JP2019203933A - 偏光放射性膜形成用組成物、偏光放射性膜、光学積層体、表示装置、加飾部材および立体加飾部材 - Google Patents

偏光放射性膜形成用組成物、偏光放射性膜、光学積層体、表示装置、加飾部材および立体加飾部材 Download PDF

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Wataru Hoshino
渉 星野
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Abstract

【課題】本発明は、三次元曲面を有する形状に成形することができ、蛍光二色性色素化合物が高い配向度を持つ偏光放射性膜形成用組成物、偏光放射性膜、光学積層体、表示装置、加飾部材および立体加飾部材を提供することを課題とする。【解決手段】蛍光二色性色素化合物と、高分子液晶化合物とを含有する偏光放射性膜形成用組成物であって、前記高分子液晶化合物が、サーモトロピック性液晶、且つ、結晶性高分子である偏光放射性膜形成用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、偏光放射性膜形成用組成物、偏光放射性膜、光学積層体、画像表示装置、加飾部材および立体加飾部材に関する。
液晶表示装置をはじめ、様々な光学表示装置において、偏光光学部材が活用されている。最も一般的には、偏光板で入射光の約50%を吸収することで透過光として直線偏光を得ることができるが、このような方法は単に光を偏光フィルターでカットしているだけである。発光体から放射される光が偏光であれば、上記のような偏光フィルターは不要である。特許文献1では、蛍光物質を含有させた高分子フィルムを30倍に延伸して配向させることで、偏光発光を得ることが記載されている。この方法では、延伸することで得られたフィルムは脆性が弱く、クラックが入り易い等の弱点を有している。特許文献2では、UV硬化性の液晶モノマーと蛍光二色性色素化合物を混ぜることで、蛍光二色性色素化合物が配向軸を有し、偏光発光を得ることができることが記載されている。液晶を用いた配向方法は、薄層化や3次元曲面を持つ物体に対する膜形成が可能になる等のメリットを有する。
特開2001−174809号公報 特開2014−162200号公報
本発明者らは、配向膜上に、UV硬化性の液晶モノマーと蛍光二色性色素化合物を含有する組成物を積層して、偏光放射性膜を作成する検討を行った。その結果、蛍光二色性色素化合物の配向度が低く、得られる偏光強度が弱いことを見出した。
そこで、本発明は、三次元曲面を有する形状に成形することができ、蛍光二色性色素化合物が高い配向度を持つ偏光放射性膜形成用組成物、偏光放射性膜、光学積層体、表示装置、加飾部材および立体加飾部材を提供することを課題とする。
以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[1] 蛍光二色性色素化合物と、高分子液晶化合物とを含有する偏光放射性膜形成用組成物であって、
高分子液晶化合物が、サーモトロピック性液晶、且つ、結晶性高分子である、偏光放射性膜形成用組成物。
[2]高分子液晶化合物に対する蛍光二色性色素化合物の含有比率が0.1%以上25%以下である、[1]に記載の偏光放射性膜形成用組成物。
[3] 蛍光二色性色素化合物と液晶化合物を含む偏光放射性膜形成用組成物から形成される偏光放射性膜であって、蛍光二色性色素化合物の配向度が0.7以上である、偏光放射性膜。
[4] 蛍光二色性色素化合物と、下記式(2)で表される液晶化合物を含み、液晶化合物がスメクチック相を示す、[3]に記載の偏光放射性膜。
U1−V1−W1−X1−Y1−X2−Y2−X3−W2−V2−U2 (2)
[式(2)中、X1、X2およびX3は、互いに独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または置換基を有していてもよいシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表わす。ただし、X1、X2およびX3のうち少なくとも1つは、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基である。シクロへキサン−1,4−ジイル基を構成する−CH2−は、−O−、−S−又は−NR−に置き換わっていてもよい。Rは、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表す。
Y1およびY2は、互いに独立に、−CH2CH2−、−CH2O−、−COO−、−OCOO−、単結合、−N=N−、−CRa=CRb−、−C≡C−またはCRa=N−を表わす。RaおよびRbは、互いに独立に、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表わす。
U1は、水素原子または重合性基を表わす。
U2は、重合性基を表わす。
W1およびW2は、互いに独立に、単結合、−O−、−S−、−COO−またはOCOO−を表わす。
V1およびV2は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基を構成する−CH2−は、−O−、−S−またはNH−に置き換わっていてもよい。]
[5] [1]または[2]に記載の組成物を用いて形成される、[3]に記載の偏光放射性膜。
[6] 蛍光二色性色素化合物が膜の水平方向に一つの配向軸を有する、[3]〜[5]のいずれかに記載の偏光放射性膜。
[7] 光配向膜上に、[3]〜[6]のいずれかに記載の偏光放射性膜を有する、光学積層体。
[8] [3]〜[6]のいずれかに記載の偏光放射性膜または[7]に記載の光学積層体に加えて、少なくともλ/4層を有する、光学積層体。
[9] [3]〜[6]のいずれかに記載の偏光放射性膜または[7]もしくは[8]に記載の光学積層体を有する、表示装置。
[10] [3]〜[6]のいずれかに記載の偏光放射性膜または[7]もしくは[8]に記載の光学積層体を有する、加飾部材。
[11] 3次元曲面を有する立体加飾部材であって、[3]〜[6]のいずれかに記載の偏光放射性膜または[7]もしくは[8]に記載の光学積層体を3次元曲面に有する、立体加飾部材。
[12] 3次元曲面を有する表示装置であって、[3]〜[6]のいずれかに記載の偏光放射性膜または[7]もしくは[8]に記載の光学積層体を3次元曲面に有する、表示装置。
本発明によれば、三次元曲面を有する形状に成形することができ、蛍光二色性色素化合物が高い配向度を持つ偏光放射性膜形成用組成物、偏光放射性膜、光学積層体、表示装置、加飾部材および立体加飾部材を提供することができる。
図1Aは、本発明の光学積層体の一例を示す模式的な断面図である。 図1Bは、本発明の光学積層体の一例を示す模式的な断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
<偏光放射性膜形成用組成物>
本発明の偏光放射性膜形成用組成物(以下、単に「本発明の組成物」とも言う)は、蛍光二色性色素化合物と高分子液晶化合物とを含有する偏光放射性膜形成用組成物であって、前記高分子液晶化合物が、サーモトロピック性液晶、且つ、結晶性高分子である偏光放射性膜形成用組成物である。
本発明の組成物に含まれる高分子液晶化合物は、結晶層への転移に伴い高い配向度を示し、蛍光二色性色素化合物の配向度が向上すると推測される。その結果、得られる偏光放射性膜の配向度が高くなったと考えられる。
[高分子液晶化合物]
上述のとおり、本発明の組成物には、サーモトロピック性液晶、且つ、結晶性高分子である高分子液晶化合物(以下、「特定液晶高分子化合物」とも言う)が含有される。
(サーモトロピック液晶)
サーモトロピック液晶とは、温度変化によって液晶相への転移を示す液晶である。
特定液晶高分子化合物は、サーモトロピック液晶であり、ネマチック相及びスメクチック相のいずれを示してもよいが、偏光子の配向度がより高くなり、且つ、ヘイズがより観察され難くなる(ヘイズがより良好になる)理由から、少なくともネマチック相を示すことが好ましい。なお、以下、「偏光子の配向度がより高くなり、且つ、ヘイズがより観察され難くなる」ことを「本発明の効果がより優れる」とも言う。
ネマチック相を示す温度範囲は、本発明の効果がより優れる理由から、室温(23℃)〜450℃であることが好ましく、取り扱いや製造適性の観点から、50℃〜400℃であることがより好ましい。
(結晶性高分子)
結晶性高分子とは、温度変化によって結晶層への転移を示す高分子である。結晶性高分子は結晶層への転移の他にガラス転移を示すものであってもよい。
特定液晶高分子化合物は、本発明の効果がより優れる理由から、加熱した時に結晶相から液晶相への転移を持つ(途中にガラス転移があってもよい)高分子液晶化合物、又は、加熱により液晶状態した後で温度を下降させた時に結晶相への転移(途中にガラス転移があってもよい)を持つ高分子液晶化合物であることが好ましい。
なお、高分子液晶化合物の結晶性の有無は以下のように評価する。
光学顕微鏡(Nikon社製ECLIPSE E600 POL)の二枚の偏光子を互いに直交するように配置し、二枚の偏光子の間にサンプル台をセットする。そして、高分子液晶化合物をスライドガラスに少量乗せ、サンプル台上に置いたホットステージ上にスライドガラスをセットする。サンプルの状態を観察しながら、高分子液晶化合物が液晶性を示す温度までホットステージの温度を上げ、高分子液晶化合物を液晶状態にする。高分子液晶化合物が液晶状態になった後、ホットステージの温度を徐々に降下させながら液晶相転移の挙動を観察し、液晶相転移の温度を記録する。なお、高分子液晶化合物が複数の液晶相(例えばネマチック相とスメクチック相)を示す場合、その転移温度も全て記録する。
次に、高分子液晶化合物のサンプル約5mgをアルミパンに入れて蓋をし、示差走査熱量計(DSC)にセットする(リファレンスとして空のアルミパンを使用)。上記で測定した高分子液晶化合物が液晶相を示す温度まで加熱し、その後、温度を1分保持した。その後、10℃/分の速度で降温させながら、熱量測定を行う。得られた熱量のスペクトルから発熱ピークを確認する。
その結果、液晶相転移の温度以外の温度で発熱ピークが観測された場合は、その発熱ピークが結晶化によるピークであり、高分子液晶化合物は結晶性を有すると言える。
一方、液晶相転移の温度以外の温度で発熱ピークが観測されなかった場合は、高分子液晶化合物は結晶性を有さないと言える。
結晶性高分子を得る方法は特に制限されないが、具体例としては、後述する繰り返し単位(1)を含む高分子液晶化合物を用いる方法が好ましく、なかでも、後述する繰り返し単位(1)を含む高分子液晶化合物の中の好適な態様を用いる方法がより好ましい。
(結晶化温度)
上述のとおり、特定液晶高分子化合物は、結晶化高分子である。
特定液晶高分子化合物の結晶化温度は、本発明の効果がより優れる理由から、0℃以上150℃未満であることが好ましく、なかでも120℃以下であることがより好ましく、15℃以上120℃未満であることがさらに好ましく、なかでも95℃以下であることが特に好ましい。上記高分子液晶化合物の結晶化温度は、ヘイズを減らす観点から、150℃未満であることが好ましい。
なお、結晶化温度は、上述したDSCにおける結晶化による発熱ピークの温度である。
(好適な態様)
特定液晶高分子化合物は、本発明の効果がより優れる理由から、下記式(1)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(1)」とも言う)を含む高分子液晶化合物であることが好ましい。
上記式(1)中、P1は繰り返し単位の主鎖を表し、L1は単結合または2価の連結基を表し、SP1はスペーサー基を表し、M1はメソゲン基を表し、T1は末端基を表す。
P1が表す繰り返し単位の主鎖としては、具体的には、例えば、下記式(P1−A)〜(P1−D)で表される基が挙げられ、なかでも、原料となる単量体の多様性および取り扱いが容易である観点から、下記式(P1−A)で表される基が好ましい。
式(P1−A)〜(P1−D)において、「*」は、式(1)におけるL1との結合位置を表す。式(P1−A)において、Rは水素原子またはメチル基を表す。式(P1−D)において、Rはアルキル基を表す。
式(P1−A)で表される基は、本発明の効果がより優れる理由から、(メタ)アクリル酸エステルの重合によって得られるポリ(メタ)アクリル酸エステルの部分構造の一単位であることが好ましい。
