JP2006024487A - Li−Ni−Ti複合酸化物電極材料の製造方法およびその電極材料を用いた電池 - Google Patents

Li−Ni−Ti複合酸化物電極材料の製造方法およびその電極材料を用いた電池 Download PDF

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Abstract

【目的】NiとTiの比が1のLi−Ni−Ti複合酸化物電極材料合成の前駆体に使用する、NiとTiの比が1のNa−Ni−Ti複合酸化物の製造方法を提供し、Li−Ni−Ti複合酸化物電極材料を製造する。
【構成】Ni塩、Ti塩およびNa塩より、一般式NaNiTi1−y2−βで表される、結晶構造が空間群R−3mに帰属される層状構造を有するNa−Ni−Ti複合酸化物を製造するに際し、原料としてNiTiOを用い製造された前記Na−Ni−Ti複合酸化物のNaとLiをイオン交換し、一般式LiNiTi1−x2−αで表される、結晶構造が空間群R−3mに帰属される層状構造を有するLi−Ni−Ti複合酸化物とすることを特徴とする。

Description

本発明はLi−Ni−Ti複合酸化物電極材料の製造方法、およびそのLi−Ni−Ti複合酸化物電極材料を正極活物質として含む電池に関するものである。
Liと遷移金属の複合酸化物を正極活物質として用いた電池は、軽量かつ大容量を有することから携帯電話電源用用途を中心に、広く用いられている。しかしながら、現在最も多く使用されているLi−Co複合酸化物系材料は、充放電に伴う結晶構造変化により、その理論比容量の全てを利用することはできず、理論値の半分に当たる150mAh/gしか利用できていない状況にある。
充填方法の最適化等により電池としての容量向上が行われてきたが、それも頭打ちの状態となっている。Li−Co複合酸化物に代わる新たな複合酸化物材料系として、Li−Ni複合酸化物やLi−Mn複合酸化物等が検討され、その比容量は200mAh/gを超えるものも報告されている。
しかしこれらの材料系でも、サイクル特性の不十分さや、安全性の問題、高温での保存特性等の課題が存在する。これらの課題に対して、遷移金属の一部を他の遷移金属等で置換することにより改善する方法が種々報告されているが、比容量が減少してしまい実用には十分ではなかった。
これに対し、近年では複数の遷移金属の複合酸化物系として、特開2002−42813公報に代表されるLiNi0.5Mn0.5といった材料系が報告されている。この系の特徴は2種類の遷移金属それぞれが異なる役割を果たしている点であり、通常の部分置換された系とは異なる全く新しい材料系ということができる。LiNi0.5Mn0.5の場合にはNiが2+/4+の酸化還元反応により電極材料の機能を示し、一方Mnは4価で安定に存在し構造を維持する機能を与えている。この材料系(またはそれに該当する組成を有する化合物)は、特開平9−199127号公報、および特開2003−17060公報においても報告がなされている。
発明者らはこの材料系において、その特性等の報告がなされていないLi−Ni−Ti複合酸化物に注目し、その特性を明らかにすべく検討を行ってきた中で、既報の特開平9−199127号公報、および特開2003−17060公報に掲載されている方法においては電極材料の性能を示すLi−Ni−Ti複合酸化物を得ることは不可能であることを見出した。
具体的には、既報の特開平9−199127号公報、および特開2003−17060公報に掲載されている方法によると、空間群Fm3mで表される結晶構造を有する材料が得られた。この結晶構造は電極材料として機能しないことが知られており(芳尾、小沢、リチウムイオン二次電池−材料と応用−、日刊工業新聞社(1996))、実際、機能しなかった。電極材料として機能させるには、LiNi0.5Mn0.5と同様に層状構造を有する結晶構造を得る必要がある。
