JP3588979B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置の温度調節に関するものであって、特に車室内の上方部位と、下方部位との双方から空調風を送風する吹出モードにおける温度調節に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用空調装置として、特開平1─114507号公報に記載されているものがある。この従来装置は、フット吹出口とデフロスタ吹出口との双方から空調風を吹き出す吹出モード(フットモード、フットデフモード)において、フット吹出口から吹き出す空調風温度を、デフロスタ吹出口からのそれより高くするようにしている。具体的には、従来装置では、冷風通路を流れる冷風と、温風通路とを流れる温風とをエアミックスチャンバー部にて混合するのであるが、このエアミックスチャンバー部のうち、冷風通路の下流側部位にデフロスタ吹出口を設け、温風通路の下流側部位にフット吹出口を設けるようにしている。
【0003】
そして、これに加え、上記従来装置では、デフロスタ吹出口から吹き出される空調風の吹出温度を冷たすぎないように高めて車両窓ガラスの曇り止め効果を向上させる専用の温風案内通路が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来装置では、温風案内通路が空調ユニットの外側に張り出すようにして別個に形成されている。従って、上記従来装置では、この温風案内通路によって車両用空調装置の体格が大きくなってしまうという問題がある。そこで、本発明は、温風案内通路の形成位置を工夫することで、車両用空調装置の体格を小さくすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題に対して車両用空調装置内の様々な位置に温風案内通路を形成した結果、以下の事が判明した。
一般的な車両用空調装置では、空調ケース内に冷風が流れる冷風通路と、温風が流れる温風通路とを設け、これら通路の風量割合を温度調整用ドア(一般的にエアミックスドアと言う)にて調整することで空調風の温度を調整している。そして、空調ケースには、温度調整用ドアの下流側に、その内壁から突出するようにしてシール壁が形成されている。このシール壁は、空調ケース内を流れる空気を全て上記温風通路に送る最大暖房状態において、冷風通路から冷風が漏れださないようにするために、温度調整用ドアと当接するものである。
【0006】
そして、このシール壁は、一般的に額縁状に形成されており、これにより、シール壁に囲まれるようにして冷風通路の出口部をなす吹出開口部が構成され、冷風通路を流れた冷風は、この吹出開口部から吹き出すようになっている。
そして、本発明者がこの冷風の流れを検討した結果、冷風は上記吹出開口部から吹き出されて、シール壁の下流側近傍、言い換えると上記吹出開口部の側方部近傍では殆ど流れておらず、このスペースは殆ど利用されていないということが分かった。
【0007】
そこで、本発明では、シール壁の下流側近傍のスペースに、温風を案内する温風案内通路を形成することで、デフロスタ吹出口から吹き出される空調風温度を容易に高めながら、車両用空調装置の体格をコンパクトにすることができるという発想に至った。
また、このような考え方は、上記フットモードおよびフットデフモードに係わらず、2つの吹出口から吹き出される空調風の温度に差を付ける吹出モード、つまりバイレベルモードにおいても適用可能である。
【0008】
上述したような発想に基づき、請求項1ないし11記載の発明では、空調ケース(2a、2b)内には、冷風通路(6)および温調用ドア(8、20、21)の下流側に位置し、空調ケース(2a、2b)の内方に向かって突出するようにシール壁(9、9d)が形成されており、
シール壁(9、9d)は、冷風通路(6)の出口部をなす吹出開口部(20、20a)を構成すると共に、温調用ドア(8、20)が空調ケース(2a、2b)内の空調風を全て温風通路(7)に送風する最大暖房時に、温調用ドア(8、20、21)と当接して吹出開口部(50)を塞ぐようになっており、
シール壁(9、9d)の下流側には、温風通路(7)からの温風を、上部用空気通路(13)に案内する温風案内通路(11)が設けられており、
温風案内通路(11)は、少なくともシール壁(9、9d)にて構成されていることを特徴としている。
【0009】
これにより、上述したようにシール壁の下流側のスペースを有効利用して温風案内通路を設けることで、上部用空気通路から吹き出される空調風の温度を容易に高めることができるとともに、車両用空調装置の体格をコンパクトにすることができる。また、請求項1記載の発明では、以下のようなその他の作用効果がある。
【0010】
従来装置では、本発明における下部用空気通路に温風を案内する温風案内通路は、空調ケースの外側に別体のケース部材を組み付けることで形成されていた。従って、従来の温風案内通路では、空調ケースとケース部材とを精度良く凹凸嵌合させることで、温風が外部に漏れださないようにしていた。この結果、空調ケースやケース部材の形状が複雑化するという問題があった。
【0011】
しかしながら、請求項1記載の発明によれば、温風案内通路が空調ケースの内部に形成されているので、空調ケースの形状を複雑化せずに容易に温風が空調ケースの外部に漏れだすことを防止できる。
また、特に請求項3記載の発明では、温調用ドア(20、21)は、冷風通路(6)を流れる冷風量を調整する第1温調用ドア(20)と、温風通路(7)を流れる温風量を調整する第2温調用ドア(21)とからなり、
温風案内通路(11)は、第1温調用ドア(20)と当接するシール壁(9d)の下流側に形成されていることを特徴としている。
【0012】
