JP2008152923A - 非水電解質二次電池用正極活物質及びその製造方法、ならびに、該正極活物質を用いた非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用正極活物質及びその製造方法、ならびに、該正極活物質を用いた非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】ニッケルを含むアルカリ金属複合酸化物の粒子からなる非水電解質二次電池用正極活物質を用いた高容量の非水電解質二次電池において、充放電サイクル数の増加に伴い、容量が大幅に低下するという問題を解決することができる非水電解質二次電池用正極活物質を提供することを課題とする。
【解決手段】一次粒子の表面にクラックを有するニッケルアルカリ金属含有複合酸化物からなることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質を用いる。
【選択図】図5

Description

本発明は、非水電解質二次電池用正極活物質及びその製造方法、ならびに、該正極活物質を用いた非水電解質二次電池に関する。
電子機器の小型化に伴い、その主電源やバックアップ電源として用いられる、高エネルギー密度を有する二次電池が求められている。リチウムイオン二次電池は、高電圧・高エネルギー密度を有している点からこのような用途に適した二次電池として注目を集めている。そして、正極活物質にLiNiO等のリチウムニッケル複合酸化物を用いた高エネルギー密度を有するリチウムイオン二次電池に関しての研究開発が活発に進められている。
例えば、下記非特許文献1には、LiOH・HOとNi(NO・6HOを湿式混合した後、空気中で焼結させて得られたリチウムニッケル複合酸化物Li1−xNi1+xが記載されている。Li1−xNi1+xにおいては、ニッケルがリチウムの占有位置に存在し、xの量だけニッケルが過剰である。そして、xの値が小さいほど高い放電容量を示すことが報告されている。また、このようなLi1−xNi1+xを正極活物質として用いた二次電池が、Li/Li極に対して3.0から4.5Vの間で充放電を行った場合、初回放電で220mAh/gの放電容量を有することが記載されている。そして、上記二次電池によれば、充放電を10回程度繰り返すだけで、充放電容量が200mAh/gにまで低下することが記載されている。
また、下記特許文献1には、従来の製造方法により得られたLiNiOは、高い放電容量を示すものを再現性よく得ることが困難であったことが記載されており、二次以上の粒子を形成するための一次粒子の粒子径が1μm以下であるLiNiO粒子からなる正極活物質が記載されている。そして、このような正極活物質の製造方法として、炭酸リチウムと酸化ニッケルとを混合して、熱処理する方法が記載されている。そして、このような正極活物質を用いることにより、再現性良く高い充放電容量を示す二次電池が得られることが記載されている。
上記非特許文献1及び特許文献1に記載の製造方法により得られるリチウムニッケル複合酸化物は、上記のように、ニッケルがリチウムの占有位置に存在することにより、ニッケルが過剰になり、そのために、充放電容量が低下するという問題があった。
上記問題を解決したリチウムニッケル複合酸化物からなる正極活物質としては、下記非特許文献1及び非特許文献2で開示された製造方法により得られた、LiNi0.5Mn0.5が知られている。前記製造方法は、以下のようなものである。
NaCOとNi(OH)とMnとをボールミルにて1日湿式粉砕・混合した後、空気中900℃にて24時間反応させて、予め、NaNi0.5Mn0.5を合成する。そして、NaNi0.5Mn0.5を10倍量のLiNO及びLiClからなる溶融塩中で反応させることにより、NaNi0.5Mn0.5中のナトリウムをリチウムとイオン交換させることによりLiNi0.5Mn0.5が得られる。
上記製造方法により得られるLiNi0.5Mn0.5においては、ニッケルがリチウムの占有位置に過剰に存在することによる、充放電容量の低下を抑制することができる。そして、このようにして得られたLiNi0.5Mn0.5を正極活物質として用いた二次電池を、Li/Li極に対して3.0から4.6Vの間で充放電を行った場合、200mAh/gを超える容量が得られたことが記載されている。
特開平7−105950号公報 Solid State Ionics 80巻 (1995年) 261頁 Science 311巻 (2006年) 977頁 キスク カング(Kisuk Kang)他4名、「リチウム二次電池用、高出力・高容量電極(Electrodes with High Power and High Capacity for Rechargeable Lithium Batteries)」、[online]、サイエンス(Science)ホームページ、「平成18年9月11日検索」、インターネット<URL:http://www.sciencemag.org/cgi/content/full/311/5763/977/DC1>
しかしながら、上記非特許文献2及び3に記載のLiNi0.5Mn0.5の粒子からなる正極活物質は、充放電サイクル数の増加に伴い、容量が大幅に低下するという問題があった。具体的には、30サイクルの充放電サイクルにより、初期容量の80%程度に容量が低下することが記載されている。
本発明は上記問題を解決すること、すなわち、ニッケルを含むアルカリ金属複合酸化物の粒子からなる非水電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池において、充放電サイクル数の増加に伴い、容量が大幅に低下するという問題を解決した寿命特性に優れた非水電解質二次電池用正極活物質を提供することを課題とする。
すなわち、本発明の非水電解質二次電池用正極活物質は、一次粒子の表面にクラックを有するニッケルアルカリ金属含有複合酸化物からなるものである。
また、本発明の製造方法は、一次粒子の平均粒子径が1〜50μmであるニッケルナトリウム含有複合酸化物と、リチウムを含む溶融塩とを混合して、イオン交換反応させる工程を有するものである。
また、本発明の非水電解質二次電池は、上記正極活物質を含有する正極板と、負極板とをセパレータを介して対向配置してなる極板群が、非水電解質と共に電池ケースに封入されてなるものである。
本発明によれば、高容量の非水電解質二次電池において、充放電サイクル数が増加しても、容量が大幅に低下しない非水電解質二次電池を提供することができる。
本発明の非水電解質二次電池用正極活物質は、一次粒子の表面にクラックを有するニッケルアルカリ金属含有複合酸化物からなるものである。
本発明者らの検討によれば、上記充放電サイクル数の増加に伴う、大幅な容量低下の原因が、充放電に伴う正極活物質の膨張及び収縮により、正極集電体上に塗布された正極活物質,導電体、及びバインダ等からなる正極合剤が膨張して電解液で膨潤することにより、正極活物質同士の電気的な密着性が低下するためであると考えた。すなわち、充放電の際に、正極活物質からリチウムが抜けるときには、隣接する酸素同士が電気的に反発することにより、粒子全体として膨張し、再びリチウムが挿入されるときには、粒子全体として電気的に安定して収縮する。従って、充放電サイクルを繰り返すたびに、粒子全体として膨張及び収縮を繰り返すことにより、正極集電体上の正極合剤が徐々に膨張し、正極活物質同士の密着性が低下すると考えた。そして、充放電に伴う正極活物質の粒子の体積変動を抑制することができれば、充放電サイクル数の増加に伴い、容量が大幅に低下するという問題を解決できると考えた。
前記検討から、本発明者らは、クラックを有する正極活物質を用いることにより、正極活物質の充放電時の体積変化をクラックで吸収させて正極活物質の粒子全体としての膨張及び収縮を抑制できると考え、本発明に想到するに至った。
本発明における、ニッケルアルカリ金属含有複合酸化物とは、ニッケルとアルカリ金属とを組成中に含有する、金属複合酸化物である限り特に限定されない。
その具体的な組成比としては、例えば、一般式(2)で表されるような、ニッケルリチウム含有複合酸化物が好ましく用いられる。
Liw−xNaNi1−y−zMnMe・・・(2)
(0≦x≦0.15、0≦y≦0.7、0≦z≦0.4、MeはCo、Fe、Cu、Al、Mg、Ti、Zr、Ce、Yよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素、0.9≦w≦1.1)
一般式(2)において、ナトリウムの比率を示す、xの値は0≦x≦0.15、さらには0≦x≦0.05であることが好ましい。x=0、すなわち、ナトリウムを含有しない場合でも、正極活物質として、電気化学的に動作する。一方、xの値が、大きすぎる場合には、充電時に正極からナトリウムイオンが引き抜かれ、引き抜かれたナトリウムが負極に吸蔵されて電解液との反応性が高い化合物が生成することがある。この化合物は充放電の際に電解液と反応して副生物を生成する。この副生物の生成により、二次電池の容量が低下することがある。
また、マンガンの比率を示す、yの値は0≦y≦0.7、さらには、0≦y≦0.34であることが好ましい。マンガンを含有することにより、活物質のコストを低減することが可能になる。y=0、すなわち、マンガンを含有しない場合でも、正極活物質として、電気化学的に動作する。一方、yの値が大きすぎる場合には、粒子表面にクラックが発生しにくくなる。詳細な理由は不明であるが、特に、yの値が0.34を超える場合には、一次粒子が充分に粒成長したニッケルアルカリ金属含有複合酸化物が得られず、得られた一次粒子中には、多数の粒界が形成される。そして、この粒界は、粒子内部の歪みを緩和するために、特に、一次粒子が小さいには、クラックが発生しにくくなると考えている。
また、MeはCo、Fe、Cu、Al、Mg、Ti、Zr、Ce、Yよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を示し、その比率を示すzの値は0≦z≦0.4、さらには、0≦z≦0.34であることが好ましい。このような範囲で、前記元素を含有させることにより、充放電により引き起こされる活物質の晶系変化が抑制されて、充放電サイクルの寿命特性がより改善される。なお、zの値が0の場合でも正極活物質として、電気化学的に動作する。一方、zの値が大きすぎる場合には、正極活物質の充放電容量が低下する傾向がある。
アルカリ金属の総量を表すwの値は0.9≦w≦1.1の範囲であることが望ましい。wの値が0.9を下回っても1.1を上回っても活物質の充放電容量が低下するため、好ましくない。
