JP2008080941A - 貨物船 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上甲板5の中央部にハッチ6を開口して、ハッチ6と船側フレーム12との間の上甲板5を積載スペースとし、第2甲板3の中央部にハッチ8を開口して、ハッチ8と船側フレーム12との間の第2甲板3を積載スペースとした貨物船であって、上甲板5のハッチ側端縁と第2甲板3のハッチ側端縁との間に立てて取付けられる複数本の支持ピラー13と、支持ピラー13と船側フレーム12との間に配置され、かつ中間位置と上昇位置との間で昇降自在な昇降デッキ30とを備えている。支持ピラー13は、固定ピラー14と、取外し自在な可動ピラー15とからなり、固定ピラー14と可動ピラー15が互いに水平方向に間隔をあけて取付けられている。
【選択図】図1
Description
第2発明の貨物船は、第1発明において、前記可動ピラーは、前記第2甲板のハッチ側端縁に形成された下保持枠に嵌る下端部と、前記上甲板のハッチ側端縁に形成された上保持枠に嵌る上端部とを有する柱状部材であり、前記上保持枠と前記可動ピラーの上端部を係止する係止手段を備えていることを特徴とする。
第3発明の貨物船は、第1発明において、前記昇降デッキは、隣接する支持ピラーの間隔に相当する幅と、前記支持ピラーと前記船側フレームとの間の間隔に相当する奥行きを有する積荷用部材であり、複数個の昇降デッキが、船長方向に並べて設けられていることを特徴とする。
第4発明の貨物船は、第1発明において、前記昇降デッキを中間位置で支持する中間位支持機構と、上昇位置で支持する上昇位支持機構とが設けられており、前記中間位支持機構は、昇降デッキを上方から中間位置に降りる動作によって該昇降デッキを支持できる支持機構であり、前記上昇位支持機構は、昇降デッキを上昇位置よりも上に上昇させた後で下降させて上昇位置に降りる動作によって昇降デッキを支持できる支持機構であることを特徴とする。
第5発明の貨物船は、第4発明において、前記中間位支持機構は、昇降デッキの前端縁可動ピラー側端部を支える吊下リンクと、前端縁固定ピラー側端部を支える前縁支持ブロックと、後端縁を支える後縁支持ブロックとからなり、前記吊下リンクは、上端が前記上甲板に連結され、下端が前記昇降デッキに連結された折り畳み可能なリンクであって、伸長した状態で前記昇降デッキを中間位置に吊下げるものであり、前記前縁支持ブロックは、前記固定ピラーの中間位置に取付けられ、前記後縁支持ブロックは、船側フレームの中間位置に固定されていることを特徴とする。
第6発明の貨物船は、第4発明において、前記上昇位支持機構は、昇降デッキの前端縁可動ピラー側端部を支える可動ピラー側支持金具と、前端縁固定ピラー側端部を支える固定ピラー側支持金具と、後端縁を支える後縁支持金具とからなり、前記可動側支持金具は前記上保持枠に取付けられ、前記固定側支持金具は前記固定ピラーの上端部に取付けられ、前記後縁支持金具は前記船側フレームに取付けられており、前記各支持金具は、前記昇降デッキを支持できる突出位置と、前記昇降デッキの昇降動作に干渉しない退避位置との間で姿勢変更が可能であることを特徴とする。
a)昇降デッキを上昇位置に上昇させると高さの高い1階建てデッキになり、昇降デッキを中間位置に下降させると2階建てデッキになるので、高さの異なる貨物を積み分けることができ、貨物の混載の自由度が高くなる。
b)可動ピラーを移動させることにより長尺物の積載作業を容易にでき、しかも、積載後に可動ピラーを取付けると、上甲板と第2甲板を強度を保つと共に積載物の荷崩れを防止できるので安全である。
第2発明によれば、可動ピラーは取付けた状態では、その下端は下保持枠で位置決めされ、その上端は上保持枠に嵌められて保持されると共に、係止手段で係止される。このため、取付状態は確実に維持できると共に取外しも容易である。
第3発明によれば、昇降デッキの幅と奥行きが、第2甲板上の積載スペース一杯の大きさであるので、積載量を多く確保できる。また、複数個の昇降デッキを船長方向において同じ高さにも異なる高さにも昇降できるので、多品種の混載自由度が高くなる。
第4発明によれば、中間位支持機構は、上方から中間位置に降りる動作によって該昇降デッキを支持できるので、荷役作業の事前準備に手間がかからない。また、上昇位支持機構は、昇降デッキを上昇位置よりも上に上昇させた後で下降させて上昇位置に降りる動作によって昇降デッキを支持できるので荷役作業の事前準備に手間がかからない。よって、荷役効率がよくなる。
第5発明によれば、昇降デッキの四つの隅のうち三つ、すなわち、後端縁と前端縁固定ピラー側端部は固定取付けの支持ブロックで支えられるので、確実な支持ができ、残る一ヵ所の前端縁可動ピラー側端部は可動ピラーが取外されていても吊下げ式の吊下リンクで支持できるので、可動ピラーの有る無しに拘らず、昇降デッキを中間位置に支持して積荷を積載できる。
第6発明によれば、前記各支持金具は前記昇降デッキを支持できる突出位置と退避位置との間で選択できるので、簡単な操作で、昇降デッキを上昇位置に格納でき、荷役効率がよくなる。
図1は本発明の一実施形態に係る貨物船の縦断面図である。図2の(A)図は昇降デッキ30を示す平面図、(B)図は第2甲板3を示す平面図である。
本発明においては、ハッチ8の左右両側にある第2甲板3の上面空間も積載スペースとする点に特徴があり、つぎのような構成となっている。
また、前記第2甲板3のハッチ側端縁と上甲板5のハッチ側端縁の間には、支持ピラー13が立てて取付けられている。この各支持ピラー13も多数本が、船長方向に間隔をあけて取付けられている。なお、後述するように、支持ピラー13は、固定ピラー14と可動ピラー15からなる。
上記の支持ピラー13によって、上甲板5と第2甲板3は、共に両持ち支持となるので、強度的に非常に頑強なものとなる。
図1において、右側のデッキ船倉20においては、昇降デッキ30は中間位置にある状態を示しており、左側は上昇位置にある状態を示している。
本発明では、昇降デッキ30の下側空間を第1デッキ船倉21といい、上側空間を第2デッキ船倉22という。
同図に示すように、前記昇降デッキ30は、各ホールドH2,H3において、ハッチ8の両側で船長方向に、複数個が配置されている。
そして、支持ピラー13として、固定ピラー14と可動ピラー15が交互に配置されている。なお、部分的には固定ピラー14が並べて設けられていてもよい。
各昇降デッキ30が隣り合う部位には、固定ピラー14と可動ピラー15が立てて設けられている。前記昇降デッキ30自体は平面視で四角形の積荷用部材であって、例えば自動車等の軽貨物を数台搭載できる面積と強度を備えている。
そして、前端縁の可動ピラー側端部(図中左側)には、吊下リンク40と後述する支持金具を受入れて支持するための箱状金具33が設けられている。なお、前端縁の固定ピラー側端部(図中右側)は、そのまま支持金具に当る部分となる。
そして、この昇降デッキ30の四隅を支持する上昇位支持機構と中間位支持機構とが後述するように設けられており、昇降デッキ30を上昇位置と中間位置とで選択的に保持できるようになっている。
前記可動ピラー15は、断面角形の柱状物であり、第2甲板3と上甲板5に対し、取外し取付け自在になっている。
また、上甲板5の下面には上保持枠17が設けられている。この上保持枠17は、2枚の鋼板で、可動ピラー15の上端部を収容できるように形成したものであり、可動ピラー15の上端部を出し入れすることができる。そして、係止ピン18を挿入するピン孔17aが形成されている。
一方、可動ピラー15の上端部にも係止ピン18を通すピン挿入部15aが形成されている。よって、可動ピラー15の上端部を上保持枠17に嵌めて、係止ピン18を通せば、可動ピラー15は取付状態に保持される。