これにより、上記請求項1で記載した作用効果に加え、冷却用熱交換器と加熱用熱交換器との配置間隔を小さくしても、第1温調用ドアと第2温調用ドアとによって空調風の温度が調整できる。この結果、車両用空調装置の体格をさらに小さくすることができる。
また、請求項4記載の発明では、温風案内通路(11)の下流側には、この温風案内通路(11)を流れた温風と、冷風通路(6)からの冷風とを混合させる混合部材(9、84)が設けられていることを特徴としている。
【0013】
これにより、混合部材にて、温風案内通路を流れた温風と、冷風通路からの冷風とを良好に混合させることができる。この結果、上部用空気通路を流れる空調風の温度を均一にすることができる。
また、特に請求項記載の発明では、空調ケース(2a、2b)には、シール壁(9、9d)と協働して温風通路(7)からの温風を上部用空気通路(13)に案内する温風ガイド部(12)が形成されていることを特徴としている。
【0014】
これにより、温風ガイド部によって温風を良好に上部用空気通路に案内することができる。
また、特に請求項10記載の発明では、温風案内通路(11)は、冷風通路(6)および温風通路(7)と区画して形成されていることを特徴としている。
これにより、温風案内通路にて案内された温風は、冷風通路および温風通路を流れた冷風および温風と混合せずに、温風を確実に上部用空気通路に送風することができる。
【0015】
また、特に請求項記載の発明では、温風ガイド部(12)の下流部には、冷風通路(6)を流れた冷風の流れを邪魔する邪魔板部(26a)が形成されていることを特徴としている。
これにより、邪魔板部によって、冷風の流れを邪魔するので上部用空気通路に送風される空調風の温度をさらに高めることができる。さらにこの邪魔板部の形状を変更することで、上部用空気通路に送風される空調風の温度を容易に調整できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1に車両用空調装置1の全体構成図を示す。図2に図1中C−C断面図を示す。図3に本実施形態における冷風と温風との流れ方の模式図を示す。また、図1、2に示す方向性は、車両用空調装置1が車両に搭載された状態のものである。
【0017】
車両用空調装置1は、図1に示すように内外気送風ユニット(図示しない)と、後述する空調用熱交換器を収納するエアコンユニット2とからなる。
内外気送風ユニットは、エアコンユニット2内に内気または外気を選択的に送風するためのものである。内外気送風ユニットには、内気導入口と外気導入口と、これら導入口を選択的に切り換える内外気切換ドアが設けられている。また、内外気送風ユニット内には、上記内気導入口または外気導入口からエアコンユニット2に内気または外気を送風するための送風機が設けられている。
【0018】
エアコンユニット2は、車両幅方向(図1中紙面表裏方向)の中央部に配置されており、上記内外気送風ユニットと車両幅方向に並ぶように配置されている。そして、エアコンユニット2は、2つ空調ケース2a、2bが、例えば爪嵌合やC状のクリップ等の締結手段にて組付けられることで車室内への流路を構成している。(図2参照)。
【0019】
なお、本実施形態では、2つの空調ケース2a、2bが車両幅方向から組付けられており、2つのケースの分割面(接合面)が、図中天地方向となるように形成されている。そして、図1中ハッチングが入れてある部分は、実際には分割面となっており、ハッチングは不要であるが、後述の本発明の特徴部分を分かりやすくするために、ハッチングをいれてある。また、以下、エアコンユニット2を空調ケース2と呼ぶ。
【0020】
空調ケース2には、内外気送風ユニットからの送風空気を取り入れるための空気取入口5が形成されている。空調ケース2内には、空気取入口5から取り入れられた空気を冷却するエバポレータ3(冷却用熱交換器)と、通過する空気を加熱するヒータコア4(加熱用熱交換器)とが車両前後方向に並ぶように配置されている。
【0021】
そして、図示しない内外気送風ユニット1から送風空気は、車両前方から車両後方に向かってエバポレータ3、ヒータコア4の順に送風されるようになっている。内外気送風ユニット内の送風機にて発生された送風空気は、車両幅方向に流れた後、空気取入口5を通じて空調ケース2内で向きを変えて、車両前方から後方に向かって流れる。
【0022】
上記エバポレータ3は、周知の冷凍サイクル装置の一構成部をなすものであり、ここでは詳細は省略する。また、ヒータコア4も、エンジン冷却水を熱源とするもので周知のものであるので、ここでは説明は省略する。
ヒータコア4は、図1に示すように空調ケース2内で、エバポレータ3の空気下流側の流路の一部に配置されている。これにより、空調ケース2内には、エバポレータ3にて冷却された冷風がヒータコア4をバイパスする冷風通路6が形成されるとと共に、ヒータコア4の下流側には温風通路7が形成されている。そして、これら冷風通路6および温風通路7との下流側には、冷風と温風とを混合する混合空間であるエアミックスチャンバー部100が設けられている。
【0023】
これら冷風通路6と温風通路7とは、天地方向に並ぶように形成されており、ヒータコア4が空調ケース2内の下方部位に配置されていることから、冷風通路6が温風通路7の上方に位置するようになっている。また、冷風通路6は、車両前方から車両後方に向けて延びるように形成されている。
一方、温風通路7は、図1に示すように上方に向かって延び、後述のシール壁9の下流側に向かうように湾曲して形成されている。これにより、冷風通路6を流れる冷風と、温風通路7を流れる温風とが直交するようにぶつかって混合する。
【0024】
本実施形態では、これら冷風通路6を流れる冷風と、温風通路7を流れる温風との風量割合を風量割合調整ドアにて調整することで、空調風の温度が調節されるようになっている。具体的には、図1に示すようにエバポレータ3の下流側で、ヒータコア4の上流側に、温度調整用ドアであるエアミックスドア8が配置されている。そして、このエアミックスドア8は、上記エアミックスチャンバー部100にて混合される温風と冷風との割合を調整し、空調風の温度を所望の温度に調節する。