ニッケルアルカリ金属含有複合酸化物の一次粒子の表面に存在するクラックの形状は、特に限定されないが、具体的には、クラックの幅としては、0.005〜0.2μm、さらには、0.01〜0.1μmであることが好ましい。クラックの幅が小さすぎる場合には、粒子の体積変動を充分に吸収できず、また、大きすぎる場合には、正極板の体積あたりの活物質充填量が低下して、電池のエネルギー密度が低下する傾向がある。
また、一次粒子の表面のクラックの間隔は、0.01〜1μm、さらには、0.05〜0.5μmであることが好ましい。該クラックの間隔が大きすぎる場合には、粒子の体積変動に対して、その体積変動を吸収するクラックの割合が少ないために、体積変動を充分に吸収することができない傾向があり、該クラックの間隔が小さすぎる場合には、正極板の体積あたりの活物質充填量が低下して、電池のエネルギー密度が低下する傾向がある。
ニッケルアルカリ金属含有複合酸化物は実質的に一次粒子化、つまり、二次粒子を形成せずに一次粒子として存在していることが好ましい。一次粒子の平均粒子径としては、0.1μm以上、さらには1μm以上であることが好ましい。平均粒子径が小さすぎる場合には、一次粒子が凝集して二次粒子を形成しやすくなり、極板の活物質充填密度が低下してしまう傾向がある。一次粒子として存在している場合には、正極板の製造の際の、正極活物質同士の滑り性が良好であり、活物質の単位体積あたりの充填量を多くできる。また、一次粒子の平均粒子径としては、50μm以下、さらには30μm以下であることが好ましい。平均粒子径が大きすぎる場合には、正極活物質同士の密着性がわるくなり、高容量が得られなかったり、極板の厚みの制御が困難となったりする傾向がある。
なお、本発明における一次粒子または二次粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)により、測定された、数平均粒子径であり、詳しくは、粉体の一部を抽出してSEM写真を撮影し、写真を見ながら一次粒子または二次粒子と判断されるものを無作為に抽出し、これらの平均値を求めた。なお、細長い粒については縦と横の長さの平均を粒径とした。
上記説明した、一次粒子の表面にクラックを有する、ニッケルアルカリ金属含有複合酸化物の製造方法について、説明する。
一次粒子の表面にクラックを形成させる方法としては、一次粒子の平均粒子径が0.1〜50μmであるニッケルとナトリウムとを含む複合酸化物(以下、ニッケルナトリウム含有複合酸化物とも呼ぶ)のナトリウムを、リチウム等に置換する方法が挙げられる。この製造方法によれば、複合酸化物中のナトリウムがリチウムに置換される際に、ナトリウムとリチウムのイオン半径の違いにより、粒子に収縮が起こる。そして、収縮により発生する歪みを緩和するために一次粒子の表面にクラックが形成される。
具体的には、例えば、NaNiOの粒子と、リチウムを含む溶融塩とを反応させてLiNiOを得る場合、NaNiOの式量あたりの格子体積が39.58Åであるのに対して、LiNiOの式量あたりの格子体積は33.89Åである。従って、ナトリウムをリチウムに置換することにより、格子体積が0.856倍、格子径が0.949倍に収縮する。そして、一次粒子の平均粒子径が0.1〜50μmの場合には、粒子内部の歪みがある程度大きくなるために、体積収縮を緩和しようとして、一次粒子表面にクラックが発生すると考えられる。
ニッケルナトリウム含有複合酸化物は、ニッケルとナトリウムとを組成中に含有する複合酸化物であれば特に限定なく用いられる。その具体例としては、例えば、一般式(3)で表されるような、ニッケルナトリウム含有複合酸化物が好ましく用いられる。
Lis-pNaNi1−q−rMnMe・・・(3)
(0.9≦S≦1.1、0.6≦p≦1、0≦q≦0.7、0≦r≦0.4、MeはCo、Fe、Cu、Al、Mg、Ti、Zr、Ce、Yよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素)
式(3)において、ナトリウムの比率を示す、pの値は0.6≦p≦1、さらには、0.8≦p≦1であることが好ましい。pの値が、小さすぎる場合、ナトリウムがリチウムに置換される際の収縮が小さくなり、粒子表面にクラックが生じにくくなる。
ニッケルナトリウム含有複合酸化物の粒子径としては、一次粒子の平均粒子径が0.1〜50μm、好ましくは1〜50μmである。前記平均粒子径が0.1μm未満の場合には、粒子径が小さすぎて、NaとLiとのイオン交換反応の際に生じる歪みが小さくなり、粒子表面にクラックが充分に発生しない。また、50μmを超える場合には、粒子径が大きすぎて、正極活物質同士の密着性がわるくなり、高容量が得られない。
一次粒子の平均粒子径が0.1〜50μmであるニッケルナトリウム含有複合酸化物は、0.1〜50μmの二次粒子径を有するニッケル含有酸化物および/またはニッケル含有水酸化物を、ナトリウムを含むアルカリ金属源の融点以上の温度で所定の時間維持することにより得ることができる。
ここで、ニッケル含有酸化物および/またはニッケル含有水酸化物(以下、ニッケル含有酸化物等とも呼ぶ)とは、NiO、Ni(OH)の他、ニッケルとニッケル以外の金属元素とを含有する複合酸化物や複合水酸化物である。ニッケル以外の金属元素の具体例としては、例えば、Mn、Co、Fe、Cu、Al、Mg、Ti、Zr、Ce、Y等の金属元素が挙げられる。これらは、単独で含有されても、組み合わされて含有されていてもよい。特に、遷移金属を含有するニッケル含有酸化物等は、粒成長しやすく、結晶子が大きく、一次粒子の平均粒子径が大きいニッケルナトリウム含有複合酸化物が得られる点から好ましい。
上記製造方法においては、二次粒子の平均粒子径が0.1〜50μm、好ましくは、1〜50μmであるニッケル含有酸化物等と、ナトリウムを含むアルカリ金属源とを、アルカリ金属源の融点以上の温度で反応させる。そして、このような反応により、ニッケルナトリウム含有複合酸化物が形成される。この際、ニッケル含有酸化物等は焼成されて、その一次粒子が粒成長する。この一次粒子の粒成長は、ニッケル含有酸化物等の二次粒子の平均粒子径以上には粒成長しない。従って、このとき生成する一次粒子の粒子径は、最大で、ニッケル含有酸化物等の二次粒子の平均粒子径である0.1〜50μmの範囲である。二次粒子の平均粒子径が小さすぎる場合には、得られるニッケルナトリウム含有複合酸化物の一次粒子が小さく、クラックが生じにくくなる。一方、50μmを超える場合には、ナトリウム源との反応性が低下し、得られるニッケルナトリウム含有複合酸化物の一次粒子が大きくなりすぎて、正極活物質同士の密着性がわるくなるおそれがある。
得られるニッケルナトリウム含有複合酸化物の一次粒子の粒子径は反応温度と反応時間により制御することができる。すなわち、ニッケル含有酸化物等と前記アルカリ金属源との反応をより高温で、且つ、長時間行うことにより、一次粒子径を大きくすることができる。しかしながら、反応温度が高すぎる場合には前記アルカリ金属源が揮発して、精密な組成の制御が難しくなる傾向がある。従って、反応温度としては、650℃以下であることが好ましい。
また、このときの反応時間としてはニッケル含有酸化物がニッケルナトリウム複合酸化物へと定量的に変化する限り特に限定されないが、1時間以上、さらには、2時間以上であることが好ましい。反応時間が短すぎる場合には、ニッケル含有酸化物等と前記アルカリ金属源とが充分に反応せず、得られるニッケルナトリウム含有複合酸化物中のナトリウムの含有割合が低くなり、また、充分に一次粒子が成長しないために、後述するイオン交換反応の際に、粒子内に充分な歪みが生じない。その結果、一次粒子表面にクラックが発生しないおそれがある。
上記反応は酸素雰囲気中で行われることが好ましい。
前記アルカリ金属源としてはナトリウム化合物の他、リチウム化合物やカリウム化合物を用いることができる。具体的には、例えば、ナトリウム化合物として、NaO、Na、NaOH、NaCO、NaNO、NaHCO、NaOCH、NaOCHCH、NaOCH(CH、NaOCOCH、Na(OCO)などが挙げられる。また、リチウム化合物としてはLiOH・HO、LiCO、LiNO、Li、LiO、LiHCOなどが挙げられる。カリウム化合物としてはKOH、KNO、KCO、K、KO、KHCOなどを用いることができる。なお、前記アルカリ金属源の組成を変化させることにより、一次粒子の表面のクラックの状態を制御することができる。例えば、前記アルカリ金属源中にリチウムを含有させることにより、クラックの幅や間隔を低減させることができる。
前記アルカリ金属源は、ニッケル含有酸化物等に対して、化学両論量よりも過剰に用いることが好ましい。前記アルカリ金属源が揮発して、生成物の化学両論比がずれることを十分に抑制するためである。
ニッケル含有酸化物等と、前記アルカリ金属源との混合方法は、特に限定されず、例えば、乳鉢を用いて混合する方法等が挙げられる。
なお、ニッケルナトリウム含有複合酸化物は空気中の水分との反応性が激しいため、露点管理を施さない環境で保存すると、水酸化物等を副生するおそれがある。そのために、ドライ雰囲気、具体的には、露点−40℃以下のようなドライ雰囲気で保存することが好ましい。
そして、このようにして得られた、一次粒子の平均粒子径が0.1〜50μmのニッケルナトリウム含有複合酸化物の粒子を、リチウムを含む溶融塩と混合して、イオン交換反応させることにより、一次粒子の表面にクラックを有するアルカリ金属複合酸化物の粒子が得られる。
前記イオン交換反応においては、一次粒子の平均粒子径が0.1〜50μm、好ましくは1〜50μmであるニッケルナトリウム含有複合酸化物中のナトリウムをリチウムイオンと交換することにより、ナトリウムイオンとリチウムイオンとのイオン半径の違いにより粒子内に歪みを生じさせ、この歪みにより粒子表面にクラックを生じさせる。すなわち、ナトリウムイオンのイオン半径は6配位で1.16Åであるのに対し、リチウムイオンは0.90Åである。従って、例えばNaNiOをLiNiOへとイオン交換する場合、粒子の体積は約14%収縮する。この体積収縮を緩和するために、粒子表面にクラックが形成される。
リチウムを含む溶融塩の調製に用いられるリチウム塩としては、例えば、LiOH・HO、LiCO、LiNO、Li、LiO、LiHCO、LiF、LiCl、LiBrなどが挙げられる。
上記反応は、リチウムを含む溶融塩中に、前記ニッケルナトリウム含有複合酸化物の粒子を添加して、混合し、所定の時間維持することにより進行する。
上記反応におけるリチウム溶融塩の温度は、用いられるリチウム塩の融点以上で分解温度以下であれば特に限定されないが、好ましくは250〜400℃の範囲である。
また、上記反応における、反応時間としては、2〜10時間が望ましい。
また、上記反応も、少なくとも露点−20℃以下、好ましくは、露点−40℃以下、のようなドライ雰囲気で行うことが望ましい。水酸化物等が副生して、正極活物質容量が低下することを抑制するためである。
