JP6486007B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Description
図1は、本発明に係る制御装置を適用する内燃機関の一例を示す。
内燃機関1は、車両に動力源として搭載されエンジンであり、各気筒の吸気バルブ4よりも上流側の吸気管(吸気ポート)2に燃料噴射弁3を備える。燃料噴射弁3は、各気筒の行程に噴射タイミングを合わせ、吸気管2内に燃料を間欠的に噴射するように制御される。
燃焼室5内の燃焼ガスは、排気バルブ7を介して排気管8に排出される。
電子制御スロットル10は、スロットルモータ9によって開度が変更されることで、内燃機関1の吸入空気量を調整する。電子制御スロットル10は、吸気管2の燃料噴射弁3が配設される部分よりも上流側の各気筒共通の吸気ダクトに設けられる。
燃料供給装置13は、燃料タンク11、燃料ポンプ12、圧力調整弁(プレッシャレギュレータ)14、オリフィス15、燃料ギャラリー配管16、燃料供給配管17、燃料戻し配管18、ジェットポンプ19、燃料移送管20を含んで構成される。
また、燃料ポンプ12は、吐出燃料の逆流を阻止するためのチェックバルブ(逆止弁)12a、及び、燃料ポンプ12の吐出圧(燃料供給圧)が上限圧を上回った場合に開弁し、燃料ポンプ12が吐き出した燃料を燃料タンク11内にリリーフするリリーフバルブ12bを内蔵している。
燃料供給配管17は、燃料ポンプ12と燃料ギャラリー配管16とを接続する配管であり、燃料ポンプ12の吐出口に燃料供給配管17の一端が接続され、燃料供給配管17の他端に燃料ギャラリー配管16が接続される。
燃料戻し配管18は、燃料タンク11内で燃料供給配管17から分岐延設され、燃料戻し配管18の端部は、燃料タンク11内に開放する。
圧力調整弁14は、燃料戻し配管18を開閉する弁体14aと、該弁体14aを燃料戻し配管18上流側の弁座に向けて押圧するコイルスプリングなどの弾性部材14bとから概略構成される機械式のバルブである。
ジェットポンプ19は、圧力調整弁14、オリフィス15を介して燃料タンク11内に戻される燃料の流れによって燃料を移送する。
そこで、ジェットポンプ19は、圧力調整弁14及びオリフィス15を介して燃料タンク11の領域11a内に戻される燃料の流れによって、燃料移送管20内に負圧を作用させ、燃料移送管20が開口する領域11b内の燃料を、燃料移送管20を介してジェットポンプ19まで導き、戻し燃料と共に領域11a内に排出させる。つまり、燃料ポンプ12から余剰の燃料を吐出させ、燃料タンク11に戻される余剰燃料を用いて、燃料タンク11内での燃料の移送を行わせる。
また、マイクロコンピュータを備えるFPCM(フューエル・ポンプ・コントロール・モジュール)30は、燃料ポンプ12の駆動信号を出力して燃料ポンプ12を制御する。
また、FPCM30は、燃料ポンプ12や燃料ポンプ12の駆動回路などについて故障診断した結果を示す信号などをECM31に向けて送信する。
前記各種センサとして、燃料ギャラリー配管16内の燃圧FUPRを検出する燃圧センサ33、図外のアクセルペダルの踏み込み量(換言すれば、アクセル開度)ACCを検出するアクセル開度センサ34、内燃機関1の吸入空気流量QAを検出するエアフローセンサ35、内燃機関1の回転速度NEを検出する回転センサ36、内燃機関1の冷却水温度TWを検出する水温センサ37、排気中の酸素濃度に基づき内燃機関1の空燃比AFRを検出する空燃比センサ38、内燃機関1の吸気温度TIAの検出する吸気温度センサ39、内燃機関1の潤滑油の温度TOを検出する油温センサ40、燃料ギャラリー配管16内の燃料の温度TFを検出する燃温センサ41などを設けてある。
そして、ECM31は、内燃機関1の負荷や機関回転速度NEなどの機関運転条件に基づいて点火時期(点火進角値)を演算し、点火時期において点火プラグ6による火花放電がなされるように、図外の点火コイルへの通電を制御する。
更に、ECM31は、燃料ポンプ12のPWM制御におけるデューティ比(%)を決定し、このデューティ比を示すパルス信号を、燃料ポンプ12の駆動指示信号としてFPCM30に送信する。
