JP2002302727A - 導電用耐熱アルミニウム合金線及びその製造方法 - Google Patents

導電用耐熱アルミニウム合金線及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた導電性及び耐熱性並びに強度を兼ね備
えた新規な導電用耐熱アルミニウム合金線及びその製造
方法の提供。 【解決手段】 Zrを0.10〜0.50重量%、Sc
を0.05〜0.50重量%含有し、残部がAl及び不
可避的不純物からなるアルミニウム合金の荒引線を断面
積減少率30%以上で冷間加工し、次いで100〜50
0℃で1〜100時間熱処理してから断面積減少率70
%以上の冷間加工を施して形成する。これによって、従
来の耐熱アルミニウム合金線よりも優れた導電性及び耐
熱性並びに高強度特性を発揮することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架空送電線の導体
等として用いられる導電用耐熱アルミニウム合金線及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、架空送電線の送電容量を増加さ
せるためには、導体の断面積を大きくすれば良いが、そ
うするとこれに比例して架空送電線全体の重量も増加
し、既存鉄塔の許容強度を超えてしまうといった問題が
生ずる。
【0003】そのため、導体の断面積を変えずに送電容
量を増加させるには、導体として、導電率に優れたアル
ミニウム線を用いれば良く、さらに耐熱性を付与させる
べくZrを0.1重量%程度含んだAl−Zr合金線等
のアルミニウム合金線を使用するのが望ましい。
【0004】しかしながら、従来のAl−Zr合金線に
おいては、Zrの添加量に比例して耐熱性が向上するこ
とから耐熱性をさらに向上させるべくZrの添加量を増
やしてその固溶量を増加させると、反対に導電性が著し
く低下してしまい、導電率と耐熱性を高次元で両立する
ことが難しいといった欠点がある。
【0005】このような問題を解決するために近年では
さらに第三元素としてFe,Mg,Si等を添加し、適
当な熱処理を施すことで耐熱性と導電性の要求特性を満
たした耐熱アルミニウム合金線が提案されている。
【0006】また、さらにこの熱処理を短縮するために
微量のBeを添加したAl−Zr−Be系合金線や、導
体素線自体に熱処理を施すことで耐熱性を著しく向上さ
せた超耐熱アルミニウム合金線も開発され、実用化に至
っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
Al−Zr合金にFe,Mg,Si等の第三元素を添加
した耐熱アルミニウム合金線にあっては、極めて長時間
(100時間以上)の熱処理(時効処理)を要するた
め、製造効率が悪いといった欠点がある。
【0008】一方、熱処理を短縮するために微量のBe
を添加したAl−Zr−Be系合金線にあっては、Be
自体が高価な金属であるため、材料コストが高くなって
しまうという問題がある。しかも、これら従来の合金組
成及び製造方法では、その耐熱性,導電率及び強度の更
なる特性向上は期待できない。
【0009】さらに、導体素線自体に熱処理を施した超
耐熱アルミニウム合金線にあっては、耐熱性は向上する
ものの引張強さが低下し、また、耐熱性向上を目的とし
た添加元素の影響のため導電率に影響してしまい、加え
て荒引線の熱処理と比較して著しく製造コストが増加し
てしまうといった問題点がある。
【0010】そこで、本発明はこのような課題を有効に
解決するために案出されたものであり、その目的は、従
来の耐熱アルミニウム合金線よりも優れた導電性及び耐
熱性並びに高強度特性を兼ね備えた新規な導電用耐熱ア
ルミニウム合金線及びその製造方法を提供するものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、Zrを0.10〜0.50重量%、Scを
0.05〜0.50重量%含有し、残部がAl及び不可
避的不純物からなるアルミニウム合金の荒引線を断面積
減少率30%以上で冷間加工し、次いで100〜500
℃で1〜100時間熱処理してから断面積減少率70%
