JP4476950B2 - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アクチュエータとして機能するピエゾ素子の伸縮に応じてノズルニードルのリフト量を連続的に調節可能なピエゾインジェクタについて、前記ピエゾ素子を伸縮操作することで燃料噴射を行う燃料噴射制御装置に関する。
各気筒の燃料噴射弁に高圧の燃料を供給する共通の蓄圧室(コモンレール)を備えるコモンレール式のディーゼル機関が周知である。コモンレール式のディーゼル機関によれば、機関運転状態に応じて、コモンレール内の燃圧を自由に制御することができ、ひいては燃料噴射弁に供給される燃圧を自由に制御することができる。
また、ディーゼル機関においては、通常、ユーザによるアクセルペダルの操作量に応じた要求トルクを生成すべく、アクセルペダルの操作量と回転速度とに基づき要求される燃料量(要求噴射量)が算出される。そして、要求噴射量の燃料を噴射すべく燃料噴射弁の指令噴射期間が設定される。
ところで、上記要求噴射量の燃料を一回の燃料噴射によって噴射する場合、燃料が一気に燃焼することにより、ディーゼル機関から排出される窒素酸化物(NOx)の量が上昇する傾向にある。このため、NOxの排出量を低減しつつも燃料消費量を低減させるべく、一度の噴射で燃料噴射率を段階的に増加させるいわゆるブーツ型噴射を行うことも提案されている。
ブーツ型噴射を行うためには、アクチュエータの変位に応じてノズルニードルのリフト量を連続的に調節可能なピエゾインジェクタを用いることが考えられる(特許文献1)。このピエゾインジェクタによれば、燃料噴射途中におけるノズルニードルのリフト量を制御することができるため、燃料噴射量のみならず、燃料噴射率をも制御することができ、ひいてはブーツ型噴射が可能となる。
ただし、上記ピエゾインジェクタによってブーツ型噴射を行うべく、ピエゾ素子に対する充電を一旦停止したとしても、例えばコモンレール内の燃圧が高いとき等には、ノズルニードルの挙動が不安定となりやすく、所望の噴射率にてブーツ型噴射を行うことが困難となる。
なお、上記ブーツ型噴射に限らず、ピエゾインジェクタを用いた燃料噴射制御において噴射率を所望に制御する際には、その制御性を高く維持することが困難なこうした実情も概ね共通したものとなっている。
米国特許第6520423号明細書
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、アクチュエータの変位に応じてノズルニードルのリフト量を連続的に調節可能なピエゾインジェクタを用いて、燃料噴射率をより高精度に制御することのできる燃料噴射制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、アクチュエータとして機能するピエゾ素子の伸縮に応じて噴射口を開閉するノズルニードルのリフト量を連続的に調節可能なピエゾインジェクタについて、前記ピエゾ素子を伸縮操作することで燃料噴射を行う燃料噴射制御装置において、前記ピエゾインジェクタを開弁させるべく前記ピエゾ素子を充電して前記リフト量をゼロよりも大きくした後、前記リフト量を最大リフト量よりも小さくて且つゼロよりも大きい所定のリフト量にて保持すべく、前記ピエゾ素子に充電された電荷の一部を放電させる放電手段を備えることを特徴とする。
上記構成において、ピエゾ素子を一旦充電することでピエゾインジェクタが開弁すると
、ノズルニードルの先端部に燃圧が加わることや、慣性等のために、ノズルニードルが開弁方向にオーバーシュートするおそれがある。そして、この場合には、ノズルニードルを低リフトにて保持することが困難となる。この点、上記構成では、充電後、ピエゾ素子に充電された電荷を一部放電することで、ノズルニードルのリフト量が過大となることを抑制することができ、高精度の低リフト保持が可能となる。したがって、上記構成によれば、燃料噴射率をより高精度に制御することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、当該燃料噴射制御装置は、前記ピエゾインジェクタによる燃料噴射率を段階的に増大させるブーツ型噴射を行うものであり、前記ブーツ型噴射を、前記放電手段による放電後、前記ピエゾ素子を再度充電することで行うことを特徴とする。
上記構成では、放電手段を用いることにより、ブーツ型噴射における低噴射率時の噴射率を高精度に制御することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記放電手段は、前記ピエゾインジェクタに供給される燃料の圧力、前記所定のリフト量での保持期間、及び該保持に際しての目標リフト量の少なくとも1つに基づき、前記放電処理の態様を設定することを特徴とする。
上記構成において、ピエゾインジェクタに供給される燃料の圧力によって、ノズルニードルを変位させるためにピエゾ素子に要求される力が変化するため、ノズルニードルを低リフトにて高精度に保持制御するためには、放電処理の態様を燃料の圧力に応じて可変設定することが望ましい。また、ノズルニードルのリフト量の保持期間が長いほど、ノズルニードルのリフト量が変動しやすいため、ノズルニードルを低リフトにて高精度に保持制御するためには、放電処理の態様を保持期間に応じて可変設定することが望ましい。更に、ノズルニードルの目標リフト量が異なると、同リフト量にて保持するためにピエゾ素子に要求される変位量が変化するため、ノズルニードルを低リフトにて高精度に保持制御するためには、放電処理の態様を目標リフト量に応じて可変設定することが望ましい。
この点、上記構成では、上記少なくとも1つに基づき放電処理の態様を設定するフィードフォワード制御を行うことで、第1回目の燃料噴射から、ノズルニードルのリフト量を低リフトにて高精度に保持することが可能となる。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記ピエゾインジェクタは、前記ノズルニードルのリフト量を増大させる側に流体の圧力が加わるニードルストッパを備えて且つ、前記ピエゾ素子の伸長により前記流体を加圧するものであり、前記ピエゾ素子を一旦充電した後、前記ノズルニードルのリフト量の保持期間のうち前記放電手段による放電期間以外の期間における前記ピエゾ素子の電圧降下量を検出する手段と、該検出される降下量を所望の降下量とすべく、前記ピエゾインジェクタを開弁させるための充電処理及び前記放電手段による放電処理の少なくとも一方の態様を補正する補正手段とを更に備えることを特徴とする。
上記構成において、ピエゾ素子の電圧は、ピエゾ素子の電荷量と、ピエゾ素子に加わる力に応じた圧電効果による電圧の変化量とに応じて定まる。このため、リフト量の保持期間にピエゾ素子の電圧が変化するなら、それは放電手段による放電によるものと、ノズルニードルのリフト量の変化に伴う流体の圧力の変化によるピエゾ素子の電圧の変化によるものとなる。このため、保持期間のうち放電期間以外の期間における電圧降下量は、流体の圧力の変化量と強い相関を有し、ひいてはノズルニードルのリフト量の変化量と強い相関を有する。この点、上記構成では、電圧降下量に応じてノズルニードルのリフト変化量を高精度に把握することができる。そして、こうして把握されるノズルニードルのリフト変化量に応じて放電処理や充電処理の態様を補正するフィードバック補正により、ノズルニードルのリフト量を高精度に保持制御することができる。