従って、ECM31は、燃圧センサ33で検出される燃圧FUPRと内燃機関1の運転条件(機関負荷、機関回転速度など)に基づいて設定した目標燃圧(目標燃圧≧圧力調整弁14の設定圧力)とに応じて、燃料ポンプ12のPWM制御におけるデューティ比を決定することができる。
尚、FPCM30が備える回路及び制御機能などをECM31が備えることで、ECM31とFPCM30とを一体化した制御装置とすることができる。
そして、ECM31は、各気筒の燃料噴射タイミングを検出すると、燃料噴射タイミングとなった気筒の燃料噴射弁3に対して噴射パルス幅TIの噴射パルス信号を出力することで、燃料噴射弁3による燃料噴射量及び噴射タイミングを制御する。燃料噴射弁3は、噴射パルス幅TIに相当する期間だけ開弁し、開弁期間(ms)に比例する量の燃料を噴射する。
つまり、内燃機関1の停止指令に基づき、燃料噴射弁3の燃料噴射が停止し、更に、燃料ポンプ12の駆動が停止すると、燃料配管内の燃料圧力は圧力調整弁14の設定圧力に保持されることになるが、前記設定圧力よりも燃料配管内の燃料圧力を低下させることができれば、停止期間における燃料噴射弁3からの燃料漏れをより少なくでき、以って、次回に内燃機関1を始動させるときの排気性状を改善できることになる。
なお、ECM31は、イグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)43がオンからオフに切り替えられても電源供給を受け、内燃機関1を停止させるときの所定処理を終えてから電源供給を自ら遮断(セルフシャットオフ)するようになっている。
ここで、ECM31は、イグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)43がオンからオフに切り替わったときに、内燃機関1の停止要求の発生を判定することができる。
これは、アイドリング・ストップ機能による一時的な内燃機関1の停止処理では、内燃機関1の停止期間が短く、その間における燃料噴射弁3からの燃料漏れは十分に少なく、また、内燃機関1を速やかに再始動させるためには燃料圧力の低下を抑制することが好ましいためである。
一方、ECM31は、内燃機関1の停止要求の発生を判定すると、ステップS502へ進み、燃料温度TFの読み込みを行う。
ECM31は、燃料温度TFを、冷却水温度TW、油温TO、停止前の機関負荷などから推定することができ、更に、冷却水温度TWなどに基づく燃料温度TFの推定値を、吸気温度TIA、外気温度、大気圧などに基づいて補正することができる。
ECM31は、図3に示すように、ステップS502にて読み込んだ燃料温度TFが高いほど目標燃料圧力PFTGをより高い圧力に設定する。換言すれば、圧力調整弁14の設定圧力からの燃料圧力の下げ代を、燃料温度TFが高いほど小さくし、燃料温度TFが低いほど大きくする。
そこで、ECM31は、燃料温度TFが高いほど燃料圧力の下げ代を小さくすることで、燃料ベーパの発生を抑制しつつ停止期間における燃料圧力(燃料漏れ量)を極力低くできるようにする。
耐熱時目標燃圧PFHOTは、停止時燃圧低下処理を実施するか否かを判定するために目標燃料圧力PFTGと比較する閾値である。
次いで、ECM31は、次いでステップS506へ進み、燃料噴射弁3の燃料噴射の停止に遅れて、燃料ポンプ12の駆動(燃料ポンプ12への電力供給)を停止させ、内燃機関1を停止させるときの燃料供給系の処理を終了させる。
なお、燃料噴射停止後に燃料ポンプ12の駆動を停止させるタイミングは、例えば、燃料噴射を停止させたタイミング又は内燃機関1の回転が停止したタイミングから所定時間後とすることができる。
上記のようにして、内燃機関1の停止期間における燃料圧力を圧力調整弁14の設定圧力付近に保持させる場合は、燃料圧力を低下させる場合に比べて停止期間における燃料噴射弁3からの燃料漏れを抑制する効果は低下するが、燃料ベーパの発生によって始動不良となることを抑制できる。
燃料ポンプ12の駆動停止は、例えば、燃料ポンプ12に電源電力を供給する電源ラインに設けた電源リレーをオフすることで行われる。また、燃料ポンプ12のPWM制御におけるオンデューティを所定値(例えば0%)にまで低下させることで、燃料ポンプ12の駆動を停止させることもできる。
