JP2008095202A - 銅合金線材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高強度で高伝導率の銅合金を開発し、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】高強度と高伝導率を有する銅合金線材は、0.05から0.9重量%までのマグネシウムと、合計15ppm以上の不純物とを含んでなる銅ベース合金から形成される。線材は0.254mm(0.010インチ)以下のシングルエンド径、少なくとも100ksiの引張り強度、および60%IACS以上の電気伝導率を有する。本発明の銅線材を製造する方法も提供される。
【選択図】図1
【解決手段】高強度と高伝導率を有する銅合金線材は、0.05から0.9重量%までのマグネシウムと、合計15ppm以上の不純物とを含んでなる銅ベース合金から形成される。線材は0.254mm(0.010インチ)以下のシングルエンド径、少なくとも100ksiの引張り強度、および60%IACS以上の電気伝導率を有する。本発明の銅線材を製造する方法も提供される。
【選択図】図1
Description
本発明は、高強度で高伝導率の銅合金線材およびその製造方法に関するものである。この銅合金線材は、銅−マグネシウムベース系のものであり、1種類以上の付加的な成分を任意的に含む。
銅は電気伝導率が高いので、導体線材として銅を選択するのは当然のことである。銅の力学的性質が特定の用途に対して十分でない場合には、高性能の銅合金が必要とされる。従って、このような銅合金は電気伝導率に加えて、しばしば相反する特性の組合せも満足しなくてはならない。このような特性としては、強度、延性、軟化抵抗(softening resistance)、および曲げ寿命などが含まれる。ASTMB105およびB624では、電気用途のための、硬引きされた高強度で高伝導率の銅合金線材に対する要求を記載している。
カドミウム銅(合金C162)は特有の特性の組合せを備えた、1%のごく僅かなカドミウムを含む銅合金である。このカドミウム銅は、80%IACS(国際軟銅規格)以上の電気伝導率を有し、また100ksiを超える引張り強度(引張り強さ)のを達成できる。このような合金の特性は、トロリー線材や機体用の線材といった、高強度の導体の用途に対して非常に有益なものである。加えてこの合金は破断ないし割れる前に何サイクルも心棒(mandrel)を超えて前後に曲げることが可能であると証明されており、並外れた曲げ寿命を示している。結果としてこの合金はアンチロックブレーキハーネスやオーディオスピーカー、ヘッドセット、電話接続線材など様々な曲げ性の高い導体の用途に使用される。
カドミウムは健康を害するものとして公知であり、この成分を含む材料を代替するための試みがされている。カドミウムは環境保護庁(EPA)が編集する難分解性生体内蓄積性有害化学品のリストに挙げられている。EPAはカドミウムをヒト発癌性物質の可能性があると考えている。様々な国々で色々な提案がされ、このカドミウムの使用を禁止あるいは制限している。従って銅−カドミウム合金に代わる合金を提供することは大いに有益である。
銅−マグネシウム合金ベース系は同様に魅力的な特性を提供する。0.1から0.7%のマグネシウムを有する合金C18661は、銅開発協会(CDA)がリストに挙げている銅−マグネシウム合金である。合金C18665は0.4から0.9%のマグネシウムを有する、リストに挙げられているもう1つの合金である。これらの合金には少量の残留リンを含んでもよく、このリンは典型的には脱酸素剤として使用されるものである。CDAはこれらの合金の用途はリストに挙げていないが、典型的な用途はトロリー線材あるいはコネクタとしての用途である。これらの合金は可能な限り最強の強度を得るため、アニーリングはされずに鋳造され、最終ゲージつまり仕上げ寸法にまで引伸加工される。
従って本発明の主要な目的は、高強度で高伝導率の銅合金およびその製造方法を開発し提供することである。
本発明の更なる目的は、マグネシウムとその他の要素を含んでなる銅ベース合金において、上述の合金および方法を開発し提供することである。
本発明のその他の目的は以下の説明から明らかにされる。