また、上記反応においては、前記溶融塩中のリチウム量が、ニッケルナトリウム含有複合酸化物の化学両論量に対して、5倍以上になるような過剰な量のリチウムを用いることが好ましい。前記倍率が化学両論比の5倍未満である場合、ナトリウムとリチウムとのイオン交換が不充分になり、正極活物質の容量が小さくなるおそれがあるため好ましくない。なお、前記溶融塩との反応は、複数回行われることが好ましい。これにより、ナトリウムとリチウムのイオン交換を充分に進行させることができる。
そして、前記溶融塩と反応して得られるニッケルアルカリ金属含有複合酸化物は水洗される。粒子表面に溶融塩が残存した場合、正極活物質の充填性が損なわれるおそれがあるためである。
次に、上記正極活物質を用いた非水電解質二次電池について説明する。
本発明の非水電解質二次電池は、上記正極活物質を含有する正極板と、負極板とをセパレータを介して対向配置してなる極板群が、非水電解質と共に電池ケースに封入されてなるものである。
正極板は、正極集電体上に、上記正極活物質、導電剤、及び結着剤を含有する正極合剤を圧着するか、正極合剤を液体媒体中に溶解または分散させたスラリーを塗布、乾燥した後、圧延する方法等により得られる。また、負極板は、負極集電体上に、負極活物質、導電剤、及び結着剤を含有する負極合剤を圧着するか、負極合剤を液体媒体中に溶解または分散させたスラリーを塗布、乾燥した後、圧延する方法等により得られる。
負極活物質としては、珪素化合物、錫化合物、炭素材料、金属、金属繊維、酸化物、窒化物、各種合金などからなる材料を用いることができる。これらの中では、珪素(Si)や錫(Sn)などの、単体,合金,化合物,または、固溶体等の珪素化合物や錫化合物が容量密度が大きい点から好ましく用いられる。
珪素化合物の具体例としては、例えば、Si,または、SiO(0.05<x<1.95)中のSiの一部を、B,Mg,Ni,Ti,Mo,Co,Ca,Cr,Cu,Fe,Mn,Nb,Ta,V,W,Zn,C,N,およびSnからなる群から選択される少なくとも1つ以上の元素で置換した合金、化合物、固溶体などが挙げられる。また、錫化合物の具体例としては、例えば、NiSn,MgSn,SnO(0<x<2),SnO,SnSiO,LiSnOなどが挙げられる。炭素材料の具体例としては、例えば、各種天然黒鉛,コークス,炭素繊維,球状炭素,各種人造黒鉛,または非晶質炭素等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電剤の具体例としては、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛等のグラファイト類、アセチレンブラック,ケッチェンブラック,チャンネルブラック,ファーネスブラック,ランプブラック,サーマルブラックなどのカーボンブラック類、炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維類、フッ化カーボン、アルミニウム粉などの金属粉末類、酸化亜鉛やチタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー類、酸化チタンなどの導電性金属酸化物、フェニレン誘導体などの有機導電性材料などが挙げられる。
正極の結着剤及び負極の結着剤の具体例としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF),ポリテトラフルオロエチレン,ポリエチレン,ポリプロピレン,アラミド樹脂、ポリアミド,ポリイミド,ポリアミドイミド,ポリアクリルニトリル,ポリアクリル酸,ポリアクリル酸メチルエステル,ポリアクリル酸エチルエステル,ポリアクリル酸ヘキシルエステル,ポリメタクリル酸,ポリメタクリル酸メチルエステル,ポリメタクリル酸エチルエステル,ポリメタクリル酸ヘキシルエステル,ポリ酢酸ビニル,ポリビニルピロリドン,ポリエーテル,ポリエーテルサルフォン,ヘキサフルオロポリプロピレン,スチレンブタジエンゴム,カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。また、テトラフルオロエチレン,ヘキサフルオロエチレン,ヘキサフルオロプロピレン,パーフルオロアルキルビニルエーテル,フッ化ビニリデン,クロロトリフルオロエチレン,エチレン,プロピレン,ペンタフルオロプロピレン,フルオロメチルビニルエーテル,アクリル酸,及び,ヘキサジエンより選択された2種以上の材料の共重合体を用いてもよい。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
正極合剤および負極合剤は、それぞれ、上記各成分を混練するか、または、液体媒体中に溶解または分散させることにより混合される。
上記液体媒体としては、例えば、脱水N−メチル−2−ピロリドン等が用いられる。
正極合剤中の正極活物質、導電剤および結着剤の配合割合は、正極活物質80〜97質量%、導電剤1〜20%、結着剤2〜7%の範囲とすることが好ましい。また負極合剤中の負極活物質、導電剤および結着剤の配合割合は、負極活物質85〜99質量%、導電剤0〜5%、結着剤1〜10%の範囲とすることが好ましい。
そして、正極集電体または負極集電体上には、それぞれ上記正極合剤または負極合剤が、圧着する方法、または、スラリーを塗布した後、乾燥する方法等により被着される。
集電体としては、長尺の、多孔性の導電性基板や無孔の導電性基板が用いられる。正極集電体に用いられる導電性基板の具体例としては、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、チタンなどが挙げられる。また、負極集電体に用いられる導電性基板の具体例としては、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、銅などが用いられる。集電体の厚さは、特に限定されないが、1〜500μm、さらには、5〜20μmであることが、極板の強度を維持しながら軽量化することができる点から好ましい。
そして、このようにして得られた正極板および負極板とをセパレータを介して対向配置することにより極板群が形成される。セパレータとしては、大きなイオン透過度、及び所定の機械的強度を有する絶縁性の微多孔性薄膜が用いられる。このようなセパレータとしては、耐有機溶剤性及び疎水性を有するPP、PE等が単独又は組合わされたオレフィン系ポリマーまたはガラス繊維等から作製されたシート、不織布、織布が挙げられる。
そして、上記極板群を非水電解質と共に電池ケースに封入することにより非水電解質二次電池が得られる。
非水電解質としては、液状、ゲル状または固体(高分子固体電解質)状の電解質が用いられる。
液状の非水電解質(非水電解液)は、非水溶媒に電解質(例えば、リチウム塩)を溶解させることにより得られる。また、ゲル状非水電解質は、非水電解質と、この非水電解質が保持される高分子材料とを含むものである。この高分子材料としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキサイド、ポリ塩化ビニル、ポリアクリレート、ポリビニリデンフルオライドヘキサフルオロプロピレン等が好適に使用される。
この非水溶媒の種類は特に限定されないが、電解質を溶解する非水溶媒としては、公知の非水溶媒を使用することができる。その具体例としては、例えば、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、環状カルボン酸エステルなどが用いられる。環状炭酸エステルとしては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)などが挙げられる。鎖状炭酸エステルとしては、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)などが挙げられる。環状カルボン酸エステルとしては、γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン(GVL)などが挙げられる。非水溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
非水溶媒に溶解させる溶質には、例えばLiClO、LiBF、LiPF、LiAlCl、LiSbF、LiSCN、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、ホウ酸塩類、イミド塩類などを用いることができる。ホウ酸塩類としては、ビス(1,2−ベンゼンジオレート(2−)−O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(2,3−ナフタレンジオレート(2−)−O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(2,2’−ビフェニルジオレート(2−)−O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(5−フルオロ−2−オレート−1−ベンゼンスルホン酸−O,O’)ホウ酸リチウム等が挙げられる。イミド塩類としては、ビストリフルオロメタンスルホン酸イミドリチウム((CFSONLi)、トリフルオロメタンスルホン酸ノナフルオロブタンスルホン酸イミドリチウム(LiN(CFSO)(CSO))、ビスペンタフルオロエタンスルホン酸イミドリチウム((CSONLi)等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また非水電解液は、添加剤として負極上で分解してリチウムイオン伝導性の高い被膜を形成し、充放電効率を高くすることができる材料を含んでいてもよい。このような機能を持つ添加剤としては、例えば、ビニレンカーボネート(VC)、4−メチルビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、4−エチルビニレンカーボネート、4,5−ジエチルビニレンカーボネート、4−プロピルビニレンカーボネート、4,5−ジプロピルビニレンカーボネート、3−フェニルビニレンカーボネート、3,4−ジフェニルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、ジビニルエチレンカーボネート等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、およびジビニルエチレンカーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。なお、上記化合物は、その水素原子の一部がフッ素原子で置換されていてもよい。電解質の非水溶媒に対する溶解量は、0.5〜2モル/Lの範囲内とすることが望ましい。
