JP2008069173A - リン酸塩結合剤としての、混合または硫酸金属塩化合物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、アルミニウムを含有せず、金属鉄(III)並びにマグネシウム、カルシウム、ランタンおよびセリウムのうちの少なくとも1つを含み、そしてヒドロキシルアニオンおよび炭酸アニオンの少なくとも1つを含む混合金属化合物、を含有する医薬組成物に関する。本発明はまた、アルミニウムを含有せず、金属鉄(III)並びにマグネシウム、カルシウム、ランタンおよびセリウムのうちの少なくとも1つを含み、そしてヒドロキシルアニオンおよび炭酸アニオンの少なくとも1つを含む混合金属化合物、を含有するリン酸塩と結合するための薬剤に関する。
【選択図】なし
Description
有効なリン酸塩結合剤として知られる下記の表1に示す化合物を、調査の対象として選んだ。表1中、値はpH3、pH7およびpH8の各々でのリン酸塩と結合する能力のそれぞれのパーセンテージを、nは各化合物について行なった試験回数を示す。表中、CT100は Crosfield Limited社 (UK)から商業的に入手可能な、式がAl2Mg6(OH)16・CO3・4H2Oのハイドロタルク石であり、またCT2000は乾燥していないスラリー形態であるCT100化合物である。
100−[(x/y)100]
(式中、x= 沈殿後の溶液中のリン酸塩(mmol);および
y= 沈殿させない場合の溶液中のリン酸塩(mmol))
試験した化合物は以下の通りである:
(1) Mg:Fe(比率は2:1)を含有するヒドロキシ炭酸塩
(2) Mg:Fe(比率は3:1)を含有するヒドロキシ炭酸塩
(3) Ca:Fe(比率は3:1)を含有するヒドロキシ炭酸塩
(4) Ca:Mg:Fe(比率は3:3:2)を含有するヒドロキシ炭酸塩
(5) CT100、すなわち式がAl2Mg6(OH)16・CO3・4H2Oのハイドロタルク石(Crosfield Limited社から商業的に入手可能)
(6) テルル鉛こう、すなわち水性のスラリー形態のCT100と同じ式のハイドロタルク石(ルーセル(Roussell)より商業的に入手可能)
(7) 水酸化マグネシウム
(8) 水酸化アルミニウム。
下記に示す通り、リン酸塩と結合する能力を測定する下記の方法を採用した:
方法1
下記の実施例3に記載の通り、リン酸塩結合剤化合物の各々1グラムを(湿性ケーキ化合物の水和を考慮する)を、pH3、pH5またはpH7に調節したリン酸ナトリウム緩衝液(25mL、40mmoll−1)中に加えた。均一となるように試料を渦巻き混合し、室温で30分間静かに撹拌した。遠心分離(3000rpm)を5分間行なった後、上清液を0.22μmミリポアフィルターを通してろ過した。該上清液中の可溶なリン酸塩を測定した。ハイドロタルク石によって結合したリン酸塩のパーセンテージを計算した。
リン酸塩緩衝液(20mmoll-1)を使用する以外は方法1と同様である。
ミルク(250ml)、コーンフレーク(50g)、パン(2切れ)およびマーマイト(marmite)(5g)をHCl(0.01M)(胃のなかの条件をシミュレートする目的)を入れた胸衣中で30分間混合した。食物の一部(20mL)を取り出し、遠心分離を行なった。上清液中のリン酸塩を測定した。2gのリン酸塩結合剤の化合物を該食物のバルクスラリーに加え、更に30分間混合した。該食物の一部を取りだし、遠心分離後の上清液中のリン酸塩を測定した。更に30分および90分間撹拌後、更に一部を取り出した。
実施例1:混合金属化合物がリン酸塩と結合するパーセンテージにおよぼすpHおよびエージングの効果
リン酸塩と結合する化合物を湿性スラリーの形態で製造した。非エージングの試料については該湿性スラリーをろ過および洗浄することにより湿性ケーキを形成させることで得、一方エージング試料については該ケーキをろ過する前に該湿性スラリーを80℃まで2時間加熱することによって得、次いでこのものについて試験した。pHが3〜7の範囲にわたって、エージングまたは非エージングの場合の該化合物がリン酸塩と結合するパーセンテージをこの方法で調べた。
pHが3〜7の範囲にわたって、乾燥粉末または湿性(ケーキ)形態で使用した化合物がリン酸塩と結合するパーセンテージを調べた。
方法2はリン酸塩と結合する能力を測定するのに使用した。結果を図3に示す。pH3では、Mg(OH)2である化合物(7)は最も良いリン酸塩結合剤であった。しかしながら、他の研究では、pH8でリン酸塩とほとんど結合せずに、この結合がpHに依存することを示した。したがって、そのものはインビボでは使用が限られる。
方法2はリン酸塩と結合する能力を測定するのに使用した。該結果を図4に示す。
方法3はリン酸塩と結合する能力を測定するのに使用した。該結果を図5に示す。
結局、下記の結果が実証された:
Mg:FeおよびCa:Fe化合物(1)〜(4)は胃腸菅中で見られるpHの範囲にわたって、有効なリン酸塩結合剤であった。
CaFe化合物(3)以外の、MgFeおよびMgCaFe化合物(1)、(2)および(4)によるリン酸塩との結合は、化合物をエージングすることによって減少した。
CaFe化合物(3)以外の、MgFeおよびMgCaFe化合物(1)、(2)および(4)は乾燥することにより、それらのリン酸塩との結合が減少した。
公知のハイドロタルク石化合物であるCT100(5)は、インビトロ研究において食物中のリン酸塩と結合した。正常な個体にインビボで与えた際、尿のリン酸塩排出量も減少した。しかしながら、新規な化合物(1)〜(4)が水中で、CT100(5)と少なくとも同じ位、かつAl(OH)3(8)よりも数倍良く結合したので、我々はそれらがインビボでリン酸塩と結合することも期待する。これら化合物はアルミニウムを遊離しないという別の利点を有する。
これら新規化合物(1)〜(4)は、末期の腎臓障害を持つ患者の血清リン酸塩レベルの制御において治療学的な潜在能力を有する。
製造方法および測定方法
下記の実験において、全化学品はBDHから入手したGPRグレードであった。ミリポアフィルターをAmicon, High Wycombeから入手した。
下記の方法を使用して全製剤を製造した。その方法では、個々のカチオンM2+:M3+としてMg2+:Al3+の比率が3:1の場合、ハイドロタルク石であるAl2Mg6(OH)16・CO3・4H2Oを生成した。
表1に記載した溶液/懸濁液中の金属を、水酸化ナトリウムを添加することによって同時に沈殿させた。水酸化ナトリウムを用いてカルシウムおよび鉄を別々に沈殿させることによっても製剤を調剤し、次いで該沈殿物を混合した。このため、Fe2(SO4)3(1mol)およびNaOH(6mol)を脱イオン水(4L)中で混合した。別の水(4L)中で、CaSO4(6mol)、NaOH(12mol)およびNa2CO3(5mol)を混合した。次いで、これら2個の懸濁液を〜2Lの流量でフラスコ中に送り、常に混合した。
製剤を洗浄し、乾燥機中〜40℃で乾燥重量が一定になるまで乾燥した。常にpHが1となるまで、1グラムを1MのHClに対して滴定した。溶液中のM2+およびM3+イオンの濃度を測定した。鉄およびカルシウムについては、ベーリンガー・マンハイム・ケミストリーを備えた日立911自動分析を使用し、一方マグネシウムについては炎光原子吸光スペクトル分析を使用した。
乾燥粉末として調薬する場合の、上記で製造した化合物のリン酸塩との結合を、各場合について1.0グラムの乾燥重量(40℃で重量が一定になるまで乾燥することによって決定した)の用量で測定した。湿性のケーキを調薬した場合、1gの乾燥重量の等量を加えた。従来の結合剤である水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムおよび炭酸カリウムのリン酸塩との結合についても、供する物質を1gだけ用いて測定した。
下記の結果を得た。
R1. 製剤中の金属組成の予想値および測定値
元の溶液中の金属イオンの比率が最終製剤中に存在するかどうかをも決定するために、全物質を1M HClを用いて加水分解し、溶液の金属イオン濃度を測定した。結果は下記の表3に示す。これらの結果は上記で製造した化合物が実際の混合金属化合物であると示している。
R2.1 カルシウムおよび鉄(III)を含有する製剤
鉄(III)に対して異なる比率のカルシウムを含有する製剤について、それらのリン酸塩と結合する能力を調べた。
予想比が3:1である、2個の異なるカルシウム鉄(III)製剤を製造した。製剤2を加水分解した場合、元素分析により、鉄(III)に対するカルシウムの測定比が2.6:1であると分かった。不十分な製剤1の試料しか、加水分解反応用に利用できなかった。
予想比が1:1である1つのカルシウム鉄(III)製剤を製造した。加水分解した該物質の元素分析により、鉄(III)に対するカルシウムの測定比が1.3:1であることが分かった。
予想比が2:1である1つのカルシウム鉄(III)製剤を製造した。加水分解した該物質の元素分析により、鉄(III)に対するカルシウムの測定比が1.6:1であることが分かった。
予想比が5:1である1つのカルシウム鉄(III)製剤を製造した。加水分解した該物質の元素分析により、鉄(III)に対するカルシウムの測定比が1.3:1であることが分かった。
硫酸カルシウムが不溶であるために、可溶な塩である塩化カルシウムを用いて、製剤を調剤した。予想比が3:1である1つのカルシウム鉄(III)製剤を製造した。加水分解した該物質の元素分析により、鉄(III)に対するカルシウムの測定比が1.4:1であることが分かった。
混合前に、カルシウムおよび鉄(III)をそれらの硫酸塩から沈殿させることによってリン酸塩と結合する物質が得られるかどうかを決定する目的で、製剤を調剤した。本化合物はM2の方法のようにして製造した。鉄(III)に対するカルシウムの予想比は3:1であるが、酸での加水分解後の測定比は1.1:1であった。
鉄(III)に対して異なる比率のマグネシウムを含有する多数の製剤について、それらのリン酸塩と結合する能力について調べた。
予想比が3:1である4つのマグネシウム鉄(III)の製剤を製造した。製剤1はMg2+:Fe3+の実際の比が2.4:1であった。製剤2、3および4は、Mg2+:Fe3+の測定比がそれぞれ2.2:1、2.2:1および2.3:1であった。
予想比が2:1である2つのマグネシウム鉄(III)製剤を製造した。加水分解後の製剤2の元素分析により、鉄(III)に対するマグネシウムの測定比が1.7:1であることが分かった。製剤1の元素組成を研究するには、試料が不十分であった。
(i) Ca2+:Mg2+:Fe3+の予想比が3:3:2である場合
予想比が3:3:2である1つのカルシウム・マグネシウム・鉄(III)製剤を製造した。このものを加水分解した場合、元素分析によりカルシウム:マグネシウム:鉄(III)の測定比が2.9:2.3:2であることが分かった。
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムおよび炭酸カルシウム化合物をも、それらのリン酸塩の結合する能力について調べた。該方法についてはM4中で上述した。
下記の化合物をリン酸塩結合剤として調べた:
1. 水酸化ナトリウムで処理した無水硫酸カルシウム
2. 無水硫酸カルシウム
3. CaSO4・2H2O
4. 鉄(II)/鉄(III)共沈物
5. 鉄(III)沈殿物。
脱イオン水(100mL)中、室温で30分間、無水硫酸カルシウム(CaSO4)(0.1mol)および水酸化ナトリウム(NaOH)(0.2mol)を混合することによって、本製剤を製造した。該混合物を遠心分離(3000rpm)を2分間行ない、上清液を廃棄した。残渣を水(100mL)と5分間混合し、続いて遠心分離(3000rpm)を2分間行なった。該上清液を廃棄し、該洗浄操作を更に3回繰り返した。結果として生じた固体を乾燥重量が一定になるまで60℃で加熱した。
商業的に入手可能な無水硫酸カルシウムの粉末を使用した。
商業的に入手可能な硫酸カルシウム・二水和物の粉末を使用した。
硫酸鉄(II)(FeSO4)および硫酸鉄(III)(Fe2(SO4)3)を水酸化ナトリウムで共沈させることによって、本製剤を製造して、酸化鉄の水和化合物を得た。Fe2+:Fe3+の予想比は3:1であった。
脱イオン水(100mL)中、室温で30分間、硫酸鉄(III)(Fe2(SO4)3)(0.1mol)を水酸化ナトリウム(NaOH)(0.3mol)と混合することによって、本製剤を製造した。
上記の物質のそれぞれのリン酸塩と結合する能力を、pH3〜8でリン酸塩溶液(40mmoll−1、25mL)中、各化合物(1g)を用いて、上記実施例3に記載の通り測定した。
物質および方法
特に指示しなければ、下記の化学品:CaSO4、Fe2(SO4)3・xH2O(工業的グレード)、MgSO4、CaCO3、NaOH、70%硝酸(再蒸留、純度が99.99%)はBDH/メルク(Poole、UK)から入手のGPRグレードであった。Al(OH)3およびMg(OH)2をシグマ(Poole UK)から入手した。CT100はCrosfield社(Warrington、UK)から入手した。
CTFeCaおよびCTFeMgは、Mg2+またはCa2+:Fe3+の予想比が3:1であり、実施例3(M1)に記載の混合金属のヒドロキシ炭酸塩製剤に関する標準的な実験室の操作に従って製造した混合金属のハイドロタルク石であった。この金属2+硫酸塩(6モル)および金属3+硫酸塩(2モル)を脱イオン水(4L)中に溶解した。別々のフラスコ中で、NaOH(16モル)およびNa2CO3(5モル)を脱イオン水(4L)中に溶解した。該2つの溶液を〜2Lの流量でフラスコ中にぜん動ポンプを用いてポンプで加え、溶液の添加の速度は混合した時に、結果として生成する懸濁液のpHが10.0〜10.5となるようにした。定常状態を確立するまでの時間までの最初の1Lを廃棄した後、溢出物のスラリー(3〜4L)を集めた。このものについてブフナーフラスコを用いて真空ろ過し、脱イオン水(1L)で3回洗浄した。ラットの食物中に混合可能となるように、湿性の「ケーキ」化合物を乾燥重量が一定になるまで50℃で乾燥し、モーターおよび乳棒を用いて粉にした。
体重が275〜307グラムの範囲にある28匹のラット(Sprague-Dawley strain)を、各4匹の群からなる7個の群に分けた(表11〜14、n=4)。リン酸塩結合剤を1%(w/w)の濃度でラットの食物中に混合した。各群のラットに、7日間無制限にダイエット食のみを与え、かつ制限なく脱イオン水を与えた。次いで、動物の体重を計り、代謝容器(metabowl)(そこでは、コントロールされたダイエット食(18g)を与え、制限なく水を与えた)に24時間移動させた。この期間中、総計24時間の尿および糞便の製造物を集めた。該処置期間の最後には、再び動物の体重を計り、ペントバルビトンナトリウム(sodium pentobarbitone)(サガタール(Sagatal))の60mg/mL溶液を0.1mL/体重(100g)だけ用いて麻酔後、血液試料を頸動脈から得た。
代謝容器のデザインのため、ラットの糞便がダイエット食由来のコントロール食物と混入することは避け難く、またわずかな量の尿も混入していた。したがって、分析前に、食物について遠心分離(1500rpm)を5分間行なうことで、尿と分離した。食物ペレットは廃棄した。混入している微粒食物を、ピンセットを用いて糞便から除き、その大便試料の重さを計った。
糞便の消化溶液、尿および血清中のリン酸塩、鉄およびカルシウムについては、日立911自動分析機による標準的なベーリンガー・マンハイム・ケミストリーを用いて決定した。糞便の消化溶液、尿および血清中のマグネシウムについては、炎光原子吸光分析を用いて測定した。尿および血清のアルミニウムについては、黒鉛ファーネス(graphite furnace)原子吸光スペクトル分析を用いて測定した。
リン酸塩と結合する化合物を添加することで改良した食物が体重の増加に影響を及ぼさないことを確かめる目的で、研究期間中、全動物について毎日体重を計った。7日間の平衡期間中、CTFeCa、CTFeMg、Mg(OH)2、CaCO3またはCT100を用いて処理した動物の群は、平均して38〜53グラムの範囲で体重の増加を示した。Al(OH)3で処理したラットは平均して3グラムの体重の増加を示した。コントロール群は標準的なRMIダイエット食を食べるのに抵抗を示した(リン酸塩結合剤を添加しない場合)。4日後、それらをコントロールダイエット(リリコ)に交換する必要があった。これらコントロール動物は、この7日の期間中平均して17.5グラムの体重の減少を示した。リリコダイエット中の可溶なリン酸塩について測定を行ない、結合剤を添加しない場合のRMIダイエットの値(7.5μmolg−)と同様に、6.8μmolg−であることが分かった。
尿および糞便のリン酸塩排泄量の測定
ある量の無機化合物を食物と共に摂食した場合に達成されるリン酸塩の吸収の低下は、尿のリン酸塩含有物の低下、総糞便のリン酸塩含有物の上昇、および可溶な糞便のリン酸塩含有物の低下:総糞便のリン酸塩含有物の比率の低下によって現れてくる(表11)。
尿のアルミニウム排泄量、血清のアルミニウム濃度
尿および血清のアルミニウム濃度を、黒鉛ファーネス(furance)原子吸光スペクトル分析を用いて測定した。Al(OH)3またはCT100を摂取した動物について、平均的な血清アルミニウム濃度はコントロール動物からの血清アルミニウム濃度よりも有意に高くはなかった(表12)。驚くべきごとに、CTFeCaおよびCTFeMgで処理した動物は、Mg(OH)2、Al(OH)3、CaCO3またはコントロールで処理した動物よりも共に有意に高い、最大の平均血清アルミニウム濃度を示した。
CaCO3で処理した動物からの尿のカルシウムの総排泄量は、コントロール動物、またはCTFeCaもしくはAl(OH)3で処理した動物と有意に差異はなかった。CaCO3で処理した動物は、Mg(OH)2、CT100またはCTFeMgで処理した動物よりも有意に多くの量を排泄した(表13)。
CT100およびCTFeMg化合物で処理後の尿のマグネシウム排泄量は、コントロール動物と比較して有意ではないが、より高かった(表14)。Mg(OH)2を投与後、尿のマグネシウム排泄量はコントロール群または他のいずれかの結合剤で処理した動物よりも有意に高かった。
全ての処理した群からの全ての尿試料において、鉄濃度は用いた方法の検出の限界(>1μmoll−1)であった。
リン酸塩結合剤を長期間、比較的多くの用量で投与した場合、金属イオンの遊離、吸収および毒性が第一の関心事となる。Al(OH)3またはCT100で処理した動物における血清アルミニウム濃度は他のいずれの結合剤で処理した動物よりも有意には高くなかった。このことは、ハイドロタルク石(CT100)(6g)を投与して7時間後まで測定した血清アルミニウムが増加しなかったと報告されているヒトの研究と一致する[Van der Voet および de Wolffによる, Clin. Tox.(1986〜87), 24, 545〜553]。摂食したアルミニウム用量のわずか〜0.1%だけが吸収されるので[パエル(Powell)およびトムソン(Thomson)による、Proc. Nutr. Soc., (1993) 52, 241〜253]、大量の血清中の変化を精密に測定するには限界にある。
Claims (12)
- アルミニウムカチオンを含有せず、三価カチオンとしての金属鉄(III)イオン、並びに二価カチオンとしてのマグネシウム、カルシウム、ランタンおよびセリウムのイオンのうちの少なくとも1つを含み、そしてヒドロキシルアニオンおよび炭酸アニオンの少なくとも1つを含む混合金属化合物、を含有する医薬組成物。
- 該混合金属化合物は、以下の試験方法:
40mmol−1リン酸ナトリウム緩衝溶液(25mL)に、該混合金属化合物(1g)を加え、室温で30分間ホモジナイズおよび静かに撹拌し、3000rpmで5分間遠心分離し、0.22μmミリポアフィルターを通してろ過し、そして、そうして得られる該上清中の該可溶性リン酸塩を測定する、
による測定時に、pHの範囲が3〜7において、存在するリン酸塩の総重量の少なくとも30重量%のリン酸塩結合能力を有する、請求項1記載の医薬組成物。 - 該混合金属化合物は、請求項2に記載の試験方法による測定時に、pHの範囲が2〜8において、存在するリン酸塩の総重量の少なくとも30重量%のリン酸塩結合能力を有する、請求項2記載の医薬組成物。
- 該混合金属化合物は更に、硫酸塩、塩化物、および酸化物の少なくとも1つを含む、請求項1〜3のいずれか1つに記載の医薬組成物。
- 該混合金属化合物は、マグネシウムイオンおよび鉄(III)イオンを含有しそしてハイドロタルク石構造を有するヒドロキシ炭酸塩である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の医薬組成物。
- 該混合金属化合物はエージングしない、請求項1〜5のいずれか1つに記載の医薬組成物。
- アルミニウムを含有せず、金属鉄(III)並びにマグネシウム、カルシウム、ランタンおよびセリウムのうちの少なくとも1つを含み、そしてヒドロキシルアニオンおよび炭酸アニオンの少なくとも1つを含む混合金属化合物、を含有するリン酸塩と結合するための薬剤。
- 該混合金属化合物は、以下の試験方法:
40mmol−1リン酸ナトリウム緩衝溶液(25mL)に、該混合金属化合物(1g)を加え、室温で30分間ホモジナイズおよび静かに撹拌し、3000rpmで5分間遠心分離し、0.22μmミリポアフィルターを通してろ過し、そして、そうして得られる該上清中の該可溶性リン酸塩を測定する、
による測定時に、pHの範囲が3〜7において、存在するリン酸塩の総重量の少なくとも30重量%のリン酸塩結合能力を有する、請求項7記載の薬剤。 - 該混合金属化合物は、請求項8に記載の試験方法による測定時に、pHの範囲が2〜8において、存在するリン酸塩の総重量の少なくとも30重量%のリン酸塩結合能力を有する、請求項8記載の薬剤。
- 該混合金属化合物は更に、硫酸塩、塩化物、および酸化物の少なくとも1つを含む、請求項7〜9のいずれか1つに記載の薬剤。
- 該混合金属化合物は、マグネシウムおよび鉄(III)を含有しそしてハイドロタルク石構造を有するヒドロキシ炭酸塩である、請求項7〜10のいずれか1つに記載の薬剤。
- 該混合金属化合物はエージングしない、請求項7〜11のいずれか1つに記載の薬剤。
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