JP4507606B2 - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、熱可塑性エラストマ−組成物に関するものである。更に詳しくは、本発明は、圧縮永久ひずみに代表されるゴム弾性に優れる熱可塑性エラストマ−組成物及び該組成物に関するものである。
ポリプロピレンに代表されるポリプロピレン系樹脂とエチレン系共重合体ゴムから得られる熱可塑性エラストマー組成物は、加硫ゴム、塩化ビニル代替用途として、自動車部品、各種工業部品、各種土木建築材料、医療関連部品、ハウジング、OA部品および雑貨などの分野に広く用いられている。しかし、該熱可塑性エラストマー組成物は構成するポリプロピレン樹脂とエチレン系共重合体ゴムとの相溶性の欠乏により種々の物性を低下させる原因となっている。
かかる状況で、無水マレイン酸で変性した結晶性ポリプロピレン樹脂および同変性したエチレン系共重合体ゴムをジアミンもしくはポリアミンにより熱的に処理することによる相溶性を改質した組成物が知られている。(例えば、特許文献1参照。)
特開平7−62248号公報
しかしながら、上記手法により得られる熱可塑性エラストマ−組成物は、ポリプロピレン系樹脂とエチレン系共重合体ゴムの相溶性向上に伴う物性の改質効果が認められるものの、圧縮永久ひずみ等に代表されるゴム的性質に乏しく実用的に十分満足のいくものではなかった。
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、圧縮永久ひずみに代表されるゴム弾性に優れる熱可塑性エラストマ−組成物を提供することにある。
すなわち、本発明の第一は、下記成分(A)5〜40重量%および成分(B)60〜95重量%(ただし、成分(A)と成分(B)の合計量を100重量%とする。)を成分(C)および成分(D)の存在下にて動的熱処理してなる熱可塑性エラストマー組成物に係るものである。
成分(A):下記成分(a1)20〜95重量%および成分(a2)5〜80重量%(ただし、成分(a1)と成分(a2)の合計量を100重量%とする。)を含有するポリプロピレン系樹脂
(a1)ポリプロピレン系樹脂
(a2)無水マレイン酸にて変性されたポリプロピレン系樹脂
成分(B):下記成分(b1)20〜95重量%および成分(b2)5〜80重量%(ただし、成分(b1)と成分(b2)の合計量を100重量%とする。)を含有するエチレン系共重合体ゴム
(b1)エチレン系共重合体ゴム
(b2)無水マレイン酸にて変性されたエチレン系共重合体ゴム
成分(C):一分子中に少なくとも2つ以上のアミノ基を有する化合物
成分(D):有機過酸化物
また、本発明の第二は、上記熱可塑性エラストマーにおいて、エチレン系共重合体ゴム(b1)がエチレン系共重合体ゴム100重量%と鉱物油系軟化剤20〜150重量%からなり、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が20〜350である油展エチレン系共重合体ゴムである上記の熱可塑性エラストマー組成物に係るものである。
さらに、本発明の第三は、上記熱可塑性エラストマーにおいて、エチレン系共重合体ゴム(b1)がエチレン−プロピレン−非共役ポリエン共重合体ゴム、もしくはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンから少なくとも1種のα−オレフィンとの共重合ゴムからなる上記第一または第二の熱可塑性エラストマー組成物に係るものである。
本発明により、圧縮ひずみに代表されるゴム弾性に優れる熱可塑性エラストマ−組成物を提供することができる。
本発明の熱可塑性エラストマ−組成物に用いられる成分(a1):ポリプロピレン系樹脂とは、プロピレンから誘導される単独重合体あるいは、プロピレンの繰り返し単位を50重量%以上含有しエチレン、1−ブテン、1−ヘキセンなどの炭素原子数2および4〜10のオレフィン1種または2種以上を分子内な含む共重合体であり、JIS K−7121(1987)に従って測定した示差走査熱量測定曲線において、90〜170℃の範囲に融解ピークが存在し、さらに、JIS K−7122(1987)に従って求めた該融解ピークの転移熱量が50〜130J/gであるものを指す。
ポリプロピレン系樹脂としては、たとえば、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−オクテン共重合体が挙げられる。これらポリプロピレン系樹脂は1種または2種以上組み合わせて用いられる。これらは公知の方法で製造することができる。
ポリプロピレン系樹脂の中では、得られる組成物の耐熱性(形状保持)の観点から、プロピレンから誘導される繰り返し単位の含有量が80重量%以上であるポリプロピレン系樹脂が好ましく使用される。該ポリプロピレン系樹脂のプロピレンから誘導される繰り返し単位の含有量は、より好ましくは90重量%以上であり、更に好ましくは95重量%以上である。
ポリプロピレン系樹脂のメルトフロ−レ−ト(MFR)は、熱可塑性エラストマ−組成物の成形時における溶融性の観点から、好ましくは0.1〜200g/10分であり、より好ましくは0.5〜50g/10分である。なお、MFRは、JIS K−7210(1976)に従って、温度230℃、荷重21.18Nの条件で測定される。
