JP7251256B2 - 熱可塑性エラストマー組成物、成形体及びエアバッグ収納カバー - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物、成形体及びエアバッグ収納カバー Download PDF

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Description

本発明は、柔軟性、低温耐衝撃性、高温強度等に優れた熱可塑性エラストマー組成物、該熱可塑性エラストマー組成物を射出成形してなる成形体、及び該熱可塑性エラストマー組成物からなるエアバッグ収納カバーに関する。
自動車用エアバッグシステムは自動車等の衝突の際に運転手や搭乗者を保護するシステムであり、衝突の際の衝撃を感知する装置とエアバッグ装置とからなる。このエアバッグ装置は、ステアリングホイール、助手席前方のインストルメントパネル、運転席及び助手席のシート、フロント及びサイドピラー等に設置される。
エアバッグ装置におけるエアバッグ収納カバーについては、エアバッグ膨脹時に、設計通りに開裂もしくは他の部品の飛散を防止するように、その構造や材質において種々提案がなされている。
エアバッグ収納カバー向けの材料としては例えば、特許文献1において、スチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物、ゴム用可塑剤、オレフィン系樹脂及び添加剤を含むものが提案されている。また、特許文献2~4においては、プロピレン系樹脂、エチレン・α-オレフィン共重合体及びスチレン系エラストマーを含むものが提案されている。また、特許文献5には、多段階重合法により得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー、プロピレン系樹脂及びエチレン・α-オレフィン共重合体からなるものが提案されている。
特開平5-38996号公報 特開平10-265628号公報 特開2001-279030号公報 特開2001-206183号公報 特開2002-194098号公報
近年、エアバッグ展開出力向上に対応した安全性の強化、設計の自由度等の観点から、高温強度と低温耐衝撃性だけでなく、柔軟性がより改善された材料の開発が望まれている。
しかしながら、本発明者らの詳細な検討によれば、前記特許文献1~5に記載されているような従来のエアバッグ収納カバー向けの材料では、柔軟性、低温耐衝撃性及び高温強度のすべてを満たすことが困難であった。
本発明は上記のような従来技術の問題を鑑みてなされたものである。
即ち、本発明の課題は、エアバッグ収納カバーに必要な低温耐衝撃性及び高温強度を達成しつつ、柔軟性に優れた熱可塑性エラストマー組成物を提供すること、及び該熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体及びエアバッグ収納カバーを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、ポリアミド系熱可塑性エラストマーと特定のオレフィン系ブロック共重合体を含む熱可塑性エラストマー組成物が、柔軟性、低温耐衝撃性、高温強度等に優れ、エアバッグ収納カバーに好適に用いることができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の要旨は以下の[1]~[8]に存する。
[1] 下記成分(A)及び成分(B)を含有する熱可塑性エラストマー組成物。
成分(A):ポリアミド系熱可塑性エラストマー
成分(B):110~125℃に結晶融解ピークを有し、かつその結晶融解熱量が20~60J/gである、エチレンからなる重合体ブロックとエチレン・α-オレフィン共重合体ブロックとを含むオレフィン系ブロック共重合体
[2] 前記成分(B)のエチレン・α-オレフィン共重合体ブロックにおいて、α-オレフィンの炭素数が4~8である、[1]に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
[3] 前記成分(B)が、エチレンからなる重合体ブロックとエチレン・1-オクテン共重合体ブロックとを含むオレフィン系ブロック共重合体である、[1]又は[2]に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
[4] 下記成分(C)を更に含有する、[1]~[3]のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
成分(C):酸変性エチレン・α-オレフィン共重合体
[5] 前記成分(C)のα-オレフィンの炭素数が4~8である、[4]に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
[6] 前記成分(A)100質量部に対し、前記成分(B)を10~150質量部、前記成分(C)を0~100質量部含む、[1]~[5]のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
[7] [1]~[6]のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物を射出成形してなる成形体。
[8] [1]~[6]のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物からなるエアバッグ収納カバー。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、柔軟性、低温耐衝撃性、高温強度等に優れたものである。このため、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、エアバッグ収納カバー、インストルメントパネル、センターパネル、センターコンソールボックス、ドアトリム、ピラー、アシストグリップ、ハンドル等の自動車内装部品、マッドガード・クロメット等の自動車外装部品、家電部品、建材、家具等として好適に用いることができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。なお、本発明において、「~」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、その前後の値を含むものとして用いることとする。
本発明において「エアバッグ収納カバー」とは、エアバッグを収納する容器全般を意味するものであり、例えば、エアバッグが収納されている容器において、エアバッグが展開する際の開口部、又はこの開口部と一体となっている容器全体である。
[熱可塑性エラストマー組成物]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、下記成分(A)、成分(B)を含有し、好ましくは更に成分(C)を含有し、且つ成分(A)100質量部に対し、好ましくは成分(B)を10~150質量部、成分(C)を0~100質量部含むことを特徴とする。
成分(A):ポリアミド系熱可塑性エラストマー
