JP3835638B2 - 自動車用空気調和装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、狭小な部分内でスライドして空気流を制御する板状のミックスドアを有する自動車用空気調和装置において、複合モード時の上下吹出し風の温度差を適性に制御でき、快適性の向上を図ったものに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車用空気調和装置は、内外気を導入するインテークユニット、この導入空気を冷却するクーラユニット、および導入空気を加熱するヒータユニットを有しており、これら3つのユニットを車両の左右方向に直列的に合体し、車室内のインストルメントパネルの内部という狭小な空間に設置されていることは周知である。
【0003】
しかし、この自動車用空気調和装置は、3つのユニットを直列的に連結するため、装置全体が大型化し、小型の車両に搭載すると、狭小な車室内空間をより狭小にすることから好ましくない。特に、助手席の足元にまでユニットが置かれるので狭くなる。
【0004】
したがって、図13に示すように、ケースC内にエバポレータ3やヒータコア4が車両の前後方向に並べて立設するように設けられた縦置き型と称されるものがある。図示の装置は、クーラユニット1とヒータユニット2とを一体化し、エバポレータ3とヒータコア4とをさらに近接して配置することにより一層コンパクトなものとしている。すなわち、インテークユニットをケースCの側方に配置して導入口Oから導入された空気を、エバポレータ3により冷却し、ミックスドア5により上下に2分して流すようにしているが、このエバポレータ3とヒータコア4との間に設けられるミックスドア5を、1つの支点で支持されたドアを当該支点を中心として回動する構成とするとスペース的に大きくなることから、さらにエバポレータ3とヒータコア4との距離を短くし前後方向のスペースを小さくするために、これを偏平な板状ドアとし、略上下にスライドさせることにより温調制御を行なうようにしたものである。
【0005】
2分された空気流の内の下部の空気流は、ヒータコア4により加熱されて温風となり下部通路6を通って流れ、上部の空気流(冷風)は、このヒータコア4をバイパスするバイパス通路Bを通って流れ、前記温風とミックスゾーン7でミックスされる。ミックスされた空気は、所定の温度となって種々の配風モードに応じて各種吹出口F(ベント吹出口Fv、デフ吹出口Fd、フット吹出口Ffの総称)から車室内に向けて配風されたり、あるいは前記ミックスが行なわれることなく冷風や温風のまま吹出される。
【0006】
なお、各吹出口Fから吹出される冷風あるいは温風の温度は、ミックスドア5の位置により制御される。
【0007】
ここに、「エバポレータ」とは、周知のように冷房サイクル中の膨脹弁などで減圧された低温低圧冷媒が内部を流通し、ここに導入された空気を冷媒との熱交換により冷却するものである。また、「ヒータコア」とは、高温のエンジン冷却水が内部を流通し、ここに導入された空気を高温のエンジン冷却水との熱交換により加熱するものである。
【0008】
前記種々の配風モードは、ベントモード(乗員の上半身に冷風を吹き出すモード)、バイレベルモード(乗員の上半身に冷風を、下半身に温風を吹き出す、いわゆる頭寒足熱のモード)、デフロストモード(フロントおよびサイドの窓ガラスの曇りを晴らすモード)、フットモード(乗員の下半身に温風を吹き出すモード)あるいはデフ−フットモード(窓の曇りを晴らしつつ乗員の下半身に温風を吹き出すモード)等がある。
【0009】
このようなモードの内、ベントモード、デフロストモードの場合は、車室内の上部に冷風や温風を配風することから、ダクトを短くできるためベント吹出口Fvやデフ吹出口FdはケースCの上部に設けることが好ましく、また、フットモードの場合には、車室内の下部に温風を配風するので、フット吹出口Ffは、ケースCの下部に設けることが好ましい。
【0010】