本発明の熱可塑性エラストマ−組成物に用いられる成分(a2):無水マレイン酸にて変性されたポリプロピレン系樹脂とは、上記ポリプロピレン系樹脂(a1)にスチレンなどのアルケニル芳香族炭化水素及び無水マレイン酸をグラフト重合し得られるポリプロピレン系樹脂変性物である。該変性物におけるアルケニル芳香族炭化水素および無水マレイン酸の含有量は、ポリプロピレン系樹脂100重量%に対して、通常、0.01〜30重量%であり、好ましくは0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%である。
無水マレイン酸にて変性されたポリプロピレン系樹脂の製造方法としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂を溶融させたのち、ラジカル開始剤の存在下でアルケニル芳香族炭化水素及び無水マレイン酸を添加してグラフト重合する方法、もしくはポリプロピレン系樹脂をトルエン、キシレンなどの溶媒に溶解したのち、有機過酸化物などのラジカル開始剤の存在下でアルケニル芳香族炭化水素及び無水マレイン酸を添加してグラフト重合するる方法などが挙げられる。上記の製造方法は、通常、約40〜350℃程度の温度で行われる。ラジカル開始剤の使用量としては、通常、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して0.001〜5重量部である。好ましくは0.005〜3重量部であり、より好ましくは0.01〜1重量部である。
ポリプロピレン系樹脂(a1)および無水マレイン酸にて変性されたポリプロピレン系樹脂(a2)の配合量としては、成分(a1)20〜95重量%および成分(a2)5〜80重量%である。好ましくは、成分(a1)30〜90重量%および成分(a2)10〜70重量%であり、さらに好ましくは成分(a1)35〜85重量%および成分(a2)15〜65重量%である。(ただし、成分(a1)と成分(a2)の合計量を100重量%とする。)成分(a1)が少なすぎると、組成物の色相の悪化に伴う外観の劣化が発生する場合があり、多すぎる場合は相溶性の低下に伴う圧縮永久ひずみ等に代表される物性の低下が発生する場合がある。
本発明の熱可塑性エラストマ−組成物に用いられる成分(b1):エチレン系共重合体ゴムとは、エチレンおよびエチレン以外の単量体から誘導される繰り返し単位を含有する重合体であって、JIS K−7121(1987)に従って測定した示差走査熱量測定曲線において、90〜170℃の範囲に融解ピークが存在しない重合体である。エチレン以外の単量体としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどの炭素原子数3〜10のα−オレフィン;ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン,1,4−ヘキサジエン、1,5−ジシクロオクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネンなどの炭素原子数5〜15の非共役ジエン;酢酸ビニルなどのビニルエステル化合物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸;1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどの炭素数4〜8の共役ジエンなどがあげられ、これらは、1種または2種以上が用いられる。
エチレン系共重合体ゴム(b1)としては、たとえば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体があげられ、これらは1種または2種以上組み合わせて使用される。また、これらは公知の方法で製造することができる。
エチレン系共重合体ゴム(b1)の中では、機械的強度の観点から、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムが好ましく、α−オレフィンとしては、入手容易性の観点から、プロピレン、1−ブテンが好ましく、プロピレンがより好ましい。エチレン系共重合体ゴム(b1)のエチレン単位の含有量とα−オレフィン単位の含有量の重量比率(エチレン単位の含有量/α−オレフィン単位の含有量)は、柔軟性の観点で、好ましくは90/10〜30/70であり、より好ましくは85/15〜45/55である。
エチレン系共重合体ゴム(b1)の中では、機械的強度の観点から、更に、エチレン−
α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムが好ましく、ヨウ素価が5〜40であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムが最も好ましい。ヨウ素価が低すぎると、機械的強度が低下する場合があり、ヨウ素価が高すぎると、流動性が低下する場合がある。
エチレン系共重合体ゴム(b1)としては、伸展油を添加した油展ゴムを用いても良い。油展ゴムを用いる場合の伸展油の含有量は、共重合体ゴム100重量部あたり通常20〜150重量部であり、好ましくは20〜130重量部である。
エチレン系共重合体ゴム(b1)の100℃のムーニー粘度(ML1+4100℃)は20〜350であり、好ましくは30〜300である。
本発明の熱可塑性エラストマ−組成物に用いられる成分(b2):無水マレイン酸にて変性されたエチレン系共重合体ゴムとは、成分(b1)を成分(a2)を作製した同様の方法にて得られるエチレン系共重合体ゴム変性物である。
