JP4893054B2 - エアバッグカバー用熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

エアバッグカバー用熱可塑性エラストマー組成物 Download PDF

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本発明は、エアバッグカバー用熱可塑性エラストマー組成物に関するものである。更に詳しくは、本発明は、特定のプロピレン系樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、炭素原子数が6以上のα−オレフィンから誘導される単量体単位を含有するエチレン系共重合体からなるエアバッグカバー用熱可塑性エラストマー組成物であって、得られる熱可塑性エラストマー組成物が適度な剛性を有し、射出成形性と低温衝撃性、引張り物性等の物性バランスに優れたエアバッグカバー用熱可塑性エラストマー組成物に関するものである。
自動車用エアバッグシステムのエアバッグカバーには、適度な剛性を有し、衝突の際、エアバッグが展開できるように確実に破裂しかつ破片が飛び散らないこと、寒冷地での使用にも耐える強度を有すること、耐熱性を有することなどが求められている。エアバッグカバーに用いられる材料としては、例えば、ランダムポリプロピレンと低密度ポリエチレンとエチレン系共重合体ゴムとを含有する組成物や、オレフィン系樹脂とオレフィン系ゴムとを含有する組成物などからなる材料が提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。
しかしながら、エアバッグカバー用の材料には、更なる射出成形性、および得られる成形体の機械物性、耐熱性等の向上、及びこれら要求特性をバランスよく有することが求められている。
特開平8−27331号公報 特開平10−273001号公報
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、射出成形性、低温衝撃性、引張り物性、耐熱性に優れる熱可塑性エラストマー組成物を提供することにある。
すなわち本発明は、下記成分(A)、(B)および成分(C)を含有し、成分(A)、(B)および(C)の合計量を100重量%として、成分(A)の含有量が30〜60重量%であり、成分(B)と成分(C)の含有量の比(成分(B)の含有量/成分(C)の含有量)が0.5〜5であり、曲げ弾性率が100〜800MPaであるエアバッグカバー用熱可塑性エラストマー組成物に係るものである。
(A):融解温度が150℃以上であり、第1工程で重合されたプロピレンから誘導される単量体単位の含有量が90〜100重量%以上であるプロピレン系重合体部(A1)50〜90重量%と、第2工程で重合されたエチレン含有量が30〜70重量%であるエチレン−プロピレン共重合体部(A2)10〜50重量%からなるプロピレン系重合体(但し、成分(A1)と成分(A2)からなるプロピレン系重合体の全量を100重量%とする)
(B):ガラス転移温度が−45℃未満、135℃のテトラリン中で測定される極限粘度[η]が1.8〜4dl/gであり、エチレン含有量が40〜70重量%であるエチレン−プロピレン共重合体
(C):密度が850〜920Kg/m3であり、温度190℃および荷重21.18Nの条件で測定されるメルトフローレートが0.01〜20g/10分である、炭素原子数が6以上のα−オレフィンから誘導される単量体単位を含有するエチレン系共重合体
本発明により、射出成形性、および低温衝撃性、ウェルド物性等の機械物性に優れるエアバッグカバー用熱可塑性エラストマー組成物を提供することができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物に含まれる成分(A)のプロピレン系重合体は、融解温度が150℃以上であり、第1工程で重合されたプロピレンから誘導される単量体単位の含有量が90〜100重量%以上であるプロピレン系重合体部(A1)50〜90重量%と、第2工程で重合されたエチレン含有量が30〜70重量%であるエチレン−プロピレン共重合体部(A2)10〜50重量%からなるプロピレン系重合体(但し、成分(A1)と成分(A2)からなるプロピレン系重合体の全量を100重量%とする)である。
成分(A)のプロピレン系重合体中に含まれるプロピレン系重合体部(A1)は、プロピレンから誘導される単量体とエチレンまたは炭素原子数4〜20の鎖状オレフィンから誘導される単量体との共重合体であってもよい。炭素原子数4〜20の鎖状オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン等の直鎖状オレフィン;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等の分岐状オレフィンなどがあげられ、これらは1種以上用いられる。
成分(A)のプロピレン系重合体中に含まれるプロピレン系重合体部(A1)は、プロピレンから誘導される単量体単位の含有量が90〜100重量%であり、好ましくは95〜100%、さらに好ましくは98〜100%である。プロピレンから誘導される単量体単位の含有量が過小であると、射出成形後、成形品を金型から取り出す際の離型性が劣ることがある。
