JP2008038256A - 金属および合金にセラミック被膜を形成するプロセスと装置、およびこのプロセスによって生成される被膜 - Google Patents

金属および合金にセラミック被膜を形成するプロセスと装置、およびこのプロセスによって生成される被膜 Download PDF

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Abstract

【課題】金属および合金のプラズマ電解酸化を実施し、それらの表面に2−10μm/分の速度でセラミック被膜を形成するプロセスと装置及び生成される被膜の提供。
【解決手段】プロセスは電解液内における音波周波数範囲の音響振動の生成と組合せて特定形状を有する予め定められた周波数範囲内の高周波の電流パルスを用いる。ここで、電流パルスの周波数範囲と音響振動の周波数範囲は互いに重なる。 プロセスは超分散粉体を電解液内に導くことができ、音響振動は安定した水性ゾルの形成と所定の特性を有する被膜の生成を促進する。 プロセスは150μmに至る厚みを有する緻密で硬質の微細結晶性セラミック被膜を生成することができる。被膜は多孔性外層の比厚みを低減させること(全被膜厚みの14%よりも小さい厚み)および酸化された表面の粗さを小さくすること(Ra:0.6−2.1μm)によって特徴付けられる。
【選択図】なし

Description

本発明は保護被膜を施す分野に関し、特に金属および合金から成る物品のプラズマ放電
被覆、例えば、プラズマ電解酸化被覆に関する。このプロセスはこれらの物品の表面に耐
摩耗性、耐食性、耐熱性、誘電性、および均一着色性を有するセラミック被膜を迅速かつ
効率的に形成することができる。
これらの被膜は厚みの均一性が高いこと、表面粗さが低いこと、および従来の被覆プロ
セスでは除去するのに通常多大のコストを必要とする多孔性外層が殆ど存在しないことに
よって特徴付けられる。
本願に記載される被膜を生成するプロセスおよびそのプロセスを実施するための装置は
工業技術、具体的には、航空機および自動車工業、石油化学および織物工業、電子工学、
医薬、および家庭用品の製造に用いることができる。
工業的周波数である50−60Hzの電流を用いてセラミック被膜を生成するプロセス
が国際公開第99/31303号パンフレットによって知られている。このプロセスは2
00μmに至る厚みを有し、かつ基板に十分に結合される硬質被膜をアルミニウム合金か
ら成る物品の表面に形成させることができる。
このプロセスの主要な問題は低微小硬度でかつ無数の微視的および巨視的欠陥(微細孔
、微細亀裂、薄片状断片)を含むかなり厚い多孔性外層を形成する点にある。欠陥層の厚
みは、処理される合金の化学組成および電解方式に依存するが、セラミック被膜の全厚み
の25−55%に達する。
上記の多孔層を除去するのに、高価な精密機器が用いられる。もし物品が研磨剤および
ダイヤモンド工具を到達させるのが困難な表面の複雑な形状を有している場合、欠陥層を
除去する課題を解決するのは困難である。これはプロセスの応用範囲を制限する。
上記の公知のプロセスの他の問題は、被膜の形成速度が比較的低く、エネルギー消費が
大きい点にある。電流密度を20A/dm2よりも高めることによって、酸化プロセスの
生産性を単純に増すことはできない。何故なら、プロセスはスパークプロセスというより
もむしろアークプロセスになり、強い局所的溶落ち放電が出現するために被膜の全体が極
めて多孔状かつ薄片状になり、基板への付着性が劣化するからである。
酸化プロセスを強化し、セラミック被膜の特性を改善する目的で、多くの研究者らが電
解パルス方式を改善する試みを行い、電流パルスまたは電圧パルスの種々の形状および持
続時間を提案している。
電流が改変された正弦波形を有するセラミック被膜を形成するプロセスが米国特許第5
,616,229号明細書によって知られている。この電流波形はセラミック層を形成中
の熱応力を低減し、300μmに至る厚みの被膜を施すことを可能とする。しかし、この
プロセスでは、工業的な周波数電流が用いられているので、高い表面粗さの比較的厚い多
孔性外層の形成をもたらし、また比較的高いエネルギーコストを必要とする。
特定の複雑な形状の正パルスと負パルスを交番させるパルス化アノードーカソード方式
によってバルブ金属および合金を酸化させるための他のプロセスが知られている(ロシア
特許第2077612号明細書)。パルスの持続時間および正パルスと負パルス間の休止
の時間は100−130μ秒であり、継続周波数は50Hzである。最初の5−7μ秒の
間に、電流はその最大値(800A/dm2)に達し、その後、25−50μ秒の間一定
に保たれる。この場合、より短いパルスと極めて大きなパルスのパワーが放電着火時間を
著しく短縮させるので、欠陥外層が形成される主要な原因がなくなる。しかし、強力なパ