式(P1−B)で表される基は、本発明の効果がより優れる理由から、エチレングリコールを重合して得られるポリエチレングリコールにおけるエチレングリコール単位であることが好ましい。
式(P1−C)で表される基は、本発明の効果がより優れる理由から、プロピレングリコールを重合して得られるプロピレングリコール単位であることが好ましい。
式(P1−D)で表される基は、本発明の効果がより優れる理由から、シラノールの縮重合によって得られるポリシロキサンのシロキサン単位であることが好ましい。
L1は、単結合または2価の連結基である。
L1が表す2価の連結基としては、−C(O)O−、−OC(O)−、−O−、−S−、−C(O)NR−、−NRC(O)−、−SO−、および、−NR−などが挙げられる。式中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、置換基(例えば、後述する置換基W)を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表わす。
P1が式(P1−A)で表される基である場合には、本発明の効果がより優れる理由から、L1は−C(O)O−で表される基が好ましい。
P1が式(P1−B)〜(P1−D)で表される基である場合には、本発明の効果がより優れる理由から、L1は単結合が好ましい。
SP1が表すスペーサー基は、液晶性を発現しやすいことや、原材料の入手性などの理由から、オキシエチレン構造、オキシプロピレン構造、ポリシロキサン構造およびフッ化アルキレン構造からなる群より選択される少なくとも1種の構造を含むことが好ましい。
ここで、SP1が表すオキシエチレン構造は、*−(CH−CHO)n1−*で表される基が好ましい。式中、n1は1〜20の整数を表し、*は、上記式(1)中のL1またはM1との結合位置を表す。n1は、本発明の効果がより優れる理由から、2〜10の整数であることが好ましく、2〜4の整数であることがより好ましく、3であることが最も好ましい。
また、SP1が表すオキシプロピレン構造は、本発明の効果がより優れる理由から、*−(CH(CH)−CHO)n2−*で表される基が好ましい。式中、n2は1〜3の整数を表し、*はL1またはM1との結合位置を表す。
また、SP1が表すポリシロキサン構造は、本発明の効果がより優れる理由から、*−(Si(CH−O)n3−*で表される基が好ましい。式中、n3は6〜10の整数を表し、*はL1またはM1との結合位置を表す。
また、SP1が表すフッ化アルキレン構造は、本発明の効果がより優れる理由から、*−(CF−CFn4−*で表される基が好ましい。式中、n4は6〜10の整数を表し、*はL1またはM1との結合位置を表す。
M1が表すメソゲン基とは、液晶形成に寄与する液晶分子の主要骨格を示す基である。液晶分子は、結晶状態と等方性液体状態の中間の状態(メソフェーズ)である液晶性を示す。メソゲン基については特に制限はなく、例えば、「Flussige Kristalle in Tabellen II」(VEB Deutsche Verlag fur Grundstoff Industrie,Leipzig、1984年刊)、特に第7頁〜第16頁の記載、および、液晶便覧編集委員会編、液晶便覧(丸善、2000年刊)、特に第3章の記載、を参照することができる。
メソゲン基としては、例えば、芳香族炭化水素基、複素環基、および脂環式基からなる群より選択される少なくとも1種の環状構造を有する基が好ましい。
メソゲン基は、本発明の効果がより優れる理由から、芳香族炭化水素基を有するのが好ましく、2〜4個の芳香族炭化水素基を有するのがより好ましく、3個の芳香族炭化水素基を有するのがさらに好ましい。
メソゲン基としては、液晶性の発現、液晶相転移温度の調整、原料入手性および合成適性という観点、並びに、本発明の効果がより優れるから、下記式(M1−A)または下記式(M1−B)で表される基が好ましく、式(M1−B)で表される基がより好ましい。
式(M1−A)中、A1は、芳香族炭化水素基、複素環基および脂環式基からなる群より選択される2価の基である。これらの基は、アルキル基、フッ化アルキル基、アルコキシ基又は後述する置換基Wなどの置換基で置換されていてもよい。
A1で表される2価の基は、4〜6員環であることが好ましい。また、A1で表される2価の基は、単環でも、縮環であってもよい。
*は、SP1またはT1との結合位置を表す。
A1が表す2価の芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレン−ジイル基、アントラセン−ジイル基およびテトラセン−ジイル基などが挙げられ、メソゲン骨格の設計の多様性や原材料の入手性などの観点から、フェニレン基またはナフチレン基が好ましく、フェニレン基がより好ましい。
A1が表す2価の複素環基としては、芳香族または非芳香族のいずれであってもよいが、配向度がより向上するという観点から、2価の芳香族複素環基であることが好ましい。
2価の芳香族複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子および酸素原子が挙げられる。芳香族複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。
2価の芳香族複素環基の具体例としては、例えば、ピリジレン基(ピリジン−ジイル基)、ピリダジン−ジイル基、イミダゾール−ジイル基、チエニレン(チオフェン−ジイル基)、キノリレン基(キノリン−ジイル基)、イソキノリレン基(イソキノリン−ジイル基)、オキサゾール−ジイル基、チアゾール−ジイル基、オキサジアゾール−ジイル基、ベンゾチアゾール−ジイル基、ベンゾチアジアゾール−ジイル基、フタルイミド−ジイル基、チエノチアゾール−ジイル基、チアゾロチアゾール−ジイル基、チエノチオフェン−ジイル基、および、チエノオキサゾール−ジイル基などが挙げられる。
A1が表す2価の脂環式基の具体例としては、シクロペンチレン基およびシクロへキシレン基などが挙げられる。
式(M1−A)中、a1は1〜10の整数を表す。a1が2以上である場合には、複数のA1は同一でも異なっていてもよい。
式(M1−B)中、A2およびA3はそれぞれ独立に、芳香族炭化水素基、複素環基および脂環式基からなる群より選択される2価の基である。A2およびA3の具体例および好適態様は、式(M1−A)のA1と同様であるので、その説明を省略する。
式(M1−B)中、a2は1〜10の整数を表し、a2が2以上である場合には、複数のA2は同一でも異なっていてもよく、複数のA3は同一でも異なっていてもよく、複数のLA1は同一でも異なっていてもよい。a2は、本発明の効果がより優れる理由から、2以上の整数であることが好ましく、2であることがより好ましい。
式(M1−B)中、a2が1である場合には、LA1は2価の連結基である。a2が2以上である場合には、複数のLA1はそれぞれ独立に、単結合または2価の連結基であり、複数のLA1のうち少なくとも1つが2価の連結基である。a2が2である場合、本発明の効果がより優れる理由から、2つのLA1のうち、一方が2価の連結基であり、他方が単結合であることが好ましい。
式(M1−B)中、LA1が表す2価の連結基としては、−O−、−(CH−、−(CF−、−Si(CH−、−(Si(CHO)−、−(OSi(CH−(gは1〜10の整数を表す。)、−N(Z)−、−C(Z)=C(Z’)−、−C(Z)=N−、−N=C(Z)−、−C(Z)−C(Z’)−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−O−C(O)O−、−N(Z)C(O)−、−C(O)N(Z)−、−C(Z)=C(Z’)−C(O)O−、−O−C(O)−C(Z)=C(Z’)−、−C(Z)=N−、−N=C(Z)−、−C(Z)=C(Z’)−C(O)N(Z”)−、−N(Z”)−C(O)−C(Z)=C(Z’)−、−C(Z)=C(Z’)−C(O)−S−、−S−C(O)−C(Z)=C(Z’)−、−C(Z)=N−N=C(Z’)−(Z、Z’、Z”は独立に、水素、C1〜C4アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、シアノ基、または、ハロゲン原子を表す。)、−C≡C−、−N=N−、−S−、−S(O)−、−S(O)(O)−、−(O)S(O)O−、−O(O)S(O)O−、−SC(O)−、および、−C(O)S−などが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、−C(O)O−が好ましい。LA1は、これらの基を2つ以上組み合わせた基であってもよい。なお、LA1が表す2価の連結基としてアゾ基を含むと可視光領域での吸収が高くなり、黄色着色が問題になる場合は好ましくない。
M1の具体例としては、例えば以下の構造が挙げられる。なお、下記具体例において、「Ac」は、アセチル基を表す。
T1が表す末端基としては、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数1〜10のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基(ROC(O)−:Rはアルキル基)、炭素数1〜10のアシルオキシ基、炭素数1〜10のアシルアミノ基、炭素数1〜10のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数1〜10のスルホニルアミノ基、炭素数1〜10のスルファモイル基、炭素数1〜10のカルバモイル基、炭素数1〜10のスルフィニル基、および、炭素数1〜10のウレイド基、(メタ)アクリロイルオキシ基含有基などが挙げられる。上記(メタ)アクリロイルオキシ基含有基としては、例えば、−L−A(Lは単結合又は連結基を表す。連結基の具体例は上述したL1及びSP1と同じである。Aは(メタ)アクリロイルオキシ基を表す)で表される基が挙げられる。
T1は、本発明の効果がより優れる理由から、炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜5のアルコキシがより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。これらの末端基は、これらの基、または、特開2010−244038号公報に記載の重合性基によって、さらに置換されていてもよい。
T1の主鎖の原子数は、本発明の効果がより優れる理由から、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10がさらに好ましく、1〜7が特に好ましい。T1の主鎖の原子数が20以下であることで、偏光子の配向度がより向上する。ここで、T1おける「主鎖」とは、M1と結合する最も長い分子鎖を意味し、水素原子はT1の主鎖の原子数にカウントしない。例えば、T1がn−ブチル基である場合には主鎖の原子数は4であり、T1がsec−ブチル基である場合の主鎖の原子数は3である。
繰り返し単位(1)の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、特定液晶高分子化合物が有する全繰り返し単位100質量%に対して、20〜100質量%が好ましく、30〜99.9質量%がより好ましく、40〜99.0質量%がさらに好ましい。
本発明において、高分子液晶化合物に含まれる各繰り返し単位の含有量は、各繰り返し単位を得るために使用される各単量体の仕込み量(質量)に基づいて算出される。
繰り返し単位(1)は、特定液晶高分子化合物中において、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、繰り返し単位(1)が特定液晶高分子化合物中に2種含まれているのがよい。
特定液晶高分子化合物が繰り返し単位(1)を2種含む場合、本発明の効果がより優れる理由から、一方(繰り返し単位A)においてT1が表す末端基がアルコキシ基であり、他方(繰り返し単位B)においてT1が表す末端基がアルコキシ基以外の基であることが好ましい。
上記繰り返し単位BにおいてT1が表す末端基は、本発明の効果がより優れる理由から、アルコキシカルボニル基、シアノ基、又は、(メタ)アクリロイルオキシ基含有基であることが好ましく、アルコキシカルボニル基、又は、シアノ基であることがより好ましい。