さらに、非水電解液には、過充電時に分解して電極上に被膜を形成し、電池を不活性化する公知のベンゼン誘導体を含有させてもよい。前記ベンゼン誘導体としては、フェニル基および前記フェニル基に隣接する環状化合物基を有するものが好ましい。前記環状化合物基としては、フェニル基、環状エーテル基、環状エステル基、シクロアルキル基、フェノキシ基などが好ましい。ベンゼン誘導体の具体例としては、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、ジフェニルエーテルなどが挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ただし、ベンゼン誘導体の含有量は、非水溶媒全体の10体積%以下であることが好ましい。
以下、本発明を、実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は、実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
(i)正極板の作製
関東化学製のNiO(二次粒子の平均粒子径は約15μm)の、走査型電子顕微鏡(SEM)による拡大写真を図1に示す。図1は3,000倍の拡大写真である。
このNiO 3.738g(50mmol)に対して、0.525等量のNaを添加してメノウ製乳鉢で充分に混合した。そして、得られた混合物を酸素雰囲気中、650℃で12時間反応させることにより、ニッケルナトリウム含有複合酸化物である、一次粒子の平均粒子径が約5μmのNaNiOが得られた。このNaNiOの粒子の、走査型電子顕微鏡(SEM)による拡大写真を図2及び図3に示す。図2は3,000倍、図3は10,000倍の拡大写真である。
次に、得られたNaNiOを300℃で溶融したLiNO中に添加して、露点−40℃雰囲気のドライエアー中で3時間反応させた。なお、このときのLiNOは、NaNiOに対して20等量の量であった。そして、前記反応物を室温まで冷却した後、メノウ製乳鉢で粉砕した。前記粉砕物に、イオン交換水20mLを加えてよく撹拌した後、吸引濾過することにより粉体を得た。得られた粉体を、再度、300℃で溶融させた20等量のLiNO中で3時間反応させ、上記同様に、冷却,粉砕,イオン交換水による洗浄,及び吸引濾過することによりニッケルリチウム含有複合酸化物からなる、正極活物質Aが得られた。
正極活物質Aは、ICP分析により、Na成分の含有量がLi成分の含有量の1mol%未満であり、実質的な組成はLiNiOと特定した。正極活物質Aの走査型電子顕微鏡(SEM)による拡大写真を図4及び図5に示す。図4は10,000倍、図5は30,000倍の拡大写真である。
図4の拡大写真から、平均粒子径が約5μm程度の実質的に二次粒子を形成していない状態で存在する正極活物質Aの粒子が観察された。また、図5の拡大写真から、粒子表面に幅数〜数十nmのクラックが緻密に存在することが確認された。
得られた正極活物質A85質量部と、導電剤であるアセチレンブラック10質量部と、結着剤のポリフッ化ビニリデン樹脂5質量部とを混合し、これらを脱水N−メチル−2−ピロリドンに分散させてスラリー状の正極合剤を調製した。この正極合剤をアルミニウム箔からなる正極集電体上に塗布し、乾燥後、圧延することにより、正極板が得られた。
(ii)非水電解液の調製
スルホランに六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1.0mol/Lの濃度で溶解させて非水電解液とした。
(iii)負極板の作製
人造黒鉛粉末75質量部と、導電剤であるアセチレンブラック20質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン樹脂5質量部とを混合し、これらを脱水N−メチル−2−ピロリドンに分散させてスラリー状の負極合剤を調製した。この負極合剤を銅箔からなる負極集電体上に塗布し、乾燥後、圧延することにより、負極板を得た。
(iv)電池の組み立て
上記正極板および負極板を35mm×35mmの大きさに切りだし、それぞれ、リード付きのアルミニウム板および銅板に超音波溶接した。
そして、ポリプロピレン製の微多孔膜セパレータを介して、正極板と負極板とが対向するようにアルミ板および銅板をテープ固定して一体化した。次に、この一体化物を両端が空いている筒状のアルミラミネート袋に納め、リード部分において、袋の一方の開口部を溶着した。そして、他方の開口部から調製しておいた電解液を滴下した。このようにして組み立てた電池を、0.1mAの電流で1時間充電した後、10mmHgで10秒間、脱気し、さらに、注液した開口部を溶着により封止した。そして、7mAの定電流で、上限電圧が4.2V、下限電圧が3.0Vの間で予備充放電を5回行った。これを実施例1の電池とする。
(実施例2)
Ni(OH)とMnとを等量混合し、湿式ボールミルを用いて適度に混合粉砕した。得られた混合粉砕物を、酸素雰囲気下、700℃で12時間反応させることにより、二次粒子の平均粒子径が5μmのNiMnOを得た。
得られたNiMnOをNiOの代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、ニッケルナトリウム含有複合酸化物である、一次粒子の平均粒子径が3μmのNaNi0.5Mn0.5が得られた。
そして、NaNiOの代わりにNaNi0.5Mn0.5を用いた以外は実施例1と同様にしてニッケルリチウム含有複合酸化物からなる正極活物質Bを得た。
ICP分析により特定された正極活物質Bの組成は、Li0.99Na0.01Ni0.5Mn0.5であった。正極活物質BのSEMによる拡大写真を観察したところ、平均粒子径が2〜3μm程度の一次粒子化された粒子が観察され、また、粒子表面に幅数〜数十nmのクラックが緻密に存在することが確認された。
そして、正極活物質Aの代わりに、正極活物質Bを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを実施例2の電池とする。
(実施例3)
NiSO・6HOを0.3337mol/L、MnSO・5HOを0.667mol/Lの濃度でそれぞれ溶解させた混合硫酸溶液に、1M LiOH・HO溶液を滴下して得られた共沈殿物を得た。そして共沈殿物を、濾過、乾燥及び粉砕し、分級することにより二次粒子の平均粒子径が10μmのマンガンニッケル複合水酸化物を得た。マンガンニッケル複合水酸化物に対して0.6等量のNaを添加して、メノウ製乳鉢でよく混合した。得られた混合物を、酸素雰囲気下620℃で12時間反応させることにより、一次粒子の平均粒子径が2μmのニッケルナトリウム含有複合酸化物NaNi0.33Mn0.67が得られた。
次に、得られたNaNi0.33Mn0.67を400℃で溶融したLiNO中に添加して、露点−40℃の雰囲気のドライエアー中で3時間反応させた。なお、このときのLiNOは、NaNi0.33Mn0.67に対して10等量の量であった。そして、前記反応物を室温まで冷却した後、メノウ製乳鉢で粉砕した。前記粉砕物に、イオン交換水20mLを加えてよく撹拌した後、吸引濾過することによりニッケルリチウム含有複合酸化物からなる、正極活物質Cが得られた。
ICP分析により特定された正極活物質Cの組成は、Li0.930Na0.07Ni0.33Mn0.67であった。正極活物質CのSEMによる拡大写真を観察したところ、平均粒子径が2μm程度の一次粒子化された粒子が観察され、また、粒子表面に幅数〜数十nmのクラックが緻密に存在することが確認された。
そして、正極活物質Aの代わりに、正極活物質Cを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを実施例3の電池とする。
(実施例4)
Ni(OH) 70mol%、Co(OH) 25mol%、Al 2.5mol%の割合で各成分を混合し、湿式ボールミルを用いて適度に混合粉砕した。得られた混合粉砕物を、酸素雰囲気下、700℃で2時間反応させることにより、二次粒子の平均粒子径が5μmのNi0.7Co0.25Al0.051.03を得た。
得られたNi0.7Co0.25Al0.051.03をNiOの代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、一次粒子の平均粒子径が5μmのニッケルナトリウム含有複合酸化物である、NaNi0.7Co0.25Al0.05が得られた。
そして、NaNiOの代わりにNaNi0.7Co0.25Al0.05を用い、且つ、リチウムを含む溶融塩処理の温度を300℃としたこと以外は実施例1と同様にして、ニッケルリチウム含有複合酸化物からなる正極活物質Dを得た。
ICP分析により特定された正極活物質Dの組成は、Li0.99Na0.01Ni0.7Co0.25Al0.05であった。正極活物質Dの走査型電子顕微鏡(SEM)による拡大写真を図6及び図7に示す。図6は3,000倍、図7は10,000倍の拡大写真である。
図6の拡大写真から、平均粒子径が約5μm程度の実質的に二次粒子を形成していない一次粒子化された状態で存在する正極活物質Dの粒子が観察された。また、図7の拡大写真から、粒子表面に幅数〜数十nmのクラックが緻密に存在することが確認された。
そして、正極活物質Aの代わりに、正極活物質Dを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを実施例4の電池とする。
(実施例5)
NiSO・6HO、MnSO・5HO、及びCoSO・7HOをそれぞれ0.333mol/Lの濃度になるように溶解させた混合硫酸溶液に、1M LiOH・HO溶液に滴下することにより共沈殿物を得た。得られた共沈殿物を、濾過、乾燥及び粉砕し、分級することにより二次粒子の平均粒子径が10μmのNi0.333Mn0.333Co0.333(OH)が得られた。
得られたNi0.333Mn0.333Co0.333(OH)をNiOの代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、ニッケルナトリウム含有複合酸化物である、一次粒子の平均粒子径が2μmのNaNi0.333Mn0.333Co0.333が得られた。
そして、NaNiOの代わりにNaNi0.333Mn0.333Co0.333を用いた以外は実施例1と同様にして、ニッケルリチウム含有複合酸化物からなる正極活物質Eを得た。
ICP分析により特定された正極活物質Eの組成は、Li0.99Na0.01Ni0.333Mn0.333Co0.333であった。正極活物質EのSEMによる拡大写真を観察したところ、平均粒子径が2μm程度の一次粒子化された粒子が観察され、また、粒子表面に幅数〜数十nmのクラックが緻密に存在することが確認された。
そして、正極活物質Aの代わりに、正極活物質Eを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを実施例5の電池とする。
(実施例6)
