JP2000251529A - 可動部配線材用極細導体 - Google Patents

可動部配線材用極細導体

Info

Publication number
JP2000251529A
JP2000251529A JP11048058A JP4805899A JP2000251529A JP 2000251529 A JP2000251529 A JP 2000251529A JP 11048058 A JP11048058 A JP 11048058A JP 4805899 A JP4805899 A JP 4805899A JP 2000251529 A JP2000251529 A JP 2000251529A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductor
ultrafine
tensile strength
movable portion
conductivity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11048058A
Other languages
English (en)
Inventor
Takao Ichikawa
貴朗 市川
Ryo Matsui
量 松井
Masayoshi Aoyama
正義 青山
Hitoshi Ueno
仁志 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Cable Ltd filed Critical Hitachi Cable Ltd
Priority to JP11048058A priority Critical patent/JP2000251529A/ja
Publication of JP2000251529A publication Critical patent/JP2000251529A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Conductive Materials (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性の低下を招くことなく、引張強度及び
耐屈曲性を大幅に向上させることができる新規な可動部
配線材用極細導体の提供。 【解決手段】 CuにMg0.025wt%以上0.1
5wt%未満及びInを0.30wt%以下添加した銅
合金を素線径0.08mm以下に伸線加工して引張強度
70kg/mm2 以上,導電率80%IACS以上の極
細素線2を形成し、この極細素線2を複数本撚線加工す
る。これによって、導電性の低下を招くことなく、引張
強度及び耐屈曲性を大幅に向上させることができるた
め、過酷な曲げ応力に対しても破断や座屈を招くことが
ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療機器や産業ロ
ボット等の電子機器可動部に配線される可動部配線材の
芯線として用いられる可動部配線材用極細導体に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般
に、医療機器や産業ロボット等の電子機器可動部に配線
される可動部配線材は、その性格上、過酷な曲げ,捻
り,引張り等の応力を繰り返し受けることから、特にそ
の芯線となる導体には優れた耐屈曲性と引張強度が要求
される。
【0003】そのため、最近では、このような可動部配
線材に使用される導体として、軟銅線単独でなく、Cu
に適量のSnを添加することで引張強度及び耐屈曲性を
向上させた合金材料からなるものが開発され、一部実用
化に至っている。
【0004】一方、近年の電子機器の小型・軽量・高性
能化の要請に受け、このような可動部配線材には、小型
・軽量化のための細径化と共に情報伝送量の増大に伴う
高導電性が要求されてきているが、引張強度及び耐屈曲
性と共に高導電性をも同時に満足する細径導体は提案さ
れていないのが現状である。
【0005】すなわち、上述した従来の銅合金を細径導
体の材料として用いた場合、細径化に伴う引張強度や耐
屈曲性を向上させるために、Snの添加量をさらに増加
させる必要があるが、そうすると導電率が著しく低下し
てしまうといった欠点があり、引張強度,耐屈曲性,高
導電性の全てを高い次元で満足することは不可能であっ
た。
【0006】そこで、本発明はこのような課題を有効に
解決するために案出されたものであり、その目的は、導
電性の低下を招くことなく、引張強度及び耐屈曲性を大
幅に向上させることができる新規な可動部配線材用極細
導体を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、CuにMg0.025wt%以上0.15
wt%未満及びInを0.30wt%以下添加した銅合
金を素線径0.08mm以下に伸線加工して引張強度7
0kg/mm2 以上,導電率80%IACS以上の極細
素線を形成し、この極細素線を複数本撚線加工してなる
ものである。
【0008】これによって、導電性を低下させることな
く、引張強度が著しく上昇し、かつ耐屈曲性も向上させ
ることができるため、引張強度,耐屈曲性,導電性の全
てを高い次元で満足することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施する好適一形
態を添付図面を参照しながら説明する。
【0010】図1は、本発明に係る可動部配線材用極細
導体1の実施の一形態を示したものである。
【0011】図示するように、この可動部配線材用極細
導体1は、素線径が0.08mm以下、望ましくは0.
05mm以下の極細素線2を、少なくとも3本以上複数
本撚り線加工してなるものであり、その撚りピッチは、
導体1の外径に対して少なくとも10〜25の比率とな
っている。
【0012】ここで、撚線のピッチと導体径の比を10
〜24に限定したのは、この比が24を越えると端末加
工時に撚線の端末がばらけてしまい、人手による端末処
理を行わなければならず、端末加工の自動化ができなく
なるからであり、また、10未満では一般的に屈曲疲労
特性は向上するが、硬銅線のような伸びの小さい材料に
おいては、撚線作業時に素線に加わるたわみ量が大きく
なって屈曲疲労寿命が低下する上に、撚線作業時の速度
が遅くなり、生産性が低下するためである。さらに、望
ましくは撚りピッチと導体径の比は15〜20の範囲で
ある。尚、この極細素線2を撚るようにしたのは、勿
論、強度の向上と強度と密接に関連する屈曲疲労特性の
向上を図るためである。ちなみに軟銅線の場合は、これ
をいくら撚っても強度と屈曲疲労特性について満足する
結果を得ることができない。
【0013】また、この極細素線2は、CuにMg0.
025wt%以上0.15wt%未満及びInを0.3
0wt%以下添加した銅合金を素線径0.08mm以下
に冷間伸線加工したものであり、引張強度70kg/m
