JP2005325280A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】成形加工時或いは燃焼時にハロゲン系ガスを発生せず、しかも高い機械的強度及び柔軟性と難燃性とを両立させた難燃性樹脂組成物を提供する。特に、自動車用電線等の被覆材料として要求される難燃性、機械的強度、柔軟性、耐摩耗性等の特性を共に満足できる難燃性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記の(a)〜(e)からなる群から選択された樹脂の樹脂混合物(A)と、金属水酸化物(B)を配合したことを特徴とする難燃性樹脂組成物。
(a)ポリプロピレン樹脂、(b)直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、(c)酢酸ビニル含有量が20〜45重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体、(d)エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体、(e)エチレン−α−オレフィン共重合体。
【選択図】 なし。
【解決手段】下記の(a)〜(e)からなる群から選択された樹脂の樹脂混合物(A)と、金属水酸化物(B)を配合したことを特徴とする難燃性樹脂組成物。
(a)ポリプロピレン樹脂、(b)直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、(c)酢酸ビニル含有量が20〜45重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体、(d)エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体、(e)エチレン−α−オレフィン共重合体。
【選択図】 なし。
Description
本発明は、成形加工時或いは燃焼時にハロゲン系ガスが発生せず、しかも高い機械的強度及び柔軟性と難燃性とを両立させた難燃性樹脂組成物に関するものである。
さらに、自動車用電線等の被覆材料として要求される難燃性、機械的強度、柔軟性、耐摩耗性等の特性を満足する難燃性樹脂組成物に関するものである。
電線絶縁体、ケーブルシース、ワイヤーハーネス、家電製品部品等に使用される材料には難燃性が求められ、従来、これらの材料にポリオレフィンを用いる場合、ハロゲン含有物を配合して難燃化する方法が一般的に採用されていた。しかし、この方法では、成形加工時或いは燃焼時にハロゲン化水素ガスが発生する問題が指摘されていた。
一方、ポリオレフィンに金属水酸化物を配合し難燃化する方法も提案されている。この方法では、成形加工時或いは燃焼時にハロゲン化水素ガスの発生は無いものの、所望の難燃性を得るためには、多量の金属水酸化物を配合することが必須であった。そのため組成物の機械的強度が著しく損なわれ、例えば、自動車用電線の場合、JASO D611に規定される難燃性を満足する量の金属水酸化物を配合した場合は、機械的強度、柔軟性、耐摩耗性等を満足することができないと言う問題があった。
この問題を解決するため、分子内に酸素原子を含むエチレン−α−オレフィン共重合体、直鎖状低密度ポリエチレン、及びポリオレフィン樹脂からなる樹脂に金属水酸化物を配合する難燃性樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、係る難燃性樹脂組成物は、その柔軟性や耐摩耗性において満足できるものの、難燃性や機械的強度において満足できるものではなかった。
また、ポリエチレン、エチレン系共重合体、ポリプロピレン、相溶化樹脂からなるベース樹脂に水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムおよび難燃助剤を配合した難燃性樹脂組成物(例えば、特許文献2参照)も開示されている。しかし、係る難燃性樹脂組成物においても、耐摩耗性、柔軟性において満足できるものの、難燃性や機械的強度において満足できるものではなかった。
特開平10−330557号公報 (第1頁)
特開2003−160702号公報 (第1頁)
本発明は、成形加工時或いは燃焼時にハロゲン系ガスを発生せず、しかも高い機械的強度及び柔軟性と難燃性とを両立させた難燃性樹脂組成物を提供することにある。特に、自動車用電線等の被覆材料として要求される難燃性、機械的強度、柔軟性、耐摩耗性等の特性を共に満足できる難燃性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリプロピレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、特定の酢酸ビニル含有量を有するエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体、及びエチレン−α−オレフィン共重合体からなる樹脂混合物に、金属水酸化物を配合した難燃性樹脂組成物は、自動車用電線等の被覆材料として要求される難燃性、機械的強度、柔軟性、耐摩耗性等の特性を共に満足できる難燃性樹脂組成物であることを見出し本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、その第1の態様において(以下、「態様1」と称する。)、
