JP2009057925A - 内燃機関の噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関の噴射制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009057925A
JP2009057925A JP2007227115A JP2007227115A JP2009057925A JP 2009057925 A JP2009057925 A JP 2009057925A JP 2007227115 A JP2007227115 A JP 2007227115A JP 2007227115 A JP2007227115 A JP 2007227115A JP 2009057925 A JP2009057925 A JP 2009057925A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
injection
fuel
timing
pressure
operation signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007227115A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4623066B2 (ja
Inventor
Kenichiro Nakada
謙一郎 中田
Koji Ishizuka
康治 石塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2007227115A priority Critical patent/JP4623066B2/ja
Priority to DE102008041659A priority patent/DE102008041659B4/de
Priority to CN2008102142868A priority patent/CN101377168B/zh
Priority to US12/201,426 priority patent/US20090063016A1/en
Publication of JP2009057925A publication Critical patent/JP2009057925A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4623066B2 publication Critical patent/JP4623066B2/ja
Priority to US13/434,139 priority patent/US8543314B2/en
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/30Controlling fuel injection
    • F02D41/38Controlling fuel injection of the high pressure type
    • F02D41/40Controlling fuel injection of the high pressure type with means for controlling injection timing or duration
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/20Output circuits, e.g. for controlling currents in command coils
    • F02D41/2096Output circuits, e.g. for controlling currents in command coils for controlling piezoelectric injectors
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M37/00Apparatus or systems for feeding liquid fuel from storage containers to carburettors or fuel-injection apparatus; Arrangements for purifying liquid fuel specially adapted for, or arranged on, internal-combustion engines
    • F02M37/0011Constructional details; Manufacturing or assembly of elements of fuel systems; Materials therefor
    • F02M37/0041Means for damping pressure pulsations
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M57/00Fuel-injectors combined or associated with other devices
    • F02M57/005Fuel-injectors combined or associated with other devices the devices being sensors
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M63/00Other fuel-injection apparatus having pertinent characteristics not provided for in groups F02M39/00 - F02M57/00 or F02M67/00; Details, component parts, or accessories of fuel-injection apparatus, not provided for in, or of interest apart from, the apparatus of groups F02M39/00 - F02M61/00 or F02M67/00; Combination of fuel pump with other devices, e.g. lubricating oil pump
    • F02M63/02Fuel-injection apparatus having several injectors fed by a common pumping element, or having several pumping elements feeding a common injector; Fuel-injection apparatus having provisions for cutting-out pumps, pumping elements, or injectors; Fuel-injection apparatus having provisions for variably interconnecting pumping elements and injectors alternatively
    • F02M63/0225Fuel-injection apparatus having a common rail feeding several injectors ; Means for varying pressure in common rails; Pumps feeding common rails
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D2200/00Input parameters for engine control
    • F02D2200/02Input parameters for engine control the parameters being related to the engine
    • F02D2200/06Fuel or fuel supply system parameters
    • F02D2200/0602Fuel pressure
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Abstract

