JP2018002926A - 熱可塑性エラストマー組成物及びエアバッグ収納カバー - Google Patents

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Abstract

【課題】外観、低温耐衝撃性及び降伏強度に優れたエアバッグ収納カバーを提供する。【解決手段】下記成分(A)及び(B)を含有し、組成物100質量部中に、成分(A)を30〜80質量部、成分(B)を20〜45質量部含むことを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。この熱可塑性エラストマー組成物からなるエアバッグ収納カバー。成分(A):高密度ポリエチレン系樹脂成分(B):エチレン・α−オレフィン共重合体【選択図】なし

Description

本発明は、外観、低温耐衝撃性及び降伏強度等に優れたエアバッグ収納カバーを提供し得る熱可塑性エラストマー組成物とこの熱可塑性エラストマー組成物よりなるエアバッグ収納カバーに関する。
自動車用エアバッグシステムは自動車等の衝突の際に運転手や搭乗者を保護するシステムであり、衝突の際の衝撃を感知する衝突感知装置と、この衝突感知装置の衝突の感知に応じてエアバッグを膨張させるように作動するエアバッグ装置とを有する。エアバッグ装置は、ステアリングホイール、助手席前方のインストルメントパネル、運転席及び助手席のシート、フロント及びサイドピラー等に設置される。
エアバッグ装置におけるエアバッグ収納カバーには、低温から高温までの幅広い温度範囲において設計通りに開裂するように、その構造や材質において種々の提案がなされている。
従来、エアバッグ収納カバー向けの材料としては例えば、特許文献1において、スチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物、ゴム用可塑剤、オレフィン系樹脂及び添加剤からなるものが提案されている。また、特許文献2〜4おいてはプロピレン系樹脂、エチレン・α−オレフィン共重合体及びスチレン系エラストマーからなるものが提案されている。また、特許文献5には、オレフィン系エラストマー、プロピレン系樹脂、エチレン−α・オレフィン共重合体からなるものが提案されている。更に、特許文献6においては多段重合で製造されたプロピレン系樹脂とエチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴムとからなるものが提案されている。
特開平5−38996号公報 特開平10−265628号公報 特開2000−096752号公報 特開2000−324901号公報 特開2002−194088号公報 特開2008−45037号公報
近年、自動車の高級化によるインストルメントパネルの柔軟化により、展開試験時にエアバッグ収納カバーとインストルメントパネルが変形する不具合や、エアバッグ展開出力向上による、低温域での助手席用エアバッグ収納カバーの破損が懸念されている。また、製造工程削減のため、塗装レスのエアバッグカバー材が増えてきている。以上のことから、助手席用エアバッグ収納カバーについて、安全性の強化、設計の自由度、金属プレートやナイロン生布をインサート成形工程削減によるコストダウンの観点から、エアバッグ収納カバー、特に助手席用エアバッグ収納カバーについて、外観、降伏強度、低温耐衝撃性の改善が望まれている。しかしながら、前記特許文献1〜6に記載されているような従来のエアバッグ収納カバー向けの材料においては材料強度や低温耐衝撃性が不十分であった。
本発明が解決しようとする課題は、外観、降伏強度及び低温耐衝撃性に優れたエアバッグ収納カバーを成形し得る熱可塑性エラストマー組成物と、この熱可塑性エラストマー組成物を用いたエアバッグ収納カバーを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、高密度ポリエチレン系樹脂及びエチレン・α−オレフィン共重合体を特定量含む熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体が、低温耐衝撃性及び降伏強度に優れ、外観にも優れることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明の要旨は以下の[1]〜[10]に存する。
[1] 少なくとも下記成分(A)及び(B)を含有し、組成物中に全組成物100質量部に対して、成分(A)を30〜80質量部、成分(B)を20〜45質量部含有することを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
成分(A):高密度ポリエチレン系樹脂
成分(B):エチレン・α−オレフィン共重合体
[2] 成分(A)を構成する高密度ポリエチレン系樹脂の密度が0.94〜0.97g/cmである、[1]に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