ルスの対を不当に長い休止を伴って交番するので、被膜形成速度を低下させる。
また、振幅100−1000Vの電圧の正パルスを用いてアルカリ電解液中で酸化被膜
を生成するプロセスが知られている(旧ソ連特許第1767043号明細書)。これらの
パルスは2段階の形状を有している。最初、1−3μ秒の間に電圧は最大値まで上昇し、
次いで、最大値の約10分の1まで下降し、10−20μ秒の間一定のレベルで継続する
。しかし、正パルスのみを用いているので、高い微小硬度と耐磨耗性を有する良好な品質
の被膜を生成することができない。
提案する本発明に最も近い技術はロシア特許第2070942号明細書に記載されるプ
ロセスである。このプロセスは振幅100−500Vおよび持続時間1−10μ秒の電圧
の正パルスと負パルスを交番させ、その交番中に、アノード側の半分の持続時間の各々に
おいて、振幅600−1000Vおよび持続時間0.1−1μ秒の高電圧正パルスを印加
することによって酸化させる。パルスが印加されるとき、その瞬間における全電流が上昇
し、放電に好ましい状態を生成する。このプロセスの問題は極めて短い高電圧正パルスを
用いるので、十分なパワーの放電を生成することができない点にある。これはプロセスの
生産性を低下させ、提案されたプロセスを工業的な目的のために技術的に実現するのを極
めて困難にする。
[本発明の概要]
本発明の第1態様によれば、第1電極が取り付けられ、かつ水性アルカリ電解液で満た
される電解槽であって、他の電極が接続された物品が浸漬された電解槽内において、金属
および合金にセラミック被膜を形成するプロセスであって、プロセスがプラズマ放電方式
でなされるようにパルス電流が電極間に供給されるプロセスにおいて、
i)電極に予め定められた周波数範囲の高周波の二極性電流パルスを供給する工程と、
ii)予め定められた音波周波数範囲の音響振動を電解液中に生成させる工程であって
、音響振動の周波数範囲は電流パルスの周波数範囲と重なるような工程と
を備えるプロセスが提供される。
本発明の第2態様によれば、金属および合金にセラミック被膜を形成する装置であって
、電極を有する電解槽と、パルス電流を電極に送る供給源と、少なくとも1つの音響振動
発生器を備える装置において、
i)供給源は電極に予め定められた周波数範囲の高周波の二極性電流パルスを供給する
のに適応するようにされ、
ii)少なくとも1つの音響振動発生器は槽内に含まれる電解液内に音響振動を生成さ
せるのに適応するようにされ、音響振動は電流パルスの周波数範囲と重なる予め定められ
た音波周波数範囲を有する
装置が提供される。
本発明の第3態様によれば、本発明の第1態様または第2態様のプロセスまたは装置に
よって形成されるセラミック被膜が提供される。
本発明の第4態様によれば、プラズマ放電プロセスによって金属または合金に形成され
るセラミック被膜であって、全被膜厚みの14%よりも大きくない多孔性外層を有するセ
ラミック被膜が提供される。
本発明の第5態様によれば、プラズマ放電プロセスによって金属または合金に形成され
るセラミック被膜であって、0.6から2.1μmの低い粗さ(Ra)の表面を有するセ
ラミック被膜が提供される。
二極性電流パルスは交番パルスであってもよいし、または、例えば、2つの一極の後に
1つの逆極が続くようなパルスの組として供給されてもよい。
本発明の実施形態は、セラミック被膜の物理的、機械的特性を改善することによって、
セラミック被膜の磨耗、腐食、熱に対する耐性および絶縁耐力のような有用な特性を改善
することを意図している。また、本発明の実施形態は基板への良好な付着性を有する硬質
な微細結晶質セラミック被膜を生成するという技術的な課題を解決する。
また、本発明の実施形態はセラミック被膜を施すのに必要な時間およびその被膜の仕上
処理に必要な時間を著しく低減させることによって、セラミック被膜を形成するプロセス
の技術的な煩雑さを改善することを意図している。酸化プロセスの生産性を高めるのみな
らず、比電力コストも著しく低減させる。
さらに、本発明の実施形態によれば、耐火性の無機化合物を電解液に導入することによ
って、所定の特性を有する被膜を意図的に形成する。
また、本発明の実施形態は電解液の安定性を向上させ、その有効寿命を延ばすようにし
てもよい。
本発明の装置の実施形態は改善された信頼性、汎用性、および自動化製造ラインへの架
設の容易さをもたらすことを意図している。
有利には、被覆される物品は電極に接続され、他の電極を有してアルカリ電解液で満た
された電解槽内に配置される。これらの電極にプラズマ放電方式、好ましくは、プラズマ
電解酸化方式で所要の厚みの被膜を形成するようにパルス電流が印加されるとよい。50
0Hz以上、好ましくは、1000から10,000Hzのパルス継続周波数および20
から1,000μ秒の好ましいパルス持続時間を有する電流パルスが槽内に生成されると