【課題】経時的な特性変化も含めた時々の噴射特性に応じて、より適切な燃料噴射制御を行うことのできる燃料噴射制御装置を提供する。
【解決手段】燃料の噴射孔が形成された弁ボディと、その弁ボディに収容されて噴射孔を開閉するニードルと、そのニードルを往復駆動するピエゾ素子とを有し、そのピエゾ素子に対する噴射指令信号に応じて、単位時間当たりの燃料噴射量を示す噴射率を連続的に調整可能とするインジェクタ20に適用され、エンジンに対する燃料の噴射供給を制御する燃料噴射制御装置(ECU60)として、インジェクタ20の所定噴射について、その噴射に伴う燃圧変動の推移を示す燃圧波形を、燃圧センサ20aの出力に基づき検出するプログラムと、このプログラムにより検出された燃圧波形に基づいて、所定噴射に係る所定の噴射パラメータを同パラメータの基準値に近づけるような噴射指令信号を算出するプログラムと、を備える構成とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、所定の燃料噴射弁を通じて燃料を噴射する燃料供給システムに適用され、その燃料噴射特性を制御する燃料噴射制御装置に関する。
車載ディーゼルエンジン等においては、そのエミッションを改善する技術の1つとして、高圧化された燃料を、燃料噴射弁を通じてシリンダ内へ直接的に噴射供給する技術(高圧噴射)が知られている。そして少し前より、この高圧噴射を実現する燃料噴射システムとして、例えば特許文献1に記載されるようなシステム、いわゆるコモンレール式燃料噴射システムが注目されている。同システムにおいては、燃料ポンプから圧送された燃料が、コモンレールにより高圧状態で蓄圧され、その蓄圧された高圧燃料が、シリンダごとに設けられた配管(高圧燃料通路)を通じて、各シリンダの燃料噴射弁へそれぞれ供給されることになる。このシステムでは、上記コモンレールに対して、所定の圧力センサ(レール圧センサ)が設けられており、このレール圧センサの出力(センサ出力)に基づいて、燃料供給系を構成する各種装置の駆動を制御するように構成されている。
そして従来、こうしたコモンレール式燃料噴射システムにおいて、燃料噴射弁の噴射動作を制御する場合には、エンジン運転状態ごとの噴射パターン(適合値)が書き込まれたマップ(適合マップ)や数式を参照して、都度のエンジン運転状態に応じて噴射パターンを設定する制御方式が広く採用されている。この装置は、予め想定される各エンジン運転状態について実験等により求めた最適パターン(適合値)をマップや数式等として保持(例えばROMに記憶保持)することで、そのマップや数式等を参照しつつ、エンジン運転状態に応じた噴射パターンを設定するものである。
特開平10−220272号公報
しかしながら、例えばエンジン制御システムの各要素を大量生産して大量販売しようとする場合には通常、例えばエンジン間で、また多気筒エンジンの場合は気筒(シリンダ)間でも、上記燃料噴射弁を含めた各種の制御部品の特性について幾らかの個体差が生じることになる。そして、この場合に、その全て(例えば大量生産されて車両に搭載された全てのシリンダ)について、個体差も加味した適合値(最適な噴射パターン)を求めることは、現行の生産システムで考えた場合、手間がかかり過ぎて実情に即したものとはいえない。したがって、適合値の書き込まれたマップや数式を用いた場合でも、個体差による影響の全てが考慮された制御を行うことは困難である。
また、噴射制御を高い精度で行う場合には、制御部品の経年変化等に起因する特性変化も無視することができないものとなる。この点、前述した特許文献1に記載される装置を含めた従来の装置では、初期の段階において高い精度で最適値が得られたとしても、その後の特性変化の影響については知ることができない。このため、時間の経過と共に最適値からのずれが懸念されるようになる。なお、この場合において、予め実験値等により劣化係数(経時的な劣化の度合に係る係数)の適合値を求めておき、これをマップや数式等として保持する構成なども考えられる。しかし、こうした経時的な特性変化についても部品ごとに上述の個体差があるため、やはり完全にその影響を消し去ることは困難である。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、経時的な特性変化も含めた時々の噴射特性に応じて、より適切な燃料噴射制御を行うことのできる燃料噴射制御装置を提供することを主たる目的とするものである。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、対象エンジンに対して燃料を噴射供給する際の燃料噴射特性を制御する燃料噴射制御装置として、燃料の噴射孔が形成された弁ボディと、前記弁ボディに収容されて前記噴射孔を開閉する弁部材と、前記弁部材を往復駆動するアクチュエータとを有し、前記アクチュエータ操作信号に応じて、単位時間当たりの燃料噴射量を示す噴射率を連続的に調整可能とする燃料噴射弁に適用され、前記燃料噴射弁の所定噴射について、その噴射に伴う燃圧変動の推移を示す燃圧波形を検出する燃圧検出手段と、前記燃圧検出手段により検出された燃圧波形に基づいて、前記所定噴射に係る所定の噴射パラメータを同パラメータの基準値に近づけるような前記アクチュエータ操作信号を算出する操作信号算出手段と、を備えることを特徴とする。
発明者は、所定の噴射に伴う燃圧変動の推移(燃圧波形)がその噴射の重要な特性を示すことに注目し、この燃圧波形を検出するとともに、その検出された燃圧波形に基づいて、燃料噴射弁に対する噴射指令(噴射指令信号)、詳しくはその弁部材のアクチュエータ操作信号を可変設定する上記装置を発明した。こうした装置であれば、燃圧波形に基づいて、より容易且つ的確に、対象とする噴射の特性を所望の態様に制御することができる。しかもこの装置においては、多種ある燃料噴射弁の中でも、特に単位時間当たりの燃料噴射量(噴射率)を連続的に調整可能とする往復駆動式の燃料噴射弁を用いるようにしている。こうした噴射弁によれば、該噴射弁に対する噴射指令に基づいて、その噴射特性を精密に制御することができるようになる。しかも、こうした噴射弁は既に一部実用化されており、その実用性が確認されている。以上のように、上記請求項1に記載の装置によれば、時々の噴射特性に応じてより適切な燃料噴射制御を行うことができるようになり、その実用性も高い。
そして、この請求項1に記載の装置に関しては、請求項2に記載の発明のように、
・前記操作信号算出手段が、前記所定噴射の実行中にその実行中の噴射に係る前記アクチュエータ操作信号を算出するものであり、前記操作信号算出手段により算出されたアクチュエータ操作信号を、前記所定噴射の実行中にその実行中の噴射に係る指令として設定する操作信号設定手段を備える構成。
あるいは請求項8に記載の発明のように、
・前記操作信号算出手段により算出されたアクチュエータ操作信号を、その算出に際して実行された前記所定噴射の噴射終了後において再びその所定噴射と同種の噴射を実行する場合にその噴射に係る指令として設定する操作信号設定手段を備える構成。
といった構成が有効である。
請求項2に記載の装置であれば、前記所定噴射について、高い同時性で(リアルタイムに)噴射特性(圧力推移に相当)を検出することが可能になり、ひいては先に検出された圧力推移に基づいて後の噴射動作を調整することで、前のタイミングでの誤差を相殺することなどが可能になる。
そして、この請求項2に記載の装置に関しては、例えば請求項3に記載の発明のように、
・前記操作信号算出手段を、前記噴射パラメータとして1回の噴射における総噴射量を同パラメータの基準値に近づけるべく、前記燃圧波形に基づいて所定噴射における噴射開始タイミングを算出し、同噴射開始タイミングとその基準タイミングとのずれに基づいて、同噴射における噴射開始タイミング以降の前記アクチュエータ操作信号を算出するものとした構成。
あるいは請求項4に記載の発明のように、
・前記操作信号算出手段を、前記噴射パラメータとして1回の噴射における総噴射量を同パラメータの基準値に近づけるべく、前記燃圧波形に基づいて前記所定噴射における噴射開始から所定タイミングまでの噴射率の積分値又はその相関値を算出し、同積分値又は同相関値とその基準値とのずれに基づいて、同噴射における前記所定タイミング以降の前記アクチュエータ操作信号を算出するものとした構成。
あるいは請求項5に記載の発明のように、
・前記操作信号算出手段を、前記噴射パラメータとして1回の噴射における総噴射量を同パラメータの基準値に近づけるべく、前記燃圧波形に基づいて前記所定噴射における所定タイミングの噴射率を算出し、同噴射率とその基準値とのずれに基づいて、同噴射における前記所定タイミング以降のアクチュエータ操作信号を算出するものとした構成。
等々の構成が有効である。こうした構成であれば、所定タイミング後の噴射動作を調整することで、その所定タイミングにおける噴射率や噴射率積分値、又はそのタイミング自体(噴射開始タイミング)の誤差を相殺して、1回の噴射における総噴射量を好適に所望の値(基準値)に制御することが可能になる。
そして、上記請求項5に記載の装置に関しては、請求項6に記載の発明のように、前記所定タイミングの噴射率が、前記所定噴射における最大噴射率である構成とすることが有効である。
噴射率の中でも、特に最大噴射率が、噴射特性の特徴を示すものとして知られている。したがって、1回の噴射における総噴射量を調整する際にも、上記構成のように、最大噴射率のずれに基づいて、前記所定タイミング以降のアクチュエータ操作信号を算出する構成が特に有益になる。
また、1回の噴射における総噴射量を調整する上では、噴射終了タイミングが特に重要になる。したがって、上記請求項2から6のいずれか一項に記載の装置に関しては、請求項7に記載の発明のように、前記操作信号算出手段を、前記アクチュエータ操作信号として、前記所定噴射における噴射終了タイミングを決める信号を算出するものとした構成が特に有効である。こうした構成であれば、その所定噴射における総噴射量をより的確に調整することが可能になる。
一方、上記請求項8に記載の装置に関しては、所定噴射について取得した噴射データ(アクチュエータ操作信号)をそれ以降に実行する同種の噴射に適用することで、好適に噴射特性を改善することが可能になる。そして、このようなフィードバックをかけながら、噴射指令の作成を継続的に行うことで、長期にわたって適正な燃料噴射を行うことが可能になる。
そして、この請求項8に記載の装置に関しては、例えば請求項9に記載の発明のように、
・前記操作信号算出手段を、前記燃圧波形に基づいて、所定噴射における噴射率の推移を示す噴射率波形の立ち上がり角度又は立ち下がり角度を算出し、同立ち上がり角度又は同立ち下がり角度とその基準角度とのずれに基づき、同噴射における噴射率波形について、前記噴射パラメータとして前記立ち上がり角度又は前記立ち下がり角度を、同パラメータの基準値に近づけるような前記アクチュエータ操作信号を算出するものとした構成。
あるいは請求項10に記載の発明のように、
・前記操作信号算出手段を、前記燃圧波形に基づいて、所定噴射における噴射率の推移を示す噴射率波形の頂点の位置(多角形における辺(稜)の端点)を算出し、同頂点の位置とその基準点とのずれに基づき、同噴射における噴射率波形について、前記噴射パラメータとして前記頂点の位置を、同パラメータの基準値に近づけるような前記アクチュエータ操作信号を算出するものとした構成。
あるいは請求項11に記載の発明のように、
・前記操作信号算出手段を、前記燃圧波形に基づいて、所定噴射における噴射率の推移を示す噴射率波形の最大噴射率を算出し、同最大噴射率とその基準値とのずれに基づき、同噴射における噴射率波形について、前記噴射パラメータとして前記最大噴射率を、同パラメータの基準値に近づけるような前記アクチュエータ操作信号を算出するものとした構成。
あるいは請求項12に記載の発明のように、
・前記操作信号算出手段を、前記燃圧波形に基づいて、所定噴射における噴射率の推移を示す噴射率波形のうち、噴射率が一定値に維持されている安定区間の噴射率を算出し、同噴射率とその基準値とのずれに基づき、同噴射における噴射率波形について、前記噴射パラメータとして前記安定区間の噴射率を、同パラメータの基準値に近づけるような前記アクチュエータ操作信号を算出するものとした構成。
のいずれかの構成、又はこれらを任意に組み合わせた構成が有効である。これらの構成であれば、噴射特性に関わる所定パラメータ(立ち上がり・立ち下がり角度、頂点の位置、最大噴射率、安定区間の噴射率)を好適に所望の値(基準値)に制御することが可能になり、ひいては時々の噴射特性に応じて、より適切な燃料噴射制御を行うことができるようになる。
上記請求項9から12のいずれか一項に記載の装置に関しては、前記噴射率波形が、請求項13に記載の発明のように、三角形及び台形及び矩形のいずれか1つ、又はその少なくとも1種類を複数組み合わせた図形を描くものである構成が有効である。
一般的な燃料噴射弁を採用した場合には通常、その噴射率推移の描く図形が、上記図形のうちの、いずれかに該当するようになる。したがって、上記請求項9から12のいずれか一項に記載の装置について、一般的な燃料噴射弁を採用する場合には、こうした構成とすることが有益である。
請求項14に記載の発明では、上記請求項1から13のいずれか一項に記載の装置において、前記燃料噴射弁に供給される高圧燃料を蓄える蓄圧容器と、前記蓄圧容器の燃料吐出口から前記燃料噴射弁の噴射孔までの燃料通路のうち前記燃料吐出口の近傍よりも下流側の燃料通路を流れる燃料の圧力を検出する燃料圧力センサとを備える蓄圧容器式の燃料噴射システムに適用され、前記燃圧検出手段が、前記燃料圧力センサの出力に基づいて燃圧を逐次検出することにより前記燃圧波形を検出する、ことを特徴とする。
このように、蓄圧容器から燃料噴射弁の噴射孔までの燃料通路のうち、蓄圧容器の燃料吐出口近傍よりも燃料下流側に位置する所定箇所の圧力を測定する態様で、上記燃料圧力センサを配設することにより、そのセンサの配設位置において、所定の噴射に係る燃料噴射弁の噴射動作(例えば電磁弁の開閉に基づいてニードルを駆動するタイプの噴射弁ではその電磁弁の開閉動作など)及び実噴射(該噴射動作を通じて実際に行われた噴射)の少なくとも一方による圧力変動態様を的確に検出することが可能になる。詳しくは、上記特許文献1に記載の装置では、基本的には、コモンレール(蓄圧容器)内の圧力(レール圧)を測定するレール圧センサのみにより上記燃料噴射弁の燃圧(燃料圧力)を制御している。この装置において、噴射(噴射動作も含む)による圧力変動は、燃料噴射弁の噴射孔からコモンレールに到達するまでに減衰してしまい、レール圧の変動としては現れない。このため、こうした装置では、上記噴射により生じた圧力変動を精度よく検出することは困難である。これに対し、上記請求項14に記載の装置では、上記レール圧センサ(又はコモンレール近傍に設けられたセンサ)よりも燃料噴射口に近い位置で噴射圧力を測定する燃料圧力センサを備える。そのため、この圧力センサにより、噴射(噴射動作も含む)による圧力変動が減衰する前に、これを的確に捉えることが可能になる。したがって、このような装置によれば、前記燃圧検出手段により逐次検出された燃圧に基づいて、前記アクチュエータ操作信号をより適切に調整して、より適切な燃料噴射制御を行うことができるようになる。
また、特許文献1に記載されたような燃料噴射システムを構成する燃料噴射制御装置においては、例えばコモンレール内の圧力脈動を低減して安定した圧力により燃料噴射弁へ燃料を供給するなどの目的で、コモンレールと同コモンレールの燃料吐出側配管との接続部分に対して、該接続部分にて同配管を通じて前記コモンレールへ伝播される燃料脈動を軽減する燃料脈動軽減手段を設けることがある。この場合には、噴射(噴射動作も含む)による圧力変動が、燃料噴射弁の噴射孔で生じ、コモンレール燃料吐出側配管を通じてコモンレールへ向かって伝播してゆき、燃料脈動軽減手段にてそのうちの燃料脈動が軽減(減衰)される。したがって、こうした構成では、コモンレール内の圧力(レール圧)で噴射(噴射動作も含む)による圧力変動態様を正確に検出することがより困難になる。
この点、請求項15に記載の発明では、上記請求項1から13のいずれか一項に記載の装置において、前記燃料噴射弁に供給される高圧燃料を蓄える蓄圧容器と、前記蓄圧容器と同蓄圧容器の燃料吐出側配管との接続部分にて同配管を通じて前記蓄圧容器へ伝播される燃料脈動を軽減する燃料脈動軽減手段と、前記蓄圧容器から前記燃料噴射弁の噴射孔までの燃料通路のうち前記燃料脈動軽減手段よりも下流側の燃料通路を流れる燃料の圧力を検出する燃料圧力センサとを備える燃料噴射システムであり、前記燃圧検出手段が、前記燃料圧力センサの出力に基づいて燃圧を逐次検出することにより前記燃圧波形を検出する、ことを特徴とする。こうした構成であれば、上記燃料脈動軽減手段により燃料脈動が軽減される前に、上記燃料圧力センサにて圧力変動態様を検出することが可能になり、ひいてはより高い精度で圧力変動態様を検出することが可能になる。
またこの場合、前記燃料脈動軽減手段としては、請求項16に記載の発明のように、オリフィス(絞り部)、フローダンパ、又はそれらの組合せによって構成されるものを用いることが有益である。こうした構成であれば、上記目的を好適に達成することができる。また、オリフィスやフローダンパで燃料脈動を軽減する技術は、既に実用化され実績のある技術であるため、実用性や信頼性も高い。
また、上記請求項14から16のいずれか一項に記載の装置における前記燃料圧力センサの配設位置については、例えば請求項17に記載の発明のように、前記燃料圧力センサが、前記燃料噴射弁の内部又は近傍に設けられた構成が有効である。
前記燃料圧力センサの配設位置が前記燃料噴射弁の噴射孔に近い位置であるほどより高い精度で、その圧力センサのセンサ出力を通じて、噴射(噴射動作も含む)による圧力変動態様を検出することができるようになる。したがって、こうした圧力変動態様を高い精度で検出する上では、上記請求項17に記載の発明のように、前記燃料噴射弁の内部又は近傍に前記燃料圧力センサを設けるようにした構成とすることが有効である。またこの場合、特に前記燃料圧力センサが、前記燃料噴射弁の燃料取込口に設けられた構成とすれば、同燃料圧力センサの取付け性や保守性が容易になるとともに、比較的安定して高い精度で圧力を検出することが可能になる。
また一方、請求項18に記載の発明のように、前記燃料圧力センサを前記蓄圧容器の燃料吐出側配管に配設する場合にはそのセンサを、前記蓄圧容器よりも前記燃料噴射弁の燃料噴射口の方に近い位置に設けた構成が有益である。上記請求項14から17のいずれか一項に記載の装置においては、こうしたセンサを、燃料噴射弁で生じた圧力変動が減衰しきらない程度に、蓄圧容器よりも燃料噴射弁側へ近づけた位置に配設することが重要であり、そのためには、燃料噴射弁へ近い位置に配設することが好ましい。
請求項19に記載の発明では、上記請求項1から18のいずれか一項に記載の装置において、前記アクチュエータが、印加電圧を前記アクチュエータ操作信号として、該印加電圧の連続的な変化に応じて連続的に伸縮量を変化させる圧電素子である、ことを特徴とする。
このようにアクチュエータに圧電素子を用いるタイプの燃料噴射弁で、噴射率を連続的に調整可能とするものが既に周知である。したがって、上記請求項1から18のいずれか一項に記載の装置を、この種の燃料噴射弁に適用することで、その実用性が高められる。しかも、このような燃料噴射弁によれば、噴射率を連続的に制御することができ、例えば一度の噴射で噴射率を段階的に増加させる、いわゆるブーツ型噴射を実現することなども可能になる。
なお、本発明に備わる複数の手段の各機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組合せにより実現される。また、これら複数の手段の各機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
また、本発明は装置の発明として特定できるだけでなく、プログラムの発明としても、そのプログラムを記録した記録媒体の発明としても、方法の発明としても特定することができる。
以下、本発明を具体化した複数の実施形態について図面を参照しつつ説明する。各実施形態において同一の符号が付された構成要素は、その符号が付された他の実施形態の構成要素と対応する。
(第1実施形態)
第1実施形態の装置は、例えば自動車用エンジンとしてのレシプロ式ディーゼルエンジンを制御対象にしたコモンレール式燃料噴射システム(高圧噴射燃料供給システム)に搭載されている。すなわち、この装置も、先の特許文献1に記載の装置と同様、ディーゼルエンジン(内燃機関)のエンジン筒内の燃焼室に直接的に高圧燃料(例えば噴射圧力「1000気圧」以上の軽油)を噴射供給(直噴供給)する装置として用いられる、いわばディーゼルエンジン用の燃料噴射装置である。
まず、図1を参照して、本実施形態に係るコモンレール式燃料噴射システムの概略について説明する。なお、本実施形態のエンジンとしては、4輪自動車用の多気筒(例えば4気筒)エンジンを想定している。また、この図1において、各インジェクタ20は、燃料タンク10側から、それぞれシリンダ#1,#2,#3,#4用のインジェクタである。
同図1に示されるように、このシステムは、大きくは、ECU(電子制御ユニット)60が、各種センサからのセンサ出力(検出結果)を取り込み、それら各センサ出力に基づいて燃料供給装置の駆動を制御するように構成されている。ECU60は、燃料供給系を構成する各種装置の駆動を制御することで、例えばディーゼルエンジンの出力(回転速度やトルク)を制御すべく、同エンジンに対する燃料噴射圧力(本実施形態では、燃圧センサ20aにて測定される時々の燃料圧力)を目標値(目標燃圧)にフィードバック制御している。
燃料供給系を構成する諸々の装置は、燃料上流側から、燃料タンク10、燃料ポンプ11、及びコモンレール(蓄圧容器)12の順に配設されている。そして、燃料タンク10と燃料ポンプ11とは、燃料フィルタ10bを介して配管10aにより接続されている。
燃料タンク10は、対象エンジンの燃料(軽油)を溜めておくためのタンク(容器)である。また、燃料ポンプ11は、低圧ポンプ11a及び高圧ポンプ11bを有し、低圧ポンプ11aによって燃料タンク10から汲み上げられた燃料を、高圧ポンプ11bにて加圧して吐出するように構成されている。そして、高圧ポンプ11bに送られる燃料圧送量、ひいては燃料ポンプ11の燃料吐出量は、燃料ポンプ11の燃料吸入側に設けられた吸入調整弁(SCV:Suction Control Valve)11cによって調量されるようになっている。すなわち、燃料ポンプ11では、吸入調整弁11c(例えば非通電時に開弁するノーマリオープン型の調整弁)の駆動電流量(ひいては弁開度)を調整することで、同ポンプ11からの燃料吐出量を所望の値に制御することができるようになっている。
燃料ポンプ11を構成する2種のポンプのうち、低圧ポンプ11aは、例えばトロコイド式のフィードポンプとして構成されている。これに対し、高圧ポンプ11bは、例えばプランジャポンプからなり、図示しない偏心カム(エキセントリックカム)にて所定のプランジャ(例えば3本のプランジャ)をそれぞれ軸方向に往復動させることにより加圧室に送られた燃料を逐次所定のタイミングで圧送するように構成されている。いずれのポンプも、駆動軸11dによって駆動されるものである。駆動軸11dは、対象エンジンの出力軸であるクランク軸21に連動し、例えばクランク軸21の1回転に対して「1/1」又は「1/2」等の比率で回転するようになっている。すなわち、上記低圧ポンプ11a及び高圧ポンプ11bは、対象エンジンの出力によって駆動される。
