JP3872214B2 - 自動車用空気調和装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、狭小な部分内でスライドして空気流を制御する板状のミックスドアを有する自動車用空気調和装置において、複合モード時の上下吹出し風の温度差を適性に制御でき、快適性の向上を図ったものに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車用空気調和装置は、内外気を導入するインテークユニット、この導入空気を冷却するクーラユニット、および導入空気を加熱するヒータユニットを有しており、これら3つのユニットを車両の左右方向に直列的に合体し、車室内のインストルメントパネルの内部という狭小な空間に設置されていることは周知である。
【0003】
しかしながら、この自動車用空気調和装置は、3つのユニットを直列的に連結するため、装置全体が大型化し、小型の車両に搭載すると、狭小な車室内空間をより狭小にすることから好ましくない。特に、助手席の足元にまでユニットが置かれるので狭くなる。
【0004】
そこで、ケース内にエバポレータやヒータコアを車両の前後方向に並べて立設したいわゆる縦置き型と称され自動車用空気調和装置が提案されている(実開平6−71222号公報参照)。縦置き型の自動車用空気調和装置では、エバポレータとヒータコアとの距離を短くし前後方向のスペースをさらに小さなものとすべく、エバポレータからの冷風を上下に2分して流すミックスドアは、偏平な板状スライドドアから構成されている。このスライドドアを略上下方向にスライド移動させることにより空気の温度調節がなされ、空気は、種々の配風モードに応じて、各種吹出口(ベント吹出口、デフロスト吹出口、フット吹出口の総称)から車室内の所定位置に向けて配風される。
【0005】
前記種々の配風モードは、ベントモード(乗員の上半身に冷風を吹き出すモード)、バイレベルモード(乗員の上半身に冷風を、下半身に温風を吹き出す、いわゆる頭寒足熱空調のモード)、デフロストモード(フロントおよびサイドの窓ガラスの曇りを晴らすモード)、あるいはデフ−フットモード(窓の曇りを晴らしつつ乗員の下半身に温風を吹き出すモード)などがある。
【0006】
このようなモードのうちベントモードおよびデフロストモードの場合には車室内の上部空間に冷風や温風を配風するので、ダクトをできるだけ短くするためにはベント吹出口やデフロスト吹出口はケースの上部に設けることが好ましく、また、デフ−フットモードの場合には車室内の下部空間に温風を配風するので、フット吹出口はケースの下部に設けることが好ましい。
【0007】
そこで、上記の縦置き型自動車用空気調和装置にあっても、ケースの上部寄りにベント吹出口やデフ吹出口である上部吹出口を設け、下部寄りにフット吹出口である下部吹出口を設けている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように上部吹出口を冷風が流れる側の近傍に開設し、下部吹出口をヒータコアにより加熱された温風が流れる側の近傍に開設すると、バイレベルモードやデフ−フットモードのように上部と下部の吹出口からそれぞれ冷風や温風を吹き出す複合モード時に、適切な上下差温を得ることが難しくなる。
【0009】
つまり、バイレベルモード時の上下差温が適切になるように設定すると、デフ−フットモード時の上下差温が大きくなり過ぎ、比較的冷たい風が窓ガラス内面に向けて吹き出されてしまう。逆に、デフ−フットモード時の上下差温が適切になるように設定すると、バイレベルモード時の上下差温が小さくなり、比較的暖かい風が乗員の上半身に向けて吹き出されてしまい、乗員にはモヤモヤ感が生じてしまう。
【0010】
このため従来では、ヒータコアの下流側に立壁を形成し、この立壁とケース側壁との間にフットダクトおよびフット吹出口を形成し、ヒータコアにより加熱され温風を冷風側に一旦上昇させた後、フットダクトに流下させフット吹出口に向けて再度下降させる構成も提案されている。しかしながら、かかる構成を採用した場合には、フットダクトが長くなるのに伴って通気抵抗が増加し、下部吹出口から吹き出される風量が低下するという問題がある。
【0011】
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、ユニットのコンパクト化を図りつつ、複合モード時の上下吹出し風の温度差を適性に制御でき、もって乗員の快適性の向上を図り得る自動車用空気調和装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、ケース内に設けられ導入空気を冷却するエバポレータと、