[3] 成分(A)を構成する高密度ポリエチレン系樹脂の温度210℃、せん断速度1210/sにおけるキャピラリーレオメータによる溶融粘度(JIS K7199:キャピラリーφ1×10mm)が50〜250Pa.sである、[1]又は[2]に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
[4] 成分(B)を構成するα−オレフィンの炭素数が3〜8である、[1]乃至[3]のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
[5] JIS K7110に準拠した温度−45℃でのノッチ付きアイゾット衝撃強度が70kJ/m以上である、[1]乃至[4]のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
[6] 更に、組成物中に成分(C)として、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、及び炭化水素系ゴム用軟化剤から選ばれる1種又は2種以上を含む、[1]乃至[5]のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
[7] 成分(B)を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体におけるエチレン単位の含有量が、エチレン単位の含有量とα−オレフィン単位の含有量の合計に対して30〜80質量%である、[1]乃至[6]のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
[8] エアバッグ収納カバーの成形材料である、[1]乃至[7]のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
[9] [1]乃至[8]のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物の射出成形体。
[10] [1]乃至[8]のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物からなるエアバッグ収納カバー。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物よりなる本発明の成形体及びエアバッグ収納カバーは、外観、低温耐衝撃性及び降伏強度に優れたものである。このため、本発明のエアバッグ収納カバーは、高出力エアバッグにも好適に使用することができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。なお、本明細書において、「〜」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、その前後の値を含むものとして用いることとする。
[エアバッグ収納カバー]
本発明のエアバッグ収納カバーは、少なくとも下記成分(A)及び(B)を含有し、組成物中に全組成物100質量部に対して、成分(A)を30〜80質量部、成分(B)を20〜45質量部含有することを特徴とする。
成分(A):高密度ポリエチレン系樹脂
成分(B):エチレン・α−オレフィン共重合体
本発明の熱可塑性エラストマー組成物よりなるエアバッグ収納カバーは、前記特許文献1〜6等で知られている従来の熱可塑性エラストマーを用いたものと比較して低温耐衝撃性、降伏強度等に優れ、外観も良好であるという特長を有する。
これは、本発明の熱可塑性エラストマー組成物が、成分(A)と成分(B)を所定の割合で含むことにより、良外観を維持した上で、成分(A)により引張降伏強度を、また、成分(B)により低温耐衝撃性を良好なものとすることができることによる。
即ち、成分(A)の高密度ポリエチレン系樹脂は、繰り返し単位のエチレンが分岐を実質的に持たず直鎖状に結合した、結晶性の熱可塑性樹脂であることにより、引張降伏強度を向上させると共に成分(B)との相溶性が優れているため外観に優れた成形体を実現する。また、成分(B)のエチレン・α−オレフィン共重合体は、共重合されたコモノマー分岐により、柔軟且つ低密度でガラス転移温度が低いことにより、低温耐衝撃性を高めることができる。
[熱可塑性エラストマー組成物]
<成分(A)>
成分(A)として使用される高密度ポリエチレン系樹脂としては、密度が0.94〜0.97g/cm、好ましくは0.95〜0.97g/cm、より好ましくは0.955〜0.965g/cmの範囲で、溶融粘度が50〜250Pa.sであるものが好ましい。なお、本発明において、高密度ポリエチレン系樹脂の密度は、JIS K6760に準拠して測定される値であるが、市販品についてはカタログ値を採用することができる。また、溶融粘度は、JIS K7110に準拠して、温度210℃、せん断速度1210/sにてキャピラリーレオメータ(キャピラリーφ1×10mm)で測定された値である。
高密度ポリエチレン系樹脂の密度が0.94g/cm以上であると、得られるエアバッグ収納カバーの剛性、引張降伏強度が良好となる傾向にある。一方、密度が0.97g/cm以下であると、得られるエアバッグ収納カバーの靱性及び外観が良好となる傾向がある。