燃料タンク10内の燃料は、燃料ポンプ11により燃料フィルタ10bを介して汲み上げられ、配管(高圧燃料通路)11eを通じてコモンレール12に加圧供給(圧送)される。そして、燃料ポンプ11から圧送された燃料は、コモンレール12により高圧状態で蓄圧され、その蓄圧された高圧燃料が、シリンダごとに設けられた配管(高圧燃料通路)14を通じて、各シリンダのインジェクタ20(燃料噴射弁)へそれぞれ供給されることになる。このシステムでは、燃料ポンプ11の駆動により圧送される燃料を各インジェクタ20により直接的にエンジンの各筒内(シリンダ内)へ噴射供給(直噴供給)するようになっている。なお、このエンジンは、4ストロークエンジンである。すなわち、このエンジンでは、吸入・圧縮・燃焼・排気の4行程による1燃焼サイクルが「720°CA」周期で逐次実行される。
各インジェクタ20は、低圧燃料通路18とも接続されており、低圧燃料通路18を介して燃料タンク10に燃料を戻すことが可能となっている。
このように、本実施形態に係る燃料供給系も、基本構成については、従来のシステムに準ずるものとなっている。ただし、本実施形態に係る燃料噴射装置では、各シリンダ(シリンダ#1〜#4)に対するインジェクタ20の近傍、特にその燃料取込口に対して、燃圧センサ20a(燃料通路圧力センサ)が設けられている。そして係る構成により、インジェクタ20の噴射動作や実噴射による圧力変動態様を高い精度で検出することができるようになっている。
次に、図2を参照して、インジェクタ20の構造を詳しく説明する。図2は、インジェクタ20の内部構造を示す断面図である。なお、上記4つのインジェクタ20(#1)〜(#4)は基本的には同様の構造(例えば図2に示す構造)となっている。いずれのインジェクタ20も、燃焼用の燃料(燃料タンク10内の燃料)を利用した燃料噴射弁である。
インジェクタ20は、複数の部材からなる弁ボディ30a,30b,30c,30dを備え、弁ボディ30dの先端部には、弁ボディ30dの内部とインジェクタ20の外部とを連通させる噴射孔32が形成されている。そして、弁ボディ30d内部には、弁部材としてのニードル34、ニードルストッパ36及びバランスピストン38が先端部側から順に配置され、弁ボディ30dの内壁に沿ってその軸方向に変位可能に収納されている。ニードル34と弁ボディ30dの内壁とによって区画形成されるニードル室35と、バランスピストン38の背面側のバランス室39とには、高圧燃料通路14(図1参照)から高圧燃料が供給される。
ニードルストッパ36のうち噴射孔32の反対側(以下、後方側と呼ぶ)の面と弁ボディ30cの内壁とで形成される背圧室41は、低圧燃料通路18(図1参照)と連通しており、その低圧燃料通路18からの燃料が供給される。背圧室41には、スプリング40が設けられており、これにより、ニードルストッパ36は、弁ボディ30cの噴射孔32側(以下、先端側と呼ぶ)へ押されている。
一方、ニードルストッパ36のうち噴射孔32側の面は、弁ボディ30cの内壁とともに第1油密室42を形成している。第1油密室42は、伝達通路44を介して、バランスピストン38よりも噴射孔32の反対側に位置する第2油密室46と接続されている。これら第1油密室42、伝達通路44、第2油密室46には、動力を伝達する媒体としての燃料が充填されている。
第2油密室46は、ピエゾピストン48のうち弁ボディ30bの噴射孔32側の面と弁ボディ30bの内壁とによって区画形成される空間である。ピエゾピストン48は、その内部に逆止弁50を備えており、低圧燃料通路18から第2油密室46への燃料の供給が可能となっている。また、ピエゾピストン48は、その後方側においてピエゾ素子52と接続されている。
上記ピエゾ素子52は、複数積層されて積層体(ピエゾスタック)を構成しており、これが逆圧電効果により伸縮することによりアクチュエータとして機能する。具体的には、ピエゾ素子52は、容量性の負荷であり、充電されることで伸長し、放電されることで縮小する。ちなみに、本実施形態に係るピエゾ素子52は、PZT等の圧電材料の圧電素子を利用したものである。
このインジェクタ20により燃料を噴射させる場合には、ピエゾ素子52への通電を実施する。これにより、ピエゾ素子52が伸長し、ピエゾピストン48が弁先端側(噴射孔32側)へ変位する。その結果、第2油密室46、伝達通路44及び第1油密室42内の燃圧が上昇し、ひいては第1油密室42内の燃料がニードルストッパ36を弁後方側に押す力が大きくなる。そして、この力と、ニードル室35内の高圧燃料がノズルニードル34を弁後方側に押す力との総和が、スプリング40及び低圧燃料がニードルストッパ36を弁先端側に押す力と、バランス室39内の高圧燃料がバランスピストン38の背面を弁先端側に押す力との総和を上回ると、ニードル34が弁後方側に変位し、インジェクタ20が開弁する。これにより、弁内部の燃料が噴射孔32を介して外部に噴射される。
一方、インジェクタ20による燃料噴射を停止させる場合には、ピエゾ素子52の電極間に蓄えられている静電エネルギーを放電する。これにより、ピエゾ素子52が収縮し、ピエゾピストン48が弁後方側に変位する。その結果、第2油密室46、伝達通路44及び第1油密室42内の燃圧が低下し、ひいては第1油密室42内の燃料がニードルストッパ36を弁後方側に押す力が小さくなる。そして、この力と、ニードル室35内の高圧燃料がノズルニードル34を弁後方側に押す力との総和が、スプリング40及び低圧燃料がニードルストッパ36を先端側に押す力、及びバランス室39内の高圧燃料がバランスピストン38の背面を弁先端側に押す力の総和を下回ると、ニードル34に弁先端側への力が付与され、結果としてインジェクタ20が閉弁する。これにより、インジェクタ20により燃料噴射が停止される。
インジェクタ20では、ピエゾ素子52の変位量に応じて、ひいては当該燃料噴射弁に対する噴射指令に応じて、ニードル34の弁後方側への変位量(往復移動量)、いわゆるリフト量が連続的に変化する。
次に、このようなピエゾ素子52を駆動制御するドライバユニット61の構成について、図3を参照して詳述する。なお、このドライバユニット61は、ECU60に内蔵されており、駆動回路70、同回路70を制御するコントローラ71等を有して構成されている。
図示されるように、バッテリ62からドライバユニット61に供給される電力は、駆動回路70のDC/DCコンバータ72に供給される。DC/DCコンバータ72は、バッテリ62の電圧(例えば「12V」)を、ピエゾ素子52を充電するための高電圧(例えば「200〜300V」)に昇圧する昇圧回路である。
DC/DCコンバータ72の昇圧電圧は、コンデンサ73に印加される。コンデンサ73は、その一方の端子がDC/DCコンバータ72側に接続され、また他方の端子が接地されている。そして、DC/DCコンバータ72の昇圧電圧がコンデンサ73に印加されると、コンデンサ73はピエゾ素子52に供給するための静電エネルギーを蓄える。
コンデンサ73のうちの高電位となる端子側、すなわち、DC/DCコンバータ72側は、充電スイッチ74と充放電コイル75との直列接続体を介して、ピエゾ素子52の高電位となる端子側に接続されている。そして、ピエゾ素子52の低電位となる端子側は、接地されている。充電スイッチ74と充放電コイル75との間には放電スイッチ76の一方の端子が接続されており、放電スイッチ76の他方の端子は接地されている。
放電スイッチ76には、接地側からコンデンサ73及び充放電コイル75間側に向かう方向を順方向とする態様にて、ダイオード77が並列接続されている。このダイオード77は、コンデンサ73、充電スイッチ74、充放電コイル75と共に、ピエゾ素子52を充電するチョッパ回路を構成するものであり、フリーホイーリングダイオードとして機能する。
一方、充電スイッチ74には、放電スイッチ76側からコンデンサ73側へと向かう方向を順方向とする態様にて、ダイオード78が並列接続されている。このダイオード78は、コンデンサ73、充放電コイル75、放電スイッチ76と共に、ピエゾ素子52に蓄えられた静電エネルギーを放電するチョッパ回路を構成するものであり、フリーホイーリングダイオードとして機能する。
上記構成の駆動回路70は、コントローラ71により制御される。詳しくは、コントローラ71は、演算部(後述の図5のステップS12,S13をはじめとする噴射制御に係る演算を行う部分)63からの噴射指令信号や、ノードN1を介して検出されるピエゾ素子52の電圧(操作電圧)、ノードN2を介して検出されるピエゾ素子52を流れる電流(操作電流)に基づき、充電スイッチ74や放電スイッチ76のオン/オフを制御する。ここで、上記演算部63からの噴射指令信号には、噴射率の基本波形(後述の図5のステップS12にて取得)や、噴射タイミングを指示する噴射タイミング信号(後述の図5のステップS13にて作成)などが含まれる。そして、これら各操作は、図4に示す態様にて行なわれる。なお、図4において、(a)は充電スイッチ74の操作態様の推移を示し、(b)は放電スイッチ76の操作態様の推移を示し、(c)はピエゾ素子52の操作電流の推移を示し、(d)はピエゾ素子52の操作電圧の推移を示している。
図示されるように、充電スイッチ74のオン・オフ操作によるチョッパ制御により、操作電流を増減させつつ、ピエゾ素子52の充電がなされる。具体的には、充電スイッチ74がオン操作されることによって、コンデンサ73、充電スイッチ74、充放電コイル75、ピエゾ素子52からなる閉ループ回路が形成される。これにより、コンデンサ73に蓄えられた静電エネルギーがピエゾ素子52の充電に供される。このとき、ピエゾ素子52を介して流れる電流量が増加する。一方、充電スイッチ74のオン操作の後、充電スイッチ74がオフ操作されることで、充放電コイル75、ピエゾ素子52、ダイオード77からなる閉ループ回路が形成される。これにより、充放電コイル75のフライホイールエネルギが、ピエゾ素子52に充電される。このとき、ピエゾ素子52を介して流れる電流量が減少する。
上記態様にて充電スイッチ74が操作される降圧チョッパ制御が行われることで、ピエゾ素子52が充電され、ピエゾ素子52の高電位となる端子側の電位が上昇する。なお、充電開始タイミングは、駆動パルス信号の立ち上がりタイミングにより規定される。
一方、放電スイッチ76のオン・オフ操作によるチョッパ制御により、操作電流を増減させつつピエゾ素子52の放電がなされる。具体的には、放電スイッチ76がオン操作されることで、放電スイッチ76、充放電コイル75、ピエゾ素子52によって閉ループ回路が形成される。これにより、ピエゾ素子52が放電される。このとき、ピエゾ素子52を介して流れる電流量が増加する。更に、放電スイッチ76のオン操作の後、放電スイッチ76がオフ操作されることで、コンデンサ73、ダイオード78、充放電コイル75、ピエゾ素子52によって閉ループ回路が形成される。これにより、充放電コイル75のフライホイールエネルギがコンデンサ73に回収される。
上記態様にて放電スイッチ76が操作される昇圧チョッパ制御が行われることで、ピエゾ素子52が放電され、ピエゾ素子52の高電位となる端子側の電位が低下する。なお、放電開始タイミングは、駆動パルス信号の立ち下がりにより規定されている。
このようなシステムの中で、電子制御ユニットとしてエンジン制御を行う部分がECU60である。このECU60(エンジン制御用ECU)は、周知のマイクロコンピュータ(図示略)を備えて構成され、上記各種センサの検出信号に基づいて対象エンジンの運転状態やユーザの要求を把握し、それに応じて上記吸入調整弁11cやインジェクタ20等を操作することにより、その時々の状況に応じた最適な態様で上記エンジンに係る各種の制御を行っている。また、このECU60に搭載されるマイクロコンピュータは、基本的には、各種の演算を行うCPU(基本処理装置)、その演算途中のデータや演算結果等を一時的に記憶するメインメモリとしてのRAM(Random Access Memory)、プログラムメモリとしてのROM(読み出し専用記憶装置)、データ保存用メモリとしてのEEPROM(電気的に書換可能な不揮発性メモリ)やバックアップRAM(ECU60の主電源停止後も車載バッテリ等のバックアップ電源により常時給電されているメモリ)、さらには、A/D変換器やクロック発生回路等の信号処理装置、外部との間で信号を入出力するための入出力ポート等といった各種の演算装置、記憶装置、信号処理装置、通信装置、及び電源回路等で構成されている。そして、ROMには、当該噴射特性検出や噴射指令補正に係るプログラムを含めたエンジン制御に係る各種のプログラムや制御マップ等が、またデータ保存用メモリ(例えばEEPROM)には、対象エンジンの設計データをはじめとする各種の制御データ等が、それぞれ予め格納されている。
本実施形態では、ECU60が、随時入力される各種のセンサ出力(検出信号)に基づいて、その時に出力軸(クランク軸21)に生成すべきトルク(要求トルク)、ひいてはその要求トルクを満足するための燃料噴射量を算出する。こうして、インジェクタ20の燃料噴射量を可変設定することで、各シリンダ内(燃焼室)での燃料燃焼を通じて生成される図示トルク(生成トルク)、ひいては実際に出力軸(クランク軸21)へ出力される軸トルク(出力トルク)を制御する(要求トルクへ一致させる)ようになっている。詳しくは、ECU60は、例えば時々のエンジン運転状態や運転者によるアクセルペダルの操作量等に応じた燃料噴射量を算出し、所望の噴射時期に同期して、その算出した燃料噴射量での燃料噴射を指示する噴射制御信号を上記インジェクタ20へ出力する。そして、インジェクタ20は噴射制御信号に基づいて燃料を噴射する。これにより、対象エンジンの出力トルクが目標値へ制御される。
なお、周知のように、ディーゼルエンジンにおいては、定常運転時、新気量増大やポンピングロス低減等の目的で、同エンジンの吸気通路に設けられた吸気絞り弁(スロットル弁)が略全開状態に保持される。したがって、定常運転時の燃焼制御(特にトルク調整に係る燃焼制御)としては燃料噴射量のコントロールが主となっている。
以下、図5を参照して、本実施形態に係る燃料噴射制御の基本的な処理手順について説明する。
なお、この図5の処理において用いられる各種パラメータの値は、例えばECU60に搭載されたRAMやEEPROM、あるいはバックアップRAM等の記憶装置に随時記憶され、必要に応じて随時更新される。そして、これら各図の一連の処理は、基本的には、ECU60でROMに記憶されたプログラムが実行されることにより、対象エンジンの各シリンダについてそれぞれ1燃焼サイクルにつき1回の頻度で順に実行される。すなわち、このプログラムにより、1燃焼サイクルで休止シリンダを除く全てのシリンダに燃料の供給が行われることになる。
図5に示すように、この一連の処理においては、まずステップS11で、所定のパラメータ、例えばその時のエンジン回転速度(クランク角センサ22による実測値)及び燃料圧力(燃圧センサ20aによる実測値)、さらには運転者によるその時のアクセル操作量(アクセルセンサ24による実測値)等を読み込む。そして、続くステップS12では、上記ステップS11で読み込んだ各種パラメータに基づいて(必要に応じて外部負荷による損失等も含めた要求トルクを別途算出して)噴射パターンを設定する。
なお、この噴射パターンは、例えば上記ROMに記憶保持された所定の基準マップ(噴射制御用マップ、数式でも可)及び補正係数に基づいて取得される。詳しくは、例えば予め上記所定パラメータ(ステップS11)の想定される範囲について実験等により最適噴射パターン(適合値)を求め、そのマップに書き込んでおく。ちなみに、この噴射パターンは、例えば噴射段数(1燃焼サイクル中の噴射回数)、並びにそれら各噴射の噴射時期(噴射タイミング)及び噴射率の基本波形(例えば台形やブーツ型)等のパラメータにより定められるものである。こうして、上記マップは、それらパラメータと最適噴射パターンとの関係を示すものとなっている。
続くステップS13では、ステップS12において取得された噴射パターン(特に上記噴射時期)に基づいて、コントローラ71(図3)に対して噴射タイミングを指示する噴射タイミング信号(噴射指令)を作成する。そして、こうして作成された噴射パターンに対応する噴射信号は、続くステップS14で使用される。すなわち、同ステップS14では、こうした噴射タイミング信号を、先のステップS12にて取得された基本波形共々、コントローラ71(図3)に対して出力する。こうすることで、同コントローラ71により、それらの信号(噴射指令信号)に対応した操作電流信号(操作電流の目標値に相当)が作成され、その作成された操作電流信号に応じて、充電スイッチ74及び放電スイッチ76(図3)のオン/オフ状態が制御されることになる。そしてこれにより、上記インジェクタ20の駆動(詳しくは噴射に係る駆動)が制御され、その噴射率波形が、上記基本波形(ステップS12にて取得)に制御されることになる。このインジェクタ20の駆動制御をもって、図5の一連の処理は終了する。本実施形態では、こうした一連の処理を通じて、車両の状況等に応じて、パイロット噴射、プレ噴射、アフタ噴射、ポスト噴射等を適宜メイン噴射と共に実行する。
次に、図6及び図7を参照して、こうした図5の処理による燃料噴射制御の一態様について説明する。
図6に、上記各噴射指令信号及びこれら噴射指令信号から作成される操作電流信号の一例をタイムチャートとして示す。なお、この例の基本波形は台形を描くものであり、同図6においては、(a)が図5のステップS13にて作成される噴射タイミング信号を、(b)が上記噴射指令信号に基づいてコントローラ71にて作成される操作電流信号を、(c)が図5のステップS12にて取得される噴射率の基本波形を、それぞれ示している。
同図6(c)に示すように、この例では、先の図5のステップS12にて取得される基本波形が、図中の頂点P1〜P4、すなわちタイミングt10,t20,t30,t40や台形の高さDによって示されている。ここで、第2頂点P2から第3頂点P3までの期間(t20〜t30)を期間T1(台形の上底に相当)、第1頂点P1から第4頂点P4までの期間(t10〜t40)を期間T2(台形の下底に相当)とすると、燃料噴射量に相当する台形の面積Qcは、「Qc=1/2×D×(T1+T2)」と表すことができる。こうした台形の噴射においては、この面積Qcが、1回の噴射における総噴射量の目標値に相当する。
先の図5のステップS13においては、こうした台形を描く噴射率推移の噴射が実行されるべき時期(噴射開始時期)を定めるべく、上記ステップS12にて取得された噴射パターンの噴射時期に基づいて、上記噴射タイミング信号を作成する。すなわち、上記噴射タイミング信号(図6(a))の立ち上がりタイミングtp1については、これを、上記基本波形の描く台形(図6(c))の第1頂点P1のタイミングt10を設定したいタイミング(噴射パターンの噴射時期)に応じて設定する。ただし、実際には、立ち上がりタイミングtp1が出力されてから噴射が開始(実行)されるまでには、遅れ(例えば遅れ時間Td0)がある。このため、立ち上がりタイミングtp1は、予めその遅れを想定して、実際にタイミングt10を設定したいタイミングよりも遅れ時間Td0の分だけ早いタイミングに設定する。
また、先の図5のステップS14においては、上記各噴射指令信号(基本波形及び噴射タイミング信号)に基づいて、上記操作電流信号を作成する。すなわち、上記噴射タイミング信号(図6(a))の立ち上がりタイミングtp1を充電(正)パルス操作電流(図6(b)、図4も併せ参照)の通電開始タイミングに設定するとともに、上記基本波形の第3頂点P3のタイミングt30に応じて放電(負)パルス操作電流(図6(b)、図4も併せ参照)の通電開始タイミングに設定する。ただし、実際には、放電パルス操作電流が流れてから噴射率が降下するまでには、遅れ(例えば遅れ時間Te0)がある。このため、放電パルス操作電流の通電開始タイミングtp2は、予めその遅れを想定して、実際にタイミングt30を設定したいタイミングよりも遅れ時間Te0だけ速いタイミングに設定する。
また、実際の噴射率波形においては、図6(c)中の第1頂点P1の角度θ1及び第4頂点P4の角度θ2に相当する部分が、それぞれ充電(正)パルス操作電流信号及び放電(負)パルス操作電流信号(図6(b))のパルス幅に応じて変化する。したがってコントローラ71は、基本波形(上記噴射指令信号として受信)における角度θ1,θ2の大きさに応じて、それぞれ上記操作電流信号のパルス幅、すなわち充電パルス操作電流信号及び放電パルス操作電流信号のパルス幅を可変設定するようにしている。詳しくは、角度θ1(噴射率波形の立ち上がり角度)が大きいほど、充電パルス操作電流信号のパルス幅をより大きく設定する。また、角度θ2(噴射率波形の立ち下がり角度)が大きいほど、放電パルス操作電流信号のパルス幅をより大きく設定する。
また、実際の噴射率波形においては、図6(c)中の上底に相当する第2頂点P2から第3頂点P3までの安定区間の長さT1に相当する部分についてもこれが、充電パルス操作電流信号及び放電パルス操作電流信号が共に基準レベル(ゼロレベル)に維持される操作電流維持期間の長さT1a(図6(b))に応じて変化する。したがってコントローラ71は、基本波形(上記噴射指令信号として受信)における安定区間の長さT1に応じて、操作電流維持期間の長さT1aを可変設定するようにしている。詳しくは、長さT1が長いほど、操作電流維持期間の長さT1aをより長く設定する。
図7は、図6に示したような各噴射指令信号及び操作電流信号に基づいて上記インジェクタ20の燃料噴射制御が実行された場合について、その噴射に係る各パラメータの推移の一例を示すタイミングチャートである。この図7において、(a)は噴射タイミング信号を、(b)は操作電流信号に基づいてピエゾ素子52に流れる操作電流を、(c)はピエゾ素子52に印加される操作電圧を、(d)は(b)の操作電流信号に基づいて噴射される噴射率の推移(噴射率波形)を、それぞれ示している。
同図7に示すように、この燃料噴射制御に際しては、まず、噴射率波形を立ち上げるべく、上記コントローラ71(図3)にて作成された充電パルス操作電流信号に基づいて、複数の正パルス波形を示す操作電流(図7(b))が充電スイッチ74(図3)に出力される。その結果、タイミングt100〜t101では、ピエゾ素子52の充電に供される操作電流が流れ、操作電圧が上昇する。これにより、ニードル34(図2)のリフト量が増大するとともに、噴射孔32(図2)を介して噴射される単位時間あたりの燃料量、すなわち噴射率が上昇し、図6(c)に示した基本波形(台形)のうち、第1頂点P1から第2頂点P2までの部分が得られることになる。
その後、タイミングt101〜t102では、基本波形(台形)の上底に相当する部分(図6(c)中の第2頂点P2から第3頂点P3までの安定区間)を得るべく、充電パルス信号及び放電パルス信号が共に基準レベル(ゼロレベル)に維持される。
そして次に、噴射率波形を立ち下げるべく、上記コントローラ71(図3)にて作成された放電パルス信号に基づいて、複数の負パルス波形を示す操作電流(図7(b))が放電スイッチ76(図3)に出力される。その結果、タイミングt102〜t103では、ピエゾ素子52に蓄えられた静電エネルギーの放電に伴う操作電流が流れ、操作電圧が低下する。これにより、ニードル34(図2)のリフト量が減少するとともに、噴射孔32(図2)を介して噴射される単位時間あたりの燃料量、すなわち噴射率が低下し、図6(c)に示した基本波形(台形)のうち、第3頂点P3から第4頂点P4までの部分が得られることになる。
