が配置されている。位相差フィルム10と偏光板50との間には、必要に応じて粘着層(接着層)を有していてもよい(図示せず)。
また、本実施形態において粘着層(接着層)用の粘着剤又は接着剤としては、従来公知のものの中から適宜選択すればよく、感圧接着剤(粘着剤)、2液硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、熱溶融型接着剤等、いずれの接着形態のもの好適に用いることができる。
本開示に係る表示装置は、前記本実施形態の位相差フィルム、又は前記本実施形態の光学部材を備えることを特徴とする。
表示装置としては、例えば、発光表示装置、液晶表示装置等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
図8の有機発光表示装置100の例では、前記位相差フィルム10の出光面側に、偏光板50が配置され、反対側の面には、透明電極層71と、発光層72と、電極層73とをこの順に有している。
発光層72としては、例えば、透明電極層71側から順に正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子注入層の順に積層する構成等が挙げられる。本実施形態において、透明電極層、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子注入層、電極層、及びその他の構成は、公知のものを適宜用いることができる。このようにして作製された発光表示装置は、例えば、パッシブ駆動方式の有機ELディスプレイにもアクティブ駆動方式の有機ELディスプレイにも適用可能である。
なお、本実施形態の表示装置は、上記構成に限定されるものではなく、適宜選択した公知の構成とすることができる。
まず下記スキーム1に従い、4−[2−(アクリロイルオキシ)エチルオキシ]安息香酸を合成した。
上記合成例1において、2−ブロモエタノールの代わりに6−クロロ−1−n−ヘキサノールを用いた以外は、合成例1と同様にして、下記化学式(2)で表される液晶モノマー2を得た。
まず下記スキーム3に従って、4−プロポキシカルボニルフェニル=4−ヒドロキシベンゾアートを得た。具体的には、4−アセトキシ安息香酸(524.8g,2.91mol)、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル(500g,2.78mol)、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(20.34g,0.17mmol)のジクロロメタン(2.5L)懸濁液に、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(601.3g,2.91mol)のジクロロメタン(601.3g)溶液を滴下した。滴下終了後、1夜撹拌し、沈殿物をろ過したのち、溶媒を留去した。得られた油状物にメタノール(3.4L)を加え、溶解させたのち、冷却下に炭酸カリウム(446.1g,3.23mol)の水(1.7L)溶液をゆっくりと滴下した。反応混合物を1時間撹拌したのち、35%塩酸(325mL)で中和し、析出した結晶をろ過し、粗体を乾燥させることにより、4−プロポキシカルボニルフェニル=4−ヒドロキシベンゾアートを2段階71.9%(602.17g,2.00mol)の収率で得た。
遮光した2Lの四つフラスコに4−アミルフェノール(82.5g、502mmol)、6−クロロ−1−ヘキサノール(102.9g、753mmol)、炭酸カリウム(83.3g、603mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(198.1g)を入れ、100℃に昇温し37時間撹拌した。その後、この反応液を室温まで放冷し、水道水(413,1g)を添加し10分間撹拌した。その後さらに酢酸エチル(330.5g)を加え5分間撹拌した後、分液を行った。分離した水槽を酢酸エチル(329.8g)で再抽出し、合わせた有機層を水道水(412.9g)で洗浄した。その後有機層を水道水(413.8g)と飽和食塩水(150ml)で洗浄し、分液で水槽を除去した後溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=0/100→15/85)にて精製し、溶媒を留去することでエーテル体Aを44.6g得た。
次に、遮光した2Lの四つフラスコに前記エーテル体A(39.9g、151mmol)、N,N−ジメチルアニリン(20.0g、166mmol)、N,N−ジメチルアセトアミド(10.0g)、テトラヒドロフラン(116g)を入れ、内温15℃以下まで冷却した。その混合液に、テトラヒドロフラン(4.0g)でアクリル酸クロリド(15.0g、166mmol)を溶解した溶液を滴下し、25℃にて5時間攪拌した。その後、反応液を11.7−20.1℃の水道水(400.0g)中に滴下した後酢酸エチル(320.0g)を加え抽出した。その後、有機層に4−メトキシフェノール(2.4g)と10%食塩水を加え洗浄した。分離した有機層に再び10%食塩水を加え洗浄し、その後有機層の溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=0/100→2/98)にて精製し、溶媒を留 去することで下記化学式(A)で表されるモノマーAを14.8g得た。
前記合成例4において、4−アミルフェノールの代わりに、4−ノニルフェノールを等モル量用いた以外は合成例4と同様にして、下記化学式(B)で表されるモノマーBを得た。
前記合成例4において、6−クロロ−1−ヘキサノールの代わりに、3−クロロ−1−プロパノールを等モル量用いた以外は合成例4と同様にして、下記化学式(C)で表されるモノマーCを得た。
前記合成例4において、6−クロロ−1−ヘキサノールの代わりに、12−ブロモ−1−ドデカノールを等モル量用いた以外は合成例4と同様にして、下記化学式(D)で表されるモノマーDを得た。
前記合成例4において、6−クロロ−1−ヘキサノールの代わりに、エチレングリコールモノ−2−クロロエチルエーテルを等モル量用いた以外は合成例4と同様にして、下記化学式(E)で表されるモノマーEを得た。