成分(A)のプロピレン系重合体中に含まれるエチレン−プロピレン共重合体部(A2)は、エチレン含有量が30〜70重量%であり、好ましくは35〜60重量%である。エチレン含有量が過大、または過小であると得られる熱可塑性エラストマー組成物の機械的強度が劣ることがある。
成分(A)のプロピレン系重合体は、プロピレンから誘導される単量体単位の含有量が90〜100重量%以上であるプロピレン系重合体部(A1)50〜90重量%と、エチレン含有量が30〜70重量%であるエチレン−プロピレン共重合体部(A2)50〜10重量%からなる。(但し、成分(A1)と成分(A2)からなるプロピレン系重合体の全量を100重量%とする)成分(A)のプロピレン系重合体中に含まれる(A1)の含有量が過小であると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の溶融流動性が劣ることがあり、(A1)の含有量が過大であると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の機械的強度が劣ることがある。
成分(A)のプロピレン系樹脂の融解温度は、150℃以上であり、好ましくは155℃以上であり、より好ましくは158℃以上である。該融温度が低すぎると、成形品の耐熱変形性が不十分となったり(熱変形量が大きくなる)、離型性が劣ることがある。なお、該融解温度は、JIS K7121に準拠し、示差走査熱量測定(DSC)法により測定される。
成分(A)のプロピレン系樹脂は、温度230℃および荷重21.18Nの条件で測定されるメルトフローレートが5〜150g/10分であり、好ましくは10〜120g/分である。メルトフローレートが過小であると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の溶融流動性が劣ることがあり、過大であると得られる熱可塑性エラストマー組成物の機械的強度が劣ることがある。該メルトフローレートは、JIS K7210に従い測定される。
成分(A)のプロピレン系樹脂の製造方法としては、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法が用いられる。例えば、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体などの錯体系触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等があげられる。また、市販の該当品を用いることも可能である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物に含まれる成分(B)のエチレン−プロピレン共重合体は、135℃のテトラリン中で測定される極限粘度[η]が1.8〜4dl/gであり、好ましくは2.0〜3.5dl/gである。極限粘度[η]が過小であると得られる熱可塑性エラストマー組成物の離型性、または機械的強度が劣ることがあり、過大であると得られる熱可塑性エラストマー組成物の溶融流動性が劣ることがある。該極限粘度[η]は、ウベローデ型粘度計を用いて還元粘度を測定し、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法を用いた外挿法によって求められる。
成分(B)のエチレン−プロピレン共重合体は、エチレン含有量が40〜70重量%であり、好ましくは45〜65重量%である。エチレン含有量が過小、または過大であると得られる熱可塑性エラストマー組成物の機械的強度が劣ることがある。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物に含まれる成分(C)のエチレン系共重合体は、密度が850〜920Kg/m3であり、好ましくは860〜915Kg/m3である。密度が過小であると得られる熱可塑性エラストマー組成物の離型性が劣ることがあり、過大であると得られる熱可塑性エラストマー組成物の機械的強度が劣ることがある。該密度は、JIS K7112に従い、アニール無しで測定される。
成分(C)のエチレン系共重合体は、温度190℃および荷重21.18Nの条件で測定されるメルトフローレートが0.1〜20g/10分であり、好ましくは0.5〜15g/10分である。メルトフローレートが過小であると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の溶融流動性が劣ることがあり、過大であると得られる熱可塑性エラストマー組成物の機械的強度や離型性が劣ることがある。該メルトフローレートは、JIS K7210に従い測定される。
成分(C)のエチレン系共重合体は、炭素原子数が6以上のα−オレフィンから誘導される単量体とエチレンとの共重合体である。炭素原子数6以上のα−オレフィンから誘導される単量体としては、入手容易性より1−ヘキセンまたは1−オクテンであることが好ましい。