こうして、上記図5のステップS14の処理により、基本波形に対応した台形の噴射率波形を得ることができる。
本実施形態では、上述したような噴射制御を実施しながら、燃圧センサ20aの出力に基づいて、対象とするインジェクタ(所定シリンダのインジェクタ)20による所定噴射について、その噴射に伴う燃圧変動の推移(燃圧波形)を検出するようにしている。そして、その検出された燃圧波形に基づき、その所定噴射に係るタイミング(本実施形態では噴射開始タイミング)を検出するとともに、このタイミングの検出値に基づき、その所定噴射の実行中に、その噴射1回における総噴射量を同パラメータの基準値に近づけるような操作信号を算出して、その操作信号によりピエゾ素子52(図2)を操作するようにしている。具体的には、噴射開始タイミングずれによる総噴射量の誤差を補償すべく、上記噴射パターン(図5のステップS12)による噴射終了タイミングをリアルタイムに補正することにより、その実行中の噴射の噴射終了タイミングを適切なタイミングに設定(ピエゾ素子52の操作信号に基づき設定)して、噴射開始からその噴射終了までの総噴射量を所望の値(基準値)に制御するようにしている。
以下、図8〜図10を参照して、上記燃圧センサ20aの出力に基づいて噴射開始タイミングを検出する場合の一態様について詳述する。
まず、この噴射タイミングの検出に際しては、燃圧センサ20aの出力を取り込み、その出力から、各タイミングにおける燃料圧力の1階微分値及び2階微分値を算出する。図8は、このデータ取得(センサ出力の取込み及び保存、いわゆる学習処理)及び微分値算出に係る一連の処理を示すフローチャートである。なお、この図8に示す一連の処理は、基本的には、ECU60でROMに記憶されたプログラムが実行されることにより、所定処理間隔で(例えば「20μsec」間隔で)逐次実行される。
同図8に示すように、この一連の処理に際しては、まずステップS21で、燃圧センサ20aの出力を取り込み、続くステップS22では、圧力値Pの前回値と今回値との差分として、圧力1階微分値dP(=P(今回値)−P(前回値))を算出し、続くステップS23では、圧力1階微分値dPの前回値と今回値との差分として、圧力2階微分値ddP(=dP(今回値)−dP(前回値))を算出する。そして、続くステップS24において、それら各データP,dP,ddPを保存して、この一連の処理を終了する。
図9は、図8のステップS23にて算出された圧力2階微分値ddPに基づいて、噴射開始タイミング(図6中のタイミングt10に対応するタイミング)を検出するプログラムの流れを示すフローチャートである。このプログラムも、ECU60により所定周期(例えば「20μsec」間隔)で逐次実行される。
同図9に示されるように、この一連の処理においては、まずステップS31で、当該噴射について、噴射指令(通電開始)がなされており、且つ、噴射開始タイミングが未検出であるか否かを判定し、このステップS31で、その噴射について、噴射指令がなされており、且つ、噴射開始タイミングが未検出である旨を判定した場合にのみ、ステップS32以降の処理を実行する。すなわち、このステップS31の条件を満足している期間が、噴射開始タイミングの検出期間に相当する。
ステップS32では、先の図8のステップS23で算出した圧力2階微分値ddPが、所定の閾値K1よりも小さい(ddP<K1)か否かを判定する。
ここで、閾値K1は、「0」よりも小さい値(<0)、すなわち負の値に設定される。また、その値の設定に際しては、予め実験等により求められた複数のマップに基づいて可変設定される。これは、噴射開始に伴う圧力下降の勾配が、噴射直前の燃料圧力、噴射実行タイミング、及び筒内圧力に応じて変化することに対応したものである。すなわち、圧力下降の勾配がより急峻になるほど、閾値K1をより小さな値(負側に大きい値)に設定する。
図10(a)は、燃料圧力レベル(燃圧センサ20aによる実測値)と、実験等により求められた閾値K1の適合値(最適値)との関係を示すマップである。同図10(a)に示されるように、このマップによれば、燃料圧力レベルが収束点(この例では「80MPa」)に到達するまでは、燃料圧力レベルが大きくなるほど閾値K1がより小さな値に設定される。そして、燃料圧力レベルが収束点に到達すると、燃料圧力レベルの増加に対して閾値K1の小さくなる度合が非常に小さくなる。
また、図10(b)は、噴射実行タイミングと、実験等により求められた閾値K1の適合値(最適値)との関係を示すマップである。なおここで、噴射実行タイミングは、インジェクタ20に対する噴射開始指令で指示される噴射開始指示タイミング、詳しくは噴射指令パルスの立ち上がり(通電開始)タイミングとして検出される。同図10(b)に示されるように、このマップによれば、噴射実行タイミングがTDC(上死点)に近づくほど、閾値K1がより小さな値に設定される。
また、図10(c)は、対象エンジンのシリンダ内の圧力(例えば筒内圧センサによる実測値)と、実験等により求められた閾値K1の適合値(最適値)との関係を示すマップである。同図10(c)に示されるように、このマップによれば、筒内圧力が大きくなるほど、閾値K1がより小さな値に設定される。
このように、本実施形態では、圧力下降の勾配に合わせて閾値K1を可変設定することで、上記圧力下降、ひいては上記噴射開始タイミングt1をより高い精度で検出するようにしている。
このステップS32の処理は、タイミングt1の検出期間において繰り返し行われる。そして、同ステップS32で、圧力2階微分値ddPが閾値K1よりも小さくない旨を判定した場合には、図9の一連の処理を終了し、圧力2階微分値ddPが閾値K1よりも小さい旨を判定した場合には、続くステップS33にて、その時のタイミングを、噴射開始タイミングt1として、所定の記憶装置に保存する。
このように、本実施形態では、噴射開始に伴う圧力下降の生じたタイミング、ひいては噴射開始タイミングt1を、圧力2階微分値ddPが閾値K1の大側から小側へ移行するタイミング(クロス点)として検出するようにしている。こうした検出方式によれば、上記圧力下降を的確にとらえることが可能になり、ひいては噴射開始タイミングを高い精度で検出することが可能になる。
図11は、噴射開始タイミング算出プログラムの実行の結果として算出された噴射開始タイミングに基づいて、上記噴射指令信号(特に基本波形)を補正するためのプログラム(噴射指令補正プログラム)の流れを示すフローチャートである。このプログラムに基づく処理においては、まず、ステップS41で、図9の処理により取得された噴射開始タイミングt1がその基準タイミング(図6に示すタイミングt10)に対してずれているか否かを判定し、ずれが生じている旨を判定した場合にのみ、ステップS42の処理を実行する。詳しくは、噴射開始タイミングt1とその基準タイミングt10とのずれTd1が閾値K11よりも大きいか否かを判定する。
ステップS42では、噴射開始タイミングt1とその基準タイミングt10とのずれTd1に基づいて、総噴射量がその基準値に近づくように噴射指令信号を補正する。詳しくは、噴射開始タイミングt1のずれに応じて、基本波形における安定区間T1(図6(c)、台形の上底に相当)がTd1だけ延長又は短縮されるように噴射指令信号を補正する。これにより、コントローラ71(図3)において操作電流信号の操作電流維持期間T1a(図6(b))が延長又は短縮され、結果として噴射終了タイミングの基準タイミングt30(図6(c))がTd1だけ調整(変更)されることになる。このように噴射終了タイミングを調整することにより、総噴射量をその基準値に近づけることができる。例えば、図12(a)に示すように、噴射開始タイミングt1がその基準タイミングt10に対してTd1だけ遅れた場合には、その遅れTd1だけ基本波形における安定区間T1(台形の上底)を延長する。その結果、操作電流維持期間T1a(図6(b))が延長され、噴射終了タイミングの基準タイミングt30がTd1だけ遅れる。こうして、図13(c)に示すように放電パルス操作電流信号の発生タイミングを遅らせる(破線から実線へ変更する)ことにより、図12(b)に示すように噴射開始タイミングt1の遅延による噴射量の減少分ΔQc(図12(a)の斜線部分参照)を補うことができ、ひいては総噴射量Qcをその基準値に調整することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
(1)燃料の噴射孔32が形成された弁ボディ30a〜30dと、それらの弁ボディに収容されて噴射孔32を開閉するニードル34と、そのニードル34を往復駆動するピエゾ素子52とを有し、そのピエゾ素子52に対する噴射指令信号に応じて、単位時間当たりの燃料噴射量を示す噴射率を連続的に調整可能とするインジェクタ20に適用され、エンジンに対する燃料の噴射供給を制御する燃料噴射制御装置(エンジン制御用ECU30)として、インジェクタ20の所定噴射について、その噴射に伴う燃圧変動の推移を示す燃圧波形を検出するプログラム(図8のステップS21)と、このプログラムにより検出された燃圧波形に基づいて、1回の噴射における総噴射量をその基準値に近づけるようなピエゾ素子52の噴射指令信号を算出するプログラム(図11のステップS42)と、を備える構成とした。
こうした構成にすることで、燃圧波形に基づいて、より容易且つ的確に、対象とする噴射の総噴射量をその基準値に近づけることができる。しかもこの装置においては、多種ある燃料噴射弁の中でも、噴射率を連続的に調整可能とする往復駆動式の燃料噴射弁を用いるようにしている。こうしたインジェクタ20によれば、同インジェクタ20に対する噴射指令信号に基づいて、その噴射特性を精密に制御することができるようになる。しかも、こうしたインジェクタ20は既に一部実用化されており、その実用性が確認されている。以上のように、上記構成によれば、時々の噴射特性に応じてより適切な燃料噴射制御を行うことができるようになり、その実用性も高い。
(2)図11の処理において、所定噴射の実行中にその実行中の噴射に係る噴射指令信号(ピエゾ素子52に対する噴射指令)の補正量を算出するように構成した。そして、算出された噴射指令信号の補正量で、上記所定噴射の実行中にその実行中の噴射に係る噴射指令信号を補正するプログラム(図11のステップS42)を備える構成とした。こうした構成にすることで、上記所定噴射について、高い同時性で(リアルタイムに)噴射特性(圧力推移に相当)を検出することが可能になり、ひいては先に検出された圧力推移に基づいて後の噴射動作を調整することで、前のタイミングでの誤差を相殺することなどが可能になる。
(3)上記燃圧センサ20aを接続部分12a(オリフィス)よりもインジェクタ20側に設けたことで、オリフィスにより燃料脈動が軽減される前に上記燃圧センサ20aにて圧力変動態様を検出することが可能になり、ひいてはより高い精度で圧力変動態様を検出することが可能になる。
(4)一般にコモンレール12に取り付けられるレール圧センサを割愛したことで、コモンレール12近傍のスペースを大きく確保することが可能になる。そして、上記燃圧センサ20aを備える構成であれば、このようにレール圧センサを割愛した場合にも、燃圧センサ20aのセンサ出力に基づいて、通常の燃料噴射制御を適切に行うことが可能となる。
(5)図8の処理において、上記燃圧センサ20aのセンサ出力を、該センサ出力にて圧力推移波形の軌跡が描かれる程度(20μsec)に短い間隔で逐次取得するように構成した。これにより、上記燃圧波形(圧力変動態様)を高い精度で的確に検出することができるようになる。
(6)燃圧センサ20aが、シリンダ#1〜#4のインジェクタ20の燃料取込口に対して、それぞれ1つずつ設けられた構成とした。これにより、燃圧センサ20aの取付け性や保守性が容易になるとともに、比較的安定して高い精度で圧力を検出することが可能になる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態の各構成要素のうち、第1実施形態の対応する構成要素と実質的に同一であるものについては、これら各構成要素に第1実施形態と同一符号を付して、説明を省略する。
この第2実施形態では、上記燃圧センサ20aの出力に基づき、実際の噴射に係る噴射率波形について、噴射開始タイミング以外の各種タイミング及びその各タイミングでの噴射率も検出するようにしている。そして、それら検出された各タイミング及び噴射率に基づいて、その噴射に係る噴射率波形を検出するとともに、その検出された噴射率波形を前述の基本波形(図6(c))に近づけるような操作電流信号、すなわち上記ピエゾ素子52(図2)に対する操作信号(アクチュエータ操作信号)を算出している。ただし、本実施形態では、算出に際して実行された所定噴射の実行中には、算出した操作電流信号を設定しない。すなわち、こうして算出された操作電流信号は、その所定噴射の噴射終了後において再びその所定噴射と同種の噴射(例えば図5のステップS12の基準マップにおける同一又は類似パターン)を実行する場合にその噴射に係る指令として設定する。具体的には、図5のステップS12の補正係数を更新することで、次回以降の燃焼サイクルで再び同種の噴射が実行された場合に、同ステップS12にて、その補正係数の反映された噴射パターンを取得することにより、長期にわたって適正な噴射指令が得られるようにしている。
はじめに、図14〜図17を参照して、上記噴射率波形について、噴射開始タイミング以外の各種タイミング、詳しくは最大噴射率到達タイミング、噴射率降下開始タイミング、及び噴射終了タイミング、並びにそれら各タイミングの噴射率を検出する場合の一態様について詳述する。なお、これら各図の処理も、基本的には、ECU60でROMに記憶されたプログラムが実行されることにより、所定処理間隔で(例えば「20μsec」間隔で)逐次実行される。また、ここでは説明を割愛するが、本実施形態でも、前述した図8及び図9の一連の処理がそれぞれ逐次実行されており、第1実施形態と同様の態様で、噴射開始タイミングを検出している。そして、噴射開始タイミング以外のタイミングを検出する場合にも、図8の処理にて算出、保存された各データP,dP,ddPなどに基づいて、目的のタイミングを検出するようにしている。
(最大噴射率到達タイミング検出処理)
図14は、最大噴射率到達タイミング検出プログラムの流れを示すフローチャートである。すなわち、このプログラムでは、最大噴射率到達タイミング(図6(c)中のタイミングt20に対応するタイミング)を検出する。
このプログラムに基づく一連の処理においては、まずステップS51で、当該噴射について、噴射開始タイミングt1が検出されており、且つ、最大噴射率到達タイミングt2が未検出であるか否かを判定し、このステップS51で、その噴射について、噴射開始タイミングt1の検出がなされており、且つ、最大噴射率到達タイミングt1が未検出である旨を判定した場合にのみ、ステップS52以降の処理を実行する。すなわち、このステップS51の条件を満足している期間が、上記最大噴射率到達タイミングt2の検出期間に相当する。
ステップS52では、先の図14のステップS42で算出した圧力1階微分値dPの前回値が「0」よりも小さくて(dP(前回値)<0)、且つ、圧力1階微分値dPの今回値が所定の閾値K2(例えば固定値、ただし可変値でもよい)以上である(dP(今回値)≧K2)か否かを判定する。ここで、閾値K2は、「0」よりも大きい値(>0)、すなわち正の値に設定される。
このステップS52の処理は、タイミングt2の検出期間において繰り返し行われる。そして、同ステップS52にて、「dP(前回値)<0」で且つ「dP(今回値)≧K2」ではない旨を判定した場合には、図14の一連の処理を終了し、「dP(前回値)<0」で且つ「dP(今回値)≧K2」である旨を判定した場合には、続くステップS53にて、その時のタイミングを、最大噴射率到達タイミングt2として、所定の記憶装置(例えばEEPROMやバックアップRAMなど)に保存する。また、そのタイミングt2における燃料圧力、ひいては噴射率(タイミングt1からの燃料圧力の低下量が同タイミングt2における噴射率に相当する)も併せ、同記憶装置に保存する。
このように、本実施形態では、噴射開始の際に生じた燃料圧力の急峻な下降が終わって燃料圧力が安定するタイミング、ひいては最大噴射率到達タイミングt2を、圧力1階微分値dPが閾値K2の小側から大側へ移行するタイミング(クロス点)として検出するようにしている。こうした検出方式によれば、上記燃料圧力の安定するタイミングを的確にとらえることが可能になり、ひいては最大噴射率到達タイミングt2を高い精度で検出することが可能になる。
(噴射終了タイミング検出処理)
図15は、噴射終了タイミング検出プログラムの流れを示すフローチャートである。すなわち、このプログラムでは、噴射終了タイミング(図6(c)中のタイミングt40に対応するタイミング)を検出する。
このプログラムに基づく一連の処理においては、まずステップS61で、当該噴射について、噴射開始タイミングt1が検出されており、且つ、噴射終了タイミングt4が未検出であるか否かを判定し、このステップS61で、その噴射について、噴射開始タイミングt1の検出がなされており、且つ、噴射終了タイミングt4が未検出である旨を判定した場合にのみ、ステップS62以降の処理を実行する。すなわち、このステップS61の条件を満足している期間が、上記噴射終了タイミングt4の検出期間に相当する。
ステップS62では、先の図15のステップS42で算出した圧力1階微分値dPの前回値が「0」よりも大きくて(dP(前回値)>0)、且つ、圧力1階微分値dPの今回値が所定の閾値K3(例えば固定値、ただし可変値でもよい)以下である(dP(今回値)≦K3)か否かを判定する。ここで、閾値K3は、「0」よりも小さい値(<0)、すなわち正の値に設定される。
このステップS62の処理は、噴射終了タイミングt4の検出期間において繰り返し行われる。そして、同ステップS62にて、「dP(前回値)>0」で且つ「dP(今回値)≦K3」ではない旨を判定した場合には、図15の一連の処理を終了し、「dP(前回値)>0」で且つ「dP(今回値)≦K3」である旨を判定した場合には、続くステップS63にて、その時のタイミングを、噴射終了タイミングt4として、所定の記憶装置(例えばEEPROMやバックアップRAMなど)に保存する。また、そのタイミングt4における燃料圧力、ひいては噴射率も併せ、同記憶装置に保存する。
このように、本実施形態では、噴射弁の閉弁に伴って生じた燃料圧力の急峻な上昇が終わって燃料圧力の脈動が始まるタイミング、ひいては噴射終了タイミングt4を、圧力1階微分値dPが閾値K3の大側から小側へ移行するタイミング(クロス点)として検出するようにしている。こうした検出方式によれば、上記圧力変動態様の変化を的確にとらえることが可能になり、ひいては噴射終了タイミングを高い精度で検出することが可能になる。
(噴射率降下開始タイミング検出処理)
図16は噴射率降下開始タイミング検出プログラムの流れを示すフローチャートである。すなわち、このプログラムでは、噴射率降下開始タイミング(図6(c)中のタイミングt30に対応するタイミング)を検出する。
このプログラムに基づく一連の処理においては、まずステップS71で、当該噴射について、噴射終了タイミングt4が検出されており、且つ、噴射率降下開始タイミングt3が未検出であるか否かを判定し、このステップS71で、その噴射について、噴射終了タイミングt4の検出がなされており、且つ、噴射率降下開始タイミングt3が未検出である旨を判定した場合にのみ、ステップS72以降の処理を実行する。
ステップS72では、噴射終了タイミングt4よりも所定の戻り時間Tcだけ前のタイミング(t4−Tc)として、上記最大噴射率到達後に噴射率が降下を開始するタイミングを検出し、続くステップS73にて、その噴射率降下開始タイミングt3を所定の記憶装置(例えばEEPROMやバックアップRAMなど)に保存する。また、そのタイミングt3における燃料圧力、ひいては噴射率も併せ、同記憶装置に保存する。
ここで、戻り時間Tcは、予め実験等により求められた複数のマップ、例えば図17(a)(b)に示すようなマップに基づいて可変設定される。これは、噴射率が降下し始めてから噴射が終了するまでの時間が、噴射直前の燃料圧力(安定時の燃料圧力レベル)、及び噴射時間に応じて変化することに対応したものである。
図17(a)は、燃料圧力レベル(燃圧センサ20aによる実測値)と、実験等により求められた戻り時間Tcの適合値(最適値)との関係を示すマップである。同図17(a)に示されるように、このマップによれば、燃料圧力レベルが大きくなるほど、戻り時間Tcがより短い値に設定される。
また、図17(b)は、噴射時間(例えば噴射指令のパルス幅として検出)と、実験等により求められた戻り時間Tcの適合値(最適値)との関係を示すマップである。同図17(b)に示されるように、このマップによれば、噴射時間が長くなるほど、戻り時間Tcがより長い値に設定される。
このように、本実施形態では、上記噴射終了タイミング検出プログラム(図15参照)に基づく処理により検出された噴射終了タイミングt4との相対的な位置関係に基づいて、上記最大噴射率到達後に噴射率が降下を開始するタイミングを検出するようにしている。こうした検出方式によれば、噴射率降下開始タイミングt3を高い精度で検出することが可能になる。
上記図14〜図17に示したように、本実施形態の装置は、所定噴射における、噴射開始タイミングt1、最大噴射率到達タイミングt2、噴射率降下開始タイミングt3、及び噴射終了タイミングt4、並びにそれら各タイミングでの噴射率を、それぞれ検出するプログラムを備える。そして、図示は割愛するが、これらのタイミング及び噴射率に基づいて、第1頂点P1の立ち上がり角度θ1a(図6(c)中の角度θ1に対応する角度)、第4頂点P4の立ち下がり角度θ2a(図6(c)中の角度θ2に対応する角度)、及び最大噴射率(図6(c)中の台形の高さDに対応する噴射率)といった関連パラメータを検出するプログラムも、さらに備える。そして、これら各種パラメータに基づき、上記インジェクタ20について、所定の噴射補正を行うようにしている。なお、上記最大噴射率は、第2頂点P2の噴射率、第3頂点P3の噴射率、又はこれら頂点P2からP3までの安定区間の任意のタイミングにおける噴射率、もしくは同区間の複数のタイミングについての噴射率平均などとして算出することができる。
本実施形態の噴射指令補正プログラムでは、これら各種パラメータとそれらの各基準値(頂点P1〜P4における位置及び角度など:図6(c)参照)とのずれに基づいて、同噴射以降の噴射におけるピエゾ素子52の操作信号(操作電流信号)を補正するようになっている。詳しくは、図5のステップS12の補正係数を更新することにより操作電流信号を補正する。
次に、図18を参照して、この噴射指令補正プログラムにより、噴射率波形とその基本波形とのずれに基づいて、上記インジェクタ20に対する噴射指令信号(ピエゾ素子52の操作量)を補正する処理について説明する。図18は、噴射指令補正プログラムの流れを示すフローチャートである。このプログラムは所定時間毎(例えば燃焼サイクル毎)で実行される。
図18に示すステップS81では、上記タイミング検出処理の結果として検出された、噴射開始タイミングt1、最大噴射率到達タイミングt2、噴射率降下開始タイミングt3、及び噴射終了タイミングt4に基づいて、噴射率波形がその基準波形とずれているか否かを判定する。