【0025】
エアミックスドア8は、図1、3に示すように板状に形成されており、一端部に回転軸8aが設けられている。そして、この回転軸8aは空調ケース2に回転自在に支持されている。そして、エアミックスドア8は、その回転軸8aの軸方向が図1中紙面表裏方向(車両幅方向)となるように配置されている。これにより、エアミックスドア8は、図1中矢印Aで示す範囲を回動可能となっている。また、エアミックスドア8は、回転軸8aに連結された駆動手段としてサーボモータ(図示しない)にて駆動されるようになっている。
【0026】
冷風通路6およびエアミックスドア8の下流側には、エアミックスドア8の一端面と当接するシール面9aを有するシール壁9が形成されている。このシール壁9は、空調ケース2の内面から突出するように一体形成されている。また、このシール壁9は上述した2つの空調ケース2a、2bが組付けられた状態では、図1中B方向からみると四角形の額縁状に形成されている(図3参照)。
【0027】
これにより、図1〜3に示すようにシール壁9に囲まれるようにして冷風通路6の出口部をなす吹出開口部50が形成される。また、シール壁9は、エアミックスドア8が図1中Aで示す回動範囲のうち一端側に位置する図中aで示す回動位置に形成されている。
つまり、このシール壁9は、エバポレータ3を通過した空気が全てヒータコア4を通過する最大暖房状態において、冷風通路6から冷風が漏れださないようにするためのものである。具体的には、シール壁9のシール面9aとエアミックスドア8の一端面とが当接して、上記吹出開口部50を確実に塞ぐためのものである。なお、通常エアミックスドア9の板面には、シール材であるパッキン等が貼りつけられている。
【0028】
エアミックスドア8が、図中Aで示す回動範囲のうち他端側に位置する図中bで示す回動位置には、エアミックスドア8の他端面と当接するシール壁10が空調ケース2に一体形成されている。
シール壁10は、エバポレータ3を通過した空気が全てヒータコア4をバイパスする最大冷房状態時において、冷風通路6の冷風がヒータコア4へ漏れださないようにエアミックスドア8の他端面と当接して温風通路7の入口部を確実に遮断するためのものである。また、シール壁10もシール壁9と同様な形状をしている。
【0029】
そして、本実施形態では、図2に示すように上記シール壁9の下流側近傍で、エアミックスドア8と当接するシール面9aの反対側の位置には、温風通路7からの温風を後述のデフロスタ用空気通路13に送風するデフロスタ用温風案内通路11が形成されている。
デフロスタ用温風案内通路11は、図1に示すようにシール壁9に沿って、車両後方から車両前方に延びるように流路が形成されている。デフロスタ用温風案内通路11は、図2中矢印で示す冷風通路7を流れた冷風の流れ方向と直交する方向(紙面裏側から表側)に延びるように流路が形成されている。
【0030】
本実施形態では、図2に示すようにデフロスタ用空気通路11は、2つ設けられており、冷風通路6を流れる冷風と、温風通路7を流れる温風との流れ方向に対して直交する方向、言い換えるとエアミックスドア8の回転軸8aの軸心方向(車両幅方向)の両端部に、それぞれ設けられている。
デフロスタ用温風案内通路11は、図2に示すようにシール壁9の空気上流側流路である冷風通路6に対して、空調ケース2a、2bが外方(車両幅方向)に膨らむようにして形成されている。そして、デフロスタ用温風案内通路11は、シール壁9と車両幅方向に膨らむように形成された空調ケース2a、2bとの他に、シール壁9の下流側で、シール壁9と所定間隔を開けて形成された温風ガイド部12とから構成されている。温風ガイド部12は、空調ケース2に一体形成されている。
【0031】
温風ガイド部12は、図2中車両幅方向において、シール壁9と同じように空調ケース2の内面から突出するように形成されている。そして、この突出方向における温風ガイド部12の先端部は、図2に示すようにシール壁9の先端部と車両幅方向(図中、冷風の流れ方向)にて一致するように形成されている。この理由としては、温風ガイド部12によって冷風通路6を通過した冷風の流れを邪魔することなく、冷風の風量を減らないようにするためである。また、この温風ガイド部12は、図1、3に示すようにシール壁9と平行で、上記デフロスタ用空気通路13に向かって延びるように形成されている。
【0032】
冷風通路6および温風通路7の下流側には、車室内に設置された各吹出口に対応して連通する空気通路13〜15が形成されている。具体的には、図示しない車両のフロントガラスの内面に向かって空調風を送風するためのデフロスタ用空気通路13と、前席乗員の上半身に向かって空調風を送風するためのフェイス用空気通路14と、前席および後席の乗員の足元に向かって空調風を送風するためのフット用空気通路15とが形成されている。
【0033】
ここで、デフロスタ用空気通路13は、車両フロントガラスの近傍で、車室内の上方部位から空調風を吹き出すためのものである。さらにフェイス用空気通路14は、車室内の上方部位から空調風を吹き出すためのものである。さらに、フット用空気通路15は、車室内の下方部位から空調風を吹き出すためのものである。
【0034】
そして、これら空気通路13〜15は、図1に示すように車両後方側から車両前方側に向けて順に、デフロスタ用空気通路13、フェイス用空気通路14、フット用空気通路15の順に並ぶように配置されている。
フット用空気通路15は、上方から下方に向けて空調風が流れるように形成されており、前席乗員の足元に空調風を送風するための前席用フット吹出部16が形成されている。そして、フット用空気通路15には、前席用フット吹出部16の下流側に、後席乗員の足元に空調風を送風するための後席用フット吹出部17が形成されている。