特定液晶高分子化合物中の上記繰り返し単位Aの含有量と特定液晶高分子化合物中の上記繰り返し単位Bの含有量との割合(A/B)は、本発明の効果がより優れる理由から、50/50〜95/5であることが好ましく、60/40〜93/7であることがより好ましく、70/30〜90/10であることがさらに好ましい。
以下に、特定液晶高分子化合物の好ましい具体例を示す。
(重量平均分子量)
特定液晶高分子化合物の重量平均分子量(Mw)は、本発明の効果がより優れる理由から、1000〜500000が好ましく、2000〜300000がより好ましい。特定液晶高分子化合物のMwが上記範囲内にあれば、特定液晶高分子化合物の取り扱いが容易になる。
特に、塗布時のクラック抑制の観点から、特定液晶高分子化合物の重量平均分子量(Mw)は、10000以上が好ましく、10000〜300000がより好ましい。
また、配向度の温度ラチチュードの観点から、特定液晶高分子化合物の重量平均分子量(Mw)は、10000未満が好ましく、2000以上10000未満が好ましい。
ここで、本発明における重量平均分子量および数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)法により測定された値である。
・溶媒(溶離液):N−メチルピロリドン
・装置名:TOSOH HLC−8220GPC
・カラム:TOSOH TSKgelSuperAWM−H(6mm×15cm)を3本接続して使用
・カラム温度:25℃
・試料濃度:0.1質量%
・流速:0.35mL/min
・校正曲線:TOSOH製TSK標準ポリスチレン Mw=2800000〜1050(Mw/Mn=1.03〜1.06)までの7サンプルによる校正曲線を使用
〔蛍光二色性色素化合物〕
本発明の組成物が含有する蛍光二色性色素化合物は、特に限定されず、従来公知の蛍光二色性色素を使用することができる。
二色性色素とは、入射光の吸収に関し、色素分子の長軸方向に振動する光と、短軸方向に振動する光に対する吸光度が異なる性質を持つ色素である。本発明の組成物が含有する蛍光二色性色素化合物は、勿論上記のような入射光(励起光)に対する異方性を有するが、加えて入射光に対して長波長側に波長のずれた蛍光を発光し、その蛍光発光に関して、色素分子の長軸方向に振動する発光強度と、短軸方向に振動する発光強度が異なる性質を持つ色素である。本発明の組成物が含有する蛍光二色性色素化合物においては、吸収と発光ともに長軸方向と短軸方向の異方性が高いことが好ましく、理想的には、吸収も発光も長軸方向のみで発生することが最も好ましい。
励起光および蛍光の波長は、特に限定されないが、例えば励起光が紫外波長領域で蛍光が可視光波長領域にあることも好ましい態様の一つである。この場合、入射する紫外偏光の異方性制御により、蛍光二色性色素化合物を含有する透明な(可視光吸収を持たない)偏光放射性膜の可視偏光発光を制御することが可能となる。
本発明の組成物が含有する蛍光2色性色素化合物の具体例としては、クマリン色素、シアニン色素、ピリジン色素、ローダミン色素、スチリル色素などの、公知の蛍光色素を用いることができる。
本発明で用いられる二色性蛍光色素の具体例を下記に示すが、本発明は何ら以下のものに限定されるものではない。
(蛍光二色性色素D1)
1,4-ビス[4-(ジ-p-トリルアミノ)スチリル]ベンゼン (東京化成社製)
(蛍光二色性色素D2)
4,4'-ビス[4-(ジ-p-トリルアミノ)スチリル]ビフェニル(東京化成社製)
(蛍光二色性色素D3)
9,10-ビス[N,N-ジ(p-トリル)アミノ]アントラセン(東京化成社製)
(蛍光二色性色素D4)
Coumarin 545(東京化成社製)
(蛍光二色性色素D5)
1,4-ビス[2-(9-エチルカルバゾール-3-イル)ビニル]ベンゼン(東京化成社製)
(蛍光二色性色素D6)
4-スチリルトリフェニルアミン
(蛍光二色性色素D7)
1,4-ビス(2-メチルスチリル)ベンゼン
(蛍光二色性色素D8)
1,4-ビス[2-(5-フェニルオキサゾリル)]ベンゼン
本発明においては、前述の特定高分子液晶の配向度が高いことで、蛍光二色性色素化合物の長軸方向を特定の方向に高配向度で配向させることが可能となり、蛍光発光の偏光度を高めることができる。すなわち、偏光放射光強度を高めることができる。
また、蛍光二色性色素化合物の長軸方向を高配向度で特定の方向に配向させた場合、このような蛍光二色性色素に対して直線偏光紫外線を照射したとき、紫外線の偏光方向が蛍光二色性色素の分子長軸方向に平行な場合と、分子長軸方向に垂直な場合とが存在するが、前者のほうが紫外線を大きく吸収するため蛍光発光強度が大きくなる。
本発明においては、2種以上の蛍光二色性色素化合物を併用してもよく、例えば、放射偏光を白色に近づける観点から、波長370〜550nmの範囲に極大吸収波長を有する少なくとも1種の色素化合物(第1の二色性色素)と、波長500〜700nmの範囲に極大吸収波長を有する少なくとも1種の色素化合物(第2の二色性色素)とを併用することも好ましい。
本発明においては、耐押圧性がより良好となる理由から、蛍光二色性色素化合物が架橋性基を有していることが好ましい。
架橋性基としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキセタニル基、スチリル基などが挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
本発明においては、蛍光二色性色素化合物の含有量は、偏光放射性膜の配向度および均一性のバランスが良好となる観点から、固形分比率として0.1〜25質量%であることが好ましく、0.5〜20質量%であることがより好ましく、1〜10質量%であることがさらに好ましい。
〔その他の二色性色素化合物〕
本発明の組成物には、放射する光の波長スペクトルを調整するため、従来公知の蛍光を発しない二色性色素化合物を蛍光二色性色素化合物に加えて使用することができる。
具体的には、例えば、特開2013−228706号公報の[0067]〜[0071]段落、特開2013−227532号公報の[0008]〜[0026]段落、特開2013−209367号公報の[0008]〜[0015]段落、特開2013−14883号公報の[0045]〜[0058]段落、特開2013−109090号公報の[0012]〜[0029]段落、特開2013−101328号公報の[0009]〜[0017]段落、特開2013−37353号公報の[0051]〜[0065]段落、特開2012−63387号公報の[0049]〜[0073]段落、特開平11−305036号公報の[0016]〜[0018]段落、特開2001−133630号公報の[0009]〜[0011]段落、特開2011−215337号公報の[0030]〜[0169]、特開2010−106242号公報の[0021]〜[0075]段落、特開2010−215846号公報の[0011]〜[0025]段落、特開2011−048311号公報の[0017]〜[0069]段落、特開2011−213610号公報の[0013]〜[0133]段落、特開2011−237513号公報の[0074]〜[0246]段落、特願2015−001425号公報の[0022]〜[0080]段落、特願2016−006502号公報の[0005]〜[0051段落]、WO2016/060173号公報の[0005]〜[0041]段落、WO2016/136561号公報の[0008]〜[0062]段落、特願2016−044909号公報の[0014]〜[0033]段落、特願2016−044910号公報の[0014]〜[0033]段落、特願2016−095907号公報の[0013]〜[0037]段落、特願2017−045296号公報の[0014]〜[0034]段落などに記載された二色性色素が挙げられる。
[界面改良剤]
本発明の組成物は、界面改良剤を含むことが好ましい。界面改良剤を含むことにより、塗布表面の平滑性が向上し、配向度の向上や、ハジキおよびムラを抑制して、面内の均一性の向上が見込まれる。
界面改良剤としては、液晶性化合物を塗布表面側で水平にさせるものが好ましく、特開2011−237513号公報の[0253]〜[0293]段落に記載の化合物(水平配向剤)を用いることができる。
着色組成物が界面改良剤を含有する場合、界面改良剤の含有量は、着色組成物中の上記二色性色素化合物と上記液晶性化合物との合計100質量部に対し、0.001〜5質量部が好ましく、0.01〜3質量部が好ましい。
[重合開始剤]
本発明の組成物は、重合開始剤を含有してもよい。
重合開始剤としては特に制限はないが、感光性を有する化合物、すなわち光重合開始剤であることが好ましい。
光重合開始剤としては、各種の化合物を特に制限なく使用できる。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号および同2951758号の各明細書)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報および米国特許第4239850号明細書)、オキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書)、および、アシルフォスフィンオキシド化合物(特公昭63−40799号公報、特公平5−29234号公報、特開平10−95788号公報および特開平10−29997号公報)等が挙げられる。
このような光重合開始剤としては、市販品も用いることができ、BASF社製のイルガキュア184、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア651、イルガキュア819およびイルガキュアOXE−01等が挙げられる。
本発明の着色組成物が重合開始剤を含有する場合、重合開始剤の含有量は、組成物中の上記蛍光二色性色素化合物と上記液晶性化合物との合計100質量部に対し、0.01〜30質量部が好ましく、0.1〜15質量部が好ましい。重合開始剤の含有量が0.01質量部以上であることで、偏光放射性膜の硬化性が良好となり、30質量部以下であることで、偏光放射性膜の液晶の配向が良好となる。
[溶媒]
本発明の組成物は、作業性等の観点から、溶媒を含有するのが好ましい。
溶媒としては、例えば、ケトン類(例えば、アセトン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなど)、エーテル類(例えば、ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、脂肪族炭化水素類(例えば、ヘキサンなど)、脂環式炭化水素類(例えば、シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼンなど)、ハロゲン化炭素類(例えば、ジクロロメタン、トリクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、クロロトルエンなど)、エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、アルコール類(例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノールなど)、セロソルブ類(例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、1,2−ジメトキシエタンなど)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシドなど)、アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)、および、ヘテロ環化合物(例えば、ピリジンなど)などの有機溶媒、ならびに、水が挙げられる。これの溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの溶媒のうち、有機溶媒を用いることが好ましく、ハロゲン化炭素類またはケトン類を用いることがより好ましい。
本発明の組成物が溶媒を含有する場合において、溶媒の含有量は、本発明の組成物の全質量に対して、80〜99質量%であることが好ましく、83〜97質量%であることがより好ましく、85〜95質量%であることが更に好ましい。
[増感剤]