前記合成例4において、6−クロロ−1−ヘキサノールの代わりに、ジエチレングリコールモノ(2−クロロエチル)エーテルを等モル量用いた以外は合成例4と同様にして、下記化学式(F)で表されるモノマーFを得た。
前記合成例4において、4−アミルフェノールの代わりに、4−ヘキシロキシフェノールを等モル量用いた以外は合成例4と同様にして、下記化学式(G)で表されるモノマーGを得た。
液晶性構成単位を誘導する前記液晶モノマー1〜3、及び、前記一般式(I)で表される構成単位を誘導する非液晶モノマーとして前記モノマーA〜Hを表1に従って組み合わせ、側鎖型液晶ポリマーを合成した。
側鎖型液晶ポリマーA−01の合成例を具体的に説明する。
前記液晶モノマー1と、前記モノマーAとをモル比で50:50となるように組み合わせて混合し、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)を加え、40℃で撹拌し溶解させた。溶解後24℃まで冷却し、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を加え同温にて溶解させた。80℃に加温したDMAcに上記反応溶液を30分かけて滴下し、滴下終了後、80℃で6時間撹拌した。反応終了後室温まで冷却した後、9℃のメタノールを撹拌している別の容器に滴下し20分撹拌した。上澄み液を除去後スラリーをろ過し、得られた粗体を再び9℃のメタノール中で20分撹拌、上澄み液の除去、ろ過をした。得られた結晶を乾燥させることにより側鎖型液晶ポリマーA−01を収率76.5%で得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,TMS):0.60〜2.12(m,Alkyl−H),3.61〜4.27(m,−O−CH2−),6.80〜7.73(m,Aromatic−H),8.18 (bs,CN−C=CH−)
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,TMS): 1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,TMS):0.61〜2.08(m,Alkyl−H),3.60〜4.28(m,−O−CH2−),6.81〜7.72(m,Aromatic−H),8.12 (bs,CN−C=CH−)
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,TMS): 1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,TMS):0.60〜2.10(m,Alkyl−H),3.61〜4.27(m,−O−CH2−),6.80〜7.72(m,Aromatic−H),8.19 (bs,CN−C=CH−)
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,TMS): 1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,TMS):0.60〜2.08(m,Alkyl−H),3.61〜4.27(m,−O−CH2−),6.80〜7.73(m,Aromatic−H),8.18 (bs,CN−C=CH−)
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,TMS): 1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,TMS):0.61〜2.10(m,Alkyl−H),3.59〜4.29(m,−O−CH2−),6.81〜7.75(m,Aromatic−H),8.11 (bs,CN−C=CH−)
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,TMS): 1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,TMS):0.62〜2.09(m,Alkyl−H),3.61〜4.27(m,−O−CH2−),6.80〜7.73(m,Aromatic−H),8.10 (bs,CN−C=CH−)
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,TMS): 1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,TMS):0.61〜2.07(m,Alkyl−H),3.63〜4.29(m,−O−CH2−),6.81〜7.73(m,Aromatic−H),8.15 (bs,CN−C=CH−)
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,TMS): 1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,TMS):0.62〜2.12(m,Alkyl−H),3.65〜4.32(m,−O−CH2−),6.80〜7.75(m,Aromatic−H),8.09(bs,CN−C=CH−)
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,TMS): 1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,TMS):0.61〜2.11(m,Alkyl−H),3.60〜4.30(m,−O−CH2−),6.82〜7.77(m,Aromatic−H),8.10 (bs,CN−C=CH−)
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,TMS): 1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,TMS):0.61〜1.83(m,Alkyl−H),3.61〜4.31(m,−O−CH2−),6.82〜7.76(m,Aromatic−H),8.11 (bs,CN−C=CH−)
