JP4702076B2 - ピエゾインジェクタの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、チョッパ制御により、アクチュエータとして機能するピエゾ素子を介して流れる電流量の増加操作及び減少操作を繰り返すことで、前記ピエゾ素子の変位量を制御するピエゾインジェクタの制御装置に関する。
ピエゾインジェクタは、多数の圧電素子を積層した積層体(ピエゾスタック)等のピエゾ素子を逆圧電効果により伸縮させることでアクチュエータとして利用するものである。ピエゾ素子は容量性の負荷であり、その充電と放電とで伸長状態と縮小状態とが切り替えられる。
ピエゾインジェクタの制御装置は、ピエゾ素子を充電、及び放電することでピエゾインジェクタを伸長、及び縮小させるものである。この制御装置としては、チョッパ制御により、ピエゾ素子の充電及び放電を行うことでピエゾ素子の変位量を制御するものが知られている。この制御装置は、伸長制御時には、チョッパ制御にかかる充電用のスイッチング素子のオン・オフ操作の繰り返しにより、ピエゾ素子を介して流れる電流量の増加、減少を繰り返すことで、ピエゾ素子への充電を行う。また、収縮制御時には、チョッパ制御にかかる放電用のスイッチング素子のオン・オフ操作の繰り返しにより、ピエゾ素子を介して流れる電流量の増加、減少を繰り返すことで、ピエゾ素子の放電を行う。
ところで、ピエゾ素子の電圧とピエゾ素子の変位量との間の関係は、温度に応じて変化する。一方、ピエゾインジェクタの開弁時間を高精度に制御するためには、温度にかかわらず変位量を一定に制御する必要がある。このため、ピエゾ素子の電圧によってピエゾ素子の変位量を間接的に管理したのでは、ピエゾ素子の温度に応じてその変位量が変化するため、開弁時間を高精度に制御することができない。
そこで従来は、例えば下記特許文献1に見られるように、ピエゾ素子に充電される電荷量とピエゾ素子の充電終了時の電圧とからピエゾ素子の容量を算出し、該容量からピエゾ素子の温度を把握する制御装置も提案されている。また、下記特許文献2に見られるように、ピエゾ素子を充電するに際し、供給されるエネルギの増加速度を一定とする制御を行うことで、変位量の温度依存性を抑制することも提案されている。
ただし、上記特許文献1に記載された制御装置では、ピエゾ素子に充電される電荷量とピエゾ素子の充電終了時の電圧とからピエゾ容量を算出するという処理を行なうために、処理工程が煩雑化するという問題がある。一方、上記特許文献2では、ピエゾ素子を伸長制御すべくピエゾ素子を充電する際には有効であるものの、ピエゾ素子を収縮制御すべくピエゾ素子に充電された電荷を放電させる処理における放電時間を高精度に制御することは困難である。
特開2002−21620号公報 特開2005−130561号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、チョッパ制御によりアクチュエータとして機能するピエゾ素子を介して流れる電流量の増加操作及び減少操作を繰り返すことでピエゾ素子の放電処理を行なうに際し、その放電時間をより適切に制御することのできるピエゾインジェクタの制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、前記ピエゾ素子を介して流れる電流量が規定のピーク値となるときに前記増加操作から前記減少操作へと切り替えるとともに、前記ピエゾ素子を介して流れる電流量が規定のボトム値となるときに前記減少操作から前記増加操作へと切り替えることで前記ピエゾ素子を放電する放電手段と、前記チョッパ制御により前記ピエゾ素子に電荷を充電する充電処理において充電される電荷量についての情報を取得する取得手段と、該取得される情報に基づき、前記ピーク値及び前記ボトム値の少なくとも一方を可変設定する設定手段とを備え、前記設定手段は、前記ピエゾ素子の充電終了から放電開始までの期間及び該期間と相関を有するパラメータのいずれか一方についての情報を入力として前記充電終了から前記放電開始までに前記ピエゾ素子からリークする電荷量を把握し、前記充電処理によって充電される電荷量から前記リークする電荷量が差し引かれた電荷量である前記ピエゾ素子の放電開始時の電荷量が多いほど、放電速度が大きくなるように前記可変設定を行うことを特徴とする。
請求項記載の発明は、前記ピエゾ素子を介して流れる電流量が規定のピーク値となるときに前記増加操作から前記減少操作へと切り替えるとともに、前記ピエゾ素子を介して流れる電流量がゼロとなるときに前記減少操作から前記増加操作へと切り替えることで前記ピエゾ素子を放電する放電手段と、前記チョッパ制御により前記ピエゾ素子に電荷を充電する充電処理において充電される電荷量についての情報を取得する取得手段と、前記ピエゾ素子の充電終了から放電開始までの期間及び該期間と相関を有するパラメータのいずれか一方についての情報を入力として前記充電終了から前記放電開始までに前記ピエゾ素子からリークする電荷量を把握し、前記充電処理によって充電される電荷量から前記リークする電荷量が差し引かれた電荷量である前記ピエゾ素子の放電開始時の電荷量が多いほど、前記ピーク値が大きな値となるように可変設定する設定手段とを備えることを特徴とする。
上記各構成において、ピエゾ素子の充電処理により充電される電荷量は、一定ではなく、ピエゾ素子の温度や、ピエゾインジェクタの用いられる状況に応じて変化する。一方、上記構成では、ピエゾ素子を介して流れる電流がピーク値となるときに増加操作から減少操作へ切り替えられ、ボトム値となることで減少操作から増加操作へ切り替えられる。このため、放電電荷量は、上記ピーク値及び上記ボトム値との差と時間との積の「1/2」と、ボトム値及び時間との積との和によって近似される。したがって、ピエゾ素子に充電される電荷量が変動しても、上記ピーク値と上記ボトム値との少なくとも一方を変更することで、充電した電荷量を所望の放電時間で放電させることなどができる。
ところで、充電処理の終了から放電処理の開始までの期間に、ピエゾ素子に蓄えられた電荷がリークすることがある。このリーク量は、充電処理の終了から放電処理の開始までの期間が長いほど増加する傾向にある。この点、上記構成によれば、上記充電処理から放電処理までの期間、又は同期間と相関を有するパラメータについての情報に基づき、リーク量を高精度に把握することができ、ひいては、放電開始時の電荷量を高精度に把握することができる。このため、上記各構成によれば、放電時間をより高精度に制御することができる。