Ni(OH) 95mol%、Fe 5mol%の割合で各成分を混合し、湿式ボールミルを用いて適度に混合粉砕した。得られた混合粉砕物を、酸素雰囲気下、酸素中700℃で12時間反応させることにより、二次粒子の平均粒子径が5μmのNi0.95Fe0.05Oを得た。
得られたNi0.95Fe0.05OをNiOの代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、ニッケルナトリウム含有複合酸化物である、一次粒子の平均粒子径が4μmのNaNi0.95Fe0.05が得られた。
そして、NaNiOの代わりにNaNi0.95Fe0.05を用いた以外は実施例1と同様にして、ニッケルリチウム含有複合酸化物からなる正極活物質Fを得た。
ICP分析により特定された正極活物質Fの組成は、Li0.98Na0.02Ni0.95Fe0.05であった。正極活物質FのSEMによる拡大写真を観察したところ、平均粒子径が4μm程度の一次粒子化された粒子が観察され、また、粒子表面に幅数〜数十nmのクラックが緻密に存在することが確認された。
そして、正極活物質Aの代わりに、正極活物質Fを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを実施例6の電池とする。
(実施例7)
Ni(OH) 70mol%、Co(OH) 25mol%、Cu(OH) 5mol%の割合で各成分を混合し、湿式ボールミルを用いて適度に混合粉砕した。得られた混合粉砕物を、酸素雰囲気下、酸素中700℃で12時間反応させることにより、二次粒子の平均粒子径が5μmのNi0.7Co0.25Cu0.05Oを得た。
得られたNi0.7Co0.25Cu0.05OをNiOの代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、ニッケルナトリウム含有複合酸化物である、一次粒子の平均粒子径が3μmのNaNi0.7Co0.25Cu0.05が得られた。
そして、NaNiOの代わりにNaNi0.7Co0.25Cu0.05を用いた以外は実施例1と同様にして、ニッケルリチウム含有複合酸化物からなる正極活物質Gを得た。
ICP分析により特定された正極活物質Gの組成は、Li0.99Na0.01Ni0.7Co0.25Cu0.05であった。正極活物質GのSEMによる拡大写真を観察したところ、平均粒子径が3μm程度の一次粒子化された粒子が観察され、また、粒子表面に幅数〜数十nmのクラックが緻密に存在することが確認された。
そして、正極活物質Aの代わりに、正極活物質Gを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを実施例7の電池とする。
(実施例8)
Ni(OH) 95mol%、Mg(OH) 5mol%の割合で各成分を混合し、湿式ボールミルを用いて適度に混合粉砕した。得られた混合粉砕物を、酸素雰囲気下、酸素中700℃で12時間反応させることにより、二次粒子の平均粒子径が5μmのNi0.95Mg0.05Oを得た。
得られたNi0.95Mg0.05OをNiOの代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、ニッケルナトリウム含有複合酸化物である、一次粒子の平均粒子径が4μmのNaNi0.95Mg0.05が得られた。
そして、NaNiOの代わりにNaNi0.95Mg0.05を用いた以外は実施例1と同様にして、ニッケルリチウム含有複合酸化物からなる正極活物質Hを得た。
ICP分析により特定された正極活物質Hの組成は、Li0.99Na0.01Ni0.95Mg0.05であった。正極活物質HのSEMによる拡大写真を観察したところ、平均粒子径が4μm程度の一次粒子化された粒子が観察され、また、粒子表面に幅数〜数十nmのクラックが緻密に存在することが確認された。
そして、正極活物質Aの代わりに、正極活物質Hを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを実施例8の電池とする。
(実施例9)
Ni(OH) 95mol%、アナターゼ型のTiO 5mol%の割合で各成分を混合し、湿式ボールミルを用いて適度に混合粉砕した。得られた混合粉砕物を、酸素雰囲気下、酸素中700℃で12時間反応させることにより、二次粒子の平均粒子径が5μmのNi0.95Ti0.051.1を得た。
得られたNi0.95Ti0.051.1をNiOの代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、ニッケルナトリウム含有複合酸化物である、一次粒子の平均粒子径が2μmのNaNi0.95Ti0.05が得られた。
そして、NaNiOの代わりにNaNi0.95Ti0.05を用いた以外は実施例1と同様にして、ニッケルリチウム含有複合酸化物からなる正極活物質Iを得た。
ICP分析により特定された正極活物質Iの組成は、Li0.98Na0.02Ni0.95Ti0.05であった。正極活物質IのSEMによる拡大写真を観察したところ、平均粒子径が2μm程度の一次粒子化された粒子が観察され、また、粒子表面に幅数〜数十nmのクラックが緻密に存在することが確認された。
そして、正極活物質Aの代わりに、正極活物質Iを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを実施例9の電池とする。
(実施例10)
Ni(OH) 95mol%、ZrO 5mol%の割合で各成分を混合し、湿式ボールミルを用いて適度に混合粉砕した。得られた混合粉砕物を、酸素雰囲気下、酸素中700℃で12時間反応させることにより、二次粒子の平均粒子径が5μmのNi0.95Zr0.051.1を得た。
得られたNi0.95Zr0.051.1をNiOの代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、ニッケルナトリウム含有複合酸化物である、一次粒子の平均粒子径が4μmのNaNi0.95Zr0.05が得られた。
そして、NaNiOの代わりにNaNi0.95Zr0.05を用いた以外は実施例1と同様にして、ニッケルリチウム含有複合酸化物からなる正極活物質Jを得た。
ICP分析により特定された正極活物質Jの組成は、Li0.99Na0.01Ni0.95Zr0.05であった。正極活物質JのSEMによる拡大写真を観察したところ、平均粒子径が4μm程度の一次粒子化された粒子が観察され、また、粒子表面に幅数〜数十nmのクラックが緻密に存在することが確認された。
そして、正極活物質Aの代わりに、正極活物質Jを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを実施例10の電池とする。
(実施例11)
Ni(OH) 95mol%、CeO 5mol%の割合で各成分を混合し、湿式ボールミルを用いて適度に混合粉砕した。得られた混合粉砕物を、酸素雰囲気下、酸素中700℃で12時間反応させることにより、二次粒子の平均粒子径が5μmのNi0.95Ce0.051.1を得た。
得られたNi0.95Ce0.051.1をNiOの代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、ニッケルナトリウム含有複合酸化物である、一次粒子の平均粒子径が4μmのNaNi0.95Ce0.05が得られた。
そして、NaNiOの代わりにNaNi0.95Ce0.05を用いた以外は実施例1と同様にして、ニッケルリチウム含有複合酸化物からなる正極活物質Kを得た。
ICP分析により特定された正極活物質Kの組成は、Li0.99Na0.01Ni0.95Ce0.05であった。正極活物質KのSEMによる拡大写真を観察したところ、平均粒子径が4μm程度の一次粒子化された粒子が観察され、また、粒子表面に幅数〜数十nmのクラックが緻密に存在することが確認された。
そして、正極活物質Aの代わりに、正極活物質Kを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを実施例11の電池とする。
(実施例12)
Ni(OH) 95mol%、Y 5mol%の割合で各成分を混合し、湿式ボールミルを用いて適度に混合粉砕した。得られた混合粉砕物を、酸素雰囲気下、酸素中700℃で12時間反応させることにより、二次粒子の平均粒子径が5μmのNi0.950.051.05を得た。
得られたNi0.950.051.05をNiOの代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、ニッケルナトリウム含有複合酸化物である、一次粒子の平均粒子径が4μmのNaNi0.950.05が得られた。
そして、NaNiOの代わりにNaNi0.950.05を用いた以外は実施例1と同様にして、ニッケルリチウム含有複合酸化物からなる正極活物質Lを得た。
ICP分析により特定された正極活物質Lの組成は、Li0.99Na0.01Ni0.950.05であった。正極活物質LのSEMによる拡大写真を観察したところ、平均粒子径が4μm程度の一次粒子化された粒子が観察され、また、粒子表面に幅数〜数十nmのクラックが緻密に存在することが確認された。
そして、正極活物質Aの代わりに、正極活物質Lを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを実施例12の電池とする。
(実施例13)
Ni(OH) 60mol%、Co(OH) 20mol%、Al 10mol%の割合で各成分を混合し、湿式ボールミルを用いて適度に混合粉砕した。得られた混合粉砕物を、酸素雰囲気下、酸素中700℃で12時間反応させることにより、二次粒子の平均粒子径が5μmのNi0.6Co0.2Al0.21.1を得た。
得られたNi0.6Co0.2Al0.21.1をNiOの代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、ニッケルナトリウム含有複合酸化物である、一次粒子の平均粒子径が4μmのNaNi0.6Co0.2Al0.2が得られた。
そして、NaNiOの代わりにNaNi0.6Co0.2Al0.2を用いた以外は実施例1と同様にして、ニッケルリチウム含有複合酸化物からなる正極活物質Mを得た。
ICP分析により特定された正極活物質Mの組成は、Li0.98Na0.02Ni0.6Co0.2Al0.2であった。正極活物質MのSEMによる拡大写真を観察したところ、平均粒子径が4μm程度の一次粒子化された粒子が観察され、また、粒子表面に幅数〜数十nmのクラックが緻密に存在することが確認された。
そして、正極活物質Aの代わりに、正極活物質Mを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを実施例13の電池とする。
(実施例14)
