JPH0586427A - 導電用極細銅線 - Google Patents

導電用極細銅線

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JPH0586427A
JPH0586427A JP24936291A JP24936291A JPH0586427A JP H0586427 A JPH0586427 A JP H0586427A JP 24936291 A JP24936291 A JP 24936291A JP 24936291 A JP24936291 A JP 24936291A JP H0586427 A JPH0586427 A JP H0586427A
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JP
Japan
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wire
alloy
copper
copper wire
conductivity
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Application number
JP24936291A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayoshi Aoyama
正義 青山
Koichi Tamura
幸一 田村
Takao Ichikawa
貴朗 市川
Bunichi Yuza
文一 遊座
Kesao Kobayashi
袈裟雄 小林
Osamu Nakamura
修 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】引張強さ、導電率の良好な最も理想的な導電用
極細銅線を作る。 【構成】合金成分としてMg0.025〜0.05wt
%およびSn0.1wt%以下を含み、残部がCuから
成る銅合金を誘導加熱溶解し、1250°Cに保持す
る。保持後、直径110mmのサイズに半連続鋳造し、
その後700〜850°Cで熱間圧延し、直径8mmの
熱間圧延銅線を得る。この熱間圧延銅線を冷間伸線し、
直径0.1mmの極細銅合金線を製造して実施例2、
3、6(#2,#3,#6)の試料を得る。これらの極
細銅合金線は、引張強さ70kg/mm2 以上、導電率
80%IACS以上の特性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は導電用極細銅線、特にヒ
ータ線などに用いられる極細銅合金線に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電気・電子機器ならびにその部品の高性
能化に伴い導電用銅線に対する使用材料に対する要求は
ますます厳しくなっており、使い易さ特性、価格につい
ての要求が厳しい。特に、導電用極細銅線は電気毛布等
のヒータ線として使用されるため、高導電率でかつ高強
度、高耐熱性が要求され、しかも民生品なので製造コス
トが安く、製造容易な銅合金が要求される。
【0003】従来、この分野の銅合金線としてはCu−
0.2Zn−0.1Mg合金が知られている(例えば、
藤井他:古河電工時報59号(昭和51年8月)、特公
昭50−27716号公報など)。この合金はCu−C
dのように毒性はなく、しかもCu−Cdと同等性能
(φ0.2mmで導電率80%IACS以上、引張強さ
80kg/mm2 以上)を示した。ZnとMgを同時添
加することで、微細なMgZnの化合物として分散析出
させることによる高強度合金であるとされている。この
ような析出型合金の場合、鋳造時銅中に金属間化合物が
形成されやすく0.1mm以下の極細線では伸線時断線
が起りやすい。
【0004】一般に、銅合金の強化法として、CrやZ
r、またはZr+Crを添加する方法があるが、これら
は銅中に添加元素を析出させ、その後冷間加工によって
強度を上げる方法である。上記元素は鋳造中にZr−C
u等の金属間化合物や各元素の偏析により銅中に介在物
が形成され、極細サイズ0.1mm以下に冷間伸線する
際、断線し易いという問題点がある。そのため金属間化
合物が形成されない、即ち介在物の少ない銅合金線の開
発が切に望まれている。
【0005】ところで、表3及び図2(坂本:綜合金属
情報(1990年8月30日第298号より引用)によ
れば、従来開発された銅合金系の引張強さと導電率の関
係がわかる。
【0006】
【表3】
【0007】図2においてAの領域(引張強さ60kg
/mm2 以上、導電率80%IACS以上)に入る合金
は最も理想的な合金であるが、この合金は開発されてい
ない、と報告されている。また、これによれば、引張強
さ70kg/mm 2以上、導電率70%IACS以上に
入る合金も存在しない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】現在、導電用極細銅線
として次のような特性が要求されている。
【0009】(1) 製品の軽量化、高品質化のために、
より高導電率、高強度であること。ar (2) 製造コストの安いこと。
【0010】(3) φ0.1mm以下で、製造中断線し
ないこと(固溶型合金であること)。
【0011】(4) 毒性のあるCdを含有せず、しかも
Cu−Cd合金並の特性をもち、その代用になること。
【0012】(5) 従来Ag入り銅線(Cu・Ag系銅
線)として使われていた原料費の高い銅線に代わる安価
なものであること。
【0013】(6) Cu・Ag系銅線の用途として考え
られていたエナメル線やトロリー線等への使用が可能
で、安価な銅合金であること。
【0014】本発明の目的は、MgとSnに着目するこ
とによって、前記した要求特性を満足するとともに、従
来技術の欠点を解消し、導電率及び強度を大幅に増加さ
せることができる新規な導電用極細銅線を提供すること
にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明はその一部が理想
的とされる図2における領域Aの特性を満たす合金であ
り、合金成分としてMgを0.025〜0.15wt%
およびSnを0.2wt%以下含有させ、残部が銅より
なる組成をもち、φ0.1mm以下の極細銅合金線であ
って、引張強さ70kg/mm2 以上、導電率70%I
ACS以上有するものである。
【0016】Mg濃度を0.025〜0.15wt%の
範囲としたのは、Mg濃度が0.02wt%以下でも導
電率は高く問題はないが、引張強さが不十分となるから
