JP2016130496A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】噴射率を低くして燃料噴射を行った後に連続して噴射率を高くして燃料噴射を行う所謂ブーツ型噴射を行うときに、燃料噴射量に過不足が生じることを抑制する。【解決手段】低い噴射率で燃料噴射を行う第一噴射を実施した後に連続して高い噴射率で燃料噴射を行う第二噴射を実施する制御装置を備え、制御装置は、第一噴射の開始時点の燃料噴射弁内の燃料の圧力と第一噴射が実施されているときの燃料噴射弁内の燃料の圧力との差である燃料圧力下降量の目標値を内燃機関の運転状態に基づいて決定し、第一噴射における燃料圧力下降量が、燃料圧力下降量の目標値よりも、大きくなると燃料噴射弁への指令信号の供給を停止し、小さくなると燃料噴射弁へ指令信号を供給する。【選択図】図5

Description

本発明は、内燃機関に関する。
ディーゼル機関において、噴射率を低くして燃料噴射を行った後に連続して噴射率を高くして燃料噴射を行う所謂ブーツ型噴射が知られている。このブーツ型噴射を行うことで、燃料が一気に燃焼することを抑制できるため、NOxの発生、及び、燃焼騒音を抑制できる。ここで、ブーツ型噴射において噴射率の低い燃料噴射を行うときに、燃料噴射弁に対して指令信号を間欠的に供給してニードルを上下させ、このときにニードルが完全に下降する前(すなわち、閉弁する前)に、ニードルを上昇させることで、燃料噴射を連続して行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2006−138310号公報 特開平10−259753号公報 特開2013−068204号公報 特開2013−209948号公報 特開2009−057925号公報
上記のような従来技術では、ニードルのリフト量と指令信号とを関連付けた制御を行っているため、指令信号に対してニードルの速度がばらつくと、燃料の噴射率にばらつきが生じる。このため、燃料噴射量に過不足が生じる虞がある。
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、噴射率を低くして燃料噴射を行った後に連続して噴射率を高くして燃料噴射を行う所謂ブーツ型噴射を行うときに、燃料噴射量に過不足が生じることを抑制することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る内燃機関は、指令信号が供給されるとニードルが開弁方向に付勢され該ニードルのリフト量に応じて燃料の通路の断面積が拡大して燃料の噴射率が増加する燃料噴射弁であって、該燃料噴射弁内の燃料の圧力を検出するセンサを有する燃料噴射弁と、前記燃料噴射弁へ前記指令信号を供給する制御装置であって、前記燃料噴射弁から燃料噴射を行う第一噴射を実施した後に、前記第一噴射に連続して前記第一噴射よりも高い噴射率で前記燃料噴射弁から燃料噴射を行う第二噴射を実施する制御装置と、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出部と、を備える内燃機関において、前記制御装置は、前記第一噴射の開始時点で前記センサにより検出される燃料の圧力と、前記第一噴射が実施されているときの前記センサにより検出される燃料の圧力と、の差である燃料圧力下降量の目標値を、前記運転状態検出部により検出される前記内燃機関の運転状態に基づいて決定し、前記第一噴射の実行中に、前記燃料圧力下降量が、前記燃料圧力下降量の目標値よりも、大きくなると前記燃料噴射弁への前記指令信号の供給を停止し、小さくなると前記燃料噴射弁へ前記指令信号を供給する。
第一噴射を実施した後に連続して第二噴射を実施することで、噴射率を低くして燃料噴射を行った後に連続して噴射率を高くして燃料噴射を行う所謂ブーツ型噴射を行うことが
できる。なお、燃料の噴射率は、単位時間当たりの燃料噴射量である。燃料噴射弁においてニードルが上昇すると、燃料噴射弁内で燃料が流通する通路の断面積が拡大されて、燃料の流通量が増加する。これにより、燃料の噴射率が上昇する。この燃料の噴射率の上昇にしたがって、燃料噴射弁内の燃料の圧力は下降する。したがって、燃料圧力下降量と、噴射率とには、相関関係がある。このため、所望の噴射率となるときの燃料圧力下降量が存在し、この燃料圧力下降量を目標値として設定している。そして、燃料圧力下降量が目標値に近づくように燃料噴射弁へ指令信号を供給することで、実際の噴射率を所望の噴射率に近づけることができる。
ここで、燃料噴射弁への指令信号の供給を停止することにより、ニードルが下降する。これにより、燃料の通路の断面積が縮小して噴射率が下降すると共に、燃料の圧力が上昇するため、燃料圧力下降量は小さくなる。したがって、燃料圧力下降量が目標値よりも大きくなった場合には、燃料噴射弁への指令信号の供給を停止させれば、燃料圧力が上昇することで燃料圧力下降量は小さくなる。よって、燃料圧力下降量を目標値に近づけることができるので、噴射率を所望の噴射率に近づけることができる。逆に、燃料圧力下降量が目標値よりも小さくなった場合には、燃料噴射弁へ指令信号を供給すれば、燃料圧力が下降することで燃料圧力下降量は大きくなるため、燃料圧力下降量を目標値に近づけることができ、これにより、噴射率を所望の噴射率に近づけることができる。したがって、第一噴射を実施しているときの噴射率を精度よく調整することができる。このように、ブーツ型噴射の一部である第一噴射を実施しているときの噴射率を精度よく調整することができるため、ブーツ型噴射の一部において燃料噴射量に過不足が生じることを抑制できる。このため、ブーツ型噴射全体としても、燃料噴射量に過不足が生じることを抑制できる。