2 以上,導電率80%IACS以上の高い引張強度と
導電率を発揮するようになっている。
【0014】ここで、Mgの添加量を0.025〜0.
15wt%に限定した理由は、0.025wt%以下で
も導電率は高く問題ないが、引張強さが不十分となって
70kg/mm2 以上の高い引張強度が得られないから
であり、また、0.15wt%を越えると、Mgが活性
金属であるため、MgOを発生しやすく、それが伸線時
の断線の原因となるからである。また、Inの添加量を
0.30wt%以下としたのは、0.30wt%以上を
越えると導電率が低下し、80%IACS以上の高い導
電率が得られないからである。また、引張強度を70k
g/mm2 以上としたのは、それ以下であると耐屈曲性
が十分に得られないためであり、また、導電率を80%
IACS以上としたのはそれ以下であると従来のSn入
り合金に比して高導電性導体としての特徴が得られない
ためである。
【0015】そして、このような構成をした本発明の可
動部配線材用極細導体1にあっては、導電率の低下を招
くことなく優れた引張強度及び耐屈曲性を発揮すること
が可能となり、加えて端末加工時の撚線バラケ等の不都
合を招くことなく優れた生産性及び信頼性を発揮するこ
とができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を説明する。
【0017】MgとIn,又はSn単独を種々の濃度で
添加した銅合金を、それぞれφ0.04mmまで冷間伸
線して極細素線を加工した後、この極細素線を7本を用
い、種々のピッチで撚線加工して複数種の極細導体試料
を形成した。その後、これら複数種の極細導体試料に対
して屈曲寿命試験を行い、その結果を以下の表1に示
す。
【0018】
【表1】
【0019】この結果、表1に示すように、MgとIn
の添加量及びピッチ/導体比のいずれもが本発明の範囲
内である実施例1〜4に係る試料の場合は、屈曲寿命が
いずれも1100回を大幅に上回ると共に、引張強さと
導電率のいずれも高い数値を示し、耐屈曲性と引張強さ
及び導電率値のいずれも高い次元で満足した。また、端
末加工時の撚線バラケも発生せず、優れた加工性を発揮
することがわかった。
【0020】これに対し、MgとInを全く添加してい
ない従来のSn−Cu合金からなる比較例1,2の試料
の場合は、いずれも屈曲寿命が低く、耐屈曲性に乏し
い。また、Snの添加量をさらに増やした比較例3の試
料のあっては、耐屈曲性に付いては良好な値を示した
が、導電率が65%IACSと低く、実用的に満足する
値が得られなかった。
【0021】さらに、MgとInの添加量は本発明の範
囲内であるが、ピッチ/導体比が本発明の範囲以下であ
る比較例4にあっては、耐屈曲性に劣ってしまい、ま
た、ピッチ/導体比が本発明範囲を超える比較例5にあ
っては、耐屈曲性,引張強さ,導電率のいずれも高い数
値を示したが、端末加工時の撚線バラケが発生してしま
い、加工性に乏しいものであった。
【0022】尚、この試験と並行して、本発明に係る極
細導体1の各素線2上に、撚り線加工する前に予め銀め
っき,錫めっき,ニッケルめっきのいずれかを施したと
ころ、有効なハンダ付け性も確認された。
【0023】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、導電性を
犠牲にすることなく、引張強度及び耐屈曲性を大幅に向
上させることができる。この結果、過酷な曲げ応力に対
しても破断や座屈を招くことなく引張強度,耐屈曲性,
高導電性の全てを高い次元で満足することができる。そ
して、このような本発明の可動部配線材用極細導体を使
用することにより、医療機器や電子機器等及びその可動
部の小型・軽量化並びに高性能化等に大いに貢献するこ
とができる等といった優れた効果を発揮することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す拡大側面図であ
る。
【符号の説明】
1 可動部配線材用極細導体 2 極細素線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 627 C22F 1/00 627 661 661A 680 680 685 685Z (72)発明者 青山 正義 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社パワーシステム研究所内 (72)発明者 上野 仁志 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内 Fターム(参考) 5G301 AA01 AA08 AA11 AA12 AA14 AA20 AB02 AB05 AD01 5G307 EA01 EB06 EC03 EF09 EF10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CuにMg0.025wt%以上0.1
    5wt%未満及びInを0.30wt%以下添加した銅
    合金を素線径0.08mm以下に伸線加工して引張強度
    70kg/mm2 以上,導電率80%IACS以上の極
    細素線を形成し、この極細素線を複数本撚線加工してな
    ることを特徴とする可動部配線材用極細導体。
  2. 【請求項2】 上記極細素線の素線径が0.05mm以
    下であり、この極細素線を少なくとも3本以上撚線加工
    してなることを特徴とする請求項1に記載の可動部配線
    材用極細導体。
  3. 【請求項3】 上記極細素線の撚りピッチと導体径との
    比が10〜24であることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の可動部配線材用極細導体。
  4. 【請求項4】 上記極細素線の外周に、銀めっき,錫め
    っき,ニッケルめっきのいずれかが施されていることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の可動部配線
    材用極細導体。
JP11048058A 1999-02-25 1999-02-25 可動部配線材用極細導体 Pending JP2000251529A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11048058A JP2000251529A (ja) 1999-02-25 1999-02-25 可動部配線材用極細導体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11048058A JP2000251529A (ja) 1999-02-25 1999-02-25 可動部配線材用極細導体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000251529A true JP2000251529A (ja) 2000-09-14