これらの各目的は本発明により容易に達成できることが知得されている。
本発明は高強度であるとともに高伝導率を有する銅合金線材を製造するための方法を提供している。この方法は、概略的には、0.05から0.9重量%のマグネシウムと、合計で15ppm以上の不純物とを含んでなる銅合金より形成される基材を準備するステップと、この基材を元の断面積の少なくとも40%に絞った線材に低温加工するステップと、低温加工の後に改質用のアニーリング(restructuring anneal)を行うステップと、このアニーリングされた材料を最大0.254mm(0.010インチ)の最終ゲージ寸法を有する線材に引伸加工するステップと、を有してなる。好ましい方法において、銅合金におけるマグネシウム含有量は0.1から0.4重量%である。
好ましくは、改質用のアニーリングは、343.3℃(650°F)から565.5℃(1050°F)の範囲の温度で、1から5時間の範囲の時間、好ましくは2から3時間の範囲の時間だけ行われる。また好ましくは、銅合金は次に挙げる1つ以上の付加的な合金化成分も含んでいる。
0.01〜0.3重量%のリン
0.01〜1.0重量%の鉄、好ましくは0.5重量%以下の鉄
0.01〜0.5重量%のニッケル
0.01〜0.2重量%のスズ、および好ましくは0.1重量%以下のスズ、および/または
0.01〜0.5重量%の亜鉛
0.01〜0.3重量%のリン
0.01〜1.0重量%の鉄、好ましくは0.5重量%以下の鉄
0.01〜0.5重量%のニッケル
0.01〜0.2重量%のスズ、および好ましくは0.1重量%以下のスズ、および/または
0.01〜0.5重量%の亜鉛
本発明は高強度で高伝導率である改良された銅合金線材も同様に提供する。この銅合金線材は、概略的には、0.05から0.9重量%のマグネシウムと、15ppm以上の不純物とを含んでなり、この線材は0.254mm(0.010インチ)以下のシングルエンド径ないし最終ゲージ寸法(直径)と、少なくとも100ksiの引張り強度と、60%IACS以上の電気伝導率とを有している。
更なる本発明の特長および利点は以下の説明において明らかである。
本発明によれば、銅合金線材は0.05から0.9重量%まで、好ましくは0.1から0.4重量%までのマグネシウムを含んでなる。マグネシウムの量を増加させることで強度が増し、その一方で電気伝導率が低減する。これにより所望の特性に合わせた合金を得ることができる。
合金の強度あるいはその他の特性を向上させるため、付加的な合金化元素が加えられてもよい。従って、例えば、リンはリン酸マグネシウム(Mg3P2)の析出ないし沈着によって強度を向上させるために加えることができる成分ないし元素である。合金へ加えられるリンの量はリン酸マグネシウムを形成するのに必要な量、あるいはその他の要素からなるリン化物が存在する場合はそれらの量を超えてはならない。従って、リンの量は存在するマグネシウムの量よりも少なく、一般的には0.01から0.3重量%まで、好ましくは0.02から0.15重量%までである。リンが加えられリンの粒子が形成される場合、組成、鋳造方法および熱処理は、リンの粒子の大部分がサブミクロンつまり1ミリ未満ないし1ミリ以下の大きさであって、小さな線径でも高い絞り性と改良された性能を提供できることが確保できるようなものにされる。
合金に加えられてよいもう1つの有益な元素は鉄である。例えば、鉄およびリンを有した銅−マグネシウム合金はマグネシウムおよび鉄からなるリン化物を形成し、それらは大いに有益である。鉄の量は0.01から1重量%の間、好ましくは0.5重量%以下である。
少量のスズもまた有益であり、合金の強度をわずかに向上させる働きをする。スズの量は望ましくは0.01から0.2重量%までの間であり、好ましくは0.1重量%以下である。ごく少量のスズは有益な不純物として考えられるが、多量のスズは合金の電気伝導率を低減させる傾向がある。
当然ながらその他の合金化付加物と合計で15ppm以上の従来の不純物が存在してよい。例えば、少量の銀は逆に電気伝導率に影響を与えることなく合金の性能を向上させる。銀が存在する場合は、0.01から0.2重量%までの範囲の量で存在する。特定の目的に効果的なその他の合金化付加物には0.01から0.5重量%までのニッケル、および/あるいは0.01から0.5重量%までの亜鉛が含まれてる。