請求項2記載の発明は、前記ピエゾ素子を介して流れる電流量が規定のピーク値となるときに前記増加操作から前記減少操作へと切り替えるとともに、前記ピエゾ素子を介して流れる電流量がゼロとなるときに前記減少操作から前記増加操作へと切り替えることで前記ピエゾ素子を放電する放電手段と、前記チョッパ制御により前記ピエゾ素子に電荷を充電する充電処理において充電される電荷量についての情報を取得する取得手段と、前記ピエゾ素子の充電終了から放電開始までの期間及び該期間と相関を有するパラメータのいずれか一方についての情報を入力として前記充電終了から前記放電開始までに前記ピエゾ素子からリークする電荷量を把握し、前記充電処理によって充電される電荷量から前記リークする電荷量が差し引かれた電荷量である前記ピエゾ素子の放電開始時の電荷量が多いほど、前記ピーク値が大きな値となるように可変設定する設定手段とを備えることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記ピエゾ素子を介して流れる電流量が規定のピーク値となるときに前記増加操作から前記減少操作へと切り替えるとともに、前記ピエゾ素子を介して流れる電流量がゼロとなるときに前記減少操作から前記増加操作へと切り替えることで前記ピエゾ素子を放電する放電手段と、前記チョッパ制御により前記ピエゾ素子に電荷を充電する充電処理において充電される電荷量についての情報を取得する取得手段と、前記ピエゾ素子の電圧及び該電圧と相関を有するパラメータのいずれか一方についての情報を入力として前記充電終了から前記放電開始までに前記ピエゾ素子からリークする電荷量を把握し、前記充電処理によって充電される電荷量から前記リークする電荷量が差し引かれた電荷量である前記ピエゾ素子の放電開始時の電荷量が多いほど、前記ピーク値が大きな値となるように可変設定する設定手段とを備えることを特徴とする。
上記各構成において、ピエゾ素子の充電処理により充電される電荷量は、一定ではなく、ピエゾ素子の温度や、ピエゾインジェクタの用いられる状況に応じて変化する。一方、上記構成では、ピエゾ素子を介して流れる電流がピーク値となるときに増加操作から減少操作へ切り替えられ、ボトム値となることで減少操作から増加操作へ切り替えられる。このため、放電電荷量は、上記ピーク値及び上記ボトム値との差と時間との積の「1/2」と、ボトム値及び時間との積との和によって近似される。したがって、ピエゾ素子に充電される電荷量が変動しても、上記ピーク値と上記ボトム値との少なくとも一方を変更することで、充電した電荷量を所望の放電時間で放電させることなどができる。
ところで、充電処理の終了から放電処理の開始までの期間に、ピエゾ素子に蓄えられた電荷がリークすることがある。このリーク量は、ピエゾ素子の電圧が高いほど増加する傾向にある。この点、上記構成によれば、ピエゾ素子の電圧及び同電圧と相関を有するパラメータのいずれか一方についての情報に基づき、リーク量を高精度に把握することができ、ひいては、放電開始時の電荷量を高精度に把握することができる。このため、上記構成によれば、放電時間をより高精度に制御することができる。
請求項記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記取得手段は、前記充電処理時にピエゾ素子を介して流れる電流の検出値の積分値により、充電される電荷量を検出する電荷量検出手段を備えて構成されることを特徴とする。
上記構成では、充電処理時にピエゾ素子を介して流れる電流の検出値の積分値により、充電される電荷量を検出する電荷量検出手段を備えることで、充電処理をいかなる態様にて行なう場合であれ、充電電荷量についての高精度な情報を取得することができる。
請求項記載の発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載の発明において、前記ピエゾ素子の放電に際しての該ピエゾ素子の電気的な状態量に基づき、前記ピエゾ素子の放電速度を検出する放電速度検出手段と、前記放電速度検出手段によって検出される放電速度に基づき、前記設定手段による設定を補正する補正手段とを更に備えることを特徴とする。
上記構成では、放電速度の検出値に基づき上記差をフィードバック補正することで、放電速度をより高精度に制御することができる。
請求項記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記放電速度検出手段は、前記ピエゾ素子の放電に際しての該ピエゾ素子の電圧に平滑化処理を施したものに基づき、前記ピエゾ素子の放電速度を検出することを特徴とする。
なお、請求項1〜のいずれかに記載の発明において、前記ピエゾインジェクタは、燃料を高圧状態で蓄える蓄圧室から燃料が供給されるものであり、前記蓄圧室内の燃圧に応じて前記充電処理の態様を可変設定してもよい
上記構成では、ピエゾ素子に対する充電態様を同一としたとしても、蓄圧室内の燃圧が変化することでピエゾ素子の変位量が変動する。この点、上記構成によれば、燃圧に応じて充電処理の態様を可変設定することで、燃圧の変化にかかわらず、ピエゾ素子の変位量を高精度に制御することができる。ただし、この場合、ピエゾ素子に充電される電荷量は、ピエゾ素子の温度が一定であったとしても燃圧に応じて変化することとなる。すなわち、上記構成では、ピエゾ素子の温度及び燃圧の2つが、ピエゾ素子に充電される電荷量を変化させる要因となっている。このため、上記構成は、上記請求項1〜の発明の作用効果を特に好適に奏することができる構成となっている。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかるピエゾインジェクタの制御装置を、コモンレール式のディーゼル機関の備えるピエゾインジェクタの制御装置に適用した第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態におけるエンジンシステムの全体構成を示す。
図示されるように、燃料タンク1内の燃料は、燃料フィルタ2を介して燃料ポンプ3によって汲み上げられる。この燃料ポンプ3は、SCV(燃料調量弁4)を備えており、この燃料調量弁4が操作されることで、外部に吐出される燃料量が決定される。
燃料ポンプ3からの燃料は、コモンレール5に加圧供給される。コモンレール5は、燃料ポンプ3から加圧供給された燃料を高圧状態で蓄え、これを高圧燃料通路6を介して各気筒(ここでは、4気筒を例示)のピエゾインジェクタPIに供給する。ピエゾインジェクタPIは、低圧燃料通路7と接続されており、低圧燃料通路7を介して燃料を燃料タンク1に戻すことが可能となっている。
ここで、図2に基づき、ピエゾインジェクタPIの構造について説明する。
ピエゾインジェクタPIのボディ10の先端には、円柱状のニードル収納部12が設けられている。そして、ニードル収納部12には、その軸方向に変位可能なノズルニードル14が収納されている。ノズルニードル14は、ボディ10の先端部に形成されている環状のニードルシート部16に着座することで、ニードル収納部12を外部(ディーゼル機関の燃焼室)から遮断する一方、ニードルシート部16から離座することで、ニードル収納部12を外部と連通させる。また、ニードル収納部12には、上記高圧燃料通路6を介して高圧燃料が供給される。
ノズルニードル14の背面側(ニードルシート部16と対向する側の反対側)は、背圧室20に対向している。背圧室20には、高圧燃料通路6からの燃料がオリフィス22を介して供給される。また、背圧室20には、ノズルニードル14をニードルシート部16側へ押すニードルスプリング24が備えられている。
背圧室20は、ボール26を介して上記低圧燃料通路7に連通可能とされている。ボール26は、その背面側が、環状のバルブシート部30に着座することで、低圧燃料通路7と背圧室20とを遮断し、ボディ10の先端側へ変位することで、低圧燃料通路7と背圧室20とを連通させる。
