JP2870324B2 - 圧電素子の駆動回路 - Google Patents

圧電素子の駆動回路

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JP2870324B2
JP2870324B2 JP4284727A JP28472792A JP2870324B2 JP 2870324 B2 JP2870324 B2 JP 2870324B2 JP 4284727 A JP4284727 A JP 4284727A JP 28472792 A JP28472792 A JP 28472792A JP 2870324 B2 JP2870324 B2 JP 2870324B2
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宏直 林
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/20Output circuits, e.g. for controlling currents in command coils
    • F02D41/2096Output circuits, e.g. for controlling currents in command coils for controlling piezoelectric injectors

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧電素子の駆動回路に係
り、特に内燃機関の燃料噴射弁の開閉弁アクチュエータ
として使用される圧電素子の駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、圧電素子は、キャパシタと同
様に蓄電性を有し、素子の両端に電圧が印加されると、
蓄えた電荷に応じた伸縮を示す素子であることが知られ
ている。そして、その優れた圧電効果のため、種々のア
クチュエータに利用され、例えば、車載用内燃機関の燃
料噴射弁の開閉を行うアクチュエータとして使用されて
いる。
【0003】圧電素子を燃料噴射弁の開閉に用いた場
合、その伸縮長が変動すると、燃料噴射量にバラツキが
生じる。従って、圧電素子に常に一定の電荷が充電され
るように駆動することが要求される。しかし、圧電素子
の静電容量は温度依存性を有しており、圧電素子の温度
上昇に伴って増大する。
【0004】このため、一定の電圧で圧電素子を充電し
た場合、素子温度が高いほど圧電素子には多量の電荷が
充電され、高温であるほど大きな伸縮長を示すことにな
る。すなわち、圧電素子に一定の電荷を充電するために
は、圧電素子の温度上昇に伴って充電電圧を下げる必要
があり、何らかの方法で、圧電素子温度を検出する必要
がある。
【0005】特開昭64−69756号公報は、圧電素
子に温度センサを取付け、これにより圧電素子の温度を
測定する装置を開示している。この装置によれば、温度
センサにより測定された温度に基づいて、その温度にお
ける圧電素子の静電容量が求まり、その静電容量に対し
て適切な充電電圧を設定することができる。
【0006】従って、上記公報記載の駆動回路によれ
ば、圧電素子の温度が変動しても、それにより圧電素子
に充電される電荷量に変動が生じず、その伸縮長が変動
することはない。このため、車載用内燃機関の燃料噴射
弁のように、環境温度が頻繁に変動する部位に圧電素子
を使用した場合でも、温度変化によらず安定した伸縮長
を確保することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の装
置は、圧電素子を駆動する回路と別個に、適当な部位に
圧電素子の温度を測定するための温度センサを設けるこ
とが必要になる。従って、圧電素子の駆動回路として上
記従来の装置を使用する場合、温度センサの取付けに伴
うコストアップが避けられないという問題を有してい
る。
【0008】本発明は上述の点に鑑みてなされたもので
あり、圧電素子の温度変化に伴って圧電素子に充電され
る電荷量が変化することに着目して、温度センサに因ら
ずに温度検出を行うことにより、温度に対して安定した
伸縮長を確保できると共に、低コストで実現できる圧電
素子の駆動回路を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する圧