前記エバポレータの下流側に設けられ前記エバポレータからの冷風を加熱して温風とするヒータコアと、
前記ヒータコアの上方に形成され、前記冷風を前記ヒータコアをバイパスして流すバイパス通路と、
略上下方向にスライド移動自在に設けられ、前記冷風を前記ヒータコア側や前記バイパス通路側に選択的に流したり、前記冷風を前記ヒータコア側と前記バイパス通路側との両通路に所定の比率で分岐させて流したりするミックスドアと、前記ケースの上部寄りに設けられ、少なくとも1つの上部吹出口を備えた上部チャンバと、
前記ケースの下部寄りに設けられた下部吹出口と、
前記下部吹出口を開閉する下部ドアと、を有する自動車用空気調和装置において、
前記下部ドアは、スライド移動自在なスライドドアから構成され、前記上部吹出口および前記下部吹出口の両者から空気を吹き出す複合モード時には、前記上部チャンバへの空気流下口の一部を閉塞するようにスライド移動することを特徴とする自動車用空気調和装置である。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、前記下部ドアは、そのドア面積が前記上部チャンバへの前記空気流下口の開口面積よりも小さく、
前記複合モード時には、前記上部チャンバに流下しようとする冷風を遮る量を前記下部ドアにより調節できることを特徴とする。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、前記複合モード時には、前記下部ドアは、前記空気流下口のうち前記バイパス通路側の上方位置に第1通過部を形成すると共に前記ヒータコア側の下方位置に第2通過部を形成する第1スライド位置、または、前記第2通過部のみを形成する第2スライド位置に調節移動されることを特徴とする。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、前記下部ドアは、前記複合モード時のうち上下の吹き出し空気の温度差を比較的大きくする配風モードのときには前記第1スライド位置に調節移動され、前記温度差を比較的小さくする配風モードのときには前記第2スライド位置に調節移動されることを特徴とする。
【0016】
また、請求項5に記載の発明は、前記上部吹出口は、乗員の上半身に向けて吹き出す空気を取り出すベント吹出口と、窓ガラス内面に向けて吹き出す空気を取り出すデフロスト吹出口とを含み、
前記ベント吹出口および前記デフロスト吹出口を開閉する上部ドアをさらに有し、
前記下部ドアは、前記複合モード時のうち前記ベント吹出口を開く配風モードのときには前記第1スライド位置に調節移動され、前記デフロスト吹出口を開く配風モードのときには前記第2スライド位置に調節移動されることを特徴としている。
【0017】
また、請求項6に記載の発明は、前記下部ドアは、断面円弧形状を有することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に係る自動車用空気調和装置を示す断面図、図2〜図5は、実施の形態の各配風モードにおけるドア位置および空気の流れを説明するための図である。なお、図2〜図5において破線矢印は冷風の流れを、実線矢印は温風の流れを、一点鎖線矢印は温調空気の流れをそれぞれ示している。
【0020】
図1に示すように、本実施の形態に係る縦置き型の自動車用空気調和装置10は、クーラユニット11とヒータユニット12とを一体化し、車両の前後方向の寸法を短くしたケース13を有している。このケース13内には、導入空気を冷却するエバポレータ14が設けられ、当該エバポレータ14の下流側には、エバポレータ14からの冷風を加熱して温風とするヒータコア15が設けられている。ヒータコア15の上方には、冷風をヒータコア15をバイパスして流すバイパス通路16が形成されている。
【0021】
車幅方向(図1の紙面に垂直な方向)から導入口17を通って導入された空気は、ケース13内で車両の前後方向にその流れを変え、エバポレータ14を通過する際に冷却されて冷風となる。なお、空気の取り込みを行う図示しないインテークユニットはケース13の側面に配置され、車両前後方向の装置の長さが短くされている。
【0022】
エバポレータ14とヒータコア15との間には、上下方向にスライド移動自在なミックスドア18が設けられている。ミックスドア18は、図示しないスライド駆動機構により上下スライド移動され、冷風をヒータコア15側やバイパス通路16側に選択的に流したり、冷風をヒータコア15側とバイパス通路16側との両通路に所定の比率で分岐させて流したりする。
【0023】