成分(B):110~125℃に結晶融解ピークを有し、かつその結晶融解熱量が20~60J/gである、エチレンからなる重合体ブロックとエチレン・α-オレフィン共重合体ブロックとを含むオレフィン系ブロック共重合体
成分(C):酸変性エチレン・α-オレフィン共重合体
<メカニズム>
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、従来の熱可塑性エラストマーと比較して、柔軟性、低温耐衝撃性、高温強度等に優れるという効果を奏する。
これは、本発明の熱可塑性エラストマー組成物では、成分(A)及び成分(B)により高温強度を得ると共に、成分(B)により柔軟性、低温耐衝撃性を良好なものとし、更に成分(C)による成分(A)と成分(B)との相溶化効果で、より一層高温強度と低温耐衝撃性が良好となることによる。
<成分(A)>
本発明の熱可塑性エラストマー組成物における成分(A)のポリアミド系熱可塑性エラストマーは、半結晶でありハードセグメントとしてのポリアミドブロックと非晶性であるソフトセグメントとしてのポリエーテルブロックとで構成される熱可塑性エラストマーである。ポリエーテルブロックとしては、ポリエチレンポリオール、ポリプロピレンポリオール、ポリテトラメチレンポリオール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオールなどを使用することができる。これらのポリエーテルポリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、柔軟性、強度及び耐水性の点から、ポリエチレンポリオール、ポリプロピレンポリオール、ポリテトラメチレンポリオールを用いることが好ましい。
また、ポリアミドブロックとしては、一般的に知られる芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミドブロックが使用できるが、脂肪族ポリアミドが好適に用いられる。
脂肪族ポリアミドブロックとしては、ε-カプロラクタムの開環重合体を主成分とする重合体、必要に応じてω-ラウロラクタム等のラクタム、6-アミノカプロン酸、11-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸等のアミノカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸の1種又は2種以上が共重合されたものが挙げられる。
また、ω-ラウロラクタム等のラクタムの1種又は2種以上を主成分とする開環重合体、6-アミノカプロン酸、11-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸等のアミノカルボン酸の1種又は2種以上を主成分とする重縮合体、又は、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等の脂肪族ジアミンの1種又は2種以上と、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸の1種又は2種以上とを主成分とする重縮合体等からなるブロックが含まれていても良い。
成分(A)のメルトフローレートは限定されないが、通常100g/10分以下であり、強度の観点から、好ましくは80.0g/10分以下であり、より好ましくは70.0g/10分以下であり、更に好ましくは60.0g/10分以下である。また、成分(A)のメルトフローレートは、通常0.1g/10分以上であり、流動性の観点から、好ましくは0.5g/10分以上であり、更に好ましくは1g/10分以上である。成分(A)のメルトフローレート(MFR)は、ISO1133に従い、測定温度230℃、測定荷重21.18Nの条件で測定される。
成分(A)の密度(ISO1183準拠)は限定されないが、通常0.98~1.03g/cmである。
成分(A)の曲げ弾性率(ISO178準拠)は、高温強度の観点から50MPa以上が好ましく、特に75MPa以上、とりわけ100MPa以上が好ましい。または低温耐衝撃性、柔軟性の観点から600MPa以下が好ましく、特に400MPa以下、とりわけ300MPa以下であることが好ましい。
成分(A)の融点(ISO11357準拠)は、耐熱性の観点から120℃以上が好ましく、特に130℃以上、とりわけ140℃以上が好ましい。成分(A)の融点の上限には特に制限はないが、通常180℃以下である。
本発明における成分(A)としてのポリアミド系熱可塑性エラストマーは、市販品を用いることができる。例えば、「ペバックス(登録商標)」(ARKEMA社製)シリーズ等として市販されているものから、適宜選択して用いることができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、成分(A)の1種のみを含んでいてもよく、単量体単位組成や物性等の異なるものの2種以上を含んでいてもよい。
<成分(B)>
本発明の熱可塑性エラストマー組成物に用いる成分(B)は、エチレンからなる重合体ブロックとエチレン・α-オレフィン共重合体ブロックとを含むオレフィン系ブロック共重合体である。
また、成分(B)は110~125℃に結晶融解ピークを有し、かつその結晶融解熱量が20~60J/gである。ここで、成分(B)において、110~125℃結晶融解ピークにおける結晶融解熱量が20~60J/gであることは、成分(B)が、結晶性のエチレンからなる重合体ブロックを有することを表す指標である。また、成分(B)は、エチレンからなる重合体ブロックに基づく結晶性に加え、エチレン・α-オレフィン共重合体ブロックに基づく非晶性を有することが好ましい。成分(B)がこのような構造を有することにより、本発明の熱可塑性エラストマー組成物に高温強度及び低温耐衝撃性の効果が付与される。成分(B)の結晶融解熱量は、高温強度の観点から好ましくは20J/g以上であり、より好ましくは30J/g以上である。また、成分(B)の結晶融解熱量は、低温耐衝撃性の観点から好ましくは60J/g以下であり、より好ましくは50J/g以下である。
成分(B)の結晶融解ピーク、結晶融解熱量、及び後述のガラス転移温度のそれぞれの値は示差走査熱量測定法(DSC法)により求めることができる。結晶融解ピーク温度は、示差走査熱量計(DSC)によって得られる融解ピークのトップ温度であり、結晶融解熱量は、示差走査熱量計により得られる融解ピークの面積から求めることができる。また、ガラス転移温度は、示差走査熱量計によって得られるベースラインと変曲点での接線の交点である。これらの値を求める際の具体的な測定条件は次のようにして求められる。即ち、サンプル量10mgを採り、DSCを用い、25℃から200℃まで100℃/分の昇温速度で融解させ、200℃で1分間保持した後、-130℃まで10℃/分の降温速度で結晶化させ、-130℃で10分間保持した後、10℃/分の昇温速度で200℃まで測定して求められる値である。