本発明の組成物は増感剤を含有してもよい。増感剤としては、光増感剤が好ましい。該増感剤としては、例えば、キサントンおよびチオキサントン等のキサントン化合物(例えば、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等);アントラセンおよびアルコキシ基含有アントラセン(例えば、ジブトキシアントラセン等)等のアントラセン化合物;フェノチアジンおよびルブレン等が挙げられる。
本発明の組成物が増感剤を含有する場合、組成物に含有される重合性化合物の重合反応をより促進することができる。かかる増感剤の使用量は、重合性化合物の含有量100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましく、0.5〜8質量部がさらに好ましい。
[重合禁止剤]
重合反応を安定的に進行させる観点から、本発明の組成物は重合禁止剤を含有してもよい。重合禁止剤により、重合性化合物の重合反応の進行度合いをコントロールすることができる。
前記重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン、アルコキシ基含有ハイドロキノン、アルコキシ基含有カテコール(例えば、ブチルカテコール等)、ピロガロール、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル等のラジカル捕捉剤;チオフェノール類;β−ナフチルアミン類およびβ−ナフトール類等が挙げられる。
本発明の組成物が重合禁止剤を含有する場合、重合禁止剤の含有量は、重合性化合物の含有量100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部、より好ましくは0.5〜10質量部、さらに好ましくは0.5〜8質量部である。重合禁止剤の含有量が、上記範囲内であると、液晶の配向を大きく乱すことなく重合を行うことができる。
[その他成分]
本発明の組成物に非液晶性の多官能重合性化合物を加えることができる。非液晶性の多官能重合性化合物を加えることにより膜の熱耐久性が向上する。
一方で、液晶配向の乱れをもたらす可能性があり、アクリル当量が低い化合物が好ましい。120以下が好ましく、100以下がさらに好ましく、90以下が特に好ましい。ここで、アクリル当量とは、分子量をアクリル官能基の数で割ったものである。
この様な非液晶性の多官能重合性化合物としては、
多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニルベンゼン及びその誘導体(例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)及びメタクリルアミドが含まれる。
ただし、非液晶性の多官能重合性化合物の添加量が増えることによって液晶配向が阻害されるため、添加する場合の固形分濃度は、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましく、0.1〜5質量%であることが特に好ましく、又は、1〜20質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましく、1〜5質量%であることが特に好ましい。
<偏光放射性膜>
本発明の偏光放射性膜は、蛍光二色性色素化合物と液晶化合物を含む偏光放射性膜形成用組成物から形成される偏光放射性膜であって、前記蛍光二色性色素化合物の配向度が0.7以上である偏光放射性膜である。
用いる液晶は、前記蛍光二色性色素化合物の配向度が上記範囲にあれば、特に限定されない。
蛍光二色性色素を含有させた高分子フイルムを延伸して配向させる方法では、高い配向度が得られるが延伸させたフイルムの脆性が弱いことから、耐久性試験でクラックが生じたり、三次元曲面では使用し難いという弱点がある。一方、液晶を用いて高配向度の偏光放射性膜を実現することで、5μ以下の非常に薄い膜で偏光放射性膜を作成でき、延伸しないので脆性も強く、曲面に貼りつけることも比較的容易である。あるいはスプレー塗布やインクジェットにて立体造形物の表面に膜を形成するなど、デザインの自由度を高めることも可能となる。
最も好ましい態様は、上述した本発明の組成物を用いて形成される偏光放射性膜である。
本発明の偏光放射性膜の別の好ましい態様としては、
蛍光二色性色素化合物と、後述する式(2)で表される液晶化合物(以下、「低分子液晶化合物」ともいう)を含み、前記液晶化合物がスメクチック相を示す偏光放射性膜である。この態様によれば、液晶化合物を配向度の高いスメクチック相として用いることができるので、蛍光二色性色素化合物の配向度も高い値が得られる。
以下、低分子液晶化合物について記載する。
[低分子液晶性化合物]
本発明の偏光放射性膜形成用の着色組成物に含まれる低分子液晶性化合物は下記式(2)であらわされるものが好ましい。
U1−V1−W1−X1−Y1−X2−Y2−X3−W2−V2−U2 (2)
[式(2)中、X1、X2およびX3は、互いに独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または置換基を有していてもよいシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表わす。ただし、X1、X2およびX3のうち少なくとも1つは、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基である。シクロへキサン−1,4−ジイル基を構成する−CH2−は、−O−、−S−又は−NR−に置き換わっていてもよい。Rは、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表す。
Y1およびY2は、互いに独立に、−CH2CH2−、−CH2O−、−COO−、−OCOO−、単結合、−N=N−、−CRa=CRb−、−C≡C−またはCRa=N−を表わす。RaおよびRbは、互いに独立に、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表わす。
U1は、水素原子または重合性基を表わす。
U2は、重合性基を表わす。
W1およびW2は、互いに独立に、単結合、−O−、−S−、−COO−またはOCOO−を表わす。
V1およびV2は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基を構成する−CH2−は、−O−、−S−またはNH−に置き換わっていてもよい。]
X1、X2およびX3のうち少なくとも2つが、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基であると好ましい。
置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基は、無置換であることが好ましい。置換基を有していてもよいシクロへキサン−1,4−ジイル基は、置換基を有していてもよいトランス−シクロへキサン−1,4−ジイル基であることが好ましく、置換基を有していてもよいトランス−シクロへキサン−1,4−ジイル基は無置換であることが好ましい。
置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または置換基を有していてもよいシクロへキサン−1,4−ジイル基が任意に有する置換基としては、メチル基、エチル基、ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基およびハロゲン原子が挙げられる。
Y1は、−CH2CH2−、−COO−または単結合であることが好ましく、Y2は、−CH2CH2−またはCH2O−であることが好ましい。
U2は、重合性基である。U1は、水素原子または重合性基であり、好ましくは重合性基である。U1およびU2がともに重合性基であることが好ましく、ともに光重合性基であることが好ましい。”光重合性基”とは、後述する光重合開始剤から発生した活性ラジカルや酸などによって重合反応に関与し得る基のことを意味する。
U1で示される光重合性基とU2で示される重合性基とは、互いに異なっていてもよいが、同じ種類の基であることが好ましい。重合性基としては、ビニル基、ビニルオキシ基、1−クロロビニル基、イソプロペニル基、4−ビニルフェニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、オキシラニル基およびオキセタニル基が挙げられる。中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基、オキシラニル基およびオキセタニル基が好ましく、アクリロイルオキシ基がより好ましい。
V1およびV2で表されるアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基およびイコサン−1,20−ジイル基が挙げられる。V1およびV2は、好ましくは炭素数2〜12のアルカンジイル基であり、より好ましくは炭素数6〜12のアルカンジイル基である。
該アルカンジイル基が任意に有する置換基としては、シアノ基およびハロゲン原子が挙げられるが、該アルカンジイル基は、無置換であることが好ましく、無置換且つ直鎖状のアルカンジイル基であることがより好ましい。
W1およびW2は、互いに独立に、好ましくは単結合またはO−である。
低分子液晶性化合物の具体例としては、式(B−1)〜式(B−25)で表される化合物が挙げられる。低分子液晶性化合物がシクロヘキサン−1,4−ジイル基を有する場合、そのシクロヘキサン−1,4−ジイル基は、トランス体であることが好ましい。




中でも、式(B−2)、式(B−3)、式(B−4)、式(B−5)、式(B−6)、式(B−7)、式(B−8)、式(B−13)、式(B−14)、式(B−15)、式(B−16)および式(B−17)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
例示した低分子液晶性化合物は、単独又は組み合わせて、使用することができる。また、2種以上の低分子液晶性化合物を組み合わせる場合には、少なくとも1種が低分子液晶性化合物であると好ましく、2種以上が低分子液晶性化合物であるとより好ましい。組み合わせることにより、液晶−結晶相転移温度以下の温度でも一時的に液晶性を保持することができる場合がある。2種類の低分子液晶性化合物を組み合わせる場合の混合比としては、通常、1:99〜50:50であり、好ましくは5:95〜50:50であり、より好ましくは10:90〜50:50である。
低分子液晶性化合物が示す液晶状態は、スメクチック相であることが必要で、配向秩序度のより高い偏光放射性膜を製造することができるという点で、高次スメクチック相であることがより好ましい。”高次スメクチック相”とは、スメクチックB相、スメクチックD相、スメクチックE相、スメクチックF相、スメクチックG相、スメクチックH相、スメクチックI相、スメクチックJ相、スメクチックK相およびスメクチックL相を意味し、中でも、スメクチックB相、スメクチックF相およびスメクチックI相がより好ましい。配向秩序度の高い偏光放射性膜は、X線回折測定においてヘキサチック相やクリスタル相といった高次構造由来のブラッグピークが得られる。”ブラッグピーク”とは、分子配向の面周期構造に由来するピークを意味し、周期間隔が3.0〜5.0Åである偏光放射性膜が好ましい。
低分子液晶性化合物は、例えば、Lub et al. Recl.Trav.Chim.Pays−Bas,115, 321−328(1996)、又は特許第4719156号などに記載の公知方法で製造される。
[偏光放射性膜の形成方法]
本発明の偏光放射性膜の形成方法は特に限定されないが、好ましい態様として、上記組成物を配向膜上に塗布して塗布膜を形成する工程(以下、「塗布膜形成工程」ともいう。)と、塗布膜に含まれる蛍光二色性色素化合物を配向させる工程(以下、「配向工程」ともいう。)と、をこの順に含む方法が挙げられる。
以下、本発明の偏光放射性膜を作製する製造方法の各工程について説明する。
[塗布膜形成工程]
塗布膜形成工程は、配向膜上に上述した本組成物を塗布して塗布膜を形成する工程である。塗布膜中の液晶性化合物は配向膜と(本組成物が界面改良剤を含有する場合には)界面改良剤との相互作用により水平配向する。
上述した溶媒を含有する組成物を用いたり、組成物を加熱などによって溶融液などの液状物としたものを用いたりすることにより、透明支持体上に本発明の組成物を塗布することが容易になる。