よい。各電流パルスは有利には急勾配の最前部を有し、電流は全パルス持続時間の10%
よりも大きくない時間内に最大振幅に達し、次いで、急激に降下し、その後、最大値の5
0%以下まで徐々に減少する。電流密度は好ましくは3から200A/dm2、さらに好
ましくは、10から60A/dm2である。
音響振動は空気水力学的発生器によって電解液中に生成させるとよい。発生器は電流パ
ルス周波数範囲と重なる音波周波数範囲の音響振動を槽内に生成する。
金属の酸化物、硼化物、炭化物、窒化物、珪化物、または硫化物から成る0.5μmよ
りも大きくない粒子径を有する超分散粉体(ナノパウダー)を電解液に加えて、安定水性
ゾルを音響振動によって形成させるとよい。
電流パルスを比較的短くすることによって、放電スパーク時間を短縮し、3から200
A/dm2の高電流密度で酸化を行なうことができる。
高電流値の短パルスは被膜内に形成されるプラズマ放電経路に低周波数方式の場合より
も著しく高いパワーでスパークを生成させることができる。プラズマ放電経路の温度がよ
り高く、かつ微小体積部が小さいことによって溶融基板がより急速に冷却および固化され
るので、高温酸化物の固相を多量に含む緻密な微細結晶質のセラミック被膜が形成される
。被膜の微小硬度は500から2100HVに達し、多孔性外層の厚みは好ましくは被膜
の全厚みの14%を超えない。
500Hzよりも高い継続周波数および1,000μ秒よりも短い持続時間の電流パル
スを用いることによって、被膜を薄片状および多孔状とするアーク放電の進展を制限する
のを促進し、同時に被膜を形成する比エネルギー損失を低減させるのを促進する。しかし
、パルス周波数がさらに大きくなるにつれて、比エネルギー損失は低下するが、表面効果
および容量性効果による損失が上昇し始める。これらの損失は10,000Hzよりも大
きいパルス周波数で著しくなる。さらに、10,000Hzよりも大きい周波数および2
0μ秒よりも短い持続時間の電流パルスを用いると、良好な品質の被膜を生成するのに極
めて高いパワーのパルスを必要とする。これは工業的な目的を達成するための技術的な実
施を極めて複雑にし、かつコストが掛かる。
高周波パルス方式によるプラズマ放電自身の特性は従来の工業的周波数(50または6
0Hz)でなされる酸化のための放電の特性と異なっている。光沢の向上とスパークの大
きさの減少が肉眼によって観察可能である。酸化される表面の全体にわたってスパークが
移動するのに代わって、無数のスパークが表面の全体にわたって同時に放電しているのが
わかる。
電流パルスの好ましい形状(図1)によって、プラズマ放電の均一な開始と保持を物品
の表面の全体にわたって容易に達成することができる。プラズマ放電プロセスは一定の高
電流値を維持する必要はない。パルスの急勾配の最前部、すなわち、パルスの最大値に至
る急速な立上りによって、放電開始時間を著しく低減させることができる。また、電流を
最大値の50%以下に減少させることによって、放電プロセスを効率的に維持することが
できる。
さらに、正パルスおよび負パルスの急勾配の最前部によって、電極系(槽−電解液−物
品)および酸化される物品の表面の2重電気層(電解液−酸化−金属)の両方によって生
成される容量性負荷を急速に充電および放電させることができる。
実施する上で、機械的なミキサーおよび通気装置を用いて、電解液を酸化中に攪拌する
ことも考えられる。通気装置は電解液内に空気または酸素を泡立てることによって、電解
液を攪拌する。これらの機械は所定の液体流れを生成することによって、電解液の濃度と
温度を巨視的レベルで平均化する。しかし、この種の混合において、物品の表面の周囲に
生じる流れのないゾーンや強い流れのゾーンをなくすことは困難である。電解液を噴射す
る混合ノズルを有する最新システムは、これらのゾーンをより効率的に混合し、高い乱流
を確実に生じさせる。振動および脈流攪拌が用いられてもよい。
非鉄合金を陽極酸化するためのプロセスが知られている(欧州特許第1042178号
明細書)。このプロセスにおいて、電解液の振動攪拌は振動モータと回転翼によってなさ
れる。電極が振動および揺動され、圧縮空気の供給分が10から400μmの微細孔径を
有する多孔性セラミックチューブ内を通って供給される。これによって、陽極酸化プロセ
スを10から15A/dm2の比較的高い電流密度で行ない、著しく陽極酸化の時間を短
縮することができる。しかし、このプロセスはプラズマ酸化に対しては十分ではない。何
故なら、電解液内における比較的大きい気泡の生成速度および電解液内における振動の周
波数が低いからである。また、電解液の攪拌および電極領域における反応剤の供給と除去
が巨視的レベルで生じる。さらに、このプロセスを工業的に実現させるのは、設計の観点
から困難である。
プラズマ電解酸化のような高エネルギー消費プロセスの場合、処理される表面のごく近