請求項5記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記ピエゾインジェクタは、前記ノズルニードルのリフト量を増大させる側に流体の圧力が加わるニードルストッパを備えて且つ、前記ピエゾ素子の伸長により前記流体を加圧するものであり、前記ピエゾ素子の応力を検出する手段の検出結果を取り込み、前記検出される応力に応じて前記ピエゾインジェクタを開弁させるための充電処理及び前記放電手段による放電処理の少なくとも一方を補正することを特徴とする。
上記構成において、ノズルニードルのリフト量が増大すると流体の圧力が低下するため、ピエゾ素子に流体が加える力が低下する。このため、ノズルニードルのリフト量とピエゾ素子に加えられる力との間には相関関係がある。この点、上記構成では、ピエゾ素子の応力に基づき、ノズルニードルのリフト量を把握することができる。そして、こうして把握されるリフト量に応じて放電処理や充電処理の態様を補正するフィードバック補正により、ノズルニードルのリフト量を高精度に保持制御することができる。
請求項6記載の発明は、前記内燃機関の運転状態に基づき、前記ピエゾ素子の放電により前記ピエゾインジェクタが閉弁するときの前記ピエゾ素子の電気的な状態量を算出する算出手段と、前記ピエゾインジェクタを開弁させるべく前記ピエゾ素子を充電した後、前記算出手段によって算出される状態量となるまで前記ピエゾ素子を放電する放電手段とを備え、前記算出手段は、前記ピエゾインジェクタが閉弁するときの前記ピエゾ素子の電気的な状態量としての残存エネルギ量を前記ピエゾインジェクタに供給される燃料の圧力に基づき算出する処理、又は前記ピエゾインジェクタが閉弁するときの前記ピエゾ素子の電気的な状態量としての残存電荷量を前記ピエゾインジェクタに供給される燃料の圧力および前記ピエゾ素子の温度に基づき算出する処理を行うことを特徴とする。
ピエゾ素子を充電することでピエゾインジェクタを開弁させた後、ピエゾ素子を放電することで、ピエゾインジェクタが閉弁するためには、未だピエゾ素子には電荷が残っている。これは、ピエゾインジェクタを閉弁させる際には、必ずしもピエゾ素子の電荷を全て放電する必要がないことを意味する。この点、上記構成では、ピエゾインジェクタが閉弁するときのピエゾ素子の電気的な状態量を算出し、同電気的な状態量となるまでピエゾ素子を放電させることで、次回の充電電荷量を低減させることができる。このため、上記構成によれば、燃料噴射制御に際しての消費電力を低減することができる。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、当該燃料噴射制御装置は、任意の気筒の1燃焼サイクル内に複数回の燃料噴射をする多段噴射制御をするものであり、前記算出手段によって算出される状態量までの放電を、前記多段噴射における最終段よりも前の燃料噴射について行うことを特徴とする。
上記構成では、多段噴射による消費電力を抑制することができ、しかも任意の気筒の1燃焼サイクル内での多段噴射の終了時にはピエゾ素子を完全に放電させることで、ピエゾインジェクタの開弁条件の変化によってピエゾインジェクタの意図せぬ開弁がなされる等の問題を回避することもできる。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる燃料噴射制御装置をディーゼル機関に搭載されるピエゾインジェクタを用いた燃料噴射制御装置に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、上記ディーゼル機関を含むエンジンシステムの全体構成を示す。図示されるように、燃料タンク2から汲み上げられた燃料は、高圧燃料ポンプ4により加圧され高圧状態でコモンレール6に供給される。コモンレール6は、高圧燃料ポンプ4から供給される燃料を高圧状態で蓄え、高圧燃料通路8を介してピエゾインジェクタ10に供給する。ピエゾインジェクタ10は、低圧燃料通路12とも接続されており、低圧燃料通路12を介して燃料タンク2に燃料を戻すことが可能となっている。
電子制御装置(ECU20)は、マイクロコンピュータやメモリ等を備えて構成され、ディーゼル機関の出力の制御を行なう。この制御に際しては、ECU20は、コモンレール6内の燃圧を検出する燃圧センサ14の検出結果や、ディーゼル機関のクランク軸の回転角度を検出するクランク角センサ16の検出結果、ユーザによるアクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサ18等、各種センサの検出結果を取り込み、これら検出結果を参照する。
図2に、ピエゾインジェクタ10の構成を示す。
ピエゾインジェクタ10のボディ30の先端部には、ボディ30の内部とピエゾインジェクタ10の外部とを連通させる噴射口32が形成されている。そして、ボディ30内部には、ノズルニードル34、ニードルストッパ36及びバランスピストン38が先端部側から順に連結され、ボディ30の内壁に沿ってその軸方向に変位可能に収納されている。ノズルニードル34とボディ30の内壁とによって区画形成されるニードル室35と、バランスピストン38の背面側のバランス室39とには、上記高圧燃料通路8から高圧燃料が供給される。
ニードルストッパ36のうちボディ30の後方側の面とボディ30の内壁とで形成される背圧室41は、上記低圧燃料通路12と連通しており、低圧燃料通路12からの燃料が供給される。背圧室41には、スプリング40が設けられており、これにより、ニードルストッパ36は、ボディ30の先端側へ押されている。
一方、ニードルストッパ36のうち、ボディ30の先端部側の面側は、ボディ30の内壁とともに第1油密室42を形成している。第1油密室42は、伝達通路44を介して、バランスピストン38よりもボディ30の後方に位置する第2油密室46と接続されている。これら第1油密室42、伝達通路44、第2油密室46には、動力を伝達する媒体としての燃料が充填されている。
第2油密室46は、ピエゾピストン48のうちボディ30の先端側の面とボディ30の内壁とによって区画形成される空間である。ピエゾピストン48は、その内部に逆止弁50を備えており、低圧燃料通路12から第2油密室46への燃料の供給が可能となっている。また、ピエゾピストン48は、その後方においてピエゾ素子52と接続されている。ピエゾ素子52の後部は、ボディ30に連結され固定されている。
上記ピエゾ素子52は、複数の圧電素子が積層されてなる積層体(ピエゾスタック)を備え、これが逆圧電効果により伸縮することによりアクチュエータとして機能する。具体的には、ピエゾ素子52は、容量性の負荷であり、充電されることで伸長し、放電されることで縮小する。ちなみに、本実施形態にかかるピエゾ素子52は、PZT等の圧電材料の圧電素子を利用したものである。
こうした構成において、ピエゾ素子52に通電が開始されると、ピエゾ素子52の伸長に伴い、ピエゾピストン48がボディ30の先端方向に変位する。これにより、第2油密室46、伝達通路44及び第1油密室42内の燃圧が上昇する。そして、ニードル室35内の高圧燃料がノズルニードル34を押す力と第1油密室42内の燃料がニードルストッパ36を押す力とが、スプリング40及び低圧燃料がニードルストッパ36を押す力とバランス室39内の高圧燃料がバランスピストン38の背面を押す力とに打ち勝つと、ノズルニードル34がボディ30の後方に変位し、ピエゾインジェクタ10が開弁する。これにより、ボディ30の内部の燃料が噴射口32を介して外部に噴射される。