本発明の組成物の塗布方法としては、具体的には、例えば、ロールコーティング法、グラビア印刷法、スピンコート法、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、スプレー法、および、インクジェット法などの公知の方法が挙げられる。
(配向膜)
配向膜は、本組成物に含有される高分子液晶化合物を水平配向させる膜であれば、どのような膜でもよい。
有機化合物(好ましくはポリマー)の膜表面へのラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュアブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。なかでも、本発明では、配向膜のプレチルト角の制御し易さの点からはラビング処理により形成する配向膜が好ましく、配向の均一性からは光照射により形成する光配向膜も好ましい。また、光配向膜においては、ラビング不要のため3次元曲面等でも配向可能であり、デザイン性の自由度向上メリットが大きい。
(1)ラビング処理配向膜
ラビング処理により形成される配向膜に用いられるポリマー材料としては、多数の文献に記載があり、多数の市販品を入手することができる。本発明においては、ポリビニルアルコールまたはポリイミド、およびその誘導体が好ましく用いられる。配向膜については国際公開第2001/88574A1号公報の43頁24行〜49頁8行の記載を参照することができる。配向膜の厚さは、0.01〜10μmであることが好ましく、0.01〜1μmであることがさらに好ましい。
(2)光配向膜
光配向膜とは、光反応性基を有する化合物と、溶剤とを含む組成物(以下、場合により「光配向層形成用組成物」という)を基材に塗布し、偏光(好ましくは、偏光UV)を照射することによって配向規制力を付与した配向層のことをいう。光反応性基とは、光を照射することにより液晶配向能を生じる基をいう。具体的には、光を照射することで生じる分子(光活性化合物と呼ぶ)の配向誘起又は異性化反応、二量化反応、光架橋反応、あるいは光分解反応のような、液晶配向能の起源となる光反応を生じるものである。光反応性基としては、不飽和結合、特に二重結合を有するものが好ましく、炭素−炭素二重結合(C=C結合)、炭素−窒素二重結合(C=N結合)、窒素−窒素二重結合(N=N結合)及び炭素−酸素二重結合(C=O結合)からなる群より選ばれる少なくとも一つを有する基がより好ましい。
C=C結合を有する光反応性基としては、例えば、ビニル基、ポリエン基、スチルベン基、スチルバゾ−ル基、スチルバゾリウム基、カルコン基及びシンナモイル基が挙げられる。C=N結合を有する光反応性基としては、例えば、芳香族シッフ塩基及び芳香族ヒドラゾン等の構造を有する基が挙げられる。C=O結合を有する光反応性基としては、例えば、ベンゾフェノン基、クマリン基、アントラキノン基及びマレイミド基が挙げられる。
N=N結合を有する光反応性基としては、例えば、アゾベンゼン基、アゾナフタレン基、芳香族複素環アゾ基、ビスアゾ基及びホルマザン基などや、アゾキシベンゼンを基本構造とする基が挙げられる。これらの基は、アルキル基、アルコキシ基、アリ−ル基、アリルオキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基又はハロゲン化アルキル基等の置換基を有していてもよい。中でも、シンナモイル基やアゾベンゼン基は、光配向に必要な偏光照射量が比較的少なく、かつ、熱安定性や経時安定性に優れる光配向層が得られやすいため好ましい。
光照射により形成される配向膜に用いられる光配向材料としては、多数の文献などに記載がある。本発明においては、例えば、特開2006−285197号公報、特開2007−76839号公報、特開2007−138138号公報、特開2007−94071号公報、特開2007−121721号公報、特開2007−140465号公報、特開2007−156439号公報、特開2007−133184号公報、特開2009−109831号公報、特許第3883848号、特許第4151746号に記載のアゾ化合物、特開2002−229039号公報に記載の芳香族エステル化合物、特開2002−265541号公報、特開2002−317013号公報に記載の光配向性単位を有するマレイミドおよび/またはアルケニル置換ナジイミド化合物、特許第4205195号、特許第4205198号に記載の光架橋性シラン誘導体、特表2003−520878号公報、特表2004−529220号公報、または、特許第4162850号に記載の光架橋性ポリイミド、ポリアミドもしくはエステルが好ましい例として挙げられる。
上記材料から形成した光配向膜に、直線偏光または非偏光照射を施し、光配向膜を製造する。
本明細書において、「直線偏光照射」「非偏光照射」とは、光配向材料に光反応を生じせしめるための操作である。用いる光の波長は、用いる光配向材料により異なり、その光反応に必要な波長であれば特に限定されるものではない。光照射に用いる光のピーク波長は、200nm〜700nmが好ましく、光のピーク波長が400nm以下の紫外光がより好ましい。
光照射に用いる光源は、通常使われる光源、例えばタングステンランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ、水銀ランプ、水銀キセノンランプおよびカーボンアークランプなどのランプ、各種のレーザー[例、半導体レーザー、ヘリウムネオンレーザー、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザーおよびYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザー]、発光ダイオード、ならびに、陰極線管などを挙げることができる。
直線偏光を得る手段としては、偏光板(例えば、ヨウ素偏光板、二色性物質偏光板、および、ワイヤーグリッド偏光板)を用いる方法、プリズム系素子(例えば、グラントムソンプリズム)もしくはブリュースター角を利用した反射型偏光子を用いる方法、または、偏光を有するレーザー光源から出射される光を用いる方法が採用できる。また、フィルタまたは波長変換素子などを用いて必要とする波長の光のみを選択的に照射してもよい。
照射する光は、直線偏光の場合には、配向膜に対して上面、または裏面から配向膜表面に対して垂直、または斜めから光を照射する方法が採用される。光の入射角度は、光配向材料によって異なるが、0〜90°(垂直)が好ましく、40〜90°が好ましい。
非偏光の場合には、配向膜に対して、斜めから非偏光を照射する。その入射角度は、10〜80°が好ましく、20〜60°がより好ましく、30〜50°がさらに好ましい。
照射時間は、1分〜60分が好ましく、1分〜10分がより好ましい。
パターン化が必要な場合には、フォトマスクを用いた光照射をパターン作製に必要な回数施す方法、または、レーザー光走査によるパターンの書き込みによる方法を採用できる。
[配向工程]
配向工程は、塗布膜に含有される蛍光二色性色素化合物を配向させる工程である。これにより、本発明の偏光放射性膜が得られる。配向工程では、配向膜によって配向した高分子液晶性化合物に沿って、蛍光二色性色素化合物が配向するものと考えられる。
配向工程は、乾燥処理を有していてもよい。乾燥処理によって、溶媒などの成分を塗布膜から除去することができる。乾燥処理は、塗布膜を室温下において所定時間放置する方法(例えば、自然乾燥)によって行われてもよいし、加熱および/または送風する方法によって行われてもよい。
ここで、本組成物に含有される蛍光二色性色素化合物は、上述した塗布膜形成工程または乾燥処理によって、配向する場合がある。例えば、本組成物が溶媒を含む塗布液として調製されている態様では、塗布膜を乾燥して、塗布膜から溶媒を除去することで、塗布膜に含有される蛍光二色性色素化合物が配向して、本発明の偏光放射性膜が得られる場合がある。
配向工程は、加熱処理を有することが好ましい。これにより、塗布膜に含まれる蛍光二色性色素化合物がより配向し、得られる偏光放射性膜の配向度がより高くなる。
加熱処理は、製造適性などの面から10〜250℃が好ましく、25〜190℃がより好ましい。また、加熱時間は、1〜300秒が好ましく、1〜60秒がより好ましい。
配向工程は、加熱処理後に実施される冷却処理を有していてもよい。冷却処理は、加熱後の塗布膜を室温(20〜25℃)程度まで冷却する処理である。これにより、塗布膜に含有される蛍光二色性色素化合物の配向がより固定され、得られる偏光子の配向度がより高くなる。冷却手段としては、特に限定されず、公知の方法により実施できる。
以上の工程によって、本発明の偏光放射性膜を得ることができる。
〔他の工程〕
本製造方法は、上記配向工程後に、偏光放射性膜を硬化させる工程(以下、「硬化工程」ともいう。)を有していてもよい。
硬化工程は、例えば、加熱および/または光照射(露光)によって実施される。このなかでも、硬化工程は光照射によって実施されることが好ましい。
硬化に用いる光源は、赤外線、可視光または紫外線など、種々の光源を用いることが可能であるが、紫外線であることが好ましい。また、硬化時に加熱しながら紫外線を照射してもよいし、特定の波長のみを透過するフィルタを介して紫外線を照射してもよい。
また、露光は、窒素雰囲気下で行われてもよい。ラジカル重合によって偏光子の硬化が進行する場合において、酸素による重合の阻害が低減されるため、窒素雰囲気下で露光することが好ましい。
<光学積層体>
本発明の光学積層体は、本発明の偏光放射性膜を含む多様な態様があり得る。
好ましいひとつの態様は、基材と、上記基材上に設けられた配向膜と、上記配向膜上に設けられた上述した本発明の偏光放射性膜とを有する。
基材は、平面的なフイルムには限定されず、3次元曲面を有する構造体に対して、スプレー塗布やインクジェット等の方法により、配向膜、偏光放射性膜、λ/4層などを形成することも好ましい。
また、本発明の積層体は、上記本発明の偏光放射性膜上に、λ/4層を有していてもよい。
さらに、本発明の積層体は、上記本発明の偏光放射性膜とλ/4層との間に、バリア層を有していてもよい。
最終使用形態においては、基材と光配向膜もしくは光配向膜と偏光放射性膜の界面で剥離して用いることも好ましい。さらに使用用途に応じて、耐湿性、耐熱性、耐折り曲げ性等の機能に合わせた膜を選択し、接着剤や粘着剤で張り合わせて用いることも好ましい。
以下、本発明の積層体を構成する各層について説明する。
〔基材〕
基材としては、適宜選択することができ、例えば、ガラスおよびポリマーフィルムが挙げられる。基材の光透過率は、80%以上であるのが好ましい。
基材としてポリマーフィルムを用いる場合には、光学的等方性のポリマーフィルムを用いるのが好ましい。ポリマーの具体例および好ましい態様は、特開2002−22942号公報の[0013]段落の記載を適用できる。また、従来知られているポリカーボネートやポリスルホンのような複屈折の発現しやすいポリマーであっても国際公開第2000/26705号公報に記載の分子を修飾することで発現性を低下させたものを用いることもできる。
〔配向膜〕
配向膜については、上述したとおりであるので、その説明を省略する。
〔偏光放射性膜〕
本発明の偏光放射性膜については、上述したとおりであるので、その説明を省略する。
〔λ/4層〕
「λ/4層」とは、λ/4機能を有する層であり、具体的には、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に(または円偏光を直線偏光に)変換する機能を有する層である。例えば、特定波長λ1nmの直線偏光に対しては、λ1nmにおける面内のレタデーションがλ1/4nmのポジティブAプレートは、λ/4機能を有しており、好ましく使用できる。本発明の偏光放射性膜において、例えば励起波長が360nmの蛍光二色性色素化合物を用いる場合は、上記λ/4層の360nmにおける面内レタデーションは、70nm〜110nmが好ましい。
本発明の偏光放射性膜に対してλ/4層を加えた光学積層体は、励起光に関して右回り円偏光と左回り円偏光に対する吸光度が大きく異なっており、かつ蛍光発光強度も右回り円偏光と左回り円偏光の強度が大きく異なるという特徴を有する。
例えば、λ/4層が単層構造である態様としては、具体的には、延伸ポリマーフィルムや、支持体上にλ/4機能を有する光学異方性層を設けた位相差フィルムなどが挙げられ、また、λ/4層が複層構造である態様としては、具体的には、λ/4層とλ/2層とを積層してなる広帯域λ/4層が挙げられる。