下記の(a)〜(e)の構成要素からなる樹脂(A)と金属水酸化物(B)を配合してなる難燃性樹脂組成物であり、構成要素(a)〜(e)の構成比率の総和が100重量%である該樹脂(A)100重量部に対し、金属水酸化物(B)を70〜150重量部配合したことを特徴とする難燃性樹脂組成物に関するものである。
(a)ポリプロピレン樹脂:15〜60重量%、
(b)密度(JIS K6922−1(1998年版)に準拠)が0.900〜0.940g/cm3である直鎖状低密度ポリエチレン樹脂:10〜50重量%、
(c)JIS K6924−1(1998年版)に準拠し測定した酢酸ビニル含有量が20〜45重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体:5〜30重量%、
(d)エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体:5〜30重量%、
(e)密度(JIS K6922−1(1998年版)に準拠)が0.900g/cm3未満であるエチレン−α−オレフィン共重合体:5〜40重量%。
下記の(a)〜(e)の構成要素からなる樹脂(A)と金属水酸化物(B)を配合してなる難燃性樹脂組成物であり、構成要素(a)〜(e)の構成比率の総和が100重量%である該樹脂(A)100重量部に対し、金属水酸化物(B)を70〜150重量部配合したことを特徴とする難燃性樹脂組成物に関するものである。
(a)ポリプロピレン樹脂:15〜60重量%、
(b)密度(JIS K6922−1(1998年版)に準拠)が0.900〜0.940g/cm3である直鎖状低密度ポリエチレン樹脂:10〜50重量%、
(c)JIS K6924−1(1998年版)に準拠し測定した酢酸ビニル含有量が20〜45重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体:5〜30重量%、
(d)エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体:5〜30重量%、
(e)密度(JIS K6922−1(1998年版)に準拠)が0.900g/cm3未満であるエチレン−α−オレフィン共重合体:5〜40重量%。
さらに、本発明は、その第2の態様において(以下、「態様2」と称する。)、
下記記載の(a)〜(d)の構成要素からなる樹脂(A)に金属水酸化物(B)を配合してなる難燃性樹脂組成物であり、構成要素(a)〜(d)の構成比率の総和が100重量%である該樹脂(A)100重量部に対し、金属水酸化物(B)を60〜150重量部配合したことを特徴とする難燃性樹脂組成物に関するものである。
(a)ポリプロピレン樹脂:15〜60重量%、
(b)密度(JIS K6922−1(1998年版)に準拠)が0.900〜0.940g/cm3である直鎖状低密度ポリエチレン樹脂:10〜65重量%、
(c)JIS K6924−1(1998年版)に準拠し測定した酢酸ビニル含有量が20〜45重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体:5〜50重量%、
(d)エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体を5〜30重量%。
下記記載の(a)〜(d)の構成要素からなる樹脂(A)に金属水酸化物(B)を配合してなる難燃性樹脂組成物であり、構成要素(a)〜(d)の構成比率の総和が100重量%である該樹脂(A)100重量部に対し、金属水酸化物(B)を60〜150重量部配合したことを特徴とする難燃性樹脂組成物に関するものである。
(a)ポリプロピレン樹脂:15〜60重量%、
(b)密度(JIS K6922−1(1998年版)に準拠)が0.900〜0.940g/cm3である直鎖状低密度ポリエチレン樹脂:10〜65重量%、
(c)JIS K6924−1(1998年版)に準拠し測定した酢酸ビニル含有量が20〜45重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体:5〜50重量%、
(d)エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体を5〜30重量%。
本発明の難燃性樹脂組成物は、成形加工時或いは燃焼時にハロゲン系ガスを発生せず、しかも高い機械的強度及び柔軟性と難燃性とを両立させたものである。特に、本発明の難燃性樹脂組成物は、自動車用電線等の被覆材料として要求される難燃性、機械的強度、柔軟性、耐摩耗性等の特性を共に満足できるものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の難燃性樹脂組成物を得るための、樹脂(A)の構成要素(a)〜(e)、及びその構成比率について述べる。
「ポリプロピレン樹脂(a)」
本発明で用いるポリプロピレン樹脂(a)は、プロピレンを主体とする重合体であれば特に限定はない。例えば、プロピレンの単独重合体であるホモポリマー、プロピレンとエチレン及びブテン、ヘキセン等の炭素数4以上のオレフィンモノマーの1種或いは2種以上とをランダムに共重合させたランダムコポリマー、ポリプロピレンのマトリックス中に、プロピレンとエチレン及びブテン、ヘキセン等の炭素数4以上のオレフィンモノマーの1種或いは2種以上とをランダムに共重合させたランダムコポリマーのドメインを有するブロックコポリマー等、若しくはこれらポリプロピレン樹脂の1種又は2種以上の混合物が挙げられる。中でも、金属水酸化物(B)を配合した際に難燃性樹脂組成物の良好な柔軟性を得られることからブロックコポリマーが好ましく用いられる。