また、前記制御装置は、前記運転状態検出部により検出される前記内燃機関の運転状態に基づいて前記第一噴射における燃料噴射量の総量である第一総噴射量の目標値を設定し、第一噴射が実施されているときの前記燃料圧力下降量に基づいて燃料の噴射率を算出し、該噴射率を積算することで第一噴射開始時点からの前記第一総噴射量を算出し、前記第一総噴射量が前記第一総噴射量の目標値に達すると前記第一噴射から前記第二噴射へ移行することができる。
噴射率は単位時間当たりの燃料噴射量であるため、積算することにより第一噴射開始からの第一総噴射量を算出することができる。また、噴射率と相関関係にある燃料圧力下降量の積算値に基づいて第一総噴射量を算出することもできる。このように、第一噴射における第一総噴射量を容易に算出することができるため、第一噴射を終了する時期が容易に分かる。
また、前記制御装置は、前記運転状態検出部により検出される前記内燃機関の運転状態に基づいて前記第二噴射における燃料噴射量の総量である第二総噴射量の目標値を設定し、前記第一噴射の終了時点の前記ニードルのリフト量と、前記第二噴射における第二総噴射量の目標値と、前記センサにより検出される燃料の圧力に基づいて算出される前記第一噴射の終了時点での燃料の圧力の変化率と、から前記第二噴射において前記燃料噴射弁へ前記指令信号を供給する期間を設定することができる。
ここで、第一噴射の終了時点のニードルのリフト量、すなわち、第二噴射の開始時点のニードルリフト量は、その後の燃料の噴射率と関連している。このため、第一噴射終了時点のニードルのリフト量に応じて、その後の噴射率がどのように推移するか推定することができる。この噴射率の推移を積算することにより、第二噴射量における第二総噴射量を推定することができる。この第二総噴射量は、指令信号を供給する期間と関連しているため、第二総噴射量に基づいて指令信号を供給する期間を設定することができる。ここで、第二噴射では第一噴射よりも噴射率を高くするために、ニードルのリフト量を第一噴射よ
りも大きくしている。第一噴射の終了時点でニードルが上昇中である場合には、そのままニードルを上昇させて第二噴射へ移行する。一方、第一噴射の終了時点でニードルが下降中である場合には、第二噴射の開始からニードルを上昇させることになる。この場合、噴射率はすぐには上昇せずに応答遅れが生じる。ここで、燃料の圧力の変化率が大きいほど、噴射率の変化率が小さくなる。なお、燃料の圧力の変化率が正の値の場合には、噴射率の変化率が負の値になる。そして、噴射率の変化率が小さいほど、噴射率が上昇するまでの応答遅れが大きくなる。したがって、第一噴射の終了時点での燃料の圧力の変化率と、噴射率が上昇するまでの応答遅れと、には相関関係がある。この応答遅れに応じて指令信号を供給する期間を決定すれば、第二噴射における第二総噴射量を目標値に近づけることができる。このように、ブーツ型噴射の一部である第二噴射において燃料噴射量に過不足が生じることを抑制できる。このため、ブーツ型噴射全体としても、燃料噴射量に過不足が生じることを抑制できる。
また、前記制御装置は、前記第一噴射の終了時点での燃料の圧力の変化率が大きいほど、前記第二噴射において前記燃料噴射弁へ指令信号を供給する期間を長くすることができる。
上記のように、第一噴射の終了時点での燃料の圧力の変化率が大きいほど、噴射率が上昇するまでの応答遅れが大きくなるため、燃料噴射弁へ指令信号を供給する期間を長くすることにより、指令信号を供給する期間を噴射率の応答遅れに対応した期間とすることができる。
本発明によれば、噴射率を低くして燃料噴射を行った後に連続して噴射率を高くして燃料噴射を行う所謂ブーツ型噴射を行うときに、燃料噴射量に過不足が生じることを抑制できる。
実施例に係る内燃機関の概略構成を示す図である。 ブーツ型噴射を行うときの噴射率の推移を概念的に示した図である。 機関回転速度と、機関負荷と、ブーツ型噴射を実施する領域と、の関係を示した図である。 第一噴射及び第二噴射を行うときの、燃料噴射弁内の燃料の圧力P、燃料噴射弁へ供給される指令信号、ニードルのリフト量、燃料の噴射率dQ、の推移を示したタイムチャートである。 実施例1に係る燃料噴射制御のフローを示したフローチャートである。 第一噴射及び第二噴射を行うときの、燃料噴射弁内の燃料の圧力P、燃料噴射弁へ供給される指令信号、ニードルのリフト量、燃料の噴射率、の推移を示したタイムチャートである。 実施例2に係る燃料噴射制御のフローを示したフローチャートである。 燃料の噴射率dQ、指令信号、ニードルリフト量の推移を示したタイムチャートである。 噴射率dQの応答遅れを例示したタイムチャートである。 第二噴射開始時点の燃料の圧力Pの変化率と、補正量TBとの関係を示した図である。 実施例3に係る、燃料噴射弁内の燃料の圧力P、燃料噴射弁へ供給される指令信号、ニードルのリフト量、燃料の噴射率dQ、の推移を示したタイムチャートである。 実施例3に係る、燃料噴射弁内の燃料の圧力P、燃料噴射弁へ供給される指令信号、ニードルのリフト量、燃料の噴射率dQ、の推移を示した他のタイムチャートである。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施例1>