成分(B)におけるエチレンからなる重合体ブロックは、エチレンを主体とするものであるが、エチレンに加え他の単量体単位を有していてもよい。ここで「主体とする」とは、全体の50質量%以上、特に60~100質量%を占めることをさす。他の単量体単位の他の単量体としては、1-プロピレン、1-ブテン、2-メチルプロピレン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン等のα-オレフィンを例示することができる。好ましくは、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン等の末端の炭素原子に炭素間二重結合を有する炭素数4~8のα-オレフィンである。成分(B)におけるエチレンからなる重合体ブロックがα-オレフィン単位を含む場合、α-オレフィンは1種のみがエチレンと共重合したものであっても、2種以上がエチレンと共重合したものであってもよい。
成分(B)のエチレン・α-オレフィン共重合体ブロックは、エチレン単位に加え、α-オレフィン単位として1-プロピレン、1-ブテン、2-メチルプロピレン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン等のα-オレフィン単位を構成単位として有するものを例示することができる。α-オレフィンは、好ましくは、1-プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン等の末端の炭素原子に炭素間二重結合を有する炭素数4~8のα-オレフィンである。成分(B)のエチレン・α-オレフィン共重合体ブロックにおけるα-オレフィンは1種のみがエチレンと共重合したものであっても、2種以上がエチレンと共重合したものであってもよい。
成分(B)におけるエチレン・α-オレフィン共重合体のブロックは、エチレン単位及びα-オレフィン単位に加え、非共役ジエンに基づく単量体単位(非共役ジエン単位)等の他の単量体単位を有していてもよい。該非共役ジエンとしては、1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、2-メチル-1,5-ヘキサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエンのような鎖状非共役ジエン;シクロへキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5-ビニルノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、6-クロロメチル-5-イソプロペニル-2-ノルボルネンのような環状非共役ジエン等が挙げられる。好ましくは、5-エチリデン-2-ノルボルネン、ジシクロペンタジエンである。
成分(B)のエチレン単位の含有量は、エチレン単位の含有量とα-オレフィン単位の含有量との合計量に対し、50質量%以上80質量%以下であることが好ましい。成分(B)のエチレン単位の含有量は、成分(B)のブロッキングによる融着防止のためには多い方が好ましく、本発明の熱可塑性エラストマーを成形したときの低温耐衝撃性の観点では少ない方が好ましい。成分(B)のエチレン単位の含有量は、より好ましくは55質量%以上であり、更に好ましくは60質量%以上である。また、エチレン単位の含有量は、より好ましくは75質量%以下である。なお、成分(B)におけるエチレン単位の含有量及びα-オレフィン単位の含有量は、それぞれ赤外分光法により求めることができる。
また、成分(B)が非共役ジエン単位等の他の単量体単位を有する場合、その含有量は成分(B)全体に対して、通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下である。非共役ジエン単位の含有量についても、赤外分光法により求めることができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物に用いる成分(B)として具体的には、エチレンからなる重合体ブロックと、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・1-ヘキセン共重合体、エチレン・1-オクテン共重合体、エチレン・プロピレン・1-ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・1-ヘキセン共重合体、エチレン・プロピレン・1-オクテン共重合体等のエチレン・α-オレフィン共重合体ブロックとを含むブロック共重合体を例示することができる。これらは1種で用いられてもよく、2種以上組み合わせ用いられてもよい。これらの中でも、成分(B)は、エチレンからなる重合体ブロックとエチレン・1-オクテン共重合体ブロックとを含むオレフィン系ブロック共重合体であることが最も好ましい。
成分(B)は結晶性を有するエチレンからなる重合体ブロックを有することに加え、通常エチレン・α-オレフィン共重合体ブロックによる非晶性を有する。この非晶性はガラス転移温度により表すことができ、DSC法によるガラス転移温度が好ましくは-80℃以上であり、より好ましくは-75℃以上であり、一方、好ましくは-50℃以下であり、より好ましくは-60℃以下である。
成分(B)のメルトフローレートは限定されないが、通常10g/10分以下であり、強度の観点から、好ましくは8.0g/10分以下であり、より好ましくは5.0g/10分以下であり、更に好ましくは3.0g/10分以下である。また、成分(B)のメルトフローレートは、通常0.01g/10分以上であり、流動性の観点から、好ましくは0.05g/10分以上であり、更に好ましくは0.10g/10分以上である。成分(B)のメルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238に従い、測定温度190℃、測定荷重21.18Nの条件で測定される。
成分(B)の密度(ISO1133準拠)は低温耐衝撃性の観点から、好ましくは0.88g/cm以下であり、より好ましくは0.87g/cm以下である。一方、その下限については特に制限されないが、通常0.85g/cm以上である。
成分(B)は、特表2007-529617号公報、特表2008-537563号公報、特表2008-543978号公報に開示された方法に従って合成することができる。例えば、第1のオレフィン重合触媒と、同等の重合条件下で第1のオレフィン重合触媒によって調製されるポリマーとは化学的性質又は物理的性質が異なるポリマーを調製可能な第2のオレフィン重合触媒と、鎖シャトリング剤とを組み合わせて得られる混合物又は反応生成物を含む組成物を準備し、上記エチレンとα-オレフィンとを、付加重合条件下で、該組成物と接触させる工程を経て製造することができる。
成分(B)の重合には、好ましくは連続溶液重合法が適用される。連続溶液重合法は、触媒成分、鎖シャトリング剤、モノマー類、並びに場合により溶媒、補助剤、捕捉剤および重合助剤が反応ゾーンに連続的に供給され、ポリマー生成物はそこから連続的に取り出される。また、ブロックの長さは、前記触媒の比率および種類、鎖シャトリング剤の比率および種類、重合温度等を制御することによって変化させることができる。
なお、成分(B)のオレフィン系ブロック共重合体の合成方法において、その他の条件は特表2007-529617号公報、特表2008-537563号公報、特表2008-543978号公報に開示されている。