また、高密度ポリエチレン系樹脂の溶融粘度が50Pa.s以上であると、成形性、得られるエアバッグ収納カバーの外観が良好となる傾向があり、250Pa.s以下であると、降伏強度が向上する傾向がある。本発明で用いる高密度ポリエチレン系樹脂の溶融粘度は、特に60〜200Pa.sであることが好ましく、80〜180Pa.sであることがより好ましい。
成分(A)の高密度ポリエチレン系樹脂は、エチレンの単独重合体であってもよく、エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコデセン等の炭素数3〜20、好ましくは炭素数4〜10のα−オレフィンの1種又は2種以上との共重合体であってもよい。
高密度ポリエチレン系樹脂が中低圧法のプロセスによりエチレンのホモポリマー又はエチレンと若干量のα−オレフィンとの共重合体として製造されるものであって、エチレンとα−オレフィンとの共重合体である場合、高密度ポリエチレン系樹脂中のエチレン単位の含有量は80質量%以上、特に90質量%以上で、α−オレフィン単位の含有量は0.1〜10質量%であることが、剛性と靱性のバランスの観点から好ましい。
高密度ポリエチレン系樹脂は、通常、遷移金属化合物と有機金属化合物とからなる触媒を用いて、エチレンの単独重合またはエチレンとα−オレフィンとの共重合により得られる。
触媒の遷移金属化合物としてはチタン、バナジウム、クロム等の遷移金属の化合物の1種又は2種以上、またはこれらをシリカ、アルミナ、マグネシウム化合物等に担持または反応させたものが挙げられる。特にチタンの塩化物、ハロアルコラート、アルコラート等のチタン化合物をマグネシウムジアルコラート、塩化マグネシウム等のマグネシウム化合物に担持または反応させた固体触媒成分が好適に用いられる。
有機金属化合物としては、一般式AlR3−n (式中、Rは炭素数1〜14の炭化水素基、Xはハロゲン原子、nは1〜3を示す。)で表される有機アルミニウム化合物が挙げられる。具体的には、トリエチルアルミニウム、トリn−プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムモノクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド等が挙げられる。
高密度ポリエチレン系樹脂としては市販品を用いることもでき、例えば、日本ポリエチレン(株)製「ノバテック(登録商標)HD」シリーズ、旭化成ケミカルズ(株)製「クレオレックス(登録商標)」、「サンテックーHD(登録商標)」シリーズ、プライムポリマー(株)製「ハイゼックス(登録商標)」シリーズ、「エボリューH(登録商標)」シリーズ、サウディ石油化学(株)製「QAMAR−HD(登録商標)」シリーズ等を用いることができる。
本発明において、成分(A)としての高密度ポリエチレン系樹脂は1種のみを用いてもよく、物性や共重合成分の種類、エチレン単位含有量等の異なるものの2種以上を併用してもよい。
<成分(B)>
成分(B)として使用されるエチレン・α−オレフィン共重合体は、少なくともエチレン単位とα−オレフィン単位とを含む共重合体である。成分(B)に用いられるα−オレフィンとしては、1−プロピレン、1−ブテン、2−メチルプロピレン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等を例示することができる。好ましくは、1−プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等の末端の炭素原子に炭素間二重結合を有する炭素数3〜8のα−オレフィンである。成分(B)におけるα−オレフィンは1種のみがエチレンと共重合したものであっても、2種以上がエチレンと共重合したものであってもよい。
成分(B)のエチレン・α−オレフィン共重合体のエチレン単位の含有量は、エチレン単位の含有量とα−オレフィン単位の含有量との合計量に対し、30質量%以上80質量%以下であることが好ましい。成分(B)のエチレン単位の含有量は、成分(B)のブロッキングによる融着防止のためには多いほうが好ましく、本発明の熱可塑性エラストマー組成物を成形したときの低温耐衝撃性の観点では少ない方が好ましい。成分(B)のエチレン単位の含有量は、より好ましくは40質量%以上であり、更に好ましくは50質量%以上である。また、エチレン単位の含有量は、より好ましくは75質量%以下である。
なお、成分(B)におけるエチレン単位の含有量、α−オレフィン単位の含有量、及び以下に示す他の単量体単位の含有量は、それぞれ赤外分光法により求めることができる。
成分(B)のエチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレン単位及びα−オレフィン単位に加え、非共役ジエンに基づく単量体単位(非共役ジエン単位)等の他の単量体単位を有していてもよい。該非共役ジエンとしては、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンのような鎖状非共役ジエン;シクロへキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネンのような環状非共役ジエン等の1種又は2種以上が挙げられる。好ましくは、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエンである。
