JP2008086119A - インジェクタ駆動装置及びインジェクタ駆動システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 インジェクタ駆動システムは、圧電素子の充電制御をする際に、圧電素子の静電容量及び圧電素子に印加される電圧の変動や、インジェクタ駆動装置及びインジェクタの個体差(製品バラツキ)に基づいて、充電スイッチのオン時間を補正している。このため、圧電素子の静電容量及び圧電素子に印加される電圧の変動や、インジェクタ駆動装置及びインジェクタの個体差に応じて、実際に圧電素子に充電するエネルギーと制御目標とのずれがなくなるように、圧電素子の充電制御を行うことができる。したがって、実際にインジェクタから噴射される燃料噴射量とインジェクタが本来噴射すべき燃料噴射量とに生じるずれを低減することができるので、インジェクタによる燃料噴射の精度を向上させることができる。
【選択図】 図6
Description
一方、電源部の電圧は圧電素子の充電が行われることで低下してしまい、この低下した電圧は所定時間経過しなければ元の電圧値まで戻らない。
本発明は、上記点に鑑み、インジェクタによる燃料噴射の精度を向上させることを目的とする。
また、関連情報取得手段は、請求項4に記載のように、外部電源電圧検出手段により検出される外部電源の電圧値を関連情報として取得するようにしてもよいし、請求項5に記載のように、インターバル情報記憶手段に記憶されたインターバル情報を関連情報として取得するようにしてもよいし、請求項6に記載のように、近接回数情報記憶手段に記憶された近接回数情報を取得するようにしてもよい。
また、請求項8に記載の発明では、請求項9に記載のように、インジェクタが単位時間当たりに作動する回数を表す定常的作動回数、インジェクタ周囲の温度、内燃機関を冷却する冷却水の水温、内燃機関の潤滑油の油温、及び内燃機関の温度のうち少なくとも1つに基づいて、駆動温度検出手段がインジェクタ駆動装置本体の温度を推定するとよい。
(第1実施形態)
1.インジェクタ駆動システムの全体構成
図1は、第1実施形態のインジェクタ駆動システムの概略構成を説明する説明図であり、図2は、インジェクタ駆動システムの構成を表す構成図である。
インジェクタ10は、エンジン2の各気筒毎に設けられており、このインジェクタ10は、図2に示すように、圧電素子(ピエゾ素子)Pが伸縮することにより作動して燃料噴射を行う。
3.インジェクタ駆動装置20
インジェクタ駆動装置20は、インジェクタ10を駆動するEDU(Electric Driver Unit)30、及びEDU30を駆動制御するマイクロコンピュータ40(以下、マイコン40という。)等を有して構成されている。
EDU30は、圧電素子Pの充放電を行うことでインジェクタ10を駆動するものであり、このEDU30は、フィルタ回路32、DC−DCコンバータ34、及び充放電スイッチ部36等を有して構成されている。
マイコン40は、CPU42、RAM44及びROM46等を有して構成されており、このマイコン40は、エンジン2の制御を行う電子制御装置(図示省略)からの燃料噴射指令に応じて、充電スイッチSW2及び放電スイッチSW3のオン・オフ制御、すなわち圧電素子Pの充放電制御を行う。
4.1.インジェクタ駆動システムの概略作動
以上のような構成のインジェクタ駆動システムでは、燃料噴射の際に、4つのインジェクタ10の中から燃料を噴射させるインジェクタ10を特定するための燃料噴射信号が、マイコン40からEDU30へ出力される。
これにより、放電スイッチSW3のオン時には、圧電素子Pの正極側、すなわち充放電用コイルL3側から電流が流れるとともに充放電用コイルL3にエネルギーが蓄積され、放電スイッチSW3のオフ時には、充放電用コイルL3にエネルギーが蓄積されたエネルギーにより、回生電流がDC−DCコンデンサC2に流れるので、圧電素子Pに蓄積されたエネルギーが放電されて圧電素子が収縮し、燃料の噴射が終了する。