図1は、本実施例に係る内燃機関1の概略構成を示す図である。なお、本実施例においては、内燃機関1を簡潔に表示するため、一部の構成要素の表示を省略している。内燃機関1は、ディーゼル機関である。内燃機関1は例えば車両に搭載される。内燃機関1の気筒2には、ピストン3が備わる。ピストン3の上面には、ピストン内部に向かって凹むキャビティ31が形成されている。
内燃機関1には、気筒2内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁4が設けられている。燃料噴射弁4はコモンレール5に接続され、該コモンレール5は燃料供給管6を介して燃料ポンプ7と連通している。燃料噴射弁4には圧力調整機構8が設けられており、該圧力調整機構8により燃料の圧力が調整される。なお、圧力調整機構8により燃料の圧力を調整する代わりに、燃料ポンプ7における燃料の圧縮率を変化させることにより燃料の圧力を調整してもよい。また、コモンレール5に燃料の圧力を調整する機構を設け、該コモンレール5において燃料の圧力を調整してもよい。これら燃料の圧力を調整する構成は周知であるため説明は省略する。
燃料噴射弁4には、噴孔41に通じる燃料の通路を開閉するニードル42、及び、ニードル42を上下させる動弁機構43が備わる。動弁機構43は、例えばピエゾ素子を備えており、このピエゾ素子に通電することによりニードル42が開弁方向に上昇する。燃料噴射弁4には、該燃料噴射弁4内の燃料の圧力を検出する燃圧センサ44が取り付けられている。燃圧センサ44は、燃料噴射弁4から噴射される燃料の圧力を検出するものであり、ニードル42を駆動するための燃料の圧力を検出するものではない。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるECU10が併設されている。このECU10は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1を制御する。ECU10には、運転者がアクセルペダルを踏み込んだ量に応じた電気信号を出力し機関負荷を検知するアクセル開度センサ17、および機関回転速度を検知するクランクポジションセンサ18が電気配線を介して接続され、これら各種センサの出力信号がECU10に入力される。なお、実施例においてはアクセル開度センサ17及びクランクポジションセンサ18が、本発明における運転状態検出部に相当する。
一方、ECU10には、圧力調整機構8及び動弁機構43が電気配線を介して接続されており、該ECU10によりこれらの機器が制御される。なお、ECU10は、燃料噴射弁4の動弁機構43を制御しているが、以下では、ECU10が燃料噴射弁4を制御しているものとする。ECU10から燃料噴射弁4へ指令信号が供給されると、ニードル42が上昇することにより、該ニードル42が開弁方向へ移動する。一方、ECU10から燃料噴射弁4への指令信号の供給が停止されると、ニードル42が下降することにより、該ニードル42が閉弁方向に移動する。なお、実施例においてはECU10が、本発明における制御装置に相当する。
ECU10は、内燃機関1の運転状態(例えば機関回転速度及びアクセル開度)に基づ
いて、燃料噴射弁4からの燃料噴射量及び燃料噴射時期、燃料の圧力を決定する。なお、内燃機関1の運転状態と、燃料噴射量及び燃料噴射時期、燃料の圧力と、の関係は、予め実験等により求めてマップ化され、ECU10に記憶されている。このマップは、気筒内の空燃比が目標空燃比となるように設定されており、この目標空燃比は、内燃機関1の運転状態(例えば機関回転速度及びアクセル開度)に応じて設定される空燃比である。
また、ECU10は、内燃機関1の中負荷運転領域または高負荷運転領域においてブーツ型噴射を行う。ここで、図2は、ブーツ型噴射を行うときの噴射率(単位時間当たりの噴射量)の推移を概念的に示した図である。ブーツ型噴射では、噴射率を低くして燃料噴射を行う第一噴射を実施した後に連続して第一噴射よりも噴射率を高くして燃料噴射を行う第二噴射を実施する。図2において、Q1は第一噴射における燃料噴射量の総量の目標値である第一噴射量を示し、Q2は第二噴射における燃料噴射量の総量の目標値である第二噴射量を示し、dQ1は第一噴射における噴射率の目標値を示し、T1は第一噴射が実施される期間(第一噴射期間)を示し、T2は第二噴射が行われる期間(第二噴射期間)を示している。TXは、第一噴射が終了する時点、及び、第二噴射が開始される時点であり、噴射率がdQ1から上昇を始める時点である。なお、図2においては、第一噴射期間T1を3パターン示している。また、図3は、機関回転速度と、機関負荷と、ブーツ型噴射を実施する領域と、の関係を示した図である。本実施例では、図3における中負荷及び高負荷で示される領域においてブーツ型噴射が実施される。このブーツ型噴射は、機関負荷または機関回転速度の少なくとも一方が中程度以上のときに実施するとしてもよい。