具体的には、噴射開始タイミングt1のずれに関しては、上記ステップS81において、例えば「第3頂点P3及び第4頂点P4が一致し、かつ、第1頂点P1及び第2頂点P2が時間軸に対して許容レベル以上に平行にずれている(各頂点については図6参照)」か否かを判定する。すなわち、先の図6(c)の基本波形に基づいて噴射を行った場合には、例えば図19に示すように、噴射率波形(実線)とその基本波形(破線)との両波形間において、第1頂点P1の立ち上がり角度が一致した状態で、噴射開始タイミングにずれ(タイミングt10とタイミングt1との間のずれ)が生じることがある。そこで、上記ステップS81では、こうしたタイミングずれの有無を検出する。そして、同ステップS81において、このようなタイミングずれが生じている旨を判定した場合には、ステップS82において、噴射開始タイミングのずれTd1に応じて充電パルス操作電流信号(図6(b))が時間軸に対して平行に移動するように指令信号を補正する。
また、噴射終了タイミングt4のずれに関しては、上記ステップS81において、例えば「第1頂点P1及び第2頂点P2が一致し、かつ、第3頂点P3及び第4頂点P4が時間軸に対して平行にずれている(各頂点については図6参照)」か否かを判定する。すなわち、先の図6(c)の基本波形に基づいて噴射を行った場合には、例えば図20に示すように、噴射率波形(実線)とその基本波形(破線)との両波形間において、第4頂点P4の立ち下がり角度は一致した状態で、最大噴射率到達後に噴射率が降下を開始するタイミング(噴射終了タイミング)にずれ(タイミングt40とタイミングt4との間のずれ)が生じることがある。そこで、上記ステップS81では、こうしたタイミングずれの有無を検出する。そして、同ステップS81において、このようなタイミングずれが生じている旨を判定した場合には、ステップS83において、噴射率降下開始タイミングのずれTd2に応じて放電パルス操作電流信号(図6(b))が時間軸に対して平行に移動するように噴射指令信号を補正する。
また、第1頂点P1の立ち上がり角度θ1aのずれに関しては、上記ステップS81において、例えば角度θ1aとその基準値とのずれが許容レベル(例えば所定値)よりも大きいか否かを判定する。すなわち、先の図6(c)の基本波形に基づいて噴射を行った場合には、例えば図21に示すように、噴射率波形(実線)とその基本波形(破線)との両波形間において、第1頂点P1の立ち上がり角度にずれ(角度θ1と角度θ1aとの間のずれ)が生じることがある。そこで、上記ステップS81では、こうした角度ずれの有無を検出する。そして、同ステップS81において、このような角度ずれが生じている旨を判定した場合には、ステップS84において、噴射率波形の立ち上がり角度のずれに応じて充電パルス操作電流信号のパルス幅(図6(b))を増減させるべく噴射指令信号を補正する。充電パルス操作電流信号のパルス幅を大きくするほど、第1頂点P1の立ち上がり角度を大きくすることができる。
また、第4頂点P4の立ち下がり角度θ2aのずれに関しては、上記ステップS81において、例えば角度θ2aとその基準値とのずれが許容レベル(例えば所定値)よりも大きいか否かを判定する。すなわち、先の図6(c)の基本波形に基づいて噴射を行った場合には、例えば図22に示すように、噴射率波形(実線)とその基本波形(破線)との両波形間において、第4頂点P4の立ち下がり角度にずれ(角度θ2と角度θ2aとの間のずれ)が生じることがある。そこで、上記ステップS81では、こうした角度ずれの有無を検出する。そして、同ステップS81において、このような角度ずれが生じている旨を判定した場合には、ステップS85において、放電パルス操作電流信号のパルス幅(図6(b))を増減させるべく噴射指令信号を補正する。放電パルス操作電流信号のパルス幅を大きくするほど、第4頂点P4の立ち下がり角度を大きくすることができる。
また、最大噴射率のずれに関しては、上記ステップS81において、噴射率波形(実線)とその基本波形(破線)との両波形間において、最大噴射率が許容レベル(例えば所定値)よりもずれているか否かを判定する。そして、同ステップS81において、このような噴射率ずれが生じている旨を判定した場合には、ステップS86において、充電パルス操作電流信号のパルス数を増減させるべく噴射指令信号を補正する。
以上のように、本実施形態では、噴射率波形をその基本波形に近づけるべく、インジェクタ20に対する噴射指令信号(ピエゾ素子52の操作量)を補正する。
以上詳述した本実施形態によれば、先の第1実施形態による(3)〜(6)の効果に加えて、以下の優れた効果が得られる。
(7)燃料の噴射孔32が形成された弁ボディ30a〜30dと、それらの弁ボディに収容されて噴射孔32を開閉するニードル34と、そのニードル34を往復駆動するピエゾ素子52とを有し、そのピエゾ素子52に対する噴射指令信号に応じて、単位時間当たりの燃料噴射量を示す噴射率を連続的に調整可能とするインジェクタ20に適用され、エンジンに対する燃料の噴射供給を制御する燃料噴射制御装置(エンジン制御用ECU30)として、インジェクタ20の所定噴射について、その噴射に伴う燃圧変動の推移を示す燃圧波形を検出するプログラム(図8のステップS21)と、このプログラムにより検出された燃圧波形に基づいて、噴射率波形をその基本波形に近づけるようなピエゾ素子52の噴射指令信号を算出するプログラム(図18のステップS82〜S86)と、を備える構成とした。
こうした構成にすることで、燃圧波形に基づいて、より容易且つ的確に、対象とする噴射の噴射率波形をその基本波形に近づけることができる。しかもこの装置においては、多種ある燃料噴射弁の中でも、噴射率を連続的に調整可能とする往復駆動式の燃料噴射弁を用いるようにしている。こうしたインジェクタ20によれば、同インジェクタ20に対する噴射指令信号に基づいて、その噴射特性を精密に制御することができるようになる。しかも、こうしたインジェクタ20は既に一部実用化されており、その実用性が確認されている。以上のように、上記構成によれば、時々の噴射特性に応じてより適切な燃料噴射制御を行うことができるようになり、その実用性も高い。
(8)噴射率波形とその基本波形とのずれを算出し、その算出に際して実行された上記所定噴射の噴射終了後に再びその所定噴射と同種の噴射を実行する場合において、噴射率波形にずれがある場合には(図18のステップS81)、その噴射に係る噴射指令信号をそのずれに応じて補正するように構成した(図18のステップS82〜S86)。こうした構成にすることで、所定噴射について取得した噴射率波形のずれから算出した補正量をそれ以降に実行する同種の噴射に適用することで、好適に噴射特性を改善することが可能になる。そして、このようなフィードバックをかけながら、噴射指令信号の作成を継続的に行うことで、長期にわたって適正な燃料噴射を行うことが可能になる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
・上記第1実施形態では、所定噴射の総噴射量(噴射率波形の面積に相当)の誤差を補償すべく、同噴射における噴射開始タイミングのずれに基づいて、噴射終了タイミングを補正するようにした。しかしこれに限られず、例えば噴射開始タイミングのずれに基づいて、噴射開始タイミング以降の別のタイミング、例えば最大噴射率到達タイミングや噴射率降下開始タイミング(図6(c)中のタイミングt20,t30)を補正するようにしてもよい。また、噴射開始タイミング以外のタイミング、例えば最大噴射率到達タイミングのずれに基づいて、そのタイミング以降の所定タイミング、例えば噴射率降下開始タイミングを補正するようにしてもよい。さらに、総噴射量を調整する際の補正処理においては、タイミング自体を変更せずに、同タイミングにおける噴射率を補正するようにしてもよい。要は、対象噴射に係る所定のタイミングについてずれ(誤差)が生じた場合に、そのタイミング以降の波形を同タイミングのずれに応じて調整することで、総噴射量を所望の値(基準値)に近づけることができる。
・上記第2実施形態では、噴射開始タイミングt1、噴射率降下開始タイミングt3、噴射率波形の立ち上がり角度θ1、噴射率波形の立ち下がり角度θ2、及び最大噴射率Dの全てを、それらの基準値に近づけるべく、ピエゾ素子52の操作信号を調整した。しかしながら、これらのうち、一部だけを調整するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、噴射率の基本波形が台形であるとして説明した。しかしこれに限られず、任意の図形を基本波形として採用することができる。ただし、より一般的な燃料噴射弁の特性を反映するような実用性の高い構成とする上では、基本波形として、三角形及び台形及び矩形のいずれか1つ、又はその少なくとも1種類を複数組み合わせた図形を採用することが有効である。代表的な例としては、上記台形状のほか、矩形状、三角形状(デルタ型)、ブーツ型(2つの台形の組合せに相当)などが知られている。図23に、こうしたブーツ型の基本波形の一例を示す。
・上記各実施形態では、噴射率の基本波形が台形であるとして説明した。しかしながら、上記噴射率の基本波形としては、ブーツ型の波形を設定することが可能である。図23に、こうしたブーツ型の基本波形の一例を示す。
同図23に示すように、この例では、基本波形が、6つの頂点P1b〜P6bの位置、すなわちタイミングt10b,t20b,t30b,t40b,t50b,t60b、並びにブーツ型の中段(安定区間)の高さ(中間噴射率)D1及びブーツ型の上段(安定区間)の高さD2によって規定されている。なお、この基本波形では、高さD2が最大噴射率に相当する。
この場合でも、第1実施形態と同様に、所定噴射の実行中に、その噴射1回における総噴射量を同パラメータの基準値に近づけるような操作信号を算出して、その操作信号によりピエゾ素子52(図2)を操作する構成とすることができる。例えば噴射開始タイミングのずれ(図23(c)中の基準タイミングt10bとその検出値とのずれ)に応じてピエゾ素子52の操作信号(噴射指令信号)を可変設定する。こうすることで、その噴射開始タイミングのずれを補償すべく、噴射率波形のうち、図中、辺P2b〜P3bに相当する部分や辺P4b〜P5bに相当する部分を延長又は短縮して、噴射終了タイミングを調整することができ、ひいては実際の総噴射量を基本波形の総噴射量(面積に相当)に近づけることができる。
また、こうしたブーツ型の基本波形に関しても、第2実施形態と同様に、所定噴射に係る噴射率波形を検出するとともに、その検出された噴射率波形を基本波形(図23(c))に近づけるような操作電流信号、すなわち上記ピエゾ素子52(図2)に対する操作信号(アクチュエータ操作信号)を算出し、この操作信号を、その所定噴射の噴射終了後において再びその所定噴射と同種の噴射(例えば図5のステップS12の基準マップにおける同一又は類似パターン)を実行する場合に、その噴射に係る指令として設定する構成とすることができる。例えば噴射開始タイミング(図23(c)中の基準タイミングt10bに対応するタイミング)、中間噴射率到達タイミング(同図中の基準タイミングt20bに対応するタイミング)、中間噴射率到達後に噴射率が上昇を開始するタイミング(同図中の基準タイミングt30bに対応するタイミング)、最大噴射率到達タイミング(同図中の基準タイミングt40bに対応するタイミング)、及び噴射率降下開始タイミング(同図中の基準タイミングt60bに対応するタイミング)、並びにこれら各タイミングでの噴射率のうち、必要なパラメータを検出し、それぞれその検出値と基準値とのずれ(実際の噴射率波形と基本波形とのずれに相当)を算出する。そして、このずれを補償すべく、例えば図5のステップS12における補正係数の更新などを行って、その噴射以降の噴射におけるピエゾ素子52の操作信号(噴射指令信号)を可変設定することにより、噴射率波形をその基本波形に近づけることができる。
・所定噴射における噴射開始タイミングt1から所定タイミングまでの噴射率の積分値又はその相関値を算出し、同積分値又は同相関値とその基準値とのずれに基づいて、同噴射における上記所定タイミング以降のピエゾ素子52の操作信号(噴射指令信号)を設定してもよい。図24及び図25にこのような制御の一例を示す。図24は、噴射率の積分値を算出するためのプログラムである。一方、図25は、補正信号作成プログラムの流れを示すフローチャートである。これらのプログラムは、所定の噴射において、所定処理間隔で(例えば「20μsec」間隔で)逐次実行される。また、これら各図の処理において用いられる各種パラメータの値は、例えばECU30に搭載されたRAMやEEPROM、あるいはバックアップRAM等の記憶装置に随時記憶され、必要に応じて随時更新される。
図24に示すステップS91では、対象の噴射(所定噴射)が開始されたか否かを判定する。そして、このステップS91において、その噴射が開始された旨を判定した場合には、ステップS92の処理に進み、噴射が開始されていない旨を判定した場合には、このプログラムの実行を終了する。
ステップS92では、その時の燃圧(燃圧センサ20aによる実測値)からその時の噴射率IRを算出(例えば所定の計算式にて算出、基本的には噴射に伴う燃圧低下が大きいほど噴射率は大きい)し、続くステップS93では、その噴射率IRを積算することにより、噴射率の積分値IRint(=IRint(前回値)+IR)を算出する。
ステップS94では、対象とする噴射が終了したか否かを判定する。詳しくは、例えば先の図15の処理を逐次実行して、その処理により噴射終了タイミングt4が検出されたか否かを判定する。そして、このステップS94において、噴射が終了していない旨を判定した場合には、そのままこのプログラムの実行を終了する。一方、噴射が終了した旨を判定した場合には、ステップS95においてIRintを0とした(IRint=0)後、このプログラムの実行を終了する。
上記処理を繰り返し実行することで、噴射開始から噴射終了までの間は、その対象噴射について、噴射開始からその時までの総噴射量を示す上記積分値IRintが逐次更新、保存されることになる。すなわち、こうしたプログラムにより、所定噴射における噴射開始タイミングt1から所定タイミングまでの噴射率の積分値を算出することができる。
図25に示すステップS101では、最大噴射率到達タイミングt2になったか否かを判定する。そして、最大噴射率到達タイミングt2である旨を判定すると、ステップS102の処理に進み、最大噴射率到達タイミングt2でない旨を判定すると、このプログラムの実行を終了する。
ステップS102では、上記図24の処理により算出された積分値IRintとその基準値とのずれΔIRintが所定の閾値K12よりも大きいか否かを判定する。そして、ΔIRintが閾値K12よりも大きい旨を判定すると、ステップS103の処理に進み、ΔIRintが閾値K12以下である旨を判定すると、このプログラムの実行を終了する。
ステップS103では、積分値のずれΔIRintに応じた補正信号(噴射率波形を補正するための信号)を作成する。例えば噴射率降下開始タイミングや噴射終了タイミングなどを補正する。これにより、都度の噴射における噴射開始タイミングt1から最大噴射率到達タイミングt2までの噴射量に基づいて、最大噴射率到達タイミングt2以降の噴射率IRを調整することができ、ひいてはその積分値IRint、さらには1回の噴射における総噴射量についてもこれを、所望の値に近づけることができるようになる。
なお、ここでは一例として、最大噴射率到達タイミングt2までの噴射量に基づいて同タイミングt2以降の噴射率IRを調整する場合について言及した。しかし、上記積分値IRintのずれΔIRintの確認ポイントは上記最大噴射率到達タイミングに限られず、これに代えて、噴射開始から噴射終了までの任意のタイミングを用いることができる。
・所定噴射における所定タイミングの噴射率とその基準値とのずれを算出し、その噴射率のずれに基づいて、同噴射における上記所定タイミング以降のピエゾ素子の操作信号(噴射指令信号)を設定してもよい。図26に、そうした補正信号作成プログラムの一例をフローチャートとして示す。なお、このプログラムは、所定の噴射において、所定処理間隔で(例えば「20μsec」間隔で)逐次実行される。また、これら各図の処理において用いられる各種パラメータの値は、例えばECU30に搭載されたRAMやEEPROM、あるいはバックアップRAM等の記憶装置に随時記憶され、必要に応じて随時更新される。
図26に示すステップS111では、その時の燃圧(燃圧センサ20aによる実測値)からその時の噴射率IRを算出(例えば所定の計算式にて算出、基本的には噴射に伴う燃圧低下が大きいほど噴射率は大きい)する。そして、続くステップS112では、同ステップS111にて算出された噴射率IRとその基準値(例えば基本波形に基づき可変設定、基本波形については図6や図23を参照)とのずれΔIRが閾値K13よりも大きいか否かを判定する。ここで、ΔIRが閾値K13よりも大きい旨を判定すると、ステップS113に進み、ΔIRが閾値K13以下である旨を判定すると、このプログラムの実行を終了する。ステップS113では、噴射率のずれΔIRに応じた補正信号が作成される。これにより、都度の噴射における噴射率がピエゾ素子52の操作信号にフィードバックされる。こうした構成によれば、噴射率の波形自体を、所望の波形に近づけることができるようになる。
・上記各実施形態では、予め実験等により適合値を定めた適合マップ(図5のステップS12にて使用)を採用するようにした。しかし、補正後の値に十分な信頼性が得られれば、上記適合マップを必要としない構成、いわゆる適合レスの構成を採用することも可能になる。
・上記各実施形態では、燃料圧力を検出するための燃圧センサ20a(燃料圧力センサ)を、上記インジェクタ20の燃料取込口に取り付けるようにした。しかしこれに限られず、この燃圧センサ20aを、上記インジェクタ20の内部(例えば図2の噴孔20f近傍)に設けるようにしてもよい。また、こうした燃料圧力センサの数は任意であり、例えば1つのシリンダの燃料流通経路に対して2つ以上のセンサを設けるようにしてもよい。また上記実施形態では、燃圧センサ20aを各シリンダに対して設けるようにしたが、このセンサを一部のシリンダ(例えば1つのシリンダ)だけに設け、他のシリンダについてはそのセンサ出力に基づく推定値を用いるようにしてもよい。
・上記各実施形態では、接続部分12aにオリフィスを設け、このオリフィスでコモンレール12内の圧力脈動を低減するようにした。しかし、このオリフィスに代えて、又はこのオリフィスと共に、フローダンパ(燃料脈動軽減手段)を設けることで、同コモンレール12内の圧力脈動を低減するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、「20μsec」間隔(周期)で上記燃圧センサ20aのセンサ出力を逐次取得する構成について言及したが、この取得間隔は、上述した圧力変動の傾向を捉えることができる範囲で適宜に変更可能である。ただし、発明者の実験によると、「50μsec」よりも短い間隔が有効である。
・上記燃圧センサ20aに加えて、さらにコモンレール12内の圧力を測定するレール圧センサを備える構成とすることも有効である。こうした構成であれば、上記燃圧センサ20aによる圧力測定値に加え、コモンレール12内の圧力(レール圧)も取得することができるようになり、より高い精度で燃料圧力を検出することができるようになる。
・制御対象とするエンジンの種類やシステム構成も、用途等に応じて適宜に変更可能である。
例えば上記各実施形態では、一例としてディーゼルエンジンに本発明を適用した場合について言及したが、例えば火花点火式のガソリンエンジン(特に直噴エンジン)等についても、基本的には同様に本発明を適用することができる。なお、直噴式ガソリンエンジンの燃料噴射システムでは、燃料(ガソリン)を高圧状態で蓄えるデリバリパイプを備えており、このデリバリパイプに対して燃料ポンプから燃料が圧送されるとともに、同デリバリパイプ内の高圧燃料がインジェクタからエンジン燃焼室内に噴射供給される。この場合、デリバリパイプが蓄圧容器に相当する。また、本発明に係る装置及びシステムは、シリンダ内に燃料を直接的に噴射する燃料噴射弁に限らず、エンジンの吸気通路又は排気通路に燃料を噴射する燃料噴射弁についても、その燃料噴射圧力の制御等のために用いることができる。また、対象とする燃料噴射弁は、図2に例示したインジェクタに限られず、噴射率を連続的に調整可能とするものであれば任意である。そして、上記各実施形態及び変形例についてこうした構成の変更を行う場合には、上述した各種の処理(プログラム)についても、その細部を、実際の構成に応じて適宜最適なかたちに変更(設計変更)することが好ましい。
・上記各実施形態及び変形例では、各種のソフトウェア(プログラム)を用いることを想定したが、専用回路等のハードウェアで同様の機能を実現するようにしてもよい。
第1実施形態に係る燃料噴射制御装置が搭載されたシステムの構成を示す図。 同システムに用いられる燃料噴射弁の内部構造を示す断面図。 燃料噴射弁を駆動するドライバユニットの構成を示す図。 燃料噴射弁のアクチュエータであるピエゾ素子の操作態様を示すタイミングチャート。 燃料噴射制御プログラムの流れを示すフローチャート。 基本波形として台形が設定されている場合における操作電流信号の作成態様を示すタイミングチャート。 燃料噴射制御の実行時における噴射に係るパラメータの推移の一例を示すタイミングチャート。 燃圧の取得及び微分値算出に係るプログラムの流れを示すフローチャート。 第1実施形態に係る噴射開始タイミング検出プログラムの流れを示すフローチャート。 同噴射開始タイミングの検出に用いられる閾値を可変設定するためのマップ。 第1実施形態に係る噴射指令補正プログラムの流れを示すフローチャート。 第1実施形態に係る噴射指令補正処理の処理態様を示すタイミングチャート。 第1実施形態に係る噴射指令補正処理の処理態様を示すタイミングチャート。 第2実施形態に係る最大噴射率到達タイミング検出プログラムの流れを示すフローチャート。 第2実施形態に係る噴射終了タイミング検出プログラムの流れを示すフローチャート。 第2実施形態に係る噴射率降下開始タイミング検出プログラムの流れを示すフローチャート。 同噴射率降下開始タイミングの検出に用いられる戻り時間を可変設定するためのマップ。 第2実施形態に係る噴射指令補正プログラムの流れを示すフローチャート。 噴射開始タイミングにずれが生じた場合の噴射率波形とその基本波形との関係を示すタイミングチャート。 噴射終了タイミングにずれが生じた場合の噴射率波形とその基本波形との関係を示すタイミングチャート。 噴射率波形の立ち上がり角度にずれが生じた場合の噴射率波形とその基本波形との関係を示すタイミングチャート。 噴射率波形の立ち下がり角度にずれが生じた場合の噴射率波形とその基本波形との関係を示すタイミングチャート。 他の実施形態に係る基本波形としてブーツ型が設定されている場合における操作電流信号の作成態様を示すタイミングチャート。 他の実施形態に係る噴射率の積分値を算出するためのプログラムの流れを示すフローチャート。 他の実施形態に係る補正信号作成プログラムの流れを示すフローチャート。 他の実施形態に係る補正信号作成プログラムの流れを示すフローチャート。
符号の説明
10…燃料タンク、11…燃料ポンプ、12…コモンレール(蓄圧容器)、14…高圧燃料通路、18…低圧燃料通路、20…インジェクタ、20a…燃圧センサ、21…クランク軸、22…クランク角センサ、24…アクセルセンサ、30a,30b,30c,30d…弁ボディ、32…噴射孔、34…ニードル(弁部材)、52…ピエゾ素子(アクチュエータ)、60…ECU(燃圧検出手段、操作信号算出手段、操作信号設定手段)、61…ドライバユニット、62…バッテリ、70…駆動回路。