上記の課題を解決するため、本発明者らは、従来の焼成法(固相法)では合成が困難であった、2価のNiと4価のTiをほぼ1:1の比で含有し、層状構造を有し、かつ電極材料の性能を示すLi−Ni−Ti複合酸化物について、2価のNiと4価のTiをほぼ1:1の比で含有し、層状構造を有するNa−Ni−Ti複合酸化物を前駆体として、イオン交換を行うことによって合成可能であることを見いだした。すなわち、2価のNiと4価のTiを含有し、一般式NaNiTi1−y2−β(0.95≦b≦1.05、0.45≦y≦0.55、−0.1≦β≦0.1)で表される、結晶構造が空間群R−3mに帰属される層状構造を有するNa−Ni−Ti複合酸化物を原料に用いて、NaとLiをイオン交換する方法である。
この系と類似の構造を持つ材料系に、前述のLiNi0.5Mn0.5があるが、この材料系ではNiとMnの比が1に近いほど、電極材料として優れた性能を示す(Y.Makimura and T.Ohzuku,J.Power Sources,119−121,156(2003);T.Ohzuku and Y.Makimura,Chemistry Lett.744(2001))。同様に、上記のLi−Ni−Ti複合酸化物においても、NiとTiの比が1であることが、電極材料として高い性能を示すのに必要である。
このLi−Ni−Ti複合酸化物系のように前駆体を用いて合成を行う場合には、その前駆体であるNa−Ni−Ti複合酸化物について、NiとTiの比が1である必要がある。しかしながら、原料の混合時にはその純度や秤量の問題で、NiとTiの比を1にするのは容易ではない。
小槻、芳澤、永山、特開2002−42813公報 浅岡、渡邊、小林、特開平9−199127号公報 安斎、特開2003−17060公報 山崎、木村、特開平10−87327号公報 菅野、電気化学、No.9、63(1995) 芳尾、小沢、リチウムイオン二次電池−材料と応用−、日刊工業新聞社(1996) Y.Makimura and T.Ohzuku,J.Power Sources,119−121,156(2003) T.Ohzuku and Y.Makimura,Chemistry Lett.744(2001)
本発明は、NiとTiの比が1のLi−Ni−Ti複合酸化物電極材料を用いることにより、より優れた性能を有する電池を新たに提供することを目的としている。
さらにその手段として、NiとTiの比が1のLi−Ni−Ti複合酸化物電極材料合成の前駆体に使用する、NiとTiの比が1のNa−Ni−Ti複合酸化物の製造方法を提供し、Li−Ni−Ti複合酸化物電極材料を製造することを目的としている。
かかる目的を達成するために、本発明によるLi−Ni−Ti複合酸化物電極材料の製造方法は、Ni塩、Ti塩およびNa塩より、一般式NaNiTi1−y2−β(0.95≦b≦1.05、0.45≦y≦0.55、−0.1≦β≦0.1)で表される、結晶構造が空間群R−3mに帰属される層状構造を有するNa−Ni−Ti複合酸化物を製造するに際し、原料としてNiTiOを用い製造された前記Na−Ni−Ti複合酸化物のNaとLiをイオン交換し、一般式LiNiTi1−x2−α(0.95≦a≦1.05、0.45≦x≦0.55、−0.1≦α≦0.1)で表される、結晶構造が空間群R−3mに帰属される層状構造を有するLi−Ni−Ti複合酸化物とすることを特徴とする。
また、前記Na−Ni−Ti複合酸化物は、NiTiOおよびNa塩を不活性雰囲気中で焼成して製造することを特徴とし、Na塩としては、好ましくは炭酸ナトリウムを使用することを特徴とする。
さらに、本発明の方法において、前記NiとTiは等量であることが望ましく(すなわちX=0.5)、このようなLi−Ni−Ti複合酸化物とするため、yは0.5であることを特徴とする。
本発明において、製造された前記Na−Ni−Ti複合酸化物のNaとLiをイオン交換するに際しては、前記Na−Ni−Ti複合酸化物と硝酸リチウムを混合し、255〜300℃の温度で、1〜24時間、溶融塩法で行うことを特徴とする。また、前記イオン交換はLi/Na比が5〜10倍となる量の硝酸リチウム中で行うことを特徴とする。
さらに、前記イオン交換は、前記Na−Ni−Ti複合酸化物と複数のリチウム塩とを混合し、200〜300℃の温度で、1〜24時間、溶融塩法で行うことを特徴とし、前記リチウム塩は、硝酸リチウム、塩化リチウム、水酸化リチウムであることを特徴とする。前記イオン交換はLi/Na比が5〜10倍となる量の混合したリチウム塩中で行うことを特徴としている。