エチレン系共重合ゴム(b1)および無水マレイン酸にて変性されたエチレン系共重合ゴム(b2)の配合量としては、成分(b1)20〜95重量%および成分(b2)5〜80重量%である。好ましくは、成分(b1)30〜90重量%および成分(b2)10〜70重量%であり、さらに好ましくは成分(b1)35〜85重量%および成分(b2)15〜65重量%である。(ただし、成分(b1)と成分(b2)の合計量を100重量%とする。)成分(b1)が少なすぎると、組成物の色相の悪化に伴う外観の劣化が発生する場合があり、多すぎる場合は相溶性の低下に伴う圧縮永久ひずみ等に代表される物性の低下が発生する場合がある。
成分(A)および成分(B)の配合量としては、成分(A)5〜40重量%および成分(B)60〜95重量%である。好ましくは成分(A)7〜35重量%および成分(B)65〜93重量%であり、さらに好ましくは成分(A)10〜30重量%および成分(B)70〜90重量%である。(ただし、成分(A)と成分(B)の合計量を100重量%とする。)成分(A)が少なすぎると熱可塑性エラストマー組成物の流動性が低下し、成形品の外観が劣る場合があり、多すぎる場合は、熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性が損なわれ、成形品の弾性が劣る。なお、成分(B)として油展ゴムを使用した場合は、伸展油を含んだエチレン系共重合体ゴム量を成分(B)の配合量とする。
本発明の熱可塑性エラストマ−組成物に用いられる成分(C):一分子中に少なくとも2つ以上のアミノ基を有する化合物とは、たとえば、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(3−メチル、4−アミノシクロヘキシル)メタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどがあげられ、これらは、1種または2種以上が用いられる。
成分(C)の配合量は、ポリプロピレン系樹脂(A)エチレン系共重合体ゴム(B)の合計量100重量部に対し、0.001〜5重量部である。好ましくは0.005〜3重量部であり、より好ましくは0.01〜1重量部である。該配合量が少なすぎると組成物野圧縮永久ひずみに代表される機械的物性が低下する場合があり、該配合量が多すぎると組成物の外観が悪化する場合がある。
本発明の熱可塑性エラストマ−組成物に用いられる成分(D):有機過酸化物とは通常、半減期が1分となる温度が150〜280℃のものが使用され、たとえば、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシドがあげられ、これらを1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、取り扱いの容易性の観点で、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンが好ましい。
成分(D)の配合量は、ポリプロピレン系樹脂(A)エチレン系共重合体ゴム(B)の合計量100重量部に対し、0.001〜5重量部である。好ましくは0.005〜3重量部であり、より好ましくは0.01〜1重量部である。該配合量が少なすぎると組成物野圧縮永久ひずみに代表される機械的物性が低下する場合があり、該配合量が多すぎると組成物の臭気が悪化する場合がある。
また、架橋助剤として、N,N'−m−フェニレンビスマレイミド、トルイレンビスマレイミド、p−キノンジオキシム、ニトロベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート等の多官能性の化合物を配合することができる。このような化合物の配合により、均一かつ緩和な架橋反応が起こり、機械的特性を向上させることが可能である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、必要に応じて、酸化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、離型剤、難燃剤、金属石鹸、ワックス、防かび剤、抗菌剤、フィラー、発泡剤などの添加剤を配合してもよい。これらの添加剤は、動的熱処理前に配合してもよく、動的熱処理後に配合してもよい。
本熱可塑性エラストマー組成物が得られる動的熱処理とは、一分子中に少なくとも2つ以上のアミノ基を有する化合物(C)および有機過酸化物(D)との存在下で、成分(A)および成分(B)を溶融混練することをいう。動的熱処理装置としては開放型のミキシングロール、非開放型のバンバリーミキサー、ニーダー、押出機等の公知のものを使用することができる。また、動的熱処理の溶融混練は、混練する全成分を一括して溶融混練してもよいし、一部の成分を混練した後に選択しなかった成分を加え溶融混練してもよい。
動的熱処理の温度は、通常、有機過酸化物の半減期が1分以下となる温度であり、好ましくは150〜280℃、より好ましくは180〜260℃である。動的熱処理する時間は、通常、有機過酸化物の半減期以上のとなる時間であり、好ましくは1〜30分、より好ましくは3〜20分である。温度が低すぎたり、時間が短すぎると、組成物の機械的強度が低下する場合があり、温度が高すぎたり、時間が長すぎると、組成物の外観が悪化したり流動性が低下する場合がある。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、射出成形、押出成形、カレンダー成形、ブロー成形等により種々の成形品に成形され、たとえばボディパネル、サイドシールド、内装部品表皮等の自動車部品;電線被覆、コネクター等の電気部品;靴底、サンダル等の履物;ゴルフクラブグリップ、水泳用フイン等のレジャー用品;防水シート、化粧剛板の被覆材、建築用窓枠等の土木用および建材用部品;ガスケット;ベルトなどの用途に使用することができる。