成分(B)が上記の非共役ジエン単位等の他の単量体単位を含む場合、他の単量体単位の含有量は、成分(B)全体に対して、通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下である。
本発明に用いる成分(B)として具体的には、エチレン・1−ブテン共重合体ゴム、エチレン・1−ヘキセン共重合体ゴム、エチレン・1−オクテン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・1−ヘキセン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・1−オクテン共重合体ゴム等を例示することができる。中でも、エチレン・1−ブテン共重合体ゴム、エチレン・1−オクテン共重合体ゴムが好ましい。
成分(B)のエチレン・α−オレフィン共重合体のメルトフローレート(MFR)は限定されないが、通常、10g/10分未満であり、強度の観点から、好ましくは8g/10分以下であり、より好ましくは5g/10分以下であり、更に好ましくは3g/10分以下である。また、成分(B)のMFRは、通常、0.01g/10分以上であり、流動性の観点から、好ましくは0.05g/10分以上であり、更に好ましくは0.10g/10分以上である。ここでMFRは、JIS K7210に従い、測定温度190℃、測定荷重21.18Nの条件で測定された値である。
また、成分(B)の密度は低温耐衝撃性の観点から、0.88g/cm以下であり、好ましくは0.87g/cm以下である。一方、その下限については特に制限されないが、0.85g/cm以上である。ここで、成分(B)の密度は、JIS K6760に準拠して測定される値であるが、市販品についてはカタログ値を採用することもできる。
成分(B)のエチレン・α−オレフィン共重合体の製造方法としては、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法が用いられる。例えば、オレフィン重合用触媒として、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体等の錯体系触媒を用いることができ、重合方法としてはスラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等が挙げられる。また、市販の該当品を用いることも可能である。市販の該当品としては例えばKUMHO社製「KEP(登録商標)」シリーズ、JSR社製「EP(登録商標)」シリーズ、ダウ・ケミカル社製「Engage(登録商標)」シリーズ、三井化学社製「タフマー(登録商標)」シリーズ等が挙げられる。
本発明において、成分(B)としてのエチレン・α−オレフィン共重合体は1種のみを用いてもよく、物性や共重合成分の種類、組成等の異なるものの2種以上を併用してもよい。
<成分(A)と成分(B)の配合量>
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、組成物100質量部中に、成分(A)を30〜80質量部、成分(B)を20〜45質量部含む。
得られる成形体の低温耐衝撃性の観点から、熱可塑性エラストマー組成物中の成分(B)の含有量は上記下限以上で、成分(A)の含有量は上記上限以下であることが好ましい。一方、得られる成形体の引張降伏強度の観点から、熱可塑性エラストマー組成物中の成分(B)の含有量は上記上限以下であり、成分(A)の含有量は上記下限以上である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、組成物100質量部に対して、成分(A)を40〜75質量部、成分(B)を25〜63質量部、特に、成分(A)を60〜70質量部、成分(B)を30〜40質量部含むことが好ましい。
<その他の成分>
本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、上記の成分(A),(B)以外に、本発明の効果を著しく損なわない範囲内で、各種目的に応じて以下の添加剤や成分(A),(B)以外の樹脂やエラストマー(以下、「その他の樹脂」と称する。)等の任意成分を配合することができる。
任意成分としては、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防雲剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、難燃剤、分散剤、帯電防止剤、導電性付与剤、金属不活性剤、分子量調整剤、防菌剤、蛍光増白剤等の各種添加剤や、後述の架橋剤を挙げることができる。これらの添加剤の配合量は、要求特性等に応じて適宜設定される。例えば、酸化防止剤は成分(A)と成分(B)の合計量100質量部あたり、0.01〜0.5質量部の範囲で用いられる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物が含有し得るその他の樹脂としては、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、前記以外の各種エラストマー等が挙げられる。上記で挙げたその他の樹脂は1種のみを含有しても2種以上を含有してもよい。なお、スチレン系熱可塑性エラストマーを用いる場合には、更に炭化水素系ゴム用軟化剤を用いることが好ましい。本発明において、これらを「成分(C)」と称す。