以上の冷間加工を施してなるものである。
【0012】そして、このようにして得られる本発明の
導電用耐熱アルミニウム合金線にあっては、Alマトリ
ックス中にAl3Zr,Al3Sc及びAl3(Zr,S
c)の析出物を含有しているため、加工組織が安定化
し、導電率が低下することなく優れた耐熱性及び強度特
性を発揮することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施する好適一形
態を添付図面を参照しながら説明する。
【0014】図1は、本発明に係る導電用耐熱アルミニ
ウム合金線の製造方法の実施の一形態を示したものであ
る。
【0015】図示するように、先ず、Zr:0.10〜
0.50重量%、Sc:0.05〜0.50重量%、残
部がAl及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金
を連続鋳造し、荒引線を形成する。尚、この連続鋳造法
としては、特に限定されるものでなく、プロペルチ法,
ヘズレー法,SCR法等の周知の鋳造方法をそのまま適
用することができる。
【0016】次に、このようにして得られた荒引線を断
面積減少率30%以上で一次冷間加工を施し、次いで1
00〜500℃×1〜100時間の条件で熱処理を行っ
た後、断面積減少率70以上で二次冷間加工を施すこと
によって得られる。
【0017】そして、このようにして得られた本発明の
導電用耐熱アルミニウム合金線にあっては、Alマトリ
ックス中にZr及びScを固溶させ、これを冷間加工し
て転位を導入し、次いで熱処理を施すことにより、Al
3Zr,Al3Sc及びAl3(Zr,Sc)の析出物が
形成されるため、加工組織が安定化され、かつ導電率を
低下させることなく、耐熱性及び強度特性が著しく向上
することとなる。すなわち、本発明は従来技術であるZ
rをAl中に固溶させたり、或いは熱処理によりAl3
Zrのみを析出させることによって耐熱性及び強度特性
を向上させる従来型の合金とはその耐熱性及び強度特性
の向上メカニズムにおいて全く異なるものである。
【0018】ここで、アルミニウム合金中のZr及びS
cの添加量をそれぞれ0.10〜0.50重量%,0.
05〜0.50重量%と限定したのは、Zr0.10重
量%未満、あるいはSc0.05重量%未満では従来製
法と比べて導電率の向上は達成できるものの、耐熱性の
向上が達成できないからであり、反対にZr及びScの
添加量が0.50重量%を超えると耐熱性の向上は達成
できるものの導電率の向上が期待できないからである。
従って、ZrとScの適正添加量はそれぞれ0.10〜
0.50重量%,0.05〜0.50重量%である。
【0019】また、熱処理条件として100〜500℃
×1〜100時間と限定したのは、熱処理温度が100
℃未満であると鋳造時に固溶したZrとScの析出物の
核発生が生じ難く、反対に500℃を超えると生成した
析出物が成長・肥大化するため好ましくないからであ
る。また、熱処理時間が1時間未満であると析出物の核
発生が不十分であり、反対に100時間を超えると析出
物の粗大化が生じて好ましくないからである。
【0020】また、荒引線の一次冷間加工時における断
面積減少率を30%以上と限定したのは、30%未満で
は析出物の核発生サイトとなる転位の導入が少なく、熱
処理時の析出が促進されないため、析出物による強度向
上、導電性の回復、さらには耐熱性の向上が期待できな
いからである。また、熱処理後の二次冷間加工時におけ
る断面積減少率を70%以上と限定したのは、70%未
満では冷間加工時の加工硬化によるアルミニウム合金線
の強度特性の向上が期待できないからである。
【0021】一方、このような製造方法を採用すること
によって得られる導電用耐熱アルミニウム合金線にあっ
ては、前述したように優れた導電率と耐熱性及び強度特
性を兼ね備えることができるが、さらに、材料となるア
ルミニウム合金としてSi,Fe,Ti,B及びBe
を、Si:0.05〜0.10重量%、Fe:0.05
〜0.30重量%、Ti:0.01〜0.10重量%、
B:0.003〜0.02重量%、Be:0.005〜
0.05重量%の比率で添加したり、図1の一点鎖線に