ここで、機関負荷が高くなるほど、より多くの燃料を噴射する。このため、気筒2内の圧力がより高くなるため、NOxが発生し易く、且つ、燃焼騒音が大きくなり得る。第一噴射を実施することにより気筒2内の圧力が急激に上昇することを抑制できるが、機関負荷が高くなるほど、第一噴射量Q1を多くする必要がある。ここで、第一噴射における噴射率dQの目標値dQ1を大きくする、または、第一噴射期間T1を長くする、の少なくとも一方を実施することで第一噴射量Q1を多くすることができる。しかし、第一噴射における噴射率dQの目標値dQ1を大きくし過ぎると急激な圧力上昇を招くため、第一噴射における噴射率dQの目標値dQ1はあまり大きくすることができない。一方、第一噴射期間T1を長くすることで、第一噴射量Q1を多くすることができ、且つ、気筒2内の圧力上昇が緩慢となるため、燃焼騒音を低減することができる。同様に、NOxの排出量も低減することができる。このように、ECU10は、内燃機関1の運転状態に応じて、第一噴射における噴射率dQの目標値dQ1、または、第一噴射期間T1を調整する。
図4は、第一噴射及び第二噴射を行うときの、燃料噴射弁4内の燃料の圧力P、燃料噴射弁4へ供給される指令信号、ニードル42のリフト量、燃料の噴射率dQ、の推移を示したタイムチャートである。図4において、dP1は第一噴射開始時点からの燃料の圧力の下降量(燃料圧力下降量dP)の目標値である。
ECU10から燃料噴射弁4へ指令信号が供給されると、ニードル42が上昇する。ニードル42のリフト量には上限があり、この上限に達するまでは、指令信号の供給時間に応じてニードル42のリフト量が大きくなる。そして、ニードル42のリフト量が上限に達していなければ、ニードル42のリフト量が大きくなるほど、噴射率dQが大きくなり且つ燃料の圧力Pが小さくなる。
ここで、第一噴射期間T1では、第一噴射における噴射率dQが目標値dQ1よりも大きくなり得る。したがって、第一噴射では噴射率dQが目標値dQ1となるように指令信号を供給する必要が生じる。このときに本実施例では、燃料圧力下降量dPが、目標値dP1に近づくように指令信号を供給する。具体的には、燃料圧力下降量dPが目標値dP1より大きくなる(すなわち、図4において、圧力Pが、dP1の線よりも下側になる)
と指令信号の供給を停止し、燃料圧力下降量dPが目標値dP1よりも小さくなる(すなわち、図4において、圧力Pが、dP1の線よりも上側になる)と指令信号を供給する。
ここで、燃料圧力下降量dPは、噴射率dQと高い相関がある。すなわち、燃料圧力下降量dPが大きくなるということは、単位時間当たりにより多くの燃料が噴射されたということを意味し、これは噴射率dQが大きいことを示している。このため、燃料圧力下降量dPを目標値dP1に近づけることにより、噴射率dQを目標値dQ1に近づけることができる。すなわち、第一噴射を開始して燃料噴射弁4へ指令信号が供給されると、ニードル42のリフト量が、指令信号の供給時間に応じて大きくなる。これにより、燃料噴射弁4における燃料の通路の断面積が拡大していくので、燃料の噴射率dQが増加していく。また、燃料が噴射されるとそれに応じて、燃料噴射弁4内の圧力Pが低下していく。上記のように燃料圧力下降量dPと噴射率dQとには高い相関があるため、噴射率dQが目標値dQ1となるときの燃料圧力下降量dPを求めることができる。このときの燃料圧力下降量dPを目標値dP1として設定することにより、燃料圧力下降量dPに基づいた噴射率dQの制御が可能となる。燃料圧力下降量dPは、第一噴射開始時点で燃圧センサ44により検出される燃料の圧力Pから、現時点で燃圧センサ44により検出される燃料の圧力Pを減算することで求めることができる。噴射量dQの目標値dQ1は、内燃機関1の運転状態と関連しているため、燃料圧力下降量dPの目標値dP1も内燃機関1の運転状態と関連している。このため、内燃機関1の運転状態に基づいて、燃料圧力下降量dPの目標値dP1を設定することができる。なお、第一噴射量Q1は第一噴射期間T1により調整することができるため、第一噴射量Q1とは独立して、噴射量dQの目標値dQ1及び燃料圧力下降量dPの目標値dP1を設定するができる。
また、本実施例では、第一噴射が開始されると、噴射率dQを積算することにより第一噴射における燃料噴射量の総量(第一総噴射量)を算出する。ここで、第一噴射開始時点から噴射率dQを積算していくことにより、第一噴射開始時点から噴射された燃料の総量を算出することができる。そして、第一噴射における燃料噴射量の総量が第一噴射量Q1に達した時点で第一噴射を終了させて第二噴射を開始する。
次に、具体的な制御について説明する。図5は、本実施例に係る燃料噴射制御のフローを示したフローチャートである。本フローチャートは、ECU10により燃焼サイクル毎に実施される。