Claims (19)

  1. 燃料の噴射孔が形成された弁ボディと、前記弁ボディに収容されて前記噴射孔を開閉する弁部材と、前記弁部材を往復駆動するアクチュエータとを有し、前記アクチュエータに対するアクチュエータ操作信号に応じて、単位時間当たりの燃料噴射量を示す噴射率を連続的に調整可能とする燃料噴射弁に適用され、
    前記燃料噴射弁の所定噴射について、その噴射に伴う燃圧変動の推移を示す燃圧波形を検出する燃圧検出手段と、
    前記燃圧検出手段により検出された燃圧波形に基づいて、前記所定噴射に係る所定の噴射パラメータを同パラメータの基準値に近づけるような前記アクチュエータ操作信号を算出する操作信号算出手段と、
    を備えることを特徴とする燃料噴射制御装置。
  2. 前記操作信号算出手段が、前記所定噴射の実行中にその実行中の噴射に係る前記アクチュエータ操作信号を算出するものであり、
    前記操作信号算出手段により算出されたアクチュエータ操作信号を、前記所定噴射の実行中にその実行中の噴射に係る指令として設定する操作信号設定手段を備える請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
  3. 前記操作信号算出手段は、前記噴射パラメータとして1回の噴射における総噴射量を同パラメータの基準値に近づけるべく、前記燃圧波形に基づいて前記所定噴射における噴射開始タイミングを算出し、同噴射開始タイミングとその基準タイミングとのずれに基づいて、同噴射における噴射開始タイミング以降の前記アクチュエータ操作信号を算出する請求項2に記載の燃料噴射制御装置。
  4. 前記操作信号算出手段は、前記噴射パラメータとして1回の噴射における総噴射量を同パラメータの基準値に近づけるべく、前記燃圧波形に基づいて前記所定噴射における噴射開始から所定タイミングまでの噴射率の積分値又はその相関値を算出し、同積分値又は同相関値とその基準値とのずれに基づいて、同噴射における前記所定タイミング以降の前記アクチュエータ操作信号を算出する請求項2に記載の燃料噴射制御装置。
  5. 前記操作信号算出手段は、前記噴射パラメータとして1回の噴射における総噴射量を同パラメータの基準値に近づけるべく、前記燃圧波形に基づいて前記所定噴射における所定タイミングの噴射率を算出し、同噴射率とその基準値とのずれに基づいて、同噴射における前記所定タイミング以降のアクチュエータ操作信号を算出する請求項2に記載の燃料噴射制御装置。
  6. 前記所定タイミングの噴射率は、前記所定噴射における最大噴射率である請求項5に記載の燃料噴射制御装置。
  7. 前記操作信号算出手段は、前記アクチュエータ操作信号として、前記所定噴射における噴射終了タイミングを決める信号を算出する請求項2から6のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
  8. 前記操作信号算出手段により算出されたアクチュエータ操作信号を、その算出に際して実行された前記所定噴射の噴射終了後において再びその所定噴射と同種の噴射を実行する場合にその噴射に係る指令として設定する操作信号設定手段を備える請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
  9. 前記操作信号算出手段は、前記燃圧波形に基づいて、所定噴射における噴射率の推移を示す噴射率波形の立ち上がり角度又は立ち下がり角度を算出し、同立ち上がり角度又は同立ち下がり角度とその基準角度とのずれに基づき、同噴射における噴射率波形について、前記噴射パラメータとして前記立ち上がり角度又は前記立ち下がり角度を、同パラメータの基準値に近づけるような前記アクチュエータ操作信号を算出する請求項8に記載の燃料噴射制御装置。
  10. 前記操作信号算出手段は、前記燃圧波形に基づいて、所定噴射における噴射率の推移を示す噴射率波形の頂点の位置を算出し、同頂点の位置とその基準点とのずれに基づき、同噴射における噴射率波形について、前記噴射パラメータとして前記頂点の位置を、同パラメータの基準値に近づけるような前記アクチュエータ操作信号を算出する請求項8又は9に記載の燃料噴射制御装置。
  11. 前記操作信号算出手段は、前記燃圧波形に基づいて、所定噴射における噴射率の推移を示す噴射率波形の最大噴射率を算出し、同最大噴射率とその基準値とのずれに基づき、同噴射における噴射率波形について、前記噴射パラメータとして前記最大噴射率を、同パラメータの基準値に近づけるような前記アクチュエータ操作信号を算出する請求項8から10のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
  12. 前記操作信号算出手段は、前記燃圧波形に基づいて、所定噴射における噴射率の推移を示す噴射率波形のうち、噴射率が一定値に維持されている安定区間の噴射率を算出し、同噴射率とその基準値とのずれに基づき、同噴射における噴射率波形について、前記噴射パラメータとして前記安定区間の噴射率を、同パラメータの基準値に近づけるような前記アクチュエータ操作信号を算出する請求項8から11のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
  13. 前記噴射率波形は、三角形及び台形及び矩形のいずれか1つ、又はその少なくとも1種類を複数組み合わせた図形を描くものである請求項9から12のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
  14. 前記燃料噴射弁に供給される高圧燃料を蓄える蓄圧容器と、前記蓄圧容器の燃料吐出口から前記燃料噴射弁の噴射孔までの燃料通路のうち前記燃料吐出口の近傍よりも下流側の燃料通路を流れる燃料の圧力を検出する燃料圧力センサとを備える蓄圧容器式の燃料噴射システムに適用され、
    前記燃圧検出手段は、前記燃料圧力センサの出力に基づいて燃圧を逐次検出することにより前記燃圧波形を検出する請求項1から13のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
  15. 前記燃料噴射弁に供給される高圧燃料を蓄える蓄圧容器と、前記蓄圧容器と同蓄圧容器の燃料吐出側配管との接続部分にて同配管を通じて前記蓄圧容器へ伝播される燃料脈動を軽減する燃料脈動軽減手段と、前記蓄圧容器から前記燃料噴射弁の噴射孔までの燃料通路のうち前記燃料脈動軽減手段よりも下流側の燃料通路を流れる燃料の圧力を検出する燃料圧力センサとを備える蓄圧容器式の燃料噴射システムであり、
    前記燃圧検出手段は、前記燃料圧力センサの出力に基づいて燃圧を逐次検出することにより前記燃圧波形を検出する請求項1から13のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
  16. 前記燃料脈動軽減手段は、オリフィス、フローダンパ、又はそれらの組合せによって構成されるものである請求項15に記載の燃料噴射制御装置。
  17. 前記燃料圧力センサは、前記燃料噴射弁の内部又は近傍に設けられている請求14から16のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
  18. 前記燃料圧力センサは、前記蓄圧容器の燃料吐出側配管において、前記蓄圧容器よりも前記燃料噴射弁の燃料噴射口の方に近い位置に設けられている請求項14から17のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
  19. 前記アクチュエータは、前記アクチュエータ操作信号の連続的な変化に応じて連続的に伸縮量を変化させる圧電素子である請求項1から18のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
JP2007227115A 2007-08-31 2007-08-31 内燃機関の噴射制御装置 Expired - Fee Related JP4623066B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007227115A JP4623066B2 (ja) 2007-08-31 2007-08-31 内燃機関の噴射制御装置
DE102008041659A DE102008041659B4 (de) 2007-08-31 2008-08-28 Einspritzsteuervorrichtung einer Verbrennungskraftmaschine
CN2008102142868A CN101377168B (zh) 2007-08-31 2008-08-29 内燃机的喷射控制装置
US12/201,426 US20090063016A1 (en) 2007-08-31 2008-08-29 Injection control device of internal combustion engine
US13/434,139 US8543314B2 (en) 2007-08-31 2012-03-29 Injection control device of internal combustion engine