ミックスドア18は、図に示すように、上下方向の寸法は風路高さのほぼ半分程度の長さとされ、幅方向(図1の紙面に垂直な方向)の寸法はケース13の幅に対応した長さとされている。また、ミックスドア18を作動するためのスライド駆動機構は、例えば、ミックスドア18の両側端近傍に形成された歯部と、当該歯部に噛み合う一対の歯車と、これら歯車を回動駆動するモータなどから構成されている。なお、スライド駆動機構は、コントローラとワイヤーケーブルを介して連結された手動操作機構としても良い。
【0024】
ケース13の上部寄りには、少なくとも1つの上部吹出口を備えた上部チャンバ20が設けられている。図示例では、上部チャンバ20はバイパス通路16に隣接して設けられ、上部吹出口として、乗員の上半身に向けて吹き出す空気(ベント風)を取り出すベント吹出口21と、窓ガラス内面に向けて吹き出す空気(デフ風)を取り出すデフロスト吹出口22とが開設されている。さらに、上部チャンバ20には、ベント吹出口21を開閉するベントドア23およびデフロスト吹出口22を開閉するデフドア24が回動自在に設けられている。なお、1枚のドアでベント吹出口21およびデフロスト吹出口22の両者を開閉するようにしてもよい。
【0025】
ケース13の下部寄りには、下部吹出口として、乗員の足元に向けて吹き出す空気(フット風)を取り出すフット吹出口25が設けられている。本実施形態ではヒータコア15の下流側に立壁を形成せず、ヒータコア15の下流側に形成され冷風と温風とをミックスするミックスゾーン26にフット吹出口25が臨むようにしてある。このフット吹出口25にも、当該フット吹出口25を開閉する下部ドアとしてのフットドア27が設けられている。
【0026】
特に、本実施形態では、フットドア27をスライド移動自在なスライドドアから構成してある。そして、このフットドア27は、上部吹出口(ベント吹出口21、デフロスト吹出口22)および下部吹出口(フット吹出口25)の両者から空気を吹き出す複合モード時には、上部チャンバ20への空気流下口28の一部を閉塞するようにスライド移動する。フットドア27が前記空気流下口28の部位にスライド移動することにより、バイパス通路16から上部チャンバ20に流下しようとする冷風が遮られ、また、バイパス通路16を通る冷風がフットドア27に沿って流れてヒータコア15直後まで導かれるようになっている。
【0027】
さらに詳述すると、フットドア27を構成するスライドドアは、断面円弧形状を有し、フット吹出口25近傍から前記空気流下口28近傍にかけて形成された円弧状ガイド溝にドア側端部がガイドされながらスライド移動する。
【0028】
フットドア27は、そのドア面積が前記空気流下口28の開口面積よりも小さく設定されている。そして、複合モード時には、上部チャンバ20に流下しようとする冷風を遮る量をフットドア27により調節している。
【0029】
具体的には、フットドア27は、複合モード時には、空気流下口28のうちバイパス通路16側の上方位置に第1通過部31を形成すると共にヒータコア15下流側の下方位置に第2通過部32を形成する第1スライド位置O1(図3参照)、または、第2通過部32のみを形成する第2スライド位置O2(図4参照)に調節移動される。フットドア27が第2スライド位置O2に移動した場合、第1通過部31が形成されないので、上部チャンバ20に流下しようとする冷風を遮る量は多くなる。
【0030】
上記構成のフットドア27は、複合モード時のうち上下の吹き出し空気の温度差を比較的大きくする配風モード、すなわちベント吹出口21を開くバイレベルモードのときには、前記第1スライド位置O1に調節移動される。また、前記温度差を比較的小さくする配風モード、すなわちデフロスト吹出口22を開くデフ−フットモードのときには、前記第2スライド位置O2に調節移動される。
【0031】
フットドア27を作動するためのスライド駆動機構は、ミックスドア18用の駆動装置と同様に、例えば、フットドア27の両側端近傍に形成された歯部と、当該歯部に噛み合う一対の歯車と、これら歯車を回動駆動するモータなどから構成されている。なお、このスライド駆動機構は、コントローラとワイヤーケーブルを介して連結された手動操作機構としても良い。
【0032】
また、フットドア27の背面側には、スライド方向に沿う先後端および略中央位置の3箇所に空気漏れ防止用のシール材35、36、37が取り付けられている。シール材35およびシール材36は、フットドア27がフット吹出口25を閉じた際にケース13に形成したシール面38、39にそれぞれ当接して、フット吹出口25からの空気漏れを防止する(図1参照)。また、シール材37は、フットドア27が第2スライド位置O2に移動した際にケース13に形成したシール面40に当接して、バイパス通路16を流れる冷風が上部チャンバ20内に漏れ込むことを防止する。
【0033】