従って、本発明はカドミウムを含まず、マグネシウムを含んでなる銅合金導体を提供するものであり、この銅合金導体は銅−カドミウム合金および類似した用途における代替として容易に使用できる。銅−マグネシウム合金を所望の最終ゲージの線材にするための方法は、所望の導体を製造するのに必要な仕上げ寸法の線材への引伸加工の前に少なくとも1回の改質用のアニーリングを組合わせるものである。その結果できる線材は強度および伝導率の優れた組合せによって特長づけられ、加えて優れた曲げ寿命および耐熱軟化性など、その他の所望の特性によって特長づけられる。
本発明の銅合金線材は0.05から0.9重量%のマグネシウムを含んでなる銅合金から形成される基材を準備するステップと、この基材を元の断面積の少なくとも40%に絞られた線材に冷間加工するステップと、アニーリングを行うステップと、最大で0.254mm(0.010インチ)のシングルエンドの最終ゲージを有する線材、好ましくは0.0508mm(0.002インチ)以上で0.254mm(0.010インチ)以下の最終ゲージを有する線材に材料を引伸加工するステップと、によって製造される。所望に応じて銅合金は上述の1つ以上の付加的元素を含んでよい。またアニーリングステップは基材が元の断面積の少なくとも70%に絞られた線材に冷間加工された後に実施されてよい。
アニーリングは343.3℃(650°F)から565.5℃(1050°F)の範囲の温度で1から5時間の範囲の時間、好ましくは398.8℃(750°F)から482.2℃(900°F)の範囲の温度で2から3時間の範囲の時間だけ、実施されてよい。
冷間加工は従来公知の圧延および/または延伸を含む、いずれかの適切な技術を用いて実施されるが、これら限定されない。
本発明の銅合金線材は少なくとも100ksi、好ましくは少なくとも110ksiの引張り強度を示すとともに、室温20℃(68°F)での電気伝導率は60%IACS以上、好ましくは70%IACS以上、である。これは0.254mm(0.010インチ)以下のシングルエンド径を有する銅合金線材製品にとっては異例の特性の組合せである。
以上説明した特長およびその他の特長は以下の実例から明らかである。
銅−マグネシウム合金を、最終ゲージに伸線加工する前に改質用アニーリングを組合せることで線材に加工した。また比較のため、アニーリングなしで同様にして線材に加工した。銅合金は0.12%のマグネシウムを含んでいた。驚いたことにプロセスにおいて改質用アニーリングを組合せたことで加工硬化率が向上し、なお一層強い線材が提供された。加工硬化とは塑性変形によって、合金の強度が向上することである。合金は21mm(0.827インチ)径ロッドに鋳造され、21mm径ロッドから7.4mm(0.291インチ)の変形した方形の断面に圧延された。断面は7.9mm(0.312インチ)の丸い径に相当するものである。次いで本発明のプロセスは371℃(700°F)から454℃(850°F)で1から5時間、一般的には398℃(750°F)から426℃(800°F)で2から3時間、アニーリングされた。次いで所望の最終ゲージに伸線加工された。同じ合金が、どのようなアニーリングも取り入れられずに従来の方法を用いて7.4mmロッドから直接仕上げゲージに伸線加工された。
この結果もたらされる特性は図1において明らかであり、図1には冷間圧延の関数として上述の通り加工された銅−マグネシウム合金の引張り強度が例示されている。改質用のアニーリングがなされたこれらの各合金が、アニーリングされなかった合金に比べ、10ksiを超える向上を達成したことが図1において容易に分かる。これは著しい向上である。これらの合金は導体の用途に必要とされる小径線材に、典型的には直径0.254mm(0.010インチ)以下の線材に容易に伸線加工されうることもまた知得された。
0.15%のマグネシウムと0.10%とのスズを含んでなる各銅合金が、実施例1以降の方法で、最終ゲージ線材が38AWG(AWG:米国式針金ゲージ)を有するように加工された。各合金は、(ロッドから)アニーリングなしで、あるいは実施例1で設定された条件下で初期圧延工程に続いてアニーリングをした後、のいずれかの方法で、最終ゲージに伸線加工された。