【0035】
そして、これら空気通路13〜15の開閉は、吹出切換ドア18、19にて切り換えられる。また、これら吹出切換ドア18、19によって以下の5つの吹出モードが切換可能となっている。
以下、上記5つの吹出モードにおける吹出切換ドア18、19の作動、および空調風を流れ方を説明する。
【0036】
▲1▼フェイスモード
フェイスモードでは、吹出切換ドア19を図1中dで示す回動位置として、フェイス用空気通路14を全開すると共に、フット用空気通路15を閉塞する。また、吹出切換ドア18を図1中eで示す回動位置とし、デフロスタ用空気通路13を閉塞する。これにより、エアミックスドア8にて温調された空調風は、フェイス用空気通路14のみを流れるようになる。
【0037】
▲2▼バイレベルモード
バイレベルモードは、春秋等の中間期にて、乗員の足元に温風を吹き出すと共に、乗員の上半身に冷風を吹き出すことで、乗員にとって快適と感じる頭寒足熱を行うモードである。つまり、フェイス用空気通路14を流れる空調風と、フット用空気通路15を流れる空調風とに上下温度差を付け、フェイス用空気通路14には冷風をフット用空気通路15には温風を送風する吹出モードである。
【0038】
バイレベルモードでは、吹出切換ドア19を図1中fで示す中間回動位置とし、フェイス用空気通路14とフット用空気通路15の双方を開けるようにする。また、吹出切換ドア18は、図1中eで示す回動位置とし、デフロスタ用空気通路13を閉塞する。これにより、エアミックスドア8にて温調された空調風は、約半分ずつフェイス用空気通路14とフット用空気通路15とに送風されるようになる。
【0039】
▲3▼フットモード
フットモードでは、吹出切換ドア19を図1中gで示す回動位置として、フェイス用空気通路14を閉塞するともに、フット用空気通路15を全開とする。また、吹出切換ドア18を図1中hで示す中間回動位置として、デフロスタ用空気通路10空気取入口を若干開けるようにする。
【0040】
これにより、エアミックスドア8にて温調された空調風のうち、大部分(約9割)がフット用空気通路15に送風され、残りの空調風がデフロスタ用空気通路13に送風されるようになる。
そして、このフットモードにおいて、例えば、エアミックスドア8が図1中Xで示す冷風と温風とを混合する回動位置(以下、エアミックス状態)のときにも、上記バイレベルモードと同様に上下温度差を付ける必要がある。
【0041】
なぜなら、通常フットモードは車室内を暖房するときに使用されるものであり、例えばエアミックスドア8がエアミックス状態では、車室内は十分温められた状態にあり、それほど温度の高い空調風を吹き出す必要は無い。そして、この際フット用空気通路15には、乗員が温かいと感じる程度の温度の空調風を吹き出すが、これと同じ温度の空調風をデフロスタ用空気通路13に送風すると、この空調風がフロントガラスに沿って、乗員の頭部にまで到達してしまい、乗員の不快感を与えるこがある。
【0042】
この結果、一般的な車両用空調装置では、デフロスタ用空気通路13に送風される空調風は、フット用空気通路15に送風される空調風の温度より低くするとともに、車両のフロントガラスの曇りを迅速に除去できるような温度にする必要がある。
しかしながら、このように上下温度差を付けようとする場合、空調ケース2の特性上、どうしてもデフロスタ用空気通路13に送風される空調風の温度が著しく低くなり、フロントガラスの防曇性が悪化するという問題がある。この理由としては、本実施形態においては、図1に示すようにエアミックスチャンバー部100のうち、冷風通路6の下流側部位にデフロスタ用空気通路13が設けられているということが挙げられる。
【0043】
しかしながら、本実施形態においては、上記デフロスタ用温風案内通路11によって上記問題を解決している。以下、これを図3に基づき説明する。
図3に示すように、エアミックス状態において冷風通路6を通過した冷風は、図中矢印で示すようにシール壁9によって囲まれて形成される吹出開口部50に向かって送風される。
【0044】
そして、本実施形態では、上述の「課題を解決する手段」にて述べたように、シール壁9の下流側近傍のスペースを有効利用してデフロスタ用温風案内通路11を設けた。これにより、デフロスタ用温風案内通路11には、温風通路7から温風が送風され、この温風は、デフロスタ用温風案内通路11によって、エアミックスチャンバー部100をバイパスするようにデフロスタ用空気通路13に案内される。この結果、エアミックス状態において、デフロスタ用空気通路13に送風される空調風の温度を容易に高めることができるとともに、車両用空調装置1の空調ケース2の体格をコンパクトにすることができる。
【0045】
また、本実施形態では、シール壁9と協働して温風ガイド部12によって、温風通路7を流れた温風が、デフロスタ用空気通路13に良好に流れるようにガイドされる。従って、容易にデフロスタ用空気通路13に送風される空調風の温度を上昇させることができる。
また、本実施形態では、デフロスタ用温風通路11は、上述したように図2に示すように空調ケース2が外方に膨らむようにして、吹出開口部50より車両幅方向外側に形成されているので、デフロスタ用温風案内通路11を流れる空調風の風量が多くなっても、冷風通路6を流れた冷風と、デフロスタ用温風案内通路11とを流れる温風とが干渉しにくくなり、確実に温風をデフロスタ用温風案内通路11に送風することができる。
【0046】
また、デフロスタ用温風案内通路11は、空調ケース2に一体形成されているので、温風をデフロスタ用空気通路13に導くためのガイドを別体にて形成する必要がなく、部品点数を低減することができる。さらに本実施形態では、デフロスタ用温風案内通路11は、2つ形成されているので、温風の風量を十分確保でき、容易にデフロスタ用空気通路13を流れる空調風の温度を上昇させることができる。