図3は、マイコン40のCPU42が、圧電素子Pを充電する際にEDU30を駆動制御する処理を表すフローチャートである。なお、図3に示す制御フローは、車両の動作用の電源がオンされたときに起動される。
ここで、図3に示す制御フローの説明をする前に、この制御フローに用いられるマップについて、図4及び図5を用いて説明する。なお、図4及び図5のマップは、マイコン40のROM46に記憶されている。
車両の動作用の電源がオンされることで、図3に示す制御フローが起動されると、まず各種センサ60〜65からの検出信号、バッテリ電圧検出部72及びDC−DC電圧検出部74からの検出信号が取得されるともに、インジェクタ10が単位時間当たりに作動する回数を表す定常的作動回数情報、インジェクタ10による燃料噴射の間隔を表すインターバル情報、インジェクタ10が連続的に作動する回数(以下、近接回数という。)を表す近接回数情報、静電容量情報、抵抗情報及び配線情報がROM46から読み込まれる(S110)。
そして、S110の処理で各検出信号が取得されるともに各種情報が読み込まれると、これら検出信号及び定常的作動回数情報に基づいて、インジェクタ10及びEDU30の温度が推定される(S120)。
そこで、S120の処理では、エンジン2が始動されてからインジェクタ10により実行された燃料の噴射回数に対して、予め設定された比例定数kを乗ずることで、インジェクタ10及びEDU30の温度の上昇分を推定し、さらにその推定された温度の上昇分にインジェクタ周囲温度センサ65等の温度センサ62〜65からの検出結果を加えることで、インジェクタ10及びEDU30の温度を推定するようにされている。
そして、S120の処理でインジェクタ10及びEDU30の温度が推定されると、その推定結果、バッテリ電圧検出部72からの検出信号、DC−DC電圧検出部74からの検出信号、近接回数情報、インターバル情報、静電容量情報、抵抗情報及び配線情報に基づいて、INJ温度マップ、EDU温度マップ、バッテリ電圧マップ、DC−DC電圧マップ、近接回数マップ、インターバルマップ、静電容量マップ、抵抗マップ及び配線マップの検索が実行される(S130)。
図6は、本実施形態のインジェクタ駆動システムの作動を説明するタイムチャートである。
本実施形態では、充放電スイッチ部36が特許請求の範囲に記載された充電手段に相当し、マイコン40が特許請求の範囲に記載された充電制御手段に相当し、S130の処理が特許請求の範囲に記載された関連情報取得手段に相当し、S140及びS150の処理が特許請求の範囲に記載された制御量補正手段に相当する。また、DC−DC電圧検出部74が特許請求の範囲に記載された電源電圧検出手段に相当し、バッテリ電圧検出部72が特許請求の範囲に記載された外部電源電圧検出手段に相当する。また、ROM46が特許請求の範囲に記載されたインターバル情報記憶手段、近接回数情報記憶手段、配線情報記憶手段、静電容量情報記憶手段及び抵抗情報記憶手段に相当する。また、S120の処理が特許請求の範囲に記載された駆動装置温度検出手段及びインジェクタ温度検出手段に相当する。
「発明が解決しようとする課題」で説明したように、圧電素子Pに充電されるエネルギーEは、「E=1/2(CV)2」という式で表すことができるので、圧電素子Pに印加される電圧V、及び圧電素子Pの静電容量Cがわかれば、圧電素子Pに充電されるエネルギーEを制御することができる。
圧電素子Pに充電されるエネルギーEは、「E=1/2(CV2)」という式で表すことができるが、圧電素子に蓄積される電荷を「Q」とすると、「E=1/2(QV)」という式で表すこともできる。
上記実施形態では、1つの車両にEDU40が1つ搭載されていたものを例に挙げて説明したが、1つの車両に複数のEDU40が搭載される場合には、EDU指令値マップに各EDU40毎の個体差を記憶させておくとよい。
Claims (22)