本発明においては、吸収波長(励起波長)と発光波長が異なっており、広い範囲の波長でλ/4の条件を満たすことのできる広帯域λ/4層を用いることが好ましい。上記のλ/4層とλ/2層とを積層してなるものや、後述するような逆波長分散性を持つものが挙げられる。
λ/4機能を有する光学異方性層を設けた位相差フィルムは、ネマチック液晶層またはスメクチック液晶層を発現する液晶モノマーを重合して形成した液晶化合物(円盤状液晶、棒状液晶化合物など)の少なくともひとつを含む1層以上の位相差層であることがより好ましい。
また、光学性能に優れたλ/4層として、逆波長分散性の液晶化合物を用いることもさらに好ましい。具体的には、国際公開番号WO2017/043438に記載の一般式(II)の液晶化合物が好ましく用いられる。逆波長分散性の液晶化合物を用いたλ/4層の作成方法についても、WO2017/043438の実施例1〜10や特開2016−91022の実施例1の記載を参考にできる。
λ/4層と本発明の偏光放射性膜とは、接して設けられていてもよいし、λ/4層と本発明の偏光放射性膜との間に、他の層が設けられていてもよい。このような層としては、密着性担保のための粘着層または接着層、およびバリア層が挙げられる。
〔バリア層〕
本発明の積層体がバリア層を備える場合、バリア層は、本発明の偏光子とλ/4層との間に設けられる。なお、本発明の偏光子とλ/4層との間に、バリア層以外の他の層(例えば、粘着層または接着層)を備える場合には、バリア層は、例えば、本発明の偏光子と他の層との間に設けることができる。
バリア層は、ガス遮断層(酸素遮断層)とも呼ばれ、大気中の酸素等のガス、水分、または、隣接する層に含まれる化合物等から本発明の偏光子を保護する機能を有する。
バリア層については、例えば、特開2014−159124号公報の[0014]〜[0054]段落、特開2017−121721号公報の[0042]〜[0075]段落、特開2017−115076号公報の[0045]〜[0054]段落、特開2012−213938号公報の[0010]〜[0061]段落、特開2005−169994号公報の[0021]〜[0031]段落の記載を参照できる。特開2016−155255号公報に記載されているような、アルミニウム化合物とリン化合物の反応生成物からなる層も好ましい。
[接着剤層]
本発明の光学積層体を構成する各層の積層には、任意の適切な接着剤層または後述する粘着剤層を用いることが可能である。
接着剤層を構成する接着剤としては、任意の適切な形態の接着剤が採用され得る。具体例としては、水性接着剤、溶剤型接着剤、エマルション系接着剤、無溶剤型接着剤、活性エネルギー線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤が挙げられる。活性エネルギー線硬化型接着剤としては、電子線硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤、可視光線硬化型接着剤が挙げられる。水性接着剤および活性エネルギー線硬化型接着剤が好適に用いられ得る。水性接着剤の具体例としては、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤(PVA系接着剤)、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリウレタン、水系ポリエステルが挙げられる。活性エネルギー線硬化型接着剤の具体例としては、(メタ)アクリレート系接着剤が挙げられる。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを意味する。(メタ)アクリレート系接着剤における硬化性成分としては、例えば、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、ビニル基を有する化合物が挙げられる。また、カチオン重合硬化型接着剤としてエポキシ基やオキセタニル基を有する化合物も使用することができる。エポキシ基を有する化合物は、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有するものであれば特に限定されず、一般に知られている各種の硬化性エポキシ化合物を用いることができる。好ましいエポキシ化合物として、分子内に少なくとも2個のエポキシ基と少なくとも1個の芳香環を有する化合物(芳香族系エポキシ化合物)や、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有し、そのうちの少なくとも1個は脂環式環を構成する隣り合う2個の炭素原子との間で形成されている化合物(脂環式エポキシ化合物)等が例として挙げられる。
接着剤層の貯蔵弾性率は、70℃以下の領域で好ましくは1.0×10Pa以上であり、より好ましくは1.0×10Pa以上である。接着剤層の貯蔵弾性率の上限は、例えば1.0×1010Paである。
接着剤層の厚みは、代表的には0.01μm〜7μmであり、好ましくは0.01μm〜5μmである。
活性エネルギー線硬化型接着剤では、開始剤や光増感剤の選択も重要であり、具体例としては、(メタ)アクリレート系接着剤は特開2018−17996号公報の実施例に記載されており、カチオン重合硬化型接着剤としては、特開2018−35361号公報、特開2018−41079号公報の記載を参考に作成することができる。
本発明の態様の一つである表示装置においては、内部反射を抑制することも重要であり、接着剤層でインデックスマッチングを行うことも好ましい。例えば、特開2018−17996号公報においては、屈折率が1.52〜1.64の接着剤の具体例が記載されている。
〔粘着層〕
本発明の光学積層体では、各層の積層のために、粘着層を有していてもよい。
粘着層に含まれる粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、セルロース系粘着剤等が挙げられる。
これらのうち、透明性、耐候性、耐熱性などの観点から、アクリル系粘着剤(感圧粘着剤)であるのが好ましい。
前記アクリル系粘着剤としては、エステル部分のアルキル基がメチル基、エチル基またはブチル基等の炭素数が20以下のアルキル基である(メタ)アクリレート(以下、アクリレート、メタクリレートを総称して(メタ)アクリレート、アクリル酸とメタクリル酸とを総称して(メタ)アクリル酸ということがある。)と、(メタ)アクリル酸やヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の官能基を有する(メタ)アクリル系モノマーとの共重合体が好ましい。
このような共重合体を含む粘着剤は、粘着性に優れており、また、表示装置に貼合した後に、剥離する際も、表示装置に糊残り等を生じさせることなく、比較的容易に剥離することが可能であるため好ましい。当該アクリル系ポリマーのガラス転移温度は、25℃以下が好ましく、0℃以下がより好ましい。このようなアクリル系ポリマーの重量平均分子量は、10万以上であることが好ましい。
本発明においては、任意の粘着層の厚みは特に限定されないが、3μm〜50μmであることが好ましく、4μm〜40μmであることがより好ましく、5μm〜30μmであることが更に好ましい。
粘着剤層の貯蔵弾性率(G’)は、25℃において、好ましくは0.01MPa〜1.00MPaであり、より好ましくは0.05MPa〜0.50MPaである。粘着剤層の貯蔵弾性率がこのような範囲であれば、非常に優れた屈曲性を有する光学積層体が得られ得る。結果として、屈曲可能または折りたたみ可能な表示装置を実現することができる。
粘着剤の作成方法については、特許第6123563号公報の実施例1や特開2017−165941号公報の比較例3等が挙げられる。また、特開2017−165941号公報の実施例1のように、粘着剤層に色素化合物を添加することも可能であり、劣化防止や発光素子の色相調整を行うこともできる。また、特開2016−105166号公報のように粘着剤に水分や酸素に対するバリア機能を付与することも好ましい。
[その他機能層]
機能層としては、反射防止層、防眩層、およびハードコート層からなる群から選択される少なくとも1つが挙げられる。これらは公知の層材料が使用される。なお、これらの層は、複数層が積層してもよい。
反射防止層は、上述の本発明の光学フィルムと偏光板から構成されるいわゆる円偏光板の反射防止板とは異なり、光の干渉を用いた構造により反射を低下させる構造体を指す。反射防止層は、最も単純な構成として、低屈折率層のみからなる構成であってもよい。更に反射率を低下させるには、屈折率の高い高屈折率層と、屈折率の低い低屈折率層を組み合わせて反射防止層を構成することが好ましい。構成例としては、下側から順に、高屈折率層/低屈折率層の2層のものや、屈折率の異なる3層を、中屈折率層(下層よりも屈折率が高く、高屈折率層よりも屈折率の低い層)/高屈折率層/低屈折率層の順に積層されているもの等があり、更に多くの反射防止層を積層するものも提案されている。中でも、耐久性、光学特性、コストや生産性等から、ハードコート層上に、中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層の順に有することが好ましく、例えば、特開平8−122504号公報、特開平8−110401号公報、特開平10−300902号公報、特開2002−243906号公報、特開2000−111706号公報等に記載の構成が挙げられる。また、膜厚変動に対するロバスト性に優れる3層構成の反射防止フィルムは特開2008−262187号公報記載されている。上記3層構成の反射防止フィルムは、画像表示装置の表面に設置した場合、反射率の平均値を0.5%以下とすることができ、映り込みを著しく低減することができ、立体感に優れる画像を得ることができる。また、各層に他の機能を付与させてもよく、例えば、防汚性の低屈折率層、帯電防止性の高屈折率層、帯電防止性のハードコート層、防眩性のハードコート層としたもの(例、特開平10−206603号公報、特開2002−243906号公報、特開2007−264113号公報等)等が挙げられる。
また、WO2018/025818号公報に記載のように、いわゆるモスアイ構造を有する反射防止フイルムも好ましく用いられる。
[表示装置]
本発明の表示装置は、上述した本発明の偏光放射性膜および光学積層体を有するものであれば、特に限定されない。
好ましい態様の一つは、車内のフロントガラスや室内のガラスを透明表示体とするものである。励起光が紫外波長領域で蛍光が可視光波長領域にある蛍光二色性色素化合物を含有する偏光放射性膜にλ/4層を加えた本発明の光学積層体を透明なガラス等に貼りつけた表示体に対し、マッピングされた紫外の円偏光を照射することで可視光の円偏光発光で表示をする表示装置を作成できる。発光強度が強く視認性が高いこと、表示体が可視光吸収を持たないため非常に透明度が高いこと、入射光が円偏光なので入射光の制御が容易であること、発光が円偏光なので偏光サングラス適性があること等の特徴のある表示装置となる。
[加飾部材]
本発明の加飾部材は、上述した本発明の偏光放射性膜および光学積層体を有するものであれば、特に限定されない。
好ましい態様の一つは、特殊な視覚効果の得られる加飾部材である。蛍光二色性色素化合物を含有する偏光放射性膜にλ/4層を加えた本発明の光学積層体を基材に貼りつけた加飾部材に対し、マッピングされた紫外の円偏光を照射することで可視光の円偏光発光を制御できる。この加飾部材を円偏光メガネで観察することでさらに特殊な視覚効果が得られる。発光強度が高く視認性が高いこと、入射光が円偏光なので入射光の制御が容易であること等の特徴のある加飾部材となる。
[3次元曲面を有する立体表示装置もしくは立体加飾部材]
本発明の3次元曲面を有する立体表示装置もしくは立体加飾部材は、上述した本発明の偏光放射性膜および光学積層体を有するものであれば、特に限定されない。また、作成方法についても限定されない。フイルム基材に積層した本発明の光学積層体をフイルムごと立体部材表面に貼りつける方法や転写する方法も形状によっては好ましいが、光配向膜、本発明の偏光放射性膜、λ/4層などをスプレー塗布やインクジェットにて立体部材表面に積層させる方法がさらに好ましい。