本発明で用いるポリプロピレン樹脂(a)は、プロピレンを主体とする重合体であれば特に限定はない。例えば、プロピレンの単独重合体であるホモポリマー、プロピレンとエチレン及びブテン、ヘキセン等の炭素数4以上のオレフィンモノマーの1種或いは2種以上とをランダムに共重合させたランダムコポリマー、ポリプロピレンのマトリックス中に、プロピレンとエチレン及びブテン、ヘキセン等の炭素数4以上のオレフィンモノマーの1種或いは2種以上とをランダムに共重合させたランダムコポリマーのドメインを有するブロックコポリマー等、若しくはこれらポリプロピレン樹脂の1種又は2種以上の混合物が挙げられる。中でも、金属水酸化物(B)を配合した際に難燃性樹脂組成物の良好な柔軟性を得られることからブロックコポリマーが好ましく用いられる。
また、ポリプロピレン樹脂(a)は、難燃性樹脂組成物の良好な機械的強度、電線の成形性を得るために、そのメルトフローレイト(JIS K6921−1(1998年版に準拠、測定条件:温度230℃、荷重21.18N)が0.1〜10g/分の範囲であることが好ましい。
樹脂(A)におけるポリプロピレン樹脂(a)の構成比率は、
態様1及び2において、15〜60重量%、好ましくは25〜50重量%の範囲である。構成比率が15重量%未満では、難燃性樹脂組成物の機械的強度、及び耐摩耗性に劣り、一方、60重量%より多いと難燃性樹脂組成物の柔軟性が低下する。
態様1及び2において、15〜60重量%、好ましくは25〜50重量%の範囲である。構成比率が15重量%未満では、難燃性樹脂組成物の機械的強度、及び耐摩耗性に劣り、一方、60重量%より多いと難燃性樹脂組成物の柔軟性が低下する。
「直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(b)」
本発明で用いる直鎖状低密度ポリエチレン(b)は、難燃性樹脂組成物の柔軟性を向上させ、かつ構成要素(a)、(c)、(d)及び(e)相互の相溶化を促進させるために用いられ、密度(JIS K6922−1(1998年版)に準拠)が0.900〜0.940g/cm3、好ましくは0.900〜0.920g/cm3である直鎖状低密度ポリエチレンであれば特に限定はない。中でも、難燃性樹脂組成物の良好な機械的強度、柔軟性、電線の成形性を得るために、メルトフローレイト(JIS K6922−1(1998年版)に準拠、測定条件:温度190℃、荷重21.18N)が0.5〜10g/10分、デュロメータD硬度(JIS K7215(1998年版)に準拠)は60以下である直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
本発明で用いる直鎖状低密度ポリエチレン(b)は、難燃性樹脂組成物の柔軟性を向上させ、かつ構成要素(a)、(c)、(d)及び(e)相互の相溶化を促進させるために用いられ、密度(JIS K6922−1(1998年版)に準拠)が0.900〜0.940g/cm3、好ましくは0.900〜0.920g/cm3である直鎖状低密度ポリエチレンであれば特に限定はない。中でも、難燃性樹脂組成物の良好な機械的強度、柔軟性、電線の成形性を得るために、メルトフローレイト(JIS K6922−1(1998年版)に準拠、測定条件:温度190℃、荷重21.18N)が0.5〜10g/10分、デュロメータD硬度(JIS K7215(1998年版)に準拠)は60以下である直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
樹脂(A)における直鎖状低密度ポリエチレン(b)の構成比率は、
態様1においては、10〜50重量%、好ましくは、15〜45重量%である。10重量%未満では構成要素(a)、(c)、(d)及び(e)相互の相溶化が不足し、難燃性樹脂組成物の機械的強度、柔軟性が低下し、一方、50重量%より多いと難燃性樹脂組成物の機械的強度が低下する。又、
態様2においては、10〜65重量%、好ましくは、15〜55重量%である。10重量%未満では構成要素(a)、(c)、及び(d)相互の相溶化が不足し、難燃性樹脂組成物の機械的強度、柔軟性が低下し、一方、65重量%より多いと難燃性樹脂組成物の機械的強度が低下する。
態様1においては、10〜50重量%、好ましくは、15〜45重量%である。10重量%未満では構成要素(a)、(c)、(d)及び(e)相互の相溶化が不足し、難燃性樹脂組成物の機械的強度、柔軟性が低下し、一方、50重量%より多いと難燃性樹脂組成物の機械的強度が低下する。又、
態様2においては、10〜65重量%、好ましくは、15〜55重量%である。10重量%未満では構成要素(a)、(c)、及び(d)相互の相溶化が不足し、難燃性樹脂組成物の機械的強度、柔軟性が低下し、一方、65重量%より多いと難燃性樹脂組成物の機械的強度が低下する。
「エチレン−酢酸ビニル共重合体(c)」
本発明で用いるエチレン−酢酸ビニル共重合体(c)は、難燃性樹脂組成物の柔軟性と難燃性を向上させるために用いられ、JIS K6924−1(1998年版)に準拠し測定した酢酸ビニル含有量が20〜45重量%、好ましくは28〜42重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体であれば特に限定はない。エチレン−酢酸ビニル共重合体(c)の酢酸ビニル含有量が20重量%より小さいと、難燃性樹脂組成物の柔軟性、難燃性に劣り、一方、酢酸ビニル含有量が45重量%より大きいと、難燃性樹脂組成物の機械的強度が低下する。