成分(C)は、好ましくは、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、スチレン系熱可塑性エラストマーであり、より好ましくは、ポリプロピレンである。
ポリプロピレンは高密度ポリエチレンやエチレン−α−オレフィン共重合体とは完全相溶ではないが、比較的相溶性が良く、熱可塑性エラストマー組成物100質量部中に、ポリプロピレンを35質量部未満の割合で含むことにより、本発明の熱可塑性エラストマー組成物の外観、低温耐衝撃性等の特性を維持した上で、結晶成分増加により、射出成形時の離型性、剛性及び耐熱性の向上という効果が奏されると考えられる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物が上記の成分(C)を含むことにより、耐熱性、成形性等の改善を図ることができる場合があるが、その配合量が多過ぎると、成分(A)と成分(B)を所定の割合で含むことによる本発明の効果が損なわれるおそれがあるため、本発明の熱可塑性エラストマー組成物が成分(C)を含む場合、その含有量は、組成物100質量部中に40質量部以下であることが好ましい。
成分(A)と成分(B)を所定の割合で含むことによる本発明の効果を有効に得る上で、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、成分(A)と成分(B)を熱可塑性エラストマー組成物全体に対して60質量%以上含むことが好ましい。
<架橋剤>
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、上述の成分を含有するとともに、部分的に架橋されたものであってもよい。この場合、架橋の方法は特に制限されないが、通常は、ゴム弾性、押出成形性の改良の観点から、架橋剤の存在下に動的に熱処理する(動的架橋する)ことが好ましい。
ここで、動的に熱処理する(動的熱処理)とは、溶融状態又は半溶融状態で混練することを意味する。通常、動的熱処理は、前記の各成分を均一に混合した後、架橋剤及び必要に応じて用いられる架橋助剤の存在下に溶融混練することによって行なわれる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を部分的に架橋させるための架橋剤としては、有機過酸化物を用いることが好ましく、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−3、ジクミルパーオキサイド等を挙げることができる。
これらの有機過酸化物により部分的に架橋させる際に用いられる架橋助剤としては、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、トルイレンビスマレイミド等を有する化合物、p−キノンジオキシム、ニトロベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート等、ラジカル重合性の炭素間二重結合を有する化合物等と、成分(A)及び/又は成分(B)の炭素直鎖の部分と反応する官能基を有する化合物を挙げることができる。
架橋剤の使用割合としては、成分(A)及び成分(B)の合計量100質量部に対して、通常0.05〜3質量部、好ましくは0.07〜1質量部である。
また、架橋助剤の使用割合は、成分(A)及び成分(B)の合計量100質量部に対して、通常3質量部以下、好ましくは0.01〜1質量部である。
<熱可塑性エラストマー組成物の製造方法>
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、上記成分(A)及び成分(B)と、必要に応じて用いられるその他の成分を通常の押出機やバンバリーミキサー、ロール、ブラベンダープラストグラフ、ニーダーブラベンダー等を用いて常法に従って混練して製造することができる。これらの製造方法の中でも、押出機、特に二軸押出機を用いることが好ましい。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を押出機等で混練して製造する際には通常155〜240℃、好ましくは180〜220℃に加熱した状態で溶融混練する。この際、前述の架橋剤や架橋助剤を配合して動的に熱処理することにより、部分的に架橋させることができる。
<物性>
本発明の熱可塑性エラストマーは、前記成分(A)及び(B)を特定量含むことにより、成形外観、低温耐衝撃性、降伏強度等に優れるものである。