次に、実施の形態の作用を説明する。
《ベントモード(図2)》
ベントモードは、車室内を冷房するモードである。
【0034】
このベントモードにおいては、図2に示すように、ベントドア23はベント吹出口21を全開にするO位置、デフドア24はデフロスト吹出口22を全閉にするS位置、フットドア27は上部チャンバ20への空気流下口28を全開にすると共にフット吹出口25を全閉にするS位置にそれぞれセットされる。
【0035】
このベントモードにおいて、冷風を全量加熱せず車室内に吹き出すフルクールモードの場合には、ミックスドア18は、図2に示すように下端位置にセットされる。なお、中間の温度状態とする場合には、ミックスドア18は上下方向略中間位置にセットされる。
【0036】
エバポレータ14からの冷風は、全量バイパス通路16を通って流れた後に、上部チャンバ20の空気流下口28を通ってベント吹出口21に向かい、ベントダクト(図示せず)を通って車室内にベント風として配風される。
【0037】
ベントモード時にはフットドア27が上部チャンバ20の空気流下口28の部位に進出していないので、空気流下口28が大きく開かれベント吹出口21に至る風路の通気抵抗を低減でき、多量の冷風を車室内に配風することにより冷房性能が向上する。
【0038】
なお、ミックスドア18が中間位置にセットされた場合には、ヒータコア15を通過した温風は、フットドア27の円弧状の表面に沿って滑らかに上部チャンバ20に向かう方向に流れが変更されることになり、この点からもベント吹出口21に至る風路の通気抵抗が低減し、多量のベント風を配風できる。
【0039】
《バイレベルモード(図3)》
バイレベルモードは、比較的冷たい調和空気をベント吹出口21よりベントダクトを通して車室内の乗員の上半身に向かって配風し、比較的暖かい調和空気をフット吹出口25より車室内の乗員の足元に向かって配風し、頭寒足熱空調を行うモードである。
【0040】
このバイレベルモードにおいては、図3に示すように、ミックスドア18は上下方向略中間位置にセットされ、ベントドア23はO位置、デフドア24はS位置、フットドア27はフット吹出口25を全開にすると共にケース13壁面との間で第1通過部31および第2通過部32を形成する第1スライド位置O1にそれぞれセットされる。
【0041】
エバポレータ14からの冷風は、一部がミックスドア18の上部を通って流れ、バイパス通路16からミックスゾーン26に至り、残りの空気流は、ミックスドア18の下部を通ってヒータコア15により加熱されてミックスゾーン26に至る。
【0042】
ミックスゾーン26に至った暖かい温調空気は、開かれたフット吹出口25から乗員の足元に向けてフット風として吹き出される。本実施形態ではヒータコア15からの温風を一旦上昇させる風路を設けていないので、フット吹出口25に至る風路の通気抵抗が増加せず、多量の温調空気を車室内に配風できる。
【0043】
ここで、フットドア27は上部チャンバ20への空気流下口28の部位にスライド移動しているものの、バイパス通路16側の上方位置にはケース13壁面との間で第1通過部31が形成されているので、この第1通過部31を通って、ヒータコア15を迂回して流れる冷風の一部が温風とミックスされる前に上部チャンバ20内に導かれる。また、ヒータコア15側の下方位置にはケース13壁面との間で第2通過部32が形成されているので、この第2通過部32を通って、ミックスゾーン26の温調空気の一部が上部チャンバ20内に導かれる。
【0044】
したがって、上部チャンバ20内において、第1通過部31から流下した冷風が第2通過部32から流下した温調空気に混合するのでベント風の温度が若干下がり、その結果、ベント風とフット風との温度差を比較的大きくとることができ、モヤモヤ感などの違和感が生じない快適な頭寒足熱空調を行うことができる。
【0045】
《デフ−フットモード(図4)》
デフ−フットモードは、暖かい調和空気をデフロスト吹出口22よりデフダクトを通して窓ガラス内面に向かって配風すると共に暖かい調和空気をフット吹出口25より車室内の乗員の足元に向かって配風し、窓の曇りを除去しつつ車室内を暖房するモードである。
【0046】
このデフ−フットモードにおいては、図4に示すように、ベントドア23はベント吹出口21を全閉にするS位置、デフドア24はデフロスト吹出口22を微少開にするM位置、フットドア27はフット吹出口25を全開にすると共にケース13壁面との間で第2通過部32のみを形成する第2スライド位置O2にそれぞれセットされる。
【0047】
このデフ−フットモードにおいて、中間の温度状態とする場合には、ミックスドア18は図示のように上下方向略中間位置にセットされる。なお、冷風を全量ヒータコア15により加熱して車室内に吹き出すフルホットモードの場合には、ミックスドア18は上端位置にセットされる。