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007227115A JP4623066B2 (ja) 2007-08-31 2007-08-31 内燃機関の噴射制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009057925A true JP2009057925A (ja) 2009-03-19
JP4623066B2 JP4623066B2 (ja) 2011-02-02

Family

ID=40299344

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007227115A Expired - Fee Related JP4623066B2 (ja) 2007-08-31 2007-08-31 内燃機関の噴射制御装置

Country Status (4)

Country Link
US (2) US20090063016A1 (ja)
JP (1) JP4623066B2 (ja)
CN (1) CN101377168B (ja)
DE (1) DE102008041659B4 (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010223185A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Denso Corp 燃料噴射状態検出装置
JP2010223184A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Denso Corp 燃料噴射状態検出装置
JP2011149364A (ja) * 2010-01-22 2011-08-04 Keihin Corp 燃料噴射制御装置及び方法
JP2011190725A (ja) * 2010-03-12 2011-09-29 Toyota Motor Corp 燃料噴射制御装置
JP2012122448A (ja) * 2010-12-10 2012-06-28 Denso Corp 燃料噴射制御装置
JP2012122373A (ja) * 2010-12-07 2012-06-28 Toyota Motor Corp セタン価推定装置
JP2013072306A (ja) * 2011-09-27 2013-04-22 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
KR20140059856A (ko) * 2011-09-09 2014-05-16 콘티넨탈 오토모티브 게엠베하 분사 유체량을 감시하기 위한 방법 및 분사 유체량을 분사하기 위한 분사 시스템
DE102014209546A1 (de) 2013-05-23 2014-11-27 Denso Corporation Steuerungsvorrichtung einer brennkraftmaschine undverfahren zum lernen einer kraftstoffeinspritzcharakteristik
DE102014209298A1 (de) 2013-05-23 2014-11-27 Denso Corporation Kraftstoffeinspritzeigenschaftserfassungssystem
DE102014209768A1 (de) 2013-05-23 2014-11-27 Denso Corporation Kraftstoffeinspritzsteuersystem
KR20150040945A (ko) * 2012-08-16 2015-04-15 콘티넨탈 오토모티브 게엠베하 분사 밸브를 작동시키기 위한 방법 및 장치
JP2016130496A (ja) * 2015-01-14 2016-07-21 トヨタ自動車株式会社 内燃機関
KR20170080661A (ko) * 2014-12-04 2017-07-10 바르실라 핀랜드 오이 연료 분사기를 위한 제어 방법 및 배열체 및 제어 배열체를 업그레이드하는 방법
KR101806361B1 (ko) 2016-12-07 2018-01-10 현대오트론 주식회사 연료압력 모니터링을 통한 인젝터 유량 보정방법