一方、ピエゾ素子52の通電後にこれを放電させると、ピエゾ素子52の収縮に伴い、ピエゾピストン48がボディ30の後方に変位するため、第2油密室46、伝達通路44及び第1油密室42内の燃圧が低下する。これにより、スプリング40及び低圧燃料がニードルストッパ36を押す力とバランス室39内の高圧燃料がバランスピストン38の背面を押す力とが、ニードル室35内の高圧燃料がノズルニードル34を押す力と第1油密室42内の燃料がニードルストッパ36を押す力とに打ち勝つと、ノズルニードル34の加速度がボディ30の先端側方向となり、ピエゾインジェクタ10が閉弁する。これにより、燃料噴射が終了する。
このピエゾインジェクタ10では、ピエゾ素子52の変位量に応じて、ノズルニードル34のボディ30の後方への変位量であるリフト量が変化する。このため、ピエゾインジェクタ10の閉弁に対応するリフト量ゼロから最大のリフト量であるフルリフト量までの間で、リフト量を任意に制御することができる。すなわち、例えばピエゾ素子52の通電によりその電気的な状態量を操作する際に、同状態量を一定とする期間を設けると、ノズルニードル34は中間のリフト量で停滞する。このため、その後通電制御を再開することで2段階のリフト量を有するリフト制御が可能となる。このように、ピエゾインジェクタ10を用いることで、リフト量を自由に制御することができるために、燃料噴射量のみならず1回の燃料噴射における燃料噴射率波形をも自由に制御することが可能となる。ちなみに、ここで燃料噴射率とは、ピエゾインジェクタ10から噴射される単位時間当たりの燃料量を意味する。
図3に、本実施形態におけるピエゾ素子52の駆動回路の構成を示す。
図示されるように、バッテリBからECU20に供給される電力は、まず昇圧回路であるDC/DCコンバータ21に供給される。DC/DCコンバータ21は、バッテリBの電圧(例えば「12V」)を、ピエゾ素子52を充電するための高電圧(例えば「200〜300V」)に昇圧する。
DC/DCコンバータ21の昇圧電圧は、コンデンサ22に印加される。コンデンサ22は、その一方の端子がDC/DCコンバータ21側に接続され、また他方の端子が接地されている。そして、DC/DCコンバータ21の昇圧電圧がコンデンサ22に印加されると、コンデンサ22はピエゾ素子52に供給するための電荷を蓄える。
コンデンサ22のうちの高電位となる端子側、すなわち、DC/DCコンバータ21側は、充電スイッチ23と充放電コイル24との直列接続体を介して、ピエゾ素子52の高電位となる端子側に接続されている。そして、ピエゾ素子52の低電位となる端子側は、接地されている。充電スイッチ23と充放電コイル24との間には、放電スイッチ25の一方の端子が接続されており、放電スイッチ25の他方の端子は、接地されている。
放電スイッチ25には、接地側からコンデンサ22及び充放電コイル24間側に向かう方向を順方向とする態様にて、ダイオード26が並列接続されている。このダイオード26は、コンデンサ22、充電スイッチ23、充放電コイル24と共に、ピエゾ素子52を充電するチョッパ回路を構成するものであり、フリーホイーリングダイオードとして機能する。
一方、充電スイッチ23には、放電スイッチ25側からコンデンサ22側へと向かう方向を順方向とする態様にて、ダイオード27が並列接続されている。このダイオード27は、コンデンサ22、充放電コイル24、放電スイッチ25と共に、ピエゾ素子52の電荷を放電するチョッパ回路を構成するものであり、フリーホイーリングダイオードとして機能する。
上記構成の駆動回路は、マイクロコンピュータ28により駆動される。詳しくは、マイクロコンピュータ28では、ディーゼル機関の運転状態等を検出する各種センサの検出値や、ノードN1を介して検出されるピエゾ素子52の電圧、ノードN2を介して検出されるピエゾ素子52の電流に基づき、充電スイッチ23や放電スイッチ25を操作する。これら各操作は、図4に示す態様にて行なわれる。
図4(a)に充電スイッチ23の操作態様の推移を示し、図4(b)に放電スイッチ25の操作態様の推移を示し、図4(c)にピエゾ素子52を介して流れる電流(操作電流)の推移を示し、図4(d)にピエゾ素子52の操作電圧の推移を示す。
図示されるように、充電スイッチ23のオン・オフ操作によるチョッパ制御により、操作電流を増減させつつピエゾ素子52の充電がなされる。具体的には、充電スイッチ23がオン操作されることによって、コンデンサ22、充電スイッチ23、充放電コイル24、ピエゾ素子52からなる閉ループ回路が形成される。これにより、コンデンサ22の電荷がピエゾ素子52に充電される。このとき、ピエゾ素子52を介して流れる電流量が増加する。一方、充電スイッチ23のオン操作の後、充電スイッチ23がオフ操作されることで、充放電コイル24、ピエゾ素子52、ダイオード26からなる閉ループ回路が形成される。これにより、充放電コイル24のフライホイールエネルギが、ピエゾ素子52に充電される。このとき、ピエゾ素子52を介して流れる電流量が減少する。
上記態様にて充電スイッチ23が操作される降圧チョッパ制御が行われることで、ピエゾ素子52が充電され、ピエゾ素子52の高電位となる端子側の電位が上昇する。
一方、放電スイッチ25のオン・オフ操作によるチョッパ制御により、操作電流を増減させつつピエゾ素子52の放電がなされる。具体的には、放電スイッチ25がオン操作されることで、放電スイッチ25、充放電コイル24、ピエゾ素子52によって閉ループ回路が形成される。これにより、ピエゾ素子52が放電される。このとき、ピエゾ素子52を介して流れる電流量が増加する。更に、放電スイッチ25のオン操作の後、放電スイッチ25がオフ操作されることで、コンデンサ22、ダイオード27、充放電コイル24、ピエゾ素子52によって閉ループ回路が形成される。これにより、充放電コイル24のフライホイールエネルギがコンデンサ22に回収される。
上記態様にて放電スイッチ25が操作される昇圧チョッパ制御が行われることで、ピエゾ素子52が放電され、ピエゾ素子52の高電位となる端子側の電位が低下する。
本実施形態では、上記充電スイッチ23及び放電スイッチ25の操作を、予め定められた規定時間に渡ってオン状態として且つピエゾ素子52を介して流れる電流がゼロとなることでオフ状態からオン状態へと切り替えるいわゆるオン時間一定操作として行う。これにより、ピエゾ素子52のエネルギの変化速度を一定とすることができる。このため、オン時間一定操作によってピエゾ素子52の充電を行うことで、充電時間によって、ピエゾ素子52に供給されるエネルギを制御することができる。そして、ピエゾ素子52は、エネルギが一定であれば温度にかかわらずピエゾ素子52の伸長量が略一定となるため、上記オン時間一定操作を行なうことで、簡易な処理にてノズルニードル34のリフト量を制御することができる。これに対し、ピエゾ素子52の電圧を用いて充電処理を管理する場合には、ピエゾ素子52の温度によってピエゾ素子52の伸長量が変化するため、ノズルニードル34のリフト量を高精度に制御するためには、ピエゾ素子52の目標電圧の温度補正を行う必要がある。なお、エネルギを一定とした場合にピエゾ素子52の変位量が略一定となることについての詳細は、例えば特開2005−130561号公報に記載されている。また、上記態様のチョッパ制御により単位時間当たりのピエゾ素子52に供給されるエネルギ量を一定とすることができることについては、例えば特開2002−13156号公報に記載されている。