また本発明の電池は、前述の方法により製造されたLi−Ni−Ti複合酸化物を正極活物質として含む正極を有し、リチウムを可逆的に挿入・脱離あるいは吸蔵・放出できる物質を含む負極を有し、リチウムイオンが前記正極および前記負極と電気化学反応をするための移動を行い得る物質を電解質物質として含むことを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、NiとTiの比が1のNa−Ni−Ti複合酸化物の合成が可能になり、これを前駆体に用いることで、NiとTiの比が1のLi−Ni−Ti複合酸化物の合成が可能になる。その結果、この方法により製造されたLi−Ni−Ti複合酸化物を正極活物質として用いることにより、優れた性能を有する電池を実現することができ、種々の電子機器の電源を始め、様々な分野に利用できるという利点を有する。
本発明をさらに詳しく説明する。Ni塩、Ti塩およびNa塩より、一般式NaNiTi1−y2−β(0.95≦b≦1.05、0.45≦y≦0.55、−0.1≦β≦0.1)で表される、結晶構造が空間群R−3mに帰属される層状構造を有するNa−Ni−Ti複合酸化物を製造するに際し、原料としてNiTiOを用い製造された前記Na−Ni−Ti複合酸化物のNaとLiをイオン交換し、一般式LiNiTi1−x2−α(0.95≦a≦1.05、0.45≦x≦0.55、−0.1≦α≦0.1)で表される、結晶構造が空間群R−3mに帰属される層状構造を有するLi−Ni−Ti複合酸化物とする。
発明者らはNiとTiの比が1のLi−Ni−Ti複合酸化物電極材料の製造方法を鋭意探索した結果、Li−Ni−Ti複合酸化物電極材料合成の前駆体に使用するNa−Ni−Ti複合酸化物を、原料としてNiTiOを用いて合成することにより、NiとTiの比が1のLi−Ni−Ti複合酸化物電極材料を合成可能であることを見出した。
発明者らは電極材料として機能する、2価のNiと4価のTiを含有し、一般式LiNiTi1−x2−α(0.95≦a≦1.05、0.45≦x≦0.55、−0.1≦α≦0.1)で表される、結晶構造が空間群R−3mに帰属される層状構造を有するLi−Ni−Ti複合酸化物、特に2価のNiと4価のTiをほぼ1:1の比で含有し、層状構造を有するLi−Ni−Ti複合酸化物を合成するには、従来の単純な焼成法では合成が不可能であることを示し、新規合成方法として2価のNiと4価のTiをほぼ1:1の比で含有し、層状構造を有するNa−Ni−Ti複合酸化物を合成し、それを前駆体としてイオン交換を行う方法を提供している。
この方法においては、前駆体であるNa−Ni−Ti複合酸化物におけるNiとTiの比が、その後イオン交換によって得られるLi−Ni−Ti複合酸化物のNiとTiの比に反映される。よって、NiとTiの比が1のLi−Ni−Ti複合酸化物を得るには、NiとTiの比が1のNa−Ni−Ti複合酸化物を得る必要がある。
このNa−Ni−Ti複合酸化物は一般に単純な焼成法で得ることが可能である。具体的には、Na塩と2価のNi塩および4価のTi塩を量論比(Na:Ni:Ti=2:1:1)にて混合し、不活性雰囲気中(Ar,N等)で仮焼成および本焼成を行うことで合成する。ここで不活性雰囲気を用いるのはNiの酸化を防ぐためである。原料についても、Ni2価およびTi4価の塩を用いれば特に制限はなく、入手の容易さ、取り扱いのしやすさから、炭酸ナトリウム、水酸化ニッケル、酸化チタンの組み合わせが簡便であることが示されている。
しかしながら、より電池特性に優れたLi−Ni−Ti複合酸化物を得るにあたって、NiとTiの比を1とするには、純度の明らかな原料を使用し、さらには厳密な秤量を行う必要があった。また、原料混合時にはその比が1であっても反応時の不純物生成により生じる組成ずれの問題もあった。これらの問題を解決し、NiとTiの比を1とするには、元からNiとTiの比が1である原料を用いればよい。