- 内燃機関に燃料を噴射供給するインジェクタに搭載される圧電素子を充放電することで、前記インジェクタを駆動するインジェクタ駆動装置であって、
前記インジェクタに接続され、前記圧電素子に充電されるエネルギーを制御するための充電手段と、
前記充電手段を駆動制御する充電制御手段と、
前記圧電素子の静電容量、及び前記圧電素子に印加される電圧のうち少なくとも一方に関する関連情報を取得する関連情報取得手段と、
前記関連情報取得手段により取得された関連情報に基づいて、前記圧電素子に所望のエネルギーが充電されるように、前記充電制御手段が前記充電手段を駆動制御する制御量を補正する制御量補正手段と
を備え、
前記充電制御手段は、前記制御量補正手段により補正された制御量に基づいて前記充電手段を駆動制御することを特徴とするインジェクタ駆動装置。 - 前記制御量補正手段は、前記インジェクタによる燃料噴射が連続的に行われる近接噴射の際には、その近接噴射の影響を打ち消すように、前記充電制御手段が前記充電手段を制御する制御量を増加させる補正を行うことを特徴とする請求項1に記載のインジェクタ駆動装置。
- 前記圧電素子にエネルギーを供給するための電源と、
前記電源の電圧値を検出する電源電圧検出手段とを備え、
さらに、前記関連情報取得手段は、前記関連情報として、前記電源電圧検出手段による検出結果を取得することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインジェクタ駆動装置。 - 前記電源に対して電力供給を行う外部電源の電圧値を検出する外部電源電圧検出手段を備え、
さらに、前記関連情報取得手段は、前記関連情報として、前記外部電源電圧検出手段による検出結果を取得することを特徴とする請求項3に記載のインジェクタ駆動装置。 - 前記インジェクタによる燃料噴射の間隔を表すインターバル情報が記憶されたインターバル情報記憶手段を備え、
さらに、前記関連情報取得手段は、前記関連情報として、前記インターバル情報記憶手段に記憶されたインターバル情報を取得することを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載のインジェクタ駆動装置。 - 前記インジェクタが連続的に作動する回数を表す近接回数情報が記憶された近接回数情報記憶手段を備え、
さらに、前記関連情報取得手段は、前記関連情報として、前記近接回数情報記憶手段に記憶された近接回数情報を取得するをすることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載のインジェクタ駆動装置。 - インジェクタ駆動装置本体の温度を検出する駆動装置温度検出手段を備え、
前記関連情報取得手段は、前記関連情報として、前記駆動装置温度検出手段による検出結果を取得することを特徴とする請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載のインジェクタ駆動装置。 - 前記駆動装置温度検出手段は、前記内燃機関の運転状況に基づいて前記インジェクタ駆動装置本体の温度を推定することで、前記インジェクタ駆動装置本体の温度を検出することを特徴とする請求項7に記載のインジェクタ駆動装置。
- 前記駆動装置温度検出手段は、前記インジェクタが単位時間当たりに作動する回数を表す定常的作動回数、前記インジェクタ周囲の温度、前記内燃機関を冷却する冷却水の水温、前記内燃機関の潤滑油の油温、及び前記内燃機関の温度のうち少なくとも1つに基づいて、前記インジェクタ駆動装置本体の温度を推定することを特徴とする請求項8に記載のインジェクタ駆動装置。
- 前記インジェクタの温度を検出するインジェクタ温度検出手段を備え、
前記関連情報取得手段は、前記関連情報として、前記インジェクタ温度検出手段による検出結果を取得することを特徴とする請求項1ないし請求項9の何れか1項に記載のインジェクタ駆動装置。 - 前記インジェクタ温度検出手段は、前記インジェクタが単位時間当たりに作動する回数を表す定常的作動回数、前記インジェクタの周囲の温度、前記内燃機関を冷却する冷却水の水温、前記内燃機関の潤滑油の油温、前記内燃機関の温度、及び燃料の温度のうち少なくとも1つに基づいて前記インジェクタの温度を推定することで、前記インジェクタの温度を検出することを特徴とする請求項10に記載のインジェクタ駆動装置。