また、成分(B)は市販の該当品を用いることもでき、例えばダウ・ケミカル社製Engage(登録商標)-XLTシリーズやINFUSE(登録商標)シリーズ等が挙げられる。なお、成分(B)のうち、エチレン・オクテン共重合体ブロックを有するものについては、INFUSE(登録商標)シリーズが2007年に、Engage(登録商標)-XLTシリーズが2011年に、それぞれダウ・ケミカル社において商業的に生産開始されるまで、製品として入手することができなかったものである。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、成分(B)の1種のみを含んでいてもよく、単量体単位組成や物性等の異なるものの2種以上を含んでいてもよい。
また、成分(B)としては、上述のエチレンからなる重合体ブロックとエチレン・α-オレフィン共重合体ブロックとを含む、110~125℃に結晶融解ピークを有し、かつその結晶融解熱量が20~60J/gであるオレフィン系ブロック共重合体を、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性した酸変性体として使用してもよい。成分(B)を酸変性して用いることにより成分(A)のポリアミド系熱可塑性エラストマーとの相溶性が向上し、高温強度、低温耐衝撃性の向上が期待できる。不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体での変性処理は、後述する成分(C)の酸変性エチレン・α-オレフィン共重合体の変性処理の方法と同様の方法で実施できる。
<成分(C)>
本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、上記成分(A)及び成分(B)に加えて、成分(C)の酸変性エチレン・α-オレフィン共重合体を更に含有することが好ましい。
成分(C)は、成分(A)と成分(B)など極性基を含有する樹脂に対して高い相溶化性能を発揮する相溶化剤として機能し、低温耐衝撃性と高温強度を維持しつつ、柔軟性を高めることができる。なお、成分(C)の酸変性エチレン・α-オレフィン共重合体のエチレン・α-オレフィン共重合体は、上述の成分(B)のオレフィン系ブロック共重合体とは別異の構造を有するエチレン・α-オレフィン共重合体であることが好ましい。
成分(C)の変性エチレン・α-オレフィン共重合体はエチレン・α-オレフィン共重合体を不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性させた変性エチレン・α-オレフィン共重合体である。
成分(C)の変性エチレン・α-オレフィン共重合体に用いる変性前のエチレン・α-オレフィン共重合体は、少なくともエチレン単位とα-オレフィン単位とを含む共重合体である。α-オレフィンとしては、1-プロピレン、1-ブテン、2-メチルプロピレン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン等を例示することができる。好ましくは、1-プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン等の末端の炭素原子に炭素間二重結合を有する炭素数3~8のα-オレフィンである。成分(C)の変性エチレン・α-オレフィン共重合体に用いるエチレン・α-オレフィン共重合体におけるα-オレフィンは1種のみがエチレンと共重合したものであっても、2種以上がエチレンと共重合したものであってもよい。
成分(C)の変性エチレン・α-オレフィン共重合体に用いるエチレン・α-オレフィン共重合体のエチレン単位の含有量は、エチレン単位の含有量とα-オレフィン単位の含有量との合計量に対し、30質量%以上80質量%以下であることが好ましい。成分(C)の変性エチレン・α-オレフィン共重合体に用いるエチレン・α-オレフィン共重合体のエチレン単位の含有量は、成分(C)のブロッキングによる融着防止のためには多いほうが好ましく、本発明の熱可塑性エラストマー組成物を成形したときの低温耐衝撃性の観点では少ない方が好ましい。成分(C)の変性エチレン・α-オレフィン共重合体に用いるエチレン・α-オレフィン共重合体のエチレン単位の含有量は、より好ましくは40質量%以上であり、更に好ましくは50質量%以上である。また、エチレン単位の含有量は、より好ましくは75質量%以下である。
なお、成分(C)の変性エチレン・α-オレフィン共重合体に用いるエチレン・α-オレフィン共重合体におけるエチレン単位の含有量、α-オレフィン単位の含有量、及び以下に示す他の単量体単位の含有量は、それぞれ赤外分光法により求めることができる。
成分(C)の変性エチレン・α-オレフィン共重合体に用いるエチレン・α-オレフィン共重合体のエチレン-α-オレフィン共重合体は、エチレン単位及びα-オレフィン単位に加え、非共役ジエンに基づく単量体単位(非共役ジエン単位)等の他の単量体単位を有していてもよい。該非共役ジエンとしては、1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、2-メチル-1,5-ヘキサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエンのような鎖状非共役ジエン;シクロへキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5-ビニルノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、6-クロロメチル-5-イソプロペニル-2-ノルボルネンのような環状非共役ジエン等の1種又は2種以上が挙げられる。好ましくは、5-エチリデン-2-ノルボルネン、ジシクロペンタジエンである。
成分(C)の変性エチレン・α-オレフィン共重合体に用いるエチレン・α-オレフィン共重合体が上記の非共役ジエン単位等の他の単量体単位を含む場合、他の単量体単位の含有量は、成分(C)の変性エチレン・α-オレフィン共重合体に用いるエチレン・α-オレフィン共重合体全体に対して、通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下である。
成分(C)の変性エチレン・α-オレフィン共重合体に用いるエチレン・α-オレフィン共重合体として具体的には、エチレン・1-ブテン共重合体ゴム、エチレン・1-ヘキセン共重合体ゴム、エチレン・1-オクテン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・1-ブテン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・1-ヘキセン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・1-オクテン共重合体ゴム等を例示することができる。中でも、エチレン・1-オクテン共重合体ゴムが好ましい。
