JP2003243739A - ピエゾアクチュエータ制御装置およびそれを用いた燃料噴射制御システム - Google Patents
ピエゾアクチュエータ制御装置およびそれを用いた燃料噴射制御システムInfo
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- Fuel-Injection Apparatus (AREA)
- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
Abstract
エネルギー効率が高く、精密で自由度の高いエネルギー
制御が可能なピエゾアクチュエータ制御装置を提供す
る。 【解決手段】 CPU71は充電スイッチング素子64
および放電スイッチング素子65のオンデューティをエ
ネルギ制御信号に応じた所定値に制御する。充電スイッ
チング素子64または放電スイッチング素子65のスイ
ッチング周期をインダクタ66およびピエゾスタック5
1から形成されるLC共振回路の共振時定数よりも短く
することにより、ピエゾスタック51に充電される電流
の波形またはピエゾスタック51から放電される電流の
波形を概ね正弦波状に制御することができる。
Description
ータ制御装置およびこれを用いた燃料噴射制御システム
に関する。
の圧電材料の圧電作用を利用したものである。ピエゾア
クチュエータには圧電材料からなる容量性の素子である
ピエゾスタックが設けられ、ピエゾスタックを充電また
は放電することにより伸縮させ、ピストンなどを駆動し
ている。例えば、内燃機関に用いられる燃料噴射装置の
場合、噴孔を開閉する弁部材をピエゾアクチュエータに
より駆動するものが公知である。
御装置は、一般に容量性の負荷であるピエゾスタックへ
充電される電流を制限することでピエゾアクチュエータ
の駆動を制御している。例えば、電源とピエゾスタック
との間に直列にスイッチング素子および誘導性のインダ
クタを接続している。そして、スイッチング素子をオン
およびオフに制御することにより、ピエゾアクチュエー
タを駆動している。
は、スイッチング素子の制御について種々の工夫がされ
ている。例えば、特開昭59−221437号公報に開
示されている駆動装置のように、ピエゾスタックに相当
する負荷素子の容量CとインダクタンスLから共振回路
を構成し負荷素子を制御している。この技術を用いるこ
とにより、回路構成を簡略化することができるという利
点がある。また、電流波形が正弦波に近似されるため、
電磁ノイズを低減することができるという利点がある。
59−221437号公報に開示されている駆動装置で
は、温度によって容量が変化する負荷素子の温度特性を
補償することができないという問題がある。負荷素子の
温度特性を補償する手法として、例えば特開平11−3
17551号公報に圧電素子の制御が開示されている。
この圧電素子の制御によると、圧電素子の充電電圧を所
定値とするため、スイッチング素子を高速で複数回オン
およびオフに制御している。しかし、圧電素子の変位量
の温度特性をより正確に補償するためには、圧電素子に
充電するエネルギーを所定の値に制御することが必要で
ある。
適用が期待されているディーゼルエンジンのコモンレー
ル式燃料噴射システムでは、噴射特性を向上するために
コモンレールに蓄えられる燃料の圧力を高圧化する傾向
にある。ピエゾアクチュエータが適用される燃料噴射装
置の場合、燃料の高圧化にともなって弁部材に加わる力
も増大するため、ピエゾアクチュエータの発生力を増強
する必要がある。その結果、ピエゾアクチュエータに充
電されるエネルギーも増大する傾向にある。
開示されている制御の場合、スイッチング素子がオフさ
れる毎に充電電流は「0」まで低下するため、図6に示
すようにピエゾスタックへ充電される電流波形が急峻な
パルス状となり、電磁ノイズが増大し、かつ損失が大き
くエネルギー効率が悪化するという問題がある。また、
回路を流れる電流のピーク値も大きくなるため、大電流
に耐えうる高価なスイッチング素子を必要とする。さら
に、降圧チョッパ方式による制御であるため、圧電素子
に印加する電圧よりも高電圧を発生するDC/DCコン
バータを必要とする。
磁ノイズが低減され、エネルギー効率が高く、精密で自
由度の高いエネルギー制御が可能なピエゾアクチュエー
タ制御装置を提供することにある。また、本発明の他の
目的は、所定期間で所定のエネルギーをピエゾスタック
に充電するピエゾアクチュエータ制御装置を提供するこ
とにある。さらに、本発明の他の目的は、噴射量および
噴射時期の安定化が図られる燃料噴射制御システムを提
供することにある。
ピエゾアクチュエータ制御装置によると、オンデューテ
ィを100%とすると、第一スイッチング素子または第
二スイッチング素子のスイッチング動作は1回のスイッ
チング動作となる。本明細書中において「オンデューテ
ィ」とは、スイッチング素子のスイッチング周期すなわ
ちスイッチング素子がオンされた後オフされるまでの一
連の期間のうちオンされている期間の割合をいう。した
がって、オンデューティが100%とは、スイッチング
周期のすべてにおいてスイッチング素子がオンされてい
ることを意味する。第一スイッチング素子または第二ス
イッチング素子のスイッチング動作が1回となる場合、
ピエゾスタックは通常のLC共振回路を用いたときと同
様の充放電状態となり、電流波形は正弦波状となる。一
方、第一スイッチング素子のオンデューティを100%
ではなく、スイッチング周期を所定の充電スイッチング
周期とすると、複数に分けられた正弦波状の電流波形に
よりピエゾスタックは充電される。
グ素子がオンとなる期間は、ピエゾスタックには通電経
路を流れる電流を制限するインダクタによって電流が制
限されつつ充電電流量が漸増する第一充電電流が流れ
る。第一スイッチング素子がオンされる期間はピエゾス
タックの静電容量とインダクタのインダクタンスとによ
り決定される共振時定数よりも短いため、ピエゾスタッ
クに流れる第一充電電流が正弦波状のピーク電流に到達
する前にピエゾスタックの充電は終了する。第一スイッ
チング素子がオンからオフに移行し、同時に第二スイッ
チング手段において例えば第二スイッチング素子がオン
されることにより第二スイッチング手段が導通される
と、インダクタに蓄えられた電気的なエネルギーはフラ
イホイール作用により充電電流量が漸減する第二充電電
流としてピエゾスタックに引き続き充電される。第一ス
イッチング素子がオフされている期間はオンされている
期間と同様に共振時定数よりも短いため、フライホイー
ル作用により充電電流量が漸減する電流は「0」まで低
下することがない。そして、再び第一スイッチング素子
がオンされることにより充電電流量が漸増する第一充電
電流はピエゾスタックへ充電される。そのため、ピエゾ
スタックへ充電される電流の波形を概ね正弦波状にする
ことができる。
同様の作用となる。具体的には、第二スイッチング素子