この元からNiとTiの比が1である原料としては、NiTiOがあげられる。これを原料とすることで、原料混合時のNiとTiの比を1とでき、さらに焼成して得られるNa−Ni−Ti複合酸化物においてもNiとTiの比も1にできる。この結果、イオン交換後においても、NiとTiの比が1のLi−Ni−Ti複合酸化物を得ることが可能となり、より優れた性能を有する電池を実現することができる。
このNiTiOを用いて、Na−Ni−Ti複合酸化物を合成するにあたっては、Na塩に関しては特に制限はなく、入手の容易さ、取り扱いのしやすさから、炭酸ナトリウムが簡便である。
得られたNa−Ni−Ti複合酸化物のイオン交換にはリチウム塩を用いた溶融塩法を用いるのが好ましい。この方法により短時間で結晶性の良い試料を得ることができる。この際もNiの酸化を防ぐために不活性雰囲気中で行う。
リチウム塩として硝酸リチウムを用いた場合、255℃未満であると溶融しない恐れがあり、300℃を超えた温度で処理を行うと、岩塩型構造への構造変化が生じ、電極性能を著しく低下させるため注意が必要である。基本的に、硝酸リチウムが確実に溶融し、かつ、できる限り低い温度が好ましい。したがって、最も好ましくは270℃前後である。
また、イオン交換反応は濃度差により生じるのでLiはNaに対して相当の量が必要であること、後処理で洗浄するのにLi塩を必要以上に過剰にするのは現実的でないことから、Li/Na比が5〜10倍が好ましい。
さらに、反応時間は、短時間である場合にはイオン交換反応が十分に進行しない恐れがあるが、本発明の製造方法で用いるNa−Ni−Ti複合酸化物は、反応のしやすい材料であり、かつ、長時間の反応は岩塩型構造への構造変化の恐れもあることから1〜24時間が好ましく、短時間で十分な試料が得られることから、さらに好ましくは1〜5時間である。
上述のことから、最も好ましくはLi/Na比が約5倍の硝酸リチウム中において、約270℃で3〜5時間の処理が良い。過剰なリチウム塩等は水、メタノール等の溶剤で洗浄する。
また複数のリチウム塩を混合して用いた場合には、塩の溶融温度が低下することからより低い温度での処理も可能となる。リチウム塩には溶融温度条件を満たせば、いかなる塩を利用することも可能であるが、入手の容易さ、取り扱いのしやすさから、硝酸リチウム、塩化リチウム、水酸化リチウムの組み合わせが簡便である。例えば、硝酸リチウムと塩化リチウムのmol%比88:12混合塩は約244℃、硝酸リチウムと水酸化リチウムのmol%比61:39混合塩は約186℃で溶融するので、温度条件により選択すればよい。
処理温度としては、温度が低すぎるとイオン交換反応が十分に進行しない恐れがあること、また300℃を超えた温度で処理を行うと、岩塩型構造への構造変化が生じ、電極性能を著しく低下させるため注意が必要であることから、200〜300℃が好ましい。さらに好ましくは250〜270℃である。
また、前述した理由により、Li/Na比は5〜10倍が好ましい。反応時間も同様に1〜24時間が好ましく、さらに好ましくは1〜5時間である。
上述のことから、最も好ましくはLi/Na比が約5倍とした複数のリチウム塩中において、250〜270℃で3〜5時間の処理が良い。過剰なリチウム塩等は水、メタノール等の溶剤で洗浄する。
本発明の製造方法によって製造されたNa−Ni−Ti複合酸化物を前駆体に使用し合成したLi−Ni−Ti複合酸化物を正極活物質に用いて電池正極を形成するには、前記方法で製造されたLi−Ni−Ti複合酸化物粉末とポリテトラフルオロエチレンのごとき結着剤粉末との混合物をステンレス等の支持体上に圧着成形する。或いは、かかる活物質粉末に導電性を付与するためアセチレンブラックのような導電性粉末を混合し、これをさらにポリテトラフルオロエチレンのような結着剤粉末を所要に応じて加え、この混合物を金属容器に入れる、あるいはステンレス等の支持体上に圧着成形する、あるいは有機溶剤等の溶媒中に分散してスラリー状にして金属基板上に塗布する、等の手段によって形成される。