本実施形態では、図5に示すように、噴射率を2段階に増加させるいわゆるブーツ型噴射を行う。ここで、低噴射率で保持するための低リフト保持時(ブーツ部)のリフト量は、ピエゾ素子52の伸長量と相関を有するため、ピエゾ素子52のエネルギ量を一定として固定することで低リフト保持の制御をすることができる。ただし、コモンレール6内の燃圧が高圧であるとき等においては、低リフトでのノズルニードル34の挙動が不安定化しやすく、噴射率を高精度に制御することが困難となる。
図6に、コモンレール6内の燃圧が高圧であるときのブーツ型噴射の態様を示す。詳しくは、図6(a)に、ピエゾ素子52の充電速度又は放電速度を示し、図6(b)に、ピエゾ素子52の電圧を示し、図6(c)に、ピエゾピストン48の変位を示し、図6(d)に、第1油密室42内の燃圧を示し、図6(e)にノズルニードル34のリフト量を示し、図6(f)に、ピエゾインジェクタ10の噴射率を示す。
図示されるように、コモンレール6内の燃圧が高圧であるときには、ピエゾ素子52の充電から再充電までの低リフト保持期間において、ノズルニードル34のリフト量が過度に大きくなり、ブーツ型噴射を適切に行うことができなくなるおそれがある。これは、以下の理由によると考えられる。
図7に、ピエゾインジェクタ10の先端部の拡大図を示す。図示されるように、ノズルニードル34がボディ30の先端に着座している閉弁時においては、ニードル室35内の高圧燃料がノズルニードル34を上方に押す力F1は、ノズルニードル34の後部の断面積Sa、ノズルニードル34の先端の燃圧が加わらない部分の断面積Ss、及び高圧燃料の燃圧NPCによって下記の式(c1)にて表現される。
F1=(Sa−Ss)×NPC …(c1)
一方、本実施形態では、上記バランスピストン38の断面積もノズルニードル34の後部の断面積Saと等しくされている。このため、バランス室39内の高圧燃料がノズルニードル34を先端側に押す力F2は、下記の式(c2)となる。
F2=Sa×NPC
ただし、ピエゾインジェクタ10が開弁すると、ノズルニードル34の先端部にも燃圧Psが加わるために、ニードル室35内の高圧燃料がノズルニードル34を上方に押す力F3は、下記の式(c3)となる。
F3=(Sa−Ss)×NPC+Ss×Ps …(c1)
ここで、ピエゾインジェクタ10の閉弁時において、ノズルニードルを開弁させるためには、スプリング40の力や背圧室41内の低圧燃料による力を無視しても、第2油密室42内の燃料によって少なくとも「Ss×NPC」の力を生成しなければならない。これに対し、ピエゾインジェクタ10が開弁すると、ニードル室35内の高圧燃料による力とバランス室39内の高圧燃料による力との差は、「Ss×NPC」から「Ss×(NPC−Ps)」に変化する。ここで、ピエゾインジェクタ10のボディ30先端部の絞りの効果のために、ノズルニードル34の低リフト時には、「Ps<NPC」である。このため、ピエゾインジェクタ10を開弁させるために第2油密室42に要求された力は、ピエゾインジェクタ10の開弁後には、過剰な力となりやすい。特に、コモンレール6内の燃圧が高圧であるときには、ニードル室35内の高圧燃料による力とバランス室39内の高圧燃料による力との差が、開弁の前後で大きく変化しやすくなる。このため、ノズルニードル34がボディ30の先端部から離座する際には、その加速度が大きくなりやすい。これにより、ノズルニードル34のリフトが所望のリフトよりも大きくなり、低噴射率の制御を困難なものとすると考えられる。
そこで本実施形態では、ピエゾインジェクタ10を開弁させるべくピエゾ素子52を一旦充電した後、ピエゾ素子52に充電された電荷の一部を放電することで、低リフト保持を行う。
図8に、本実施形態にかかる燃料噴射制御の処理手順を示す。図8に示す処理は、マイクロコンピュータ28により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、クランク角センサ16によって検出されるクランク軸の回転速度と、燃圧センサ14によって検出されるコモンレール6内の燃圧と、アクセルセンサ18によって検出されるアクセルペダルの操作量とに応じて、ブーツ型噴射の噴射態様を設定する。すなわち、ブーツ型噴射の低リフト時の噴射率(ノズルニードル34の目標リフト量)と、低リフトの保持期間とトータルの噴射期間とを設定する。
続くステップS12においては、ステップS10において算出された低リフトの噴射率や、燃圧に基づき、充電エネルギ量を設定する。ここで、低リフトの噴射率に応じて低リフト時の充電エネルギ量を設定することで、ピエゾ素子52の伸長量を低リフトに見合ったものとすることができる。また、燃圧に応じて充電エネルギ量を設定するのは、ピエゾ素子52の伸長量とエネルギ量とが一対一の関係となるのは、ピエゾ素子52に加わる力が一定であることが前提となっているためである。すなわち、ピエゾ素子52に加わる力は、ニードル室35内の高圧燃料による力とバランス室39内の高圧燃料による力との差に応じた力となり、この差は、燃圧に応じて変化する。このため、ピエゾ素子52に加わる力と相関を有するパラメータとして燃圧を用いることで、低リフト及び最終の高リフトとするために要求される各エネルギ量を設定する。
続くステップS14では、ブーツ型噴射の低リフト時のリフト量、低リフトの保持期間及び燃圧に基づき、ピエゾ素子52の電荷の一部を放電する放電処理の時期、放電エネルギ量、及びエネルギ放出速度を設定する。ここで、低リフト時のリフト量が小さいほど、ノズルニードル34の先端部にニードル室35内の高圧燃料が加える上記圧力Psが小さくなることなどから、ノズルニードル34が過度に高リフト側に変位することを抑制するために適切な条件は、リフト量に応じて変化する。このため、本実施形態では、リフト量に応じて、放電処理の開始時期、放電するエネルギ量、放電に際してのピエゾ素子52のエネルギ放出速度を可変設定する。また、低リフトの保持期間が長いと、ノズルニードル34のリフト量が変動しやすくなるため、ノズルニードル34を低リフトにて保つために適切な条件は、保持時間に応じても変化する。このため、本実施形態では、保持時間に応じて、放電処理の開始時期、放電するエネルギ量、放電に際してのピエゾ素子52のエネルギ放出速度を可変設定する。更に、コモンレール6内の燃圧によって、ノズルニードル34を保持するためにピエゾ素子52に要求される力は変化するため、ノズルニードル34を低リフトにて保つために適切な条件は、燃圧に応じても変化する。このため、本実施形態では、燃圧に応じて、放電処理の開始時期、放電するエネルギ量、放電に際してのピエゾ素子52のエネルギの放出速度を可変設定する。