がオンとなる期間は、ピエゾスタックにはインダクタに
よって電流が制限されつつ放電電流量が漸減する第一放
電電流が流れる。第二スイッチング素子がオンされる期
間はピエゾスタックの静電容量とインダクタのインダク
タンスとにより決定される共振時定数よりも短いため、
ピエゾスタックに流れる第一放電電流が「0」まで低下
する前にピエゾスタックの放電が終了する。第二スイッ
チング素子がオンからオフに移行し、同時に第一スイッ
チング手段において例えば第一スイッチング素子がオン
されることにより第一スイッチング手段が導通される
と、インダクタに蓄えられた電気的なエネルギーはフラ
イホイール作用により放電電流量が漸増する第二放電電
流としてピエゾスタックから引き続き放電される。第二
スイッチング素子がオフされている期間はオンされてい
る期間と同様に共振時定数よりも短いため、フライホイ
ール作用により放電電流量が漸増する電流は正弦波状の
ピーク電流に到達することがない。そして、再び第二ス
イッチング素子がオンされることにより放電電流量が漸
減する第一放電電流がピエゾスタックから放電される。
そのため、ピエゾスタックから放電される電流の波形を
概ね正弦波状にすることができる。したがって、電流波
形が滑らかになり電磁ノイズを低減することができ、エ
ネルギー効率が高められ、精密で自由度の高いエネルギ
ー制御を行うことができる。
ータ制御装置によると、ピエゾスタックの充電時、第一
スイッチング素子がオフされている期間に第二スイッチ
ング素子がオンされる代わりに第二ダイオードに第二充
電電流を流すことができる。同様に、ピエゾスタックの
放電時、第二スイッチング素子がオフされている期間に
第一スイッチング素子がオンされる代わりに第二ダイオ
ードに第二放電電流を流すことができる。そのため、ス
イッチング素子のオンおよびオフに制御をすることな
く、フライホイール作用による第二充電電流および第二
放電電流を流すことができる。したがって、回路の構成
ならびにスイッチング素子の制御を簡略化することがで
きる。
ータ制御装置によると、第一スイッチング素子と並列か
つ第一ダイオードと直列に第三スイッチング素子が接続
されている。ピエゾスタックの充電中、第三スイッチン
グ素子はオフにされる。第一スイッチング素子と並列に
第一ダイオードを接続すると、LC共振作用により電源
電圧の2倍程度までピエゾスタックの充電電圧は上昇す
る。そのため、ピエゾスタックの充電電圧が電源電圧を
超えると、第一ダイオードを経由してピエゾスタックか
ら電源へ電流が流れることがある。そこで、第一ダイオ
ードと直列に第三スイッチング素子を挿入し、ピエゾス
タックの充電時には第三スイッチング素子をオフとす
る。これにより、ピエゾスタックから電源への電流の流
れを防止し、ピエゾスタックの充電電圧を電源電圧以上
に充電することができる。したがって、電源電圧の低電
圧化を図ることができ、ピエゾアクチュエータ制御装置
の小型化を促進することができる。
ータ制御装置によると、第一スイッチング素子または第
二スイッチング素子のオンデューティはあらかじめ設定
されている所定の充電オンデューティまたは放電オンデ
ューティとされている。オンデューティはピエゾスタッ
クへの充電量を制御するものであり、例えば第一スイッ
チング素子の所定の充電オンデューティを100%とす
ると、LC共振回路による1回の充電と同様の動作とな
る。この充電オンデューティを低下することにより、ピ
エゾスタックへ充電されるエネルギー量を制限すること
ができる。同様に、放電オンデューティを変更すること
によりピエゾスタックから放電されるエネルギー量を制
限することができる。したがって、充電オンデューティ
または放電オンデューティを変更することにより、所望
のエネルギーをピエゾスタックへ充電またはピエゾスタ
ックから放電することができる。
ータ制御装置によると、第一スイッチング素子または第
二スイッチング素子のオンデューティをスイッチング毎
にあらかじめ設定した充電オンデューティまたは放電オ
ンデューティとしている。第一スイッチング素子の充電
オンデューティをスイッチング毎に変化することによ
り、ピエゾスタックへ充電されるエネルギーをスイッチ
ング毎に変更することができる。例えば、ピエゾスタッ
クの静電容量が大きな場合、静電容量およびインダクタ
のインダクタンスから決定される共振時定数が大きくな
る。そのため、ピエゾスタックへの充電に長期間を必要
とし、かつ充電エネルギーも増大する。このような場
合、充電の後半で充電オンデューティを低下することに
より充電期間を短縮し、充電エネルギーを低減すること
ができる。したがって、ピエゾスタックの充電時、所望
の充電期間および充電エネルギーに制御することができ
る。同様に、ピエゾスタックの放電時、第二スイッチン
グ素子の放電オンデューティをスイッチング毎に変更す
ることにより、所望の放電期間および放電エネルギーに
制御することができる。
ータ制御装置によると、電圧検出手段により検出したピ
エゾスタックの静電容量に基づいて第一スイッチング素
子または第二スイッチング素子のオンデューティを補正
している。ピエゾスタックの充電電圧はピエゾスタック
の静電容量に応じて異なる。ピエゾスタックの電圧から
静電容量を検出することにより、ピエゾスタックの充電
状態が認識される。そのため、ピエゾスタックの充電
時、静電容量に応じて第一スイッチング素子の充電オン
デューティを補正することにより、ピエゾスタックの静
電容量にかかわらず所望のエネルギーを調整してピエゾ
スタックへ充電することができる。同様に、ピエゾスタ
ックの放電時、第二スイッチング素子の放電オンデュー
ティを補正することにより、ピエゾスタックの静電容量
にかかわらず所望のエネルギーを調整してピエゾスタッ
クから放電することができる。
ータ制御装置によると、電圧検出手段は第一スイッチン
グ素子の一回目のオン期間が終了したときの電圧を検出
し、二回目以降およびピエゾスタック放電時における第
一スイッチング素子および第二スイッチング素子のオン
デューティを補正している。ピエゾスタックの充電電圧
は、ピエゾスタックの静電容量によって異なる。特に第
一スイッチング素子による一回目のスイッチングが終了
したときの電圧は、オン期間が一定であれば概ね一定の
電流が流れ、ピエゾスタックには一定のエネルギーが充
電される。エネルギーが一定であれば、E=CV2/2
の関係から静電容量に応じて電圧が異なる。この電圧に
よりピエゾスタックの静電容量を検出することができ
る。そして、検出した静電容量に応じて第一スイッチン
グ素子の二回目以降のオン期間における充電オンデュー
ティを変更している。したがって、ピエゾスタックの静
電容量に応じて所望のエネルギーを調整してピエゾスタ
ックへ充電することができる。同様に、ピエゾスタック
の放電時、第二スイッチング素子の放電オンデューティ
を変更することにより、ピエゾスタックの静電容量に応
じて所望のエネルギーを調整して放電することができ
る。