ステップS101では、内燃機関1の運転状態が検出される。本ステップでは、機関回転速度NE及び要求噴射量Q0が検出される。要求噴射量Q0は、アクセル開度に基づいて求められる。要求噴射量Q0は、第一噴射量Q1及び第二噴射量Q2を合わせた燃料噴射量であり、必要とされるトルクを発生するために必要となる燃料噴射量である。要求噴射量Q0とアクセル開度との関係は、予め実験またはシミュレーション等により求めてECU10に記憶させておく。
ステップS102では、ブーツ型噴射が必要であるか否か判定される。本ステップでは、ブーツ型噴射が必要となる運転領域で内燃機関1が運転されているか否かを、機関回転速度NE及び要求噴射量Q0に基づいて判定する。機関回転速度NEと、要求噴射量Q0と、ブーツ型噴射が必要である運転領域と、の関係は予め実験またはシミュレーション等により求めてECU10に記憶させておく。ステップS102で肯定判定がなされた場合にはステップS103へ進み、一方、否定判定がなされた場合には本フローチャートを終了させる。
ステップS103では、第一噴射における噴射率dQの目標値dQ1、第一噴射量Q1、第二噴射量Q2、燃料圧力下降量dPの目標値dP1が算出される。第一噴射における
噴射率dQの目標値dQ1、第一噴射量Q1、第二噴射量Q2、燃料圧力下降量dPの目標値dP1の算出方法については特に限定はせず、周知の技術を用いることもできるが、例えば以下のようにして算出することができる。第一噴射における噴射率dQの目標値dQ1及び第一噴射量Q1は、機関回転速度NE、要求噴射量Q0、燃料圧力PCRに基づいて算出される。燃料圧力PCRは、燃料噴射前の圧力であり、第一噴射開始時点での燃料圧力といえる。第一噴射における噴射率dQの目標値dQ1及び第一噴射量Q1は、燃焼騒音及びNOxを低減するように設定されるが、場合によってはスモークが増加するため、スモークの発生量も考慮して設定される。第一噴射における噴射率dQの目標値dQ1及び第一噴射量Q1と、機関回転速度NE、要求噴射量Q0、燃料圧力PCRと、の関係は、予め実験またはシミュレーション等により求めることができる。第二噴射量Q2は、要求噴射量Q0から第一噴射量Q1を減算することで算出される。燃料圧力下降量dPの目標値dP1は、機関回転速度NE、燃料圧力PCR、第一噴射における噴射率dQの目標値dQ1に基づいて算出される。すなわち、現時点での内燃機関1の運転状態において、第一噴射における噴射率dQの目標値dQ1となるような値として、燃料圧力下降量dPの目標値dP1が設定される。燃料圧力下降量dPの目標値dP1と、機関回転速度NE、燃料圧力PCR、第一噴射における噴射率dQの目標値dQ1と、の関係は、予め実験またはシミュレーション等により求めることができる。
ステップS104では、第一噴射が開始される。すなわち、燃料噴射弁4へ指令信号が供給される。
ステップS105では、噴射量Qが算出される。噴射量Qは、第一噴射開始時点からの燃料噴射量の総量であり、噴射率dQを積算して求められる。噴射率dQは、燃料圧力下降量dPと相関関係にあるため、該燃料圧力下降量dPに基づいて算出される噴射率dQを積算することで噴射量Qが算出される。
ステップS106では、噴射量Qが第一噴射量Q1以上であるか否か判定される。本ステップS106では、第一噴射を終了させる時期であるか否か判定している。ステップS106で肯定判定がなされるとステップS107へ進む。
ステップS107では、第一噴射を終了させると共に第二噴射が開始される。ステップS108では、第二噴射における指令信号の供給時間TAが算出される。本実施例では、第二噴射における指令信号の供給時間TAの算出方法については特に限定はせず、周知の技術を用いることもできるが、例えば実施例2で説明する算出方法を用いることもできる。
そして、ステップS109では、第二噴射開始時点からの経過時間Tが、第二噴射における指令信号の供給時間TA以上であるか否か判定される。本ステップS109では、指令信号の供給を停止させる時期であるか否か判定している。ステップS109で否定判定がなされるとステップS109が再度処理される。すなわち、第二噴射開始時点からの経過時間Tが、第二噴射における指令信号の供給時間TA以上となるまで第二噴射が継続する。一方、ステップS109で肯定判定がなされた場合にはステップS110へ進み、第二噴射が終了され、その後、本フローチャートが終了される。
一方、ステップS106で否定判定がなされた場合には、ステップS111へ進む。ステップS111では、燃料圧力下降量dPが、目標値dP1よりも大きいか否か判定される。本ステップS111では、燃料の圧力が低くなりすぎて噴射率dQが目標値dQ1よりも低くなるか否か判定している。したがって、ステップS111で肯定判定がなされた場合には、燃料圧力下降量dPを減少させる(すなわち、燃料の圧力Pを増加させる)ため、ステップS112へ進んで指令信号の供給が停止される。ステップS112では、そ
れ以前に指令信号が供給されていない状態の場合には引き続き指令信号を供給せず、指令信号が供給されている状態の場合には指令信号の供給を停止する。そして、ステップS112の処理が終了するとステップS105へ戻る。一方、ステップS111で否定判定がなされた場合には、ステップS113へ進む。