示すように、一次冷間処理と二次冷間処理間に2段階の
熱処理を施すようにしても良い。
【0022】すなわち、Siを0.05〜0.10重量
%の範囲で添加することにより、Al3Zr,Al3Sc
及びAl3(Zr,Sc)の析出が促進され、また、F
eを0.05〜0.30重量%の範囲で添加することに
より、強度の向上が期待できる。また、Ti及びB,B
eをそれぞれの範囲で添加することにより、鋳造による
結晶粒を微細化して鋳造剤の割れや傷の発生が抑制さ
れ、製造時の歩留まりが大幅に向上するからである。
【0023】一方、一次冷間処理と二次冷間処理間に2
段階の熱処理、具体的には、50〜400℃×1〜30
時間の一次熱処理と、300〜500℃×10〜60時
間の二次熱処理を行えば、前述した1回の熱処理(10
0〜500℃×1〜100時間)に比べて多少手間が掛
かるものの、鋳造時に固溶したZrとScを微細な粒子
としてより確実に析出させることができる。ここで、一
次熱処理条件として50〜400℃×1〜30時間と限
定したのは、50℃未満では析出物の核発生が生じ難
く、反対に400℃を超えると析出物が成長して好まし
くないからであり、また、熱処理時間が1時間未満であ
ると析出物の核発生が不十分であり、反対に30時間を
超えると析出物の成長が生じて好ましくないからであ
る。また、二次熱処理条件として300〜500℃×1
0〜60時間と限定したのは、300℃未満では析出物
の成長が不十分となり、導電性が回復されず、反対に5
00℃を超えると析出物が肥大化し、耐熱性が向上しな
いからである。さらに熱処理時間が10時間未満では析
出物の成長が十分でなく、反対に60時間を超えると析
出物の粗大化が生じ、耐熱性が低下するためである。
【0024】
【実施例】次に、本発明の実施例及び比較例を説明す
る。 (実施例1)先ず、以下の表1の実施例1の欄に示すよ
うに、Zr:0.35重量%、Sc:0.20重量%、
Si:0.08重量%、Fe:0.13重量%、Ti:
0.07重量%、B:0.005重量%、残部:Al及
び不可避的不純物からなる化学組成のアルミニウム合金
材料を溶製し、この溶湯を用いてアルミニウム合金イン
ゴットを形成した後、このインゴットにスェージャー加
工を施して外径12mmのアルミニウム合金荒引線を形
成した。
【0025】次に、この荒引線に断面積減少率44%の
一次冷間加工を施して外径9mmの合金線材を得た後、
この合金線材に350℃×50度の熱処理を施し、その
後、この合金線材に断面積減少率87%の二次冷間加工
を施して外径3.2mmの導電用耐熱アルミニウム合金
線を作成した。 (実施例2)以下の表1の実施例2の欄に示すように、
実施例1と同様にして形成した外径9mmの合金線材に
200℃×7時間の一次熱処理を施し、次いで420℃
×40時間の二次熱処理を施した後、断面積減少率87
%の二次冷間加工を施して外径3.2mmの導電用耐熱
アルミニウム合金線を作成した。 (実施例3)以下の表1の実施例3の欄に示すように、
Zr:0.20重量%、Sc:0.20重量%、Si:
0.08重量%、Fe:0.13重量%、Ti:0.0
7重量%、B:0.005重量%、残部:Al及び不可
避的不純物からなる化学組成のアルミニウム合金材料を
用いた他は、実施例2と同様にして外径3.2mmの導
電用耐熱アルミニウム合金線を作成した。 (比較例1)以下の表1の比較例1の欄に示すように、
Scを含有しないアルミニウム合金材料を用いた他は全
て実施例1と同様にして、外径3.2mmの導電用耐熱
アルミニウム合金線を作成した。 (比較例2)以下の表1の比較例2の欄に示すように、
Scを含有しないアルミニウム合金材料を用いた他は全
て実施例2と同様にして、外径3.2mmの導電用耐熱
アルミニウム合金線を作成した。 (比較例3)以下の表1の比較例3の欄に示すように、
Scを含有しないアルミニウム合金材料を用いた他は全
て実施例3と同様にして、外径3.2mmの導電用耐熱
アルミニウム合金線を作成した。
【0026】
【表1】
【0027】そしてこのようにして得られたそれぞれの
導電用耐熱アルミニウム合金線について、それぞれ引張
強度(MPa)、導電率(%IACS)、耐熱性(%)
を測定し、その測定結果を以下の表2に示す。尚、ここ
で耐熱性(%)は、(得られた導電用耐熱アルミニウム
合金線に400℃で4時間加熱した後における引張強度
/得られた導電用耐熱アルミニウム合金線の引張強度)
×100で求められる値を示したものである。
【0028】
【表2】
【0029】この結果、表2からも分かるように、本発
明に係る実施例1〜3の導電用耐熱アルミニウム合金線
にあっては、いずれも240MPa以上の優れた引張強
度を発揮すると共に、優れた導電性及び87%以上の高
い耐熱性を発揮し、強度,導電性及び耐熱性の全てを高
次元で兼ね備えることができた。
【0030】これに対し、本発明の対象外である比較例
1〜3の導電用耐熱アルミニウム合金線にあっては、そ
れぞれ実施例1〜3と同様な熱処理を施したにも拘わら
ず、本発明の必須成分であるScを全く含有していない
ため、引張強度,導電性及び耐熱性のいずれも実施例1
〜3の導電用耐熱アルミニウム合金線よりも劣ってしま
い、特に、引張強度及び耐熱性の著しく劣ってしまっ
た。
【0031】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、優れた引
張強度,導電性及び耐熱性を兼ね備えることができる。
また、熱処理時間が短くなると共に、高価な材料を殆ど
使用しないため、製造効率の向上及び製造コストの低廉
化に大きく貢献することができる等といった優れた効果
を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る導電用耐熱アルミニウム合金線の
製造方法の実施の一形態を示す工程図である。
【手続補正書】
【提出日】平成13年5月11日(2001.5.1
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】次に、この荒引線に断面積減少率44%の
一次冷間加工を施して外径9mmの合金線材を得た後、
この合金線材に350℃×50時間の熱処理を施し、そ
の後、この合金線材に断面積減少率87%の二次冷間加
工を施して外径3.2mmの導電用耐熱アルミニウム合
金線を作成した。 (実施例2)以下の表1の実施例2の欄に示すように、
実施例1と同様にして形成した外径9mmの合金線材に
200℃×7時間の一次熱処理を施し、次いで420℃
×40時間の二次熱処理を施した後、断面積減少率87
%の二次冷間加工を施して外径3.2mmの導電用耐熱
アルミニウム合金線を作成した。 (実施例3)以下の表1の実施例3の欄に示すように、
Zr:0.20重量%、Sc:0.20重量%、Si:
0.08重量%、Fe:0.13重量%、Ti:0.0
7重量%、B:0.005重量%、残部:Al及び不可
避的不純物からなる化学組成のアルミニウム合金材料を
用いた他は、実施例2と同様にして外径3.2mmの導
電用耐熱アルミニウム合金線を作成した。 (比較例1)以下の表1の比較例1の欄に示すように、
Scを含有しないアルミニウム合金材料を用いた他は全
て実施例1と同様にして、外径3.2mmの導電用耐熱
アルミニウム合金線を作成した。 (比較例2)以下の表1の比較例2の欄に示すように、
Scを含有しないアルミニウム合金材料を用いた他は全
て実施例2と同様にして、外径3.2mmの導電用耐熱
アルミニウム合金線を作成した。 (比較例3)以下の表1の比較例3の欄に示すように、
Scを含有しないアルミニウム合金材料を用いた他は全
て実施例3と同様にして、外径3.2mmの導電用耐熱
アルミニウム合金線を作成した。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 13/00 501 H01B 13/00 501D // C22F 1/00 602 C22F 1/00 602 625 625 630 630A 650 650A 660 660Z 661 661A 686 686A 686B 691 691B 691C 694 694A (72)発明者 青山 正義 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社総合技術研究所内 (72)発明者 熊田 豊光 茨城県日立市川尻町4丁目10番1号 日立 電線株式会社豊浦工場内 Fターム(参考) 4E096 EA05 EA12 HA21 5G301 AA03 AA04 AA09 AA19 AA21 AA24 AA30 AB02 AB08 AD01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Zrを0.10〜0.50重量%、Sc