成分(C)の変性エチレン・α-オレフィン共重合体に用いるエチレン・α-オレフィン共重合体の製造方法としては、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法が用いられる。例えば、オレフィン重合用触媒として、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体等の錯体系触媒を用いることができ、重合方法としてはスラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等が挙げられる。また、市販の該当品を用いることも可能である。市販の該当品としては例えばKUMHO社製「KEP(登録商標)」シリーズ、JSR社製「EP(登録商標)」シリーズ、ダウ・ケミカル社製「Engage(登録商標)」シリーズ、三井化学社製「タフマー(登録商標)」シリーズ等が挙げられる。
成分(C)の変性エチレン・α-オレフィン共重合体は、上述したエチレン・α-オレフィン共重合体を不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性させたものである。
なお、変性に供するエチレン・α-オレフィン共重合体は1種のみであってもよく、単量体単位組成や物性等の異なるものの2種以上であってもよい。
不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体による変性処理は、常用されている任意の方法を採用することができ、その方法は特に限定されない。例えば、溶液変性法としては、有機溶剤中に、エチレン・α-オレフィン共重合体と不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体と必要に応じてラジカル開始剤等を投入し、通常60~350℃、好ましくは80~190℃の温度で、通常0.5~15時間、好ましくは1~10時間反応させる方法が挙げられる。また、溶融変性法としては、エチレン・α-オレフィン共重合体と不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体とを、押出機などを使用して当該エチレン・α-オレフィン共重合体の融点以上(例えば170~290℃)で溶融し、通常0.5~10分間反応させる方法が挙げられる。これらの中でも、衛生性の観点から、溶媒を使用しなくてもよい溶融変性法が好ましく、押出機を用いて変性することがより好ましい。なお、効率よく変性させるためにはラジカル開始剤の存在下に変性することが好ましい。
上記の不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、エンドシス-ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸等が挙げられる。また、不飽和カルボン酸の誘導体としては、酸無水物、エステル、アミド、イミド、金属塩等が挙げられる。具体的には、無水マレイン酸、無水ハイミック酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、イタコン酸ジエチルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、マレイン酸-N-モノエチルアミド、マレイン酸-N,N-ジエチルアミド、マレイン酸-N,N-モノブチルアミド、マレイン酸-N,N-ジブチルアミド、フマル酸モノアミド、フマル酸ジアミド、フマル酸-N-モノブチルアミド、フマル酸-N,N-ジブチルアミド、マレイミド、Nブチルマレイミド、N-フェニルマレイミド、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム等が挙げられる。不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体は、1種類のみを単独で、又は2種類以上を任意の組み合せ及び比率で用いることができる。これらの中でも、特にマレイン酸、マレイン酸無水物が好ましい。
ラジカル開始剤としては、特に限定されないが、有機過酸化物又はアゾ化合物が好ましく、有機過酸化物が特に好ましい。具体的には、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、1,4-ビス(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレエート、2,2-ビス(4,4-t-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロドデカン等のジアルキルパーオキサイド類;t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシラウレート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t-ブチルパーオキシマレイックアシッド、ジ-t-ブチルパーオキシイソフタレート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5-ジ(トルイルパーオキシ)ヘキサン等のパーオキシエステル類;ジ-3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t-ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、p-メンタンヒドロパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ヒドロパーオキシ)ヘキサン等のヒドロパーオキサイド類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類等が挙げられるが、これらに特に限定されない。ラジカル開始剤は、1種類のみを単独で、又は2種類以上を任意の組み合せ及び比率で用いることができる。
ラジカル開始剤としては、上記例示物の中でも、半減期が1分となる分解温度が100℃以上であるラジカル開始剤が変性効率の観点から好ましい。具体的には、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3等のジアルキルパーオキサイド類、又は、t-ブチルパーオキシベンゾエート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン-3等のパーオキシエステル類が好ましい。ラジカル開始剤の使用量は、特に限定されないが、原料となるエチレン・α-オレフィン共重合体100質量部に対して、0.001質量部以上1質量部以下の割合が好ましい。
変性エチレン・α-オレフィン共重合体における、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体(不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体に由来する構成単位)の含有割合(以下、「変性率」と呼ぶ場合がある。)は、特に限定されないが、変性エチレン・α-オレフィン共重合体の総量に対して、0.20質量%以上2.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.30質量%以上1.90質量%以下、さらに好ましくは0.50質量%以上1.70質量%以下である。変性率が前記好ましい含有割合の範囲を外れる場合には、相溶化が不十分となる傾向にある。また、変性エチレン・α-オレフィン共重合体における、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体の結合位置は、特に限定されず、エチレン・α-オレフィン共重合体の主鎖末端及び側鎖の少なくとも一方に導入されていればよい。
