JP2008063577A - 靭性及び耐熱性が改善された生分解性樹脂組成物及び生分解性樹脂を製造する方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 生分解性樹脂組成物は、100重量部の生分解性ポリマーと、1乃至40重量部の熱可塑性エラストマーと、0.1乃至30重量部の無機充填材と、3乃至25重量部の難燃剤と、0.1乃至10重量部の強化剤と、0.1乃至10重量部の加工助剤とを含む。同組成物は2軸押出機にて溶融混合され、得られた押出物を顆粒にペレット化することにより、射出成形のような一般的なプラスチック製品の製造工程にて容易に適用される。同組成物は、射出成形工程に適用された場合成形サイクル時間が短いことが特徴であり、110度で10分間加熱処理された後に30J/mより大きいノッチ付きアイゾッド衝撃強度と90℃より高い熱変形温度を有する。
【選択図】 なし
Description
好ましくは、樹脂組成物を110℃にて10分間加熱した後に、その収縮率は1%未満である。
好ましくは、樹脂組成物の耐熱性は、ASTM D648に従って0.45MPaの圧力にて測定され、その熱変形温度は90℃を超える。
好ましくは、3乃至25重量部の難燃剤、0.1乃至10重量部の強化剤、又は0.1乃至10重量部の加工助剤が、必要に応じて工程(B)にて更に加えられ、生分解性樹脂の特性が改質される。より好ましくは、5乃至20重量部の難燃剤、0.5乃至8重量部の強化剤、又は0.3乃至5重量部の加工助剤が、必要に応じて工程(B)にて更に加えられ、生分解性樹脂の特性が改質される。最も好ましくは、8乃至15重量部の難燃剤、1乃至5重量部の強化剤、又は0.5乃至3重量部の加工助剤が、必要に応じて工程(B)にて更に加えられ、生分解性樹脂の特性が改質される。
1.ポリ乳酸:NatureWork(登録商標)により製造される,規格:3001D。
3.パラフィン加工油:チャイナ・ペトロケミカル・ディベロップメント(China Petrochemical Development)社により製造される、MW:120、粘度指数:97、比重:0.87。
6.無水マレイン酸グラフト化エチレン−ブタジエン−メチルメタクリレートコポリマー:デュポン(Dupont)社により製造される、商品名:Fusabond、規格:EB−560D。
実施例及び比較例から得られた生分解性樹脂試料の特性は以下の標準試験法に従って測定された。
引張特性:最大引張強度及び伸度はASTM D638に従って測定された。
燃焼性:材料の燃焼性は、プラスチック材料の燃焼試験及び分類の基準である、UL−94に従って測定された。
<実施例1>
最初に、熱可塑性エラストマーを前処理した。80重量%のスチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー及び20重量%のパラフィン加工油を高速ミキサ(チアオ・ウェイ・メカニック(Chiao Wei Mechanic)社、モデル番号:CW−30L)に配置し、密封したタンク中にて1200rpmかつ55℃にて高速攪拌で処理した。攪拌から20分後、加工油及びスチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンコポリマーの均一な混合物を取り出して、後に使用するために8時間以上放置した。
成分の混合比が異なる点を除いては実施例1に記載したものと同一の加工方法及び条件で顆粒を製造し、かつ得られた顆粒から、特性を測定するためにASTM標準試験片を製造した。測定結果を表2に列挙した。
5000gの純粋なポリ乳酸顆粒を真空オーブン中にて50℃の真空条件下にて少なくとも4時間乾燥させる。その後、顆粒を射出成形機(フ・チュン・シン・マシナリー社により製造される、モデル番号:HT−100)に供給し、チャンバの温度が195乃至210℃であり、鋳型の温度が40℃という加工条件下にてASTM標準試験片を製造し、成形サイクル時間を記録した。標準試験片は、ASTM D256用の細長い試験片、ASTM D638用のダンベル型の試験片、ASTM D648用の細長い試験片及びUL−94用の細長い試験片を含む。得られた試験片は、サイクルオーブン中にて110℃にて10分間熱処理し、これらの試験片の特性を、上記標準試験法にて測定した。測定結果を表1に列挙した。