関東化学製のNiO 3.738g(50mmol)に対して、0.525等量のNaを添加してメノウ製乳鉢で充分に混合した。そして、得られた混合物を酸素雰囲気中、620℃で12時間反応させることによりニッケルナトリウム含有複合酸化物である、一次粒子の平均粒子径が3μmのNaNiOが得られた。
次に、得られたNaNiOを300℃で溶融したLiNO中に添加して、露点−40℃雰囲気のドライエアー中で3時間反応させた。なお、このときのLiNOは、NaNiOに対して10等量の量であった。そして、前記反応物を室温まで冷却した後、メノウ製乳鉢で粉砕した。前記粉砕物に、イオン交換水20mLを加えてよく撹拌した後、吸引濾過することによりニッケルリチウム含有複合酸化物からなる、正極活物質Nが得られた。
ICP分析により特定された正極活物質Nの組成は、Li0.96Na0.04NiOであった。正極活物質NのSEMによる拡大写真を観察したところ、平均粒子径が3μm程度の一次粒子化された粒子が観察され、また、粒子表面に幅数〜数十nmのクラックが緻密に存在することが確認された。
そして、正極活物質Aの代わりに、正極活物質Nを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを実施例14の電池とする。
(実施例15)
関東化学製のNiO 3.738g(50mmol)に対して0.525等量のNaを添加してメノウ製乳鉢で充分に混合した。そして、得られた混合物を酸素雰囲気中、620℃で12時間反応させることによりニッケルナトリウム含有複合酸化物である、一次粒子の平均粒子径が3μmのNaNiOが得られた。
次に、得られたNaNiOを300℃で溶融したLiNO中に添加して、露点−40℃雰囲気のドライエアー中で3時間反応させた。なお、このときのLiNOは、NaNiOに対して4等量の量であった。そして、前記反応物を室温まで冷却した後、メノウ製乳鉢で粉砕した。前記粉砕物に、イオン交換水20mLを加えてよく撹拌した後、吸引濾過することによりニッケルリチウム含有複合酸化物からなる、正極活物質Oが得られた。
ICP分析により特定された正極活物質Oの組成は、Li0.89Na0.11NiOであった。正極活物質OのSEMによる拡大写真を観察したところ、平均粒子径が3μm程度の一次粒子化された粒子が観察され、また、粒子表面に幅数〜数十nmのクラックが緻密に存在することが確認された。
そして、正極活物質Aの代わりに、正極活物質Oを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを実施例15の電池とする。
(比較例1)
Ni(OH) 50mmol、Mn 25mmol、及びNaCO 25mmolを混合し、湿式ボールミルを用いて1日間充分に混合粉砕した後、乾燥させた。次に、乾燥物を再粉砕した後、ペレット化した。そして、前記ペレットを、空気中900℃で24時間反応させた。ペレットは銅板を用いて急冷し、二次粒子の平均粒子径が10μmのNaNi0.5Mn0.5を得た。そしてアルゴングローブボックスへと素早く移し、前記ボックス中で粉砕した。このとき、ニッケルナトリウム含有複合酸化物である、一次粒子の平均粒子径が1μmのNaNi0.5Mn0.5が得られた。
NaNi0.5Mn0.5を10等量のLiを含むLiNO/LiCl溶融塩(物質量比87/13)中で280℃で5時間処理してナトリウムとリチウムのイオン交換を行った。混合物をイオン交換水で洗浄し、さらにエタノールで洗浄し、吸引濾過を行った。得られた粉体を再度、イオン交換及び洗浄して比較正極活物質Pを得た。
ICP分析により特定された比較正極活物質Pの組成は、Li0.99Na0.01Ni0.5Mn0.5であった。また、比較正極活物質Pの走査型電子顕微鏡(SEM)による拡大写真を図8及び図9に示す。図8は10,000倍、図9は30,000倍の拡大写真である。
図8の拡大写真から、平均粒子径が約1μm程度の一次粒子が凝集状態で存在する比較正極活物質Pの粒子が観察された。また、図9の拡大写真から、粒子表面は平滑でクラックは確認されなかった。
そして、正極活物質Aの代わりに、比較正極活物質Pを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを比較例1の電池とする。
(比較例2)
Ni(OH)を予め300℃で処理し、分級して二次粒子の平均粒子径が7μmのNiOを作製した。得られたNiO 50mmolとLiCO 25mmolをエタノール中にて3時間混合し、乾燥後、酸素雰囲気中735℃にて15時間反応させて比較正極活物質Qを得た。
ICP分析により特定された比較正極活物質Qの組成は、LiNiOであった。また、比較正極活物質QのSEMによる拡大写真を観察したところ、1μm未満の大きさの一次粒子が約7μm程度の大きさの二次粒子を形成しており、一次粒子表面は平滑でクラックは確認されなかった。
そして、正極活物質Aの代わりに、比較正極活物質Qを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを比較例2の電池とする。
(比較例3)
Ni(OH) 70mol%、Co(OH) 25mol%、Al 2.5mol%を混合し、湿式ボールミルを用いて適度に混合粉砕した後、乾燥させてLiOH・HOをNi、Co及びAlの総量と等モル加えてよく混合し、735℃で15時間反応させて比較正極活物質Rを得た。
ICP分析により特定された比較正極活物質Rの組成は、LiNi0.7Co0.25Al0.5であった。比較正極活物質Rの走査型電子顕微鏡(SEM)による10,000倍の拡大写真を図10に示す。図10の拡大写真においては、平均粒子径が約1μm程度の一次粒子が凝集して、約10μm程度の大きさの二次粒子を形成していることが観察された。また、一次粒子表面は平滑でクラックは確認されなかった。
そして、正極活物質Aの代わりに、比較正極活物質Rを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを比較例3の電池とする。
[評価]
実施例1〜15及び比較例1〜3の電池について、環境温度25℃で、およそ1時間率の定電流(12mA)で室温で上限電圧が4.2V、下限電圧が3.0Vの間で充放電を繰り返した。1サイクル目の放電容量と50サイクル目の放電容量を正極活物質の単位質量あたりで規格化した値及び50サイクル目の放電容量と1サイクル目の放電容量との比を表1に示す。
実施例1〜15の電池は、いずれも1サイクル目の放電容量(A)に対する50サイクル目の放電容量(B)の比((B)/(A))が0.77を超え、優れた充放電サイクル寿命特性を示した。一方、比較例1〜3では0.73未満であり、充放電サイクル寿命特性が劣っていた。
実施例1〜15の電池が充放電サイクル寿命特性に優れている理由は、実施例1〜15のアルカリ複合酸化物の一次粒子表面には、クラックが形成されている。このクラックが、充放電による粒子の体積変動を緩和するためである。従って、充放電サイクルを繰り返すことにより生じる正極板の膨潤を抑制されるために、正極活物質同士の電気的な接触が良好に保持されるために、充放電サイクル寿命特性が向上したと考えられる。
なお、実施例15の電池は、((B)/(A))が0.779であり、実施例1〜14の電池に比べて、若干低かった。実施例15の電池に用いた正極活物質はナトリウムを比較的多く含有するために、負極の人造黒鉛中に電解液との反応性の高いナトリウム化合物が生成し、充放電中に副反応が生じたためと考えている。実施例15で正極活物質中のナトリウム量が多い原因は、溶融塩中のLi量が活物質の4倍量であったことと、溶融塩処理回数が1回であったためと考えている。
また、実施例13の電池は、((B)/(A))が0.896と高く充放電サイクル寿命特性は良好であった。しかしながら、1サイクル目の放電容量が135mAh/gであり、現在一般的に用いられているLiCoOの放電容量140mAh/gよりは、やや低かった。これは正極活物質の組成式において、Co量及びAl量がそれぞれ0.2と比較的多かったためであると考えている。一方、Co量が0.33である実施例5では1サイクル目の放電容量が148mAh/gとLiCoO以上の放電容量を示した。
一方、比較例1〜3の電池が充放電サイクル寿命特性に劣っている理由は、比較例1〜3の正極活物質の粒子表面には、クラックが形成されていない。そのために、充放電サイクルを繰り返すことにより正極活物質が大きく体積変動するために、正極板が膨潤して、正極活物質同士の電気的な接触が悪くなったために、充放電サイクル寿命特性が劣化すると考えられる。比較例1では、ニッケルナトリウム含有複合酸化物のナトリウムをイオン交換してリチウムに置換したが、一次粒子表面にはクラックが生じなかった。これは、マンガンの含有量が多すぎて、一次粒子が充分に成長しなかったことと、粒子内部に粒界が多数存在し、その粒界により、イオン交換時に生じる粒子内部の歪みが緩和されたためであると考えている。
以上の結果より、粒子表面にクラックが形成された、少なくともニッケルを含むアルカリ金属複合酸化物の粒子からな正極活物質を用いた二次電池の寿命特性が優れていることがわかった。
(実施例16)
NiOをジェットミル粉砕した後、分級して二次粒子径が約0.2μmのNiOを得た。得られたNiO 3.738g(50mmol)に対して0.525等量のNaを添加してメノウ製乳鉢で充分に混合した。そして、得られた混合物を酸素雰囲気中、590℃で12時間反応させることにより、ニッケルナトリウム含有複合酸化物である、一次粒子の平均粒子径が0.3μmのNaNiOが得られた。
得られたNaNiOを実施例1のNaNiOの代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、ニッケルリチウム含有複合酸化物からなる正極活物質Sを得た。
ICP分析により特定された正極活物質Sの組成は、LiNiOであった。正極活物質SのSEMによる拡大写真を観察したところ、平均粒子径が0.2〜0.3μm程度の一次粒子化された粒子が観察され、粒子表面に幅数〜数十nmのクラックが緻密に存在することが確認された。
そして、正極活物質Aの代わりに、正極活物質Sを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを実施例16の電池とする。
(実施例17)
NiOをジェットミル粉砕した後、分級して二次粒子径が約1μmのNiOを得た。得られたNiO 3.738g(50mmol)に対して0.525等量のNaを添加してメノウ製乳鉢で充分に混合した。そして、得られた混合物を酸素雰囲気中、600℃で12時間反応させることによりニッケルナトリウム含有複合酸化物である、一次粒子の平均粒子径が1μmのNaNiOが得られた。
得られたNaNiOを実施例1のNaNiOの代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、ニッケルリチウム含有複合酸化物からなる正極活物質Tを得た。