ータ制御装置によると、充電または放電されるエネルギ
ーを増大するとき、第一スイッチング素子または第二ス
イッチング素子のオンデューティは大きく設定され、充
電または放電されるエネルギーを減少するとき、第一ス
イッチング素子または第二スイッチング素子のオンデュ
ーティは小さく設定されている。そのため、ピエゾスタ
ックの充電時に第一スイッチング素子のオンデューティ
を大きくすると、ピエゾスタックへ充電されるエネルギ
ーを増大することができる。また、ピエゾスタックの放
電時に第二スイッチング素子のオンデューティを大きく
すると、ピエゾスタックから放電されるエネルギーを増
大することができる。一方、ピエゾスタックの充電時に
第一スイッチング素子のオンデューティを小さくする
と、ピエゾスタックへ充電されるエネルギーを減少する
ことができる。また、ピエゾスタックの放電時に第二ス
イッチング素子のオンデューティを小さくすると、ピエ
ゾスタックから放電されるエネルギーを減少することが
できる。
ータ制御装置によると、ピエゾスタックの充電または放
電の期間に応じて第一スイッチング素子または第二スイ
ッチング素子のオンデューティを変更している。ピエゾ
スタックの充電時、第一スイッチング素子のオンデュー
ティをスイッチングが進むにつれて大きくなるように設
定することにより、ピエゾスタックの充電時間を延長す
ることができる。ピエゾスタックの放電時、第二スイッ
チング素子のオンデューティをスイッチングが進むにつ
れて大きくなるように設定することにより、ピエゾスタ
ックの放電時間を延長することができる。一方、ピエゾ
スタックの充電時、第一スイッチング素子のオンデュー
ティをスイッチングが進むにつれて小さくなるように設
定することにより、ピエゾスタックの充電時間を短縮す
ることができる。ピエゾスタックの放電時、第二スイッ
チング素子のオンデューティをスイッチングが進むにつ
れて小さくなるように設定することにより、ピエゾスタ
ックの放電時間を短縮することができる。
エータ制御装置によると、ピエゾスタックの静電容量に
応じて第一スイッチング素子または第二スイッチング素
子のオンデューティを変更している。一定のエネルギー
が充電されると、ピエゾスタックの電圧は、静電容量が
大きな場合には低くなり、静電容量が小さな場合には高
くなる。そこで、ピエゾスタックの静電容量が大きな場
合、オンデューティを小さくして充電電圧を低下させて
いる。また、ピエゾスタックの静電容量が大きな場合、
充電に要する期間はピエゾスタックの静電容量とインダ
クタのインダクタンスとによって決定される共振時定数
が大きくなるため、充電期間も長くなる。そこで、第一
スイッチング素子または第二スイッチング素子のスイッ
チングが進むにつれてオンデューティが小さくなるよう
に設定している。これにより、ピエゾスタックの充電に
要する期間を短縮することができる。また、ピエゾスタ
ックの静電容量が小さな場合、オンデューティを大きく
して充電電圧を高めている。また、充電期間も同様に、
共振時定数が小さくなるため、充電期間も短縮される。
そこで、第一スイッチング素子または第二スイッチング
素子のスイッチングが進むにつれてオンデューティが大
きくなるように設定している。これにより、ピエゾスタ
ックの充電に要する期間を延長することができる。した
がって、ピエゾスタックの静電容量にかかわらず、充電
または放電されるエネルギーを一定にすることができ、
かつ充電または放電に要する期間を一定にすることがで
きる。また、同様に、ピエゾスタックの放電時もピエゾ
スタックから放電されるエネルギーおよび放電期間を一
定に制御することができる。
ステムによると、燃料噴射装置の駆動手段に設けられて
いるピエゾアクチュエータは請求項1から10のいずれ
か一項記載のピエゾアクチュエータ制御装置により制御
される。そのため、電磁ノイズを低減することができ、
エネルギー効率を高めることができる。また、ピエゾア
クチュエータのピエゾスタックに充電または放電される
エネルギー、ならびにピエゾスタックの充電または放電
に要する期間を制御することができる。したがって、燃
料噴射装置から噴射される燃料の噴射量および噴射時期
を安定化することができる。
複数の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 (第1実施例)本発明の第1実施例による燃料噴射制御
システムを適用したディーゼルエンジンのコモンレール
式の燃料噴射システムを図2に示す。
燃料噴射装置としてのインジェクタ1が設けられてお
り、インジェクタ1には供給ライン2を経由してコモン
レール3から高圧の燃料が供給される。そのため、イン
ジェクタ1から各気筒の燃焼室内へはコモンレール3の
内部の燃料の圧力に等しい圧力の燃料が噴射される。コ
モンレール3には燃料タンク4の燃料が高圧ポンプ5に
より加圧給送される。給送された燃料は、コモンレール
3の内部に蓄圧状態で蓄えられる。コモンレール3に蓄
えられている燃料の一部は、インジェクタ1の制御油圧
としても用いられる。コモンレール3からインジェクタ
1へ供給された制御油圧として用いられる燃料は、低圧
の還流路6を経由して燃料タンク4に還流される。
られており、コモンレール3の内部の燃料圧力は圧力セ
ンサ3aにより検出されECU7に出力される。ECU
7は圧力センサ3aにより検出されたコモンレール3内
部の燃料の圧力に基づいて調量弁8を制御し、コモンレ
ール3へ給送される燃料の流量を調整する。これによ
り、ECU7は他のセンサから入力される信号に基づい
て判断されるエンジンの運転状態に合わせて、コモンレ
ール3内の燃料の圧力が適正となるように制御する。
ジング、弁部材30および駆動手段としてのバルブ駆動
部40を備えている。ハウジングはハウジング本体10
とノズルボディ11とを有している。ノズルボディ11
内には弁部材30が摺動可能に保持されている。ノズル
ボディ11には単数または複数の噴孔12が形成されて
いる。弁部材30はノズルボディ11の噴孔12入口側
に形成されている弁座部13に着座可能な当接部31を
有している。当接部31が弁座部13から離座すること
により噴孔12への燃料の流れが開放され、噴孔12か
ら燃料が噴射される。当接部31が弁座部13へ着座す
ることにより噴孔12への燃料の流れが閉塞され、噴孔
12からの燃料の噴射が停止される。
0を構成するピエゾアクチュエータ50および制御弁4
1が収容されている。ハウジング本体10には、ピエゾ
収容部21、油圧室22、低圧室23、制御室24およ
び背圧室25が形成されている。ピエゾ収容部21には
ピエゾアクチュエータ50が収容されている。ピエゾア
クチュエータ50の端部はピエゾピストン42と当接し
ており、ピエゾピストン42の反ピエゾアクチュエータ
側の端部は油圧室22に面している。ピエゾアクチュエ
ータ50はピエゾアクチュエータ制御装置9に接続され
ており、ピエゾアクチュエータ制御装置9はECU7か