成分(C)のエチレン系樹脂の製造方法としては、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法が用いられる。例えば、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体などの錯体系触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等があげられる。また、市販の該当品を用いることも可能である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、成分(A)、(B)および成分(C)を含有し、成分(A)、(B)および(C)の合計量を100重量%として、成分(A)の含有量が30〜60重量%であり、好ましくは40〜55重量%である。成分(A)の含有量が過小であると得られる熱可塑性エラストマーの曲げ弾性率が不足したり、耐熱性が劣ることがあり、過大であると低温における機械物性が劣ることがある。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、成分(A)、(B)および成分(C)を含有し、成分(A)、(B)および(C)の合計量を100重量%として、成分(B)と成分(C)の含有量の比(成分(B)の含有量/成分(C)の含有量)が0.5〜5であり、好ましくは0.8〜4.5である。成分(B)と成分(C)の含有量の比が過小であると射出成形性後の離型性や耐熱性が劣ることがあり、過大であると得られる熱可塑性エラストマー組成物の機械物性が低下することがある。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、射出成形での生産安定性を高める観点から離型性を付与するために、上記成分(A)〜(C)に加え、下記成分(D)を含有することが好ましい。
(D):炭素原子数5以上の脂肪酸、炭素原子数5以上の脂肪酸の金属塩、炭素原子数5以上の脂肪酸のアミド、および、炭素原子数5以上の脂肪酸のエステルからなる化合物群から選ばれる少なくとも1種の化合物
成分(D)の炭素原子数5以上の脂肪酸としては、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸、リシノール酸を例示することができる。
成分(D)の炭素原子数5以上の脂肪酸の金属塩としては、上記脂肪酸と、Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Zn、Ba、Pbなどの金属との塩を、具体的には、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛などを例示することができる。
成分(D)の炭素原子数5以上の脂肪酸のアミドとしては、ラウリル酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ステアリルジエタノールアミドを例示することができる。なかでも、エルカ酸アミドが好ましい。
成分(D)の炭素原子数5以上の脂肪酸のエステルとしては、脂肪族アルコール(ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、12ヒドロキシステアリルアルコールなど)、芳香族アルコール(ベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、フタリルアルコールなど)、多価アルコール(グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ソルビタン、ソルビトール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンなど)などのアルコールと、上記脂肪酸とのエステルを、具体的には、グリセリンモノオレート、グリセリンジオレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、クエン酸ジステアレートを例示することができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、必要に応じ、無機フィラー(タルク、炭酸カルシウム、焼成カオリン等)、有機フィラー(繊維、木粉、セルロースパウダー等)、滑剤(シリコーンオイル、シリコーンガム等)、酸化防止剤(フェノール系、イオウ系、燐系、ラクトン系、ビタミン系等)、耐候安定剤、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、アニリド系、ベンゾフェノン系等)、熱安定剤、光安定剤(ヒンダードアミン系、ベンゾエート系等)、顔料、造核剤、吸着剤(金属酸化物(酸化亜鉛、酸化マグネシウム等)、金属塩化物(塩化鉄、塩化カルシウム等)、ハイドロタルサイト、アルミン酸塩等)等を含有してもよい。
成分(D)の含有量としては、射出成形での離型性と、成形品表面の外観とのバランスから、成分(A)〜(C)の合計量100重量部あたり、好ましくは0.01〜1.5重量部であり、より好ましくは0.05〜1重量部である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、成分(A)と成分(B)と成分(C)と、必要に応じて他の成分とを、公知の方法、例えば、二軸押出機、バンバリーミキサーなどにより溶融混練することにより得ることができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は公知の成形加工方法、好ましくは射出成形法により、エアバッグカバーに加工される。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物からなるエアバッグカバーは、運転席用エアバッグカバー、助手席用エアバッグカバー、サイドエアバッグカバー、ニーエアバッグカバー、カーテンエアバッグカバーに用いられる。