この可動ピラー15の取付け取外しは、船に搭載しているフォークリフトやクレーンなどを利用すればよい。
前記中間位支持機構は、昇降デッキ30の前端縁可動ピラー側端部を支える吊下リンク40と、前端縁固定ピラー側端部を支える前縁支持ブロック51と、後端縁を支える後縁支持ブロック52とからなる。この中間位支持機構で支える中間位とは、デッキ船倉20中で上下方向のほぼ中間の高さであって、第2甲板3上と昇降デッキ30上の両方に、荷物を積載しやすい高さであればよい。
図10に示すように、前記吊下リンク40は、上リンク41と下リンク42とからなり、上リンク41の上端は上甲板5側(立壁6a)に固定されたブラケット43にピン支持されており、下リンク42の下端は昇降デッキ30に固定されたブラケット44にピン支持されている。そして、上下リンク41,42は互いにピン45で連結され折り畳み可能になっている。
また、上リンク41にはピン45の摺動を案内する長孔46が形成され、折り畳み方向を一方向に拘束する拘束ピン47が取付けられている。
符号IIIは吊下リンク40が折り畳まれた状態で、昇降デッキ30は上昇位置となる。なお、この状態での支持は、後述する上昇位支持機構により支持される。
そして、前記昇降デッキ30は、これら支持ブロック51,52の上方から下降してくるか、そこから上昇するだけであるので、下降してくれば、自動的に支持ブロック51,52で昇降デッキ30を支持することができる。
上昇位支持機構は、昇降デッキ30の前端縁可動ピラー側端部を支える可動ピラー側支持金具61と、前端縁固定ピラー側端部を支える固定ピラー側支持金具62と、後端縁を支える2個の後縁支持金具63とからなる。この上昇位支持機構で支える上昇位とは、昇降デッキ30をできるだけ上方に押し上げて、背の高い荷物を第2甲板3上に積み込める高さであればよい。
なお、上昇位にある昇降デッキ30に、高さの低い荷物を可能な限り積み込むことも可能である。
すなわち、図9に示すように支持体65は、揺動軸66に揺動自在に軸支された厚板部材であり、揺動軸66を挟んだ上端部が支持部67、縁部が位置決め部68である。そして、実線で示す突出位置では支持部67に昇降デッキ30を載せることができ、一点鎖さ線で示す退避位置にすると、昇降デッキ30を自在に昇降させることができる。
また、支持体65にワイヤロープ69を結びつけて、支持体65を揺動させ突出位置と退避位置との間の選択を人為操作するようにするとよい。なお、昇降デッキ30を下から上昇させていくと接触して、支持体65が立った退避位置に押し込まれるようにしてもよい。
(1)図11の貨物積載例
第1デッキ船倉21と第2デッキ船倉22において、昇降デッキ30は中間位置に支持されている。そして、第1デッキ船倉21と第2デッキ船倉22に第1パイプや鋼材等を積込んでいる。パイプや鋼材等は整列させやすいので、細長い第1,第2デッキ船倉21,22内にもスペース効率よく、大量に積込むことができる。
図中左側のように、昇降デッキ30を中間位置にしたときは、第1デッキ船倉21と第2デッキ船倉22に背の低い貨物である自動車等を積み込むことができる。
図中右側のように、昇降デッキ30が上昇位置にしたときは、第1デッキ船倉21に背の高いコンテナ等の貨物を積込むことができる。
このようにして、背高貨物と背が高くない他の貨物との混載が自由に行える。
この手順を使うと、全長が固定ピラー間距離より長い長尺材Wでも積み込める。
そして、(B)図に示すように、積込み後に、可動ピラー15を取付けると、上甲板5と第2甲板3の強度を保持しながら、積み上げられた長尺材W等の荷崩れも防止できるので、安全である。そして、可動ピラー15は取付状態では、上端の支持ピン18により上下の動きが拘束され、かつ下端のピン15bとピン孔16bの嵌合と可動ピラー15自体の重量によって、下保持枠16から抜け出ることもない。このため、かなりの横荷重がかかっても、それに抗することができ、積載貨物の荷崩れを防止することができる。
以上に貨物の混載例を2例説明したが、これらに限ることなく、種々の混載例が可能であり、多目的貨物船としての利用価値が高いものである。
2 上部船倉
3 第2甲板
4 ポンツーンハッチ
5 上甲板
6 ハッチ
7 ハッチカバー
13 支持ピラー
14 固定ピラー
15 可動ピラー
20 デッキ船倉
21 第1デッキ船倉
22 第2デッキ船倉
30 昇降デッキ
40 吊下リンク
51,52 支持ブロック
61,62,63 支持金具
Claims (6)
- 上甲板の中央部にハッチを開口して、該ハッチと船側フレームとの間の上甲板を積載スペースとし、第2甲板の中央部にハッチを開口して、該ハッチと船側フレームとの間の第2甲板を積載スペースとした貨物船であって、
前記上甲板のハッチ側端縁と前記第2甲板のハッチ側端縁との間に立てて取付けられる複数本の支持ピラーと、
前記支持ピラーと前記船側フレームとの間に配置され、かつ中間位置と上昇位置との間で昇降自在な昇降デッキとを備え、
前記支持ピラーは、固定ピラーと、取外し自在な可動ピラーとからなり、前記固定ピラーと前記可動ピラーが水平方向に間隔をあけて取付けられている
ことを特徴とする貨物船。 - 前記可動ピラーは、前記第2甲板のハッチ側端縁に形成された下保持枠に嵌る下端部と、前記上甲板のハッチ側端縁に形成された上保持枠に嵌る上端部とを有する柱状部材であり、
前記上保持枠と前記可動ピラーの上端部を係止する係止手段を備えている
ことを特徴とする請求項1記載の貨物船。 - 前記昇降デッキは、隣接する支持ピラーの間隔に相当する幅と、前記支持ピラーと前記船側フレームとの間の間隔に相当する奥行きを有する積荷用部材であり、
複数個の昇降デッキが、船長方向に並べて設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の貨物船。 - 前記昇降デッキを中間位置で支持する中間位支持機構と、上昇位置で支持する上昇位支持機構とが設けられており、
前記中間位支持機構は、昇降デッキを上方から中間位置に降りる動作によって該昇降デッキを支持できる支持機構であり、
前記上昇位支持機構は、昇降デッキを上昇位置よりも上に上昇させた後で下降させて上昇位置に降りる動作によって昇降デッキを支持できる支持機構である
ことを特徴とする請求項1記載の貨物船。 - 前記中間位支持機構は、昇降デッキの前端縁可動ピラー側端部を支える吊下リンクと、前端縁固定ピラー側端部を支える前縁支持ブロックと、後端縁を支える後縁支持ブロックとからなり、
前記吊下リンクは、上端が前記上甲板に連結され、下端が前記昇降デッキに連結された折り畳み可能なリンクであって、伸長した状態で前記昇降デッキを中間位置に吊下げるものであり、
前記前縁支持ブロックは、前記固定ピラーの中間位置に取付けられ、前記後縁支持ブロックは、船側フレームの中間位置に固定されている
ことを特徴とする請求項4記載の貨物船。 - 前記上昇位支持機構は、昇降デッキの前端縁可動ピラー側端部を支える可動ピラー側支持金具と、前端縁固定ピラー側端部を支える固定ピラー側支持金具と、後端縁を支える後縁支持金具とからなり、
前記可動側支持金具は前記上保持枠に取付けられ、前記固定側支持金具は前記固定ピラーの上端部に取付けられ、前記後縁支持金具は前記船側フレームに取付けられており、
前記各支持金具は、前記昇降デッキを支持できる突出位置と、前記昇降デッキの昇降動作に干渉しない退避位置との間で姿勢変更が可能である
ことを特徴とする請求項4記載の貨物船。
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