らの指令に基づいてピエゾアクチュエータ50を駆動す
る駆動信号を出力する。ピエゾアクチュエータ50が伸
長すると、ピエゾアクチュエータ50に当接しているピ
エゾピストン42は図3の下方へ移動し、油圧室22の
燃料を加圧する。ピエゾピストン42の移動は油圧室2
2の油圧により変位量が拡大されて制御ピストン43へ
伝達される。制御ピストン43の反油圧室側の端部は制
御弁41と当接している。制御弁41は半球形状に形成
され、球面状の部分が制御室24の内壁に形成されてい
る弁座部24aに着座可能である。制御弁41の平面状
の部分は、高圧通路14から制御室24へ連通する高圧
ポート15を閉塞可能である。コモンレール3から高圧
通路14へ供給された燃料は、高圧ポート15を経由し
て制御室24および背圧室25へ導入される。低圧室2
3には低圧通路16が連通しており、制御室24から低
圧ポート17を経由して排出された燃料は低圧通路16
および還流路6を経由して燃料タンク4へ還流される。
制御弁41が弁座部24aから離座または弁座部24a
へ着座することにより、低圧ポート17が開閉される。
部に形成されている。背圧室25には高圧通路14から
コモンレール3内の圧力と同一の燃料が導入されてい
る。背圧室25にはスプリング26が配設されており、
背圧室25に導入された高圧の燃料とスプリング26の
付勢力とにより弁部材30は当接部31が弁座部13へ
着座する方向すなわち噴孔12を閉塞する方向へ付勢さ
れている。
について説明する。ピエゾアクチュエータ50が伸長し
ていないとき、ピエゾアクチュエータ50に当接するピ
エゾピストン42は、油圧室22に配設されているスプ
リング27の付勢力により図3の上方へ移動している。
そのため、制御ピストン43を介して制御弁41を図3
の下方へ付勢する力は小さくなり、制御室24内の燃料
の圧力により制御弁41に作用する油圧によって制御弁
41は弁座部24aに着座している。これにより、制御
室24の燃料の圧力はコモンレール3内の燃料の圧力と
等しくなり、制御室24に連通している背圧室25の燃
料の圧力もコモンレール3内の燃料の圧力と等しくな
る。
当接部31が弁座部13から離座する方向すなわち噴孔
開放方向へ弁部材30に作用する力は、背圧室25の燃
料の圧力およびスプリング26の付勢力により噴孔閉塞
方向へ弁部材30に作用する力よりも小さい。そのた
め、当接部31は弁座部13に着座し、噴孔12からの
燃料の噴射は停止されている。
エータ50が伸長すると、ピエゾアクチュエータ50の
伸長にともなってピエゾピストン42は図3の下方へ移
動する。ピエゾピストン42の移動により油圧室22の
燃料は加圧され、油圧室22の油圧を介してピエゾピス
トン42の駆動力は制御ピストン43へ伝達される。ピ
エゾピストン42の移動量の増大にともなって油圧室2
2の油圧は増大し、制御ピストン43を制御弁41方向
へ付勢する力が制御室24の油圧により制御弁41に作
用する力よりも大きくなると、制御弁41は弁座部24
aから離座する。制御弁41が弁座部24aから離座す
ると、制御室24の燃料は低圧ポート17を経由して低
圧室23へ流出する。そのため、制御室24の油圧は低
下し、これにともない背圧室25の油圧も低下する。そ
して、背圧室25の燃料の圧力およびスプリング26の
付勢力により噴孔閉塞方向へ弁部材30に作用する力が
弁部材30の周囲の燃料により噴孔開放方向へ弁部材3
0に作用する力がよりも小さくなると、弁部材30は図
3の上方へリフトし、当接部31は弁座部13から離座
する。その結果、噴孔12から燃料の噴射が開始され
る。
油圧室22の油圧が低下し制御ピストン43を制御弁4
1方向へ付勢する力が低下する。そのため、制御室24
の油圧により制御弁41は弁座部24aに着座し、制御
室24から低圧室23への燃料の流出は停止される。こ
れにより、制御室24の油圧は再び上昇し、これにとも
ない背圧室25の油圧も上昇する。そして、背圧室25
の燃料の圧力およびスプリング26の付勢力により噴孔
閉塞方向へ弁部材30に作用する力が弁部材30の周囲
の燃料により噴孔開放方向へ弁部材30に作用する力よ
りも大きくなると、弁部材30は図3の下方へ移動し、
当接部31は弁座部13へ着座する。その結果、噴孔1
2から燃料の噴射が停止される。ピエゾアクチュエータ
50の伸長または縮小を繰り返すことにより、噴孔12
からの燃料の噴射が断続される。
ついて詳細に説明する。図1に示すようにピエゾアクチ
ュエータ制御装置9は、駆動回路60および制御手段と
しての制御回路70から構成されている。駆動回路60
は、電源であるバッテリ61に接続されている。駆動回
路60は、DC/DCコンバータ62、バッファコンデ
ンサ63、第一スイッチング手段の第一スイッチング素
子としての充電スイッチング素子64および第二スイッ
チング手段の第二スイッチング素子としての放電スイッ
チング素子65、インダクタ66ならびにピエゾアクチ
ュエータ50のピエゾスタック51などから構成されて
いる。DC/DCコンバータ62は、バッテリ電圧を所
定の高電圧に変換する。バッファコンデンサ63は、D
C/DCコンバータ62の出力端に並列に接続されてい
る。充電スイッチング素子64および放電スイッチング
素子65は、例えばMOSFETが用いられ、回路の電
流を断続する。インダクタ66は、回路を流れる電流を
制限する。充電スイッチング素子64、インダクタ6
6、ピエゾスタック51は直列に接続されており、充電
回路を形成している。同様に、放電スイッチング素子6
5、インダクタ66、ピエゾスタック51は直列に接続
されており、放電回路を形成している。
2、入出力回路73およびA/D変換回路74などから
構成されている。CPU71は、メモリ72に格納され
ている所定のコンピュータプログラムにしたがって演算
および処理をする。メモリ72は、CPU71で実行さ
れるコンピュータプログラム、ならびに演算に必要なデ
ータあるいは演算後のデータを格納する。入出力回路7
3では、ECU7から出力された駆動信号の入力、なら
びに充電スイッチング素子64および放電スイッチング
素子65を駆動するための駆動信号の出力がされる。A
/D変換回路74は、ECU7から入力されたエネルギ
ー制御信号の電圧をデジタルデータに変換する。
作動について説明する。図4は、作動の説明をするため
の各部の波形を示す図である。図5は、制御プログラム
の処理の流れを示す図である。制御回路70にはECU
7から出力された駆動信号およびエネルギー制御信号が
入力される。図5(A)に示すメインルーチンでは、ま
ず各部の初期化を実行した後(S101)、エネルギー
制御信号をA/D変換回路74を経由して読み込む(S
102)。ECU7から出力されたエネルギー制御信号
の値すなわちエネルギー制御値と、充電スイッチング素
子64および放電スイッチング素子65のオンおよびオ
フされる一連の期間におけるオン期間の値すなわちオン
デューティとの関係は、あらかじめ作成されメモリ72