本発明で用いるエチレン−酢酸ビニル共重合体(c)は、難燃性樹脂組成物の柔軟性と難燃性を向上させるために用いられ、JIS K6924−1(1998年版)に準拠し測定した酢酸ビニル含有量が20〜45重量%、好ましくは28〜42重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体であれば特に限定はない。エチレン−酢酸ビニル共重合体(c)の酢酸ビニル含有量が20重量%より小さいと、難燃性樹脂組成物の柔軟性、難燃性に劣り、一方、酢酸ビニル含有量が45重量%より大きいと、難燃性樹脂組成物の機械的強度が低下する。
又、エチレン−酢酸ビニル共重合体(c)は、難燃性樹脂組成物の良好な機械的強度を得るために、そのメルトフローレイト(JIS K6924−1(1998年版)に準拠、測定条件:温度190℃、荷重21.18N)が0.5〜10g/10分の範囲であることが好ましい。
樹脂(A)におけるエチレン−脂肪酸ビニル共重合体(c)の構成比率は、
態様1においては、5〜30重量%、好ましくは5〜25重量%である。構成比率が5重量%より少ないと難燃性樹脂組成物の難燃性が劣り、一方30重量%より多いと難燃性樹脂組成物の機械的強度が劣る。又、
態様2においては、5〜50重量%、好ましくは5〜45重量%である。構成比率が5重量%より少ないと難燃性樹脂組成物の難燃性が劣り、一方 50重量%より多いと難燃性樹脂組成物の機械的強度が劣る。
態様1においては、5〜30重量%、好ましくは5〜25重量%である。構成比率が5重量%より少ないと難燃性樹脂組成物の難燃性が劣り、一方30重量%より多いと難燃性樹脂組成物の機械的強度が劣る。又、
態様2においては、5〜50重量%、好ましくは5〜45重量%である。構成比率が5重量%より少ないと難燃性樹脂組成物の難燃性が劣り、一方 50重量%より多いと難燃性樹脂組成物の機械的強度が劣る。
「エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(d)」
本発明で用いるエチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(d)は、難燃性樹脂組成物の難燃性を向上させるために用いられ、一般式(1)式
本発明で用いるエチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(d)は、難燃性樹脂組成物の難燃性を向上させるために用いられ、一般式(1)式
一般式(1)式において、l+m+n=1であり、R1は炭素数1〜10の炭化水素基である。なお、難燃性樹脂組成物の良好な機械的強度及び難燃性を得るために、l、m及びnは、l=0.60〜0.95、m=0.01〜0.39、n=0.01〜0.40の範囲であることが好ましい。
エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(d)の製法は特に限定はない。例えば、エチレン、脂肪酸ビニルエステル、及びビニルアルコールの各モノマーを共重合する方法、エチレン−脂肪酸ビニル共重合樹脂を鹸化する方法等が挙げられる。中でも、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂の鹸化物は工業的に入手が容易であり好ましい。
樹脂(A)におけるエチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(d)の構成比率は、
態様1及び2において、5〜30重量%、好ましくは5〜15重量%である。構成比率が5重量%より少ないと難燃性樹脂組成物の難燃性が劣り、一方、30重量%より多いと難燃性樹脂組成物の機械的強度が劣る。
態様1及び2において、5〜30重量%、好ましくは5〜15重量%である。構成比率が5重量%より少ないと難燃性樹脂組成物の難燃性が劣り、一方、30重量%より多いと難燃性樹脂組成物の機械的強度が劣る。
「エチレン−α−オレフィン共重合体(e)」
本発明で用いるエチレン−α−オレフィン共重合体(e)は、難燃性樹脂組成物の柔軟性を向上させるために用いられ、密度(JIS K6922−1(1998年版)に準拠)が0.900g/cm3未満であるエチレン−α−オレフィン共重合体であれば特に限定はない。中でも、難燃性樹脂組成物の良好な機械的強度、柔軟性、電線の成形性を得るために、メルトフローレイト(JIS K6921−1(1998年版に準拠、測定条件:温度230℃、荷重21.18N)が0.01〜10g/10分であるエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。エチレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、例えば炭素原子数3以上のプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン等を例示することができる。