得られた特性を図2に示した。図2は、面積の絞りのパーセント(%)を関数とした、上記加工された銅−マグネシウム−スズ合金の引張り強度を例示したものである。また図3は、線径の関数としての引張り強度が例示されている。
この結果から、アニーリングされ且つ伸線加工された線材の加工硬化率が、アニーリングされない線材の加工硬化率よりも大きいことが同様に知得された。所定の冷間での絞りの関数としての合金の加工硬化を図2に例示した。合金がアニーリングされている場合には同様な冷間絞りにより20ksi以上の向上が観察された。図3から明らかなように、線径の関数として引張り強度を比較すると、同様の向上が知得されている。改質用のアニーリングを組合せて線材を加工する場合、線材の寸法に応じて、5から10ksiの向上が達成される。図3は合金が小径にのみ伸線加工されるだけでなく、達成された0.1016mm(0.004インチ)径での引張り強度が120ksiを超える、ことを例示している。本発明により加工された本発明の合金の特性は非常に魅力的であり、銅−カドミウム合金C162の特性にひけをとらないものである。
0.15%のマグネシウムを含んでなる銅合金が実施例1以降のように加工された。ロッドの圧延に次いで、合金に改質用のアニーリングがなされた。次いでアニーリングされた線材は数ステップにおいて0.1016mm(0.004インチ)径に伸線加工された。この結果もたらされる特性を以下の表1に示した。
表1が明確に示しているのは、合金が小径に伸線加工されるだけではなく、達成された0.101mm(0.004インチ)径での引張り強度が120ksiを超えることである。この各特性は非常に魅力的であり、銅−カドミウム合金C162の特性にひけをとらないものである。
高強度の導体を用いる主要な理由の1つには、それらの持つ曲げ寿命の高さがある。ASTM B470−95(第6パラグラフ)には曲げ試験用の試験手順が記載されている。この試験では、導体が最初は規定の重量で垂直位置に取り付けられるとともに、水平位置に設けられた一対の標準的なスチール製のマンドレルつまり心棒を超えて、繰り返し前後に曲げられる。導体は破断ないし割れるまで繰り返し曲げられ、割れるれるまでのサイクル数が曲げ寿命を定義している。
この例によれば、類似した導体が合金C162(銅−1% カドミウム)と0.15%のマグネシウムを含んでなる銅合金を用いて製造された。0.15%のマグネシウムを含んでなる銅合金は実施例1における手順に従って改質用のアニーリングが用いられた。その構造は38AWG線材(0.1016mm径(0.004インチ径))の19の端部よりなるものであった。導体は上述のASTM B470において説明されている手順により曲げ試験がされた。その結果を以下の表2に示した。
銅−カドミウム合金はより一層高い破断過重(寸法がなお一層大きいため)を有していたが、曲げ寿命はより一層低いことが明らかになった。本発明により加工された銅−マグネシウム合金の曲げ寿命は、銅−カドミウム合金の曲げ寿命の約50%以上である。曲げ寿命は高強度の導体において主要な属性を表すものであるから、これは非常に素晴らしく、有益な発見に相当するものである。
実施例4におけるような、38AWG構造の19の端部を有する導体が実施例2の銅−0.15%マグネシウム−0.1%スズ合金を用いて準備された。2種類の導体が準備された。1つはアニーリングされない状態で利用され、もう1つは実施例1において説明された線材のロッド圧延およびアニーリングを施して利用された。導体はASTMB470によって曲げ寿命に対する試験がされた。以下の表3にその結果を示した。
より一層高い破断荷重によって証明されているように、上記の結果が明確に示しているのは、改質用のアニーリングをした線材の高強度と優れた曲げ寿命である。
銅−0.59%マグネシウム合金は実施例1の後、初期のロッド圧延に次いで、改質用のアニーリングがなされた。次いでアニーリングされた線材は数ステップにおいて0.101mm(0.004インチ)にまで引伸加工された。その結果もたらされた特性は以下の表4において明らかである。