したがって、車室内の前部のインストルメントパネル内に設置される縦置き型自動車用空気調和装置では、ケースCの上部にベント吹出口Fvやデフ吹出口Fdである上部吹出口を、下部にフット吹出口Ffである下部吹出口を設けている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、縦置き型の自動車用空気調和装置においては、上部吹出口は、冷風が流れる側の近傍に開設されることになり、下部吹出口は、ヒータコア4により加熱された温風が流れる側の近傍に開設されることになるので、バイレベルモードやデフ−フットモードのように上部と下部の吹出口からそれぞれ冷風や温風を吹き出す複合モードの場合には、一般に、上下の差温が大きくなる傾向がある。しかも、スライド式のミックスドアを採用してケースの前後寸法を詰める構成とした場合には、ケース内において冷風と温風とを混合する十分なスペースを確保し難く、上下の差温がさらにつき易い。
【0012】
このため図13に示す装置にあっては、ヒータコア4の下流側に立壁8を形成し、この立壁8とケースCの側壁Caとの間にフット吹出口Ffを形成し、ヒータコア4により加熱され下部通路6を流れる温風を一旦冷風側に上昇させ、バイパス通路Bを通った冷風とを衝突させて、エアーミックス性を高めるようにしている。
【0013】
しかしながら、バイレベルモードやデフ−フットモードのような複合モード時には、冷風と温風とは、相互に衝突しても、風量によっては一方が他方をはね飛ばすあるいは反射する傾向があり、十分ミックスされず、そのままベント吹出口Fv若しくはデフ吹出口Fdとフット吹出口Ffとから流出する傾向があり、前述した上下差温の拡大を確実に解消するものとはなっていない。
【0014】
つまり、図14に示すように、バイレベルモードの場合には、ベント吹出口Fvを開閉するベントドアDvと、フット吹出口Ffを開閉するフットドアDfが開放され、バイパス通路Bを通った冷風がベント吹出口Fvから、ヒータコア4により加熱された温風がフット吹出口Ffから吹出されることになる。この結果、ベント吹出口Fvから吹出される冷風の温度とフット吹出口Ffから吹出される温風の温度との差温は依然として大きく、頭部は冷え、足元は熱い状態となり、快適性が損なわれる。
【0015】
これは、デフ−フットモードの場合も同様の傾向となっており、図15に示すように、デフ吹出口Fdを開閉するデフドアDdと、フット吹出口Ffを開閉するフットドアDfが開放され、バイパス通路Bを通った冷風がデフ吹出口Fdから、ヒータコア4により加熱された温風がフット吹出口Ffから上下差温が大きいまま吹出されることになる。
【0016】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、ユニットのコンパクト化を図りつつ、複合モード時の上下吹出し風の温度差を適性に制御でき、快適性の向上を図った自動車用空気調和装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、ケース内を流れる冷却された空気を、板状のミックスドアをスライド移動させることにより、選択的に上部冷風若しくは下部冷風として流すかあるいは上部冷風と下部冷風に所定の比率で分け、下部冷風をヒータコアを通して加熱して温風とし、上部冷風を前記ヒータコアをバイパスして流すバイパス通路に導き、当該バイパス通路に隣接して、デフ吹出口とベント吹出口からなる上部吹出口が開設された上部チャンバを設け、ケースの下部にフット吹出口である下部吹出口を設け、前記バイパス通路からの冷風と下部通路からの温風とをミックスゾーンでミックスし前記各種吹出口より車室内に配風するようにした自動車用空気調和装置において、前記バイパス通路から前記上部チャンバに向かう第1の流路に、当該第1の流路を開閉する冷風制御ドアを設け、前記冷風制御ドアは、前記第1の流路かあるいは前記バイパス通路から前記ミックスゾーンに向かう第2の流路を選択的に開閉することを特徴とする。
【0018】