傍における微視的レベルでの熱と物質の伝達率および攪拌液の流動状態が最も重要な役割
をなす。電解液への音響作用はこの種の攪拌を生成するのを促進する。
国際公開第96/38603号パンフレットは超音波振動を電解液に作用させるスパー
ク酸化のプロセスを記載している。これらの振動は放電ゾーンにおける電解液の集中的循
環を容易にする。しかし、液体内での超音波振動は脱ガスと気泡の結合を生じさせ、結合
した気泡は表面に浮遊する。溶解したガスの60%までが早々に液体から分離する。さら
に、超音波振動の高いパワーはキャビテーションによる表面侵食をもたらし、セラミック
表面を破壊させ、キャビテーション気泡の破裂などの流体衝撃によって微細な亀裂および
微細孔の数を増加させる。
対照的に、本発明の実施形態は音波(すなわち、超音波ではない)周波数範囲内の音響
振動の領域、好ましくは、振動の大きさが1W/cm2を超えない音響振動の領域を用い
てアルカリ電解液中のセラミック被膜を形成する技術に関する。
音響振動は少なくとも1つの空気水力学的発生器によって生成されるとよい。この空気
水力学的発生器は液体と空気の噴流の運動エネルギーを音響振動エネルギーに変換する機
器である。このような発生器は簡潔性、信頼性、および経済性によって特徴付けられ、流
体入口と共鳴チャンバを備えている。音響振動は電解液が発生器の流体入口から発生器内
を通過するときに発生器の共鳴チャンバ内に誘発され、その後、電解液の放電がなされ、
その結果、大気からの空気が特定の通路を介して発生器に引込まれ、電解液と混合し、か
つ分散する。
空気からなる多数の微細気泡が流れ内に捕捉され、槽の全容積を満たす。空気は電解液
に強制的に溶解し、電解液を酸素で飽和させる。電解液のガス飽和は20−30%まで増
加する。
音響振動の周波数で振動する気泡は電解液内において微視的に流動し、電解液の攪拌処
理を著しく促進し、酸化される表面の近傍において攪拌が激減するのを防止する。プラズ
マ放電によって生成する熱を効率的に除去し、局部的な過熱をなくし、均一な厚みを有す
る良好な品質のセラミック被膜を確実に形成させる。電解液中に酸素含有量のより高い新
しい部分が生じることによって、放電ゾーンのプラズマ化学反応が強められ、被膜形成プ
ロセスを促進する。
プラズマ酸化に用いられる水性アルカリ電解液はコロイド溶液、すなわち、水性ゾルか
らなる。他のコロイド溶液と同様に、このような電解液は凝固、凝集、および沈降を生じ
る傾向にある。電解液があるレベルの凝固、凝集、および沈降に達すると、その電解液は
無効になり、被膜の品質は急激に劣化する。従って、コロイド粒子の数と形状を制御する
ことによって、電解液の有効性が決定されるとよい。
本発明の実施形態によれば、電解液内に生成し得る大きな粒子を連続的に破壊すること
によって、電解液を長期にわたって安定的かつ効率的に維持することができる。音響振動
発生器によって生成された音響領域の影響下において、コロイド粒子の移動する比率は大
きくなり、粒子同士および粒子と槽の壁や酸化される物品の表面との活発な衝突の回数が
増え、粒子の分散を引き起こす。
予め定められた機能的特性(磨耗、光、腐食、および熱に対する耐性、誘電性、厚みの
全体にわたる均一な着色)を有するセラミック被膜を生成するために、好ましくは、0.
5μmよりも大きくない粒子径、いくつかの実施形態においては、0.3μmよりも大き
くない粒子径および0.1から5g/Lの好ましい濃度を有する超分散不溶解性粉体(ナ
ノパウダー)が電解液に添加されるとよい。
電解スパーク酸化に固体分散粉体を用いるプロセスが知られている(英国特許第223
7030号明細書、国際公開第97/03231号パンフレット、米国特許第5,616
,229号明細書、ロシア特許第2038428号明細書、およびロシア特許第2077
612号明細書)。これらの全てのプロセスにおいて、用いられる粉体は1から10μm
の比較的大きな粒子径を有し、2から100g/Lの比較的高濃度で用いられている。こ
のような粒子は急速に沈降し、懸濁状態を保つために、槽内の電解液の循環速度または泡
立てるための空気の供給を増大させねばならない。このように行なう場合、粒子を電解液
の容積内、従って、被膜内に均一に分配するのは実質的に困難である。さらに、酸化層内
に入った大きな粒子は融解する時間がなく、その結果として、脆弱な薄片ケーキ状の被膜
が形成される。
本発明は、好ましくは0.5μmまでの粒子径、いくつかの実施形態では0.3μmま
での粒子径および(10m2/gよりも小さくない)展開比表面積を有し、高エネルギー
状態によって特徴付けられるナノパウダーの使用を提案する。粉体を音響振動によって導
入させた電解液は高分散安定水性ゾルの状態になる。
超分散粒子はそれら自身が凝固と沈降に対してより大きい耐性を有する。しかも、音響