ボール26のうちバルブシート部30側は、プレッシャピン32を介して小径ピストン34と連結されている。小径ピストン34の後部側は、小径ピストン34よりも径の大きな大径ピストン36の先端と対向している。そして、小径ピストン34、大径ピストン36、及びボディ10の内周面によって変位伝達室38が区画形成されている。変位伝達室38には、例えば燃料等の適宜の流体が充填されている。
一方、大径ピストン36は、そのボディ10の後方側がピエゾ素子PEと連結されている。ちなみに、ピエゾ素子PEは、大径ピストン36と対向する側の裏面側がボディ10に固定されている。
ピエゾ素子PEは、複数の圧電素子が積層されてなる積層体(ピエゾスタック)を備え、これが逆圧電効果により伸縮することによりアクチュエータとして機能する。具体的には、ピエゾ素子PEは、容量性の負荷であり、充電されることで伸長し、放電されることで縮小する。ちなみに、本実施形態にかかるピエゾ素子PEは、PZT等の圧電材料の圧電素子を利用したものである。
ピエゾ素子PEへ電流が供給されずピエゾ素子PEが収縮状態にあるときには、高圧燃料通路6の高圧燃料により力が及ぼされることから、ボール26や小径ピストン34はボディ10の後方に位置することとなる。このとき、ボール26により背圧室20と低圧燃料通路7とは遮断されている。このため、背圧室20内の燃料の圧力(コモンレール5内の燃料の圧力)及びニードルスプリング24の弾性力によって、ノズルニードル14は、ボディ10先端側へと押され、ニードルシート部16に着座した状態(閉弁状態)となる。
一方、ピエゾ素子PEに電流が供給されることでピエゾ素子PEが伸長状態となると、ボール26は、ボディ10の先端側へ移動する。これにより、背圧室20が低圧燃料通路7と連通される。その結果、背圧室20内の燃料の圧力が低下し、ニードル収納部12内の高圧燃料がノズルニードル14をボディ10の後方へ押す力が、背圧室20内の燃料及びニードルスプリング24がノズルニードル14をボディ10の前方へ押す力よりも所定以上大きくなると、ノズルニードル14は、ニードルシート部16から離座した状態(開弁状態)となる。
先の図1に示したエンジンシステムは、コモンレール5内の燃圧を検出する燃圧センサ40等、ディーゼル機関の運転状態を検出する各種センサを備えている。
これら各種センサの検出結果は、制御装置50に取り込まれる。そして、制御装置50では、こうした検出値に基づき、ピエゾインジェクタPI等、ディーゼルエンジンの各種アクチュエータを操作する。次に、制御装置50の行なう処理のうち、特にピエゾインジェクタPIに設けられるピエゾ素子PEの充電及び放電を行う処理について詳述する。
図3に、ピエゾインジェクタPIの備えるピエゾ素子PE及び制御装置50の構成を示す。
ここでは、まずピエゾ素子PEを駆動する駆動回路について説明する。図示されるように、バッテリBaから供給される電力は、まず昇圧回路であるDC/DCコンバータ60に供給される。DC/DCコンバータ60は、バッテリBaの電圧(例えば「12V」)を、ピエゾ素子PEを充電するための高電圧(例えば「200〜300V」)に昇圧する。
DC/DCコンバータ60の昇圧電圧は、コンデンサ62に印加される。コンデンサ62は、その一方の端子がDC/DCコンバータ60側に接続され、また他方の端子が接地されている。そして、DC/DCコンバータ60の昇圧電圧がコンデンサ62に印加されると、コンデンサ62はピエゾ素子PEに供給するための電荷を蓄える。ちなみに、コンデンサ62は、ピエゾ素子PEへの一回の充電処理によってはその電圧がほとんど変化しない容量(例えば「数100μF」程度)を有するものであることが望ましい。
コンデンサ62のうちの高電位となる端子側、すなわち、DC/DCコンバータ60側は、充電スイッチ64と充放電コイル66との直列接続体を介して、ピエゾ素子PE(各気筒に対応してピエゾ素子pa〜pdと表記)の高電位となる端子側に接続されている。そして、ピエゾ素子PEの低電位となる端子側は、接地されている。
詳しくは、各ピエゾ素子pa〜pdと接地との間には、気筒選択スイッチ68が接続されており、これにより、ピエゾ素子pa〜pdのいずれに対して充電処理又は放電処理を行うかを選択するようになっている。また、ピエゾ素子paとピエゾ素子pdとの並列回路と、ピエゾ素子pbとピエゾ素子pcとの並列回路とには、それぞれこれらと充放電コイル66とを接続するバンク選択スイッチ70が接続されている。このバンク選択スイッチ70は、複数気筒の同時噴射や、退避走行時に2気筒のみを用いることを可能とするスイッチである。ちなみに、ピエゾ素子pa〜pdは、ピエゾ素子paが1番気筒、ピエゾ素子pbが2番気筒、ピエゾ素子pcが3番気筒、ピエゾ素子pdが4番気筒に対応している。
充電スイッチ64と充放電コイル66との間には、放電スイッチ72の一方の端子が接続されており、放電スイッチ72の他方の端子は、接地されている。
放電スイッチ72には、ダイオード74が並列接続されている。ダイオード74は、そのカソード側がコンデンサ62及び充放電コイル66との間に、またそのアノード側が接地側にそれぞれ接続されている。ダイオード44は、コンデンサ62、充電スイッチ64、充放電コイル66と共に、ピエゾ素子PEを充電するチョッパ回路を構成するものであり、フリーホイーリングダイオードとして機能する。
一方、充電スイッチ64には、ダイオード76が並列接続されている。ダイオード76は、そのカソード側がコンデンサ62側と、またそのアノード側が放電スイッチ72側と接続されている。ダイオード76は、コンデンサ62、充放電コイル66、放電スイッチ72と共に、ピエゾ素子PEの電荷を放電するチョッパ回路を構成するものであり、フリーホイーリングダイオードとして機能する。
なお、充放電コイル66とバンク選択スイッチ70との間には、ショートスイッチ78とダイオード80と抵抗82及び抵抗84の直列接続体とが、ピエゾ素子PEに並列に接続されている。このショートスイッチ78は、上記チョッパ制御によっては放電しきれなかったピエゾ素子PEの電荷を完全に放電するためのものである。また、ダイオード80は、ピエゾ素子PEの電圧がマイナスになることを防止している。
先の図1に示した制御装置50は、上記駆動回路に加えて、マイクロコンピュータ(マイコン90)と制御IC92とを備えている。ここで、マイコン90は、ディーゼル機関の運転状態等を検出する各種センサの検出値に基づき、ピエゾ素子PEの変位量の制御条件を算出し、制御IC92に出力する。制御IC92は、マイコン90から出力された制御条件に基づき、駆動回路を駆動する。なお、制御IC92やマイコン90は、駆動回路の各ノードN1〜N7の電位に基づき、駆動回路やピエゾ素子PEの電流や電圧等の情報を取り込んでいる。
ここで、本実施形態にかかるピエゾ素子PEの変位量の制御(充電処理及び放電処理)について詳述する。
図4に、充電処理及び放電処理の態様を示す。ここで、図4(a)は、マイコン90から制御IC92に出力される信号であって且つ、ピエゾインジェクタPIに対する噴射期間の指令値(指令噴射期間)を示す噴射信号の推移を示す。図4(b)は、マイコン90から制御IC92に出力され、充電期間を指示する充電期間信号の推移を示す。図4(c)は、充電スイッチ64の操作信号の推移を示す。図4(d)は、気筒選択スイッチ68の操作信号の推移を示す(ここではそのうちのピエゾ素子paに対応したものを例示)。図4(e)は、放電スイッチ72の操作信号の推移を示す。図4(f)は、バンク選択スイッチ70の操作信号の推移を示す(ここでは、図4(d)に対応するスイッチの操作信号を例示)。図4(g)は、ショートスイッチ78の操作態様の推移を示す。図4(h)は、ピエゾ素子PEの高電位となる側の電圧の推移を示す。図4(i)は、ピエゾ素子PEを介して流れる電流(ピエゾ素子PEに流入する電荷、ピエゾ素子PEから流出する電荷)の推移を示す。