本発明の熱可塑性エラストマーが、前記成分(A)及び(B)を特定量含むことにより、成形外観、低温耐衝撃性、降伏強度等に優れるものとなるメカニズムの詳細は明らかではないが、以下の通り考えられる。
即ち、成分(A)の高密度ポリエチレン系樹脂は、繰り返し単位のエチレンが分岐を実質的に持たず、直鎖状に結合した、結晶性の熱可塑性樹脂であることにより、引張降伏強度を向上させる。同時に、この高密度ポリエチレン系樹脂は、共重合されたコモノマー分岐により、柔軟且つ低密度でガラス転移温度が低い成分(B)のエチレン・α−オレフィン共重合体との相溶性が優れているため、高密度ポリエチレン系樹脂中にエチレン・α−オレフィン共重合体のドメインを微細且つ均一に分散させて形成することができる。この高密度ポリエチレン系樹脂中のエチレン・α−オレフィン共重合体ドメインの微細均一分散により、射出成形時にゴム(エチレン・α−オレフィン共重合体)ドメイン由来の乱流及び相分離が起こらず、射出成形外観に優れた成形体が得られると共に、衝撃エネルギーを効率良く吸収することができるため、優れた低温耐衝撃性を実現することができる。
(MFR)
本発明において、JIS K7210に準拠した温度230℃、測定荷重21.18Nでのメルトフローレート(MFR)を射出成形性の指標とする。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、射出成形性に優れたものとするため、このMFRが2〜50g/10分であることが好ましい。MFRが2g/10分より小さいと流動性に乏しく射出成形に不適となり、また、50g/10より大きいと射出成形時にバリ等の原因となることがある。流動性の観点からは、MFRはより好ましくは5g/10分以上である。一方、射出成形時にバリ等を抑える観点からは、より好ましくは40g/10分以下であり、更に好ましくは30g/10分以下であり、特に好ましくは20g/10分以下である。
なお、本発明の熱可塑性エラストマーのMFRは流動性の高い成分である成分(A)を多くすると高くなる傾向にあり、また、流動性の低い成分(B)を多くするほど低くなる傾向にある。
(アイゾット衝撃強度)
本発明において、JIS K7110に準拠した温度−45℃でのノッチ付きアイゾット衝撃強度を低温耐衝撃性の指標とする。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物のアイゾット衝撃強度は、好ましくは70kJ/m以上であり、より好ましくは80kJ/m以上であり、更に好ましくは90kJ/m以上である。一方、本発明の熱可塑性エラストマー組成物のアイゾット衝撃強度の上限は特に制限されないが、通常150kJ/m以下である。
(引張降伏強度)
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、材料強度の観点から、JIS K6251に準拠した23℃での引張降伏強度が9.0MPa以上であることが好ましく、10.0MPa以上であることがより好ましい。23℃での引張降伏強度が、上記下限未満のものを用いた場合には、材料強度が劣るためにエアバッグ収納カバーの展開性が低下する傾向がある。本発明の熱可塑性エラストマー組成物の引張降伏強度の上限は特に制限されないが、通常20MPa以下である。
なお、本発明は従来のエアバッグ収納カバー用途の熱可塑性エラストマー組成物に比べ、低温耐衝撃性を維持したまま降伏強度に優れる点に特長がある。このため、本発明においては降伏強度を高めることが特に重要である。
(曲げ弾性率)
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、JIS K7203に準拠して測定した曲げ弾性率が600MPa以下、特に200〜550MPaであることが好ましい。熱可塑性エラストマー組成物の曲げ弾性率が上記上限よりも大きいと、低温耐衝撃性が低下する傾向にあり、上記下限よりも小さいと、剛性が不足する傾向がある。
<成形法>
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、必要に応じて公知の方法により成形して各種の成形体として使用することができる。成形法としては、熱可塑性エラストマーに通常用いられている成形法、例えば、射出成形法、押出成形法、中空成形法、圧縮成形法や、以下のエアバッグ収納カバーの項で挙げる成形法等が挙げられる。また、その後に積層成形、熱成形等の二次加工を行なってもよい。本発明の熱可塑性エラストマー組成物は単体で成形体としてもよく、他の材料と組み合わせ、積層体等としてもよい。
[エアバッグ収納カバー]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を用いて、一般に、通常の射出成形法、又は、必要に応じて、ガスインジェクション成形法、射出圧縮成形法、ショートショット発泡成形法等の各種成形法を用いて成形体とすることによりエアバッグ収納カバーとして用いることができる。特に、エアバッグ収納カバーを射出成形する際の成形条件は以下の通りである。