ステップS113では、燃料圧力下降量dPが、目標値dP1よりも小さいか否か判定される。本ステップS113では、燃料の圧力が高くなりすぎて噴射率dQが目標値dQ1よりも高くなるか否か判定している。ステップS113で肯定判定がなされた場合には、燃料圧力下降量dPを増加させる(すなわち、燃料の圧力Pを減少させる)ため、ステップS114へ進んで指令信号が供給される。ステップS114では、それ以前に指令信号が供給されていない状態の場合には指令信号の供給を開始し、指令信号が供給されている状態の場合には継続して信号を供給する。ステップS114の処理が終了するとステップS105へ戻る。一方、ステップS113で否定判定がなされた場合には、燃料圧力下降量dPが目標値dP1と等しい場合であり、指令信号の供給状態については変更せずにステップS105へ戻る。
したがって、ステップS106で肯定判定がなされるまでは、燃料圧力下降量dPが目標値dP1に近づくように指令信号の供給、及び、供給の停止を実施する。これにより、噴射率dQが目標値dQ1に近づくように、燃料噴射弁4がECU10により操作される。
以上説明したように本実施例によれば、第一噴射における噴射率dQを目標値dQ1に近づけるように指令信号を供給することにより、第一噴射における燃料の噴射率dQを目標値dQ1に合わせ、且つ、燃料の噴射量Qを目標値(すなわち、第一噴射量Q1)に合わせることができる。このように、ブーツ型噴射の一部である第一噴射を実施しているときの噴射率dQを精度よく調整することができるため、ブーツ型噴射の一部において燃料噴射量に過不足が生じることを抑制できる。このため、ブーツ型噴射全体としても、燃料噴射量に過不足が生じることを抑制できる。また、燃焼初期の燃焼速度の調整の自由度が増し、燃焼騒音の低減及びNOx排出量の低減を図ることができる。また、スモークの発生量を低減させることができ、燃費の悪化を抑制することができる。さらに、従来の燃料噴射弁を用いることができるため、コストを低減することができる。
<実施例2>
本実施例では、第二噴射について説明する。その他の装置等は実施例1と同じため説明を省略する。実施例1で説明したように、第二噴射は、第一噴射開始時からの噴射量Qが第一噴射量Q1に到達したときに開始される。ここで、第二噴射が開始される時点では、指令信号が供給されている場合もあれば、指令信号の供給が停止されている場合もある。すなわち、ニードル42が上昇中である場合もあれば下降中である場合もある。また、第一噴射終了時のニードル42の速度も、第一噴射が終了する時期によって変わる。
第二噴射では、第一噴射よりも噴射率dQを増加させるために、ニードル42のリフト量が第一噴射終了時点よりも大きくされる。このため、第一噴射終了時点から指令信号が所定期間供給され続けることになる。第一噴射終了時点でニードル42が上昇中であり、そのときのニードル42の上昇方向の速度が高いほど、第二噴射において、より速やかにニードル42が上昇するため、より速やかに噴射率dQが上昇する。一方、第一噴射終了時点でニードル42が下降中であり、そのときのニードル42の下降方向の速度が高いほど、第二噴射において、ニードル42が上昇するまでに時間がかかるため、噴射率dQが上昇するまでに時間がかかる。すなわち、第二噴射開始時点からすぐに噴射率dQが上昇する場合もあれば、噴射率dQが上昇を始めるまで時間がかかる場合もある。このように、第一噴射終了時点のニードル42の状態によって、噴射率dQの上昇に応答遅れが生じ
得る。さらに、第一噴射を実施している間はニードル42のリフト量が絶えず変化しているため、第二噴射開始時のニードル42のリフト量は毎回変わり得る。ニードル42のリフト量は、噴射率dQに影響するため、燃料を噴射する時間が同じであったとしても、第二噴射開始時点でのニードル42のリフト量によって第二噴射における燃料噴射量の総量(第二総噴射量)が変化し得る。
ここで、図6は、第一噴射及び第二噴射を行うときの、燃料噴射弁4内の燃料の圧力P、燃料噴射弁4へ供給される指令信号、ニードル42のリフト量、燃料の噴射率dQ、の推移を示したタイムチャートである。図6に示したように、第二噴射における噴射率dQの上昇のしかたには、いくつものパターンがあり、それは第二噴射開始時点の状況によって変わる。第二噴射が開始されてから噴射率dQが上昇を始める時期が早いほど、第二噴射における指令信号の供給時間TAは短くてよい。なお、図6では、指令信号の供給時間が最も短い場合をTA1で示し、TA2、TA3の順に指令信号の供給時間が長くなる。
噴射率dQの応答遅れは、第二噴射開始時点での燃料の圧力Pの変化率(図6における「傾き」)と相関関係にある。すなわち、燃料の圧力Pの変化率が大きいほど、燃料の圧力Pの増加率が大きいことになり、噴射率dQの変化率は小さいことになる。なお、燃料の圧力Pの変化率は、燃料の圧力Pが減少しているときには負の値になる。同様に、噴射率dQの変化率は、噴射率dQが減少しているときには負の値になる。そして、噴射率dQの変化率が小さいほど、噴射率dQが上昇するまでに時間がかかるため、応答遅れが大きくなる。