ステップS14の処理が完了すると、ステップS16に移行する。ステップS16では、ピエゾインジェクタ10を開弁させるべく、ピエゾ素子52を充電する処理を行なう。ここでは、上記ステップS12によって定められた充電エネルギ量の充電を行う。これは、充電エネルギ量に比例して先の図4に示した充電処理の時間を長くすることで簡易的に行うことができる。ただし、ピエゾ素子52に供給されるエネルギの供給速度を可変とすべく、充電スイッチ23をオンする時間を、充電エネルギ量に応じて可変設定してもよい。
ステップS16の処理が完了すると、上記ステップS14にて定めた放電時期となるまで待機する。そして放電時期となると(ステップS18:YES)、ステップS20において、ピエゾ素子52の電荷を一部放電する処理を行なう。ここでは、上記ステップS14において定められたエネルギ放出速度とすべく、放電スイッチ25をオン状態とする時間を可変設定し、放電エネルギ量に見合った放電処理時間に渡って、放電スイッチ25を用いたチョッパ制御を行う。
こうして一部放電処理が完了すると、ステップS22に移行する。ステップS22においては、まず、上記ステップS10によって定めた保持期間が経過するときに再度の充電処理を行ない、更に、噴射期間の経過に応じてピエゾ素子52の電荷を全て放電させることでピエゾインジェクタ10を閉弁する。
図9に、上記処理によるブーツ型噴射の態様を示す。なお、図9(a)〜図9(f)は、先の図6(a)〜図6(f)と対応している。
図示されるように、ピエゾ素子52の充電後、上記放電時期となるまでピエゾ素子52に対する充電を停止し、放電時期となると、ピエゾ素子52の電荷を一部放電する。これにより、ノズルニードル34を低リフトにて保持することができ、その後ピエゾ素子52を再度充電することで、ブーツ型噴射を適切に行うことができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)ピエゾインジェクタ10を開弁させるべくピエゾ素子52を充電した後、リフト量を所定のリフト量にて保持すべく、ピエゾ素子52に充電された電荷の一部を放電させた。これにより、ノズルニードル34のリフト量が過大となることを抑制することができ、高精度の低リフト保持が可能となる。したがって、燃料噴射率をより高精度に制御することができる。
(2)ピエゾインジェクタ10による燃料噴射率を段階的に増大させるブーツ型噴射を、ピエゾ素子52に対する充電、一部放電、及び再充電によって行った。これにより、ブーツ型噴射における低噴射率時の噴射率を高精度に制御することができる。
(3)コモンレール6内の燃圧、ノズルニードル34の目標リフト量、低リフトによる保持期間に基づき、放電処理の態様を設定するフィードフォワード制御を行うことで、第1回目の燃料噴射から、ノズルニードル34のリフト量を低リフトにて高精度に保持することが可能となる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、先の図8のステップS14の処理に基づく一部放電処理によるノズルニードル34のリフト量のフィードフォワード制御に加えて、同リフト量のフィードバック制御を行う。この際、低リフト保持時のリフト量の変化量を、図10に示すように、低リフト保持期間のうち先の図8のステップS20の放電処理を行っていない期間におけるピエゾ素子52の電圧降下によって把握する。すなわち、ピエゾ素子52の最初の充電によるピエゾ素子52のピーク電圧Vaに対するピエゾ素子52の一部放電処理の開始時の電圧Vbの電圧降下量Δ1と、一部放電処理の終了時の電圧Vcに対する再充電処理の開始時の電圧Vdの電圧降下量Δ2との和によってノズルニードル34のリフト量の変化量を把握する。
ここで、ピエゾ素子52の電圧は、ピエゾ素子52に充電される電荷量と、ピエゾ素子52に外部から加わる力によって生じる圧電効果とによって定まる。このため、低リフトでの保持期間のうち一部放電処理の行われていない期間においては、ピエゾ素子52の電圧の変化は、ピエゾ素子52に加わる力の変化によって生じると考えられる。換言すれば、第1油密室42内の燃圧の変化によって生じると考えられる。この燃圧の変化は、第1油密室42の容積の変化と相関を有するため、燃圧の変化は、ノズルニードル34のリフト変化量と相関を有する。このため、図11に示すように、ピエゾ素子52の電圧降下量によって、リフト変化量を把握することができる。
図11は、ノズルニードル34に加わる力が釣り合っているときにおいて、電圧降下量と、リフト変化量と燃圧との関係を示している。図示されるように、電圧降下量「Δ1+Δ2」が大きいほど、リフト変化量が大きくなっている。これは、ピエゾ素子52の電圧降下量が大きいほど、第1油密室42の燃圧の低下量が大きいと考えられ、これは第1油密室42の容積の増大量が大きいことを意味し、ひいてはノズルニードル34のリフト量の増加量が大きいことを意味することを理由とする。また、リフト量の変化量が一定なら、燃圧が高いほど、電圧降下量「Δ1+Δ2」は大きくなっている。これは、上述したように、燃圧が高いほどニードル室35内の高圧燃料による力よりもバランス室39内の高圧燃料による力の方が大きくなるためである。このため、第1油密室42の容積変化量が同一であったとしても、この容積変化による第1油密室42内の燃圧の低下量は燃圧が高いほど大きくなる。
図12に、本実施形態にかかる燃料噴射制御の処理手順を示す。図12に示す処理は、マイクロコンピュータ28により、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図12において、先の図8に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、先の図8に示したステップS18の放電処理の前後の電圧降下量を、ステップS21において算出する。具体的には、上記放電処理の前後について、先の図3に示したノードN1の電圧に基づき、ピエゾ素子52の電圧を検出し、これに応じて電圧降下量を算出する。
こうして電圧降下量が算出されると、この図12に示す処理の次回の処理周期において、ステップS14の処理の後、ステップS15の処理として、この電圧降下量及び前回の燃圧の検出値に基づくフィードバック制御を行う。具体的には、ステップS14の処理によって定められた放電エネルギ量を、図13に示す態様にてフィードバック補正する。すなわち、リフト変化量の要求量を予め定めておき、この要求量と前回の燃圧の検出値とから、電圧降下量の要求値を求める。そして、この電圧降下量の要求値よりも検出値が大きいときには、放電エネルギ量を増加させる。これにより、ノズルニードル34のリフトの上昇量が低下するため、第1油密室42の容積の増大量が低減してその油圧が上昇することで、電圧降下量が低下する。ちなみに、上記リフト変化量の要求量は、先の図6(e)に示したようなリフト量のオーバーシュートを回避する値に設定されている。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(3)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(4)ノズルニードル34のリフト量の保持期間のうち一部放電処理期間以外の期間におけるピエゾ素子52の電圧降下量を所望の降下量とすべく、一部放電処理による放電エネルギ量をフィードバック補正した。これにより、ノズルニードル34のリフト量をいっそう高精度に保持制御することができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、ピエゾ素子52の応力を検出するセンサを備え、ピエゾ素子52の応力に応じてノズルニードル34のリフト量を把握することで、フィードバック制御を行う。ここで、ノズルニードル34に加わる力が釣り合っているときにおいて、ピエゾ素子52の応力と、コモンレール6内の燃圧と、ノズルニードル34のリフト量とに間には、図14に示す関係がある。