ICP分析により特定された正極活物質Tの組成は、LiNiOであった。正極活物質TのSEMによる拡大写真を観察したところ、平均粒子径が1μm程度の一次粒子化された粒子が観察され、粒子表面に幅数〜数十nmのクラックが緻密に存在することが確認された。
そして、正極活物質Aの代わりに、正極活物質Tを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを実施例17の電池とする。
(実施例18)
NiOを分級して二次粒子径が約10μmのNiOを得た。得られたNiO 3.738g(50mmol)に対して0.525等量のNaを添加してメノウ製乳鉢で充分に混合した。そして、得られた混合物を酸素雰囲気中、670℃で12時間反応させることによりニッケルナトリウム含有複合酸化物である、一次粒子の平均粒子径が10μmのNaNiOが得られた。
得られたNaNiOを実施例1のNiOの代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、ニッケルリチウム含有複合酸化物からなる正極活物質Uを得た。
ICP分析により特定された正極活物質Uの組成は、Li0.98Na0.02NiOであった。正極活物質UのSEMによる拡大写真を観察したところ、平均粒子径が10μm程度の一次粒子化された粒子が観察され、粒子表面に幅数〜数十nmのクラックが緻密に存在することが確認された。
そして、正極活物質Aの代わりに、正極活物質Uを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを実施例18の電池とする。
(実施例19)
NiOを分級することにより、二次粒子径が約40μmのNiOを得た。得られたNiO 3.738g(50mmol)に対して1等量のNaを添加してメノウ製乳鉢で充分に混合した。そして、得られた混合物を酸素雰囲気中、700℃で2時間反応させることによりニッケルナトリウム含有複合酸化物である、一次粒子の平均粒子径が20μmのNaNiOが得られた。
得られたNaNiOをNiOの代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、ニッケルリチウム含有複合酸化物からなる正極活物質Vを得た。
ICP分析により特定された正極活物質Vの組成は、Li0.91Na0.03NiO1.97であった。正極活物質VのSEMによる拡大写真を観察したところ、平均粒子径が20μm程度の一次粒子化された粒子が観察され、粒子表面に幅数〜数十nmのクラックが緻密に存在することが確認された。
そして、正極活物質Aの代わりに、正極活物質Vを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを実施例19の電池とする。
(実施例20)
NiOを分級して二次粒子径が約60μmのNiOを得た。得られたNiO 3.738g(50mmol)に対して1等量のNaを添加してメノウ製乳鉢で充分に混合した。そして、得られた混合物を酸素雰囲気中、800℃で2時間反応させることによりニッケルナトリウム含有複合酸化物である、一次粒子の平均粒子径が40μmのNaNiOが得られた。
得られたNaNiOをNiOの代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、ニッケルリチウム含有複合酸化物からなる正極活物質Wを得た。
ICP分析により特定された正極活物質Wの組成は、Li0.86Na0.04NiO1.95であった。正極活物質WのSEMによる拡大写真を観察したところ、平均粒子径が40μm程度の一次粒子化された粒子が観察され、粒子表面に幅数〜数十nmのクラックが緻密に存在することが確認された。
そして、正極活物質Aの代わりに、正極活物質Wを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを実施例20の電池とする。
[評価]
実施例16〜20の電池について、環境温度25℃で、およそ1時間率の定電流(12mA)で室温で上限電圧が4.2V、下限電圧が3.0Vの間で充放電を繰り返した。1サイクル目の放電容量と50サイクル目の放電容量を正極活物質の単位質量あたりで規格化した値及び50サイクル目の放電容量と1サイクル目の放電容量との比を表2に示す。
実施例16〜20の電池は、いずれも1サイクル目の放電容量(A)に対する50サイクル目の放電容量(B)の比((B)/(A))が0.8を超え、優れた充放電サイクル寿命特性を示した。
なお、1サイクル目の放電容量(A)が、実施例16の電池は174mAh/g、実施例20の電池は161mAh/gであり、実施例17〜19の電池に比べると、低かった。実施例16の電池に用いた正極活物質の平均粒子径は、0.2〜0.3μmと小さいために、正極活物質の比表面積が大きくなり、導電剤であるアセチレンブラックの量が10質量部では不足し、充放電レート特性が低下したため、放電容量が低下したものと考えられる。また、実施例20の電池に用いた正極活物質においては、その製造原料であるNiOの平均粒子径が60μmと大きかったため、Naとの反応性が低下し、未反応のNiOが残存したため放電容量が低下したものと考えられる。
(実施例21)
NiOを分級することにより、二次粒子径が5μmのNiOを得た。得られたNiO 3.738g(50mmol)に対して、0.5等量のNaを添加してメノウ製乳鉢で充分に混合した。そして、得られた混合物を酸素雰囲気中、620℃で12時間反応させることによりニッケルナトリウム含有複合酸化物である、一次粒子の平均粒子径が3μmのNaNiOが得られた。
次に、得られたNaNiOを300℃で溶融したLiNO中に添加して、露点−40℃雰囲気のドライエアー中で3時間反応させた。なお、このときのLiNOは、NaNiOに対して20等量の量であった。そして、前記反応物を室温まで冷却した後、メノウ製乳鉢で粉砕した。前記粉砕物に、イオン交換水20mLを加えてよく撹拌した後、吸引濾過することにより粉体を得た。得られた粉体を、再度、300℃で溶融させた20等量のLiNO中で3時間反応させ、上記同様に、冷却,粉砕,イオン交換水による洗浄,及び吸引濾過することによりニッケルリチウム含有複合酸化物からなる、正極活物質Xが得られた。
ICP分析により特定された正極活物質Xの組成は、Li0.96NiO1.98であった。正極活物質XのSEMによる拡大写真を観察したところ、平均粒子径が3μm程度の一次粒子化された粒子が観察され、粒子表面に幅数〜数十nmのクラックが緻密に存在することが確認された。
そして、正極活物質Aの代わりに、正極活物質Xを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを実施例21の電池とする。
(実施例22)
NiOを分級することにより、二次粒子の平均粒子径が5μmのNiOを得た。得られたNiO 3.738g(50mmol)に対して、0.525等量のNaを添加してメノウ製乳鉢で充分に混合した。そして、得られた混合物を酸素雰囲気中、650℃で12時間反応させることによりニッケルナトリウム含有複合酸化物である、一次粒子の平均粒子径が5μmのNaNiOが得られた。
次に、得られたNaNiOを300℃で溶融したLiNO中に添加して、露点−40℃雰囲気のドライエアー中で3時間反応させた。なお、このときのLiNOは、NaNiOに対して20等量の量であった。そして、前記反応物を室温まで冷却した後、メノウ製乳鉢で粉砕した。前記粉砕物に、イオン交換水20mLを加えてよく撹拌した後、吸引濾過することにより粉体を得た。得られた粉体を、再度、300℃で溶融させた20等量のLiNO中で3時間反応させ、上記同様に、冷却,粉砕,イオン交換水による洗浄,及び吸引濾過することによりニッケルリチウム含有複合酸化物からなる、正極活物質Yが得られた。
ICP分析により特定された正極活物質Yの組成は、Li0.98NiOであった。正極活物質YのSEMによる拡大写真を観察したところ、平均粒子径が5μm程度の一次粒子化された粒子が観察され、粒子表面に幅数〜数十nmのクラックが緻密に存在することが確認された。
そして、正極活物質Aの代わりに、正極活物質Yを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを実施例22の電池とする。
(実施例23)
NiOを分級することにより、二次粒子の平均粒子径が5μmのNiOを得た。得られたNiO 3.738g(50mmol)に対して、0.525等量のNaを添加してメノウ製乳鉢で充分に混合した。そして、得られた混合物を酸素雰囲気中、600℃で12時間反応させることによりニッケルナトリウム含有複合酸化物である、一次粒子の平均粒子径が1μmのNaNiOが得られた。
得られたNaNiOを300℃で溶融したLiNO中に添加して、露点−10℃雰囲気のドライエアー中で3時間反応させた。なお、このときのLiNOは、NaNiOに対して20等量の量であった。そして、前記反応物を室温まで冷却した後、メノウ製乳鉢で粉砕した。前記粉砕物に、イオン交換水20mLを加えてよく撹拌した後、吸引濾過することにより粉体を得た。得られた粉体を、再度、300℃で溶融させた20等量のLiNO中で3時間反応させ、上記同様に、冷却,粉砕,イオン交換水による洗浄,及び吸引濾過することによりニッケルリチウム含有複合酸化物からなる、正極活物質Zが得られた。
ICP分析により特定された正極活物質Zの組成は、LiNiOであった。正極活物質ZのSEMによる拡大写真を観察したところ、平均粒子径が1μm程度の一次粒子化された粒子が観察され、粒子表面に幅数〜数十nmのクラックが緻密に存在することが確認された。
そして、正極活物質Aの代わりに、正極活物質Zを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを実施例23の電池とする。
(実施例24)
NiOを分級することにより、二次粒子の平均粒子径が5μmのNiOを得た。得られたNiO 3.738g(50mmol)に対して、0.525等量のNaを添加してメノウ製乳鉢で充分に混合した。そして、得られた混合物を酸素雰囲気中、600℃で12時間反応させることによりニッケルナトリウム含有複合酸化物である、一次粒子の数平均粒子径が1μmであるNaNiOが得られた。
次に、得られたNaNiOを300℃で溶融したLiNO中に添加して、露点−30℃雰囲気のドライエアー中で3時間反応させた。なお、このときのLiNOは、NaNiOに対して20等量の量であった。そして、前記反応物を室温まで冷却した後、メノウ製乳鉢で粉砕した。前記粉砕物に、イオン交換水20mLを加えてよく撹拌した後、吸引濾過することにより粉体を得た。得られた粉体を、再度、300℃で溶融させた20等量のLiNO中で3時間反応させ、上記同様に、冷却,粉砕,イオン交換水による洗浄,及び吸引濾過することによりニッケルリチウム含有複合酸化物からなる、正極活物質αが得られた。