であり、Mg濃度が0.15wt%以上では、Mgが活
性金属であるためMgOを形成し易く断線になり易く、
導電率も低くなるからである。
【0017】また、Sn濃度を0.2wt%以下とした
のは、Sn濃度が0.2wt%以上では導電率の低下が
大きいからである。
【0018】
【作用】文献(辛島、金属合金の強度 日本金属学会
(昭和47年4月10日)p.95)によれば、銅単結
晶中の固溶原子と臨界せん断応力の関係が示されてお
り、SnがAu,Si,Niに比べて臨界せん断応力が
高く強化元素として効果が期待できることが推察され
る。本発明はこのSnと従来からも使用されているMg
に注目してなされたものであり、銅にMgを0.025
〜0.15wt%、Snを0.2wt%以下含有させて
銅合金を作り、これをφ0.1mm以下に延伸して銅合
金線を形成したものである。これにより、引張強さ70
kg/mm2 以上、導電率70%IACS以上有する導
電用極細銅線が製造できる。その結果、次のような利点
が得られる。
【0019】(1) 100μm以下の極細銅線において
高導電率、高強度のため電気毛布やロボット用銅線等の
厳しい使用環境に耐える性能が得られた。
【0020】(2) 毒性のあるCd等の元素を使用して
いないので安全性に優れる。
【0021】(3) 上記(2) により工業上生産性が向上
する。
【0022】(4) 製造工程上析出処理等が不要のため
安価である。
【0023】(5) Mg及びSnは本発明組成範囲内で
は固溶体として存在し、金属間化合物も組織上認められ
ないので、介在物による断線も少なく理想的な合金線で
ある。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を述べる。
【0025】<実施例1>Snを0.2wt%、Mgを
0.05wt%含み、残部がCuから成る銅合金を誘導
加熱溶解し、1250°Cに保持後、直径110mmの
サイズに半連続鋳造し、その後700〜850°Cで熱
間圧延し、直径8mmの熱間圧延銅線を得た。この熱間
圧延銅線を冷間伸線し、直径0.1mmの銅合金線を製
造して複数の試料を得た。
【0026】これら試料銅線の引張強さは90〜102
kg/mm2 、突き合せ伸び(標点距離GL=250m
m)は1.2〜2.3%であり、導電率は70%IAC
Sであった。このように上記組成及び大きな加工を与え
ることにより高強度が得られることが判った。また曲げ
特性について検討したところ、2.5R、100gの曲
げ条件で46〜70回の値を示した。
【0027】<比較例1>従来からあるφ0.1mmの
Cu−0.7wt%Sn合金線を実施例1と同工程で作
製した。引張強さは85kg/mm2 と高い値を示し、
伸びは1.1〜2.0%と同様な値を示したが、導電率
は55%IACSと低く、導電率に問題があった。
【0028】<実施例2〜7及び比較例2〜5> 実施例1と同様な方法で半連続鋳造材のMgとSn濃度
を変えた試料を作製し(実施例1と重複するものあ
り)、その性能を表1、表2及びそれらを分布図として
表わした図1に示す。なお、図1において実施例は(#
数字)で、比較例は丸数字で表わした。
【0029】
【表1】
【0030】表1では主にSn濃度を変えてある。Sn
濃度が上がると引張強さが僅かづつ強くなる代りに、導
電率が低下するのが分かる。比較例2のようにSn濃度
が0.3wt%になると導電率が61%IACSと低
く、問題がある。なお、Sn濃度を0wt%としてMg
濃度を変えた実施例2、3のように、Mg濃度を上げる
と引張強さは向上するが、導電率が低下するのが分か
る。
【0031】
【表2】
【0032】表2ではMg濃度を変えてある。Mg濃度
が上がると引張強さはやや向上する傾向にあるが、導電
率は低下していく。Mg濃度が0.15wt%以上の比
較例4、5だと導電率が70%IACSより小さく、問
題がある。またMgが0wt%の比較例3だと、導電率
が十分大きいが、引張強さが70kgf/mm2 未満と
なり、問題となる。
【0033】このように本実施例によれば、Mg0.0
25〜0.15wt、およびSn0.2wt%以下を添
加して導電率の低下を抑えることによって、φ0.1m
mの極細銅線であっても、伸び特性は勿論のこと、従来
得られなかった引張強さ70kg/mm2 以上、導電率
70%IACS以上の特性を達成できることがわかり、
特に実施例2,3,6の組成では理想的な合金を得るこ
とができた。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、極細銅線の合金成分と
して、銅にMgを0.025〜0.15wt%、Snを
0.2wt%以下含有させるようにしたので、導電率の
低下を抑えて引張強さを大幅に向上させることができ、
従来得られなかった高強度、高導電性の極細銅合金線を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による高強度、高導電性導電用
極細銅線の位置付けを比較例とともに示す特性分布図。
【図2】従来の高強度、高伝導系銅合金の位置付けを示
す特性分布図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遊座 文一 茨城県日立市川尻町1500番地 日立電線株 式会社豊浦工場内 (72)発明者 小林 袈裟雄 茨城県日立市川尻町1500番地 日立電線株 式会社豊浦工場内 (72)発明者 中村 修 茨城県日立市川尻町1500番地 日立電線株 式会社豊浦工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Mgを0.025wt%以上0.15wt
    %未満、およびSnを0.2wt%以下含有し、残部が
    銅よりなる銅合金組成をもつφ0.1mm以下の導電用
    極細銅線であって、引張強さ70kg/mm2 以上、導
    電率70%IACS以上の特性を有することを特徴とす
    る導電用極細銅線。
JP24936291A 1991-09-27 1991-09-27 導電用極細銅線 Pending JPH0586427A (ja)

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Cited By (6)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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