【0047】
さらに本実施形態では、デフロスタ用温風案内通路11が空調ケース2a、2bの内部に形成されているので、空調ケース2a、2bの形状を複雑化せずに容易に温風が空調ケース2a、2bの外部に漏れだすことを防止できる。
▲4▼フットデフモード
フットデフモードでは、吹出切換ドア19を図1中gで示す回動位置として、フェイス用空気通路14を閉塞するともに、フット用空気通路15を全開とする。また、吹出切換ドア18を図1中iで示す中間回動位置として、デフロスタ用空気通路13を開ける。
【0048】
これにより、エアミックスドア8にて温調された空調風は、デフロスタ用空気通路13とフット用空気通路15との双方に送風されるようになっている。なお、このフットデフモードでは、エアミックスドア8にて温調された空調風のうち約半分をフット用空気通路15に送風し、残りの半分をデフロスタ用空気通路13に送風するようになっている。そして、フットデフモードにおいても、上記フットモードと同様な効果がある。
【0049】
▲5▼デフロスタモード
デフロスタモードでは、吹出切換ドア18を図1中kで示す回動位置としてデフロスタ用空気通路13を全開するとともに、フェイス用空気通路14およびフット用空気通路15を全閉する。これにより、エアミックスドア8にて温調された空調風は、デフロスタ用空気通路13だけに送風されるようになる。
【0050】
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態と異なる点として、上述の各空調機能部のレイアウト、および上記5つのモードを達成するために、3つのバタフライ式の吹出口切換ドア22〜24にて上記空気通路13〜15を開閉するようにしてある。
【0051】
そして、図4に示すように上記吹出口切換ドア22は、デフロスタ用空気通路13の吹出開口部83をなす上部用シール壁84と当接して、このデフロスタ用空気通路13を塞ぐようになっている。また、本例におけるデフロスタ用温風案内通路11は、図4中矢印Lで示すように、温風を上部用シール壁84に向かって送風するようになっている。
【0052】
そして、デフロスタ温風案内通路11からの温風は、シール壁9の壁面に沿って矢印L方向に流れたのち、上部用シール壁84の壁面にぶつかる。つまり、上部用シール壁84にてデフロスタ温風案内通路11からの温風の流れを邪魔する。そして、このように上部用シール壁84にぶつかった温風は、図4中紙面表裏方向に流れ込み、丁度、上部用シール壁84とシール壁9とでこの温風を一旦溜めた(図4中Mで示す部位)後、この温風が溢れだすようにして、デフロスタ用空気通路13内の全域にわたって送風する。
【0053】
このようにすることで、上部用シール壁84(混合部材)とシール壁9(混合部材)とで、デフロスタ温風案内通路11を流れた温風と、冷風通路6からの冷風とを良好に混合させることができる。これにより、デフロスタ用空気通路13を流れる空調風の温度を均一にすることができ、フロントガラスの曇り止めを均一に行うことができる。
【0054】
(第3実施形態)
次に本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1、2実施形態と異なる点として、上記第1、2実施形態では、温度調整用ドアとして一つのエアミックスドア8にて空調風の温度を調整したが、本実施形態では、2つの温度調整用ドア20、21にて行う。なお、上記第1、2実施形態と同一の機能のものは、同一の符号を付ける。さらに本実施形態は、上記第1実施形態と比べてデフロスタ用温風通路11の構成の仕方が異なる。
【0055】
図5に本実施形態における車両用空調装置1の全体構成図を示す。図6に図5中C─C断面図を示す。図7に図5を上方から下方に向けて見た上面透視図を示す。なお、図5は、簡略化のために空調ケース2しかハッチングを入れていない。
本実施形態では、図5に示すように冷風通路6を流れる冷風量を調整する冷風用ドア20と、温風通路7を流れる温風量を調整する温風用ドア21とによって空調風の温度調節を行う。
【0056】
詳しく説明すると、冷風用ドア20が図5中実線で示す冷風通路6を全開する回動位置であると、温風用ドア21は、図中実線で示す温風通路7を全閉する作動位置となって、エバポレータ3を通過した冷風は、全て冷風通路6を流れる最大冷房状態となる。
また、冷風用ドア20が図5中点線で示す冷風通路6を全閉する作動位置であると、温風用ドア21は、図中点線で示す温風通路7を全開する作動位置となって、エバポレータ3を通過した冷風は、全てヒータコア4を通過して温風通路7に流れる最大暖房状態となる。
【0057】
そして、本実施形態では、これら冷風用ドア20および温風用ドア21をエアミックス状態とし、冷風通路6を流れる冷風量と、温風通路7を流れる冷風量とをそれぞれ調整することで、空調風の温度が調整される。
また、このようにした理由は以下の通りである。つまり、本実施形態では、上記第1実施形態に比してエバポレータ3とヒータコア4との配置間隔を小さくすることで、車両用空調装置の車両前後幅方向における体格を小さくしている。
【0058】
従って、本実施形態では、上記第1実施形態のようにエアミックスドア8の作動領域を確保しながら、エアミックスドア8にて空調風の温度調整することが不可能である。そこで、本実施形態では、冷風用ドア20をヒータコア4の上方部位に配置し、上述した冷風用ドア20と温風用ドア21とによって空調風の温度を調整するようにしてある。
【0059】
図5に示すように上述した冷風用ドア20の下流側には、冷風通路6を遮断するためのものであって、シール面9cを有するシール壁9dが形成されている。そして、このシール壁9dは、空調ケース2の内面から突出するように形成されており、図5中左右方向から見ると、額縁状に形成されている。そして、このシール壁9dにて囲まれて吹出開口部50が形成されている。従って、冷風用ドア20は、最大暖房状態では吹出開口部20aを塞ぐようになっている。