に格納されている。CPU71は、A/D変換回路74
から取得したエネルギー制御値に対応するオンデューテ
ィを例えば補間法などにより算出し(S103)、デュ
ーティ値Dとしてメモリ72に保管する(S104)。
ベル」になると、図5(B)に示すようにCPU71は
メモリ72に保管されたデューティ値Dを読み取り(S
111)、読み取られたデューティ値Dに対応する期
間、充電スイッチング素子64をオンにする。充電スイ
ッチング素子64がオンされると、バッファコンデンサ
63から充電スイッチング素子64、インダクタ66お
よびピエゾスタック51により形成される充電回路に充
電電流が流れる。充電回路を流れる充電電流は、インダ
クタ66と容量性の素子であるピエゾスタック51とか
ら形成される直列LC回路の共振により時間とともに漸
増していく。このとき、放電スイッチング素子65はオ
フされている(S112)。通常のように、充電スイッ
チング素子64のオンが継続されたままの場合、直列L
C回路による共振がなりゆきで実施される。これに対
し、本実施例では、充電スイッチング素子64をデュー
ティ値Dに応じて所定の期間が経過するとオフにし、同
時に放電スイッチング素子65がオンにされる(S11
3)。これにより、インダクタ66に蓄えられた電流
は、放電スイッチング素子65、インダクタ66および
ピエゾスタック51により構成される回路に流れ続け時
間とともに漸減していく。充電スイッチング素子64の
オンおよびオフを所定の回数繰り返すことにより(S1
14)、図4に示すような概ね正弦波状の充電電流がピ
エゾスタック51に流れ、ピエゾスタック51は充電さ
れ電圧が上昇する。すなわち、図6に示すように従来の
ピエゾアクチュエータ制御装置の電流波形と比較して、
本実施例の場合ピエゾスタックへ充電される電流の波形
が滑らかである。このとき、放電スイッチング素子65
のオンおよびオフの論理は充電スイッチング素子64の
オンおよびオフの逆論理となる。ピエゾスタック51は
充電されることにより伸長し、弁部材30は図3の上方
へリフトする。これにより、噴孔12からの燃料の噴射
が開始される。
ベル」となると、図5(C)に示すように上記と同様に
CPU71はメモリ72に格納されたデューティ値Dを
読み取り(S121)、読み取られたデューティ値Dに
基づいて放電スイッチング素子65を所定の期間オンに
するとともに、充電スイッチング素子64をオフにする
(S122)。放電スイッチング素子65をオンにし充
電スイッチング素子64をオフにすると、ピエゾスタッ
ク51、インダクタ66、放電スイッチング素子65か
ら形成される回路に放電電流が流れる。放電スイッチン
グ素子65をオフすると同時に充電スイッチング素子6
4をオンにすると(S123)、インダクタ66に蓄え
られた電流は、ピエゾスタック51、インダクタ66お
よび充電スイッチング素子64により構成される回路を
経由してバッファコンデンサ63へと流れ、バッファコ
ンデンサ63に電気的なエネルギーが回収される。
フを所定のデューティ値Dで所定の回数繰り返すことに
より(S124)、図4に示すように概ね正弦波状の放
電電流がピエゾスタック51から流れ、ピエゾスタック
51が放電されるとともに、その放電エネルギーはバッ
ファコンデンサ63へ回収される。なお、このとき充電
スイッチング素子64のオンおよびオフの論理は放電ス
イッチング素子65のオンおよびオフの逆論理となる。
ピエゾスタック51は放電されることにより収縮し、弁
部材30は図3の下方へ移動する。これにより、噴孔1
2からの燃料の噴射は停止される。
によると、充電時に充電スイッチング素子64のオンデ
ューティを大きくすると、図4に示したように充電電流
が増大し、ピエゾアクチュエータ50のピエゾスタック
51へ充電されるエネルギーを増大させることができ
る。一方、放電時には、放電スイッチング素子65のオ
ンデューティを大きくすると、図4に示したように放電
電流が増大するため、ピエゾスタック51の充電エネル
ギーを速やかに放出することができる。ECU7から出
力されるエネルギー制御信号の電圧の増加に対応してデ
ューティ値Dを大きく設定することにより、ピエゾスタ
ック51に充電またはピエゾスタック51から放電され
るエネルギーを自由に制御することができる。
ピエゾアクチュエータ駆動装置を図7に示す。第1実施
例と実質的に同一の構成部位には、同一の符号を付し説
明を省略する。充電スイッチング素子64には逆方向へ
の電流の流れを許容する第一ダイオード641が並列に
接続されている。同様に、放電スイッチング素子65に
は逆方向への電流の流れを許容する第二ダイオード65
1が並列に接続されている。第一ダイオード641は、
充電スイッチング素子64の逆方向すなわち放電時の電
流の流れを許容する。同様に、第二ダイオード651
は、放電スイッチング素子65の逆方向すなわち充電時
の電流の流れを許容する。
動装置の作動について説明する。図8は、作動の説明を
するための各部の波形を示す図である。図9は、制御プ
ログラムの処理の流れを示す図である。メインルーチン
の処理(S201〜S204)は第1実施例と同様であ
るので、説明を省略する。ECU7から出力される駆動
信号が「1レベル」になると、図9(B)に示すように
CPU71はメモリ72に保管されたデューティ値Dを
読み取り(S211)、読み取られたデューティ値Dに
対応する期間、充電スイッチング素子64をオンにする
(S212)。ピエゾスタック51への充電期間中に充
電スイッチング素子64がオフされたとき(S21
3)、インダクタ66に蓄えられている電流は、第二ダ
イオード651を経由して、インダクタ66、ピエゾス
タック51から形成される直列回路に流れ続ける。
充電期間中に充電スイッチング素子64をオフにした場
合、回路に継続して電流を流すために放電スイッチング
素子65をオンする必要がある。すなわち、第1実施例
の場合、充電スイッチング素子64のオンおよびオフの
論理を放電スイッチング素子65のオンおよびオフの逆
論理とする必要がある。
ック51への充電期間中に充電スイッチング素子64が
オフにされたとき、電流は第二ダイオード651を経由
して回路内を流れ続ける。そのため、放電スイッチング
素子65をオンおよびオフする制御が不要である。充電
スイッチング素子64のオンおよびオフは所定の回数に
達するまで繰り返される(S214)。
から出力される駆動信号が「0レベル」になると、CP
U71はデューティ値Dを読み取り(S221)、読み
取られたデューティ値Dに対応する期間、放電スイッチ
ング素子65をオンにする(S222)。ピエゾスタッ
ク51への放電期間中に放電スイッチング素子65がオ
フされたとき(S223)、インダクタ66に蓄えられ
ている電流は、第一ダイオード641を経由して、イン
ダクタ66およびピエゾスタック51から形成される直
列回路に流れ続ける。すなわち、ピエゾスタック51の