なお、変性エチレン・α-オレフィン共重合体の変性率は、例えば以下の方法で測定することができる。すなわち、まず圧縮成形機等を用いて、変性エチレン・α-オレフィン共重合体から厚さ0.1~0.4mmのシート状のプレスサンプルを作成する。次に、フーリエ変換型赤外分光光度計にて、プレスサンプルの2000~1600cm-1のスペクトルを測定し、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体特有の吸収(C=O伸縮振動帯、すなわちカルボニル特性吸収)から求めることができる。具体的には、得られたスペクトルに、1950cm-1と1665cm-1との間でベースラインを引き、1827~1665cm-1の間のピーク面積Sを算出する。得られたピーク面積Sを使用し、下記式(1)に基づいて、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体に由来する構成単位の含有量Xmを算出する。なお、エチレン・α-オレフィン共重合体の変性においては、エチレン・α-オレフィン共重合体と未反応の不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体も残留し得るが、本明細書における変性率とは、上記の通り、変性エチレン・α-オレフィン共重合体を上記の方法で測定した際の値を意味するものとする。
Xm=k・S/t・ρ ・・・(1)
(式中、kは不飽和カルボン酸を含有するエチレン・α-オレフィン共重合体のメチルエステル化物のNMR定量値を元に求められた係数を表し、t(mm)はサンプルの厚さを表し、ρはサンプルの密度(g/cm)を表す。)
成分(C)の酸変性エチレン・α-オレフィン共重合体のメルトフローレート(MFR)は特に限定されないが、ISO1183に従って190℃、荷重21.18Nで測定された値で0.1~50g/10分が好ましく、より好ましくは0.2~40g/10分、さらに好ましくは0.3~30g/10分である。
成分(C)の酸変性エチレン・α-オレフィン共重合体の密度(ISO1133準拠)は、特に限定されないが、0.850~0.930g/cmが好ましく、より好ましくは0.851~0.925g/cmである。
成分(C)は結晶性を有するエチレンからなる重合体ブロックを有することに加え、通常エチレン・α-オレフィン共重合体ブロックによる非晶性を有する。この非晶性はガラス転移温度により表すことができ、DSC法によるガラス転移温度が好ましくは-80℃以上であり、より好ましくは-75℃以上であり、一方、好ましくは-40℃以下であり、より好ましくは-45℃以下である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、成分(C)の1種のみを含んでいてもよく、単量体単位組成や物性等の異なるものの2種以上を含んでいてもよい。
<配合量>
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、成分(A)の100質量部に対して、成分(B)のオレフィン系ブロック共重合体を10~150質量部、成分(C)の変性エチレン・α-オレフィン共重合体を0~100質量部含むことが好ましい。
成分(B)の含有量が上記下限以上であれば、成分(B)を含むことによる高温強度及び低温耐衝撃性の向上効果を有効に得ることができる。また、成分(B)の含有量が上記上限以下であれば、高温強度の向上効果を有効に得ることができる。成分(B)の好ましい含有量は、成分(A)の100質量部に対して10~150質量部であり、より好ましくは20~100質量部である。
成分(C)は、前述の通り、成分(A)、成分(B)など極性基を含有する樹脂に対して高い相溶化性能を発揮する相溶化剤として機能し、これを含有することで低温耐衝撃性と高温強度を維持しつつ、柔軟性を高めることができるが、その含有量が多過ぎると高温特性が低下する傾向があることから、上記上限以下とすることが好ましい。本発明の熱可塑性エラストマー組成物が成分(C)を含有する場合、成分(C)の配合効果を十分に得る上で、成分(C)の含有量は成分(A)の100質量部に対して0~100質量部であることが好ましく、1~30質量部であることがより好ましい。
<その他の成分>
更に、本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、上記の成分以外に本発明の効果を著しく損なわない範囲内で、各種目的に応じて以下の添加剤、無機フィラー、有機フィラーや成分(A)~成分(C)以外の樹脂(以下、「その他の樹脂」と称する。)等の任意成分を配合することができる。
添加剤としては、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防雲剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、難燃剤、分散剤、帯電防止剤、導電性付与剤、金属不活性剤、分子量調整剤、防菌剤、蛍光増白剤等の各種添加物を挙げることができる。これらの添加剤は通常成分(A)~(C)の合計100質量部に対し、それぞれの添加剤を0.01~2質量部の範囲で配合して用いることができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物が含有し得るその他の樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、アクリル系エラストマー、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、その他各種エラストマー等が挙げられる。上記で挙げたその他の樹脂は1種のみを含有しても2種以上を含有してもよい。
ただし、本発明の熱可塑性エラストマー組成物がこれらのその他の樹脂を含有する場合、成分(A)~(C)を含有することによる本発明の効果を有効に得るために、成分(A)~(C)以外のその他の樹脂の含有量は、本発明の熱可塑性エラストマー組成物100質量%中に30質量%以下であることが好ましい。
<熱可塑性エラストマー組成物の製造方法>