Families Citing this family (37)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006291755A (ja) * 2005-04-06 2006-10-26 Denso Corp 燃料噴射制御装置
JP4840288B2 (ja) * 2006-11-14 2011-12-21 株式会社デンソー 燃料噴射装置及びその調整方法
JP4420097B2 (ja) * 2007-10-02 2010-02-24 株式会社デンソー 噴射異常検出装置及び燃料噴射システム
DE102008027516B3 (de) * 2008-06-10 2010-04-01 Continental Automotive Gmbh Verfahren zur Einspritzmengenabweichungsdetektion und zur Korrektur einer Einspritzmenge sowie Einspritzsystem
JP4835715B2 (ja) * 2009-03-25 2011-12-14 株式会社デンソー 燃料噴射状態検出装置
JP4835716B2 (ja) * 2009-03-25 2011-12-14 株式会社デンソー 燃料噴射状態検出装置
GB201003973D0 (en) * 2010-03-10 2010-04-21 Innospec Ltd Fuel compositions
CH702496B1 (de) * 2010-05-07 2011-07-15 Liebherr Machines Bulle Sa Hochdruckinjektor.
CN102933836B (zh) * 2010-05-20 2015-06-03 康明斯知识产权公司 压电燃料喷射器系统、估计燃料喷射事件的定时特性的方法
JP5165728B2 (ja) * 2010-06-18 2013-03-21 株式会社デンソー 燃圧波形取得装置
JP5240283B2 (ja) * 2010-12-09 2013-07-17 株式会社デンソー 燃料噴射システムのノイズ有無診断装置
US9086041B2 (en) 2011-01-19 2015-07-21 Cummins Intellectual Property, Inc. Fuel injector having a piezoelectric actuator and a sensor assembly
JP5287915B2 (ja) * 2011-03-24 2013-09-11 株式会社デンソー 燃料噴射状態推定装置
GB201108917D0 (en) 2011-05-27 2011-07-13 Rolls Royce Plc A Hydraulic damping apparatus
JP2013007341A (ja) * 2011-06-24 2013-01-10 Denso Corp 燃料噴射状態推定装置
DE102011078844B4 (de) * 2011-07-08 2016-12-29 Continental Automotive Gmbh Verfahren zur Injektion von Kraftstoffen mit variablen Einspritzratenverläufen, Kraftstoffeinspritzanlage sowie Verbrennungsmotor
DE102012204272B4 (de) * 2012-03-19 2021-10-28 Vitesco Technologies GmbH Verfahren zum Betreiben eines Kraftstoffeinspritzsystems mit Regelung des Einspritzventils zur Erhöhung der Mengengenauigkeit und Kraftstoffeinspritzsystem
EP2662555A1 (en) * 2012-05-10 2013-11-13 Continental Automotive GmbH Method for monitoring an injection valve
FR2990998B1 (fr) * 2012-05-23 2016-02-26 Continental Automotive France Procede de pilotage d'au moins un actionneur piezoelectrique d'injecteur de carburant d'un moteur a combustion interne
JP5799895B2 (ja) 2012-06-05 2015-10-28 株式会社デンソー 燃料噴射制御装置
WO2014039800A1 (en) * 2012-09-08 2014-03-13 Purdue Research Foundation Rapid estimation of piezoelectric fuel injection events
DE102013224385B3 (de) 2013-11-28 2015-03-12 Continental Automotive Gmbh Verfahren zum Betreiben eines Injektors eines Einspritzsystems einer Brennkraftmaschine
JP6098613B2 (ja) * 2014-10-30 2017-03-22 トヨタ自動車株式会社 内燃機関
DE102014222543A1 (de) * 2014-11-05 2016-05-12 Robert Bosch Gmbh Verfahren zur Ansteuerung von Injektoren in einer Brennkraftmaschine
JP6172189B2 (ja) * 2015-03-23 2017-08-02 マツダ株式会社 直噴エンジンの燃料噴射制御装置
JP6332203B2 (ja) 2015-09-01 2018-05-30 株式会社デンソー 燃料噴射制御装置
DE102016206429A1 (de) * 2016-04-15 2017-10-19 Robert Bosch Gmbh Verfahren zur Steuerung einer Fördereinheit eines Hochdruckeinspritzsystems einer Brennkraftmaschine
JP2019007369A (ja) * 2017-06-21 2019-01-17 株式会社デンソー 車載電子制御装置
GB2566736B (en) * 2017-09-25 2020-05-06 Delphi Automotive Systems Lux Fuel injector control using noise signal
US10907567B2 (en) * 2018-01-03 2021-02-02 Ford Global Technologies, Llc System and method for operating a fuel injector
US11073105B2 (en) 2018-10-02 2021-07-27 Rohr, Inc. Acoustic torque box
US10989132B2 (en) * 2019-07-18 2021-04-27 Ford Global Technologies, Llc Method and system for fuel injector balancing
KR20210019223A (ko) * 2019-08-12 2021-02-22 현대자동차주식회사 차량 엔진용 인젝터의 열림 시간 학습 방법 및 그 학습장치
DE102019214230B4 (de) * 2019-09-18 2022-02-10 Vitesco Technologies GmbH Verfahren zur Regelung der Gesamt-Einspritzmasse bei einer Mehrfacheinspritzung
US10871122B1 (en) * 2019-09-26 2020-12-22 Caterpillar Inc. Fuel injector monitoring
DE102019219541B4 (de) 2019-12-13 2021-08-05 Vitesco Technologies GmbH Verfahren und Motorsteuerung zur Mehrfacheinspritzung mit Mengenkorrektur für einen Verbrennungsmotor
FR3112572B1 (fr) * 2020-07-20 2022-06-17 Vitesco Technologies Dérive de débit statique d’un injecteur piézo-électrique

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10220272A (ja) * 1997-02-07 1998-08-18 Isuzu Motors Ltd エンジンの燃料噴射方法及びその装置
JP2000265892A (ja) * 1999-03-18 2000-09-26 Isuzu Motors Ltd エンジンの燃料噴射装置
JP2003314338A (ja) * 2002-04-25 2003-11-06 Denso Corp 内燃機関用噴射量制御装置
JP2004027910A (ja) * 2002-06-24 2004-01-29 Toyota Motor Corp 燃料噴射制御装置
JP2005105947A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2006233858A (ja) * 2005-02-24 2006-09-07 Denso Corp コモンレール式燃料噴射装置

Family Cites Families (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4603671A (en) * 1983-08-17 1986-08-05 Nippon Soken, Inc. Fuel injector for an internal combustion engine
US5402760A (en) * 1992-05-21 1995-04-04 Nippondenso Co., Ltd. Fuel injection control apparatus for internal combustion engine
US5445019A (en) * 1993-04-19 1995-08-29 Ford Motor Company Internal combustion engine with on-board diagnostic system for detecting impaired fuel injectors
US5535621A (en) * 1994-03-02 1996-07-16 Ford Motor Company On-board detection of fuel injector malfunction
DE19700738C1 (de) * 1997-01-11 1998-04-16 Daimler Benz Ag Verfahren zur Regelung der Einspritzmengen von Injektoren einer kraftstoffeinspritzenden Brennkraftmaschine
DE19740608C2 (de) * 1997-09-16 2003-02-13 Daimler Chrysler Ag Verfahren zur Bestimmung einer kraftstoffeinspritzbezogenen Kenngröße für einen Verbrennungsmotor mit Hochdruckspeicher-Einspritzanlage
JPH11101149A (ja) * 1997-09-26 1999-04-13 Isuzu Motors Ltd エンジンの燃料噴射方法及びその装置
JP2000018078A (ja) * 1998-06-30 2000-01-18 Isuzu Motors Ltd コモンレール圧力の圧力降下開始時期特定方法,並びにエンジンの燃料噴射方法及びその装置
IT1307728B1 (it) * 1998-11-26 2001-11-14 Magneti Marelli Spa Metodo di controllo dell' iniezione diretta di carburante in unacamera di combustione di un motore endotermico.
DE19936944A1 (de) * 1999-08-05 2001-02-08 Bosch Gmbh Robert Verfahren zum Zumessen von Brennstoff mit einem Brennstoffeinspritzventil
US6516773B2 (en) * 2001-05-03 2003-02-11 Caterpillar Inc Method and apparatus for adjusting the injection current duration of each fuel shot in a multiple fuel injection event to compensate for inherent injector delay
US7188608B2 (en) * 2001-12-11 2007-03-13 Caterpillar Inc. Rail pressure sampling before fuel injection events
JP4515729B2 (ja) * 2003-01-30 2010-08-04 株式会社デンソー 燃料噴射装置
JP3941761B2 (ja) * 2003-09-01 2007-07-04 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の燃料噴射装置
JP3960283B2 (ja) * 2003-09-01 2007-08-15 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の燃料噴射装置
DE102004056893A1 (de) * 2004-11-25 2006-06-01 Robert Bosch Gmbh Vorrichtung und Verfahren zur Ermittlung von Druckschwankungen in einem Kraftstoffversorgungssystem
JP4434097B2 (ja) * 2005-07-19 2010-03-17 株式会社デンソー 蓄圧式燃料噴射制御装置
DE102005036190A1 (de) * 2005-08-02 2007-02-08 Robert Bosch Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Steuerung eines Einspritzsystems einer Brennkraftmaschine
JP4840288B2 (ja) * 2006-11-14 2011-12-21 株式会社デンソー 燃料噴射装置及びその調整方法
JP4483908B2 (ja) 2007-08-23 2010-06-16 株式会社デンソー 燃料噴射制御装置
JP4462307B2 (ja) 2007-08-31 2010-05-12 株式会社デンソー 燃料噴射装置及び燃料噴射システム
JP4407731B2 (ja) 2007-08-31 2010-02-03 株式会社デンソー 燃料噴射制御装置
JP4424395B2 (ja) 2007-08-31 2010-03-03 株式会社デンソー 内燃機関の燃料噴射制御装置
US7873460B2 (en) 2007-09-25 2011-01-18 Denso Corporation Controller for fuel injection system
JP4416026B2 (ja) 2007-09-28 2010-02-17 株式会社デンソー 蓄圧式燃料噴射システムの制御装置
JP4492664B2 (ja) 2007-09-28 2010-06-30 株式会社デンソー 燃料供給量推定装置及び燃料圧送噴射システム
JP4420097B2 (ja) 2007-10-02 2010-02-24 株式会社デンソー 噴射異常検出装置及び燃料噴射システム
JP4782759B2 (ja) 2007-10-24 2011-09-28 株式会社デンソー 内燃機関制御装置および内燃機関制御システム
JP4525729B2 (ja) 2007-10-26 2010-08-18 株式会社デンソー Egr分配ばらつき検出装置
JP4462327B2 (ja) 2007-10-26 2010-05-12 株式会社デンソー 気筒特性ばらつき検出装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10220272A (ja) * 1997-02-07 1998-08-18 Isuzu Motors Ltd エンジンの燃料噴射方法及びその装置
JP2000265892A (ja) * 1999-03-18 2000-09-26 Isuzu Motors Ltd エンジンの燃料噴射装置
JP2003314338A (ja) * 2002-04-25 2003-11-06 Denso Corp 内燃機関用噴射量制御装置
JP2004027910A (ja) * 2002-06-24 2004-01-29 Toyota Motor Corp 燃料噴射制御装置
JP2005105947A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2006233858A (ja) * 2005-02-24 2006-09-07 Denso Corp コモンレール式燃料噴射装置

Cited By (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010223184A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Denso Corp 燃料噴射状態検出装置
JP4737314B2 (ja) * 2009-03-25 2011-07-27 株式会社デンソー 燃料噴射状態検出装置
JP4737315B2 (ja) * 2009-03-25 2011-07-27 株式会社デンソー 燃料噴射状態検出装置
JP2010223185A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Denso Corp 燃料噴射状態検出装置
JP2011149364A (ja) * 2010-01-22 2011-08-04 Keihin Corp 燃料噴射制御装置及び方法
JP2011190725A (ja) * 2010-03-12 2011-09-29 Toyota Motor Corp 燃料噴射制御装置
US9051895B2 (en) 2010-03-12 2015-06-09 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Fuel injection control apparatus
US8820151B2 (en) 2010-12-07 2014-09-02 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Cetane number estimation apparatus
JP2012122373A (ja) * 2010-12-07 2012-06-28 Toyota Motor Corp セタン価推定装置
JP2012122448A (ja) * 2010-12-10 2012-06-28 Denso Corp 燃料噴射制御装置
KR20140059856A (ko) * 2011-09-09 2014-05-16 콘티넨탈 오토모티브 게엠베하 분사 유체량을 감시하기 위한 방법 및 분사 유체량을 분사하기 위한 분사 시스템
KR101964187B1 (ko) * 2011-09-09 2019-04-01 콘티넨탈 오토모티브 게엠베하 분사 유체량을 감시하기 위한 방법 및 분사 유체량을 분사하기 위한 분사 시스템
JP2013072306A (ja) * 2011-09-27 2013-04-22 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
KR101993952B1 (ko) 2012-08-16 2019-06-27 콘티넨탈 오토모티브 게엠베하 분사 밸브를 작동시키기 위한 방법 및 장치
KR20150040945A (ko) * 2012-08-16 2015-04-15 콘티넨탈 오토모티브 게엠베하 분사 밸브를 작동시키기 위한 방법 및 장치
DE102014209298A1 (de) 2013-05-23 2014-11-27 Denso Corporation Kraftstoffeinspritzeigenschaftserfassungssystem
DE102014209298B4 (de) 2013-05-23 2019-03-21 Denso Corporation Kraftstoffeinspritzeigenschaftserfassungssystem
DE102014209768A1 (de) 2013-05-23 2014-11-27 Denso Corporation Kraftstoffeinspritzsteuersystem
DE102014209546A1 (de) 2013-05-23 2014-11-27 Denso Corporation Steuerungsvorrichtung einer brennkraftmaschine undverfahren zum lernen einer kraftstoffeinspritzcharakteristik
DE102014209546B4 (de) 2013-05-23 2019-08-14 Denso Corporation Steuerungsvorrichtung einer brennkraftmaschine undverfahren zum lernen einer kraftstoffeinspritzcharakteristik
KR20170080661A (ko) * 2014-12-04 2017-07-10 바르실라 핀랜드 오이 연료 분사기를 위한 제어 방법 및 배열체 및 제어 배열체를 업그레이드하는 방법
JP2016130496A (ja) * 2015-01-14 2016-07-21 トヨタ自動車株式会社 内燃機関
US10132266B2 (en) 2015-01-14 2018-11-20 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Internal combustion engine with fuel injection valve and controller for fuel injection control
DE102016100511B4 (de) 2015-01-14 2020-08-06 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Motor mit interner Verbrennung
KR101806361B1 (ko) 2016-12-07 2018-01-10 현대오트론 주식회사 연료압력 모니터링을 통한 인젝터 유량 보정방법

Also Published As

Publication number Publication date
CN101377168A (zh) 2009-03-04
US20090063016A1 (en) 2009-03-05
DE102008041659A1 (de) 2009-03-05
US20120185155A1 (en) 2012-07-19
CN101377168B (zh) 2012-10-24
US8543314B2 (en) 2013-09-24
DE102008041659B4 (de) 2013-05-29
JP4623066B2 (ja) 2011-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4623066B2 (ja) 内燃機関の噴射制御装置
JP4407731B2 (ja) 燃料噴射制御装置
JP4483908B2 (ja) 燃料噴射制御装置
JP4428427B2 (ja) 燃料噴射特性検出装置及び燃料噴射指令補正装置
CN102644510B (zh) 内燃机燃料喷射系统
EP2031225B1 (en) Fuel injection device and fuel injection system
EP2031224B1 (en) Fuel injection device, fuel injection system, and method for determining malfunction of the same
JP4782718B2 (ja) 燃料噴射制御装置及び燃料噴射装置
JP4492664B2 (ja) 燃料供給量推定装置及び燃料圧送噴射システム
JP4835716B2 (ja) 燃料噴射状態検出装置
US7917281B2 (en) Apparatus for controlling quantity of fuel to be actually sprayed from injector in multiple injection mode
US20100250096A1 (en) Fuel injection detecting device
JP5141723B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2009057928A (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP5774521B2 (ja) 燃料漏れ検出装置
JP5370348B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
US7706957B2 (en) Apparatus for controlling quantity of fuel to be actually sprayed from injector in multiple injection mode
JP6215718B2 (ja) 燃料噴射特性検出装置
JP6087726B2 (ja) 燃料噴射特性検出装置
JP2009097501A (ja) 燃料噴射システム制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081211

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090625

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090626

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090806

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100223

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100803

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100910

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101005

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101018

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4623066

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131112

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees