JP2008045038A - エアバッグカバー成形体 - Google Patents

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Kosuke Otani
幸介 大谷
Yasuto Ijichi
靖人 伊地知
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Abstract

【課題】射出成形性、および得られる成形体の機械物性、耐熱性、及びこれら要求特性をバランスよく有するエアバッグカバー成形体。
【解決手段】(A)60〜90重量%と(B)10〜40重量%とを、有機過酸化物の存在下で動的に熱処理して得られ、曲げ弾性率が300〜800MPaである熱可塑性エラストマー組成物。
(A):第1工程で重合されたプロピレンを主体とする単量体を重合して得られるプロピレン系重合体成分(A1)40〜80重量%と、第2工程で重合されたエチレン含有量が30〜70重量%であるエチレン−プロピレン共重合体部(A2)20〜60重量%からなるプロピレン系重合体(但し、成分(A1)と成分(A2)からなるプロピレン系重合体の全量を100重量%とする)
(B):ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜100、密度880Kg/m3未満であるエチレン−α−オレフィン共重合体
【選択図】なし

Description

本発明は、エアバッグカバー成形体に関するものである。更に詳しくは、本発明は、特定のプロピレン系樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体とを、有機過酸化物の存在下で動的に熱処理して得られ、曲げ弾性率が300から800MPaである熱可塑性エラストマー組成物を射出成形してなるエアバッグカバー成形体に関するものである。
自動車用エアバッグシステムのエアバッグカバーには、適度な剛性を有し、衝突の際、エアバッグが展開できるように確実に破裂しかつ破片が飛び散らないこと、寒冷地での使用にも耐える強度を有すること、耐熱性を有することなどが求められている。エアバッグカバーに用いられる材料としては、例えば、ランダムポリプロピレンと低密度ポリエチレンとエチレン系共重合体ゴムとを含有する組成物や、オレフィン系樹脂とオレフィン系ゴムとを含有する組成物などからなる材料が提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
しかしながら、エアバッグカバー用の材料には、更なる射出成形性、および得られる成形体の機械物性、耐熱性等の向上、及びこれら要求特性をバランスよく有することが求められている。
特開平8−27331号公報 特開平10−273001号公報 特開平10−265628号公報
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、射出成形時に求められる溶融流動性、低温衝撃性、引張り物性、耐熱性に優れる熱可塑性エラストマー組成物からなるエアバッグカバー成形体を提供することにある。
すなわち本発明は、下記成分(A)60〜90重量%と成分(B)10〜40重量%とを、有機過酸化物の存在下で動的に熱処理して得られ、曲げ弾性率が300〜800MPaである熱可塑性エラストマー組成物からなるエアバッグカバー成形体に係るものである。
(A):第1工程で重合されたプロピレンを主体とする単量体を重合して得られるプロピレン系重合体成分(A1)40〜80重量%と、第2工程で重合されたエチレン含有量が30〜70重量%であるエチレン−プロピレン共重合体部(A2)20〜60重量%からなるプロピレン系重合体(但し、成分(A1)と成分(A2)からなるプロピレン系重合体の全量を100重量%とする)
(B):ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜100、密度880Kg/m3未満であるエチレン−α−オレフィン共重合体
本発明により、射出成形性、および得られる成形体の機械物性、耐熱性、及びこれら要求特性をバランスよく有するエアバッグカバー成形体を提供することができる。
本発明のエアバッグカバー成形体に用いられる熱可塑性エラストマー組成物に含まれる成分(A)のプロピレン系重合体は、第1工程で重合されたプロピレンから誘導される単量体単位の含有量が90〜100重量%以上であるプロピレン系重合体部(A1)40〜80重量%と、第2工程で重合されたエチレン含有量が30〜70重量%であるエチレン−プロピレン共重合体部(A2)20〜60重量%からなるプロピレン系重合体(但し、成分(A1)と成分(A2)からなるプロピレン系重合体の全量を100重量%とする)である。
成分(A)のプロピレン系重合体中に含まれるプロピレン系重合体部(A1)は、プロピレンから誘導される単量体とエチレンまたは炭素原子数4〜20の鎖状オレフィンから誘導される単量体との共重合体であってもよい。炭素原子数4〜20の鎖状オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン等の直鎖状オレフィン;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等の分岐状オレフィンなどがあげられ、これらは1種以上用いられる。
成分(A)のプロピレン系重合体中に含まれるプロピレン系重合体部(A1)は、プロピレンから誘導される単量体単位の含有量が90〜100重量%であり、好ましくは95〜100%、さらに好ましくは98〜100%である。プロピレンから誘導される単量体単位の含有量が過小であると、射出成形後、エアバッグカバー成形品を金型から取り出す際の離型性や耐熱性が低下することがある。
成分(A)のプロピレン系重合体中に含まれるエチレン−プロピレン共重合体部(A2)は、エチレン含有量が30〜70重量%であり、好ましくは35〜60重量%である。エチレン含有量が過大、または過小であると得られるエアバッグカバー成形体の機械的強度が劣ることがある。
成分(A)のプロピレン系重合体は、プロピレンから誘導される単量体単位の含有量が90〜100重量%以上であるプロピレン系重合体部(A1)40〜80重量%と、エチレン含有量が30〜70重量%であるエチレン−プロピレン共重合体部(A2)20〜60重量%であり、好ましくは22〜50重量%、さらに好ましくは25〜40重量%である。(但し、成分(A1)と成分(A2)からなるプロピレン系重合体の全量を100重量%とする)成分(A)のプロピレン系重合体中に含まれる(A2)の含有量が過大であると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の溶融流動性や耐熱性が劣ることがあり、(A1)の含有量が過小であると、得られるエアバッグカバー成形体の機械的強度が劣ることがある。
成分(A)のプロピレン系重合体は、プロピレンから誘導される単量体単位の含有量が90〜100重量%以上であるプロピレン系重合体部(A1)とエチレン含有量が30〜70重量%である。エチレン−プロピレン共重合体部(A2)に含まれるエチレン含有量の合計が8重量%を超え、30重量%未満であり、好ましくは9重量%を超え20重量%未満、さらに好ましくは10重量%を超え、18重量%未満である。該エチレン含有量が過小であるとエアバッグカバー成形体の機械的強度が劣ることがあり、該エチレン含有量が過大であると得られるエアバッグカバー成形体の耐熱性が劣る場合がある。
成分(A)のプロピレン系重合体は、20℃キシレン可溶部(CXS部)の135℃テトラリン中で測定される極限粘度[η]が1.8〜6.0であり、好ましくは2.0〜5.0である。該極限粘度[η]が過小であると得られるエアバッグカバー成形体の機械物性が劣る場合があり、該極限粘度[η]が過大であると得られる熱可塑性エラストマー組成物の溶融流動性が劣る場合がある。該該極限粘度[η]は、ウベローデ型粘度計を用いて還元粘度を測定し、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法を用いた外挿法によって求められる。
成分(A)のプロピレン系樹脂の製造方法としては、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法が用いられる。例えば、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体などの錯体系触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等があげられる。また、市販の該当品を用いることも可能である。
本発明のエアバッグカバー成形体に用いられる熱可塑性エラストマー組成物に含まれる成分(B)のエチレン−α−オレフィン共重合体は、100℃で測定されるムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜100であり、好ましくは25〜80である。該ムーニー粘度が過小であると得られるエアバッグカバー成形体の離型性、または機械的強度が劣ることがあり、過大であると得られる熱可塑性エラストマー組成物の溶融流動性が劣ることがある。該ムーニー粘度は、ASTM D−1646に従い測定される。
成分(B)のエチレン−α−オレフィン共重合体は、密度が880Kg/m3未満であり、好ましくは865Kg/m3未満である。該密度が過大であると得られる熱可塑性エラストマー組成物の機械的強度が劣ることがある。該密度は、JIS K7112に従い、アニール無しで測定される。
成分(B)にとしては、具体的に入手容易性よりプロピレン、または1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンから誘導される単量体の少なくとも1種とエチレンとの共重合体である。成分(B)には、エチレンとα−オレフィン以外の成分として非共役ジエン成分が共重合されていてもよい。
成分[B]に含まれる該非共役ジエンとしては、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンのような鎖状非共役ジエン;シクロへキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネンのような環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリテン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン、1,3,7−オクタトリエン、1,4,9−デカトリエンのようなトリエンなどがあげられ、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエンが好ましい。非共役ジエンから誘導される単量体の含有量は0〜10であり、好ましくは0〜5wt%である。成分(B)中における該非共役ジエンの過多である場合、得られるエアバッグカバー成形体の耐久物性が低下する場合がある。
成分(B)のエチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法としては、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法が用いられる。例えば、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体などの錯体系触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等があげられる。また、市販の該当品を用いることも可能である。
本発明のエアバッグカバー成形体に用いられる熱可塑性エラストマー組成物は、成分(A)および成分(B)からなり、その合計量を100重量%として、成分(A)の含有量が60〜90重量%であり、好ましくは65〜85重量%である。成分(A)の含有量が過小であると得られる熱可塑性エラストマーの溶融流動性、耐熱性が劣ることがあり、過大であると機械物性が劣ることがある。
本発明に用いられる有機過酸化物として、公知の、ケトンパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、アルキルパーエステル類、パーカーボネート類、パーオキシジカーボネート類、およびパーオキシエステル類を例示することができる。具体的な有機過酸化物として、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,2,4−トリメチルペンチル−2−ハイドロパ−オキサイド、ジイソプロピルベンゾハイドロパーオキサイド、クメンパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、イソブチルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、およびp−クロロベンゾイルパーオキサイド;ならびに、これらの2以上の組合せを例示することができる。
有機過酸化物の量は、成分(A)と(B)との合計を100重量部として、通常0.01〜1重量部、好ましくは0.03〜0.8重量部である。該有機過酸化物の配合量が過小であると溶融流動性の改良効果が十分でない場合があり、過大であると得られるエアバッグカバー成形体の機械強度が低下する場合がある。
本発明のエアバッグカバー成形体に用いられる熱可塑性エラストマー組成物は、曲げ弾性率が300〜800MPaであり、好ましくは350〜700MPaである。該曲げ弾性率が過小であると得られるエアバッグカバー成形体の形状保持性が劣ることがあり、過大であると得られるエアバッグカバー成形体と他のエアバッグ部品とのモジュール化する場合に、その作業性が低下することがある。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、射出成形での生産安定性を高める観点から離型性を付与するために、上記成分(A)、(B)および有機過酸化物に加え、下記成分(C)を含有することが好ましい。
(C):炭素原子数5以上の脂肪酸、炭素原子数5以上の脂肪酸の金属塩、炭素原子数5以上の脂肪酸のアミド、および、炭素原子数5以上の脂肪酸のエステルからなる化合物群から選ばれる少なくとも1種の化合物
成分(C)の炭素原子数5以上の脂肪酸としては、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸、リシノール酸を例示することができる。
成分(C)の炭素原子数5以上の脂肪酸の金属塩としては、上記脂肪酸と、Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Zn、Ba、Pbなどの金属との塩を、具体的には、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛などを例示することができる。
成分(C)の炭素原子数5以上の脂肪酸のアミドとしては、ラウリル酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ステアリルジエタノールアミドを例示することができる。なかでも、エルカ酸アミドが好ましい。
成分(C)の炭素原子数5以上の脂肪酸のエステルとしては、脂肪族アルコール(ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、12ヒドロキシステアリルアルコールなど)、芳香族アルコール(ベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、フタリルアルコールなど)、多価アルコール(グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ソルビタン、ソルビトール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンなど)などのアルコールと、上記脂肪酸とのエステルを、具体的には、グリセリンモノオレート、グリセリンジオレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、クエン酸ジステアレートを例示することができる。
本発明に用いられる熱可塑性エラストマー組成物は、必要に応じ、無機フィラー(タルク、炭酸カルシウム、焼成カオリン等)、有機フィラー(繊維、木粉、セルロースパウダー等)、滑剤(シリコーンオイル、シリコーンガム等)、酸化防止剤(フェノール系、イオウ系、燐系、ラクトン系、ビタミン系等)、耐候安定剤、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、アニリド系、ベンゾフェノン系等)、熱安定剤、光安定剤(ヒンダードアミン系、ベンゾエート系等)、顔料、造核剤、吸着剤(金属酸化物(酸化亜鉛、酸化マグネシウム等)、金属塩化物(塩化鉄、塩化カルシウム等)、ハイドロタルサイト、アルミン酸塩等)等を含有してもよい。
成分(C)の含有量としては、射出成形での離型性と、成形品表面の外観とのバランスから、成分(A)および(B)の合計量100重量部あたり、好ましくは0.01〜1.5重量部であり、より好ましくは0.05〜1重量部である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、成分(A)と成分(B)と成分(C)と、必要に応じて他の成分とを、公知の方法、例えば、二軸押出機、バンバリーミキサーなどにより溶融混練することにより得ることができる。
上記熱可塑性エラストマー組成物は、公知の成形加工方法、好ましくは射出成形法により、本発明のエアバッグカバー成形体に加工される。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物からなるエアバッグカバーは、運転席用エアバッグカバー、助手席用エアバッグカバー、サイドエアバッグカバー、ニーエアバッグカバー、カーテンエアバッグカバーに用いられる。
以下、実施例および比較例によって、本発明をより詳細に説明する。
[I] 物性測定方法
(1)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210に従い、成分(A)および熱可塑性エラストマー組成物は230℃における2.16kg荷重でのMFRを測定した。
(2)極限粘度[η]の測定方法
ウベローデ型粘度計を用いて還元粘度を測定し、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法を用いた外挿法によって求められた。
(3)エチレン−α−オレフィン共重合体の密度
JIS K7112に従い、アニール無しで測定された。
(4)ムーニー粘度
ASTM D−1646に従い測定された。
(5)単量体単位含有量
プロピレン系重合体は、赤外吸収スペクトル(日本分光製 FT−IR5200型)による方法により求めた。
(7)射出成形体の製造方法
東芝機械社製射出成形機IS100−ENにて、サイドゲート平板金型を用い、シリンダー温度220℃、金型温度50℃の条件で、得られた熱可塑性エラストマー組成物を縦90mm、横150mm、厚み2mmの射出成形体を得た。
(8)曲げ弾性率(FM)
JIS K7171に従い、上記条件で射出成形した厚さ2mmの試験片を用いて、スパン間30mm、曲げ速度1mm/分の条件下で測定した。
(9)低温耐衝撃性(IZOD)
JIS K6911に従い、上記条件で射出成形した試験片を用いて所定の温度で測定した。NB=破壊、B=破壊
(10)引張り試験
上記条件で射出成形した試験片を用い、JIS K6251に従い、3号ダンベル形状、試験速度200mm/分にて測定した。
100%を超える破断伸び=○、100%の破断伸び率=×
(11)耐熱性(耐熱変形性;ヒートサグ)
上記条件で射出成形した試験片を所定のサイズ(幅25mm、長さ150mm、厚さ2mm)に裁断し、JIS K7195に準拠し、120℃・2時間の条件にて測定を実施した。25未満=○、25以上=×
[II]原料
(1)プロピレン系重合体(A)
(PP−1):ザ・ポリオレフィンカンパニー社製 コスモプレンAW191
MFR(230℃)=10g/10分、成分(A1)であるプロピレンから誘導される単量体の含有量=100%、成分(A2)中のエチレン含有量=40重量%、成分(A)中における成分(A2)の含量=27重量%、20℃キシレン可溶部(CXS部)の極限粘度[η]=2.4
(PP−2):住友化学株式会社社製 ノーブレンAW864
MFR(230℃)=9g/10分、成分(A1)であるプロピレンから誘導される単量体の含有量=100重量%、成分(A2)中のエチレン含有量=48重量%、成分(A)中における成分(A2)の含量=14重量%、20℃キシレン可溶部(CXS部)の極限粘度[η]=2.5
(PP−3):住友化学株式会社製 ノーブレンZ101A
MFR(230℃)=22g/10分、成分(A1)であるプロピレンから誘導される単量体の含有量=100重量%、成分(A)中における成分(A2)の含量=0重量%
(2)エチレン−α−オレフィン共重合体(B)
(共重合体−1):ダウケミカル社製 ENR7467
エチレン−ブテン共重合体、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)=29、密度=861Kg/m3
(共重合体−2):住友化学株式会社製 エスプレン512P
エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボネン共重合体、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)=64、密度=864Kg/m3
実施例1
成分(A)として(PP−1)70重量部と、成分(B)として(共重合体−1)30重量%と、エルカ酸アミド(日本精化製 ニュートロンS)を0.05重量部と、酸化防止剤(住友化学株式会社製 スミライザーGA80)を0.1重量部と(チバスペシャリティ株式会社製 イルガフォス168)0.05重量部を配合し、二軸押出し機により、シリンダー温度200℃にて溶融混練を行い、さらに溶融混練中に2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキセン(有機過酸化物)をパラフィン系オイルで10%濃度に希釈したもの0.5重量部(有機過酸化物として0.05重量部)を添加して熱可塑性エラストマー組成物を得た。得られた熱可塑性エラストマー組成物の物性測定結果を表1に示す。
実施例2
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキセン(有機過酸化物)をパラフィン系オイルで10%濃度に希釈したもの1重量部(有機過酸化物として0.1重量部)を添加した以外は実施例1と同様にして熱可塑性エラストマー組成物を得た。得られた熱可塑性エラストマー組成物の物性測定結果を表1に示す。
実施例3
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキセン(有機過酸化物)をパラフィン系オイルで10%濃度に希釈したもの2重量部(有機過酸化物として0.2重量部)を添加した以外は実施例1と同様にして熱可塑性エラストマー組成物を得た。得られた熱可塑性エラストマー組成物の物性測定結果を表1に示す。
比較例1
成分(A)として(PP−2)70重量部用いた以外は実施例1と同様にして熱可塑性エラストマー組成物を得た。得られた熱可塑性エラストマー組成物の物性測定結果を表1に示す。
比較例2
成分(A)として(PP−3)70重量部を用いた以外は実施例1と同様にして熱可塑性エラストマー組成物を得た。得られた熱可塑性エラストマー組成物の物性測定結果を表1に示す。
実施例4
成分(B)として(共重合体−2)30重量部を用いた以外は実施例1と同様にして熱可塑性エラストマー組成物を得た。得られた熱可塑性エラストマー組成物の物性測定結果を表2に示す。
比較例3
成分(B)として(共重合体−2)50重量部を用いた以外は実施例1と同様にして熱可塑性エラストマー組成物を得た。得られた熱可塑性エラストマー組成物の物性測定結果を表2に示す。









Figure 2008045038
Figure 2008045038

Claims (3)

  1. 下記成分(A)60〜90重量%と成分(B)10〜40重量%とを、有機過酸化物の存在下で動的に熱処理して得られ、曲げ弾性率が300〜800MPaである熱可塑性エラストマー組成物からなるエアバッグカバー成形体。
    (A):第1工程で重合されたプロピレンを主体とする単量体を重合して得られるプロピレン系重合体成分(A1)40〜80重量%と、第2工程で重合されたエチレン含有量が30〜70重量%であるエチレン−プロピレン共重合体部(A2)20〜60重量%からなるプロピレン系重合体(但し、成分(A1)と成分(A2)からなるプロピレン系重合体の全量を100重量%とする)
    (B):ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜100、密度880Kg/m3未満であるエチレン−α−オレフィン共重合体
  2. 成分(A)中のエチレン含有量が8重量%を超え、30重量%未満である請求項1記載のエアバッグカバー成形体。
  3. 成分(A)における20℃キシレン可溶部(CXS部)の135℃テトラリン中で測定される極限粘度[η]が1.8〜6.0である請求項1及び2記載のエアバッグカバー成形体。
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