図示されるように、時刻t1に、マイコン90から制御IC92に、噴射信号と充電期間信号が出力されることで、制御IC92は、充電スイッチ64のオン・オフ操作によるチョッパ制御を開始する。具体的には、充電スイッチ64がオン操作されることによって、図5(a)に示すように、コンデンサ62、充電スイッチ64、充放電コイル66、ピエゾ素子paからなる閉ループ回路が形成される。これにより、コンデンサ62の電荷がピエゾ素子paに充電される。このとき、先の図4に示すように、ピエゾ素子paを介して流れる電流量が漸増する(電流量の漸増操作)。一方、充電スイッチ64のオン操作の後、充電スイッチ64がオフ操作されることで、図5(b)に示すように、充放電コイル66、ピエゾ素子pa、ダイオード74からなる閉ループ回路が形成される。これにより、充放電コイル66のフライホイールエネルギが、ピエゾ素子paに充電される。このとき、先の図4に示すように、ピエゾ素子paを介して流れる電流量が漸減する(電流量の漸減操作)。そして、本実施形態では、先の図4に示すように、電流量がゼロとなることで、充電スイッチ64を再度オン操作する。
上記態様にて充電スイッチ64が操作される降圧チョッパ制御が時刻t1〜時刻t2にわたって行われることで、ピエゾ素子paが充電され、ピエゾ素子paの高電位となる端子側の電位が上昇する。
一方、図4に示す時刻t3において、噴射信号が反転すると、制御IC92では、放電スイッチ72のオン・オフ操作を開始する。具体的には、放電スイッチ72がオン操作されることで、図6(a)に示すように、放電スイッチ72、充放電コイル66、ピエゾ素子paによって閉ループ回路が形成される。これにより、ピエゾ素子paが放電される。このとき、先の図4に示すように、ピエゾ素子paを介して流れる電流量が漸増する(電流量の漸増操作)。更に、放電スイッチ72のオン操作の後、放電スイッチ72がオフ操作されることで、図6(b)に示すように、コンデンサ62、ダイオード76、充放電コイル66、ピエゾ素子paによって閉ループ回路が形成される。これにより、充放電コイル66のフライホイールエネルギがコンデンサ62に回収される。このとき、先の図4に示すように、ピエゾ素子paを介して流れる電流量が漸減する(電流量の漸減操作)。そして、本実施形態では、先の図4に示すように、電流量がゼロとなることで、放電スイッチ72を再度オン操作する。
上記態様にて放電スイッチ72が操作される昇圧チョッパ制御が行われることで、ピエゾ素子paが放電され、ピエゾ素子paの高電位となる端子側の電位が低下する。ちなみに、図5、図6に示す式は、ピエゾ素子paを介して流れる電流量Iと、充放電コイル66のインダクタンスL、ピエゾ素子paの電圧Vp、コンデンサ62の電圧Vcとの関係を表すものである。
なお、図4に示すように、昇圧チョッパ制御によるピエゾ素子paの放電が完了した後の時刻t4〜時刻t5までの間、ショートスイッチ78がオン操作されることで、ピエゾ素子paの電荷を完全に放電させるようにする。
本実施形態では、図4に示したように、ピエゾ素子paの充電処理を、充電期間信号によって定まる所定期間、充電スイッチ64のオン・オフ操作をすることによって行っている。すなわち、ピエゾ素子PEを伸長させる制御を、開ループ制御によって行なっている。そして、ピエゾ素子PEの変位量を所望に制御するに際し、本実施形態では、ピエゾ素子PEの変位量と相関を有するピエゾ素子PEの電気的な状態量を制御量とする。
ところで、ピエゾ素子PEの容量(ピエゾ素子PEに蓄えられる電荷とピエゾ素子PEの電圧とを関係付ける見かけの容量)Cは、温度依存性を有する。詳しくは、図7に示すように、温度が高くなるほど容量Cが増加する。このように、ピエゾ素子PEの電気的な特性が温度に応じて変化するため、電気的な状態量に基づきピエゾ素子PEの変位量を制御することは困難である。実際、図8に示されるように、ピエゾ素子PEの電圧に対する変位量の比によって定義される圧電率dは、温度が高いほど大きくなる。このため、ピエゾ素子PEの電圧によってピエゾ素子PEの変位量を制御する場合には、その制御精度を高く維持することができない。
そこで本実施形態では、ピエゾ素子PEを充電することでピエゾ素子PEを伸長制御するに際し、ピエゾ素子PEに供給するエネルギ量を定める。ピエゾ素子PEのエネルギが同一であれば、ピエゾ素子PEの温度の変動にかかわらず、ピエゾ素子PEの変位量を略一定とすることができるからである。これは、簡易的には、以下のようにして説明される。すなわち、ピエゾ素子PEのエネルギEを一定とする場合、温度の上昇につれて先の図7に示す関係から容量が大きくなると、電圧Vは、「E=1/2CV2」の関係から低下する。このため、先の図8に示したように温度が上昇するにつれて圧電率dが増加する効果は、温度の上昇に伴う電圧の低下の効果によって相殺される。なお、エネルギを一定とした場合にピエゾ素子PEの変位量が略一定となることについての詳細は、例えば上述した特許文献2に記載されている。
上記エネルギ量を一定とすべく、本実施形態では、充電処理時のチョッパ制御を図9に示す態様にて行なう。すなわち、充電スイッチ64をオン状態とする時間を充電処理の間中一定とし、且つオフ状態とする時間をピエゾ素子PEを介して流れる電流がゼロとなるまでの時間とする。換言すれば、電流の漸増操作から漸減操作へと切り替えるタイミングを漸増操作から予め定められた時間が経過するときとして且つ、電流の漸減操作から漸増操作へと切り替えるタイミングを電流がゼロとなるときとする。これにより、単位時間当たりにピエゾ素子PEに供給されるエネルギ量を、ピエゾ素子PEの温度にかかわらず略一定とすることができるため、充電時間によって簡易にピエゾ素子PEに供給されるエネルギを制御することができる。なお、上記態様のチョッパ制御により単位時間当たりのピエゾ素子PEに供給されるエネルギ量を一定とすることができることについては、例えば特開2002−13156号公報に記載されている。
上記態様にてピエゾ素子PEの伸長量を高精度に制御することができる。詳しくは、本実施形態では、上記燃圧センサ40によって検出されるコモンレール5内の燃圧に応じたエネルギ量の充電を行なうことで伸長量を所望に制御する。ここで、燃圧に応じてエネルギ量を可変とするのは、ピエゾ素子PEの変位量が、ピエゾ素子PEの変位方向と逆方向に外部から加わる力に応じて変化するためである。一方、ピエゾインジェクタPIを開弁させるためには、換言すれば、先の図2に示したノズルニードル14をボディ10の後方に変位させるためには、高圧燃料通路6を介して供給される燃料がボール26をバルブシート部30側へ押す力に打ち勝つ力をピエゾ素子PEによって発生させなければならない。このため、ピエゾ素子PEの変位方向と逆方向に加わる力は、燃料の圧力に応じて変化する。