電素子の駆動回路の原理図を図1に示す。
【0010】図1中符号1は、圧電素子を示す。圧電素
子1の充電系10は、圧電素子1と直列LC回路を構成
するインダクタ2と、この直列LC回路に流れる電流を
制御するスイッチ回路3と、直列LC回路と並列に接続
された電源側コンデンサ4及び電源5とで構成される。
【0011】スイッチ回路3は、圧電素子1に断続的に
電流を流す。充電系10は、直列LC回路の過渡特性を
利用して、圧電素子1を電源側コンデンサ4の充電電圧
より高い電圧で充電する。
【0012】コンデンサ電圧検出手段6には、電源側コ
ンデンサ4の両端電圧が供給され、圧電素子1の充電開
始時における電源側コンデンサ4の両端電圧と、圧電素
子1の充電終了時における電源側コンデンサ4の両端電
圧とを検出する。
【0013】電荷算出手段7は、コンデンサ電圧検出手
段6により検出された電源側コンデンサ4の両端電圧に
基づいて、圧電素子1に充電された電荷量を算出する。
【0014】温度算出手段8は、コンデンサ電圧検出手
段6により検出された電源側コンデンサ4の両端電圧に
基づいて、圧電素子1の温度を算出する。
【0015】電源電圧制御手段9は、電荷算出手段7に
より算出された充電電荷と、温度算出手段8により算出
された圧電素子1の温度とに基づいて、電源5の出力電
圧を制御する。
【0016】
【作用】上記構成の圧電素子の駆動回路において、前記
スイッチ回路3をオフとして、前記圧電素子1に流れる
電流を遮断している場合、前記電源側コンデンサ4に
は、前記電源から電流が流れ込む。このため、定常状態
における前記電源側コンデンサ4の両端電圧は、前記電
源5の出力電圧と等圧となる。
【0017】前記スイッチ回路3をオンとして、前記圧
電素子1の充電を開始すると、インダクタ2を介して電
源5から圧電素子1に対して電流が流れると共に、前記
電源側コンデンサ4に蓄えられていた電荷も、前記圧電
素子1方向に放電される。
【0018】前記圧電素子1の充電が進行し、前記圧電
素子1の両端電圧が電源5の出力電圧に近づくと、前記
充電系10を流れる電流は減少しようとする。すると、
前記インダクタ2に、この電流を流し続けようとする方
向の逆起電力が生じる。このため、圧電素子1の両端電
圧が電源5の出力電圧に達しても、充電系10には電流
が流れ続け、圧電素子1が電源5の出力電圧より高い電
圧に充電されて、充電が終了する。
【0019】前記電源側コンデンサ4は、前記圧電素子
1に充電される電荷のうち、前記電源5からの電流で賄
えない分を放電により補う。この際、前記電源5から流
れ込む電荷は、前記電源側コンデンサ4から流れ込む電
荷に比べて小さい量である。このため、前記圧電素子1
に充電された電荷は、前記電源側コンデンサ1から放電
された電荷と対応した量になる。
【0020】また、前記圧電素子1の充電開始前におけ
る両端電圧は、前記電源5の出力電圧と等圧であり、充
電が進行するにつれて両端電圧が低下し、充電終了時に
おいてほぼ最低値となる。従って、前記圧電素子1の充
電開始時における前記電源側コンデンサ4の両端電圧
と、前記圧電素子1の充電終了時における前記電源側コ
ンデンサ4の両端電圧との差は、前記圧電素子1に充電
された電荷量に対応する値となる。
【0021】また、前記圧電素子1に充電される電荷量
は、前記圧電素子1の充電開始時における前記電源側コ
ンデンサ4の両端電圧と、前記圧電素子1の静電容量と
により決まる値である。つまり、前記圧電素子1の静電
容量、すなわち前記圧電素子1の温度は、充電開始時に
おける前記電源側コンデンサ4の両端電圧と、前記圧電
素子1に充電された電荷量、すなわち、充電前後におけ
る前記電源側コンデンサ4の両端電圧の差により決まる
値である。
【0022】ところで、前記コンデンサ電圧検出手段6
は、前記圧電素子1の充電前後における前記電源側コン
デンサ1の両端電圧と検出し、その検出値を前記電荷算
出手段7及び前記温度算出手段8に供給する。そして、
前記電荷算出手段7及び前記温度算出手段8は、前記圧
電素子1の充電前後における前記電源側コンデンサ4の
両端電圧と、前記圧電素子1に充電される電荷量及び前
記圧電素子1の温度との関係に基づいて、それぞれ電荷
量及び温度を算出する。
【0023】前記電源電圧制御手段9は、前記電荷算出
手段7が算出した電荷量が、目標の電荷量に近づくよう
に、前記電源5の出力電圧を設定すると共に、前記温度