この発明にあっては、複合モードの場合には、冷風制御ドアは第1の流路を閉鎖する。これにより、バイパス通路を通った冷風は、ヒータコアにより加熱され下部通路を流れる温風とミックスゾーンにおいて衝突するが、衝突して冷風が反射されたとしても、そのままベント吹出口若しくはデフ吹出口に流出することのないように冷風制御ドアにより遮られることになるため、結果的に、ミックスゾーンにおいてこれら冷風と温風とが十分に混合され、両者のエアミックス性が向上する。一方、ベントモードの場合には、冷風制御ドアは第1の流路を開放する。これにより、バイパス通路を通った冷風は、第1の流路を通って上部チャンバから略真直ぐにベント吹出口に向かい、車室内に向かって配風される。
【0020】
また、ベントモードの場合には、全量バイパス通路を通過する冷風は、ミックスゾーンに流れ込むことなく冷風制御ドアに沿って流れて上部チャンバに導かれる。
【0021】
請求項2に記載の発明は、ケース内を流れる冷却された空気を、板状のミックスドアをスライド移動させることにより、選択的に上部冷風若しくは下部冷風として流すかあるいは上部冷風と下部冷風に所定の比率で分け、下部冷風をヒータコアを通して加熱して温風とし、上部冷風を前記ヒータコアをバイパスして流すバイパス通路に導き、当該バイパス通路に隣接して、デフ吹出口とベント吹出口からなる上部吹出口が開設された上部チャンバを設け、ケースの下部にフット吹出口である下部吹出口を設け、前記バイパス通路からの冷風と下部通路からの温風とをミックスゾーンでミックスし前記各種吹出口より車室内に配風するようにした自動車用空気調和装置において、前記バイパス通路から前記上部チャンバに向かう第1の流路に、当該第1の流路を開閉する冷風制御ドアを設け、前記冷風制御ドアは、前記デフ吹出口あるいは前記第1の流路を選択的に開閉することを特徴とする。
【0022】
この発明にあっては、複合モードの場合には、冷風制御ドアは第1の流路を閉鎖する。これにより、バイパス通路を通った冷風は、ヒータコアにより加熱され下部通路を流れる温風とミックスゾーンにおいて衝突するが、衝突して冷風が反射されたとしても、そのままベント吹出口若しくはデフ吹出口に流出することのないように冷風制御ドアにより遮られることになるため、結果的に、ミックスゾーンにおいてこれら冷風と温風とが十分に混合され、両者のエアミックス性が向上する。一方、ベントモードの場合には、冷風制御ドアは第1の流路を開放する。これにより、バイパス通路を通った冷風は、第1の流路を通って上部チャンバから略真直ぐにベント吹出口に向かい、車室内に向かって配風される。
また、冷風制御ドアが、デフ吹出口を開閉するドアの機能をも兼ねることとなり、別途新たにドアを追加することなく、複合モード時の上下吹出し風の温度差を適性に制御することが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る自動車用空気調和装置を示す断面図、図2〜図6は、実施の形態1の各モード時におけるドア位置および空気の流れを説明するための図である。なお、図13〜図15に示す部材と共通するものには同一符号を付している。
【0025】
図1に示す本実施の形態に係る縦置き型の自動車用空気調和装置は、クーラユニット1とヒータユニット2とを一体化し、車両の前後方向の寸法を短くしたケースCを有し、このケースCの上流側風路内にはエバポレータ3が設けられ、下流側風路内にはヒータコア4が設けられる。車幅方向(図1の紙面に垂直な方向)から導入口Oを通って導入された空気は、ケースC内で車両の前後方向に曲げられ、エバポレータ3を通って冷却されるようになっている。また、空気の取り込みを行うインテークユニットは、ケースCの側面に配置され、車両前後方向の装置の長さが短くされている。
【0026】
そして、上流側風路から流下した空気流は、エバポレータ3とヒータコア4との間に設けられたミックスドア5が図示しないスライド駆動機構により図中矢印方向に動作することにより、ヒータコア4側と、当該ヒータコア4をバイパスするバイパス通路B側に選択的に流されたり、あるいはヒータコア4側とバイパス通路B側という各風路に所定の比率で流される。
【0027】
ここに、ミックスドア5の上流側と下流側には、エバポレータ3とヒータコア4が近接して設けられる。ミックスドア5は、エバポレータ3とヒータコア4間で上流側風路からの空気流を遮断する方向に伸延されかつ所定の曲率半径で下流側に膨出するような円弧状を呈している。このミックスドア5は、図1に示すように、上下方向が上流側風路と下流側風路との開口部11のほぼ半分程度であり、幅方向がケースCの一側から他側まで設けられたものである。
【0028】
ミックスドア5を作動するためのスライド駆動機構は、例えば、ミックスドア5の両側端近傍に形成された歯部に噛合する一対の歯車をモータ等で駆動する構成とされる。なお、このスライド駆動機構は、場合によってはコントローラとワイヤーケーブルを介して連結された手動操作機構としても良い。
【0029】
ケースCには、バイパス通路Bに隣接してその上方に、ベント吹出口Fvとデフ吹出口Fdとが開設された上部チャンバ10が形成されている。
【0030】
本実施の形態では、バイパス通路Bから上部チャンバ10に向かう第1の流路12に、当該第1の流路12を開閉する冷風制御ドア13が設けられる。また、この冷風制御ドア13は、第1の流路12かあるいはバイパス通路Bからミックスゾーン7に向かう第2の流路14を選択的に開閉する構成とされている。
【0031】
したがって、冷風制御ドア13を閉鎖することにより、バイパス通路Bを流れる上部冷風をスムーズにミックスゾーン5に向かうように導くことが可能である。一方、冷風制御ドア13を開放することにより、バイパス通路Bを流れる上部冷風を直接上部チャンバ10に導くことができる。
【0032】
なお、この冷風制御ドア13は、図外のコントローラからの信号によりアクチュエータ等の駆動部を動作し、回転軸13aを回動して開閉するようになっているが、この開閉動作は、各種モードドアD(ベントドアDv,デフドアDd、フットドアDfの総称)と連動するように構成しても良く、独立して作動するようにしても良い。
【0033】
ヒータコア4の下流側には、立壁8が形成されており、この立壁8とケースCの側壁Caとの間にフット吹出口Ffが形成されている。したがって、ヒータコア4により加熱され下部通路6を流れる温風は、一旦冷風側に上昇し、バイパス通路Bを通った冷風とミックスゾーン7において衝突して混合されるようになっている。
【0034】
次に、実施の形態の作用を説明する。
《ベントモード》
ベントモードは、車室内を冷房するモードである。このベントモードにおいては、図2に示すように、ベントドアDvは「開」、フットドアDfは「閉」、デフドアDdは「閉」にセットされる。冷風制御ドア13は、図外のコントローラからの信号により第1の流路12を開放すると共に第2の流路を閉鎖した状態にセットされる。
【0035】
このベントモードにおいて、冷風を全量加熱せず車室内に吹き出すフルクールモードの場合には、ミックスドア5は、図2に示すように下端位置にセットされる。なお、中間の温度状態とする場合には、ミックスドア5は上下方向中間位置にセットされる。
【0036】
これによって、エバポレータ3により冷却された空気流は、全量バイパス通路Bを通って流れた後に、上部チャンバ10から略真直ぐにベント吹出口Fvに向かい、ベントダクト(図示せず)を通って車室内に向かって配風される。したがって、このベントモード時の通気抵抗は低減し、多量の冷風が車室内に導かれ冷房性能が向上する。さらに、全量バイパス通路Bを通過する冷風は、ミックスゾーン7に流れ込むことなく冷風制御ドア13に沿って流れて上部チャンバ10に導かれるので、より一層の冷房性能の向上が図れる。
【0037】
また、エバポレータ3を通過した空気流は、ミックスドア5の円弧状の表面に沿ってスムーズにベント吹出口Fvの方向に向くように流れ方向が変えられることになるので、これによっても通気抵抗が上昇せず、空気の流通量も低減せず、快適な冷風感がえられる。
【0038】
《バイレベルモード》
このモードは、冷風をベント吹出口Fvよりベントダクトを通って車室内の乗員の上半身に向かって配風し、温風をフット吹出口Ffよりフットダクトを通って車室内の乗員の足元に向かって配風するモードである。
【0039】
このモードにおいては、ミックスドア5は、上下方向中間位置にセットされ、ベントドアDv及びフットドアDfは「開」にセットし、デフドアDdは「閉」とする。冷風制御ドア13は、通常、第1の流路12を閉じるようにセットされる。但し、場合によっては若干開いた状態としても良い。
【0040】
エバポレータ3により冷却された空気流は、一部がミックスドア5の上部を通って流れ、バイパス通路Bよりミックスゾーン7に至り、残りの空気流は、ミックスドア5の下部を通ってヒータコア4により加熱され、下部通路6を通ってミックスゾーン7に至る。
【0041】
ここで、バイパス通路Bを通った冷風は、ヒータコア4により加熱され下部通路6を流れ立壁8に沿って上昇する温風とミックスゾーン7において衝突するが、衝突して冷風が反射されたとしても、そのままベント吹出口Fv若しくはデフ吹出口Fdに流出することのないように冷風制御ドア13により遮られることになるため、結果的に、ミックスゾーン7においてこれら冷風と温風とが十分に混合され、両者のエアミックス性が向上する。したがって、上下の差温は小さくなって所望の温度特性となり、違和感のない快適なバイレベル状態となる。なお、図3中において、破線の矢印は冷風の流れ、実線の矢印は温風の流れ、一点鎖線の矢印は温調された空気の流れを示している(他の図において同じ)。
【0042】
また、このバイレベルモードにおいて、冷風制御ドア13を若干開放した場合には、バイパス通路Bからの冷風の一部が、直接ベント吹出口Fvに導入されると共に、バイパス通路Bよりミックスゾーン7に至る冷風の量が低減するので、上下差温を僅かに大きくした状態が得られる。つまり、冷風制御ドア13の制御によって種々のバイレベル状態を設定でき、バイレベルの細かな制御が可能となる。
【0043】
《フットモード》
フットモードは、車室内を暖房するモードである。このモードにおいては、図4に示すように、ベントドアDvは「閉」、フットドアDfは「開」、デフドアDdは「閉」にセットされる。
【0044】
このフットモードにおいて、エバポレータ3からの冷風を全量ヒータコア4により加熱して車室内に吹き出すフルホットモードの場合には、ミックスドア5は上端位置にセットされる。なお、中間の温度状態とする場合には、ミックスドア5は上下方向中間位置にセットされる。
【0045】
ここで、冷風制御ドア13は、図外のコントローラからの信号により第1の流路12を閉鎖状態とする。
【0046】
フルホットモードの場合には、エバポレータ3により冷却された空気流は、ヒータコア4により全量加熱されて温風となり、この温風は、下部通路6を通ってフット吹出口Ffに流入し、フットダクト(図示せず)より乗員の足元に向かって配風される。
【0047】
また、ベントモードの場合と同様に、このモードにおいても、冷却された空気は、ミックスドア5の円弧状の表面に沿ってスムーズにヒータコア4の方向に向くように流れ方向が変えられる。
【0048】
《デフ−フットモード》
デフ−フットモードは、図5に示すように、デフドアDdおよびフットドアDfを「開」とし、ベントドアDvを「閉」とした状態である。このモードにおいては、ミックスドア5は、上下方向中間位置にセットされる。
【0049】
このようにすれば、前記バイレベルモードの場合と同様に、ミックスゾーン7において冷風と温風とが十分に混合されて所定温度となった空気流が、デフ吹出口Fdおよび吹出口Ffに導かれることになり、これにより足元暖房しつつ窓の曇りを防止するモードが実現できる。
【0050】
したがって、ユニットのコンパクト化を図りつつ、複合モード時の上下吹出し風の温度差を適性に制御でき、快適性の向上を図ることが可能となる。
【0051】
《デフロストモード》
デフロストモードは、フロントガラス等の曇りの防止と晴らしを行うモードである。
【0052】
このモードにおいては、図6に示すように、ベントドアDvは「閉」、デフドアDdは「開」にセットし、フットドアDfは「閉」とする。冷風制御ドア13は、図外のコントローラからの信号により第1の流路12を閉鎖状態とする。
【0053】
デフ吹出口Fdに接続されるデフダクトより高温風を吹き出す場合には、図示のように、ミックスドア5を上端まで移動する。なお、中温風を吹き出す場合には、ミックスドア5を中間位置にセットする。
【0054】