    を0.05〜0.50重量%含有し、残部がAl及び不
    可避的不純物からなるアルミニウム合金の荒引線を断面
    積減少率30%以上で冷間加工し、次いで100〜50
    0℃で1〜100時間熱処理してから断面積減少率70
    %以上の冷間加工を施してなることを特徴とする導電用
    耐熱アルミニウム合金線。
  2. 【請求項2】 Zrを0.10〜0.50重量%、Sc
    を0.05〜0.50重量%含有し、残部がAl及び不
    可避的不純物からなるアルミニウム合金の荒引線を断面
    積減少率30%以上で冷間加工し、次いで50〜400
    ℃で1〜30時間の一次熱処理を行った後、引き続き3
    00〜500℃で10〜60時間の二次熱処理を行い、
    その後、断面積減少率70%以上の冷間加工を施してな
    ることを特徴とする導電用耐熱アルミニウム合金線。
  3. 【請求項3】 上記アルミニウム合金が、Si,Fe,
    Ti,B及びBeから選ばれる少なくとも1種以上の金
    属成分をさらに含有するものであることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の導電用耐熱アルミニウム合金線。
  4. 【請求項4】 上記Si,Fe,Ti,B及びBeの含
    有量が、Si:0.05〜0.10重量%、Fe:0.
    05〜0.30重量%、Ti:0.01〜0.10重量
    %、B:0.003〜0.02重量%、Be:0.00
    5〜0.05重量%であることを特徴とする請求項3に
    記載の導電用耐熱アルミニウム合金線。
  5. 【請求項5】 Zrを0.10〜0.50重量%、Sc
    を0.05〜0.50重量%含有し、残部がAl及び不
    可避的不純物からなるアルミニウム合金を連続鋳造によ
    って荒引線としてから、これを断面積減少率30%以上
    で冷間加工を行い、次いで100〜500℃で1〜10
    0時間熱処理した後、断面積減少率70%以上の冷間加
    工を施すようにしたことを特徴とする導電用耐熱アルミ
    ニウム合金線の製造方法。
  6. 【請求項6】 Zrを0.10〜0.50重量%、Sc
    を0.05〜0.50重量%含有し、残部がAl及び不
    可避的不純物からなるアルミニウム合金を連続鋳造によ
    って荒引線としてから、これを断面積減少率30%以上
    で冷間加工を行い、次いで50〜400℃で1〜30時
    間の一次熱処理を行った後、引き続き300〜500℃
    で10〜60時間の二次熱処理を行い、その後、断面積
    減少率70%以上の冷間加工を施すようにしたことを特
    徴とする導電用耐熱アルミニウム合金線の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記アルミニウム合金として、Si,F
    e,Ti,B及びBeから選ばれる少なくとも1種以上
    の金属成分をさらに含有するものを用いることを特徴と
    する請求項5又は6に記載の導電用耐熱アルミニウム合
    金線の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記Si,Fe,Ti,B及びBeの含
    有量が、Si:0.05〜0.10重量%、Fe:0.
    05〜0.30重量%、Ti:0.01〜0.10重量
    %、B:0.003〜0.02重量%、Be:0.00
    5〜0.05重量%であることを特徴とする請求項7に
    記載の導電用耐熱アルミニウム合金線の製造方法。
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