本実施形態では、マイコン90内に、図10に示すマップを備えて、ピエゾ素子PEに供給するエネルギを燃圧に応じて設定する。図10に示すマップは、燃圧が高いほどピエゾ素子PEに供給するエネルギ量を増加させるよう指示するものである。マイコン90では、上記マップに基づき燃圧に応じてエネルギ量を設定すると、これに応じて、先の図4(b)に示した充電期間信号を制御IC92に出力する。
一方、本実施形態においては、ピエゾ素子PEの放電処理を、図11に示す態様にて行なう。図示されるように、本実施形態では、基本的には、ピエゾ素子PEを介して流れる電流が規定のピーク値Ipとなることで放電スイッチ72をオフとし、且つピエゾ素子PEを介して流れる電流がゼロとなることで放電スイッチ72をオンとする。換言すれば、ピエゾ素子PEを介して流れる電流がピーク値Ipとなることで漸増操作から漸減操作への切り替えを行い且つ、ピエゾ素子PEを流れる電流がゼロとなることで漸減操作から漸増操作への切り替えを行なう。ただし、漸増操作時間には予め上限値が定められており、上限値に達すると、ピエゾ素子PEを介して流れる電流がピーク値Ipに達していなくても、漸減操作に切り替える。これは、放電処理の開始から時間の経過とともに放電スイッチ72のオン状態における電流の増加速度が小さくなるためにとられる処置である。
上記態様にてピエゾ素子PEの放電処理を行なうことで、放電時間に比例して放電量を増加させることができる。すなわち、ピーク値Ipとなることでオフ操作へと切り替える上記操作を行なう場合、放電時間tの間に放電される電荷量は、図11に示す各三角形の面積が「(底辺)×(高さ)/2」であることに鑑みれば、「t×Ip/2」にて近似できる。
ところで、上述した態様にて充電処理を行なうことでピエゾ素子PEの伸長制御をする場合、充電処理によるピエゾ素子PEの電荷量や、充電時のピエゾ素子PEの電圧は様々な値をとり得る。そして、これによりピエゾ素子PEの電荷を放電させる放電処理の時間が変動し得る。図12(a)に、ピエゾ素子PEの温度が一定であり、ピエゾ素子PEに供給するエネルギ量を変化させた場合を示す。この場合、エネルギが少量である場合よりも、エネルギが多量であるときの方が、ピエゾ素子PEに充電される電荷量が多いため放電時間が長くなる。これに対し、図12(b)に示すように、ピエゾ素子PEのエネルギが一定であり、ピエゾ素子PEの温度が変化する場合を示す。この場合、ピエゾ素子PEが高温であるときの方が、低温であるときよりも放電期間が長くなる。これは、ピエゾ素子PEが高温であるほど容量Cが増加するため、エネルギが一定なら電圧は小さくなり電荷は増加するためである。
図13に、ピエゾ素子PEの電圧や、供給エネルギ、容量を変化させた場合に、放電時間を一定とするために要求される上記ピーク値Ipを示す。図示されるように、供給エネルギが増加するほどピーク値Ipは増加する傾向にあり、また、容量Cに反比例してピーク値Ipは減少する傾向にある。このように、放電時間を所望に制御するために上記各パラメータに応じてピーク値Ipを可変設定する場合には、放電処理が煩雑化する。
そこで本実施形態では、ピエゾ素子PEに充電される電荷に応じて、ピーク値Ipを可変設定する。詳しくは、充電処理時にピエゾ素子PEに充電される電荷量が多いほど、ピーク値Ipを大きな値とする。そしてこれにより、先の図11に示した三角波形状の電流を、所望の時間に渡って積分した値を充電される電荷量と等しくなるようにする。これにより、充電される電荷量にかかわらず、放電時間を所望の時間とすることができる。
ここで、ピエゾ素子PEに充電される電荷量は、先の図3に示した気筒選択スイッチ68と接地との間のノードN5,N6を流れる電流を、積分器86により積分することで検出する。
図14に、制御ICによる積分器86を用いたピーク値Ipの設定態様を例示する。図14(a)は、ピエゾ素子PEを介して流れる電流を示し、図14(b)は、積分器86の出力値として制御IC92に取り込まれる値を示す。図示されるように、充電スイッチ64のオン操作が終了する時刻t11(先の図4の時刻t2と対応)から規定時間Δt経過後の時刻t12に、積分器86の出力値をホールドする。この規定時間Δtは、積分器86の出力値が安定すると想定される時間に応じて設定されるものである。そして、このホールドされる積分器86の出力値に応じて、ピーク値Ipが設定される。そして、放電処理が開始される時刻t13(先の図4の時刻t3に対応)において、制御IC92においてホールドされていた積分器86の出力値を初期化する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)ピエゾ素子PEを介して流れる電流量がピーク値Ipとなることで上記漸増操作から漸減操作へと切り替えることでピエゾ素子PEの放電処理を行なって且つ、ピーク値Ipを、ピエゾ素子PEに充電される電荷量に応じて可変設定した。これにより、充電した電荷量を所望の放電時間で放電させることができる。
(2)充電処理時にピエゾ素子PEに充電される電荷量を、ピエゾ素子PEを介して流れる電流を時間積分することで検出する積分器86を備えた。これにより、充電電荷量についての高精度な情報を取得することができる。
(3)コモンレール5内の燃圧に応じて充電処理においてピエゾ素子PEに供給されるエネルギ量を可変設定した。このため、本実施形態では、ピエゾ素子PEの温度及び燃圧の2つが、ピエゾ素子PEに充電される電荷量を変化させる要因となる。このため、上記(1)の効果を特に好適に奏することができる構成となっている。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態では、充電終了時から放電開始直前までの間にピエゾ素子PEからリークする電荷量を算出することで、放電開始直前の電荷量を算出し、これに応じてピーク値Ipを可変設定する。ここで、電荷がリークする要因としては、例えば先の図1に示す抵抗82及び抵抗84の直列接続体を介して接地へと流出する電荷量がある。これら抵抗82及び抵抗84は、その間のノードN4の電圧に基づきピエゾ素子PEの電圧等を監視するものであり、大きな抵抗値を有するものであるが、ピエゾ素子PEの充電から放電までの間の電荷のリークの要因の一つとなる。また、通常、ピエゾ素子PEには、先の図1のピエゾ素子pcについて一点鎖線にて例示するように、ピエゾ素子PEを保護すべくピエゾ素子PEと並列に抵抗体が接続されている。この抵抗体の抵抗値も非常に大きな値に設定されているが、ピエゾ素子PEの充電から放電までの間の電荷のリークの要因の一つとなる。このため、充電終了時の電荷量と放電開始直前の電荷量との間には、数パーセントの誤差が生じ得る。本実施形態では、放電開始直前の電荷量を算出することで、放電時間をより高精度に制御する。
図15に、本実施形態にかかる制御装置50の構成を示す。本実施形態では、積分器86の出力は、A/D変換器88によってディジタルデータに変換され、マイコン90に取り込まれる。
図16に、マイコン90の行なう処理のうち、特に、上記ピーク値Ipの設定に関する処理の機能ブロック図を示す。
電荷量換算部B2は、積分器86の出力がA/D変換器88によってディジタルデータに変換された値を、ピエゾ素子PEに充電された電荷量に換算する。ここでは、上記ディジタルデータの値が大きいほど、電荷量が多いとしている。