ここで、目標燃料圧力PFTGが低いほど圧力調整弁14の設定圧力からの圧力下げ代が大きいことになり、また、燃料圧力は、燃料ポンプ12の駆動が停止している状態での噴射積算回数の増大に応じて低下することになる。
つまり、目標噴射回数INJCNTは、目標燃料圧力PFTGにまで燃料圧力を低下させるために要求される噴射積算回数であり、目標燃料圧力PFTGは、燃料温度が低いほどより低い圧力に設定されるから、燃料温度が低いほど目標噴射回数INJCNTはより多い回数に設定されることになる。
ステップS509で燃料噴射を行わせる場合、ECM31は、内燃機関1の運転中と同様に、噴射パルス幅TI(1回当たりの燃料噴射量)を、吸入空気流量QA、機関回転速度NEなどの機関運転条件に基づいて演算する。そして、ステップS509における燃料噴射制御で燃料噴射弁3から噴射された燃料は、機関停止指令後も継続される点火制御で実施される火花点火によって燃焼室内で着火燃焼する。
そして、燃料ポンプ12の駆動を停止させてからの燃料噴射の積算回数が目標噴射回数INJCNTよりも少ない場合、換言すれば、実際の燃料圧力が目標燃料圧力PFTG(PFTG<圧力調整弁14の設定圧力)にまで低下していないと推定される場合、ECM31は、ステップS509の処理に戻ることで更に燃料噴射を継続させる。
上記のように、内燃機関1を停止させるときに、圧力調整弁14の設定圧力よりも燃料配管内の燃料圧力を低下させれば、圧力調整弁14の設定圧力に保持される場合に比べて、内燃機関1の停止期間中における燃料噴射弁3からの燃料漏れを抑制できる。そして、停止期間中における燃料漏れ量を少なく抑えることができれば、次回に内燃機関1を始動させるときに未燃燃料の排出量を低減して排気性状を改善できる。
また、燃料配管内の燃圧低下に電磁リリーフ弁などの電子制御デバイスを用いないので、システムコストを増加させることなく、燃料配管内の燃圧低下を実現できる。
なお、内燃機関1を停止させるときの燃料温度に応じて燃料圧力の低下代を可変に設定する処理を省略し、一律の目標燃料圧力PFTG(目標噴射回数INJCNT)を設定することができる。
図4(A)、(B)において、時刻t1にてイグニッションスイッチがオンからオフに切り替わり、内燃機関1の停止指令が発生すると、時刻t2にてポンプ電源リレーがオンからオフに切り替えられ、更に、遅れて時刻t3にて噴射パルス信号の出力を停止させて燃料噴射弁3による燃料噴射を停止させる。
そして、時刻t3にて燃料噴射が停止されると、燃料圧力の低下が収束し、その後(内燃機関1の運転停止期間)は時刻t3における燃料圧力付近に保持されることになる。
従って、目標燃料圧力PFTGに応じてポンプ停止後の噴射回数を変更する代わりに、目標燃料圧力PFTGに応じてポンプ停止後の噴射における1回当たりの噴射量を変更することによっても、燃料圧力の低下代を制御することができる。
図5のフローチャートにおいて、ステップS601からステップS607でのECM31の処理内容は、図2のフローチャートにおけるステップS501からステップS507の処理内容と同じであり、ステップS608以降におけるECM31の処理内容が、図2のフローチャートにおけるステップS508以降の処理内容と異なる。
後述するように、燃料ポンプ12の停止状態での燃料噴射弁3の噴射回数は、目標燃料圧力PFTG(燃料温度)に応じて変更されずに固定値として与えられるので、1回当たりの噴射量を多くすることで、燃料ポンプ12の停止状態での燃料噴射の総量が多くなり、燃料圧力はより低下することになる。
なお、目標燃料圧力PFTGに応じて可変に設定される噴射パルス幅は、点火プラグによる火花点火で着火燃焼させることができる範囲内の値に設定される。
そして、ECM31は、ステップS610へ進み、燃料ポンプ12の駆動を停止させてからの燃料噴射の積算回数が、固定値である目標噴射回数INJCNTに達したか否かを判断する。
上記のように、燃料ポンプ12の停止状態で燃料噴射弁3が1回の噴射動作で噴射する燃料量を可変に設定する場合も、燃料ポンプ12の停止状態での噴射回数を可変に設定する場合と同様な作用、効果を得ることができる。