算出手段8で算出された前記圧電素子1の温度に基づい
て、前記圧電素子1の静電容量の変動分を相殺するよう
に、前記電源5の出力電圧を補正する。
【0024】
【実施例】図2は、本発明に係る圧電素子の駆動回路の
一実施例の構成を表すブロック図を示す。
【0025】同図中、符号11は本実施例回路における
圧電素子であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を示
す。このPZT11は、薄板状の圧電素子を多数枚積層
した構造をなし、両極端子に電圧を印加すると圧電効果
により長手方向に伸長する。また、電圧の印加を停止す
ると即座に元の長さまで収縮する。
【0026】このように、PZT11は、圧電効果によ
り優れた応答性を有している。またPZT11は、充電
された電荷量に応じた正確な変位を示すことが知られて
おり、従来より、図3に示すように、車載用内燃機関の
燃料噴射弁30等に使用されている。
【0027】以下、本実施例のPZT11が適用される
燃料噴射弁30の構成について説明する。
【0028】図3中、符号31は燃料噴射弁30のハウ
ジングを示し、その一端には燃料噴射口32が設けられ
ている。また、ハウジング31内には、噴射口32を開
閉することができるニードルバルブ33が配置されてい
る。
【0029】噴射口32には燃料通路34が連通可能に
設けられている。この燃料通路34は外部の燃料供給源
(図示せず)に連結されており、燃料噴射弁30には常
に一定の高圧で燃料が供給されている。従って、ニード
ルバルブ33が噴射口32を開放すると、燃料通路34
に供給されていた燃料が一定の高圧で内燃機関の燃焼室
内に噴射されることになる。
【0030】ハウジング31の内部にはシリンダ35が
形成されている。このシリンダ35内には、ニードルバ
ルブ33と一体に成形され、シリンダ35内を摺動でき
るピストン36,PZT11及びこれを上下から保持す
るキャップ37,38等が収納されている。ここで、上
方のキャップ37はハウジング31の上部壁に当接し、
下方のキャップ38はシリンダ35内を摺動することが
できる。
【0031】従って、PZT11が電圧の供給を受けて
伸縮すると、下方のキャップ38はPZT11の伸縮と
共にシリンダ35内を摺動することになる。尚、燃料噴
射弁30には、PZT11を駆動する電圧を印加するた
めのリード線39,40が設けられている。
【0032】ところで、シリンダ35内の、ニードルバ
ルブ33と一体に設けられたピストン36と下方キャッ
プ38との間には油圧室41が形成されている。また、
ピストン36の下側には復帰用の皿バネ42が配置され
る。
【0033】従って、PZT11が充電電圧を受けて伸
長すると、下方キャップ38及び油圧室41内の作動油
を介して、ピストン36が押圧される。ピストン36が
押圧されると、ニードルバルブ33が噴射口32を閉塞
し、燃料の供給が停止される。また、PZT11が、電
荷を放電して収縮すると、皿バネ42がピストン36を
押し返し、噴射口32が燃料通路36と連通するため再
び燃料の噴射が行われる。
【0034】このように、本実施例のPZT11は、燃
料噴射弁30の開閉弁を行うアクチュエータに用いられ
ており、使用環境温度が頻繁に、かつ大幅に変動すると
共に、高い精度で伸縮することを要求される。
【0035】以下、このような要求を満たす駆動回路の
一例として、図2に示す駆動回路の構成を詳細に説明す
る。
【0036】図2中、符号12は、PZT11と直列に
接続され、直列LC回路を構成するインダクタを示す。
PZT11とインダクタ12との間には、スイッチ回路
に相当するサイリスタ13が設けられている。このサイ
リスタ13は、後述の充放電制御回路21により駆動さ
れ、PZT11に流れ込む電流を制御すると共に、PZ
T11からインダクタ12方向への電流の逆流を遮断す
る。
【0037】符号14は、電源側コンデンサに相当する
静電容量C1 の電解コンデンサで、上記のPZT11,
インダクタ12,サイリスタ13からなる直列LC回路
と並列に、DC−DCコンバータ15に接続されてい
る。このDC−DCコンバータ15は、本実施例回路に
おける電源に相当し、外部からの指令により出力電圧を
変更することができる。
【0038】また、コンデンサ14の両極端子には、増
幅器16aを介してコンデンサ電圧検出回路16bが接