図示されるように、ピエゾ素子52の応力が大きいほどリフト量が低下する。これは、応力が大きいほど、ピエゾ素子52に加わる力が大きいことから、第1油密室42内の燃圧が高く、第1油密室42の容積が小さい。すなわち、第1油密室42の容積が小さいときには、ノズルニードル34のリフト量が小さいため、応力が大きいほどリフト量が低下する。また、リフト量が同一なら、コモンレール6内の燃圧が高いほど、ピエゾ素子52の応力が大きい。これは、上述したように、燃圧が高いほど、ニードル室35内の高圧燃料による力よりもバランス室39内の高圧燃料による力の方が大きくなるため、これを補償するために要求される第1油密室42内の燃圧が上昇するためである。
したがって、一部放電処理後のピエゾ素子52の応力から低リフト時のニードルリフト量を推定し、これに応じて、先の図12のステップS12の処理によって定められた充電エネルギ量や、エネルギ供給速度、ステップS14の処理によって定められた放電時期や、放電エネルギ量、エネルギ放出速度の少なくとも1つをフィードバック補正する。
ちなみに、ピエゾ素子52の応力は、図15に示すように、複数の圧電素子の積層体としてのピエゾ素子52のうちの単一の圧電素子を応力センサ52sとして利用することで検出する。すなわち、ピエゾ素子52に外部から力が加わると、ピエゾ素子52の応力に応じて圧電効果により電圧が生じるため、これを応力情報として利用する。
以上説明した本実施形態によれば、第1の実施形態の上記(1)〜(3)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(5)検出される応力から把握されるリフト量に応じてピエゾインジェクタ10を開弁させるための充電処理及び一部放電処理の少なくとも一方を補正することで、ノズルニードル34のリフト量を高精度に保持制御することができる。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態について、先の各実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、ピエゾ素子52の充電処理や放電処理のためのチョッパ制御を、図16に示す態様にて行う。すなわち、ピエゾ素子52を介して流れる電流が規定のピーク値Ipとなることで充電スイッチ23や放電スイッチ25をオフとし、且つピエゾ素子52を介して流れる電流がゼロとなることで充電スイッチ23や放電スイッチ25をオンとする。換言すれば、ピエゾ素子52を介して流れる電流がピーク値Ipとなることで増加操作から減少操作への切り替えを行い且つ、ピエゾ素子52を流れる電流がゼロとなることで減少操作から増加操作への切り替えを行なう。ただし、増加操作時間には予め上限値が定められており、上限値に達すると、ピエゾ素子52を介して流れる電流がピーク値Ipに達していなくても、減少操作に切り替える。これは、充電処理や放電処理の開始から時間の経過とともに充電スイッチ23や放電スイッチ25のオン状態における電流の増加速度が小さくなるためにとられる処置である。
上記態様にてピエゾ素子52の充電処理や放電処理を行なうことで、充電時間や放電時間に比例して充電電荷量や放電電荷量を増加させることができる。すなわち、ピーク値Ipとなることでオフ操作へと切り替える上記操作を行なう場合、充電時間(放電時間)tの間に充電(放電)される電荷量は、図16に示す各三角形の面積が「(底辺)×(高さ)/2」であることに鑑みれば、「t×Ip/2」にて近似できる。このため、ピエゾ素子52の電荷を簡易且つ直接管理することが可能となる。
このため、本実施形態では、充電処理や放電処理において、エネルギではなく、ピエゾ素子52の電荷量を管理する。以下、図16のチョッパ制御を第1〜第3の実施形態に適用する場合について、その適用例を示す。
<第1の実施形態に適用する場合>
先の図8に示したステップS12において、ブーツ型噴射の態様及び燃圧に加えて、更に、ピエゾ素子52の温度に応じて、ピエゾ素子52の目標電圧を設定する。ここでピエゾ素子52の温度を用いるのは、ピエゾ素子52の電圧の変化に対するピエゾ素子52の変位量の変化である圧電係数が、ピエゾ素子52の温度に依存して変化するためである。なお、ここでは簡易的にディーゼル機関の冷却水の温度をピエゾ素子52の温度として代用してもよいが、例えばピエゾ素子52の電荷量と電圧とを検出することでピエゾ素子52の容量を算出し、これによりピエゾ素子52の温度を推定してもよい。ちなみに、電荷の変化に対する電圧の変化で定義される見かけの容量が温度に応じて変化することに着目したこの手法の詳細は、例えば特開2002−21620号公報に記載されている。
また、先の図8のステップS14において、放電時期に加えて、放電電荷量や放電速度を設定する。ここで、放電電荷量に代えて、ピエゾ素子52の放電後の目標電圧を設定してもよい。また、放電速度は、図16に示すピーク値Ipによって調節することができる。
<第2の実施形態に適用する場合>
上記第1の実施形態に適用する場合の変更点に加えて、先の図12に示したステップS15において、電圧降下量に応じて放電電荷量をフィードバック補正すればよい。この際、先の図13において、放電エネルギ量を放電電荷量と読み替えるものとする。
<第3の実施形態に適用する場合>
上記第1、第2の実施形態に適用する場合の変更点に加えて、先の図12に示したステップS15において、ピエゾ素子52の応力と燃圧とに基づき、充電に際してのピエゾ素子52の目標電圧や、充電速度、ステップS14の処理によって定められた放電時期や、放電電荷量、放電速度の少なくとも1つをフィードバック補正する。
(第5の実施形態)
以下、第5の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、ピエゾ素子に対する充電及び放電に応じて開弁及び閉弁の2値的な動作をするピエゾインジェクタ10aを用いる。以下、図17に基づき、ピエゾインジェクタ10aの構造について説明する。
ピエゾインジェクタ10aのボディ70の先端には、円柱状のニードル収納部72が設けられている。そして、ニードル収納部72には、その軸方向に変位可能なノズルニードル74が収納されている。ノズルニードル74は、ボディ70の先端部に形成されている環状のニードルシート部76に着座することで、ニードル収納部72を外部(ディーゼル機関の燃焼室)から遮断する一方、ニードルシート部76から離座することで、ニードル収納部72を外部と連通させる。また、ニードル収納部72には、上記高圧燃料通路8を介して高圧燃料が供給される。
ノズルニードル74の背面側(ニードルシート部76と対向する側の反対側)は、背圧室80に対向している。背圧室80には、高圧燃料通路8からの燃料がオリフィス82を介して供給される。また、背圧室80には、ノズルニードル74をニードルシート部76側へ押すニードルスプリング84が備えられている。