振動を用いることによって、これらの粒子を電解液内にさらに分散させ、それらを電解液
の容積内に均一に分布させることができる。
音響効果は粒子の混合を強め、それらに付加的なエネルギーを与える。微小粒子によっ
て運ばれる付加的な電荷(電解液のイオンによって帯電される電荷)によって、プラズマ
/化学反応は放電ゾーン内で活性化される。プラズマ放電ゾーン内に入る超分散粒子の一
部は昇華され、他の一部は成長する酸化層内において完全に溶解する。被膜を形成するプ
ロセスも加速され、基板の材料に依存するが、1分間に2から10μmに達する。生成さ
れる被膜は高い構造安定性と厚みの均一性によって特徴付けられる。
以下の耐火性物質、すなわち、酸化物(Al23、ZrO2、CeO2、CrO3、Mg
O、SiO2、TiO2、Fe23、Y23、またはそれらの混合物、複合酸化物、または
スピネル)、硼化物(ZrB2、TiB2、CrB2、LaB2)、窒化物(Si34、Ti
N、AlN、BN)、炭化物(B4C、SiC、Cr32、TlC、ZrC、TaC、V
C、WC)、硫化物(MoS2、WS2、ZnS、CoS)、珪化物(WSi2、MoSi2
)、およびその他が電解液に添加される超分散粉体(ナノパウダー)として用いられる。
種々の化学組成を有するこのような耐火性物質の粒子を電解液に添加することによって、
被膜の構造、微小硬度、多孔度、強度、および色彩のような物理的、機械的特性を根本的
に変更することができる。従って、特定の用途に対して最適の特性を有する被膜を生成す
ることができる。
ナノパウダーを用いることによって、0.1から5g/L、好ましくは、0.5−3g
/Lの比較的低い濃度で高品質の被膜を得ることができる。0.5μmよりも大きい粒子
径のより高い濃度の粉体を用いた場合、著しい効果が得られない。
本願出願人によって見出された本発明の1つの特徴は、酸化プロセスを高周波電気パル
スと電解液内での音波周波数範囲内の音響振動の生成を組合せて用いることによって、良
好な品質のセラミック被膜の形成を著しく促進する点にある。音響振動は電流周波数範囲
と重なっていなければならない。この被膜の形成率の増大は電気的消耗を著しく増大させ
ずに達成される。
上記の効果、すなわち、音響場のない電解液内に印加される特定の形状のパルスの周波
数を大きくする効果および工業的周波数パルスを用いて電解液内に音響振動を生成させる
効果は、各々、酸化プロセスの生産性を向上させる。しかし、両方の効果を同時に利用す
ると、得られる効果は2つの効果の単純な和を著しく上回る。
この場合、電解液と酸化される表面との間の境界区域にエネルギーが付加的に集中し、
酸化中の拡散プロセス、熱プロセス、およびプラズマプロセスを促進すると考えられる。
金属および合金にセラミック被膜を形成する本発明の装置は供給源と電解槽を備えてい
る(図2)。
供給源は極性が交互に代わる電気パルスを生成し、それらの電気パルスを電極に供給す
る。電流の正パルスと負パルスを交互に、すなわち、次々に供給してもよいし、あるいは
多数パルスからなる多数の組を交互に供給してもよい。一連のパルスの順序および周波数
、それらの持続時間、および電流と電圧の振幅は電解プロセスを制御するマイクロプロセ
ッサによって調整されるとよい。
電解槽は1つの電極として機能する、例えば、ステンレス鋼から成る槽自身と、酸化物
被覆される物品が接続される第2電極と、電解液用の冷却システムと、音響振動を生成す
るためのシステムからなる。槽はpHが8.5から13.5のアルカリ電解液によって満
たされるとよい。
電解液冷却システムは電解液を汲み上げるポンプと、10μmよりも大きい粒子を捕捉
する粗洗浄フィルタと、冷却器からなるとよい。電解液の温度は好ましくは酸化中に15
から55℃の範囲内に維持される。
電解液中に音響振動を生成させるシステムは槽に取り付けられる1つ(またはいくつか
の)空気水力学的発生器と、圧力ゲージと、発生器への電解液と空気の供給量を調整する
弁からなるとよい。電解液内の音響領域のパラメータは空気水力学的発生器の投入部にお
ける電解液の流れの圧力を変化させることによって調節される。発生器は実質的に追加的
なエネルギーを必要とせず、ポンプによって駆動される電解液の噴流の圧力によって操作
され、この圧力は3から7バールであるとよい。
本発明の実施形態のプロセスの著しい利点は、150μmに達する厚み、好ましくは、
2から150μmの厚みと500から2100HVの微小硬度を有する緻密な微細結晶質
セラミック被膜を比較的短時間(数分から1時間)の間に金属に生成することができると
いう事実である。
被膜はRa0.6−2.1μmの低い粗さを有し、かつ被膜の全厚みの14%よりも大
きくない非常に薄い多孔性外層を有している。これは後続の煩雑な表面仕上げの必要性を
なくするかまたは著しく低減させる(図3)。
被膜は複雑な形状の物品であっても厚みの高均一性を維持することができる点によって