続されている。このコンデンサ電圧検出回路16bは、
後述の制御回路21からPZT11の充電開始を表す充
電タイミング信号の供給を受ける。そして、その時点に
おけるコンデンサ14の両端電圧を、PZT11の充電
開始時電圧V1 として取り込む。
【0039】PZT11を充電するためにサイリスタ1
3がオンとなると、図4(A)にI PZT として示すよう
に、PZT11にはインダクタ12を介して電流が流れ
込む。このIPZT は、主にコンデンサ14に充電されて
いた電荷がインダクタ12を経てPZT11に流入した
ものである。
【0040】PZT11にIPZT が流れ込むと、PZT
11には、図4(B)に示すようにIPZT の積分値に対
応する電荷QPZT が充電される。このため、PZT11
の両端電圧VPZT は、QPZT に比例して大きくなり、や
がてDC−DCコンバータ15の出力電圧と等圧にな
る。
【0041】このように、PZT11の両端電圧がDC
−DCコンバータ15の出力電圧と等圧になれば、もは
や両者に電位差がないため、その時点でPZT11への
電荷の流入は終了するはずである。しかし、上記したよ
うに、PZT11とDC−DCコンバータ15との間に
は、電流変化を抑制する向きに逆起電力を生ずるインダ
クタ12が配置されている。
【0042】従って、インダクタ12を流れる電流(I
PZT )が減少しようとすると、インダクタ12にその電
流を流し続けようとする向きの起電力が生じ、PZT1
1にはさらに電荷が供給され続ける。このため、充電終
了時におけるPZT11の両端電圧は、DC−DCコン
バータ15の出力電圧より高い電圧となる。そして、サ
イリスタ13により電荷の逆流が遮られ、PZT11は
高圧に充電された状態で保持されることになる。
【0043】ところで、DC−DCコンバータ15が流
し得る電流には限界がある。このため、PZT11の充
電時のように、瞬時に多量の電荷の移動が要求される場
合、図4(C)に示すように、充電開始(時刻t1 )と
共に電流が飽和し、IPZT の要求量に対する不足分は、
コンデンサ14からの放電で補われる。
【0044】従って、図4(D)に示すように、PZT
11の充電が開始されてから終了するまでの間(時刻t
1 〜時刻t2 )コンデンサ14の両端電圧は減少を続
け、PZT11の充電終了時においてほぼ最小値とな
る。そして、その後再びDC−DCコンバータ15から
電荷が供給されるに従って両端電圧が徐々に上昇する。
【0045】コンデンサ電圧検出回路16bは、コンデ
ンサ14の両端電圧を監視し、両端電圧が最低になった
時点で(図4(D)中、時刻t2 )、コンデンサ14の
両端電圧を充電終了時電圧V2 として取り込む。そし
て、このようにして検出した充電開始時電圧V1 及び充
電終了時電圧V2 を、電荷算出回路17及び温度算出回
路18に供給する。
【0046】上記したように、PZT11に蓄えられた
電荷QPZT は、充電期間中にDC−DCコンバータ15
から流出した電荷と、コンデンサ14の放電により流出
した電荷との合計である。しかし、DC−DCコンバー
タ15が流し得る電流は、コンデンサ14が放電時に瞬
間的に流し得る電流に比べて小さい値である。また、P
ZT11の静電容量はコンデンサ14の静電容量に比べ
て十分に小さく、PZT11の充電は実質的には瞬時に
終了する。
【0047】このため、PZT11に蓄えられた電荷量
PZT は、ほぼコンデンサ14から流出した電荷量に近
似することができ、QPZT ≒C1 *(V1 −V2 )とし
て表すことができる。電荷量算出回路17は、この特性
を利用してQPZT の算出を行い、算出した値を電源電圧
制御回路19aに供給している。
【0048】電源電圧制御回路19aは、電荷量算出回
路18から供給された値と、PZT11に充電すべき目
標電荷量とを比較して、QPZT が目標値に近づくような
値に、DC−DCコンバータ15の出力電圧値の基準値
を設定する。
【0049】尚、従来の駆動回路では、QPZT の検出は
一般にIPZT を積分することにより行われていた。この
ため駆動回路内に、ピックアップコイル等の電流検出用
センサ及び積分回路を必要とした。これに対して本実施
例の駆動回路は、上記したようにコンデンサ14の両端
電圧の変動に基づいてQPZT を算出する。このため、電
流検出用センサや積分器等を設ける必要がなく、従来に