リーク電荷量算出部B4は、ピエゾインジェクタPIに対する指令噴射期間TQと、ピエゾ素子PEに対する充電エネルギ量の指令値(指令充電エネルギ)とに応じて、ピエゾ素子PEが充電されてから放電される間にリークする電荷量を算出する。
電荷のリーク量は、充電終了から放電開始までの時間が長いほど多くなる。そして、上記指令噴射期間は、充電終了から放電開始までの時間と相関を有するパラメータであって且つ、ピエゾインジェクタPIの操作に際して実際に演算されるパラメータである。このため、本実施形態では、充電終了から放電開始までの時間を、指令噴射期間で代用する。
また、電荷量のリーク量は、充電終了時のピエゾ素子PEの電圧が高いほど多くなる。そして、指令充電エネルギは、ピエゾ素子PEの電圧と相関を有するパラメータである。もっとも、指令充電エネルギが同一でも、ピエゾ素子PEの容量が変動することでピエゾ素子PEの電圧は変化し得る。しかし、ピエゾ素子PEの電圧は、図17に示すように大きく変動するために、これを精度良く算出することは困難である(ちなみに、先の図14(b)に示した電流の積分値は、電圧の検出値よりも精度の良い検出を行なうことが容易である)。これに対し、指令充電エネルギは、コモンレール5の燃圧に応じて、充電処理に際して算出されるパラメータであり、簡易にピエゾ素子PEの電圧を把握するパラメータとして有効である。このため、本実施形態では、充電終了から放電開始までの電荷のリーク速度を定めるパラメータとして、指令充電エネルギを用いる。
減算部B6は、電荷量換算部B2によって換算される電荷量から、リーク電荷量算出部B4によって算出されるリーク量を減算することで、放電直前の電荷量を算出する。
ピーク値算出部B8は、所望とする放電時間である指令放電期間TDと、減算部B6の出力とから、ピーク値Ipを算出する。このピーク値Ipは、指令放電期間TDが長いほど小さな値に設定され、また、放電開始時の電荷量が多いほど大きな値に設定される。こうした設定により、放電電流波形を指令放電期間TDまで時間積分した値を、上記放電直前の電荷量と対応付けることができる。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(3)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(4)ピエゾインジェクタPIに対する指令噴射期間に応じてピーク値Ipを可変設定することで、放電開始時の電荷量をより高精度に把握しつつ、ピーク値Ipを設定することができる。このため、放電時間をより高精度に制御することができる。
(5)充電終了直後のピエゾ素子PEの電圧と相関を有するパラメータとして、指令充電エネルギを用い、同指令充電エネルギに応じてピーク値Ipを可変設定した。これにより、放電開始時の電荷量を簡易且つ高精度に把握しつつ、ピーク値Ipを設定することができる。このため、放電時間をより高精度に制御することができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第2の実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態では、先の第2の実施形態において定めたピーク値Ipを、実際の放電速度を検出することでフィードバック補正する。
図18に、本実施形態にかかる制御装置50の構成を示す。なお、図18において、先の図15に示した部材と同一の機能を有する部材には、便宜上、同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態においては、ピエゾ素子PEの電圧を監視すべくピエゾ素子PEの電圧を分圧する抵抗82,84のうちの抵抗84と並列にコンデンサ89を接続することで、抵抗82,84とコンデンサ89とのCR回路によって、フィルタ回路FIを構成する。そして、ピエゾ素子PEの電圧は、フィルタ回路FIによって平滑化された後、A/D変換器88に取り込まれる。そして、平滑化された電圧信号は、A/D変換器88にてディジタルデータに変換された後、ピエゾ素子PEの検出値として、マイコン90に取り込まれる。
図19に、本実施形態にかかるマイコン90の行なう処理のうち、特に、上記ピーク値Ipの設定に関する処理の機能ブロック図を示す。なお、図19において、先の図16と同一の機能を有する部材には便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態では、フィードバック量算出部B10、加算部B12を備えている。
フィードバック量算出部B10は、上記フィルタ回路FIの出力(ノードN4の電圧)のディジタルデータを取り込み、ピーク値Ipのフィードバック補正量を算出する部分である。詳しくは、フィルタ回路FIの電圧から放電速度を算出し、同放電速度と所望の速度との差に基づき、比例項と積分項とを算出する。これら比例項と積分項との和が補正量となる。
ここで、放電速度は、放電開始からピエゾ素子PEの電圧が規定電圧となるまでに要した時間として定義する。ここで規定電圧は、「10〜60V」とすることが望ましい。これは、ピエゾ素子PEの電圧が「0V」近傍となると、ピエゾ素子PEを介して電流が流れ難くなり、完全な「0V」とすることが困難であることを1つの理由とする。なお、ピエゾ素子PEの電圧を完全に「0V」とするためには、通常、放電スイッチ72のオン・オフ操作の後、ショートスイッチ78をオンとする。
上記規定電圧は、ピエゾインジェクタPIのノズルニードル14がニードルシート部16に着座するときのピエゾ素子PEの放電量に応じてチューニングされることが望ましい。すなわち、燃料噴射制御において、ピエゾインジェクタPIの噴射終了のタイミングは、ノズルニードル14がニードルシート部16に着座するタイミングであって、ピエゾ素子PEの放電の終了のタイミングではない。このため、本実施形態では、図20に示すように、ピエゾ素子PEの電圧が「0V」より大きな規定電圧となるまでの時間を、放電速度として利用する。
この際、先の図18に示すフィルタ回路FIを備えてピエゾ素子PEの電圧を平滑化するのは、放電時においてもピエゾ素子PEの電圧が振動するからである。このため、図21に例示するように、ピエゾ素子PEの電圧が規定電圧Vtとなる時間によって放電速度を定義する場合、検出される放電速度が一義的に定まらないおそれがある(図では、矢印で示す3つの値をとり得る場合を例示している)。これに対し、本実施形態によれば、フィルタ回路FIによってピエゾ素子PEの電圧に平滑化処理を施すことで、電圧の振動が除去され、放電速度を一義的に定義することができる。