前記Li−Ni−Ti複合酸化物を正極活物質に用いる電池では、リチウムを可逆的に挿入・脱離あるいは吸蔵・放出できる物質を含む負極を有し、リチウムイオンが前記正極および前記負極と電気化学反応をするための移動を行い得る物質を電解質物質として有することにより、リチウムイオンが正極と負極の間を行き来する電池となる。例えば、負極活物質としては、リチウム金属、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−炭素化合物、リチウム含有窒化物など、従来公知の材料を用いることができる。
前記Li−Ni−Ti複合酸化物を正極活物質に用いる電池では、電解質として、例えばジメトキシエタン、ジエトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、メチルホルメート、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、スルホラン、エチルメチルカーボネート等の有機溶媒に、リチウム塩を溶解した非水電解質溶媒、或いは固体電解質、高分子電解質、前記有機溶媒を担持させた高分子電解質等が使用できる。
また前記電池の放電・充電を繰り返し行うことで、これを二次電池として用いることもできる。
さらにセパレータ、電池ケース等の構造材料等の他の要素についても従来公知の各種材料が使用でき、特に制限はない。
以下実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによりなんら制限されるものではない。
図1は本発明による製造方法によって製造されたNa−Ni−Ti複合酸化物を前駆体に使用し合成したLi−Ni−Ti複合酸化物を、正極活物質に用いる電池の一具体例であるコイン型電池の断面図であり、図中1は封口板、2はガスケット、3は正極ケース、4は負極、5はセパレータ、6は正極合剤ペレットを示す。
実施例1では、次のようにして製造した試料aを用いた。Na塩にはNaCOを用い、NiTiOとモル比1:1で混合し、Ar中で950℃、36時間焼成し、淡緑色のNa−Ni−Ti複合酸化物の粉末を得た。次にこのNa−Ni−Ti複合酸化物を前駆体として、Li/Na比が5となるようにLiNOと混合し、Ar中で270℃、3時間のイオン交換処理を行った。得られた混合物を蒸留水で洗浄し、可溶成分を除去した後、空気中90℃で乾燥し、淡緑色の粉末を得た。このようにして得られたLi−Ni−Ti複合酸化物試料をaとする。
この試料aの粉末を導電剤(アセチレンブラック)、結着剤(ポリテトラフルオロエチレン)と共に混合の上、ロール成形し、正極合剤ペレット6(厚さ0.3mm、直径15mm)とした。
次にステンレス製の封口板1上に金属リチウムの負極4を加圧配置したものをポリプロピレン製ガスケット2の凹部に挿入し、負極4の上にポリプロピレン製で微孔性のセパレータ5、正極合剤ペレット6をこの順序に配置し、電解液としてエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの等容積混合溶媒にLiPFを溶解させた1規定溶液を適量注入して含浸させた後に、ステンレス製の正極ケース3を被せてかしめることにより、厚さ2mm、直径23mmのコイン型電池を作製した。
(比較例1)
比較例1では、次のようにして製造した試料Aを用いる他は、実施例1と同様にしてリチウム電池を作製した。まずNaCOとNi(OH)とTiOをモル比1:1:1で混合し、Ar中で950℃、36時間焼成し、淡緑色のNa−Ni−Ti複合酸化物の粉末を得た。次にこのNa−Ni−Ti複合酸化物を前駆体として、Li/Na比が5となるようにLiNOと混合し、Ar中で270℃、3時間のイオン交換処理を行った。得られた混合物を蒸留水で洗浄し、可溶成分を除去した後、空気中90℃で乾燥し、淡緑色の粉末を得た。このようにして得られたLi−Ni−Ti複合酸化物試料をAとする。
実施例1および比較例1で得たNa−Ni−Ti複合酸化物およびLi−Ni−Ti複合酸化物(試料aおよび試料A)について、構造およびNiとTiの価数を分析したところ、全ての複合酸化物は、空間群R−3mに帰属される層状構造を有し、かつ、Niは2価、Tiは4価の状態であった。