エアバッグ収納カバーを射出成形する際の成形温度は通常150〜300℃であり、好ましくは180〜280℃である。射出圧力は通常5〜100MPaであり、好ましくは10〜80MPaである。また、金型温度は通常0〜80℃であり、好ましくは20〜60℃である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を成形して得られた本発明のエアバッグ収納カバーは、自動車等の高速移動体が衝突事故等の際に、その衝撃や変形を感知することにより作動し、膨張展開によって乗員を保護するエアバッグシステムのエアバッグ収納カバーとして用いられる。
以下、実施例を用いて本発明の内容を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限または下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限または下限の値と、下記実施例の値または実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
<原料>
成分(A)(高密度ポリエチレン系樹脂)
(a−1):日本ポリエチレン社製 ノバテック(登録商標)HD HJ490
密度:0.958g/cm
溶融粘度:110Pa.s
(a−2):日本ポリエチレン社製 ノバテック(登録商標)HD HJ560
密度:0.964g/cm
溶融粘度:177Pa.s
成分(B)(エチレン・α−オレフィン共重合体)
(b−1):KUMHO社製 KEP(登録商標)070P(エチレン・プロピレン共重合体)
エチレン単位含有量:63質量%
密度:0.86g/cm
ムーニー粘度ML1+4(100℃):70
(b−2):三井化学社製 タフマー(登録商標)A0550S(エチレン・1−ブテン共重合体)
密度:0.86g/cm
MFR(190℃ 2.16kg):0.5g/10分
ムーニー粘度ML1+4(100℃):65
(b−3):ダウ・ケミカル社製 Engage(登録商標)8150(エチレン・1−オクテン共重合体)
エチレン単位含有量:39質量%
密度:0.86g/cm
MFR(190℃ 2.16kg):0.5g/10分
ムーニー粘度ML1+4(121℃):33
成分(C)(ポリプロピレン)
(c−1) 日本ポリプロ社製 ノバテック(登録商標)PP BC03B
<評価方法>
1)射出成形体外観:
得られた熱可塑性エラストマー組成物を用いて、インラインスクリュウタイプ射出成形機(東芝機械社製「IS130」)により、射出圧力50MPa、シリンダー温度220℃、金型温度40℃にて、厚さ2mm×幅120mm×長さ80mmのシートを成形し、得られた成形シートの外観を目視で確認し、フローマークがないものを○、フローマークがあるものを×とした。フローマークがないものを成形外観が優れるものと評価した。
2)低温耐衝撃性:アイゾット衝撃強度(単位:kJ/m
得られた熱可塑性エラストマー組成物を用いて、インラインスクリュウタイプ射出成形機(東芝機械社製「IS130」)により、射出圧力50MPa、シリンダー温度220℃、金型温度40℃にて、アイゾット衝撃強度測定用の試験片(ノッチの付いた厚さ4mm×幅12.7mm×長さ64mmの試験片)に成形した。得られた試験片について、JIS K7110に従って行った、温度−45℃におけるアイゾット衝撃強度を測定した。また、アイゾット衝撃試験で非破壊のものをNB、破壊されたものをCとした。このアイゾット衝撃試験で非破壊(NB)のものはアイゾット衝撃強度が70kJ/m以上で、低温耐衝撃性に優れる。
3)引張降伏強度:引張破壊試験(JIS−3号ダンベル、引張速度500mm/min)(単位:MPa)
得られた熱可塑性エラストマー組成物を用いて、インラインスクリュウタイプ射出成形機(東芝機械社製「IS130」)により、射出圧力50MPa、シリンダー温度220℃、金型温度40℃にて、引張試験用の試験片(厚さ2mm×幅120mm×長さ80mmのシート)を成形した後、JIS K6251に準拠(JIS−3号ダンベル)して打ち抜いた。この打ち抜き試験片について、JIS K6251に従って、引張降伏強度を23℃の雰囲気下にて測定した。引張降伏強度の値が大きいほど優れるものと評価した。
4) 曲げ弾性率(単位:MPa)
得られた熱可塑性エラストマー組成物を用いて、インラインスクリュウタイプ射出成形機(東芝機械社製「IS130」)により、射出圧力50MPa、シリンダー温度220℃、金型温度40℃にて、曲げ弾性率測定用の試験片(厚さ4mm×幅10mm×長さ90mmの試験片)に成形し、この試験片について、JIS K7203に準拠して、スパン間64mm、曲げ速度2mm/分にて曲げ弾性率を測定した。曲げ弾性率は200〜600MPaの範囲が好ましい。
<実施例/比較例>
[実施例1]
(a−1)70質量部、(b−1)30質量部、酸化防止剤(BASFジャパン社製 商品名イルガノックス(登録商標)1010)0.1質量部をヘンシェルミキサーにて1分間ブレンドし、同方向二軸押出機(神戸製鋼製「TEX30α」、L/D=45、シリンダブロック数=13)へ20kg/hの速度で投入し、180〜210℃の範囲で昇温させ溶融混練を行い、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。得られた熱可塑性エラストマー組成物のペレットについて、前記1)〜4)の評価を行った。それらの評価結果を表−1に示す。