比べて駆動回路の構成の簡素化が可能となる。
【0050】ところで、PZT11の静電容量C
PZT は、図5(A)に示すように温度依存性を有してお
り、PZT11の温度TPZT が上昇すると、それに伴っ
て増加する傾向にある。従って、図2に示す駆動回路に
おいて、DC−DCコンバータ15の出力電圧、すなわ
ち上記充電時電圧V1 が一定であるとすると、PZT1
1の温度上昇に伴って、一回の充電でPZT11に充電
される電荷QPZT が増加することになる。
【0051】つまり、充電開始時電圧V1 が一定であれ
ば、充電終了時電圧V2 は、PZT11の温度TPZT
関数で表されることになる。図5(B)は、これら
1 ,V 2 とTPZT との関係を表しており、V1 ,V2
の組み合わせに対してTPZT が一義的に決まることを表
している。本実施例の駆動回路における温度算出回路1
8は、この関係を利用してPZT11の温度TPZT を算
出し、その値を電源電圧補正回路19bに供給してい
る。
【0052】電源電圧補正回路19bは、温度検出回路
18で検出されたPZT11の温度TPZT に基づいて、
上記の電源電圧制御回路19aで設定されたDC−DC
コンバータ15の出力電圧値の補正を行っている。
【0053】上記したように、PZT11の温度TPZT
が上昇すると、同一の電圧で充電を行った場合、PZT
11の充電電荷QPZT が増加する。一方、PZT11は
充電電荷量に応じた正確な伸縮を示す素子である。従っ
て、PZT11を、温度に因らずに一定の伸縮で駆動す
るためには、PZT11の温度の変動に充電電圧を追従
させる必要がある。
【0054】そこで、本実施例の駆動回路では、電源電
圧補正回路19bにおいて、静電容量CPZT の変化を相
殺するための補正電圧ΔV1 を、図5(C)に示すマッ
プに基づいて、温度算出回路18で検出したTPZT から
求め、上記の電源電圧制御回路で設定されたV1 に補正
として加えることとした。
【0055】このように、本実施例の駆動回路によれ
ば、温度センサを使用することなくPZT11の温度T
PZT の検出を、また、電流センサや積分回路を用いるこ
となくPZT11に充電された電荷QPZT の検出をする
ことができる。そして、これらTPZT 及びQPZT に基づ
いて、DC−DCコンバータ15の出力電圧をフィード
バック制御することにより、PZT11の充電電荷Q
PZT を精度良く目標値付近に保持することができる。
【0056】図2中、符号22及び23は、PZT11
に充電された電荷QPZT を放電するためのインダクタ及
びサイリスタを示す。インダクタ22は、充電側のイン
ダクタ12と同様に、PZT11と直列LC回路を構成
し、PZT11を過剰に放電させる作用を有している。
【0057】また、サイリスタ23は、放電側のスイッ
チ回路に相当し、充放電制御回路21から放電信号の供
給を受けるとオンとなり、PZT11からインダクタ2
3方向に電流を通過させる。
【0058】充放電制御回路21は、充電側サイリスタ
13と放電側サイリスタ23とを所定の間隔で交互にオ
ンとして、PZT11に充放電を繰り返させる。すなわ
ちPZT11は、充放電制御回路21が充放電信号を発
する周期で伸縮する。従って、図3に示す燃料噴射弁3
0からは、充放電制御回路21から放電信号が発せられ
てから、次に充電信号が発せられるまでの間燃料が噴射
されることになる。
【0059】図6は、上記実施例の回路をマイクロコン
ピュータを用いて実現した例の構成を表す図を示す。本
実施例においては、図2に示すブロック図中、コンデン
サ電圧検出回路16b,電荷算出回路17,温度算出回
路18,電源電圧制御回路19a,電源電圧補正回路1
9b,充放電制御回路21をマイクロコンピュータ50
で実現している。尚、図2と同一の構成部分には、同一
の符号を付してその説明を省略する。
【0060】図6中、マイクロコンピュータ50は、A
/Dコンバータを内蔵する入力ポート51,出力ポート
52,リードオンリメモリ(ROM)53,ランダムア
クセスメモリ(RAM)54,中央処理装置(CPU)
55,及びこれらを互いに接続する共通バス56により
構成される。
【0061】入力ポート51には、内燃機関に流入する
空気量を検出するエアフロメータ61,内燃機関の冷却
水温を検出する水温センサ62,アクセル開度を検出す