背圧室80は、ボール86を介して上記低圧燃料通路12に連通可能とされている。ボール86は、その背面側が、環状のバルブシート部90に着座することで、低圧燃料通路12と背圧室80とを遮断し、ボディ70の先端側へ変位することで、低圧燃料通路12と背圧室80とを連通させる。
ボール86のうちバルブシート部90側は、プレッシャピン92を介して小径ピストン94と連結されている。小径ピストン94の後部側は、小径ピストン94よりも径の大きな大径ピストン96の先端と対向している。そして、小径ピストン94、大径ピストン96、及びボディ70の内周面によって変位伝達室98が区画形成されている。変位伝達室98には、例えば燃料等の適宜の流体が充填されている。
一方、大径ピストン96は、そのボディ70の後方側が、先の図2に示したピエゾ素子52と同様のピエゾ素子52aと連結されている。ちなみに、ピエゾ素子52aは、大径ピストン96と対向する側の裏面側がボディ70に固定されている。
ピエゾ素子52aへ電流が供給されずピエゾ素子52aが収縮状態にあるときには、高圧燃料通路8の高圧燃料により力が及ぼされることから、ボール86や小径ピストン94はボディ70の後方に位置することとなる。このとき、ボール86により背圧室80と低圧燃料通路12とは遮断されている。このため、背圧室80内の燃料の圧力(コモンレール6内の燃料の圧力)及びニードルスプリング84の弾性力によって、ノズルニードル74は、ボディ70先端側へと押され、ニードルシート部76に着座した状態(閉弁状態)となる。
一方、ピエゾ素子52aに電流が供給されることでピエゾ素子52aが伸長状態となると、ボール86は、ボディ70の先端側へ移動する。これにより、背圧室80が低圧燃料通路12と連通される。その結果、背圧室80内の燃料の圧力が低下し、ニードル収納部72内の高圧燃料がノズルニードル74をボディ70の後方へ押す力が、背圧室80内の燃料及びニードルスプリング84がノズルニードル74をボディ70の前方へ押す力よりも所定以上大きくなると、ノズルニードル74は、ニードルシート部76から離座した状態(開弁状態)となる。
こうした構成の場合には、ノズルニードル74のリフト量を高精度に制御することができないため、ブーツ型噴射を行うことはできない。そこで、本実施形態では、燃焼サイクルの1サイクル内で、パイロット噴射、プレ噴射、メイン噴射、アフタ噴射、ポスト噴射の中からいくつかを選択して、これら選択した噴射を行なう多段噴射制御とする。ここで、パイロット噴射は、極微小な燃料が噴射されて着火の直前の燃料と空気との混合を促進させる。プレ噴射は、メイン噴射後の着火時期の遅れを短縮して窒素酸化物(NOx)の発生を抑制し、燃焼音及び振動を低減する。メイン噴射は、ディーゼル機関の出力トルクの生成に寄与して且つ多段噴射中の最大の噴射量を有する。アフタ噴射は、微粒子物質(PM)を再燃焼させる。ポスト噴射は、排気の温度を制御して、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)等のディーゼル機関の後処理装置を再生させる。
ところで、これら多段噴射の各噴射を行うたびにピエゾ素子52aの充電、及び完全な放電を繰り返すとすると、放電時の消費電力が増加する。これは、上記チョッパ制御に際し、放電スイッチ25がオフ状態のときにピエゾ素子52aに充電された電荷の一部をコンデンサ22によって回収することができるとはいえ、放電スイッチ25がオン状態であるときには、放電スイッチ25、充放電コイル24及びピエゾ素子52aによって形成される閉ループ回路によって放電がなされるため、電荷が回収されないからである。
そこで、本実施形態では、ピエゾインジェクタ10aが閉弁するときのピエゾ素子52aの残存エネルギ量を算出し、同残存エネルギ量となるまでピエゾ素子52aを放電する。これにより、多段噴射に際し、全ての電荷量を放電することがないため、消費電力を抑制することができる。
図18に、本実施形態にかかる燃料噴射制御の処理手順を示す。図18に示す処理は、マイクロコンピュータ28により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS30において、アクセルペダルの操作量に応じた要求噴射量と、クランク軸の回転速度とに基づき、要求噴射量の燃料を分割して噴射する噴射段数を算出する。ここで、この噴射段数が「1」であるときには、メイン噴射のみを行うこととなり、噴射段数が「2」以上であるときには、メイン噴射に加えて、パイロット噴射や、プレ噴射、アフタ噴射を行なうこととなる。また、この際、別のロジックにて行われるポスト噴射の要求があるか否かを加味して最終的な噴射段数を設定する。
続くステップS32では、ステップS30にて算出される噴射段数の各噴射段の指令噴射期間と指令噴射開始時期とを算出する。
続くステップS34では、コモンレール6内の燃圧に基づき、ピエゾインジェクタ10の閉弁時の残存エネルギ量をマップ演算する。このマップは、予め実験等によって適合されたものとする。なお、残存エネルギ量を燃圧に応じて設定するのは、先の図17に示したピエゾインジェクタ10aにあっても、これを開弁させるためには、高圧燃料がボール86をバルブシート部90側に押す力に打ち勝つ力をピエゾ素子52aが与えなければならないことなどによる。このため、ノズルニードル74がニードルシート部76に着座する際のピエゾ素子52aの力は、燃圧によって変化する。
こうして残存エネルギ量を算出すると、ステップS36に移行する。ステップS36では、各噴射において、充電処理によりピエゾインジェクタ10aを開弁させ、所定のタイミングでピエゾインジェクタ10aを閉弁させるべく、ピエゾ素子52aのエネルギ量が上記残存エネルギ量となるまで放電処理を行なう。なお、最終段の噴射については、安全性等の観点からピエゾ素子52aの電荷を完全に放電させる処理とする。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(6)ピエゾ素子52aの放電によりピエゾインジェクタ10aが閉弁するときのピエゾ素子52aの残存エネルギ量を算出し、ピエゾインジェクタ10aを開弁させるべくピエゾ素子52aを充電した後、上記残存エネルギ量となるまでピエゾ素子52aを放電させた。これにより、燃料噴射制御に際しての消費電力を低減することができる。
(7)残存エネルギ量までの放電を、多段噴射における最終段よりも前の燃料噴射について行った。これにより、多段噴射による消費電力を抑制しつつ、ピエゾインジェクタ10aの開弁条件の変化によってピエゾインジェクタ10aの意図せぬ開弁がなされる等の問題を回避することもできる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記第2の実施形態において、フィードバック補正の対象は、放電エネルギ量に限らず、例えば一部放電処理の開始時期や、ピエゾ素子52からエネルギを放出する速度、更には、一部放電前の充電エネルギ量等であってもよい。
・上記第2、第3の実施形態において、フィードフォワード制御を行うことなく、フィードバック制御のみを行ってもよい。この際、例えば第3の実施形態においては、ピエゾ素子52の応力の検出は、ピエゾインジェクタ10を開弁させるための充電処理の後、ノズルニードル34に加わる力が安定すると想定されるまで待機した後に行うことが望ましい。