高温風を吹き出す場合には、ヒータコア4により加熱された温風は、下部通路6を流れ立壁8に沿って上昇し、デフ吹出口Fdに導かれ、デフダクトを介してフロントガラス等に向かって配風される。
【0055】
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2に係る自動車用空気調和装置を示す断面図である。なお、図1に示す実施の形態1の部材と共通するものには同一符号を付し、その説明を省略する。
【0056】
この実施の形態2に係る自動車用空気調和装置は、デフドアDdがデフ吹出口Fdあるいは第1の流路12を選択的に開閉するように構成されている点で、上記実施の形態1と相違している。換言すれば、上記実施の形態1における冷風制御ドア13が、デフ吹出口Fdを開閉するデフドアDdの機能をも兼備する構成とされている。
【0057】
したがって、別途新たにドアを設けることなく、複合モード時の上下吹出し風の温度差を適性に制御でき、ユニットのコンパクト化および低コスト化を一層図ることができる。
【0058】
図8〜図12は、それぞれベントモード時、バイレベルモード時、フットモード時、デフ−フットモード時、およびデフロストモード時におけるドア位置および空気の流れを説明するための図である。各モード時における作用は、上記実施の形態1と大体同じであるため、その説明についての詳細は省略する。
【0059】
ベントモードにおいては、図8に示すように、デフドアDdがデフ吹出口Fdを閉鎖すると同時に、第1の流路12を開放する。これにより、エバポレータ3により冷却された空気流は、ベントドアDvの表裏の両面に沿ってスムーズにベント吹出口Fvから吹き出される。
【0060】
バイレベルモードにおいては、図9に示すように、デフドアDdが第1の流路12を閉鎖し、そして、いわゆるバタフライ式のベントドアDvが当該ドア中央付近に設けられる軸のまわりに回動されてベント吹出口Fvを開くと同時に、デフ吹出口Fdへの流路を遮断して空気をベント吹出口Fvへと導く。これにより、ミックスゾーン7における冷風と温風との十分なエアミックス性を確保しつつ、所望の吹出口からの配風を行うことができる。
【0061】
また、デフ−フットモードおよびデフロストモードにおいては、図11および図12に示すように、デフドアDdとベントドアDvとで挟まれて形成される通路により案内されて空気が流れる。
【0062】
このように、各モードドアDが各吹出口Fの開閉のみならず、空気の流れのガイド機能をも果たすので、ユニットのコンパクト化および部品の省略化を一層実現することが可能となっている。
【0063】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて種々変形することができる。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明では、複合モードの場合には、バイパス通路を通った冷風がミックスゾーンにおいて温風と衝突し反射されても、冷風制御ドアにより遮られるので、そのままベント吹出口やデフ吹出口に流出することがなく、冷風と温風とが十分に混合されて両者のエアミックス性を向上させることができる。したがって、ユニットのコンパクト化を図りつつ、上下の差温を小さくして所望の温度特性とでき、複合モード時の快適性が向上する。
【0065】
また、ベントモードの場合には、全量バイパス通路を通過する冷風は、ミックスゾーンに流れ込むことなく冷風制御ドアに沿って流れて上部チャンバに導かれるので、より一層の冷房性能の向上が図られる。
【0066】
請求項2に記載の発明では、複合モードの場合には、バイパス通路を通った冷風がミックスゾーンにおいて温風と衝突し反射されても、冷風制御ドアにより遮られるので、そのままベント吹出口やデフ吹出口に流出することがなく、冷風と温風とが十分に混合されて両者のエアミックス性を向上させることができる。したがって、ユニットのコンパクト化を図りつつ、上下の差温を小さくして所望の温度特性とでき、複合モード時の快適性が向上する。