本発明で用いるエチレン−α−オレフィン共重合体(e)は、難燃性樹脂組成物の柔軟性を向上させるために用いられ、密度(JIS K6922−1(1998年版)に準拠)が0.900g/cm3未満であるエチレン−α−オレフィン共重合体であれば特に限定はない。中でも、難燃性樹脂組成物の良好な機械的強度、柔軟性、電線の成形性を得るために、メルトフローレイト(JIS K6921−1(1998年版に準拠、測定条件:温度230℃、荷重21.18N)が0.01〜10g/10分であるエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。エチレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、例えば炭素原子数3以上のプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン等を例示することができる。
また、エチレン−α−オレフィン共重合体(e)として、難燃性樹脂組成物の良好な機械的強度、柔軟性を得るために、カルボン酸、その無水物またはそのエステル等で変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体を用いることもできる。
樹脂(A)におけるエチレン−α−オレフィン共重合体(e)の構成比率は、
態様1において、5〜40重量%、好ましくは10〜25重量%である。構成比率が5重量%より少ないと難燃性樹脂組成物の柔軟性が劣り、一方、40重量%より多いと難燃性樹脂組成物の機械的強度が劣る。又、
態様2においては(e)を用いない。
次に、樹脂(A)に配合する金属水酸化物(B)、及びその配合比について述べる。
態様1において、5〜40重量%、好ましくは10〜25重量%である。構成比率が5重量%より少ないと難燃性樹脂組成物の柔軟性が劣り、一方、40重量%より多いと難燃性樹脂組成物の機械的強度が劣る。又、
態様2においては(e)を用いない。
次に、樹脂(A)に配合する金属水酸化物(B)、及びその配合比について述べる。
本発明で用いられる金属水酸化物(B)は金属水酸化物であれば特に限定はない。例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、ハイドロタルサイト類、カルシウム・アルミネート水和物、一般式(2)式
Mg1−xM(OH)2 (2)
(ここでMはMn、Fe、Co、Ni、Cu、Znから選ばれる1種以上の元素であり、Xは0より大きく0.1以下の値である)で示される複合水酸化マグネシウム等、及びこれらの少なくとも1種若しくは2種以上を含む金属水酸化物混合物が挙げられる。
Mg1−xM(OH)2 (2)
(ここでMはMn、Fe、Co、Ni、Cu、Znから選ばれる1種以上の元素であり、Xは0より大きく0.1以下の値である)で示される複合水酸化マグネシウム等、及びこれらの少なくとも1種若しくは2種以上を含む金属水酸化物混合物が挙げられる。
なお、ここで言う複合水酸化マグネシウムとは、水酸化マグネシウムとマグネシウム以外の2価金属元素Mの水酸化物との固溶体を言う。
中でも、難燃性樹脂組成物の難燃性及び金属水酸化物の分解温度の面から、水酸化マグネシウム、及び/又は複合水酸化マグネシウムが好ましい。
本発明の金属水酸化物(B)は、その表面が被覆処理されているもの、若しくはされていないもののいずれも用いることができる。中でも、表面が被覆処理されているものを用いるのが好ましい。
表面が被覆処理される場合の、表面被覆処理剤は特に限定はない。例えば、高級脂肪酸(例えば、ステアリン酸、オレイン酸等)、及びそのアルカリ金属塩、アニオン系界面活性剤(例えば、高級アルコールの硫酸エステル等)、リン酸エステル(例えば、オルトリン酸と高級アルコールのエステル類等)、シラン系カップリング剤(例えば、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等)、チタネート系カップリング剤(例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート等)、アルミニウム系カップリング剤(アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等)、多価アルコールと脂肪酸のエステル類(グリセリンモノステアレート等)等が挙げられる。これら表面処理剤の中で、難燃性樹脂組成物の機械的強度、耐摩耗性の面からシラン系カップリング剤が好ましく、中でも、ビニルシラン、アミノシラン、及びメタクリロキシシランが最も好ましい例として挙げられる。
樹脂(A)に対する金属水酸化物(B)の配合量は、
態様1において、該樹脂(A)100重量部に対し、70〜150重量部、好ましくは75〜120重量部である。金属水酸化物(B)の配合量が70重量部未満であると難燃性樹脂組成物の難燃性が劣り、一方150重量部より多いと難燃性樹脂組成物の柔軟性が劣る。又、
態様2において、該樹脂(A)100重量部に対し、60〜150重量部、好ましくは65〜120重量部である。金属水酸化物(B)の配合量が60重量部未満であると難燃性樹脂組成物の難燃性が劣り、一方150重量部より多いと難燃性樹脂組成物の柔軟性が劣る。
態様1において、該樹脂(A)100重量部に対し、70〜150重量部、好ましくは75〜120重量部である。金属水酸化物(B)の配合量が70重量部未満であると難燃性樹脂組成物の難燃性が劣り、一方150重量部より多いと難燃性樹脂組成物の柔軟性が劣る。又、
態様2において、該樹脂(A)100重量部に対し、60〜150重量部、好ましくは65〜120重量部である。金属水酸化物(B)の配合量が60重量部未満であると難燃性樹脂組成物の難燃性が劣り、一方150重量部より多いと難燃性樹脂組成物の柔軟性が劣る。