【0060】
ここで、本実施形態におけるデフロスタ用温風案内通路11は、図6に示すように上記温風ガイド部12と、空調ケース2の内壁と、ガイド部をなす板状の板状部26とによって形成されている。これにより、デフロスタ用温風案内通路11は、冷風通路6および温風通路7と区画して形成されている。板状部26は、空調ケース2の内壁にビス等の固定手段にて取付固定されている。
【0061】
そして、図5、6に示すようにデフロスタ用温風案内通路11の一端側である温風取入口11は、温風通路7の出口部近傍に開口して形成されている。デフロスタ用温風案内通路11は、流路が上方に延びるようにして形成されている。
さらに、デフロスタ用温風案内通路11は、流路が上方に延びたのちに車両前方側(デフロスタ用空気通路13側)に変更するように形成されている。そして、デフロスタ用温風案内通路11の他端側である温風吹出部11bは、デフロスタ用空気通路13の近傍に開口して形成されている。
【0062】
これにより、上記フットモードおよびフットデフモードにおいて、冷風用ドア20および温風用ドア21がエアミックス状態である場合は、温風通路7を流れた温風は、デフロスタ用温風案内通路11に流れ込み、冷風通路6を流れた冷風と全く混合せずに、デフロスタ用空気通路13に送風される。
ここで、図8、9に本発明者が、フットデフモードで、上記デフロスタ用温風案内通路11の有無における、デフロスタ空気通路13とフット用空気通路15とから吹き出される空調風の温度を表すデータを示す。また、図7、8中横軸は、上述したエアミックス状態において、冷風用ドア20および温風用ドア21が、上記最大冷房状態側から上記最大暖房状態側に回動した回動位置を表す。
【0063】
これを見ても分かるように、図8に示すようにデフロスタ用温風案内通路11を形成した場合では、冷風用ドア20および温風用ドア21の回動位置がSのとき、フット用空気通路15に送風される空調風の温度は、約37度となる。一方、同じ状態におけるデフロスタ用空気通路13に送風される空調風の温度は約26度で、温度差は、11度となる。
【0064】
一方、図9に示すデフロスタ用温風案内通路11が無い場合では、冷風用ドア20および温風用ドア21の回動位置が同じSのとき、フット用空気通路15に送風される空調風の温度は、約42度となる。一方、同じ状態におけるデフロスタ用空気通路13に送風される空調風の温度は約20度で、温度差は22度となる。
【0065】
このように本実施形態でも、上記第1実施形態と同様な効果が得られる。また、本実施形態では、デフロスタ用温風案内通路11が冷風通路6と温風通路7と区画されて形成されているので、デフロスタ用温風案内通路11を流れる温風は、上述したように冷風通路6を流れた冷風と全く混合しない。この結果、容易で確実に温度の高い温風をデフロスタ用空気通路13に送風することができる。
【0066】
また、さらに本実施形態では、以下のように板状部26の形状を工夫することで、容易にデフロスタ用空気通路13に送風される空調風の温度が調整できるようになっている。つまり、本実施形態では、図7に示すように板状部26の空気最下流部(符号26a部)は、車両幅方向の内側へ折れ曲がることで、デフロスタ温風通路11の流路面積を拡大するように形成されている。
そして、このようなフットモードおよびフットデフモードにおいて、冷風用ドア20および温風用ドア21がエアミックス時である場合は、冷風通路6を流れた冷風は、図7中矢印で示すように示す一対の板状部26の間を流れる。従って、板状部26の空気最下流部は、冷風通路6からの冷風の流れを邪魔する邪魔板26aを構成している。
【0067】
これにより、温風ガイド部12の邪魔板26aの折れ曲がり方(形状)を、調整することによって、デフロスタ用空気通路13に送風される空調風の温度を容易に調整できる。
(第4実施形態)
次に本発明の第4実施形態について説明する。なお、本実施形態は上記第3実施形態と比べて板状部26の形状が異なるものである。また、上記第3実施形態と同一の機能のものは、同一の符号を付ける。
【0068】
図10に本実施形態における車両用空調装置の全体構成図を示す。図10に示すように本実施形態は、上記第3実施形態と比較して邪魔板26aが無いものである。また、本実施形態は、上記第3実施形態においてエアミックスチャンバー部100には網状部材57が設けられている。
先ず、網状部材57について簡単に説明する。網状部材57はステンレス等の金属にて平板状に形成されており、板面が網状に形成されている。この網状部材57は、空気流によって発生する異音を低減するためのものである。なお、この網状部材57は、本発明の要部では無いので、説明を簡略化する。
【0069】
図11に板状部26の単体図、図12に図11を側方から見た側面図を示す。板状部26は、図11、12に示すように平板状に形成されており、板状部26には、後述するガイドピン51が挿入されるガイド孔52と、後述のビス54が挿入されるビス孔53が形成されている。
図13に図10に対応する板状部26が空調ケース2から取り外された状態において、空調ケース2の内面構造を示す。
【0070】
図13に示すように冷風用ドア20の回転軸20a軸方向側に位置するシール壁9dには、台座部55が形成されている。この台座部55は板状部26の台座として機能する。台座部55には、上記ビス54がねじ込まれるネジ孔56が形成されている。
ここで、図13中58は、上記網状部材57を保持する溝部58が形成されている。この溝部58は、空調ケース2の内面から突出した2列の突出部58aにて形成されている。そして、網状部材57は、図13中上方から下方に向けて突出部58に挟み込まれるように溝部58に差し込まれる。