本発明は、曲げ弾性率が100〜800MPaであるエアバッグカバー用熱可塑性樹脂組成物であり、好ましくは150〜700MPaであり、より好ましくは200〜650MPaである。該曲げ弾性率が過小であると得られる成形体の形状保持性が劣ることがあり、過大であると触感や他の部品と組み付け合わせる際の作業性が劣るこ
以下、実施例および比較例によって、本発明をより詳細に説明する。
[I] 物性測定方法
(1)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210に従い、成分(A)は230℃における2.16kg荷重でのMFRを測定し、成分(C)は190℃における2.16kg荷重でのMFRを測定した。
(2)極限粘度[η]の測定方法
ウベローデ型粘度計を用いて還元粘度を測定し、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法を用いた外挿法によって求められた。
(3)重合体の密度
JIS K7112に従い、アニール無しで測定された。
(4)融解温度
JIS K7121に準拠し、示差走査熱量測定(DSC)法により求めた。
(5)単量体単位含有量
プロピレン系重合体は、赤外吸収スペクトル(日本分光製 FT−IR5200型)による方法により求めた。
(6)スパイラル流動長
厚み2mm、幅10mmの楕円スパイラル金型を用い、下記の条件で成形した時の成形品の長さを算出した。
流動長=成形品長さ/厚み
成形条件
射出成形機:東芝機械社製 IS100−EN
金型温度:50℃
射出圧:77.1MPa
シリンダー温度:シリンダー1;180℃、シリンダー2;190℃
シリンダー3;200℃、ノズルヘッド;200℃
(7)射出成形体の製造方法
東芝機械社製射出成形機IS100−ENにて、サイドゲート平板金型を用い、シリンダー温度220℃、金型温度50℃の条件で、得られた樹脂組成物を縦90mm、横150mm、厚み2mmの射出成形体を得た。
(8)曲げ弾性率(FM)
JIS K7171に従い、上記条件で射出成形した厚さ2mmの試験片を用いて、スパン間30mm、曲げ速度1mm/分の条件下で測定した。
(9)低温耐衝撃性(IZOD)
JIS K6911に従い、上記条件で射出成形した厚さ2mmの試験片を用いて所定の温度で測定した。NB=破壊、B=破壊
(10)引張り試験
上記条件で射出成形した試験片を用い、JIS K6251に従い、3号ダンベル形状、試験速度200mm/分にて測定した。
(11)耐熱性(耐熱変形性;ヒートサグ)
上記条件で射出成形した試験片を所定のサイズ(幅25mm、長さ150mm、厚さ2mm)に裁断し、JIS K7195に準拠し、120℃・2時間の条件にて測定を実施した。
(12)離型性
成形は、図1の成形体を得る金型を射出成形機(日精工業製 FS160S25ASEN)に設置し、シリンダー設定温度220℃、射出率90〜110g/秒、射出時間15秒、冷却時間30秒、エアエジェクター圧力1.8kg/cm2、金型温度50℃、ヒケなどの成形不良が生じない条件で実施した。5個以上連続成形し、離型性を2段階評価した。
(○:離型不良なし、×:離型不良発生)
[II]原料
(1)プロピレン系重合体(A)
(PP−1):住友化学株式会社社製 ノーブレンAX568
MFR(230℃)=65g/10分、Tm=167℃、成分(A1)であるプロピレンから誘導される単量体の含有量=100%、成分(A2)中のエチレン含有量=45重量%、成分(A)中における成分(A2)の含量=16重量%
(PP−2):住友化学株式会社社製 ノーブレンU501E−1
MFR(230℃)=120g/10分、Tm=167℃、成分(A1)であるプロピレンから誘導される単量体の含有量=100重量%、成分(A)中における成分(A2)の含量=0重量%
(PP−3):フィリップス スミカ ポリプロピレンカンパニー社製 Marlex RLC−350
MFR(230℃)=120g/10分、Tm=149℃、成分(A1)であるプロピレンから誘導される単量体の含有量=96.5重量%、成分(A)中における成分(A2)の含量=0重量%
(2)エチレン−プロピレン共重合体(B)
(EPR−1):住友化学株式会社製 エスプレン222
135℃のテトラリン中で測定される極限粘度[η]=2.2、エチレン含有量=52重量%
(3)エチレン系共重合体(C)
(C−1):ダウケミカル社製 エンゲージ8100
エチレン−オクテン共重合体、密度=870Kg/m3、MFR(190℃)=1g/10分
(C−2):ダウケミカル社製 エンゲージ8200
エチレン−オクテン共重合体、密度=870Kg/m3、MFR(190℃)=5g/10分
(C−3):ダウケミカル社製 エンゲージ8480