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、成分(A)、成分(B)又は必要に応じて成分(C)やその他の成分を通常の押出機やバンバリーミキサー、ロール、ブラベンダープラストグラフ、ニーダーブラベンダー等を用いて常法で混練して製造することができる。これらの製造方法の中でも、押出機、特に二軸押出機を用いることが好ましい。本発明の熱可塑性エラストマー組成物を押出機等で混練して製造する際には通常160~240℃、好ましくは180~220℃に加熱した状態で溶融混練することによって製造することができる。更に、本発明の熱可塑性エラストマー組成物に、下記の架橋剤や架橋助剤を配合して動的に熱処理することにより、部分的に架橋させてもよい。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を部分的に架橋させるための架橋剤としては、有機過酸化物を用いることが好ましく、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン-3、ジクミルパーオキサイド等を挙げることができる。
これらの有機過酸化物により部分的に架橋させる際に用いられる架橋助剤としては、N,N’-m-フェニレンビスマレイミド、トルイレンビスマレイミド等を有する化合物、P-キノンジオキシム、ニトロベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート等のラジカル重合性の炭素間二重結合を有する化合物等と、成分(B)の炭素直鎖の部分と反応する官能基をもった化合物を挙げることができる。
<物性・用途>
本発明において、ISO180を参照した温度-40℃でのノッチ付きシャルピー衝撃試験の破壊形式を低温耐衝撃性の指標とする。
C:完全破壊(試験片が二つ以上の破片に破壊する)
H:ヒンジ破壊(折れ曲がり強さが低いヒンジ状の薄い表層だけが一体になって離れない試験片となった不完全破壊)
P:部分破壊(ヒンジ破壊の定義に合わない不完全破壊)
NB:非破壊
本発明の熱可塑性エラストマー組成物のシャルピー衝撃試験の破壊形式は、好ましくはH以上であり、より好ましくはP以上である。
本発明において、ISO37-1Aを参照した85℃での引張破壊強さを高温強度の指標とする。本発明の熱可塑性エラストマー組成物の成形体の高温強度は、10MPa以上であることが好ましく、11MPa以上であることがより好ましく、12MPa以上であることが更に好ましい。85℃での引張破壊強さが、上記下限未満のものを用いた場合には、高温強度が劣るためにエアバッグ収納カバーの高温展開性が低下する傾向がある。なお、本発明は従来のエアバッグ収納カバー用途の熱可塑性エラストマー組成物に比べ、低温耐衝撃性を維持したまま高温強度に優れる点に特長がある。このため、本発明においては高温強度を高めることが特に重要である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、ISO178を参照した曲げ弾性率を柔軟性の指標とする。この本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、曲げ弾性率が50~250MPa、特に80~180MPa、とりわけ100~150MPaであることが好ましい。熱可塑性エラストマー組成物の曲げ弾性率が上記上限よりも大きいと低温耐衝撃性が低下する傾向にあり、エアバッグ展開時に破断または完全に開かない場合がある。また、上記下限よりも小さいと、剛性及び強度が不足する傾向がある。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を用いて、一般に、通常の射出成形法、又は、必要に応じて、ガスインジェクション成形法、射出圧縮成形法、ショートショット発泡成形法等の各種成形法を用いて成形体とすることによりエアバッグ収納カバーとして用いることができる。特に、本発明の熱可塑性エラストマーを射出成形することにより成形体とすることが好ましく、射出成形を行う際の成形条件は以下の通りである。熱可塑性エラストマー組成物を射出成形する際の成形温度は通常150~300℃であり、好ましくは180~280℃である。射出圧力は通常5~100MPaであり、好ましくは10~80MPaである。また、金型温度は通常0~80℃であり、好ましくは20~60℃である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は低温耐衝撃性、高温強度、柔軟性、離型性、射出成形性等に優れ、各種用途に好適に用いることができる。本発明の熱可塑性エラストマー組成物は例えば、エアバッグ収納カバー、インストルメントパネル、センターパネル、センターコンソールボックス、ドアトリム、ピラー、アシストグリップ、ハンドル等の自動車内装部品、マッドガード・クロメット等の自動車外装部品、家電部品、建材、家具等として有用である。これらの中でも本発明の熱可塑性エアストマー組成物はエアバッグ収納カバーとして特に有用であり、このエアバッグ収納カバーの中でも、例えば、自動車等の高速移動体が衝突事故等の際に、その衝撃や変形を感知することにより作動し、膨張展開によって乗員を保護するエアバッグシステムのエアバッグ収納カバーとして好適である。
以下、実施例を用いて本発明の内容を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限または下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限または下限の値と、下記実施例の値または実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
<原料>
[成分(A)]
(a-1):ポリアミド系熱可塑性エラストマー
ARKEMA社製 ペバックス 5533SP01
MFR(ISO1133):24g/10分(230℃,21.18N)
密度(ISO1183):1.01g/cm
融点(ISO11357):159℃
曲げ弾性率(ISO178):186MPa
[成分(B)]
(b-1):オレフィン系ブロック共重合体
ダウ・ケミカル社製 XLT8677(エチレンからなる結晶性の重合体ブロックとエチレン・1-オクテン共重合体のブロックとを有するもの)
結晶融解ピーク温度:119℃
結晶融解熱量:37J/g
MFR(ASTM D1238):1.3g/10分(190℃,21.18N)
密度(ISO1133):0.87g・cm
ガラス転移温度(DSC法):-67℃
[成分(C)]
(c-1):変性エチレン・α-オレフィン共重合体
エチレン・1-オクテン共重合体と無水マレイン酸とを、二軸押出機で溶融反応させたもの
密度(ISO1133):0.88g/cm
MFR(ISO1183):10g/10分(190℃,21.18N)
ガラス転移温度(DSC法):-50℃
マレイン酸変性率:1.1質量%
[成分(D)]
(d-1):ポリプロピレンブロック共重合体(第1工程でプロピレン単独重合体を重合し、続いて第2工程でエチレン・プロピレン共重合体を重合して得られたもの)
プロピレン単位の含有量:91質量%
エチレン単位の含有量:9質量%
密度(ISO1133):0.90g/cm
MFR(ISO1183):30g/10分(230℃、荷重21.18N)
曲げ弾性率(ISO178):1350MPa
融点(ISO11357):165℃
結晶融解ピーク温度:165℃
結晶融解熱量:105J/g
[成分(E)]
(e-1):エチレン・1-オクテン共重合体ゴム
ダウ・ケミカル社製 Engage(登録商標)8150
密度(ISO1133):0.86g/cm
MFR(ISO1183):0.5g/10分(190℃,21.18N)