【0071】
図13中左側に位置する突出部58の先端部と、台座部55の台座面とは同一平面上に位置している。そして、図12中左側に位置する突出部58aは、上記第2実施形態における温風ガイド部12を構成しており、紙面上方に突出するように上記ガイドピン51が一体成形されている。なお、20bは、冷風用ドア20の回転軸20aが挿入される軸孔である。また、60は、温風用ドア21の回転軸が挿入される軸孔である。
【0072】
そして、このような板状部26は、図14に示すようにガイド孔52にガイドピン51が挿入されるように、板状部26を空調ケース2の内面に取り付ける。その後、ビス54をビス孔56にねじ込んで板状部26を空調ケース2に固定する。これにより、空調ケース2の内壁と、シール壁9cと、温風ガイド部12とによって上記デフロスタ用温風案内通路11が形成される。
【0073】
このように本実施形態においても、上記第3実施形態と同様な効果が得られる。また、上述した板状部26は、冷風用ドア20の回転軸20a軸方向の両端部にそれぞれ設けられる。そして、上記第2実施形態および本実施形態では図6に示すように空調ケース2が左右対象な構造となっているので、同一の板状部26を共通して使用できる。
【0074】
(第5実施形態)
次に本発明の第実施形態について説明する。なお、本実施形態では、車室内の運転席側と、助手席側とを独立して空調可能な独立温度調整タイプの車両用空調装置1に適用した例である。また、本実施形態では、左ハンドル車に搭載され、上記第2実施形態にて説明した空調ケース2を、2つ車両幅方向に連結したようなものである。
【0075】
図15は、本実施形態における図5に示す空調ケース2を車両幅方向に並べたものに対応する。図16は、本実施形態における図7に示す空調ケース2を車両幅方向に並べたものに対応するものである。なお、上記第2実施形態と同一の機能のものは、同一の符号を付ける。
つまり、本実施形態では、図15、16に示すように空調ケース2内が、仕切壁30によって、運転席側空調通路100と助手席側空調通路200と仕切られている。本発明は、このような独立温度調整タイプの車両用空調装置にも的用でき、本実施形態でも、上記各実施形態と同一の効果が得られる。
【0076】
ところで、図15、16中右側のデフロスタ空気通路13は、車両フロントガラスのうち、助手席側に空調風を吹き出すためのものである。一方、図15、16中左側のデフロスタ空気通路13は、車両フロントガラスのうち、運転席側に空調風を吹き出すためのものである。
そして、図16に示すように仕切壁30は、途中で途切れており、2つのデフロスタ用空気通路13が連通している。これは、本実施形態では運転席側と助手席側とで、異なる空調風を吹き出す事が可能で、異なる温度の空調風をそれぞれ吹き出すと、防曇性が運転席側と助手席側とで異なる。この結果、例えば、運転席側に吹き出される空調風の温度が、助手席側のそれより高いと、フロントガラスの曇りは、運転席側の方が早く除去され、助手席側の方は未だ曇ったままといったことがおこる。
【0077】
従って、本実施形態では、2つのデフロスタ用空気通路14を流れる空調風を混ぜて、均一な温度としてからフロントガラスに送風するようにしているので、フロントガラスの曇りが均一に除去できる。
(他の実施形態)
以下、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は以下に述べる実施形態にも適用できる。
【0078】
上記実施形態では、温風ガイド部12を設けたが、図17に示すように温風ガイド部12を形成せずに、シール壁9の下流側を、冷風通路6より車両幅方向に膨らますだけでも良い。
また、図18に示すように第1実施形態において、第3〜5実施形態のようにデフロスタ用温風案内通路11を完全に独立した通路にしても良い。なお、この場合、空調ケースの構造としては図18中紙面表裏方向に型抜きするようにすれば、容易にデフロスタ用温風案内通路11を形成できる。
【0079】
また、以上に述べた実施形態では、特にフットモードおよびフットデフモードにおいて、デフロスタ用温風案内通路11による効果を説明したが、本発明は、上述したバイレベルモードにおいて、頭寒足熱を達成するために使用しても良い。
また、上記実施形態では、シール壁9によってデフロスタ用温風案内通路11を形成したが、シール壁9を使用せずに形成しても良い。つまり、シール壁9の下流側近傍であれば、上記各実施形態におけるデフロスタ用温風案内通路11より下流側に形成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】上記実施形態における車両用空調装置の全体構成図である。
【図2】図1中C─C断面図である。
【図3】上記実施の形態におけるデフロスタ用温風案内通路11を流れる温風と、冷風通路6とを流れる冷風との流れ方を模式的に示した図である。
【図4】本発明の第2実施形態における車両用空調装置の全体構成図である。
【図5】本発明の第3実施形態における車両用空調装置の全体構成図である。
【図6】図5中C−C断面図を示す図である。
【図7】図5中上方から下方に向けて見た上面透視図である。
【図8】上記第3実施形態におけるデフロスタ用空気通路11を形成した場合における、デフロスタ用空気通路13に送風される空調風の温度と、フット用空気通路15に送風される空調風の温度との実験データを示す図である。
【図9】上記第3実施形態におけるデフロスタ用空気通路11が無い場合における、デフロスタ用空気通路13に送風される空調風の温度と、フット用空気通路15に送風される空調風の温度との実験データを示す図である。
【図10】本発明の第4実施形態における車両用空調装置の全体構成図である。
【図11】上記第4実施形態における板状部26の単体図である。