・上記第4の実施形態において、ピエゾ素子52の電荷の管理手法としては、先の図16のチョッパ制御を行う期間及びピーク値Ipによる簡易な管理手法に限らない。例えばチョッパ制御の態様にかかわらず、先の図3に示したノードN2の電圧によって検出されるピエゾ素子52を流れる電流の時間積分値によってピエゾ素子52の電荷を管理してもよい。
・上記第1〜第4の実施形態においては、ブーツ型噴射を行ったがこれに限らず、ノズルニードル34を低リフトで保持する燃料噴射制御を行う場合には、本発明の適用が有効である。
・上記第5の実施形態において、ピエゾインジェクタ10aが閉弁するときの残存電荷量を算出し、同残存電荷量となるまでピエゾ素子52aを放電することで、ピエゾインジェクタ10aを閉弁させてもよい。ここで、残存電荷量を算出する際には、コモンレール6内の燃圧に加えて、ピエゾ素子52aの温度を用いることが望ましい。
・チョッパ制御を行う駆動回路としては、先の図3に例示したものに限らず、例えば特開平8−177678号公報等に例示されるように、トランスのフライバック電流を用いたチョッパ制御を行うものであってもよい。また、例えばピエゾ素子52の充電処理や放電処理を、チョッパ制御以外の手法で行ってもよい。
・内燃機関としては、ディーゼル機関に限らず、例えば筒内噴射式等のガソリン機関であってもよい。
第1の実施形態におけるエンジンシステムの全体構成を示す図。 同実施形態のピエゾインジェクタの断面構成を示す断面図。 同実施形態にかかるECUの構成を示す図。 同実施形態にかかるピエゾ素子の操作態様を示すタイムチャート。 同実施形態における燃料噴射時の噴射率波形を示すタイムチャート。 ブーツ型噴射を行う際の問題点を説明するタイムチャート。 上記問題点の原因を考察するための図。 上記実施形態にかかる燃料噴射制御の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態におけるブーツ型噴射のための処理態様を示すタイムチャート。 第2の実施形態にかかるピエゾ素子の操作のフィードバック補正態様を示すタイムチャート。 電圧降下量とノズルニードルのリフト変化量との関係を示す図。 上記実施形態にかかる燃料噴射制御の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態における電圧降下量に基づくフィードバック補正手法を示す図。 第3の実施形態におけるノズルニードルのリフト量の推定手法を示す図。 同実施形態におけるピエゾ素子の応力を検出する応力センサを示す図。 第4の実施形態にかかるチョッパ制御の態様を示すタイムチャート。 第5の実施形態にかかるピエゾインジェクタの断面構成を示す断面図。 同実施形態にかかる燃料噴射制御の処理手順を示すフローチャート。
符号の説明
6…コモンレール、10…ピエゾインジェクタ、23…充電スイッチ、25…放電スイッチ、52…ピエゾ素子、20…ECU(燃料噴射制御装置の一実施形態)。

Claims (7)

  1. アクチュエータとして機能するピエゾ素子の伸縮に応じて噴射口を開閉するノズルニードルのリフト量を連続的に調節可能なピエゾインジェクタについて、前記ピエゾ素子を伸縮操作することで燃料噴射を行う燃料噴射制御装置において、
    前記ピエゾインジェクタを開弁させるべく前記ピエゾ素子を充電して前記リフト量をゼロよりも大きくした後、前記リフト量を最大リフト量よりも小さくて且つゼロよりも大きい所定のリフト量にて保持すべく、前記ピエゾ素子に充電された電荷の一部を放電させる放電手段を備えることを特徴とする燃料噴射制御装置。
  2. 当該燃料噴射制御装置は、前記ピエゾインジェクタによる燃料噴射率を段階的に増大させるブーツ型噴射を行うものであり、
    前記ブーツ型噴射を、前記放電手段による放電後、前記ピエゾ素子を再度充電することで行うことを特徴とする請求項1記載の燃料噴射制御装置。
  3. 前記放電手段は、前記ピエゾインジェクタに供給される燃料の圧力、前記所定のリフト量での保持期間、及び該保持に際しての目標リフト量の少なくとも1つに基づき、前記放電処理の態様を設定することを特徴とする請求項1又は2記載の燃料噴射制御装置。
  4. 前記ピエゾインジェクタは、前記ノズルニードルのリフト量を増大させる側に流体の圧力が加わるニードルストッパを備えて且つ、前記ピエゾ素子の伸長により前記流体を加圧するものであり、
    前記ピエゾ素子を一旦充電した後、前記ノズルニードルのリフト量の保持期間のうち前記放電手段による放電期間以外の期間における前記ピエゾ素子の電圧降下量を検出する手段と、
    該検出される降下量を所望の降下量とすべく、前記ピエゾインジェクタを開弁させるための充電処理及び前記放電手段による放電処理の少なくとも一方の態様を補正する補正手段とを更に備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料噴射制御装置。
  5. 前記ピエゾインジェクタは、前記ノズルニードルのリフト量を増大させる側に流体の圧力が加わるニードルストッパを備えて且つ、前記ピエゾ素子の伸長により前記流体を加圧するものであり、
    前記ピエゾ素子の応力を検出する手段の検出結果を取り込み、前記検出される応力に応じて前記ピエゾインジェクタを開弁させるための充電処理及び前記放電手段による放電処理の少なくとも一方を補正することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料噴射制御装置。
  6. アクチュエータとして機能するピエゾ素子の充放電により開閉して且つ内燃機関に搭載されるピエゾインジェクタについて、前記ピエゾ素子を充電することで該ピエゾ素子を伸長操作し且つ前記ピエゾ素子を放電することで前記ピエゾ素子を縮小操作して燃料噴射制御を行う燃料噴射制御装置において、
    前記内燃機関の運転状態に基づき、前記ピエゾ素子の放電により前記ピエゾインジェクタが閉弁するときの前記ピエゾ素子の電気的な状態量を算出する算出手段と、
    前記ピエゾインジェクタを開弁させるべく前記ピエゾ素子を充電した後、前記算出手段によって算出される状態量となるまで前記ピエゾ素子を放電する放電手段とを備え、
    前記算出手段は、前記ピエゾインジェクタが閉弁するときの前記ピエゾ素子の電気的な状態量としての残存エネルギ量を前記ピエゾインジェクタに供給される燃料の圧力に基づき算出する処理、又は前記ピエゾインジェクタが閉弁するときの前記ピエゾ素子の電気的な状態量としての残存電荷量を前記ピエゾインジェクタに供給される燃料の圧力および前記ピエゾ素子の温度に基づき算出する処理を行うことを特徴とする燃料噴射制御装置。
  7. 当該燃料噴射制御装置は、任意の気筒の1燃焼サイクル内に複数回の燃料噴射をする多段噴射制御をするものであり、
    前記算出手段によって算出される状態量までの放電を、前記多段噴射における最終段よりも前の燃料噴射について行うことを特徴とする請求項6記載の燃料噴射制御装置。
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