[実施例2〜7及び比較例1〜4]
表−1に示す樹脂配合とした以外は実施例1と同様にして熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得、実施例1と同様に、前記1)〜4)の評価を行った。それらの評価結果を表−1に示す。
Figure 2018002926
表−1より、成分(A)と成分(B)を所定の割合で含む本発明の熱可塑性エラストマー組成物によれば、低温耐衝撃性及び降伏強度に優れ、外観も良好なエアバッグ収納カバーを得ることができることが分かる。これに対して、成分(B)を含まない比較例1や、成分(B)の含有量が少ない比較例2では、低温耐衝撃性が劣る。一方、成分(B)の含有量が多過ぎる比較例3では、引張降伏強度が低い。成分(A)を含まない比較例4でも、低温耐衝撃性が劣り、成形外観も悪い。
成分(A)の高密度ポリエチレン系樹脂は、繰り返し単位のエチレンが分岐をほとんど持たず直鎖状に結合した、結晶性の熱可塑性樹脂であることにより、引張降伏強度を向上させ、共重合されたコモノマー分岐により、柔軟且つ低密度でガラス転移温度が低い成分(B)のエチレン・α−オレフィン共重合体との相溶性が優れているため、高密度ポリエチレン系樹脂中にエチレン・α−オレフィン共重合体を微細且つ均一に分散させることができる。この微細均一分散により、射出成形時のゴムドメイン由来の乱流及び相分離が抑制されるため、射出成形外観に優れた成形体が得られ、また、衝撃エネルギーを効率良く吸収することができ、優れた低温耐衝撃性を実現していると考えられる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は成形外観、低温耐衝撃性及び降伏強度等に優れ、エアバッグ収納カバー等の成形材料として非常に有用である。

Claims (10)

  1. 少なくとも下記成分(A)及び(B)を含有し、組成物中に全組成物100質量部対して、成分(A)を30〜80質量部、成分(B)を20〜45質量部含有することを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
    成分(A):高密度ポリエチレン系樹脂
    成分(B):エチレン・α−オレフィン共重合体
  2. 成分(A)を構成する高密度ポリエチレン系樹脂の密度が0.94〜0.97g/cmである、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 成分(A)を構成する高密度ポリエチレン系樹脂の温度210℃、せん断速度1210/sにおけるキャピラリーレオメータによる溶融粘度(JIS K7199:キャピラリーφ1×10mm)が50〜250Pa.sである、請求項1又は2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 成分(B)を構成するα−オレフィンの炭素数が3〜8である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  5. JIS K7110に準拠した温度−45℃でのノッチ付きアイゾット衝撃強度が70kJ/m以上である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  6. 更に、組成物中に成分(C)として、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、及び炭化水素系ゴム用軟化剤から選ばれる1種又は2種以上を含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  7. 成分(B)を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体におけるエチレン単位の含有量が、エチレン単位の含有量とα−オレフィン単位の含有量の合計に対して30〜80質量%である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  8. エアバッグ収納カバーの成形材料である、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物の射出成形体。
  10. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物からなるエアバッグ収納カバー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115003562A (zh) * 2020-02-07 2022-09-02 旭化成株式会社 气囊用多层复合体和气囊

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