そこで本実施例では、内燃機関1の運転状態に基づいて、第一噴射における第一総噴射量の目標値、及び、第二噴射における第二総噴射量の目標値を設定し、さらに、第一噴射の終了時点のニードル42のリフト量と、第二噴射における第二総噴射量の目標値と、燃圧センサ44により検出される燃料の圧力に基づいて算出される第一噴射の終了時点での燃料の圧力Pの変化率と、から第二噴射において燃料噴射弁4へ指令信号を供給する期間を設定する。
図7は、本実施例に係る燃料噴射制御のフローを示したフローチャートである。本フローチャートは、ECU10により燃焼サイクル毎に実施される。なお、ステップS107より以前の処理については図5に示したフローチャートと同じため図示及び説明を省略する。また、図5に示したフローチャートと同じ処理がなされるステップについては同じ符号を付して説明を省略する。
図7に示したフローチャートでは、ステップS107の処理の後にステップS201へ進む。ステップS201では、第二噴射開始時点でのニードルリフト量Lが推定される。このニードルリフト量Lは、燃料圧力下降量dPに基づいて以下のようにして算出される。まず、燃料圧力下降量dPから、噴射率dQを算出する。燃料圧力下降量dPと、噴射率dQと、には相関関係があるため、この相関関係を利用して燃料圧力下降量dPから噴射率dQを算出することができる。この噴射率dQは燃料噴射弁4内の燃料の通路の断面積と相関関係にあるため、該噴射率dQに基づいて燃料の通路の断面積を算出することができる。さらに、燃料の通路の断面積と、ニードルリフト量Lとは相関関係にあるため、燃料の通路の断面積に基づいて、ニードルリフト量Lを算出することができる。燃料圧力下降量dPからニードルリフト量Lを算出する式を予め求めてECU10に記憶させておくことで、燃料圧力下降量dPからニードルリフト量Lを算出することができる。
ステップS202では、第二噴射開始時点のニードルリフト量Lと第二噴射量Q2とに基づいて、指令信号の供給時間TAを算出する。このときには、ニードル42が上昇途中のときに第二噴射が開始されたものと仮定して指令信号の供給時間TAを算出する。ここ
で、図8は、燃料の噴射率dQ、指令信号、ニードルリフト量の推移を示したタイムチャートである。図8では、第一噴射終了時点、すなわち、第二噴射開始時点では、ニードル42が上昇途中であるため、第一噴射から第二噴射へ移行するときには、指令信号がそのまま供給され続ける。その後の噴射率dQは、第二噴射開始時点のニードルリフト量Lの影響を受ける。そうすると、ニードル42の上昇時の噴射率dQの推移は、第二噴射開始時点のニードルリフト量Lに応じて定まる。ニードルリフト量の推移は予め実験またはシミュレーション等によりも求めることができるため、第二噴射開始時点のニードルリフト量Lからその後のニードルリフト量の推移を求めることができる。さらに、ニードルリフト量に応じて噴射率dQが変化するため、噴射率dQの推移も求めることができる。同様に、指令信号の供給を停止した時点からのニードルリフト量の推移は、指令信号の供給を停止したときのニードルリフト量に基づいて求めることができ、噴射率dQの推移も求めることができる。したがって、第二噴射開始時点から指令信号の供給時間TAまでの燃料噴射量と、指令信号の供給を停止した時点からの燃料噴射量と、の合計が、第二噴射量Q2となるような、指令信号の供給時間TAを求めればよい。
ステップS203では、第二噴射のための指令信号の供給開始からの噴射率dQの応答遅れを考慮して、指令信号の供給時間TAの補正量TBを算出する。図9は、噴射率dQの応答遅れを例示したタイムチャートである。噴射率dQが下降状態のときにおいて、噴射率dQの傾きが負の値になっており、この傾きが小さくなるほど、応答遅れが大きくなる。そして、噴射率dQの傾きと、燃料の圧力Pの変化率(燃料の圧力Pの傾き)と、には相関関係がある。したがって、燃料の圧力Pの変化率に基づいて補正量TBを算出することができる。
ここで、図10は、第二噴射開始時点の燃料の圧力Pの変化率と、補正量TBとの関係を示した図である。このように、燃料の圧力Pの変化率と補正量TBとには相関関係がある。なお、ニードル42の上昇時には、燃料の圧力Pの変化率が負の値となり、ニードル42の下降時には、燃料の圧力Pの変化率が正の値となる。燃料の圧力Pの変化率が大きいほど、噴射率dQの傾きが小さくなり、図9に示したように応答遅れが大きくなる。したがって、図10に示すように、燃料の圧力の変化率が大きくなるほど、指令信号の供給時間が長くなるように、補正量TBを大きくしている。なお、図10に示した関係は、予め実験またはシミュレーション等により求めてECU10に記憶させておく。
ステップS204では、ステップS202で算出される指令信号の供給時間TAに、ステップS203で算出される補正量TBを加えることで、指令信号の供給時間TAを補正する。その後、ステップS109へ進む。