本発明の難燃性樹脂組成物を製造する方法は特に限定はない。具体例として、樹脂(A)の各構成要素及び金属水酸化物(B)を、押出機、ニーダ、バンバリーミキサー、ロール等を用いて混練する。なお、係る混練においては、それらを一時に混練機に投入して混練しても、逐次投入して混練しても、いずれでも構わない。
また、本発明では、本発明の趣旨を損なわない限りにおいて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、充填剤、架橋剤、架橋助剤、他の難燃剤等の、他の副資材や添加剤を併用してもよい。
更には、本発明の難燃性樹脂組成物は、成形後に架橋してもよい。その方法としては、有機過酸化物やアゾ化合物の熱分解によって生成するラジカルを利用する化学架橋、電子線等の電離放射線を照射する電離放射線架橋、有機シラン化合物を用いるシラン架橋等が例示される。
本発明の難燃性樹脂組成物は、高い難燃性、機械的強度、柔軟性が必要とされる用途、例えば電線絶縁体、ケーブルシース、ワイヤーハーネス、家電製品部品等に使用される。
次に、本発明を実施例及び比較例によって説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例及び比較例において、樹脂(A)の構成要素(a)〜(e)、金属水酸化物(B)として以下のものを用いた。
「樹脂(A)の構成要素(a)〜(e)」
(a1)ポリプロピレン樹脂(出光石油化学(株)製 商品名「IDEMITSU PP E250G」、メルトフローレイト=1g/10分)
(b1)直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名「ニポロンL F15R」、メルトフローレイト=0.8g/10分、密度=0.925、デュロメータD硬度=57)
(b2)直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名「ニポロンZ 7P04B」、メルトフローレイト=2g/10分、密度=0.900、デュロメータD硬度=44)
(b3)直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名「LUMITAC 22−1」、メルトフローレイト=2g/10分、密度=0.900、デュロメータD硬度=42)
(c1)エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(東ソー(株)製、商品名「ウルトラセンYX13A」、酢酸ビニル含有量=32%、メルトフローレイト=1g/10分)
(c2)エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(東ソー(株)製、商品名「ウルトラセンYX21」、酢酸ビニル含有量=41%、メルトフローレイト=0.2g/10分
(c3)エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(東ソー(株)製、商品名「ウルトラセン627」、酢酸ビニル含有量=20%、メルトフローレイト=0.8g/10分
(c4)エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(東ソー(株)製、商品名「ウルトラセン626」、酢酸ビニル含有量=15%、メルトフローレイト=3g/10分
(d1)エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(東ソー(株)製、商品名「メルセンH6820」、l=0.817、m=0.021、n=0.162)
(d2)エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(東ソー(株)製、商品名「メルセンH6410」、l=0.851、m=0.065、n=0.084)
(e1)エチレン−プロピレン共重合体(三井化学(株)製、商品名「タフマーP0180」、メルトフローレイト=8.1g/10分、密度=0.87)
(e2)エチレン−ブテン共重合体(三井化学(株)製、商品名「タフマーA4085」、メルトフローレイト=6.7g/10分、密度=0.88)
(e3)酸変性エチレン−プロピレン共重合体(三井化学(株)製、商品名「タフマーMP0620」、メルトフローレイト=0.3g/10分、密度=0.87)
(a1)ポリプロピレン樹脂(出光石油化学(株)製 商品名「IDEMITSU PP E250G」、メルトフローレイト=1g/10分)
(b1)直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名「ニポロンL F15R」、メルトフローレイト=0.8g/10分、密度=0.925、デュロメータD硬度=57)
(b2)直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名「ニポロンZ 7P04B」、メルトフローレイト=2g/10分、密度=0.900、デュロメータD硬度=44)
(b3)直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名「LUMITAC 22−1」、メルトフローレイト=2g/10分、密度=0.900、デュロメータD硬度=42)