【0048】
エバポレータ14からの冷風は、一部がミックスドア18の上部を通って流れ、バイパス通路16からミックスゾーン26に至り、残りの空気流は、ミックスドア18の下部を通ってヒータコア15により加熱されてミックスゾーン26に至る。
【0049】
ミックスゾーン26に至った暖かい温調空気は、上述したバイレベルモード時と同様に、開かれたフット吹出口25から乗員の足元に向けて吹き出される。また、フット吹出口25に至る風路の通気抵抗が増加せず、多量の温調空気を車室内に配風できる。
【0050】
ここで、フットドア27は上部チャンバ20への空気流下口28の部位にスライド移動しているものの、ヒータコア15側の下方位置にはケース13壁面との間で第2通過部32が形成されているので、この第2通過部32を通って、ミックスゾーン26の温調空気の一部が上部チャンバ20内に導かれる。デフ−フットモードでは第1通過部31が形成されていないので、ヒータコア15を迂回して流れる冷風の一部がそのまま上部チャンバ20内に導かれることはない。
【0051】
したがって、上部チャンバ20内に冷風がそのまま流下することが遮られるのでデフ風の温度が下がることがなく、その結果、デフ風とフット風との温度差を比較的小さくすることができ、窓晴れ性能を十分に発揮させつつ車室内を快適に暖房することができる。
【0052】
《デフロストモード(図5)》
デフロストモードは、フロントガラスなどの曇りの防止および除去を行うモードである。
【0053】
このデフロストモードにおいては、図5に示すように、ベントドア23はS位置、デフドア24はデフロスト吹出口22を全開にするO位置、フットドア27はS位置にそれぞれセットされる。
【0054】
このデフロストモードにおいて、デフ吹出口に接続される図示しないデフダクトより高温のデフ風を吹き出す場合には、図示のように、ミックスドア18を上端まで移動する。なお、中温のデフ風を吹き出す場合には、ミックスドア18を略中間位置にセットする。
【0055】
エバポレータ14にて除湿された空気は、全量ヒータコア15により加熱されて温風となり、フットドア27に沿って上昇し、上部チャンバ20の空気流下口28からデフロスト吹出口22に向かい、デフダクトを介して窓ガラス内面に向かってデフ風として配風される。
【0056】
デフロストモード時にはフットドア27が上部チャンバ20の空気流下口28の部位に進出していないので、空気流下口28を大きく開いてデフロスト吹出口22に至る風路の通気抵抗を低減でき、多量のデフ風を車室内に配風することにより窓晴れ性能が高まる。また、ヒータコア15を通過した温風は、フットドア27の円弧状の表面に沿って滑らかに上部チャンバ20に向かう方向に流れが変更されるため、この点からもフット吹出口25に至る風路の通気抵抗が低減し、多量のデフ風を配風できる。
【0057】
上述したように、本実施形態によれば、ユニットのコンパクト化を図りつつ、複合モード時(バイレベルモードおよびデフ−フットモード)の上下吹出し風の温度差を適性に制御でき、もって乗員の快適性の向上を図ることができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、スライドドアから構成した下部ドアを上部チャンバへの空気流下口の一部を閉塞するようにスライド移動させることにより、バイパス通路から上部チャンバに流下しようとする冷風の一部を遮って、上部吹出口から吹き出される空気と下部吹出口から吹き出される空気との温度差を制御できる。
【0059】
また、請求項2に記載の発明によれば、複合モード時に、上部チャンバに流下しようとする冷風を遮る量を下部ドアにより調節できるため、種々の複合モードに応じて最適な上下吹出し風の温度差を設定できる。
【0060】
また、請求項3、4に記載の発明によれば、下部ドアのスライド位置によって上部チャンバに流下しようとする冷風を遮る量を調節でき、上記請求項2の効果と同様の効果を奏する。
【0061】
また、請求項5に記載の発明によれば、複合モードの一つであるバイレベルモード時においてベント風とフット風との温度差を比較的大きくとることができ、モヤモヤ感などの違和感が生じない快適な頭寒足熱空調を行うことができ、複合モードの一つであるデフ−フットモードにおいてデフ風とフット風との温度差を比較的小さくすることができ、窓晴れ性能を十分に発揮させつつ車室内を快適に暖房することができる。
【0062】