特徴付けられる。
高分散多結晶性セラミック被膜は互いに強固に結合した数μm以下の大きさの溶融球か
らなる。この構造は被膜に磨耗および腐食に対する耐性と絶縁耐力のような物理的/機械
的特性を与える。さらに、特定の化学組成を有する固体のナノパウダーを電解液に加える
ことによって被膜の構造、微小硬度、強度および色彩を意図的に変化させ、特定用途に対
する被膜の特性を最適化する。
本発明の実施形態はセラミック被膜が2から10μm/分の形成率で形成されることを
可能にする。この形成率は公知の従来プロセスによる硬質被膜の形成率を著しく超えてい
る。
本発明の一層の理解を得て、かつ本発明がどのように実施されるかを把握するのに、添
付の図面を例として参照するとよい。
[好適な実施形態の詳細な説明]
図1は供給源と電解槽との間の回路を通過する電流パルス(正パルスと負パルス)の形
状の時間依存性の好ましい形態を示している。各電流パルスは急勾配の最前部を有し、電
流は全パルス持続時間の10%よりも大きくない時間内に最大振幅に達し、次いで、電流
は急激に降下し、その後、最大値の50%以下まで徐々に減少する。
図2から分かるように、この装置は2つの部分、具体的には、電気バスバー(15、1
6)によって互いに接続されている電解槽(1)と供給源(12)からなる。
電解槽(1)はアルカリ電解液(3)とその電解液内に浸漬されている少なくとも1つ
の物品(4)を含むステンレス鋼から成る槽(2)からなる。槽には移送ポンプ(5)と
電解液を粗洗浄するためのフィルター(6)が取り付けられている。
空気水力学的発生器(7)が槽(2)の下部内に取り付けられている。電解液(3)の
圧力、従って、音響振動の周波数を調整するための弁(8)が設けられている。調整弁(
8)と圧力ゲージ(9)は発生器(7)の投入部に取り付けられている。発生器(7)に
向かって流れる空気の流量を調整する弁(10)が設けられている。電解液循環システム
は酸化過程中の電解液(3)の必要な温度を維持するための熱交換器または冷却器(11
)を備えている。
供給源(12)は酸化プロセスの電気的パラメータを制御するマイクロプロセッサ(1
4)が取り付けられた3相パルス発生器(13)からなる。
図3は金属基板(100)に形成されたセラミック被膜の断面を示している。セラミッ
ク被膜は硬質機能層(200)と(全被膜厚みの14%よりも小さい)薄い多孔性外層(
300)からなる。セラミック被膜の表面は低い粗さ(Ra:0.6−2.1μm)を有
している。
[実施例]
プロセスの実施例によって、本発明を明らかにする。全ての実施例において、被覆され
る試料の形状は40mmの直径および6mmの厚みを有するディスク状とした。これらの
試料を酸化前に脱脂した。酸化の後、試料を脱イオンした水内で洗浄し、100℃で20
分乾燥した。プロセスの電気的パラメータをオシロスコープによって記録した。被膜の特
性パラメータ(厚み、微小硬度、および多孔度)を微細横断部から測定した。
アルミニウム合金2014の試料を40℃の温度に保たれたpH11の燐酸塩ー珪酸塩
電解液内で35分間酸化した。周波数2500Hzの二極性交番電気パルスを槽に供給し
た。電流密度を35A/dm2とし、最終電圧(振幅)はアノードを900V、カソード
を400Vとした。音響振動を空気水力学的発生器によって槽内に生成させた。発生器の
投入部における電解液の圧力は4.5バールとした。14μmの厚みの多孔性外層を含む
全厚みが130±3μmの暗灰色の緻密な被膜を得た。酸化物で被覆された表面の粗さは
Ra2.1μmで、微小硬度は1900HVで、硬質機能層(多孔性外層ではない)の多
孔度は4%であった。
マグネシウム合金AZ91の試料を2g/Lの粒子径0.2μmの超分散Al23粉体
が添加された燐酸塩ーアルミン酸塩の電解液中で2分間酸化した。電解液の温度は25℃
で、pHは12.5とした。周波数10,000Hzの二極性交番電気パルスを槽に供給
した。電流密度は10A/dm2とし、最終電圧(振幅)はアノードを520V、カソー
ドを240Vとした。音響振動を空気水力学的発生器によって槽内に生成させた。発生器
の投入部における電解液の圧力は4.8バールとした。得られた被膜は緻密で、白色を呈
し、全厚みは20±1μmで、2μmの厚みの多孔性外層を含んでいた。酸化された表面
の粗さはRa0.8μmで、被膜の微小硬度は600HVで、硬質機能層の多孔度は6%
であった。
チタニウム合金TiA16V4の試料を2g/Lの粒子径0.2μmの超分散Al23
が添加された燐酸塩ー硼酸塩電解液内で7分間酸化させた。電解液の温度は20℃で、p
Hは9とした。周波数1,000Hzの二極性交番電気パルスを槽に供給した。電流密度
は60A/dm2とし、最終電圧(振幅)はアノードを500V、カソードを180Vと
した。音響振動を空気水力学的発生器を用いて槽内に生成させた。発生器の投入部におけ