Family

ID=12792754

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11048058A Pending JP2000251529A (ja) 1999-02-25 1999-02-25 可動部配線材用極細導体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000251529A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002121629A (ja) * 2000-10-13 2002-04-26 Hitachi Cable Ltd 超極細銅合金線、銅合金撚線導体、極細同軸ケーブル、および超極細銅合金線の製造方法
JP2012079563A (ja) * 2010-10-01 2012-04-19 Yazaki Corp 電線
JP2012094258A (ja) * 2010-10-25 2012-05-17 Yazaki Corp 電線・ケーブル
JP2012104404A (ja) * 2010-11-11 2012-05-31 Yazaki Corp 電線
JP2021101408A (ja) * 2019-12-24 2021-07-08 日立金属株式会社 撚線導体、絶縁電線、及び撚線導体の製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002121629A (ja) * 2000-10-13 2002-04-26 Hitachi Cable Ltd 超極細銅合金線、銅合金撚線導体、極細同軸ケーブル、および超極細銅合金線の製造方法
JP2012079563A (ja) * 2010-10-01 2012-04-19 Yazaki Corp 電線
JP2012094258A (ja) * 2010-10-25 2012-05-17 Yazaki Corp 電線・ケーブル
US10453581B2 (en) 2010-10-25 2019-10-22 Yazaki Corporation Method for manufacturing electric wire
JP2012104404A (ja) * 2010-11-11 2012-05-31 Yazaki Corp 電線
JP2021101408A (ja) * 2019-12-24 2021-07-08 日立金属株式会社 撚線導体、絶縁電線、及び撚線導体の製造方法
JP7424042B2 (ja) 2019-12-24 2024-01-30 株式会社プロテリアル 撚線導体、絶縁電線、及び撚線導体の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2004134212A (ja) 自動車ワイヤハーネス用アルミ電線
JP2004353081A (ja) 銅合金線材およびその製造方法
JP2008016284A (ja) 自動車用電線導体
WO2010147018A1 (ja) 電線導体および自動車用電線
JP2012094258A (ja) 電線・ケーブル
JP4288844B2 (ja) 極細銅合金線
JP2697960B2 (ja) ハーネス用電線導体
JP4413591B2 (ja) 自動車ワイヤハーネス用アルミ導電線および自動車ワイヤハーネス用アルミ電線
JP2520878B2 (ja) 可動ケ−ブル用撚線導体の製造方法
JP2000251529A (ja) 可動部配線材用極細導体
JP4330005B2 (ja) アルミ導電線
JP2000251530A (ja) 可動部配線材用極細導体
JP2001295011A (ja) 耐屈曲銅合金線及びそれを用いたケーブル
JP4356417B2 (ja) 電子部品用銅合金線材
JP3376672B2 (ja) 耐屈曲性に優れた電気電子機器用導体
JP2008027640A (ja) 高強度化した銅合金線を用いた自動車用電線
JPH0660739A (ja) 自動車用電線導体
JP3620330B2 (ja) 可動部配線材用極細導体
JP3275506B2 (ja) 自動車用電線およびその製造方法
JP2005197135A (ja) 自動車用電源線
JP2000243139A (ja) 耐屈曲複合導体及びその製造方法
JP4667770B2 (ja) 自動車配線用アルミ導電線および自動車配線用電線
JP2008091283A (ja) 電線及びそれを用いたワイヤーハーネス
JPH06290639A (ja) 高強度高導電率耐屈曲性複合線
JPH03184210A (ja) 自動車用電線導体