また、NiとTiの比について評価したところ、試料AにおいてはNi/Ti=0.97であったが、試料aにおいてはNi/Ti=1.00であった。
また、これらの電池について、電流密度0.1mA/cmで2.0〜4.3Vの電圧幅で充放電させたところ、電池として機能した。さらにn−1サイクル目の放電容量に対するnサイクル目の放電容量の比で容量保持率を求めたところ、図2に示したようになった。比較例1の電池に対して、実施例1の電池において容量保持率が向上しており、電池特性の優れた電池を実現することが出来た。
NiとTiの比が1のNa−Ni−Ti複合酸化物を前駆体に用いることにより、NiとTiの比が1のLi−Ni−Ti複合酸化物を合成することが可能となり、その結果、より優れた電池特性を有する電池の実現も可能となる。
本発明の実施例におけるコイン型電池の構成例を示す断面図。 n−1サイクル目の放電容量に対するnサイクル目の放電容量の比で示した、充放電試験時における実施例1および比較例1の電池の容量保持率を示す図。
符号の説明
1 封口板
2 ガスケット
3 正極ケース
4 負極
5 セパレータ
6 正極合剤ペレット

Claims (11)

  1. Ni塩、Ti塩およびNa塩より、一般式NaNiTi1−y2−β(0.95≦b≦1.05、0.45≦y≦0.55、−0.1≦β≦0.1)で表される、結晶構造が空間群R−3mに帰属される層状構造を有するNa−Ni−Ti複合酸化物を製造するに際し、原料としてをNiTiO用い製造された前記Na−Ni−Ti複合酸化物のNaとLiをイオン交換し、一般式LiNiTi1−x2−α(0.95≦a≦1.05、0.45≦x≦0.55、−0.1≦α≦0.1)で表される、結晶構造が空間群R−3mに帰属される層状構造を有するLi−Ni−Ti複合酸化物とすることを特徴とするLi−Ni−Ti複合酸化物電極材料の製造方法。
  2. 前記Na−Ni−Ti複合酸化物は、NiTiOおよびNa塩を不活性雰囲気中で焼成して製造することを特徴とする請求項1記載のLi−Ni−Ti複合酸化物電極材料の製造方法。
  3. 前記Na塩は炭酸ナトリウムであることを特徴とする請求項1または2記載のLi−Ni−Ti複合酸化物電極材料の製造方法。
  4. 前記一般式においてy=0.5である請求項1から3のいずれか1項記載のLi−Ni−Ti複合酸化物電極材料の製造方法。
  5. 前記一般式においてx=0.5である請求項1から4のいずれか1項記載のLi−Ni−Ti複合酸化物電極材料の製造方法。
  6. 前記イオン交換は前記Na−Ni−Ti複合酸化物と硝酸リチウムを混合し、255〜300℃の温度で、1〜24時間、溶融塩法で行うことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載のLi−Ni−Ti複合酸化物電極材料の製造方法。
  7. 前記イオン交換はLi/Na比が5〜10倍となる量の硝酸リチウム中で行う請求項6記載のLi−Ni−Ti複合酸化物電極材料の製造方法。
  8. 前記イオン交換は、前記Na−Ni−Ti複合酸化物と複数のリチウム塩とを混合し、200〜300℃の温度で、1〜24時間、溶融塩法で行うことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載のLi−Ni−Ti複合酸化物電極材料の製造方法。
  9. 前記リチウム塩は、硝酸リチウム、塩化リチウム、水酸化リチウムであることを特徴とする請求項8記載のLi−Ni−Ti複合酸化物電極材料の製造方法。
  10. 前記イオン交換はLi/Na比が5〜10倍となる量の混合したリチウム塩中で行う請求項9記載のLi−Ni−Ti複合酸化物電極材料の製造方法。
  11. 請求項1で製造されたLi−Ni−Ti複合酸化物を正極活物質として含む正極を有し、リチウムを可逆的に挿入・脱離あるいは吸蔵・放出できる物質を含む負極を有し、リチウムイオンが前記正極および前記負極と電気化学反応をするための移動を行い得る物質を電解質物質として含むことを特徴とする電池。
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