先の図19に示したフィードバック量算出部B10によって算出される補正量は、加算部B12に出力される。そして、加算部B12では、ピーク値算出部B8の出力とフィードバック量補正部B10の補正量とを加算することで、最終的なピーク値Ipを算出する。これにより、ピーク値算出部B18によって算出されるピーク値(フィードフォワード項)によっては、指令放電期間TDにおいて所望の電荷量を放電することができないときであっても、フィードバック補正量によって、上記フィードフォワード項を補正することができる。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(3)の効果や、先の第2の実施形態の上記(4)、(5)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(6)ピエゾ素子PEの放電に際してのピエゾ素子PEの電圧に基づき、ピエゾ素子PEの放電速度を検出し、検出される放電速度に基づき、ピーク値Ipをフィードバック補正した。これにより、放電速度をより高精度に制御することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記各実施形態では、放電に要する時間(放電速度)を所望に制御すべく、ピエゾ素子PEに充電される電荷量に応じて、上記ピーク値Ipを可変設定したが、これに限らない。例えば図22(a)に示すように、ピエゾ素子PEを介して流れる電流量がピーク値Ipとなるときに漸増操作から漸減操作へと切り替えるとともに、ピエゾ素子PEを介して流れる電流がボトム値Ibとなるときに漸減操作から漸増操作へと切り替えるものにおいて、充電される電荷量に応じてボトム値Ibを可変設定してもよい。この場合、放電時間Tの間に放電される電荷量は、「T×Ib+T×(Ip−Ib)/2」と近似できる。このため、ボトム値Ibを可変設定することによっても、所望の時間T内に放電される電荷量を調節することができる。
また、ピーク値Ipとボトム値Ibとの双方を可変設定してもよい。
更に、ピーク値Ipとボトム値Ibとは、放電処理の間一定の値であるものに限らない。図22(b)に、放電初期において小さなピーク値Ip1を設定し、放電中期以降大きなピーク値Ip2に変更する例を示す。これは、放電開始初期において、ピエゾ素子PEの電圧の変化速度の絶対値が過度に大きくなることを抑制するための設定である。ここで、放電開始初期においてピエゾ素子PEの電圧の変化速度の絶対値が過度に大きいときには、ピエゾ素子PEが変位を開始するに際してピエゾインジェクタPIのボディ10に伝える力が大きくなること等に起因してピエゾインジェクタPIの騒音が大きくなるおそれがある。このため、図22(b)に例示する態様にて放電時のチョッパ制御を行うことで、騒音の抑制を図る。そして、図22(b)に例示する場合であっても、ピーク値Ip1やピーク値Ip2を、充電される電荷量に応じて可変設定することは有効である。
・上記第2及び第3の実施形態では、充電終了から放電開始までの間にピエゾ素子PEから電荷がリークする速度と相関を有するパラメータとして、ピエゾ素子PEに対する指令充電エネルギを用いたが、これに限らない。例えば先の図18に示したフィルタ回路FIによって平滑化されたピエゾ素子PEの電圧であってもよい。また、放電開始直前のピエゾ素子PEの電圧の検出値を用いてもよい。すなわち、ピエゾ素子PEの電圧の振動は、充電終了後、減衰していくため、放電開始直前においては、ピエゾ素子PEの電圧を比較的簡易且つ精度良く検出することができる。そして、放電開始直前の電圧は、充電終了直後の電圧と相関を有するパラメータとなっている。更に、放電開始直前の電圧は、充電終了直後の電圧と、充電終了から放電開始までの期間とによって定まることに鑑みれば、上記期間と放電開始直前の電圧とを充電終了直後の電圧を把握するパラメータとして利用して、電荷のリーク速度を把握してもよい。
・上記第3の実施形態においては、放電速度を検出するために、先の図18に示したフィルタ回路FIを用いて平滑化されたピエゾ素子PEの電圧を用いたが、フィルタ処理(平滑化処理)を行なう手段としては、アナログ回路によって構成されるものに限らない。例えば、フィルタ手段を中央処理装置(CPU)とソフトウェアとによって構成し、ピエゾ素子PEの電圧の検出値のディジタルデータをソフトフウェアによってフィルタ処理してもよい。
また、図23に示されるように、放電時にピエゾ素子PEを介して流れる電流の時間積分値が規定値THとなるまでの時間として、ピエゾ素子PEの放電速度を定義してもよい。ここで、電流の時間積分値は放電電荷量となるため、これによっても、放電速度を定義することができる。加えて、電流の時間積分値は、図23に示されるように、ピエゾ素子PEの放電に際してピエゾ素子PEの電気的な状態量に生じる振動成分が好適に抑制されたものとなるため、この時間積分値を用いて放電速度を定義することは有効である。
更に、放電速度を、図24に示すように、ピエゾ素子PEの電圧と電流との時間積分値、すなわち放電される電気エネルギの総量が、規定値VHとなるときとして定義してもよい。これによっても、図24に示されるように、ピエゾ素子PEの放電に際してピエゾ素子PEの電気的な状態量に生じる振動成分が好適に抑制されたものとなるため、同エネルギ総量を用いて放電速度を定義することは有効である。
・電荷量に応じてピーク値等を設定する手法としては、放電時の電流波形を放電の終了が所望される時間で時間積分した値が、放電直前の電荷量と等しくなる設定に限らない。例えばノズルニードル14がニードルシート部16に着座するまでに所望される時間に渡って放電時の電流波形を時間積分した値と、放電開始直前の電荷量とを対応付けるようにピーク値を設定してもよい。ここで、対応付けとは、上記積分値と放電開始直前の電荷量とが等しくなるものに限らず、上記着座時においてピエゾ素子PEに残留し得る電荷量を放電開始直前の電荷量から減算した値と上記時間積分値とを一致させるものでもよい。
・充電処理の態様としては、先の図9に例示したものに限らない。例えば先の図11に例示した態様にて充電を行なうなら、充電される電荷量を、ピーク値Ipと充電時間とによって簡易に推定することができる。このため、この推定される電荷量に基づき、放電処理のためのピーク値Ipの設定を行なうこともできる。
・チョッパ制御を行う駆動回路としては、例えば特開平8−177678号公報等に例示されるように、トランスのフライバック電流を用いたチョッパ制御を行うものであってもよい。
・ピエゾインジェクタPIの構造としては、先の図2に例示したものに限らない。この際、ピエゾ素子の変位に応じて開弁及び閉弁の2値的な動作をするものに限らず、例えば米国特許第6520423号明細書に記載されているように、ピエゾ素子PEの変位に応じてノズルニードルのリフト量を連続的に調節可能なインジェクタであってもよい。ただし、ピエゾ素子PEの動力を伝達させるピエゾインジェクタPI内の動力伝達系において、ピエゾ素子PEの変位開始に際し、ピエゾ素子PEの変位に対向するように燃圧が加わる構成である場合には、燃圧に基づき、充電エネルギ等のピエゾ素子PEの電気的な状態量の目標値や、チョッパ制御の操作態様を可変とすることが特に有効である。
・その他、内燃機関としては、ディーゼルエンジンに限らず、例えば筒内噴射式ガソリンエンジンであってもよい。