ICP分析により特定された正極活物質αの組成は、LiNiOであった。正極活物質αのSEMによる拡大写真を観察したところ、平均粒子径が1μm程度の一次粒子化された粒子が観察され、粒子表面に幅数〜数十nmのクラックが緻密に存在することが確認された。
そして、正極活物質Aの代わりに、正極活物質αを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを実施例24の電池とする。
(実施例25)
実施例1と同様にして得られた正極活物質Aをペレット成形した後、750℃で5時間熱処理した。そして、粉砕して正極活物質βを用意した。
ICP分析により特定された正極活物質βの組成は、LiNiOであった。正極活物質βのSEMによる拡大写真を観察したところ、平均粒子径が1μm程度の一次粒子が20〜30μm程度の二次粒子を形成しており、粒子表面に幅数〜数十nmのクラックが緻密に存在することが確認された。
そして、正極活物質Aの代わりに、正極活物質βを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを実施例25の電池とする。
(実施例26)
NiOを分級することにより、二次粒子の平均粒子径が5μmのNiOを得た。得られたNiO 3.738g(50mmol)に対して、0.5等量のNaと0.06等量のLiOH・HOを加えてメノウ製乳鉢でよく混合した。そして、得られた混合物を酸素雰囲気中600℃で12時間反応させることによりニッケルナトリウム含有複合酸化物である、一次粒子の数平均粒子径が1μmであるLi0.06Na0.94NiOが得られた。
次に、得られたLi0.06Na0.94NiOを300℃で溶融したLiNO中に添加して、露点−40℃雰囲気のドライエアー中で3時間反応させた。なお、このときのLiNOは、Li0.06Na0.94NiOに対して20等量の量であった。そして、前記反応物を室温まで冷却した後、メノウ製乳鉢で粉砕した。前記粉砕物に、イオン交換水20mLを加えてよく撹拌した後、吸引濾過することにより粉体を得た。得られた粉体を、再度、300℃で溶融させた20等量のLiNO中で3時間反応させ、上記同様に、冷却,粉砕,イオン交換水による洗浄,及び吸引濾過することによりニッケルリチウム含有複合酸化物からなる、正極活物質γが得られた。
ICP分析により特定された正極活物質γの組成は、LiNiOであった。正極活物質γのSEMによる拡大写真を観察したところ、平均粒子径が1μm程度の一次粒子化された粒子が観察され、粒子表面に幅数〜数十nmのクラックが緻密に存在することが確認された。
そして、正極活物質Aの代わりに、正極活物質γを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを実施例26の電池とする。
(実施例27)
NiOを分級することにより、二次粒子の平均粒子径が5μmのNiOを得た。得られたNiO 3.738g(50mmol)に対して、0.525等量のNaを加えてメノウ製乳鉢でよく混合した。そして、得られた混合物を酸素雰囲気中700℃で5時間反応させることによりニッケルナトリウム含有複合酸化物である、一次粒子の数平均粒子径が10μmであるNa0.93NiOが得られた。
次に、得られたNa0.93NiOを300℃で溶融したLiNO中に添加して、露点−40℃雰囲気のドライエアー中で3時間反応させた。なお、このときのLiNOは、Na0.93NiOに対して20等量の量であった。そして、前記反応物を室温まで冷却した後、メノウ製乳鉢で粉砕した。前記粉砕物に、イオン交換水20mLを加えてよく撹拌した後、吸引濾過することにより粉体を得た。得られた粉体を、再度、300℃で溶融させた20等量のLiNO中で3時間反応させ、上記同様に、冷却,粉砕,イオン交換水による洗浄,及び吸引濾過することによりニッケルリチウム含有複合酸化物からなる、正極活物質δが得られた。
ICP分析により特定された正極活物質δの組成は、Li0.93NiOであった。正極活物質δのSEMによる拡大写真を観察したところ、平均粒子径が8〜10μm程度の一次粒子化された粒子が観察され、粒子表面に幅数〜数十nmのクラックが緻密に存在することが確認された。
そして、正極活物質Aの代わりに、正極活物質δを用いた以外は実施例1と同様にして、電池を製造した。これを実施例27の電池とする。
[評価]
実施例21〜27の電池について、環境温度25℃で、およそ1時間率の定電流(12mA)で室温で上限電圧が4.2V、下限電圧が3.0Vの間で充放電を繰り返した。1サイクル目の放電容量と50サイクル目の放電容量を正極活物質の単位質量あたりで規格化した値及び50サイクル目の放電容量と1サイクル目の放電容量との比を表3に示す。
実施例21〜27の電池はいずれも(B)/(A)が0.75を越え、良好な充放電サイクル寿命特性を示した。
一度合成した正極活物質を再度熱処理した実施例25は1サイクル目放電容量が155mAh/gと、熱処理を施さなかった実施例1の201mAh/gよりも低下した。これは粒子が二次粒子化したため、粒界におけるイオン拡散が阻害されて放電特性が低下したものと考えられる。
一方、Naとの反応を700℃で行った実施例27は(B)/(A)が0.754とやや低い値であった。これはNaとの反応温度が高かったため、反応中にナトリウム化合物の揮発が起こり、リチウムとのイオン交換後のリチウムイオンの組成量が不足したためであると考えられる。
一方、リチウムを含む溶融塩との反応をそれぞれ露点−10℃及び−30℃で行った実施例23と24は実施例1と比較して容量が低下した。これは露点温度が実施例1よりも高かったため、活物質前駆体であるNaNiOの表面が湿度により侵され変性したために、放電特性が低下したものと考えられる。
本発明によって得られる非水電解質二次電池用正極活物質により、充放電サイクル寿命特性の良好な非水電解質二次電池を提供することが可能となる。
実施例1における、NiO粒子のSEMによる3,000倍の拡大写真である。 実施例1における、NaNiO粒子のSEMによる3,000倍の拡大写真である。 実施例1における、NaNiO粒子のSEMによる10,000倍の拡大写真である。 実施例1における、LiNiO粒子のSEMによる10,000倍の拡大写真である。 実施例1における、LiNiO粒子のSEMによる30,000倍の拡大写真である。 実施例4における、Li0.99Na0.01Ni0.7Co0.25Al0.05粒子のSEMによる3,000倍の拡大写真である。 実施例4における、Li0.99Na0.01Ni0.7Co0.25Al0.05粒子のSEMによる10,000倍の拡大写真である。 比較例1における、Li0.99Na0.01Ni0.5Mn0.5粒子のSEMによる10,000倍の拡大写真である。 比較例1における、Li0.99Na0.01Ni0.5Mn0.5粒子のSEMによる30,000倍の拡大写真である。 比較例3における、LiNi0.7Co0.25Al0.5粒子のSEMによる10,000倍の拡大写真である。

Claims (12)

  1. 一次粒子の表面にクラックを有するニッケルアルカリ金属含有複合酸化物からなることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質。
  2. 前記ニッケルアルカリ金属含有複合酸化物の組成が、一般式(1)で表される請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
    Liw−xNaNi1−y−zMnMe・・・(1)
    (0≦x≦0.05、0≦y≦0.34、0≦z≦0.34、MeはCo、Fe、Cu、Al、Mg、Ti、Zr、Ce、及びYよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素、0.9≦w≦1.1)
  3. 前記一次粒子の平均粒子径が1〜50μmである請求項1または2に記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
  4. 前記ニッケルアルカリ金属含有複合酸化物が実質的に二次粒子を形成していない請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
  5. 一次粒子の平均粒子径が1〜50μmであるニッケルナトリウム含有複合酸化物と、リチウムを含む溶融塩とを混合して、イオン交換反応させる工程を有することを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  6. 前記ニッケルナトリウム含有複合酸化物が、
    二次粒子の平均粒子径が1〜50μmであるニッケル含有酸化物および/またはニッケル含有水酸化物と、ナトリウムを含むアルカリ金属源とを混合し、前記アルカリ金属源の融点以上の温度に維持することにより得られるものである請求項5に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  7. 前記温度を650℃以下の温度に維持する請求項6に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  8. 露点−40℃以下の雰囲気下で、前記ニッケルナトリウム含有複合酸化物と前記リチウムを含む溶融塩とのイオン交換反応を行う請求項5〜7に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  9. 前記ニッケル含有酸化物および/またはニッケル含有水酸化物に対して、前記アルカリ金属源を化学両論量よりも過剰に用いる請求項6〜8のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  10. 前記ニッケルナトリウム含有複合酸化物に対して、前記溶融塩を前記溶融塩中のリチウム量が化学両論量よりも5倍以上過剰になるように用いて、イオン交換反応を行う請求項5〜9のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  11. 前記イオン交換反応を複数回行う請求項5〜10のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  12. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の正極活物質を含有する正極板と、負極板とをセパレータを介して対向配置してなる極板群が、非水電解質と共に電池ケースに封入されてなる非水電解質二次電池。
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