なお、第二噴射において燃料圧力下降量dPを積算することにより、該第二噴射中に実際に噴射された燃料量(実燃料噴射量)を算出することができる。この実燃料噴射量と、第二噴射量Q2とを比較することで、第二噴射量Q2からの実燃料噴射量のずれを求めることができる。例えば、第二噴射量Q2と実燃料噴射量との差または比に基づいて、補正量TBを補正することにより、次回の第二燃料噴射における実燃料噴射量を第二噴射量Q2にさらに近づけることができる。
以上説明したように本実施例によれば、第二噴射における燃料噴射量を目標値(すなわち、第二噴射量Q2)に精度よく合わせることができる。このように、ブーツ型噴射の一部である第二噴射において燃料噴射量に過不足が生じることを抑制できる。このため、ブーツ型噴射全体としても、燃料噴射量に過不足が生じることを抑制できる。
<実施例3>
本実施例では、ブーツ型噴射の他の態様について説明する。図11は、本実施例に係る
、燃料噴射弁4内の燃料の圧力P、燃料噴射弁4へ供給される指令信号、ニードル42のリフト量、燃料の噴射率dQ、の推移を示したタイムチャートである。図11に示したブーツ型噴射では、第一噴射、第二噴射、第三噴射を実施している。そして、第一噴射、第二噴射、第三噴射を実施している期間を、夫々、第一噴射期間T1、第二噴射期間T2、第三噴射期間T3としている。また、第一噴射、第二噴射、第三噴射における燃料噴射量の目標値を、夫々、第一噴射量Q1、第二噴射量Q2、第三噴射量Q3としている。dP1及びdP2は、第一噴射開始時点からの燃料圧力下降量dPの目標値であり、dP1は第一噴射時の目標値を示し、dP2は第二噴射時の目標値を示している。すなわち、第一噴射と第二噴射で圧力下降量の目標値を変えている。このようにして、第一噴射及び第二噴射で夫々噴射率の目標値を変化させることができる。
また、図12は、本実施例に係る、燃料噴射弁4内の燃料の圧力P、燃料噴射弁4へ供給される指令信号、ニードル42のリフト量、燃料の噴射率dQ、の推移を示した他のタイムチャートである。図12に示したブーツ型噴射では、第一噴射時の燃料圧力下降量dPの目標値dP1を徐々に大きくしている。このため、燃料の圧力は徐々に小さくなる。これにより、第一噴射時の噴射率dQが徐々に大きくなる。このようにして、第一噴射時期における噴射率を変化させることができる。
1 内燃機関
2 気筒
3 ピストン
4 燃料噴射弁
5 コモンレール
6 燃料供給管
7 燃料ポンプ
8 圧力調整機構
10 ECU
17 アクセル開度センサ
18 クランクポジションセンサ
31 キャビティ
41 噴孔
42 ニードル
43 動弁機構
44 燃圧センサ

Claims (4)

  1. 指令信号が供給されるとニードルが開弁方向に付勢され該ニードルのリフト量に応じて燃料の通路の断面積が拡大して燃料の噴射率が増加する燃料噴射弁であって、該燃料噴射弁内の燃料の圧力を検出するセンサを有する燃料噴射弁と、
    前記燃料噴射弁へ前記指令信号を供給する制御装置であって、前記燃料噴射弁から燃料噴射を行う第一噴射を実施した後に、前記第一噴射に連続して前記第一噴射よりも高い噴射率で前記燃料噴射弁から燃料噴射を行う第二噴射を実施する制御装置と、
    前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出部と、
    を備える内燃機関において、
    前記制御装置は、前記第一噴射の開始時点で前記センサにより検出される燃料の圧力と、前記第一噴射が実施されているときの前記センサにより検出される燃料の圧力と、の差である燃料圧力下降量の目標値を、前記運転状態検出部により検出される前記内燃機関の運転状態に基づいて決定し、前記第一噴射の実行中に、前記燃料圧力下降量が、前記燃料圧力下降量の目標値よりも、大きくなると前記燃料噴射弁への前記指令信号の供給を停止し、小さくなると前記燃料噴射弁へ前記指令信号を供給する内燃機関。
  2. 前記制御装置は、前記運転状態検出部により検出される前記内燃機関の運転状態に基づいて前記第一噴射における燃料噴射量の総量である第一総噴射量の目標値を設定し、第一噴射が実施されているときの前記燃料圧力下降量に基づいて燃料の噴射率を算出し、該噴射率を積算することで第一噴射開始時点からの前記第一総噴射量を算出し、前記第一総噴射量が前記第一総噴射量の目標値に達すると前記第一噴射から前記第二噴射へ移行する請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記制御装置は、前記運転状態検出部により検出される前記内燃機関の運転状態に基づいて前記第二噴射における燃料噴射量の総量である第二総噴射量の目標値を設定し、前記第一噴射の終了時点の前記ニードルのリフト量と、前記第二噴射における第二総噴射量の目標値と、前記センサにより検出される燃料の圧力に基づいて算出される前記第一噴射の終了時点での燃料の圧力の変化率と、から前記第二噴射において前記燃料噴射弁へ前記指令信号を供給する期間を設定する請求項1または2に記載の内燃機関。
  4. 前記制御装置は、前記第一噴射の終了時点での燃料の圧力の変化率が大きいほど、前記第二噴射において前記燃料噴射弁へ前記指令信号を供給する期間を長くする請求項3に記載の内燃機関。
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