第1の実施形態におけるエンジンシステムの全体構成を示す図。 同実施形態にかかるピエゾインジェクタの断面構成を示す断面図。 同実施形態にかかるピエゾインジェクタの制御装置の構成を示す図。 同実施形態にかかるピエゾ素子の変位量の制御態様を示すタイムチャート。 同実施形態にかかるピエゾ素子の充電処理の態様を示す回路図。 同実施形態にかかるピエゾ素子の放電処理の態様を示す回路図。 ピエゾ素子の容量の温度依存性を示す図。 ピエゾ素子の圧電率の温度依存性を示す図。 上記実施形態にかかるピエゾ素子の充電処理の態様を示す図。 同実施形態にかかるピエゾ素子の充電エネルギの指令値と燃圧との関係を示す図。 同実施形態にかかるピエゾ素子の放電処理の態様を示す図。 ピエゾ素子の放電処理の問題点を説明する図。 放電時間を一定とするための電流のピーク値を示す図。 上記実施形態におけるピーク値の設定手順を示すタイムチャート。 第2の実施形態にかかるピエゾインジェクタの制御装置の構成を示す図。 同実施形態の制御装置のうち、特にピーク値の設定処理に関する機能ブロック図。 ピエゾ素子の電圧の検出に伴う問題点を指摘する図。 第3の実施形態にかかるピエゾインジェクタの制御装置の構成を示す図。 同実施形態の制御装置のうち、特にピーク値の設定処理に関する機能ブロック図。 同実施形態におけるピエゾ素子の放電速度の検出手法を示す図。 ピエゾ素子の電圧に基づき放電速度を定める際の問題点を指摘する図。 上記各実施形態の変形例にかかるピエゾ素子の放電処理の態様を示す図。 上記第3の実施形態の変形例にかかるピエゾ素子の放電速度の検出手法を示す図。 上記第3の実施形態の別の変形例にかかるピエゾ素子の放電速度の検出手法を示す図。
符号の説明
50…制御装置、64…充電スイッチ、72…放電スイッチ、86…積分器、PE…ピエゾ素子、PI…ピエゾインジェクタ。

Claims (7)

  1. チョッパ制御により、アクチュエータとして機能するピエゾ素子を介して流れる電流量の増加操作及び減少操作を繰り返すことで、前記ピエゾ素子の変位量を制御するピエゾインジェクタの制御装置において、
    前記ピエゾ素子を介して流れる電流量が規定のピーク値となるときに前記増加操作から前記減少操作へと切り替えるとともに、前記ピエゾ素子を介して流れる電流量が規定のボトム値となるときに前記減少操作から前記増加操作へと切り替えることで前記ピエゾ素子を放電する放電手段と、
    前記チョッパ制御により前記ピエゾ素子に電荷を充電する充電処理において充電される電荷量についての情報を取得する取得手段と、
    該取得される情報に基づき、前記ピーク値及び前記ボトム値の少なくとも一方を可変設定する設定手段とを備え、
    前記設定手段は、前記ピエゾ素子の充電終了から放電開始までの期間及び該期間と相関を有するパラメータのいずれか一方についての情報を入力として前記充電終了から前記放電開始までに前記ピエゾ素子からリークする電荷量を把握し、前記充電処理によって充電される電荷量から前記リークする電荷量が差し引かれた電荷量である前記ピエゾ素子の放電開始時の電荷量が多いほど、放電速度が大きくなるように前記可変設定を行うことを特徴とするピエゾインジェクタの制御装置。
  2. チョッパ制御により、アクチュエータとして機能するピエゾ素子を介して流れる電流量の増加操作及び減少操作を繰り返すことで、前記ピエゾ素子の変位量を制御するピエゾインジェクタの制御装置において、
    前記ピエゾ素子を介して流れる電流量が規定のピーク値となるときに前記増加操作から前記減少操作へと切り替えるとともに、前記ピエゾ素子を介して流れる電流量が規定のボトム値となるときに前記減少操作から前記増加操作へと切り替えることで前記ピエゾ素子を放電する放電手段と、
    前記チョッパ制御により前記ピエゾ素子に電荷を充電する充電処理において充電される電荷量についての情報を取得する取得手段と、
    該取得される情報に基づき、前記ピーク値及び前記ボトム値の少なくとも一方を可変設定する設定手段とを備え、
    前記設定手段は、前記ピエゾ素子の電圧及び該電圧と相関を有するパラメータのいずれか一方についての情報を入力として前記充電終了から前記放電開始までに前記ピエゾ素子からリークする電荷量を把握し、前記充電処理によって充電される電荷量から前記リークする電荷量が差し引かれた電荷量である前記ピエゾ素子の放電開始時の電荷量が多いほど、放電速度が大きくなるように前記可変設定を行うことを特徴とするピエゾインジェクタの制御装置。
  3. チョッパ制御により、アクチュエータとして機能するピエゾ素子を介して流れる電流量の増加操作及び減少操作を繰り返すことで、前記ピエゾ素子の変位量を制御するピエゾインジェクタの制御装置において、
    前記ピエゾ素子を介して流れる電流量が規定のピーク値となるときに前記増加操作から前記減少操作へと切り替えるとともに、前記ピエゾ素子を介して流れる電流量がゼロとなるときに前記減少操作から前記増加操作へと切り替えることで前記ピエゾ素子を放電する放電手段と、
    前記チョッパ制御により前記ピエゾ素子に電荷を充電する充電処理において充電される電荷量についての情報を取得する取得手段と、
    前記ピエゾ素子の充電終了から放電開始までの期間及び該期間と相関を有するパラメータのいずれか一方についての情報を入力として前記充電終了から前記放電開始までに前記ピエゾ素子からリークする電荷量を把握し、前記充電処理によって充電される電荷量から前記リークする電荷量が差し引かれた電荷量である前記ピエゾ素子の放電開始時の電荷量が多いほど、前記ピーク値が大きな値となるように可変設定する設定手段とを備えることを特徴とするピエゾインジェクタの制御装置。
  4. チョッパ制御により、アクチュエータとして機能するピエゾ素子を介して流れる電流量の増加操作及び減少操作を繰り返すことで、前記ピエゾ素子の変位量を制御するピエゾインジェクタの制御装置において、
    前記ピエゾ素子を介して流れる電流量が規定のピーク値となるときに前記増加操作から前記減少操作へと切り替えるとともに、前記ピエゾ素子を介して流れる電流量がゼロとなるときに前記減少操作から前記増加操作へと切り替えることで前記ピエゾ素子を放電する放電手段と、
    前記チョッパ制御により前記ピエゾ素子に電荷を充電する充電処理において充電される電荷量についての情報を取得する取得手段と、
    前記ピエゾ素子の電圧及び該電圧と相関を有するパラメータのいずれか一方についての情報を入力として前記充電終了から前記放電開始までに前記ピエゾ素子からリークする電荷量を把握し、前記充電処理によって充電される電荷量から前記リークする電荷量が差し引かれた電荷量である前記ピエゾ素子の放電開始時の電荷量が多いほど、前記ピーク値が大きな値となるように可変設定する設定手段とを備えることを特徴とするピエゾインジェクタの制御装置。
  5. 前記取得手段は、前記充電処理時にピエゾ素子を介して流れる電流の検出値の積分値により、充電される電荷量を検出する電荷量検出手段を備えて構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のピエゾインジェクタの制御装置。
  6. 前記ピエゾ素子の放電に際しての該ピエゾ素子の電気的な状態量に基づき、前記ピエゾ素子の放電速度を検出する放電速度検出手段と、
    前記放電速度検出手段によって検出される放電速度に基づき、前記設定手段による設定を補正する補正手段とを更に備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のピエゾインジェクタの制御装置。
  7. 前記放電速度検出手段は、前記ピエゾ素子の放電に際しての該ピエゾ素子の電圧に平滑化処理を施したものに基づき、前記ピエゾ素子の放電速度を検出することを特徴とする請求項6記載のピエゾインジェクタの制御装置。
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