60%IACS以上の電気伝導率を備えた銅合金にとって、160ksiの引張り強度は非常に高い。実際にこのことは銅合金用の、引張り強度および電気伝導率の独特の組合せを表している。この合金の電気伝導率は銅−カドミウム合金の電気伝導率以下であるが、特性の組合せは素晴らしいものであり、また非常に有益である。
銅−0.12マグネシウム−0.1%スズ−0.02%リン化物は実施例1の手順によって、本発明のアニーリングが施された。合金は最初のロッド圧延に次いでアニーリングされ、アニーリングされた線材は数ステップにおいて0.1016mm(0.004インチ)径にまで引伸加工された。この結果もたらされた特性を以下の表5に示した。
合金は容易に0.101mm(0.004インチ)径にまで引伸加工された。テーブル5において明らかにされている結果が明確に示しているのは、0.101mm(0.004インチ)径で、引張り強度において著しい向上が達成できることである。
本実施例によれば、実施例7において達成された、シングルエンドの0.101mm(0.004インチ)径の線材を用いて19/38AWG導体が作られた。この導体はASTM B470において記載されている手順によって試験され、曲げ寿命が決定された。以下の表6において明らかにされているように、この導体の曲げ寿命は本発明の改質用のアニーリングを用いて加工された銅−1%カドミウム、およびベース銅−0.15マグネシウムの曲げ寿命よりも優れていた。
上記においては本発明をシングルエンドの線材に関連して説明したが、本発明は上記説明してきた技術に従って処理された多数の線材から形成されたケーブルにも同様に適用できるものである。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明が上述および図示の例に限定されないことは明らかである。即ち、上述した実施形態は本発明を実施するための最良の形態の一例にすぎず、その部品の形状、サイズ、配置、そして動作の詳細は変更ないし変形可能なものである。本発明は、特許請求の範囲によって画定された技術思想および技術範囲内にあるそのような変更や変形のすべてを包含することを意図したものである。
Claims (24)
- 0.05から0.9重量%までのマグネシウムと合計15ppm以上の不純物を含んでなる銅合金を有してなる高強度と高伝導率を有する銅合金線材であって、前記線材が0.254mm(0.010インチ)以下のシングルエンド径と、少なくとも100ksiの引張り強度と、60%IACS以上の電気伝導率とを有してなる、ことを特徴とする銅合金線材。
- 前記引張り強度が少なくとも110ksiである、ことを特徴とする請求項1記載の銅合金線材。
- 前記電気伝導率が70%IACS以上である、ことを特徴とする請求項1記載の銅合金線材。
- 前記銅合金が0.01から0.3重量%までのリンを含んでなる、ことを特徴とする請求項1記載の銅合金線材。
- 前記リンが0.01から0.15重量%の量だけ存在し、また前記マグネシウムが0.1から0.4重量%の量だけ存在する、ことを特徴とする請求項4記載の銅合金線材。
- 前記リンの粒子の大部分がサブミクロンのものである、ことを特徴とする請求項4記載の銅合金線材。
- 前記銅合金が、0.01から1.0重量%の鉄と、0.01から0.5重量%のニッケルと、0.01から0.3重量%のリンと、0.01から0.2重量%の銀と、0.01から0.2重量%のスズと、0.01から0.5重量%の亜鉛とからなる群から選択された少なくとも1つの付加的な構成成分を含んでなる、ことを特徴とする請求項1記載の銅合金線材。
- 前記少なくとも1つの付加的な構成成分が0.01から0.5重量%の量の鉄を含んでいる、ことを特徴とする請求項7記載の銅合金線材。
- 前記少なくとも1つの付加的な構成成分が0.01から0.1重量%の量のスズを含んでなる、ことを特徴とする請求項7記載の銅合金線材。
- 前記少なくとも1つの付加的な構成成分が0.02から0.15重量%の量のリンを含んでなる、ことを特徴とする請求項7記載の銅合金線材。
- 前記線材が、改質用のアニーリングと、冷間加工とがされたものである、ことを特徴とする請求項1記載の銅合金線材。
- 前記シングルエンド径が0.0508mm(0.002インチ)以上である、ことを特徴とする請求項1記載の銅合金線材。