ガラス転移温度(DSC法):-52℃
結晶融解ピーク温度:60℃
結晶融解熱量:0J/g
<評価方法>
1)低温耐衝撃性(シャルピー衝撃試験破壊状態)
得られた熱可塑性エラストマー組成物を用いて、インラインスクリュウタイプ射出成形機(東芝機械社製「IS130」)により、射出圧力50MPa、シリンダー温度220℃、金型温度40℃にて、シャルピー衝撃強度測定用の試験片(厚さ4mm×幅10mm×長さ80mmの試験片)を成形した。得られた試験片について、ノッチ加工機(東洋精機社ノッチングツールA4製)により、ノッチ加工を行った。この試験片について、JIS K7111に従って、温度-40℃でシャルピー衝撃試験を行い、以下に示すシャルピー衝撃試験の破壊形式を低温耐衝撃性の指標とした。
C:完全破壊(試験片が2つ以上の破片に破壊する)
H:ヒンジ破壊(折れ曲がり強さが低いヒンジ状の薄い表層だけが一体になって離れない試験片となった不完全破壊)
P:部分破壊(ヒンジ破壊の定義に合わない不完全破壊)
NB:非破壊
2)高温強度(引張強度 85℃)
得られた熱可塑性エラストマー組成物を用いて、インラインスクリュウタイプ射出成形機(東芝機械社製「IS130」)により、射出圧力50MPa、シリンダー温度220℃、金型温度40℃にて、引張試験用の試験片(厚さ2mm×幅120mm×長さ80mmのシート)を成形した後、ISO37-1Aダンベルを打ち抜いた。この打ち抜き試験片について、ISO37-1Aを参照して、引張破壊強さ(単位:MPa)を引張速度500mm/min、85℃の雰囲気下にて測定した。引張破壊強さの値が大きいほど高温強度に優れるものと評価した。
3)柔軟性 (曲げ弾性率)
得られた熱可塑性エラストマー組成物を用いて、インラインスクリュウタイプ射出成形機(東芝機械社製「IS130」)により、射出圧力50MPa、シリンダー温度220℃、金型温度40℃にて、曲げ弾性率測定用の試験片(厚さ4mm×幅10mm×長さ80mmの試験片)に成形し、この試験片について、ISO178に準拠して、スパン間64mm、曲げ速度2mm/分にて曲げ弾性率を測定した。
<実施例/比較例>
[実施例1]
(a-1)100質量部、(b-1)43質量部、成分(A)と(B)の合計100質量部に対して酸化防止剤(BASFジャパン社製 商品名イルガノックス(登録商標)1010)0.1質量部及び黒色顔料(カーボン濃度40質量%品)1.5質量部をヘンシェルミキサーにて1分間ブレンドし、同方向2軸押出機(神戸製鋼製「TEX30α」、L/D=45、シリンダブロック数:13)へ20kg/hの速度で投入し、180~210℃の範囲で昇温させて溶融混練を行い、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。得られた熱可塑性エラストマー組成物のペレットについて、前記1)~3)の評価を行った。それらの評価結果を表-1に示す。
[実施例2~4及び比較例1~3]
表-1に示す配合にした以外は実施例1と同様にして熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た(ただし、成分(A)~成分(E)の合計100質量部に対し、酸化防止剤を0.1質量部、黒色顔料を1.5質量部をそれぞれ配合した。これらの配合量の記載については表-1においては省略した。)。得られた熱可塑性エラストマー組成物のペレットについて、実施例1と同様に前記1)~3)の評価を行った。それらの評価結果を表-1に示す。
Figure 0007251256000001
[考察]
表-1より、本発明に該当する実施例1~4はいずれも柔軟性、低温耐衝撃性、高温強度に優れたものであることがわかる。
これに対して、比較例1は成分(B)及び成分(C)を含まないため、低温耐衝撃性が悪い。比較例2は成分(B)を用いず、代わりエチレン・1-オクテン共重合体ゴムの成分(E)を用いたため、低温耐衝撃性が悪い。比較例3は成分(A)を用いず、代わりにポリプロピレンブロック共重合体の成分(D)を用いたため、高温強度と柔軟性が不十分であることがわかる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は柔軟性、低温耐衝撃性、高温強度等に優れ、各種用途に好適に用いることができる。本発明の熱可塑性エラストマー組成物は例えば、エアバッグ収納カバー、インストルメントパネル、センターパネル、センターコンソールボックス、ドアトリム、ピラー、アシストグリップ、ハンドル等の自動車内装部品、マッドガード・クロメット等の自動車外装部品、家電部品、建材、家具等として有用である。これらの中でも本発明の熱可塑性エアストマー組成物はエアバッグ収納カバーとして特に有用であり、このエアバッグ収納カバーの中でも、例えば、自動車等の高速移動体が衝突事故等の際に、その衝撃や変形を感知することにより作動し、膨張展開によって乗員を保護するエアバッグシステムのエアバッグ収納カバーとして好適である。

Claims (8)

  1. 下記成分(A)及び成分(B)を含有する熱可塑性エラストマー組成物。
    成分(A):ポリアミド系熱可塑性エラストマー
    成分(B):110~125℃に結晶融解ピークを有し、かつその結晶融解熱量が20~60J/gである、エチレンからなる重合体ブロックとエチレン・α-オレフィン共重合体ブロックとを含むオレフィン系ブロック共重合体
  2. 前記成分(B)のエチレン・α-オレフィン共重合体ブロックにおいて、α-オレフィンの炭素数が4~8である、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 前記成分(B)が、エチレンからなる重合体ブロックとエチレン・1-オクテン共重合体ブロックとを含むオレフィン系ブロック共重合体である、請求項1又は2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 下記成分(C)を更に含有する、請求項1~3のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
    成分(C):酸変性エチレン・α-オレフィン共重合体
  5. 前記成分(C)のα-オレフィンの炭素数が4~8である、請求項4に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  6. 前記成分(A)100質量部に対し、前記成分(B)を10~150質量部、前記成分(C)を0~100質量部含む、請求項1~5のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  7. 請求項1~6のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物を射出成形してなる成形体。
  8. 請求項1~6のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物からなるエアバッグ収納カバー。
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