次に、本発明を実施例によって説明する。
[1]評価方法
(1)破断強度、破断伸び
JIS K−6251(1993)に従い、1mm厚のプレスシートからJIS4号ダンベル形状に作製した試験片を用いて引張速度200mm/minで測定した。
(2)圧縮永久ひずみ
JIS K−6262(1997)に従い、2mm厚のプレスシートから直径30mmの円盤状試験片を用いて70℃にて22時間後の圧縮永久ひずみを測定した。
[2]原料
(1)ポリプロピレン系樹脂:プロピレン単独重合体(住友化学工業株式会社製ノーブレン Y501N)
(2)無水マレイン酸にて変性されたポリプロピレン系樹脂:プロピレン単独重合体(住友化学工業株式会社製ノーブレン HD100DG2)100重量部に、無水マレイン酸2.1重量部、スチレンモノマー2.1重量部、1,3−ビス(t−ブチル パーオキシイソプロピル)ベンゼン0.36重量部を添加して十分に予備混合後、東洋精機製二軸押出機2D25−S(L/D=25,シリンダー径=20mm)を用いた。シリンダー温度は250℃に設定し、スクリュー回転数は70rpmで混練を行いサンプルを得た。
(3)エチレン系共重合体ゴム:エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(住友化学工業株式会社製エスプレンEPDM E673)
(4)無水マレイン酸にて変性されたエチレン系共重合体ゴム:エチレン―プロピレン共重合体ゴム(住友化学工業株式会社製エスプレンSPO V0111)100重量部に、無水マレイン酸2重量部、スチレンモノマー2重量部、1,3−ビス(t−ブチル パーオキシイソプロピル)ベンゼン0.08重量部を添加して十分に予備混合後、東洋精機製二軸押出機2D25−S(L/D=25,シリンダー径=20mm)を用いた。シリンダー温度は250℃に設定し、スクリュー回転数は70rpmで混練を行いサンプルを得た。
(5)ジアミン:1,12−ドデカンジアミン(デュポン株式会社製)
(6)有機化酸化物:APO−40S(化薬アクゾ株式会社製)
(7)酸化防止剤:イルガノックス1010(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
[3]熱可塑性エラストマー試料の調整
実施例1〜6および比較例1,2
表1および2に示した配合のうちジアミン、有機化酸化物を除くものをラボプラストミル(東洋精機製作所製 型式65C150)にて、回転速度96回転/分、チャンバー温度200℃の条件で、3分間混練した。その後、ジアミンを加え、同条件でさらに3分間混練を行った。その後、有機化酸化物を加え、同条件で3分間混練を行い熱可塑性エラストマー組成物を得た。更に、この熱可塑性エラストマー組成物を温度200℃で圧縮成形することにより厚み1mmおよび2mmの試験片を作製し、物性評価を行った。結果を表1,2に示す










Figure 0004507606
Figure 0004507606






Claims (3)

  1. 下記成分(A)5〜40重量%および成分(B)60〜95重量%(ただし、成分(A)と成分(B)の合計量を100重量%とする。)を成分(C)および成分(D)の存在下にて動的熱処理してなる熱可塑性エラストマー組成物。
    成分(A):下記成分(a1)20〜95重量%および成分(a2)5〜80重量%(ただし、成分(a1)と成分(a2)の合計量を100重量%とする。)を含有するポリプロピレン系樹脂
    (a1)ポリプロピレン系樹脂
    (a2)無水マレイン酸にて変性されたポリプロピレン系樹脂
    成分(B):下記成分(b1)20〜95重量%および成分(b2)5〜80重量%(ただし、成分(b1)と成分(b2)の合計量を100重量%とする。)を含有するエチレン系共重合体ゴム
    (b1)エチレン系共重合体ゴム
    (b2)無水マレイン酸にて変性されたエチレン系共重合体ゴム
    成分(C):一分子中に少なくとも2つ以上のアミノ基を有する化合物
    成分(D):有機過酸化物
  2. 成分(b1)エチレン系共重合体ゴム100重量%と鉱物油系軟化剤20〜150重量%からなり、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が20〜350である油展エチレン系ゴムである請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. エチレン系共重合体ゴム(b1)が、エチレン−プロピレン−非共役ポリエン共重合体ゴム、もしくはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンから少なくとも1種のα−オレフィンとの共重合ゴムからなる請求項1または請求項2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
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