また、請求項6に記載の発明によれば、ヒータコアを通過した温風を下部ドアの円弧状の表面に沿って滑らかに上部チャンバに向かう方向に流れを変更でき、上部吹出口に至る風路の通気抵抗が低減し、多量の上部風を配風できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る自動車用空気調和装置を示す概略断面図である。
【図2】 同装置のベントモード時を説明するための図である。
【図3】 同装置のバイレベルモード時を説明するための図である。
【図4】 同装置のデフ−フットモード時を説明するための図である。
【図5】 同装置のデフモード時を説明するための図である。
【符号の説明】
10…自動車用空気調和装置
13…ケース
14…エバポレータ
15…ヒータコア
16…バイパス通路
18…ミックスドア
20…上部チャンバ
21…ベント吹出口(上部吹出口)
22…デフロスト吹出口(上部吹出口)
23…ベントドア(上部ドア)
24…デフドア(上部ドア)
25…フット吹出口(下部吹出口)
26…ミックスゾーン
27…フットドア(下部ドア)
28…上部チャンバの空気流下口
31…第1通過部
32…第2通過部
35、36、37…シール材
38、39、40…シール面
O1…フットドアの第1スライド位置
O2…フットドアの第2スライド位置
Claims (6)
- ケース(13)内に設けられ導入空気を冷却するエバポレータ(14)と、
前記エバポレータ(14)の下流側に設けられ前記エバポレータ(14)からの冷風を加熱して温風とするヒータコア(15)と、
前記ヒータコア(15)の上方に形成され、前記冷風を前記ヒータコア(15)をバイパスして流すバイパス通路(16)と、
略上下方向にスライド移動自在に設けられ、前記冷風を前記ヒータコア(15)側や前記バイパス通路(16)側に選択的に流したり、前記冷風を前記ヒータコア(15)側と前記バイパス通路(16)側との両通路に所定の比率で分岐させて流したりするミックスドア(18)と、
前記ケース(13)の上部寄りに設けられ、少なくとも1つの上部吹出口(21(22))を備えた上部チャンバ(20)と、
前記ケース(13)の下部寄りに設けられた下部吹出口(25)と、
前記下部吹出口(25)を開閉する下部ドア(27)と、を有する自動車用空気調和装置において、
前記下部ドア(27)は、スライド移動自在なスライドドアから構成され、前記上部吹出口(21(22))および前記下部吹出口(25)の両者から空気を吹き出す複合モード時には、前記上部チャンバ(20)への空気流下口(28)の一部を閉塞するようにスライド移動することを特徴とする自動車用空気調和装置。 - 前記下部ドア(27)は、そのドア面積が前記上部チャンバ(20)への前記空気流下口(28)の開口面積よりも小さく、
前記複合モード時には、前記上部チャンバ(20)に流下しようとする冷風を遮る量を前記下部ドア(27)により調節できることを特徴とする請求項1に記載の自動車用空気調和装置。 - 前記複合モード時には、前記下部ドア(27)は、前記空気流下口(28)のうち前記バイパス通路(16)側の上方位置に第1通過部(31)を形成すると共に前記ヒータコア(15)側の下方位置に第2通過部(32)を形成する第1スライド位置(O1)、または、前記第2通過部(32)のみを形成する第2スライド位置(O2)に調節移動されることを特徴とする請求項2に記載の自動車用空気調和装置。
- 前記下部ドア(27)は、前記複合モード時のうち上下の吹き出し空気の温度差を比較的大きくする配風モードのときには前記第1スライド位置(O1)に調節移動され、前記温度差を比較的小さくする配風モードのときには前記第2スライド位置(O2)に調節移動されることを特徴とする請求項3に記載の自動車用空気調和装置。
- 前記上部吹出口は、乗員の上半身に向けて吹き出す空気を取り出すベント吹出口(21)と、窓ガラス内面に向けて吹き出す空気を取り出すデフロスト吹出口(22)とを含み、
前記ベント吹出口(21)および前記デフロスト吹出口(22)を開閉する上部ドア(23、24)をさらに有し、
前記下部ドア(27)は、前記複合モード時のうち前記ベント吹出口(21)を開く配風モードのときには前記第1スライド位置(O1)に調節移動され、前記デフロスト吹出口(22)を開く配風モードのときには前記第2スライド位置(O2)に調節移動されることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の自動車用空気調和装置。 - 前記下部ドア(27)は、断面円弧形状を有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の自動車用空気調和装置。
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