(c1)エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(東ソー(株)製、商品名「ウルトラセンYX13A」、酢酸ビニル含有量=32%、メルトフローレイト=1g/10分)
(c2)エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(東ソー(株)製、商品名「ウルトラセンYX21」、酢酸ビニル含有量=41%、メルトフローレイト=0.2g/10分
(c3)エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(東ソー(株)製、商品名「ウルトラセン627」、酢酸ビニル含有量=20%、メルトフローレイト=0.8g/10分
(c4)エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(東ソー(株)製、商品名「ウルトラセン626」、酢酸ビニル含有量=15%、メルトフローレイト=3g/10分
(d1)エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(東ソー(株)製、商品名「メルセンH6820」、l=0.817、m=0.021、n=0.162)
(d2)エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(東ソー(株)製、商品名「メルセンH6410」、l=0.851、m=0.065、n=0.084)
(e1)エチレン−プロピレン共重合体(三井化学(株)製、商品名「タフマーP0180」、メルトフローレイト=8.1g/10分、密度=0.87)
(e2)エチレン−ブテン共重合体(三井化学(株)製、商品名「タフマーA4085」、メルトフローレイト=6.7g/10分、密度=0.88)
(e3)酸変性エチレン−プロピレン共重合体(三井化学(株)製、商品名「タフマーMP0620」、メルトフローレイト=0.3g/10分、密度=0.87)
金属水酸化物(B)として以下のものを用いた。
(B1)水酸化マグネシウム(ティーエムジー(株)製、商品名「ファインマグMO−E」、メタクリロキシシラン処理)
(B2)複合水酸化マグネシウム(ティーエムジー(株)製、商品名「ファインマグSN−E」、メタクリロキシシラン処理、Ni固溶体の複合金属水酸化マグネシウム Mg0.98Ni0.02(OH)2)
(B1)水酸化マグネシウム(ティーエムジー(株)製、商品名「ファインマグMO−E」、メタクリロキシシラン処理)
(B2)複合水酸化マグネシウム(ティーエムジー(株)製、商品名「ファインマグSN−E」、メタクリロキシシラン処理、Ni固溶体の複合金属水酸化マグネシウム Mg0.98Ni0.02(OH)2)
各評価は次の様に行った。
「引張試験」
引張試験用の試料をJIS K6251の3号型ダンベルで打ち抜いた後、装置名「テンシロンUTM−2.5TPL」(東洋ボールドウィン社製)を用いて、200mm/分にて引張試験を行い、JASO D611に基づき、引張強度が15.7MPa以上で、引張伸び率が125%以上であるものを合格とした。尚、引張伸び率は、組成物の柔軟性の表わすものとし、高い数値のものほど柔軟性に優れると判断した。
「引張試験」
引張試験用の試料をJIS K6251の3号型ダンベルで打ち抜いた後、装置名「テンシロンUTM−2.5TPL」(東洋ボールドウィン社製)を用いて、200mm/分にて引張試験を行い、JASO D611に基づき、引張強度が15.7MPa以上で、引張伸び率が125%以上であるものを合格とした。尚、引張伸び率は、組成物の柔軟性の表わすものとし、高い数値のものほど柔軟性に優れると判断した。
「JASO D611燃焼試験」
JASO D611に準じて、5本の試料で試験を行った。各試料の燃焼時間が15秒以内であるものを合格とした。
JASO D611に準じて、5本の試料で試験を行った。各試料の燃焼時間が15秒以内であるものを合格とした。
「耐摩耗性試験」
JASO D611のブレード往復法に準じ、ブレードにかかる荷重を7Nとして行った。摩耗抵抗の基準を200回とし、200回以上のものを合格とした。
JASO D611のブレード往復法に準じ、ブレードにかかる荷重を7Nとして行った。摩耗抵抗の基準を200回とし、200回以上のものを合格とした。
(実施例1〜15)
構成要素(a)〜(e)からなる樹脂(A)に金属水酸化物(B)配合して難燃性樹脂組成物を作成し、評価した。各成分の配合率を表1に示す。
構成要素(a)〜(e)からなる樹脂(A)に金属水酸化物(B)配合して難燃性樹脂組成物を作成し、評価した。各成分の配合率を表1に示す。
各成分の配合は、各成分を180℃に加熱した加圧ニーダに投入し、10分間混練した。混練物をロールで圧延しシート状にし、これをシートペレタイザーで裁断して、ペレット状の組成物を調整した。このペレット状の組成物を電線成形用のダイを装着した20mm単軸押出機に投入し、外径0.8mmの銅線に0.5mmの厚みで組成物を被覆し、電線を成形した。成形温度は200℃で行った。また前記シート状の組成物を180℃に加熱したプレス成形機で5分間プレスし、厚み1mmのシートを成形した。この1mmのシートを引張試験用の試料とした。次いで、これら電線、引張試験用の試料を用いてJASO D611燃焼試験、耐摩耗性試験、及び引張試験を行った。その評価結果を表1に併せて示した。