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,TMS): 1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,TMS):0.60〜2.09(m,Alkyl−H),3.61〜4.26(m,−O−CH2−),6.82〜7.73(m,Aromatic−H),8.18 (bs,CN−C=CH−)
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,TMS): 1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,TMS):0.61〜2.08(m,Alkyl−H),3.61〜4.26(m,−O−CH2−),6.80〜7.73(m,Aromatic−H),8.17 (bs,CN−C=CH−)
C−01:IRGACURE 907
C−02:IRGACUR 184
側鎖型液晶ポリマー(A−01)50質量部、光重合性液晶化合物(B−01)50質量部および光重合開始剤(チバスペシャリフィケミカルズ社製,イルガキュア907)4質量部をシクロヘキサノン400質量部に溶解させ液晶組成物1を調製した。
実施例1において、各成分の組成を表2に従って変更した以外は、実施例1と同様にして、液晶組成物2〜15を得た。
実施例1において、各成分の組成を表2に従って変更した以外は、実施例1と同様にして、比較液晶組成物X1〜X2を得た。
光学フィルムの作製
厚み38μmのPET基材(メーカー名,品番)を用い、その片面に垂直配向膜用組成物(三洋化成工業(株)製のファインキュアーPXV−18)を膜厚3μmになるようにコーティングし、20mJ/cm2の偏光紫外線を照射して配向膜を作製した。
続いて、形成した配向膜上に、前記実施例及び比較例の液晶組成物をそれぞれ、測定波長550nmでの厚み位相差Rth(550)が−100nmになるように塗工時に流量調整してダイヘッドコーティング方式で配向膜上に塗布した。垂直配向温度の下限値及び上限値については、ガラス基板に各液晶組成物をスピンコートし、加熱冷却可能なホットプレートを装着した偏光顕微鏡で温度域でのサンプルの様子をクロスニコル下で観察して測定した。
その後、表2に示す垂直配向温度の下限値プラス10℃を各乾燥温度として、120秒乾燥させた後に紫外線(UV)を照射して位相差層を形成して光学フィルムを得た。
その後、位相差層を粘着付きガラスに転写して、王子計測機器(株)社製 KOBRA−WRや大塚電子(株)社製 RETS100を用いて厚さ方向の位相差Rth(nm)を測定し、位相差の厚さ方向に配向していることが確認された。
位相差層をライトテーブルの照明を利用し偏光顕微鏡でクロスニコル下によって観察し、下記評価基準により液晶析出について評価した。
[液晶析出評価基準]
A:微小な結晶の析出がなく均一に液晶分子が配向している状態
B:一部結晶が析出しクロスニコル下で明るい結晶部分が見られる状態
表2の結果から、側鎖型液晶ポリマーとして、前記一般式(I)で表される構成単位と液晶性構成単位とを有する共重合体を含む、実施例1〜15では、液晶の析出が抑制され、液晶が配向する温度範囲を広くできる液晶組成物であって、液晶の析出が抑制され、量産性が向上した位相差層を有する位相差フィルムであることが明らかとなった。
2、2’ 基材
3 配向膜
10 位相差フィルム
11、21、31 位相差層
12、22、32 第二の基材
13、23、33 配向膜
15、25、35 剥離可能な支持体
16、26、36 転写に供する位相層
17 配向膜と位相差層との界面
27 第二の基材と配向膜との界面
20、30、40 転写用積層体
50 偏光板
60 光学部材
71 透明電極層
72 発光層
73 電極層
100 発光表示装置
Claims (11)
- 下記一般式(I)で表される構成単位と、液晶性構成単位とを有する共重合体を含む、側鎖型液晶ポリマー。
- 前記液晶性構成単位が、下記一般式(II)で表される構成単位を含む、請求項1に記載の側鎖型液晶ポリマー。
- 側鎖型液晶ポリマーと、重合性液晶化合物と、光重合開始剤とを含有し、前記側鎖型液晶ポリマーが、下記一般式(I)で表される構成単位と、液晶性構成単位とを有する共重合体を含む、液晶組成物。
- 前記液晶性構成単位が、下記一般式(II)で表される構成単位を含む、請求項3に記載の液晶組成物。
- 位相差層を有する位相差フィルムであって、前記位相差層が、側鎖型液晶ポリマーと、重合性液晶化合物とを含有し、前記側鎖型液晶ポリマーが、下記一般式(I)で表される構成単位と、液晶性構成単位とを有する共重合体を含む、液晶組成物の硬化物からなる、位相差フィルム。
- 前記液晶性構成単位が、下記一般式(II)で表される構成単位を含む、請求項5に記載の位相差フィルム。
- 請求項3又は4に記載の液晶組成物を成膜する工程と、
前記成膜された前記液晶組成物中の前記側鎖型液晶ポリマーが有する液晶性構成単位と、前記重合性液晶化合物を配向する工程と、
前記配向する工程の後に、前記重合性液晶化合物を重合する工程とを有することにより、位相差層を形成する、位相差フィルムの製造方法。 - 位相差層と、前記位相差層を剥離可能に支持した支持体とを備え、
前記位相差層が、側鎖型液晶ポリマーと、重合性液晶化合物とを含有し、前記側鎖型液晶ポリマーが、下記一般式(I)で表される構成単位と、液晶性構成単位とを有する共重合体を含む、液晶組成物の硬化物からなる、
位相差層の転写に供する転写用積層体。
- 前記液晶性構成単位が、下記一般式(II)で表される構成単位を含む、請求項8に記載の転写用積層体。
- 請求項5又は6に記載の位相差フィルム上に、偏光板を備える、光学部材。
- 請求項5又は6に記載の位相差フィルム、又は請求項10に記載の光学部材を備える表示装置。
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