放電期間中に放電スイッチング素子65がオフにされた
とき、電流は第一ダイオード641を経由して回路内を
流れ続ける。そのため、充電スイッチング素子64をオ
ンおよびオフする制御が不要である。放電スイッチング
素子65のオンおよびオフは所定の回数に達するまで繰
り返される(S224)。
エゾスタック51の充電中に放電スイッチング素子65
をオンおよびオフする制御、ならびにピエゾスタック5
1の放電中に充電スイッチング素子64をオンおよびオ
フする制御が不要となり、制御を簡略化することができ
る。
ピエゾアクチュエータ駆動装置を図10に示す。第2実
施例と実質的に同一の構成部位には、同一の符号を付し
説明を省略する。第3実施例では、駆動回路60におい
て第一ダイオード641と直列に第三スイッチング素子
642が接続されている。すなわち、第三スイッチング
素子642は、ピエゾスタック51から第一ダイオード
641を経由してバッファコンデンサ63へ形成される
放電回路の電流の流れをオンおよびオフする。
動装置の作動について説明する。図11は、作動を説明
するための各部の波形を示す図である。図12は、制御
プログラムの処理の流れを示す図である。図12(A)
に示すメインルーチン(S301〜S304)の処理の
流れは第2実施例と同一であるので説明を省略する。第
3実施例では、第一ダイオード641と直列に第三スイ
ッチング素子642を接続することにより、充電時にお
けるピエゾスタック51からバッファコンデンサ63へ
の電流の流れを遮断している。
エゾスタック51の充電時におけるデューティ値Dを大
きくしていくと、充電電流も増大し、ピエゾスタック5
1への充電量は増加する。例えば、デューティ値Dを1
00%とすると、充電回路は単なるLC共振回路とな
り、ピエゾスタック51の充電電圧は理論上バッファコ
ンデンサ63の電圧の2倍に達する。すなわち、第1実
施例または第2実施例による回路構成では、DC/DC
コンバータ62の出力電圧を低くしても、ピエゾスタッ
ク51に印加する電圧を高めることができるという利点
がある。一方、第2実施例のように充電スイッチング素
子64と並列に第一ダイオード641を接続した場合、
ピエゾスタック51の電圧が上昇し、バッファコンデン
サ63の電圧よりも高くなろうとすると、第一ダイオー
ド641を経由してピエゾスタック51からバッファコ
ンデンサ63へ電流が逆流する。その結果、ピエゾスタ
ック51の充電電圧はDC/DCコンバータ62の出力
電圧以上にすることができないという問題が生じる。
ド641と直列に第三スイッチング素子642を接続す
ることにより、ピエゾスタック51の充電時におけるピ
エゾスタック51から第一ダイオード641を経由して
バッファコンデンサ63への電流の流れは遮断される。
「1レベル」の期間(S311〜S314)に第三スイ
ッチング素子642をオフにするとともに、充電スイッ
チング素子64をオンおよびオフすることによりピエゾ
スタック51の充電を実行する。また、駆動信号が「0
レベル」となると(S321〜S326)、制御回路7
0のCPU71は、第三スイッチング素子642をオン
するとともに、放電スイッチング素子65をオンおよび
オフすることによりピエゾスタック51の放電を実行し
エネルギーを回収する。
電電圧がDC/DCコンバータ62の出力電圧よりも大
きくなる場合でもピエゾスタック51からDC/DCコ
ンバータ62方向への電流を遮断することができる。そ
のため、DC/DCコンバータ62の出力電圧以上の高
電圧をピエゾスタック51に印加することができる。し
たがって、ピエゾスタック51へ充電または放電するこ
とができる電気的なエネルギーの制御範囲を拡大するこ
とができるとともに、所望の充電電圧に必要なDC/D
Cコンバータ62の出力電圧を低下させることができ
る。
ピエゾアクチュエータ駆動装置を図13に示す。第2実
施例と実質的に同一の構成部位には、同一の符号を付し
説明を省略する。第3実施例では、駆動回路60に電圧
検出手段としてのバッファ回路67およびサンプルホー
ルド回路68が接続されている。バッファ回路67はピ
エゾスタック51の電圧を高インピーダンスで受ける。
サンプルホールド回路68は、所定の時期にバッファ回
路67を経由してピエゾスタック51の電圧を検出し記
憶する。サンプルホールド回路68は、制御回路70か
ら所定のタイミングにサンプリングパルスが入力され
る。サンプルホールド回路68の出力側は、A/D変換
回路74に接続されている。
に温度によって変化する温度特性を有している。この温
度特性の変化量は比較的大きなため、必要に応じてピエ
ゾスタック51の温度特性を補償しなければならない。
特に、ピエゾスタック51が設けられているピエゾアク
チュエータ50の場合、ピエゾスタック51の伸縮変位
量はピエゾアクチュエータ50の重要な特性であり、高
精度に補正する必要がある。第4実施例の場合、ピエゾ
スタック51の変位量の温度特性を補正するため、ピエ
ゾスタック51を駆動するエネルギーを一定に制御して
いる。そして、ピエゾスタック51を駆動するエネルギ
ーを一定に制御するためにピエゾスタック51の静電容
量を推定している。したがって、本実施例では、ピエゾ
スタック51に充電または放電されるエネルギーE=C
V2/2が一定となるように充電スイッチング素子64
または放電スイッチング素子65のオンデューティを制
御している。
動装置の作動について説明する。図14は、作動を説明
するための各部の波形を示す図である。図15は、制御
プログラムの処理の流れを示す図である。メインルーチ
ンの処理(S401〜S404)は第1実施例と同様で
あるので、説明を省略する。ECU7から出力される駆
動信号が「1レベル」となると、CPU71はエネルギ
ー制御信号に対応したデューティ値Dをメモリ72から
読み取り(S411)、充電スイッチング素子64の第
一回目のオン期間として所定のt秒間、充電スイッチン
グ素子64をオンにする(S412)。これにより、ピ
エゾスタック51は充電される。充電スイッチング素子
64がオンされて所定のt秒間が経過するとCPU71
はサンプルホールド回路68へサンプリングパルスを出
力する(S413)。CPU71は、充電スイッチング
素子64がオフされたときのピエゾスタック51の電圧
をバッファ回路67を介してサンプルホールド回路68
から取り込みA/D変換回路74を経由してデジタルデ
ータとして読み取る(S414)。充電スイッチング素
子64をオフにした時点のピエゾスタック51の充電電
圧Vpztは、理論上Vpzt=Vdc/2LC×t2
となり、ピエゾスタック51の静電容量Cに反比例す
る。なお、VdcはDC/DCコンバータ62の出力電
圧であり、Lはインダクタ66のインダクタンスであ
る。
ztからピエゾスタック51の静電容量Cが算出される
(S415)。静電容量Cの算出はCPU71により実
行される。静電容量Cとデューティ補正係数Kとの関係