る電解液の圧力は4.0バールとした。得られた被膜は緻密で、灰青色を呈し、全厚みは
15±1μmで、2μmの厚みを有する多孔性外層を含んでいた。酸化された表面の粗さ
はRa0.7μmで、被膜の微小硬度は750HVで、機能層の多孔度は2%であった。
38%アルミニウムと62%ベリリウムを含むAlBeメット(AlBemet)合金の試
料を30℃に保たれたpH9の燐酸塩ー珪酸塩電解液内で20分間酸化させた。周波数3
,000Hzの二極性電気パルスを槽に供給した。電流密度は35A/dm2とし、最終
電圧(振幅)はアノードを850V、カソードを350Vとした。音響振動を空気水力学
的発生器を用いて槽内に生成させた。発生器の投入部における電解液の圧力は4.5バー
ルとした。得られた被膜は緻密で、薄灰色を呈し、全厚みは65±2μmで、8μmの厚
みを有する多孔性外層を含んでいた。酸化された表面の粗さはRa1.2μmで、被膜の
微小硬度は900HVで、機能層の多孔度は5%であった。
50%チタニウムと50%アルミニウムを含む金属間化合物合金の試料を20℃の温度
に保たれたpH10の燐酸塩ー珪酸塩電解液内で10分間酸化させた。周波数2,000
Hzの二極性電気パルス(1つの正パルスと2つの負パルス)を槽に供給した。電流密度
は40A/dm2とし、最終電圧(振幅)はアノードを650V、カソードを300Vと
した。音響振動を空気水力学的発生器を用いて槽内に生成させた。発生器の投入部におけ
る電解液の圧力は4.0バールとした。得られた被膜は緻密で、暗灰色を呈し、全厚みは
25±1μmで、2.5μmの厚みを有する多孔性外層を含んでいた。酸化された表面の
粗さはRa1.0μmで、被膜の微小硬度は850HVで、機能層の多孔度は5%であっ
た。
95%Ni3Alを含む金属間合金の試料を25℃に保たれたpH9.5の燐酸塩ー硼
酸塩電解液内で10分間酸化させた。周波数1,500Hzの二極性電気パルス(1つの
正パルスと2つの負パルス)を槽に供給した。電流密度は50A/dm2とし、最終電圧
(振幅)はアノードを630V、カソードを260Vとした。音響振動を空気水力学的発
生器を用いて槽内に生成させた。発生器の投入部における電解液の圧力は6.8バールと
した。得られた被膜は緻密で、白色を呈し、全厚みは30±1μmで、3μmの厚みを有
する多孔性外層を含んでいた。酸化された表面の粗さはRa0.9μmで、被膜の微小硬
度は700HVで、機能層の多孔度は3%であった。
実施例において記載された試験の結果を表1に示す。比較のために、表1は工業的周波
数電流を用いる公知の酸化プロセスによるデータも含む。
Figure 2008038256
本発明の好ましい特徴は本発明の全ての態様に適用可能であり、どのように組合せて用
いられてもよい。
本明細書の説明および特許請求の範囲を通じて、「備える(comprise)」および「含む(
contain)」という用語およびそれらの用語の変形、例えば、「備えている(comprising)」
および「備える(comprises)」は「包含するが限定はされない」ことを意味し、他の構成
部分、完全体、部分体、添加物、または工程を排除することを意図していない(すなわち
、排除するものではない)。
供給源と電解槽との間の回路を通過する電流パルス(正パルスおよび負パルス)の形状の時間依存性の好ましい形態を示すグラフである。 本発明の装置の実施形態を示す概念図である。 本発明のプロセスによって形成されたセラミック被膜の断面を示す断面図である。

Claims (28)

  1. 第1電極が取り付けられ、かつ水性アルカリ電解液で満たされる電解槽であって、他の
    電極が接続された物品が浸漬された電解槽内において、金属および合金にセラミック被膜
    を形成するプロセスであって、前記プロセスがプラズマ放電方式でなされるようにパルス
    電流が前記電極間に供給されるプロセスにおいて、
    i)前記電極に予め定められた周波数範囲を有する高周波の二極性電流パルスを供給す
    る工程と、
    ii)予め定められた音波周波数範囲の音響振動を前記電解液中に生成させる工程であ
    って、前記音響振動の周波数範囲は前記電流パルスの周波数範囲と重なるような工程と
    を備えるプロセス。
  2. 前記被膜はMg、Al、Ti、Nb、Ta、Zr、Hfといった金属もしくはそれらの
    合金、またはAl−Be、Ti−Al、Ni−Ti、Ni−Al、Ti−Nb、Al−Z
    n、Al−Al23,Mg−Al23といった化合物もしくは複合物に形成される請求項
    1に記載のプロセス。
  3. 各電流パルスはそのパルスの全持続時間の10%よりも大きくない時間内に最大値に至
    る電流の初期急勾配増大部分とそれに続く電流が最初は急速に減少してその後最大値の5