好ましい態様の一つは、半球状の透明部材に対して、光配向膜、本発明の偏光放射性膜、光配向膜、λ/4層の順にスプレー塗布にて立体部材表面に積層させて作成した表示体に対し、紫外の円偏光を照射することで可視光の円偏光発光で表示する立体表示装置を作成できる。デザインの自由度が高いことは大きな特徴となる。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
[作成例1]
<透明支持体1の作製>
厚み40μmのTAC基材(TG40、富士フイルム社製)上に、下記の組成の配向膜塗布液を#8のワイヤーバーで連続的に塗布した。その後、100℃の温風で2分間乾燥することにより、TAC基材上に厚み0.8μmのポリビニルアルコール(PVA)配向膜が形成された透明支持体1が得られた。
なお、変性ポリビニルアルコールは、固形分濃度が4wt%となるように配向膜塗布液中に加えた。
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配向膜塗布液の組成
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下記の変性ポリビニルアルコール
水 70質量部
メタノール 30質量部
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変性ポリビニルアルコール
<光配向膜1の形成>
下記構造の光配向材料E−1の1質量部に、ブトキシエタノール41.6質量部、ジプロピレングリコールモノメチル41.6質量部、および、純水15.8質量部を加え、得られた溶液を0.45μmメンブレンフィルターで加圧ろ過することで配向膜形成用組成物1を調製した。
次いで、得られた配向膜形成用組成物1を透明支持体1上に塗布し、60℃で1分間乾燥した。その後、得られた塗布膜に、偏光紫外線露光装置を用いて直線偏光紫外線(照度4.5mW、照射量500mJ/cm)を照射し、厚み0.03μmの光配向膜1(下記表1中、アゾ(E−1)と記した。)を作製した。
<偏光放射性膜1の形成>
得られた光配向膜1上に、下記の液晶組成物1(下記表1においては「組成物1」と略す。)を#4のワイヤーバーで連続的に塗布し、塗布膜1を形成した。
次いで、塗布膜1を140℃で90秒間加熱し、塗布膜1を室温(23℃)になるまで冷却した。次いで、70℃で60秒間加熱し、再び室温になるまで冷却して、光配向膜1上に偏光放射性膜1を作製した。
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液晶組成物1の組成
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蛍光二色性色素D1
1,4-ビス[4-(ジ-p-トリルアミノ)スチリル]ベンゼン 6質量部
下記高分子液晶性化合物P−1 93質量部
下記界面改良剤F−1 1質量部
シクロペンタノン 783質量部
テトラヒドロフラン 783量部
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(蛍光二色性色素D1)
1,4-ビス[4-(ジ-p-トリルアミノ)スチリル]ベンゼン (東京化成社製)
高分子液晶性化合物P−1(重量平均分子量13000、結晶化温度70℃)
界面改良剤F−1
前記偏光放射性膜上に、下記酸素遮断層形成用組成物2を#5のワイヤーバーで連続的に塗布し、60℃で5分間乾燥を行うことで、偏光放射性膜上に酸素遮断層が形成された光学積層体1を作製した。
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酸素遮断層形成用組成物1
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化合物BA−1(下記) 29質量部
重合開始剤IRGACURE819(BASF社製) 1質量部
エタノール 70質量部
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(化合物BA−1)
[作成例2]
<偏光放射性膜2の形成>
作成例1と同様にして得られた光配向膜1上に、下記の液晶組成物2(下記表1においては「組成物2」と略す。)を#4のワイヤーバーで連続的に塗布し、塗布膜2を形成した。
次いで、塗布膜2を140℃で90秒間加熱し、塗布膜2を室温(23℃)になるまで冷却した。次いで、70℃で60秒間加熱し、再び室温になるまで冷却した。
その後、高圧水銀灯を用いて照度28mW/cmの照射条件で60秒間照射することにより、光配向膜1上に厚み0.6μmの偏光放射性膜2を作製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――
液晶組成物2の組成
――――――――――――――――――――――――――――――――
蛍光二色性色素
1,4-ビス[4-(ジ-p-トリルアミノ)スチリル]ベンゼン 6質量部
下記高分子液晶性化合物P−2 92.2質量部
重合開始剤IRGACURE819(BASF社製) 0.8質量部
前記界面改良剤F−1 1質量部
シクロペンタノン 783質量部
テトラヒドロフラン 783量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
高分子液晶性化合物P−2(重量平均分子量17000、結晶化温度63℃)
前記偏光放射性膜上に、作成例1と同様にして、前記酸素遮断層形成用組成物1を#5のワイヤーバーで連続的に塗布し、60℃で5分間乾燥を行うことで、偏光放射性膜上に酸素遮断層が形成された光学積層体2を作製した。この光学積層体2の吸収波長(励起波長)中心は400nmであり、蛍光発光中心は500nmであった。
[作成例3]
<光配向膜2の形成>
下記の光配向膜用塗布液E2を作成例1の透明支持体1上に塗布し、60℃で2分間乾燥した。その後、得られた塗布膜に、偏光紫外線露光装置を用いて直線偏光紫外線(照度4.5mW、照射量500mJ/cm)を照射し、厚み0.03μmの光配向層2を作製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――
光配向膜形成用組成液E2
――――――――――――――――――――――――――――――――
・光配向材料E−2 (下記) 2.0質量部
・1,1,2−トリクロロエタン 98.0質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
光配向材料E−2(平均分子量;48000)
<偏光放射性膜3の形成>
光配向膜2上に、下記の液晶組成物3(下記表1においては「組成物3」と略す。)を#4のワイヤーバーで連続的に塗布し、塗布膜3を形成した。
次いで、塗布膜3を140℃で90秒間加熱し、塗布膜3を40℃になるまで冷却した後、高圧水銀灯を用いて照度28mW/cm2の照射条件で60秒間照射することにより、光配向膜2上に偏光放射性膜3を作製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――
液晶組成物3の組成
――――――――――――――――――――――――――――――――
蛍光二色性色素
1,4-ビス[4-(ジ-p-トリルアミノ)スチリル]ベンゼン 3質量部
下記低分子液晶化合物P−3 95.2質量部
重合開始剤IRGACURE819(BASF社製) 0.8質量部
前記界面改良剤F−1 1質量部
シクロペンタノン 783質量部
テトラヒドロフラン 783量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
低分子液晶化合物P−3(化合物A/化合物B=75/25で混合)
化合物A
化合物B
<相転移温度>
ここで、低分子液晶化合物P−3の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって確認した。
140℃まで昇温後、降温時において、108℃でネマチック相に相転移し、101℃でスメクチックA相に相転移し、76℃でスメクチックB相へ相転移し、40℃でもスメクチックB相で配向していることを確認した。つまり、偏光放射性膜3は、スメクチックB相を示すことが分かった。
前記偏光放射性膜上に、作成例1と同様にして、前記酸素遮断層形成用組成物1を#5のワイヤーバーで連続的に塗布し、60℃で5分間乾燥を行うことで、偏光放射性膜上に酸素遮断層が形成された光学積層体2を作製した。
[作成例4]
<偏光放射性膜4の形成>
作成例3と同様にして得られた光配向膜2上に、下記の液晶組成物4(下記表1においては「組成物4」と略す。)を#4のワイヤーバーで連続的に塗布し、塗布膜4を形成した。
次いで、塗布膜4を140℃で90秒間加熱し、塗布膜3を40℃になるまで冷却した後、高圧水銀灯を用いて照度28mW/cm2の照射条件で60秒間照射することにより、光配向膜2上に偏光放射性膜4を作製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――
液晶組成物4の組成
――――――――――――――――――――――――――――――――
蛍光二色性色素
1,4-ビス[4-(ジ-p-トリルアミノ)スチリル]ベンゼン 3質量部
低分子液晶化合物 LC242(BASF社製) 95.2質量部
重合開始剤IRGACURE819(BASF社製) 0.8質量部
前記界面改良剤F−1 1質量部
シクロペンタノン 783質量部
テトラヒドロフラン 783量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
低分子液晶化合物LC242(BASF社製)
<相転移温度>
ここで、液晶化合物LC242の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって確認した。
140℃まで昇温後、降温時において、118℃でネマチック相に相転移し、40℃においてもネマチック相で配向していることを確認した。つまり、偏光放射性膜4は、ネマチック相を示すことが分かった。
前記偏光放射性膜4上に、作成例1と同様にして、前記酸素遮断層形成用組成物1を#5のワイヤーバーで連続的に塗布し、60℃で5分間乾燥を行うことで、偏光放射性膜4上に酸素遮断層が形成された光学積層体4を作製した。
[作成例5〜11]
作成例1〜4と同様にして、下記の表1に示すように液晶に対する蛍光二色性色素の重量比の異なる作成例5〜11を作製した。なお、色素塗布量は合わせるように調整した。
[作成例1〜11の評価]
<配向度の評価>
光学顕微鏡(株式会社ニコン製、製品名「ECLIPSE E600 POL」)の光源側に直線偏光子を挿入した状態で、サンプル台に作成例1〜4の各光学積層体をセットし、マルチチャンネル分光器(Ocean Optics社製、製品名「QE65000」)を用いて、380〜700nmの波長域における各光学積層体の吸光度を測定し、以下の式により配向度を算出した。結果を下記表1に示す。
配向度:S=[(Az0/Ay0)−1]/[(Az0/Ay0)+2]
Az0:光学積層体の吸収軸方向の偏光に対する吸光度
Ay0:光学積層体の偏光軸方向の偏光に対する吸光度
評価基準
A:配向度0.80以上
B:配向度0.70以上0.80未満
C:配向度0.70未満
評価結果を、表1に示す。
本発明の作成例1〜3および5〜11は、比較の作成例4に対して配向度が高いことがわかった。また、400nmの紫外偏光を積層体の吸収軸に入射したときの発光強度が比較の作成例4に対して高いことを確認した。
<作成例12の作成と評価>
作成例2と同様にして、蛍光二色性色素D1を下記のD2、D4、D7に変更して配向度を確認したが、全て0.7以上になることを確認した。
(蛍光二色性色素D2)
4,4'-ビス[4-(ジ-p-トリルアミノ)スチリル]ビフェニル(東京化成社製)
(蛍光二色性色素D7)
1,4-ビス(2-メチルスチリル)ベンゼン
(蛍光二色性色素D4)
Coumarin 545
[作成例12]
〔λ/4位相差フィルム1の作製〕
<光配向層用組成物3の調製>
(重合体J−1の合成)