表1から明らかな様に、実施例1〜15の難燃性樹脂組成物は、引張強度、引張伸び率は共にJASO D611で判定し合格であり、またJASO D611燃焼試験も合格であった。更には、摩耗抵抗もJASO D611で判定し合格であった。
各成分の配合、及び得られた難燃性樹脂組成物の評価は実施例1と同様の方法で行った。その評価結果を表2に併せて示した。
表2から明らかな様に、樹脂(A)の各構成要素の構成比率、酢酸ビニル含有量、或いは金属水酸化物(B)の配合量のいずれかが本発明の構成範囲から外れる場合は、引張強度、引張伸び率、燃焼試験、或いは摩耗抵抗のいずれかが、JASO D611で判定し不合格であった。
各成分の配合、及び得られた難燃性樹脂組成物の評価は実施例1と同様の方法で行った。その評価結果を表3に併せて示した。
表3から明らかな様に、実施例16〜25の難燃性樹脂組成物は、引張強度、引張伸び率は共にJASO D611で判定し合格であり、またJASO D611燃焼試験も合格であった。更には、摩耗抵抗もJASO D611で判定し合格であった。
各成分の配合、及び得られた難燃性樹脂組成物の評価は実施例1と同様の方法で行った。その評価結果を表4に併せて示した。
表4から明らかな様に、樹脂(A)の各構成要素の構成比率、酢酸ビニル含有量、或いは金属水酸化物(B)の配合量のいずれかが本発明の構成範囲から外れる場合は、引張強度、引張伸び率、燃焼試験、或いは摩耗抵抗のいずれかが、JASO D611で判定し不合格であった。
本発明は、成形加工時或いは燃焼時にハロゲン系ガスを発生せず、しかも高い機械的強度及び柔軟性と難燃性とを両立させた有用な難燃性樹脂組成物に関するものである。特に本発明は、自動車用電線等の被覆材料として要求される難燃性、機械的強度、柔軟性、耐摩耗性等の特性を共に満足できる有用な難燃性樹脂組成物に関するものである。
Claims (6)
- 下記の(a)〜(e)の構成要素からなる樹脂(A)と金属水酸化物(B)を配合してなる難燃性樹脂組成物であり、構成要素(a)〜(e)の構成比率の総和が100重量%である該樹脂(A)100重量部に対し、金属水酸化物(B)を70〜150重量部配合したことを特徴とする難燃性樹脂組成物。
(a)ポリプロピレン樹脂:15〜60重量%、
(b)密度(JIS K6922−1(1998年版)に準拠)が0.900〜0.940g/cm3である直鎖状低密度ポリエチレン樹脂:10〜50重量%、
(c)JIS K6924−1(1998年版)に準拠し測定した酢酸ビニル含有量が20〜45重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体:5〜30重量%、
(d)エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体を5〜30重量%、
(e)密度(JIS K6922−1(1998年版)に準拠)が0.900g/cm3未満であるエチレン−α−オレフィン共重合体:5〜40重量%。 - 下記の(a)〜(d)の構成要素からなる樹脂(A)に金属水酸化物(B)を配合してなる難燃性樹脂組成物であり、構成要素(a)〜(d)の構成比率の総和が100重量%である該樹脂(A)100重量部に対し、金属水酸化物(B)を60〜150重量部配合したことを特徴とする難燃性樹脂組成物。
(a)ポリプロピレン樹脂:15〜60重量%、
(b)密度(JIS K6922−1(1998年版)に準拠)が0.900〜0.940g/cm3である直鎖状低密度ポリエチレン樹脂:10〜65重量%、
(c)JIS K6924−1(1998年版)に準拠し測定した酢酸ビニル含有量が20〜45重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体:5〜50重量%、
(d)エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体:5〜30重量%。 - 樹脂(A)の構成要素である直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(b)の密度が0.900〜0.920g/cm3(JIS K6922−1(1998年版)に準拠し測定。)であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の難燃性樹脂組成物。
- 金属水酸化物(B)が水酸化マグネシウム及び/又は一般式(2)
Mg1−xM(OH)2 (2)
(ここでMはMn、Fe、Co、Ni、Cu、Znから選ばれる1種以上の元素であり、Xは0より大きく0.1以下の値である)
で示される複合水酸化マグネシウムを用いることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。 - 金属水酸化物(B)がシラン系カップリング剤により表面処理されていることを特徴とする、請求項4に記載の難燃性樹脂組成物。
- シラン系カップリング剤がビニルシラン、アミノシラン及びメタクリロキシシランからなる群から選ばれる1種以上のシラン系カップリング剤であることを特徴とする請求項5に記載の難燃性樹脂組成物。
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- 2004-05-17 JP JP2004146041A patent/JP2005325280A/ja active Pending
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