るスロットルセンサ63,及び機関回転数を検出する回
転数センサ64等の出力端子が接続されると共に、コン
デンサ14の両端電圧を増幅する増幅器16aの出力端
子が接続されている。
【0062】また、出力ポート52には、充電側及び放
電側のサイリスタ13,23及びDC−DCコンバータ
15の入力端子が接続され、それぞれの端子に充電信
号,放電信号及び出力電圧指令信号を供給している。
【0063】マイクロコンピュータ50は、各種センサ
61〜64から供給されるデータをROM53内に格納
されているプログラムに従って処理することにより、内
燃機関に供給すべき燃料の量を演算する。そして、その
演算により求められた量を、図3に示す燃料噴射弁30
から内燃機関内に噴射させるため、燃料噴射口32を開
弁させておく時間、すなわちPZT11を収縮させてお
く時間TAUを演算する。
【0064】そして、そのTAUに従って、サイリスタ
13及び23に対して交互に充放電信号を供給する。こ
のため、PZT11は、所定時間TAUだけ収縮(放
電)状態となる。
【0065】一方、ROM53には、PZT11の伸縮
長を一定に保持し、燃料噴射弁30が開弁している際に
噴射される燃料のバラツキを抑制するためのプログラム
も格納されている。以下、このプログラムを実行する際
の動作を、図7のフローチャートに沿って説明する。
【0066】このルーチンが起動すると、先ずPZT1
1に電荷の充電が開始されたかを見る(ステップ10
1)。ここで、まだ充電が開始されていない場合は、そ
のまま処理を終了し、充電が開始されるのを待つ。
【0067】サイリスタ13がオンとなり、PZT11
の充電が開始したら、ステップ102へ進み、その時点
におけるコンデンサ14の両端電圧Vを、充電開始時電
圧V 1 として読み込む(図4(D)参照)。
【0068】読み込んだV1 をRAM54に一時保管し
た後ステップ103へ進み、コンデンサ14の両端電圧
Vの変化を監視する。そして、前回のルーチン時と比べ
てVが増加に転じるまで上記のステップ101〜103
を繰り返し実行する(図4(D)中、時刻t1
2 )。
【0069】そして、コンデンサ14の放電が終わり、
両端電圧Vが増加に転じたら、PZT11の充電が終了
したと判断して(図4(D)中時刻t2 )、その時点に
おけるVをPZT11の充電終了時電圧V2 として読み
込む(ステップ104)。
【0070】上記したように、PZT11に充電された
電荷QPZT は、コンデンサ14から流出した電荷にほぼ
等しい。そこで、現状の充電電圧でどの程度の電荷がP
ZT11に充電されているかを把握するため、QPZT
1 (V1 −V2 )を演算する(ステップ105)。
【0071】そして、上記のステップ105で求めたQ
PZT と目標電荷量とを比較して、Q PZT >目標電荷量、
であれば今回の充電開始時電圧が高すぎたと、また、Q
PZT<目標電荷量、であれば今回の充電開始時電圧が低
すぎたと判断して、次回の充電開始電圧V1 の基準値を
算出する(ステップ106)。
【0072】次に、ステップ107では、PZT11の
静電容量の変化を補正するため、PZT11の温度T
PZT の検出を行う。上記したように、TPZT は、V1
びV2により一義的に決まる値である。また、本実施例
のROM53には、各種プログラムと共に、V1 ,V2
とTPZT との関係を表すマップ(図5(B)参照)を格
納している。そこで、ステップ107では、上記のステ
ップ102及び104で検出したV1 及びV2 を用い
て、図5(B)に示すマップからTPZT を読みだしてい
る。
【0073】ROM53はさらに、TPZT の変化による
静電容量CPZT の変化を相殺するための補正電圧ΔV1
に関するマップ(図5(C)参照)をも格納している。
このため、本実施例においては、上記のステップ107
でTPZT が求まったら、その値に基づいて、図5(C)
に示すマップより補正電圧ΔV1 を求めている(ステッ
プ108)。
【0074】そして、上記ステップ106で求めた、充
電開始時電圧V1 の基準値に補正電圧ΔV1 を加えるこ
とにより、次回の充電開始時電圧V1 を設定し、出力ポ
ート52からDC−DCコンバータ15に供給して(ス
テップ109)、処理を終了する。
【0075】このように、本実施例の駆動回路によれ
ば、温度センサや、電流センサ若しくは積分回路等を設