また、冷風制御ドアが、デフ吹出口を開閉するドアの機能をも兼ねることとなり、別途新たにドアを追加することなく、複合モード時の上下吹出し風の温度差を適性に制御でき、ユニットのコンパクト化および低コスト化を一層図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る自動車用空気調和装置を示す概略断面図である。
【図2】 同装置のベントモード時を説明するための図である。
【図3】 同装置のバイレベルモード時を説明するための図である。
【図4】 同装置のフットモード時を説明するための図である。
【図5】 同装置のデフ−フットモード時を説明するための図である。
【図6】 同装置のデフモード時を説明するための図である。
【図7】 本発明の実施の形態2に係る自動車用空気調和装置を示す概略断面図である。
【図8】 同装置のベントモード時を説明するための図である。
【図9】 同装置のバイレベルモード時を説明するための図である。
【図10】 同装置のフットモード時を説明するための図である。
【図11】 同装置のデフ−フットモード時を説明するための図である。
【図12】 同装置のデフモード時を説明するための図である。
【図13】 従来の自動車用空気調和装置を示す概略断面図である。
【図14】 同装置のバイレベルモード時を説明するための図である。
【図15】 同装置のデフ−フットモード時を説明するための図である。
【符号の説明】
3…エバポレータ、
4…ヒータコア、
5…ミックスドア、
6…下部通路、
7…ミックスゾーン、
10…上部チャンバ、
12…第1の流路、
13…冷風制御ドア、
14…第2の流路、
B…バイパス通路、
C…ケース、
Fv…ベント吹出口、
Fd…デフ吹出口、
Ff…フット吹出口。
Claims (2)
- ケース(C)内を流れる冷却された空気を、板状のミックスドア(5)をスライド移動させることにより、選択的に上部冷風若しくは下部冷風として流すかあるいは上部冷風と下部冷風に所定の比率で分け、下部冷風をヒータコア(4)を通して加熱して温風とし、上部冷風を前記ヒータコア(4)をバイパスして流すバイパス通路(B)に導き、当該バイパス通路(B)に隣接して、デフ吹出口(Fd)とベント吹出口(Fv)からなる上部吹出口が開設された上部チャンバ(10)を設け、ケース(C)の下部にフット吹出口(Ff)である下部吹出口を設け、前記バイパス通路(B)からの冷風と下部通路(6)からの温風とをミックスゾーン(7)でミックスし前記各種吹出口(F)より車室内に配風するようにした自動車用空気調和装置において、
前記バイパス通路(B)から前記上部チャンバ(10)に向かう第1の流路(12)に、当該第1の流路(12)を開閉する冷風制御ドア(13)を設け、
前記冷風制御ドア (13) は、前記第1の流路 (12) かあるいは前記バイパス通路 (B )から前記ミックスゾーン (7 )に向かう第2の流路 (14) を選択的に開閉することを特徴とする自動車用空気調和装置。 - ケース(C)内を流れる冷却された空気を、板状のミックスドア(5)をスライド移動させることにより、選択的に上部冷風若しくは下部冷風として流すかあるいは上部冷風と下部冷風に所定の比率で分け、下部冷風をヒータコア(4)を通して加熱して温風とし、上部冷風を前記ヒータコア(4)をバイパスして流すバイパス通路(B)に導き、当該バイパス通路(B)に隣接して、デフ吹出口(Fd)とベント吹出口(Fv)からなる上部吹出口が開設された上部チャンバ(10)を設け、ケース(C)の下部にフット吹出口(Ff)である下部吹出口を設け、前記バイパス通路(B)からの冷風と下部通路(6)からの温風とをミックスゾーン(7)でミックスし前記各種吹出口(F)より車室内に配風するようにした自動車用空気調和装置において、
前記バイパス通路(B)から前記上部チャンバ(10)に向かう第1の流路(12)に、当該第1の流路(12)を開閉する冷風制御ドア(13)を設け、
前記冷風制御ドア(13)は、前記デフ吹出口(Fd)あるいは前記第1の流路(12)を選択的に開閉することを特徴とする自動車用空気調和装置。
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