はあらかじめ実験的に求められ、メモリ72に記録され
ている。CPU71は、算出された静電容量Cからメモ
リ72に記録されているデータに基づいてデューティ補
正係数Kを例えば補間演算などにより算出する(S41
6)。そして、CPU71は、算出されたデューティ補
正係数Kを用いて充電スイッチング素子64の第二回目
以降のデューティ値D2をD2=D×Kと補正し(S41
7)、補正されたデューティ値D2をメモリ72に記録
する(S418)。そして、算出された所定のデューテ
ィ値Dに対応する期間が経過すると、第一回目の充電ス
イッチング素子64のオン期間が終了し、充電スイッチ
ング素子64はオフされる(S419)。充電スイッチ
ング素子64の二回目以降のオンおよびオフの制御は、
補正されたデューティ値D 2を用いて制御される(S4
20〜S423)。駆動信号が「0レベル」となると、
ピエゾスタック51は放電状態へと移行する。このと
き、放電スイッチング素子65はS417で算出された
補正後のデューティ値D2を用いて制御される(S43
1〜S436)。
度特性による静電容量Cの変化を検出することができ
る。したがって、ピエゾスタック51の温度特性を適正
に補正することができ、ピエゾスタック51の変位量の
安定化を図ることができる。
ピエゾアクチュエータ駆動装置について説明する。第2
実施例と実質的に同一の構成部位には、同一の符号を付
し説明を省略する。第5実施例では、駆動回路60の構
成は図13に示す第4実施例と同一であるものの、デュ
ーティ値の補正の手順が異なる。
充電されるエネルギーを一定とするようにデューティ値
を補正している。しかし、ピエゾスタック51の静電容
量Cが大きくなるにしたがってLC共振時定数も大きく
なる。その結果、ピエゾスタック51の充電に要する期
間が長くなる。
51の充電に要する期間が一定となるように充電スイッ
チング素子64のスイッチング毎にデューティ値を変化
する補正をしている。これにより、ピエゾスタック51
の温度特性による静電容量Cの変化の影響を受けること
なく、一定のエネルギーを一定の時間でピエゾスタック
51へ充電することができる。
動装置の作動について説明する。図16は、作動を説明
するための各部の波形を示す図である。図17は、制御
プログラムの処理の流れを示す図である。メインルーチ
ンの処理(S501〜S504)は第1実施例と同様で
あるので、説明を省略する。ECU7から出力される駆
動信号が「1レベル」になると、CPU71はメモリ7
2からデューティ値Dを読み取り(S511)、充電ス
イッチング素子64のスイッチング回数NをN=0に設
定する(S512)。そして、CPU71は、読み取ら
れたデューティ値Dに対応する期間、充電スイッチング
素子64をオンにする(S513)。充電スイッチング
素子64がオンされて所定のt秒間が経過するとCPU
71はサンプルホールド回路68へサンプリングパルス
を出力する(S514)。CPU71は、充電スイッチ
ング素子64がオフされたときのピエゾスタック51の
電圧をバッファ回路67を介してサンプルホールド回路
68から取り込みA/D変換回路74を経由してデジタ
ルデータとして読み取る(S515)。その後、第4実
施例と同様にCPU71は、ピエゾスタック51の充電
電圧Vpztに基づいてピエゾスタック51の静電容量
Cを算出し(S516)、デューティ補正係数Kを算出
する(S517)。
ッチング毎にデューティ値を補正し変化させる。例えば
ピエゾスタック51の静電容量Cが大きな場合、LC共
振時定数も大きくなるため、図18に示すようにスイッ
チングが進むにつれてデューティ値を小さくしていく。
一方、ピエゾスタック51の静電容量Cが小さな場合、
LC共振時定数も小さくなるため、スイッチング進むに
つれてデューティ値を大きくしていく。このスイッチン
グ毎に変化するデューティ勾配補正係数Gとピエゾスタ
ック51の静電容量Cとの関係は、あらかじめ実験的に
求められ、メモリ72に記録されている。したがって、
CPU71は、算出されたピエゾスタック51の静電容
量Cに基づいてデューティ補正係数Kおよびデューティ
勾配補正係数Gを例えば補間法により算出する(S51
7、S518)。
ティ補正係数Kから補正後のデューティ値D2を算出し
(S519)、メモリ72に記録する(S520)。そ
の後、CPU71は、S511で読み取られたデューテ
ィ値Dに対応するオン期間、充電スイッチング素子64
をオフにする(S521)。
スイッチングでは、CPU71は、S520においてメ
モリ72に記録された補正後のデューティ値D2を読み
取り(S522)、デューティ補正係数K、デューティ
勾配補正係数Gおよびスイッチング回数Nを用いて二回
目以降のデューティ値DnをDn=D2+G×Nと補正す
る(S523)。そして、CPU71は、スイッチング
回数Nをカウントした後(S524)、補正されたデュ
ーティ値Dnを用いて充電スイッチング素子64を制御
する(S525〜S527)。駆動信号が「0レベル」
となると、ピエゾスタック51は放電状態へと移行す
る。このとき、放電スイッチング素子65は、充電状態
におけるデューティ値の補正と同様にスイッチング毎に
補正したデューティ値Dnを用いて制御される(S53
1〜S538)。
考慮することにより、ピエゾスタック51の温度特性に
よる静電容量の変化に基づいてデューティ値を補正する
ことができる。したがって、ピエゾスタック51が設け
られたピエゾアクチュエータ50の変位量の安定化なら
びに充電時間の均一化を図ることができる。
タ制御装置の回路構成を示す模式図である。
タ制御装置を適用した燃料噴射制御システムを示す模式
図である。
タ制御装置を適用したインジェクタを示す模式的な断面
図である。
タ制御装置の作動にともなう各部の波形を示す模式図で
ある。
タ駆動方法の流れを示すフロー図である。
タ駆動装置の電流の波形と、比較のために従来のピエゾ
アクチュエータ駆動装置の電流の波形とを示す模式図で
ある。
タ制御装置の回路構成を示す模式図である。
タ制御装置の作動にともなう各部の波形を示す模式図で
ある。
タ駆動方法の流れを示すフロー図である。
ータ制御装置の回路構成を示す模式図である。
ータ制御装置の作動にともなう各部の波形を示す模式図
である。
ータ駆動方法の流れを示すフロー図である。
ータ制御装置の回路構成を示す模式図である。
ータ制御装置の作動にともなう各部の波形を示す模式図
である。
ータ駆動方法の流れを示すフロー図である。
ータ制御装置の作動にともなう各部の波形を示す模式図
である。
ータ駆動方法の流れを示すフロー図である。
ータ駆動装置のスイッチング回数とオンデューティとの
関係を示す模式図である。
子) 65 放電スイッチング素子(第二スイッチング素
子) 66 インダクタ 67 バッファ回路(電圧検出手段) 68 サンプルホールド回路(電圧検出手段) 70 制御回路(制御手段) 641 第一ダイオード 642 第三スイッチング素子 651 第二ダイオード