【図12】上記第4実施形態における板状部26の側面図である。
【図13】上記第4実施形態における車両用空調装置の要部詳細図である。
【図14】上記第4実施形態における車両用空調装置の要部詳細図である。
【図15】本発明の第5実施形態における車両用空調装置の全体構成図である。
【図16】本発明の第5実施形態における車両用空調装置の全体構成図である。
【図17】本発明の他の実施形態を示す図である。
【図18】本発明の他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
2a…空調ケース、2b…空調ケース、6…冷風通路、7…温風通路、8…エアミックスドア、9、9d…シール壁、9a、9c…シール面、11…デフロスタ用温風案内通路、13…デフロスタ用空気通路、15…フット用空気通路

Claims (11)

  1. 車室内に向かう空気通路をなす空調ケース(2a、2b)内に、冷風が流れる冷風通路(6)と、温風が流れる温風通路(7)とを設け、
    この冷風通路(6)と温風通路(7)との風量割合を温調用ドア(8、20、21)にて調整することで空調風の温度を調節するように構成されており、
    前記空調風を、車室内の上方部位に連通する上部用空気通路(13)、および前記車室内の下方部位に連通する下部用空気通路(15)の双方に送風可能な車両用空調装置において、
    前記空調ケース(2a、2b)内には、前記冷風通路(6)および前記温調用ドア(8、20、21)の下流側に位置し、前記空調ケース(2a、2b)の内方に向かって突出するようにシール壁(9、9d)が形成されており、
    前記シール壁(9、9d)は、前記冷風通路(6)の出口部をなす吹出開口部(50)を構成すると共に、前記温調用ドア(8、20)が前記空調ケース(2a、2b)内の空調風を全て前記温風通路(7)に送風する最大暖房時に、前記温調用ドア(8、20、21)と当接して前記吹出開口部(50)を塞ぐようになっており、
    前記シール壁(9、9d)の下流側には、前記温風通路(7)からの温風を、前記上部用空気通路(13)に案内する温風案内通路(11)が設けられており、
    前記温風案内通路(11)は、少なくとも前記シール壁(9、9d)にて構成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記空調ケース(2a、2b)内には、通過する空気を冷却する冷却用熱交換器(3)が配置されており、
    前記空調ケース(2a、2b)の前記冷却用熱交換器(3)の下流側の流路の一部に、通過する空気を加熱する加熱用熱交換器(6)を配置することで、前記冷却用熱交換器(3)を通過した冷風が前記加熱用熱交換器(6)をバイパスする前記冷風通路(6)が形成されることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記温調用ドア(20、21)は、前記冷風通路(6)を流れる冷風量を調整する第1温調用ドア(20)と、前記温風通路(7)を流れる温風量を調整する第2温調用ドア(21)とからなり、
    前記温風案内通路(11)は、前記第1温調用ドア(20)と当接する前記シール壁(9d)の下流側に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記温風案内通路(11)の下流側には、この温風案内通路(11)を流れた温風と、前記冷風通路(6)からの冷風とを混合させる混合部材(9、84)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  5. 前記混合部材(9、84)は、前記温風の流れを邪魔して、この温風を一旦溜めた後、この温風が溢れだすようにして、前記上部用空気通路(13)内の全域にわたって送風するようになっていることを特徴とする請求項4に記載の車両用空調装置。
  6. 前記上部用空気通路(13)を開閉する上部用ドア(22)を有し、
    前記上部用ドア(22)は、前記上部用空気通路(13)の吹出開口部(83)をなす上部用シール壁(84)と当接して前記上部用空気通路(13)を塞ぐようになっており、
    前記温風案内通路(11)は、その温風を前記上部用シール壁(84)に向かって送風するようになっており、
    前記混合部材(9、84)は、少なくとも前記上部用シール壁(84)にて構成されていることを特徴とする請求項4または5に記載の車両用空調装置。
  7. 前記温風通路(7)は、前記シール壁(9、9d)の下流側に向かって湾曲するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  8. 前記空調ケース(2a、2b)には、前記シール壁(9、9d)と協働して前記温風通路(7)からの温風を前記上部用空気通路(13)に案内する温風ガイド部(12、26)が形成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  9. 前記温風ガイド部(26)の下流部には、前記冷風通路(6)を流れた冷風の流れを邪魔する邪魔板部(26a)が形成されていることを特徴とする請求項8に記載の車両用空調装置。
  10. 前記温風案内通路(11)は、前記冷風通路(6)および前記温風通路(7)と区画して形成されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  11. 前記温風案内通路(11)は、前記温調用ドア(8、20)が回動する回動軸心方向の両端側に、それぞれ設けられていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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