最初に、熱可塑性エラストマーを前処理した。80重量%のスチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー及び20重量%のパラフィン加工油を高速ミキサ(チアオ・ウェイ・メカニック社、モデル番号:CW−30L)に配置し、密封したタンク中にて1200rpmかつ55℃にて高速攪拌で処理した。攪拌から20分後、加工油及びスチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンコポリマーの均一な混合物を取り出して、後に使用するために8時間以上放置した。
100重量部のポリ乳酸、5重量部のタルク粉末及び0.5重量部のステアリン酸を乾式混合し、均一な混合物とし、次に同混合物を一定容積の供給機を介して2軸押出機(コペリオン・ケヤ・マシナリー社製造、モデル番号:STS−35、スクリュ径:35mm、長さ/直径アスペクト比:36))に供給し、チャンバの温度が180乃至205℃でありかつスクリュの速度が210rpmであるという加工条件の下に溶融混合した。得られた押出物を冷水にて固体状態に冷却し、3mmの直径と3mmの全長を有する円柱状の顆粒にペレット化した。
Claims (35)
- 靭性及び耐熱性が改善された生分解性樹脂組成物であって、
100重量部の生分解性ポリマーと、
1乃至40重量部の熱可塑性エラストマーと、
0.1乃至30重量部の無機充填材と、
からなる組成物。 - 前記生分解性ポリマーは、ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリグリコール酸、又はポリ(β−ヒドロキシブチレート)、ポリ(β−ヒドロキシバレレート)、ポリ(β−ヒドロキシカプロエート)、ポリ(β−ヒドロキシヘプタノエート)及びポリ(ヒドロキシブチレート−コ−ヒドロキシバレレート)を含むポリヒドロキシアルカノエートベースのポリマー、又はポリ(ヒドロキシエステル−エーテル)ベースのポリマー、ポリ(プロピレンカーボネート)或いはそれらの混合物からなる、請求項1に記載の生分解性樹脂組成物。
- 前記熱可塑性エラストマーの量は、5乃至30重量部である、請求項1に記載の生分解性樹脂組成物。
- 前記熱可塑性エラストマーの量は、10乃至25重量部である、請求項3に記載の生分解性樹脂組成物。
- 前記熱可塑性エラストマーは、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンコポリマー、スチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンコポリマー、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、塩化エチレンゴム、ブタジエンゴム、塩化ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、エチレン−アクリルゴム、シリコンゴム、フルオロ−ゴム、加硫ゴム、動的加硫ゴム、天然ゴム、エチレン−プロピレン−ブチレンエラストマー、ポリオレフィンベースのエラストマー、ポリ塩化ビニルベースのエラストマー、ポリアミドベースのエラストマー、ポリエステルベースのエラストマー、ポリエステル−ポリエーテル−ベースのエラストマー、ポリウレタンベースのエラストマー、フルオロ−ベースのエラストマー又はそれらの混合物を含む、請求項1に記載の生分解性樹脂組成物。
- 前記熱可塑性エラストマーは加工油で予め処理され、かつ同加工油は、パラフィンベースの加工油、芳香族化合物ベースの加工油、エポキシ化大豆油、グリセリン又はそれらの混合物を含む、請求項5に記載の生分解性樹脂組成物。
- 前記加工油は、100乃至3000の範囲の分子量を有するバラフィンベースの加工油である、請求項6に記載の生分解性樹脂組成物。
- 前記無機充填材の量は、0.3乃至20重量部である、請求項1に記載の生分解性樹脂組成物。
- 前記無機充填材の量は、0.5乃至15重量部である、請求項8に記載の生分解性樹脂組成物。
- 前記無機充填材は、タルク粉末、カオリン、粘土、層状ケイ酸塩、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化ケイ素又はそれらの混合物を含む、請求項1に記載の生分解性樹脂組成物。
- 3乃至25重量部の難燃剤を更に含む、請求項1に記載の生分解性樹脂組成物。
- 前記難燃剤の量は5乃至20重量部である、請求項11に記載の生分解性樹脂組成物。
- 前記難燃剤の量は8乃至15重量部である、請求項12に記載の生分解性樹脂組成物。
- 前記難燃剤は、RDP、リン酸トリフェニル、リン酸トリフェニルオリゴマー、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、臭素化ポリスチレン又はそれらの混合物を含む、請求項11に記載の生分解性樹脂組成物。