エチレン−オクテン共重合体、密度=902Kg/m3、MFR(190℃)=1g/10分
(C−4):住友化学株式会社製 スミカセンE FV401
エチレン−ヘキセン共重合体、密度902Kg/m3、MFR(190℃)=4g/10分
(C−5):ダウケミカル社製 エンゲージ8407
エチレン−オクテン共重合体、密度870Kg/m3、MFR(190℃)=30g/10分
(C−6):三井化学社製 タフマーA4050S
エチレン−ブテン共重合体、密度860Kg/m3、MFR(190℃)=4g/10分
(C−7):三井化学社製 タフマーA0550S
エチレン−ブテン共重合体、密度860Kg/m3、MFR(190℃)=0.5g/10分
実施例1
成分(A)として(PP−1)45重量部と、成分(B)として(EPR−1)45重量%と、成分(C)として(C−1)10重量部と、エルカ酸アミド(日本精化製 ニュートロンS)を0.05重量部と、酸化防止剤(住友化学株式会社製 スミライザーGA80)を0.1重量部と(チバスペシャリティ株式会社製 イルガフォス168)0.05重量部を配合し、バンバリーミキサーで溶融混練を実施し、ペレット状に加工した後、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の物性測定結果を表1に示す。
実施例2
成分(A)として(PP−1)45重量部と、成分(B)として(EPR−1)45重量%と、成分(C)として(C−2)10重量部と、エルカ酸アミド(日本精化製 ニュートロンS)を0.05重量部と、酸化防止剤(住友化学株式会社製 スミライザーGA80)を0.1重量部と(チバスペシャリティ株式会社製 イルガフォス168)0.05重量部を配合し、バンバリーミキサーで溶融混練を実施し、ペレット状に加工した後、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の物性測定結果を表1に示す。
実施例3
成分(A)として(PP−1)45重量部と、成分(B)として(EPR−1)45重量%と、成分(C)として(C−3)10重量部と、エルカ酸アミド(日本精化製 ニュートロンS)を0.05重量部と、酸化防止剤(住友化学株式会社製 スミライザーGA80)を0.1重量部と(チバスペシャリティ株式会社製 イルガフォス168)0.05重量部を配合し、バンバリーミキサーで溶融混練を実施し、ペレット状に加工した後、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の物性測定結果を表1に示す。
実施例4
成分(A)として(PP−1)45重量部と、成分(B)として(EPR−1)45重量%と、成分(C)として(C−4)10重量部と、エルカ酸アミド(日本精化製 ニュートロンS)を0.05重量部と、酸化防止剤(住友化学株式会社製 スミライザーGA80)を0.1重量部と(チバスペシャリティ株式会社製 イルガフォス168)0.05重量部を配合し、バンバリーミキサーで溶融混練を実施し、ペレット状に加工した後、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の物性測定結果を表1に示す。
実施例5
成分(A)として(PP−1)45重量部と、成分(B)として(EPR−1)35重量%と、成分(C)として(C−1)20重量部と、エルカ酸アミド(日本精化製 ニュートロンS)を0.05重量部と、酸化防止剤(住友化学株式会社製 スミライザーGA80)を0.1重量部と(チバスペシャリティ株式会社製 イルガフォス168)0.05重量部を配合し、バンバリーミキサーで溶融混練を実施し、ペレット状に加工した後、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の物性測定結果を表1に示す。
参考例6
成分(A)として(PP−1)45重量部と、成分(B)として(EPR−1)25重量%と、成分(C)として(C−1)30重量部と、エルカ酸アミド(日本精化製 ニュートロンS)を0.05重量部と、酸化防止剤(住友化学株式会社製 スミライザーGA80)を0.1重量部と(チバスペシャリティ株式会社製 イルガフォス168)0.05重量部を配合し、バンバリーミキサーで溶融混練を実施し、ペレット状に加工した後、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の物性測定結果を表1に示す。
比較例1
成分(A)として(PP−1)45重量部と、成分(B)として(EPR−1)45重量%と、成分(C)として(C−5)10重量部と、エルカ酸アミド(日本精化製 ニュートロンS)を0.05重量部と、酸化防止剤(住友化学株式会社製 スミライザーGA80)を0.1重量部と(チバスペシャリティ株式会社製 イルガフォス168)0.05重量部を配合し、バンバリーミキサーで溶融混練を実施し、ペレット状に加工した後、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の物性測定結果を表2に示す。
比較例2