なお、目標燃料圧力PFTGに応じて、燃料ポンプ12の停止状態での噴射回数及び噴射パルス幅(1回当たりの噴射量)を可変に設定することができる。
図6(A)、(B)において、時刻t1にてイグニッションスイッチがオンからオフに切り替わり、内燃機関1の停止指令が発生すると、時刻t2にてポンプ電源リレーがオンからオフに切り替えられ、更に、遅れて時刻t3にて噴射パルス信号の出力を停止させて燃料噴射弁3による燃料噴射を停止させる。
そして、時刻t3にて燃料噴射が停止されると、燃料圧力の低下が収束し、その後(内燃機関1の運転停止期間)は時刻t3における燃料圧力付近に保持されることになる。
図7のフローチャートは、燃料ポンプ12を停止させてから燃料噴射を停止させるまでの時間(ポンプ停止状態での噴射継続時間)を目標燃料圧力PFTGに応じて可変に設定する、停止時燃圧低下処理を例示する。
ステップS708で、ECM31は、停止中の目標燃料圧力PFTGが低いほど、ポンプ停止状態での噴射継続時間を長く設定する。噴射継続時間が長いと、その間での噴射回数が多くなり、噴射継続時間(ポンプ停止から噴射停止までの期間)において噴射される燃料の総量が多くなり、燃料の総量が多くなるほど燃料圧力はより低下することになって、燃料圧力を目標燃料圧力PFTGにまで低下させることができる。
そして、燃料ポンプ12の駆動を停止させてからの経過時間が、ステップS708で設定した噴射継続時間に達していない場合、ECM31は、ステップS709に戻り、燃料噴射弁3による燃料噴射を継続させる。
上記のように、燃料ポンプ12の停止状態で燃料噴射弁3による燃料噴射を継続させる時間を可変に設定する構成の場合も、燃料ポンプ12の停止状態での噴射回数を可変に設定する場合と同様な作用、効果を得ることができる。
なお、目標燃料圧力PFTGに応じて、噴射継続時間及び1回当たりの噴射量(噴射パルス幅)を可変に設定することができる。
例えば、燃料ポンプ12を停止した後の燃料噴射における噴射パルス幅を、噴射積算回数の増大又は時間経過に応じて減少させることができる。
また、内燃機関1を停止させたときの燃料温度又は目標燃料圧力PFTGを記憶しておき、再始動時に検出した燃料圧力に基づき、目標燃料圧力PFTGと噴射回数、噴射パルス幅、噴射継続時間のいずれかとの相関を実際の停止中燃圧が目標燃料圧力PFTGに近づくように修正する、学習制御を実施することができる。
また、ECM31は、燃料圧力センサ33で検出される燃料圧力に基づき、燃料ポンプ12を停止させた後における燃料噴射弁3の噴射停止タイミングを決定することができる。
Claims (3)
- 燃料噴射弁と、前記燃料噴射弁に燃料を圧送する電動式の燃料ポンプとを備えた内燃機関に適用される制御装置であって、
前記内燃機関を停止するときに、前記燃料ポンプの駆動を停止させた後に前記燃料噴射弁による燃料噴射を停止させる停止時燃圧低下手段を有し、
前記停止時燃圧低下手段は、
前記内燃機関を停止させるときの燃料の温度が低いほど、前記燃料ポンプの駆動を停止させた後における前記燃料噴射弁による燃料噴射の目標総量を多く設定する目標総量設定手段と、
前記燃料ポンプの駆動を停止させた後における前記燃料噴射弁による燃料噴射の総量が前記目標総量に達したときに前記燃料噴射弁による燃料噴射を停止させる燃料噴射停止手段と、
を有する、内燃機関の制御装置。 - 前記目標総量設定手段は、
前記内燃機関を停止させるときの燃料の温度が低いほど前記内燃機関の停止期間における目標燃料圧力をより低い圧力に設定し、前記目標燃料圧力が低いほど前記目標総量を多く設定する、
請求項1記載の内燃機関の制御装置。 - 前記停止時燃圧低下手段は、
前記内燃機関が再始動されるときの燃料圧力が前記目標燃料圧力に近づくように、前記目標総量設定手段における前記目標燃料圧力に対する前記目標総量を修正する総量修正手段を更に有する、
請求項2記載の内燃機関の制御装置。
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