- 0.1乃至10重量部の強化剤を更に含む、請求項1に記載の生分解性樹脂組成物。
- 前記強化剤の量は、0.5乃至8重量部である、請求項15に記載の生分解性樹脂組成物。
- 前記強化剤の量は、1乃至5重量部である、請求項16に記載の生分解性樹脂組成物。
- 前記強化剤は、無水マレイン酸グラフト化ポリエチレンコポリマー、無水マレイン酸グラフト化ポリプロピレンコポリマー、無水マレイン酸グラフト化スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー、無水マレイン酸グラフト化エチレン−ブタジエン−メチルメタクリレートコポリマー、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水トリメリット酸、シラン化合物、一つ以上のイソシアネート基を含む化合物、一つ以上のエポキシド基を含む化合物又はそれらの混合物を含む、請求項15に記載の生分解性樹脂組成物。
- 0.1乃至10重量部の加工助剤を更に含む、請求項1に記載の生分解性樹脂組成物。
- 前記加工助剤の量は、0.3乃至5重量部である、請求項19に記載の生分解性樹脂組成物。
- 前記加工助剤の量は、0.5乃至3重量部である、請求項20に記載の生分解性樹脂組成物。
- 前記加工助剤は、工業用白油、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、パラフィン、ポリエチレンワックス、エポキシ化大豆油、グリセリン、エリトリトール、キシリトール、ソルビトール又はそれらの混合物を含む、請求項19に記載の生分解性樹脂組成物。
- 靭性と耐熱性の改善された生分解性樹脂を製造する方法において、
(A)50乃至99重量%の熱可塑性エラストマーと、1乃至50重量%の加工油とを、高速にて攪拌しながら混合し、前処理された熱可塑性エラストマーを形成する工程と、
(B)100重量部の生分解性ポリマーと、1乃至40重量部の前処理された熱可塑性エラストマーと0.1乃至30重量部の無機充填材とを混合して混合物を得る工程と、
(C)工程(B)からの混合物を溶融混合する工程と、
(D)工程(C)からの生成物を冷却して生分解性樹脂を形成する工程と、
を含む、方法。 - 工程(A)において60乃至90重量%の熱可塑性エラストマーと10乃至40重量%の加工油とを高速攪拌により混合する工程と、得られた混合物を後に使用するために8時間以上放置する工程とを含む、請求項23に記載の方法。
- 工程(A)において65乃至80重量%の熱可塑性エラストマーと20乃至35重量%の加工油とを高速攪拌により混合する工程と、得られた混合物を後に使用するために8時間以上放置する工程とを含む、請求項24に記載の方法。
- 工程(A)において使用される加工油は、パラフィンベースの加工油、芳香族化合物ベースの加工油、エポキシ化大豆油、グリセリン又はそれらの混合物を含む、請求項23に記載の方法。
- 工程(A)において使用される加工油は、100乃至3000の範囲の分子量を有するパラフィンベースの加工油である、請求項23に記載の方法。
- 工程(A)における高速攪拌は、シールされた高速ミキサにて、800乃至2000rpmの速度にて25乃至70℃の温度にて15乃至30分間実施される、請求項23に記載の方法。
- 3乃至25重量部の難燃剤、0.1乃至10重量部の強化剤、又は0.1乃至10重量部の加工助剤が、工程(B)にて更に加えられ、生分解性樹脂の特性が改質される、請求項23に記載の方法。
- 5乃至20重量部の難燃剤、0.5乃至8重量部の強化剤、又は0.3乃至5重量部の加工助剤が、工程(B)にて更に加えられ、生分解性樹脂の特性が改質される、請求項29に記載の方法。
- 8乃至15重量部の難燃剤、1乃至5重量部の強化剤、又は0.5乃至3重量部の加工助剤が、工程(B)にて更に加えられ、生分解性樹脂の特性が改質される、請求項30に記載の方法。
- 工程(C)における溶融混合は2軸押出機を用いて、チャンバの温度が175乃至240℃でかつスクリュの速度が180乃至250rpmの条件にて、実施される、請求項23に記載の方法。
- 工程(D)における冷却は、水冷又は空冷である、請求項23に記載の方法。
- 工程(D)に引き続いてペレット化工程が更に含まれる、請求項23に記載の方法。
- 前記ペレット化工程は、工程(D)からの冷却された押出物を造粒機によって3mm未満のサイズを有する顆粒に処理することを含む、請求項34に記載の方法。
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