成分(A)として(PP−1)45重量部と、成分(B)として(EPR−1)45重量%と、成分(C)として(C−6)10重量部と、エルカ酸アミド(日本精化製 ニュートロンS)を0.05重量部と、酸化防止剤(住友化学株式会社製 スミライザーGA80)を0.1重量部と(チバスペシャリティ株式会社製 イルガフォス168)0.05重量部を配合し、バンバリーミキサーで溶融混練を実施し、ペレット状に加工した後、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の物性測定結果を表2に示す。
比較例3
成分(A)として(PP−1)45重量部と、成分(B)として(EPR−1)45重量%と、成分(C)として(C−7)10重量部と、エルカ酸アミド(日本精化製 ニュートロンS)を0.05重量部と、酸化防止剤(住友化学株式会社製 スミライザーGA80)を0.1重量部と(チバスペシャリティ株式会社製 イルガフォス168)0.05重量部を配合し、バンバリーミキサーで溶融混練を実施し、ペレット状に加工した後、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の物性測定結果を表2に示す。
比較例4
成分(A)として(PP−1)45重量部と、成分(C)として(C−1)55重量部と、エルカ酸アミド(日本精化製 ニュートロンS)を0.05重量部と、酸化防止剤(住友化学株式会社製 スミライザーGA80)を0.1重量部と(チバスペシャリティ株式会社製 イルガフォス168)0.05重量部を配合し、バンバリーミキサーで溶融混練を実施し、ペレット状に加工した後、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の物性測定結果を表2に示す。
比較例5
成分(A)として(PP−1)45重量部と、成分(B)として(EPR−1)55重量%と、エルカ酸アミド(日本精化製 ニュートロンS)を0.05重量部と、酸化防止剤(住友化学株式会社製 スミライザーGA80)を0.1重量部と(チバスペシャリティ株式会社製 イルガフォス168)0.05重量部を配合し、バンバリーミキサーで溶融混練を実施し、ペレット状に加工した後、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の物性測定結果を表2に示す。
比較例6
成分(A)として(PP−2)45重量部と、成分(B)として(EPR−1)45重量%と、成分(C)として(C−1)10重量部とエルカ酸アミド(日本精化製 ニュートロンS)を0.05重量部と、酸化防止剤(住友化学株式会社製 スミライザーGA80)を0.1重量部と(チバスペシャリティ株式会社製 イルガフォス168)0.05重量部を配合し、バンバリーミキサーで溶融混練を実施し、ペレット状に加工した後、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の物性測定結果を表3に示す。
比較例7
成分(A)として(PP−3)45重量部と、成分(B)として(EPR−1)45重量%と、成分(C)として(C−1)10重量部とエルカ酸アミド(日本精化製 ニュートロンS)を0.05重量部と、酸化防止剤(住友化学株式会社製 スミライザーGA80)を0.1重量部と(チバスペシャリティ株式会社製 イルガフォス168)0.05重量部を配合し、バンバリーミキサーで溶融混練を実施し、ペレット状に加工した後、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の物性測定結果を表3に示す。


























Figure 0004893054
Figure 0004893054























Figure 0004893054
離型性の判定に際して用いた成形体が外観図である。

Claims (1)

  1. 下記成分(A)、(B)および成分(C)を含有し、成分(A)、(B)および(C)の合計量を100重量%として、成分(A)の含有量が30〜60重量%であり、成分(B)と成分(C)の含有量の比(成分(B)の含有量/成分(C)の含有量)が1.75〜5であり、曲げ弾性率が100〜800MPaであるエアバッグカバー用熱可塑性エラストマー組成物。
    (A):融解温度が150℃以上であり、第1工程で重合されたプロピレンから誘導される単量体単位の含有量が90〜100重量%以上であるプロピレン系重合体部(A1)50〜90重量%と、第2工程で重合されたエチレン含有量が30〜70重量%であるエチレン−プロピレン共重合体部(A2)10〜50重量%からなるプロピレン系重合体(但し、成分(A1)と成分(A2)からなるプロピレン系重合体の全量を100重量%とする)
    (B):ガラス転移温度が−45℃未満、135℃のテトラリン中で測定される極限粘度[η]が1.8〜4dl/gであり、エチレン含有量が40〜70重量%であるエチレン−プロピレン共重合体
    (C):密度が850〜920Kg/m3であり、温度190℃および荷重21.18Nの条件で測定されるメルトフローレートが0.01〜20g/10分である、炭素原子数が6以上のα−オレフィンから誘導される単量体単位を含有するエチレン系共重合体
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