けることなく、PZT11の充電電荷量を一定とするた
めのフィードバック制御が実行できると共に、温度変化
に伴うPZT11の挙動のバラツキをも補正することが
できる。
【0076】従って、従来の圧電素子駆動回路に比べて
回路が簡素化でき、低コスト化が図れると共に、積分回
路等、検出誤差の大きな回路の廃止に伴って、制御の高
精度化及び高信頼性化を図ることができる。
【0077】尚、上記の実施例においては、サイリスタ
13をオンとするタイミングを検知して充電開始時電圧
1 を、また、コンデンサ14の放電が終わり両端電圧
Vが増加に転じた時点で充電終了時電圧V2 を検出した
が、コンデンサ14の両端電圧を逐次監視して、最大値
及び最小値とをV1 ,V2 として用いてもよい。
【0078】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、圧電素子
の温度検出に温度センサを必要としないと共に、圧電素
子に充電された電荷の検出に、圧電素子に流れ込む電流
を検出するための電流センサとこの電流を積分する積分
回路とを必要としない。
【0079】このため、従来の圧電素子駆動回路に比べ
て構成が簡素化され、低コスト化が図れると共に、回路
の信頼性向上及び制御の高精度化を図ることができる。
従って、本発明に係る圧電素子の駆動回路は、圧電素子
を、環境温度によらず安定した伸縮長で駆動でき、かつ
低コストで実現できることを要求される圧電素子の駆動
回路に適するという特長を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧電素子の駆動回路の原理図であ
る。
【図2】本発明に係る圧電素子の駆動回路の一実施例の
構成を表すブロック図である。
【図3】本実施例の駆動回路に使用するPZTを動力源
とする燃料噴射弁の構成を表す正面断面図である。
【図4】本実施例の駆動回路によりPZTを充電する際
の、要部における電流等の波形である。
【図5】本実施例に使用するPZTの温度と静電容量と
の関係等を表す図である。
【図6】本発明に係る圧電素子の駆動回路をマイクロコ
ンピュータを用いて実現した例の構成を表す図である。
【図7】マイクロコンピュータを用いて実現した圧電素
子駆動回路が実行する処理の一例を表すフローチャート
である。
【符号の説明】
1 圧電素子 2,12,22 インダクタ 3,13,23 サイリスタ 4 電源側コンデンサ 5 電源 6 コンデンサ電圧検出手段 7 電荷算出手段 8 温度算出手段 9 電源電圧制御手段 10 充電系 11 PZT 14 コンデンサ 15 DC−DCコンバータ 16a 増幅器 16b コンデンサ電圧検出回路 17 電荷算出回路 18 温度検出回路 19a 電源電圧制御回路 19b 電源電圧補正回路 21 充放電制御回路 50 マイクロコンピュータ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電素子の充電系に、該圧電素子と直列
    LC回路を構成するインダクタと、該直列LC回路に流
    れる電流を制御するスイッチ回路とを有すると共に、前
    記直列LC回路と並列に電源側コンデンサを有し、前記
    直列LC回路の過渡特性を利用して、前記圧電素子を充
    電する際に、前記電源側コンデンサの両端電圧より高い
    充電電圧を前記圧電素子に印加する圧電素子の駆動回路
    において、 前記圧電素子の充電開始時における前記電源側コンデン
    サの両端電圧と、前記圧電素子の充電終了時における前
    記電源側コンデンサの両端電圧とを検出するコンデンサ
    電圧検出手段と、 該コンデンサ電圧検出手段により検出された前記電源側
    コンデンサの両端電圧に基づいて前記圧電素子に充電さ
    れた電荷を算出する電荷算出手段と、 前記コンデンサ電圧検出手段により検出された前記電源
    側コンデンサの両端電圧に基づいて前記圧電素子の温度
    を算出する温度算出手段と、 前記電荷算出手段により算出された電荷と、前記温度算
    出手段により算出された温度とに基づいて、前記圧電素
    子の充電系の電源電圧を制御する電源電圧制御手段とを
    有することを特徴とする圧電素子の駆動回路。
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