撹拌機、温度計、滴下漏斗および還流冷却管を備えた反応容器に、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン100.0質量部、メチルイソブチルケトン500質量部、および、トリエチルアミン10.0質量部を仕込み、室温で混合物を撹拌した。次に、脱イオン水100質量部を滴下漏斗より30分かけて得られた混合物に滴下した後、還流下で混合物を混合しつつ、80℃で6時間反応させた。反応終了後、有機相を取り出し、0.2質量%硝酸アンモニウム水溶液により洗浄後の水が中性になるまで有機相を洗浄した。その後、得られた有機相から減圧下で溶媒および水を留去し、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンを粘調な透明液体として得た。
このエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンについて、H−NMR(Nuclear Magnetic Resonance)分析を行ったところ、化学シフト(δ)=3.2ppm付近にオキシラニル基に基づくピークが理論強度どおりに得られ、反応中にエポキシ基の副反応が起こっていないことが確認された。このエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンの重量平均分子量Mwは2,200、エポキシ当量は186g/モルであった。
次に、100mLの三口フラスコに、上記で得たエポキシ基を有するポリオルガノシロキサン10.1質量部、アクリル基含有カルボン酸(東亜合成株式会社、商品名「アロニックスM−5300」、アクリル酸ω−カルボキシポリカプロラクトン(重合度n≒2))0.5質量部、酢酸ブチル20質量部、特開2015−26050号公報の合成例1の方法で得られた桂皮酸誘導体1.5質量部、および、テトラブチルアンモニウムブロミド0.3質量部を仕込み、得られた混合物を90℃で12時間撹拌した。撹拌後、得られた混合物と等量(質量)の酢酸ブチルで混合物を希釈し、さらに希釈された混合物を3回水洗した。得られた混合物を濃縮し、酢酸ブチルで希釈する操作を2回繰り返し、最終的に、光配向性基を有するポリオルガノシロキサン(下記重合体E−2)を含む溶液を得た。この重合体J−1の重量平均分子量Mwは9,000であった。また、H−NMR分析の結果、重合体J−1中のシンナメート基を有する成分は23.7質量%であった。
重合体J−1
(光配向層形成用組成物3の調製)
以下の成分を混合して、配向層形成用組成物3を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・上記重合体J−1 10.67質量部
・下記低分子化合物R−1 5.17質量部
・下記添加剤(B−1) 0.53質量部
・酢酸ブチル 8287.37質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
2071.85質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
添加剤(B−1):サンアプロ社製TA−60B(以下、構造式参照)
<光学異方性層用塗布液の調製>
下記組成の光学異方性層用塗布液を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
光学異方性層用塗布液
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記液晶性化合物L−3 42.00質量部
・下記液晶性化合物L−4 42.00質量部
・下記重合性化合物A−1 16.00質量部
・下記低分子化合物B−2 6.00質量部
・下記重合開始剤S−1(オキシム型) 0.50質量部
・下記レベリング剤G−1 0.20質量部
・ハイソルブMTEM(東邦化学工業社製) 2.00質量部
・NKエステルA−200(新中村化学工業社製) 1.00質量部
・メチルエチルケトン 424.8質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
なお、下記液晶性化合物L−3およびL−4のアクリロイルオキシ基に隣接する基は、プロピレン基(メチル基がエチレン基に置換した基)を表し、下記液晶性化合物L−3およびL−4は、メチル基の位置が異なる位置異性体の混合物を表す。




〔セルロースアシレートフィルム1の作製〕
(コア層セルロースアシレートドープの作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、撹拌して、各成分を溶解し、コア層セルロースアシレートドープとして用いるセルロースアセテート溶液を調製した。
─────────────────────────────────
コア層セルロースアシレートドープ
─────────────────────────────────
・アセチル置換度2.88のセルロースアセテート 100質量部
・特開2015−227955号公報の実施例に
記載されたポリエステル化合物B 12質量部
・下記化合物F 2質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 430質量部
・メタノール(第2溶剤) 64質量部
─────────────────────────────────
化合物F
(外層セルロースアシレートドープの作製)
上記のコア層セルロースアシレートドープ90質量部に下記のマット剤溶液を10質量部加え、外層セルロースアシレートドープとして用いるセルロースアセテート溶液を調製した。
─────────────────────────────────
マット剤溶液
─────────────────────────────────
・平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子
(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製) 2質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 76質量部
・メタノール(第2溶剤) 11質量部
・上記のコア層セルロースアシレートドープ 1質量部
─────────────────────────────────
(セルロースアシレートフィルム1の作製)
上記コア層セルロースアシレートドープと上記外層セルロースアシレートドープを平均孔径34μmのろ紙および平均孔径10μmの焼結金属フィルターでろ過した後、上記コア層セルロースアシレートドープとその両側に外層セルロースアシレートドープとを3層同時に流延口から20℃のドラム上に流延した(バンド流延機)。
次いで、溶剤含有率略20質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をテンタークリップで固定し、横方向に延伸倍率1.1倍で延伸しつつ乾燥した。
その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、更に乾燥し、厚み40μmの光学フィルムを作製し、これをセルロースアシレートフィルム1とした。得られたセルロースアシレートフィルム1の400nm〜550nmにおける面内レターデーションはほぼ0nmであった。
〔λ/4位相差フィルム1の作製〕
作製したセルロースアシレートフィルム1の片側の面に、先に調製した光配向層用組成物3をバーコーターで塗布した。
塗布後、120℃のホットプレート上で1分間乾燥して溶剤を除去し、厚さ0.3μmの光異性化組成物層を形成した。
得られた光異性化組成物層を偏光紫外線照射(10mJ/cm、超高圧水銀ランプ使用)することで、光配向層を形成した。
次いで、光配向層上に、先に調製した光学異方性層用塗布液をバーコーターで塗布し、組成物層を形成した。
形成した組成物層をホットプレート上でいったん110℃まで加熱した後、60℃に冷却させて配向を安定化させた。
その後、60℃に保ち、窒素雰囲気下(酸素濃度100ppm)で紫外線照射(500mJ/cm、超高圧水銀ランプ使用)によって配向を固定化し、厚さ2.1μmの光学異方性層を形成し、λ/4位相差フィルム1を作製した。得られた光学積層体の400nmにおける面内レターデーションは103nmであった。また、500nmにおける面内レターデーションは120nmであった。
〔作成例12の積層体の作成と評価〕
作成例2の積層体のバリア層上に、上記λ/4位相差フィルム1を粘着剤で貼りつけて作成例12の積層体を作製した。
ここで、左右の円偏光を判別するために、右円偏光フィルターと左円偏光フィルターからなる3D観察用のパッシブ方式3Dメガネを準備した。
左あるいは右どちらかの円偏光(400nm)を照射した場合のみ、前記メガネの片側で強い発光が観察できることを確認した。
10、20光学積層体
12 基材
14 光配向膜
16 偏光放射性膜
18 λ/4層

Claims (12)

  1. 蛍光二色性色素化合物と、高分子液晶化合物とを含有する偏光放射性膜形成用組成物であって、
    前記高分子液晶化合物が、サーモトロピック性液晶、且つ、結晶性高分子である、偏光放射性膜形成用組成物。
  2. 前記高分子液晶化合物に対する前記蛍光二色性色素化合物の含有比率が0.1%以上25%以下である、請求項1に記載の偏光放射性膜形成用組成物。
  3. 蛍光二色性色素化合物と液晶化合物を含む偏光放射性膜形成用組成物から形成される偏光放射性膜であって、前記蛍光二色性色素化合物の配向度が0.7以上である、偏光放射性膜。
  4. 蛍光二色性色素化合物と、下記式(2)で表される液晶化合物を含み、前記液晶化合物がスメクチック相を示す、請求項3に記載の偏光放射性膜。
    U1−V1−W1−X1−Y1−X2−Y2−X3−W2−V2−U2 (2)
    [式(2)中、X1、X2およびX3は、互いに独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または置換基を有していてもよいシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表わす。ただし、X1、X2およびX3のうち少なくとも1つは、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基である。シクロへキサン−1,4−ジイル基を構成する−CH2−は、−O−、−S−又は−NR−に置き換わっていてもよい。Rは、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表す。
    Y1およびY2は、互いに独立に、−CH2CH2−、−CH2O−、−COO−、−OCOO−、単結合、−N=N−、−CRa=CRb−、−C≡C−またはCRa=N−を表わす。RaおよびRbは、互いに独立に、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表わす。
    U1は、水素原子または重合性基を表わす。
    U2は、重合性基を表わす。
    W1およびW2は、互いに独立に、単結合、−O−、−S−、−COO−またはOCOO−を表わす。
    V1およびV2は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基を構成する−CH2−は、−O−、−S−またはNH−に置き換わっていてもよい。]
  5. 請求項1または2に記載の組成物を用いて形成される、請求項3に記載の偏光放射性膜。
  6. 蛍光二色性色素化合物が膜の水平方向に一つの配向軸を有する、請求項3〜5のいずれか一項に記載の偏光放射性膜。
  7. 光配向膜上に、請求項3〜6のいずれか一項に記載の偏光放射性膜を有する、光学積層体。
  8. 請求項3〜6のいずれか一項に記載の偏光放射性膜または請求項7に記載の光学積層体に加えて、少なくともλ/4層を有する、光学積層体。
  9. 請求項3〜6のいずれか一項に記載の偏光放射性膜または請求項7もしくは8に記載の光学積層体を有する、表示装置。
  10. 請求項3〜6のいずれか一項に記載の偏光放射性膜または請求項7もしくは8に記載の光学積層体を有する、加飾部材。
  11. 3次元曲面を有する立体加飾部材であって、請求項3〜6のいずれか一項に記載の偏光放射性膜または請求項7もしくは8に記載の光学積層体を3次元曲面に有する、立体加飾部材。
  12. 3次元曲面を有する表示装置であって、請求項3〜6のいずれか一項に記載の偏光放射性膜または請求項7もしくは8に記載の光学積層体を3次元曲面に有する、表示装置。
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