- 0.05から0.9重量%のマグネシウムと、0.01から0.3重量%のリンと、残部の銅および合計15ppm以上の不純物とからなる銅合金を有し高強度と高伝導率を有する銅合金であって、前記線材は0.254mm(0.010インチ)以下のシングルエンド径と、少なくとも100ksiの引張り強度と、70%IACS以上の電気伝導率とを有してなる、ことを特徴とする銅合金。
- 前記リンの含有量が0.01から0.15重量%の範囲であり、また前記引張り強度が少なくとも110ksiである、ことを特徴とする請求項13記載の銅合金。
- 0.05から0.9重量%のマグネシウムと、0.01から1.0重量%の鉄、0.01から0.5重量%のニッケル、0.01から0.3重量%のリン、0.01から0.2重量%の銀、0.01から0.2重量%のスズ、および0.01から0.5重量%の亜鉛からなる群から選択された少なくとも1つの構成成分と、残部の銅および合計15ppm以上の不純物とからなる銅合金を有してなる高強度および高伝導率である銅合金線材であって、前記線材が0.254mm(0.010インチ)以下のシングルエンド径と、少なくとも100ksiの引張り強度と、70%IACS以上の電気伝導率とを有してなる、ことを特徴とする銅合金線材。
- 高強度と高伝導率を有する銅合金線材を製造するための方法であって、
0.05から0.9重量%のマグネシウムと、合計15ppm以上の不純物とを含んでなる銅合金から形成される基材を準備するステップ、
前記基材を元の断面積の少なくとも40%に絞った線材に冷間加工するステップ、
前記冷間加工ステップ後に改質用のアニーリングを施すステップ、および
前記アニーリングされた材料を、0.254mm(0.010インチ)以下の最終ゲージを有する線材に冷間加工するステップを有してなる、ことを特徴とする方法。 - 前記基材が元の断面積の少なくとも70%に絞った線材に冷間加工された後において前記改質用のアニーリングが施される、ことを特徴とする請求項16記載の方法。
- 前記改質用のアニーリングが、343.3℃(650°F)から565.5℃(1050°F)の範囲の温度で、1から5時間の範囲の時間だけ施される、ことを特徴とする請求項16記載の方法。
- 前記改質用のアニーリングが、398.8℃(750°F)から482.2℃(900°F)の範囲の温度で、2から3時間の範囲の時間だけ施される、ことを特徴とする請求項18記載の方法。
- 前記基材を準備するステップが、0.05から0.9重量%のマグネシウムと、残部の銅および合計15ppm以上の不純物とからなる銅合金より形成される材料を準備することを有してなる、ことを特徴とする請求項16記載の方法。
- 前記基材を準備するステップが、0.05から0.9重量%までのマグネシウムと、0.01から0.3重量%までのリンと、残部の銅および合計15ppm以上の不純物とからなる銅合金より形成される材料を準備するステップを有してなる、ことを特徴とする請求項16記載の方法。
- 前記基材を準備するステップが、0.05から0.9重量%のマグネシウムと、0.01から1.0重量%の鉄、0.01から0.5重量%のニッケル、0.01から0.3重量%のリン、0.01から0.2重量%の銀、0.01から0.2重量%のスズ、および0.01から0.5重量%の亜鉛からなる群から選択された少なくとも1つの構成成分と、残部の銅および合計15ppm以上の不純物とから形成される材料を準備するステップ有してなる、ことを特徴とする請求項16記載の方法。
- 前記最終ゲージの冷間加工ステップが、前記アニーリングされた材料を0.254mm(0.010インチ)以下の直径を有する線材に冷間加工するステップを有してなる、ことを特徴とする請求項16記載の方法。
- 0.05から0.9重量%のマグネシウムと、合計15ppm以上の不純物とを含む銅合金からなり高強度および高伝導率を有する、カドミウムを含まない銅合金線材であって、前記シングルエンドの線材は、2.54mm(0.10インチ)以下の直径と、少なくとも100ksiの引張り強度と、60%IACS以上の電気伝導率とを有している、ことを特徴とする銅合金線材。
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