Claims (11)
- 【請求項1】 ピエゾアクチュエータに設けられている
ピエゾスタックへ充電または放電することにより前記ピ
エゾアクチュエータを駆動するピエゾアクチュエータ制
御装置であって、 電源からインダクタを経由して前記ピエゾスタックへ通
電する第一通電経路に設けられ、前記第一通電経路の通
電をオンオフする第一スイッチング素子を有する第一ス
イッチング手段と、 前記インダクタと前記ピエゾスタックとが直列に接続さ
れた第二通電経路に設けられ、前記第二通電経路の通電
をオンオフする第二スイッチング素子を有する第二スイ
ッチング手段と、 前記第一スイッチング素子および前記第二スイッチング
素子のオンオフを切り替え、前記ピエゾスタックの充電
時、前記第一スイッチング素子がオンされている期間に
漸増する第一充電電流を流し、前記第一スイッチング素
子がオフされている期間に漸減する第二充電電流を流
し、前記ピエゾスタックの放電時、前記第二スイッチン
グ素子がオンされている期間に漸増する第一放電電流を
流し、前記第二スイッチング素子がオフされている期間
に漸減する第二放電電流を流す制御手段とを備え、 前記制御手段は、前記ピエゾスタックの充電時、前記第
一スイッチング素子のスイッチング周期を所定の充電ス
イッチング周期に設定し、前記ピエゾスタックの放電
時、前記第二スイッチング素子のスイッチング周期を所
定の放電スイッチング周期に設定することを特徴とする
ピエゾアクチュエータ制御装置。 - 【請求項2】 前記第一スイッチング手段は、前記第一
スイッチング素子と並列に接続され前記第二放電電流の
方向へ電流の流れを許容する第一ダイオードを有し、 前記第二スイッチング手段は、前記第二スイッチング素
子と並列に接続され前記第二充電電流の方向へ電流の流
れを許容する第二ダイオードを有し、 前記ピエゾスタックの充電時、前記第二ダイオードは前
記第一スイッチング素子がオフされている期間に前記第
二充電電流の流れを許容し、 前記ピエゾスタックの放電時、前記第一ダイオードは前
記第二スイッチング素子がオフされている期間に前記第
二放電電流の流れを許容することを特徴とする請求項1
記載のピエゾアクチュエータ制御装置。 - 【請求項3】 前記第一スイッチング素子と並列かつ前
記第一ダイオードと直列に接続されている第三スイッチ
ング素子を備え、 前記制御手段は、前記ピエゾスタックの充電時、前記第
三スイッチング素子をオフにすることを特徴とする請求
項2記載のピエゾアクチュエータ制御装置。 - 【請求項4】 前記制御手段は、前記ピエゾスタックの
充電時、前記第一スイッチング素子のオンデューティを
あらかじめ設定されている所定の充電オンデューティと
し、前記ピエゾスタックの放電時、前記第二スイッチン
グ素子のオンデューティをあらかじめ設定されている所
定の放電オンデューティとすることを特徴とする請求項
1、2または3記載のピエゾアクチュエータ制御装置。 - 【請求項5】 前記制御手段は、前記ピエゾスタックの
充電時、前記第一スイッチング素子のオンデューティを
前記第一スイッチング素子のスイッチング毎に所定の充
電オンデューティに設定し、前記ピエゾスタックの放電
時、前記第二スイッチング素子のオンデューティを前記
第二スイッチング素子のスイッチング毎に所定の放電オ
ンデューティに設定するすることを特徴とする請求項1
から4のいずれか一項記載のピエゾアクチュエータ制御
装置。 - 【請求項6】 前記ピエゾスタックの電圧を検出する電
圧検出手段と、前記電圧検出手段により検出された前記
ピエゾスタックの電圧から前記ピエゾスタックの静電容
量を検出する静電容量検出手段とをさらに備え、 前記制御手段は、前記静電容量検出手段により検出され
た前記ピエゾスタックの静電容量に基づいて、前記ピエ
ゾスタックの充電時、前記第一スイッチング素子のオン
デューティをあらかじめ設定された充電補正値により補
正し、前記ピエゾスタックの放電時、前記第二スイッチ
ング素子のオンデューティをあらかじめ設定された放電
補正値により補正することを特徴とする請求項1から5
のいずれか一項記載のピエゾアクチュエータ制御装置。 - 【請求項7】 前記電圧検出手段は、前記第一スイッチ
ング素子の一回目のオン期間が終了したときの電圧を検
出し、 前記制御手段は、前記静電容量検出手段で検出された静
電容量に基づいて前記第一スイッチング素子が二回目以
降にオンされる期間、ならびに前記ピエゾスタックの放
電時における前記第一スイッチング素子および前記第二
スイッチング素子のオンデューティをあらかじめ設定さ
れている前記充電補正値または前記放電補正値に基づい
て補正することを特徴とする請求項6記載のピエゾアク
チュエータ制御装置。 - 【請求項8】 前記制御手段は、前記ピエゾスタックへ
充電または前記ピエゾスタックから放電されるエネルギ
ーを増大するとき、前記第一スイッチング素子または前
記第二スイッチング素子のオンデューティを大きく設定
し、前記ピエゾスタックへ充電または前記ピエゾスタッ
クから放電されるエネルギーを減少するとき、前記第一
スイッチング素子または前記第二スイッチング素子のオ
ンデューティを小さく設定することを特徴とする請求項
4から7のいずれか一項記載のピエゾアクチュエータ制
御装置。 - 【請求項9】 前記制御手段は、前記ピエゾスタックが
充電または放電される期間を延長するとき、前記第一ス
イッチング素子または前記第二スイッチング素子のオン
デューティをスイッチングが進むにつれて大きくするよ
うに設定し、前記ピエゾスタックが充電または放電され
る期間を短縮するとき、前記第一スイッチング素子また
は前記第二スイッチング素子のオンデューティをスイッ
チングが進むにつれて小さくするように設定することを
特徴とする請求項5から7のいずれか一項記載のピエゾ
アクチュエータ制御装置。 - 【請求項10】 前記制御手段は、前記ピエゾスタック
の静電容量が大きな場合、前記第一スイッチング素子ま
たは前記第二スイッチング素子のオンデューティを小さ
く、かつスイッチングが進むにつれて小さくするように
設定し、 前記ピエゾスタックの静電容量が小さな場合、前記第一
スイッチング素子または前記第二スイッチング素子のオ
ンデューティを大きく、かつスイッチングが進むにつれ
て大きくするように設定することを特徴とする請求項4
から7のいずれか一項記載のピエゾアクチュエータ制御
装置。 - 【請求項11】 噴孔が形成されているハウジング、前
記ハウジングの内部に軸方向へ往復移動可能に収容され
前記噴孔を開閉する弁部材、ならびにピエゾアクチュエ
ータが設けられ前記弁部材を駆動する駆動手段を有する
燃料噴射装置と、 前記駆動手段に設けられた前記ピエゾアクチュエータを
制御する請求項1から10のいずれか一項記載のピエゾ
アクチュエータ制御装置と、 を備えることを特徴とする燃料噴射制御システム。
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