- 内燃機関に燃料を噴射供給するインジェクタに搭載される圧電素子を充放電することで、前記インジェクタを駆動するインジェクタ駆動装置であって、
前記インジェクタに接続され、前記圧電素子に充電されるエネルギーを制御するための充電手段と、
前記充電手段を駆動制御する充電制御手段と、
インジェクタ駆動装置本体の特性を表す特性情報に基づいて、前記圧電素子に所望のエネルギーが充電されるように、前記充電制御手段が前記充電手段を駆動制御する制御量を補正する制御量補正手段と
を備え、
前記充電制御手段は、前記制御量補正手段により補正された制御量に基づいて前記充電手段を駆動制御することを特徴とするインジェクタ駆動装置。 - 前記特性情報は、前記充電制御手段が前記充電手段を駆動制御する制御量と、実際に前記充電手段が前記圧電素子に充電するエネルギーとの関係を示す情報であることを特徴とする請求項12に記載のインジェクタ駆動装置。
- 前記充電手段と前記インジェクタとの間に接続される配線の抵抗又はインダクタンス成分を表す配線情報が記憶された配線情報記憶手段を備え、
前記制御量補正手段は、前記配線情報記憶手段に記憶された配線情報に基づいて、前記充電制御手段が前記充電手段を駆動制御する制御量を補正することを特徴とする請求項12又は請求項13に記載のインジェクタ駆動装置。 - インジェクタ駆動装置本体には、前記充電手段と前記インジェクタとを接続するための端子が複数設けられており、
さらに、前記配線情報記憶手段には、前記各端子毎の配線情報が記憶されていることを特徴とする請求項14に記載のインジェクタ駆動装置。 - 前記圧電素子の静電容量を表す静電容量情報が記憶された静電容量情報記憶手段を備え、
前記制御量補正手段は、前記静電容量情報記憶手段に記憶された静電容量情報に基づいて、前記充電制御手段が前記充電手段を駆動制御する制御量を補正することを特徴とする請求項12ないし請求項15の何れか1項に記載のインジェクタ駆動装置。 - インジェクタ駆動装置本体には、前記充電手段と前記インジェクタとを接続するための端子が複数設けられており、
さらに、前記静電容量情報記憶手段には、前記各端子毎の静電容量情報が記憶されていることを特徴とする請求項16に記載のインジェクタ駆動装置。 - 前記インジェクタに対して直列に接続された抵抗成分を表す抵抗情報が記憶された抵抗情報記憶手段を備え、
前記制御量補正手段は、前記抵抗情報記憶手段に記憶された抵抗情報に基づいて、前記充電制御手段が前記充電手段を駆動制御する制御量を補正することを特徴とする請求項12ないし請求項17の何れか1項に記載のインジェクタ駆動装置。 - インジェクタ駆動装置本体には、前記充電手段と前記インジェクタとを接続するための端子が複数設けられており、
さらに、前記抵抗情報記憶記憶手段には、前記各端子毎の抵抗情報が記憶されていることを特徴とする請求項18に記載のインジェクタ駆動装置。 - 前記制御量補正手段は、オープンループ制御により前記充電制御手段が前記充電手段を制御する制御量を補正することを特徴とする請求項1ないし請求項19の何れか1項に記載のインジェクタ駆動装置。
- 圧電素子が充放電することで、内燃機関に燃料を噴射供給するインジェクタと、
請求項1ないし請求項20の何れか1項に記載のインジェクタ駆動装置と
を備えたことを特徴とするインジェクタ駆動システム。 - 前記インジェクタは、高圧燃料を複数のインジェクタに対して供給する共通の配管からなるコモンレールから燃料を受けることを特徴とする請求項21に記載のインジェクタ駆動システム。
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