    0%以下まで徐々に減少する部分を含む形状を有している請求項1または2に記載のプロ
    セス。
  4. 前記音響振動は酸素による前記電解液の空気水力学的な飽和を生じさせる請求項1乃至
    3のいずれかに記載のプロセス。
  5. 前記電解液に酸素または空気が供給される請求項4に記載のプロセス。
  6. 超分散固体粒子を前記電解液内に導き、前記音響振動によって安定した水性ゾルを生成
    する工程をさらに備える請求項1乃至5のいずれかに記載のプロセス。
  7. 前記固体粒子は0.5μmよりも大きくない粒子径を有している請求項6に記載のプロ
    セス。
  8. 前記固体粒子は金属の酸化物、硼化物、炭化物、窒化物、珪化物、または硫化物の形態
    の化合物から構成される請求項6または7に記載のプロセス。
  9. 前記プラズマ放電方式はプラズマ電解酸化方式である請求項1乃至8のいずれかに記載
    のプロセス。
  10. 前記セラミック被膜は2から10μm/分の速度で形成される請求項1乃至のいずれか
    に記載のプロセス。
  11. 前記物品に印加される電流は3から200A/dm2の電流密度を有する請求項1乃至
    10のいずれかに記載のプロセス。
  12. 前記物品に印加される電流は10から60A/dm2の電流密度を有する請求項11に
    記載のプロセス。
  13. 前記電流パルスは少なくとも500Hzのパルス継続周波数を有する請求項1乃至12
    のいずれかに記載のプロセス。
  14. 前記パルス継続周波数は1,000から10,000Hzの範囲内にある請求項13に
    記載のプロセス。
  15. 金属および合金にセラミック被膜を形成する装置であって、電極を有する電解槽と、パ
    ルス電流を前記電極に送る供給源と、少なくとも1つの音響振動発生器を備える装置にお
    いて、
    i)前記供給源は前記電極に予め定められた周波数範囲の高周波の二極性電流パルスを
    供給するのに適応するようにされ、
    ii)前記少なくとも1つの音響振動発生器は前記槽内に含まれる電解液内に音響振動
    を生成させるのに適応するようにされ、前記音響振動は前記電流パルスの周波数範囲と重
    なる予め定められた音波周波数範囲を有する
    装置。
  16. 前記供給源は各電流パルスがそのパルスの全持続時間の10%よりも大きくない時間内
    に最大値に至る電流の初期急勾配増大部分とそれに続く電流が最初は急速に減少してその
    後最大値の50%以下まで徐々に減少する部分を含む形状を有するのに適応するようにさ
    れている請求項15に記載の装置。
  17. 前記少なくとも1つの音響発生器は電解液を流動させる少なくとも1つの投入部を有し
    ている空気水力学的共鳴器である請求項15または16に記載の装置。
  18. 前記少なくとも1つの空気水力学的共鳴器によって生成される音響振動は、前記空気水
    力学的共鳴器の前記投入部における前記電解液の流れの圧力を変更させることによって、
    制御される請求項17に記載の装置。
  19. 請求項1ないし14のいずれか1つに記載のプロセスによって金属または合金に形成さ
    れるセラミック被膜。
  20. 請求項15ないし18のいずれか1つに記載の装置を用いて金属または合金に形成され
    るセラミック被膜。
  21. 前記被膜は全被膜厚みの14%よりも大きくない厚みの多孔性外層を有する請求項19
    または20に記載のセラミック被膜。
  22. 金属または合金にプラズマ放電プロセスによって形成されるセラミック被膜であって、
    前記被膜は全被膜厚みの14%よりも大きくない厚みの多孔性外層を有するセラミック被
    膜。
  23. 前記多孔性外層は全被膜厚みの10%よりも大きくない厚みを備える請求項21または
    22に記載のセラミック被膜。
  24. 前記多孔性外層は全被膜厚みの8%よりも大きくない厚みを備える請求項21または2
    2に記載のセラミック被膜。
  25. 前記被膜は0.6から2.1μmの低い粗さ(Ra)の表面を有する請求項19ないし
    24のいずれか1つに記載のセラミック被膜。
  26. 金属または合金にプラズマ放電プロセスによって形成されるセラミック被膜であって、
    0.6から2.1μmの低い粗さ(Ra)の表面を有するセラミック被膜。
  27. 前記被膜は500から2100HVの微小硬度を有する緻密な微細多結晶性構造を有す
    る請求項19ないし26のいずれか1つに記載のセラミック被膜。
  28. 2から150μmの全厚みを有する請求項19ないし27のいずれか1つに記載のセラ
    ミック被膜。
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